JP3738276B2 - テニスラケットフレーム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はテニスラケットフレームに関し、軽量化したテニスラケットフレームにおいて、反発性能および打球フィーリングの向上を図るものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、テニスラケットにおいては、打球面を囲むフレーム部(以下、フェイス部と称す)に厚みを持たせた所謂「厚ラケ」が提供されており、この厚ラケを好むユーザーは、少ない力で飛び性能を要求する非力な女性やシニア層である。このように、非力なプレーヤーは、軽量で且つ飛び性能が良いラケットを求めている。軽量化については、高強度、高弾性のカーボン繊維の目覚ましい発展により、フレーム重量の軽量化は進んでいる。
【0003】
このように、近年のテニスラケットは軽量化が図られているが、ラケットフレームとボールとの二物体が衝突する観点からみると、エネルギー保存の法則からラケットフレームが軽くなると、ボールの反発性能は低下することとなり、よって、ラケットフレームの軽量化は反発性能の低下を招くことになる。このため、実際には、非力な女性やシニア層にとって扱い易い200g以下の超軽量で、しかも、反発性能の良いテニスラケットは提供されていなかった。
【0004】
テニスラケットフレームにおいて、反発性能の向上を図るものとして、本出願人は、先に、特開平5−15617号において、フレームの厚み方向である打球方向の剛性(以下、面外方向の剛性と称す)と、この面外方向と直交するストリングスの縦糸方向の剛性および横糸方向の剛性(面内方向の剛性)の比を、縦糸方向の剛性/面外方向の剛性および、横糸方向の剛性/面外方向の剛性のいずれもが1.00以上2.00以下で、かつ、縦糸方向の剛性/横糸方向の剛性に比からなる面内方向の剛性比を1.00以下としたものを提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、面外方向の剛性値、面内方向の剛性値、および、該剛性値の比を設定すると、テニスラケットフレームのフェイス部の形状を特定形状である場合に反発性能の向上を図ることができる。即ち、トップの曲率半径/ヨーク部の曲率半径の比が1.20以上1.50以下で、かつ、フェイス部の最大横幅位置を打球面の中心位置よりトップ側の上方に設定した形状の場合に有効であった。しかしながら、フエイス部の形状が変化すると、剛性値および剛性値の比を上記のように設定しても、反発性能の向上には有効に機能しない場合もあることを見いだした。
【0006】
本発明は、上記した問題に鑑みてなされたもので、フェイス部の形状が一般的な形状で、かつ、非力なプレーヤーにとっても振り抜きやすい200g以下の超軽量のテニスラケットフレームにおいて、ボールを打球する際の反発係数を向上させると共に、打球フィーリングの向上を図ることを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、重量を200g以下140g以上、グリップエンドから重心位置までの距離であるバランスを280mm以上400mm以下に設定し、
ラケットフレームを垂直に立てた状態で打球面を囲むフェイス部のトップ部分に対して垂直に荷重を加えた際の変位量(たわみ量)で該荷重値を割った値をフェース部トップの面内方向の剛性値(頂圧剛性)とすると共に、
ラケットフレームを水平に配置し、フェイス部のトップ部分と、スロート部の両側からヨーク部にかけた位置とをそれぞれ受け治具で支持した状態で、両受け治具で支持された間のフェース部に対して垂直方向に荷重を加えた際の変位量(たわみ量)で該荷重値を割った値を、フェイス面の面外方向の剛性値(打球面剛性)とした場合、
上記面内方向の剛性値(頂圧剛性)とフェイス面の面外方向の剛性値(打球面剛性)の比(頂圧剛性/打球面剛性)を0.25以上0.65以下に設定し、
ラケットフレームを水平に配置し、ヨーク部の下端に当たる位置から両側のスロート部と、グリップ部とをそれぞれ受け治具で支持した状態で、両受け治具で支持された間に垂直方向に荷重を加えた際の変位量(たわみ量)で該荷重値を割った値を、スロート部の剛性値(スロート部剛性)とした場合、
フェイス面の面外方向の剛性値(打球面剛性)とスロート部の剛性値(スロート部剛性)との比(打球面剛性/スロート部剛性)を0.3以上0.8以下に設定し、かつ、上記フェイス部の両サイド部のフレーム厚み方向の両側外面に強化繊維の繊維方向を0°(ラケットフレーム長さ方向と平行)として配置しているテニスラケットフレームを提供するものである。
【0008】
