JP4857466B2 - 時間測定装置及び距離測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定周期の基準クロックを用いて測定開始時刻から時間測定対象パルスの入力時刻までの測定対象時間を測定する時間測定装置、及び、この装置を用いて測定対象物までの距離を測定する距離測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば自動車において、進行方向前方の対象物(例えば先行車両)までの距離を測定する距離測定装置として、M系列符号(最大周期符号系列)等の擬似ランダム雑音符号(以下、PN符号ともいう)を用いて距離測定を行うスペクトル拡散方式(以下、SS方式ともいう)の距離測定装置が知られている。
【0003】
この種の距離測定装置では、まず、所定ビット長のPN符号により送信用の電磁波を振幅変調し、これを対象物に向けて送信する。そして、送信した電磁波が対象物に当たって反射してくる反射波を受信して、電磁波の送信に用いたPN符号に対応する2値信号を復調し、その復調した2値信号と電磁波の送信に用いたPN符号との相関値を求め、この相関値が最大となる時刻を検出する。そして、その検出した時刻から、電磁波が距離測定装置と対象物との間を往復するのに要した時間を求め、この時間と電磁波の速度(秒速30万km)とから距離を算出する。
【0004】
ところが、こうしたSS方式の距離測定装置では、上記往復時間を測定する際の時間分解能が、PN符号に従い電磁波を変調する際の送信クロック(以下、基準クロックという)の周波数で決まり、例えばそのクロック周波数が20MHzであれば、時間分解能は50nsec.(=1[sec.]/20×106 )となって、測定可能な距離分解能が所定値(この場合、7.5m(=3×108[m/sec.]×50×10−9[sec.]/2)となる)に制限されてしまうという問題があった。
【0005】
そこで、従来より、こうしたSS方式の距離測定装置において、測定可能な距離分解能を高めるために、例えば、特開2000−121726号公報に記載のように、まず、PN符号により変調した電磁波を送受信することにより、基準クロックの周波数で決まる時間分解能で電磁波の送受信に要した時間を測定し、その後、1パルス分だけ電磁波を送受信することにより、先に測定した測定時間の誤差分を、ゲート回路のゲート遅延時間を用いて測定し、その測定結果を用いて先に測定した測定時間を補正することで、送信した電磁波が障害物に当たって反射してくるまでの測定対象時間(延いては測定対象物までの距離)を、ゲート遅延時間(数nsec.以下)で決まる高分解能で測定できるようにすることが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記提案の装置では、基準クロックを用いた低分解能の時間測定(以下、粗測定という)と、ゲート遅延時間を用いた高分解能の時間測定(以下、密測定という)とを、2段階に分けて行うようにしていたことから、時間測定(延いては距離測定)の精度を向上することはできるものの、測定に時間がかかってしまうという問題があった。
【0007】
また、距離測定装置においては、測距用の電磁波として、一般に、レーザ光が使用されるが、この電磁波を送信するための信号源(一般にレーザダイオード)の駆動回数が増加するため、電磁波送信用の信号源が発熱等により劣化し易くなるという問題があった。なお、この問題を防止するには、放熱用のヒートシンクを大きくするというような放熱対策を施せばよいが、この場合、装置の大型化を招き、また、コストアップになるという問題が生じる。
【0008】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、基準クロックを用いた粗測定と、基準クロックの周期よりも短い基準時間(ゲート遅延時間等)を用いた密測定とを同時に行うことで、測定開始時刻から時間測定対象パルスの入力時刻までの測定対象時間を短時間で測定し得る時間測定装置、及び、この装置を用いて距離測定を行う距離測定装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた請求項1記載の時間測定装置においては、粗測定手段が、所定の測定開始時刻から時間測定対象パルスの入力時刻までの測定対象時間を第1基準クロックを用いて測定すると同時に、密測定手段が、第1基準クロックよりも周期の短い基準時間を用いて、第1基準クロックの変化点(詳しくは第1基準クロックの立上がりエッジ若しくは立下がりエッジ)と時間測定対象パルスの入力時刻との時間差を、粗測定手段による測定時間に対する補正時間として測定する。
【0010】
このため、本発明の時間測定装置によれば、第1基準クロックを用いた粗測定と第1基準クロックの周期よりも短い基準時間を用いた密測定とを同時に行うことができ、粗測定手段と密測定手段とを用いた高精度な時間測定を、前述の従来装置よりも短時間で行うことが可能となる。
【0011】
よって、本発明の時間測定装置を距離測定装置に利用すれば、測距用の電磁波を送信するレーザダイオード等の信号源の駆動回数を少なくし、その信号源が発熱等により劣化するのを抑制できる。
ここで、本発明において、粗測定と密測定とを同時に実行できるのは、密測定手段を、粗測定に用いられる第1基準クロックの変化点と時間測定対象パルスの入力時刻との時間差を測定するように構成したためであるが、この時間差を測定するに当たって使用する第1基準クロックの変化点としては、任意の変化点を設定できる。
【0012】
しかし、第1基準クロックの変化点と時間測定対象パルスの入力時刻との時間差が第1基準クロックの一周期分よりも大きくなると、粗測定手段による測定時間を密測定手段により測定された補正時間にて補正する際に、補正時間から第1基準クロックの一周期に相当する時間分を減じる必要がある。
【0013】
このため、密測定手段としては、請求項2に記載のように、時間測定対象パルスの入力時刻に最も近い第1基準クロックの変化点を用いて時間差を測定するように構成することが望ましい。つまり、このようにすれば、密測定手段にて測定された時間差(補正時間)をそのまま用いて、測定時間を補正することができるようになり、粗測定手段による測定時間を補正する際の演算動作を簡単に行うことができる。
【0014】
尚、密測定手段において、時間差を測定するのに使用する基準時間としては、第1基準クロックの一周期分よりも短い程良く、そのためには、請求項3に記載のように、ゲート回路のゲート遅延時間(詳しくは、インバータ、ORゲート、ANDゲート等の各種ゲート回路を信号が通過する際に生じる遅延時間)を利用することが望ましい。
【0015】
つまり、ゲート回路のゲート遅延時間は、ゲート回路を構成する半導体素子の動作特性により決まり、数nsec.以下と極めて短い時間であるので、密測定手段が時間差の測定に用いる基準時間に、ゲート回路のゲート遅延時間を用いれば、時間差(換言すれば測定対象時間)を、極めて高い分解能で測定することが可能となる。
【0016】
次に、本発明の時間測定装置を上述したSS方式の距離測定装置で用いるような場合、粗測定手段としては、従来より周知のSS方式の時間測定装置として構成すればよい。
つまり、請求項4に記載のように、粗測定手段としては、第1基準クロックに同期してPN符号(疑似ランダム符号)に応じて生成されたパルス列を時間測定対象パルスとして取り込み、そのパルス列とPN符号との相関値から時間測定対象パルスの入力時刻を求め、測定開始時刻から入力時刻までの測定対象時間(距離測定装置の場合、パルス列にて変調した電磁波の送信時刻からその反射波の受信時刻までの時間となる)を測定するように構成すればよい。
【0017】
また、粗測定手段をこのように構成した場合、密測定手段としては、請求項4に記載のように、粗測定手段が時間測定対象パルスとして取り込むパルス列を構成する少なくとも一つのパルス信号の立上がりエッジ若しくは立下がりエッジであるパルス信号の変化点と、第1基準クロックの変化点との時間差を、補正時間として測定するように構成すればよい。
【0018】
そして、粗測定手段及び密測定手段をこのように構成すれば、SS方式の粗測定を行う粗測定手段によって、測定対象時間をノイズの影響を受けることなく高精度に粗測定することができ、しかも、密測定手段による密測定によって、最終的な測定結果の時間分解能を高めることができるようになる。
【0019】
ところで、請求項4に記載の時間測定装置において、密測定手段としては、時間測定対象パルスとなるパルス列を構成する一つのパルス信号の変化点と、第1基準クロックの一つの変化点との時間差を測定するようにしてもよい。
しかし、PN符号に応じて生成されるパルス列は、パルス列を構成するパルス信号の変化点が第1基準クロックの変化点に対して常時一定の時間差を持つことはなく、その時間差は、パルス列の送受信に用いる回路の特性変化やパルス列の伝送経路(距離測定装置ではパルス列が光や電波の電磁波に重畳されて送受信されるので伝送経路は空間となる)の環境変化等によって微妙に変動する(所謂ジッタが生じる)。
【0020】
このため、密測定手段を、パルス列を構成する一つのパルス信号の変化点と第1基準クロックの変化点との時間差を測定するように構成すると、その測定結果が最適値とならず、粗測定手段による測定時間を正確に補正できないことが考えられる。
【0021】
そこで、上記のようなジッタの影響を受けることなく、補正時間をより最適に測定できるようにするには、密測定手段を、請求項5に記載のように構成するとよい。
つまり、請求項5に記載の時間測定装置では、密測定手段が、粗測定手段が時間測定対象パルスとして取り込むパルス列を構成するパルス信号毎に、そのパルス信号の立上がりエッジ若しくは立下がりエッジであるパルス信号の変化点と、第1基準クロックの変化点との時間差を夫々測定し、その測定した複数の時間差の平均値を補正時間として算出するように構成される。
このため、粗測定手段が時間測定対象パルスとして取り込むパルス列を構成するパルス信号毎に測定した時間差にばらつきがあっても、その時間差の平均値をとることにより、より真値に近い補正時間を設定することができるようになるのである。
【0022】
尚、密測定手段を請求項5に記載のように構成する場合、より好ましくは、請求項6に記載のように、密測定手段を、パルス列を構成する各パルス信号毎に、パルス信号の変化点に最も近い第1基準クロックの変化点を用いて時間差を測定するようにするとよい。
【0023】
つまり、このようにすれば、各パルス信号毎の時間差は、必ず、第1基準クロックの1周期よりも短くなることから、請求項2に記載の装置と同様の効果を得ることができ、しかも、密測定手段にて基準時間を用いて時間差を測定するのに用いられる基準時間のカウンタ(所謂計時用カウンタ)を一つにすることができる。
【0024】
また、このように、密測定手段にて時間差を測定するのに用いる計時用カウンタを一つにするには、密測定手段を、例えば、第1基準クロックの変化点毎に、基準時間のカウンタを初期化して計時を開始させ、次の変化点までの間にパルス信号の変化点が入力されると、カウンタを停止させて、そのカウント値(つまり時間差の測定結果)を記憶するように構成してもよいが、このようにするには、起動・停止の応答性が極めて高いカウンタを使用しなければならず、実現は難しい。
【0025】
そこで、密測定手段にて時間差を測定するのに用いる計時用カウンタを一つにするには、請求項7に記載のように、基準時間を計時単位として時間を計時する計時手段(つまり計時用カウンタ)を用いて、共通の基準時刻からパルス列を構成する各パルス信号の変化点及び第1基準クロックの変化点までの時間を順次測定し、その測定結果に基づき、互いに隣接するパルス信号の変化点と第1基準クロックの変化点との時間差を各々算出するように構成するとよい。
