JP2543591B2 - テニスラケットフレ−ム - Google Patents

テニスラケットフレ−ム

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JP2543591B2
JP2543591B2 JP1082363A JP8236389A JP2543591B2 JP 2543591 B2 JP2543591 B2 JP 2543591B2 JP 1082363 A JP1082363 A JP 1082363A JP 8236389 A JP8236389 A JP 8236389A JP 2543591 B2 JP2543591 B2 JP 2543591B2
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frame
rigidity
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哲男 山口
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【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明はテニスラケットフレームに関し、特に、ボー
ル衝突時における反発係数を増加してボール初速を最大
に近付けるようにするものである。
〈従来の技術〉 一般に、テニスラケットフレームはボールの衝突時に
おける反発係数が増加するとボールの飛びを良くするこ
とが出来、上記反発係数にはボール衝突時における衝撃
エネルギーの伝達効率が大きな影響を与える。この衝撃
エネルギーの伝達効率は衝突する二つの物体の固有振動
数が一致した時に極大となることが、既に、下記の文献
*1、公報*2より立証されている。
以下、この概念をインピーダンスマッチング理論と呼
ぶ。
*1…Takuzo Iwatsubo,et al、 Transfer Characteristics in Collision of Two Visco
-Elastomers under Mechanical Impedance,Theoretical
and Applied Mechanics,Vol.34(1984),P153. *2…特開昭61-22874,特開昭61-284265 上記物体の固有振動には多数のモードが存在し、ラケ
ットフレームおよびボールについても同様である。即
ち、例えばラケットフレームに対してボールが衝突する
ことにより加えられる機械的振動の周波数が、零から次
第に増加していった時に最初に現れる面外固有振動数が
面外一次の固有振動数に相当し、ついで面外二次固有振
動数、面外三次固有振動数が現れる。尚、上記した面外
固有振動数とは、ラケットフレーム面に対して垂直方向
に起こる曲げ固有振動の面外固有振動数を指している。
振動モードは、第1図(A)(B)(C)に示すよう
に、物体の境界条件により相違し、第1図(A)に示す
両端自由の場合、第1図(B)に示す一端固定の場合、
第1図(C)に示す両端固定の場合を示している。ま
た、各(A)(B)(C)図において、一次振動モー
ド、二次振動モード、三次振動モードを示しており、各
振動は節F、Fの間に腹Hがあり、一次振動モードの腹
Hは二次振動モードの中心の節Fに当たっている。
実際にテニスをしている場合、ラケットは人の手によ
って一端が支持されている状態でラケットフレームとボ
ールとの衝突が起り、この状態をラケットフレームに取
り付けた加速度計から得られる振動の波形で観察する
と、上記第1図(A)の両端自由と類似していることが
判明している。
また、ラケットフレームはボールの衝突方向に対して
垂直方向に長く、よって、両端自由な梁として仮定して
考えられ、このような梁に対してボールが衝突する位置
が相違すると、励起される振動に違いが生じる。即ち、
第2図(A)に示すように中央位置(全長Lに対して0.
