JP2002038097A - 中塗り塗料並びに塗膜形成方法及び被塗物 - Google Patents

中塗り塗料並びに塗膜形成方法及び被塗物

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JP2002038097A
JP2002038097A JP2000227309A JP2000227309A JP2002038097A JP 2002038097 A JP2002038097 A JP 2002038097A JP 2000227309 A JP2000227309 A JP 2000227309A JP 2000227309 A JP2000227309 A JP 2000227309A JP 2002038097 A JP2002038097 A JP 2002038097A
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Yoshio Tsuji
祥生 辻
Satoru Fushimi
哲 伏見
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車車体等を塗装する際に、中塗り塗料を
塗布し、ウエット・オン・ウエット方式でベース塗料及
びクリヤー塗料を塗布し、3層を同時に焼き付け硬化さ
せる3コート1ベーク法において、優れた仕上がり外観
を得ることができる中塗り塗料を提供する。 【解決手段】 不揮発分90重量%において、60℃で
の粘度Vis(60℃)が10〜1000poiseで
あり、90℃での粘度Vis(90℃)が1〜500p
oiseであり、120℃での粘度Vis(120℃)
が100〜10000poiseであって、Vis(6
0℃)/Vis(90℃)が1.5〜10であり、Vi
s(120℃)/Vis(90℃)が2〜30であるこ
とを特徴とする中塗り塗料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車車体等に使
用される中塗り塗料に関し、更に詳しくは、自動車車体
等に中塗り塗料を塗布し、その上にウエット・オン・ウ
エット方式によりベース塗料及びクリヤー塗料を塗布
し、一度に焼き付け硬化を行う、いわゆる3コート1ベ
ーク塗装系に好適な中塗り塗料、並びに、上記中塗り塗
料を使用した塗膜形成方法及びそれにより得られる被塗
物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車車体等は、被塗物である鋼板の表
面に塗装下地としてリン酸亜鉛等による化成処理が行わ
れた後、下塗り塗装、中塗り塗装及び上塗り塗装が行わ
れて、複層塗膜が形成されている。このうち、塗装工程
は、通常、電着塗装により下塗り塗装を行い焼き付け硬
化させて下塗り塗膜を形成させ、その上に中塗り塗料を
塗装し焼き付け硬化させて中塗り塗膜を形成させた後、
上塗り塗装が行われており、下塗り塗装、中塗り塗装及
び上塗り塗装は各塗装後に別々に焼き付け硬化が行われ
ている。
【0003】上塗り塗装としてベース塗料及びクリヤー
塗料を用いる場合には、中塗り塗料を塗装し焼き付け硬
化させた後、ベース塗料及びクリヤー塗料をウエット・
オン・ウエット方式により塗装してから一度に焼き付け
硬化を行う、いわゆる3コート2ベーク法により行われ
ている。
【0004】このような3コート2ベーク法は、塗装工
程が長く、エネルギー消費量が多いため、トータルコス
トが高いという問題点があった。特公昭59−3303
3号公報には、電着塗装により下塗りを行い焼き付けを
行った後、中塗り塗料及びメタリック塗料を塗布して同
時に焼き付けを行うメタリック塗装方法が開示されてい
る。しかしながら、従来の中塗り塗料を用いてこの方法
を実施した場合には、中塗り塗料とメタリックベース塗
料とが塗装の界面において混和し、中塗り塗料を塗装し
た後に一旦焼き付け硬化を行う3コート2ベーク法と比
較して、仕上がり外観に劣るという問題が生じていた。
【0005】特開平10−5680号公報には、中塗り
塗料及び/若しくはメタリックベース塗料として、架橋
性重合体微粒子(ミクロゲル)を添加したものを使用し
て、中塗り塗料を塗布し、ウエット・オン・ウエット方
式でメタリックベース塗料及びクリヤー塗料を塗布し、
中塗り塗料、メタリックベース塗料及びクリヤー塗料を
同時に焼き付け硬化させる方法が記載されている。この
架橋性重合体微粒子(ミクロゲル)は、塗装の界面にお
いて各塗料が混和して境界面が不明瞭となることを防ぐ
ことを目的として添加されるものであり、鮮映性、光沢
性の高い塗膜外観が得られる。
【0006】しかしながら、この方法は、自動車車体の
一部を色分けして塗装する場合等のように、狭い面積で
しかも目立ちにくい部分を塗装する際には充分な塗膜外
観が得られるが、自動車外板を全てこの方法によって塗
装する場合には、仕上がり外観の点で不充分であった。
【0007】ところで、非水ディスパージョン樹脂(N
AD)は、低公害性、省資源性、及び、その流動特性に
よる塗装作業性、耐久性等に優れていることから、機
器、自動車等のメタリック塗装に使用されてきた。特開
昭57−177068号公報には、アクリル系共重合体
の存在下で単量体成分をグラフト重合させた分散粒子を
含む非水分散性樹脂被覆組成物が開示されている。この
ものは、分散粒子が硬化後も塗膜中に分散して不均一構
造をとることにより、表面硬度及び耐衝撃性に優れた塗
膜が得られるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、自動車車体
等を塗装する際に、中塗り塗料を塗布し、ウエット・オ
ン・ウエット方式でベース塗料及びクリヤー塗料を塗布
し、中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料の3層を
同時に焼き付け硬化させる方法において、従来の3コー
ト2ベーク法と比較して同等若しくはそれ以上の優れた
仕上がり外観を得ることができる中塗り塗料、並びに、
上記中塗り塗料を使用した塗膜形成方法及びそれにより
得られる被塗物を提供することを目的とするものであ
る。
【0009】本発明者らは、中塗り塗料を塗布した後に
焼き付け硬化が行われる従来の3コート2ベーク法の場
合には、下地隠蔽性が高く、即ち、電着塗料によって形
成された電着塗膜の表面の肌荒れは、中塗り塗料を塗装
し硬化した後にベース塗料及びクリヤー塗料を塗装した
塗膜にはあまり影響を及ぼさないが、中塗り塗料を塗布
した後に焼き付け硬化を行わずにウエット・オン・ウエ
ット方式でベース塗料及びクリヤー塗料を塗装し3層を
同時に焼き付け硬化を行う3コート1ベーク法の場合に
は、下地隠蔽性が低く、電着塗料によって形成された電
着塗膜の表面の肌荒れが、最終の仕上がり外観にも大き
く影響し、ムジ肌が発現するものであることがわかっ
た。そして、この電着塗膜に対する下地隠蔽性を向上さ
せるためには、(1)中塗り塗料、ベース塗料及びクリ
ヤー塗料を焼き付け硬化させる過程においては、当初は
温度上昇に伴い粘度が減少して行き、硬化が始まると粘
度は上昇に転ずるが、この焼き付け過程における中塗り
