JP5728569B2 - 防振ゴム組成物およびその製法、並びにその加硫体 - Google Patents

防振ゴム組成物およびその製法、並びにその加硫体 Download PDF

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Description

本発明は、防振ゴム組成物およびその製法、並びにその加硫体に関するものであり、詳しくは、自動車等のエンジンの支持機能および振動伝達を抑制するためのエンジンマウント等に使用される防振ゴム組成物およびその製法、並びにその加硫体に関するものである。
一般に、自動車には、振動や騒音の低減を目的として、各種の防振ゴムが用いられている。上記防振ゴムのポリマーには、従来から各種ゴムが使用されており、なかでも天然ゴム(NR)は、安価であり、防振特性にも優れているため、その使用頻度が高い。
しかしながら、天然ゴムの加硫剤として使用される硫黄は、100℃以上の高温雰囲気下で分解されやすい。そのため、例えばエンジンマウント用ゴムのように、熱負荷を受けやすい環境で使用される防振ゴムの材料に使用した場合、ばね特性の悪化や物性低下が懸念される。
このような問題を解決するため、従来、天然ゴムをポリマーとする防振ゴム組成物において、硫黄とともに、チアゾール系加硫促進剤を配合し、熱負荷による物性低下を抑制する手法等が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、天然ゴムをポリマーとする防振ゴム組成物において、補強材(カーボンブラック)の分散性を高めることにより、ばね特性を高め、かつ物性を安定化させるといった手法もある(例えば、特許文献2および3参照)。
特開2003−292671公報 特開2005−179479公報 特許第2857199号公報
しかしながら、上記のように、チアゾール系加硫促進剤のみにより、天然ゴムの加硫系の改良を行っても、熱負荷によるばね特性の悪化がみられるため、この点において未だ改善の余地がある。
また、カーボンブラックの分散性を高めるだけでは、熱負荷によるばね特性の悪化を抑制することはできない。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、天然ゴムをポリマーとし、熱負荷によるばね特性および物性の低下を、双方ともに改善することができる、防振ゴム組成物およびその製法、並びにその加硫体の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、下記の(A)を主成分とし、下記の(B)〜(F)成分を含有する防振ゴム組成物であって、(A)成分100重量部に対し、(B)成分の割合が0.5〜10重量部、(F)成分の割合が20〜70重量部の範囲であり、かつ、東測工業社製の分散度測定器(E−Disper PRO)で防振ゴム組成物の切断面を測定したときの(B)成分と(F)成分との分散度が、90〜100%の範囲である防振ゴム組成物を第1の要旨とする。
(A)天然ゴム、または天然ゴムとジエン系合成ゴムとのブレンドゴム。
(B)モノメタクリル酸亜鉛。
(C)チアゾール系加硫促進剤。
(D)チウラム系加硫促進剤。
(E)硫黄系加硫剤。
(F)カーボンブラック。
また、本発明は、上記第1の要旨の防振ゴム組成物の製法であって、(B)成分のモノメタクリル酸亜鉛を、(A)成分のゴムの一部ないし全部に加え、バッチ処理した後、この処理により得られたポリマーバッチを、防振ゴム組成物における(B)成分以外の成分材料と混練する防振ゴム組成物の製法を第2の要旨とする。
また、本発明は、上記第1の要旨の防振ゴム組成物の加硫体を第3の要旨とする。
すなわち、本発明者らは、天然ゴムをポリマーとする防振ゴム組成物において、前記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、本発明者らは、硫黄系加硫を行う天然ゴムに対し、熱負荷によるばね特性および物性の低下を抑制するため、各種の加硫促進剤や加硫助剤等を添加し、その架橋系の改良を行った。その結果、上記防振ゴム組成物において、チアゾール系加硫促進剤とチウラム系加硫促進剤とを併用すると、熱負荷によるばね特性の悪化が効果的に抑えられることを突き止め、それとともに、加硫助剤としてモノメタクリル酸亜鉛を配合し、モノメタクリル酸亜鉛とカーボンブラックとの分散度が90〜100%となるよう上記ゴム組成物を調製すると、ばね特性に悪影響を及ぼすことなく、熱負荷による物性低下を顕著に改善することができるようになることを突き止めた。上記加硫促進剤と加硫助剤との組み合わせは、互いに悪影響を及ぼさないため、本発明の防振ゴム組成物は、上記のように、熱負荷によるばね特性および物性の低下を、双方ともに抑制することができ、結果、長期にわたり耐熱老化防止性に優れるようになる。ここで、モノメタクリル酸亜鉛とカーボンブラックとの分散度(X)は、下記の式(1)に示す通りである。
