JP7037986B2 - 電気自動車用防振ゴム組成物および電気自動車用防振ゴム部材 - Google Patents
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しかしながら、従来のように、カーボンブラックの配合量や粒子径,ストラクチャー等の因子を制御するだけでは、静的弾性率等の物性を低下させずに、先に述べたような高周波振動に対する、動的弾性率の低減と低動倍率化との両立を達成することは極めて難しい。
(A)ジエン系ゴム。
(B)カーボンブラック。
(C)下記の化学式(1)で表される(2Z)-4-[(4-アミノフェニル)アミノ]-4-オキソ-2-ブテン酸ナトリウムおよび下記の化学式(2)で表されるチオ硫酸S-(3-アミノプロピル)の少なくとも一方。
以下、本発明の防振ゴム組成物の構成材料について詳しく説明する。
上記ジエン系ゴム(A)としては、例えば、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。これらのなかでも、強度や低動倍率化の点で、天然ゴムが好適に用いられる。また、天然ゴム(NR)とブタジエンゴム(BR)とを併用すると、より低動倍率化するため、好ましい。このような効果が得られるようにするには、天然ゴム(NR)とブタジエンゴム(BR)とが、重量比で、NR/BR=100/0~70/30であることが望ましい。
つぎに、上記カーボンブラック(B)としては、例えば、SAF級,ISAF級,HAF級,MAF級,FEF級,GPF級,SRF級,FT級,MT級等の種々のグレードのカーボンブラックが用いられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。なかでも、高周波振動に対する動倍率の低下が促進されることから、FT級,MT級のカーボンブラックが、好ましく用いられる。
なお、上記カーボンブラック(B)のBET比表面積は、例えば、試料を200℃で15分間脱気した後、吸着気体として混合ガス(N2:70%、He:30%)を用いて、BET比表面積測定装置(マイクロデータ社製、4232-II)により測定することができる。
本発明の防振ゴム組成物には、特定のカーボンブラック用カップリング剤として、下記の化学式(1)で表される(2Z)-4-[(4-アミノフェニル)アミノ]-4-オキソ-2-ブテン酸ナトリウムおよび下記の化学式(2)で表されるチオ硫酸S-(3-アミノプロピル)の少なくとも一方が用いられる。すなわち、上記二種のカーボンブラック用カップリング剤は、それぞれを単独で用いても、併せて用いてもよい。
本発明の防振ゴム組成物においては、上記(A)~(C)の各成分とともに、必要に応じて、シリカ(D)が含有される。
上記シリカ(D)としては、例えば、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカ等が用いられる。そして、これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
なお、上記シリカ(D)のBET比表面積は、例えば、試料を200℃で15分間脱気した後、吸着気体として混合ガス(N2:70%、He:30%)を用いて、BET比表面積測定装置(マイクロデータ社製、4232-II)により測定することができる。
ェノールジスルフィド等の硫黄含有化合物等があげられる。これらは単独であるいは二種
以上併せて用いられる。
ここで、本発明の防振ゴム組成物は、その必須材料である(A)~(C)成分、および必要に応じて上記列記したその他の材料を用いて、これらをニーダー,バンバリーミキサー,オープンロール,二軸スクリュー式撹拌機等の混練機を用いて混練することにより、調製することができる。
RSS#3
ブタジエンゴム(日本ゼオン社製、ニポール1220)
堺化学工業社製、酸化亜鉛二種
花王社製、ルーナックS30
精工化学社製、オゾノン6C
FEF級カーボンブラック(東海カーボン社製、シーストSO、BET比表面積42m2/g)
昭和キャボット社製、ショウブラックIP200、BET比表面積52~70m2/g
FT級カーボンブラック(東海カーボン社製、シーストTA、BET比表面積19m2/g)
東ソー・シリカ社製、ニプシールVN3、BET比表面積200m2/g
出光興産社製、ダイアナプロセスNM300
チオ硫酸S-(3-アミノプロピル)(住友化学社製、SUMILINK100)
(2Z)-4-[(4-アミノフェニル)アミノ]-4-オキソ-2-ブテン酸ナトリウム(住友化学社製、SUMILINK200)