5Lの位置)にボールが衝突した場合には一次固有振動モ
ードが励起されやすく、第2図(B)に示すように中央
より一端側に寄った位置にボールBが衝突した場合には
二次固有振動モードが励起されやすい。通常、テニスを
している際に、ボールがラケットに当たる位置は、第3
図に示すようにラケットフレーム1のグリップ2側の先
端から0.60L〜0.85Lの範囲W-1で、上記第2図(B)の
位置と対応し、主として面外二次振動モードが励起され
易い部位でボールを打っている。
従来、テニス用のラケットフレームにおいて提案され
ているボール打撃時の反発力を高める試みでは、ラケッ
トフレームの一次固有振動モードにのみ着目し、ボール
の一次固有振動数にラケットフレームの一次固有振動数
を近似させる構成とし、よって、衝撃エネルギーの伝達
効率を高めて反発係数の増加を図っている(例えば、特
開昭63-270068号公報)。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかしながら、上記したように、実際には、面外二次
振動モードが励起しやすい部分でボールを打っているた
め、面外一次固有振動モードのみに着目して高い反発係
数を得るように設定しても、面外二次固有振動数がボー
ルの固有振動数に近似していなければ、高い反発係数を
得ることが出来ない。
本発明者達は、実験やシミュレイションにより反発係
数の高い面外二次固有振動数および面外一次固有振動数
を求めた。その結果を、第4図及び第5図のグラフに示
す。
第4図はフレームの剛性と面外一次固有振動数・面外
二次固有振動数とボールの一次固有振動数・二次固有振
動数との関係を求めた結果を示すものである。第4図の
グラフに示すように、重量範囲47g〜67gの硬式テニスボ
ールにおける一次固有振動数は100Hz〜130Hzで、二次固
有振動数は390Hz〜520Hzである。このボールの一次固有
振動数とフレームの面外一次固有振動数とがほぼ合うの
は、フレームの剛性が比較的低い場合であり、また、ボ
ールの二次固有振動数とフレームの面外固有振動数がほ
ぼ合うのは、フレームの剛性が比較的高い場合である。
上記インピーダンスマッチング理論より、ラケットフ
レームの面外一次固有振動数が100〜170Hz、好ましくは
100〜130Hzの場合で、面外二次固有振動数が390〜520Hz
の場合に、より高い反発係数が得られるものと予想さ
れ、また、実際そうであることが、実験やシミュレイシ
ョンより判明した。即ち、フレームの面外一次固有振動
数が第5図(B)に示す範囲W−2の100〜130Hzが反発
係数が高く、また、面外二次固有振動数は第5図(C)
に示す範囲W−3の390〜520Hz、好ましくは410〜460Hz
が反発係数が高いことが実証された。
前記したように、面外一次固有振動数が100〜130Hzの
テニスラケットフレームあるいは、面外二次固有振動数
が390〜520Hzのテニスラケットフレームは提供されてい
る。
しかしながら、従来、構成されているテニスラケット
フレームの面外一次固有振動数と面外二次固有振動数と
の関係は第6図に示す範囲W−4にあり、面外一次固有
振動数が100〜130Hzのものは面外二次固有振動数が240
〜380Hz、面外二次固有振動数が390〜520Hzのものは面
外一次固有振動数が140〜230Hzで、第6図中に斜線で示
す一次固有振動数および二次固有振動数が共に反発係数
が高い範囲W−5にあるものは提供されていない。
上記テニスラケットフレームの面外一次固有振動数お
よび面外二次固有振動数の測定およびボールの一次固有
振動数および二次固有振動数の測定は下記の方法により
行ったものである。
即ち、テニスラケットフレームは前記第1図(A)の
両端自由とした状態で測定したものである。その測定方
法として、第7図(A)(B)に示すように、テニスラ
ケットフレーム1のグリップ2をゴム紐3に結ぶ固定部
材4から鉛直方向に垂下して、言わば宙吊りして支持す
る。このテニスラケットフレーム1の下端部をインパク
トハンマー8により打撃し、該インパクトハンマー8に
取り付けたフォースピックアップ(第1加速度ピックア
ップ)9で振動入力を計測すると共に、インパクトハン
マー8による打撃面の反対面においてテニスラケットフ
レーム面に垂直方向に固定した第2加速度ピックアップ