X(%)=100−[(モノメタクリル酸亜鉛+カーボンブラックの凝集数)/L値]…(1)
なお、L値=(ゴム組成物原料の比重×カーボンブラック質量)/(カーボンブラック比重×ゴム組成物原料の全質量)×100である。また、モノメタクリル酸亜鉛はカーボンブラックと比較して配合量が少量であることから、上記のL値の計算では、モノメタクリル酸亜鉛のパラメーターは削除している。
ところで、モノメタクリル酸亜鉛は、粉末材料であり分散性が悪いことから、ゴム組成物にそのまま配合しただけでは、上記のような分散度を示す本発明の防振ゴム組成物は得られなかった。そこで、本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、モノメタクリル酸亜鉛を、ポリマーゴムの一部ないし全部に加え、バッチ処理した後、この処理により得られたポリマーバッチを、モノメタクリル酸亜鉛以外の防振ゴム組成物の成分材料と混練するといった特定の製法により、前記のような特性を有する本発明の防振ゴム組成物を、効率よく生産することができることを突き止めた。
このように、本発明の防振ゴム組成物は、天然ゴム、または天然ゴムとジエン系合成ゴムとのブレンドゴムを主成分とし、硫黄系加硫剤を含有する防振ゴム組成物であって、加硫促進剤として、チアゾール系加硫促進剤とチウラム系加硫促進剤とを併せて含有するとともに、加硫助剤として、モノメタクリル酸亜鉛を含有し、さらに補強材としてカーボンブラックを含有し、そのモノメタクリル酸亜鉛とカーボンブラックとの分散度が、特定の範囲に設定されている。そのため、本発明の防振ゴム組成物は、安価で、防振特性に優れるといった天然ゴムの特性に加え、熱負荷によるばね特性および物性の低下を、双方ともに改善することができ、長期にわたり耐熱老化防止性に優れた効果を奏する。そして、本発明の防振ゴム組成物は、自動車の車両等に用いられるエンジンマウント、スタビライザブッシュ、サスペンションブッシュ等の防振材料として、好適に用いられる。それ以外に、コンピューターのハードディスクの制振ダンパー、洗濯機等の一般家電製品の制振ダンパー、建築・住宅分野における建築用制震壁,制震(制振)ダンパー等の制震(制振)装置および免震装置の用途にも用いることができる。
特に、上記チアゾール系加硫促進剤がジベンゾチアジルジスルフィドであり、上記チウラム系加硫促進剤がテトラメチルチウラムジスルフィドであると、より一層、熱負荷によるばね特性低下を抑制する効果に優れるようになる。
また、上記モノメタクリル酸亜鉛の含有割合が特定の範囲内であると、より一層、熱負荷による物性低下を抑制する効果に優れるようになる。
そして、モノメタクリル酸亜鉛を、ポリマーゴム(天然ゴム、または天然ゴムとジエン系合成ゴムとのブレンドゴム)のゴムの一部ないし全部に加え、バッチ処理した後、この処理により得られたポリマーバッチを、モノメタクリル酸亜鉛以外の防振ゴム組成物の成分材料と混練するといった特定の製法により、本発明の防振ゴム組成物を調製すると、目的とする防振ゴム組成物を効率よく生産することが可能となる。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の防振ゴム組成物は、天然ゴム、または天然ゴムとジエン系合成ゴムとのブレンドゴム(A成分)を主成分とし、モノメタクリル酸亜鉛(B成分)と、チアゾール系加硫促進剤(C成分)と、チウラム系加硫促進剤(D成分)と、硫黄系加硫剤(E成分)と、カーボンブラック(F成分)とを含有するものであって、モノメタクリル酸亜鉛とカーボンブラックとの分散度が90〜100%の範囲に設定されている。なお、本発明において、上記「主成分」とは、組成物の特性に大きな影響を与えるもののことであり、通常は、防振ゴム組成物全体の55重量%以上を意味する。また、上記「分散度」とは、先に述べた式(1)に示すものであり、そのゴム組成物(加硫・未加硫を問わない)の切断面を、東測工業社製の分散度測定器(E−Disper PRO)で測定することにより、求めることができる。
