JP2009266724A - 膜電極接合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 炭化水素系電解質膜が高プロトン伝導性、酸化耐性を併せ持ち、膜/電極間の接合性の良好な電解質膜を用いることで、長期耐久性及び、出力特性が良好な膜電極接合体を提供する。
【解決手段】 炭化水素系電解質膜の表面の水に対する接触角を測定し、75〜85度の水に対する接触角を示す電解質膜を膜電極接合体化する。
【選択図】 図4
【解決手段】 炭化水素系電解質膜の表面の水に対する接触角を測定し、75〜85度の水に対する接触角を示す電解質膜を膜電極接合体化する。
【選択図】 図4
Description
本発明は、膜電極接合体に関する。
燃料電池は、発電効率が高く、環境性に優れており、現在、大きな課題となっている環境問題、エネルギ問題の解決に貢献可能な次世代の発電装置として期待されている。
この燃料電池の中でも固体高分子型燃料電池は、他のいずれの方式に比べても小型かつ高出力であり、小規模オンサイト型、移動体(車載)用、携帯用の燃料電池として次世代の主力とされている。
現状では、固体高分子型燃料電池は、まだ実用段階に至っていないが、試作、あるいはテスト段階で用いられている燃料電池の高分子電解質膜としては、パーフルオロアルキレン基を主骨格とし、一部にパーフルオロビニルエーテル側鎖の末端にスルホン酸基、カルボン酸基等のイオン交換基を有するフッ素系の高分子電解質膜として「ナフィオン(デュポン社、登録商標)」、「フレミオン(旭硝子株式会社、登録商標)」等が知られている。
しかし、現状用いられている燃料電池の高分子電解質膜である「ナフィオン(R)」等では、100℃を超える条件で運転しようとすると、高分子電解質膜の含水率が急激に落ちるほか、高分子電解質膜の軟化も顕著となり、特に将来が期待されている直接メタノール型燃料電池では、従来の「ナフィオン(R)」の様なフッ素系プロトン伝導性高分子材料を電解質として用いた場合、アノードを通リ抜けたメタノールが電解質中を拡散して、カソードに到達し、カソード触媒上で酸化剤(O2)と直接反応するという短絡現象(クロスオーバー)を起こし、電池性能を著しく低下させることから十分な性能を発揮することができないという問題がある。
このような問題を解決するため、従来からフッ素系膜の代わりとなる耐熱性の芳香族ポリマーに、プロトン伝導性を付与するためのスルホン酸基を導入した高分子電解質膜の検討が種々行なわれており、高分子電解質膜の耐熱性や化学的安定性の観点から、スルホン化芳香族ポリエーテルケトン類、スルホン化芳香族ポリエーテルスルホン類、スルホン化ポリフェニレン類等がある(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかし、上記炭化水素系電解質膜を膜電極接合体化する際、通常電極の結着物質として用いられているナフィオン(Nafion)は、フッ素系ポリマーであるため、異種間の接合になるため接着性が良好でないことが一般的に知られている。この問題を解決するため、電解質膜上に電解質ポリマーをコートし、接合性を改良する方法が検討されている(特許文献4参照)。しかし、前記電解質膜では、スルホン酸基の増加により、膨潤率が高くなり電解質膜との接合性が低下し、長期耐久性に問題がある。また、橋架け化等の処理が行われていないため、長期耐久性に問題がある。
この燃料電池の中でも固体高分子型燃料電池は、他のいずれの方式に比べても小型かつ高出力であり、小規模オンサイト型、移動体(車載)用、携帯用の燃料電池として次世代の主力とされている。
現状では、固体高分子型燃料電池は、まだ実用段階に至っていないが、試作、あるいはテスト段階で用いられている燃料電池の高分子電解質膜としては、パーフルオロアルキレン基を主骨格とし、一部にパーフルオロビニルエーテル側鎖の末端にスルホン酸基、カルボン酸基等のイオン交換基を有するフッ素系の高分子電解質膜として「ナフィオン(デュポン社、登録商標)」、「フレミオン(旭硝子株式会社、登録商標)」等が知られている。
しかし、現状用いられている燃料電池の高分子電解質膜である「ナフィオン(R)」等では、100℃を超える条件で運転しようとすると、高分子電解質膜の含水率が急激に落ちるほか、高分子電解質膜の軟化も顕著となり、特に将来が期待されている直接メタノール型燃料電池では、従来の「ナフィオン(R)」の様なフッ素系プロトン伝導性高分子材料を電解質として用いた場合、アノードを通リ抜けたメタノールが電解質中を拡散して、カソードに到達し、カソード触媒上で酸化剤(O2)と直接反応するという短絡現象(クロスオーバー)を起こし、電池性能を著しく低下させることから十分な性能を発揮することができないという問題がある。
このような問題を解決するため、従来からフッ素系膜の代わりとなる耐熱性の芳香族ポリマーに、プロトン伝導性を付与するためのスルホン酸基を導入した高分子電解質膜の検討が種々行なわれており、高分子電解質膜の耐熱性や化学的安定性の観点から、スルホン化芳香族ポリエーテルケトン類、スルホン化芳香族ポリエーテルスルホン類、スルホン化ポリフェニレン類等がある(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかし、上記炭化水素系電解質膜を膜電極接合体化する際、通常電極の結着物質として用いられているナフィオン(Nafion)は、フッ素系ポリマーであるため、異種間の接合になるため接着性が良好でないことが一般的に知られている。この問題を解決するため、電解質膜上に電解質ポリマーをコートし、接合性を改良する方法が検討されている(特許文献4参照)。しかし、前記電解質膜では、スルホン酸基の増加により、膨潤率が高くなり電解質膜との接合性が低下し、長期耐久性に問題がある。また、橋架け化等の処理が行われていないため、長期耐久性に問題がある。
本発明は、上記事情に鑑み、炭化水素系電解質膜が高プロトン伝導性、酸化耐性を併せ持ち、膜/電極間の接合性の良好な電解質膜を用いることで、長期耐久性及び、出力特性が良好な膜電極接合体を提供することを目的とする。
本発明は、[1]触媒層及び炭化水素系電解質膜を含む膜電極接合体であって、前記炭化水素系電解質膜の水に対する接触角が75〜85度(25℃)である膜電極接合体に関する。
また、本発明は、[2]炭化水素系電解質膜が、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基から選ばれる少なくとも一種のプロトン酸基を有する親水部と、疎水部とを有する共重合体である上記[1]に記載の膜電極接合体に関する。
また、本発明は、[3]炭化水素系電解質膜の親水部が下記式(1)及び/又は式(3)の(α)プロトン酸基を導入した芳香環を有する構造単位を含んでいることを特徴とする上記[1]または[2]に記載の膜電極接合体に関する。
また、本発明は、[2]炭化水素系電解質膜が、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基から選ばれる少なくとも一種のプロトン酸基を有する親水部と、疎水部とを有する共重合体である上記[1]に記載の膜電極接合体に関する。
また、本発明は、[3]炭化水素系電解質膜の親水部が下記式(1)及び/又は式(3)の(α)プロトン酸基を導入した芳香環を有する構造単位を含んでいることを特徴とする上記[1]または[2]に記載の膜電極接合体に関する。
Rは、水素または炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基又は炭素数2〜20のアシル基、及びフッ素であり、Xは水素、スルホン酸基、リン酸基、炭素数1〜6のアルキルスルホン酸基、炭素数1〜20のアルコキシスルホン酸基、炭素数1〜6のアルキルリン酸基、炭素数1〜20のアルコキシリン酸基から成るプロトン酸基を示す。mは、1〜4の置換基数を表わし、fは、4−mの置換基数を表わす。nは、1〜4の置換基数を表わし、jは、4−nの置換基数を表わす。]
また、本発明は、[4]炭化水素系電解質膜の親水部が下記の式(4)及び/又は、式(5)の(β)プロトン酸基を導入した複素環を有する構造単位をふくむことを特徴とする上記[1]〜[3]いずれか一項に記載の膜電極接合体に関する。
また、本発明は、[5]炭化水素系電解質膜の疎水部が、下記の式(6)の構造単位を含むことを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の膜電極接合体に関する。
