JP4253072B2 - ラケット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬式テニス、軟式テニス、スカッシュ等の球技に用いられるラケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、硬式テニスでは、フレーム部の厚み(面外方向における寸法)が大きく設定された、「厚ラケ」と称されるラケットが賞用されている。この厚ラケはボール反発性能に優れるので、速いストロークが困難な女性プレーヤーや高齢者プレーヤーに好んで用いられている。これらのプレーヤーは筋力が弱いので、これらのプレーヤー向きのラケットには軽量化が要求される。ラケットは通常繊維強化樹脂で成形されるが、近年のカーボン繊維の高強度化、高弾性化に伴い、厚ラケをはじめとするラケットの軽量化が進んでいる。
【0003】
ところが、ラケットが軽くなるほどインパクト時にボールに伝わる運動エネルギーが減少するので、ボール反発性能が低下してしまう。従って、速いストロークを実現させて打球のスピードを高めるためにラケットが軽量化されているにもかかわらず、かえってこの軽量化ラケットが打球スピードの低下を招いてしまうこととなる。
【0004】
この問題を解決するために、重心が先端寄りに設定されることによって慣性モーメントが高められたラケットも提案されている。慣性モーメントの大きなラケットは、打球スピードを高めることができる。しかし、プレーヤーはラケットの後端寄りであるグリップ部を把持してプレーするので、慣性モーメントが大きなものほど、同じ重量であってもプレーヤーは重く感じてしまう。従って、慣性モーメントが高められたラケットは、プレーヤーにとって扱いづらいものとなってしまう。
【0005】
特許第2608202号公報には、フレーム部の剛性が工夫され、扱いやすさが向上されたテニスラケットが開示されている。このラケットは、スロート部とヨーク部との接合箇所近傍にフレームの最大厚箇所及び最大幅箇所が位置するものである。しかしながら、このラケットは面内方向におけるヘッドの剛性が大きなものであり、ボール反発性能の点で課題が残る。プレーヤーは、軽量で扱いやすく、しかもボール反発性能に優れたラケットを求めているが、このようなラケットは未だ提供されていないのが実状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであり、扱いやすく、しかもボール反発性能に優れたラケットを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するためになされた第一の発明は、
フレーム部と、このフレーム部に連続して形成されたシャフト部と、このシャフト部に連続して形成されたグリップ部とを備えており、
上記フレーム部は、打球面の輪郭を形成するヘッド部と、このヘッド部から伸びてシャフト部に至る2本のスロート部とを備えているラケットであって、
重量(M)とバランス(I)とが掛け合わされた値(MI)が8000g・cm以下5900g・cm以上であり、ヘッド部の側部における面内方向剛性値(Gh)とスロート部の面外方向剛性値(Gs)との比(Gh/Gs)が0.09以上0.19以下であり、 上記フレーム部の最大厚箇所がヘッド部の最大幅箇所よりもシャフト寄りに位置しており、
フレーム部の最大幅箇所がスロート部に位置しており、
ヘッド部最大厚箇所における厚み(A)と幅(B)との比(A/B)が2.2〜2.7、B値が11〜12mmであるラケットである。
【0008】
このラケットでは、重量(M)とバランス(I)とが掛け合わされた値(MI)が8000g・cm以下とされている。この値(MI)が8000g・cm以下となるには、ラケットの重量(M)が比較的軽量とされる必要があり、また、バランス(I)が比較的グリップ寄りとされる必要がある。値(MI)が8000g・cm以下とされることにより、プレーヤーが扱いやすいラケットとなる。値(MI)が小さいほどラケットの扱いやすさが向上するが、通常のラケットで許容される値(MI)の下限は5900g・cm程度である。なお、バランス(I)とは、ラケット後端から重心までの距離のことである。バランス(I)の測定時はストリングスは張設されず、例えばグリップテープ等のストリングス以外の部材は装着される。
【0009】
