JP2004185900A - 燃料電池用電極、膜・触媒層接合体、燃料電池、およびこれらの製造方法 - Google Patents

燃料電池用電極、膜・触媒層接合体、燃料電池、およびこれらの製造方法 Download PDF

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吉弘 生駒
Shigeru Sakamoto
滋 坂本
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Abstract

【課題】触媒層において炭素粒子に担持されている触媒表面のイオン交換樹脂に対する親和性が向上され、高い出力が発揮される燃料電池用電極、膜・触媒層接合体、燃料電池、およびこれらの製造方法を提供する。また、少ない触媒量で触媒効率の高い燃料電池用電極、膜・触媒層接合体、燃料電池、およびこれらの製造方法を提供する。
【解決手段】炭素粒子に触媒金属を担持させて触媒担持用炭素粒子を得た後、得られた触媒担持炭素粒子の表面にプラズマ処理を行い、表面を親水化する。こうして表面処理の施された触媒担持炭素粒子を触媒層26または触媒層30に用いる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料電池用電極、燃料電池、膜・触媒層接合体、およびこれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、エネルギー変換効率が高く、かつ、発電反応により有害物質を発生しない燃料電池が注目を浴びている。こうした燃料電池の一つとして、100℃以下の低温で作動する固体高分子型燃料電池が知られている。
【0003】
固体高分子型燃料電池は、電解質膜である固体高分子膜を燃料極と空気極との間に配した基本構造を有し、燃料極に水素を含む燃料ガス、空気極に酸素を含む酸化剤ガスを供給し、以下の電気化学反応により発電する装置である。
燃料極:H→2H+2e(1)
空気極:1/2O+2H+2e→HO(2)
【0004】
燃料極および空気極は、触媒層とガス拡散層が積層した構造からなる。各電極の触媒層が固体高分子膜を挟んで対向配置され、燃料電池を構成する。触媒層は、触媒を担持した炭素粒子がイオン交換樹脂により結着されてなる層である。ガス拡散層は酸化剤ガスや燃料ガスの通過経路となる。
【0005】
燃料極においては、供給された燃料中に含まれる水素が上記式(1)に示されるように水素イオンと電子に分解される。このうち水素イオンは固体高分子電解質膜の内部を空気極に向かって移動し、電子は外部回路を通って空気極に移動する。一方、空気極においては、空気極に供給された酸化剤ガスに含まれる酸素が燃料極から移動してきた水素イオンおよび電子と反応し、上記式(2)に示されるように水が生成する。このように、外部回路では燃料極から空気極に向かって電子が移動するため、電力が取り出される。
【0006】
ここで、上記式(1)および(2)の発電反応は、触媒層における触媒、イオン交換樹脂および反応ガスのいわゆる三相界面において進行する。このため、炭素粒子に担持された触媒のうち、実際に発電反応に寄与することができるのは、イオン交換樹脂に被覆されている表面のみである。したがって、従来の燃料電池においては、炭素粒子に担持された触媒とイオン交換樹脂との接触面積を充分に確保するために充分な量の触媒を添加する必要があった。しかし、触媒に用いられる金属は高価であるため、より少ない触媒量で、より高い電極特性を発揮させる技術が求められていた。
【0007】
一方、二次電池の分野においては、電極に用いる炭素材料の塗れ性を向上させる方法として、炭素材料の表面にプラズマ処理を施す技術が提案されている(特許文献1)。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−105938号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、触媒層において炭素粒子に担持されている触媒表面のイオン交換樹脂に対する親和性が向上され、高い出力が発揮される燃料電池用電極、膜・触媒層接合体、燃料電池、およびこれらの製造方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、少ない触媒量で触媒効率の高い燃料電池用電極、膜・触媒層接合体、燃料電池、およびこれらの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、炭素粒子表面に触媒金属を担持させ、触媒担持炭素粒子を得る工程と、前記触媒担持炭素粒子の表面にプラズマ照射を行う工程と、プラズマ照射された触媒担持炭素粒子と、イオン交換樹脂とを含む塗布液をガス拡散層上に塗布し、触媒層を形成する工程と、を含むことを特徴とする燃料電池用電極の製造方法が提供される。
