JP2651565B2 - 打球具 - Google Patents

打球具

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JP2651565B2
JP2651565B2 JP7347796A JP34779695A JP2651565B2 JP 2651565 B2 JP2651565 B2 JP 2651565B2 JP 7347796 A JP7347796 A JP 7347796A JP 34779695 A JP34779695 A JP 34779695A JP 2651565 B2 JP2651565 B2 JP 2651565B2
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哲男 山口
裕臣 松下
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スポーツ用の打球
具に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、打球具として、ゴルフクラブを
例にとって説明すると、ゴルフボールを打撃するゴルフ
クラブの作用は次のように整理できる。即ち、 弾道への影響………スピン・打出角・方向性への影響 ボール初速への影響………ヘッド速度・反撥係数への影
響 このうち、スピン・打出角・方向性に関しては、クラブ
ヘッドの重心廻りの慣性モーメントに焦点を当てて力学
的に説明されている。また、ヘッド速度に関しては、ス
ウィングと関連づけてシャフトに焦点を当てて説明され
ている。
【0003】ところが、反撥係数の問題は、ゴルフボー
ルとゴルフクラブとの相互間の問題であって、衝突時
(打撃時)に、クラブ(ヘッド)がこの反撥係数へ及ぼ
す影響については、従来、全く明らかにされていなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、従来のゴルフ
クラブの構成素材としては、パーシモン(柿材)、AB
S樹脂、カーボン繊維補強樹脂(以下CFRPと略す場
合もある)、アルミ、ステンレス等が使用されてきた。
これ等の素材について、従来は硬いもの程、ゴルフボー
ルが反撥しやすく(反撥係数が大きく)、ボール初速が
大きいと考えられてきた。
【0005】パーシモンの替りに青ダモ圧縮材が用いら
れ、またカーボン繊維補強樹脂(CFRP)ではその繊
維含有率の高いものが求められ、従来から「硬いから反
撥係数が大きい」と考えられてきた。
【0006】本発明は従来からこのような常識を破った
もので、特に長年月にわたる多大の実験を繰返した結
果、ボールに対して反撥を最も高くし、ボール初速を最
大とするには最適の硬さが存在し、この最適硬さを超え
ると逆に反撥が悪くなることが判った。さらに進んで、
ボール及び打球具のメカニカルインピーダンスが関与す
ることを、究明した。
【0007】本発明の目的とするところは、ボールを打
撃したときの反撥係数を増加し、ボール初速を最大に近
づける打球具を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明によれば、全
体の形態がゴルフクラブであって、加振機による加振測
定法に於て、クラブヘッドのメカニカルインピーダンス
が、周波数領域600Hz〜1600Hzに於て、一次
の極小値を有し、かつ、ゴルフボールを打撃するクラ
ブヘッドのメカニカルインピーダンスが、該ゴルフボー
ルのメカニカルインピーダンスが一次の極小値を示す周
波数の70%〜130%に相当する周波数領域に於て、
一次の極小値を有するように構成した。
【0009】第2の発明によれば、全体の形態がテニス
ラケット又は野球バット又はピンポンラケットであっ
て、加振機による加振測定法に於て、打撃部のメカニカ
ルインピーダンスが、周波数領域110Hz〜500H
zに於て、一次の極小値を有し、かつ、夫々に対応する
ボールを打撃する打撃部のメカニカルインピーダンス
が、該ボールのメカニカルインピーダンスが一次の極小
値を示す周波数の70%〜130%に相当する周波数領
