JP4839752B2 - インモールドラベルおよびそれを用いた蓄電池用包装容器 - Google Patents

インモールドラベルおよびそれを用いた蓄電池用包装容器 Download PDF

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Description

本発明は、水蒸気バリアー性に優れたインモールドラベルおよびそれを用いた電池性能の低下等をもたらす水分の影響を防止する蓄電池用包装容器に関するものである。
近年、携帯電話、ノート型パソコン、ビデオカメラなどのモバイル品に搭載される蓄電池、たとえば、リチウムイオン電池やポリマー電池の蓄電池にプラスチックフィルムやアルミニウム等の金属箔を積層した包装材からなる外装体が用いられている。この理由としては、金属端子の取出し易さや密封のし易さ、あるいは、柔軟性を有するために電子機器や電子部品の適当な空間に合わせた形状とすることができ、電子機器や電子部品自体の形状をある程度自由に設計することができるために、小型化、軽量化を図り易い等の理由からである。
包装材からなる外装体の形態としては、包装材を筒状に加工し、電池要素および正極および負極との各々に接続された金属端子を外側に突出した状態で収納し、開口部を熱接着して密封した袋タイプ(たとえば、特許文献1参照)と包装材を容器状に成形し、この容器内に電池要素および正極および負極との各々に接続された金属端子を外側に突出した状態で収納し、平板状の包装材ないし容器状の成形した包装材で被覆すると共に四周縁を熱接着して密封した成形タイプ(たとえば、特許文献2参照)が知られている。いずれのタイプに用いる包装材も、耐突刺し性や外部との通電を阻止するための基材層、防湿性を確保するためのアルミニウム等の金属箔からなるバリアー層、金属端子との接着性に優れると共に密封性を確保するための内層で構成される積層体が一般的には用いられる。
そして、特許文献1に記載された袋タイプに比べて特許文献2に記載された成形タイプの外装体は、電池要素等をタイト(ぴったりとした状態)に収納することができるために、体積エネルギー密度を向上させることができるという利点があると共に電池要素〔正極集電材(アルミニウム)/正極活性物質層(金属酸化物、カーボンブラック、金属硫化物、電解液、ポリアクリロニトリル等の高分子正極材料)/電解質(プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、炭酸ジメチル、エチレンメチルカーボネート等のカーボネート系電解液、リチウム塩からなる無機固体電解質、ゲル電解質)/負極活性物質層(リチウム金属、合金、カーボン、電解液、ポリアクリロニトリルなどの高分子負極材料)/負極集電材(銅)からなる電池要素〕等の収納がし易いなどの利点等から主流となっている。
しかしながら、携帯電話、ノート型パソコン、ビデオカメラなどのモバイル品と異なり高容量、高出力が求められる自動車用バッテリーには、包装材を用いた外装体は採用されていないのが実情である。この理由としては、自動車用バッテリーはモバイル品に比べて、使用される環境が厳しい上に耐用年数が長く、一層の耐久性と安全性等の性能が求められるからである。
そこで、自動車用バッテリー用の外装体として、樹脂成形容器を用いる提案がなされている(たとえば、特許文献3参照)。特許文献3に開示された技術は、ラミネートフィルムをインモールド成形法でプラスチック成形品に貼り合わせるもの、すなわち、ラミネートフィルムを金型(キャビティー)内に配置し、キャビティー内にラミネートフィルムの構成材であるプラスチックフィルムと同種の溶融樹脂を射出して成形容器(いわゆる、インモールド成形)とするものであるが、電池容器とした際の耐用年数を考慮して金属箔とプラスチックフィルムとの間の接着剤として酸変性ポリオレフィン樹脂を用いて加熱と同時に加圧してラミネートフィルムとするものであるが、この積層方法はサーマルラミネーション法といわれる積層方法であり、この積層方法で積層されたラミネートフィルムは、接着剤として、たとえば、ウレタン系接着剤を用いて行うドライラミネーション法で積層されたラミネートフィルムに比べて、加水分解性がなく、空気中の水分や、電解液の水分(水系電解液の場合)などの水分によって分解しないものである反面、生産性(加工性)においてはドライラミネーション法に比べて劣るために、それだけコスト高になるという問題がある。
