JP4851005B2 - 流体処理装置及び流体処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
技術分野
本発明は流体気化均質化装置、及び流体を気化し、均質化する方法、また、特に微細に均質化され、又は気化された気相の流体混合物を製造する装置、及び方法に関するものである。
【0002】
発明の背景
液体、又はエーロゾルを気相の流体に変換する目的で、多くの形式の装置が数年にわたり開発されている。これ等の装置の多くは内燃機関に使用する燃料を用意するために開発されている。機関燃焼室内での燃料の酸化を適切なものにするためには、一般に、燃料空気混合気を更に気化し、均質化して、化学量論的気相混合物を得ることである。理想的な燃料の酸化を行えば一層完全燃焼し、汚染も少なくなる。
【0003】
また特に、内燃機関に対する化学量論は、所定量の燃料を完全燃焼させるのに必要な酸素の量を均質な混合気内に供給して、不完全酸化、又は非効率酸化から生ずる残留ガスが無い最適な正しい燃焼を行うための一つの条件である。理想的には、燃焼室に入る前に、燃料は適正な酸化のため、完全に気化し、空気と相互に混合し、均質化していなければならない。一般に、未気化の燃料滴は通常の内燃機関、及び外燃機関内で点火せず、完全に燃焼せず、燃料効率、及び大気汚染の問題を生ずる。
【0004】
燃料の不完全酸化、又は非効率酸化があると、窒素酸化物を伴う未燃焼炭化水素、一酸化炭素、及びアルデヒドのような汚染物質として、内燃機関、又は外燃機関から残留物が排出される。放出物の法基準に合わせるためには、これ等の残留物は通常、触媒転化器、又はスクラバーにおける更なる処理を必要とする。このような残留物の処理は触媒転化器、又はスクラバを作動させるため、燃費が増大する。従って、不完全燃焼からの残留物を減らすことは、経済的にも、環境的にも有利である。
【0005】
上述の問題の他に、完全に気化せず、化学量論的でない燃料空気混合気は燃焼機関の効率を低下させる。燃料の化学的エネルギの小部分は機械的エネルギに変換するから、燃料のエネルギは浪費され、不必要な熱汚損を生ずる。従って、燃料空気混合気を更に細かく破砕し、完全に気化すれば、高い機関効率が得られる。
【0006】
燃料の気化、及び燃料の不完全燃焼に関する上述の問題を軽減するための試みがなされている。例えば、米国特許第4515734 号、第4568500 号、第5512216 号、第5472645 号、及び第5672187 号は機関の吸気マニホールドに燃料を供給する際、燃料を気化する種々の装置を開示している。これ等の従来の装置は燃料と、空気とを気化するため一連の混合部位、及びベンチュリを有している。
【0007】
上述の先行技術の装置は関連する機関内での炭化水素の燃焼割合が比較的高いことにより、燃焼機関の作動に或る有利な点はあるが、これ等の先行技術の装置には或る問題点がある。
【0008】
第1に、渦室内に空気を入れる孔は3個の孔が単一な行になるように配置されている。渦室内へのこのような空気の導入は渦室内の流体を渦室の内壁に沿って流体の別々な環に分離してしまう。通常、このような1個の環は1個の孔に関連する。渦室の壁に沿って、環の中に集まろうとする流体の傾向は所定の渦室内での乱流の度合(従って、気化の効率)を必然的に制限してしまう。
【0009】
更に、先行技術の装置は平滑な円筒内壁を有する渦室を採用している。平滑な渦室内壁の構造は所定の渦室内に発生する乱流の程度を制限し、渦室内の気化の有効割合を制限してしまう。
【0010】
先行技術の装置に認められる欠点は渦室に達する種々の入口における差圧を補正することができないことである。空気燃料混合気は種々の渦室に通るから、付加的空気が各室内に接線方向に加わり、種々の入口で差圧を発生する。これ等の全ての入口において、渦室に周囲空気を供給するから、混合気が渦室を通過する際、空気燃料混合気の空気対燃料比を最適に維持するのが困難であった。
【0011】
先行技術の既知の装置に関連する差圧の問題の他の態様は流路の低圧端に一層近く(機関マニホールドに一層近く)位置している渦室は著しく一層多い流れを受理することによって、他の渦室の作用を抑制する傾向がある。この傾向は、機関を加速している期間中に、特に顕著であり、問題がある。流路の低圧端に一層近い渦室は他の渦室の作用を抑制してしまうから、他の渦室の有効性は著しく減殺される。
【0012】
先行技術の遠心気化装置も或る欠点があり、それはあまりにも容積が大きいこと、遠心室内に接線方向に流体を有効に導入することができないこと、機関マニホールドの負圧の吸引力を不必要に妨げていること、及び遠心作用を加えた内容物が機関マニホールド内に不均一に排出されることである。
【0013】
先行技術の遠心気化装置の付加的な欠点は空気と燃料とを渦室内に加える前に、周囲空気が燃料に十分に混合されていないことである。空気と燃料とが予め十分に混合されていないと、過剰の炭化水素を発生する。この問題を解決するための先行技術の試みは有効でないことがわかった。即ち気体状、又はエーロゾル状の燃料が気流中に噴霧されたとしても、渦室に入る前に、燃料は次に液化してしまうので、気流中に気体状、又はエーロゾルとして噴霧することによって得られるはずの利益を達成することができない。
【0014】
先行技術の遠心気化装置の他の問題点はベンチュリの形態を具えることに失敗していることである。ベンチュリは機関の低速範囲での明瞭な高い応動性に関しては役割が少ないが、高速範囲での体積効率を達成するための役割が大きい。実際、先行技術の装置は高速範囲での体積効率と、低速範囲での明瞭な高い応動性との間を選択しなければならなかった。従って、高速範囲で体積効率を、低速範囲で明瞭な高い応動性を達成し得る遠心気化装置が必要である。
【0015】
更に先行技術のサイクロン気化装置の他の問題点はそのような装置が調整可能な渦室出力ポート、及び異なる直径の隣接する室の利点を利用できないことである。
【0016】
内燃機関への渦流技術の適用とは異なる他の問題は吸入器を通じて供給される種々の医薬に必要な極端に微細な気化に関する。吸入器は通常、肺の中へ直接吸入するため医薬の液体気体混合気を発生する。しかし、問題が発生しており、肺を通じて血流中に医薬を直接通すのに必要な高度の気化を達成することは困難であった。即ち、肺を通して、血流中に直ちに通すため、一層小さい分子の大きさの粒子に破砕されるのでなく、過剰の量の医薬が液化したままに留まる。従って、肺を通じて、直接、血流中に医薬を供給するため、液体気体混合物を十分に小さい粒子の蒸気に更に気化し、均質化する気化装置の開発が必要である。
【0017】
また、焼却、及び廃物管理のための破断処理の利用に関しても開発が必要である。廃棄流体粒子を非常に小さい粒子寸法に破砕できれば廃棄処理装置内に導入された混合物は一層能率的に燃焼し、汚染は最小となり、廃棄流体を焼却する効率は増大する。
【0018】
上述したところから、既知の先行技術に関連する上述の欠点を解決し、即ち、実質的に軽減する遠心渦装置を開発する必要がある。また、液体を一層小さい寸法粒子の蒸気流体に一層完全に破砕し、渦室ハウジングに形成した種々の孔に通る流れを常態化するように一層最適な乱流を生ずる渦室を有する遠心渦装置を開発する必要がある。また、更に、空気燃料混合気を渦室内に導入する前に、空気と燃料とを一層最適に、予め混合する遠心渦装置を提供することが必要である。また、一層最適に混合し、気化し、均質化し、そして微細な寸法の分子蒸気粒子を機関マニホールド内に排出し、又は吸入器形の医薬供給装置から、及び他の希望する用途に向け、又はその用途から、微細な分子蒸気粒子を排出する小形の遠心装置を提供することが必要である。
【0019】
発明の要約、及び目的
本発明の目的は一層最適な乱流を発生することができ、渦室内の内壁上の液体の軌道環の形成を実質的に無くすることができる渦室を得るにある。
【0020】
本発明の他の目的は第1渦室内のみに空気を導入し、混合気が次の渦室に前進しても、空気燃料混合気の空気燃料比を一定に維持する複数個の渦室を得るにある。
【0021】
本発明の他の目的は渦室に流れる流体の乱流を増大するよう段付きの内壁面を有する渦室ハウジングを得るにある。
【0022】
本発明の他の目的は渦室に流れる流体の乱流を増大するよう不規則内壁面、又は織物のような表面の織目内壁面を有する渦室ハウジングを得るにある。
【0023】
本発明の他の目的は渦室に形成された数個の入力孔に入る流れの量を等しくするため、恐らくはジャケットによって形成されたテーパ空気送り通路のような差圧供給部を得るにある。
【0024】
本発明の他の目的は遠心室内の流体の遠心作用を受ける流体を増進させるよう、遠心室内に接線方向に向く一連の接続通路を形成するため、遠心室に関連する一連の接線方向に指向する遮板を得るにある。
【0025】
本発明の他の目的は1個、又はそれ以上の渦室を選択的に分離し、バイパスし、即ち迂回するよう一連の渦室に挿入し得る移動可能の導管を得るにある。
【0026】
本発明の他の目的は出力ポートに通る流体の流れを調整するのを助けるため、調整自在の出力ポートを有する渦室を得るにある。
【0027】
本発明の他の目的は機関への流体出力流れを均質化し、更に気化させるため、複数個の出力ポートを有する遠心室を得るにある。
【0028】
本発明の他の目的は遠心室内の流体の遠心作用を受ける流れ、即ち渦流を増進し、しかも遠心室内の容積を減少させるため、遠心室の頂面のテーパ延長部を得るにある。
【0029】
本発明の他の目的は渦室の容積を減少させることにより、また、関連するベンチュリの最大内径より高さが低い遠心垂直壁を採用することにより渦室内の乱流を増大するにある。
【0030】
本発明の他の目的はそれぞれの渦室内の流体の流れを常態化し、等しくするため、直径を増大する一連の渦室を得るにある。
【0031】
本発明の他の目的はベンチュリのスロートの直径対遠心出力ポートの直径の比が約 1:1.66 であるベンチュリ、及び関連する遠心室を得るにある。
【0032】
本発明の他の目的は均質化、及び気化のため、空気燃料混合気を渦室内に導入する前に、空気と燃料とを予め混合するための予備混合室を得るにある。
【0033】
本発明の他の目的は渦流が1個の渦室から、隣接する渦室に通る際、渦流が互いに反対スピン方向にスピン運動を行わせることによって、渦室内に一層最適な乱流を発生させると共に、一層向上された気化を達成するにある。
【0034】
本発明の他の目的は機関の高速範囲で高い体積効率を達成し、低速範囲で高い明瞭な応動性を達成し得る遠心気化装置を得るにある。
【0035】
本発明の更に他の目的は医薬の用途では蒸気気体混合気を分子の大きさの一層微細な寸法の粒子に破砕する装置を得るにある。本発明の更に他の目的は肺を直接通って、人の血流中に直ちに粒子を通すことができる程、蒸気液体混合気を極めて小さい寸法の粒子に破砕し得る装置を得るにある。
【0036】
本発明の他の目的は流体の流れが焼却器内で一層最適に焼却されるように、液体粒子、及び蒸気粒子から成る流体の流れを破砕する装置を得るにある。
【0037】
本発明の更に他の目的は燃焼プロセスから生ずる汚染を減少させるため、一層最適の燃焼を達成する程度まで、燃料を均質化する装置を得るにある。
【0038】
本発明の他の目的は遠心ハウジングの外に流出する流体の無駄な流れを防止すると共に、遠心ハウジング内の流体の遠心作用を受ける流れを増進するよう、遠心ハウジング内に延長アームを有する装置を得るにある。
【0039】
上述の目的は、渦室ハウジングに形成された一群の孔内に空気燃料混合気を導入する前に、空気と燃料とを組み合わせるように、特別に予め混合することによって、渦室内での流体の乱流と気化とを増進させる遠心渦装置によって達成することができる。渦室内に接線方向に空気燃料混合気を導入させるよう、渦室ハウジングにこれ等孔を形成する。全ての孔の有効な使用を可能にする差圧供給形態によって、これ等種々の孔に入る流れを等しくすることができる。
【0040】
一実施例では、渦室ハウジングの内壁に段を設け、又は織物のような織目を付け、又は段と織目との両方を設け、渦室に通る流れの乱流を増進させる。