5で振動応答を計測し、第9図に示すように、これら計
測値をアンプ6を介して周波数解析装置7、例えば、ダ
イナミックシグナルアナライザー(横河ヒューレットパ
ッカー株式会社製3562A)により解析する。該解析で周
波数領域での伝達関数を求めてラケットフレーム面外一
次固有振動数・面外二次固有振動数を得ている。
ボールの一次固有振動数および二次固有振動数の測定
は第8図に示す方法で測定しており、加振機21の試供体
取付台22に第1加速度ピックアップ9′を固着し、上記
試供体取付台22にボールBを固着する。該ボールBには
試供体取付台22に固着された側と反対側に第2加速度ピ
ックアップ5′を固着している。加振機21によりボール
Bに振動を与え、上記第1と第2加速度ピックアップで
振動を計測し、これら入力および応答を前記ラケットフ
レーム測定の場合と同様に、第9図に示すアンプ6を介
して周波数解析装置7により解析する。該解析で、周波
数領域での伝達関数を求めて、ボールBの一次および二
次固有振動数を得ている。
本発明は、上記したように、従来提供されているテニ
スラケットフレームは面外一次固有振動数あるいは面外
二次固有振動数のいずれか一方がボールの固有振動数に
近似しているのみで、テニスラケットフレームの面外一
次固有振動数がボールの一次固有振動数に、テニスラケ
ットフレームの面外二次固有振動数がボールの二次固有
振動数にそれぞれ同時に近似しているものはなく、効果
的な反発係数の増加が図れていない点に鑑みてなされた
ものである。
本発明は、特に、テニスラケットフレームにおいては
二次振動モードが励起されやすいことに鑑み、面外二次
固有振動数をボールの二次固有振動数に近似させ、さら
に、テニスラケットフレームの面外一次固有振動数もボ
ールの一次固有振動数に近似させ、ボール衝突時に高い
反発係数を得ることが出来るテニスラケットフレームの
提供を目的とするものである。
〈課題を解決するための手段〉 上記目的を達成するため、本発明は、請求項1で、テ
ニスラケットフレームのボール衝突時に発生する面外一
次固有振動数と面外二次固有振動数との両方を、それぞ
れボールの一次固有振動数と二次固有振動数に合わせる
ように設定し、かつ、テニスラケットフレームのボール
衝突時に発生する面外一次固有振動数を100〜130Hzと
し、面外二次固有振動数を390〜520Hzに設定しているこ
とを特徴とするテニスラケットフレームを提供してい
る。
上記のようにテニスラケットフレームの面外一次固有
振動数および面外二次固有振動数をそれぞれボールの一
次固有振動数と二次固有振動数とにあわせるには、テニ
スラケットフレームの面外二次固有振動数をボールの二
次固有振動数に合わせたまま、ラケットフレームの面外
一次固有振動数を従来よりも低くすることにより得る1
つの方法と、ラケットフレームの面外一次固有振動数を
ボールの一次固有振動数に合わせたままで、面外二次固
有振動数を従来よりも高くすることによる得る他の方法
とがある。
前記した方法を用いて、ラケットフレームの面外二次
固有振動数をボールの二次固有振動数に合わせたまま
で、ラケットフレームの面外一次固有振動数を低く下げ
るには、一次振動のモードの前述した腹Hの部分の剛性
を下げると、面外一次固有振動数のみを選択的に下げる
ことが出来る。
尚、一次振動モードの腹Hは二次振動モードの節Fに
あたるので、二次固有振動数は余り影響をうけずに、二
次固有振動数をボールの二次固有振動数とあわせたまま
とすることが出来る。
同様に、後記した方法を用いて、ラケットフレームの
面外一次固有振動数をボールの一次固有振動数にあわせ
たままで、ラケットフレームの面外二次固有振動数を上
げるには、二次振動モードの腹Hの部分の剛性を上げる
と良い。
上記したことより、本発明は、請求項2で、テニスラ
ケットフレームの全長をLとして、テニスラケットフレ
ーム先端から0.26Lの範囲内及び/または0.56L〜0.78L
の範囲内に、該テニスラケットフレームにおける剛性の
最も高い部分を存在させる請求項1に記載のテニスラケ
ットフレームを提供している。
また、請求項3で、テニスラケットフレームの全長を
Lとして、該テニスラケットフレーム先端から0.30L〜
0.54Lの範囲内に該テニスラケットフレームにおける剛
