JP2017079222A - リアクトル装置 - Google Patents

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敏男 内堀
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浩 川嶋
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Abstract

【課題】コアからケースに伝達される振動の低減性能に優れたリアクトル装置を得る。【解決手段】ケース30の4つの隅部37a〜37dと、コア80の4つの入隅部85との間に、防振ブッシュ50A〜50Dが嵌装される空間部を形成し、各空間部内に、防振ブッシュ50A〜50Dを嵌装する。嵌装された防振ブッシュ50A〜50Dは、ケース30の各隅部37a〜37dとコア80の各入隅部85との双方を押圧して、コア80をケース30と非接触に保持するとともに、コア80で発生する磁歪振動を低減してケース30に伝達する。【選択図】図10

Description

本発明は、昇圧コンバータ等で使用されるリアクトル装置に関し、特にコイルとコアとを有するリアクトル体がケースに収容されたリアクトル装置に関する。
従来、ハイブリッド電気自動車(HEV)や電気自動車(EV)において、高出力の電動モータを駆動させるためのインバータと、車載バッテリ(直流電源)との間に配置されるコンバータの昇圧チョッパ回路におけるインダクタとして、リアクトル装置が用いられている。車載用のリアクトル装置は一般的に、導線が巻回されてなるコイルと、このコイル内に挿通される磁性体のコアとを有するリアクトル体が、ケース内に収容された状態で車体側に載置される。
リアクトル体をケース内に収容保持するための構造として、これまで種々の態様が提案されている。例えば、下記特許文献1には、平面形状がトラック形のコアを収納するケースに、コアの長手方向の両端部分が入り込む凹部を設け、その凹部の底面と側面のみに粘弾性体膜を形成し、その粘弾性体膜を介在させた状態でコアの両端部分を凹部内で支持する態様が開示されている。
また、下記特許文献2には、板バネ等の係合部材を用いて、リアクトル体のケースに対する水平方向の移動を許容するようにリアクトル体の両端部をケースに係合させ、リアクトル体を、ケースに締結固定せずにケース内でフローティングさせる態様が開示されている。
特許第4888649号公報 特許第5532129号公報
ケース内に収容されたリアクトル体が高いスイッチング周波数で駆動されると、磁束の変化に応じた磁歪現象によってコアが高周波数で振動し、この振動(以下「磁歪振動」とも称する)がケースを介して車体側に伝達され、不快な騒音の原因ともなることが知られている。
このような振動や騒音の発生を抑えるべく、コアの材料や構造を工夫して磁歪振動自体を抑えるなどの対策もとられているが、コアからケースに伝達される振動を低減させるための防振対策も重要となる。上記特許文献1、2に記載されたリアクトル装置においても一定の振動低減効果が得られるものの十分とは言えず、さらに振動低減性能(防振性能)に優れたリアクトル装置が要望されている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、コアからケースに伝達される振動の低減性能に優れたリアクトル装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るリアクトル装置は、以下の特徴を備えている。
本発明に係るリアクトル装置は、コイルと、前記コイルによって生じる磁束が通る磁気
回路の少なくとも一部を構成するコアとを有するリアクトル体、及び前記リアクトル体を収容するケースを備えたリアクトル装置であって、前記ケースは、前記コアの外側面部を囲む周壁部を有し、前記外側面部と前記周壁部との間には、防振用の弾性部材が嵌装されるように形成された空間部が、前記コアの周りに対称的に配された少なくとも3つの箇所に設けられ、前記弾性部材は、前記外側面部及び前記周壁部の双方に当接した状態で各前記空間部に嵌装され、前記コアを前記ケースと非接触に保持することを特徴とする。
