JPH05333169A - パルス間隔測定装置 - Google Patents

パルス間隔測定装置

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JPH05333169A
JPH05333169A JP14259192A JP14259192A JPH05333169A JP H05333169 A JPH05333169 A JP H05333169A JP 14259192 A JP14259192 A JP 14259192A JP 14259192 A JP14259192 A JP 14259192A JP H05333169 A JPH05333169 A JP H05333169A
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JP
Japan
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time
clock signal
pulse interval
measuring device
pulse
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP14259192A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Yasuo
浩行 安尾
Junichi Asano
順一 浅野
Toshio Nagai
敏雄 永井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Electric Power Co Inc
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Kansai Electric Power Co Inc
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Electric Power Co Inc, Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Kansai Electric Power Co Inc
Priority to JP14259192A priority Critical patent/JPH05333169A/ja
Publication of JPH05333169A publication Critical patent/JPH05333169A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 与えられた2つのパルス間のパルス間隔を測
定するパルス間隔測定装置104が開示される。パルス
間隔測定装置は、基準発振器1と、2つのリング発振器
2,3とを備える。測定されるべきパルス間隔の主要な
部分は、メインカウンタ10により計測される。残され
た部分は、基準発振器と各リング発振器との間の発振周
期の差を用いてバーニア原理により測定される。 【効果】 端数時間についてのみバーニア原理による測
定が行なわれるので、水晶発振器よりも高い発振周波数
を必要とすることなく、優れた時間分解能、すなわち測
定精度が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、一般にパルス間隔測
定装置に関し、特に、与えられた2つのパルス間の時間
長さを測定するパルス間隔測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、2つのパルス間の時間間隔を
測定することにより、様々な物理量の計測が行なわれて
いる。たとえば、パルスレーザの送信光および反射光を
用いて、2点間の距離測定が次のように行なわれてい
る。
【0003】図17は、パルスレーザを用いた従来の距
離測定原理を説明する模式図である。図17を参照し
て、パルスレーザ301が樹木303に向け送信光によ
る送信パルスPTを発する。樹木303により反射され
た反射光は受信パルスPRとして反射光受光器302に
より受信される。送信パルスPTと受信パルスPRとの
間の時間長さを測定することにより、パルスレーザ30
1と樹木303との間の距離が求められる。
【0004】図17に示した距離測定原理を利用して、
さらには、たとえば架空電線と樹木との間の最短距離を
測定することもできる。図18は、ロータリエンコーダ
を用いた従来の離隔測定原理を説明する模式図である。
図18を参照して、ロータリエンコーダ300は、図1
7に示したパルスレーザ301および反射光受光器30
2を含む(図示せず)。ロータリエンコーダ300は、
さらに、水平軸回転角θおよび垂直軸回転角ψを検出す
るための機構を備えている。ロータリエンコーダ300
と架空電線304上の、P1ないしP3との間のそれぞ
れの距離L1ないしL3およびロータリエンコーダ30
0と樹木303との間の距離L4を順次測定することに
より、架空電線304と樹木303との間の最短距離を
遠隔から知ることができる。
【0005】図19は、パルス間隔の測定に基づく距離
測定原理を説明するタイミング図である。図19を参照
して、横軸は時間の経過を示す。時刻t10において送
信パルスPTが発せられ、時刻t20において受信パル
ス(反射パルス)PRが受信される。2つのパルスPT
とPRとの間の時間間隔ΔTを測定することにより、2
点間の距離Lを次式により得ることができる。 L=C/2・ΔT……(1) ここで、Cは光速を示す。
【0006】図19に示した原理は、図17および図1
8に示した距離測定および離隔測定の他、様々な物理量
の測定において利用されている。したがって、2つのパ
ルスPTおよびPRの間の時間間隔ΔTの高い測定精度
が、様々な測定において要求されている。
【0007】時間間隔ΔTの時間長さを検出するための
従来の1つの方法では、時間間隔ΔTに含まれる基準ク
ロック信号の数がカウントされる。図20は、従来のパ
ルス間隔測定の一例を説明するタイミング図である。図
20を参照して、時刻t10において送信パルスPTが
発せられ、時刻t20において受信パルスPRが受信さ
れる。基準クロック信号発生器が、基準クロック信号φ
を出力しており、図示されないカウンタがイネーブル信
号ENに応答して能動化され、基準クロック信号φをカ
ウントする。
【0008】しかしながら、送信パルスPTおよび受信
パルスPRは一般に任意のタイミングで生じるため、図
20に示すような不感時間が生じている。すなわち、図
示されないカウンタは、送信パルスPTに応答して与え
られるイネーブル信号ENに応答して時刻t11におい
て能動化されるため、時刻t10およびt11の間にお
いて不感時間が生じる。同様に、カウンタは時刻t21