上記のように、本発明の防振ゴム組成物において、モノメタクリル酸亜鉛とカーボンブラックとの分散度は、90〜100%の範囲に設定する必要があり、上記分散度は、好ましくは、92〜100%の範囲である。すなわち、防振ゴム組成物におけるモノメタクリル酸亜鉛の分散度が上記範囲よりも小さいと、物性低下が生じてしまうからである。
また、本発明の防振ゴム組成物において、B成分のモノメタクリル酸亜鉛の含有割合は、A成分のゴム100重量部(以下、「部」と略す)に対し、0.5〜10部の範囲に設定され、好ましくは、1〜6部の範囲である。すなわち、モノメタクリル酸亜鉛の含有割合が上記範囲よりも少ないと、熱負荷による物性低下を抑制する効果に乏しく、逆に上記範囲よりも多いと、ゴム組成物の架橋状態が変化し、防振性や耐へたり性が悪化するおそれがあるからである。
A成分のゴムとしては、先に述べたように、天然ゴム、または天然ゴムとジエン系合成ゴムとのブレンドゴムが用いられる。上記ジエン系合成ゴムとしては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR),スチレン−ブタジエンゴム(SBR),ブタジエンゴム(BR),イソプレンゴム(IR),クロロプレンゴム(CR)等があげられ、単独でもしくは二種以上併せて用いられる。そして、上記ジエン系合成ゴムは、天然ゴムとブレンドする際、A成分全体の50重量%以下の割合でブレンドすることが、モノメタクリル酸亜鉛(B成分)のゴム組成物中への分散性の観点から、好ましい。なお、必要に応じ、上記ジエン系合成ゴムのブレンド割合に従い、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)をブレンドすることも可能である。このように、天然ゴムに対し、上記の割合でジエン系合成ゴムやEPDMをブレンドしても、本発明の防振ゴム組成物は、防振性や耐へたり性に優れたものとなる。
そして、上記A成分およびB成分とともに用いられる加硫促進剤として、本発明では、チアゾール系加硫促進剤(C成分)と、チウラム系加硫促進剤(D成分)とが併用される。
上記チアゾール系加硫促進剤(C成分)としては、例えば、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム塩(NaMBT)、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩(ZnMBT)等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
また、上記チウラム系加硫促進剤(D成分)としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
これら加硫促進剤のなかでも、特に、上記チアゾール系加硫促進剤(C成分)がジベンゾチアジルジスルフィド、上記チウラム系加硫促進剤(D成分)がテトラメチルチウラムジスルフィドの組み合わせとすることが、熱負荷によるばね特性低下を抑制する効果に、より優れるようになるため、好ましい。
そして、本発明の防振ゴム組成物において、上記チアゾール系加硫促進剤(C成分)の配合量は、A成分のゴム100部に対して、0.1〜7部の範囲が好ましく、特に好ましくは0.3〜5部の範囲である。また、上記チウラム系加硫促進剤(D成分)の配合量は、A成分のゴム100部に対して、0.1〜7部の範囲が好ましく、特に好ましくは0.3〜5部の範囲である。すなわち、この範囲内でチアゾール系加硫促進剤およびチウラム系加硫促進剤を配合することが、熱負荷によるばね特性低下を抑制する効果に、より優れるようになるため、好ましい。
上記A〜D成分とともに用いられる硫黄系加硫剤(E成分)としては、例えば、硫黄、塩化硫黄等の硫黄(粉末硫黄,沈降硫黄,不溶性硫黄)や、2−メルカプトイミダゾリン、ジペンタメチレンチウラムペンタサルファイド等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
上記硫黄系加硫剤(E成分)の配合量は、A成分のゴム100部に対して、0.2〜7部の範囲が好ましく、特に好ましくは0.3〜5部の範囲である。すなわち、上記加硫剤の配合量が少なすぎると、充分な架橋構造が得られず、動倍率、耐へたり性が悪化する傾向がみられ、逆に上記加硫剤の配合量が多すぎると、耐熱性が低下する傾向がみられるからである。
つぎに、上記A〜E成分とともに用いられるカーボンブラック(F成分)としては、例えば、SAF級,ISAF級,HAF級,MAF級,FEF級,GPF級,SRF級,FT級,MT級等の種々のグレードのカーボンブラックが用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