域に於て、一次の極小値を有するように構成した。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図示の実施の形態に基づき
本発明を詳説する。
【0011】まず、機械系のメカニカルインピーダンス
について説明すると、「ある点に作用する力の大きさ
と、この力が作用した時の他の点の応答速度の大きさと
の比である」と定義される。即ち、外部から加えられる
力をF、応答速度をVとすると、メカニカルインピーダ
ンスZは、Z=F/Vで定義される。
【0012】本発明に係る打球具1とは、図5(A)〜
(D)に例示するゴルフクラブ8、テニスラケット9、
野球バット10及びピンポンのラケット11等を言い、球技
スポーツに用いられるものである。
【0013】図2に於て、横軸に、打球具1又はボール
に加えられる機械的振動の周波数N(単位:Hz)をと
り、縦軸にメカニカルインピーダンスZの絶対値の対数
を20倍した値をとって、周波数Nによってメカニカルイ
ンピーダンスZがどのように変化するかを示す。同図で
明らかなように、打球具1aと打球具1bは、いずれも
点P1 に於て一次の極小値を、及び点P2 に於て二次の
極小値を示し、同図の図示省略した右方外部に於て、さ
らに三次、四次等の極小値を示す。また、同図に破線で
示すように、被打撃ボールは、同様に、点P1 ,P2
於て夫々一次、二次の極小値を示す。(さらに図外にお
いて三次以上の極小値を示す。)
【0014】この一次、二次、………の極小値を示す点
1 ,P2 ………の周波数は、構造物としての打球具や
ボールが有する〔質量−バネ〕系によって決まる。
【0015】図3(A)、同図(B)〜(E)、及び図
4に於て、上記メカニカルインピーダンスZの測定方法
を示す。即ち、12は加振機であり、動電型又は油圧型を
使用し、その供試体取付台13に、ボール2を取付ける。
あるいは打球具1としてゴルフクラブ8、テニスラケッ
ト9、野球バット10、あるいはピンポンのラケット11
を、その供試体取付台13に取付ける。具体的に言えば、
この打球具1を構成する部材の内で、ボールを打撃する
打撃部3を、その供試体取付台13に取付けて、該打撃部
3に振動を伝える。図3(B)では打撃部3はクラブヘ
ッド8aであり、図3(C)では打撃部3はテニスボー
ルを打撃するガット面9aであり、図3(D)では野球
ボールが直接に打撃される部分(同図において点々をも
って示した部分10a)であり、図3(E)ではピンポン
のラケット11のブレード部11aである。
【0016】加振機12の供試体取付台13に第1加速度ピ
ックアップ14を固着し、さらに、打球具1の打撃部3又
はボール2には第2加速度ピックアップ15を固着する。
第1加速度ピックアップ14からは、加振機12の取付台13
の加速度A1 ───即ち外部から打球具1又はボール2
に加えられる加速度───が出力され、この出力をパワ
ーユニット16を介して、ダイナミック・シグナルアナラ
イザ17に入力する。第2加速度ピックアップ15からは、
供試体であるところのボール2又は打球具1の加速度A
2 が出力され、この出力を別のパワーユニット18を介し
て上記ダイナミック・シグナルアナライザ17に入力す
る。このダイナミック・シグナルアナライザ17を用いる
と、周波数領域での演算ができる。即ち、打球具1又は
ボール2に加えられる加速度A2 を1回積分すると速度
2 が求められる。他方、加振機12の加速度A1 から加
振力F1 が求められ、周波数領域で演算してメカニカル
インピーダンスZが、Z=F1 /V2 によって求められ
る。このメカニカルインピーダンスZをディスプレイ19
に表示したものが図2に例示するグラフである。本発明
の実施品の実測試験では、図3及び図4中の各測定装置
として、次の表1のメーカー及び型式の機器を使用し
た。
【0017】
【表1】
【0018】上述の測定装置を用いた測定法によれば、
メカニカルインピーダンスZの一次の極小値が明瞭に確
認出来る利点がある。
【0019】しかして、図2と図3(A)〜(E)に於
て、ボール2のメカニカルインピーダンスZが一次の極