塗料の最低粘度を小さくすることで、体積収縮していっ
ても塗膜がフロー性を有していることが重要であること
を見出し、本発明を完成した。
【0010】本発明者らはまた、(2)中塗り塗料を塗
布した後ベース塗料及びクリヤー塗料をウエット・オン
・ウエット方式で塗装する場合における、ベース塗料及
びクリヤー塗料に含まれる溶剤による中塗り塗料の溶剤
膨潤率を低下させること(3)中塗り塗料、ベース塗料
及びクリヤー塗料を焼き付け硬化させる過程において
は、溶剤が揮発し塗膜の体積が減少していくが、この体
積収縮率を小さくすることによって、電着塗膜に対する
下地隠蔽性を更に向上させ、優れた仕上がり外観の塗膜
が得られることも見出した。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、不揮発分90
重量%において、60℃での粘度Vis(60℃)が1
0〜1000poiseであり、90℃での粘度Vis
(90℃)が1〜500poiseであり、120℃で
の粘度Vis(120℃)が100〜10000poi
seであって、Vis(60℃)/Vis(90℃)が
1.5〜10であり、Vis(120℃)/Vis(9
0℃)が2〜30であることを特徴とする中塗り塗料で
ある。本発明はまた、電着塗装された素材の上に、中塗
り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料を順次塗装する工
程、並びに、上記塗装された3層を一度に焼き付け硬化
させる工程からなる塗膜形成方法であって、中塗り塗料
が、上記の中塗り塗料であることを特徴とする塗膜形成
方法でもある。本発明は、更に、上記塗膜形成方法によ
り得られる被塗物でもある。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。中塗り塗料 本発明の中塗り塗料は、不揮発分90重量%において、
60℃での粘度Vis(60℃)が10〜1000po
iseであり、90℃での粘度Vis(90℃)が1〜
500poiseであり、120℃での粘度Vis(1
20℃)が100〜10000poiseである。本発
明においては、不揮発分90重量%においてVis(9
0℃)が1〜500poiseのものを使用することに
よって、焼き付け過程における中塗り塗料の最低粘度が
小さい結果、電着塗膜に対する下地隠蔽性が向上し、優
れた仕上がり外観の塗膜を得ることができるものであ
る。従って、Vis(90℃)が500poiseを超
えるものは、焼き付け過程における中塗り塗料の最低粘
度が大きく、優れた仕上がり外観の塗膜が得られない。
好ましくは、Vis(90℃)が1〜300pois
e、より好ましくは、1〜200poiseである。本
明細書において、不揮発分90重量%における粘度と
は、不揮発分90±2重量%における粘度を意味するも
のである。
【0013】不揮発分90重量%においてVis(60
℃)が10poise未満である塗料、Vis(90
℃)が1poise未満である塗料、及び、Vis(1
20℃)が100poise未満である塗料は、塗膜外
観に劣ったり、塗膜の基本的性能が維持できない場合が
ある。Vis(60℃)が1000poiseを超える
もの、及び、Vis(120℃)が10000pois
eを超えるものは、塗料調製時にはハイソリッド系の中
塗り塗料とすることができないため、焼き付け硬化させ
た時の体積収縮が大きくなり、優れた仕上がり外観の塗
膜を得ることができない。
【0014】本発明の中塗り塗料は、不揮発分90重量
%において、60℃での粘度Vis(60℃)と90℃
での粘度Vis(90℃)との比〔Vis(60℃)/
Vis(90℃)〕が1.5〜10であり、120℃で
の粘度Vis(120℃)と90℃での粘度Vis(9
0℃)との比〔Vis(120℃)/Vis(90
℃)〕が2〜30である。Vis(60℃)/Vis
(90℃)が1.5未満であるか、又は、Vis(12
0℃)/Vis(90℃)が2未満のものは、焼き付け
過程における中塗り塗料の最低粘度を小さくすることが
できないので、優れた仕上がり外観の塗膜を得ることが
できない。Vis(60℃)/Vis(90℃)が10
を超えるか、又は、Vis(120℃)/Vis(90
℃)が30を超えるものは、実際には調製が困難であ
る。本発明において、粘度は、正弦波応力に対する動的
粘弾性率として測定されるものを意味し、例えば、UB
M社製レオゾルG−3000を用いて測定することがで
きる。
【0015】本発明の中塗り塗料の不揮発分は、塗装時
で40〜70重量%であることが好ましい。40重量%
未満であると、ハイソリッド系の中塗り塗料とすること
ができず、焼き付け硬化時の体積収縮率が大きくなるだ
けではなく、不揮発分90重量%における粘度が上記の
関係を満たさないため、得られる塗膜の仕上がり外観が
劣る。70重量%を超えると、粘性が高すぎるので、か
えって塗膜外観に劣ったり、作業性が低くなる場合があ
る。より好ましくは、45〜60重量%である。
【0016】上記中塗り塗料は、塗装後、140℃、3
0分間硬化させた場合の体積収縮率が45%以下である
ものが好ましい。45%を超えると、電着塗膜の下地隠
蔽性に劣る結果、良好な仕上がり外観の塗膜を得ること
ができない場合がある。より好ましくは、40%以下で
ある。本発明において、140℃、30分間硬化させた
場合の体積収縮率は、下記式で求めることができる。 体積収縮率(%)={(100−塗着NV)/溶剤比
重}/[{(100−塗着NV)/溶剤比重}+(塗着
NV/乾燥塗膜比重)}×100 (式中、塗着NVは、塗装前の被塗物の重量をW1、塗
料の付着した被塗物の重量をW2、140℃で30分間
乾燥後の重量をW3とした場合に、 塗着NV(%)=(W3−W1)/(W2−W1)×1
00 により求められる不揮発分の値を表す。溶剤比重は、中
塗り塗料に含まれる溶剤の比重を表す。乾燥塗膜比重
は、塗料中の不揮発分の比重であって、個々の成分の比
重とその割合から計算により求められる値である。)
【0017】本発明の中塗り塗料としては、水酸基含有
樹脂(a)、水酸基と反応しうる硬化剤(b)及び非水
ディスパージョン樹脂(c)からなるものを好適に使用
することができる。上記中塗り塗料として非水ディスパ
ージョン樹脂(c)を含むものを使用することによっ
て、ベース塗料に含まれる溶剤による中塗り塗料の溶剤
膨潤率を低下させ、中塗り塗料とベース塗料とが塗装の
界面において混和することを防止することができるの
で、更に優れた仕上がり外観の塗膜を得ることができ
る。
【0018】上記水酸基含有樹脂(a)は、水酸基を含
有し、中塗り塗料に使用される媒体に溶解するものを意
味し、例えば、アクリル樹脂及び/又はポリエステル樹
脂等が挙げられる。SP値を高く設計することができる
点よりアクリル樹脂を用いることが好ましい。上記ポリ
エステル樹脂としては、ポリオールとポリカルボン酸又
はその無水物からなるものを使用することができる。
【0019】上記水酸基含有樹脂(a)は、水酸基価5
0〜250、酸価1〜50mgKOH/g、SP値9.