上記テニスラケットフレームは、本発明者の鋭意研究の結果に基づいてなされたもので、非力な女性やシニア層にとって、ラケットを振り抜き易くして打球フィーリングを向上させるには、フレームの軽量化と、グリップエンドからラケットフレームの重心位置までの距離、即ち、バランスを短くすることが有効であることに基づく。また、軽量化したテニスラケットフレームで、かつ、フェイス部の形状が一般的な形状であっても、フレームの剛性をコントロールすることにより反発性能を向上させることが出来ることに基づく。具体的には、打球面剛性(フェイス部の面外方向の剛性値)を高める一方、フェイス部の面内方向の剛性値を小さくして、その比を適性範囲として、効率よく反発性能を高めている。
【0009】
特に、本発明のテニスラケットフレームは、上記のように、フェイス部の面内方向の剛性値を小さくする一方、打球面剛性を大としているため、軟式テニス用としても好適に用いられる。即ち、軟式テニスのボールは硬式テニスのボールよりも柔らかく、打球時にガット面との接触時間が長いため、面内方向の剛性を低くしていると接触時間をより長くでき、打球面剛性を高めていることと併せて反発性能を向上させることができることに因る。
【0010】
本発明のテニスラケットフレームの材質は、非木質系であれば限定されないが、繊維強化樹脂からなるプリプレグを積層して成形したパイプ状のフレームからなるものが好ましい。
【0011】
上記重量はグリップレザー、バンパー、グロメット等の所要の付属品を取り付けているが、ガットは張架していない状態での重量である。重量は、上記のように、200g以下140g以上、好ましくは190g以下165g以上としている。200g以下としているのは、非力な女性やシニア層にとって非常に振り抜くことができるようにするには200g以下とすることが好ましいためであり、一方、140g以上としているのは、140g未満であると、軽くなり過ぎ、強度不足になるためである。
【0012】
上記のようにバランスを280mm以上400mm以下の範囲としているのは、280mm未満として重心位置を手元側に近づけると慣性モーメントが小さくなり、ラケットの振り易すや操作性は向上するが、パワーの無いラケットとなり、打球時におけるボールの反発力が小さくなり過ぎるためである。一方、400mmを越えると、慣性モーメントが大きくなり過ぎて、非力なプレーヤーにとって操作性が悪くなり、扱いにくいラケットとなることによる。なお、バランスは、330mm以上380mm以下がより好ましい。
【0013】
上記のように、打球面を囲むフェイス部のトップ部分の面内方向の剛性値(頂圧剛性)と打球面の面外方向の剛性値の比(頂圧剛性/打球面剛性)を0.7未満0.25以上の範囲に設定しているのは、0.25未満であると、ストリングスを張架した際にフレームの変形が大きくなり、面内方向の強度が低下し過ぎ、ラケットフレームが破損し易くなるためである。一方、0.7以上となると、打球面剛性が小さくなり過ぎ反発性能が劣るためである。なお、フェイストップ部の面内方向の剛性値/面外方向の剛性値は、より好ましくは0.65以下、最も好ましくは0.6以下である。
【0014】
上記のように、テニスラケットフレームの重量を200g以下の軽量とすると、強度不足が生じ、スロート部に最も破損が発生しやすくなると共に反発力が低下する。よって、スロート部とフェイス部とに補強層を設け、スロート部の破損を生じにくくすると共に打球面を囲むフェイス部を補強して反発力を高める必要がある。しかしながら、重量が200gを越えると共にバランスが400mmを越えると振り抜きにくいテニスラケットフレームとなる。この点を考慮して、フェイス部の面外方向の剛性値(打球面剛性)とスロート部の剛性値の比(打球面剛性/スロート部剛性)は0.3以上0.8以下の範囲に設定している。これは0.3未満であると、打球面剛性が小さくなり過ぎ反発力が低下する一方、0.8を越えると、重量、バランスが上記設定範囲を越えるためである。なお、打球面剛性/スロート部剛性は0.35以上、さらに0.4以上とすることが好ましい。
【0015】
また、上記した軽量のテニスラケットフレームは、そのフェイス面積を90平方インチ以上140平方インチ以下、全長を700mm以上765mm以下、フェイス部の最大厚みを28mm以上38mm以下とすることが好ましい。
【0016】
テニスラケットフレームを軽量化するとスイートスポット以外のオフセンターでの打球時の反発力が低下するが、それに対しては、ラケットフレームの全長を、標準の27インチ(687mm)よりも長い700mm以上とし、打球面の面積を90平方インチ以上とすることにより、スイートスポットを広げ、且つ、打球面を囲むフェイス部の最大厚みを28mm以上とすることにより、軽量化にともなう反発力の低下を補償することができる。