また、特許文献3は樹脂成形容器の壁面にラミネートフィルムを設ける方法として、インモールド成形よりも熱シールによる貼着が望ましいと記載されているが、熱シールによる貼着はインモールド成形でラミネートフィルムを樹脂成形容器の壁面に設ける場合に比べてラミネートフィルムの端面が表出することになり、この端面が空気中の水分等の影響を直接に受けるために耐加水分解性においては好ましい態様ではない。
特開平9−213285号公報 特開2001−229888号公報 特開2005−41500号公報
そこで本発明は、生産性に優れると共に、耐加水分解性においても優れ、特に、ニッケル水素電池に好適に用いることができるインモールドラベルおよびそれを用いた蓄電池用包装容器を提供することである。
本発明者は、上記課題を達成するために、請求項1記載の本発明は、熱接着性樹脂層、接着剤層、金属箔、接着剤層、熱接着性樹脂層の順に積層されたインモールドラベルであって、前記接着剤層が水酸基を含有するフッ素含有共重合体と該フッ素含有共重合体の水酸基と反応する硬化剤とにより形成され、前記金属箔がアミノ化フェノール重合体、三価クロム化合物、および、リン化合物を含有する化成処理液により処理された化成処理層をその両面に備えていることを特徴とするものである。
また、請求項2記載の本発明の蓄電池用包装容器は、請求項1記載のインモールドラベルを前記熱接着性樹脂層のいずれかを介して貼着したことを特徴とするものである。
また、請求項3記載の本発明は、請求項2記載の蓄電池用包装容器において、前記インモールドラベルの端面が蓄電池用包装容器で被覆されていることを特徴とするものである。
本発明のインモールドラベルは、熱接着性樹脂層と金属箔とをドライラミネーション法で積層するために生産性よく製造することができ、また、接着剤層を水酸基を含有するフッ素含有共重合体と該フッ素含有共重合体の水酸基と反応する硬化剤とにより形成するために水蒸気バリアー性や耐加水分解性に優れたものとすることができる。また、本発明のインモールドラベルを貼着した蓄電池用包装容器は、水蒸気バリアー性に優れ、空気中の水分等の影響によりインモールドラベルが加水分解することがなく、耐電解液性においても優れたものとすることができる。
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳しく説明する。
図1は本発明にかかるインモールドラベルの基本的な層構成を図解的に示す図、図2は本発明にかかるインモールドラベルを壁面に貼着した蓄電池用包装容器の一実施例を示す断面図であり、図中の1はインモールドラベル、1’は積層シート、2は蓄電池用包装容器、3は樹脂成形品、10,50は熱接着性樹脂層、20,40は接着剤層、30は金属箔をそれぞれ示す。
図1は本発明にかかるインモールドラベルの基本的な層構成を図解的に示す図であって、インモールドラベル1は熱接着性樹脂層10、接着剤層20、金属箔30、接着剤層40、熱接着性樹脂層50が順に積層された積層シート1’を所望の寸法に裁断、および/ないし、型抜きされて用いられるものである。
まず、前記金属箔30について説明する。前記金属箔30としては、外部から蓄電池の内部に特に水蒸気が浸入するのを防止するために設けられるものであり、これを満足する金属箔であれば特に限定するものではないが、加工適性や接着性等を考慮するとアルミニウム箔が好適である。また、アルミニウム箔としては、延展性や柔軟性に優れると共に折り曲げに対するピンホールの発生が少ないなどの理由から、鉄分を0.3〜9.0重量%、好ましくは0.7〜2.0重量%含有したものが好ましい。また、アルミニウム箔は冷間圧延で製造されるが、焼きなまし(いわゆる焼鈍処理)条件でその柔軟性、腰の強さ、硬さが変化するが、本発明に用いるアルミニウム箔は焼きなましをしていない硬質処理品よりも多少ないし完全に焼きなまし処理をした軟質傾向にあるアルミニウム箔が好ましい。また、アルミニウム箔の厚さとしては、アルミニウム箔単体のピンホールを考慮すると10μm以上が適当であるが、20μmを越えると射出成形後の冷却時において射出成形樹脂の収縮にアルミニウム箔が追従できずに射出成形品に反りが発生し易くなる。なお、これ以降、金属箔30をアルミニウム箔30として説明する。
また、前記アルミニウム箔30と前記接着剤層20,40とを一層強固に接着させる目的で、図示はしないがアルミニウム箔30の両面に化成処理層を設けるのが望ましい。化成処理層は、連続処理が可能であると共に水洗工程が不要で処理コストを安価にすることができるという点などから塗布型化成処理、特にフェノール樹脂としてアミノ化フェノール重合体と3価クロム化合物とリン化合物を含有する処理液で処理するのが最も好ましい。