ここで、上記カーボンブラック(F成分)の配合量は、A成分のゴム100部に対して、20〜70部の範囲に設定される。すなわち、上記カーボンブラックの配合量が少なすぎると、一定水準の補強性を満足できなくなるからであり、逆に上記カーボンブラックの配合量が多すぎると、動倍率が高くなったり、粘度が上昇して加工性が悪化するといった問題が生じるからである。
本発明の防振ゴム組成物には、上記A〜F成分を必須成分とするものであるが、これらの各成分に加えて、プロセスオイル、老化防止剤、加工助剤、白色充填剤、反応性モノマー、発泡剤等を必要に応じて適宜配合しても差し支えない。なお、本発明においては、先に述べたように、加硫助剤として、モノメタクリル酸亜鉛(B成分)を必須成分としているが、それと併用して、例えば、B成分以外のモノメタクリル酸金属塩(アルミニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等)、ジメタクリル酸金属塩(亜鉛塩、アルミニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等)、亜鉛華(ZnO)、ステアリン酸、酸化マグネシウム等の加硫助剤を配合することも可能である。
上記老化防止剤としては、例えば、カルバメート系老化防止剤、フェニレンジアミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、ジフェニルアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤、イミダゾール系老化防止剤、ワックス類等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
そして、上記老化防止剤の配合量は、A成分のゴム100部に対して、1〜10部の範囲が好ましく、特に好ましくは2〜5部の範囲である。
上記プロセスオイルとしては、例えば、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、アロマ系オイル等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
そして、上記プロセスオイルの配合量は、A成分のゴム100部に対して、1〜50部の範囲が好ましく、特に好ましくは3〜30部の範囲である。
ここで、本発明の防振ゴム組成物は、例えば、次のようにして調製することができる。すなわち、まず、モノメタクリル酸亜鉛(B成分)を、A成分のゴムの一部ないし全部に加え、加圧式ニーダー等によりバッチ処理する。つぎに、この処理により得られたポリマーバッチを、モノメタクリル酸亜鉛以外の防振ゴム組成物の成分材料(C〜F成分、残りのゴム(A成分のゴムの一部しかバッチ処理しなかった場合)、その他、必要に応じて適宜配合する他の材料)とともに、ニーダー,バンバリーミキサー,オープンロール,2軸スクリュー式攪拌機等の混練機を用いて混練する。なお、上記混練に際し、加硫剤および加硫促進剤(C〜E成分)は、最後に配合し混合することが、加工性の観点から好ましい。このような製法により、ゴム混練時に、粉末材料であるモノメタクリル酸亜鉛を飛散させることなく、良好に分散させることができる。そして、上記製法により、モノメタクリル酸亜鉛の分散度が特定の範囲に設定された本発明の防振ゴム組成物を、効率よく生産することが可能となる。
このようにして調製された本発明の防振ゴム組成物は、加熱することにより加硫体となり、防振用途に用いられる。この加硫体は、天然ゴムの特性を保持したまま、今まで実現できなかった、熱負荷によるばね特性および物性の低下を、双方ともに抑制することができ、結果、100℃以上の高温雰囲気下であっても、長期にわたり、ばね特性および物性を損なうことなく、耐熱老化防止性に優れるようになる。
本発明の防振ゴム組成物は、自動車の車両等に用いられるエンジンマウント、スタビライザブッシュ、サスペンションブッシュ等の防振材料として好ましく用いられるが、それ以外にも、コンピューターのハードディスクの制振ダンパー、洗濯機等の一般家電製品の制振ダンパー、建築・住宅分野における建築用制震壁,制震(制振)ダンパー等の制震(制振)装置および免震装置の用途にも用いることができる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
〔天然ゴム〕
天然ゴム
〔ブタジエンゴム〕
ニポール1220、日本ゼオン社製
〔酸化亜鉛〕
酸化亜鉛2種、堺化学工業社製
〔ステアリン酸〕
