JP3508910B2 - ラケットフレーム - Google Patents
ラケットフレームInfo
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Description
ン、スカッシュ等の球技に用いるラケットフレーム、特
に、硬式テニスに好適に用いられるラケットフレームに
関し、詳しくは、ラケットフレームの厚さを大とした所
謂「厚ラケ」において、反発性能を保持しながらコント
ロール性を高め、しかも、非力なプレーヤーでも振り易
い軽量なラケットフレームとするものである。
レームの打球面の面外方向の厚さを大として所謂「厚ラ
ケ」として、図5(A)(B)および図6(A)(B)
(C)に示す如き形状のテニスラケットフレームが提供
されている。該ラケットフレームは、打球面Sを囲むガ
ット張り部1のトップ1aの厚さTを最大とし、スロー
ト部2へかけて厚さTを次第に小さくしている。なお、
ガット張り部1の幅Wは一定とされている。
は、厚みを増すことにより、剛性が上がり、エネルギー
ロスがなくなるため、ストリングに力が伝わり易くな
り、かつ、比較的慣性モーメントが大きくなって、反発
性能を向上させることができる。
厚ラケは、厚さを大とした部分がガット張り部1のトッ
プ1a側であるため、慣性モーメントが大きくなりす
ぎ、プレーヤーは重く感じて、力のないプレーヤーは振
りぬきにくい問題がある。特に、「厚ラケ」を好むプレ
ーヤーは、女性やシニア層の少ない力で飛び性能を要求
する層であるため、飛び性能と共に軽量感があり振りや
すいラケットが求められている。しかしながら、上記の
ように、ガット張り部のトップ側の重量が大となってい
るため、重く感じられると共に、実質的にも、幅を一定
として、通常のラケットフレームより厚みを大とする
と、重量が大きくなり、軽量化しにくい問題がある。
は、その材料(強化繊維、マトリクス樹脂)や強化繊維
の積層構造(強化繊維の角度、枚数、幅)を変更する方
法が考えられるが、これら材料や積層構造を軽量となる
ように変更すると、成形されるラケットフレームの剛性
値や強度に影響を及ぼす。即ち、ガット張り部の厚さを
大として、ラケットフレームを軽量化させるために、材
料および積層構造を変化させると、打球面の面内方向の
剛性が低下する問題がある。
果、打球面の面内方向の剛性が低下するとコントロール
性能が悪くなることを見いだしている。言い換えると、
打球面の面内方向の剛性を高めると、コントロール性能
を向上させることができる。
ので、「厚ラケ」としての反発性能を保持しながら、打
球面の面内方向の剛性を高めてコントロール性を向上さ
せ、しかも、重量分布をヘッド側よりグリップ側として
慣性モーメントを従来より小さくしてプレーヤーに軽量
感を与え、よって、非力なプレーヤーとって、振り易
く、飛び性能がよく、しかもコントロール性の良く好適
に使用できるラケットフレームを提供することを課題と
している。
め、本発明は、打球面(S)を囲むガット張り部(1
1)とグリップ部(13)とをスロート部(12)で連
続させたラケットフレームにおいて、上記ガット張り部
(11)のトップ部(11a)の幅を、ガット張り部
(11)の全体の幅の中で最大幅とすると共に、上記ガ
ット張り部(11)が上記スロート部(12)の両側枠
部(12a、12b)に接合する接合部(11b、11
c)をガット張り部(11)の全体の厚みの中で最大厚
みとし、フレーム幅(W)は上記トップ部(11a)の
最大幅から上記接合部(11b、11c)の最小幅へと
次第に減少させ、フレーム厚さ(T)は上記トップ部
(11a)の最小厚さから上記接合部(11b、11
c)の最大厚さへ次第に増大させていることを特徴とす
るラケットフレームを提供している。
部、グリップ部およびスロート部が一体成形されている
ものである。また、上記フレーム厚さが26mm〜36
mmの範囲であると共に、上記フレーム幅が12mm〜
15mmの範囲であることが好ましい。慣性モーメント
Isが456659g・cm2〜464317g・cm
2の範囲であることが好ましい。
ームの設計において重要なスペックとなっている材料
(強化繊維、マトリクス樹脂)および積層構造を変化さ
せずに、ガット張り部の断面形状を変化させることによ
り、ラケットフレームの剛性を変化させている。即ち、