まず、フェノール樹脂としてのアミノ化フェノール重合体について説明する。アミノ化フェノール重合体としては、公知のものを広く使用することができ、たとえば、下記式(1)、(2)、(3)、(4)で表される繰り返し単位からなるアミノ化フェノール重合体を挙げることができる。なお、式中のXは水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アリル基ないしベンジル基を示す。また、R1、R2はヒドロキシル基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基を示し、同じ基であってもよいし、異なる基であってもよいものである。下記式(1)〜(4)において、X、R1、R2で示されるアルキル基としては、たとえば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖または分枝鎖状アルキル基を挙げることができる。また、X、R1、R2で示されるヒドロキシアルキル基としては、たとえば、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等のヒドロキシ基が1個置換された炭素数1〜4の直鎖ないし分枝鎖状アルキル基を挙げることができる。なお、下記式(1)〜(4)におけるXは水素原子、ヒドロキシル基、および、ヒドロキシアルキル基のいずれかであるのが好ましい。
また、下記式(1)、(3)で表されるアミノ化フェノール重合体は、繰り返し単位を約80モル%以下、好ましくは繰り返し単位を約25〜約55モル%の割合で含むアミノ化フェノール重合体である。また、アミノ化フェノール重合体の数平均分子量は、好ましくは約500〜約100万、より好ましくは約1000〜約2万である。アミノ化フェノール重合体は、たとえば、フェノール化合物ないしナフトール化合物とホルムアルデヒドとを重縮合して下記(1)ないし(3)で表される繰り返し単位からなる重合体を製造し、次いで、この重合体にホルムアルデヒドおよびアミン(R12NH)を用いて水溶性官能基(−CH2NR12)を導入することにより製造される。アミノ化フェノール重合体は、1種ないし2種以上混合して用いることができる。
Figure 0004839752
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次に、三価クロム化合物について説明する。三価クロム化合物としては、公知のものを広く使用することができ、たとえば、硝酸クロム、フッ化クロム、硫酸クロム、酢酸クロム、蓚酸クロム、重リン酸クロム、クロム酸アセチルアセテート、塩化クロム、硫酸カリウムクロム等を挙げることができ、好ましくは硝酸クロム、フッ化クロムである。
次に、リン化合物について説明する。リン化合物としては、公知のものを広く使用することができ、たとえば、リン酸、ポリリン酸等の縮合リン酸およびこれらの塩等を挙げることができる。ここで、前記塩としては、たとえば、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩を挙げることができる。
そして、アミノ化フェノール重合体、三価クロム化合物、および、リン化合物を含有する処理液を用いて形成する化成処理層としては、1m2当たり、アミノ化フェノール重合体が約1〜約200mg、三価クロム化合物がクロム換算で約0.5〜約50mg、および、リン化合物がリン換算で約0.5〜約50mgの割合で含有されているのが適当であり、アミノ化フェノール重合体が約5.0〜150mg、三価クロム化合物がクロム換算で約1.0〜約40mg、および、リン化合物がリン換算で約1.0〜約40mgの割合で含有されているのがより好ましい。この場合の乾燥温度としては、150〜250℃、好ましくは170〜250℃で、加熱処理(焼付け処理)するのが適当である。
また、化成処理層の形成方法としては、前記処理液をバーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、浸漬法等の周知の塗布法を適宜選択して形成すればよいものである。また、化成処理層を形成するアルミニウム箔30面は、予め、たとえば、アルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、電解酸洗浄法、酸活性化法等の周知の脱脂処理法で処理を施しておく方が、化成処理層の機能を最大限に発現させると共に、長期間維持することができる点から好ましい。