また、本発明は、[6]炭化水素系電解質膜の疎水部が、下記の式(8)芳香環を有する構造単位を含むことを特徴とする上記[1]〜[5]のいずれか一項に記載の膜電極接合体に関する。
また、本発明は、[7]炭化水素系電解質膜の疎水部が、下記の式(9)及び/又は、式(10)の複素環を有する構造単位を含むことを特徴とする上記[1]〜[6]のいずれか一項に記載の膜電極接合体に関する。
また、本発明は、[8]炭化水素系電解質膜が、さらに、添加剤を含むことを特徴とする上記[1]〜[7]いずれか一項に記載の膜電極接合体に関する。
また本発明は、[9]添加剤が、シランカップリング剤又は架橋剤である上記[1]〜[8]いずれか一項に記載の膜電極接合体に関する。
本発明の膜電極接合体によれば、炭化水素系電解質膜が高プロトン伝導性、酸化耐性を併せ持ち、膜/電極間の接合性の良好な電解質膜を用いることで、長期耐久性及び、出力特性が良好となる。
以下、本発明について詳述する。
本発明の膜電極接合体は、触媒層及び炭化水素系電解質膜を含む膜電極接合体であって、前記炭化水素系電解質膜の水に対する接触角が75〜85度(25℃)であることを特徴とする。電解質膜の水に対する接触角が75〜85度である炭化水素系電解質膜を膜電極接合体化することにより、膜/電極間の接合性を良好にし、長期耐久性及び、良好な出力特性を示すことが可能である。
本発明の膜電極接合体は、触媒層及び炭化水素系電解質膜を含む膜電極接合体であって、前記炭化水素系電解質膜の水に対する接触角が75〜85度(25℃)であることを特徴とする。電解質膜の水に対する接触角が75〜85度である炭化水素系電解質膜を膜電極接合体化することにより、膜/電極間の接合性を良好にし、長期耐久性及び、良好な出力特性を示すことが可能である。
電解質膜に対する水の接触角の測定は、接触角計(例えば、協和界面科学株式会社製:DropMaster500)を用いて行った。図1に接触角測定の概念図を示した。電解質膜をガラス基板上に固定し、1μLの水を電解質膜に着液する。着液後CCDカメラで17ms毎に画像を取り込み100ms後の電解質膜の水に対する接触角θwを計測した。
上記電解質の水に対する接触角は、75〜85度であることが好ましく、80〜85度であることがより好ましい。接触角が75度以上であれば、電解質膜が水またはメタノール溶液に溶解することもなく、85度以下であれば、膜/電極間の良好な接合が可能となる。また、上記接触角は、例えば、電解質膜表面における官能基濃度(例えば、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基)を制御することにより調整することが可能である。
上記電解質の水に対する接触角は、75〜85度であることが好ましく、80〜85度であることがより好ましい。接触角が75度以上であれば、電解質膜が水またはメタノール溶液に溶解することもなく、85度以下であれば、膜/電極間の良好な接合が可能となる。また、上記接触角は、例えば、電解質膜表面における官能基濃度(例えば、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基)を制御することにより調整することが可能である。
以下本発明の膜電極接合体の構成を詳細に説明する。
<電解質膜>
電解質膜とは、プロトン酸基を有する共重合体をフィルム化したものであり、本発明における電解質膜は炭化水素系電解質である。本発明の炭化水素系電解質膜は、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基から選ばれる少なくとも一種のプロトン酸基を有する親水部と、疎水部とを有する共重合体であることが好ましい。中でも、酸解離度の点でスルホン酸基を有することがより好ましい。
電解質膜のプロトン酸基量に特に制限は無いが、プロトン伝導性と耐久性の観点から、イオン交換当量重量(EW値)の値で、300以上、1000以下が好ましく、400以上、900以下がより好ましく、500以上、800以下がさらに好ましい。ここでイオン交換当量重量(EW値)とは、プロトン酸基1モル当りの共重合体の重量(g)を言う。
EW値が300以上であれば、耐久性が低下することもなく、1000以下であれば、プロトン伝導性が良好となる。
<電解質膜>
電解質膜とは、プロトン酸基を有する共重合体をフィルム化したものであり、本発明における電解質膜は炭化水素系電解質である。本発明の炭化水素系電解質膜は、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基から選ばれる少なくとも一種のプロトン酸基を有する親水部と、疎水部とを有する共重合体であることが好ましい。中でも、酸解離度の点でスルホン酸基を有することがより好ましい。
電解質膜のプロトン酸基量に特に制限は無いが、プロトン伝導性と耐久性の観点から、イオン交換当量重量(EW値)の値で、300以上、1000以下が好ましく、400以上、900以下がより好ましく、500以上、800以下がさらに好ましい。ここでイオン交換当量重量(EW値)とは、プロトン酸基1モル当りの共重合体の重量(g)を言う。
EW値が300以上であれば、耐久性が低下することもなく、1000以下であれば、プロトン伝導性が良好となる。
前記電解質膜の親水部としては、下記の式(1)及び/又は下記の式(3)の(α)プロトン酸基を導入した芳香環を有する構造単位を含んでいることが好ましい。
Rは、水素または炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基又は炭素数2〜20のアシル基、及びフッ素であり、Xは水素、スルホン酸基、リン酸基、炭素数1〜6のアルキルスルホン酸基、炭素数1〜20のアルコキシスルホン酸基、炭素数1〜6のアルキルリン酸基、炭素数1〜20のアルコキシリン酸基から成るプロトン酸基を示す。mは、1〜4の置換基数を表わし、fは、4−mの置換基数を表わす。nは、1〜4の置換基数を表わし、jは、4−nの置換基数を表わす。]
式(1)及び(2)としては例えば、
式(3)としては例えば、
前記電解質膜の親水部としては、下記の式(4)及び/又は、式(5)の(β)プロトン酸基を導入した複素環を有する構造単位を有する構造単位を含んでいることが好ましい。
式(4)としては例えば、
式(5)としては例えば、
ここで、(α)〜(β)の構造単位は、必ずしも一種類に限定されるものではなく、二種類以上の構造単位が含まれていてもよい。
前記炭化水素系電解質膜の疎水部は、下記の式(6)の構造単位を含むことが好ましい。
式(6)及び(7)としては例えば、
式(8)としては例えば、
前記電解質膜の疎水部としては、下記の式(9)及び/又は、式(10)及の(δ)複素環を有する構造単位を含んでいることが好ましい。
式(9)としては例えば、
式(10)としては例えば、
次に、前記電解質の合成方法について説明する。
電解質の種類としては、例えば、ランダム共重合体、ブロック共重合体等が挙げられる。
ランダム共重合体の合成法としては、親水部前駆体モノマーと疎水部前駆体モノマーを化学結合させて共重合体とすることにより好適に合成される。ここで共重合体を製造する方法には特に制限はなく、それぞれの構造単位の組合せに応じた適切な公知の方法を用いることができる。
例えば、親水部モノマー及び疎水部前駆体モノマーを縮合反応することにより合成することができる。
電解質の種類としては、例えば、ランダム共重合体、ブロック共重合体等が挙げられる。
ランダム共重合体の合成法としては、親水部前駆体モノマーと疎水部前駆体モノマーを化学結合させて共重合体とすることにより好適に合成される。ここで共重合体を製造する方法には特に制限はなく、それぞれの構造単位の組合せに応じた適切な公知の方法を用いることができる。
例えば、親水部モノマー及び疎水部前駆体モノマーを縮合反応することにより合成することができる。
ブロック共重合体の合成法としては、まず、親水部前駆体モノマーまたは疎水部前駆体モノマーを各々化学結合させて親水部セグメント及び疎水部セグメントを合成する。その後、親水部セグメントと疎水部セグメントとを化学結合させてブロック共重合体とすることにより好適に合成される。ここでブロック共重合体を合成する方法には特に制限はなく、それぞれの構造単位の組合せに応じた適切な公知の方法を用いることができる。
