JP4836153B2 - 高耐候性の着色電着塗料およびその電着塗装方法 - Google Patents

高耐候性の着色電着塗料およびその電着塗装方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アニオン型艶消し着色電着塗料およびその電着塗装方法に関するもので、アルミニウム建材の塗装に適し、耐候性、耐擦り傷性等に優れた特性を有する。
【0002】
【従来の技術】
従来、陽極酸化処理したアルミニウム材は軽量でかつ強度が強く、さらには耐食性に優れることから、ビルや住宅の窓枠、ドアー、エクステリア等の建材関係に広く使用されている。アルミニウム材の塗装には、ワンコートで仕上がり性の良いアニオン型電着塗料が一般的に使用されている。そのアニオン型電着塗料としては、カルボキシル基および水酸基を含有する水性アクリル樹脂にメラミン樹脂を架橋剤として配合し、水分散してなるメラミン硬化型電着塗料が代表的である。
【0003】
しかしながら、近年、アルミニウム建材の要求品質が高度化し、特に耐候性、耐擦り傷性等において、従来品では達成されない性能が求められている。すなわち耐候性においては、ビル用の建材はもとより一般住宅用の建材においても、耐候性を中心とした長期の耐久性が求められるようになって来た。特に酸化チタンを含有する塗料においては、含有しない塗料よりも光照射による劣化が早くなり、それを補填するために、樹脂成分での耐候性向上が強く求められている。
【0004】
一方、耐擦り傷性については、製品の製造工程、輸送過程、使用現場等あらゆる状況において、傷の低減化が求められている。傷の要因は、建材同士のこすれ、建材同士のこすれを防ぐスペーサー(段ボール、プラスチック、縄等)とのこすれ、砂、埃とのこすれ等多岐にわたり、製品の歩留まりの低下、あるいは美観の低下という点で大きな問題となり、耐擦り傷性に優れた建材が求められている。
【0005】
従来技術において、耐候性については、フルオロオレフィン重合体を電着塗料の基剤樹脂に使用する技術がある。しかしながらフルオロオレフィン重合体は溶解性が劣るため、このままでは塗料用基剤樹脂としては使用できず、フルオロオレフィン単量体とその他の単量体、例えばビニルエーテルを共重合して使用するのが一般的である。この場合、塗料適性はある程度改良されるがいまだ充分ではなく、特に水系の電着塗料に用いた場合は、塗膜の仕上がり感、塗装作業性、塗料の安定性等に問題が大きく、またフルオロオレフィン以外の単量体の量が多くなれば、耐候性が低下するという問題点がある。
【0006】
一方、耐擦り傷性については、塗膜の硬度を高くするという観点から、比較的硬度の高い無機材料を一部併用するという技術や、塗膜表面の滑り性を向上させるという観点から、シリコーン系の添加剤を少量併用する等の技術がある。しかし前者においては、耐酸性、耐アルカリ性、耐キャス試験等の耐薬品性に問題があり、また後者においては、シーラー、あるいはラミネートの接着性が低下するという問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は耐候性および耐擦り傷性に特徴があり、かつ耐薬品性、耐溶剤性、硬度等の塗膜特性、および塗膜の仕上がり感、塗装作業性、塗料の安定性等にも優れる、新しい艶消し着色電着塗料およびその電着塗装方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ビニル共重合体からなる基剤樹脂の組成に着目して上記の問題点を解決した。すなわち本発明は、(A)ビニル共重合体(A)の主鎖を構成する単量体成分として、重量%で70%以上の単量体がα位に水素原子を有さないα,β−エチレン性不飽和単量体から構成され、側鎖にカルボキシル基、水酸基および架橋官能基を有するビニル共重合体、(B)アミノ樹脂、(C)酸化チタンを含有するアニオン型艶消し着色電着塗料であって、架橋官能基がβ−メチル置換グリシジル基、アセトアセチル基およびまたはアルコキシシリル基であるアニオン型艶消し着色電着塗料に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の電着塗料およびその電着塗装方法について詳細に説明する。
〔(A)ビニル共重合体〕
本発明に使用するビニル重合体は、重量%で70%以上、より好ましくは80%以上の繰り返し単位が、下記一般式で表されるように、α位の炭素原子に水素原子以外の置換基が結合した構造を有するビニル共重合体であり、このことが塗料のバインダーとして優れた耐候性を発揮する要因のひとつになっている。水素原子以外の置換基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシカルボニル基等を例示することができる。