【0017】
フェイス面積を、上記のように、90平方インチ以上140平方インチ以下としているが、好ましくは95平方インチ以上135平方インチ以下である。これは、90平方インチ未満であると、スイートスポットをあまり広げることができず、オフスポットに当たる確率が増えて反発性能が劣ることに因る。一方、140平方インチを越えると、反発性に関しては大きくなりすぎ、よって、飛び過ぎてしまいコントロール性が悪化することに因る。
【0018】
テニスラケットフレームの全長は、上記のように、700mm以上765mm以下として、標準よりも長尺化している。上記寸法は、700mm未満であると、慣性モーメントが小さくなり反発力が小さくためと、打球時に打ち返せる範囲が狭く、相手に打ち負けるからである。なお、710mm以上とすることがより好ましい。一方、765mmを越えると、逆に慣性モーメントが大きくなり、扱いにくいラケットとなるためである。
【0019】
フェイス部の最大厚みは、上記のように、28mm以上38mm以下としている。この最大厚み位置はフェイス部のトップ(フェイス面を時計面と見た時の0度の位置)または4時から5時および8時から7時の位置が良く、特に反発性を高めるためには0時の位置が好ましい。最大厚みが28mmより小さいと、打球面剛性が低下し、反発性能が劣る一方、38mmを越えると、重量が増加する問題がある。
【0020】
上記テニスラケットフレームは、面外一次の固有振動数を130Hz以上200Hz以下としていることが好ましい。より好ましくは135Hz以上180Hz以下である。
【0021】
面外一次の固有振動数が低いラケットは、重量が重いラケットまたは面外剛性が小さいラケットが当てはまり、面外一次固有振動数が130Hz未満では、重量が重いために振りにくくなり、また、面外剛性が小さいとコントロール性が悪いなる。一方、面外一次固有振動数が200Hzを越えると、面外剛性が大きくなり過ぎ、打球フィーリングが悪くなる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明のテニスラケットフレーム1を示す。該テニスラケット1のフレームは、繊維強化樹脂製の中空状で、打球面(ガット面)2を囲むフェイス部3と、スロート部4、シャフト部5とグリップ部6を連続して構成している。上記フェイス部3には別部材からなるヨーク部7をスロート側で連続して打球面2を環状で囲んでいる。
【0023】
図示の実施形態のラケットフレームは、カーボン繊維で強化されたポリアミドからなり、金型を用いて加圧加熱成形で、ローフレームを形成している。金型から取り出したローフレームはバリ取り、ガット孔加工を施し、さらに、パテ塗り、ペイント塗装を行った後、グロメット、グリップ等の一般的な部品を取り付けてラケットフレーム1を完成させている。
【0024】
上記テニスラケットフレームは図2に概略的に斜線8で示すように、フェイス部3の両サイド部のフレームの厚み方向の両側外面に強化繊維の繊維方向を0°(ラケットフレームの長さ方向に平行方向)として配置している。なお、繊維方向を0°とする方法に代えて、強化繊維として高強度繊維を用いてもよい。このように、フェイス部の両サイドの剛性を高めることにより、面外方向の剛性値(打球面剛性)を所要値まで高めている。なお、スロート部の剛性を高める場合も上記と同様な方法を採用している。
【0025】
上記のようにフェイス部3の両側サイドを補強して面外方向の剛性を高めて、フェイス部3のトップ部分3aの面内方向の剛性値(頂圧剛性)とフェイス面(ガット面)2の面外方向の剛性値(打球面剛性)の比(頂圧剛性/打球面剛性)を0.7未満0.25以上となる範囲に設定している。また、同様に、スロート部4の剛性も設定して、フェイス面2の面外方向の剛性値(打球面剛性)とスロート部4の剛性値(スロート部剛性)との比(打球面剛性/スロート部剛性)を0.3以上0.8以下としている。
【0026】
なお、各部の剛性値は上記方法により補強して設定することに限定されず、プリプレグの積層枚数、フレームの断面形状を適宜に設定することにより、頂圧剛性/打球面剛性、打球面剛性/スロート部剛性を上記比の範囲に含まれるように設定すればよい。
【0027】
上記テニスラケットフレームは、その重量を200g以下140g以上、グリップエンドから重心位置まで距離であるバランスを280mm以上400mm以下としている。また、フェイス面2の面積を90平方インチ以上140平方インチ以下、全長を700mm以上765mm以下、フェイス部3の最大厚みを28mm以上38mm以下としている。さらに、面外一次の固有振動数が130Hz以上200Hz以下となるようにラケットフレーム1を作成している。