ルーナックS30、花王社製
〔老化防止剤(i)〕
オゾノン6C、精工化学社製
〔老化防止剤(ii)〕
ノンフレックスRD、精工化学社製
〔ワックス〕
サンノック、大内新興化学社製
〔カーボンブラック〕
旭♯50U(平均粒子径:70nm、CTAB比表面積:27m2 /g)、旭カーボン社製
〔オイル〕
ダイアナプロセス300、出光興産社製
〔加硫促進剤(i)〕
ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)(ノクセラーDM−P、大内新興化学社製、チアゾール系加硫促進剤)
〔加硫促進剤(ii)〕
N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)(ノクセラーCZ、大内新興化学社製、スルフェンアミド系加硫促進剤)
〔加硫促進剤(iii)〕
テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)(サンセラーTT、三新化学工業社製、チウラム系加硫促進剤)
〔加硫促進剤(iv)〕
テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)(サンセラーTET、三新化学工業社製、チウラム系加硫促進剤)
〔加硫促進剤(v)〕
テトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)(サンセラーTBT、三新化学工業社製、チウラム系加硫促進剤)
〔加硫剤〕
硫黄、軽井沢精錬所社製
〔加硫助剤〕
モノメタクリル酸亜鉛(PRO11542、サートマー社製)
〔実施例1〕
天然ゴム70部と、ブタジエンゴム30部と、酸化亜鉛5部と、ステアリン酸2部と、老化防止剤(i)1.5部と、老化防止剤(ii)1部と、ワックス2部と、カーボンブラック30部と、オイル3部と、加硫促進剤(i)3部と、加硫促進剤(iii)0.4部と、加硫剤0.4部と、加硫助剤3.0部とを準備した。つぎに、上記天然ゴム1部に、上記加硫助剤3.0部(加硫助剤重量比 25%)を加え、加圧式ニーダーによりバッチ処理した。この処理により得られたポリマーバッチを、残りの天然ゴム(69部)と、ブタジエンゴムと、酸化亜鉛と、ステアリン酸と、老化防止剤(i)と、老化防止剤(ii)と、ワックスと、カーボンブラックと、オイルとともに、バンバリーミキサーを用いて、140℃で5分間混練を行った。続いて、この混練物に、加硫剤と、加硫促進剤(i)と、加硫促進剤(iii)とを配合し、オープンロールを用いて、60℃で5分間混練することにより、防振ゴム組成物を調製した。
〔実施例2〜6〕
後記の表1および表2に示すように、各成分の配合量等を変更する以外は、実施例1に準じて、防振ゴム組成物を調製した。
〔比較例1〕
天然ゴム70部と、ブタジエンゴム30部と、酸化亜鉛5部と、ステアリン酸2部と、老化防止剤(i)1.5部と、老化防止剤(ii)1部と、ワックス2部と、カーボンブラック30部と、オイル3部とを同時に配合し、これらを、バンバリーミキサーを用いて、140℃で5分間混練を行った。つぎに、この混練物に、加硫剤0.4部と、加硫促進剤(i)3部と、加硫促進剤(iii)0.4部とを配合し、オープンロールを用いて、60℃で5分間混練することにより、防振ゴム組成物を調製した。
〔比較例2〕
天然ゴム100部と、酸化亜鉛5部と、ステアリン酸1部と、老化防止剤(i)1部と、ワックス2部と、カーボンブラック30部と、オイル3部と、加硫助剤3.0部とを同時に配合し、これらを、バンバリーミキサーを用いて、140℃で5分間混練を行った。つぎに、この混練物に、加硫剤1部と、加硫促進剤(ii)2部と、加硫促進剤(iii)1部とを配合し、オープンロールを用いて、60℃で5分間混練することにより、防振ゴム組成物を調製した。
〔比較例3〜5〕
後記の表2に示すように、各成分の配合量等を変更する以外は、比較例2に準じて、防振ゴム組成物を調製した。
このようにして得られた実施例および比較例の防振ゴム組成物を用い、下記の基準に従って、各特性の評価を行った。その結果を、後記の表1および表2に併せて示した。
〔モノメタクリル酸亜鉛とカーボンブラックの分散度〕
各防振ゴム組成物の切断面を、東測工業社製の分散度測定器(E−Disper PRO)で測定することにより、モノメタクリル酸亜鉛とカーボンブラックとの分散度(%)を求めた。
〔初期物性〕
各防振ゴム組成物を、160℃×20分の条件でプレス成形(加硫)して、厚み2mmのゴムシートを作製した。そして、このゴムシートから、JIS5号ダンベルを打ち抜き、このダンベルを用い、JIS K 6251に準拠して、その破断強度(TB)、破断伸び(EB)を測定した。