小値P1 を示す周波数をNbとすると、本発明に係る打
球具1をメカニカルインピーダンスZが、次式で示さ
れる周波数領域D───図2中の斜線区域───に於
て、一次の極小値P1 を示すように、該打球具1の質量
配分、各構成部分のバネ定数等の物理的特性を選定す
る。 (1−n)・Nb≦N≦(1+n)・Nb ……… 但し、0≦n≦ 0.3
【0020】具体的には、一方の打球具1aは上式を
満たす周波数Nの下限近くにおいて一次の極小値を示し
ており、他方の打球具1bは上式を満たす周波数Nの
上限近くにおいて一次の極小値を示す。
【0021】この式に、n= 0.3、n= 0.2、n=
0.1、n=0.05を夫々代入すると周波数領域Dは夫々、 0.7Nb≦N≦ 1.3Nb ……… 0.8Nb≦N≦ 1.2Nb ……… 0.9Nb≦N≦ 1.1Nb ……… 0.95Nb≦N≦1.05Nb ……… の各式で示される。
【0022】上式のいずれかを満たす周波数領
域Dに於て、本発明に係る打球具1は、そのメカニカル
インピーダンスZの一次の極小値P1 が存在するように
構成される。別の言い方をすれば、ボール2のメカニカ
ルインピーダンスZが一次の極小値P1 を示す周波数N
bの70%〜 130%、80%〜 120%、90%〜 110%又は、
95%〜 105%に相当する周波数領域Dに於て、打球具1
のメカニカルインピーダンスZが一次の極小値P1 を示
すように、打球具1を構成する。ここにおいて、70%〜
130%でも十分に大きい反撥係数が得られるが、95%〜
105%であれば最も優れたボールの反撥が得られる。
【0023】図1は、打球具としてゴルフクラブを、ボ
ールとしてゴルフボールを例にとって、図2の場合と同
じ測定装置でかつ同じ測定方法にて実測した結果を示
す。
【0024】同図においてゴルフボールの特性を破線B
で示す。周波数Nb=1150Hzにおいて一次の極小値P1
を示し、さらにN=3600、5450Hzに於て、夫々二次、三
次の極小値P2 ,P3 を示していることが分る。現在市
販されているゴルフボールはその構造(1ピースボー
ル、2ピースボール、3ピースボール、糸巻きボール
等)により一次の極小値P1 を示す周波数Nbが相違す
るが、測定温度25℃の場合 、 600≦Nb≦1600 ……… で示される範囲にこの周波数Nbが存在する。なお、本
発明に於て、上記一次の極小値P1 を示す周波数Nb
は、(図3(A)〜(G)に示したように)加振機12で
加振して───加振機による加振測定法で───求める
ため、本発明者(の内の一人)が既に提案した特願昭59
−143929号の打球具に於て記載した、インパクト加振法
───打球具を自由状態で吊下げて実際に打撃力(イン
パクト)を加える測定法───で求めた(一次の極小値
を示す)周波数Nbとは、数値が相違する。
【0025】両測定法で、一次の極小値を示す周波数N
bが相違する理由は、ゴルフボールをどういう状態で
保持するかという境界条件の相違に基づくものと推定さ
れ、前者は、ゴルフボールの一部を(図3(A)〜
(G)の)加振機12の取付台13に固着するという境界条
件であるのに対し、後者は、自由支持状態で吊下げられ
ている。また、前者は測定精度が高いのに対し、後者
では測定精度が比較的低く、そのため後者では、被測定
物(ボール)本来の一次の極小値が検出できないで、二
次の極小値を(インパクト加振法の一次の極小値とし
て、)検出していることも推定可能である。
【0026】しかしながら、ボール及びその打球具を同
じ測定法にて測定し、かつ、その測定法の一次の極小値
をできるだけ一致させることによって、大きな反撥作用
が達成できることは、両測定法共に間違いない。
【0027】従来のゴルフクラブのメカニカルインピー
ダンスを実測した結果は、同図中に細い実線ロ、ハで示
す。この実線ロのゴルフクラブはパーシモン製ヘッドを
有する従来一般に使用されてきたウッド型クラブであ
り、一次の極小値P1 の周波数Nは2050Hzである。さら
に別の実線ハのゴルフクラブはカーボン製ヘッドを有す
る従来一般に使用されてきたウッド型クラブであり、一