性の最も低い部分を存在させる請求項1または請求項2
に記載のテニスラケットフレームを提供している。
上記のように、テニスラケットフレームの最も剛性の
高い部分は、テニスラケットフレーム先端から0.26Lの
範囲と0.56L〜0.78Lの範囲の両方でも良いし、テニスラ
ケットフレーム先端から0.26Lの範囲のみ、あるいは、
0.56L〜0.78Lの範囲のみのいずれか一方でもよい。
尚、本発明のラケットフレームは、上記最も剛性の高
い部分を上記範囲に設定すると同時に最も剛性の低い部
分を上記範囲に設定してもよい。あるいは、最も剛性の
高い部分を上記範囲に設定しているが、最も剛性の低い
部分は上記範囲に設定していない場合および逆の最も剛
性の低い部分は上記範囲に設定しているが、最も剛性の
高い部分は上記範囲に設定していない場合を含むもので
ある。
上記テニスラケットフレームとボールとの一次固有振
動数と二次固有振動数とをそれぞれ合わせるために、特
に、本発明においては、上記剛性の最も高い部分をフレ
ーム先端から0.04L〜0.20Lの範囲内及び/または0.60L
〜0.73Lのの範囲内とする一方、剛性の最も低い部分を
フレーム先端から0.36L〜0.50Lの範囲内とすることが好
ましい。
上記した剛性には、曲げ剛性EI及び/或いは捩り剛性
GIがあり、上記フレームの剛性分布を、上記曲げ剛性EI
の分布を変えることにより、或いは/及び捩り剛性GIの
分布を変える事により、上記した所定範囲の剛性を高く
し、及び/或いは低くしている。
尚、上記捩り剛性GIは、ラケットフレーム部材の各部
位の軸方向の軸回りの捩り回転に対する剛性を指す。ま
た、曲げ剛性EIは、ラケットフレーム部材の各部位のラ
ケットフレーム面に対して垂直方向の曲げに対する剛性
を指す。
上記剛性が曲げ剛性EIとすると、上記曲げ剛性EIの最
も高い部分の値が2.0×107〜2.0×108kgf・mm2の範囲内
で、かつ、上記剛性の最も低い部分の値が、1.0×106
1.0×107kgf・mm2の範囲内とすることが好ましい。
上記剛性が捩り剛性GIとすると、上記捩り剛性GIの最
も高い部分の値が5.5×106〜5.8×107kgf・mm2の範囲内
で、かつ、上記剛性GIの最も低い部分の値が3.3×105
3.4×106kgf・mm2の範囲内とすることが好ましい。
本発明は、上記したフレームの曲げ剛性EI分布及び/
或いはフレームの捩り剛性GI分布を変えることによりフ
レームの各部の剛性分布を最適に設定するため、具体的
には、フレーム各部の断面形状(厚さ等)を変化させ、
あるいは、フレーム各部の使用材料の弾性率を変化させ
ている。
具体的には、請求項4で、上記剛性の高低は、テニス
ラケットフレームの厚さで調整し、剛性の最も高い部分
は厚さを最大とし、剛性の最も低い部分は厚さを最小と
している請求項2または請求項3のいずれか1項に記載
のテニスラケットフレームを提供している。
さらに、請求項5で、上記剛性の高低は、テニスラケ
ットフレームを繊維強化樹脂製とし、含有する強化繊維
の種類、充填量および/あるいは繊維の配向角により調
整していることを特徴とする請求項2または請求項3の
いずれか1項に記載のテニスラケットフレームを提供し
ている。
〈実施例〉 以下、本発明を図面に示す実施例により詳細に説明す
る。
第10図および第11図は本発明の第1実施例を示し、全
重量が260〜370gのテニスラケットフレームにおいて、
該テニスラケットフレームの面外一次固有振動数を100
〜130Hz、面外二次固有振動数を390〜520Hzとするため
に、実験結果よりフレームの長手方向に沿って分割した
a〜fの部分の曲げ剛性EIを下記の表1に示す範囲に設
定することが好ましいと判明し、よって、後述するよう
に、フレームの断面形状をa〜fの各部で変えて該曲げ
剛性EIの分布となるようにしている。
尚、上記EIとは弾性率Eと断面二次モーメントIの積
を現したものである。かつ、下記のa、b、・・・fの
各範囲において、それぞれの中心部の曲げ剛性が下記の
表の数値範囲にあり、a〜fの各部の剛性はなめらかに
連続したものとすることが好ましい。
上記a〜fの位置および長さは、フレーム10の長さ全
体をLとすると、それぞれ下記の範囲に設定している。
・a:フレーム10のグリップ11の先端から、略グリップと