例えば、親水部モノマー及び疎水部前駆体モノマーを各々縮合反応することにより親水部セグメント及び、疎水部セグメントを合成し、親水部セグメント及び、疎水部セグメントを縮合反応することにより合成することができる。
前記ランダム共重合体及び、ブロック共重合体の合成は、触媒存在下、溶媒中で行うことができる。
触媒としては、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム等のアルカリ触媒やフッ化セシウム等の金属ハロゲン化物が使用できる。触媒量は、反応させるモノマーの全モル数に対して、0.1から100倍で使用できる。
反応溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホンアミド、γ−ブチロラクトン等の非プロトン極性溶媒から適切なものを選ぶことができるがこれらに限定されるものではない。
これらの溶媒は、可能な範囲で複数を混合して使用してもよい。
溶媒量は、反応させるモノマーおよび触媒の総重量に対して0.1〜100倍の範囲で用いることができ、好ましくは1〜80倍の範囲であり、より好ましくは5〜50倍の範囲である。0.1倍以上であれば、モノマーが溶解することができ、100倍以下であれば反応が進行しないこともない。
反応温度は0℃〜350℃であり、好ましくは40℃〜260℃である。
反応時間は、2時間〜500時間で行うことができる。
例えば、親水部モノマー及び疎水部前駆体モノマーを各々縮合反応することにより親水部セグメント及び、疎水部セグメントを合成し、親水部セグメント及び、疎水部セグメントを縮合反応することにより合成することができる。
前記ランダム共重合体及び、ブロック共重合体の合成は、触媒存在下、溶媒中で行うことができる。
触媒としては、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム等のアルカリ触媒やフッ化セシウム等の金属ハロゲン化物が使用できる。触媒量は、反応させるモノマーの全モル数に対して、0.1から100倍で使用できる。
反応溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホンアミド、γ−ブチロラクトン等の非プロトン極性溶媒から適切なものを選ぶことができるがこれらに限定されるものではない。
これらの溶媒は、可能な範囲で複数を混合して使用してもよい。
溶媒量は、反応させるモノマーおよび触媒の総重量に対して0.1〜100倍の範囲で用いることができ、好ましくは1〜80倍の範囲であり、より好ましくは5〜50倍の範囲である。0.1倍以上であれば、モノマーが溶解することができ、100倍以下であれば反応が進行しないこともない。
反応温度は0℃〜350℃であり、好ましくは40℃〜260℃である。
反応時間は、2時間〜500時間で行うことができる。
さらに、前記共重合体は、親水部及び疎水部以外の繰返し単位が含まれていてもよい。親水部及び疎水部以外の繰返し単位以外の繰返し単位は、特に制限はないが、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラメチレンオキシド等のアルキレンエーテル、パーフルオロアルキレンエーテル、芳香族イミド、アミド等の結合を有する芳香族エーテル等がある。
また、共重合体は、その特性を著しく低下しない範囲で、構造の異なる他の種類の樹脂を含有していてもよい。
この樹脂の種類としては、具体的には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ABS樹脂およびAS樹脂等の汎用樹脂、ポリアセテート(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA:ナイロン)、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリブチレンテレフタレート(PBT)等のエンジニアリングプラスチック、ならびにポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリケトン(PK)、ポリイミド(PI)、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート(PCT)、ポリアリレート(PAR)及び各種液晶ポリマー(LCP)等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、この場合には、前記共重合体が、樹脂組成物全体の50質量%以上、100質量%未満含まれていることが好ましい。より好ましくは70質量%以上、100質量%未満である。共重合体の含有量が樹脂組成物全体の50質量%未満の場合には、この樹脂組成物を含む電解質膜の樹脂組成物中のプロトン酸基濃度が低くなり良好なプロトン伝導性が得られない傾向にあり、また、プロトン酸基を含有するユニットが非連続相となり伝導するプロトンの移動度が低下する傾向にある。
なお、共重合体樹脂組成物は、必要に応じて、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、粘着付与剤、可塑剤、架橋剤、粘度調整剤、静電気防止剤、抗菌剤、消泡剤、分散剤、重合禁止剤、等の各種添加剤を含んでいてもよい。
また、共重合体は、その特性を著しく低下しない範囲で、構造の異なる他の種類の樹脂を含有していてもよい。
この樹脂の種類としては、具体的には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ABS樹脂およびAS樹脂等の汎用樹脂、ポリアセテート(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA:ナイロン)、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリブチレンテレフタレート(PBT)等のエンジニアリングプラスチック、ならびにポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリケトン(PK)、ポリイミド(PI)、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート(PCT)、ポリアリレート(PAR)及び各種液晶ポリマー(LCP)等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、この場合には、前記共重合体が、樹脂組成物全体の50質量%以上、100質量%未満含まれていることが好ましい。より好ましくは70質量%以上、100質量%未満である。共重合体の含有量が樹脂組成物全体の50質量%未満の場合には、この樹脂組成物を含む電解質膜の樹脂組成物中のプロトン酸基濃度が低くなり良好なプロトン伝導性が得られない傾向にあり、また、プロトン酸基を含有するユニットが非連続相となり伝導するプロトンの移動度が低下する傾向にある。
なお、共重合体樹脂組成物は、必要に応じて、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、粘着付与剤、可塑剤、架橋剤、粘度調整剤、静電気防止剤、抗菌剤、消泡剤、分散剤、重合禁止剤、等の各種添加剤を含んでいてもよい。
次に、電解質膜の作製方法を説明する。
上記電解質化合物またはその樹脂組成物から電解質膜を作製することができる。電解質膜を成形する手法として最も好ましいのは、溶液からのキャストであり、キャストした溶液から溶媒を除去して電解質膜を得ることができる。
この溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホンアミド等の非プロトン極性溶媒や、メタノール、エタノールな等のアルコール類から適切なものを選ぶことができるがこれらに限定されるものではない。
これらの溶媒は、可能な範囲で複数を混合して使用してもよい。
溶液中の化合物濃度は0.1質量%〜50質量%の範囲であることが好ましい。
溶液中の化合物濃度が0.1質量%未満である場合には成形性が悪化する傾向にあり、50質量%を超えると加工性が悪化する傾向にある。
溶媒の除去は、乾燥によることが電解質膜の均一性からは好ましい。
また、化合物や溶媒の分解や変質をさけるため、減圧下でできるだけ低い温度で乾燥することもできる。また、溶液の粘度が高い場合には、基板や溶液を加熱して高温でキャストすると溶液の粘度が低下して容易にキャストすることができる。