【0026】
つまり、密測定手段をこのように構成すれば、計時手段を共通の基準時刻から動作させ、測定すべき各信号の変化点で、計時手段による計時時刻を順次読み取ればよいので、計時手段の起動・停止を繰り返し行うことなく、各変化点の時刻を簡単且つ正確に求めることができる。また、時間差を算出する際にも、時間差を算出すべき2つの変化点を容易に特定することができる。
【0027】
尚、基準時間としてゲート回路のゲート遅延時間を用いる場合、計時手段としては、例えば、特開平3ー220814号公報等に開示された時間A/D変換回路を使用することができる。
つまり、ゲート遅延時間を基準時間として時間を計時する場合、計時手段として一般的な計時用カウンタを用いると、カウント動作が遅いので計時不可能になってしまう。
【0028】
しかし、時間A/D変換回路は、主として、一定のゲート遅延時間を有するゲート回路(NAND回路やインバータ)をリング状に連結することにより、入力パルスを回路内で周回させるように構成されたリング遅延パルス発生回路(所謂リングディレイライン:以下、RGDという)と、RGD内でのパルス信号の周回位置を検出するパルスセレクタと、このパルスセレクタにて検出されたRGD内でのパルス信号の周回位置をデジタルデータに変換するエンコーダと、RGD内でのパルス信号の周回回数をカウントして、エンコーダで得られるデジタルデータ(下位ビットデータ)に対する上位ビットデータを生成するカウンタと、から構成され、結果的に、ゲート遅延時間を基準時間として時間を計時する計時用カウンタとして機能する。
【0029】
従って、密測定手段において、ゲート遅延時間を基準時間として、上記時間差を算出する際には、計時手段として、こうした時間A/D変換回路を使用することが望ましい。
一方、密測定手段において、上記のようにパルス列を構成する各パルス信号毎に、その変化点と第1基準クロックの変化点との時間差を測定した場合、各時間差にはばらつきがあるため、その分布を図に表すと、真値を中心とした山形になり、その山のふもとに位置する時間差は、誤差が大きいものとなる。
【0030】
そこで、密測定手段において、パルス列を構成する各パルス信号毎に測定した時間差の平均値を、粗測定手段による測定時間に対する補正時間とする際には、請求項8に記載のように、第1基準クロックの一周期内での各パルス信号の変化点の分布状態を判定し、その分布状態から、パルス信号の変化点の分布が少ないエリアを特定して、そのエリア内に変化点が入ったパルス信号に対して算出した時間差については、平均値の算出から除外するようにすることが望ましい。そして、このようにすれば、密測定手段にて補正時間をより適正に算出することが可能となり、延いては、測定対象時間をより高精度に測定することができる。
【0031】
尚、このようにパルス列を構成する各パルス信号の変化点の分布状態を判定して、平均値の算出に不要なパルス信号を特定するには、例えば、請求項9に記載のように、密測定手段を、第1基準クロックの一周期を複数に分割したエリア毎に、各パルス信号の変化点が入った個数をカウントし、そのカウント結果に従い変化点の分布が少ないエリアを特定して、そのエリア内に変化点が入ったパルス信号に対して算出した時間差を、平均値の算出から除外するように構成すればよく、より具体的には、請求項10に記載のように構成するとよい。
【0032】
すなわち、請求項10に記載の時間測定装置において、密測定手段は、第1基準クロックの一周期を4つに分割したエリア毎に、各パルス信号の変化点が入った個数をカウントするカウント手段を備え、カウント手段によるカウントの結果、カウント値が最も少ないエリアを1stMIN、カウント値が2番目に少ないエリアを2ndMIN、カウント値が3番目に少ないエリアを3rdMIN、カウント値が最大のエリアをMAXとしたとき、1stMINエリアでのカウント値と2ndMINエリアでのカウント値の差△12を算出すると共に、2ndMINエリアでのカウント値と3rdMINエリアでのカウント値の差△23を算出する。
【0033】
そして、その算出結果が△12>△23であれば、1stMINエリア内に変化点が入ったパルス信号の数が他のエリアに比べて極めて少なく、パルス信号が2ndエリアからMAXエリアに広く分布していると考えられるので、1stMINエリア内に変化点が入ったパルス信号を平均値の算出に不要なパルス信号として特定する。
【0034】
また、算出結果が△12<△23であれば、1st及び2ndMINエリア内に変化点が入ったパルス信号の数が3rdMINエリア内に入ったパルス信号の数に比べて極めて少なく、パルス信号が3rdMINエリアとMAXエリアとに集中して分布していると考えられるので、1stMINエリア及び2ndMINエリア内に変化点が入ったパルス信号を平均値の算出に不要なパルス信号として特定する。
【0035】
また、更に、算出結果が△12=△23であれば、パルス信号がMAXエリアのみに集中して分布していると考えられるので、1stMINエリア,2ndMINエリア及び3rdMINエリア内に変化点が入ったパルス信号を平均値の算出に不要なパルス信号として特定する。
【0036】
従って、請求項10に記載の時間測定装置によれば、密測定手段において、粗測定手段による測定時間に対する補正時間を極めて正確に求めることができ、測定対象時間をより高精度に測定することが可能となる。
尚、密測定手段を請求項10に記載のように構成した場合、より好ましくは、請求項11に記載のように、MAXエリア及び3rdMINエリアが、時間差の測定に用いる基準クロックの変化点に隣接したエリアであるときには、算出した時間差は全て無効として、平均値の算出を禁止するようにするとよい。
【0037】
これは、時間差の測定に用いる基準クロックの変化点に隣接したエリアに変化点が入ったパルス信号に対して算出される時間差は、本来時間差の算出に用いるべき基準クロックとは異なる(換言すればその基準クロックの前後の)基準クロックを用いて算出されたものとなってしまい、得られた時間差の平均値をとっても、補正時間とした最適な値を求めることができないためである。
【0038】
ところで、このように、パルス信号の変化点が時間差の測定に用いる基準クロックの変化点付近に集中しているときに密測定手段による補正時間の測定動作を禁止するようにした場合、粗測定手段による測定時間を誤った補正時間で補正してしまうのを防止することはできるが、密測定手段で補正時間を測定して粗測定手段による測定時間を補正することにより測定結果の時間分解能を高めるという所期の目的を達成することができなくなってしまう。
【0039】
そこで、より好ましくは、請求項12に記載のように、時間測定装置に、第1基準クロックに対して位相が180度異なる第2基準クロックを生成する第2基準クロック生成手段を設け、密測定手段を、各パルス信号の変化点と第1基準クロックの変化点との時間差の平均値を第1補正時間として測定する第1密測定手段と、各パルス信号の変化点と第2基準クロックの変化点との時間差の平均値を第2補正時間として測定する第2密測定手段と、各パルス信号の変化点が、第1基準クロックの変化点付近及び第2基準クロックの変化点付近の何れに多く分布しているかを判定し、その判定結果に基づき、第1補正時間及び第2補正時間の中から、各パルス信号の変化点が多く分布していない方の基準クロックを用いて測定された補正時間を、測定時間補正用の補正時間として選択する補正時間選択手段と、から構成するとよい。
【0040】
つまりこのように構成すれば、2種類の密測定手段にて測定した2種類の補正時間の中から、信頼性の高い一方の補正時間を、測定時間補正用の補正時間として設定することができるようになり、粗測定手段による測定時間をより最適に補正することが可能となる。
【0041】
尚、密測定手段を請求項12に記載のように構成した場合、密測定手段にて得られる補正時間は、第2基準クロックを用いて測定したものになることがある。そして、この第2基準クロックを用いて測定した補正時間をそのまま用いて、粗測定手段にて測定された第1基準クロックに基づく測定時間を補正するようにすると、得られる測定結果が、本来の値から第1基準クロックの半周期分ずれてしまうことになる。
【0042】
このため、密測定手段を請求項12に記載のように構成する場合には、第2密測定手段にて測定された補正時間を用いて粗測定手段による測定時間を補正する際には、その補正時間若しくは補正後の測定時間に対して、第1基準クロックの半周期分の時間を加算(若しくは減算)する必要はある。
【0043】
また、第2密測定手段にて第2基準クロックを用いて測定された補正時間と、粗測定手段にて第1基準クロックを用いて測定された測定時間とでは、時間測定の基準となるクロックが異なることから、第1基準クロックと第2基準クロックとの位相差の変動等によって、測定対象時間の測定精度が低下することも考えられる。
【0044】
そこで、密測定手段を請求項12に記載のように構成する場合には、粗測定手段を請求項13に記載のように構成するとよい。
つまり、請求項13に記載の時間測定装置では、粗測定手段が、第1基準クロックに同期してパルス列を取り込み、そのパルス列と擬似ランダム雑音符号との相関値に基づき測定対象時間を測定する第1粗測定手段と、第2基準クロックに同期して前記パルス列を取り込み、そのパルス列と擬似ランダム雑音符号との相関値に基づき測定対象時間を測定する第2粗測定手段との2種類の粗測定手段を備え、測定時間選択手段が、これら各粗測定手段にて測定された2種類の測定時間の中から、密測定手段の補正時間選択手段が選択した補正時間に対応する基準クロックを用いて測定された測定時間を選択して出力する。
【0045】
従って、請求項13に記載の時間測定装置によれば、粗測定手段による測定時間と、密測定手段により測定された補正時間とを、同じ基準クロックを用いて測定されたものにすることができ、2種類の基準クロックの位相差の変動等によって測定対象時間の測定精度が低下するのを防止できることになる。
【0046】
一方、請求項12に記載のように、密測定手段を第1及び第2の2種類の密測定手段にて構成した際には、その内のいずれかの測定結果(補正時間)を選択する必要があるが、このための補正時間選択手段としては、請求項14に記載のように構成するとよい。
【0047】
即ち、請求項14に記載の時間測定装置において、補正時間選択手段は、第1基準クロックの一周期を4つに分割したエリア毎に、各パルス信号の変化点が入った個数をカウントするカウント手段を備え、そのカウント手段によるカウント結果に基づき、2つの基準クロックの中から、基準クロックの変化点の前後のエリアに入ったパルス信号の変化点の数が少ない方の基準クロックを選択し、その選択した基準クロックを用いて測定された補正時間を、測定時間補正用の補正時間として選択する。
【0048】
そして、補正時間選択手段をこのように構成すれば、補正時間選択手段において、2種類の補正時間の中から、粗測定手段による測定時間を補正するのに最適な信頼性の高い補正時間を、簡単にしかも正確に選択することができるようになる。
【0049】
尚、請求項10或いは請求項14に記載のように、時間測定装置にカウント手段を設ける場合、カウント手段としては、請求項15に記載のように、第1基準クロックと、第1基準クロックに対して位相が90度異なる第1補助クロックと、第1基準クロックに対して位相が180度異なる第2基準クロックと、第1基準クロックに対して位相が270度異なる第2補助クロックとからなる4種類のクロックを用いて、各パルス信号の変化点での各クロックの信号レベルに基づき、各パルス信号の変化点が属するエリアを特定するようにするとよい。
【0050】