ガット張り部のトップ部付近の幅を最大とすることによ
り、ガット張り部に囲まれた打球面の面内方向の剛性を
最も有効に高めている。その結果、コントロール性を向
上されることができる。また、ガット張り部のスロート
部との接合位置付近の厚さを最大とし、厚みを大とする
「厚ラケ」において、重量分布を従来よりもグリップ側
へと移行させている。その結果、「厚ラケ」効果の反発
性能を維持しながら、慣性モーメントを従来よりも小さ
くして、グリップ端を持つプレーヤーに取ってラケット
フレームを軽くでき、非力なプレーヤーにとって好適に
使用できる。
る。図1(A)(B)および図2(A)(B)(C)は
本発明の実施形態のテニスラケットフレーム10を示
す。
囲むガット張り部11とスロート部12と、グリップ部
13を備え、これらを一体成形している。該成形方法は
従来周知のいずれの方法でもよい。上記ガット張り部1
1では、トップ部11aからスロート部12の両側枠部
12a,12bとの接合部11b、11cかけて、その
厚みTを次第に増加させ、接合部11b、11cで最大
厚みとしている。一方、ガット張り部11の幅Wは、ト
ップ部11aからスロート部との接合部11b、11c
へと次第に減少させ、トップ部11aの幅Wを最大とし
ている。
して下記の表1に示す実施例1、実施例2、実施例3の
3種類のテニスラケットフレームを作成した。なお、表
1において、3時、5時とは、打球面を時計面とみて、
トップ位置を12時とした時の位置を示す。3時の寸法
は対称位置の9時の寸法と同一であり、5時の寸法は対
称位置の7時の寸法と同一である。5時(7時)の位置
がガット張り部11とスロート部12との接合位置にあ
たる。また、表中「→」は滑らかに変化させていること
を示している。
フレームの寸法を示す。なお、比較例1のラケットフレ
ームが、前記図5および図6に示す従来市販されている
「厚ラケ」であり、かつ、比較例2のラケットも従来市
販されている「厚ラケ」である。これら比較例1、2の
ラケットはガット張り部のトップ部が最大厚みとなって
おり、かつ、ガット張り部の幅は全体にわたって同一に
なっている。比較例3、4は本発明と比較するために作
成したラケットであり、ガット張り部の5時の位置で最
大厚みとしているが、トップで最大幅としていない。
ラケットフレームは、全長が686mm、ガット張り部
11のトップから6時までの長さが371mm、3時
(9時)の最大横幅部の長さが260mmである。重
量、および、バランス位置(グリップ端から測定した重
心位置)は下記の表3に示す通りである。また、これら
実施例および比較例のラケットフレームは繊維強化樹脂
製の中空形状であり、マトリクス樹脂としてエポキシを
用い、強化繊維として炭素繊維を用いており、比重は
1.5〜1.6である。なお、ラケットフレーム自体の
組成は上記に限定されない。
〜4のラケットフレームについて、ラケットフレームの
重量、バランス位置(グリップ端から測定した重心位
置)、慣性モーメント、面内方向の剛性、面外方向の剛
性、反発係数を測定した。
ットフレーム10を垂直にして、そのスロート部12の
左右両側部で支持具で二点支持し、ラケットフレーム1
0の上方からトップ部の中央に加圧具により矢印で示す
ように80kgfの力を加えて測定した。
ットフレーム10を水平にして、長さ方向の中心位置
と、該中心位置から夫々300mm離れた位置で3点支
持し、中心位置に上方から加圧具により矢印で示すよう
に80kgfの力を加えて測定した。
ングを同じ強さで張り、各ラケットフレームのトップ部
を吊るし、その打球面に打ち出し機から打ち出したボー
ルを30m/sの入射速度で衝突させ、ボールの最大反
発係数を測定した。
に、実打によりラケットのコントロール性能および反発
性能についてアンケート調査を行った結果も表3に示
す。このアンケート調査は、51人の中、上級プレーヤ
ー(テニス歴10年以上で、現在も週2日以上プレーす
る条件を満たす人)が実打を行い、5点満点で採点し、
その採点結果の平均値をとった。
は、本発明の実施例1〜3は247.4g〜249.6
gであり、従来市販されている比較例1、2のラケット
が250g以上であるため、本発明のラケットフレーム
の重量は軽減されていた。また、バランス(グリップ端
からの重心位置)は、本発明の実施例1〜3は345.
