JPH06260179A - 燃料電池用膜とガス拡散電極との接合体の製造方法 - Google Patents

燃料電池用膜とガス拡散電極との接合体の製造方法

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JPH06260179A
JPH06260179A JP5039183A JP3918393A JPH06260179A JP H06260179 A JPH06260179 A JP H06260179A JP 5039183 A JP5039183 A JP 5039183A JP 3918393 A JP3918393 A JP 3918393A JP H06260179 A JPH06260179 A JP H06260179A
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exchange membrane
ion exchange
fuel cell
electrode
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JP5039183A
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Hiroyoshi Takarada
博良 宝田
Saburo Okamoto
三郎 岡本
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フッ素系のカチオン交換膜を用いるプロトン
交換膜型燃料電池用の膜と電極の接合体の製造におい
て、燃料電池の出力特性の良い膜と電極の接合体の製造
方法を提供する。 【構成】 フッ素系のカチオン交換膜を用いるプロトン
交換膜型燃料電池用の膜と電極の接合体の製造におい
て、交換基に1価のアルカリ金属を交換基の対イオンと
して交換基を導入した状態で、アルコール類、グリコー
ル類及びアミン類の中から選ばれた1ないし2種類以上
の溶媒又はこれらの溶媒と水との混合溶媒中に浸漬し、
120℃以上220℃以下の温度で膨潤処理した膜の水
分含有量が40%以上300%以下である膜とガス拡散
電極を熱プレスして接合した後、接合体を酸処理して交
換基を酸型に変換する膜と電極との接合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カチオン交換膜を用い
たプロトン交換膜型燃料電池用膜とガス拡散電極の接合
体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、燃料電池はクリーンな電気エネル
ギー供給源として注目されており、特にその中で、イオ
ン交換膜を用いた燃料電池は、作動温度が100℃以下
と低くても、そのエネルギー密度が高いことから、移動
用の電源として例えば電気自動車の電源や、簡易補助電
源等として期待されている。水素と酸素の化学エネルギ
ーを白金を主体とする触媒を用いた電極とプロトン交換
膜を用い直接電気エネルギーに変換するプロトン交換膜
型燃料電池は、熱力学におけるカルノーサイクルの制限
を受けず高い効率で運転が可能である。理論効率は25
℃において83%にも達する。
【0003】しかし、現状ではまだ実用化と言う面から
は、いくつかの欠点が指摘されている。特にイオン交換
膜に関する面では、高電流密度での使用において、イオ
ン交換膜固有の電気抵抗によるエネルギーロスがまだ大
きいことが最大の欠点としてあげられる。現在燃料電池
用のフッ素系のイオン交換膜は、イオン交換膜法クロル
アルカリ電解で大量に使用されているものとポリマー構
造は類似のもので、例えば米国デュポン社製ナフィオン
117(登録商標)のパーフルオロスルホン酸の均一膜
が使用されている。
【0004】しかしこの膜は、膜厚が175μmと厚く
当量重量が1100と大きいために膜の抵抗が大きく、
そのため燃料電池の出力特性を悪化させている。そのた
めに膜の抵抗を小さくすることが不可欠であり、この欠
点を補うために種々の方法が提案されている。例えば、
膜抵抗を小さくするために膜の伝導度を高めるには、膜
の当量重量を小さくすることが必須である。そのため
に、分子量の小さいモノマーを原料にして当量重量88
0のプロトン交換膜を用いて膜の伝導度を高め、出力密
度を高める工夫(Journal of Power Sources,29(1990)3
89-398など)やナフィオン117(登録商標)の膜厚を
