JP2008255247A - 防振ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、防振ゴム組成物に関し、特に自動車等の車両のエンジンマウント、ストラットマウント、ボディマウント、サスペンションブッシュなどの各種防振ゴムとして用いることができる防振ゴム組成物に関するものである。
自動車等の車両にはエンジンや車体の振動を吸収し、乗り心地の向上や騒音を防止するためのエンジンマウント等の防振ゴムが用いられており、従来、かかる防振ゴムのための防振ゴム組成物として種々の提案がなされている(例えば、下記特許文献1参照)。
一般に、防振ゴムにおいては、広い周波数及び振幅領域に対して防振ゴム特性を発揮できるゴム組成物が望まれる。特に、エンジンマウントにおいて使用されるような防振ゴム組成物においては、高い減衰性を示し、かつ低い動倍率(動ばね定数/静ばね定数)を有するものほど高性能と言える。しかしながら、高減衰性と低動倍率とは二律背反の関係にあり、一方を改良しようとすると他方が悪化してしまう。
ところで、下記特許文献2,3には、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)やエチレンメタクリル酸系ポリマーなどの極性ポリマーをベース材料に用い、これに2−[2’−ハイドロキシ−3’−(3”,4”,5”,6”−テトラハイドロフタリミデメチル)−5’−メチルフェニル]−ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール化合物を添加することで減衰性を向上させることが開示されている。しかしながら、これらの文献において、ベンゾトリアゾール化合物は、極性ポリマーからなるベース材料における極性モーメント量を増加させる活性成分として添加されており、これにより、単に減衰性が向上されるにすぎない。そのため、低動倍率化には逆行するものである。また、本発明により効果が確認された特定のベンゾトリアゾール化合物についても開示されていない。
また、下記特許文献4〜6にも、ベンゾトリアゾール化合物を添加することで防振ゴムの減衰性を向上させることが開示されているが、特許文献2,3と同様、本発明が意図する低動倍率化には逆行するものであり、また、本発明で用いる特定のベンゾトリアゾール化合物についても開示されていない。
また、下記特許文献7にもベンゾトリアゾール化合物を配合したゴム組成物が開示されているが、この文献は、タイヤ用ゴム組成物に関するものであり、防振ゴム組成物における低動倍率化を何ら示唆するものではない。また、この文献は、シリカ配合系のゴム組成物に関するものであるため、カーボンブラック配合を対象とする本発明とは異なり、更に、本発明で用いる特定のベンゾトリアゾール化合物についても開示されていない。
特開2001−240702号公報
国際公開WO01/072891
特開2002−294212号公報
特開平11−181308号公報
特開2006−051921号公報
特開2006−283428号公報
特開2000−026661号公報
本発明は、減衰性を悪化させることなく、低動倍率化を図ることができる防振ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、カーボンブラック配合の防振ゴム組成物において、二律背反の関係にある高減衰性と低動倍率化につき、より高い要求を満たすべく鋭意検討していく中で、特定のベンゾトリアゾール化合物を配合することにより、減衰性を低下させることなく、低動倍率化を図ることが可能となることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る防振ゴム組成物は、ジエン系ゴムと、カーボンブラックと、硫黄と、前記ジエン系ゴム100重量部に対して0.5〜8重量部の下記式(1)又は式(2)で表されるベンゾトリアゾール化合物と、を含有するものである。
式(2)中、Rは炭素数7〜9のアルキル基である。
本発明によれば、上記特定のベンゾトリアゾール化合物を添加することにより、防振ゴム組成物の減衰性を悪化させることなく、動倍率を低減することができる。
以下、本発明の実施に関連する事項について詳細に説明する。
本発明の防振ゴム組成物において、上記ジエン系ゴムとしては、一般に防振ゴム組成物に用いられている各種ジエン系ゴムを用いることができる。特に、本発明では、極性ポリマーを必須とする上記従来技術と異なり、ジエン系ゴムとして、炭化水素のみからなる非極性ポリマーを用いることができ、その使用が推奨される。例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)などが好ましいものとして挙げられ、これらはそれぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。より好ましくは、天然ゴム単独、又は、天然ゴムを主成分(50phr以上)として他のジエン系ゴムをブレンドしたものを用いることである。