において不能化されるため、時刻t20とt21との間
において不感時間が生じる。これらの不感時間間は、パ
ルス間隔測定の精度に直接的に悪影響を与えることにな
る。
【0009】図21は、従来のパルス間隔測定のもう1
つの例を示すパルス間隔測定装置のブロック図である。
図21に示した装置は、雑誌「インタフェース」に開示
されている(1983年3月号,CQ出版(株),pp
171−185)。図21を参照して、このパルス間隔
測定装置は、リフレッシュアンプRA1を備えたリング
発振器401と、リフレッシュアンプRA2を備えたリ
ング発振器402と、コインシデンス回路403と、ス
ケーラ404とを含む。リング発振器401の循環周期
はτ+Δτであり、リング発振器402の循環周期はτ
である。すなわち、2つのリング発振器401および4
02の周期の差はΔτである。
【0010】図22は、図21に示したパルス間隔測定
装置の動作を説明するためのタイミング図である。動作
において、スタートパルスSTがリフレッシュアンプR
A1に与えられ、リング発振器401がクロック信号φ
1を出力する。同様に、ストップパルスSPはリフレッ
シュアンプRA2に与えられ、リング発振器402がク
ロック信号φ2を出力する。2つのクロック信号φ1お
よびφ2はコインシデンス回路403に与えられ、コイ
ンシデンス回路403において2つのクロック信号φ1
およびφ2の時間軸上の一致が検出される。
【0011】スケーラ404は、クロック信号Y1をカ
ウントしており、コインシデンス回路403から与えら
れる一致検出信号CPに応答してカウントを停止する。
したがって、スケーラ404において、2つのクロック
信号φ1およびφ2が一致するまでに出力されるクロッ
ク信号φ1のパルスの数nが得られる。
【0012】図22からわかるように、図21に示した
パルス間隔測定装置は時間測定におけるバーニア原理を
利用している。したがって、クロック信号φ1の周期を
t1とし、クロック信号φ2の周期をT2とすると、求
めるべきパルス間隔ΔTは次式から得られる。
【0013】Δτ=T1−T2……(2) ΔT/Δτ=T3/T2=n……(3) ∴ΔT=n・Δτ……(4) ここで、T3はストップパルスSPが与えられてから一
致検出パルスCPが出力されるまでの時間期間を示し、
nはスケーラ404により得られるカウント値を示す。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、図20
に示したパルス間隔測定の例では、不感時間が存在する
ため、正確なパルス間隔測定が行なわれ得ない。より具
体的には、装置を安価に製作するためには基準クロック
信号発生器として水晶発振器が用いられるのであるが、
最大周波数が100MHz程度であるため、10nse
cよりも高い時間分解能、すなわち時間精度を得ること
ができない。水晶発振器に代えて100MHz以上の発
振周波数を有する発振器を用いると、そのような発振器
が一般に高価であるため、パルス間隔測定装置を安価に
提供することができない。これに加えて、100MHz
以上の発振周波数を扱うためには、装置においてより高
度な高周波技術が要求され、装置の製作が困難なものと
なってしまう。
【0015】一方、図21に示したパルス間隔測定装置
では、測定されるべきパルス間隔ΔTの全期間が、いわ
ゆるバーニア原理を利用して時間測定されるので、高い
時間分解能、すなわち高い測定精度を得るのが難しい。
これに加えて、パルス間隔ΔTの全期間においてバーニ
ア原理に基づく測定が行なわれることから、一致検出パ
ルスCPが得られるまでに要する時間が長くなることも
指摘される。
【0016】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、パルス間隔測定装置における測
定精度を向上させることを目的とする。
【0017】この発明のもう1つの目的は、パルス間隔
測定装置における測定に要する時間を短縮することであ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
パルス間隔測定装置は、予め定められた第1の周波数を
有する第1のクロック信号を発生する第1のクロック信
号発生手段と、時間軸上に置かれた第1および第2のパ
ルス間に含まれる第1のクロック信号の周期の数を検出
する第1の周期数検出手段と、第1および第2のパルス
間において第1の周期数検出手段によって検出されなか
った残された端数時間の長さを時間測定におけるバーニ
ア原理を用いて検出する第1の端数時間検出手段と、第
1の周波数ならびに第1の周期数検出手段および第1の
端数時間検出手段により得られたデータに基づく演算に
より、第1および第2のパルス間の時間間隔の長さデー
タを出力する時間長さ演算手段とを含む。
【0019】請求項2の発明にかかるパルス間隔測定装
置は、端数時間検出手段が、第1の周波数とは異なった
第2の周波数を有する第2のクロック信号を発生する第
2のクロック信号発生手段を備える。第2のクロック信
号発生手段は、第1のパルスに応答して第2のクロック
信号の出力を開始する。端数時間検出手段は、さらに、
第2のクロック信号発生手段が第2のクロック信号の出
力を開始してから、第2のクロック信号の予め定められ
たエッジタイミングが第1のクロック信号の予め定めら
れたエッジタイミングに一致するまでに要する一致時間
長さを検出する一致時間長さ検出手段と、第1および第
2の周波数ならびに一致時間長さ検出手段によって検出
された一致時間長さに基づく演算により、端数時間の時
間長さを出力する端数時間演算手段とを備える。
【0020】請求項3の発明にかかるパルス間隔測定装
置は、さらに、第2のクロック信号発生手段から発生さ
れる第2のクロック信号の第2の周波数を検出する周波
数検出手段を含む。周波数検出手段は、第1および第2
のクロック信号の予め定められたエッジタイミングが一
致するタイミングを検出する第1の一致タイミング検出
手段と、第1および第2のクロック信号の予め定められ
たエッジタイミングがその次に一致するタイミングを検
出する第2の一致タイミング検出手段と、第1および第
2の一致タイミング検出手段によって検出されたタイミ
ング間の時間間隔を検出する一致間隔検出手段と、第1
の周波数および一致間隔検出手段によって検出された時
間長さに基づく演算により、第2の周波数を出力する周
波数演算手段とを備える。
【0021】請求項4の発明にかかるパルス間隔測定装
置は、さらに、パルス間隔測定装置に要求される測定精
度に従って、第2のクロック信号発生手段から発生され
る第2のクロック信号の発振周波数を制御する発振周波
数制御手段を含む。
【0022】請求項5の発明にかかるパルス間隔測定装
置は、さらに、第1のクロック信号について180度シ