5〜12であるものが好ましい。水酸基価、酸価及びS
P値がこれらの範囲の上限を超えると、塗膜にした場合
の耐水性が低下する。水酸基価及び酸価が下限未満であ
ると、塗料の硬化性が低下し、また、SP値が下限未満
であると、ベース塗料とのなじみが起こる。上記水酸基
含有樹脂(a)の数平均分子量は、1000〜1000
0が挙げられるが、1100〜5000が好ましく、よ
り好ましくは1200〜3000である。数平均分子量
がこの範囲のものを使用することによって、中塗り塗料
をハイソリッド系とすることができるので、上述の粘度
範囲を有する中塗り塗料を得ることが可能となるのみな
らず、焼き付け硬化させた時の体積収縮も小さくなり、
塗膜の仕上がり外観を向上することができる。
【0020】なお、本明細書において、SP値は、溶解
度パラメーターとよばれるものであり、溶解性の尺度を
示すものである。SP値は、SUH,CLARKE著、
J.Polymer Science,A−1,第5
巻、1671−1681頁(1967)記載の方法によ
り計算することができる。即ち、測定温度20℃にて、
サンプルとして樹脂0.5gを100mLビーカーに秤
量し、良溶媒10mLをホールピペットを用いて加え、
マグネチックスターラーにより溶解する。良溶媒として
は、ジオキサン、アセトンを用い、貧溶媒としては、n
−ヘキサン、イオン交換水を用いる。濁点測定は、50
mLビュレットを用いて貧溶媒を滴下し、濁りが生じた
点を滴下量とする。樹脂のSP値δは次式により計算す
ることができる。 δ=(Vml 1/2 δml+Vmh 1/2 δmh)/(Vml 1/2 +V
mh 1/2 ) Vm =V12 /(φ12 +φ21 ) δm =φ1 δ1 +φ2 δ2i :溶媒の分子容(mL/mol) φi :濁点における各溶媒の体積分率 δi :溶媒のSP値 ml:低SP値貧溶媒混合系 mh:高SP値貧溶媒混合系
【0021】上記水酸基含有樹脂(a)は、樹脂固形分
総量に対して、固形分で10〜70重量%含まれること
が好ましい。10重量%未満であると、得られる塗膜が
脆くなったり、また、塗膜外観が低下したりして、塗膜
の基本的性能が劣る。70重量%を超えると、非水ディ
スパージョン樹脂(c)の配合割合が減少する結果、塗
膜の仕上がり外観が低下する。好ましくは、10〜50
重量%、より好ましくは、20〜50重量%である。
【0022】上記中塗り塗料は、水酸基と反応しうる硬
化剤(b)を含むものである。上記硬化剤(b)として
は特に限定されず、例えば、メラミン樹脂及び/又はブ
ロックイソシアネート樹脂等が挙げられる。上記硬化剤
(b)は、樹脂固形分総量に対して、固形分で10〜7
0重量%含まれることが好ましい。10重量%未満であ
ると、硬化が不充分となることがあり、塗膜物性に劣
る。70重量%を超えても、不経済であり、更に、塗膜
の仕上がり外観が低下する。好ましくは、20〜50重
量%である。上記水酸基含有樹脂(a)と水酸基と反応
しうる硬化剤(b)との組み合わせは特に限定されない
が、顔料分散性や作業性の点から、アクリル樹脂及び/
又はポリエステル樹脂とメラミン樹脂とを組み合わせる
ことが好ましい。
【0023】上記中塗り塗料は、非水ディスパージョン
樹脂(c)を含むものである。上記非水ディスパージョ
ン樹脂(c)は、高SP値のコア部分と低SP値のシェ
ル部分からなるものである。コア部分が高SP値を有し
ているので、塗料中の溶剤に不溶である結果、溶剤によ
る膨潤率をも小さくすることができ、更に、ベース塗膜
との微妙な混じり合いにより起こる色戻りを防止するこ
とができる。低SP値のシェル部分は、分散安定剤とし
ての働きを担う。更に、この非水ディスパージョン樹脂
(c)は非架橋粒子であるので、焼き付け時の最低粘度
を小さくすることができる。また、この粒子自体も上記
水酸基と反応しうる硬化剤(b)によって架橋すること
ができ、この場合塗膜形成成分となり得ることから、添
加量を高くすることが可能である。従って、上記非水デ
ィスパージョン樹脂(c)によって、電着塗膜の下地隠
蔽性が大きく、ムジ肌を抑制することができ、鮮映性、
光沢性も高い塗膜外観を得ることができる。
【0024】特開平10−5680号公報には、中塗り
塗料に架橋性重合体微粒子(ミクロゲル)を添加するこ
とが開示されているが、このものは、粘性付与剤として
添加され、層間でなじみや反転が生じることを防いで、
鮮映性、光沢性の高い塗膜外観を得ることを目的とする
ものである。しかし、この粒子自体は架橋されたもので
あり、塗膜形成成分とはなり得ないことから、添加量は
15重量%以下に限られ、結果として、溶剤による膨潤
率の低下に寄与する割合が小さかった。
【0025】本発明の非水ディスパージョン樹脂(c)
もまた、粘性付与剤として働き、層間でなじみや反転が
生じることを防いで、鮮映性、光沢性の高い塗膜外観が
得られるものである。更に、このものは、SP値の高い
コア部分を有する非架橋粒子であり、添加量を高くする
ことが可能であるので、溶剤による膨潤率の低下に寄与
する割合が大きいだけでなく、中塗り塗料の焼き付け時
の最低粘度を小さくすることができ、よって、電着塗膜
の下地隠蔽性が大きく、優れた仕上がり外観の塗膜を得
ることができる点で、上記の架橋性重合体微粒子(ミク
ロゲル)とは異なるものである。
【0026】上記非水ディスパージョン樹脂(c)は、
SP値が11〜14であり、コア部分とシェル部分のS
P値の差が0.5〜3であることが好ましい。SP値の
差が0.5未満では、塗料の不揮発分を低下させること
ができず、溶解膨潤したり、また、コア部分が有する粘
性制御効果が低くなるので、電着塗膜の下地隠蔽性が小
さく、更に、ベース塗料との間でなじみが生じて、優れ
た仕上がり外観の塗膜を得ることができない。SP値の
差が3を超えるものは、分散が不安定となり、分離が起
こったり、中塗り塗料とベース塗料とが混じり合って反
転やワレが生じる場合がある。好ましくは、SP値の差
が1〜3である。上記水酸基含有樹脂(a)のSP値と
上記非水ディスパージョン樹脂(c)のSP値との関係
は、ベース塗料とのなじみを抑制することができる点か
ら、非水ディスパージョン樹脂(c)のSP値が高い方
が好ましい。
【0027】上記非水ディスパージョン樹脂(c)とし
ては、水酸基価が100〜400、好ましくは130〜
300のものである。100未満であると、塗料の硬化
性が低下し、400を超えると、耐水性が低下する場合
がある。酸価としては、0〜200mgKOH/g、好
ましくは0〜50mgKOH/gである。200mgK
OH/gを超えると、塗膜にしたときの耐水性が低下す
る。平均粒径(D50)は、0.05〜5μm、好ましく
は0.05〜1μmである。0.05μm未満である
と、塗料の不揮発分が低下し、5μmを超えると、粘性
制御効果に劣り、外観不良となる。上記分散安定樹脂の
Tgは、30℃以下が好ましい。30℃を超えると、塗
膜外観に劣り、耐チッピング性が低下したりする。
【0028】上記非水ディスパージョン樹脂(c)は、
分散安定樹脂と有機溶剤との混合液中で、重合性単量体
を共重合させることにより、この混合液に不溶な非架橋
樹脂粒子として調製することができる。分散安定樹脂が
シェル部分を構成し、重合性単量体が共重合されたもの
がコア部分を構成する。
【0029】上記重合性単量体としては、官能基を有す
る単量体が好ましい。官能基を有する単量体は、得られ
る非水ディスパージョン樹脂が上記水酸基と反応しうる
硬化剤(b)と反応して3次元に架橋した塗膜を形成す
ることができる。上記官能基を有する重合性単量体とし
てその代表的なものは以下のとおりである。水酸基を有
するものとして、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキ
シエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシメチル、アリルアルコール、(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンとの付
