JP4115010B2 - 電着塗装方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム材の塗装に供せられ、塗膜の色調とアルミニウム材の色調とを複合化し得る、着色艶消し電着塗料を用いた電着塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
着色、防食、美観、耐汚染等を目的として、アルミニウム材は表面に塗装が施される場合が多い。塗装方法としては、複雑な形状のアルミニウム材に対しても均一な塗膜形成が可能で、大量生産性にも優れていることから、電気泳動を利用した電着塗装法が広く用いられている。電着塗料としては、アルミニウム素地の色調を生かした、艶有りあるいは艶消しのクリヤー塗料、白色、黒色等の着色塗料がある。
【0003】
しかしながら、近年社会環境の変化、ニーズの多様化に伴い、単に素材を保護し、美観を付与するという機能に止まらず、従来にない斬新さ、高級感を感じさせる材料が求められている。アルミニウム材そのものにおいても、電解着色の方法に改良が加えられ、従来より多様な色調が可能になっているが、金属素材であるため、落ち着き感、ソフト感、厚み感には乏しい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ブロンズ色アルミニウム材に塗装して、材本来のメタリック感を保持しながらかつ、ソフト感、立体感、厚み感、落ち着き感を合わせ持つような新しい着色艶消し電着塗料を用いた電着塗装方法を提供するところにある。また上記の目的を可能にするような塗料は、概して塗装された被塗物の上面と下面の色相差が出易くなるため、上下の色相変化を抑制できる電着塗装方法を提供することも、合わせて本発明の目的である。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討を行い、ベースになる塗料としては、落ち着き感、ソフト感、厚み感に優れる艶消し電着塗料を使用し、塗膜の色調については、塗膜の半透明性を保持する程度の着色顔料を含有する電着塗料を併用することで、全体的には塗膜の色調を主としながら、アルミニウム素材の色調を複合化させることで、メタリック感も加味され、上記目的が達成されることを見出した。
【0006】
すなわち本発明は、(A)着色顔料、および顔料分散樹脂として、後述のカルボキシル基を有する(1)特定のアクリル樹脂あるいは(2)特定のポリエステル樹脂を含有する着色顔料含有電着塗料と、(B)側鎖にアセトアセチル基とカルボキシル基を有するアクリル樹脂、およびアルデヒド類を含有する着色顔料不含の艶消し電着塗料との混合物からなり、前記着色顔料が白色、黒色、赤色、および黄色顔料の混合物で、その含有量が全樹脂分に対して0.5〜10重量%であるアニオン性着色艶消し電着塗料を、ブロンズ色のアルミニウム材に陽極塗装する電着塗装方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の電着塗料をブロンズ色のアルミニウム材に塗装した場合、その色調は主として着色顔料で決定されている。すなわち白色、黒色、赤色、黄色の着色顔料を組み合わせて、要求に応じてアイボリー色からグレー色まで幅広く対応することができる。
【0008】
本発明に用いられる(A)着色顔料含有電着塗料は、主としてカルボキシル基を有する樹脂(分散樹脂)をベースとし、塩基性化合物で中和、水溶性化してなる陽極析出型電着塗料である。着色顔料の含有量は塗料全樹脂分中0,5〜10重量%であり、より好ましくは1〜7重量%である。含有量が10重量%より多い場合は、塗膜が不透明化し下地隠蔽力が大きくなり過ぎる。このため塗装されたアルミニウム材の色調は塗膜のみの色調となり、メタリック感が失われて、本発明の目的に合致しない。また含有量が0.5重量%より少ない場合は、アルミニウム材それ自身の色調になり、従来の着色顔料を含有しないクリヤー塗料を塗装した場合と差がなくなり、斬新さ、高級感に乏しくなる。
【0009】
着色顔料についての具体例としては、チタン白、カーボンブラック、黒色酸化鉄、赤色酸化鉄、モリブデンレッド、黄色酸化鉄、チタンイエロー、クロムチタンイエロー等の無機顔料、アゾ系、アントラキノン系、チオインジゴ系、ペリレン系、キナクリドン系、イソインドリン系、フタロシアニン系、ジオキサジン系等の有機顔料を挙げることができる。上記以外に群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、酸化クロムグリーンを併用することもできる。