【0028】
重量、バランス、全長、フェイス面積、フェイス最大厚み寸法を表1に示すように相違させたテニスラケットフレーム(実施例1〜実施例9、および比較例1〜比較例5)を製作した。これら実施例および比較例のテニスラケットフレームは、前記のように、強化繊維をカーボン繊維とし、マトリクス樹脂をポリアミド樹脂とした繊維強化樹脂製のフレームからなる。
【0029】
これら実施例と比較例のテニスラケットフレームの面外一次固有振動数、頂圧剛性/打球面剛性、打球面剛性/スロート部剛性、反発係数を測定し、かつ、実打による飛びテストおよび打球フィーリングテストを行った。
【0030】
【表1】
【0031】
比較例1、2、3は、重量が200gを越え、全長を700mm未満、フェイス面積を90平方インチ未満、フェイス部の最大厚みを28mm未満とした。バランスは本発明の範囲内とした。これに対して、比較例4、5は重量、全長、フェイス面積、フェイス部の最大厚みは本発明の範囲としたが、頂圧剛性/打球面剛性、打球面剛性/スロート部剛性を本発明の範囲外とした。
【0032】
(反発係数の測定)
反発係数は、図3に示すように、実施例および比較例のテニスラケットにガットを縦60ポンド、横55ポンドの張力で張袈し、各テニスラケットを垂直状態でフリーとなるようにグリップ部を柔らかく固定し、その打球面にボール打出機から一定速度V1(30m/s)でボールをフェイス面に衝突させ、跳ね返えたボールの速度V2を測定した。反発係数は速度V1、V2の比(V2/V1)であり、反発係数が大きい程、ボールの飛びが良いことを示している。
【0033】
(一次固有振動数の測定)
一次固有振動数の測定は、図4に示すように、ガットを張袈していないテニスラケットフレームのフェイス部のトップを紐で吊り下げて自由支持し、この状態で3時の位置の一面に加速度ピックアップ100を取り付け、その裏面からインパクトハンマー101で加振した。インパクトハンマーに取り付けたフォースピックアップで計測した入力振動と加速度ピックアップで計測した応答振動をアンプ102と、103を介して周波数解析装置104により解析した。この解析で周波数領域での伝達関数を求めて、面外一次固有振動数を得た。
【0034】
(フェイス面の面外方向の剛性測定)
フェイス面の面外方向の剛性、即ち、打球面剛性の測定は、図5(A)(B)に示すようにテニスラケットフレームを水平に配置し、フェイス部3のトップ3aを受け治具11で支持するとともに、トップ3aから340mm離れた位置で、スロート部4の両側からヨーク部にかけた位置を受け治具12で支持した。この状態で、受け治具12より受け治具11の方向へ170mm離れた位置に対して、加圧具13により上方より80kgfの力を加えて変位量(たわみ量)を測定し、加えた加重値である80kgfを変位量(cm)で割ってその値をフェイス面の面外方向の剛性値とした。
【0035】
(フェイス部トップの面内方向の剛性測定)
フェイス部トップの面内方向の剛性、即ち、頂圧測定は、図6(A)(B)に示すように、テニスラケットフレームのフェイス部3のトップ3aを上端、グリップエンドを下端とし、保持台15に沿って垂直に立て、ヨーク部にスペーサ16をいれて正確に位置決め保持した。この状態で、上端のトップ3aに対して加圧具17で上方より80kgfの荷重をかけて変位量(たわみ量)を測定し、加えた加重値である80kgfを変位量(cm)で割って、その値をフェイス部トップの面内方向の剛性値とした。
【0036】
(スロート部の剛性測定)
スロート部の剛性測定は、図7(A)(B)に示すように、テニスラケットフレームを水平に配置し、ヨーク部の下端に当たる位置から両側のスロート部を受け治具20で支持するとともに、該受け治具20よりグリップ側に340mm離れた位置で受け治具21によりグリップ部を支持した。この状態で、受け治具21よりスロート部側に220mm離れた位置に対して、加圧具22により上方より80kgfの力を加えて変位量(たわみ量)を測定し、加えた加重値である80kgfを変位量で割って、その値をスロート部の剛性値とした。
【0037】
なお、頂圧剛性/打球面剛性および打球面剛性/スロート部剛性の値は前記した方法で求めた剛性値の比である。
【0038】
(実打による飛び、打球フィーリング評価方法)