【0041】
他の実施例では、遠心室には一連の遮板と、テーパ延長部とを設け、渦室内での流体の遠心作用による流れを増進させる。更に他の実施例では、一連の渦室に通して挿入し得る長導管を設け、1個又はそれ以上の渦室を選択的に分離し、及び/又は迂回、即ちバイパスさせる。更に他の実施例では、渦室に通る流れを調整するため、渦室出力部は調整自在の直径を有する。
【0042】
添付図面を参照する次の詳細な説明によって、本発明の他の目的、要旨、及び利点は明らかになるであろう。
【0043】
発明の詳細な説明
本明細書中、「均質化する」、又は「気化させる」、又はこれ等の語からの派生語は高速、低圧、及び高真空状態が存在する場合の、即ち差圧が存在する場合の渦状の乱流によって、液体をエーロゾル、即ち蒸気相から気相に変換することを意味する。
【0044】
図1〜図6は本発明遠心渦装置30の第1実施例を示す。図1に示すように、遠心渦装置30は3個の部分、即ち、燃料気化部32、主空気部34、及び遠心部36を有する。燃料気化部32はインゼクタ板42に形成された孔40に取り付けられた2個の燃料インゼクタ38を有するものとして図示されている。燃料インゼクタ38は通常の電子燃料インゼクタから成り、約30°の噴霧角を有するのが好適である。
【0045】
燃料気化部32に予備混合室44を形成し、燃料インゼクタ38の出力ポート46によって、予備混合室44内に燃料を噴霧する。周囲空気導管50を通じて、周囲空気を予備混合室44内に導入し、燃料インゼクタ38によって噴霧された燃料をこの導入された周囲空気に混合する。渦室ハウジング54の外面52と、テーパ延長部58の外面68とによって、予備混合室44を一部画成する。更に、差圧供給ジャケット60の内面56によって、予備混合室44を画成する。ジャケット60、及び渦室ハウジング54の目的、及び機能について以下に一層詳細に説明する。
【0046】
渦室ハウジング54は外面52、内室壁面62、及び底面63を有する。更に、渦室ハウジング54はテーパ延長部58を有し、予備混合室44内の流体の流れを増進する。孔49に挿入された止ねじ48(図3参照)によって、インゼクタ板42に渦室ハウジング54を取り付ける。内室壁面62は流体の渦流を内部に発生する渦室64を画成する。渦室ハウジング54の壁に支承される一群の孔66を設け、渦室64内に接線方向に、空気燃料混合気のような流体が入るような角度に孔66が位置する。渦室頂端縁61はジャケット頂部内面55に衝合する。通常のガスケット(図示せず)を端縁61と、頂面55との間に介挿してもよく、これにより、端縁61と、頂面55との間から渦室64内に流体が漏洩するのを防止する。
【0047】
図3に示すように、渦室64の周りに、一群の孔66を複数個の列Rと、複数個の行Cとに配置し、室64を経る渦流の乱流を増進させる。列Rと、行Cとを相互に円周方向にずらし、即ちオフセットさせるのがよい。一群の孔66をずれた列と行とに指向させることにより、渦室64内の流体が別々の環状に分離するのを無くし、又は少なくともこの分離をほぼ軽減する。更にこの孔の方向は所定の渦室内での乱流の程度(従って、更に蒸発の効率)を著しく増進させる。
【0048】
渦室ハウジング54の周りに位置しているテーパジャケット60によって、差圧供給の形態を形成する。図面に示すように、ジャケット60は厚さが変化する部分75を有し、これによりテーパ内面56に直径が増大する部分を生ぜしめる。ジャケット60は端縁57で終わっている。また、ジャケット60は出力ポート70を有し、渦室64内で処理された後の流体はこの出力ポート70を経て流れる。丸い隅角部73で、ジャケット頂面55に交差する円筒面71によって、出力ポート70は画成されている。ジャケット内面56の直径はジャケット出力ポート70に最も近い端部において、最も小さく図示されている。ジャケット内面56の直径はこの点から端縁57に向け徐々に増大する。この可変直径の表面はテーパ内面56を有するように示されているが、段付きの内面も有効に採用される。
【0049】
可変直径のジャケット内面56は渦室ハウジング54の周りに位置している時、ジャケット内面56と、渦室ハウジング外面52との間に可変幅の間隙72を画成している。図3に示すように、この可変幅の間隙72は一層小さい幅d1 と、一層大きい幅d2 を有する。可変幅の間隙72は渦室ハウジング54に形成された孔66を横切って可変の差圧を発生すると共に、ポート70から一層遠く位置している孔66よりも、ポート70に一層近く位置している孔66を通ずる流れを一層制限する。従って、ジャケット出力ポート70に対する孔の位置に従って、種々の入力孔66に流体の差圧を生ずる。作動に当たり、出力ポート70に最も近い孔66には一層高い圧力を生ずる。これはこの端部は燃料気化部32の低圧端を有するからである。
【0050】
渦室ハウジング54に形成された孔66の周りに、ジャケット60のような可変圧力を供給する形態を位置させることによって、種々の孔66に入る流体の流れの量をほぼ等しくする。種々の孔66に通る流体のほぼ等しい流れを生ぜしめることにより、渦室64の効率、及び有効性を増進する。
【0051】
内面76を有する燃料気化ハウジング74内に取り付けた状態で、ジャケット60、及び渦室ハウジング54を図1に示す。特にジャケット60の頂部外面79(図3参照)はハウジング74の頂部内面77に隣接して位置する。上述した周囲空気導管50は燃料気化ハウジングの内面76と、テーパ延長部58の外面68とによって画成される。
【0052】
インゼクタ板42を図1、図3、図4、図5、及び図6に示す。インゼクタ板42は底面47に貫通形成された1対の孔40を有し、この孔に燃料インゼクタ38(図1参照)を収容する。更に、インゼクタ板42は第1肩部39と、第2肩部41とを有する(図4、及び図5参照)。第1肩部39は連結部材43に衝合し、第2肩部41はジャケット端縁57(図1参照)に衝合する。円筒中心延長部45は止めねじ48を介して、テーパ延長部58(図1参照)に衝合し、連結されている。
【0053】
図1、及び図2に示すように、主空気部34は主吸気ハウジング80と、ベンチュリ体82と、通常の蝶形絞り板84とを有する。主空気部34の一端に吸気開口86を位置させる。この吸気開口86は環状内面92を有する内部円筒部90に達する。
【0054】
内部円筒部90内に、通常の絞り板84を枢着する。この絞り板84は回転自在の中心軸96に取り付けられており、中空内部90に通る気流の方向を横切って、中心軸96は延在する。この中心軸96の回転によって、中空内部90内での絞り板84の傾斜角度を調整し、これにより空気の容積、即ち機関に受け入れられる空気燃料混合比を変化させる。
【0055】
主吸気ハウジング80内に周囲空気通路100を形成する。この空気通路100は主吸気ハウジング80に形成された溝孔94に流体連通する。順次の周囲空気導管102、50は通路100、及び溝孔94を通じて、予備混合室44内に空気を通す。
【0056】
ベンチュリ82を主空気部34内に取り付ける。このベンチュリ82は入力部104、複数個の長孔106、及びベンチュリ出力部110を有する。更に、ベンチュリ82はベンチュリ外面112と、ベンチュリ内面114とを有する。図面に示すように、ベンチュリ内面114の直径はベンチュリ入力部104、及びベンチュリ出力部110で最大になっている。ベンチュリ内面114の直径はベンチュリ入力部104、及びベンチュリ出力部110でほぼ同一である。これに反し、ベンチュリ内面114はベンチュリスロート116で最小である。このベンチュリスロート116に隣接して、ベンチュリ内面114に環状段を形成している。
【0057】
また、主空気部34に横環状端縁122(図1、及び図2参照)を設け、環状外側隅角部124で、この横環状端縁122を環状内側面92に交差させる。環状面126も環状隅角部134において、横端縁132に交差する。接着剤により、又は締まりばめにより、又はその他の通常の手段により、ベンチュリ82の外面112を環状面126に取り付けることにより、環状面126に隣接して、主空気部内にベンチュリ82を位置させる。
【0058】
空気部34に中間混合室136(図1参照)を形成し、ジャケット出力部70を出る、スピン作用を受ける柱状の流体をたたみ込んで、この流体が細長い孔106を経て、ベンチュリ82に入る前に乱流によって混合する。中間混合室136は更に流体を気化し、均質化する。この中間混合室は環状面126と、隅角部142で交差する横環状面140とによって画成されている。遠心部36は横端縁132において、主空気部34に取り付けられている。
【0059】
ベンチュリ出力部110から排出された流体は吸気開口144を通じて、遠心部36に通る。一般に遠心部36は遠心ハウジング142、吸気開口144、入口室146、遠心室152に対し接線方向に指向する一連の遮板150、及び複数個の出力通路154を有する。図面に示すように、遠心ハウジングはほぼ円筒形態を有し、吸気開口144によって、遮断される環状の垂直に指向する壁面156を有する。この壁面156は頂壁160(図2参照)と一体に形成されている。
【0060】
図2に示すように、ボス部162は遠心頂壁160から下方に延びる。ボス部162は内面164と、外面165とを有し、これ等面はいずれも形状は放物線状に示されている。次に一層詳細に説明するように、ボス部162は実質的に遠心室152の容積を減少させ、遠心室152内のボス部の周りの流体の円形の遠心作用による流れを増進させる。
【0061】
頂壁160の反対側に、遠心室152内に特殊輪郭の底部挿入部166を位置させる。この特殊輪郭の底部挿入部166は特殊輪郭の頂面170と、特殊輪郭の底面172とを有する。特殊輪郭の頂面170は環状平坦部174、上方指向湾曲部176、及び円錐形中心部180とを有する。図面に示すように、各出力部154は円錐形中心部180に形成された出力開口182を有する。
【0062】
上述したように、遠心部36は入口室146内に位置する接線方向に指向する一連の遮板150を有する。各遮板150は先端縁184と、中間隅角部186と、丸い後端190とを有する。先端の平坦面92は先端縁184と、隅角部186との間に形成されている。平坦面194は先端縁184と、後端190との間に形成されている。最後に、表面196は隅角部186と、後端190との間に形成されている。
【0063】
隣接する遮板150の表面間に形成された複数個の接線方向の流体流通路200を生ずるように、遮板150を相互に相対的に配列している。更に、入口室146の垂直に指向する壁206と、この壁206に隣接する遮板150の表面194との間に接線方向の通路202を形成する。更に、入口室146の垂直壁210と、この垂直壁210に隣接する遮板の表面192との間に接線方向の通路204を形成する。
【0064】
図1に示すように、各後端の平坦面194は遠心部36の環状壁156に対する接線方向に指向している。従って、通路200、202、204を通じて、遠心室152内に導入される流体の流れは、環状壁156に対し、ほぼ接線方向に導入され、室152内の流体の円形の遠心作用による流れを増進させる。
【0065】
機関マニホールド(図示せず)に遠心ハウジング142を取り付けるため、遠心ハウジングに取付け位置212、214、216を形成し、インタフェイス板143を介して、ボルト180(図2参照)のような緊締具により、遠心ハウジング142を機関に取り付けられるようにする。
【0066】
図7に本発明の代案の実施例を示す。この実施例は渦室組立体220を示し、この組立体は通常の電子燃料インゼクタ222、第1渦室ハウジング224、及び次の渦室ハウジング226、228、230、232を有する。この形態において、各室ハウジング226〜232は専らその前の室ハウジングからの流体の流れを受け取る。例えば、室ハウジング228は室ハウジング226の出力部からの流体を専ら受けとる。
【0067】