加物等が挙げられる。
【0030】一方、酸基を有するものとしては、カルボ
キシル基、スルホン酸基等を有するものが挙げられ、カ
ルボキシル基を有するものの例としては、(メタ)アク
リル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリ
ル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、無水マレ
イン酸、フマル酸等が挙げられる。スルホン酸基を有す
るものの例としては、t−ブチルアクリルアミドスルホ
ン酸等が挙げられる。酸基を有する重合性単量体を用い
る場合には、酸基の一部はカルボキシル基であることが
好ましい。更に、(メタ)アクリル酸グリシジル等のグ
リシジル基含有不飽和単量体、m−イソプロペニル−
α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、アクリル酸
イソシアナトエチル等のイソシアネート基含有不飽和単
量体等も挙げられる。
【0031】その他の重合性単量体としては、例えば、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリ
ル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、
(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イ
ソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸
ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、メタクリル
酸トリデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル;油脂肪酸とオキシラン構造を有するアクリル酸又は
メタクリル酸エステルモノマーとの付加反応物(例え
ば、ステアリン酸とグリシジルメタクリレートの付加反
応物);C3 以上のアルキル基を含むオキシラン化合物
とアクリル酸又はメタクリル酸との付加反応物;スチレ
ン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルス
チレン;(メタ)アクリル酸ベンジル;イタコン酸エス
テル(イタコン酸ジメチル等);マレイン酸エステル
(マレイン酸ジメチル等);フマル酸エステル(フマル
酸ジメチル等);その他に、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル;メチルイソプロペニルケトン;酢酸ビニ
ル;ベオバモノマー(商品名、シェル化学社製)、ビニ
ルプロピオネート、ビニルピバレート、プロピオン酸ビ
ニル;エチレン、プロピレン、ブタジエン、N,N−ジ
メチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルア
ミノエチルメタクリレート、アクリルアミド、ビニルピ
リジン等が挙げられる。上記重合性単量体は、官能基を
有するもの及びその他の単量体のなかから、単独で、又
は、2種以上を併用して使用することができる。
【0032】上記重合性単量体は、ラジカル重合開始剤
の存在下で共重合させることが好ましい。ラジカル重合
開始剤としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチ
ロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)等のアゾ系開始剤;ベンゾイルパーオキ
サイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオク
トエート等のパーオキシド系開始剤が挙げられる。これ
らの開始剤の使用量は、重合性単量体合計100重量部
あたり0.2〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量
部が好ましい。分散安定樹脂を含有する有機溶媒中での
重合反応は、一般に60〜160℃程度の温度範囲で約
1〜15時間行うことが好ましい。
【0033】上記重合性単量体を共重合させる際に存在
させる分散安定樹脂は、非水ディスパージョン樹脂を有
機溶剤中で安定に合成できるものであれば特に限定され
るものではない。具体的には、水酸基価が10〜25
0、好ましくは20〜180である。10未満である
と、硬化性、密着性、安定性等が低下し、250を超え
ると、分散が不安定となる。酸価は、0〜100mgK
OH/g、好ましくは0〜50mgKOH/gである。
100mgKOH/gを超えると、塗膜にしたときの耐
水性が低下する。数平均分子量としては、2000〜1
0000が好ましい。2000未満であると、分散が不
安定化し、10000を超えると塗料の不揮発分が低下
する。
【0034】上記分散安定樹脂の製造方法としては特に
限定されず、例えば、ラジカル重合性開始剤の存在下で
ラジカル重合により得る方法、縮合反応や付加反応によ
り得る方法等が好ましいものとして挙げられる。上記分
散安定樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウ
レタン樹脂等を用いることができる。上記分散安定樹脂
を得るために用いられる単量体としては、樹脂の特性に
応じて適宜選択することができるが、上記の重合性単量
体に用いられる水酸基、酸基等の官能基を有する単量体
を用いることが好ましく、更に必要に応じてグリシジル
基、イソシアネート基等の官能基を有するものを用いて
もよい。官能基を有する単量体は、得られる非水ディス
パージョン樹脂が硬化剤(b)と反応して3次元に架橋
した塗膜を形成することができる。
【0035】上記分散安定樹脂を得るために用いられる
単量体は、炭素数10以上の側鎖を有するものが、単量
体の全量に対して10〜50重量%含まれることが好ま
しい。10重量%未満であると、ベース塗料との間でな
じみが生じる。50重量%を超えると、中塗り塗料のな
かで分離が起こったり、中塗り塗料とベース塗料とが混
じり合って反転やワレが生じる場合がある。
【0036】更に、上記単量体は、親水基を有するもの
が、重合性単量体の全量に対して20〜50重量%含ま
れることが好ましい。20重量%未満であると、硬化
性、密着性及び安定性に劣る場合がある。50重量%を
超えると、分散性が不安定となる場合がある。上記親水
基としては、水酸基、カルボキシル基、アミド基及びエ
ーテル基が挙げられる。
【0037】上記分散安定剤と上記重合性単量体との比
率は、目的に応じて任意に選択することができるが、例
えば、両成分の合計重量に基づいて、分散安定樹脂は3
〜80重量%、好ましくは5〜60重量%、重合性単量
体は97〜20重量%、好ましくは95〜40重量%で
ある。更に、有機溶媒中における分散安定剤と重合性単
量体との合計濃度は、合計重量を基準に、30〜80重
量%、好ましくは40〜60重量%である。
【0038】このようにして得られる非水ディスパージ
ョン樹脂(c)は、樹脂固形分総量に対して、固形分で
18〜50重量%含まれることが好ましい。18重量%
未満であるか、又は、50重量%を超えると、得られる
塗膜の外観が低下する。好ましくは、23〜45重量%
である。
【0039】上記中塗り塗料は、通常、顔料を含有する
ものである。上記顔料は、顔料と樹脂固形分との合計量
に対して10〜70重量%で含まれることが好ましい。
上記中塗り塗料において、樹脂固形分とは、水酸基含有
樹脂(a)、水酸基と反応しうる硬化剤(b)及び非水
ディスパージョン樹脂(c)の固形分の合計量を意味す
るものである。10重量%未満であると、得られる中塗
り塗料をハイソリッド系にすることができず、焼き付け
硬化させた場合に体積収縮が大きくなり、仕上がり外観
に劣る場合がある。70重量%を超えると、顔料が多す