重量(M)とバランス(I)とが掛け合わされた値(MI)が上記範囲に設定されるには、ラケットの重量(M)は260g以下が好ましく、220g以下が特に好ましい。重量(M)が小さいほど値(MI)が上記範囲に設定されやすくなるが、通常のラケットで許容される重量(M)の下限は150g程度である。なお、ここで重量(M)とは、ストリングスが除かれた場合の重量を意味する。重量(M)には、例えばグリップテープ等の、ストリングス以外の部材の重量が含まれる。
【0010】
通常のラケットの全長は68.6cm(27インチ)から76.2cm(30インチ)であるが、重量(M)とバランス(I)とが掛け合わされた値(MI)が上記範囲に設定されるには、ラケットのバランス(I)は38cm以下が好ましく、36.5cm以下が特に好ましい。バランス(I)が小さいほど値(MI)が上記範囲に設定されやすくなるが、通常のラケットで許容されるバランス(I)の下限は32cm程度である。
【0011】
本発明のラケットでは、ヘッド部の側部における面内方向剛性値(Gh)とスロート部の面外方向剛性値(Gs)との比(Gh/Gs)は0.09以上0.19以下である。これにより、インパクト時にヘッド部がストローク方向と逆方向へ撓むことが抑制され、逆にヘッド部が打球面における内側向きに変形することが促進される。従って、ラケットのボール反発性能が向上し、打球スピードが上昇する。ボール反発性能向上の観点から、比(Gh/Gs)は0.19以下としている。比(Gh/Gs)が小さいほどボール反発性能が向上するが、通常のラケットで許容される比(Gh/Gs)の下限は0.09以上である。
【0012】
ヘッド部の側部における面内方向剛性値(Gh)とスロート部の面外方向剛性値(Gs)との比(Gh/Gs)が上記範囲内に設定されるには、面内方向剛性値(Gh)が60kgf/cm以下、特には57kgf/cm以下であることが好ましい。面内方向剛性値(Gh)が小さいほど比(Gh/Gs)が上記範囲に設定されやすくなるが、通常のラケットで許容される面内方向剛性値(Gh)の下限は45kgf/cm程度である。
【0013】
ヘッド部の側部における面内方向剛性値(Gh)とスロート部の面外方向剛性値(Gs)との比(Gh/Gs)が上記範囲内に設定されるには、面外方向剛性値(Gs)が250kgf/cm以上、特には290kgf/cm以上であることが好ましい。面外方向剛性値(Gs)が大きいほど比(Gh/Gs)が上記範囲に設定されやすくなるが、通常のラケットで許容される面内方向剛性値(Gh)の上限は550kgf/cm程度である。
【0014】
本発明のラケットは重量(M)とバランス(I)とが掛け合わされた値(MI)が前述のように8000g・cm以下であるので、プレーヤーにとって扱いやすい。また、このラケットはヘッド部の側部における面内方向剛性値(Gh)とスロート部の面外方向剛性値(Gs)との比(Gh/Gs)が前述のように0.19以下であるので、ボール反発性能に優れる。すなわち、本発明のラケットは、扱いやすさとボール反発性能との両立を達成したものである。
【0015】
本発明において、フレーム部の最大厚箇所はヘッド部の最大幅箇所よりもシャフト寄りに位置するのが好ましい。これによりスイートエリアがグリップ寄りに広がり、打球面のうち比較的グリップ寄りで打球することが多いプレーヤーが快適に扱えるようになる。また、本発明において、フレーム部の最大幅箇所は、ヘッド部ではなく、スロート部に位置するのが好ましい。これにより、スロート部の面外方向剛性値(Gs)が大きめとなる。
【0016】
本発明において、ヘッド部最大厚箇所における厚み(A)と幅(B)との比(A/B)と、スロート部最大厚箇所における厚み(C)と幅(D)との比(C/D)との比である((A/B)/(C/D))は、2.2〜2.7が好ましい。これにより、ヘッド部は幅の割には厚くなり、スロート部は厚みの割には幅広となる。従って、ヘッド部の側部における面内方向剛性値(Gh)とスロート部の面外方向剛性値(Gs)との比(Gh/Gs)が前述の範囲と設定されやすくなり、ボール反発性能が向上する。ボール反発性能向上の観点から、比((A/B)/(C/D))は1.2以上が特に好ましい。比((A/B)/(C/D))は大きい方がボール反発性能が向上するが、通常のラケットで許容される比((A/B)/(C/D))は、1.2〜1.8である。
【0017】
ヘッド部最大厚箇所における厚み(A)と幅(B)との比(A/B)と、スロート部最大厚箇所における厚み(C)と幅(D)との比(C/D)との比である((A/B)/(C/D))が上記範囲内に設定されるには、ヘッド部最大厚箇所における厚み(A)が24mm以上、特には26mm以上であることが好ましい。厚み(A)が大きいほど比((A/B)/(C/D))が上記範囲に設定されやすくなるが、通常のラケットで許容される厚み(A)の上限は32mm程度である。