インゼクタ板236に形成された孔234内に、燃料インゼクタ222を取り付ける。各燃料インゼクタは予備混合室242内に燃料を噴霧する出力ポート240を有する。周囲空気導管244を介して、周囲空気を予備混合室242内に導入する。予備混合室242、及び周囲空気導管244の形態、及び機能は図1に示した予備混合室44、及び周囲空気導管50の形態、及び機能に類似する。
【0068】
室ハウジング224、226、228、230、232はそれぞれ渦室248、250、252、254、256を画成する。各室ハウジング224〜232は一群の孔260〜268を有する。図3に示したものと同様、各一群の孔260〜268は複数個の列、及び複数個の行に配置されている。更に、各一群の孔260〜268はずれた形態に配置されており、これにより、それぞれの渦室248〜256に通る垂直な流れの乱流を増進させる。
【0069】
室ハウジング224、226、228、230、232の周りにそれぞれ位置しているテーパジャケット272、274、276、278、280によって差圧供給導入口を形成する。これ等の各機能は図1に関連して説明したジャケット60に類似する。各ジャケット272〜280はそれぞれ内面284、286、288、290、292を有する。各ジャケット内面284〜292はそれぞれ一定直径部296、298、300、302、304と、可変直径内面部308、310、312、314、316とを有する。各室ハウジング224、226、228、230、232はそれぞれの外面部318、320、322、324、326を有する。ジャケットは表面330〜338と、表面308〜316との間にそれぞれ可変寸法の間隙330、332、334、336、338を形成する。このようにして、可変の間隔の間隙により孔260〜268の位置によって、種々の孔260〜268に流体の差圧を発生させる。これ等間隙の機能は間隙72(図1、及び図2参照)と同様である。
【0070】
更に、各ジャケット272〜280は次の渦室に流体連通するそれぞれの出力ポート340〜348を有する。図8〜図10はジャケット278、渦室254を詳細に示す。各出力ポート340〜348は図9、及び図10に符号349によって示すU字状溝孔の形状である。出力ポート340〜346はそれぞれ次の混合室350、352、354、356に流体連通しており、孔262〜268は専ら出力ポート340〜346からの流体混合物を受けとるが、流体の流れが渦室250〜256に通る際、付加的空気が流体の流れに導入されないから、ほぼ一定の空気第2流体混合物を維持する。更に、混合室242、350、352、254、356を通ずる流れが混合し、渦になる性質を増進するため、各室ハウジング224〜232は円錐形のテーパベース部358を有する。
【0071】
通常の止めねじのような緊締具(図示せず)を収容するため、ジャケット274〜280に孔368を形成し、ジャケット下部370を先行するジャケット上部372に、又は気化ハウジング374に取り付ける。
【0072】
図11〜図13は図7に示すような複数個の渦室に使用するためのジャケット室組立体の代案の実施例を示す。特に、一定直径内面377、可変直径内面378、出力ポート379、及び出力孔381を有するようにジャケット376を示す。室ハウジング383は或る角度をなして形成された複数個の孔385を有するように示されており、この孔は渦室387内に接線方向に達する。ハウジング376の内面378と渦室383の外面391との間に可変に離間された間隙389を形成する。
【0073】
図14は本発明による渦室の他の代案の実施例を示す。外面382、及び内室壁384を有する室ハウジング380は渦室386を画成している。室386内の渦巻の流れに乱流を増大するため、渦の流れの中の未気化粒子を一層小さい粒子に破断するため、内壁室壁384に段388を形成する。図面に示すように、各段388は傾斜面390と、横面392とを有する。複数個の傾斜孔394をハウジング380に形成し、横面392において、傾斜孔394を内室壁384に交差させる。流体が渦室386に流れる際、段388は種々の横面392に隣接して比較的小さな渦流を発生させ、室386に通る流れの乱流を増進させる。
【0074】
室386内の渦の流れの乱流を増大する代わりの、又は付加的方法として、渦の流れの中の未気化粒子を一層小さい粒子に破断するとともに、未気化粒子の気化を増進するため、内室壁384は織物のような表面である織目表面を有する。織目表面、又は不規則表面は粗い粒度のサンドブラストによるか、又はガラスビードを加えて形成することができる。織目の、又は不規則な内室壁面は流体をして一層乱流状態に、室386を通じて、流させる。未気化粒子は織目の内室壁面に衝突する時、未気化粒子は拡散し、一層小さい粒子に破断し、平滑な内壁面に比較し、一層容易に気化する。
【0075】
図15〜図17は本発明渦組立体の更に他の代案の実施例を示す。図15に示すように、遠心渦装置400は主空気部404に流体連通する燃料気化部402を有する。主空気部404は遠心部406に流体連通している。燃料気化部402は内側面412を有する主空気ハウジング410を有する。この内側面412は周囲空気を導入する主空気室414を画成している。主空気ハウジング端縁418に沿って、主空気ハウジング410にベース板416を取り付ける。ベース板延長部422によって、ベース板416内にインゼクタ板420を取り付ける。室ハウジング428内に形成された第1渦室426内に燃料を噴霧するため、インゼクタ板20内に燃料インゼクタ424(図15には1個のみを示し、他の燃料インゼクタは図示の燃料インゼクタの直ぐ後に位置している)。また、第2渦室430、第3渦室432、及び第4渦室434を室ハウジング428内に形成する。
【0076】
渦室426、430、432、434に空気を入れるため、室ハウジング428に角度をなして、複数個の孔436(図16、及び図17参照)を形成し、これ等孔が接線方向に各渦室内に入るようにする。各孔は内面438〜444に対しほぼ接線方向に指向しており、空気は各渦室428、430、432、434内に接線方向に導入される。これ等の孔を一群の列と行とに形成し、行がそれぞれ隣接する列に対しずれているのが好適である。
【0077】
流体が室428〜434に通過する際、乱流、差圧、剪断力、及び流体に加わる速度の変化を増進させるため、隣接する室内に反対方向の接線方向に一群の孔436を指向させるのが有利である。例えば、室428の孔はこの室428内に第1渦流方向に流体を導入するように指向しており、室430の孔はこの室430内に第2渦流方向に流体を導入するように、室428の孔の方向の反対方向に指向している。
【0078】
テーパジャケット450によって形成された差圧供給の形態は一連の渦室の外側の周りに設けられる。ジャケット450を渦室ハウジング428の端部452に取り付ける。ジャケット450はテーパ部454と、長管部456とを有する。ジャケット部454はジャケット60(図1参照)にほぼ類似する形態を有し、ほぼ類似する作動をし、外面458と、可変直径内面460とを具え、内面460と外面464との間に可変幅の間隙462を形成している。
【0079】
可変幅の間隙462は室ハウジング428に形成された孔436を横切って種々の圧力抵抗を生ずる。室ハウジングの下流端452に向け、間隙が一層狭くなり、流体圧力は最高になる。この点から上流方向に、室432、430、428に向け流体圧力は減少する。この形態においては、孔436を横切る圧力抵抗はその孔の位置によって変化する。また、ジャケット450は出力ボス470を有し、この出力ボスは環状ボス外面472と、環状ボス内面474とを有する。このジャケットの出力ボスの目的と機能とを以下に説明する。
【0080】
ジャケット450の管部456は内面466と、外面468とを有する。内面466は管中空内部470を画成している。螺旋状に巻いたソレノイド476をジャケット450の管部456の周りに取り付けて、管内部に選択的に磁界を発生させる。導管ベース480に一体に形成された長導管478をジャケット管部456内に摺動できるように位置させ、図16に示す位置と、図17に示す位置との間に、導管ベース480が管部456内で移動できるようにする。ばね482のような押圧部材を導管ベース480と、ジャケット部454との間に、ジャケット管部456内に配置する。ばね482は導管ベース480を図17に示す位置に選択的に維持する。
【0081】
図17に示すように、ソレノイド476を付勢しない時、長導管478は渦室428〜434から後退している。ソレノイド476を付勢すると、導管ベース480を図16に示す位置に動かし、従って、ばねを圧縮し、長導管478を前進させ、室出力部484、486、488を通じて、長導管478を室出力部490に直接連通させる。ソレノイド476を作動させ、図15、及び図16に示す位置に長導管478を動かすと、ハウジング427に通る渦流を渦室428内に分離し、残りの室430、432、434を選択的に迂回する。
【0082】
機関の加速、減速の遷移期間中の0.5秒程度の期間内に、長導管478が選択的に、簡単に図15、及び図16に示す位置に動くのが有利である。これ等の期間中、室428を選択的に分離することによって、「加速スタンブル」の良く知られた問題がほぼ軽減させる。
【0083】
一般に、加速スタンブルの問題は加速と減速との遷移期間中に発生する。例えば、図15について、加速期間中、絞り板518は開くから、主空気室414内の圧力は降下する。この圧力降下により、渦室426、430、432、434内に入る空気の量が減少する。渦室に入る空気が少ないと、燃料インゼクタ424から噴霧された燃料の一層少ない部分が渦室を通じて機関に運ばれるから、比較的燃料が少ない燃料空気混合気となる。この期間中、燃料は渦室に有効に通らないから、或る量の燃料が渦室426、430内に堆積する。従って、堆積した燃料が残りの渦室に通るから、燃焼機関(図示せず)に燃料が多い混合気が供給される。燃料が少ない期間の次に燃料が多い期間が来るため、この空気燃料比が急激に変化することに関連する機関の困難性を「加速スタンブル」と称する。
【0084】
更に、上述したような長導管478を採用することによって、この流体中の炭化水素の量は著しく減少する。更に、加速、減速中に、室430〜434をバイパスさせることによって室430〜434が室428を制限するのを防止することができる。
【0085】
図15に示すように、主吸気部404は円筒吸気部500を有する。環状通路502を吸気ポートに形成し、通常の周囲空気導管(図示せず)の取付けを容易にする。また、吸気ポート500は中間ハウジング510に形成された周囲空気導管508内に空気を導入する。図面に示すように、中間ハウジング510は主空気ハウジング410に剛固に取り付けられており、中間ハウジング510は同心孔512、514を有する。ジャケット管部456の下流端518を孔512内に取り付けて、下流端518から排出された流体がジャケット管部456から孔514を経て、主吸気部404内に通るようにする。
【0086】
機関(図示せず)に入る空気の容積を調整するため、回転できる中心軸520に通常の絞り板518を取り付ける。この中心軸520は主空気部404に通る気流の方向に対し横方向に延在する。
【0087】
ベンチュリ506は大径吸気開口522と、狭いスロート部524と、大径の空気燃料混合気出力開口526とを有する。更に、ベンチュリ506はベンチュリ外面528と、ベンチュリ内面530とを有する。ベンチュリ内面530の直径はベンチュリの狭いスロート524で最小であり、吸気開口522、及び出力開口526で最大である。ベンチュリ出力開口526は主空気部出力通路532に直接連通しており、主吸気部404から遠心部406内に流体を排出する。
【0088】
遠心部406はほぼ円筒形の形態を有する。この遠心部は外面536と、内面538とを有する環状壁534を具える。壁534は吸気開口540によって途切れており、これにより、ベンチュリの出力通路532からの流体を遠心室542に収容する。更に、遠心室542は遠心頂板544と、遠心底板546によって画成されている。
【0089】