【0010】
【化1】
Figure 0004836153
【0011】
ビニル共重合体においてα位の炭素原子に結合した水素原子は、他の位置に結合した水素原子よりも紫外線照射等により容易に脱離し、そのためα位の炭素原子にラジカルが発生し易くなる。このラジカル部分が引き金となって、樹脂の主鎖切断が起こり、分子量が低下して樹脂の劣化に繋がる。
【0012】
一方、α位の炭素原子が水素原子以外の置換基で置換された場合は、ラジカルの生成頻度が著しく低下し、従って樹脂の主鎖切断が起こりにくく樹脂の劣化も抑制され、塗料のバインダーに使用した場合、耐候性すなわち光沢の低下、色変化あるいは塗膜厚の減少等が大幅に改良される。
またα位の炭素原子が水素原子以外の置換基で置換された場合、置換基の立体障害により主鎖の分子運動が抑制され、このため樹脂の剛直性が増大し、耐擦り傷性も大幅に改善される。
【0013】
本発明に使用されるビニル共重合体は側鎖にカルボキシル基を含有しており、ビニル共重合体に、電着塗料に必要な水分散性、電気泳動性を付与するものである。カルボキシル基の導入は、不飽和カルボン酸単量体を共重合する方法が好ましい。単量体を例示すればアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル酢酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸等が挙げられる。
【0014】
不飽和カルボン酸単量体の使用量は、ビニル共重合体中の酸価が好ましくは10〜150KOHmg/g、より好ましくは20〜100KOHmg/gとなるような範囲で使用される。ビニル共重合体の酸価が10未満では充分な水分散安定性が得られにくく、また150を超えると電気泳動性、塗膜析出性が低下し、塗膜の耐水性、耐アルカリ性が低下する。
【0015】
本発明に使用するビニル重合体は水酸基を含有しており、塗膜の焼き付けに際して、メラミン樹脂と反応して硬化性を付与するものである。水酸基の導入は水酸基含有不飽和単量体を共重合する方法が好ましく、単量体を例示すると2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート等および、これらのラクトン変性物、ポリプロピレングリコールのアクリル酸あるいはメタクリル酸エステル等が挙げらる。その中で好ましい単量体はメタクリル酸エステル類である。
【0016】
ビニル共重合体中の水酸基価は好ましくは20〜200KOHmg/g、より好ましくは40〜160KOHmg/gとなるような範囲で使用される。水酸基価が20未満では充分な硬化性が確保されず、また200を超えると塗膜が脆化し、耐水性が低下して充分な性能が得られにくい。
【0017】
本発明に使用するビニル共重合体は、さらにアセトアセチル基、アルコキシシリル基、β−メチル置換グリシジル基から選択される架橋官能基を含有しており、共重合体中に安定的に不溶性のミクロゲルを生成させ、艶消し性能を付与するものである。内部架橋のための官能基の導入については、官能基を含有する不飽和単量体を共重合するのが好ましい。例示するとアセトアセトキシエチルアクリレート、アセトアセトキシエチルメタクリレート、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、β−メチル置換グリシジルアクリレート、β−メチル置換グリシジルメタクリレート等が挙げられるがメタクリル酸エステルが好ましい。後述する方法で水分散を行った後、それぞれの単量体に応じた方法で分散粒子内にミクロゲルを形成させ、光沢の低減化を図る。
【0018】
更に、ビニル共重合体の骨格を形成する成分であるその他の不飽和単量体については、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ヘプチルメタクリレート等のメタクリル酸のアルキルエステル、α−メチルスチレン、メタクリロニトリル等のビニル単量体、メタクリルアミド、メチロールメタクリルアミド、メトキシメチルメタクリルアミド、n−ブトキシメチルメタクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド等のアミド系単量体が挙げられる。
【0019】
これらの単量体、先に例示した水酸基含有不飽和単量体、架橋官能基含有不飽和単量体の中の好ましい単量体であるメタクリル酸エステル類、および先に例示した不飽和カルボン酸単量体を主成分として共重合を行い、重量%で70%以上、より好ましくは80%以上の繰り返し単位が、α位の炭素原子に水素原子以外の置換基が結合した構造を有するビニル共重合体を得る。