100μm、50μmに薄くした膜を用いて膜抵抗を小
さくする工夫がなされている(Journal of Power Sourc
es,36(1991)299-320など)。
【0005】しかし、これらの提案を満足してもなお燃
料電池の出力特性を充分に改善できないのが実情であ
る。それは、ひとえにプロトン交換膜の抵抗を充分に向
上させることができないためである。燃料電池用のイオ
ン交換膜と電極との接合方法については、特開平3ー8
4866号公報のように密閉系で飽和水蒸気の下で加熱
・加圧して接合する方法や、特開平4ー233165号
公報のように水中で行う方法も提案されている。しか
し、これらの方法では、手間もかかる上イオン交換膜の
電気伝導度を高く維持することは難しく、出力の高い燃
料電池を形成できる接合体は得られなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる状況
下にあって、高いプロトン伝導度を保持するための膜と
電極の接合体の製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意検討し
た結果、上記の問題点を克服し、イオン交換膜の電気抵
抗が低く、長期にわたり出力の低下のない高性能なイオ
ン交換膜と電極との接合体の製造方法を完成するに到っ
た。すなわち、本発明は、フッ素系のカチオン交換膜を
用いるプロトン交換膜型燃料電池用の電極と膜の接合体
の製造において、イオン交換基の前駆体を含むシートに
1価のアルカリ金属を交換基の対イオンとして交換基を
導入した後、アルコール類、グリコール類及びアミン類
の中から選ばれた1ないし2種類以上の溶媒又はこれら
の溶媒と水との混合溶媒中に浸漬し、120℃以上22
0℃以下の温度で膨潤処理して水分含有量が40%以上
300%以下になるようにした後、該イオン交換膜とガ
ス拡散電極とを熱プレスして接合し、その後交換基を酸
型に変換する燃料電池用膜とガス拡散電極との接合体の
製造方法である。
【0008】燃料電池は、電池に供給される燃料の酸化
により化学的エネルギーを直接電気エネルギー変換する
電気化学装置であり、その構造によりいくつかの種類が
あるが、本発明が利用できるのは、電解質として固体高
分子電解質、特にフッ素系プロトン交換膜を用いた燃料
電池である。以下本発明においては、燃料電池用隔膜と
して用いるフッ素系プロトン交換膜のことをイオン交換
膜と言う。
【0009】本発明が適用される燃料電池は、一般にイ
オン交換膜をはさんでその両側に電極が接合されてお
り、ガス拡散電極の一方には燃料(例えば水素)が供給
され、もう一方には酸化体(例えば酸素又は空気)が供
給されることにより電極反応を生ずる構造になってい
る。燃料電池内では、電極触媒により供給された燃料が
酸化されプロトン即ち水素イオンを発生し、イオン交換
膜内をイオン伝導によりもう一方の電極に到達し、酸化
体により水を生成する反応が起こっている。
【0010】イオン交換膜は、燃料電池の電極と加熱下
で圧力をかけることにより接合されており、実質的に電
極と一体構造に形成されて用いられている。したがっ
て、イオン交換膜は燃料電池内において、水素イオンを
伝導するための電解質としての役割と燃料と酸化体が加
圧下においても直接混合しないための隔膜としての役割
の両方を備える必要がある。
【0011】燃料電池用イオン交換膜は、その全体の厚
さが20〜200μm、好ましくは50〜100μmの
ものが採用される。ところで、イオン交換膜の電気伝導
性は、一般的には当量重量により異なるとされている。
ここで言うイオン交換膜の当量重量とは、1当量(e
q)の交換基を持つ乾燥イオン交換樹脂の重量(g)を
示している。当量重量は、大きいほど含水率や電気伝導
度は低くなり小さいほど大きくなる傾向があるとされて
きた。しかし従来は単純に当量重量を小さくしても、あ
まり大幅な電気伝導度の向上は図れず、実際の燃料電池
出力を大幅に高められなかった。
【0012】ところが、イオン交換膜の交換基の対イオ
ンとして1価のアルカリ金属を持つものに膨潤処理を施
し、そのまま電極と接合し、その後イオン交換基の対イ
オンをプロトンに置換することにより含水率が高く電気
伝導度を大幅に向上した接合体が得られたのである。何
故このようにイオン交換基の対イオンとして1価のアル
カリ金属イオンを用いると、その後の電極との接合体を
形成する際に収縮による含水率の低下や電気伝導度の低
下が生じないのかについては明確ではないが、アルカリ
金属イオンの原子の大きさや水分との結合状態に起因し