遠心底板546に大径出力孔548を形成し、これにより流体を遠心室542から排出する。最小直径552と、最大直径554とを有する丸い表面550によって出力孔548を画成する。
【0090】
出力孔548における真空圧を増進するため、スロート524におけるベンチュリ内面530の直径対最小直径552の比を1.58:1より大きくし、好ましくは1.66:1より一層大きくする。
【0091】
壁534から突出する取付けフランジ556に形成された孔558を介して、遠心ハウジング406を機関(図示せず)に取り付けられるようにする。
【0092】
図18は本発明の渦室組立体の更に他の代案の実施例を示す。室ハウジング570は外面572と、内面574、576、578、580、582とを有する。内面574〜582はそれぞれほぼ円筒形で、渦室584、586、588、590、592をそれぞれ画成している。
【0093】
孔594は一群のずれた列と行とに、室ハウジング570に、接線方向に形成されており、これにより各渦室584〜592内に、流体は接線方向に入る。流体がこのように接線方向に入ることによって、渦室を通る流体の乱流の渦流を生じ、流体を一層小さい粒子に破断し、渦流内の残りの液体粒子を気化させる。図面に示すように、孔594は複数個の列と、複数個の行とに配置され、好ましくは、列と行とがずれており、これにより、室584〜592に通る流れの乱流の性質を増進する。
【0094】
円筒形出力フランジ596は外面598と内面600とを有する。この出力フランジを室ハウジング570の上流端602に取り付ける。内面600は渦室ハウジング570の渦室584からの出力、即ち流体の流路を画成する。図面に示すように、渦室584〜592は順次直径を減少させている。即ち、内面582の直径は内面580の直径より一層小さく、内面580の直径は表面576の内面より一層小さく、この内面は内面574より一層小さい。このような形態にすると、出力部604に低圧端を有し、上流端606に隣接する高圧端を有する渦流の状態で、流体は室584〜592を通過するから、低圧端に最も近い室(室584、586)が高圧端604に最も近い室(室590、592)よりも、孔594を通じて一層多くの流体を収容する傾向を著しく減少させる。
【0095】
更に、流体が室584〜592を通過する際の流体の気化を増進するため、適切な寸法のノズル608(図18参照)を各室584、586、588、590のそれぞれ上流に位置させる。ノズル608は渦室に通る流体に、付加的差圧を受けさせ、従って、流体粒子の気化と、破断とを増進させる。締まり嵌めによる取付けにより、室584〜590の上流端内に取り付けられるようにノズル608の寸法を定めるのがよい。
【0096】
図19は本発明の他の実施例を示す。図面に示すように、図19は外面614と、内面616、618、620、622、624とを有する室ハウジング612を具える渦室の形態611を示す。内面616〜624はほぼ円筒形で、それぞれ渦室626、628、630、632、634を画成している。渦室626〜634の内面616〜624に対し、接線方向に孔636を形成する。室ハウジング612に一群をなして孔636を形成し、渦室626〜634内に接線方向に流体を流入させる。この接線方向の流体の流入によって、渦室に通る渦流を生ぜしめ、流体を一層小さい粒子に破断すると共に、渦流内の液体粒子を一層気化し、一層均質化する。
【0097】
円筒出力フランジ640を室ハウジング612の端部642に取り付ける。出力フランジ640は内面644と、外面646とを有する。出力フランジ内面644によって出力ポート648を画成する。出力フランジ640は出力フランジ596(図17参照)に類似しているが、相違するのは内面644の直径が内面600(図17参照)の直径より一層小さいことである。更に、出力フランジ640は孔650を有し、この孔を通して、ねじ(図示せず)を選択的に通すことができ、これにより出力部材640を通る流動抵抗を調整する。出力ポート648内にこのねじを前進させればさせる程、渦流が出力ポート648を通る際、一層多くの空気抵抗を渦流に与える。
【0098】
一般に、渦形態を通ずる空気抵抗は出力孔の直径を変化させることにより、及び/又は渦形態内の隣接する渦室間の通路の直径を変化させることにより、変化させることができる。図18の実施例はノズル608に起因して、隣接する渦室の間の比較的大きな出力通路、及び比較的小さな通路を示している。これに反し、図19の実施例は室の間に一層小さい出力通路、及び一層大きい通路を示している。或る用途では、図19に示す実施例は図18の実施例より好適であることがわかった。
【0099】
図20は本発明の付加的な実施例を示す。特に、図20は出力ハウジング662に形成された調整可能の横断面積を有する出力ポート660に組み合わせた図18の室ハウジング570を示す。図面に示すように、出力ハウジング662は外面664と、内面666とを有し、出力ハウジング662は室ハウジング570の出力部604に隣接して位置する。内面666は出力ポート660を画成し、この出力部内に出力部604から流体が流入する。
【0100】
ハウジング662もアクチュエータ取付け延長部670を有する。この取付け延長部670は円筒内面672と、ねじ内面674とを有する。ステップモータ676のようなアクチュエータはアクチュエータハウジング670の対応するめねじ部674に螺着し得るおねじ部680を有する。
【0101】
ステップモータ676はリニアアクチュエータとして作用し、導管668に形成された円錐座681に対し、円錐ブロック678を動かす。円錐座681は平坦底面683と、円錐状側面685とを有する。円錐ブロックの端面689が円錐座底面683に接触している時、側面685が円錐ブロック678の側面687に掛合するように側面685の寸法を定める。
【0102】
従って、座681に対し円錐ブロック678を選択的に動かすことによって、内面666によって形成された通路の有効横断面積を選択的に変化させる。希望する出力に応じて、導管668の横断面積を増大し、又は減少させる。更に、出力ポート660に通る空気抵抗は座681に対し、円錐ブロック678を動かすことによって、変化させることができる。
【0103】
図21は本発明の他の代案の実施例を示す。この実施例は燃料気化部702、主空気部704、及び遠心部706を有する遠心渦装置700を示している。燃料を遠心渦装置700内に入力させるため、2個の燃料インゼクタ708を有するように、この燃料気化部702を示している。入力端714から出力端716まで貫通する通路712を有する燃料レール710に燃料インゼクタ708を連結する。通路712の入力端714を通常の燃料ポンプ(図示せず)に連結し、出力端716を通常の燃料調整器(図示せず)に連結し、この燃料調整器を燃料タンク(図示せず)への復帰管に連結する。
【0104】
インゼクタ板720によって、遠心渦装置700内に燃料インゼクタ708を取り付ける。燃料インゼクタ出力ポート722から燃料を2個の渦形態の装置611内に噴霧する。各渦形態の装置611は図19に示す渦形態の装置と同一である。2個の渦形態の装置611は燃料インゼクタ板720に隣接して位置しており、燃料インゼクタ708の出力ポート722に流体連通しており、出力ポート722から2個の渦形態の装置611内にエーロゾル燃料を直接、噴霧することができる。
【0105】
2個の渦形態の装置611を空気箱724内に取り付ける。空気箱724は側壁726、側壁728、底板730、及び頂板732を有するように示されている。周囲空気導管736と、渦形態の装置611に形成された孔636(図19参照)との間の導管として、空気室734を空気箱724内に形成する。
【0106】
ゴムホース740から成るように周囲空気導管736を示す。周囲空気を渦形態の装置611に供給するため、周囲空気導管736は周囲空気溝孔742を室734に相互に連結する。図面に示すように、ねじ継手741によってホース740を溝孔742に連結する。
【0107】
各渦形態の装置611の出力フランジ640(図19参照)と頂板732の内面748との間に介挿されたブラケット744によって、空気箱724内に渦形態の装置611を取り付ける。各渦形態の装置611の出力ポート648(図19参照)は主空気部のハウジング752に形成された中間混合室750内に流体を排出する。一般に、中間混合室750は出力ポート648(図19参照)を出るスピン作用を受ける支柱状の流体をたたみ込んで、流体が一連の長孔770を通じて、ベンチュリ756に入る前に、この流体を乱流状態に混合する。中間混合室750内での流体の上述の作用によって、流体を一層小さい粒子に破断し、渦流中の液体粒子を更に気化し、均質化する。
【0108】
主空気部704は更に周囲空気吸気ポート760を有し、ポート760を通じて、気流Fを主空気部704に入れる。通常の絞り板762をベンチュリ756内に枢着する。絞り板762を回転可能な中心軸764に取り付ける。この中心軸764はベンチュリ756に通る気流Fの方向に横方向に延在する。軸764が回転することによって、ベンチュリ756内の絞り板762の傾斜角を調整し、空気の容積、従って、機関に収容する空気燃料混合気を変化させる。
【0109】
上述したように、空気燃料混合気は渦形態の装置611から中間混合室750内に通る。次に、この空気燃料混合気は中間混合室出力部758を経て、更に一連の長孔770を経て、ベンチュリ756内に入る。従って、ベンチュリ756内で、絞り板762を横切る周囲空気は孔770を通る空気燃料混合気に混合する。
【0110】
ねじ772、774のような緊締具によって、遠心部706を主空気部ハウジング752に剛固に固着する。遠心部706は内面778、及び外面780を有する遷移ハウジング776を具えるように示されている。ベンチュリ756から流体を遠心室784に通すため、内面778が遷移通路782を画成している。図面に示すように、接線方向に遠心室784内に流体を入れるため、遷移通路782は中心渦装置室784に対し、ほぼ接線方向に指向する。遷移通路782を遠心室784に対し、ほぼ接線方向に、指向させることによって、この装置を経る空気抵抗は減少し、遠心室784に通る流体の遠心作用を受ける流れは増進する。
【0111】
延長アーム788は通路782に隣接して位置し、遠心室784内に突出しており、これにより、室784内に排出された後、流体が再び通路782に入るのを防止する。延長アーム788は前面792、及び後面794を有する壁790を具えるように示されている。図面に示すように、延長アーム788は遷移ハウジング776に取り付けられていて、この遷移ハウジングから突出している。前面792と後面794とは一端で横面796によって交差している。従って、ベンチュリ756からの流体の流れは中間室782を経て、遠心室784内に入るから、遠心室784から中間室782内に戻る流体の復帰は延長アーム788の存在によって、全く無くなる訳でないが、ほぼ防止される。図面に示すように、延長アーム788の前面792は湾曲しており、遠心室784内での流体の遠心作用を受ける流れを増進すると共に、同時に、流体が通路782に再び入るのを実質的に防止する。
【0112】
遠心部706は内面800、及び外面802を有する垂直に指向する円筒壁798を更に具える。遠心底面804は遠心ハウジングの内面800に対し、ほぼ垂直な方向に位置し、円筒面808によって画成された出力導管806を有し、これにより、遠心室784から流体を内燃機関吸入マニホールド(図示せず)に排出する。
【0113】
取付け延長部810は遠心ハウジング798の外面802に取り付けて示してあり、これにより内燃機関吸気マニホールドに関連するインタフェイス板、又はその他の取付け装置に遠心ハウジングを取り付ける。各取付け延長部810は更に孔812を有し、これにより取付け延長部に緊締具を通す。
【0114】