【0020】
また上記以外の不飽和単量体としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート等のアクリル酸のアルキルエステル、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル等のビニル単量体、アクリルアミド、メチロールアクリルアミド、メトキシメチルアクリルアミド、n−ブトキシメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド系単量体等を、30重量%を超えない範囲で共重合可能である。
【0021】
またその他に、紫外線吸収基含有不飽和単量体、ヒンダードアミン基含有不飽和単量体を用いて、耐候性をさらに高めることも可能である。
【0022】
ビニル共重合体の好ましい重量平均分子量は10,000〜100,000であり、より好ましくは20,000〜70,000である。重量平均分子量が10,000未満の場合は、塗膜耐久性が充分に得られず、また100,000を超える場合は、水分散性が低下し、塗料の取り扱い性が不良になる。
【0023】
上述したようなビニル共重合体は、前記の各単量体を溶液重合、非水性分散重合、塊状重合、エマルジョン重合、懸濁重合等の公知の方法で重合することによって得られるが、特に溶液重合が好ましく、反応温度としては通常40〜170℃が選ばれる。
【0024】
反応溶剤としては、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等の親水性溶剤を用るのが好ましい。また、重合開始剤としては、有機過酸化物、アゾ系化合物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、公知のものを用いることができる。
【0025】
〔(B)アミノ樹脂〕
本発明に使用される(B)アミノ樹脂としては、従来から公知のメラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂等が例示されるが、中でも好適なものは、メチロール基の少なくとも一部を低級アルコールでアルコキシ化したアルキルエーテル化メチロールメラミン樹脂であって、低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等の1種または2種以上が使用できる。また1種のメラミン樹脂であっても、また2種以上のメラミン樹脂が組み合わされても問題はない。
【0026】
アルキルエーテル化メチロールメラミン樹脂を例示すると、三井サイテック(株)製のサイメル266、232、235、238、236、300、マイコート506、508、548、住友化学工業(株)製のスミマールM−66B、(株)三和ケミカル製のニカラックMX−40、MX−45等があるが、これらに限定されない。
【0027】
本発明の(B)アミノ樹脂の使用量の好ましい範囲は、重量比で(A)ビニル共重合体100に対し20〜100である。この範囲より少ない場合は、塗膜の架橋が不充分なため機械特性、耐溶剤性、耐薬品性等が低下し、逆に多い場合はビニル共重合体との親和性が不充分になり、水分散液の安定性不良、分散粒径の不均一化、電着後の水洗性不良、撥水現象、塗膜の光沢ムラ等の問題点が生じる。
【0028】
〔(C)酸化チタン〕
本発明の電着塗料組成物は、塗膜の着色および隠蔽性強化のため、顔料として酸化チタンを含有する。酸化チタンの種類については特に限定はない。例示すると、石原産業(株)製のタイペークCR−90、CR−93、CR−95、CR−97、CR−50、CR−58、CR−60,CR−67、CR−80、CR−85、テイカ(株)製のチタニックスJR−603、JR−805、JR−800、JR−801、JR−701、JR−600A、JR−602、JR−300、JR−301、デュポン社製のタイピュアR−960、R−902、R−900、R−700,R−931等が挙げられるが、特にシリカあるいはジルコニウム等の酸化物で表面処理された、耐候性に優れたグレードが好ましい。
【0029】
酸化チタンの使用方法については、あらかじめ分散樹脂あるいは分散剤を使用して通常の方法で分散を行い、その後塗料に供せられる。酸化チタンの使用量は、求められる色調、隠蔽性によって異なるが、塗料全固形分中0.5〜40重量%が好ましく、また素材の色調と塗料の色調を複合化した色調を求める場合は、特に10重量%以下が好ましい。
【0030】