シャフトの境の位置までで、グリップ先端より、0.22L
の長さの部分。
・b:上記aに隣接した位置で略グリップとシャフトの境
の位置からスロート部分13の中間部までの範囲で、グリ
ップ先端より0.44Lの長さで上記aの部分を除く部分。
即ち、フレームトップ部14から0.56L〜0.78Lの部分。
・c:上記bに隣接した位置で、スロート部13の略中間部
で、0.02Lの長さの部分で、グリップ先端より0.46Lの長
さで上記aとbの部分を除く部分。
・d:フレームサイド部15とスロート部13(ヨーク)の交
わる位置で、フレームトップ部先端より0.54Lの長さ
で、下記f,eの部分を除く部分。
・e:上記fに隣接したフレームサイド部15の位置で、フ
レームトップ部先端より、0.30Lの長さで上記fの部分
を除く部分。
・f:フレームトップ部14よりフレームサイド部15側の範
囲で、フレームトップ部先端より0.26Lの長さの部分。
上記a〜fの各部が表1の曲げ剛性を持つように、本
実施例においては、FRP(ガラス繊維強化プラスチッ
ク)からなる外殻構造のフレーム10の厚さを、下記の表
2に示す範囲に設定している。
尚、上記した各部の厚さは、各a〜fの部分における
長さ方向の中央部の厚さの範囲であって、a〜fの各部
の厚さは隣接部と滑らかに連続させるように、断面形状
を変化させている。
上記したように、本発明のラケットフレームは、その
全長さLが680mmであると、フレームトップ部14の先端
より測定して0.0〜177mmの範囲(上記fの範囲)とグリ
ップ先端より測定して150〜299mmの範囲(上記bの範
囲)で、その厚さを30〜50mmの範囲で最大となるように
している。
一方、フレームトップ部14の先端より測定して204〜3
67mmの範囲(上記dの範囲)で厚さが10〜20mmの最小と
なるようにしている。
このように、bとfの部分、即ち、特に、ボールが当
たって励起されやすい二次固有振動数のおよそ腹Hの部
分の剛性を2.0×107〜2.0×108と最も高くし、一方、こ
れらbとfに挟まれた中央部分dの剛性を最も低くして
いる。第12図および第13図は、本発明の第2実施例を示
し、前記第10図および第11図に示す実施例と同様に、ラ
ケットフレームの長手方向で分割した各部の曲げ剛性EI
分布を、表3に記載するように設定するもので、該表4
に示す曲げ剛性EI分布は前記表1の曲げ剛性EI分布より
曲げ剛性を高くする部分および低くする部分を限定して
いる。
尚、前記表1と同様で、上記曲げ剛性EIはa′〜g′
の各部における中心部の剛性であって、各部の剛性は滑
らかに連続させることが好ましい。
上記a′〜g′の範囲は図示の如くであり、即ち、 ・a′はグリップ先端より0.27Lの範囲。
・b′はグリップ先端より0.40Lの範囲で上記a′の部
分を除く部分。
・c′はグリップ先端より0.50Lの範囲で上記a′およ
びb′の部分を除く部分。
・g′はフレームトップ先端より0.04Lの範囲。
・f′はフレームトップ先端より0.20Lの範囲で上記
g′の部分を除く部分。
・e′はフレームトップ先端より0.36Lの範囲で上記
g′とf′の部分を除く部分。
・d′は上記c′とe′とに挟まれた略中央部分。
ラケットフレームの上記各部a′〜g′の曲げ剛性EI
を上記範囲とするために、a′〜g′の各部の厚さを下
記の表5に示すように設定している。
尚、上記厚さも各部a′〜g′の中央部の厚さであっ
て、隣接部は連続した滑らかな厚さとなるようにしてい
る。
上記実施例1および実施例2のように、フレーム各部
a〜f(a′〜g′)の曲げ剛性EI分布を、フレーム各
部の厚さを代えて変化させる代わりに、フレーム各部の
使用材料の弾性率を変化させることにより、上記した表
1および表3の曲げ剛性EI分布となるようにすることも
出来る。
即ち、本発明の第3実施例においては、ガラス繊維お
よび高弾性カーボン繊維からなる弾性率の異なる繊維を
用い、各部a〜f(またはa′〜g′)の繊維含有率を
制御することにより、あるいは繊維の配向角を制御する
ことにより、上記表1および表4に示す数値の曲げ剛性
EI分布とすることが出来る。
具体的には、フレーム全長が680mmのラケットフレー
ムにおいて、フレームトップ部先端より測定して27.2〜
136mmの範囲(f部)及び/またはフレームグリップ先