【0018】
ヘッド部最大厚箇所における厚み(A)と幅(B)との比(A/B)と、スロート部最大厚箇所における厚み(C)と幅(D)との比(C/D)との比である((A/B)/(C/D))が上記範囲内に設定されるには、ヘッド部最大厚箇所における幅(B)が14mm以下、特には12mm以下であることが好ましい。幅(B)が小さいほど比((A/B)/(C/D))が上記範囲に設定されやすくなるが、通常のラケットで許容される幅(B)の下限は10mm程度である。
【0019】
ヘッド部最大厚箇所における厚み(A)と幅(B)との比(A/B)と、スロート部最大厚箇所における厚み(C)と幅(D)との比(C/D)との比である((A/B)/(C/D))が上記範囲内に設定されるには、スロート部最大厚箇所における厚み(C)が28mm以下、特には26mm以下であることが好ましい。厚み(C)が小さいほど比((A/B)/(C/D))が上記範囲に設定されやすくなるが、通常のラケットで許容される厚み(C)の下限は22mm程度である。
【0020】
ヘッド部最大厚箇所における厚み(A)と幅(B)との比(A/B)と、スロート部最大厚箇所における厚み(C)と幅(D)との比(C/D)との比である((A/B)/(C/D))が上記範囲内に設定されるには、スロート部最大厚箇所における幅(D)が10mm以上、特には12mm以上であることが好ましい。幅(D)が大きいほど比((A/B)/(C/D))が上記範囲に設定されやすくなるが、通常のラケットで許容される幅(D)の上限は18mm程度である。
【0021】
前記した各々の寸法、剛性等を勘案して、第二の発明として、
フレーム部と、このフレーム部に連続して形成されたシャフト部と、このシャフト部に連続して形成されたグリップ部とを備えており、
上記フレーム部は、打球面の輪郭を形成するヘッド部と、このヘッド部から伸びてシャフト部に至る2本のスロート部とを備えているラケットであって、
上記フレーム部の最大厚箇所がヘッド部の最大幅箇所よりもシャフト寄りに位置しており、
フレーム部の最大幅箇所がスロート部に位置しており、
重量(M)は150〜260g、
全長は68.2〜76.2cm、
バランス(I)は32〜36.5cm、
面内方向剛性値(Gh)は45〜60kgf/cm、
面外方向剛性値(Gs)は250〜550kgf/cm、
重量(M)とバランス(I)とが掛け合わされた値(MI)は5900g・cm以上8500g・cm未満、
(Gh/Gs)が0.09以上0.2未満、
ヘッド部最大厚箇所における厚み(A)は24〜32mm、
ヘッド部最大厚箇所における幅(B)は10〜14mm、
スロート部最大厚箇所における厚み(C)は22〜28mm、
スロート部最大厚箇所における幅(D)は10〜18mm、
((A/B)/(C/D))は1.2〜1.8であるラケットを提供している。
また、一般に、ラケットのグリップ部の構成は、シャフトと一体成形された比較的小径の芯材の周りにウレタンフォーム等の被覆材が被覆されたものと、シャフトと一体成形された比較的大径で中空の成形体からなるものとに大別できる。いずれのタイプのグリップ部であっても本発明のラケットに採用され得るが、特に軽量化による扱いやすさ向上の観点からは、中空のグリップ部が好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかるテニスラケット1が示された正面図であり、図2は図1のテニスラケット1が示された右側面図である。
【0023】
このテニスラケット1は、ヘッド部3、2つのスロート部5、シャフト部7及びグリップ部9を備えている。ヘッド部3とスロート部5とは、フレーム部11を形成している。ヘッド部3は打球面の輪郭を形成しており、その横断面形状は略楕円である。2つのスロート部5はいずれもその一端がヘッド部3から伸びており、他端で互いに合流している。シャフト部7は、2つのスロート部5が合流する箇所から伸びており、スロート部5(すなわちフレーム部11)と連続的にかつ一体的に形成されている。グリップ部9は、シャフト部7と連続的にかつ一体的に形成されている。ヘッド部3のうち2つのスロート部5、5に挟まれた部分は、ヨーク部13である。ヘッド部3、スロート部5、シャフト部7及びグリップ部9はいずれも繊維強化樹脂製であり、中空である。
【0024】
このテニスラケット1の重量(M)とバランス(I)とが掛け合わされた値(MI)は、8500g・cm未満である。バランス(I)とは、テニスラケット1の後端15から重心までの距離のことである。