つまり、カウント手段をこのように構成すれば、各パルス信号の変化点が属するエリアを、上記4種類のクロックの信号レベル(High又はLow)の組み合わせから得られる4ビットデータにて簡単に特定できることになり、カウント手段を、簡単な論理回路とカウンタとを用いて容易に実現できるようになる。
【0051】
一方、請求項16に記載の発明は、基準クロックに同期してPN符号に対応したパルス列を発生するパルス列発生手段と、そのパルス列にて変調した電磁波を送信すると共に、その送信波が測定対象物に当たって反射してくる反射波を受信して、元のパルス列を復元する送受信手段と、送受信手段にて復元されたパルス列と元のPN符号とに基づき送受信手段が測距用電磁波の送信を開始してから反射波を受信するまでの測定対象時間を測定する時間測定手段とを備えたSS方式の距離測定装置に本発明を適用し、時間測定手段として、上述の請求項4〜請求項15いずれか記載の時間測定装置を用いるようにした距離測定装置に関するものである。
【0052】
そして、この距離測定装置によれば、測距用電磁波の送受信に要した時間を、本発明(請求項4〜請求項15)の時間測定装置を用いて、高分解能で測定できることになるので、距離測定可能な距離分解能を高めることができ、しかも、PN符号に対応したパルス列にて変調した電磁波を一回送信するだけで、高分解能な距離測定を実現できることになる。
【0053】
従って、この距離測定装置によれば、自動車等の移動体に搭載して、測距の精度・速度が要求される障害物検出或いは前方車両に対する自動追尾用のレーダ装置として利用することにより、優れた効果を発揮することが可能となる。
ところで、SS方式の距離測定装置において、受信手段は、測定対象物からの反射波をアンテナ若しくは受光素子を用いて受信し、その受信信号が基準レベルか否かを判断することにより、PN符号に対応したパルス信号を復元するが、反射波の受信開始直後には、受信信号のレベルが不安定となり、パルス信号を正常に復元できないことがある。
【0054】
そして、受信開始直後のパルス信号を正常に復元できず、復元したパルス列のパルス幅が基準クロックの周期に対応しない状態では、密測定手段により測定される時間差が真値から大きく外れてしまい、粗測定手段による測定時間を精度良く補正することができなくなってしまう。
【0055】
このため、請求項16に記載の時間測定装置においては、請求項17に記載のように、パルス列発生手段を、受信手段が反射波の受信を開始してから受信手段の出力が安定するのに要する所要時間の間、パルス信号を余分に発生し、その後、擬似ランダム雑音符号に対応したパルス列を発生するように構成すると共に、時間測定手段を、送信手段がパルス列発生手段にて生成されたパルス信号に基づく電磁波の送信を開始した後、上記所要時間が経過してから、時間測定を開始するように構成するとよい。
【0056】
そして、時間測定装置をこのように構成すれば、パルス列発生手段が余分に発生したパルス信号に対応する反射波で受信手段の出力が安定した後、粗測定手段及び密測定手段による時間測定を行うことができるようになり、時間測定精度(換言すれば距離測定精度)を向上することが可能となる。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明が適用された実施例のスペクトル拡散方式の距離測定装置全体の構成を表す構成図である。
【0058】
図1に示す如く、本実施例の距離測定装置は、例えば、自動車に搭載されて、前方を走行する他の車両までの距離を測定するためのものであり、所定周波数(例えば20MHz)の第1基準クロックCK10を発生する基準クロック発振器10と、第1基準クロックCK10に同期して、所定ビット長(数十ビット)のPN符号(例えば、M系列符号からなる疑似ランダム符号)に応じたパルス信号を発生するパルス発生部12と、パルス発生部12が発生したパルス信号に応じて測距用電磁波であるレーザ光を車両前方に向けて出射する発光部14とを備える。
【0059】
尚、発光部14は、発光素子としてレーザダイオードLDを備え、このレーザダイオードLDへの通電・非通電が、パルス発生部12から発光パルスを受ける駆動回路15によって切り換えられることにより、PN符号に応じたレーザ光を出射する。
【0060】
また、パルス発生部12には、第1基準クロックCK10に同期して、マイクロコンピュータ(以下、単にCPUという)2からPN符号が入力され、パルス発生部12は、そのPN符号に従い発光パルスを発生する。
一方、本実施例の距離測定装置には、発光部14から出射されたレーザ光が車両前方の測定対象物に当たって反射してくる反射光を受光する受光部16と、受光部16からの受光信号を増幅する増幅器17と、増幅器17により増幅された受光信号と予め設定された基準電圧Vrefとを比較し、受光信号が基準電圧Vrefよりも大きいときにHighレベルとなり、受光信号が基準電圧Vref以下であるときにLowレベルとなる受光パルスPBrを出力するコンパレータ18とが備えられている。
【0061】
尚、受光部16は、電流検出用の抵抗等を介して電源ラインに逆バイアス状態で接続されたフォトダイオードPDを備え、フォトダイオードPDにレーザ光(測定対象物からの反射光)が入射することにより流れた光電流を電圧値として検出する。
【0062】
そして、本実施例では、パルス発生部12が請求項16に記載のパルス列発生手段に相当し、パルス発生部12からの発光パルスを受けて測距用のレーザ光を出射するための駆動回路15及び発光部14が請求項16に記載の送信手段に相当し、出射したレーザ光の反射光を受光して受光パルスPBrを生成する受光部16,増幅器17及びコンパレータ18が、請求項16に記載の受信手段に相当する。
【0063】
また次に、本実施例の距離測定装置には、第1基準クロック発生手段としての基準クロック発振器10が発生する第1基準クロックCK10に基づき、第1基準クロックCK10に対して位相が180度異なる第2基準クロックCK20と、第1基準クロックCK10に対して位相が90度異なる(換言すれば位相が90度遅れた)第1補助クロックCK12と、第1基準クロックCK10に対して位相が270度異なる(換言すれば第2基準クロックCK20に対して位相が90度遅れた)第2補助クロックCK22と、からなる3種類のクロックを生成するシフトクロック生成回路11が備えられている。
【0064】
そして、これら3種類のクロックCK20,CK12,CK22の内、第2基準クロックCK20は、第1基準クロックCK10及び受光パルスPBrと共に、粗測定手段としての粗測定回路20に入力される。また、上記3種類のクロックCK20,CK12,CK22は、第1基準基準クロックCK10及び受光パルスPBrと共に、密測定手段としての密測定回路30にも入力される。
【0065】
尚、基準クロック発振器10及びシフトクロック生成回路11から上記各測定回路20及び30への上記各クロックCK10,CK12,CK20,CK22の伝送経路には、各測定回路20,30へのクロック入力を遮断するための遮断スイッチ(遮断SW)19が設けられており、CPU2がこの遮断スイッチ19を導通状態に切り換えているときにだけ、上記各クロックCK10,CK12,CK20,CK22が各測定回路20,30に入力される。
【0066】
これは、後述するように各測定回路20,30が上記各クロックCK10,CK12,CK20,CK22を受けて動作することから、その動作の開始・停止をCPU2側で制御できるようにするためである。
次に、本発明に係わる主要部である粗測定回路20と密測定回路30について説明する。
【0067】
まず、粗測定回路20は、基本的には、従来のSS方式の距離測定装置で用いられる時間測定装置と同様に動作するものである。
即ち、粗測定回路20は、パルス発生部12が発光パルスを生成するのに使用する第1基準クロックCK10を受けて、その変化点である立上がりタイミングで受光パルスPBrをラッチするDーフリップフロップ(以下、DFFと記載する)22aと、このDFF22aにて第1基準クロックCK10に同期して順次ラッチされる受光パルスPBr(詳しくはその信号レベル)を取り込み、その取り込んだ受光パルスPBrのパルス列とパルス発生部12が発光パルスを発生するのに使用したPN符号との相関値を算出する相関器24aと、相関器24aにて算出された相関値が最大となる時刻を反射光の受光時刻として検出し、測定開始時刻から反射光の受光時刻までの時間を求めるピーク検出器26aとを備える。
【0068】
ここで、測定開始時刻は、CPU2の制御の下に遮断スイッチ19から第1基準クロックCK10が入力されて、粗測定回路20が受光パルスPBrの取り込みを開始した時刻である。
そして、本実施例では、距離測定時には、CPU2が、パルス発生部12からPN符号に応じたパルス信号を発生させることにより、発光部14から測距用のレーザ光を出射させ、その出射と同時に、遮断スイッチ19を導通させて、上記各クロックを各測定回路20,30に入力するように構成されていることから、粗測定回路20における測定開始時刻は、発光部14がPN符号に対応したレーザ光の出射を開始した時刻(図2に示す時点t0)となる。
【0069】
この結果、粗測定回路20では、図2に示すように、発光部14からのレーザ光の出射開始後(時点t0)、レーザ光が車両前方の測定対象物に当たって反射し、その反射光が受光部16で受光されてコンパレータ18から受光パルスPBrが出力されるまでの時間(換言すれば、レーザ光を出射してから反射光が戻ってくるのに要したレーザ光の往復時間)が、第1基準クロックCK10の周期に対応した時間分解能で測定されることになる。
【0070】
尚、図2は、第1基準クロックCK10のクロック周波数が20MHzの場合を表しており、この場合、粗測定回路20で相関器24aを用いて測定可能な時間は、図2に示すように、50nsec.、100nsec.、150nsec.、…となり、その時間分解能は、50nsec.となる。
【0071】
また、本実施例では、CPU2は、パルス発生部12からPN符号に対応したパルス信号を発生させるに当たって、まず、パルス発生部12から余分なパルス信号を発生させ、その後、PN符号に対応したパルス信号を発生させると同時に、遮断スイッチ19を導通させる。
【0072】
これは、増幅器17から出力される受信信号のDC変動が安定してから、粗測定回路20に時間測定動作を開始させるためである。
つまり、SS方式の距離測定装置では、通常、コンパレータ18にてPN符号に対応したパルス列を正確に復元できるようにするために、増幅器17の受光信号の入出力経路には、直流成分を遮断して高周波信号成分のみを通過させるカップリングコンデンサ若しくはハイパスフィルタが設けられる。このため、増幅器17は、受光部16からの受光信号の内、PN符号に応じて変化する高周波成分のみを増幅することになり、コンパレータ18側では、その増幅後の受光信号と基準電圧Vrefとを比較することにより、パルス列を正確に復元できるようになる。
【0073】
ところが、このように構成された増幅器17では、受光部16から反射光に対応した受光信号が入力された直後に、受光信号の変動中心となる基準電位が、グランド電位から一時的に上昇し、その後徐々に低下して、グランド電位で安定する。そして、このように基準電位が変動する領域(直流変動領域)では、コンパレータ18にてパルス信号を正確に復元できず、その復元されたパルス信号を用いて時間測定を行っても、距離測定のための測定対象時間を精度良く測定できないといった問題が発生する。
【0074】