図22は本発明による遠心渦装置の付加的代案の実施例を示す。この実施例は遠心渦装置820を示す。この遠心渦装置820は3個の部分、即ち燃料気化部822、主空気部824、及び遠心部826とから成る。燃料気化部822は燃料を予備混合室832内に噴霧するため、インゼクタ板830内に取り付けられた2個の燃料インゼクタ828を有するように示されている。燃料インゼクタ828、燃料インゼクタ板830、及び予備混合室832は図1に図示し、説明した燃料インゼクタ38、インゼクタ板42、及び予備混合室43とほぼ同一の形態を有し、ほぼ同一の作動を行う。
【0115】
更に、燃料気化部822は渦流室ハウジング834と、ハウジング838内に位置するジャケット836とを有する。渦室ハウジング834、ジャケット836、及びハウジング838は図1、及び図3に図示し、説明した渦室ハウジング54、ジャケット60、及びハウジング74とほぼ同一の形態を有し、ほぼ同一の作動を行う。更に、ハウジング838は周囲空気収容室840を具え、これにより、周囲空気溝孔842から導管844、及び孔846を経て、周囲空気を収容する。
【0116】
予備混合室832から、孔850を経て、渦室848内に、周囲空気、及び燃料を導入する。出力ポート852を通じて、空気燃料混合気を中間通路854に入れる。この中間通路854は中間ハウジング858の内壁面856によって画成されている。
【0117】
図20に図示し、説明したステップモータ676と同一のステップモータ860のようなリニアアクチュエータを中間ハウジング858内に螺着し、出力ポート852に対し、ほぼ一線に同軸にする。更に、ステップモータ860は円錐プラグ862を有する。このステップモータ860はリニアアクチュエータとして働き、軸864を介して、出力ポート852に対し、円錐プラグ862を動かし、出力ポート852における流動抵抗を選択的に生ぜしめる。
【0118】
軸864が完全に突出した位置(図示せず)にある時、円錐プラグ862は出力ポート852に接触して、この出力ポート852をほぼシールし、出力ポート852を通る流体の流れを実質的に防止する。図22に示す完全に後退した位置では、円錐プラグ862は流動抵抗を殆ど生ぜず、たとえあっても少ない。従って、円錐プラグ862が出力ポート852に一層近く位置している程、円錐プラグによって一層多くの流動抵抗が与えられる。このようにして、ステップモータ860により、出力ポート852に対し、円錐プラグ862を選択的に位置決めすることにより、出力ポート852を経る流動抵抗を変化させることができる。
【0119】
出力ポート852から、円錐プラグ862を経て、中間通路854内に流体が通った後、次に、流体は主空気部824に入る。図面に示すように、主空気部824は主空気ハウジング870、ベンチュリ872、及び通常の絞り板874を有する。主空気部824は図1に図示し、説明した主空気部34とほぼ同一の形態を有し、ほぼ同一の作動を行う。絞り板874を回転可能な中心軸878に枢着する。この中心軸は室876に通る気流Fの方向に横方向に延在する。軸878を回転することによって、室876内での絞り板874の傾斜角を調整し、これにより、空気の容積、従って、機関に収容する空気燃料混合気の量を変更する。
【0120】
周囲空気は絞り板874を経て、ベンチュリ入力部880からベンチュリ872内に入る。空気燃料混合気は通路854から、一連の長孔882を経て、ベンチュリ872に入る。このベンチュリ入力部882はハウジング870の内面884内に取り付けられており、ベンチュリ出力部886は遠心ハウジング890に取り付けられている。
【0121】
遠心ハウジング890は入口室892と、遠心室894とを有する。入口室892は湾曲する内面896と、平坦な内面898とによって画成されている。一連の遮板900は遠心室の内面902に対し、接線方向に指向する。各遮板900は湾曲面906と、平坦面908とを有する垂直指向壁904から成る。各遮板の湾曲面906と、平坦面908とは先端縁910と、後端縁912とにおいて交差する。遮板900は入口室892から遠心室894内に接線方向に流体を入れるための複数個の接線通路914を形成している。
【0122】
また、流体を遠心室894内に接線方向に入れるため、入口室892の平坦端縁898と、この平坦端縁898に隣接する遮板900の平坦端縁908との間に、接線通路916を形成する。同様に、流体を遠心室894内に接線方向に入れるため、湾曲面906と、室ハウジング890に形成された平坦面920との間に、接線通路918を形成する。
【0123】
延長アーム、即ちそらせ板924を室ハウジング890に一体に形成し、端縁926で終わるように図示している。この延長アーム924は、遠心室894からの流体が入口室892を経て、遠心室894から出るのを無くし、又は実質的に防止する。実際、延長アーム924は入口室892に隣接して通る流体を接線通路から離れるように指向させる。延長アーム924と、図21に示す延長部788はその形態が僅かに相違するが、基本的には同一の目的を達成しており、即ち、遠心室から逸出して、ベンチュリに戻ろうとする流体の流れを防止している。
【0124】
更に、遠心部826は図1に図示し、説明した出力通路と同一の形態の出力通路を有する。遠心室の底面932も図1、及び図2に示す底挿入部166の輪郭に同一の輪郭の底挿入部を有する。
【0125】
また、室ハウジング89に取付け孔934、936、938を形成し、インタフェイス板(図示せず)を介して、内燃機関の吸気マニホールドに室ハウジングを剛固に取り付けられるようにする。
【0126】
図23は本発明による渦室ハウジングの他の代案の実施例を示す。この実施例は底壁942と、垂直に延びる円筒壁944とを有する渦室ハウジング940を示す。円筒壁944は内面946と、頂端縁947と、外面948とを有する。渦室952は内面946と、底壁942とによって画成される。渦室ハウジング940は図1に図示し、説明した渦室ハウジングと同様に使用される。
【0127】
壁944の外面948から、内面946まで貫通して、長い一連の接線溝孔950を形成し、これにより渦室952の内側の流体の渦流に対し、接線方向に渦室952内に、流体を送給する。各溝孔950は途切れることなく、壁944の頂端縁947から、室ハウジングの底壁942まで延びているように図示されている。溝孔950は環状壁944の内側円筒面946の接線方向に、指向しており、渦室ハウジング940の渦室952内に、渦流に対し、接線方向に流体を導入する。
【0128】
長い溝孔950を通じて、室952内に接線方向に流体を導入することにより、それぞれの溝孔950に隣接する渦室内面946を横切って、迅速に通る連続するシート状の移動する流体を発生させる。これにより、流体の流れの中の未気化の粒子が内面946で凝集するのを防止する。未気化流体粒子の液滴が内面946に接近し、又は接触すると、溝孔950から渦室952に入る新たな流体の流れの粒子によって、これ等の液滴は内面から離れるように吹き飛ばされる。希望する結果を達成するため、任意の数の溝孔950を採用することができる。更に、種々の幅の溝孔950を使用してもよい。レーザ、又は丸鋸、又はその他の任意、適切な方法で、環状壁944に溝孔950を形成することができる。一例として、溝孔950の幅は約 0.25 mm (0.01インチ) である。
【0129】
図24、及び図25は本発明によるベンチュリの他の代案の実施例を示す。この実施例はハウジング956と、このハウジング956に形成された一連の接線孔958とを有するベンチュリ954を示す。接線孔はハウジングの外面955から、ハウジングの内面957まで延在する。孔958はハウジング956内に接線方向に形成されており、空気燃料混合気のような流体は孔958を通じて、接線方向に、ベンチュリ内部960に挿入し、ベンチュリ954に通る流れの乱流を増進する。
【0130】
図面に示すように、接線孔958はベンチュリ954の狭いスロート部959内に形成されている。狭いスロート部959内では、ベンチュリ954に通る流体Fの速度は最高である。狭いスロート部959内の接線孔958を通じて、ベンチュリの内部960内に、接線方向に、第2流体を導入することにより、2個の流体の乱流と、混合とが増進する。接線孔958を通じて、ベンチュリの内部960内に接線方向に、第2流体を送給することによって、ベンチュリの内部960に通る流れにスピン作用を加え、流れの乱流を増大する。ベンチュリ954に通る流れのこの増進された乱流によって、ベンチュリ954に通る流体の気化と、均質化とを更に増進する。従って、ベンチュリ入口962から、ベンチュリ964に、ベンチュリに流体の流れFが通る際、この流体は接線孔958を通り、ベンチュリ内部960に入る空気燃料混合気のような第2流体の接線方向の流れに交差し、ベンチュリ954に通る乱流の、実質的に螺旋状の流れを生ずる。
【0131】
図26〜図30は本発明による遠心渦装置の付加的な代案の実施例を示す。図27は渦室組立体972、一次スロート973、二次スロート977、一次ステップモータ979、及び二次ステップモータ981を有する遠心渦装置970を示す。図27、及び図28に示すように、渦室組立体972は図22に示す渦室組立体822に類似する形態を有する。特に、燃料を予備混合室976内に噴霧するため、インゼクタ板975内に取り付けた2個の燃料インゼクタ974を有するように、この渦室組立体972は示されている。燃料インゼクタ974、燃料インゼクタ板975、及び予備混合室976は図22に図示し、説明した燃料インゼクタ828、燃料インゼクタ板830、及び予備混合室832とほぼ同一の形態を有し、ほぼ同一に作動する。
【0132】
更に、渦室組立体972は渦室ハウジング978と、燃料気化ハウジング982内の渦室ハウジング978の周りに位置するジャケット980とを具える。渦室ハウジング978、ジャケット980、及び燃料ハウジング982は図22に図示し、説明した渦室ハウジング834、ジャケット836、及び燃料気化ハウジング838とほぼ同一の形態、及び機能を有する。更に、ハウジング982は環状導管986を通じて、予備混合室976内に周囲空気を入れるため、周囲空気収容ポート984(図28参照)を有する。止ねじ988を燃料インゼクタ板975に螺着し、渦室組立体972内に渦室ハウジング978を取り付ける。
【0133】
図27、及び図28に示すように、孔992を通じて、周囲空気と、燃料とを渦室990内に導入する。導管986を通じて、周囲空気を予備混合室976内に導入する。インゼクタ974によって、燃料を予備混合室976内に送給する。空気、及び燃料は渦室990に入る前に、予備混合室内で混合する。次に、一群の接線孔992を通じて、渦室990内に空気燃料混合気を吸引し、渦室990内に流体の渦流を発生させる。この渦流は湿潤粒子の破砕に役立つ。この空気燃料混合気が室990内で渦状にスピンした後、この混合気は出力ポート994、及び中間ハウジング998に形成された孔996を経て、一次スロート973内に入る。中間ハウジング998を接触面999に沿って、ハウジング982に取り付け、出力ポート994と、孔996とをほぼ一線にする。
【0134】
引き続き図27を参照し、ステップモータ979のような一次リニアアクチュエータを中間ハウジング998に螺着し、孔996、及び出力ポート994に一線にし、同軸にする。このステップモータは図20に図示し、説明したステップモータ676と同一である。ばね押圧軸1002を介して、円錐プラグ1000をステップモータ978に連結する。このステップモータ979はリニアアクチュエータとして作用し、軸1002を介して、円錐プラグ1000を孔996、及び出力ポート994に対し動かし、出力ポート994に通る流れを選択的に制限する。
【0135】
軸1002が完全に突出した位置(図示せず)にある時、円錐プラグ1000は孔996に掛合し、実質的に孔996をシールし、出力ポート994を経て、一次スロート973内に流体が通るのを実質的に防止する。軸1002が完全に後退した位置(図示せず)にある時、円錐プラグ1000は殆ど流動抵抗を生ぜず、たとえ流動抵抗があっても少ない。従って、円錐プラグ1000が出力ポート994、及び孔996に一層近く位置していれば、円錐プラグ1000によって、一層多くの流動抵抗が与えられる。このようにしてステップモータ979によって、孔996、及び出力ポート994に対し、円錐プラグ1000を選択的に位置させることにより、出力ポート994、及び孔996に通る流動抵抗を制御することができる。