フトされた位相を有しかつ第1の周波数を有する第3の
クロック信号を発生する第3のクロック信号発生手段
と、第1および第2のパルス間に含まれる第3のクロッ
ク信号の周期の数を検出する第2の周期数検出手段と、
第1および第2のパルス間の時間間隔のうち、第2の周
期数検出手段によって検出されなかった残された端数時
間の長さを時間測定におけるバーニア原理を用いて検出
する第2の端数時間検出手段と、第1および第2の端数
時間検出手段によって検出された2つの端数時間の長さ
の一方を、予め定められたアルゴリズムに従って選択す
る端数時間選択手段とを含む。時間長さ演算手段は、第
1の周期数検出手段によって検出された周期の数および
端数時間選択手段によって選択された端数時間に基づく
演算により、第1および第2の時間間隔の長さデータを
出力する。
【0023】
【作用】請求項1の発明におけるパルス間隔測定装置で
は、第1および第2のパルス間の時間間隔のうち、主要
な時間長さが第1の周期数検出手段により、第1のクロ
ック信号の周期の数として検出される。第1および第2
のパルス間の時間間隔のうち残された時間長さ、すなわ
ち端数時間については、第1の端数時間検出手段がバー
ニア原理を用いて検出する。すなわち、測定されるべき
全時間間隔についてバーニア原理を利用した測定が行な
われるのではなく、より短い端数時間についてバーニア
原理に基づく測定が行なわれるので、より高い測定精度
が得られる。これに加えて、測定に要する時間も短縮さ
れ得る。
【0024】請求項2の発明におけるパルス間隔測定装
置では、第1の端数時間検出手段におけるバーニア原理
に基づく端数時間の検出が、第2のクロック信号発生手
段,一致時間長さ検出手段および端数時間演算手段によ
り行なわれ、正確な端数時間検出が行なわれ得る。
【0025】請求項3の発明におけるパルス間隔測定装
置では、周波数検出手段が第2のクロック信号発生手段
から発生される第2のクロック信号の発振周波数(第2
の周波数)を検出するので、第2のクロック信号発生手
段の発振周波数が様々な周囲環境の影響により変動して
も、正確な発振周波数を知ることができるので、パルス
間隔測定における安定した精度を得ることができる。
【0026】請求項4の発明におけるパルス間隔測定装
置では、発振周波数制御手段により第2のクロック信号
発生手段の発振周波数を制御できるので、パルス間隔測
定装置における測定精度を制御することができる。言換
えると、パルス間隔測定装置に要求される所望の測定精
度を得ることができる。
【0027】請求項5の発明におけるパルス間隔測定装
置では、第1のクロック信号について180度シフトさ
れた位相を有する第3のクロック信号を用いた端数時間
検出が第2の端数時間検出手段によって行なわれ、端数
時間選択手段が第1および第2の端数時間検出手段によ
って検出された2つの端数時間のうち一方を予め定めら
れたアルゴリズムにしたがって選択する。したがって、
不感時間の存在によって影響されない正確な端数時間検
出が行なわれ得る。
【0028】
【実施例】図1は、パルス間隔測定装置が適用される距
離測定装置のブロック図である。図1を参照して、距離
測定装置100は、距離測定のための送信光(送信パル
ス)を発する発光装置(たとえばパルスレーザ)101
と、反射されて戻ってきた反射光(受信パルス)を受け
る受光装置102と、送信パルスおよび受信パルスのピ
ーク点を検出するピーク点検出装置103と、送信パル
スと受信パルスとの間のパルス間隔を測定するパルス間
隔測定装置104と、測定されたパルス間隔に基づいて
距離を演算により出力する距離演算装置105と、制御
装置106とを含む。
【0029】図2は、この発明の一実施例を示すパルス
間隔測定装置のブロック図である。図2に示したパルス
間隔測定装置104は、たとえば図1に示した距離測定
装置100において用いられる。図2を参照して、この
パルス間隔測定装置104は、送信パルスおよび受信パ
ルスを含む入力信号を受けるタイミング弁別器15と、
送信パルスPTに応答して発振を開始するリング発振器
2と、受信パルスPRに応答して発振を開始するリング
発振器3と、48メガヘルツの基準クロック信号φおよ
び/φを発生する基準発振器1とを含む。リング発振器
2は、発振周波数を変化させるためのプログラマブル遅
延回路2aを備える。リング発振器3も、発振周波数を
変化させるためのプログラマブル遅延回路3aを備え
る。基準発振器1は、水晶発振器を備える。
【0030】エッジ一致検出回路5ないし8は、基準発
振器1ならびにリング発振器2および3から発生される
クロック信号φ,/φ,φtおよびφrを選択的に受け
る。各エッジ一致検出回路5ないし8は、D型フリップ
フロップを含む。D型フリップフロップは、端子Cに与
えられる信号に応答して端子Dに与えられる信号を保持
し、端子Qを介して保持された信号を出力する。したが
って、各D型フリップフロップは、与えられた2つの信
号のタイミングにおける一致を検出することができる。
【0031】エッジ一致検出回路5は、リング発振器2
から発生されるクロック信号φtおよび基準発振器1か
ら発生されるクロック信号φを受ける。エッジ一致検出
回路6は、クロック信号φtおよび反転された基準クロ
ック信号/φを受ける。エッジ一致検出回路7は、リン
グ発振器3から発生されるクロック信号φrおよび基準
クロック信号φを受ける。エッジ一致検出回路8は、ク
ロック信号φrおよび反転された基準クロック信号/φ
を受ける。
【0032】カウンタ11ないし14は、エッジ一致検
出回路5ないし8から出力される一致検出信号S1ない
しS4をそれぞれ受ける。各カウンタ11ないし14
は、対応する一致検出信号S1ないしS4に含まれる一
致検出パルスをカウントする。カウンタ11は、カウン
ト値「1」を示す信号C11をラッチ回路21に与え、
一方、カウント値「2」を示す信号C12をラッチ回路
22に与える。カウンタ12は、カウント値「1」を示
す信号C21をラッチ回路23に与える。カウンタ13
は、カウント値「1」を示す信号C31をラッチ回路2
5に与え、一方、カウント値「2」を示す信号C32を
ラッチ回路26に与える。カウンタ14は、カウント値
「1」を示す信号C41をラッチ回路27に与える。
【0033】各ラッチ回路21ないし27は対応するラ
ッチ入力端子Lを介して信号C11ないしC41を受け
る。メインカウンタ10から出力されるカウントデータ
nは、ラッチ回路21ないし27のそれぞれのデータ入
力端子Dを介して与えられる。
【0034】トグルフリップフロップ(TFF)4は、
タイミング弁別器15から与えられる送信パルスを含む
信号S5に応答して、イネーブル信号ENを出力する。
メインカウンタ10は、イネーブル信号ENに応答して
カウント動作を開始する。