キャストする際の溶液の厚みは特に制限されないが、0.1μm以上、1000μm以下であることが好ましく、より好ましくは50μm以上、750μm以下である。
溶液の厚みが0.1μmよりも薄いと電解質膜としての形態を保てなくなる傾向にあり、1000μmよりも厚いと不均一な電解質膜ができやすくなる傾向にある。
溶液のキャスト厚を制御する方法としては従来から公知の方法を用いることができる。
例えば、アプリケータ、ドクターブレード等を用いて一定の厚みに制御することができ、或いは、ガラスシャーレ等を用いてキャスト面積を一定にして溶液の量や濃度で厚みを制御することができる。
キャストした溶液は、溶媒の除去速度を調整することでより均一な電解質膜を得ることができる。
例えば、加熱する場合には最初の段階では低温にして蒸発速度を下げたりすることができる。
また、水等に浸漬する場合には、溶液を空気中や不活性ガス中に適当な時間放置しておく等して化合物の凝固速度を調整することができる。
電解質膜は目的に応じて任意の膜厚にすることができるが、プロトン伝導率の面からはできるだけ薄いことが好ましい。
具体的には5〜200μmであることが好ましく、5〜75μmであることがさらに好ましく、5〜50μmであることが最も好ましい。
電解質膜の厚みが5μmより薄いと電解質膜の取り扱いが困難となり燃料電池を作製した場合に短絡等が起こる傾向にあり、200μmよりも厚いと電解質膜の電気抵抗値が高くなり燃料電池の発電性能が低下する傾向にある。
また、本発明の炭化水素系電解質膜のプロトン伝導率は、0.01S/cm以上であることが好ましい。プロトン伝導率が0.01S/cm以上である場合には、その高分子電解質膜を用いた燃料電池において良好な出力が得られる傾向にあり、0.01S/cm未満である場合には燃料電池の出力低下が起こる傾向にある。
上記電解質化合物またはその樹脂組成物から電解質膜を作製することができる。電解質膜を成形する手法として最も好ましいのは、溶液からのキャストであり、キャストした溶液から溶媒を除去して電解質膜を得ることができる。
この溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホンアミド等の非プロトン極性溶媒や、メタノール、エタノールな等のアルコール類から適切なものを選ぶことができるがこれらに限定されるものではない。
これらの溶媒は、可能な範囲で複数を混合して使用してもよい。
溶液中の化合物濃度は0.1質量%〜50質量%の範囲であることが好ましい。
溶液中の化合物濃度が0.1質量%未満である場合には成形性が悪化する傾向にあり、50質量%を超えると加工性が悪化する傾向にある。
溶媒の除去は、乾燥によることが電解質膜の均一性からは好ましい。
また、化合物や溶媒の分解や変質をさけるため、減圧下でできるだけ低い温度で乾燥することもできる。また、溶液の粘度が高い場合には、基板や溶液を加熱して高温でキャストすると溶液の粘度が低下して容易にキャストすることができる。
キャストする際の溶液の厚みは特に制限されないが、0.1μm以上、1000μm以下であることが好ましく、より好ましくは50μm以上、750μm以下である。
溶液の厚みが0.1μmよりも薄いと電解質膜としての形態を保てなくなる傾向にあり、1000μmよりも厚いと不均一な電解質膜ができやすくなる傾向にある。
溶液のキャスト厚を制御する方法としては従来から公知の方法を用いることができる。
例えば、アプリケータ、ドクターブレード等を用いて一定の厚みに制御することができ、或いは、ガラスシャーレ等を用いてキャスト面積を一定にして溶液の量や濃度で厚みを制御することができる。
キャストした溶液は、溶媒の除去速度を調整することでより均一な電解質膜を得ることができる。
例えば、加熱する場合には最初の段階では低温にして蒸発速度を下げたりすることができる。
また、水等に浸漬する場合には、溶液を空気中や不活性ガス中に適当な時間放置しておく等して化合物の凝固速度を調整することができる。
電解質膜は目的に応じて任意の膜厚にすることができるが、プロトン伝導率の面からはできるだけ薄いことが好ましい。
具体的には5〜200μmであることが好ましく、5〜75μmであることがさらに好ましく、5〜50μmであることが最も好ましい。
電解質膜の厚みが5μmより薄いと電解質膜の取り扱いが困難となり燃料電池を作製した場合に短絡等が起こる傾向にあり、200μmよりも厚いと電解質膜の電気抵抗値が高くなり燃料電池の発電性能が低下する傾向にある。
また、本発明の炭化水素系電解質膜のプロトン伝導率は、0.01S/cm以上であることが好ましい。プロトン伝導率が0.01S/cm以上である場合には、その高分子電解質膜を用いた燃料電池において良好な出力が得られる傾向にあり、0.01S/cm未満である場合には燃料電池の出力低下が起こる傾向にある。
<触媒層>
触媒層に使用される触媒物質としては、例えば、白金,ロジウム,ルテニウム,イリジウム,パラジウム,オスニウムなどの白金族金属及びその合金が適している。これら触媒物質及び触媒物質の塩類を単独または混合して用いてもよい。中でも、金属塩や錯体、特に[Pt(NH3)4]X2または[Pt(NH3)6]X4(Xは1価の陰イオン)であらわされるアンミン錯体が好ましい。また、触媒として金属化合物を用いる場合、いくつかの化合物の混合物を用いても良いし、複塩でもよい。例えば、白金化合物とルテニウム化合物を混ぜて用いることで、還元工程により、白金−ルテニウム合金の形成が期待できる。
触媒の粒径は、特に限定されないが、触媒活性の大きくなる適当な大きさの観点から平均粒径が0.5〜20nmであることが好ましい。なお、K. Kinoshita等の研究(J. Electrochem. Soc., 137, 845(1990))では、酸素の還元に対して活性の高い白金の粒径は3nm程度であることが報告されている。
触媒層に使用される触媒物質としては、例えば、白金,ロジウム,ルテニウム,イリジウム,パラジウム,オスニウムなどの白金族金属及びその合金が適している。これら触媒物質及び触媒物質の塩類を単独または混合して用いてもよい。中でも、金属塩や錯体、特に[Pt(NH3)4]X2または[Pt(NH3)6]X4(Xは1価の陰イオン)であらわされるアンミン錯体が好ましい。また、触媒として金属化合物を用いる場合、いくつかの化合物の混合物を用いても良いし、複塩でもよい。例えば、白金化合物とルテニウム化合物を混ぜて用いることで、還元工程により、白金−ルテニウム合金の形成が期待できる。
触媒の粒径は、特に限定されないが、触媒活性の大きくなる適当な大きさの観点から平均粒径が0.5〜20nmであることが好ましい。なお、K. Kinoshita等の研究(J. Electrochem. Soc., 137, 845(1990))では、酸素の還元に対して活性の高い白金の粒径は3nm程度であることが報告されている。
本発明で用いる触媒には、更に助触媒を添加することができる。助触媒としては、微粉状炭素が挙げられる。微粉状炭素としては、共存する触媒が高い活性を示すものが好ましく、例えば、触媒として白金族金属の化合物を用いる場合には、Denka Black, Valcan XC−72,Black Pearl 2000等の、アセチレンブラック等が適当である。
触媒の量は、付着方法等により異なるが、ガス拡散層の表面に例えば、0.02〜20mg/cm2の範囲、好ましくは約0.02〜20mg/cm2の範囲で付着されていることが適当である。また、電極の総量に対し、例えば、0.01〜10質量%、好ましくは、0.3〜5質量%の量で存在することが適当である。
触媒の量は、付着方法等により異なるが、ガス拡散層の表面に例えば、0.02〜20mg/cm2の範囲、好ましくは約0.02〜20mg/cm2の範囲で付着されていることが適当である。また、電極の総量に対し、例えば、0.01〜10質量%、好ましくは、0.3〜5質量%の量で存在することが適当である。
<ガス拡散層>
ガス拡散層としては、例えば、カーボン繊維織布、カーボンペーパー等、通気性を有する既知の基体が使用され得る。好ましくは、これらの基体等を撥水処理したものが使用される。撥水処理は、例えば、これら基体を、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素樹脂等からなる撥水剤の水溶液中に浸漬し、乾燥し、焼成することにより行われる。