本発明の防振ゴム組成物において、上記カーボンブラックとしては、特に限定されず、一般に防振ゴム組成物に用いられているグレードのカーボンブラックを用いることができる。具体的には、SRF、GPF、FEFのグレードに属するカーボンブラックが挙げられる。カーボンブラックの配合量は特に限定されないが、上記ジエン系ゴム100重量部に対して20〜80重量部であることが好ましく、より好ましくは30〜60重量部である。
本発明の防振ゴム組成物は、硫黄架橋系のゴム組成物である。かかる架橋剤としての硫黄の配合量は特に限定されないが、上記ジエン系ゴム100重量部に対して0.3〜5重量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜3重量部である。
本発明の防振ゴム組成物は、上記式(1)又は式(2)で表される特定のベンゾトリアゾール化合物を配合することを特徴とする。式(1)で表される化合物は、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールであり、例えば、塗料用添加剤として、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製「TINUVIN PS」が市販されており、その使用が推奨される。
式(2)で表される化合物は、3−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル]プロピオン酸のアルキルエステルである。式中のRは、炭素数7〜9のアルキル基であり、直鎖でも側鎖を持つものでもよい。好ましくは、炭素数7〜9の側鎖及び直鎖のアルキル基の混合物であり、そのようなアルキル基を持つものとして、例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製「TINUVIN 99−2」が市販されており、その使用が推奨される。
上記特定のベンゾトリアゾール化合物は、上記ジエン系ゴム100重量部に対して0.5〜8重量部配合される。該ベンゾトリアゾール化合物の配合量が少なすぎると、動倍率の低減効果に劣る。また、配合量を10重量部以上にまで増加させても、動倍率の更なる改良はみられず、逆に減衰性が顕著に低下してしまう。かかる観点より、上記ベンゾトリアゾール化合物の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対して1〜5重量部であることが好ましく、より好ましくは1〜3重量部である。
本発明に係る防振ゴム組成物には、上記した各成分の他に、老化防止剤、亜鉛華、ステアリン酸、軟化剤、加硫促進剤など、防振ゴム組成物において通常に用いられる各種添加剤を配合することができる。
本発明に係る防振ゴム組成物は、通常の方法、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ローラーなどの混練機を用いて混練りすることにより得られ、所定形状に成形加工後、加硫を行うことで、防振ゴム材を得ることができる。
上記防振ゴム材の具体例としては、エンジンマウント、ストラットマウント、ボディマウント、キャブマウント、メンバーマウント、デフマウントなどのマウント、サスペンションブッシュ、アームブッシュ、トルクブッシュなどのブッシュ、マフラーハンガー、ダンパープーリ、ダイナミックダンパーなどの自動車を始めとする各種車両の防振ゴム材(防振装置)が挙げられる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(第1実施例)
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合に従い、実施例及び比較例の各防振ゴム組成物を調製した。表1中の各成分は以下の通りである。
バンバリーミキサーを使用し、下記表1に示す配合に従い、実施例及び比較例の各防振ゴム組成物を調製した。表1中の各成分は以下の通りである。
・NR:天然ゴム(RSS#3)、
・カーボンブラック:GPF、東海カーボン株式会社製「シーストV」、
・オイル:ジャパンエナジー株式会社製「プロセスX−140」、
・亜鉛華:三井金属鉱業株式会社製「亜鉛華1号」、
・老化防止剤:大内新興化学工業株式会社製「ノクラック6C」。
・カーボンブラック:GPF、東海カーボン株式会社製「シーストV」、
・オイル:ジャパンエナジー株式会社製「プロセスX−140」、
・亜鉛華:三井金属鉱業株式会社製「亜鉛華1号」、
・老化防止剤:大内新興化学工業株式会社製「ノクラック6C」。
・ベンゾトリアゾール化合物(1):チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製「TINUVIN PS」。式(1)で表される2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール。