端より測定して184〜272mmの範囲(b部)に主として高
弾性カーボン繊維を用い、また、フレームトップ先端よ
り測定して245〜340mmの範囲(d部)に主としてガラス
繊維を用いている。
上記第1、2、3実施例は、いずれもラケットフレー
ムの曲げ剛性EI分布を最適に設定することによりラケッ
トフレームの面外一次固有振動数を100〜130Hz、面外二
次固有振動数を390〜520Hzとなるようにしている。
本発明の第4実施例は、ラケットフレームの捩り剛性
GIを前記第1実施例の各部a〜fにおいて下記の表5に
示すように設定し、あるいは第2実施例の各部a′〜
g′において下記の表6に示すように設定して、ラケッ
トフレームの面外一次および二次固有振動数を前記最適
範囲に設定している。
捩り剛性GIの分布をラケットフレームの各部a〜f
(a′〜g′)において、上記表5および表6の範囲と
するには、たとえば、第3実施例の場合と同様に、使用
材料の弾性率を変えることにより、あるいは使用繊維の
配向角を制御することにより為しえる。
《実験例1》 本発明に係わるラケットフレームを用いたラケット
と、従来のラケットとにおいて、面外一次固有振動数
(Hz)と反発係数の関係を比較したものである。
この比較試験は、ラケットフレーム10を前記第1図
(A)で示す両端自由の状態で測定したもので、具体的
には第14図に示すように、ラケットフレーム10のトップ
部14を固定枠30にL型フック31を介して係止し、ラケッ
トフレーム10の長手方向の軸が鉛直方向となるように吊
り、この吊り下げたラケットの張弦部32の略中央部に向
けて、図示のように、ボールBを垂直方向に速度Voで衝
突させ、ラケットの張弦部32に衝突して跳ね返ってきた
ボールBの速度Vrを測定した。その際、ラケットはボー
ルにより弾からフック31から外れて飛ばされるのである
が、これにより両端自由の状態が具現される。反発係数
はVr/Voにより計算している。
本発明のラケットは前記第2実施例のラケットフレー
ムを備えたもので、面外一次固有振動数が図示の100〜1
70Hzの範囲で、面外二次固有振動数が410〜460Hzとなる
ように設定したものである。
従来のラケットとしては、SRIインピーダンスI、SRI
VA-II、SRI MAX-200G、YONEX R-22、YAMAHAHI-FLEX、B
ridgestone B10/01を用いた。
上記した本発明に係わるラケットと従来のラケットの
反発係数は第15図に示す数値であり、本発明のラケット
が従来のラケットよりはるかに反発係数が高いことが実
証された。
《実験例2》 本発明に係わるラケットフレームを用いたラケット
と、従来のラケットとにおいて、面外二次固有振動数
(Hz)と反発係数の関係を比較したものである。反発係
数の測定方法は前記した第14図に示す方法を用いた。
本発明のラケットは実験例1と同様に前記第2実施例
のラケットフレームを備えたもので、従来のラケットと
してはSRIインピーダンスI、SRIインピーダンスII、SR
I DP-50、YONEX RQ-200、YAMAHA PROTO 2、ASICS ATLAS
を用いた。
上記した本発明に係わるラケットと従来のラケットと
反発係数は第16図に示す数値であり、本発明のラケット
が従来のラケットよりはるかに反発係数が高いことが実
証された。
〈発明の効果〉 以上の説明より明らかなように、本発明に係わるテニ
ス用ラケットフレームでは、フレームを長さ方向に沿っ
て各部分に分割し、これら各部の厚さ或いは使用材料を
相違させること等により、各部の剛性を変化させ、特
に、一次固有振動のおよそ腹となるラケットフレームの
部分(d部)の剛性を最も低く設定する一方、二次固有
振動のおよそ腹となるラケットフレームの部分(b部お
よび/またはf部)の剛性を最も高くするように設定し
ているため、該フレームの面外一次固有振動数を100〜1
30Hz、面外二次固有振動数を390〜520Hzとすることが出
来る。
上記した面外一次固有振動数および面外二次固有振動
数を備えた打球具、特に、テニス用のラケットフレーム
で、ボールを打撃すると、ボールの持つ運動エネルギー
を歪みエネルギーとして蓄え、面外一次固有振動数およ
び面外二次固有振動数がボールに対して最適に設定され
ているため、その歪みエネルギーを効率よくボールに伝