ぎるので、塗膜の外観が低下する。
【0040】上記顔料としては特に限定されず、従来の
中塗り塗料に用いられるものが挙げられ、例えば、アゾ
キレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、
フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔
料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン
系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等の有
機系着色顔料;黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボン
ブラック、二酸化チタン等の無機着色顔料等が挙げられ
る。更に、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タ
ルク等の体質顔料;アルミニウム粉、マイカ粉等の扁平
顔料を併用してもよい。上記顔料としてカーボンブラッ
クと二酸化チタンを主要顔料とした標準的なグレー系中
塗り塗料を用いることもできるし、上塗り塗料と明度又
は色相等を合わせたセットグレーや各種の着色顔料を組
み合わせたいわゆるカラー中塗り塗料を用いることもで
きる。
【0041】上記中塗り塗料は、従来公知の添加剤、例
えば、粘性制御剤、ワキ防止剤、希釈用溶剤等を添加す
ることができる。上記粘性制御剤としては、脂肪酸アマ
イドの膨潤分散体、アマイド系脂肪酸、長鎖ポリアミノ
アマイドのリン酸塩等のポリアマイド系のもの;酸化ポ
リエチレンのコロイド状膨潤分散体等のポリエチレン系
のもの;有機酸スメクタイト粘土、モンモリロナイト等
の有機ベントナイト系のもの;ケイ酸アルミ、硫酸バリ
ウム等の無機顔料;顔料の形状により粘性が発現する偏
平顔料等が挙げられる。
【0042】本発明においては、中塗り塗料の塗料形態
としては、溶液型のものが好ましく用いられ、溶液型の
ものとしては有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、
エマルジョン)、非水分散型が挙げられる。上記中塗り
塗料は、水酸基含有樹脂(a)、水酸基と反応しうる硬
化剤(b)及び非水ディスパージョン樹脂(c)、並び
に、顔料やその他の成分を、ニーダー、ロール等を用い
て混練、分散する等の当業者に周知の方法によって得る
ことができる。
【0043】塗膜形成方法 本発明の塗膜形成方法は、電着塗装された素材の上に、
中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料を順次塗装す
る工程、並びに、上記塗装された3層を一度に焼き付け
硬化させる工程からなるものである。本発明において
は、上記中塗り塗料として、上述の粘度範囲を有する中
塗り塗料を使用するものである。
【0044】ベース塗料 本発明において、ベース塗料としては特に限定されず、
例えば、塗膜形成性樹脂、硬化剤、顔料及びその他の添
加剤からなるものを挙げることができる。上記塗膜形成
性樹脂としては特に限定されず、例えば、アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、
ウレタン樹脂等が挙げられ、これらはアミノ樹脂及び/
又はブロックイソシアネート樹脂等の硬化剤と組み合わ
せて用いられる。顔料分散性や作業性の点から、アクリ
ル樹脂及び/又はポリエステル樹脂とメラミン樹脂との
組み合わせが好ましい。
【0045】上記ベース塗料を水性型塗料で用いる場合
には、塗膜形成性樹脂として、米国特許第515112
5号及び第5183504号等に記載されている塗膜形
成性樹脂を用いることができる。特に、米国特許第51
83504号に記載のアクリルアミド基、水酸基及び酸
基を有するアクリル樹脂とメラミン樹脂とを組み合わせ
た塗膜形成性樹脂は仕上がり、外観性能の点で良好であ
る。
【0046】上記ベース塗料は、光輝性顔料を配合して
メタリックベース塗料として用いることもできるし、光
輝性顔料を配合せずにレッド、ブルーあるいはブラック
等の着色顔料及び/又は体質顔料を配合してソリッド型
ベース塗料として用いることもできる。上記光輝性顔料
としては特に限定されず、例えば、金属又は合金等の無
着色若しくは着色された金属性光輝材及びその混合物、
干渉マイカ粉、着色マイカ粉、ホワイトマイカ粉、グラ
ファイト又は無色有色偏平顔料等を挙げることができ
る。分散性に優れ、透明感の高い塗膜を形成することが
できるため、金属又は合金等の無着色若しくは着色され
た金属性光輝材及びその混合物が好ましい。その金属の
具体例としては、アルミニウム、酸化アルミニウム、
銅、亜鉛、鉄、ニッケル、スズ等を挙げることができ
る。
【0047】上記光輝性顔料の形状は特に限定されず、
更に、着色されていてもよいが、例えば平均粒径
(D50)が2〜50μmであり、厚さが0.1〜5μm
である鱗片状のものが好ましい。平均粒径10〜35μ
mの範囲のものが光輝感に優れ、より好ましい。上記光
輝性顔料のベース塗料中の顔料濃度(PWC)は、一般
に23重量%以下である。23重量%を超えると、塗膜
外観が低下する。好ましくは、0.01〜20重量%で
あり、より好ましくは、0.01〜18重量%である。
【0048】上記光輝性顔料以外の顔料としては、中塗
り塗料において記載した着色顔料、体質顔料を用いるこ
とができる。上記顔料としては、光輝性顔料、着色顔料
及び体質顔料のなかから、1種又は2種以上を組み合わ
せて用いることができる。上記光輝性顔料及びその他の
全ての顔料を含めたベース塗料中の顔料濃度(PWC)
は、一般的には0.1〜50重量%であり、好ましくは
0.5〜40重量%であり、より好ましくは1〜30重
量%である。50重量%を超えると塗膜外観が低下す
る。
【0049】上記ベース塗料は、一般には溶液型のもの
が好ましく用いられ、溶液型であれば有機溶剤型、水性
型(水溶性、水分散性、エマルジョン)、非水分散型の
いずれでもよい。ベース塗料に用いられるその他の添加
剤、及び、ベース塗料の調製方法としては、中塗り塗料
において例示したものを挙げることができる。このよう
にして得られるベース塗料の不揮発分は、塗装時で30
〜60重量%であることが好ましく、より好ましくは4
0〜50重量%である。30重量%未満であると、溶剤
が多すぎるので、ハイソリッド系塗料とすることができ
ず、体積収縮率が大きくなるので、塗膜の仕上がり外観
に劣る場合がある。60重量%を超えると、粘性が高す
ぎるので塗膜外観に劣ったり、作業性が低くなる場合が
ある。
【0050】クリヤー塗料 クリヤー塗膜は、ベース塗料として光輝性顔料を含むメ
タリックベース塗料を用いた場合に光輝性顔料に起因す
るベース塗膜の凹凸、チカチカ等を平滑にしたり、ま
た、ベース塗膜を保護するために形成されるものであ
る。本発明において、クリヤー塗料としては特に限定さ
れず、例えば、塗膜形成性樹脂、硬化剤及びその他の添
加剤からなるものを挙げることができる。上記塗膜形成
性樹脂としては特に限定されず、例えば、アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等
が挙げられ、これらはアミノ樹脂及び/又はブロックイ
ソシアネート樹脂等の硬化剤と組み合わせて用いられ
る。透明性又は耐酸エッチング性等の点から、アクリル
樹脂及び/若しくはポリエステル樹脂とアミノ樹脂との
組み合わせ、又は、カルボン酸・エポキシ硬化系を有す
るアクリル樹脂及び/若しくはポリエステル樹脂等を用
いることが好ましい。
【0051】上記クリヤー塗料としては、上述したベー
ス塗料を塗装後、未硬化の状態で塗装するため、層間の
なじみや反転、又は、タレ等の防止のため、粘性制御剤
を添加剤として含有することが好ましい。上記粘性制御
剤の添加量は、クリヤー塗料の樹脂固形分100重量部
に対して0.01〜10重量部であり、好ましくは0.