【0011】
また、本発明によれば、炭素粒子表面に触媒金属を担持させ、触媒担持炭素粒子を得る工程と、前記触媒担持炭素粒子の表面にプラズマ照射を行う工程と、プラズマ照射された触媒担持炭素粒子と、イオン交換樹脂とを含む塗布液を固体高分子電解質膜上に塗布し、触媒層を形成する工程と、を含むことを特徴とする膜・触媒層接合体の製造方法が提供される。
【0012】
本発明において、「膜・触媒層接合体」とは、固体高分子電解質膜と触媒層との接合体のことを指す。
【0013】
本発明においては、触媒担持炭素粒子の表面にプラズマ照射を行うため、触媒担持炭素粒子の表面処理を確実に行うことができる。たとえば本発明の燃料電池用電極の製造方法において、プラズマを照射する前記工程は、前記触媒担持炭素粒子の表面を親水化する工程を含むことができる。また、本発明の膜・触媒層接合体の製造方法において、プラズマを照射する前記工程は、前記触媒担持炭素粒子の表面を親水化する工程を含むことができる。
【0014】
触媒担持炭素粒子の表面にイオン交換樹脂がなじみやすくなるように表面処理を行うことにより、触媒反応に寄与しうる触媒の表面積を増加させることができる。したがって、触媒反応の効率を向上させ、電極特性に優れた燃料電池用電極を得ることができる。また、触媒の表面積を増加させることにより、触媒層中に添加する触媒量を低減することができるため、製造コストを低下させることができる。
【0015】
本発明の燃料電池用電極の製造方法において、プラズマを照射する前記工程は、前記触媒担持炭素粒子の表面に親水基を形成する工程を含むことができる。また、本発明の膜・触媒層接合体の製造方法において、プラズマを照射する前記工程は、前記触媒担持炭素粒子の表面に親水基を形成する工程を含むことができる。親水基を形成することにより、触媒担持炭素粒子の表面にイオン交換樹脂がなじみやすくなるため、触媒反応に寄与しうる触媒の表面積をさらに増加させることができる。
【0016】
本発明によれば、ガス拡散層と、該ガス拡散層上に形成された触媒層を有し、前記触媒層は触媒担持炭素粒子およびイオン交換樹脂を含み、前記触媒炭素粒子は、親水化された表面を有する粒子であることを特徴とする燃料電池用電極が提供される。
【0017】
また、本発明によれば、固体高分子電解質膜と、該固体高分子電解質膜上に形成された触媒層を有し、前記触媒層は触媒担持炭素粒子およびイオン交換樹脂を含み、前記触媒炭素粒子は、親水化された表面を有する粒子であることを特徴とする膜・触媒層接合体が提供される。
【0018】
こうすることにより、触媒担持炭素粒子の表面にイオン交換樹脂がなじみやすくなり、触媒担持炭素粒子とイオン交換樹脂との接触面積をさらに増加させることができる。
【0019】
本発明によれば、前記燃料電池用電極の製造方法により燃料電池用電極を作製する工程と、2枚の電極のうち少なくとも1枚に前記燃料電池用電極を用い、前記2枚の電極で固体高分子電解質膜を挟んだ状態で、前記固体高分子電解質膜と前記電極とを圧着する工程と、を含むことを特徴とする燃料電池の製造方法が提供される。
【0020】
また、本発明によれば、前記膜・触媒層接合体の製造方法により、固体高分子電解質膜上に燃料電池用電極を形成する工程と、2枚のガス拡散層で前記燃料電池用電極を挟んだ状態で前記ガス拡散層と前記燃料電池用電極とを圧着する工程と、を含むことを特徴とする燃料電池の製造方法が提供される。
【0021】
また、本発明によれば、燃料極側の燃料電池用電極と、空気極側の燃料電池用電極と、これらに挟持される固体高分子電解質膜と、を含み、少なくとも前記燃料極側の燃料電池用電極または空気極側の燃料電池用電極の一方が前記燃料電池用電極であることを特徴とする燃料電池が提供される。
【0022】
また、本発明によれば、前記膜・触媒層接合体と、該膜・触媒層接合体における前記触媒層に接して設けられたガス拡散層と、を含むことを特徴とする燃料電池が提供される。
【0023】
本発明に係る燃料電池では、触媒層における触媒の反応効率が高いため、高い出力が安定的に発揮される燃料電池を得ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明する。まず、本実施の形態に係る固体高分子型燃料電池について説明する。
【0025】