白色以外の色調が求められる場合は、酸化チタン以外の顔料を併用することが可能である。具体的にはカーボンブラック、黒色酸化鉄、赤色酸化鉄、モリブデンレッド、黄色酸化鉄、チタンイエロー、クロムチタンイエロー、コバルトグリーン、酸化クロムグリーン、群青、コバルトブルー等の無機顔料、アゾ系、アントラキノン系、チオインジゴ系、ペリレン系、キナクリドン系、イソインドリン系、フタロシアニン系、ジオキサジン系等の有機顔料を挙げることができる。
【0031】
〔電着塗料の作製〕
本発明の電着塗料の作製は、前述の(A)ビニル共重合体、(B)アミノ樹脂を攪拌混合し、有機アミンあるいは無機塩基で中和した後、通常20〜80℃で脱イオン水と撹拌混合して乳化分散を行い、最後にあらかじめ分散された(C)酸化チタンを撹拌混合して、電着塗料を得るのが一般的方法である。更に、必要に応じて親水性溶剤、硬化触媒、消泡剤あるいはレベリング剤といった界面活性剤を加える場合もある。
【0032】
前述の有機アミンあるいは無機塩基は、ビニル共重合体のカルボキシル基の一部を中和して水分散化するための物質であり、例示すると、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン等のアルキルアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等のアルカノールアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のアルキレンポリアミン、アンモニア、エチレンイミン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。このような塩基性物質による中和率は30〜120%が適当であるが、特に50〜100%であると水分散性が良好で、光沢ムラを生じないので好ましい。
【0033】
本発明の電着塗料を電着塗装して得られる塗膜は、耐候性、耐擦り傷性はもとより、機械特性、耐溶剤性、耐薬品性、作業性等に優れている。
また要求される性能、作業性、コスト等により、必要ならば、例えば、キシレン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等を併用することが可能である。この場合アミノ樹脂と同様な方法で使用される。
【0034】
〔電着塗装方法〕
本発明により得られた電着塗料は、必要に応じて脱イオン水、あるいは親水性溶剤を一部含有する脱イオン水で希釈し、電着塗装に供せられる。電着塗装を実施する場合の、塗料浴の固形分濃度は4〜20重量%が適当である。4重量%未満の場合には、必要な塗膜厚を得るのに長時間を要し、20重量%を超えると浴液の状態が不安定となり、塗装系外に持ち出される塗料量も多く問題となる。
【0035】
塗装方法については、被塗物を陽極として電着塗装を行うが、塗装電圧は30〜350V、好ましくは50〜300Vであり、通電時間は0.5〜7分、好ましくは1〜5分である。電圧が高いほど通電時間は短く、逆に電圧が低いほど通電時間は長くなる。塗装電圧は通電と同時に設定電圧をかける方法、あるいは徐々に設定電圧まで上げていく方法のどちらでもかまわない。塗装された被塗物は必要により水洗し、次いで150〜200℃で15〜60分間加熱し最終塗膜を得る。塗膜厚は5〜30μmが好ましい。
【0036】
本発明の電着塗装方法が適用される被塗物は、アルミニウムあるいはアルミニウム合金が主であるが、導電性を有するものであれば塗装が可能であり、耐候性、耐擦り傷性、機械特性、耐溶剤性、耐薬品性、作業性等に優れた塗膜を得ることができる。
【0037】
【実施例】
次に、本発明について実施例を挙げ、更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお表中の配合量は特別な記載のない限り、重量部を表す。
【0038】
〔基剤樹脂の製造例〕
撹拌装置、温度計、モノマー滴下装置、還流冷却装置を有する反応装置を準備する。表1〜表2に示す配合に従って、(1)と(2)を反応装置に仕込み、撹拌下に還流温度まで上昇させ、(3)〜(17)を予め均一に混合した後、3時間かけて滴下した。温度は90℃を維持した。滴下終了してから、1.5時間経過後に(18)を加えて、更に90℃で1.5時間反応を継続して、樹脂固形分65%の透明で粘稠な樹脂液A1〜A7を得た。得られた樹脂液の特性値も表1〜表2に示した。
尚、使用原料(15)M−GMAはβ―メチル基置換グリシジルメタクリレートである。また、樹脂液A1〜A4は後述する実施例に用いられ、樹脂液A5〜A7は比較例に用いられる。
【0039】
【表1】
Figure 0004836153