02〜8重量部、より好ましくは0.03〜6重量部で
ある。10重量部を超えると、外観が低下し、0.1重
量部未満であると、粘性制御効果が得られず、タレ等の
不具合を起こす原因となる。上記クリヤー塗料の塗料形
態としては、有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、
エマルジョン)、非水分散型、粉体型のいずれでもよ
く、また必要により、硬化触媒、表面調整剤等を用いる
ことができる。
【0052】上記クリヤー塗料の調製方法としては、中
塗り塗料において例示した方法を挙げることができる。
溶液型の場合、クリヤー塗料の不揮発分は、塗装時で4
0〜70重量%であることが好ましく、より好ましくは
45〜60重量%である。40重量%未満であると、溶
剤が多すぎるので、ハイソリッド系塗料とすることがで
きず、体積収縮率が大きくなるので、塗膜の仕上がり外
観に劣る場合がある。70重量%を超えると、粘性が高
すぎるので塗膜外観に劣ったり、作業性が低くなる場合
がある。本発明においては、中塗り塗料、ベース塗料及
びクリヤー塗料ともに、ハイソリッド系のものを用いる
ことがより好ましい。上記中塗り塗料のみならず、ベー
ス塗料及びクリヤー塗料もハイソリッド系のものを用い
ることによって、3コート1ベーク法によって塗装した
場合に、トータルとしての体積収縮率を小さくすること
ができるので、仕上がり外観が非常に優れた塗膜を得る
ことができる。
【0053】基材 本発明の塗膜形成方法は、電着塗装された素材に対して
適用されるものである。上記電着塗装に用いられる電着
塗料としては、カチオン型及びアニオン型のものを用い
ることができる。防食性に優れた塗膜を得ることができ
る点より、カチオン型のものが好ましい。電着塗装を行
う素材としては特に限定されず、例えば、鉄、銅、アル
ミニウム、スズ、亜鉛等;これらの金属を含む合金及び
鋳造物が挙げられる。具体的には、乗用車、トラック、
オートバイ、バス等の自動車車体及び部品が挙げられ
る。これらの金属は、電着塗装が行われる前に、予めリ
ン酸塩、クロム酸塩等で化成処理されたものが特に好ま
しい。
【0054】塗装方法 本発明の塗膜形成方法は、上記の電着塗装された素材の
上に、中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料を順次
塗装する工程を含むものである。上記塗装方法としては
特に限定されず、例えば、通称「リアクトガン」と言わ
れるエアー静電スプレー;通称「マイクロ・マイクロ
(μμ)ベル」、「マイクロ(μ)ベル」、「メタベ
ル」等と言われる回転霧化式の静電塗装機等を用いるこ
とにより行うことができる。好ましくは、回転霧化式の
静電塗装機等を用いる方法である。上記ベース塗料を自
動車車体等に対して塗装する場合には、意匠性を高める
ために、エアー静電スプレーによる多ステージ塗装、好
ましくは2ステージで塗装するか、又は、エアー静電ス
プレーと上記の回転霧化式の静電塗装機とを組み合わせ
た塗装方法により行うことが好ましい。
【0055】上記中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー
塗料の塗膜の乾燥膜厚は、用途により変化するが、それ
ぞれ、中塗り塗膜5〜40μm、ベース塗膜5〜35μ
m、クリヤー塗膜10〜70μmである。この乾燥膜厚
が上限を超えると、鮮映性が低下したり、塗装時にム
ラ、流れ等の不具合が起こることがあり、下限を下回る
と、下地が隠蔽できず、膜切れが発生したりする。本発
明において、中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料
を順次塗装するとは、中塗り塗料、ベース塗料及びクリ
ヤー塗料をウエット・オン・ウエットでこの順番に塗装
することを意味するものであり、中塗り塗膜、ベース塗
膜及びクリヤー塗膜をそれぞれ別々に100℃以上で焼
き付け硬化させるような工程を含まないものであればよ
い。従って、ベース塗料を塗布する前及び/又はクリヤ
ー塗料を塗布する前に、一定時間室温で放置、又は、例
えば60〜100℃未満にて2〜10分間加熱すること
によって塗膜を予め乾燥させる工程を含んでもよく、こ
のような方法も本発明の一つである。特に、ベース塗料
を水性型塗料で用いる場合等には、良好な仕上がり外観
が得られることから、クリヤー塗料を塗装する前に、塗
膜を予め乾燥させることが好ましい。
【0056】本発明の塗膜形成方法は、上記のように塗
装された中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料の3
層を一度に焼き付け硬化させる工程を含むものである。
上記焼き付け硬化させる温度としては、110〜180
℃、好ましくは120〜160℃にて行うことによっ
て、高い架橋度の硬化塗膜を得ることができる。180
℃を超えると、塗膜が固く脆くなり、110℃未満では
硬化が充分ではない。硬化時間は硬化温度により変化す
るが、120〜160℃で10〜60分間が適当であ
る。本発明の塗膜形成方法によって得られる複層塗膜の