【0025】
このテニスラケット1のヘッド部3の側部17a、17bにおける面内方向剛性値(Gh)とスロート部5の面外方向剛性値(Gs)との比(Gh/Gs)は、0.2未満である。ヘッド部3の側部17a、17bとは、シャフト部7の中心軸と一致する直線を中心線としたとき、ヘッド部3のうちこの中心線から最も外側寄りに位置する部分のことである。面内方向とは、打球面と平行な方向のことである。面外方向とは、打球面に垂直な方向のことである。
【0026】
図3は、ヘッド部3の側部17a、17bにおける面内方向剛性値(Gh)が測定される様子が示された模式的正面図である。テニスラケット1が、打球面が鉛直でかつシャフト部7の中心軸が水平となるように固定台19の上に保持されている。固定台19には、ヘッド部3の一方の側部17aが当接している。そして、他方の側部17bから、加圧具21によってヘッド部3に下向きに荷重(80kgf)が加えらる。この際の側部17bの鉛直方向における変形量が測定され、荷重を変形量で除した値である面内方向剛性値(Gh)が算出される。
【0027】
図4は、スロート部5の面外方向剛性値(Gs)が測定される様子が示された模式的正面図である。テニスラケット1が、後端15から7.5mmの位置にある第一保持具23と、後端15から340mmの位置にある第二保持具25とによって、打球面が水平方向となるように保持されている。後端15から220mmの位置(これはスロート部5に相当する)において、加圧具27によって下向きに荷重(80kgf)が加えらる。この際のスロート部5の鉛直方向における変形量が測定され、荷重を変形量で除した値である面外方向剛性値(Gs)が算出される。
【0028】
図1及び図2に示されたテニスラケット1のヘッド部最大厚箇所における厚み(A)と幅(B)との比(A/B)と、スロート部最大厚箇所における厚み(C)と幅(D)との比(C/D)との比である((A/B)/(C/D))は、1.0以上である。ヘッド部最大厚箇所とは、ヘッド部3のうち面外方向の寸法が最大となる箇所のことである。ヘッド部最大厚箇所における厚み(A)とは、ヘッド部最大厚箇所における面外方向の寸法のことであり、例えば図2において両矢印Aで示される寸法のことである。ヘッド部最大厚箇所における幅(B)とは、ヘッド部最大厚箇所における面内方向の寸法のことであり、例えば図1において両矢印Bで示される寸法のことである。スロート部最大厚箇所とは、スロート部5のうち面外方向の寸法が最大となる箇所のことである。スロート部最大厚箇所における厚み(C)とは、スロート部最大厚箇所における面外方向の寸法のことであり、例えば図2において両矢印Cで示される寸法のことである。スロート部最大厚箇所における幅(D)とは、スロート部最大厚箇所における面内方向の寸法のことであり、例えば図1において両矢印Dで示される寸法のことである。
【0029】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明の効果を明らかにするが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきものではないことはもちろんである。
【0030】
金型を用いた反応射出成形により、カーボン繊維で強化されたポリアミドからなる実施例1から9及び比較例1から5のテニスラケットを作製した。これらのテニスラケットは、いずれもヘッド部、2つのスロート部、シャフト部及びグリップ部を備えたものである。また、グリップ部はシャフト部と連続的にかつ一体的に形成された中空体であり、グリップ部にウレタンフォーム等の被覆材は用いられていない。各テニスラケットの重量(M)、バランス(I)、ヘッド部の側部における面内方向剛性値(Gh)、スロート部の面外方向剛性値(Gs)、ヘッド部最大厚箇所における厚み(A)及び幅(B)並びにスロート部最大厚箇所における厚み(C)及び幅(D)を、下記の表1及び表2に示されるように設定した。
【0031】
[反発係数の測定]
各テニスラケットにストリングスを縦糸60ポンド、横糸55ポンドの張力で張設した。そして、テニスラケットをグリップ部で固定し、打球面にテニスボールを30m/sの速度で衝突させて跳ね返るテニスボールの速度を測定した。打球面中の衝突箇所によってテニスボールの跳ね返り速度は異なるが、1つのテニスラケットにおける最大速度を用いて反発係数を算出した。この結果が、下記の表1及び表2に示されている。
【0032】
[官能試験]