このような特徴構成のリアクトル装置によれば、磁歪現象等により発生するコアの振動が主に防振用の弾性部材を介してケース(特に周壁部)に伝達される。各弾性部材は、コアの周りに対称的に配置されているので、コアの振動を効率良く減衰(低減)させてケースに伝達することが可能となる。したがって、ケースを介して外部に伝達される振動を効果的に減少させることができる。また、各空間部に弾性部材を嵌装することにより、コアをケースと非接触に保持することができるので、リアクトル体をケースに組付ける際の作業性も良い。
なお、「コアの周りに対称的に配された」とは、各空間部がコア(特にコアの物理的重心(質量中心)や幾何学的重心)を囲むように配置され、かつ各空間部の配設位置が対称性を有することを意味する。例えば、各空間部の配設位置をコアの周りに順番に直線で繋いでできる図形がコアの物理的重心や幾何学的重心を内包し、かつその図形が回転対称や線対称となる場合が挙げられる。
本発明に係るリアクトル装置において、前記空間部に嵌装された前記弾性部材を圧縮してその応力を高め、前記弾性部材から前記外側面部及び前記周壁部に作用する押圧力を増大させる増力機構をさらに備えることができる。
この態様のリアクトル装置によれば、弾性部材からコアの外側面部及びケースの周壁部に作用する押圧力を増大させることによって、弾性部材によるケースに対してのコアの固定力(ここでは、ケースとコアとの相対的な変位を抑制する力をいう)を高めることが可能となる。また、増力機構により弾性部材を圧縮したときに十分な押圧力が得られるようにすればよいので、圧縮する前の弾性部材の形状を空間部に嵌装し易いやや細身の形状とすることも可能であり、そのように構成することにより、弾性部材を空間部に嵌装する際の作業性を向上させることが可能となる。
また、本発明に係るリアクトル装置において、前記周壁部は外形が長方形状に形成されており、前記空間部は前記周壁部の各隅部に対応した4つの箇所に設けられているとすることができる。
この態様のリアクトル装置によれば、外形が長方形状(正方形状を含む)に形成された周壁部の4つの隅部に配置される防振用の弾性部材を介して、コアをケースに対してバランス良く保持することができるので、弾性部材による振動低減性能を高めることが可能となる。
また、本発明に係るリアクトル装置において、前記コアの一部が挿通される筒状部と、前記筒状部の一端から前記空間部の位置まで延伸する板状部と、を有するボビンを前記リアクトル体がさらに備え、前記増力機構は、前記空間部に嵌装された前記弾性部材を、前記板状部を介して圧縮しつつ、前記弾性部材を介して前記ボビンを前記ケースに固定するネジ部材を有するように構成してもよい。
この態様のリアクトル装置によれば、磁歪現象により発生するコアの振動がボビンに伝達された場合でも、その振動を弾性部材により減衰してケースに伝達することが可能とな
る。また、増力機構のネジ部材に、弾性部材を圧縮する機能とボビンをケースに固定する機能との2つの機能を持たせることができるので、ボビンを介してリアクトル体をケースに固定する作業と、弾性部材の押圧力を増大させる作業を同時に行うことが可能となる。このため、リアクトル体をケースへ組付ける際の作業性を向上させることも可能となる。
また、本発明に係るリアクトル装置において、前記弾性部材は、前記増力機構により圧縮される方向に当該弾性部材内を貫通する孔部を有し、前記孔部内には、前記ネジ部材の軸部を挿通可能な筒状部材が配置されるように構成してもよい。
この態様のリアクトル装置によれば、筒状部材を介在させた状態で弾性部材の孔部内にネジ部材の軸部を挿通させることができるので、ネジ部材の軸部が孔部内において弾性部材と接触して弾性部材が損傷することを防止し得るとともに、弾性部材の孔部内にネジ部材の軸部を挿通させる際の作業性を向上させることが可能となる。
本発明に係るリアクトル装置によれば、上述の特徴構成を備えたことにより、コアからケースに伝達される振動を効果的に低減することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るリアクトル装置を組付ユニットとケースとに分けた状態で示す斜視図である。 上記リアクトル装置のコイルの斜視図である。 上記リアクトル装置のコアの斜視図である。 上記リアクトル装置のボビンの斜視図である。 上記リアクトル装置の防振ブッシュの斜視図である。 上記リアクトル装置の平面図である。 上記リアクトル装置の図6に示すJ−J切断線に沿った断面図である。 上記リアクトル装置の図6に示すK−K切断線に沿った断面図である。 上記リアクトル装置の図6に示すL−L切断線に沿った部分断面図である。 上記リアクトル装置のコアとケースとの位置関係((A)は防振ブッシュを図示しない状態、(B)は防振ブッシュを図示した状態)を示す平面図である。 本発明の他の実施形態に係るリアクトル装置の平面図である。