1〜350.1であるが、従来市販されている比較1、
2のラケットは360以上であり、本発明の実施例1〜
3の方がグリップ側に移行していた。
ランス位置がグリップ側へと移行していることにより、
慣性モーメント(Is)は実施例1〜3は比較例1、2
より小さくなっていた。即ち、本発明の実施例1〜3は
最大厚さ部分の位置をガット張り部とスロート部との接
合位置(5時、7時)の位置として、重量増加部をグリ
ップ側へと移行させているため、トップ部を最大厚さ部
分として重量を増加させている比較例1、2よりバラン
ス位置をグリップ側へ移行させることができ、その結
果、慣性モーメント(Is)を小さくできた。このよう
に、慣性モーメントを小さくできることにより、グリッ
プ端を握るプレーヤーにとって軽いラケットとなり、ラ
ケットが振り易くなる。一方、慣性モーメント(Ic)
は実施例1〜3のうち、トップの幅が最も大きくした実
施例3が大きく、よって、トップ部の幅を大きくすると
打球面の安定性が向上することが確認できた。
は頂圧剛性が67.30〜81.54kg/cmであるのに
対して、比較例1〜4は54.36〜65.05kg/cm
であり、実施例1〜3の方が頂圧剛性が大である。ま
た、面内方向の強度は、実施例1〜3は170.9〜1
80.8kg/cmであるのに対して、比較例1〜4は15
2.7〜165.5kg/cmであり、実施例1〜3の方が
強度が大である。このように、実施例1〜3はガット張
り部のトップの幅を最大としているため、面内方向の剛
性が高まっており、その結果、コントロール性能を向上
できる。これに対して比較例1〜4は面内方向の剛性が
低く、コントロール性能が低いことが確認できた。
は平圧剛性が47.19〜48.29kg/cmであるのに
対して、比較例1、2、3は42.65〜46.54kg
/cmであり、実施例1〜3の方が平圧剛性が大である。
また、面内方向の強度は、実施例1〜3は155.1〜
161.9kg/cmであるのに対して、比較例1、2、3
は139.1〜150.2kg/cmであり、実施例1〜3
の方が強度が大である。このように、ガット張り部がス
ロート部と接合する5時(7時)の位置で厚みを最大と
していることにより面外方向の剛性を高くなることが確
認できた。よって、軽量で且つ慣性モーメントが小さい
割りに飛び性能がよくなる。
5時(7時)の位置で厚さを最大とているため、面外方
向の剛性は大きくなっているが、幅は一定でトップを最
大幅としていないため、面内方向の剛性は低くコントロ
ール性能は改善されていない。また、比較例4は、ガッ
ト張り部の5時(7時)の位置で厚さを最大とするとと
もに幅も最大としているため、面外方向の剛性、即ち、
平圧剛性が50.59kg/cm、強度が156.9kg/cmと
大きくなっており、反発性能は優れているが、面内方向
の剛性についてはガット張り部のトップ部の幅を最大幅
としていないため、頂圧剛性が65.05kg/cm、強度
が153.3kg/cmと本発明の実施例1〜3より小さ
く、コントロール性が低くなっている。
3は0.439〜0.442であるのに対して、比較例
1〜4は0.421〜0.432であり、本発明の実施
例1〜3の方が大きい。これにより、本発明の実施例の
ラケットは反発性能が高く、飛び性能がよいことが確認
できた。
おいても、コントロール性能については、本発明の実施
例1〜3は比較例1〜4よりも高い評価を得ることがで
きた。飛び性能については、実施例1〜3は比較例2、
3、4よりも高い評価を得ることができた。
に係わるラケットフレームでは、ガット張り部のトップ
部の幅を最大としているため、面内方向の剛性を高め
て、打球面の変形を抑制でき、その結果、コントロール
性能を向上させることができる。また、ガット張り部の
スロート部との接合位置(5時、7時)で厚みを最大と
することで、面外方向の剛性を高め、反発性能を向上さ