えることが出来る。よって、衝突によるボールの運動エ
ネルギーの損失は減少され、高い反発性能が得られ、ボ
ールの飛び性能を向上させることが出来る利点を有する
ものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は梁状構造物の振動モードを示す図面で、(A)
は両端自由の梁状構造物の振動モードを示す図面、
(B)は一端固定の梁状構造物の振動モードを示す図
面、(C)は両端固定の梁状構造物の振動モードを示す
図面、第2図は振動モードを説明する図面で、(A)は
衝突位置がフレームの中央である場合に発生し易い振動
モードを説明する図面、(B)は衝突位置がフレームの
一端よりの場合に発生し易い振動モードを説明する図
面、第3図はテニス用ラケットフレームのボールの当た
り位置を示す図面、第4図はフレーム全体の剛性とフレ
ームの面外固有振動数との関係を示す線図、第5図
(A)はフレーム全体の剛性と反発係数との関係を示す
線図、第5図(B)はフレーム面外一次固有振動数と反
発係数との関係を示す線図、第5図(C)はフレーム面
外二次固有振動数と反発係数との関係を示す線図、第6
図はテニス用ラケットフレームの面外一次固有振動数と
面外二次固有振動数との関係を示す線図、第7図(A)
は本発明に記載しているラケットフレームの面外固有振
動数の測定方法を示す図面、第7図(B)は第7図
(A)の要部を示す図面、第8図はボールの固有振動数
を測定する装置を示す図面、第9図は第1,第2加速度ピ
ックアップ,フォースピックアップにより測定された計
測値の処理回路を示す図面、第10図は本発明の第1実施
例を示すテニス用ラケットフレームの平面図、第11図は
第10図の正面図、第12図は本発明の第2実施例を示すテ
ニス用ラケットフレームの平面図、第13図は第12図の正
面図、第14図は実験例1および実験例2で用いた反発係
数の測定方法を示す概略図、第15図は実験例1の結果を
示す線図、第16図は実験例2の結果を示す線図である。 10……ラケットフレーム、11……グリップ、12……シャ
フト部、13……スロート、14……フレームトップ部、15
……フレームサイド部。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テニスラケットフレームのボール衝突時に
    発生する面外一次固有振動数と面外二次固有振動数との
    両方が、それぞれボールの一次固有振動数と二次固有振
    動数と合うように設定し、 上記テニスラケットフレームのボール衝突時に発生する
    面外一次固有振動数を100〜130Hzとし、面外二次固有振
    動数を390〜520Hzに設定していることを特徴とするテニ
    スラケットフレーム。
  2. 【請求項2】テニスラケットフレームの全長をLとし
    て、テニスラケットフレーム先端から0.26Lの範囲内及
    び/または0.56L〜0.78Lの範囲内に、該テニスラケット
    フレームにおける剛性の最も高い部分を存在させている
    ことを特徴とする請求項1に記載のテニスラケットフレ
    ーム。
  3. 【請求項3】テニスラケットフレームの全長をLとし
    て、該テニスラケットフレームの先端から0.30L〜0.54L
    の範囲内に該テニスラケットフレームにおける剛性の最
    も低い部分を存在させていることを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載のテニスラケットフレーム。
  4. 【請求項4】上記剛性の高低は、テニスラケットフレー
    ムの厚さで調整し、剛性の最も高い部分は厚さを最大と
    し、剛性の最も低い部分は厚さを最小としている請求項
    2または請求項3のいずれか1項に記載のテニスラケッ
    トフレーム。
  5. 【請求項5】上記剛性の高低は、テニスラケットフレー
    ムを繊維強化樹脂製とし、含有する強化繊維の種類、充
    填量および/あるいは繊維の配向角により調整している
    ことを特徴とする請求項2または請求項3のいずれか1
    項に記載のテニスラケットフレーム。
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