膜厚は、通常30〜300μm、好ましくは50〜25
0μmである。300μmを超えると、冷熱サイクル等
の膜物性が低下し、30μm未満であると、膜自体の強
度が低下する。
【0057】本発明の塗膜形成方法は、下地隠蔽性に優
れており、良好な仕上がり外観の塗膜を得ることができ
る。更に、従来一般的であった3コート2ベーク法にお
けるよりも、中塗り塗料の焼き付け工程を省くことがで
きるので、塗装工程を短くすることができ、エネルギー
消費量も削減できることから、トータルコストとしては
大幅に減少させることができる。
【0058】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。実施例において、「部」は重量部を表す。 合成例1 アクリル樹脂の合成1 攪拌機、温度制御装置、還流冷却器を備えた容器に、キ
シレン82部を仕込み、次いで下記の組成の溶液: メタクリル酸 4.5部 アクリル酸エチル 26.0部 プラクセルFM−1 64.5部 (ダイセル化学工業社製水酸基含有モノマー) MSD−100 5.0部 (三井東圧化学社製メチルスチレンダイマー) アゾイソブチロニトリル 13.0部 のうち20部を加え、攪拌しながら加熱し、温度を上昇
させた。還流させながら、上記混合溶液の残り93.0
部を3時間で滴下し、次いでアゾイソブチロニトリル
1.0部、キシレン12部からなる溶液を30分間で滴
下した。反応溶液をさらに1時間攪拌還流させたのち
に、減圧下で63部の溶剤を留去して反応を終了した。
固形分75%、数平均分子量2000のアクリル樹脂ワ
ニス1を得た。
【0059】合成例2 アクリル樹脂の合成2 攪拌機、温度制御装置、還流冷却器を備えた容器に、ト
ルエン300部及びメチルイソブチルケトン(MIB
K)100部を仕込み、攪拌しながら加熱し、温度を上
昇させた。温度が105℃に上昇したら還流させなが
ら、下記配合の溶液を3時間で等速滴下した。 スチレン 50.0部 メタクリル酸メチル 300.0部 メタクリル酸エチル 79.0部 アクリル酸エチル 444.0部 メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 104.0部 メタクリル酸 23.0部 トルエン 400.0部 t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート 7.0部 30分間エージング後、トルエン200部及びt−ブチ
ルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート3部からなる
溶液を30分間で等速滴下した。反応溶液を更に1時間
攪拌還流させて樹脂への変化率を上昇させた後、反応を
終了させ、固形分50%、数平均分子量21000のア
クリル樹脂ワニス2を得た。
【0060】合成例3 非水ディスパージョン樹脂の合
成 (a)分散安定樹脂の製造 攪拌機、温度制御装置、還流冷却器を備えた容器に、酢
酸ブチル90部を仕込み、次いで下記の組成の溶液: メタクリル酸メチル 38.9部 ステアリルメタクリレート 38.8部 2−ヒドキシエチルアクリレート 22.3部 アゾイソブチロニトリル 5.0部 のうち20部を加え、攪拌しながら加熱し、温度を上昇
させた。110℃で上記混合溶液の残り85部を3時間
で滴下し、次いでアゾイソブチロニトリル0.5部と酢
酸ブチル10部からなる溶液を30分間で滴下した。反
応溶液をさらに2時間攪拌還流させて樹脂への変化率を
上昇させた後、反応を終了させ、固形分50%、数平均
分子量5600、SP値9.5のアクリル樹脂を得た。
【0061】(b)非水ディスパージョン樹脂の製造 攪拌機、温度制御装置、冷却器を備えた容器に、酢酸ブ
チル35部を仕込み、上記の(a)分散安定樹脂の製造
で得たアクリル樹脂60部を仕込んだ。次に下記組成の
溶液: スチレン 7.0部 メタクリル酸 1.8部 メタクリル酸メチル 12.0部 エチルアクリレート 8.5部 2−ヒドキシエチルアクリレート 40.7部 アゾイソブチロニトリル 1.4部 を100℃で3時間で滴下し、次いで、アゾイソブチロ
ニトリル0.1部と酢酸ブチル1部からなる溶液を30
分間で滴下した。反応溶液をさらに1時間攪拌を続けた
ところ、固形分60%、粒子径0.18μmのエマルジ
ョンを得た。このエマルジョンを酢酸ブチルで希釈し、
粘度300cps(25℃)、粒子径0.18μmの非
水ディスパージョン樹脂含量40重量%の酢酸ブチル分
散体を得た。この非水ディスパージョン樹脂のTgは、
23℃、水酸基価は162であった。SP値は、11.
8であり、分散安定樹脂であるシェル部分とコア部分と
のSP値の差は、2.3であった。
【0062】実施例1中塗り塗料の調製 2Lのベッセルに、合成例1で得られたアクリル樹脂ワ
ニス1を328部投入し、続いてCR−93(石原産業
社製酸化チタン)973部、FW−200P(デグサ社
製カーボンブラック)10部、更に酢酸ブチル159部
及びキシレン82部を順に入れた。その後、仕込み全重
量と同量のガラスビーズ(品名GB503M、粒径1.