せることができると同時に、バランスをグリップ側へ移
行させて慣性モーメントを小さくし、その結果、グリッ
プ端を握るプレーヤーにとって軽量とでき、非力のプレ
ーヤーもラケットを振り易くすることができる。
は、反発性能のよい「厚ラケ」の特徴を保持しながら、
重量を増加させることなく、面内方向の剛性を高めてコ
ントロール性能を向上でき、しかも、従来市販されてい
る「厚ラケ」よりも実際の重量を減少できると共にバラ
ンスをグリップ側に移行しているため、プレーヤーの重
量感を軽減でき、「厚ラケ」に要求される機能をすべて
満たすことができる。
平面図、(B)は正面図である。
し、(A)はトップ部のA−A線断面図、(B)は3時
の位置のB−B線断面図、(C)は5時の位置のC−C
線断面図である。
る。
る。
面図、(B)は正面図である。
し、(A)はトップ部のA’−A’線断面図、(B)は
3時の位置のB’−B’線断面図、(C)は5時の位置
のC’−C’線断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 打球面(S)を囲むガット張り部(1
1)とグリップ部(13)とをスロート部(12)で連
続させたラケットフレームにおいて、上記ガット張り部
(11)のトップ部(11a)の幅を、ガット張り部
(11)の全体のフレーム幅(W)の中で最大幅とする
と共に、上記ガット張り部(11)が上記スロート部
(12)の両側枠部(12a、12b)に接合する接合
部(11b、11c)を、ガット張り部(11)の全体
のフレーム厚み(T)の中で最大厚みとし、 フレーム幅(W)はトップ部(11a)の最大幅から上
記接合部(11b、11c)の最小幅へと次第に減少さ
せ、フレーム厚さ(T)はトップ部(11a)の最小厚
さから上記接合部(11b、11c)の最大厚さへ次第
に増大させていることを特徴とするラケットフレーム。 - 【請求項2】 上記ガット張り部(11)、グリップ部
(13)およびスロート部(12)が一体成形されてい
る請求項1に記載のラケットフレーム。 - 【請求項3】 上記フレーム厚さ(T)が26mm〜3
6mmの範囲であると共に、上記フレーム幅(W)が1
2mm〜15mmの範囲である請求項1または請求項2
に記載のラケットフレーム。 - 【請求項4】 慣性モーメントIsが456659g・
cm2〜464317g・cm2の範囲である請求項1乃
至請求項3のいずれか1項に記載のラケットフレーム。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP00503398A JP3508910B2 (ja) | 1998-01-13 | 1998-01-13 | ラケットフレーム |
Publications (2)
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Family Applications (1)
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Families Citing this family (2)
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| JP5349183B2 (ja) * | 2009-07-21 | 2013-11-20 | ブリヂストンスポーツ株式会社 | ラケットフレーム |
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- 1998-01-13 JP JP00503398A patent/JP3508910B2/ja not_active Expired - Fee Related
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