次に、前記接着剤層20,40について説明する。前記接着剤層20,40は、前記アルミニウム箔30と後述する前記熱接着性樹脂層10,50とを強固に接着させるために設けるものである。前記接着剤層20,40を形成する樹脂としては、水蒸気バリアー性に優れると共に耐加水分解性にも優れる点からフッ素系樹脂が好ましい。前記接着剤層20,40は水酸基を含有するフッ素含有共重合体と該フッ素含有共重合体の水酸基と反応する硬化剤とにより形成される。前記水酸基を含有するフッ素含有共重合体としては、有機溶剤可溶型で分子中に架橋部位を有するものであり、架橋部位としてはアルコール性水酸基(OH基)などである。このようなフッ素含有共重合体としては、たとえば、(5)式:CF2=CFX〔式中、Xはフッ素原子、水素原子ないしトリフルオロメチル基である〕で表されるフルオロオレフィン単量体、(6)式:CH2=CR(CH3)〔式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基である〕で表されるβ−メチル置換α−オレフィン単量体、(7)式:CH2=CHR1〔式中、R1は−OR2ないし−CH2OR2(但し、R2は水酸基を有するアルキル基)である〕で表される水酸基含有単量体、および、(8)架橋性官能基を有さず、かつ、前記単量体(5)、(6)、(7)と共重合体し得る他の単量体から導かれるフッ素含有共重合体を挙げることができる。
前記フルオロオレフィン単量体としては、たとえば、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンなどを挙げることができる。また、前記β−メチル置換α−オレフィン単量体としては、たとえば、イソブチレン、2−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセンなどを上げることができる。また、水酸基含有単量体としては、たとえば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテルなどを挙げることができる。また、前記フルオロオレフィン単量体、前記β−メチル置換α−オレフィン単量体、水酸基含有単量体と共重合体し得る他の単量体としては、たとえば、酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル(イソ)酪酸ビニル,カプロン酸ビニル,ラウリン酸ビニル,ステアリン酸ビニル,安息香酸ビニル,キサフルオロプロピオン酸ビニル,リフルオロ酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類、マレイン酸ないしフマル酸のジメチル,ジエチル,ジプロピル,ジブチル,ジトリフルオロメチル,ジトリフルオロメチル,ジヘキサフルオロプロピルなどのマレイン酸ないしフマル酸のジエステル、メチルビニルエーテル,エチルビニルエーテル,n−プロピルビニルエーテル,iso−ブチルビニルエーテル,tert−ブチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル類、シクロペンチルビニルエーテル,シクロヘキシルビニルエーテルなどのシクロアルキルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテルなどの芳香族基を有するビニルエーテル類、あるいは、パーフルオロエチルビニルエーテル,パーフルオロプロピルビニルエーテルなどのフルオロアルキルビニルエーテル類などの他に、クロトン酸、ビニル酢酸、マレイン酸、スチレンなどを挙げることができる。
前記水酸基を有するフッ素含有共重合体は、(5)〜(8)の単量体を乳化重合、溶液重合、懸濁重合などの周知の方法で共重合することにより得ることができる。前記水酸基を有するフッ素含有共重合体はGPCで測定する数平均分子量が1000〜500000、好ましくは、3000〜100000のものである。
次に、硬化剤について説明する。硬化剤としては、フッ素含有共重合体の水酸基と架橋するものであり、有機ポリイソシアネート化合物が適当であり、たとえば、2,4−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと呼称する)、リジンメチルエステルジイソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIと呼称する)、n−ペンタン−1,4−ジイソシアネート、および、これらの三量体、これらのアダクト体やビューレット体、あるいは、これらの重合体で2個以上のイソシアネート基を有するもの、さらに、ブロック化されたイソシアネート類などを挙げることができ、前記フッ素含有共重合体および前記硬化剤は、たとえば、酢酸エステル類、ケトン類、エーテル類、芳香族炭化水素等の1ないし2種以上を混合した溶媒に溶解し、前記フッ素含有共重合体中の水酸基(−OH基)1当量に対して0.5〜3.0当量、好ましくは0.5〜1.5当量となるように配合するのが適当である。