【0035】演算処理部30は、リング周期設定処理部
31と、端数時間測定処理部32と、発振周波数測定処
理部33と、不感範囲除去処理部34と、パルス間隔演
算処理部35とを含む。各処理部31ないし35におけ
る処理については後で詳細に説明される。
【0036】ラッチ回路21は、送信端数データTN
演算処理部30に与える。ラッチ回路22は、送信リン
グ周期データTC を演算処理部30に与える。ラッチ回
路23は、送信端数データ/TN を演算処理部30に与
える。ラッチ回路24は、送受間時間データTRを演算
処理部30に与える。ラッチ回路25は、受信端数デー
タRN を演算処理部30に与える。ラッチ回路26は、
受信リング周期データRC を演算処理部30に与える。
ラッチ回路27は、受信端数データ/RN を演算処理部
30に与える。
【0037】次に、図2に示したパルス間隔測定装置1
04において用いられている様々な計測原理について説
明する。図3は、図2に示したパルス間隔測定装置10
4におけるパルス間隔測定のための基本的な原理を説明
するためのタイミング図である。図3を参照して、入力
信号Piは、送信パルスPTおよび受信パルスPRを含
む。この例では、測定されるべきパルス間隔(時間間
隔)ΔTが、それぞれのパルスPTおよびPRの立上が
りエッジタイミングによって規定される。パルス間隔Δ
Tにおける大体の時間長さが、基準クロック信号φをカ
ウントすることによりカウントデータnとして得られ
る。しかしながら、図20を参照してすでに説明したよ
うに、カウントデータnによって得られる測定時間の中
には、図3に示すような不感時間TxおよびTyが含ま
れている。言換えると、基準クロック信号φのカウント
によっては測定し得ない半端な時間TxおよびTyが残
される。以下の説明では、このような時間を「端数時
間」と呼ぶことにする。送信パルスPTとの関係におい
て生じる端数時間Txを送信端数時間と呼び、受信パル
スPRとの関係において生じる端数時間を受信端数時間
Tyと呼ぶことにする。基準クロック信号φは、周期C
LKを有している。
【0038】送信端数時間Txおよび受信端数時間Ty
を正確に測定するため、図2に示したパルス間隔測定装
置104では、図4に示したようなバーニア原理が用い
られている。図4は、図3に示した端数時間の測定に用
いられるバーニア原理を説明するためのタイミング図で
ある。図4を参照して、入力信号Piは、時刻t10に
おいて送信パルスPTを含んでいる。時刻t11以後に
おいて基準クロック信号φのカウントが開始されるの
で、時刻t10およびt11間において端数時間Δtが
生じている。
【0039】一方、リング発振器から発生されるクロッ
ク信号φtは、基準クロック信号φよりもわずかに長い
周期を有している。クロック信号φtの発振は、時刻t
10から開始される。したがって、時刻t14におい
て、基準クロック信号φおよびクロック信号φtの立上
がりエッジが一致することになる。したがって、図4に
示した例では、一致が検出されるまでに、クロック信号
φtの3つのパルスがカウントされ、カウントデータN
t(=3)が得られる。
【0040】したがって、バーニア原理より、基準クロ
ック信号φとクロック信号φtとの間の周期における差
ΔτをNt倍することにより、次式(5)のように端数
時間Δtを知ることができる。尚、受信端数時間につい
ても、同様にして知ることができる。 Δt=Nt・Δτ……(5) したがって、図3に示した2つの端数時間TxおよびT
yの時間長さをバーニア原理により正確に知ることがで
きるので、基準クロック信号φのカウントにより得られ
るカウントデータnと合わせて、パルス間隔ΔTを正確
に求めることができる。
【0041】上記のような、パルス間隔測定における基
本原理に加えて、より正確なおよび/またはより融通性
のよいパルス間隔測定のため、以下に述べるいくつかの
工夫も採用されている。
【0042】一般に、リング発振器は、半導体装置を用
いて構成されているので、周囲環境、特に周囲温度の影
響を受けやすい。すなわち、リング発振器の発振周波数
は、周囲環境の変化により変動しやすい。図4に示した
バーニア原理では、このような変動しやすいクロック信
号φtを用いているため、何らかの対策を施さないとパ
ルス間隔測定における精度が劣化される。測定精度の劣
化を防ぐため、図2に示したパルス間隔測定装置104
は、リング発振器からのクロック信号φtを正確に測定
する機能を有している。
【0043】図5は、リング発振器の発振周波数の測定
原理を説明するためのタイミング図である。図5を参照
して、基準クロック信号φおよびクロック信号φtの立
上がりエッジは、時刻t14において一致した後、時刻
t19において再び一致する。したがって、1回目の一
致時刻t14と2回目の一致時刻t19との間で、基準
クロック信号φのパルスの数Ncをカウントすることに
より、リング発振器の発振周期CNKtを次式により知
ることができる。 CLKt=CLK/Nc……(6) 図6は、測定される端数時間のばらつきの発生を説明す
るためのタイミング図である。現実のパルス間隔測定装
置104では、2つのクロック信号の立上がりエッジの
一致検出において、回路における応答速度の変動により
引起こされる問題が生じ得る。すなわち、図6に示すよ
うに、基準クロック信号φの立上がりエッジとほぼ同時
に送信パルスPTが与えられたとき、2つの端数時間Δ
taおよびΔtbが検出され得る。どちらの端数時間Δ
taおよびΔtbが検出されるかは、回路の応答速度に
依存して決定される。図2に示したパルス間隔測定装置
104では、このような端数時間検出における問題を防
ぐため、次のような対策が施されている。
【0044】図7は、端数時間検出におけるばらつきの
発生を防ぐ原理を説明するためのタイミング図である。
図7を参照して、基準クロック信号φに加えて、反転さ
れた基準クロック信号/φが使用される。基準クロック
信号/φは、基準クロック信号φよりも180度シフト
された位相を有している。前述のように、基準クロック
信号φのみによる端数時間の測定においては、2つの端
数時間ΔtaおよびΔtbが検出され得るのであるが、
基準クロック信号/φを使用することにより単一の端数
時間Δtcを検出することができる。したがって、端数
時間ΔtaまたはΔtbに代えて、端数時間Δtcを用
いてパルス間隔演算を行なうことにより、応答速度のば
らつきによる悪影響を防ぐことができる。
【0045】したがって、図7に示した例では、基準ク
ロック信号φを使用したパルス間隔測定に代えて、基準
クロック信号/φを使用したパルス間隔測定により得ら
れたデータが正しいデータとして採用される。
【0046】図7に示した例では、基準クロック信号φ
および/φの間で180度位相がシフトされているが、