以下、本発明に係るリアクトル装置の実施形態について、上記図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態のリアクトル装置は、電動機の駆動力により走行する自動車(HEVやEV等)に搭載された昇圧コンバータで使用される車載用のリアクトル装置である。
〈リアクトル装置の構成〉
本発明の一実施形態に係るリアクトル装置10は、図1に示すように、組付用ユニット20とケース30とに大別され、組付用ユニット20はさらに、リアクトル体40と4つの防振ブッシュ50A〜50D(図1では図中奥側の防振ブッシュ50D(図5を参照)が隠れて見えない)と4つの組付用ネジ60A〜60Dとに小別される。
(ケース)
上記ケース30は、上記リアクトル体40を収容する有底箱状の金属製ケース(例えば、アルミニウム合金で構成されるが、他の合金や合成樹脂等の他の材料で構成してもよい)であり、図1に示すように、正方形状の底板部31と、底板部31の各辺に立設された4つの縦壁部32a〜32dからなる周壁部33とを備えてなる。4つの縦壁部32a〜
32dのうち、2つの縦壁部32a,32cの上縁部の両端側の部分には、中央部分よりも一段低く形成された凹部35a,35bが形成されている。また、ケース30内の4つの隅部37a〜37dの図中下端側の部分には、所定の高さを有する台座部34a〜34dがそれぞれ形成されており、各台座部34a〜34dには、内周面に雌ネジ(図示略)が螺刻されたネジ穴36が形成されている。
(リアクトル体)
上記リアクトル体40は、コイル70とコア80とボビン90とを備えてなる。コイル70は、図2に示すように、平角型の導線(平角線)が筒状に単層巻回されてなる一対の巻線部71a,71b(各導線の区分(境界線)は図示略)と、各巻線部71a,71bの一端側に設けられたリード線部72a,72bと、各巻線部71a,71bを互いに電気的に連結する連結線部(図示略)とを有してなる、エッジワイズ型のコイルである。なお、コア80を構成する材料としては、例えば、ケイ素鋼板や種々の圧粉コア等の磁性材料が挙げられる。
上記コア80は、図3に示すように、互いに対向するように配置された一対のベースコア81A,81Bと、2つのベースコア81A,81Bを連結するようにこれらの間に並列配置された一対の脚部コア82A,82Bを備えてなる。2つのベースコア81A,81Bは、互いに同一形状に形成されており、各々の幅方向両端部には、L字型に抉り取られたように形成された入隅部85が設けられている。一方、脚部コア82Aは、3つのブロックコア83A〜83Cと、4つのギャップスペーサ84A〜84D(図3では図中手前側のギャップスペーサ84A(図10を参照)が隠れて見えない)とにより構成されており、同じく脚部コア82Bは、3つのブロックコア83D〜83Fと、4つのギャップスペーサ84E〜84H(図3では図中手前側のギャップスペーサ84E(図10を参照)が隠れて見えない)とにより構成されている。
6つのブロックコア83A〜83Fは、互いに同一形状に形成されており、各々の一方の端面には、柱状の凸部86が形成されている(図10を参照)。この凸部86は、隣接して配置される他のコア部材(ブロックコアまたはベースコア)との間のギャップが、凸部86が形成された部分では狭く、形成されていない部分では広くなるように構成されている。8つのギャップスペーサ83A〜83Hは、非磁性及び非導電性の材料(例えば、合成樹脂とするが、セラミックス等の他の材料としてもよい)により形成されており、2つのコア部材間に挟持されて両者間に所定のギャップ長を確保するように構成されている。
上記ボビン90は、図4に示すように、非導電性の材料(例えば、合成樹脂)により形成された2つのボビン部材91A,91Bを有してなる。各ボビン部材91A,91Bは、互いに同一形状に形成されており、2つの筒状部92a,92bと、2つの筒状部92a,92bの一端部同士を連結する矩形板状の鍔部93と、鍔部93の図中上端部から鍔部93に対し直角に延出する板状の上縁部94と、鍔部93の図中下端部から鍔部93に対し直角に延出する板状の下縁部95と、鍔部93の図中幅方向両端部にそれぞれ設けられた側縁部96a,96bとが、互いに一体に形成されてなる。上記上縁部94は、平面視において、その両端側の部分が中央部分よりも突出した形状に形成されており(以下、突出した両端側の部分を「凸縁部97a,97b」と称する)、各凸縁部97a,97bには、孔部98a,98bが形成されている。