【0040】
【表2】
Figure 0004836153
【0041】
〔顔料分散用樹脂の製造例〕
撹拌装置、温度計、モノマー滴下装置、還流冷却装置を有する反応装置を準備する。表3に示す配合に従って、(1)、(2)を反応装置に仕込み、撹拌下に還流温度まで上昇させ、(3)〜(10)を予め均一に混合した後、3時間かけて滴下した。温度は90℃を維持した。滴下終了後、1.5時間後に(11)を仕込み、更に90℃で1.5時間反応を継続した。その後(12)を仕込み80℃でさらに3時間反応を継続した後冷却した。樹脂固形分=52%、酸価=74KOHmg/g固形分、水酸基価=92KOHmg/g固形分の粘調な樹脂液Bを得た。
尚、使用原料(8)ブレンマーPE−350は日本油脂(株)製のポリエチレングリコールメタクリレートである。
【0042】
【表3】
Figure 0004836153
【0043】
〔顔料ペーストの製造〕
表4に示す配合に従って(1)〜(8)を均一に混合し、ビーズミルを使用して分散を行い、粒ゲージで7.5μmの顔料ペーストC1およびC2を得た。
尚、使用原料の(5)酸化チタンは石原産業(株)製のCR−97であり、(6)カーボンブラックは三菱化学(株)製のMA−100、(7)酸化鉄系黄はチタン工業(株)製のLLXLO、(8)酸化鉄系赤はチタン工業(株)製のR−516Lである。
【0044】
【表4】
Figure 0004836153
【0045】
〔水分散樹脂液の製造例〕
撹拌装置、温度計、還流冷却装置を有する反応装置を準備し、その反応装置にそれぞれ表5〜表6に示す配合量に従って(1)〜(8)を仕込み、60℃で1時間撹拌混合した。このものを、あらかじめ準備しておいた(9)と(10)の混合液に徐々に添加して、水分散化を行った。さらに製造例D3とD7は(12)〜(13)を加え、また製造例D1、D4、D5は(11)を添加した後、表5〜表6に示す条件で保温して、製造例D2とD6はそのままで表5〜表6に示す条件で保温して、ミクロゲル化反応を行い、最後に(12)〜(13)を加えて固形分を30%に調製し、それぞれ分散樹脂液D1〜D7を得た。
尚、使用原料(8)マイコート238は三井サイテック(株)製のメチル/ブチルの混合エーテル化メラミン樹脂であり、(13)PTBはプロピレングリコール−t−ブチルエーテルである。
【0046】
【表5】
Figure 0004836153
【0047】
【表6】
Figure 0004836153
【0048】
〔電着塗料の製造〕
上記の顔料ペーストC1〜C2および分散樹脂液D1〜D7を用い、表7に示す配合により電着塗料E1〜E7を得た。
【0049】
【表7】
Figure 0004836153
【0050】
〔電着塗装と塗膜性能評価〕
上記で得られた電着塗料を使用して、SUS304鋼板を陰極とし、ブロンズ色アルミニウム材を陽極(被塗物)として電着塗装後、塗膜性能評価を行い、その結果を表8〜表9に示す。
電着塗装の具体的条件は浴温22℃、極間距離12cm、極比(+/−)2/1として、常法により、180Vで膜厚が15μmとなる様に通電し、電着終了後洗浄し、引き続いて185℃で30分間焼き付けを行った。
【0051】
【表8】
Figure 0004836153
【0052】
【表9】
Figure 0004836153
【0053】
Figure 0004836153
【0054】
【発明の効果】
本発明の電着塗料およびその電着塗装方法を適用することにより、耐候性、耐擦り傷性、機械特性、耐溶剤性、耐薬品性、作業性等に優れた艶消しの着色電着塗膜を形成させることができる。また被塗装材については、特にアルミニウム建材の塗装に好適で、ライン管理が容易である。

Claims (3)

  1. (A)ビニル共重合体(A)の主鎖を構成する単量体成分として、重量%で70%以上の単量体がα位に水素原子を有さないα,β−エチレン性不飽和単量体から構成され、側鎖にカルボキシル基、水酸基および架橋官能基を有するビニル共重合体、(B)アミノ樹脂、(C)酸化チタンを含有するアニオン型艶消し着色電着塗料であって、架橋官能基がβ−メチル置換グリシジル基、アセトアセチル基およびまたはアルコキシシリル基であるアニオン型艶消し着色電着塗料。
  2. ビニル共重合体(A)が、酸価10〜150KOHmg/gおよび水酸基価20〜200KOHmg/gである請求項1に記載のアニオン型艶消し着色電着塗料。
  3. 請求項1、請求項2のいずれかに記載の、アニオン型艶消し着色電着塗料を使用する電着塗装方法。
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