図示した位相関係だけでなく、他の位相関係も有効であ
ることが指摘される。すなわち、一方の端数時間測定に
おいてばらつきが生じ得る期間を避けるような位相関係
を有する2つの基準クロック信号を用いればよい。図8
は、図2に示したパルス間隔測定装置104の動作を説
明するためのタイミング図である。図2および図8を参
照して、以下にパルス間隔測定装置104の動作につい
て説明する。
【0047】受信信号Piは、時刻t30における送信
パルスと時刻t40における受信パルスとを含む。した
がって、図2に示したタイミング弁別器15は、受信信
号Piを送信パルスを含む信号S5と受信パルスを含む
信号S6とに分け、信号S5およびS6をORゲート9
aおよび9bにそれぞれ与える。リング発振器2は、O
Rゲート9aから与えられる送信パルスPTに応答し
て、時刻t30から発振を開始する。同様に、リング発
振器3は、ORゲート9bから与えられる受信パルスP
Rに応答して、時刻t40から発振を開始する。測定さ
れるべきパルス間隔は、図8において時間間隔ΔTとし
て規定されている。
【0048】基準発振器1は、180度シフトされた位
相を有する基準クロック信号φおよび/φを発生し続け
ている。図8に示すように、送信パルスPTと基準クロ
ック信号φとの関係における送信端数時間ΔtT は、時
刻t30とt32との間の時間長さによって規定され
る。一方、受信パルスPRと基準クロック信号φとの間
の関係における受信端数時間ΔtR は、時刻t40とt
41との間の時間長さによって規定される。さらには、
送信パルスPTと基準クロック信号/φとの間の関係に
おける送信端数時間ΔtT は時刻t30とt31との間
の時間長さによって規定される。一方、受信パルスPR
と基準クロック信号/φとの間の関係における受信端数
時間は、時刻t40とt42との間の時間長さによって
規定される。
【0049】トグルフリップフロップ4は、送信パルス
PTのタイミングでイネーブル信号ENを出力する。メ
インカウンタ10は、イネーブル信号ENに応答して能
動化され、基準クロック信号φのカウントを時刻t32
から開始する。
【0050】ラッチ回路24は、受信パルスPRのタイ
ミングで与えられる信号S6に応答して、時刻t41′
におけるメインカウンタ10のカウント値をラッチす
る。ラッチされたデータは、送受信間時間データTRと
して演算処理部30に与えられる。
【0051】エッジ一致検出回路5は、時刻t41にお
いて与えられたクロック信号φおよびφtの立上がりエ
ッジタイミングの一致を検出し、1つのパルス信号S1
をカウンタ11に与える。それに続いて、エッジ一致検
出回路5は、時刻t46において2回目の一致を検出
し、一致検出信号S1をカウンタ11に与える。
【0052】カウンタ11は、1回目の一致検出信号S
1が与えられたとき、信号C11をラッチ回路21に与
える。ラッチ回路21は、信号C11に応答して、1回
目の一致検出時刻、すなわち時刻t41におけるメイン
カウンタ10のカウント値をラッチする。ラッチされた
データは、送信端数データTN として演算処理部30に
与えられる。カウンタ11は、2回目の一致検出信号S
1が与えられたとき、信号C12をラッチ回路22に与
える。ラッチ回路22は、信号C12に応答して、2回
目の一致検出時刻、すなわち時刻t46におけるメイン
カウンタ10のカウント値をラッチする。ラッチされた
データは、送信リング周期データTC として演算処理部
30に与えられる。
【0053】エッジ一致検出回路6は、時刻t44およ
びt47において、与えられた2つのクロック信号/φ
およびφtの間の一致を検出する。カウンタ12は、1
回目の一致検出信号S2に応答して、信号C21をラッ
チ回路23に与える。ラッチ回路23は、信号C21に
応答して、時刻t44におけるメインカウンタ10のカ
ウント値をラッチする。ラッチされたデータは、送信端
数データ/TN として演算処理部30に与えられる。
【0054】エッジ一致検出回路7は、時刻t43およ
びt47において、与えられた2つのクロック信号φお
よびφrの間の一致を検出し、一致検出信号S3をカウ
ンタ13に与える。ラッチ回路25は、カウンタ13か
ら与えられる1回目の一致検出信号C31に応答して、
時刻t43におけるメインカウンタ10のカウント値を
ラッチする。ラッチされたデータは、受信端数データR
N として演算処理部30に与えられる。一方、ラッチ回
路26は、カウンタ13から与えられる2回目の一致検
出信号C32に応答して、時刻t47におけるメインカ
ウンタ10のカウント値をラッチする。ラッチされたデ
ータは、受信リング周期データRC として演算処理部3
0に与えられる。
【0055】エッジ一致検出回路8は、与えられた2つ
のクロック信号/φおよびφrの間の一致を検出し、一
致検出信号S4をカウンタ14に与える。カウンタ14
は、1回目の一致検出信号S4に応答して、信号C41
をラッチ回路27に与える。ラッチ回路27は、時刻t
44におけるメインカウンタ10のカウント値をラッチ
する。ラッチされたデータは、受信端数データ/RN
して演算処理部30に与えられる。
【0056】図2に示したパルス間隔測定装置104に
おける上記の動作により、パルス間隔測定において必要
なデータが得られた。演算処理部30は、得られたデー
タについて演算処理を施すことにより、パルス間隔を次
のように求める。
【0057】図9は、図2に示したパルス間隔測定装置
104における端数データ選択処理のフロー図である。
図7を参照してすでに説明したように、検出されるべき
端数データの望ましくないばらつきを防ぐため、図9に
示した端数データ選択処理が行なわれる。図9を参照し
て、ステップ201において、すでに説明したように、
送信端数データTN ,送信リング周期データTC および
送信端数データ/TNが得られている。
【0058】ステップ202において、これらのデータ
を次の式(7)および(8)に適用することにより、2
つの送信端数時間ΔtT および/ΔtT が求められる。
【0059】 ΔtT =CLK/(TC −TN )×TN ……(7) /ΔtT =CLK/(TC −TN )×/TN ……(8) ここで、CLKは、基準クロック信号φおよび/φの周
期を示す。
【0060】ステップ203において、値|ΔtT −C
LK/2|および|/ΔtT −CLK/2|が比較さ
れ、小さい方の端数時間ΔtT または/ΔtT が選択さ
れる。
【0061】ステップ201ないし203により送信パ
ルスに関連するデータ処理が行なわれる一方、ステップ
204ないし206では受信パルスに関連するデータ処
理が行なわれる。
【0062】ステップ204において、すでに説明した
ように、受信端数データRN ,受信リング周期データR