上記ボビン90には、2つのボビン部材91A,91Bが、図4に示すように互いに対向するように配置された状態において、上記コア80(図3を参照)がセットされる。具体的には、コア80のベースコア81A,81Bが、ボビン部材91A,91Bの各鍔部93と対向するように(詳細には鍔部93の、上縁部94と下縁部95と側縁部96a,
96bとにより囲まれたスペース内に収まるように)配置され、コア80の脚部82A,82Bが、ボビン部材91A,91Bの各筒状部92a,92bの内部に挿通されることによりコア80がボビン90にセットされる。なお、コア80がボビン90にセットされた状態において、脚部82Aのブロックコア83Bと脚部82Bのブロックコア83Eは、筒状部92a,92bの間に位置するが、その周囲には絶縁性の保護テープが巻回されて露出しないようになっている。また、コア80をボビン90にセットする際に、各コア部材(ベースコア81A,81B及びブロックコア83A〜83F)を、ギャップスペーサ84A〜84Hを介して接着剤等により互いに接着してもよい。
また、ボビン90には、コア80と共に、上記コイル70(図2を参照)もセットされる。具体的には、コイル70は、その巻線部71a,71bの内部に、ボビン90の各筒状部92a,92bを介してコア80の各脚部82A,82Bが挿通された状態で、ボビン90にセットされる。ボビン90にコア80とコイル70がセットされることにより、上記リアクトル体40(図1を参照)が構成される。
(防振ブッシュ)
上記防振ブッシュ50A〜50Dは、図5に示すように、弾性部材(例えば、ゴムやシリコンとするが、他の材料としてもよい)により、互いに同一形状に形成されている。各防振ブッシュ50A〜50Dは、全体的には柱状に形成されているが、その先端部分(図中下端部分)には全周に亘りテーパ面51が形成され、これにより先細りの形状となっている(これにより、各防振ブッシュ50A〜50Dを後述の空間部に嵌装し易くなる)。また、各防振ブッシュ50A〜50Dには、その軸方向(図中上下方向)に貫通する挿通孔52(図5では、防振ブッシュ50Bのみに図示する)が形成されており、その内部には、金属製(樹脂等の他の材料で構成してもよい)の円筒状のスリーブ53(図5では、防振ブッシュ50Bのスリーブ53(図9を参照)は不図示)が挿入配置されている。
各スリーブ53は、互いに同一形状に形成されており、その内部には、上記組付用ネジ60A〜60Dが挿通されるように構成されている(スリーブ53を設けることにより、組付用ネジ60A〜60Dを直接、防振ブッシュ50A〜50Dの挿通孔52に挿通する場合よりも、挿通し易くなる。また、防振ブッシュ50A〜50Dが組付用ネジ60A〜60Dによって損傷することも防げる)。なお、各スリーブ53は、防振ブッシュ50A〜50Dに配置された状態において、その上端部が防振ブッシュ50A〜50Dの上面から突出するように構成され、その突出した部分が、上記ボビン90の上記凸縁部97a,97bに形成された孔部98a,98b内に挿入されるようになっている(これにより、各防振ブッシュ50A〜50Dを上記リアクトル体40へ組付ける際の位置決めが容易となる)。
(組付用ネジ)
上記組付用ネジ60A〜60Dは、互いに同一形状に形成されており、図1に示すように、頭部61と軸部62(図1において組付用ネジ60Dの軸部62は隠れて見えない)とを有してなる。上記軸部62の周面には雄ネジ(図示略)が螺刻されており、この雄ネジが、上記ケース30の各台座部34a〜34dに形成されたネジ穴36内の雌ネジと螺合するように構成されている。また、組付用ネジ60A〜60Dは、ケース30の各台座部34a〜34dと共に、本実施形態における増力機構(その作用については後述する)を構成している。
リアクトル体40は、防振ブッシュ50A〜50Dを介在させた状態でケース30内に収容され、さらに組付用ネジ60A〜60Dによりケース30に固定されることにより、リアクトル装置10が構成される(図6〜8を参照)。
