JP2010227753A - 積層塗膜形成方法および塗装物 - Google Patents

積層塗膜形成方法および塗装物 Download PDF

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Abstract

【課題】3コート1ベークの複層塗膜形成方法を改良して、外観を向上する。
【解決手段】電着塗膜が形成された基材の上に、中塗り塗料組成物、ベース塗料組成物およびクリヤー塗料組成物を、順次塗装する工程;および、塗装された三層を一度に焼付け硬化させる工程;を包含する積層塗膜形成方法であって、クリヤー塗料の硬化温度を高くすることを特徴とする、積層塗膜形成方法。
【選択図】なし

Description

自動車などの工業製品に美的外観を与えるために積層塗膜が施されている。特に、自動車には意匠性や平滑性などに優れた外観を付与するために、電着塗装が施された基材上に、中塗り塗膜、ベース塗膜およびクリヤー塗膜が順に形成されている。従前は、この中塗り塗膜、ベース塗膜及びクリヤー塗膜の三層積層塗膜は、1つ1つの塗膜を塗布後焼付硬化して形成されていた。しかし、省資源や省エネルギーが求められる近年は、ベース塗料を塗布後焼付硬化せずにクリヤー塗料を塗布し、その後ベース塗膜とクリヤー塗膜の両方を一度に焼付硬化する、いわゆる2コート1ベークの複層塗膜の形成方法や、それを更に進展させてベース塗膜だけでなく、中塗り塗膜も塗布後焼付硬化せずに形成して、三層(中塗り塗膜、ベース塗膜およびクリヤー塗膜)を一度に焼付硬化する、いわゆる3コート1ベークの複層塗膜形成方法などが提案されてきた。
このような焼付硬化回数を少なくする塗膜形成法は、必ずしも理想的な複層塗膜形成方法ではなく、各層間の混層やなじみ、硬化時の物理的あるいは化学的変化により塗膜外観に影響が出る場合がある。特に、ベース塗膜にアルミフレークなどの光輝性顔料を配合する、いわゆるメタリック塗膜の場合は、より注意深い制御が必要になってきている。
3コート1ベークの複層塗膜形成方法では、三層それぞれの塗料の調整など、多くの改良が提案されている。特開2007−75791号公報(特許文献1)には、中塗り塗料、ベース塗料およびクリヤー塗料の全ての組成を規定することにより、3コート1ベークにより形成された積層塗膜の塗膜外観、特に垂直面での塗膜外観を向上する技術が提案されている。
特開2007−75791号公報
本発明は、上述した特許文献1の3コート1ベークの複層塗膜形成方法を更に改良して、外観を向上することを目的とする。
本発明者等は、上記特許文献1の塗膜形成方法において、塗膜欠陥の原因が焼付硬化時に下層の未硬化塗膜から揮散する有機溶剤が硬化塗膜表面に溶剤の抜け跡を残すことに起因することを突き止め、その改善方法を提案するものである。
すなわち本発明は、
電着塗膜が形成された基材の上に、中塗り塗料組成物、ベース塗料組成物およびクリヤー塗料組成物を、順次塗装する工程、および
塗装された三層を一度に焼付け硬化させる工程、
を包含する積層塗膜形成方法であって、
該中塗り塗料組成物が、下記成分;
イソフタル酸を80モル%以上含有する酸成分と多価アルコールとの重縮合によって得られ、ガラス転移点(Tg)が40〜80℃である水酸基含有ポリエステル樹脂と、脂肪族ジイソシアネート化合物とを反応して得られる、数平均分子量(Mn)が1500〜3000のウレタン変性ポリエステル樹脂(a)40〜56質量%;
メラミン樹脂(b)10〜30質量%;
ヘキサメチレンジイソシアネートまたはヘキサメチレンジイソシアネートとこれと反応する化合物と反応して得られるイソシアネート化合物を、活性メチレン基を有する化合物でブロックした、ブロックイソシアネート化合物(c)15〜30質量%;
コアシェル構造を有する非水ディスパージョン樹脂(d)4〜15質量%
((a)〜(d)の量は塗料樹脂固形分質量を基準にする。);および
長径が1〜10μmであり、数平均粒径が2〜6μmである扁平顔料(e)0.4〜8質量部(塗料樹脂固形分質量を100質量部とする。);
を含有する中塗り塗料組成物であり、および、
該ベース塗料組成物が下記成分;
数平均分子量(Mn)1000〜20000、水酸基価10〜200および酸価1〜80mgKOH/gであるアクリル樹脂(ア)10〜90質量%;
メラミン樹脂(イ)5〜60質量%;
重合微粒子(ウ)1〜30質量%;
((ア)〜(ウ)の量は塗料樹脂固形分質量を基準にする。);および
光輝性顔料(エ)(塗料固形分質量を基準にしての)顔料濃度(PWC)1〜23.0%;
を含有する溶剤型ベース塗料組成物であって、
該重合微粒子(ウ)は、平均粒径(D50)0.01〜1μmである架橋重合体微粒子(ウ−1)と平均粒径(D50)0.05〜10μmでコアシェル構造を有する非水ディスパージョン樹脂(ウ−2)とを含み、両成分の固形分質量比率は(ウ−1)/(ウ−2)が40/60〜60/40であり、および
該クリヤー塗料組成物が、下記成分;
イソシアネート化合物(A);および
数平均分子量(Mn)2000〜5000、水酸基価100〜200であり、かつ該水酸基価のうち二級水酸基の割合が20〜100%である水酸基含有アクリル樹脂(B):
を含有する2液型クリヤー塗料組成物である、