次の極小値P1 の周波数Nは2225Hzである。従って、従
来のゴルフクラブのメカニカルインピーダンスZが一次
の極小値P1 を示す周波数Nは、ゴルフボールのメカニ
カルインピーダンスZが一次の極小値P1 を示す周波数
の近傍の周波数領域Dを、大きく外れている。
【0028】本発明の上述の技術思想に基づき、クラブ
ヘッド、シャフト等の質量分布、及びバネ定数と減衰係
数を設定したウッド型のゴルフクラブは、太い実線イで
示すような曲線を描き、メカニカルインピーダンスZが
一次の極小値P1 を示す周波数Nは、1250Hzであった。
即ち、式に於て、n=0.087 に相当する。図1中の式
を満たすように描いた周波数領域Dの範囲に、このゴ
ルフクラブの極小値P1 が存在する。
【0029】この図1に示されたところの本発明に係る
このゴルフクラブ(イと呼ぶ)、及び同図に示されたと
ころの従来のパーシモン製ヘッドを有するゴルフクラブ
(ロと呼ぶ)と、従来のカーボン製ヘッドを有するゴル
フクラブ(ハと呼ぶ)の性能の比較を、表2に示す。ボ
ールとしては同図中に破線Bで示される特性を有すると
ころの2ピースボール(アイオノマー樹脂製カバー)を
使用して、実射テストを行なった。
【0030】
【表2】
【0031】この表2と図1から次のことが判る。即
ち、ゴルフボールのメカニカルインピーダンスZが一次
の極小値P1 を示すところの前記周波数Nbと、ゴルフ
クラブのメカニカルインピーダンスZが一次の極小値P
1 を示すところの周波数とが、近づけば近づく程、反撥
係数が大きくなり、従ってキャリーが増加する。ゴルフ
ボールのキャリアに換算して比較すると、本発明のゴル
フクラブ(イ)は、従来のゴルフクラブ(ロ)と(ハ)
よりも夫々約4m、約6mのキャリーの増加となる。現
在、プレーヤーにとって、1mのキャリー増加が得られ
るか否かは重大な関心事であるから、本発明のゴルフク
ラブによって得られるこの数値(約4m〜約6m)は、
重要な意味を持つ。即ち表2から本発明のゴルフクラブ
によって得られる顕著なキャリー増加を確認出来た。
【0032】従来のゴルフクラブは、メカニカルインピ
ーダンスZが2000Hz以上に於て一次の極小値P1 を示し
ていたが、本発明のゴルフクラブとしては、種々のゴル
フボールのメカニカルインピーダンスZの一次の極小値
を考慮して、 600Hz〜1600Hzという比較的低い周波数領
域において、一次の極小値を有するように、構成する。
【0033】さらに具体的なゴルフクラブの場合に関し
て説明すると、図6に於て、ボールを打撃するフェース
面4の中心点5を通り、フェース面4に垂直方向の割線
a−bを考え、この線a−bを3等分する点Qa,Qb
を通り、線a−bに垂直な平面La,Lbで、クラブヘ
ッド8aを3分割すれば、クラブヘッド8aの重心Gは
平面La付近にある。即ち、重心Gはフェース面4から
ほぼ1/3のところにあり、3分割されたものの夫々の
質量の比を、 M1 :M2 :M3 =5:3:2 とする。(この物質比は従来のクラブヘッドと略同等の
ままである。)
【0034】しかして、図7に示す如く、フェース面4
のインサート7として、バネ定数kを従来よりも著しく
小さい素材を使用する。表2と図1に示した本発明の実
施品(イ)では、直径20mmの面積を圧縮した場合のバネ
定数k≒ 11000kg/cmで、厚さ寸法t≒8mm、幅寸法W
≒40mm、高さ寸法H≒40mmのインサート7を、使用し
た。
【0035】このようにインサート7の素材のバネ定数
kを、従来のABS樹脂、カーボン繊維補強樹脂(CF
RP)積層板、あるいはアルミ等の金属板のバネ定数よ
りも、十分に小さくすることで 600〜1600Hzの内の所定
の周波数にて一次の極小値P1 を有するクラブが得られ
る。特にこのようにすれば、従来のゴルフクラブの質量
分布及び形状をそのままに保ち得る利点がある。
【0036】物体のメカニカルインピーダンスZは、物
体に加えられる力をF、応答速度をVとすれば、Z=
(F/V)のように表わされ、その物体の質量分布、バ
ネ定数、減衰係数によって、そのZの値は変化する。従