図1は、本発明の実施の形態に係る燃料電池10の断面構造を模式的に示す。燃料電池10は平板状のセル50を備え、このセル50の両側にはセパレータ34およびセパレータ36が設けられる。この例では一つのセル50のみを示すが、セパレータ34やセパレータ36を介して複数のセル50を積層して、燃料電池10が構成されてもよい。セル50は、固体高分子電解質膜20、燃料極22および空気極24とを有する。燃料極22および空気極24を「ガス拡散電極」と呼んでもよい。燃料極22は、積層した触媒層26およびガス拡散層28を有し、同様に空気極24も、積層した触媒層30およびガス拡散層32を有する。燃料極22の触媒層26と空気極24の触媒層30は、固体高分子電解質膜20を挟んで対向するように設けられる。
【0026】
燃料極22側に設けられるセパレータ34にはガス流路38が設けられており、このガス流路38を通じてセル50に燃料ガスが供給される。同様に、空気極24側に設けられるセパレータ36にもガス流路40が設けられ、このガス流路40を通じてセル50に酸化剤ガスが供給される。具体的には、燃料電池10の運転時、ガス流路38から燃料極22に燃料ガス、例えば水素ガスが供給され、ガス流路40から空気極24に酸化剤ガス、例えば空気が供給される。これにより、セル50内で発電反応が生じる。ガス拡散層28を介して触媒層26に水素ガスが供給されると、ガス中の水素がプロトンとなり、このプロトンが固体高分子電解質膜20中を空気極24側へ移動する。このとき放出される電子は外部回路に移動し、外部回路から空気極24に流れ込む。一方、ガス拡散層32を介して触媒層30に空気が供給されると、酸素がプロトンと結合して水となる。この結果、外部回路においては燃料極22から空気極24に向かって電子が流れることとなり、電力を取り出すことができる。
【0027】
固体高分子電解質膜20は、湿潤状態において良好なイオン伝導性を示すことが好ましく、燃料極22および空気極24の間でプロトンを移動させるイオン交換膜として機能する。固体高分子電解質膜20は、含フッ素重合体や非フッ素重合体等の固体高分子材料によって形成され、例えば、スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体、ポリサルホン樹脂、ホスホン酸基又はカルボン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体等を用いることができる。スルホン酸型パーフルオロカーボン重合体の例として、ナフィオン(デュポン社製:登録商標)112などがあげられる。また、また、非フッ素重合体の例として、スルホン化された、芳香族ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホンなどがあげられる。
【0028】
燃料極22における触媒層26および空気極24における触媒層30は、多孔膜であり、イオン交換樹脂と、触媒を担持した炭素粒子すなわち触媒担持炭素粒子とから構成されるのが好ましい。担持される触媒には、例えば白金、ルテニウム、ロジウムなどの1種または2種を混合したものなどがある。触媒層26と触媒層30には同じ物質を用いてもよいし、異なる物質を用いてもよい。また触媒を担持する炭素粒子には、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブなどがある。
【0029】
イオン交換樹脂は、触媒を担持した炭素粒子と固体高分子電解質膜20を接続し、両者間においてプロトンを伝達する役割を持つ。イオン交換樹脂は、固体高分子電解質膜20と同様の高分子材料から形成されてよい。
【0030】
ここで、触媒層26または触媒層30に含まれる触媒担持炭素粒子には、酸素プラズマ照射が施されたものを用いる。酸素プラズマ照射により、触媒担持炭素粒子表面にはヒドロキシル基が導入され、親水化している。このため、イオン交換樹脂の親水部と触媒担持炭素粒子との塗れ性が向上される。したがって、触媒反応に寄与できる触媒の表面積が大きく、触媒担持炭素粒子における触媒表面での水素イオンの触媒反応が効率よく進行する。したがって、燃料電池10においては高い出力が安定的に発揮され、優れた電池性能を有する。
【0031】
燃料極22におけるガス拡散層28および空気極24におけるガス拡散層32は、供給される水素ガス又は空気を触媒層26および触媒層30に供給する機能をもつ。また発電反応により生じる電荷を外部回路に移動させる機能や、水や未反応ガスなどを外部に放出する機能ももつ。ガス拡散層28およびガス拡散層32は、電子伝導性を有する多孔体で構成されることが好ましく、例えばカーボンペーパーやカーボンクロスなどで構成される。
【0032】
次に、セル50の作製方法の一例を示す。まず、燃料極22および空気極24を作製するべく、白金などの触媒金属を、例えば含浸法やコロイド法を用いて触媒担持用炭素粒子に担持させる。こうして得られた触媒担持用炭素粒子と触媒金属との複合体を、触媒担持炭素粒子と呼ぶ。
【0033】
次に、得られた触媒担持炭素粒子に、プラズマ処理を施す。プラズマの照射電源としては、たとえば高周波コロナ放電、交流グロー放電、直流プラズマジェット、高周波無極放電、等から選択することができる。