ことを特徴とする積層塗膜形成方法、を提供するものであり、これにより上記目的が達成される。
本発明では、中塗り塗料組成物、ベース塗料組成物およびクリヤー塗料組成物の硬化開始温度が、クリヤー塗料組成物>ベース塗料組成物>中塗り塗料組成物の順であるのが好ましい。
本発明はまた、上記積層塗膜形成方法により得られる積層塗膜を有する塗装物も提供する。
本発明者等の研究によれば、中塗り塗膜、ベース塗膜およびクリヤー塗膜を塗り重ねて、その後焼付硬化する、いわゆる3コート1ベークの場合、焼付硬化時に下層の未硬化塗膜(即ち、中塗り塗膜やベース塗膜)中に存在する溶剤が上層(即ち、クリヤー塗膜層)を経て揮散するが、その際にクリヤー塗膜層が硬化を開始しているか硬化中であれば、溶剤の抜け跡が生じて、その抜け跡が塗膜欠陥となることが解った。本発明では、この溶剤の抜け跡が生じないように、クリヤー塗料組成物の硬化が遅くなるように設計した。具体的には、クリヤー塗料組成物をイソシアネート化合物と水酸基含有アクリル樹脂との組合せの2液型クリヤー塗料とし、そのアクリル樹脂の水酸基の一部または全部を2級水酸基に代えて立体障害により硬化剤(イソシアネート化合物)との反応を遅らせるように設計した。最上層のクリヤー塗膜層の硬化反応が遅くなれば、溶剤の揮散が生じたとしても、その後クリヤー塗料が熱によってフローし、抜け跡などの塗膜欠陥が生じにくくなり、塗膜外観が向上するものと理解する。
本発明の方法である、中塗り塗料組成物、ベース塗料組成物およびクリヤー塗料組成物を、順次ウェット・オン・ウェットで塗装して得られる積層塗膜は、艶感に優れる塗膜である。また、光輝性顔料を含むベース塗料組成物により得られるメタリック塗膜は、外観評価項目のなかでも、特に透明感に優れ、光輝性顔料が均一に分散されたような緻密な光輝感を奏でることができる。さらに、見る角度によってメタリック感が顕著に変化するフリップフロップ感(FF感)に優れた塗膜を形成することもできる。
本発明の積層塗膜形成方法においては、中塗り塗料組成物、ベース塗料組成物およびクリヤー塗料組成物が用いられる。以下、各塗料組成物について記載する。
中塗り塗料組成物
本発明の積層塗膜形成方法において、中塗り塗膜の形成には中塗り塗料組成物が用いられる。この中塗り塗料組成物は、ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)、メラミン樹脂(b)、ブロックイソシアネート化合物(c)、コアシェル構造を有する非水ディスパージョン樹脂(d)、および扁平顔料(e)を含有する。この中塗り塗料組成物は、更に、有機系もしくは無機系の各種着色顔料および体質顔料等を含有してもよい。
ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)
ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)は、水酸基含有ポリエステル樹脂と、脂肪族ジイソシアネート化合物とを反応させて得ることができる。
ポリエステル樹脂は一般に、多価カルボン酸および/または酸無水物のような酸成分と多価アルコールを重縮合することによって製造することができる。ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)の調製に用いられる水酸基含有ポリエステル樹脂は、酸成分中にイソフタル酸を、酸成分の全モル数を基準にして80モル%以上含有する酸成分を用いて製造される。酸成分中のイソフタル酸の量が80モル%を下回ると、得られる水酸基含有ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)が低くなり、使用に好ましくない。
水酸基含有ポリエステル樹脂は、40〜80℃、好ましくは45〜75℃のガラス転移点(Tg)を有する。上記ガラス転移点(Tg)が下限を下回ると塗膜硬度が低下し、上限を上回ると耐チッピング性能が低下する恐れがある。
水酸基含有ポリエステル樹脂の調製に用いられる酸成分に含まれる、イソフタル酸以外の多価カルボン酸および/または酸無水物は、特に限定されず、例えば、フタル酸、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水ハイミック酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、テレフタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク酸、無水コハク酸、ドデセニルコハク酸、ドデセニル無水コハク酸等が挙げられる。
水酸基含有ポリエステル樹脂の調製に用いられる多価アルコールとしては、特に限定されず、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリカプロラクトンポリオール、グリセリン、ソルビトール、アンニトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