【0136】
流体が出力ポート994から孔996を通り、円錐プラグ1000を経た後、この流体は一次スロート973に入る。図面に示すように、スロート973は中間ハウジング998、及び出力ハウジング1004に形成した通路から成る。中間ハウジング998内に、一次スロート973を内面1006によって画成する。同様に、出力ハウジング1004内に、一次スロート973を内面1008によって画成する。更に、出力ハウジング1004は複数個の取付け孔1005を有し、これにより、遠心渦装置970を通常の機関(図示せず)に取り付ける。
【0137】
孔1010を一次スロート973の内面1006から、二次スロート977の内面1007まで、中間ハウジング999に形成する。図面に示すように、一次スロート973を二次スロート977に相互に連結する通路1111を孔1010は画成している。従って、通路1111を閉塞していない時、流体は通路1111を通じて、一次スロート973から二次スロート977内に流れる。
【0138】
また、ステップモータ981のような二次リニアアクチュエータを中間ハウジング998に螺着し、孔1010にほぼ一線に、同軸に配置し、軸1014を介して、この二次リニアアクチュエータを円錐プラグ1012に連結する。ステップモータ981はリニアアクチュエータとして作用し、軸1014を介して、孔1010に対して、円錐プラグ1012を動かし、孔1010に対し選択的に流動抵抗を与え、又は孔1010を実質的にシールする。
【0139】
軸1014が完全に突出した位置(図示せず)にある時、円錐プラグ1012は孔1010に接触し、孔1010をほぼシールし、通路1111を経て、一次スロート973から、二次スロート977に流体が流れるのを防止する。軸1014が完全に後退した位置(図示せず)にある時、通路1111を経て、一次スロート973から、二次スロート977に通る流体の流れに殆ど流動抵抗を与えず、たとえ与えたとしても僅かな流動抵抗を与える。従って、円錐プラグ1012が孔1010に一層近く位置していればいる程、円錐プラグ1012による一層大きな流動抵抗を生ずる。このようにして、ステップモータ981によって円錐プラグ1012を孔1010に対して、選択的に位置決めすることによって、通路1111に通る流れを制御することができる。
【0140】
図27、及び図29に示すように、一次ベンチュリ1020を一次スロート973の内面1008内に位置させる。同様に、二次ベンチュリ1022を二次スロート977の内面1024内に位置させる。ベンチュリ1020、及び1022は図22に図示したベンチュリ872とほぼ同一の形態を有し、ほぼ同一の作動を行う。しかし、図24、及び図25に図示し、説明したベンチュリ954をこの実施例でも有効に採用することができる。
【0141】
図29は周囲空気ダクト1021、1023を通じて、周囲空気が装置970に入る状態を示している。空気ダクト1021、1023はダクト内部通路1025、1027をそれぞれ画成している。それぞれのベンチュリ開口1026、1028を通じて、ベンチュリ1020、1022に入る周囲空気の量を制御するため、絞り板1030、1032を設ける。絞り板1030、1032は回転可能の軸1034、1036にそれぞれ枢着されている。回転可能の軸1034、1036はベンチュリ1020、1022に通る気流Fの方向の横方向に延在する。軸1034、1036の回転によって、絞り板1030、1032の傾斜角をそれぞれ調整し、これにより空気の容積、従って機関に受け入れる空気燃料混合気の量を変更する。図28に示すように、ねじ1040(図28参照)のような緊締具によって、絞り板1030、1032をそれぞれ軸1034、1036に取り付ける。
【0142】
図27、及び図29に示すように、二次スロート977は一層大きく、従って、一次スロート973より一層多くの流量を収容することができる。同様に、二次ベンチュリ1022は一層大きく、従って、一次ベンチュリ1020より一層多くの流量を収容することができる。以下に一層詳細に説明するように、一次スロート973、及び一次ベンチュリ1020は機関の明瞭な応動性を高くし得るよう、機関の低速範囲に専ら使用される。一層高い機関速度の範囲では、この装置が高い体積効率に達し得るようにするため、一次スロート973、及び二次スロート977の両方を利用する。
【0143】
図26、図28、及び図30において、絞り板1030、1032の位置をリンク組立体1042によって制御する。このリンク組立体1042は一次レバーアーム1044、連結リンク1046、及び二次レバーアーム1048から成る。二次アーム1048を図26、及び図30に示す閉塞位置に向け押圧する。一次アーム1044を一次軸1034に剛固に取り付けて、一次アーム1044が出力ハウジング1004に対して、回動した時、一次軸1034も回動し、一次絞り板1030を回動させる。同様に、二次アーム1048を二次軸1030に剛固に取り付け、二次アーム1048が出力ハウジング1004に対して回転した時、二次軸1036、従って、二次絞り板1032を回動させる。孔1050を介して、リンク1046を一次アーム1044に枢着する。このリンク1046の反対端を二次アーム1048に形成された長い溝孔1052内に摺動可能に位置させる。
【0144】
図26、及び図30において、一次絞り板1030と、二次絞り板1032とがほぼ閉じている状態の閉位置に、リンク組立体1042を示している。一次アーム1044が一次軸1034の周りに、時計方向に回転すると、一次絞り板1030(図28参照)が開き、空気を一次ベンチュリ1020(図29参照)に入れる。更に、一次アーム1044が時計方向に回転すると、リンク1046は二次アーム1048に形成された溝孔1052に沿って摺動する。一次アーム1044が引き続いて、時計方向に回転すると、一次絞り板1030を更に開き、リンク1046が溝孔端1054に接触するまで、リンク1046が溝孔1052内を前進する。リンク1046が溝孔端1054に一旦、接触すると、一次アーム1044の付加的な時計方向のいかなる回転でも二次アーム1048を回転させ、従って、二次絞り板1032を回動させ、二次スロートを開く。一次絞り板1030が所定量開くと、リンク1046は溝孔端1054に接触する。一実施例では、この所定量は約40%の開放である。
【0145】
リンク1046が溝孔端1054に接触した後も、引き続いて一次アーム1044を時計方向に回転することによって、リンク1046は二次アーム1048を時計方向に回転し、従って、二次絞り板1032を開く。即ち、一次絞り板が全開放に向け40%一旦開くと、リンク1046は溝孔端1054に掛合し、二次絞り板1032は開き始める。図30に仮想線で示す完全開放位置においては、両方の絞り板1030、1032が完全に開いているように、一次アーム1044、及び二次アーム1048の方向に示している。以下に一層詳細に説明するように、一次アーム1044を反時計方向に回転させると、一次絞り板1030、及び二次絞り板1032を閉じる。
【0146】
図27において、二次絞り板1032が開き始めると、二次リニアアクチュエータ981が孔1010内から円錐プラグ1012を除去するのが有利である。このようにして、一次絞り板1030が40%のように所定量より少なく開いている時、一次スロート973は機関の低速範囲で空気燃料混合気のための独占的な流路である。一次絞り板が所定の量を過ぎて開き続ける時、プラグ1012は孔1010から除去され、二次絞り板1032は開いて、空気燃料混合気を一次スロート973、及び二次スロート977の両方に通し、機関の高速範囲で体積効率を高める。センサコネクタ1037、1039(図26参照)を通じて、軸1034、1036に接続された絞り板センサによって、絞り板1030、1032の位置を連続的に監視することができる。従って、このようにして、一層小さい一次スロート973を専ら使用することによって、比較的高い明瞭な応動性を機関の低速範囲で達成することができる。次に、機関の高速範囲で、高い体積効率を望む時は、一次スロート973に加えて、二次スロート977を使用することができる。
【0147】
図31は本発明の他の代案の実施例を示す。図31の実施例は上述の図26〜図30に示す構造、及び方法を4バレル気化器装置に関連して使用することができることを一般に示している。4バレル装置の一側は他方に対し、本来鏡面影像の関係にある。特に、図31は2個の渦室組立体1060、1062を示す。各渦室組立体1060、1062は図27、及び図28に図示し、説明した渦室組立体972と同一の形態を有し、同一の作動を行う。同様に、図31の実施例は2個の一次リニアアクチュエータ1064、1066を示す。一次リニアアクチュエータ1064、1066は図27に図示し、説明した一次リニアアクチュエータ979と同一の形態を有し、同一の作動を行う。更に、図31は2個の二次リニアアクチュエータ1068、1070を示し、これ等アクチュエータは図27に図示し、説明した二次リニアアクチュエータ981と同一の形態を有し、同一の作動を行う。
【0148】
リニアアクチュエータ1064、1068は第1中間ハウジング1072内に取り付けられている。中間ハウジング1072は図27に図示し、説明した中間ハウジング998と同一の形態を有し、同一の作動を行う。同様に、リニアアクチュエータ1066、1070も中間ハウジング1074内に取り付けられており、この中間ハウジングは図27に図示し、説明した中間ハウジング998と同様の形態を有し、同様に作動する。
【0149】
出力ハウジング1078は中間ハウジング1072と1074との間に位置する。出力ハウジング1078は図26〜図29に図示し、説明した出力ハウジング1004に類似する。出力ハウジング1078と、出力ハウジング1004との間の第1の相違は出力ハウジング1078は2個の隣接する一次スロートと、2個の隣接する二次スロートとを有する形態を有することであり、これにより、2個の一次絞り板1080、1082、及び2個の二次絞り板1084、1086にそれぞれ通る流れを収容することである。
【0150】
この一次絞り板1080、1082は図29に図示し、説明した一次絞り板1030と同一の形態を有し、同一の作動を行う。同様に、二次絞り板1084、1086は図29に図示し、説明した二次絞り板1032と同一の形態を有し、同一の作動を行う。一次絞り板1080、1082は緊締具1092によって、単一の一次軸1090に剛固に共に取り付けられている。同様に、二次絞り板1084、1086は緊締具1096によって二次軸1094に取り付けられている。
【0151】
一次絞り板1080、1082の位置、及び二次絞り板1084、1086の位置をリンク装置1100によって制御する。リンク装置1100は一次アーム1102、二次アーム1104、及びリンク1106を有する。一次アーム1102、二次アーム1104、及びリンク1106は図26、及び図30に図示し、説明したリンク装置1042の一次アーム1044、二次アーム1048、及びリンク1046と同一の形態を有し、同一の作動を行う。更に、絞り板の位置を監視するため、絞り板センサ1108、1110をそれぞれ軸1090、1094に連結する。通常の取付け孔1112によって、出力ハウジング1078を通常の機関(図示せず)に容易に取り付けることができる。
【0152】
図1〜図6に示す実施例の作動を以下に説明する。燃料のような液体を電子的に制御し、計量し、燃料インゼクタ38の出力ポート46からエーロゾルとして、予備混合室44内に噴霧する。ここでは流体として燃料を使用するが、医薬、及び廃液のような他の流体もここに開示する装置及び方法を使用し、気化し、均質化することができる。
【0153】