〔熱老化後の破断伸びの変化率〕
上記作製したゴムシートを、100℃雰囲気下で所定時間(70時間および500時間)熱老化させた後、上記と同様にして破断伸び(EB)を測定し、初期(熱老化させる前)のゴムシートの破断伸びに対する、熱老化後の破断伸びの減少度合(熱老化後の破断伸びの変化率)(%)を算出した。
〔熱老化後の静的剪断弾性率の変化率〕
上記作製したゴムシートの静的剪断弾性率を、JIS K 6254に準拠して、測定した。ここで、熱老化後ばね特性変化=硬さ変化と仮定し、硬さ変化は静的剪断弾性率の変化率を指標とした。なお、この測定は、初期(熱老化させる前)のゴムシート、100℃雰囲気下で所定時間(70時間および500時間)熱老化させた後のゴムシートに対して行った。そして、初期のゴムシートの静的剪断弾性率に対する、熱老化後の静的剪断弾性率の増加度合(熱老化後の静的剪断弾性率の変化率)(%)を算出した。
Figure 0005728569
Figure 0005728569
上記結果から、実施例のゴム組成物は、防振ゴム組成物としての初期物性(TB、EB)に優れ、熱老化後の破断伸びの変化率、および熱老化後の静的剪断弾性率の変化率が、ともに小さい。そのため、実施例のゴム組成物は、熱老化後でも、ばね特性の悪化と物性低下とを、双方ともに抑制されたゴム組成物であることがわかる。
これに対し、比較例1のゴム組成物は、熱老化後における静的剪断弾性率の変化が、実施例のゴム組成物と同等性能に保持されているが、実施例のゴム組成物よりも、熱老化後(500時間後)における破断伸び変化率の悪化を抑制することができなかった。比較例2のゴム組成物は、実施例のゴム組成物に比べ、熱老化後における静的剪断弾性率の変化を抑制することができなかった。比較例3、4、5のゴム組成物は、実施例のゴム組成物に比べ、初期物性(TB、EB)に劣る結果となった。
なお、例えば実施例1では、ゴム組成物のポリマーとして、天然ゴムにブタジエンゴムを所定量ブレンドしているが、他のジエン系合成ゴム(NBR,SBR,IR,CR)をブレンドした場合も、上記実施例と同様、優れた結果が得られることが、実験により確認されている。
また、上記実施例においては、本発明における具体的な形態について示したが、上記実施例は単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変更は、全て本発明の範囲内である。
本発明の防振ゴム組成物は、熱老化後のばね特性の変化低減と、物性低下抑制とを併せ持つ防振材料として期待できる。そのため、自動車の車両等に用いられるエンジンマウント、スタビライザブッシュ、サスペンションブッシュ等の防振材料として好ましく用いられるが、それ以外にも、コンピューターのハードディスクの制振ダンパー、洗濯機等の一般家電製品の制振ダンパー、建築・住宅分野における建築用制震壁,制震(制振)ダンパー等の制震(制振)装置および免震装置の用途にも用いることができる。

Claims (4)

  1. 下記の(A)を主成分とし、下記の(B)〜(F)成分を含有する防振ゴム組成物であって、(A)成分100重量部に対し、(B)成分の割合が0.5〜10重量部、(F)成分の割合が20〜70重量部の範囲であり、かつ、東測工業社製の分散度測定器(E−Disper PRO)で防振ゴム組成物の切断面を測定したときの(B)成分と(F)成分との分散度が、90〜100%の範囲であることを特徴とする防振ゴム組成物。
    (A)天然ゴム、または天然ゴムとジエン系合成ゴムとのブレンドゴム。
    (B)モノメタクリル酸亜鉛。
    (C)チアゾール系加硫促進剤。
    (D)チウラム系加硫促進剤。
    (E)硫黄系加硫剤。
    (F)カーボンブラック。
  2. 上記(C)成分がジベンゾチアジルジスルフィドであり、上記(D)成分がテトラメチルチウラムジスルフィドである請求項1記載の防振ゴム組成物。
  3. 請求項1または2記載の防振ゴム組成物の製法であって、(B)成分のモノメタクリル酸亜鉛を、(A)成分のゴムの一部ないし全部に加え、バッチ処理した後、上記処理により得られたポリマーバッチを、防振ゴム組成物における(B)成分以外の成分材料と混練することを特徴とする防振ゴム組成物の製法。
  4. 請求項1または2記載の防振ゴム組成物の加硫体。
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