JP4846204B2 - 電解質膜−電極接合体の製造方法 - Google Patents
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Description
固体高分子電解質膜の両面に、ガス拡散層と触媒層とからなる一対のガス拡散電極を、触媒層側が電解質膜に接するように配置し、熱プレスにより接合することを含む方法であって、熱プレスの際に、固体高分子電解質膜の含水率が、該電解質膜の乾燥重量に対して20〜70重量%であることを特徴とする。
上記のような方法を採用すれば、固体高分子電解質膜がスルホン酸基を有する芳香族系ポリマー、例えば、スルホン化ポリアリーレン、スルホン化芳香族ポリイミド、スルホン化芳香族ポリエーテルおよびスルホン化芳香族ポリエーテルエーテルケトンからなる群より選ばれるポリマーであっても、良好な接着性を有する電解質膜−電極接合体を得ることができる。
本発明に係るMEAの製造方法は、イオン伝導性を有する固体高分子電解質膜の両面に、ガス拡散層と触媒層とからなる一対のガス拡散電極を熱プレスで接合する方法であって、該固体高分子電解質膜が、該電解質膜の乾燥重量に対して20〜70重量%、好ましくは20〜50重量%の水分を含有している状態で熱プレスを行うことを特徴とする。電解質膜中の含水率が上記範囲にあることにより、電解質膜がやわらかい状態で熱プレスが行われるため、電解質膜と電極の接合部における接着性を向上することができる。
上記触媒層は、導電材、バインダーおよび触媒金属などから構成される。導電材としては、炭素材料や各種金属が用いられ、例えばカーボンブラックや黒鉛などが挙げられる。バインダーとしては、パーフルオロスルホン酸系樹脂、スルホン化された芳香族ポリマー樹脂などが挙げられる。触媒金属としては、白金、ルテニウム、ロジウム、およびそれらの合金などが挙げられる。
燃料の水素やメタノールなどは、アノードで電気化学的に酸化されてプロトンと電子を生じ、プロトンを電解質膜に、電子を外部回路に供給する。カソードでは、プロトンと酸素と電子が反応して水を生じる。
−SO−、−CONH−、−COO−、−(CF2)l−(ここで、lは1〜10の整数である)、−C(CF3)2−などが挙げられる。
−(CH2)−、−C(CH3)2−、−O−、−S−、−CH=CH−、−C≡C―およ
び
ル基のm位の場合0.06以上、p位の場合0.01以上の値となる基をいう。
Arは−SO3Hで表される置換基を有する芳香族基を示し、芳香族基として具体的に
はフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナンチル基などが挙げられる。これらの基のうち、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
フッ素置換アルキル基としては、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基およびパーフルオロヘキシル基などが挙げられ、トリフルオロメチル基およびペンタフルオロエチル基などが好ましい。
アリル基としては、プロペニル基などが挙げられ、
アリール基としては、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
用いて、電解質膜の周囲を固定してプレスしてもよい。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
撹拌機、温度計、冷却管、Dean-Stark管、窒素導入の三方コックを取り付けた1Lの三つ口のフラスコに、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(ビスフェノールAF)67.3g(0.20モル)、4,4'−ジクロロベンゾフェノン(4,4'−DCBP)60.3g(0.24モル)、炭酸カリウム71.9g(0.52モル)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)300mL、ト
ルエン150mLをとり、オイルバス中、窒素雰囲気下で加熱し撹拌下130℃で反応させた。反応により生成する水をトルエンと共沸させ、Dean-Stark管で系外に除去しながら反応させると、約3時間で水の生成がほとんど認められなくなった。反応温度を130℃から徐々に150℃まで上げながら大部分のトルエンを除去し、150℃で10時間反応を続けた後、4,4'−DCBP 10.0g(0.040モル)を加え、さらに5時間反
応を続けた。得られた反応液を放冷後、副生した無機化合物の沈殿物を濾過除去し、濾液を4Lのメタノール中に投入した。沈殿した生成物を濾別し、回収して乾燥後、テトラヒドロフラン300mLに溶解した。これをメタノール4Lに投入して再沈殿させて、目的の化合物95g(収率85%)を得た。
ホランなどに可溶で、Tgは110℃、熱分解温度は498℃であった。
撹拌機、温度計、冷却管、Dean-Stark管、窒素導入の三方コックを取り付けた1Lの三つ口のフラスコに、4−[4−(2,5−ジクロロベンゾイル)フェノキシ]ベンゼンス
ルホン酸neo-ペンチル(A−SO3 neo-Pe)39.58g(98.64ミリモル)、合成例1で得られたBCPAFオリゴマー(Mn=11200)15.23g(1.36ミリモル)、Ni(PPh3)2Cl2 1.67g(2.55ミリモル)、PPh3 10.49g(40ミリモル)、NaI 0.45g(3ミリモル)、亜鉛末 15.69g(240ミリモル)、乾燥NMP 390mLを窒素下で加えた。反応系を攪拌下に加熱し(最