C ,受信端数データ/RN および送受間時間データTR
がすでに求められている。
【0063】ステップ205において、これらのデータ
を次の式(9)および(10)に適用することにより、
2つの受信端数時間ΔtR および/ΔtR が得られる。
【0064】 ΔtR =CLK/(RC −RN )×(RN −TR)……(9) /ΔtR =CLK/(RC −RN )×(/RN −TR)……(10) ステップ206において、値|ΔtR −CLK/2|お
よび|/ΔtR −CLK/2|を比較し、小さい方の受
信端数時間ΔtR または/ΔtR を選択する。
【0065】ステップ201ないし206の処理の結
果、ステップ207において示すように、送信端数時間
と受信端数時間との間で4つの組合せが生じ得る。
【0066】図10は、図2に示したパルス間隔測定装
置104におけるパルス間隔演算処理のフロー図であ
る。図10を参照して、組合せ1(ΔtT ,ΔtR )が
選択されたとき、次の式(11)により得られるデータ
ΔTがパルス間隔データとして選択される。
【0067】 ΔT=TR×CLK+ΔtT −ΔtR ……(11) 組合せ2(/ΔtT ,/ΔtR )が選択されたとき、次
の式(12)により得られるデータΔTがパルス間隔デ
ータとして選択される。
【0068】 ΔT=TR×CLK+/ΔtT −/ΔtR ……(12) 組合せ3(/ΔtT ,ΔtR )が選択されたとき、次の
式(13)により得られるデータΔTがパルス間隔デー
タとして選択される。
【0069】 ΔT=TR×CLK+(CLK・Du+/ΔtT )−ΔtR ……(13) 組合せ4(ΔtT ,/ΔtR )が選択されたとき、次の
式(14)により得られるデータΔTがパルス間隔デー
タとして選択される。
【0070】 ΔT=TR×CLK+ΔtT −{/ΔtR −(CLK−CLK・Du)} ……(14) 式(13)および(14)において使用されているデー
タDuは、図11に示した基準クロック信号φおよび/
φにおける位相関係から与えられるデータである。図1
1を参照して、時間長さTuは、2つの基準クロック信
号φおよび/φの間の位相差に相当する。したがって、
データDuは、次の式(15)により求められる。
【0071】Du=Tu/CLK……(15) 図10のフロー図に示した処理を行なうことにより、4
つの組合せの中のいずれかから、応答時間の変動により
影響されることのない、言換えると安定しかつ正確なパ
ルス間隔データΔTが得られる。
【0072】上記の処理により、正確なパルス間隔デー
タを得ることができるのであるが、図2に示したパルス
間隔測定装置104では、さらに、パルス間隔測定精度
を次のように変更することができる。言換えると、要求
される測定精度に合わせてより高いパルス間隔測定精
度、すなわち時間分解能を得ることができる。
【0073】図2に示したパルス間隔測定装置104で
は、予めリング発振器の周期データとカウントデータと
の間の関係を示すテーブルが作成され、そのテーブルを
参照することにより2つのリング発振器2および3の発
振周波数が決定される。以下、図12および図15に示
したフロー図を参照して、リング発振周期設定処理につ
いて説明する。
【0074】図12を参照して、ステップ211におい
て、まず、初期周期データDR が初期設定される。初期
周期データDR は、基準クロック信号φの周期CLKの
ほぼ2倍の値に設定される。
【0075】ステップ212において、図2に示したリ
ング周期設定処理部31から、テーブル作成のための疑
似パルスSPが出力される。疑似パルスSPは、ORゲ
ート9aおよび9bに与えられる。ORゲート9aは、
与えられたパルスを疑似送信パルスPTとしてリング発
振器2に与える。リング発振器2は、与えられた疑似パ
ルスPTに応答して、クロック信号φtの発振を開始す
る。この段階におけるリング発振器2の発振周波数は、
リング発振器2内に設けられているプログラマブル遅延
回路2aの遅延時間長さによって決定される。プログラ
マブル遅延回路2aの遅延時間は、リング周期設定処理
部31から与えられるリング周期データDR により決ま
る。すなわち、ステップ211において設定されたリン
グ周期データDR がプログラマブル遅延回路2aに与え
られるので、この段階では、リング発振器2は、リング
周期データDR により決まる発振周期でクロック信号φ
tを発生する。
【0076】仮に、要求されている時間分解能がRrで
あると仮定する。ステップ213において、CLK/R
r×CLK以上の待ち時間が経過される。
【0077】ステップ214において、1回目のリング
周期のカウントデータ(TN −TC1 が一時的にスト
アされる。
【0078】同様に、ステップ215において、2回目
のリング周期のカウントデータ(T N −TC 2 が一時
的にストアされる。
【0079】ステップ216において、データ(TN
C 1 がデータ(TN −TC 2と一致するか否かが
判定される。
【0080】2つのデータが一致するとき、ステップ2
17において、このときのリング周期データとカウント
値との間の関係を規定するデータが図示されていないメ
モリに記憶される。
【0081】ステップ218において、新しいリング周
期データDR (=DR −Rr)が設定される。ステップ
219において、新しいリング周期データDR が0でな
いことを判定した後、処理はステップ212に戻る。も
し、DR =0が検出されたとき、図12に示した処理は
終了する。
【0082】ステップ216において、リング周期の2
つのカウントデータが一致しないことが判定されたと
き、ステップ220においてカウンタが停止される。カ
ウンタの停止の後、処理が終了する。
【0083】図12に示された処理を繰返すことによ
り、リング周期データとカウント値との間の関係を示す
データがテーブル化される。以下、テーブル化されたデ
ータについて説明する。
【0084】図13は、リング発振器2の発振周期と2
度の一致が検出される期間においてカウントされるカウ
ント値との間の関係を示すグラフである。図13を参照
して、横軸はリング発振器2から発生されるクロック信
号φtの周期CLKtを示し、縦軸はカウント値(TC
−TN )を示す。周期CLKtとカウント値(TC −T
N )との間の関係は、次の式(16)によって表わされ
る。
【0085】 (TC −TN )∝CLK/|CLK−CLKt|……(16) 式(16)に表わされるように、周期CLKtとカウン
ト値(TC −TN )との間には反比例の関係が成り立つ
ので、図13に示したグラフが得られる。
【0086】図12および図13を参照して行なった説
明では、リング発振器2についてのみの処理について説
明がなされたが、リング発振器3についても同様の処理