・ベンゾトリアゾール化合物(2):チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製「TINUVIN 99−2」。式(2)で表される3−[3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル]プロピオン酸の炭素数7〜9側鎖及び直鎖アルキルエステル95重量%と、2−メトキシ−1−メチルエチルアセテート5重量%の混合物。
・硫黄:細井化学工業株式会社製「ゴム用粉末硫黄150メッシュ」、
・加硫促進剤:大内新興化学工業株式会社製「ノクセラーTT−P」。
・加硫促進剤:大内新興化学工業株式会社製「ノクセラーTT−P」。
各ゴム組成物を150℃×20分間の加硫条件で加硫して直径50mm×高さ25mmの円柱サンプルを作製し、振動試験機を用いて、静ばね定数と動ばね定数と減衰係数を測定した。静ばね定数(Ks)は、20%まで圧縮させた際の応力・変位から算出した(単位はN/mm)。動ばね定数(Kd)は、10%圧縮後、周波数100Hz、振幅±0.2%で振動させ、JIS K6394に記載の計算方法によりを算出した。そして、動倍率を、静ばね定数に対する動ばね定数の比(Kd/Ks)として算出した。また、減衰係数は、周波数15Hz、振幅±2%で振動させて測定した。結果を表1に示す。
表1に示すように、式(1)又は式(2)で表される特定のベンゾトリアゾール化合物を配合した実施例1〜6では、コントロールである比較例1に対して、減衰性を悪化させることなく(すなわち、比較例1とほぼ同等に保ちながら)、動倍率を低減することができた。
これに対し、上記特定のベンゾトリアゾール化合物の配合量が多すぎる比較例2,3では、動倍率の改良効果は実施例1〜6と同等であったが、減衰性が大きく低下していた。
上記特定のベンゾトリアゾール化合物の代わりに、式(3)で表されるベンゾトリアゾール自身を配合した比較例4では、動倍率が大幅に悪化しており、本発明の効果は得られなかった。
また、上記特定のベンゾトリアゾール化合物に類似するものとして、上記特許文献3に開示された式(4)〜(6)で表されるベンゾトリアゾール化合物を配合した比較例5〜7でも、動倍率の低減効果は認められなかった。このように、従来技術に開示された式(4)〜(6)のベンゾトリアゾール化合物は、本発明のベンゾトリアゾール化合物とかなり類似した構造を有しているにもかかわらず、本発明で得られたような動倍率低減効果は発現されておらず、上記式(1)及び式(2)の化合物特有の効果であるといえる。
このように本発明の上記特定のベンゾトリアゾール化合物により動倍率が改良される理由は必ずしも明らかではないが、実施例のゴム組成物についてペイン効果測定を行ったところ、ΔG’が減少していることが確認され、カーボンブラックの分散性が向上していた。一方、比較例5〜7のゴム組成物では、カーボンブラックの分散性は、コントロールである比較例1に対し、悪化するか若しくはほとんど変化していなかった。そのため、かかる分散性の向上が動倍率改良の一因であると考えられる。また、式(4)の化合物は式(1)の化合物に比べて、ブチル基がメチル基に置換されただけであるが、この置換により親油性が低下し、ゴムへの親和性が低減したためか、ブルームを引き起こしていた。このことも動倍率悪化の原因であると考えられる。
(第2実施例)
バンバリーミキサーを使用し、下記表2に示す配合に従い、実施例及び比較例の各防振ゴム組成物を調製した。表2中の「BR」はJSR株式会社製「BR01」であり、その他の各成分は第1実施例と同じである。
バンバリーミキサーを使用し、下記表2に示す配合に従い、実施例及び比較例の各防振ゴム組成物を調製した。表2中の「BR」はJSR株式会社製「BR01」であり、その他の各成分は第1実施例と同じである。
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WO2012133348A1 (ja) * | 2011-03-30 | 2012-10-04 | 東海ゴム工業株式会社 | 液体封入式防振ゴム装置 |
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2007
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WO2012133348A1 (ja) * | 2011-03-30 | 2012-10-04 | 東海ゴム工業株式会社 | 液体封入式防振ゴム装置 |
JP2012207160A (ja) * | 2011-03-30 | 2012-10-25 | Tokai Rubber Ind Ltd | 液体封入式防振ゴム装置 |
CN103299101A (zh) * | 2011-03-30 | 2013-09-11 | 东海橡塑工业株式会社 | 液体封入式隔振橡胶装置 |
US8955831B2 (en) | 2011-03-30 | 2015-02-17 | Sumitomo Riko Company Limited | Fluid-filled vibration damping rubber device |
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