って、同じ形状の物体でも質量分布やバネ定数を変化さ
せると、異なったメカニカルインピーダンスZをもつ物
体となる。
【0037】図1からも明らかなように、従来のゴルフ
クラブヘッドは、一般に、ゴルフボールのメカニカルイ
ンピーダンスの一次極小値よりも高い周波数に、一次極
小値を持っていた。
【0038】従って、ゴルフボールのメカニカルインピ
ーダンスの一次極小値と同じ周波数に極小値をもつゴル
フクラブヘッドを設計するには、図6に於て、従来のク
ラブヘッドと同じ質量分布であれば、各質量M2 ,M3
の部位のバネ定数を低くすれば良く、また、従来のクラ
ブヘッドと同じ硬さ(バネ定数同一)であれば、各質量
2 ,M3 の値を増加すれば、良い。
【0039】このように、図6に於て、質量M2 ,M3
の各部位のバネ定数を低くしたり、質量分布を変えるこ
とにより、さらには、種々の素材及び構造の変化によっ
て、周波数領域 600Hz〜1600Hz内に一次の極小値を示す
ように、ゴルフクラブの全体を構成することも可能であ
る。また、インサート7としてポリカーボネート等のエ
ンジニアリングプラスチックを用いてバネ定数を調節
し、もって同様の一次の極小値P1 を示すようにするも
好ましい。
【0040】また、上述の実施例では図3(B)に示す
ように、ゴルフクラブ8全体を加振して、ボールを打撃
する打撃部3のメカニカルインピーダンスを求め、その
メカニカルインピーダンスZの一次の極小値P1 が所定
周波数領域Dで現われるように構成していたが、これ以
外に、図3(F)に示すように打撃部3───つまりク
ラブヘッド8a───のみを加振して、メカニカルイン
ピーダンスZを所定周波数領域Dで一次の極小値P1
示すように設計するも望ましいことである。
【0041】さらに、図5(B)〜(D)に夫々示した
打球具1として、テニスのラケット9、野球バット10、
あるいはピンポンのラケット11についても、夫々、図2
のように、テニスボール、野球ボール、ピンポン球のメ
カニカルインピーダンスZが一次の極小値P1 を示す周
波数Nbを求め、その近傍の周波数領域Dにて、一次の
極小値P1 を示すようにラケット9,11やバット10の質
量分布やバネ定数等を、素材と形状と構造等で適宜設定
してやれば打撃直後のボール初速が増加し、反撥係数が
増加する。
【0042】具体的には、多くの種類のテニスボール、
野球ボール、及びピンポン球のメカニカルインピーダン
スZを図3(A)と図4の方法にて本発明者が多数実測
テストしたところ、そのメカニカルインピーダンスZが
一次の極小値P1 を示す周波数Nbは、 110Hz〜 500Hz
にあることが、究明出来た。
【0043】例えば、硬式テニスボールではNb= 115
Hz、野球ボールでは、硬式はNb=118Hz、軟式(A
種)はNb= 111Hz、ソフトボールはNb= 118Hz、ま
た、ピンポン球ではNb= 125Hz等である。
【0044】そこで、テニスラケット9の全体を図3
(C)のように加振機12にて加振し、(あるいは図示省
略したが打撃面のみを加振して、)図4のように測定し
たときのメカニカルインピーダンスZが周波数領域 110
Hz〜 500Hzに於て、一次の極小値P1 を有するように、
該テニスラケット9の質量分布、バネ定数等を設定する
のがよい。
【0045】次に、野球バット10を図3(D)のように
加振機12にて加振、図4のように測定したときのメカニ
カルインピーダンスZが周波数領域 110Hz〜 500Hzに於
て、一次の極小値P1 を有するように、該バット10の質
量分布、バネ定数等を設定するのがよい。
【0046】また、ピンポンのラケット11の全体を図3
(E)のように加振し、又は図3(G)のようにブレー
ド部11aのみを加振し、かつ図4のように測定したとき
のメカニカルインピーダンスZが周波数領域 110Hz〜 5
00Hzに於て一次の極小値P1を有するように、該ラケッ
ト11の質量分布、バネ定数等を設定するのがよい。
【0047】本発明は上述のような構成であって、加え
られる機械的振動の周波数に対応して、ボールは固有の