そこで、本実施例の距離測定装置では、請求項17に記載の発明を適用することにより、時間測定(延いては距離測定)のためにパルス発生部12からPN符号に応じたパルス信号を発生させる際には、その前に、少なくとも増幅器17の出力(直流変動)が安定するのに要する所要時間の間、パルス発生部12から余分なパルス信号を発生させ、その後、PN符号に対応した発光パルスに基づく時間測定動作を開始することにより、コンパレータ18にてPN符号に対応した受光パルス列を正確に復元し、その復元した受光パルス列とPN符号との相関値からレーザ光の送受信に要した時間を正確に測定できるようにしているのである。
【0075】
また、本実施例の粗測定回路20には、上記のように、PN符号に対応したレーザ光の出射時刻とその反射光の受光時刻との時間差を、第1基準クロックCK10を用いて測定する第1粗測定手段としての回路(DFF22a,相関器24a,ピーク検出器26a)だけでなく、その時間差を、第2基準クロックCK20を用いて測定する第2粗測定手段としての回路も設けられており、これら各回路での測定結果の一方を、切換スイッチ28を介して選択的にCPU2に出力できるように構成されている。
【0076】
これは、粗測定回路20から出力される測定結果と、以下に説明する密測定回路30から出力される測定結果とを対応させるためである。つまり、後述するように、本実施例では、密測定回路30において、第1基準クロックCK10の立上がりエッジを基準とした時間測定(密測定)と、第2基準クロックCK20の立上がりエッジを基準とした時間測定(密測定)との2種類の時間測定を行い、その結果得られる2種類の測定データのうちの精度の高い方を選択的にCPU2に出力するようにされていることから、粗測定回路20においても、第1基準クロックCK10を用いた時間測定(粗測定)と、第2基準クロックCK20を用いた時間測定(粗測定)との2種類の時間測定を行い、CPU2に出力する測定結果を、密測定回路30がCPU2に出力する測定データと対応させることができるようにされているのである。
【0077】
尚、粗測定回路20において、PN符号に対応したレーザ光の出射時刻とその反射光の受光時刻との時間差を第2基準クロックCK20を用いて測定する第2測定手段としての回路は、第2基準クロックCK20の立上がりタイミング(変化点)で受光パルスPBrをラッチするDFF22bと、このDFF22bにてラッチされた受光パルスPBrを順次取り込み、その取り込んだ受光パルスPBrのパルス列とPN符号との相関値を算出する相関器24bと、相関器24bにて算出された相関値が最大となる時刻を反射光の受光時刻として検出し、測定開始時刻から反射光の受光時刻までの時間を求めるピーク検出器26bとにより構成されている。
【0078】
そして、この回路にて得られる測定結果は、第2基準クロックCK20の立上がりエッジを基準にしていることから、実際の時間に対して、基準クロックCK10,CK20の半周期分だけ時間が短くなるが、この時間誤差については、ピーク検出器26b(若しくはCPU2側)で補正される。
【0079】
また、粗測定回路20において、CPU2に出力する測定結果を選択する切換スイッチ28は、本発明(請求項13)の測定時間選択手段に相当し、密測定回路30からの切換信号により切り換えられる。つまり、本実施例では、切換スイッチ28が密測定回路30からの切換信号により切り換えられることにより、粗測定回路20からCPU2に出力される測定結果と、密測定回路30からCPU2に出力される測定結果とが対応付けられる。
【0080】
一方、密測定回路30は、ゲート回路のゲート遅延時間を利用して時間(時刻)をデジタルデータに変換する前述の時間A/D変換回路(以下、TADという)を用いて、パルス発生部12が発光パルスの発生に用いた第1基準クロックCK10の変化点(立上がりエッジ)と、受光パルスPBrの変化点(立上がりエッジ)との時間差を、粗測定回路20による測定時間に対する補正時間として測定するものである。
【0081】
つまり、粗測定回路20による測定時間の時間分解能は、第1基準クロックCK10の一周期に対応し、そのクロック周波数が20MHzであれば、50nsec.となることから、密測定回路30では、図2に示すように、受光パルスPBrが立ち上がる度に、その立上がりエッジと、この立上がりエッジの直前の第1基準クロックCK10の立上がりエッジとの時間差DD1,DD2,…を、ゲート遅延時間を基準時間として測定し、その測定した時間差DD1,DD2,…の平均値を、粗測定回路20による測定結果(粗データDU)に対する補正時間(密データDD)として測定するようにされているのである。
【0082】
尚、この密測定回路30の動作によって、CPU2側では、密測定回路30で得られた補正時間を用いて粗測定回路20による測定時間を補正することで、ゲート遅延時間を時間分解能とした距離測定用の測定対象時間DT(=DU+DD)を求めることができるようになる。
【0083】
そして、密測定回路30には、こうした補正時間の測定を高精度に行うために、第1基準クロックCK10の立上がりエッジと受光パルスPBrの立上がりエッジとの時間差を測定する第1密測定手段としての回路と、第2基準クロックCK20の立上がりエッジと受光パルスPBrの立上がりエッジとの時間差を測定する第2密測定手段としての回路との2種類の密測定回路が備えられている。
【0084】
また、密測定回路30には、これら各回路で測定された時間差の平均値(補正時間)の内、後述のCKセレクト部56にて精度が高いと判定された側の補正時間を選択してCPU2側に出力する選択スイッチ46と、この選択スイッチ46からCPU2に至る補正時間の出力経路に設けられ、CPU2に出力される補正時間を周囲温度等に基づき補正することで、その精度を確保する精度補正部48とが備えられている。
【0085】
ここで、精度補正部48は、密測定回路30からCPU2に出力される補正時間(密データDD)が、補正時間の測定に用いられるTADの温度特性等の影響を受けるのを防止するためのものである。
つまり、補正時間の測定に用いられるTADは、ゲート回路のゲート遅延時間を利用して時間(時刻)をデジタルデータに変換するものであるが、ゲート遅延時間はゲート回路の動作温度によって変動することから、本実施例の密測定回路30では、精度補正部48を用いて、こうした温度変化に伴い生じる補正時間の測定誤差を補償するようにされているのである。
【0086】
また、第1密測定手段としての回路は、一定のゲート遅延時間を有するゲート回路(NAND回路やインバータ)をリング状に連結してなるリングディレイライン(RGD)32を用いて、受光パルスPBrの立上がり時刻を順次計時する1stTAD34aと、同じくRGD32を用いて第1基準クロックCK10の立上がり時刻を順次計時するCK10TAD36aと、受光パルスPBrの立上がりタイミングで上記各TAD34a,36aで得られた最新の時刻データを時間差算出用の時刻データとしてラッチする同期部38aと、同期部38aにてラッチされた各時刻データを取り込み、その差分(第1基準クロックCK10の立上がり時刻と受光パルスPBrの立上がり時刻との時間差)を演算する差分演算部40aと、差分演算部40aにより演算された時間差を、後述するエリア分割部52で判定された受光パルスPBrの立上がりエッジのエリア毎に積算する分割積算部42aと、この分割積算部42aでエリア毎に積算された時間差の積算値のうち、後述のCKセレクト部56にて有効エリアとして判定されたエリアの積算値の平均値を演算する有効エリア平均化部44aとから構成されている。
【0087】
また次に、第2密測定手段としての回路は、RGD32を用いて受光パルスPBrの立上がり時刻を順次計時する2ndTAD34bと、同じくRGD32を用いて第2基準クロックCK20の立上がり時刻を順次計時するCK20TAD36bと、受光パルスPBrの立上がりタイミングで上記各TAD34b,36bで得られた最新の時刻データを時間差算出用の時刻データとしてラッチする同期部38bと、同期部38bにてラッチされた各時刻データを取り込み、その差分(第2基準クロックCK20の立上がり時刻と受光パルスPBrの立上がり時刻との時間差)を演算する差分演算部40bと、差分演算部40bにより演算された時間差を、後述するエリア分割部52で判定された受光パルスPBrの立上がりエッジのエリア毎に積算する分割積算部42bと、この分割積算部42bでエリア毎に積算された時間差の積算値のうち、後述のCKセレクト部56にて有効エリアとして判定されたエリアの積算値の平均値を演算する有効エリア平均化部44bとから構成されている。
【0088】
尚、上記各TAD34a,36a,34b,36bは、RGD32内でのパルス信号の周回回数をカウントするカウンタと、計時対象となる信号(受光パルスPBr,第1基準クロックCK10,又は第2基準クロックCK20)の立上がりタイミングでRGD32でのパルス信号の周回位置を検出するパルスセレクタと、パルスセレクタにて検出されたRGD32内でのパルス信号の周回位置をデジタルデータに変換するエンコーダとからなり、カウンタによるカウント値を上位ビットデータ、エンコーダによる検出結果を下位ビットデータとするデジタルデータを、計時対象となる信号の立上がり時刻を表すデータとして出力する。
【0089】
これら各TAD34a,36a,34b,36bは、請求項7に記載の計時手段に相当するものであり、これら各TAD34a,36a,34b,36bにて測定される上記各信号の立上がり時刻の時間分解能は、基準クロックの周期(50nsec.)に比べて極めて短いゲート遅延時間(数nsec.以下)となる。
【0090】
一方、密測定回路30には、第1密測定手段及び第2密測定手段としての上記2種類の回路の他に、ラッチ部50、エリア分割部52、度数カウンタ部54、及び、CKセレクト部56が設けられている。
ここで、ラッチ部50は、図3に示すように、受光パルスPBrの立上がりエッジで第1基準クロックCK10,第1補助クロックCK12,第2基準クロックCK20,及び第2補助クロックCK22を夫々ラッチする4つのDFF50a,50b,50c,50dからなり、各DFF50a〜50dからの出力D1〜D4を、第1基準クロックCK10に対する受光パルスPBrの立上がりエッジの位置を表す4ビットデータとして出力する。
【0091】
また、エリア分割部52は、ラッチ部50から出力される4ビットデータ(D1,D2,D3,D4)に基づき、受光パルスPBrの立上がりエッジが、第1基準クロックCK10の一周期(50nsec.)を4つに時分割した4つのエリア▲1▼〜▲4▼(図4参照)のいずれに属するのかを判定し、その判定結果に応じて各エリア▲1▼〜▲4▼に対応した信号線からHighレベルの信号を出力するものであり、より詳しくは、図3に示すように構成されている。
【0092】
即ち、図4に示すように、受光パルスPBrの立上がりエッジが、第1基準クロックCK10の立上がりエッジ(時点t1)から第1補助クロックCK12の立上がりエッジ(時点t2)までの第1エリア▲1▼に属する場合、ラッチ部50から出力される4ビットデータは「1001」となり、受光パルスPBrの立上がりエッジが、第1補助クロックCK12の立上がりエッジ(時点t2から第2基準クロックCK20の立上がりエッジ(時点t3)までの第2エリア▲2▼に属する場合、ラッチ部50から出力される4ビットデータは「1100」となり、受光パルスPBrの立上がりエッジが、第2基準クロックCK20の立上がりエッジ(時点t3)から第2補助クロックCK22の立上がりエッジ(時点t4)までの第3エリア▲3▼に属する場合、ラッチ部50から出力される4ビットデータは「0110」となり、受光パルスPBrの立上がりエッジが、第2補助クロックCK22から次の第1基準クロックCK10の立上がりエッジ(時点t1)までの第4エリア▲4▼に属する場合、ラッチ部50から出力される4ビットデータは「0011」となる。
【0093】