がなされる。したがって、図12に示した処理が繰返さ
れることにより、周期CLKt,CLKrおよびカウン
ト値(TC −TN ),(RC −RN )について、図14
に示した関係のデータ、すなわちテーブルデータが作成
されたことになる。図14を参照して、このようなテー
ブルデータは、リング発振器2および3のそれぞれにつ
いて作成される。図14に示した値maxは、テーブル
データとして記憶されるべき予め定められた最大値を示
している。
【0087】図2に示したパルス間隔測定装置104を
用いてパルス間隔が測定されるとき、その測定に先立っ
て図12に示した処理が実行されている。すなわち、図
14に示したテーブルデータが予めパルス間隔測定装置
104内の図示されていないメモリにストアされてい
る。
【0088】図15は、要求される時間分解能に従うリ
ング周期設定処理のフロー図である。図15を参照し
て、ステップ231において、パルス間隔測定において
要求される所望の時間分解能により決定されるカウント
値を用いて、図14に示したテーブルデータが参照され
る。したがって、要求される時間分解能に対応するリン
グ周期データDR がテーブルデータの中から読出され
る。
【0089】ステップ232において、読出されたリン
グ周期データDR がリング発振器2および3内のプログ
ラマブル遅延回路2aおよび3aにそれぞれ与えられ
る。したがって、リング発振器2および3は、与えられ
たリング周期データDR により決定される周期でクロッ
ク信号φtおよびφrを発生することになる。
【0090】図16は、図2に示したパルス間隔測定装
置104の試作機のエラーバーグラフである。図16を
参照して、横軸は入力されたパルス間隔ΔT(nse
c)を示し、縦軸は誤差(nsec)を示す。この試作
機では、基準発振器1として48メガヘルツの周波数を
有する基準クロック信号φおよび/φが用いられてい
る。図16に示した各パルス間隔ΔTについて、50回
の測定が行なわれている。図16に示した各エラーバー
は、対応するパルス間隔ΔTについて、±3σの範囲を
示す。図16に示した各エラーバー上の・は、50回の
測定における誤差の中心値を示している。試作器の試験
の結果、測定精度として、パルス間隔が300ないし2
000nsecの範囲において、測定精度±1nsec
が得られたことになる。
【0091】このように、図2に示したパルス間隔測定
装置104は、基本的に、図3に示したパルス間隔測定
原理を用いているので、パルス間隔測定における測定精
度を向上させることができる。すなわち、図21に示し
た従来のパルス間隔測定装置では、測定されるべきパル
ス間隔ΔTの全期間について、バーニア原理を用いた測
定が行なわれていたので、基準発振器の発振周波数を高
めることなくより高い測定精度を得ることはできなかっ
た。これに対し、図2に示したパルス間隔測定装置10
4では、図3に示すように測定されるべきパルス間隔Δ
Tを、メインカウンタ10により計測される期間と、端
数時間TxおよびTyとに分け、端数時間TxおよびT
yについてバーニア原理を利用した測定が行なわれる。
したがって、水晶発振器の発振周波数のレベルででも、
要求される時間分解能に従ってより精度の高いパルス間
測定が行なわれ得る。
【0092】これに加えて、パルス間隔測定装置104
において用いられる2つのリング発振器2および3の発
振周波数が、周囲温度など周囲環境の影響で変動して
も、パルス間隔測定装置104自体がリング発振器2お
よび3の発振周波数を検出する機能を備えているので、
バーニア原理に基づく正確な測定データを常に得ること
ができる。
【0093】さらにはまた、基準発振器1から発生され
る互いに180度位相の異なった2つの基準クロック信
号φおよび/φを選択的に利用してパルス間隔データΔ
Tが決定されるので(図10参照)、回路における応答
速度のばらつきによる測定データへの悪影響を防ぐこと
もできる。
【0094】さらには、図14に示したテーブルデータ
が予め作成されており、要求される時間分解能に従って
このテーブルデータが参照される。テーブルデータから
読出されたリング周期データDR がリング発振器2およ
び3内のそれぞれのプログラマブル遅延回路2aおよび
3aに設定されるので、要求される時間分解能に従うパ
ルス間隔の測定精度を得ることができる。言換えると、
パルス間隔測定装置104における測定精度を制御する
ことができる。
【0095】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、第1の周期数検出手段と第1の端数時間検出手段と
によって測定されるべき時間間隔を分けて測定するの
で、第1のクロック信号発生手段の発振周波数を高める
ことなく、パルス間隔測定装置における測定精度を向上
させることが可能となった。
【0096】請求項2の発明によれば、バーニア原理を
利用した第1の端数時間検出手段が、第2のクロック信
号発生手段と、一致時間長さ検出手段と、端数時間演算
手段とによって実現される。
【0097】請求項3の発明によれば、第2のクロック
信号発生手段の発振周波数を検出する周波数検出手段を
備えているので、周囲環境が変化しても、常に正確なパ
ルス間隔測定データを得ることができる。
【0098】請求項4の発明によれば、第2のクロック
信号発生手段の発振周波数を制御する発振周波数制御手
段が設けられているので、要求される測定精度を満足す
るパルス間隔測定を行なうことができる。
【0099】請求項5の発明によれば、パルス間隔測定
装置がさらに、第1のクロック信号について180度シ
フトされた位相を有する第3のクロック信号を発生する
第3のクロック信号発生手段を備えているので、第1お
よび第3のクロック信号から得られる測定データを選択
することにより、装置の応答速度のばらつきにより影響
されることのない正しい測定データが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パルス間隔測定装置が適用される距離測定装置
のブロック図である。
【図2】この発明の一実施例を示すパルス間隔測定装置
のブロック図である。
【図3】図2に示したパルス間隔測定装置におけるパル
ス間隔測定のための基本原理を説明するタイミング図で
ある。
【図4】図3に示した端数時間測定において用いられる
バーニア原理を説明するためのタイミング図である。
【図5】リング発振器の発振周波数の測定原理を説明す
るためのタイミング図である。
【図6】測定される端数時間のばらつきの発生を説明す
るためのタイミング図である。
【図7】端数時間測定のばらつきの発生を防ぐ原理を説
明するためのタイミング図である。
【図8】図2に示したパルス間隔測定装置の動作を説明
するためのタイミング図である。
【図9】図2に示したパルス間隔測定装置における端数