ているものと推定している。
【0013】膨潤処理を行う有機溶媒としては、水に可
溶でイオン交換膜の膨潤ができるものであれば何でも良
いが、アルコール類、グリコール類、及びアミン類が好
ましい。具体的には、アルコール類であれば、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブ
タノール等が好ましく、グリコール類であれば、エチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール等が好ましく、
アミン類であれば、ジエタノールアミン、テトラエタノ
ールアミン等が好ましく用いられる。これらの有機溶媒
は、水との混合液や、前記の溶媒の混合液であっても良
い。
【0014】膨潤処理を行うための温度としては、溶媒
中に浸漬し、120℃以上220℃以下の温度で行うこ
とが好ましく、更に望ましくは150℃以上200℃以
下の温度範囲が一層好ましい。このような温度範囲で膨
潤処理を行うのは、120℃未満の温度では、充分な膨
潤効果が得られないためであり、220℃より高い温度
では、膜の強度が保たれなかったり、あるいは変形や破
損の可能性が有るからである。
【0015】膨潤処理後のイオン交換膜の含水率は、4
0%以上300%以下であることが好ましい。この理由
は、含水率が40%未満の膜では、膜の膨潤処理が不十
分なために膜とガス拡散電極との接合を施しても膜の伝
導度が小さいために充分な出力特性の改善がみられず、
水分含水量が300%より大きい膜では、膜が膨潤し過
ぎるためにプレスの際に電極との十分な密着が得られな
いためである。このため更に望ましくは膨潤処理後の膜
の含水量は、70%以上230%以下が好ましい。
【0016】本発明に用いられるイオン交換膜は下記
(1)の化学式を繰り返し単位として有することが望ま
しい。
【0017】
【化1】
【0018】特にx=1であると膨潤率、電気伝導度も
大きくできるので望ましい。イオン交換基の対イオンと
しては1価のアルカリ金属類を用いるが、特にリチウ
ム、ナトリウム、カリウム等が含水率が高くできるので
好ましい。膨潤処理を行うイオン交換膜の当量重量とし
ては、特に限定されないが、実用的には1200g/e
q〜700g/eqがイオン交換膜の強度や交換基の密
度からも適当である。
【0019】このようにして膨潤処理させたイオン交換
膜とガス拡散電極との接合は、約120℃〜200℃の
温度でプレスをすることによって行われるが、本発明は
このような操作の際、イオン交換膜から水分が蒸発して
も、その後水中で水分を膜内へしみこませるだけで元の
含水率に戻る特性があるので、電気伝導度は全く低下し
ないという効果がある。例えば、膨潤処理したイオン交
換膜を、150℃の温度で乾燥させた後、水中に戻す操
作を行っても全く含水率は変化しない。これに反し、イ
オン交換基の対イオンをプロトンとして膨潤処理をした
場合は、130℃で乾燥させると含水率は膨潤処理前の
含水率に低下してしまう。従って本発明においては、イ
オン交換膜の乾燥を考慮せずに行えるので非常に簡単に
接合が可能となる。
【0020】イオン交換膜と電極との接合体を形成した
後イオン交換基の対イオンをプロトン型に置換する必要
がある。その方法としては、接合体を8%の硫酸溶液に
100℃の温度で浸漬することによりプロトン型に置換
できる。しかし、本発明においてはこの方法に限定され
ず、電極の触媒が劣化しないように場合に応じて色々な
方法が採用できる。
【0021】かくして本発明の接合体の製造方法は、イ
オン交換膜の電気伝導度を高く維持することができるの
で、電圧ロスの少ない高性能な燃料電池を構成できる。
次に本発明を実施例により説明するが、これのみに限定
されるものではない。
【0022】
【実施例】イオン交換膜電気伝導度と含水率の測定は、
本発明では以下の方法で行った。 (イオン交換膜の電気伝導度)測定方法としては文献に
公知の測定手法が示されている。例えばMark W.Verbrug
ge,Robert F.Hill等(J.Electrochem.Soc.,Vol.137,NO.1
2,December1990)の方法等がある。本発明者等が用いた
方法は、白金電極を備えた2つの単セルに、イオン交換
基の対イオンをプロトン型にした酸型のイオン交換膜を
はさみ、単セル内には30%〜45%硫酸溶液を満たし
て、10mA/cm2 〜200mA/cm2 の直流電流
を流し、イオン交換膜の両サイドの電位を参照電極によ