テニス歴が10年以上で、週に3日以上プレーするという条件を満たす中・上級の女性プレーヤー72名に、各実施例及び各比較例のテニスラケットを用いたプレーをさせた。そして、操作性とボールの飛びについて評価させた。操作性については、扱いやすいテニスラケットを「5」とし、扱いにくいテニスラケットを「1」として、5段階で評価させた。ボールの飛びについては、ボールがよく飛ぶと感じるテニスラケットを「5」とし、飛ばないと感じるテニスラケットを「1」として、5段階で評価させた。これらの平均値が、下記の表1及び表2に示されている。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
表1及び表2において、(MI)が8500g・cm未満であり、(Gh/Gs)が0.2未満であるという条件を満たす各実施例のテニスラケットは、この条件を満たさない各比較例のテニスラケットに比べて、反発係数が高くなっている。また、各実施例のテニスラケットは、官能評価においても各比較例のテニスラケットに比べてボールがよく飛ぶという結果が出ており、しかも扱いやすいという結果となっている。これらの実験結果より、本発明のテニスラケットの優位性が確認された。
【0036】
以上、テニスラケットを例として本発明が詳説されたが、本発明は、スカッシュ用ラケット等の、テニスラケット以外の種々のラケットに適用され得るものである。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、扱いやすくしかもボール反発性能に優れた本発明のラケットによれば、非力なプレーヤーでも容易に速いボールを打つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態にかかるテニスラケットが示された正面図である。
【図2】 図1のテニスラケットが示された右側面図である。
【図3】 ヘッド部の側部における面内方向剛性値(Gh)が測定される様子が示された模式的正面図である。
【図4】 スロート部の面外方向剛性値(Gs)が測定される様子が示された模式的正面図である。
【符号の説明】
1・・・テニスラケット
3・・・ヘッド部
5・・・スロート部
7・・・シャフト部
9・・・グリップ部
11・・・フレーム部
13・・・ヨーク部
15・・・後端
17a、17b・・・側部
Claims (3)
- フレーム部と、このフレーム部に連続して形成されたシャフト部と、このシャフト部に連続して形成されたグリップ部とを備えており、
上記フレーム部は、打球面の輪郭を形成するヘッド部と、このヘッド部から伸びてシャフト部に至る2本のスロート部とを備えているラケットであって、
重量(M)とバランス(I)とが掛け合わされた値(MI)が8000g・cm以下5900g・cm以上であり、ヘッド部の側部における面内方向剛性値(Gh)とスロート部の面外方向剛性値(Gs)との比(Gh/Gs)が0.09以上0.19以下であり、 上記フレーム部の最大厚箇所がヘッド部の最大幅箇所よりもシャフト寄りに位置しており、
フレーム部の最大幅箇所がスロート部に位置しており、
ヘッド部最大厚箇所における厚み(A)と幅(B)との比(A/B)が2.2〜2.7、B値が11〜12mmであるラケット。 - フレーム部と、このフレーム部に連続して形成されたシャフト部と、このシャフト部に連続して形成されたグリップ部とを備えており、
上記フレーム部は、打球面の輪郭を形成するヘッド部と、このヘッド部から伸びてシャフト部に至る2本のスロート部とを備えているラケットであって、
上記フレーム部の最大厚箇所がヘッド部の最大幅箇所よりもシャフト寄りに位置しており、
フレーム部の最大幅箇所がスロート部に位置しており、
重量(M)は150〜260g、
全長は68.2〜76.2cm、
バランス(I)は32〜36.5cm、
面内方向剛性値(Gh)は45〜60kgf/cm、
面外方向剛性値(Gs)は250〜550kgf/cm、
重量(M)とバランス(I)とが掛け合わされた値(MI)は5900g・cm以上8500g・cm未満、
(Gh/Gs)が0.09以上0.2未満、
ヘッド部最大厚箇所における厚み(A)は24〜32mm、
ヘッド部最大厚箇所における幅(B)は10〜14mm、
スロート部最大厚箇所における厚み(C)は22〜28mm、
スロート部最大厚箇所における幅(D)は10〜18mm、
((A/B)/(C/D))は1.2〜1.8、
であるラケット。 - 上記グリップ部が中空である請求項1又は請求項2に記載のラケット。
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