予備混合室44内に燃料を噴霧する際、絞り板84が開いて、或る量の空気をベンチュリ82内に入れる。絞り板84によって通す空気の量は燃料インゼクタ38の出力ポート46によって、予備混合室内に噴霧される流体の量に比例する。機関が発生する負圧は室ハウジング54に形成された孔66を通じて、混合室44から流体を引っ張る。
【0154】
機関が作動する時、機関の吸気マニホールド(図示せず)内に部分真空が導入される。絞り板が閉位置にある場合、予備混合室44内の低い圧力の空気燃料混合気は孔66を通じて、接線方向に、渦室64内に吸引される。特に、渦室のための空気は溝孔94を通じて、導入され、周囲空気通路100、及び導管102を通じて、周囲空気導管50内に通る。周囲空気導管50から、周囲空気は予備混合室内に導入され、ここで、空気燃料混合気として、孔66に入る前に、この周囲空気はエーロゾル燃料に混合する。
【0155】
空気燃料混合気は渦室64内にほぼ接線方向に導入され、ここで孔66を通って進入する流体に起因し、流体は回転するように加速される。種々の孔66に入る流体の量はジャケット60の存在によって、ほぼ等しくなる。渦室64に通る流れの低圧端を構成している出力ポート70に対する孔66の位置に応じて、ジャケットの内面56は孔66に入る流体の流れを制限している。基本的に、ジャケットは出力ポート70に一層近い孔について高い制限を生じ、低圧端(出力ポート70)から最も遠い孔については一層少ない制限を生ずる。
【0156】
渦室64内に一旦流体が入ると、流体は回転して加速され、流れの中の流体の未気化の粒子を一層小さな粒子に破砕し、気化し、又は破砕と気化との両方を行う。流体が出力ポート70に達した時、流体はスピン作用を受ける柱状の流体として、室64から、中間室136内に通る。中間室136内では、流体は互いにたたみ込まれ、従って、スピン作用を受ける柱状の流体は潰れ、付加的乱流を生じ、流れの均質化が起きる。
【0157】
次に、機関マニホールドによって生じた部分真空により、ベンチュリ82の長孔106を通じて、流れを引っ張る。長孔106は通常のベンチュリ室の小さな丸い孔に比較し著しく大きく、数も多い。これは圧力降下を減少させ、60毎分立方フィート(CFM)までの流れを可能にするように設計したからである。ベンチュリ82内では、空気燃料混合気が孔106を通じて入る際、絞り板84によって収容された周囲空気はこの空気燃料混合気に混合する。周囲空気と空気燃料混合気は更に混合して、ベンチュリ82内で少なくとも一部均質化する。
【0158】
次に、この流体が入口室146に入る際、機関マニホールドの部分真空は遠心吸気開口144を通じて、この流体を引っ張る。入口室はこの流体を更に混合し、均質化し、この流体を遠心室152内に接線方向に指向させる作用をする。特に、入口室146内に形成された遮板150は接線方向の一連の接線通路200、202、204を形成しており、機関マニホールドの部分真空によって、これ等接線通路を通じて、流体を遠心室152内に接線方向に引っ張る。
【0159】
遠心室152内では、流体は回転するように加速され、これにより、最も大きい、又は最も重い粒子をその質量に起因し、遠心室152の周縁に向け動かし、ここで、一層重く、即ち一層大きい粒子は内面156に衝突し、更に破砕され、一層気化される。
【0160】
遠心室152の容積を減少させるためには、ベンチュリ出力部110におけるベンチュリ82の内径114より、側壁156の高さを小さくするのが有利である。更に、遠心室152の容積を減少させ、遠心室152内の遠心作用を受ける流れを増進するため、延長部材162を遠心ハウジングの頂壁160から突出する。
【0161】
次に、機関の負圧により、流体を4個の出力部材154内に引っ張る。流れの中の一層軽い粒子は遠心ハウジング152の中心に向け、遠心作用により進むから、遠心室の特殊な形状の頂面170の円錐形の部分によって、これ等の一層軽い粒子はこの円錐形の部分180に形成された孔182内に、及び4個の出力部154内に、或る角度で指向する。上述のように、流体を遠心室から排出することによって、遠心室内の遠心作用を受ける流れの外方に向け位置しようとする炭化水素の一般的傾向に起因し、一層均一な炭化水素の分散が得られる。これに反し、1個のみの出力ポートを採用した場合には、遠心作用による流れの外方に向け位置しようとする炭化水素の傾向に起因し、遠心作用による排出は均一性が低い。
【0162】
図7に示すこの発明の実施例では、燃料インゼクタ222によって、渦形態の装置220にエーロゾル燃料を供給する。燃料インゼクタ222は予備混合室242内に、燃料を噴霧する。また、周囲空気導管244を通じて、予備混合室242内に周囲空気を導入する。この予備混合室内では、エーロゾル燃料と周囲空気とを混合し、この混合気は空気燃料混合気として、孔260を通じて、渦室248に入る。
【0163】
ジャケット60(図1参照)と同様に、ジャケット272は、差圧の供給体として、種々の孔260に通る流れの量を常態化する。図1の渦室54、及び孔66に関連して説明したのと同様に、孔216を通じて、空気燃料混合気は渦室248に入る。この空気燃料混合気がU字状の出力ポート340から出る際、孔262を経て、渦室250に入る前に、この混合気は混合室350内に入る。この形態においては、孔262は渦室248から、専ら、空気燃料混合気を受け取り、この空気燃料混合気が室248、250を経て通る際、空気燃料比をほぼ一定に維持する。
【0164】
次に、空気燃料混合気はU字状出力ポート342を出るが、孔264を経て渦室252に入る前に、混合室352に入る。この流体が渦室250、252に通る際、ここでも空気燃料混合気の空気燃料比はほぼ一定に留まる。
【0165】
室ハウジング228の出力ポート344を出た後、渦室252に関連して説明したものと同様に、流体は引き続いて、混合室354、孔266、渦室254に通る。U字状出力ポート346を出ると、流体は混合室356に入り、出力ポート348を出る前に、孔268を通じて、最終室256に入る。
【0166】
5個の室248〜256を通ることによって、流体が1個の室から次の室の前進する際、流体は気化を増大し、気相に変化する。従って、この実施例は、空気燃料混合気を数個の渦室に通し、空気燃料比をほぼ一定に維持する。
【0167】
図15〜図17に示す実施例にもどり、通常の燃料インゼクタ424から第1室426内に燃料を噴射する。次に、孔436を通じて、この室内に空気を導入し、流体を回転するように加速する。流体が室428から、室430に前進する際、ノズル490に通り、これにより流体に付加的差圧を生ぜしめ、流体の気化を増進する。流体は種々の室430〜434、及びノズル488、486を前進し続ける。流体が出力ポート484に達した時、流体を長導管478に導入し、流体が出力部479に達するまで、流体を長導管478に通す。
【0168】
加速スタンブルの問題を軽減するため、長導管478を室430〜434に選択的に通して、ノズル490に直接連通させ、室428を選択的に分離させ、流体が室430〜434を迂回するようにする。
【0169】
加速する時、ソレノイド476を付勢し、これにより導管ベース480を管部456の内面466に沿って摺動させ、ばね482を圧縮し、バイパス導管478を前進させて、室428に直接連通させる。大部分の例では、この挿入の期間は0.5秒程度である。
【0170】
流体が出力部479を出た後、流体はベンチュリ506に入り、出力通路532を通って遠心室に入る。次に、遠心室542内で、遠心作用によりスピン作用を受けた後、流体は出力部548を通じて、機関マニホールド(図示せず)内に排出される。
【0171】
図20に示す実施例は出力部660の有効横断面積を選択的に変化させる。作動に当たり、ステップモータは出力部660に対し、円錐プラグ678を前進させ、後退させる。従って、円錐プラグを出力部に対し移動させれば、出力部の有効横断面積を選択的に変化させる。
【0172】
図23に渦室ハウジングの代案の実施例を示す。作動に当たり、渦室ハウジング940は接線溝孔950を通じて、室の内部952に流体を収容し、室の内部952内に流体の渦流を発生させる。長溝孔950は渦室ハウジングの内面946に沿ってシート状の流体として、室の内部に接線方向に流体を導入し、内面946上で液体の粒子が凝集するのを防止する。流体は室952内で渦状にスピン運動をするから、室952内での差圧、及び流れの全体の乱流によって流体を気化し、均質化する。
【0173】
図24、及び図25は本発明の原理により形成したベンチュリ956の代案の実施例を示す。作動に当たり、ベンチュリ956はベンチュリ導入開口962を通じて、流体の流れを受け取る。次に、この流体の流れは、壁956に形成された接線孔958を通じて、ベンチュリの内部960に入る空気燃料混合気と混合して、ベンチュリ954を通じて、流体の螺旋形の流れを発生させる。ベンチュリの内部960内に、接線方向に空気燃料混合気を導入するから、ベンチュリ954に通る流れは螺旋状にスピン運動をする。ベンチュリの内部960の狭いスロート部959内に空気燃料混合気を導入する。これは、狭いスロート部959はベンチュリ954内で最も早い空気の流れの領域を有するからである。ベンチュリ956を通じて流体の螺旋状の流れを発生させることによって、流体の乱流、従って、気化と、均質化とを実質的に増進する。
【0174】
図26〜図30は遠心渦装置970の付加的実施例を示す。図27、及び図28に示すように、この実施例では、燃料インゼクタ974によって、予備混合室976内に燃料を噴霧する。次に、渦室ハウジング978に形成した一群の接線孔992を通じて、渦室990に接線方向に空気燃料混合気を導入する。次にこの空気燃料混合気を出力ポート994から送出する。
【0175】
機関が遊転状態にある時、円錐プラグ1012を孔1010に掛合させて、二次スロート977を実質的にシールする。更に、二次絞り板1032(図29参照)は閉塞位置にある。また、機関が遊転状態にある間は、一次円錐プラグ1000は孔996の上方に或る距離だけ上昇しており、空気燃料混合気の僅かな流れを、出力ポート996から一次スロート973内に通している。遊転時、一次スロート板1030(図29参照)は閉じている。ここで、機関速度が遊転速度から上昇すると、一次リニアアクチュエータ979は円錐プラグを孔996から上昇させ、一層多くの空気燃料混合気を孔996から一次スロート973に通す。同時に、一次絞り板1030は開き始め、機関に入れる空気燃料混合気の量を増大させる。
【0176】
図26、及び図30において、一次絞り板1030が開き続けると、一次アーム1044は時計方向に回転して、二次アーム1048に形成された溝孔1052の中にリンク1046を前進させる。一次絞り板1032が約40%開放のような所定位置まで開いてしまうと、リンク1046は溝孔1052の端部1054に接触し、リンク1046は二次アーム1048を回転させ始める。次に、二次アーム1048の回転によって、軸1036の回転により、二次絞り板1032を開き始める。
【0177】
二次絞り板1032の開放と同時に、二次リニアアクチュエータ981が円錐プラグ1012を孔1010から離し、通路1111を通り流体を流す。従って、一次絞り板1030が所定位置を過ぎて開き続けると、二次絞り板1032は開き、通路1111を開き、一次スロート973と、二次スロート977との両方に流体を流し、装置970の体積効率を増進する。
【0178】
一次絞り板1030が開き続けると、リンク組立体1042は二次絞り板を開き続け、従って、一次絞り板1030が完全に開いた時、二次絞り板1032も完全に開く。一次絞り板1030、及び二次絞り板1032が完全に開いた時、円錐プラグ1000、1012は完全に後退し、一次スロート973、及び二次スロート977に通る流れを最大にし、体積効率を高くする。次に、機関速度が低下する場合には、一次絞り板1030を閉じ始め、二次絞り板1032も閉じ始める。二次絞り板が閉じ始めると、円錐プラグ1012は孔1010に一層近くに動き、通路1111を経て二次スロート977に流れる流体を制限する。一次絞り板1030を所定の位置に再位置決めする時、二次絞り板は完全に閉じ、円錐プラグ1012は孔1010内に再挿入され、二次スロート977をシールし、一次スロート973を分離するから、高い明瞭な応動性が得られる。機関速度が遊転速度に向け、更に減速すると、一次絞り板1030を閉じ続けることと、一次円錐プラグ1000が孔996に密接するように動くことによって、一次スロート973に通る流れは更に減少する。