り測定し電気伝導度を算出する方法で測定した。
【0023】(イオン交換膜の含水率測定方法)イオン
交換基の対イオンをプロトン型にしたイオン交換膜を純
水中で100℃1時間沸騰後、室温まで冷却後、すばや
く膜の表面の水分を拭き取り、重量を測定する。その後
その膜を真空下で90〜110℃で5時間乾燥させ、吸
湿しないように重量を測定する。含水した膜の重量から
乾燥させた膜の重量を差し引き、その値を乾燥した膜の
重量で割り返した値に100をかけ含水率を求めた。
【0024】
【実施例1】次の化学式の繰り返し単位を有する、当量
重量1000g/eqで厚み100μmのパーフルオロ
スルホン酸ナトリウム型イオン交換膜Aを準備した。
【0025】
【化2】
【0026】イオン交換膜Aをエチレングリコール、分
子量400のポリエチレングリコール、テトラエタノー
ルアミンの三種類の溶媒を準備し、上記の式で示される
イオン交換膜を各々の溶媒について130℃、150
℃、170℃の三水準の温度で6時間浸漬し膨潤処理を
行なった。膨潤処理後に0.4%の苛性ソーダ溶液に9
0℃で16時間浸漬することを2度繰り返した後水洗
し、150℃の温度で5分間乾燥させた。その後、10
0℃純水中で1時間ボイルした。更に8%の硫酸溶液に
60℃で16時間浸漬し、最後にこのイオン交換膜を1
00℃純水にて1時間ボイルし、イオン交換基の対イオ
ンをプロトン型とした。
【0027】このようにして処理したイオン交換膜につ
いて、含水率、電気伝導度以下の手順にて測定した。上
記手順によって得られたイオン交換膜を純水中で100
℃1時間沸騰後、室温まで冷却後、すばやく膜の表面の
水分を拭き取り、重量を測定する。その後その膜を真空
下で110℃で5時間乾燥させ、吸湿しないように重量
を測定する。含水した膜の重量から乾燥させた膜の重量
を差し引き、その値を乾燥した膜の重量で割り返した値
に100をかけ含水率を求めた。
【0028】更に、電気伝導度を求めるために上記手順
によって得られたイオン交換膜を一晩純水中に室温で浸
漬したのち、白金電極を備えた2つの単セルに、イオン
交換膜をはさみ、単セル内には32%硫酸溶液を満たし
て、10mA/cm2 〜200mA/cm2 の直流電流
を流してイオン交換膜の両サイドの電位をルギン毛管と
銀−塩化銀参照電極により測定し算出した。測定は、3
0℃で行った。
【0029】以上のようにして得られた結果を表1に示
す。
【0030】
【比較例1】実施例1のイオン交換膜Aをあらかじめ8
%の硫酸溶液に60℃で16時間浸漬し、次に100℃
純水にて1時間ボイルし、イオン交換基の対イオンをプ
ロトン型とした。このイオン交換膜を、実施例1と全く
同様な方法で膨潤処理をした後水洗して150℃で5分
間乾燥させ、その後更に100℃純水にて1時間ボイル
した。又ブランクとして、硫酸溶液で処理後、膨潤処理
を加えたかったものも合わせて準備した。
【0031】このイオン交換膜を実施例1と同様に含水
率、電気伝導度を測定した。結果を表1に示す。これら
の結果から、本発明の方法による膨潤処理が電気伝導度
を高め、その後加熱下での乾燥状態を経ても効果を失っ
ていないことが明確である。
【0032】
【表1】
【0033】
【実施例2】実施例1と全く同様にイオン交換膜Aをエ
チレングリコール溶液で130℃の温度で6時間の膨潤
処理を行ない、膨潤処理後に0.4%の苛性ソーダ溶液
に90℃で16時間浸漬することを2度繰り返した後水
洗し、更に100℃純水中で1時間ボイルした、イオン
交換膜の3cm×3cmのもの1枚を準備した。 次に
電極として米国E−TEK社製のガス拡散電極(触媒白
金量0.38mg/cm2 )2cm×2cmのものを2
枚準備し、この各々のガス拡散電極の触媒担持面に、ナ
フィオン(登録商標)の5%溶液を筆で塗布し、60℃
で1時間乾燥した。塗布重量は、乾燥後0.65mg/
cm2 のイオン交換樹脂成分が残る重量とした。
【0034】次に、このイオン交換膜を接合材を塗布し
た電極面で挟み込み、165℃、100kg/cm2で2分間
プレス接合を施した。そののち、膜と電極との接合体を
8%硫酸水溶液中で1時間沸騰し、液を2回更新してこ
の操作を合計3回行った。その後純水で1時間沸騰し、
液を2回更新してこの操作を合計3回行った。電極の水
分を濾紙で十分拭き取った。
【0035】このようにして形成された、イオン交換膜
−電極接合体を2個の給電体とガスの取り入れ口及びガ
ス抜き出し口のあるグラファイト製フランジの間に装着