データ選択処理のフロー図である。
【図10】図2に示したパルス間隔測定装置におけるパ
ルス間隔演算処理のフロー図である。
【図11】図10に示した処理において用いられるデー
タDuを規定する波形図である。
【図12】図2に示したパルス間隔測定装置におけるリ
ング発振周期設定処理(テーブル作成)のフロー図であ
る。
【図13】リング発振器の発振周期と2度の一致が検出
される期間においてカウントされるカウント値との間の
関係を示すグラフである。
【図14】図2に示したパルス間隔測定装置において予
め作成される発振周期とカウント値との間の関係(テー
ブルデータ)を示すグラフである。
【図15】要求される時間分解能に従うリング周期設定
処理のフロー図である。
【図16】図2に示したパルス間隔測定装置の試作機の
エラーバーグラフである。
【図17】パルスレーザを用いた従来の距離測定原理を
説明する模式図である。
【図18】ロータリエンコーダを用いた従来の離隔測定
原理を説明する模式図である。
【図19】パルス間隔の測定に基づく距離測定原理を説
明するタイミング図である。
【図20】従来のパルス間隔測定の一例を説明するため
のタイミング図である。
【図21】従来のパルス間隔測定のもう1つの例を示す
パルス間隔測定装置のブロック図である。
【図22】図21に示したパルス間隔測定装置の動作を
説明するためのタイミング図である。
【符号の説明】
1 基準発振器 2,3 リング発振器 4 トグルフリップフロップ 5,6,7,8 エッジ一致検出回路 10 メインカウンタ 11,12,13,14 カウンタ 15 タイミング弁別器 21−27 ラッチ回路 30 演算処理部 31 リング周期設定処理部 32 端数時間測定処理部 33 発振周波数測定処理部 34 不感範囲除去処理部 35 パルス間隔演算処理部 104 パルス間隔測定装置
フロントページの続き (72)発明者 永井 敏雄 大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電 力株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時間軸上に置かれた第1および第2のパ
    ルス間の時間間隔を測定するパルス間隔測定装置であっ
    て、 予め定められた第1の周波数を有する第1のクロック信
    号を発生する第1のクロック信号発生手段と、 前記第1および第2のパルス間の時間間隔に含まれる前
    記第1のクロック信号の周期の数を検出する第1の周期
    数検出手段と、 前記第1および第2のパルス間の時間間隔のうち前記第
    1の周期数検出手段によって検出されなかった残された
    端数時間の長さを時間測定におけるバーニア原理を用い
    て検出する第1の端数時間検出手段と、 前記第1の周波数ならびに前記第1の周期数検出手段お
    よび前記第1の端数時間検出手段により得られたデータ
    に基づく演算により、前記第1および第2のパルス間の
    時間間隔の長さデータを出力する時間長さ演算手段とを
    含む、パルス間隔測定装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の端数時間検出手段は、 前記第1の周波数とは異なった第2の周波数を有する第
    2のクロック信号を発生する第2のクロック信号発生手
    段を備え、 前記第2のクロック信号発生手段は、前記第1のパルス
    に応答して第2のクロック信号の出力を開始し、 前記第2のクロック信号発生手段が第2のクロック信号
    の出力を開始してから、第2のクロック信号の予め定め
    られたエッジタイミングが前記第1のクロック信号の予
    め定められたエッジタイミングに一致するまでに要する
    一致時間長さを検出する一致時間長さ検出手段と、 前記第1および第2の周波数ならびに前記一致時間長さ
    検出手段によって検出された一致時間長さに基づく演算
    により、前記端数時間の時間長さを出力する端数時間演
    算手段とを備える、請求項1に記載のパルス間隔測定装
    置。
  3. 【請求項3】 前記パルス間隔測定装置は、さらに、前
    記第2のクロック信号発生手段から発生される前記第2
    のクロック信号の前記第2の周波数を検出する周波数検
    出手段を含み、 前記周波数検出手段は、 前記第1および第2のクロック信号の予め定められたエ
    ッジタイミングが一致するタイミングを検出する第1の
    一致タイミング検出手段と、 前記第1および第2のクロック信号の予め定められたエ
    ッジタイミングがその次に一致するタイミングを検出す
    る第2の一致タイミング検出手段と、 前記第1および第2の一致タイミング検出手段によって
    検出されたタイミング間の時間間隔を検出する一致間隔
    検出手段と、 前記第1の周波数および前記一致間隔検出手段によって
    検出された時間長さに基づく演算により、前記第2の周
    波数を出力する周波数演算手段とを備える、請求項2に
    記載のパルス間隔測定装置。
  4. 【請求項4】 前記パルス間隔測定装置は、さらに、前
    記パルス間隔測定装置に要求される測定精度に従って、
    前記第2のクロック信号発生手段から発生される第2の
    クロック信号の発振周波数を制御する発振周波数制御手
    段を含む、請求項2に記載のパルス間隔測定装置。
  5. 【請求項5】 前記パルス間隔測定装置は、さらに、 前記第1のクロック信号について180度シフトされた
    位相を有しかつ前記第1の周波数を有する第3のクロッ
    ク信号を発生する第3のクロック信号発生手段と、 前記第1および第2のパルス間の時間間隔に含まれる前
    記第3のクロック信号の周期の数を検出する第2の周期
    数検出手段と、 前記第1および第2のパルス間の時間間隔のうち、前記
    第2の周期数検出手段によって検出されなかった残され
    た端数時間の長さを時間測定におけるバーニア原理を用
    いて検出する第2の端数時間検出手段と、 前記第1および第2の端数時間検出手段によって検出さ
    れた2つの端数時間の長さの一方を、予め定められたア
    ルゴリズムに従って選択する端数時間選択手段とを含
    み、 前記時間長さ演算手段は、前記第1の周期数検出手段に
    よって検出された周期の数および前記端数時間選択手段
    によって選択された端数時間に基づく演算により、前記
    第1および第2の時間間隔の長さデータを出力する、請
    求項1に記載のパルス間隔測定装置。
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