終的には75℃まで加温)、3時間反応させた。重合反応液をTHF250mLで希釈し、30分攪拌し、セライトを濾過助剤に用いて濾過し、濾液を大過剰のメタノール1500mLに注いで凝固させた。凝固物を濾集して風乾し、さらにTHF/NMP(それぞれ200/300mL)に再溶解し、大過剰のメタノール1500mLで凝固析出させた。風乾後、加熱乾燥により目的の黄色繊維状のネオペンチル基で保護されたスルホン酸誘導
体からなる共重合体(PolyAB-SO3 neo-Pe)47.0g(収率99%)を得た。GP
Cによる分子量はMnが47,600であり、重量平均分子量(Mw)が159,000であった。
合成例2で得られたPolyAB-SO3 neo-Pe 5.1gをNMP60mLに溶解し、90℃に加温した。次いで、反応系にメタノール50mLと濃塩酸8mLとの混合物を一時に加えて懸濁状態とし、温和な還流条件で10時間反応させた。蒸留装置を設置し、過剰のメタノールを溜去させ、淡緑色の透明溶液を得た。この溶液を大量の水/メタノール(1:1重量比)中に注いで、ポリマーを凝固させた後、洗浄水のpHが6以上となるまで、イオン交換水でポリマーを洗浄した。こうして得られたポリマーのIRスペクトルおよびイオン交換容量の定量分析から、スルホン酸エステル基(−SO3Ra)は定量的にスルホン酸基(−SO3H)に転換していることがわかった。
200、Mwが185,000であり、スルホン酸当量は1.9meq/gであった。
[実施例1]
(電解質膜の作製)
合成例3で得られたスルホン酸基を有するポリアリーレンを、Nーメチルー2−ピロリドンに溶解し、プラスチック基板上にキャストし、150℃で30分間乾燥させて膜厚30μmのフィルム(電解質膜)を作製した。
50mlのガラス瓶に直径10mmのジルコニアボール(商品名:YTZボール、株式会社ニッカトー製)25gを入れ、白金担持カーボン粒子(Pt:46重量%担持)1.68g、蒸留水2.55g、Nafion(商品名、Dupont社製)の20.6重量%水−アルコール溶液(水:アルコール(重量比)=20:60)6.14g、n−プロピルアルコール13.44gを加え、ウエーブローターで70分間攪拌してペーストを得た。カーボンペーパー上に、上記ペーストを白金塗布量が0.5mg/cm2になるよう
にドクターブレードを用いて塗布して塗膜を形成した。これを95℃で10分間加熱乾燥し、電極層を形成させた。なお、上記Nafionの水−アルコール溶液におけるアルコールは、エタノールおよびn−プロピルアルコールからなるものである。
得られた電解質膜を一辺10cmの正方形に切り、室温(23℃)の蒸留水中に5分間浸漬した。電解質膜を取り出し、ベンコット(商品名)で表面の水滴を拭き取って重量を測定した。その結果、含水率が38%であることを確認した。
実施例1において、1段階目および2段階目の熱プレス工程でのプレス圧力をともに30kgf/cm2 (2.9MPa)に変更した以外は、実施例1と同様にしてMEAを作製した。
実施例1において、電解質膜の水浸漬の前処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にしてMEAを作製した。
実施例1において、1段階目の熱プレス工程におけるプレス圧力を5kgf/cm2 (0.5MPa)に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてMEAを作製した。
実施例1において、熱プレス工程をプレス温度160℃での1段階のみとし、プレス圧力100kgf/cm2 (9.8MPa)、プレス時間15分の条件でMEAを作製した。
上記実施例1〜2、比較例1〜3で作製したMEAについて、交流インピーダンス法でMEAの膜厚方向の抵抗を測定した。また、95℃の熱水中で1週間放置後の各MEAにつき、電極触媒層の電解質膜からの剥離の割合を測定した。剥離の割合は、熱水からMEAを取り出した後、両面のカーボンペーパーをピンセット等でゆっくりとはがし取り、カーボンペーパー上に残っている電極触媒層の面積を、カーボンペーパー全体の面積で割って求めた。すなわち、カーボンペーパー上に電極触媒層が全く残っていない場合が0%となり、電解質膜と電極触媒層との接合部における接着性が良好であることを意味する。各MEAの作製条件および評価結果を表1に示す。
Claims (1)
- 固体高分子電解質膜の両面に、ガス拡散層と触媒層とからなる一対のガス拡散電極を、触媒層側が電解質膜に接するように配置し、熱プレスにより接合することを含む電解質膜-電極接合体の製造方法であって、
熱プレスを開始する際に、固体高分子電解質膜の含水率が、該電解質膜の乾燥重量に対して20〜70重量%であり、
前記熱プレスが、2段階の工程で行われるとともに、1段階目の工程が20〜100℃のプレス温度で行われ、2段階目の工程が1段階目より高いプレス温度で行われ、かつ、2段階目におけるプレス温度が100〜200℃であり、
前記熱プレスが、1段階目の工程および2段階目の工程ともに、2.0〜19.6MPaのプレス圧力で行われ、
前記固体高分子電解質膜が、スルホン酸基を有する芳香族系ポリマーからなる
ことを特徴とする電解質膜-電極接合体の製造方法。
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