ガス拡散層としては、例えば、カーボン繊維織布、カーボンペーパー等、通気性を有する既知の基体が使用され得る。好ましくは、これらの基体等を撥水処理したものが使用される。撥水処理は、例えば、これら基体を、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などのフッ素樹脂等からなる撥水剤の水溶液中に浸漬し、乾燥し、焼成することにより行われる。
<電極>
電極は、ガス拡散層と、このガス拡散層上及び/又は内部に設けた触媒層とを有する。
得られる電極は、多孔質である。電極の平均孔直径は、例えば、0.01〜50μm、好ましくは0.1〜40μmであることが適当である。さらに、電極の間隙率は、例えば、10〜99%、好適には10〜60%であることが適当である。
また、電極は、電極の中及び/又は表面に結着剤を有するものが好ましい。このような結着剤は、上記ガス拡散層と触媒層との結合、及び電極と電解質膜との結合を促進する。結着剤としては、例えば、本発明で使用され得るすべてのポリマー、その他、ナフィオン(R)やフレミオン(R)などのフッ素系等の固体高分子電解質を使用することができる。
電極は、ガス拡散層と、このガス拡散層上及び/又は内部に設けた触媒層とを有する。
得られる電極は、多孔質である。電極の平均孔直径は、例えば、0.01〜50μm、好ましくは0.1〜40μmであることが適当である。さらに、電極の間隙率は、例えば、10〜99%、好適には10〜60%であることが適当である。
また、電極は、電極の中及び/又は表面に結着剤を有するものが好ましい。このような結着剤は、上記ガス拡散層と触媒層との結合、及び電極と電解質膜との結合を促進する。結着剤としては、例えば、本発明で使用され得るすべてのポリマー、その他、ナフィオン(R)やフレミオン(R)などのフッ素系等の固体高分子電解質を使用することができる。
<膜電極接合体>
本発明の膜電極接合体は、電解質膜上に、上記電極を設けることにより製造される。好ましくは、電解質膜側に電極の触媒層側が接合される。この、膜電極接合体の製造方法としては、たとえば以下の3つの方法が挙げられる。
(1)スプレーコート法:電解質膜上に、直接触媒物質を適用して触媒層を形成し、さらに形成した触媒層上にガス拡散層を形成する方法。例えば、特表2000‐516014号公報に記載の方法によりイオン交換基を有するパーフルオロカーボンポリマー、白金族触媒、微粉状炭素(カーボンブラック)その他添加物を含む触媒物質を電解質膜上に塗布、噴霧、印刷等することにより触媒層を形成し、この触媒層上に、ガス拡散層を熱プレス等により加熱圧着する方法がある。
本発明の膜電極接合体は、電解質膜上に、上記電極を設けることにより製造される。好ましくは、電解質膜側に電極の触媒層側が接合される。この、膜電極接合体の製造方法としては、たとえば以下の3つの方法が挙げられる。
(1)スプレーコート法:電解質膜上に、直接触媒物質を適用して触媒層を形成し、さらに形成した触媒層上にガス拡散層を形成する方法。例えば、特表2000‐516014号公報に記載の方法によりイオン交換基を有するパーフルオロカーボンポリマー、白金族触媒、微粉状炭素(カーボンブラック)その他添加物を含む触媒物質を電解質膜上に塗布、噴霧、印刷等することにより触媒層を形成し、この触媒層上に、ガス拡散層を熱プレス等により加熱圧着する方法がある。
(2)GDEの接合:ガス拡散層を触媒物質の溶液に浸漬等させてあらかじめ電極を作製し、得られた電極を電解質膜上に設ける方法。例えば、可溶性白金族塩の溶液(ペースト)に、ガス拡散層を浸漬し、可溶性白金族塩をガス拡散層上及び内に吸着(イオン交換)させる。次いで、ヒドラジン、Na2BO4のような還元剤溶液に浸漬してガス拡散層上に触媒となる金属を析出させる方法がある。
(3)転写法:あらかじめ基板上に触媒物質を適用して触媒層を作製し、得られた触媒層を電解質膜上に転写し、さらに、形成した触媒層上にガス拡散層を形成する方法。例えば、あらかじめポリ四弗化エチレンと、トーマス法等で合成した白金黒とを均一に混合し、ポリテトラフルオロエチレンシート基板上に適用して加圧成型した後、電解質膜上に転写し、さらにガス拡散層を配置し、得られた積層物を加圧圧着する方法がある。
より好ましい本発明の膜電極接合体の製造方法としては、触媒物質とガス拡散層材料とを含む電極材料を直接電解質膜上に適用する方法が挙げられる。具体的には、触媒物質として、白金−ルテニウム(Pt‐Ru)白金(Pt)等の触媒物質を担持した触媒担持カーボン粒子または触媒黒を用い、この触媒物質を、水のような溶媒、電解質のような結着剤、及び任意にガス拡散層の製造に使用されるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子のような撥水剤と共に混合して触媒スラリーを作製する。この触媒スラリーを直接電解質膜上に塗布あるいは噴霧により適用して製膜し、その後加熱乾燥して、電解質膜上に触媒層(撥水剤を含む場合はガス拡散層の一部をなす撥水性層を含む)を形成する。この触媒層上に、任意に撥水処理されたカーボンペーパー等のガス拡散層を熱プレス等することによって電極が作製される。
(3)転写法:あらかじめ基板上に触媒物質を適用して触媒層を作製し、得られた触媒層を電解質膜上に転写し、さらに、形成した触媒層上にガス拡散層を形成する方法。例えば、あらかじめポリ四弗化エチレンと、トーマス法等で合成した白金黒とを均一に混合し、ポリテトラフルオロエチレンシート基板上に適用して加圧成型した後、電解質膜上に転写し、さらにガス拡散層を配置し、得られた積層物を加圧圧着する方法がある。
より好ましい本発明の膜電極接合体の製造方法としては、触媒物質とガス拡散層材料とを含む電極材料を直接電解質膜上に適用する方法が挙げられる。具体的には、触媒物質として、白金−ルテニウム(Pt‐Ru)白金(Pt)等の触媒物質を担持した触媒担持カーボン粒子または触媒黒を用い、この触媒物質を、水のような溶媒、電解質のような結着剤、及び任意にガス拡散層の製造に使用されるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子のような撥水剤と共に混合して触媒スラリーを作製する。この触媒スラリーを直接電解質膜上に塗布あるいは噴霧により適用して製膜し、その後加熱乾燥して、電解質膜上に触媒層(撥水剤を含む場合はガス拡散層の一部をなす撥水性層を含む)を形成する。この触媒層上に、任意に撥水処理されたカーボンペーパー等のガス拡散層を熱プレス等することによって電極が作製される。
このときの触媒層の厚さは、例えば、0.1〜1000μm、好ましくは、1〜500μm、より好ましくは2〜200μmであることが適当である。
上記触媒スラリーは、粘度を0.1〜1000Pa・sの範囲に調節しておくことが望ましい。この粘度は、(i)各粒子サイズを選択するか、(ii)触媒の粒子と結着剤との組成を調節するか、(iii)水の含有量を調節するか、或は(iv)好適には粘度調節剤、例えばカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびセルロースなど、およびポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウムおよびポリメチルビニルエーテルなどを添加することなどで調節可能である。
上記触媒スラリーは、粘度を0.1〜1000Pa・sの範囲に調節しておくことが望ましい。この粘度は、(i)各粒子サイズを選択するか、(ii)触媒の粒子と結着剤との組成を調節するか、(iii)水の含有量を調節するか、或は(iv)好適には粘度調節剤、例えばカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびセルロースなど、およびポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウムおよびポリメチルビニルエーテルなどを添加することなどで調節可能である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。本実施例で得られた電解質膜及び膜電極接合体の評価方法を以下に示す。
<測定方法および評価方法>
(1)電解質膜の水に対する接触角測定
電解質膜に対する水の接触角の測定は、接触角計(協和界面科学製、DropMaster500)を用いて行った。図1に接触角測定の概念図を示した。電解質膜をガラス基板上に固定し、1μLの水を電解質膜に着液する。着液後CCDカメラで17ms毎に画像を取り込み100ms後の電解質膜の水に対する接触角θwを計測した。