このため、エリア分割部52には、図3に示すように、ラッチ部50から出力される4ビットデータが、「1001」、「1100」、「0110」、「0011」である時に出力がHighレベルとなるように入力端子が適宜反転入力又は非反転入力として構成された4種類のAND回路52a1,52b1,52c1,52d1が設けられ、これら各AND回路52a1〜52d1からの出力を、受光パルスPBrの立上がりエッジで動作するDFFからなるラッチ回路52af,52bf,52cf,52dfにてラッチし、度数カウンタ部54側に出力するようにされている。
【0094】
また、受光パルスPBrの立上がりエッジと上記各エリア▲1▼〜▲4▼との関係は、基本的には、ラッチ部50から出力される上記4種類のデータ値にて決定されるが、実際には、ラッチ部50から出力される4ビットデータは、各クロックCK10,CK12,CK20,CK22のエッジの変動(図4に点線で示すエッジ変動)によって、上記4種類のデータ値からずれることがある。
【0095】
そこで、エリア分割部52は、各クロックCK10,CK12,CK20,CK22のエッジが変動しても、受光パルスPBrの立上がりエッジが属するエリアを判定できるようにするために、下記のように構成されている。
即ち、AND回路52a1に対しては、ラッチ部50から出力される4ビットデータが「1101」若しくは「1000」の時に出力がHighレベルとなるように構成されたAND回路52a2及び52a3と、OR回路52aoとが設けられ、これら3種類のAND回路52a1,52a2,52a3の出力を、OR回路52aoを介してラッチ回路52afに出力するようにされており、AND回路52b1に対しては、ラッチ部50から出力される4ビットデータが「0100」若しくは「1110」の時に出力がHighレベルとなるように構成されたAND回路52b2及び52b3と、OR回路52boとが設けられ、これら3種類のAND回路52b1,52b2,52b3の出力を、OR回路52boを介してラッチ回路52bfに出力するようにされている。
【0096】
また同様に、AND回路52c1に対しては、ラッチ部50から出力される4ビットデータが「0010」若しくは「0111」の時に出力がHighレベルとなるように構成されたAND回路52c2及び52c3と、OR回路52coとが設けられ、これら3種類のAND回路52c1,52c2,52c3の出力を、OR回路52coを介してラッチ52cfに出力するようにされており、AND回路52d1に対しては、ラッチ部50から出力される4ビットデータが「1011」若しくは「0001」の時に出力がHighレベルとなるように構成されたAND回路52d2及び52d3と、OR回路52doとが設けられ、これら3種類のAND回路52d1,52d2,52d3)の出力をOR回路52doを介してラッチ回路52dfに出力するようにされている。
【0097】
この結果、受光パルスPBrが立ち上がると、エリア分割部52から度数カウンタ部54に至る4本の信号線は、受光パルスPBrの立上がりエッジが属するエリア▲1▼〜▲4▼に対応した信号線だけがHighレベルとなり、それ以外の信号線はLowレベルとなる。
【0098】
従って、度数カウンタ部54側では、これら4種類の信号線の信号レベルから、受光パルスPBrの立上がりエッジが属するエリアを判定できる。
次に、度数カウンタ部54は、受光パルスPBrの立上がりエッジが属するエリア▲1▼〜▲4▼毎に、受光パルスPBrの立上がり回数をカウントするためのものであり、図3に示すように、エリア分割部52からの4本の信号線に夫々接続された4種類のカウンタ(度数カウンタ)54a,54b,54c,54dから構成されている。
【0099】
そして、これら各度数カウンタ54a〜54dは、加算器54a1,54b1,54c1,54d1と、これら各加算器54a1〜54d1からの出力を受光パルスPBrの立上がりエッジでラッチするラッチ回路54a2,54b2,54c2,54d2とから構成され、受光パルスPBrが立ち上がる度に、加算器54a1〜54d1にて、エリア分割部52からの出力(0又は1の1ビットデータ)とラッチ回路54a2〜54d2からの出力データとを加算し、その加算結果をラッチ回路54a2〜54d2にて再度ラッチするようにされている。
【0100】
この結果、度数カウンタ部54では、密測定回路30が動作を開始してから、受光パルスPBrが立上がる度に、その受光パルスPBrの立上がりエッジが属するエリア▲1▼〜▲4▼毎に、立上がりエッジの入力回数がカウントアップされることになる。
【0101】
尚、エリア分割部52からの出力は、度数カウンタ部54だけでなく、分割積算部42a,42bにも出力され、各分割積算部42a,42bでは、エリア分割部52からの出力に基づき、受光パルスPBrが属するエリア▲1▼〜▲4▼毎に、差分演算部40a,40bにて算出された時間差を積算する。
【0102】
また、エリア分割部52は、受光パルスPBrの立上がりエッジで動作するため、エリア分割部52から各分割積算部42a,42bには、受光パルスPBrが属するエリアを表す情報が、受光パルスPBrの立上がりタイミングから次の受光パルスPBrの立上がりタイミングの時間分だけ遅れて出力されることになるが、分割積算部42a,42bには、受光パルスPBrの立上がりタイミングで動作する同期部38a,38b及び差分演算部40a,40bを介して(換言すれば受光パルスPBrの2回の立上がりタイミング分だけ遅れて)、基準クロックCK10又はCK20の立上がりエッジと受光パルスPBrの立上がりエッジとの時間差を表すデータが入力されることから、分割積算部42a,42bには、その時間差のデータの入力前に、その時間差に対応する受光パルスPBrが属するエリアを表す情報を入力することができる。従って、エリア分割部52側で得られたエリア判定結果に対して、分割積算部42a,42b側で実行される時間差の分類動作タイミングがずれるようなことはない。
【0103】
そして、本実施例では、上記のように受光パルスPBrの立上がりエッジの入力回数を第1基準クロックCK10を4つに時分割した各エリア▲1▼〜▲4▼毎にカウントするために設けられたラッチ部50,エリア分割部52,及び度数カウンタ部54が、本発明(詳しくは請求項15に記載)のカウント手段として機能する。
【0104】
また次に、CKセレクト部56は、請求項8〜請求項11に記載の発明を実現すると共に、請求項12〜請求項14に記載の補正時間選択手段としての機能を実現するためのものである。
つまり、CKセレクト部56は、分割積算部42a,42bにて積算された各エリア▲1▼〜▲4▼毎の時間差の積算値の中から、有効エリア平均化部44a,44bにて平均値(換言すれば補正時間)を算出するのに適した積算値を選別し、平均値の算出に不適切な積算値を、有効エリア平均化部44a,44bでの平均値の算出から除外すると共に、これら各有効エリア平均化部44a,44bで算出される2種類の平均値の中から、より精度が高い平均値を選択し、その選択結果に従い、選択スイッチ46を切り換え、更に、その選択スイッチ46の切り換えと同時に、粗測定回路20側に設けられた切換スイッチ28に切換信号を出力して、粗測定回路20からCPU20に出力される測定時間(粗データDU)を、密測定回路30から選択スイッチ46,精度補正部48を介してCPU20に出力される補正時間(密データDD)と同じ基準クロックCK10又はCK20に基づくものに切り換える。
【0105】
以下、このCKセレクト部56の構成及び動作について図5を用いて説明する。
図5に示す如く、CKセレクト部56は、比較部56aと、度数差分演算部56bと、有効エリア判定部56cと、有効度数演算部56dと、有効データ判定部56eとから構成されている。
【0106】
尚、CKセレクト部56を構成するこれら各部56a,56b,56c,56d,及び56eは、プログラム可能なマイクロコンピュータの演算処理により実現することもできるし、専用の演算回路として構成されたロジック回路により実現することもできることから、本実施例では、これら各部の動作について説明し、その詳細なハード構成若しくはプログラムについての説明は省略する。
【0107】
CKセレクト部56において、まず、比較部56aでは、度数カウンタ部54にてカウントされた上記各エリア▲1▼〜▲4▼毎の受光パルスPBrの立上がりエッジのカウント値を大小比較し、カウント値が最も少ないエリアを1stMINエリア、カウント値が2番目に少ないエリアを2ndMINエリア、カウント値が3番目に少ないエリアを3rdMINエリア、カウント値が最大のエリアをMAXエリアとして分別する。
【0108】
次に、度数差分演算部56bでは、比較部56aにて分けられた各エリアでのカウント値の内、1stMINエリアでのカウント値と2ndMINエリアでのカウント値の差△12(=2ndMIN−1stMIN)、及び、2ndMINエリアでのカウント値と3rdMINエリアでのカウント値の差△23(=3rdMIN−2ndMIN)を夫々算出する。
【0109】
また次に、有効エリア判定部56cでは、度数差分演算部56bにて算出された各カウント値の差△12及び△23に基づき、上記4つのエリア▲1▼〜▲4▼の中から、有効エリア平均化部44a,44bでの平均値の算出に有効なエリアを選別し、平均値の算出に不適切なエリアを平均値の算出から除外する。
【0110】
即ち、有効エリア判定部56cでは、△12>△23であれば、1stMINエリアに立上がりエッジが属する受光パルスPBrの数が、他のエリアに立上がりエッジが属する受光パルスPBrに比べて極めて少なく、受光パルスPBrの立上がりエッジは、2ndエリアからMAXエリアに広く分布していると考えられるので、分割積算部42a,42bにて積算された各エリア毎の積算値の内、1stMINエリアに立上がりエッジが属する受光パルスPBrに対する時間差の積算値が、平均値の算出に不適切な積算値であると判定して、有効エリア平均化部44a,44bにて1stMINエリアに対応する積算値が平均値の算出用として取り込まれるのを禁止する。
【0111】
また、有効エリア判定部56cでは、△12<△23であれば、1st及び2ndMINエリアに立上がりエッジが属する受光パルスPBrの数が、3rdMINエリアに立上がりエッジが属する受光パルスPBrに比べて極めて少なく、受光パルスPBrの立上がりエッジは、3rdMINエリアとMAXエリアとに集中して分布していると考えられるので、分割積算部42a,42bにて積算された各エリア毎の積算値の内、1st及び2ndMINエリアに立上がりエッジが属する受光パルスPBrに対する時間差の積算値が、平均値の算出に不適切な積算値であると判定して、有効エリア平均化部44a,44bにて1st及び2ndMINエリアに対応する積算値が平均値の算出用として取り込まれるのを禁止する。
【0112】
また次に、有効エリア判定部56cでは、△12=△23であれば、受光パルスPBrの立上がりエッジはMAXエリアのみに集中して分布していると考えられるので、分割積算部42a,42bにて積算された各エリア毎の積算値の内、1st,2nd及び3rdMINエリアに立上がりエッジが属する受光パルスPBrに対する時間差の積算値が、平均値の算出に不適切な積算値であると判定して、有効エリア平均化部44a,44bにて1st,2nd及び3rdMINエリアに対応する積算値が平均値の算出用として取り込まれるのを禁止する。
【0113】
尚、有効エリア判定部56cを上記のように動作させるのは、以下の理由による。