なお、前記接着剤層20,40は上記した水酸基を含有するフッ素含有共重合体に上記した硬化剤を配合した組成物をグラビアコート法、ロールコート法等の周知の塗布方法で、たとえば、前記アルミニウム箔30面に塗布・乾燥して設けられ、その後に前記接着剤層20,40面に後述する熱接着性樹脂層10、50を構成する樹脂フィルムが積層される、いわゆるドライラミネーション法の接着剤層である。上記したフッ素系樹脂で前記接着剤層20,40を形成することにより、水分透過の少ない層とすることができると共に耐加水分解性、耐電解液性、耐腐蝕性等の諸物性において、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系等の周知のドライラミネーション用接着剤を用いて前記接着剤層20,40を形成した場合と比べて格段に優れた物性を有する層とすることができる。この場合の前記接着剤層20,40の乾燥後の塗布量としては2.0〜5.0g/m2、好ましくは3.0g/m2以上となるように塗布するのが適当である。理由としてはラミネート強度を確保する上から2.0g/m2以上は必要であり、コストを考慮すると5.0g/m2以下である。
次に、前記熱接着性樹脂層10,50を形成する樹脂について説明する。前記熱接着性樹脂層10,50としては、経時的な変質や劣化が起こり難く安定した物性を有し、耐加水分解性や耐電解液性に優れた性質を有する樹脂であればよいのであって、たとえば、低密度ポリエチレン,中密度ポリエチレン,高密度ポリエチレン,線状低密度ポリエチレン,エチレン−ブテン共重合体等のエチレン系樹脂、ホモポリプロピレン,エチレン−プロピレン共重合体,エチレン−プロピレン−ブテン共重合体等のプロピレン系樹脂の単体ないし混合物等の一般的なオレフィン系樹脂(炭素と水素とからなる直鎖状あるいは分枝鎖状のオレフィン系樹脂)が適当である。前記熱接着性樹脂層10,50の厚さとしては、10〜100μmが適当である。なお、前記熱接着性樹脂層10,50は上記した一般的なオレフィン系樹脂をフィルム化(シート化)したものが用いられ、必要な面にコロナ放電処理等の易接着処理が施されている。
また、インモールドラベル1は、通常は裁断および/ないし型抜きしたものを用いるために、カールのないフラットなものが求められるために、アルミニウム箔30の両面に設ける前記接着剤層20,40、および、前記熱接着性樹脂層10,50は少なくとも同じ樹脂種、同じ厚さに構成することが望ましい。
図2は本発明にかかるインモールドラベルを壁面に貼着した蓄電池用包装容器の一実施例を図解的に示す(a)は斜視図、(b)は拡大断面図であって、蓄電池用包装容器2は射出成形金型のキャビティー内にインモールドラベル1を配置した状態で、インモールドラベル1の前記熱接着性樹脂層10,50のいずれかの面側に溶融した樹脂を射出して成形することにより、樹脂成形品3の対向する両壁面(表出面積が最も大きい壁面)の外面にインモールドラベル1の外面と樹脂成形品3の外面とが面一になるようにインモールドラベル1を貼着したものである。このようにインモールドラベル1を樹脂成形品3に貼着することにより、インモールドラベル1の端面が樹脂成形品3で被覆されるために、インモールドラベル1の端面からの加水分解による層間剥離を防止することができるし、樹脂成形品3の最も大きい表出面積を有する壁面を水蒸気バリアー性に優れたインモールドラベル1で被覆するために、インモールドラベルを全く設けない樹脂成形品に比べて水分透過の少ない蓄電池用包装容器とすることができる。
また、射出成形に用いる樹脂としては、前記熱接着性樹脂層10,50と相互に溶融して接着し得る樹脂であればよいものであり、たとえば、上記したような一般的なオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、あるいは、これらの混合物を挙げることができる。また、射出成形に用いる樹脂は、透明であっても、半透明であっても、不透明であってよいし、着色されていてもよいものである。
次に、本発明について、以下に実施例を挙げてさらに詳しく説明する。