<測定方法および評価方法>
(1)電解質膜の水に対する接触角測定
電解質膜に対する水の接触角の測定は、接触角計(協和界面科学製、DropMaster500)を用いて行った。図1に接触角測定の概念図を示した。電解質膜をガラス基板上に固定し、1μLの水を電解質膜に着液する。着液後CCDカメラで17ms毎に画像を取り込み100ms後の電解質膜の水に対する接触角θwを計測した。
(2)プロトン伝導率の測定
プロトン伝導率の測定用に、図2に示した評価セルを作製した。電極には白金電極を用い、電極間隔は1cmとした。電解質部分が純水に浸るようにセルを純水の入ったビーカー内に入れ、交流インピーダンス法により、電解質膜の抵抗を測定した。評価法は、セルをSolartron社製、1260FREQUENCY RESPONSE ANALYSERに四端子により接続し、交流周波数を1.0Hzから0.1Hzへと任意に変化させたとき検出される総インピーダンスの実数部分と虚数部分を、複素面にプロットしたCole−Coleプロットの直線部分数点についてカーブフィッティングを行い、その切片の値から電解質膜の抵抗を得た。
これを式1に代入してプロトン伝導率を算出した。
σ=L/(R×S) (式1)
σ:プロトン伝導率(S/cm)、L:電極間距離(cm)、R:抵抗(Ω)、
S:膜断面積(cm2)
プロトン伝導率の測定用に、図2に示した評価セルを作製した。電極には白金電極を用い、電極間隔は1cmとした。電解質部分が純水に浸るようにセルを純水の入ったビーカー内に入れ、交流インピーダンス法により、電解質膜の抵抗を測定した。評価法は、セルをSolartron社製、1260FREQUENCY RESPONSE ANALYSERに四端子により接続し、交流周波数を1.0Hzから0.1Hzへと任意に変化させたとき検出される総インピーダンスの実数部分と虚数部分を、複素面にプロットしたCole−Coleプロットの直線部分数点についてカーブフィッティングを行い、その切片の値から電解質膜の抵抗を得た。
これを式1に代入してプロトン伝導率を算出した。
σ=L/(R×S) (式1)
σ:プロトン伝導率(S/cm)、L:電極間距離(cm)、R:抵抗(Ω)、
S:膜断面積(cm2)
(3)耐酸化性の評価
耐酸化性は、2cm×2cmに切り出した電解質膜を、120℃の送風乾燥機で20分乾燥後秤量し、それを耐圧密閉容器中で3%過酸化水素水に3ppm FeSO4を加えて調製した50℃の溶液中に浸し、1〜15時間浸漬した。その後、1時間毎に120℃の送風乾燥機で20分乾燥後、秤量し、その前後の重量変化を下記式から求め、試験後の膜残存率を得た。
Wr(%)=(Wa/Wb)×100
Wr:膜残存率(%)
Wb:試験前の膜重量(kg)
Wa:試験後の膜重量(kg)
耐酸化性は、2cm×2cmに切り出した電解質膜を、120℃の送風乾燥機で20分乾燥後秤量し、それを耐圧密閉容器中で3%過酸化水素水に3ppm FeSO4を加えて調製した50℃の溶液中に浸し、1〜15時間浸漬した。その後、1時間毎に120℃の送風乾燥機で20分乾燥後、秤量し、その前後の重量変化を下記式から求め、試験後の膜残存率を得た。
Wr(%)=(Wa/Wb)×100
Wr:膜残存率(%)
Wb:試験前の膜重量(kg)
Wa:試験後の膜重量(kg)
(4)イオン交換当量重量の測定
スルホン酸型にした電解質膜を100℃で24時間減圧乾燥後、アルゴン雰囲気のグローブボックス中に移し30分放置してから重量を測定した。これを1.0mol/lの食塩水中に加え、水酸化カリウムの0.05mol/lエタノール溶液で滴定を行った。pH7になった時点を当量点とし、そのとき加えた水酸化カリウムの量からイオン交換容量を算出した。
イオン交換容量の計算式:イオン交換容量[meq/g]=0.05[mmol/ml]×水酸化カリウムの滴定量[ml]/電解質膜の重量[g]
スルホン酸型にした電解質膜を100℃で24時間減圧乾燥後、アルゴン雰囲気のグローブボックス中に移し30分放置してから重量を測定した。これを1.0mol/lの食塩水中に加え、水酸化カリウムの0.05mol/lエタノール溶液で滴定を行った。pH7になった時点を当量点とし、そのとき加えた水酸化カリウムの量からイオン交換容量を算出した。
イオン交換容量の計算式:イオン交換容量[meq/g]=0.05[mmol/ml]×水酸化カリウムの滴定量[ml]/電解質膜の重量[g]
(実施例1)
<共重合体の合成>
ディーンスタークトラップ、コンデンサー、撹拌機および窒素供給管を備えた1000mLの4つ口丸底フラスコに、4,4’−ジクロロ−3,3’−ジスルホン酸ナトリウムジフェニルスルホン 1水和物(76.4g,0.150モル)、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン(21.54g,0.750モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(46.55g,0.250モル)、炭酸カリウム(41.46g,0.30モル)、N−メチルピロリドン230mL、トルエン270mLを入れ、160℃に加熱して2時間撹拌したのち、温度を190℃に昇温してトルエンを留去しながら16時間撹拌した。この時のポリマーの数平均分子量は1770であった。110℃に冷却し、ジフルオロビフェニルスルホン(6.36g,0.025モル)とN−メチルピロリドン230mLを加え1時間撹拌したのち、180℃で25時間撹拌した。冷却後、この溶液を2500mLの水中に注ぎ、化合物を析出させた後、ろ過し精製水で十分に洗浄後、140℃の熱風乾燥機で5時間乾燥することで目的物である共重合体を得た。
収量:137.7g、収率:93.5%、数平均分子量141390、分散度6.2、イオン交換当量重量値(EW値)414
構造式:
<共重合体の合成>
ディーンスタークトラップ、コンデンサー、撹拌機および窒素供給管を備えた1000mLの4つ口丸底フラスコに、4,4’−ジクロロ−3,3’−ジスルホン酸ナトリウムジフェニルスルホン 1水和物(76.4g,0.150モル)、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン(21.54g,0.750モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(46.55g,0.250モル)、炭酸カリウム(41.46g,0.30モル)、N−メチルピロリドン230mL、トルエン270mLを入れ、160℃に加熱して2時間撹拌したのち、温度を190℃に昇温してトルエンを留去しながら16時間撹拌した。この時のポリマーの数平均分子量は1770であった。110℃に冷却し、ジフルオロビフェニルスルホン(6.36g,0.025モル)とN−メチルピロリドン230mLを加え1時間撹拌したのち、180℃で25時間撹拌した。冷却後、この溶液を2500mLの水中に注ぎ、化合物を析出させた後、ろ過し精製水で十分に洗浄後、140℃の熱風乾燥機で5時間乾燥することで目的物である共重合体を得た。
収量:137.7g、収率:93.5%、数平均分子量141390、分散度6.2、イオン交換当量重量値(EW値)414
構造式:
<電解質膜の作製>
得られた共重合体15gをN−メチルピロリドン85gに溶解させた後、1000メッシュのフィルターを用いて加圧濾過し、さらに遊星攪拌型の脱泡装置で脱泡した。この溶液をガラス板上にギャップ400μmのバーコーターを用いて流延した後、熱風型乾燥機で60℃、15分、80℃、15分、100℃、15分乾燥させた。乾燥機から取り出した後、膜をガラス板から剥離し、ステンレス製の枠に固定して、再び乾燥機の中に投じ、160℃、30分、200℃、30分乾燥した。室温(25℃)に冷却後、膜を枠から取り外し、10質量%硫酸水溶液に12時間室温で含浸した。蒸留水で洗浄した後、膜に付着した水分を濾紙(5A)で拭き取り電解質膜を作製した。
得られた共重合体15gをN−メチルピロリドン85gに溶解させた後、1000メッシュのフィルターを用いて加圧濾過し、さらに遊星攪拌型の脱泡装置で脱泡した。この溶液をガラス板上にギャップ400μmのバーコーターを用いて流延した後、熱風型乾燥機で60℃、15分、80℃、15分、100℃、15分乾燥させた。乾燥機から取り出した後、膜をガラス板から剥離し、ステンレス製の枠に固定して、再び乾燥機の中に投じ、160℃、30分、200℃、30分乾燥した。室温(25℃)に冷却後、膜を枠から取り外し、10質量%硫酸水溶液に12時間室温で含浸した。蒸留水で洗浄した後、膜に付着した水分を濾紙(5A)で拭き取り電解質膜を作製した。