即ち、基準クロックCK10,CK20の立上がりエッジに対する受光パルスPBrの立上がりエッジの位置は、受光パルスPBrが有するジッタノイズによってばらつき、受光パルスPBrの立上がりエッジの分布形状は、図6に示すように、真値を中心とした山形形状となり、その山のふもとに位置する受光パルスPBrの立上がりエッジに対して求められる時間差は、誤差が大きいものとなってしまう。
【0114】
そこで、本実施例では、有効エリア判定部56cを上記のように動作させることにより、時間差の誤差が大きくなるエリアを、度数カウンタ部54による各エリア毎のカウント値に基づき特定し、そのエリアに立上がりエッジが属する受光パルスPBrに対して測定された時間差の積算値については、有効エリア平均化部44a,44bでの平均値(換言すれば補正時間)の算出から除外するようにしているのである。
【0115】
また、有効エリア判定部56cの上記動作によって、受光パルスPBrの立上がりエッジが基準クロックCK10若しくはCK20の立上がりエッジの前後に分布する所謂折り返し現象が生じ、基準クロックCK10若しくはCK20を用いて受光パルスPBr毎に算出される時間差に基準クロック一周期分のずれが生じる場合の平均値の演算誤差を防止することができる。
【0116】
尚、この演算誤差の防止効果は、上述した有効エリア判定部56cの動作と、次に説明する有効エリア判定部56cの動作と、上述した有効エリア判定部56cの動作と後述する有効データ判定部56eの動作とにより、相乗的に達成されるものであることから、この効果の詳細については後述する。
【0117】
次に、有効エリア判定部56cでは、MAXエリア及び3rdMINエリアが、第1基準クロックCK10の立上がりエッジに隣接するエリア▲1▼,▲4▼若しくは▲4▼,▲1▼であるときには、第1基準クロックCK10の立上がりエッジに対する受光パルスPBrの立上がりエッジの時間差の平均値を補正時間として測定する第1密測定手段としての回路(CK10TAD34a、1stTAD36a,同期部38a,差分演算部40a,分割積算部42a,有効エリア平均化部44aからなる回路)による時間測定を無効とするために、有効エリア平均化部44aへの積算値の入力を全て遮断し、逆に、MAXエリア及び3rdMINエリアが、第2基準クロックCK20の立上がりエッジに隣接するエリア▲2▼,▲3▼若しくは▲3▼,▲2▼であるときには、第2基準クロックCK20の立上がりエッジに対する受光パルスPBrの立上がりエッジの時間差の平均値を補正時間として測定する第2密測定手段としての回路(CK20TAD34b、2ndTAD36b,同期部38b,差分演算部40b,分割積算部42b,有効エリア平均化部44bからなる回路)による時間測定を無効とするために、有効エリア平均化部44bへの積算値の入力を全て遮断する。
【0118】
これは、MAXエリア及び3rdMINエリアが、時間差の算出に用いる基準クロック(第1基準クロックCK10又は第2基準クロックCK20)に隣接するエリアであるときには、上述した折り返し現象が生じており、その基準クロックを用いて測定される時間差の一部が、本来時間差の算出に用いるべき基準クロックとは異なる基準クロックを用いて算出されたものとなってしまい、得られた時間差の平均値をとっても、補正時間として最適な値を求めることができないためである。
【0119】
つまり、例えば、受光パルスPBrの分布が、図6(a)若しくは図6(f)に示すようになっている場合、△12<△23となるので、平均値の算出には、3rdMINエリアとMAXエリアとに対応した時間差の積算値が使用されることになるが、図6(a),(f)に示す分布では、MAXエリア及び3rdエリアが第2基準クロックCK20に隣接するエリア▲2▼,▲3▼となることから、これら各エリアで第2基準クロックCK20を基準に測定される時間差は、測定の基準となる第2基準クロックCK20が異なるものとなってしまう。
【0120】
また、例えば、受光パルスPBrの分布が、図6(c)に示すようになっている場合、△12<△23となるので、平均値の算出には、3rdMINエリアとMAXエリアとに対応した時間差の積算値が使用されることになるが、図6(c)に示す分布では、MAXエリア及び3rdエリアが第1基準クロックCK10に隣接するエリア▲1▼,▲4▼となることから、これら各エリアで第1基準クロックCK10を基準に測定される時間差は、測定の基準となる第1基準クロックCK10が異なるものとなってしまう。
【0121】
そして、このように、MAXエリア及び3rdエリアが、時間差の測定基準となる基準クロックCK10若しくはCK20の立上がりエッジに跨る折り返し現象が生じると、これら各エリアで算出される時間差の積算値に基準クロック一周期分の誤差が生じることになるため、各エリア毎に測定された時間差の積算値の平均値をとっても、補正時間とした最適な値を求めることができない。
【0122】
そこで、本実施例では、MAXエリア及び3rdMINエリアが基準クロックCK10又はCK20の立上がりエッジに隣接するエリアである場合には、その基準クロックCK10又はCK20を用いて時間差を測定する回路の動作を無効とするように、有効エリア判定部56cを構成することで、上記問題を防止するようにしているのである。
【0123】
この結果、本実施例の密測定回路30においては、受光パルスPBrの分布が図6(a)若しくは図6(f)に示すようになっている場合には、第1基準クロックCK10を用いて測定されるエリア▲2▼,▲3▼の受光パルスPBrに対する時間差(図6に示すT1)のみが有効とされれて、第1基準クロックCK10に対応する有効エリア平均化部44aだけで補正時間が算出され、逆に、受光パルスPBrの分布が図6(c)に示すようになっている場合には、第2基準クロックCK20を用いて測定されるエリア▲1▼,▲2▼の受光パルスPBrに対する時間差(図6に示すT2)のみが有効とされて、第2基準クロックCK20に対応する有効エリア平均化部44bだけで補正時間が算出されることになり、密測定回路30からCPU2に対して誤差の大きい補正時間が出力されるのを防止できる。
【0124】
次に、有効度数演算部56dでは、度数カウンタ部54で各エリア▲1▼〜▲4▼毎にカウントされた受光パルスPBrの立上がりエッジの入力回数を表す4種類のカウント値の中から、有効エリア判定部56cにて平均値の算出に有効であると判定されたエリアに対するカウント値を取り込み、その取り込んだカウント値の総和を、有効エリア平均化部44a,44bでの平均値算出用の有効度数(詳しくは、平均値を算出する際の分母となる値)として算出し、この有効度数を有効エリア平均化部44a,44bに出力することにより、各有効エリア平均化部44a,44bに対して平均値を演算させる。
【0125】
また次に、有効データ判定部56eでは、度数カウンタ部54にてカウントされた上記各エリア▲1▼〜▲4▼毎の受光パルスPBrの立上がりエッジのカウント値の内、第1基準クロックCK10の立上がりエッジに隣接するエリア▲1▼,▲4▼に対するカウント値の和(▲1▼+▲4▼)と、第2基準クロックCK20の立上がりエッジに隣接するエリア▲2▼,▲3▼に対するカウント値の和(▲2▼+▲3▼)とを夫々算出し、これらを大小比較する。
【0126】
そして、▲2▼+▲3▼>▲1▼+▲4▼であれば、第1基準クロックCK10を用いて補正時間を測定する第1密測定手段としての回路(CK10TAD34a、1stTAD36a,同期部38a,差分演算部40a,分割積算部42a,有効エリア平均化部44aからなる回路)で求められた補正時間が、他方の回路で求められた補正時間よりも精度が高いと判断して、選択スイッチ46を有効エリア平均化部44a側に切り換える。また、この場合は、粗測定回路20からCPU2に出力される測定時間を、第1基準クロックCK10を用いて測定された測定時間に設定するために、粗測定回路20に対して、切換スイッチ28をピーク検出器26a側に切り換える切換信号を出力する。
【0127】
一方、▲2▼+▲3▼>▲1▼+▲4▼でなければ、第2基準クロックCK20を用いて補正時間を測定する第2密測定手段としての回路(CK20TAD34b、2ndTAD36b,同期部38b,差分演算部40b,分割積算部42b,有効エリア平均化部44bからなる回路)で求められた補正時間が、他方の回路で求められた補正時間よりも精度が高いと判断して、選択スイッチ46を有効エリア平均化部44b側に切り換える。また、この場合は、粗測定回路20からCPU2に出力される測定時間を、第2基準クロックCK20を用いて測定された測定時間に設定するために、粗測定回路20に対して、切換スイッチ28をピーク検出器26b側に切り換える切換信号を出力する。
【0128】
尚、有効データ判定部56eを上記のように動作させるのは、以下の理由による。
即ち、MAXエリア及び3rdMINエリアが、基準クロックCK10又はCK20に隣接するエリアである場合には、有効エリア判定部56cの動作によって、その基準クロックCK10又はCK20を用いて測定される補正時間が無効とされるが、MAXエリア及び3rdMINエリアが、基準クロックCK10又はCK20に隣接するエリアでなければ、上記各回路によって、基準クロックCK10及びCK20の立上がりエッジを基準とする2種類の補正時間が算出されることから、CPU2に出力する補正時間(密データDD)として、その内の一方を選択する必要がある。
【0129】
また、この選択に当たって、例えば、受光パルスPBrの分布の中心(ピーク)が、図6(b)に示すようにエリア▲3▼と▲4▼との境界に場合や、図6(e)に示すようにエリア▲1▼と▲2▼との境界に場合は、いずれも、△12<△23となって、平均値の算出から1stMINエリアと2ndMINエリアに対応した時間差の積算値が除外されることから、第1基準クロックCK10を用いて測定される時間差(図6に示すT1)に基づく補正時間を選択しても、第2基準クロックCK20を用いて測定される時間差(図6に示すT2)に基づく補正時間を選択しても、問題はない(換言すれば、上述した折り返し現象の影響を受けることはない)。
【0130】
しかし、図6(d)に示すように、例えば、受光パルスPBrの分布の中心(ピーク)がエリア▲1▼の中央に存在する場合に、△12>△23となって、平均値の算出から1stMINエリア(エリア▲3▼)に対応した時間差の積算値のみが除外されることになると、残りの有効エリア(エリア▲1▼,▲2▼,▲4▼)で第1基準クロックCK10を用いて測定される時間差の内、エリア▲4▼で測定される時間差、若しくは、エリア▲1▼,▲4▼で測定される時間差が、上述した折り返し現象の影響を受けて、本来時間差を測定すべき第1基準クロックCK10とは異なる第1基準クロックCK10を用いて測定されることになり、補正時間を正確に測定することができなくなってしまう。
【0131】
そこで、本実施例では、このような場合には第2基準クロックCK20を用いて測定された時間差(図6に示すT2)に基づく補正時間を選択できるようにするために、有効データ判定部56eを上記のように構成しているのである。
この結果、本実施例の密測定回路30によれば、2種類の密測定回路にて測定された補正時間の中から、より真値に近い補正時間をCPU2に出力することができ、CPU2側で、その補正時間(密データDD)と粗測定回路20による測定時間(粗データDU)とを用いて、障害物までの距離を高精度に求めることが可能となる。
【0132】
尚、本実施例において、第1密測定手段としての回路を構成する同期部38a,差分演算部40a,分割積算部42a,有効エリア平均化部44aは、図5に示す如く構成され、第2密測定手段としての回路を構成する同期部38b,差分演算部40b,分割積算部42b,有効エリア平均化部44bも、これらと同様に構成されている。
【0133】
そこで、次に、これら各部の構成及び動作を図5を用いて説明する。