図10は、リアクトル体40をケース30内に収容したときのコア80とケース30との位置関係を分かり易く示した図(コイル70やボビン90を非表示としている)である。図10(A)に示すように、リアクトル体40(コア80)をケース30内に収容した状態では、ケース30の4つの隅部37a〜37dにおいて、ケース30とコア80との間(詳細には、隅部37aと台座部34aとベースコア81Aの図中左側の入隅部85との間、隅部37bと台座部34bとベースコア81Aの図中右側の入隅部85との間、隅部37cと台座部34cとベースコア81Bの図中右側の入隅部85との間、及び隅部37dと台座部34dとベースコア81Bの図中左側の入隅部85との間)に、互いに同一の大きさの、防振ブッシュ嵌装用の空間部(スペース)が形成される。
そして、図10(B)に示すように、上記空間部内に、防振ブッシュ50A〜50Dがそれぞれ嵌装されることにより、コア80がケース30に対して非接触に保持されるようになっている。防振ブッシュ50A〜50Dの平面視における大きさ(図10中の縦方向及び横方向の長さ)は、上記空間部にぴったり収まるように形成されている。換言すれば、防振ブッシュ50A〜50Dを介在させた状態で、リアクトル体40をケース30内に収容することにより、ケース30とコア80との間に位置する防振ブッシュ50A〜50Dによってケース30の各隅部37a〜37dに、互いに同一の大きさとなる空間部が確保されるようになっている。
防振ブッシュ50A〜50Dを介在させた状態でケース30内に収容されたリアクトル体40は、組付用ネジ60A〜60Dによりケース30に固定される。組付用ネジ60A〜60Dは、リアクトル体40をケース30に固定する機能の他に、防振ブッシュ50A〜50Dを圧縮してその応力を高め、防振ブッシュ50A〜50Dからリアクトル体40(特にコア80の入隅部85)及びケース30(特に周壁部33の各隅部37a〜37d)に作用する押圧力を増大させる機能(増力機構としての機能)も有している。
すなわち、図9に示すように、組付用ネジ60B(ここでは、図9に示す組付用ネジ60Bを代表させて説明するが、他の組付用ネジについても同様である)は、その軸部62の先端部分が、ボビン90(特にボビン部材91Aの凸縁部97b)及び防振ブッシュ50Bを介して、ケース30の台座部34Cのネジ穴36に螺入され、これによりリアクトル体40をケース30に固定する。一方、組付用ネジ60Bは、ネジ穴36に螺入される際に、上記凸縁部97bを介して防振ブッシュ50Bを上記台座部34Cに向けて圧縮する。この圧縮により防振ブッシュ50Bの応力が高まり、防振ブッシュ50Bを太くさせる力が働くことによって、防振ブッシュ50Bからコア80の入隅部85及びケース30の隅部37bに作用する押圧力が増大する。また、この押圧力の増大により、各防振ブッシュ50A〜50Dからコア80に対して、コア80を構成する各部材(ベースコア81A,81B、ブロックコア83A〜83F、ギャップスペーサ84A〜84H)を一体的に保持する力(隣接する部材同士を互いに押し付ける力)が作用し、これにより、コア80で発生する磁歪振動等を抑制する効果が得られる。
なお、図9に示すように、防振ブッシュ50Bが上下方向に圧縮された状態では、ボビン部材91Aの凸縁部97bの上面から台座部34Cの上面までの距離(以下「面間距離」と称する)が、防振ブッシュ50Bの挿通孔52内に挿入配置されたスリーブ53の長さ(図中上下方向の長さ)と一致している。これに対し、防振ブッシュ50Bが圧縮される前の状態においては、防振ブッシュ50Bが図9に示す状態よりも上下方向に伸長しており、このため、上記面間距離がスリーブ53の長さよりも大となる状態(スリーブ53の下端が台座部34Cの上面から離れた状態)となっている。すなわち、防振ブッシュ50Bは、圧縮前の状態から、上記面間距離がスリーブ53の長さと一致するまでの間、上下方向に圧縮可能となっており、スリーブ53は、防振ブッシュ50Bが圧縮される際のストッパとして機能する。