スルフィド系シランカップリング剤
スルフェンアミド系加硫促進剤
チウラム系加硫促進剤
軽井沢精錬所社製
上記各材料を、後記の表1および表2に示す割合で配合して混練することにより、防振ゴム組成物を調製した。なお、上記混練は、まず、加硫剤と加硫促進剤以外の材料を、バンバリーミキサーを用いて140℃で5分間混練し、ついで、加硫剤と加硫促進剤を配合し、オープンロールを用いて60℃で5分間混練することにより行った。
各防振ゴム組成物を用い、150℃×20分の加硫条件でプレス加硫して、シート形状(縦120mm、横120mm、厚み2mm)の加硫ゴム試料を作製した。その後、この加硫ゴム試料から、JIS K 6394に準じて、短冊状試験片を作成し、JIS K 6394に規定の引張り方法にて、上記短冊状試験片の静的弾性率(MPa)を算出測定した。上記測定は、-30℃~40℃の環境下において、5℃間隔で行い、周波数を横軸とし、弾性率を縦軸とするグラフを作成し、低温側の曲線グラフを水平移動させて、高周波数領域のマスターカーブを作成し、そこから、1Hzの弾性率を静的弾性率として読みとった。
そして、後記の表1および表2には、実施例1における静的弾性率の測定値(MPa)を100としたときの、各実施例および比較例における静的弾性率の測定値を指数換算したものを表記した。
また、後記の表1および表2には、上記指数換算した値が35以上であったものを「◎」、30以上35未満であったものを「○」、30未満であったものを「×」と評価した。
各防振ゴム組成物を用い、150℃×20分の加硫条件でプレス加硫して、シート形状(縦120mm、横120mm、厚み2mm)の加硫ゴム試料を作製した。その後、この加硫ゴム試料から、JIS K 6394に準じて、短冊状試験片を作成し、JIS K 6394に規定の引張り方法にて、上記短冊状試験片の動的弾性率(MPa)を算出測定した。上記測定は、-30℃~40℃の環境下において、5℃間隔で行い、周波数を横軸とし、弾性率を縦軸とするグラフを作成し、低温側の曲線グラフを水平移動させて、高周波数領域のマスターカーブを作成し、そこから、3000Hzの動的弾性率を読みとった。
そして、後記の表1および表2には、実施例1における動的弾性率の測定値(MPa)を100としたときの、各実施例および比較例における動的弾性率の測定値を指数換算したものを表記した。
また、後記の表1および表2には、上記指数換算した値が90未満であったものを「◎」、90以上120以下であったものを「○」と評価した。
上記のようにして測定した静的弾性率(MPa)と、上記のようにして測定した3000Hzの動的弾性率(MPa)から、「動的弾性率/静的弾性率」を求め、この値を、動倍率の値とした。そして、上記動倍率が1.35以下のものを「◎」、上記動倍率が1.35より大きく1.40以下のものを「○」、上記動倍率が1.40を超えるものを「×」と評価した。
2 カーボンブラック用カップリング剤
3 カーボンブラック
4 加硫剤による架橋部
Claims (9)
- 上記カーボンブラック(B)のBET比表面積が10~70m2/gの範囲である、請求項1記載の電気自動車用防振ゴム組成物。
- 上記カーボンブラック(B)100重量部に対し、上記(C)に示す化合物の含有量が0.05~10重量部の範囲である、請求項1または2記載の電気自動車用防振ゴム組成物。
- 更にシリカ(D)を、上記ジエン系ゴム(A)100重量部に対し3~40重量部の範囲で含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の電気自動車用防振ゴム組成物。
- 上記シリカ(D)のBET比表面積が30~500m2/gの範囲である、請求項4記載の電気自動車用防振ゴム組成物。
- 上記カーボンブラック(B)とシリカ(D)との含有比率が、重量比で、B/D=3/97~97/3の範囲である、請求項4または5記載の電気自動車用防振ゴム組成物。
- 更にシランカップリング剤を含有する、請求項4~6のいずれか一項に記載の電気自動車用防振ゴム組成物。
- 上記シリカ(D)100重量部に対し、上記シランカップリング剤の含有量が0.1~20重量部の範囲である、請求項7記載の電気自動車用防振ゴム組成物。
- 請求項1~8のいずれか一項に記載の電気自動車用防振ゴム組成物の加硫体からなることを特徴とする電気自動車用防振ゴム部材。
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