【0034】
また、処理ガスとしては、たとえばカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基等の親水基を表面に形成させることができるガスを選択することができる。酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、一酸化窒素、二酸化窒素、水蒸気、空気、アンモニア、またはこれらの酸化物を用いることができる。
【0035】
また、親水基を導入する上述のガスの他にも、たとえばヘリウム、アルゴン、またはこれらの混合ガスを用いることもできる。さらに、上述のガスと、これらとの混合ガスを用いてもよい。
【0036】
以上の処理ガスのうち、効率よく確実に親水基化を行うためには、たとえば水蒸気を用いることが好ましい。水蒸気を用いることにより、触媒担持炭素粒子の表面にヒドロキシル基が確実に導入され、表面を親水化することができる。
【0037】
プラズマ照射は、たとえば以下のようにして行う。すなわち、反応チャンバーに触媒担持炭素粒子を入れ、0.1Torr以下の真空条件下で処理ガスを導入し、0.1Torr以上2.0Torr以下の気圧下、プラズマ出力10W以上500W以下において10分以上180分程度プラズマ照射を行う。こうすると、触媒担持炭素粒子表面が親水化し、イオン交換樹脂との親和性が向上する。
【0038】
より具体的には、たとえば水蒸気を処理ガスとする場合、出力20W、圧力1Torrにて1時間の処理とすることができる。このようにすると、触媒担持炭素粒子表面に充分なヒドロキシル基を導入することができる。
【0039】
こうして表面にプラズマ処理を施された触媒担持粒子とイオン交換樹脂とを溶媒に分散させて触媒インクを生成する。得られた触媒インクをガス拡散層となる例えばカーボンペーパーに塗布して加熱、乾燥させることにより、燃料極22および空気極24を作製する。塗布方法は、例えば刷毛塗り、スプレー塗布、スクリーン印刷、ドクターブレード塗布、転写の技術を用いてもよい。
【0040】
続いて、固体高分子電解質膜20を、燃料極22の触媒層26と空気極24の触媒層30とで挟み、ホットプレスして接合する。これにより、セル50が作製される。固体高分子電解質膜20や、触媒層26および触媒層30におけるイオン交換樹脂を軟化点やガラス転移のある高分子材料で構成する場合、軟化温度やガラス転移温度を超える温度でホットプレスを行うことが好ましい。
【0041】
セル50の別の作製方法として、以下の例があげられる。触媒インクを直接、固体高分子電解質膜20に塗布して加熱、乾燥させることにより、触媒層26および触媒層30を形成してもよく、塗布方法としては例えばスプレー塗布などの技術を用いてもよい。この触媒層26および触媒層30の外側にガス拡散層28およびガス拡散層32を配設し、ホットプレスを行うことでセル50を作製してもよい。セル50のさらに別の作製方法として、触媒インクをテフロン(登録商標)シートなどの上に塗布して加熱、乾燥させることにより、触媒層26および触媒層30を形成してもよく、塗布方法としては例えばスプレー塗布やスクリーン印刷などの技術を用いてもよい。続いて、テフロンシート上に形成した触媒層26および触媒層30を固体高分子電解質膜20に対向させることで挟み、ホットプレスして接合する。その後テフロンシートを剥離し、触媒層26および触媒層30の外側にガス拡散層28およびガス拡散層32を配設してもよい。
【0042】
図2は、セル50の断面構造を模式的に示す。燃料極22において、触媒層26が、カーボンペーパーなどで構成されるガス拡散層28の表面よりも内側に入り込んでいる様子が示される。空気極24においても、触媒層30がガス拡散層32の内側に入り込んでいる。
【0043】
以上により得られる燃料電池10は、触媒層26および触媒層30に含まれる触媒担持炭素粒子の表面が親水化されており、イオン交換樹脂との接触面積が大きく、触媒反応に寄与しうる触媒の表面積が大きい。したがって、この燃料電池10は従来の燃料電池に比べ、高い出力が安定的に発揮される。
【0044】
また、燃料電池10においては、触媒層26または触媒層30に含まれる触媒量を従来の燃料電池に比べて低減させることができる。このため、燃料電池10の製造コストを低減させることが可能となる。
【0045】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、触媒担持炭素粒子の表面にプラズマ処理を行うことにより、触媒層において炭素粒子に担持されている触媒表面のイオン交換樹脂に対する塗れ性が向上され、高い出力が発揮される燃料電池用電極、膜・触媒層接合体、燃料電池、およびこれらの製造方法が実現される。また、本発明によれば、少ない触媒量で触媒効率の高い燃料電池用電極、膜・触媒層接合体、燃料電池、およびこれらの製造方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る燃料電池の断面構造を模式的に示す図である。