図5に示すように、同期部38aでは、CK10TAD34aからの出力(クロックエッジ時刻データ)及び1stTAD36aからの出力(受光パルスエッジ時刻データ)が、夫々、受光パルスPBrの立上がりエッジで動作するラッチ回路38a1及び38a2にてラッチされる。
【0134】
また、同期部38aには、受光パルスPBrを第1基準クロックCK10の1周期よりも短い所定時間(例えば第1基準クロックCK10の半周期分)遅延させる遅延回路(DLY)38a3が設けられており、CK10TAD34aからの出力(クロックエッジ時刻データ)は、この遅延回路38a3を通過した受光パルスPBrの立上がりエッジで動作するラッチ回路38a4によってもラッチされる。
【0135】
そして、ラッチ回路38a4にてラッチされた受光パルスエッジ時刻データは、そのまま差分演算部40aに出力され、ラッチ回路38a1及び38a4にてラッチされたクロックエッジ時刻データは、同期部38a内の選択スイッチ38a5に入力される。
【0136】
選択スイッチ38a5は、受光パルスPBrの立上がりエッジで第1基準クロックCK10をラッチするラッチ回路(DFF)38a6からの出力に従い、その出力がHighレベルであれば、ラッチ回路38a4にてラッチされたクロックエッジ時刻データを選択し、DDF38a6からの出力がLowレベルであれば、ラッチ回路38a1にてラッチされたクロックエッジ時刻データを選択する。
【0137】
そして、この選択スイッチ38a5にて選択されたクロックエッジ時刻データは、受光パルスPBrの立上がりエッジで動作するラッチ回路38a7にてラッチされ、差分演算部40aには、このラッチ回路38a7にてラッチされたクロックエッジ時刻データが入力される。
【0138】
即ち、同期部38aにおいては、1stTAD36aにて測定された受光パルスエッジ時刻データを、受光パルスPBrの次の立上がりタイミングでラッチして、差分演算部40aに出力する。
従って、前述のように、差分演算部40aにおいて、受光パルスPBrの立上がりエッジと、この立上がりエッジの直前の第1基準クロックCK10の立上がりエッジとの時間差DD1,DD2,…を順次測定できるようにするためには、基本的には、同期部38aに、CK10TAD34から出力されるクロックエッジ時刻データを受光パルスBPrの立上がりエッジでラッチするラッチ回路38a1と、このラッチ回路38a1の出力を次の受光パルスPBrの立上がりエッジでラッチするラッチ回路38a7との2つのラッチ回路を設ければ良い。
【0139】
しかし、時間A/D変換回路(TAD)の出力は、変換対象となる信号が入力された直後には不確定となり、信号入力後、所定の応答遅れ時間経過した後、確定する。このため、差分演算部40aを、単に3つのラッチ回路(受光パルスエッジ時刻データをラッチするラッチ回路38a2と、クロックエッジ時刻データをラッチする2つのラッチ回路38a1,38a7)を用いて構成すると、受光パルスPBrの立上がりエッジと第1基準クロックCK10との時間差が小さい場合に、正確なクロックエッジ時刻データをラッチすることができず、差分演算部40aにて演算される時間差に誤差が生じることになる。
【0140】
そこで、本実施例では、同期部38aには、上記3つのラッチ回路に加えて、遅延回路38a3、ラッチ回路38a4、選択スイッチ38a5、及び、ラッチ回路38a6を設け、ラッチ回路38a6にてラッチされた第1基準クロックCK10の信号レベルがHighレベルである場合、つまり、受光パルスPBrの立上がりタイミングが第1基準クロックCK10が立ち上がってからその半周期分の時間が経過するまでの間にある場合には、CK10TAD34aの出力が不確定になっている虞があるので、選択スイッチ38a5に対して、ラッチ回路38a4にて受光パルスPBrの立上がりタイミングよりも遅れたタイミングでラッチされたクロックエッジ時刻データを選択させ、そうでなければ、ラッチ回路38a1にてラッチされたクロックエッジ時刻データを選択させるようにしているのである。
【0141】
このため、同期部38aでは、受光パルスPBrの立上がりエッジの時刻データと、この立上がりエッジの直前に立ち上がった第1基準クロックCK10の立上がりエッジの時刻データとが、夫々正確にラッチされ、差分演算部40aには、これら各時刻データが同時に出力されることになる。
【0142】
よって、差分演算部40aでは、これら各時刻データの差を演算することにより、受光パルスPBrの立上がりエッジと第1基準クロックCK10の立上がりエッジとの時間差を高精度に求めることができる。
尚、差分演算部40aは、図5に示すように、同期部38aから出力される上記各時刻データを取り込み、受光パルスエッジ時刻データからクロックエッジ時刻データを減じる減算回路40a1と、この減算回路40a1からの出力(各エッジの時間差を表すデータ)を第1基準クロックCK10の立上がりエッジでラッチするラッチ回路40a2とから構成され、このラッチ回路40a2でラッチしたデータを、分割積算部42aに出力する。
【0143】
次に、分割積算部42aは、エリア分割部52から入力される受光パルスPBrの立上がりエッジのエリアを特定するHighレベルの信号▲1▼〜▲4▼を夫々受けて、差分演算部40aからの時間差を表すデータを選択的に取り込む、4個の選択スイッチ42a▲1▼,42a▲2▼,42a▲3▼,42a▲4▼と、これら4個の選択スイッチ42a▲1▼〜42a▲4▼を介して選択的に取り込まれた時間差を表すデータを各々積算する4個の加算器42a1,42a2,42a3,42a4と、これら各加算器42a1〜42a4からの出力(積算値)を受光パルスPBrの立上がりエッジでラッチし、そのラッチした積算値を有効エリア平均化部44aに出力すると共に、加算器42a1〜42a4にフィードバックする4個のラッチ回路42a5,42a6,42a7,42a8とにより構成されている。
【0144】
この結果、選択スイッチ42a▲1▼〜42a▲2▼から加算器42a1〜42a4には、エリア分割部52にて受光パルスPBrの立上がりエッジのエリアが対応するエリア▲1▼〜▲4▼であると判定される度に、差分演算部40aからの出力が入力され、加算器42a1〜42a4では、各エリア▲1▼〜▲4▼毎に、差分演算部40aからの出力(時間差を表すデータ)が積算され、その積算値が、ラッチ回路42a5〜42a8を介して有効エリア平均化部44aに各々出力されることになる。
【0145】
また次に、有効エリア平均化部44aには、分割積算部42aから出力される各エリア▲1▼〜▲4▼毎の積算値を個々に取り込むための4個の選択スイッチ44a▲1▼,44a▲2▼,44a▲3▼,44a▲4▼が設けられている。これら各選択スイッチ44a▲1▼〜44a▲4▼は、有効エリア判定部56cにて平均値(換言すれば補正時間)の算出に有効であると判定されたエリアに対応する積算値だけを選択的に取り込むためのものであり、有効エリア判定部56cにより、対応するエリア▲1▼〜▲4▼の積算値を取り込むか否かが切り換えられる。
【0146】
そして、これら各選択スイッチ44a▲1▼〜44a▲4▼を介して取り込まれた積算値は、これら各積算値を加算する加算器44a1にて加算される。そして、加算器44a1による加算結果(データ)は、CPU2から距離測定の終了時に出力される動作終了クロックCKeの立上がりタイミングで動作するラッチ回路44a2にラッチされる。
【0147】
また、このラッチ回路44a2からの出力(つまり加算器44a1による加算結果)は、動作終了クロックCKeの立上がりタイミングで演算動作を開始する平均値演算回路44a3に入力される。すると、平均値演算回路44a3では、ラッチ回路44a2を介して入力された加算器44a1による加算結果を、有効度数演算部56dにて求められた有効度数にて除算することにより、有効エリア判定部56cにて有効であると判定された有効エリアに立ち上がりエッジが属する受光パルスPBrに対して求められた時間差の平均値を算出し、これを、補正時間を表すデータ(密データDD)として、選択スイッチ46側に出力する。
【0148】
従って、有効エリア平均化部44aでは、有効エリア判定部56cにて平均値の演算に有効であると判断されたエリアに対応する積算値に基づき、第1基準クロックCK10の立上がりエッジと受光パルスPBrの立上がりエッジとの時間差の平均値が算出されることになる。
【0149】
以上詳述したように、本実施例の距離測定装置においては、距離測定のために測定すべき測定対象時間DTを、粗測定回路20を用いて、基準クロックCK10の一周期を時間分解能として測定すると同時に、粗測定回路20による測定時間の誤差分を、密測定回路30を用いて、ゲート回路のゲート遅延時間を時間分解能として測定し、密測定回路30の測定結果を、粗測定回路20により得られた測定時間に対する補正時間として、粗測定回路20による測定時間と共にCPU2に入力するようにされている。
【0150】
このため、本実施例の距離測定装置によれば、粗測定回路20と密測定回路30とを用いた高精度な時間測定を一回の測距動作で行うことができる。よって、本実施例の距離測定装置によれば、粗測定と密測定とを交互に実行する従来装置に比べて、発光部14を構成するレーザダイオードLDの駆動回数を少なくして、レーザダイオードLDが発熱等により劣化するのを抑制できる。
【0151】
また、本実施例では、密測定回路20にて測定された補正時間を用いて粗測定回路30による測定時間を正確に補正できるようにするために、シフトクロック生成回路11にて、第1基準クロックCK10に対して位相が180度異なる第2基準クロックを生成し、これら2種類の基準クロックCK10,CK20を用いて粗測定及び密測定を各々実行する。
【0152】
そして、密測定回路30は、CKセレクト部56の動作によって、各基準クロックCK10及びCK20を用いて測定された補正時間の中からより精度の高い補正時間を選択し、しかも、粗測定回路20に対しては、その補正時間の測定基準となった基準クロックを用いて測定された測定時間を選択させる。
【0153】
このため、本実施例の距離測定装置によれば、密測定回路30にて補正時間を極めて高精度に測定することが可能となり、CPU2側では、この補正時間と粗測定回路20による測定時間とを用いて、障害物までの距離を簡単且つ高精度に求めることができるようになる。尚、CKセレクト部56の動作によって得られる個々の効果は、既に説明した通りである。
【0154】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、上記実施例では、本発明(請求項1〜請求項15)の時間測定装置としての機能を有する距離測定装置について説明したが、本発明(請求項1〜請求項15)の時間測定装置は、単に、任意の測定開始時刻からパルス信号若しくはパルス列が入力されるまでの時間を測定する時間測定装置として使用することもできる。
【0155】
また、例えば、本実施例では、本発明(請求項1〜請求項15)の時間測定装置を距離測定装置に適用するに当たって、密測定回路30だけでなく、粗測定回路20に対しても、2種類の基準クロックCK10,CK20を用いて時間測定を行う2系統の回路を設けるものとしたが、粗測定回路20については、単に、第1基準クロックCK10を用いて時間測定を行うように構成しても、上記実施例と略同等の効果を得ることができる。
【0156】