【0010】
本発明の着色顔料の使用方法については、あらかじめ顔料を別途分散して着色顔料含有電着塗料を作製した後、下記に述べる着色顔料不含の艶消し電着塗料と混合する。
【0011】
顔料分散においては分散樹脂を使用する必要があるが、分散樹脂が不適当な場合、塗料の色分れ、顔料の沈降が顕著になり使用が難しい。ベースとなる艶消し塗料に直接顔料を分散した場合は、樹脂は艶消し性能と顔料分散性能を合わせ持つ必要があり、両性能の方向性が異なるため、設計は容易ではない。ところが本発明では、着色顔料を別途分散するため、艶消し性能とは関係なく、独立に分散樹脂を設計することができ、選択の自由度が非常に大きくなる。従って顔料分散安定性に優れた塗料が得られる。
【0012】
顔料分散の具体的な方法は、主としてカルボキシル基を有する樹脂を分散樹脂に使用し、通常の分散ミルを用いて分散後、塩基性化合物で中和、水分散化して陽極析出型の電着塗料とする。顔料/分散樹脂の割合は重量比で100/20〜100/300が好ましい。
【0013】
カルボキシル基を有する樹脂としては例えばカルボキシル基含有アクリル樹脂、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂等が用いられる。またこのカルボキシル基を中和し、水分散化するために用いる中和剤としては、例えばモノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン等のアルキルアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等のアルカノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が用いられる。このような塩基性化合物による中和率は10〜100%が適当であるが、100%以上でも問題はない。
【0014】
分散樹脂として使用する(1)特定のアクリル樹脂については、(a)アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル酢酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸から選ばれる一種あるいは二種以上のカルボキシル基含有不飽和単量体と、(b)メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートから選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和単量体を共重合して得られる。
【0015】
また(2)特定のポリエステル樹脂については、(c)コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット酸から選ばれる一種あるいは二種以上のポリカルボン酸と、(d)エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールから選ばれる一種あるいは二種以上のポリオールを共縮合して得られる。
【0016】
このようにして得られる分散樹脂を使用して分散された顔料は、分散性が良好であり、また顔料不含の艶消し電着塗料と混合しても、安定で塗料中の顔料濃度も均一であるため、被塗物の塗装部位による色相差を抑制することができる。
【0017】
また色相差をできるだけ抑制するために、着色顔料含有電着塗料に予め疎水性溶剤あるいは疎水性メラミン樹脂等の疎水性化合物を含有させると効果がある。要因は明確ではないが、疎水性化合物により分散樹脂が疎水化され、水溶性が低下して顔料分散力が向上すると考えられる。この疎水性化合物は、水に対する溶解度(重量%)(20℃)が7%以下、好ましくは3%以下のもので、例えば2エチルヘキサノール、テキサノール、ミネラルターペン、あるいは三井サイテック社製のサイメル238、236、マイコート506、住友化学社製のスミマールM−66B等の疎水性メラミン樹脂が用いられる。着色顔料含有電着塗料中の疎水性化合物の含有量は1〜60重量%、好ましくは1〜30重量%である。使用量が多過ぎると塗膜の光沢が上昇するので好ましくない。
【0018】
本発明に用いられる(B)着色顔料不含の艶消し電着塗料は、側鎖にアセトアセチル基を有するアクリル樹脂(基剤樹脂)、およびアルデヒド類を含有し、塩基性化合物で中和、水溶性化してなる陽極析出型の電着塗料である。