メカニカルインピーダンスを示し、また、打球具の打撃
部も固有のメカニカルインピーダンスを示す。打球具の
打撃部のメカニカルインピーダンスが極小値を示す周波
数が、ボールのメカニカルインピーダンスが極小値を示
す周波数に近似するように、該打球具を構成すれば、反
撥係数が増加する。特に、一次、二次、三次………の極
小値を示す打球具の周波数の内で、一次のものが最も大
きな影響力を有し、ボールが一次、二次、三次………の
極小値を示す周波数に近似させることによって、最大の
反撥が得られる。
【0048】
【発明の効果】本発明は上述の構成により、次のような
著大な効果を奏する。
【0049】 被打撃ボール2と、これを打撃する打
球具1とが最良の組合せとなって、大きな反撥係数とな
って、ボール2に大きな初速度を与えて、遠くまで飛ば
すことが出来る。 従来は、カンと経験にたよって、試行錯誤を繰り返
して、打球具の設計を行っていたが、本発明によれば、
優れた反撥性能を有する打球具を、容易にかつ確実に得
られるようになった。 一次、二次、三次………とある極小値の振動数の内
で、特に一次のものが反撥性能に及ぼす影響が大であ
り、この一次のものを相互に近づけることにより、反撥
性能が大きく改善出来る。特に、70%〜 130%の近傍が
好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゴルフクラブと、従来の2種類のゴル
フクラブと、被打撃ボールに関する実測結果を示し、加
振機によって加えられる振動の周波数に対するメカニカ
ルインピーダンスの変化を示した特性曲線図である。
【図2】本発明を説明するための簡略図であって、加振
機によって加えられる振動の周波数に対するメカニカル
インピーダンスの変化を示した特性曲線図である。
【図3】ボール、又は各種の打球具の全体又はその打撃
部を、加振機にて加振する方法を夫々示す簡略説明図で
ある。
【図4】メカニカルインピーダンスを測定する装置の一
例を示すブロック図である。
【図5】種々の打球具を示す正面図である。
【図6】打球具としてゴルフクラブの場合を示しそのク
ラブヘッドの質量分布を説明するための図である。
【図7】ゴルフクラブヘッドの構成を説明するための斜
視図である。
【符号の説明】
1 打球具 2 ボール 3 打撃部 8 ゴルフクラブ 8a クラブヘッド 9 テニスラケット 10 野球バット 11 ピンポンのラケット 12 加振機 Z メカニカルインピーダンス D 周波数領域 N 周波数 P1 一次の極小値(点)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全体の形態がゴルフクラブであって、加
    振機による加振測定法に於て、クラブヘッドのメカニカ
    ルインピーダンスが、周波数領域600Hz〜1600
    Hzに於て、一次の極小値を有し、かつ、ゴルフボール
    を打撃するクラブヘッドのメカニカルインピーダンス
    が、該ゴルフボールのメカニカルインピーダンスが一次
    の極小値を示す周波数の70%〜130%に相当する
    波数領域に於て、一次の極小値を有するように構成し
    ことを特徴とする打球具。
  2. 【請求項2】 全体の形態がテニスラケット又は野球バ
    ット又はピンポンラケットであって、加振機による加振
    測定法に於て、打撃部のメカニカルインピーダンスが、
    周波数領域110Hz〜500Hzに於て、一次の極小
    値を有し、かつ、夫々に対応するボールを打撃する
    撃部のメカニカルインピーダンスが、該ボールのメカニ
    カルインピーダンスが一次の極小値を示す周波数の70
    %〜130%に相当する周波数領域に於て、一次の極小
    値を有するように構成しことを特徴とする打球具。
JP7347796A 1995-12-14 1995-12-14 打球具 Expired - Lifetime JP2651565B2 (ja)

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