6mm)を投入し、卓上SGミルで3時間分散した。グ
ラインドゲージによる分散終了時の粒度は5μm以下で
あった。最後にキシレンを81.8部添加後、約10分
攪拌し、ガラスビーズを濾過して、顔料ペーストとし
た。作製したペーストに固形分比が表2の通りになるよ
うに、樹脂、非水ディスパージョン樹脂及び硬化剤を配
合して、中塗り塗料を調製した。
【0063】ベース塗料及びクリヤー塗料 ベース塗料としては、不揮発分が46%のSPM−13
00 ブラック(日本ペイント社製;黒ベース塗料)、
クリヤー塗料としては、不揮発分が48%のMAC O
−1330(日本ペイント社製)を使用した。希釈条件 各塗料は下記の条件で希釈し、塗装した。 (中塗り塗料) シンナー:EEP(エトキシエチルプロピオネート)/
キシレン=9/11 19秒/No.4フォードカップ/20℃ (ベース塗料) シンナー:EEP/S−100(エクソン社製芳香族系
炭化水素溶剤)/酢酸エチル=8/7/5 20秒/No.4フォードカップ/20℃ (クリヤー塗料) シンナー:EEP/S−150(エクソン社製芳香族系
炭化水素溶剤)=1/1 22秒/No.4フォードカップ/20℃
【0064】塗装方法 表1に示す塗装条件下、SPCダル鋼板(20cm×3
0cm×0.8mm)にパワートップV−6(日本ペイ
ント社製カチオン電着塗料)を乾燥膜厚20μmになる
ように電着塗装したカチオン電着塗装板を、移動板に付
着して移動させながら、中塗り塗料を塗装、10分後に
ベース塗料を塗装、2.5分後に更にもう一度ベース塗
料を塗装(2ステージ塗装)、その後20分後にクリヤ
ー塗料を塗装した。塗装した中塗り塗膜、ベース塗膜及
びクリヤー塗膜を、140℃で30分間焼き付け硬化さ
せた。
【0065】
【表1】
【0066】外観評価 塗装した塗板の外観を、ビッグケミー社製ウエーブスキ
ャンのSWの値で評価した。結果を表2に示した。数値
の小さいもの程良好な結果が得られたことを表す。
【0067】塗着NV(不揮発分)測定方法 中塗り塗装、ベース塗装及びクリヤー塗装について別々
に操作を行って、下記方法に従って計算した。 器具:重量(w1)を測定したアルミ箔を、5cm×1
0cmの四角い穴をあけた紙で覆ったものをマスキング
テープで鉄板にはりつける。 操作:この鉄板を上記塗装時に塗板に隣接するように移
動板に付着させ、塗料塗布後、アルミ箔を鉄板から剥が
す。 NV測定:塗料の付着したアルミ箔の重量(w2)を測
定後、140℃で30分間乾燥後の重量(w3)を測定
する。 計算:下記の式より塗着NV(%)を計算する。 塗着NV(%)=(w3−w1)/(w2−w1)×1
00 得られた結果を表2に示した。
【0068】体積収縮率計算方法 体積収縮率(%)を下記式に従って計算する。 体積収縮率(%)={(100−塗着NV)/溶剤比
重}/[{(100−塗着NV)/溶剤比重}+(塗着
NV/乾燥塗膜比重)}×100 溶剤比重:塗料中の溶剤組成から、中塗り塗料、クリヤ
ー塗料は0.87、ベース塗料は0.86とした。 乾燥塗膜比重:各塗料組成から、中塗り塗料1.64、
ベース塗料1.23、クリヤー塗料1.12とした。 トータルの体積収縮率(%)=中塗り塗料の体積収縮率
×(中塗り塗膜の乾燥膜厚/トータルの乾燥膜厚)+ベ
ース塗料の体積収縮率×(ベース塗膜の乾燥膜厚/トー
タルの乾燥膜厚)+クリヤー塗料の体積収縮率×(クリ
ヤー塗膜の乾燥膜厚/トータルの乾燥膜厚) 得られた結果を表2に示した。
【0069】粘度測定方法 中塗り塗料をブリキ板にスプレー塗装し、80℃で約5
分間加熱後、不揮発分90%近傍の塗料を掻き取った。
このサンプルの粘度を、以下の条件にて測定した。 測定機種:UBM社製レオゾルG−3000 測定法:動的粘弾性率測定(正弦波) 測定モード:温度依存性 チャックコーンプレート コーン直径/角:18.96mm/1.974deg 加振条件:連続加振(周波数1.0Hz/ひずみ 0.
5deg) 開始/終了温度:40/150℃ 昇温ステップ:2℃/分 トルク/ロードセル:2kg・cm/5kg 得られた粘度の結果を曲線で結んだグラフを図1に示
し、60℃、90℃及び120℃での粘度を表2に示し
た。
【0070】耐溶剤性試験方法 中塗り塗料をブリキ板上に塗装後(20μm)、80℃
×10分乾燥してNVを上げたものを作成し、これに、
代表的な塗料溶剤であるS−150、キシロール、EE
Pを1滴スポットし、30秒静置後約45度傾斜して状
態を観察した。 ○:変化なし △:膨潤 ×:溶解 得られた結果を表2に示した。
【0071】比較例1 固形分比が表2の通りになるように、樹脂、非水ディス
パージョン樹脂及び硬化剤を配合したこと以外は、実施
例1と同様にして、中塗り塗料を調製して塗装を行い、
測定及び評価を行った。結果を表2及び図1に示した。
【0072】
【表2】
【0073】表2中、サイメル254はメチル・ブチル
混合型メラミン樹脂(三井サイテック社製)である。実
施例1の中塗り塗料は、硬化過程における最低粘度が低
く、また、ハイソリット系であるため体積収縮率が小さ
いので、その上にウエット・オン・ウエット方式でベー
ス塗料及びクリヤー塗料を塗布し、焼き付け硬化させた
場合の仕上がり外観に優れるものであった。比較例1の
中塗り塗料は、水酸基含有樹脂(a)の分子量が高くハ
イソリッド系ではないため、体積収縮率が大きいもので
あること、及び、不揮発分90重量%における各温度、
特に90℃での粘度が高く、体積収縮しても塗膜がフロ
ー性を有するものではなかったことから、良好な仕上が
り外観の塗膜が得られなかった。
【0074】
【発明の効果】本発明の中塗り塗料により、自動車車体
等を3コート1ベーク法で塗装した場合に、優れた仕上
がり外観の塗膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び比較例1における、温度に対する
粘度の測定結果を示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 161/28 C09D 161/28 175/04 175/04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不揮発分90重量%において、60℃で
    の粘度Vis(60℃)が10〜1000poiseで
    あり、90℃での粘度Vis(90℃)が1〜500p
    oiseであり、120℃での粘度Vis(120℃)
    が100〜10000poiseであって、Vis(6
    0℃)/Vis(90℃)が1.5〜10であり、Vi
    s(120℃)/Vis(90℃)が2〜30であるこ
    とを特徴とする中塗り塗料。
  2. 【請求項2】 塗装時の不揮発分は、40〜70重量%
    である請求項1記載の中塗り塗料。
  3. 【請求項3】 電着塗装された素材の上に、中塗り塗
    料、ベース塗料及びクリヤー塗料を順次塗装する工程、
    並びに、前記塗装された3層を一度に焼き付け硬化させ
    る工程からなる塗膜形成方法であって、前記中塗り塗料
    が、請求項1又は2記載の中塗り塗料であることを特徴
    とする塗膜形成方法。
  4. 【請求項4】 中塗り塗料の塗装時の不揮発分は40〜
    70重量%であり、ベース塗料の塗装時の不揮発分は3
    0〜60重量%であり、クリヤー塗料の塗装時の不揮発
    分は40〜70重量%である請求項3記載の塗膜形成方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4記載の塗膜形成方法によ
    り得られる被塗物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103558338A (zh) * 2013-10-12 2014-02-05 奇瑞汽车股份有限公司 一种导致汽车面漆缩孔的污染物的检测方法
CN104360044A (zh) * 2014-11-13 2015-02-18 廊坊立邦涂料有限公司 一种汽车漆缩孔检测方法
CN110824149A (zh) * 2019-11-13 2020-02-21 刘学红 一种涂料不挥发物体积固体含量的测定方法

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CN104360044A (zh) * 2014-11-13 2015-02-18 廊坊立邦涂料有限公司 一种汽车漆缩孔检测方法
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CN110824149B (zh) * 2019-11-13 2021-10-29 刘学红 一种涂料不挥发物体积固体含量的测定方法

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