本発明において基剤樹脂として使用するアクリル樹脂は、アセトアセチル基含有不飽和単量体、カルボキシル基含有不飽和単量体および、その他の不飽和単量体を共重合することにより製造することができる。
【0019】
アセトアセチル基含有不飽和単量体の具体例としては、アセトアセトキシエチルアクリレート、アセトアセトキシエチルメタクリレート、アセトアセトキシプロピルアクリレート、アセトアセトキシプロピルメタクリレート、アセトアセトキシブチルアクリレート、アセトアセトキシブチルメタクリレート等が挙げられる。アセトアセチル基含有不飽和単量体の含有量は、全不飽和単量体中1〜15重量%が好ましい。また直接アセトアセチル基含有単量体を共重合せずに、重合後にエステル交換により側鎖にアセトアセチル基を導入することも可能である。
【0020】
カルボキシル基含有不飽和単量体は電気泳動性を付与するために用いられ、好ましい量は酸価で30〜150である。カルボキシル基含有不飽和単量体を例示すると、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル酢酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸等があり、その他の不飽和単量体を例示すると、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等がある。
【0021】
このようなアクリル基剤樹脂の好ましい重量平均分子量は10000〜100000、好ましいガラス転移温度は−10〜60℃である。製造方法としては、前記各単量体を溶液重合、非水性分散重合、塊状重合、エマルジョン重合、懸濁重合等の公知の方法で重合することによって得られるが、特に溶液重合が好ましく、反応温度としては通常40〜170℃が選ばれる。
【0022】
反応溶剤としては、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等の親水性溶剤を用るのが好ましい。また、重合開始剤としては、有機過酸化物、アゾ系化合物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、公知のものを用いることができる。
【0023】
得られたアクリル基剤樹脂を水分散化するために、樹脂中のカルボキシル基の少なくとも一部を塩基性化合物、例えば有機アミンあるいは無機塩基で中和する。かかる塩基性化合物としては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン等のアルキルアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等のアルカノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられる。このような塩基性物質による中和率は30〜100%が適当であるが、特に50〜90%であると水分散性が良好で、塗装部位による色相差、光沢ムラを生じないので好ましい。
【0024】
本発明のアルデヒド類はアセトアセチル基と反応して、ミクロゲルを形成させるために使用される。利用されるアルデヒド類はアルデヒド単体およびアルデヒド誘導体を含み、中でもホルマリン及び、ホルマリン縮合物が最も有用である。使用量は該アセトアセチル基1モルに対し、0.1〜10モル、望ましくは0.2〜2モル添加することが好ましい。また、前記アルデヒド誘導体としては、一般にホルマリン処理されたアミノ樹脂、キシレン樹脂等が挙げられるが、その添加量はアセトセチル基1モルに対し、アルデヒド誘導体0.1モル以上が適当である。
【0025】
アミノ樹脂としては、従来から公知のメラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂等が例示されるが、中でも好適なものは、メチロール基の少なくとも一部を低級アルコールでアルコキシ化したアルキルエーテル化メチロールメラミン樹脂であって、低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等の1種または2種以上が使用できる。また1種のメラミン樹脂であっても、また2種以上のメラミン樹脂が組み合わされても問題はない。
【0026】
アルキルエーテル化メチロールメラミン樹脂を例示すると、三井サイテック社製のサイメル266、232、235、238、236、マイコート506、508、住友化学社製のスミマールM−66B、三和ケミカル社製のニカラックMX−40、MX−45等がある。メラミン樹脂の使用量は、重量比でアクリル樹脂100に対し30〜120が好ましい。