【0179】
従って、図26〜図36に示す形態では、高い明瞭な応動性と、高い体積効率が達成される。一次スロート973内の流れを分離することによって、高い明瞭な応動性が機関の低速域で達成される。高い体積効率が望ましい機関の高速域では、二次スロート977を開き、一次スロート973と組み合わせて、二次スロート977を使用する。
【0180】
図31は図26〜図30に図示し、説明したものに類似する。図31に示した実施例と、図26〜図30に示した実施例との間の第1の相違点は、図31の実施例は4個のバレル装置用に設計されているのに対し、図26〜図30に示す実施例は2個のバレル装置用であることである。
【0181】
作動に当たり、図31に示す実施例は、図26〜図30に示す実施例で説明したのと同じように、渦室組立体1060、1062から一次スロート、及び二次スロート内に空気燃料混合気を収容する。図31の実施例は図26〜図30に示す実施例とほぼ同一に作動するが、相違しているのは、図26〜図30に示す実施例では1個の一次スロート、及び1個の二次スロートがあるのに対し、2個の一次スロート、及び2個の二次スロートがあることである。
【0182】
図31に示すリンク組立体1100は図26、及び図30に示したリンク組立体1042と同一の形態を有し、同一の作動を行う。一次軸1090は一次絞り板1080、1082を制御し、二次軸1094は絞り板1084、1086を制御する。図26〜図30に図示し、説明したのと同様に、一次絞り板1080、1082を開くと、一次リニアアクチュエータは一次スロート内で円錐プラグを動かし、各一次スロートに流体を流す。次に、リンク組立体1100により二次絞り板1084、1086を開くと、二次リニアアクチュエータ1068、1070は二次スロート内で円錐プラグを動かし、一次スロート、及び二次スロートを経て、流体を流し、体積効率を高くする。同様に、絞り板を閉じると、それぞれのリニアアクチュエータは円錐プラグを動かし、高い明瞭な応動性を達成する。
【0183】
ここに説明した種々の装置、及び方法は内燃機関、及び外燃機関のための燃料の気化と、均質化とをめざしている。本明細書に開示された装置、及び方法は他の流体の準備に関連して適用することができる。例えば、この装置、及び方法は肺を通じて血流中に吸入することによって、患者に与える医薬を用意することに関連して、採用することができる。過去、患者の肺を通じて、血流中に直接、通すことができる十分に細かい粒子になるように医薬を十分に破砕し、気化するのが困難であった。本明細書に開示した装置、及び方法はこの要求を満たすことができる。
【0184】
本明細書に開示されあ装置、及び方法は焼却、及び廃物管理のため廃棄流体の破断、気化、及び均質化に適用可能であり、有用である。廃棄流体の粒子は非常に細かい粒子寸法に破断され、焼却器内に導入されて、一層効率良く燃やされ、これにより、大気汚染を最少にし、廃棄流体を燃焼させる効率を高くする。
【0185】
本発明の構造、及び方法を説明したが、開示したものは好適な実施例を説明したに過ぎず、本発明はこれ等に限定されない。従って、本発明は特許請求の範囲に示した発明の範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明遠心渦装置の上方から見た断面図である。
【図2】 本発明遠心渦装置の図1の2−2線上の断面図である。
【図3】 図1の気化部の一部の拡大切除断面図である。
【図4】 図1のインゼクタ板の平面図である。
【図5】 インゼクタ板の図4の5−5線上の断面図である。
【図6】 図1のインゼクタ板の底面図である。
【図7】 本発明の渦装置の代案の実施例の断面図である。
【図8】 渦室に差圧を供給する部分の図7の8−8線上の断面図である。
【図9】 渦室に差圧を供給する部分の図7の9−9線上の断面図である。
【図10】 図8の渦ハウジング組立体に差圧を供給する部分の平面図である。
【図11】 本発明渦室組立体に差圧を供給する代案の実施例の断面図である。
【図12】 図11の12−12線上の断面図である。
【図13】 図11の渦室組立体に差圧を供給する部分の平面図である。
【図14】 本発明渦室ハウジングの代案の実施例の斜視図である。
【図15】 本発明遠心渦装置の他の代案の実施例の部分断面図である。
【図16】 図15に示す長導管の拡大断面図である。
【図17】 渦室から長導管が後退した図15に示す長導管組立体の拡大断面図である。
【図18】 本発明渦ハウジングの他の実施例の断面図である。
【図19】 本発明渦室ハウジングの他の実施例の断面図である。
【図20】 横断面積を調整し得る本発明出力ポートの部分断面図である。
【図21】 本発明遠心渦装置の代案の実施例の断面図である。
【図22】 本発明遠心渦装置の他の代案の実施例の断面図である。
【図23】 本発明渦室の他の代案の実施例の斜視図である。
【図24】 本発明のベンチュリの代案の実施例の断面図である。
【図25】 本発明のベンチュリの代案の実施例の図24の25−25線上の部分断面図である。
【図26】 本発明の遠心渦装置の他の代案の実施例の平面図である。
【図27】 本発明の遠心渦装置の図26の27−27線上の部分断面図である。
【図28】 図26に示す遠心渦装置の部分断面図である。
【図29】 本発明遠心渦装置の図28の29−29線上の部分断面図である。
【図30】 図29に示すリンク組立体の拡大図である。
【図31】 本発明遠心渦装置の他の代案の実施例の断面図である。

Claims (15)

  1. 予備混合室を設け、
    この予備混合室内にエーロゾルを導入し、
    前記予備混合室内に空気を導入し、
    前記エーロゾルと、前記空気とを前記予備混合室内で混合して、エーロゾル空気混合気を形成し、
    第1渦室を設け、
    この第1渦室内に接線方向に前記エーロゾル空気混合気を導入して渦流を発生させ、前記エーロゾル空気混合気内の未気化粒子を一層小さい粒子に破砕し、
    周囲空気およびエーロゾルの流れは、エーロゾル空気混合気として先ず必ず前記予備混合室に流入し、直接前記第1渦室に入ることができないようにする
    ことを特徴とする流体気化方法。
  2. 前記第1渦室内で第1スピン方向に前記エーロゾル空気混合気に渦巻状のスピン作用を加え、
    前記第1渦室の軸線方向に、前記第1渦室に対して順次直列的に接続した第2渦室を設け、
    前記第2渦室内に前記エーロゾル空気混合気を導入し、
    前記第2渦室内で前記エーロゾル空気混合気に第2スピン方向にスピン作用を加えることによって、前記エーロゾル空気混合気のスピン方向を変えることにより、前記流路に乱流を加える工程を更に有し、
    前記第2スピン方向を前記第1スピン方向のほぼ反対方向にし、
    前記エーロゾル空気混合気が前記第1渦室から、前記第2渦室内に流入する際、前記エーロゾル空気混合気を一定容積に維持する請求項1に記載の流体気化方法。
  3. 予備混合室を設け、
    周囲空気およびエーロゾルを前記予備混合室に導入して、エーロゾル空気混合気を含む流体を形成し、
    第1渦室を設け、
    この第1渦室内に前記流体を導入し、
    前記第1渦室内に第1スピン方向に前記流体に渦巻状のスピン作用を加え、
    前記第1渦室の軸線方向に、前記第1渦室に対して順次直列的に接続した第2渦室を設け、
    前記第2渦室に前記流体を導入し、
    前記第2渦室内で流体に第2スピン方向にスピン作用を加えることによって、流体のスピン方向を変え、
    前記第2スピン方向は、前記第1スピン方向のほぼ反対方向であるものとし、
    周囲空気およびエーロゾルの流れは、エーロゾル空気混合気の流体として先ず必ず前記予備混合室に流入し、直接第1渦室、及び前記第2渦室内に入らないようにする
    ことを特徴とする流体気化方法。
  4. 前記エーロゾル空気混合気を接線方向に前記第1渦室内に導入するは、前記エーロゾル空気混合気を接線方向に前記第1渦室内に導入する形態にした複数個の孔を設けた第1渦室に導入することにより行う請求項1に記載の流体気化方法。
  5. 前記エーロゾル空気混合気を接線方向に前記第1渦室内に導入するは、前記エーロゾル空気混合気を接線方向に前記第1渦室内に導入する形態にした複数個の孔を設けた前記第1渦室に、前記複数個の孔を横切る圧力抵抗を変化させるよう構成した前記予備混合室から前記エーロゾル空気混合気を前記第1渦室内に導入することにより行う請求項1に記載の流体気化方法。
  6. 前記エーロゾル空気混合気を接線方向に前記第1渦室内に導入するは、一群の列、及び一群の行に配置された複数個の孔であって、前記エーロゾル空気混合気を接線方向に前記第1渦室内に導入する形態にした、前記複数個の孔を設けた第1渦室に導入することにより行う請求項1に記載の流体気化方法。
  7. 前記エーロゾル空気混合気を接線方向に前記第1渦室内に導入するは、行がそれぞれ隣接する列に対しずれている一群の列、及び一群の行に配置された複数個の孔であって、前記エーロゾル空気混合気を接線方向に前記第1渦室内に導入する形態にした、前記複数個の孔を設けた第1渦室に導入することにより行う請求項1に記載の流体気化方法。
  8. 前記エーロゾル空気混合気を接線方向に前記第1渦室内に導入するは、前記エーロゾル空気混合気を接線方向に前記第1渦室内に導入する形態にした複数個の孔を設けた第1渦室に導入することにより行う請求項2に記載の流体気化方法。
  9. 前記エーロゾル空気混合気を接線方向に前記第1渦室内に導入するは、前記エーロゾル空気混合気を接線方向に前記第1渦室内に導入する形態にした複数個の孔を設けた前記第1渦室に、前記複数個の孔を横切る圧力抵抗を変化させるよう構成した前記予備混合室から前記エーロゾル空気混合気を前記第1渦室内に導入することにより行う請求項2に記載の流体気化方法。
  10. 前記エーロゾル空気混合気を接線方向に前記第1渦室内に導入するは、一群の列、及び一群の行に配置された複数個の孔であって、前記エーロゾル空気混合気を接線方向に前記第1渦室内に導入する形態にした、前記複数個の孔を設けた第1渦室に導入することにより行う請求項2に記載の流体気化方法。
  11. 前記エーロゾル空気混合気を接線方向に前記第1渦室内に導入するは、行がそれぞれ隣接する列に対しずれている一群の列、及び一群の行に配置された複数個の孔であって、前記エーロゾル空気混合気を接線方向に前記第1渦室内に導入する形態にした、前記複数個の孔を設けた第1渦室に導入することにより行う請求項2に記載の流体気化方法。
  12. 前記流体を前記第1渦室内に導入するは、前記流体を接線方向に前記第1渦室内に導入する形態にした複数個の孔を設けた第1渦室に導入することにより行う請求項3に記載の流体気化方法。
  13. 前記流体を前記第1渦室内に導入するは、複数個の孔を設けた前記第1渦室に、前記複数個の孔を横切る圧力抵抗を変化させるよう構成した前記予備混合室から前記流体を前記第1渦室内に導入することにより行う請求項3に記載の流体気化方法。
  14. 前記流体を前記第1渦室内に導入するは、一群の列、及び一群の行に配置された複数個の孔であって、前記流体を接線方向に前記第1渦室内に導入する形態にした、前記複数個の孔を設けた第1渦室に導入することにより行う請求項3に記載の流体気化方法。
  15. 前記流体を前記第1渦室内に導入するは、行がそれぞれ隣接する列に対しずれている一群の列、及び一群の行に配置された複数個の孔であって、前記流体を接線方向に前記第1渦室内に導入する形態にした、前記複数個の孔を設けた第1渦室に導入することにより行う請求項3に記載の流体気化方法。
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