実施例および比較例のテニスラケットを用い、テニス歴10年以上、現在も週3日以上プレーする条件を満たす中、上級の男女各36名、合計72名のプレーヤが実打して、飛び性能と打球フィーリングについてアンケート調査を行った。ボールの飛びについては、ボールが良く飛ぶと感じるテニスラケットを「◎」とし、飛ばないと感じたテニスラケットを「×」、中間を「△」として評価をさせた。打球フィーリングについては、良いと感じたテニスラケットを「◎」とし、悪いと感じたテニスラケットを「×」、中間を「△」として評価させた。
【0039】
上記測定結果および実打による評価は表1に示す通りである。比較例1〜3は面外一次振動数、頂圧剛性/打球面剛性、打球面剛性/スロート部剛性の値がいずれも本発明の範囲外であった。また、比較例4、5も前記したように、頂圧剛性/打球面剛性、打球面剛性/スロート部剛性の値が本発明の範囲外であった。
【0040】
反発係数については、実施例1〜9のテニスラケットフレームは0.32以上であったのに対して、比較例1〜5は最も反発係数が大きい比較例5でも0.3であり、実施例の方が優れていることが確認できた。
【0041】
実打による飛び評価は実施例1〜6は「◎」で、実施例7〜9が「△」であったが、「×」はなかった。これに対して、比較例では、比較例3が「×」で、比較例1、2、4、5は「△」であり、「◎」はなかった。また、打球フィーリングの評価は実施例1〜9は全て「◎」であった。これに対して比較例は「×」「△」だけであり、「◎」はなかった。このように、実打による評価では実施例1〜9は比較例1〜5よりも圧倒的に良い評価が得られた。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明のテニスラケットによれば、200g以下の軽量としながらも、バランス点をややグリップ側としていることにより、特に非力なプレーヤにとって振り抜きやすく、打球フィーリングの良いテニスラケットフレームとすることができる。かつ、軽量ながら、フェイス部の面外剛性と面内剛性、及びスロート部の剛性をコントロールし、これらの比を設定範囲内としていることにより、反発性能を高めることができる。その結果、軽量化と高反発性能の両方を達成するテニスラケットフレームとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態のテニスラケットの平面図である。
【図2】 剛性を高める手段を示す概略説明図である。
【図3】 反発係数の測定方法を示す概略図である。
【図4】 一次固有振動数の測定方法を示す概略図である。
【図5】 (A)(B)は打球面剛性の測定方法を示す概略図である。
【図6】 (A)(B)は頂圧剛性の測定方法を示す概略図である。
【図7】 (A)(B)はスロート部の剛性の測定方向を示す概略図である。
【符号の説明】
1 テニスラケット
2 フェイス面(ガット面)
3 フェイス部
4 スロート部
5 シャフト部
6 グリップ部
7 ヨーク部
Claims (2)
- 重量を200g以下140g以上、グリップエンドから重心位置までの距離であるバランスを280mm以上400mm以下に設定し、
ラケットフレームを垂直に立てた状態で打球面を囲むフェイス部のトップ部分に対して垂直に荷重を加えた際の変位量(たわみ量)で該荷重値を割った値をフェース部トップの面内方向の剛性値(頂圧剛性)とすると共に、
ラケットフレームを水平に配置し、フェイス部のトップ部分と、スロート部の両側からヨーク部にかけた位置とをそれぞれ受け治具で支持した状態で、両受け治具で支持された間のフェース部に対して垂直方向に荷重を加えた際の変位量(たわみ量)で該荷重値を割った値を、フェイス面の面外方向の剛性値(打球面剛性)とした場合、
上記面内方向の剛性値(頂圧剛性)とフェイス面の面外方向の剛性値(打球面剛性)の比(頂圧剛性/打球面剛性)を0.25以上0.65以下に設定し、
ラケットフレームを水平に配置し、ヨーク部の下端に当たる位置から両側のスロート部と、グリップ部とをそれぞれ受け治具で支持した状態で、両受け治具で支持された間に垂直方向に荷重を加えた際の変位量(たわみ量)で該荷重値を割った値を、スロート部の剛性値(スロート部剛性)とした場合、
フェイス面の面外方向の剛性値(打球面剛性)とスロート部の剛性値(スロート部剛性)との比(打球面剛性/スロート部剛性)を0.3以上0.8以下に設定し、かつ、上記フェイス部の両サイド部のフレーム厚み方向の両側外面に強化繊維の繊維方向を0°(ラケットフレーム長さ方向と平行)として配置しているテニスラケットフレーム。 - フェイス面積を90平方インチ以上140平方インチ以下、全長を700mm以上765mm以下、フェイス部の最大厚みを28mm以上38mm以下としている請求項1に記載のテニスラケットフレーム。
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