【0027】
本発明においては、アクリル基剤樹脂を塩基性物質で中和して、水分散化を行った後アルデヒド類を混合して、ミクロゲル化反応を行うのが好ましい。通常撹拌下において温度5〜100℃、時間5分〜48時間が工業的に有利である。ミクロゲルは本発明の電着塗料に艶消し性能を付与し、主としてミクロゲルの効果で、落ち着き感、ソフト感、厚み感のある塗装外観が達成される。
【0028】
また要求される性能、作業性、コスト等により、必要ならば、例えば、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等を併用することが可能である。この場合、メラミン樹脂と同様な方法で使用される。
【0029】
本発明により得られた電着塗料は、必要に応じて脱イオン水、あるいは親水性溶剤を一部含有する脱イオン水で希釈し、電着塗装に供せられる。本発明における艶消し電着塗料を実施する場合の、塗料浴の固形分濃度は4〜20重量%が適当である。4重量%より低い場合には、必要な塗膜厚を得るのに長時間を要し、20重量%を越えると浴液の状態が不安定となり、塗装系外に持ち出される塗料量も多く問題である。
【0030】
塗装方法については、被塗装物を陽極として電着塗装を行うが、塗装電圧は30〜350V、好ましくは50〜300Vであり、通電時間は0.5〜7分、好ましくは1〜5分である。電圧が高いほど通電時間は短く、逆に電圧が低いほど通電時間は長くなる。塗装電圧は通電と同時に設定電圧をかける方法、あるいは徐々に設定電圧まで上げていく方法のどちらでもかまわない。塗装された被塗装物は必要により水洗し、次いで150〜200℃で15〜60分間加熱し最終塗膜を得る。塗膜厚は5〜30μmが好ましい。
【0031】
このようにして、落ち着き感、ソフト感、厚み感とメタリック感を合わせ持つ着色艶消し電着塗膜を得ることができる。またその塗膜は機械特性、耐溶剤性、耐薬品性、耐候性、作業性等にも優れている。
【0032】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。部は特別な表示のない場合は重量部を表している。
(A)着色顔料含有電着塗料に用いる顔料分散樹脂の製造
撹拌装置、温度計、モノマー滴下装置、還流冷却装置を有する反応装置を準備する。
【0033】
【表1】
【0034】
(1)、(2)を反応装置に仕込み、撹拌下に還流温度まで上昇させ、(3)〜(8)を予め均一に混合した後、3時間かけて滴下した。温度は90±3℃を維持した。滴下終了後、1.5時間後に(9)を仕込み、更に90±3℃で1.5時間反応を継続した。その後(10)を仕込み80±3℃でさらに3時間反応を継続した後冷却した。
樹脂固形分=52%、酸価=74mgKOH/g樹脂固形分の粘調な樹脂液Aを得た。
【0035】
(A)着色顔料含有電着塗料の製造
【0036】
【表2】
【0037】
(1)〜(8)を均一に混合分散し、粒A法で7.5μmの顔料分散液を得た。このものを着色顔料含有電着塗料1とする。次にこの顔料分散液に対して疎水性化合物として2エチルヘキサノールあるいはサイメル236(三井サイテック社製メラミン樹脂)を7重量%含有するように添加して、それぞれ着色顔料含有電着塗料2、着色顔料含有電着塗料3を得た。
【0038】
(B)着色顔料不含の艶消し(艶有り)電着塗料に用いるアクリル基剤樹脂の製造
撹拌装置、温度計、モノマー滴下装置、還流冷却装置を有する反応装置を準備する。
【0039】
【表3】
【0040】
(1)、(2)を反応装置に仕込み、撹拌下に還流温度まで上昇させ、(3)〜(9)を予め均一に混合した後、3時間かけて滴下した。温度は90±3℃を維持した。滴下終了後、1.5時間後に(10)を仕込み、更に90±3℃で1.5時間反応を継続した後冷却した。
樹脂固形分=65%の透明で粘調な樹脂液B1〜B3を得た。
【0041】
水分散樹脂液、および着色顔料不含の艶消し(艶有り)電着塗料の製造
【0042】
【表4】
【0043】
撹拌装置、温度計、還流冷却装置を有する反応装置を準備し、反応装置に表4に示す配合量に従って(1)から(4)を仕込み、60℃で1時間撹拌混合した。これに(5)を加えた後、(6)を徐々に添加して、分散樹脂液を得た。この分散樹脂液に(7)を添加し、50℃で4時間保温してミクロゲル化の反応を終了し、(8)を加えて固形分30%に調整した。