リアクトル体40がケース30内に収容固定された状態において、リアクトル体40(コイル70、コア80及びボビン90)は、防振ブッシュ50A〜50Dが介在することにより、ケース30に対し非接触に保持される(図6〜10を参照)。具体的には、ボビン90がケース30に対し最も近接することになるが、図6,7に示すように、ボビン部材91A,91Bの凸縁部97a,97bの端縁とケース30の縦壁部32b,32dとの間には所定の隙間が確保されるようになっている。同様に、図8に示すように、上記凸縁部97a,97bの下面とケース30の凹部35a,35bの上面との間にも所定の隙間が確保され、ボビン部材91A,91Bの下縁部95の下面とケース30の底板部31との間にも所定の隙間が確保されるようになっている。なお、リアクトル体40をケース30内に収容固定した後に、リアクトル体40とケース30との間に、樹脂材料(例えば、ウレタン樹脂やシリコン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる)を充填するようにしてもよい。また、ケース30の底板部31とコイル70の各巻線部71a,71bとの間に、熱伝導性の高い放熱シートを配置してもよい。
なお、4つの防振ブッシュ50A〜50Dが嵌装される各空間部は、コア80の周りに対称的に配置されている(図10を参照)。具体的には各空間部の配設位置をコア80の周りに順番に直線で繋いでできる図形は正方形となり、この正方形は、コア80の重心(平面視において、ケース30の周壁部33の2つの対角線の交点と略一致する)を内包し、かつ回転対称及び線対称の図形となる。
〈リアクトル装置の作用〉
本実施形態のリアクトル装置10は、電気自動車等に搭載されるコンバータの昇圧チョッパ回路に実装されて使用される。昇圧チョッパ回路においてリアクトル体40が高いスイッチング周波数で駆動されると、コア80において高周波数の磁歪振動が発生するが、この磁歪振動は、コア80とケース30との間においてコア80の周りに対称的に配された防振ブッシュ50A〜50Dにより十分に低減されてケース30に伝達される。また、コア80はボビン90と接触しているため、コア80の磁歪振動はボビン90にも伝達されるが、この伝達された振動も、ボビン90とケース30との間に位置する防振ブッシュ50A〜50Dにより十分に低減されてケース30に伝達されることとなる。このため、コア80からケース30に伝達した振動がさらに外部(車体側)へと伝達され、不快な騒音の原因になることを防止することができる。なお、コア80からボビン90へと伝達された振動は、防振ブッシュ50A〜50Dを介さずに、組付用ネジ60A〜60Dを介してケース30に伝達されることとなる。この経路により伝達される振動は微小であり特に問題とはならないが、組付用ネジ60A〜60Dとボビン90との間に防振ゴム等を配置して、この経路により伝達される振動の低減を図るようにしてもよい。
〈変更態様〉
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に態様が限定されるものではなく、種々に態様を変更することが可能である。
例えば、上記実施形態においては、防振用の弾性部材(防振ブッシュ50A〜50D)が嵌装される空間部が、コアの周りに計4箇所配置されているが、空間部は、コアの形状に応じて3箇所としてもよいし5箇所以上としてもよい。図11は、空間部を3箇所に配置した場合の実施形態を示している。
図11に示すリアクトル装置110は、コイル170とコア180とを有するリアクトル体140が、3つの防振ブッシュ150A〜150Cを介して、ケース130内に収容保持されてなる。上記ケース130は、円形の底板部131と、底板部131の周縁に立設された円環状の周壁部133とを備え、周壁部133の内周面の3つの箇所には、周壁
部133の中心に向かって延出する支持部138a〜138cが設けられている。また、各支持部138a〜138cには、凹部139a〜139cが形成されている。
一方、コア180は円環状に形成され、その外側面の3つの箇所には、凹部187a〜187cが形成されている。また、コア180には、コイル170の3つの巻線部171a〜171cが巻回されている。リアクトル体140は、コア180の各凹部187a〜187cが、ケース130の各凹部139a〜139cと対向する状態で、ケース130内に収容される。この状態において、コア180の各凹部187a〜187cとケース130の各凹部139a〜139cとの間には、防振ブッシュ150A〜150Cが嵌装される3つの空間部が形成され、この各空間部内に防振ブッシュ150A〜150Cが嵌装されることにより、リアクトル体140がケース130に非接触で保持される。