<膜電極接合体の調製>
白金担持量が50質量%である触媒担持カーボン粒子(田中貴金属株式会社製、TEC10V50E)1.0gを水に湿らせた後に、ナフィオン(登録商標)溶液(デュポン社製、「ナフィオン(登録商標)」溶液5質量%)10gを、均一になるように混合分散することによって、触媒ペーストA(粘度3.0Pa・s)を調製した。次いで、スプレーコーター(ノードソン社製、スラリー塗布装置III(登録商標))を用いて、この触媒ペーストAを実施例1で得られた電解質膜上の片側に塗布、乾燥することにより触媒層Aを形成した。また、白金担持量が30質量%、ルテニウム担持量が24質量%である触媒担持カーボン粒子(田中貴金属株式会社製、TEC61E54)1.0gを水に湿らせた後に、ナフィオン(登録商標)溶液(デュポン社製、「ナフィオン(登録商標)」溶液5質量%)12gを、均一になるように混合分散することによって、触媒ペーストB(粘度3.5Pa・s)を調製した。この触媒ペーストBを、スプレーコーターを用いて塗布、乾燥することにより、実施例1で得られた電解質膜上の触媒層Aの反対側に触媒層Bを形成し、実施例1で得られた電解質膜の両側に触媒層A及びBを形成し、膜電極接合体を得た。続けて、平板プレスのプレス板の間に、調製した膜電極接合体を挟持し、120℃、5MPaの条件で3分間挟持することで膜電極接合体1(触媒層A膜厚150μm、触媒層B膜厚150μm)を調製した。
白金担持量が50質量%である触媒担持カーボン粒子(田中貴金属株式会社製、TEC10V50E)1.0gを水に湿らせた後に、ナフィオン(登録商標)溶液(デュポン社製、「ナフィオン(登録商標)」溶液5質量%)10gを、均一になるように混合分散することによって、触媒ペーストA(粘度3.0Pa・s)を調製した。次いで、スプレーコーター(ノードソン社製、スラリー塗布装置III(登録商標))を用いて、この触媒ペーストAを実施例1で得られた電解質膜上の片側に塗布、乾燥することにより触媒層Aを形成した。また、白金担持量が30質量%、ルテニウム担持量が24質量%である触媒担持カーボン粒子(田中貴金属株式会社製、TEC61E54)1.0gを水に湿らせた後に、ナフィオン(登録商標)溶液(デュポン社製、「ナフィオン(登録商標)」溶液5質量%)12gを、均一になるように混合分散することによって、触媒ペーストB(粘度3.5Pa・s)を調製した。この触媒ペーストBを、スプレーコーターを用いて塗布、乾燥することにより、実施例1で得られた電解質膜上の触媒層Aの反対側に触媒層Bを形成し、実施例1で得られた電解質膜の両側に触媒層A及びBを形成し、膜電極接合体を得た。続けて、平板プレスのプレス板の間に、調製した膜電極接合体を挟持し、120℃、5MPaの条件で3分間挟持することで膜電極接合体1(触媒層A膜厚150μm、触媒層B膜厚150μm)を調製した。
<燃料電池の作製>
実施例1で得られた膜電極接合体1両側に燃料漏れ防止用のテトラフルオロエチレン(PTFE)シート、アノードセル、カソードセル、及び集電板を図3に示したように配置する。最後に全体を専用のボルトで固定し燃料電池(Electrochem, Inc. 社製 FC05−01SP−REF、電極面積5cm2、電極平均細孔径2μm、電極間隙率40%、サーペンタインフロー)を作製した。
実施例1で得られた膜電極接合体1両側に燃料漏れ防止用のテトラフルオロエチレン(PTFE)シート、アノードセル、カソードセル、及び集電板を図3に示したように配置する。最後に全体を専用のボルトで固定し燃料電池(Electrochem, Inc. 社製 FC05−01SP−REF、電極面積5cm2、電極平均細孔径2μm、電極間隙率40%、サーペンタインフロー)を作製した。
(実施例2)
<共重合体の合成>
全て実施例1と同様にして行った。得られたブロック共重合体の構造式、収量、収率、重量平均分子量、分散度、及びイオン交換当量重量(EW値)は以下に示すとおりである。
収量:137.7g、収率:93.5%、数平均分子量141390、分散度6.2、イオン交換当量重量値(EW値)414
構造式:
<共重合体の合成>
全て実施例1と同様にして行った。得られたブロック共重合体の構造式、収量、収率、重量平均分子量、分散度、及びイオン交換当量重量(EW値)は以下に示すとおりである。
収量:137.7g、収率:93.5%、数平均分子量141390、分散度6.2、イオン交換当量重量値(EW値)414
構造式:
<電解質膜の作製>
実施例1で得られた共重合体15g及び4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−(テトラヒドロキシメチル)ビフェニル1.5gをN−メチルピロリドン85gに溶解させた後、1000メッシュのフィルターを用いて加圧濾過し、さらに遊星攪拌型の脱泡装置で脱泡した。この溶液をガラス板上にギャップ400μmのバーコーターを用いて流延した後、熱風型乾燥機で60℃、15分、80℃、15分、100℃、15分乾燥させた。乾燥機から取り出した後、膜をガラス板から剥離し、ステンレス製の枠に固定して、再び乾燥機の中に投じ、160℃、30分、200℃、30分乾燥した。室温に冷却後、膜を枠から取り外し、10質量%硫酸水溶液に12時間室温で含浸した。蒸留水で洗浄した後、膜に付着した水分を濾紙(5A)で拭き取り電解質膜を作製した。
実施例1で得られた共重合体15g及び4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−(テトラヒドロキシメチル)ビフェニル1.5gをN−メチルピロリドン85gに溶解させた後、1000メッシュのフィルターを用いて加圧濾過し、さらに遊星攪拌型の脱泡装置で脱泡した。この溶液をガラス板上にギャップ400μmのバーコーターを用いて流延した後、熱風型乾燥機で60℃、15分、80℃、15分、100℃、15分乾燥させた。乾燥機から取り出した後、膜をガラス板から剥離し、ステンレス製の枠に固定して、再び乾燥機の中に投じ、160℃、30分、200℃、30分乾燥した。室温に冷却後、膜を枠から取り外し、10質量%硫酸水溶液に12時間室温で含浸した。蒸留水で洗浄した後、膜に付着した水分を濾紙(5A)で拭き取り電解質膜を作製した。
<膜電極接合体の調製>
実施例1で得られた電解質膜の替わりに実施例2で得られた電解質膜を用いた以外は実施例1と同様にして、膜電極接合体2を作製した。
実施例1で得られた電解質膜の替わりに実施例2で得られた電解質膜を用いた以外は実施例1と同様にして、膜電極接合体2を作製した。
<燃料電池の作製>
実施例2で得られた膜電極接合体2を用いた以外は実施例1と同様にして燃料電池を作製した。
実施例2で得られた膜電極接合体2を用いた以外は実施例1と同様にして燃料電池を作製した。
(比較例1)
<共重合体の合成>
ディーンスタークトラップ、コンデンサー、撹拌機および窒素供給管を備えた500mLの4つ口丸底フラスコに、4,4’−ジクロロ−3,3’−ジスルホン酸ナトリウムジフェニルスルホン 1水和物(101.860g,0.200モル)、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン(28.720g,0.100モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(62.064g,0.333モル)、炭酸カリウム(66.34g,0.48モル)、N−メチルピロリドン380mL、トルエン300mLを入れ、160℃に加熱して2時間撹拌したのち、温度を190℃に昇温してトルエンを留去しながら16時間撹拌した。この時のポリマーの数平均分子量は16000であった。110℃に冷却し、デカフルオロビフェニル(11.126g,0.033モル)とN−メチルピロリドン300mLを加え1時間撹拌したのち、140℃で6時間撹拌した。冷却後、この溶液を7000mLの水中に注ぎ、化合物を析出させた後、ろ過し精製水で十分に洗浄後、140℃の熱風乾燥機で6時間乾燥することで目的物である高分子量化SPESを得た。
収量:160.0g、収率:90.4%、数平均分子量160000、分散度3.4、イオン交換当量重量値(EW値)431
構造式:
<共重合体の合成>