【0044】
【表5】
【0045】
上記水分散樹脂液1〜3を使用し、表5に示す配合によりに、固形分10%の着色顔料不含の艶消し(艶有り)電着塗料1〜3を得た。
【0046】
着色艶消し(艶有り)電着塗料の製造および電着塗装
〔実施例1、2、3、比較例1、2〕
上記で得られた着色顔料含有の電着塗料1〜3、および着色顔料不含の艶消し電着塗料1、2、着色顔料不含の艶有り電着塗料3を使用して、表6に示す配合量で混合し、脱イオン水で固形分を10%に調整して電着浴液を得た。この電着浴液を塩ビ性の槽に入れ、SUS304鋼板を陰極とし、ブロンズ色アルミニウム材を陽極(被塗物)として電着塗装を行った。
【0047】
塗膜性能評価
電着塗装の具体的条件は浴温22℃、極間距離12cm、極比(+/−)2/1として、常法により、180Vで膜厚が14μmとなる様に通電し、電着終了後洗浄し、引き続いて185℃で30分間焼き付けを行った後、塗膜性能の評価を行った。結果を表6示す。
【0048】
【表6】
【0049】
実施例1〜3については、落ち着き感、ソフト感、厚み感とメタリック感を合わせ持つ外観が得られた。一方比較例1は落ち着き感、ソフト感、厚み感に乏しい外観が得られ、比較例2はメタリック感過多の外観が得られた。
【0050】
(注)評価方法
(1)光沢:グロスメーターで60°グロスを測定。
(2)L5テスト:被塗物を上面、下面ができるように電着浴液中に無攪拌下で3分間浸漬し、次いで無攪拌のままで、2分間電着塗装して塗膜を形成後、焼き付けした。通常塗膜のΔLが1以下であれば実用上問題なしと見なす。
【0051】
【発明の効果】
(A)着色顔料、および顔料分散樹脂として、カルボキシル基を有する(1)特定のアクリル樹脂あるいは(2)特定のポリエステル樹脂を含有する着色顔料含有電着塗料と、(B)側鎖にアセトアセチル基とカルボキシル基を有するアクリル樹脂、およびアルデヒド類を含有する着色顔料不含の艶消し電着塗料との混合物からなり、前記着色顔料が白色、黒色、赤色、および黄色顔料の混合物で、その含有量が全樹脂分に対して0.5〜10重量%であるアニオン性着色艶消し電着塗料を、ブロンズ色のアルミニウム材に電着塗装することで、落ち着き感、ソフト感、厚み感とメタリック感を合わせ持つ塗装材を得ることができる。
Claims (4)
- (A)着色顔料、および顔料分散樹脂として、カルボキシル基を有する(1)アクリル樹脂あるいは(2)ポリエステル樹脂を含有する電着塗料であり、(1)のアクリル樹脂は、(a)アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル酢酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸から選ばれる一種あるいは二種以上のカルボキシル基含有不飽和単量体と、(b)メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートから選ばれる一種あるいは二種以上の不飽和単量体を共重合して得られるアクリル樹脂、(2)のポリエステル樹脂は、(c)コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット酸から選ばれる一種あるいは二種以上のポリカルボン酸と、(d)エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールから選ばれる一種あるいは二種以上のポリオールを共縮合して得られるポリエステル樹脂である着色顔料含有電着塗料と、(B)側鎖にアセトアセチル基とカルボキシル基を有するアクリル樹脂、およびアルデヒド類を含有する着色顔料不含の艶消し電着塗料との混合物からなり、前記着色顔料が白色、黒色、赤色、および黄色顔料の混合物で、その含有量が全樹脂分に対して0.5〜10重量%であるアニオン性着色艶消し電着塗料を、ブロンズ色のアルミニウム材に陽極塗装する電着塗装方法。
- 着色顔料の含有量が1〜7重量%である請求項1に記載の電着塗装方法。
- 着色顔料含有電着塗料中に、水に対する溶解度が7%以下の疎水性化合物を1〜60重量%含有する請求項1に記載の電着塗装方法。
- 着色顔料含有電着塗料中に、水に対する溶解度が7%以下の疎水性化合物を1〜60重量%含有する請求項2に記載の電着塗装方法。
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