【図2】実施の形態に係る燃料電池のセルの断面構造を模式的に示す図である。
【符号の説明】
10 燃料電池、 20 固体高分子電解質膜、 22 燃料極、 24 空気極、 26、30 触媒層、 28、32 ガス拡散層、 34、36 セパレータ、 38、40 ガス流路、 50 セル。

Claims (14)

  1. 炭素粒子表面に触媒金属を担持させ、触媒担持炭素粒子を得る工程と、
    前記触媒担持炭素粒子の表面にプラズマ照射を行う工程と、
    プラズマ照射された触媒担持炭素粒子と、イオン交換樹脂とを含む塗布液をガス拡散層上に塗布し、触媒層を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
  2. 請求項1に記載の燃料電池用電極の製造方法において、プラズマを照射する前記工程は、前記触媒担持炭素粒子の表面を親水化する工程を含むことを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の燃料電池用電極の製造方法において、プラズマを照射する前記工程は、前記触媒担持炭素粒子の表面に親水基を形成する工程を含むことを特徴とする燃料電池用電極の製造方法。
  4. 炭素粒子表面に触媒金属を担持させ、触媒担持炭素粒子を得る工程と、
    前記触媒担持炭素粒子の表面にプラズマ照射を行う工程と、
    プラズマ照射された触媒担持炭素粒子と、イオン交換樹脂とを含む塗布液を固体高分子電解質膜上に塗布し、触媒層を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする膜・触媒層接合体の製造方法。
  5. 請求項4に記載の膜・触媒層接合体の製造方法において、プラズマを照射する前記工程は、前記触媒担持炭素粒子の表面を親水化する工程を含むことを特徴とする膜・触媒層接合体の製造方法。
  6. 請求項4または5に記載の膜・触媒層接合体の製造方法において、プラズマを照射する前記工程は、前記触媒担持炭素粒子の表面に親水基を形成する工程を含むことを特徴とする膜・触媒層接合体の製造方法。
  7. 請求項1乃至3いずれかに記載の燃料電池用電極の製造方法により燃料電池用電極を作製する工程と、
    2枚の電極のうち少なくとも1枚に前記燃料電池用電極を用い、前記2枚の電極で固体高分子電解質膜を挟んだ状態で、前記固体高分子電解質膜と前記電極とを圧着する工程と、
    を含むことを特徴とする燃料電池の製造方法。
  8. 請求項4乃至6いずれかに記載の膜・触媒層接合体の製造方法により、固体高分子電解質膜上に触媒層を形成する工程と、
    2枚のガス拡散層で前記膜・電極接合体を挟んだ状態で前記ガス拡散層と前記膜・電極接合体とを圧着する工程と、
    を含むことを特徴とする燃料電池の製造方法。
  9. ガス拡散層と、該ガス拡散層上に形成された触媒層を有し、前記触媒層は触媒担持炭素粒子およびイオン交換樹脂を含み、前記触媒炭素粒子は、親水化された表面を有する粒子であることを特徴とする燃料電池用電極。
  10. ガス拡散層と、該ガス拡散層上に形成された触媒層を有し、前記触媒層は触媒担持炭素粒子およびイオン交換樹脂を含み、前記触媒炭素粒子は、表面をプラズマ処理された粒子であることを特徴とする燃料電池用電極。
  11. 固体高分子電解質膜と、該固体高分子電解質膜上に形成された触媒層を有し、前記触媒層は触媒担持炭素粒子およびイオン交換樹脂を含み、前記触媒炭素粒子は、親水化された表面を有する粒子であることを特徴とする膜・触媒層接合体。
  12. 固体高分子電解質膜と、該固体高分子電解質膜上に形成された触媒層を有し、前記触媒層は触媒担持炭素粒子およびイオン交換樹脂を含み、前記触媒炭素粒子は、表面をプラズマ処理された粒子であることを特徴とする膜・触媒層接合体。
  13. 燃料極側の燃料電池用電極と、空気極側の燃料電池用電極と、これらに挟持される固体高分子電解質膜と、を含み、少なくとも前記燃料極側の燃料電池用電極または空気極側の燃料電池用電極の一方が請求項9または10に記載の燃料電池用電極であることを特徴とする燃料電池。
  14. 請求項11または12に記載の膜・触媒層接合体と、該膜・触媒層接合体における前記触媒層に接して設けられたガス拡散層と、を含むことを特徴とする燃料電池。
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