ディーンスタークトラップ、コンデンサー、撹拌機および窒素供給管を備えた500mLの4つ口丸底フラスコに、4,4’−ジクロロ−3,3’−ジスルホン酸ナトリウムジフェニルスルホン 1水和物(101.860g,0.200モル)、4,4’−ジクロロジフェニルスルホン(28.720g,0.100モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(62.064g,0.333モル)、炭酸カリウム(66.34g,0.48モル)、N−メチルピロリドン380mL、トルエン300mLを入れ、160℃に加熱して2時間撹拌したのち、温度を190℃に昇温してトルエンを留去しながら16時間撹拌した。この時のポリマーの数平均分子量は16000であった。110℃に冷却し、デカフルオロビフェニル(11.126g,0.033モル)とN−メチルピロリドン300mLを加え1時間撹拌したのち、140℃で6時間撹拌した。冷却後、この溶液を7000mLの水中に注ぎ、化合物を析出させた後、ろ過し精製水で十分に洗浄後、140℃の熱風乾燥機で6時間乾燥することで目的物である高分子量化SPESを得た。
収量:160.0g、収率:90.4%、数平均分子量160000、分散度3.4、イオン交換当量重量値(EW値)431
構造式:
<電解質膜の作製>
比較例1で得られた共重合体15g及び4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−(テトラヒドロキシメチル)ビフェニル1.5gをN−メチルピロリドン85gに溶解させた後、1000メッシュのフィルターを用いて加圧濾過し、さらに遊星攪拌型の脱泡装置で脱泡した。この溶液をガラス板上にギャップ400μmのバーコーターを用いて流延した後、熱風型乾燥機で60℃、15分、80℃、15分、100℃、15分乾燥させた。乾燥機から取り出した後、膜をガラス板から剥離し、ステンレス製の枠に固定して、再び乾燥機の中に投じ、160℃、30分、200℃、30分乾燥した。室温に冷却後、膜を枠から取り外し、10質量%硫酸水溶液に12時間室温で含浸した。蒸留水で洗浄した後、膜に付着した水分を濾紙(5A)で拭き取り電解質膜を作製した。
比較例1で得られた共重合体15g及び4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−(テトラヒドロキシメチル)ビフェニル1.5gをN−メチルピロリドン85gに溶解させた後、1000メッシュのフィルターを用いて加圧濾過し、さらに遊星攪拌型の脱泡装置で脱泡した。この溶液をガラス板上にギャップ400μmのバーコーターを用いて流延した後、熱風型乾燥機で60℃、15分、80℃、15分、100℃、15分乾燥させた。乾燥機から取り出した後、膜をガラス板から剥離し、ステンレス製の枠に固定して、再び乾燥機の中に投じ、160℃、30分、200℃、30分乾燥した。室温に冷却後、膜を枠から取り外し、10質量%硫酸水溶液に12時間室温で含浸した。蒸留水で洗浄した後、膜に付着した水分を濾紙(5A)で拭き取り電解質膜を作製した。
<膜電極接合体の調製>
実施例1で得られた電解質膜の替わりに比較例1で得られた電解質膜を用いた以外は実施例1と同様にして、膜電極接合体3を作製した。
実施例1で得られた電解質膜の替わりに比較例1で得られた電解質膜を用いた以外は実施例1と同様にして、膜電極接合体3を作製した。
<燃料電池の作製>
比較例1で得られた膜電極接合体3を用いた以外は実施例1と同様にして燃料電池を作製した。
表1に実施例1、2及び比較例1の物性値をまとめて示した。
図4に実施例1、2及び比較例1の膜電極接合体を用いた燃料電池について、アノード側に10質量%メタノール水溶液を1ml/分、カソード側に空気を300ml/分、セル温度60℃の条件下での時間経過に対する出力特性を示した。
比較例1で得られた膜電極接合体3を用いた以外は実施例1と同様にして燃料電池を作製した。
表1に実施例1、2及び比較例1の物性値をまとめて示した。
図4に実施例1、2及び比較例1の膜電極接合体を用いた燃料電池について、アノード側に10質量%メタノール水溶液を1ml/分、カソード側に空気を300ml/分、セル温度60℃の条件下での時間経過に対する出力特性を示した。
表1より、電解質膜の水に対する接触角を制御し、架橋材を加えた実施例2は高いプロトン伝導率を示し、高い耐酸化性を示すことが判明した。
図4より、電解質膜の水に対する接触角を制御した実施例1、及び2の膜電極接合体は、良好な時間経過に対する出力特性を示すことが判明した。
図4より、電解質膜の水に対する接触角を制御した実施例1、及び2の膜電極接合体は、良好な時間経過に対する出力特性を示すことが判明した。
Claims (9)
- 触媒層及び炭化水素系電解質膜を含む膜電極接合体であって、前記炭化水素系電解質膜の水に対する接触角が75〜85度(25℃)である膜電極接合体。
- 炭化水素系電解質膜が、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基から選ばれる少なくとも一種のプロトン酸基を有する親水部と、疎水部とを有する共重合体である請求項1に記載の膜電極接合体。
- 炭化水素系電解質膜の親水部が下記式(1)及び/又は式(3)の(α)プロトン酸基を導入した芳香環を有する構造単位を含んでいることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の膜電極接合体。
Rは、水素または炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基又は炭素数2〜20のアシル基、及びフッ素であり、Xは水素、スルホン酸基、リン酸基、炭素数1〜6のアルキルスルホン酸基、炭素数1〜20のアルコキシスルホン酸基、炭素数1〜6のアルキルリン酸基、炭素数1〜20のアルコキシリン酸基から成るプロトン酸基を示す。mは、1〜4の置換基数を表わし、fは4−mの置換基数を表わす。nは、1〜4の置換基数を表わし、jは、4−nの置換基数を表わす。]
- 炭化水素系電解質膜の親水部が下記の式(4)及び/又は、式(5)の(β)プロトン酸基を導入した複素環を有する構造単位をふくむことを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載の膜電極接合体。
- 炭化水素系電解質膜の疎水部が、下記の式(9)及び/又は、式(10)の複素環を有する構造単位を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の膜電極接合体。
- 炭化水素系電解質膜が、さらに添加剤を含むことを特徴とする請求項1〜7いずれか一項に記載の膜電極接合体。
- 添加剤が、シランカップリング剤又は架橋剤である請求項1〜8いずれか一項に記載の膜電極接合体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008117195A JP2009266724A (ja) | 2008-04-28 | 2008-04-28 | 膜電極接合体 |
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JP2008117195A JP2009266724A (ja) | 2008-04-28 | 2008-04-28 | 膜電極接合体 |
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JP2008117195A Pending JP2009266724A (ja) | 2008-04-28 | 2008-04-28 | 膜電極接合体 |
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JP (1) | JP2009266724A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015008060A (ja) * | 2013-06-25 | 2015-01-15 | Jsr株式会社 | 電解質膜、膜−電極接合体および固体高分子型燃料電池 |
-
2008
- 2008-04-28 JP JP2008117195A patent/JP2009266724A/ja active Pending
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