この実施形態においても、3つの防振ブッシュ150A〜150Cが嵌装される各空間部は、コア180の周りに対称的に配置されている。具体的には各空間部の配設位置をコア180の周りに順番に直線で繋いでできる図形は正三角形となり、この正三角形は、コア180の重心Gを内包し、かつ回転対称及び線対称の図形となる。
その他の変更態様として、ケースの周壁部の外形を、多角形状(ひし形や平行四辺形、台形等の四角形状を含む)や楕円形状、直線と曲線とを組合せた形状としてもよい。ケースに蓋を設けたり、底の無いケースを用いたりすることも可能である。また、丸線を巻回したコイルを用いてもよい。
また、上述のボビン90は、筒状部92a,92bで分割される2つのボビン部材91A,91Bにより構成されているが、筒状部が連続的に一体に形成されたボビンや、鍔部で複数のボビン部材に分割可能なボビンを用いることも可能である。さらに、上述のボビン90では、防振ブッシュ50A〜50Dとネジ部材60A〜60Dとの間に介在する板状部(凸縁部97a,97b)が、ボビン90と一体に形成されている(筒状部92a,92bの一端から空間部の位置まで延伸するように形成されている)が、このような板状部をボビンと別体に構成してもよい。
また、上記実施形態では、車載用のリアクトル装置としているが、本発明は車載用のものに適用が限定されるものではなく、例えば、太陽光発電パネルにおいて使用されるリアクトル装置など、リアクトル体がケース内に収容されてなる任意のリアクトル装置に適用することが可能である。
10,110 リアクトル装置
20 組付ユニット
30,130 ケース
33,133 周壁部
34a〜34d 台座部
36 ネジ穴
37a〜37d 隅部
40,140 リアクトル体
50A〜50D,150A〜150C 防振ブッシュ
51 テーパ面
52 挿通孔
53 スリーブ
60A〜60D 組付用ネジ
70,170 コイル
71a,71b,171a〜171c 巻線部
72a,72b リード線部
80,180 コア
81A,81B ベースコア
82A,82B 脚部コア
83A〜83H ギャップスペーサ
83A〜83F ブロックコア
90 ボビン
91A,91B ボビン部材
92a,92b 筒状部
93 鍔部
97a,97b 凸縁部

Claims (5)

  1. コイルと、前記コイルによって生じる磁束が通る磁気回路の少なくとも一部を構成するコアとを有するリアクトル体、及び前記リアクトル体を収容するケースを備えたリアクトル装置であって、
    前記ケースは、前記コアの外側面部を囲む周壁部を有し、
    前記外側面部と前記周壁部との間には、防振用の弾性部材が嵌装されるように形成された空間部が、前記コアの周りに対称的に配された少なくとも3つの箇所に設けられ、
    前記弾性部材は、前記外側面部及び前記周壁部の双方に当接した状態で各前記空間部に嵌装され、前記コアを前記ケースと非接触に保持することを特徴とするリアクトル装置。
  2. 前記空間部に嵌装された前記弾性部材を圧縮してその応力を高め、前記弾性部材から前記外側面部及び前記周壁部に作用する押圧力を増大させる増力機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のリアクトル装置。
  3. 前記周壁部は外形が長方形状に形成されており、前記空間部は前記周壁部の各隅部に対応した4つの箇所に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のリアクトル装置。
  4. 前記コアの一部が挿通される筒状部と、前記筒状部の一端から前記空間部の位置まで延伸する板状部とを有するボビンを、前記リアクトル体がさらに備え、
    前記増力機構は、前記空間部に嵌装された前記弾性部材を、前記板状部を介して圧縮しつつ、前記弾性部材を介して前記ボビンを前記ケースに固定するネジ部材を有することを特徴とする請求項2または請求項2を引用する請求項3に記載のリアクトル装置。
  5. 前記弾性部材は、前記増力機構により圧縮される方向に当該弾性部材内を貫通する孔部を有し、前記孔部内には、前記ネジ部材の軸部を挿通可能な筒状部材が配置されることを特徴とする請求項4に記載のリアクトル装置。
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