つまり、上記実施例において、粗測定回路20で、2種類の基準クロックCK10,CK20を用いて時間測定を行うようにしたのは、密測定回路30から出力される補正時間と粗測定回路20から出力される測定時間とを、共通の基準クロックを用いて測定されたものとするためであるが、基準クロックCK10,CK20の位相差を常に180度に保持することができれば、その位相差は既知であるため、粗測定回路20では第1基準クロックCK10だけを用いて時間測定を行うようにしても、密測定回路30にて測定された補正時間と基準クロックCK10,CK20の位相差とに基づき、粗測定回路20による測定時間を正確に補正することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の距離測定装置全体の構成を表す構成図である。
【図2】 実施例の距離測定装置における測定対象時間DTの測定動作の概要を説明する説明図である。
【図3】 実施例の密測定回路を構成するラッチ部、エリア分割部及び度数カウンタ部の構成を表す構成図である。
【図4】 実施例のエリア分割部の動作を説明する説明図である。
【図5】 実施例の密測定回路を構成するCKセレクト部、同期部、分割積算部及び有効エリア平均化部の構成を表す構成図である。
【図6】 実施例のCKセレクト部の動作を説明する説明図である。
【符号の説明】
10…基準クロック発振器、11…シフトクロック生成回路、12…パルス発生部、14…発光部、15…駆動回路、16…受光部、17…増幅器、18…コンパレータ、19…遮断スイッチ、20…粗測定回路、22a,22b…ラッチ回路(DFF)、24a,24b…相関器、26a,26b…ピーク検出器、28…切換スイッチ、30…密測定回路、32…RGD(リングディレイライン)、34a,34b,36a,36b…TAD(時間A/D変換回路)、38a,38b…同期部、40a,40b…差分演算部、42a,42b…分割積算部、44a,44b…有効エリア平均化部、46…選択スイッチ、48…精度補正部、50…ラッチ部、52…エリア分割部、54…度数カウンタ部、56…CKセレクト部、56a…比較部、56b…度数差分演算部、56c…有効エリア判定部、56d…有効度数演算部、56e…有効データ判定部。

Claims (17)

  1. 一定周期の第1基準クロックを発生する第1基準クロック発生手段と、
    所定の測定開始時刻から時間測定対象パルスの入力時刻までの測定対象時間を、前記第1基準クロックを用いて測定する粗測定手段と、
    を備えた時間測定装置において、
    前記粗測定手段と並列に動作し、前記第1基準クロックよりも周期の短い基準時間を用いて、前記第1基準クロックの立上がりエッジ若しくは立下がりエッジである前記第1基準クロックの変化点と、前記時間測定対象パルスの入力時刻との時間差を、前記粗測定手段による測定時間に対する補正時間として測定する密測定手段を設けたことを特徴とする時間測定装置。
  2. 前記密測定手段は、前記時間測定対象パルスの入力時刻に最も近い前記第1基準クロックの変化点を用いて前記時間差を測定することを特徴とする請求項1記載の時間測定装置。
  3. 前記密測定手段は、前記第1基準クロックよりも周期の短い基準時間として、ゲート回路のゲート遅延時間を用いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の時間測定装置。
  4. 前記粗測定手段は、前記第1基準クロックに同期して疑似ランダム雑音符号に応じて生成されたパルス列を前記時間測定対象パルスとして取り込み、該パルス列と前記擬似ランダム雑音符号との相関値から前記時間測定対象パルスの入力時刻を求め、前記測定開始時刻から該入力時刻までの測定対象時間を測定するスペクトラム拡散方式の時間測定手段であり、
    前記密測定手段は、前記粗測定手段が前記時間測定対象パルスとして取り込むパルス列を構成する少なくとも一つのパルス信号の立上がりエッジ若しくは立下がりエッジであるパルス信号の変化点と、前記第1基準クロックの変化点との時間差を、前記補正時間として測定することを特徴とする請求項1〜請求項3何れか記載の時間測定装置。
  5. 前記密測定手段は、前記粗測定手段が前記時間測定対象パルスとして取り込むパルス列を構成するパルス信号毎に、該パルス信号の立上がりエッジ若しくは立下がりエッジであるパルス信号の変化点と、前記第1基準クロックの変化点との時間差を夫々測定し、該測定した複数の時間差の平均値を、前記補正時間として算出することを特徴とする請求項4記載の時間測定装置。
  6. 前記密測定手段は、前記パルス列を構成する各パルス信号毎に、該パルス信号の変化点に最も近い前記第1基準クロックの変化点を用いて、前記複数の時間差を測定することを特徴とする請求項5記載の時間測定装置。
  7. 前記密測定手段は、前記基準時間を計時単位として時間を計時する計時手段を備え、該計時手段を用いて、共通の基準時刻から前記パルス列を構成する各パルス信号の変化点及び前記第1基準クロックの変化点までの時間を順次測定し、該測定結果に基づき、互いに隣接するパルス信号の変化点と第1基準クロックの変化点との時間差を各々算出することを特徴とする請求項6記載の時間測定装置。
  8. 前記密測定手段は、前記第1基準クロックの一周期内での前記各パルス信号の変化点の分布状態を判定し、該分布状態から前記パルス信号の変化点の分布が少ないエリアを特定して、該エリア内に変化点が入ったパルス信号に対して算出した時間差を、前記平均値の算出から除外することを特徴とする請求項5〜請求項7いずれか記載の時間測定装置。
  9. 前記密測定手段は、前記第1基準クロックの一周期を複数に分割したエリア毎に、前記各パルス信号の変化点が入った個数をカウントし、該カウント結果に従い前記パルス信号の変化点の分布が少ないエリアを特定して、該エリア内に変化点が入ったパルス信号に対して算出した時間差を、前記平均値の算出から除外することを特徴とする請求項8記載の時間測定装置。
  10. 前記密測定手段は、
    前記第1基準クロックの一周期を4つに分割したエリア毎に、前記各パルス信号の変化点が入った個数をカウントするカウント手段を備え、
    該カウント手段によるカウントの結果、カウント値が最も少ないエリアを1stMIN、カウント値が2番目に少ないエリアを2ndMIN、カウント値が3番目に少ないエリアを3rdMIN、カウント値が最大のエリアをMAXとしたとき、
    前記1stMINエリアでのカウント値と前記2ndMINエリアでのカウント値の差△12を算出すると共に、
    前記2ndMINエリアでのカウント値と前記3rdMINエリアでのカウント値の差△23を算出し、
    △12>△23のとき、前記1stMINエリア内に変化点が入ったパルス信号を前記平均値の算出に不要なパルス信号として特定し、
    △12<△23のとき、前記1stMINエリア及び前記2ndMINエリア内に変化点が入ったパルス信号を前記平均値の算出に不要なパルス信号として特定し、
    △12=△23のとき、前記1stMINエリア,前記2ndMINエリア及び前記3rdMINエリア内に変化点が入ったパルス信号を前記平均値の算出に不要なパルス信号として特定することを特徴とする請求項9記載の時間測定装置。
  11. 前記密測定手段は、前記MAXエリア及び前記3rdMINエリアが、前記時間差の測定に用いる基準クロックの変化点に隣接したエリアであるときには、前記算出した時間差は全て無効として、前記平均値の算出を禁止することを特徴とする請求項10記載の時間測定装置。
  12. 前記第1基準クロックに対して位相が180度異なる第2基準クロックを生成する第2基準クロック生成手段を備え、
    前記密測定手段は、
    前記各パルス信号の変化点と前記第1基準クロックの変化点との時間差の平均値を第1補正時間として測定する第1密測定手段と、
    前記各パルス信号の変化点と前記第2基準クロックの変化点との時間差の平均値を第2補正時間として測定する第2密測定手段と、
    前記各パルス信号の変化点が、前記第1基準クロックの変化点付近及び前記第2基準クロックの変化点付近の何れに多く分布しているかを判定し、該判定結果に基づき、前記第1補正時間及び第2補正時間の中から、前記各パルス信号の変化点が変化点付近に多く分布していない方の基準クロックを用いて測定された補正時間を、前記測定時間補正用の補正時間として選択する補正時間選択手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項5〜請求項11何れか記載の時間測定装置。
  13. 前記粗測定手段は、
    前記第1基準クロックに同期して前記パルス列を取り込み、該パルス列と前記擬似ランダム雑音符号との相関値に基づき前記測定対象時間を測定する第1粗測定手段と、
    前記第2基準クロックに同期して前記パルス列を取り込み、該パルス列と前記擬似ランダム雑音符号との相関値に基づき前記測定対象時間を測定する第2粗測定手段と、
    前記第1粗測定手段及び前記第2粗測定手段にて夫々測定された2種類の測定時間の中から、前記密測定手段の補正時間選択手段が選択した補正時間に対応する基準クロックを用いて測定された測定時間を選択し、該測定時間を、当該粗測定手段による測定時間として出力する測定時間選択手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項12記載の時間測定装置。
  14. 前記補正時間選択手段は、
    前記第1基準クロックの一周期を4つに分割したエリア毎に、前記各パルス信号の変化点が入った個数をカウントするカウント手段を備え、
    該カウント手段によるカウント結果に基づき、前記2つの基準クロックの中から、基準クロックの変化点の前後のエリアに入ったパルス信号の変化点の数が少ない方の基準クロックを選択し、該選択した基準クロックを用いて測定された補正時間を、前記測定時間補正用の補正時間として選択することを特徴とする請求項12又は請求項13記載の時間測定装置。
  15. 請求項10又は請求項14に記載の時間測定装置において、
    前記カウント手段は、前記第1基準クロック、前記第1基準クロックに対して位相が90度異なる第1補助クロック、前記第1基準クロックに対して位相が180度異なる第2基準クロック、及び、前記第1基準クロックに対して位相が270度異なる第2補助クロックからなる4種類のクロックを用い、前記各パルス信号の変化点での各クロックの信号レベルに基づき、前記各パルス信号の変化点が属するエリアを特定することを特徴とする時間測定装置。
  16. 基準クロックに同期して所定ビット長の擬似ランダム雑音符号に対応したパルス列を発生するパルス列発生手段と、
    該パルス発生手段が発生したパルス列にて変調した電磁波を送信する送信手段と、
    該送信手段が送信した電磁波が測定対象物に当たって反射してくる反射波を受信し、前記パルス列を復元す受信手段と、
    該受信手段にて復元されたパルス列と前記疑似ランダム雑音符号とに基づき、前記送信手段が前記電磁波の送信を開始してから前記反射波を受信するまでの測定対象時間を測定する時間測定手段と、
    を備え、該時間測定手段にて測定された測定対象時間に基づき前記測定対象物までの距離を測定するスペクトラム拡散方式の距離測定装置であって、
    前記時間測定手段として、前記請求項4〜請求項15いずれか記載の時間測定装置を備えたことを特徴とする距離測定装置。
  17. 前記パルス列発生手段は、前記受信手段が前記反射波の受信を開始してから前記受信手段の出力が安定するのに要する所要時間の間、パルス信号を余分に発生し、その後、前記擬似ランダム雑音符号に対応したパルス列を発生するように構成され、
    前記時間測定手段は、前記送信手段が前記パルス列発生手段にて生成されたパルス信号に基づく電磁波の送信を開始した後、前記所要時間が経過してから、前記時間測定を開始することを特徴とする請求項16記載の距離測定装置。
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