して燃料電池本体を構成した。燃料電池を外部負荷に接
続し、一方に60℃の水蒸気で飽和された水素ガス、も
う一方に55℃の水蒸気で飽和された空気をガス取り入
れ口から供給し、燃料電池本体を約50℃、1atmに
保ちの出力電流と出力電圧を測定した。その結果を図1
に示す。
【0036】
【比較例2】実施例1と全く同様にイオン交換膜Aをエ
チレングリコール溶液で130℃の温度で6時間の膨潤
処理を行なった、イオン交換膜の3cm×3cmのもの
1枚を準備した。このイオン交換膜を8%硫酸水溶液中
で1時間沸騰し、液を2回更新してこの操作を合計3回
行った。その後純水で1時間沸騰し、液を2回更新して
この操作を合計3回行った。
【0037】次に実施例2と同様に米国E−TEK社製
のガス拡散電極2枚準備し、ナフィオン(登録商標)の
5%溶液を筆で塗布し乾燥した。更にこのイオン交換膜
を接合材を塗布した電極面で挟み込み、165℃100
kg/cm2で2分間プレス接合を施した。このようにして形
成された、イオン交換膜−電極接合体を2個の給電体と
ガスの取り入れ口及びガス抜き出し口のあるグラファイ
ト製フランジの間に装着して燃料電池本体を構成した。
【0038】燃料電池を外部負荷に接続し、一方に60
℃の水蒸気で飽和された水素ガス、もう一方に55℃の
水蒸気で飽和された空気をガス取り入れ口から供給し、
燃料電池本体を約50℃、1atmに保ち出力電流と出
力電圧を測定した。その結果を図1に示す。本発明のイ
オン交換膜が、燃料電池の出力向上と最高作動電流の向
上に大きな効果があることを示している。
【0039】
【発明の効果】プロトン交換膜型燃料電池のカチオン交
換膜に交換基に1価のアルカリ金属を交換基の対イオン
として交換基を導入した状態でイオン交換膜を溶媒で膨
潤処理を行い、ガス拡散電極と熱プレスすることで接合
を施したのち、酸処理することで交換基を酸型にしたイ
オン交換膜と電極の接合体をもちいて燃料電池として運
転した場合に膜の伝導度が大きいために出力特性が向上
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2と比較例2になるプロトン交換型燃料
電池の出力電流と出力電圧の特性を示す特性図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素系のカチオン交換膜を用いるプロ
    トン交換膜型燃料電池用の電極と膜の接合体の製造にお
    いて、 1)イオン交換基の前駆体を含むシートに1価のアルカ
    リ金属を交換基の対イオンとして交換基を導入した後、 2)アルコール類、グリコール類及びアミン類の中から
    選ばれた1ないし2種類以上の溶媒又はこれらの溶媒と
    水との混合溶媒中に浸漬し、 3)120℃以上220℃以下の温度で膨潤処理して含
    水率が40%以上300%以下になるようにした後、 4)該イオン交換膜とガス拡散電極とを熱プレスして接
    合し、 5)その後交換基を酸型に変換する ことを特徴とするイオン交換膜と電極との接合体の製造
    方法。
JP5039183A 1993-03-01 1993-03-01 燃料電池用膜とガス拡散電極との接合体の製造方法 Withdrawn JPH06260179A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005276599A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Jsr Corp 電解質膜−電極接合体の製造方法
JP2009176573A (ja) * 2008-01-24 2009-08-06 Fuji Electric Holdings Co Ltd 燃料電池の膜・電極接合体の製造方法
US8889584B2 (en) 2010-01-07 2014-11-18 Kabushikikaisha Equos Research Apparatus for production of fuel cell catalyst layer, method for production of fuel cell catalyst layer, polyelectrolyte solution, and process for production of polyelectrolyte solution

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