予め、フェノール樹脂、フッ化クロム(三価)化合物、リン酸の3成分からなる化成処理液で両面を化成処理して両面に化成処理層を有する12μm厚さのアルミニウム箔(以下、AL箔と呼称する)の一方の面にフッ素系ポリオールにイソシアネート系硬化剤をポリオールの水酸基(−OH基)1当量に対して1.1当量となるように添加したフッ素系樹脂溶液を乾燥後に3.0g/m2となるように塗布・乾燥すると共に30μm厚さの未延伸ポリプロピレンフィルムを前記フッ素系樹脂層面に加熱圧着して後に、前記アルミニウム箔の他方の面にフッ素系ポリオールにイソシアネート系硬化剤をポリオールの水酸基(−OH基)1当量に対して1.1当量となるように添加したフッ素系樹脂溶液を乾燥後に3.0g/m2となるように塗布・乾燥すると共に30μm厚さの未延伸ポリプロピレンフィルム(以下、CPPフィルムと呼称する)を前記フッ素系樹脂層面に加熱圧着して本発明のインモールドラベルに供する積層シート(CPPフィルム30μm/接着剤層/化成処理層/AL箔12μm/化成処理層/接着剤層/CPPフィルム30μm)を作製した。
[比較例1]
フッ素系ポリオールに代えてポリエステル系ポリオールを用いた以外は実施例1と同様にして比較例とする積層シートを作製した。
上記で作製した実施例1と比較例1の積層シートをオートクレープ(120℃飽和水蒸気下)中に12日間保存してAL箔とCPPフィルム間のラミネート強度を測定した。その結果、実施例1の積層シートは8.0N/15mm巾以上であったが、比較例1の積層シートは1.0〜2.0N/15mm巾であった。このようにフッ素系ポリオールとイソシアネート系硬化剤で形成された接着剤層からなるインモールドラベルは耐加水分解性に優れたものとすることができた。
また、上記で作製した実施例1と比較例1の積層シートをニッケル水素電池の電解液と同じ30重量%水酸化カリウム(KOH)溶液に1日間浸漬し、インモールドラベルのCPPフィルム30μmとAL箔12μmとの間のラミネート強度を測定した。実施例1のラミネート強度は8.0〜9.8N/15mm巾(10点平均値:8.5N/15mm巾)であり、比較例1のラミネート強度は1.0〜2.0N/15mm巾(10点平均値:1.3N/15mm巾)であり、フッ素系ポリオールとイソシアネート系硬化剤で形成された接着剤層からなるインモールドラベルは耐電解液性に優れたものとすることができた。
また、上記で作製した実施例1と比較例1の積層シートを60mm×90mmの矩形状に裁断したインモールドラベルを各1000枚作製し、射出成形金型のキャビティー内にインモールドラベルを配置した状態で、溶融したポリプロピレン樹脂を射出して成形することにより、外寸が(縦)10mm×(横)100mm×(高さ)70mmで1mmの肉厚の直方体状のインモールドラベルを貼着した蓄電池用包装容器を各1000個作製した(インモールドラベルは蓄電池用包装容器の100mm×70mmの面に4端面を射出したポリプロピレン樹脂で被覆した状態で貼着されている)。
上記で作製した蓄電池用包装容器は、位置ずれ(設計上の正常な貼着位置からのズレ)や皺、あるいは、溶融樹脂が裏側へ回る(キャビティー内面とラミネートフィルムの間に溶融樹脂が回る)、いわゆる樹脂の裏回りという問題等のいずれの問題も発生することなく、すべて正常品が得られた。また、上記で作製した蓄電池用包装容器は、インモールドラベルの端面が射出成形樹脂で被覆されているために、耐加水分解性、耐電解液性において一層好ましいものとすることができる。
本発明にかかるインモールドラベルの基本的な層構成を図解的に示す図である。 本発明にかかるインモールドラベルを壁面に貼着した蓄電池用包装容器の一実施例を示す断面図である。
符号の説明
1 インモールドラベル
1’ 積層シート
2 蓄電池用包装容器
3 樹脂成形品
10,50 熱接着性樹脂層
20,40 接着剤層
30 金属箔

Claims (3)

  1. 熱接着性樹脂層、接着剤層、金属箔、接着剤層、熱接着性樹脂層の順に積層されたインモールドラベルであって、前記接着剤層が水酸基を含有するフッ素含有共重合体と該フッ素含有共重合体の水酸基と反応する硬化剤とにより形成され、前記金属箔がアミノ化フェノール重合体、三価クロム化合物、および、リン化合物を含有する化成処理液により処理された化成処理層をその両面に備えていることを特徴とするインモールドラベル。
  2. 請求項1記載のインモールドラベルを前記熱接着性樹脂層のいずれかを介して貼着したことを特徴とする蓄電池用包装容器
  3. 前記インモールドラベルの端面が蓄電池用包装容器で被覆されていることを特徴とする請求項2記載の蓄電池用包装容器
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