水酸基含有ポリエステル樹脂の調製において、上記の多価カルボン酸および/または酸無水物、および多価アルコール成分、に加えて、他の反応成分を用いてもよい。このような他の反応成分として、例えば、モノカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等が挙げられる。また、乾性油、反乾性油およびそれらの脂肪酸を用いてもよい。例えば、具体的には、カージュラE(シェル化学社製)等のモノエポキサイド化合物、ラクトン類がある。上記ラクトン類は、多価カルボン酸および多価アルコールのポリエステル類へ開環付加してグラフト鎖を形成し得るものであり、例えば、β−プロピオラクロン、ジメチルプロピオラクトン、ブチルラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−カプリロラクトン、クロトラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン等が挙げられるが、なかでもε−カプロラクトンが最も好ましい。
こうして得られた水酸基含有ポリエステル樹脂と脂肪族ジイソシアネート化合物とを反応させることによって、ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)が調製される。このような脂肪族ジイソシアネート化合物としては、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネートなどを挙げることができる。なかでも、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートおよびこれらのビュレット体、ヌレート体、アダクト体を用いることが、耐チッピング性能、耐候性の観点から好ましい。
ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)の調製においては、水酸基含有ポリエステル樹脂100質量部に対して脂肪族ジイソシアネート化合物5〜15質量部を反応させるのが好ましい。ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)の数平均分子量は、1500〜3000であるのが好ましく、1200〜2500であるのがさらに好ましい。下限を下回ると塗装作業性および硬化性が十分でなくなる恐れがある。また、上限を上回ると塗装時の不揮発分が低くなりすぎ、かえって作業性が悪くなる。なお、本明細書では、数平均分子量は、スチレンポリマーを標準とするGPC法により決定される。
また上記ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)は、30〜180の水酸基価(固形分)を有することが好ましく、40〜160の水酸基価であるのが更に好ましい。上限を上回ると塗膜にした場合の耐水性が低下する恐れがあり、下限を下回ると塗膜の硬化性が低下する恐れがある。また、ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)の酸価は、3〜30mgKOH/g(固形分)であるのが好ましく、更に好ましくは5〜25mgKOH/gである。上限を上回ると塗膜の耐水性が低下する恐れがあり、下限を下回ると塗膜の硬化性が低下する恐れがある。
上記中塗り塗料組成物中における、上記ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)の含有量は、塗料樹脂固形分質量を基準にして40〜56質量%である。ウレタン変性ポリエステル樹脂(a)の含有量が40質量%を下回ると塗膜にした場合の耐チッピング性能が不十分となる恐れがある。また、含有量が56質量%を上回ると塗膜にした場合に硬度が低下する恐れがある。含有量は、好ましくは43〜50質量%である。
メラミン樹脂(b)
メラミン樹脂としては、特に限定されるものではなく、メチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂あるいはメチルブチル混合型メラミン樹脂を用いることができる。例えば、日本サイテック株式会社から市販されている「サイメル303」、「サイメル254」、三井化学株式会社から市販されている「ユーバン128」、「ユーバン20N60」、住友化学工業株式会社から市販されている「スミマールシリーズ」等が挙げられる。
上記メラミン樹脂(b)は、塗料樹脂固形分質量を基準にして10〜30質量%含まれる。含有量が下限を下回ると硬化性が不十分となる恐れがあり、上限を上回ると硬化膜が堅くなりすぎ脆くなる恐れがある。メラミン樹脂(b)の含有量は、好ましくは15〜25質量%である。
ブロックイソシアネート化合物(c)
上記ブロックイソシアネート化合物(c)としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、あるいはヘキサメチレンジイソシアネートとこれと反応する化合物と反応して得られるイソシアネート化合物、例えばそのヌレート体等の多量体などに、活性メチレン基を有する化合物を付加させることによって得られるものが挙げられる。このブロックイソシアネート化合物(c)は、加熱によりブロック剤が解離してイソシアネート基が発生し、上記ウレタン変性ポリエステル樹脂中の官能基と反応し硬化する。上記活性メチレン基を有する化合物としては、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、マロン酸エチルなどの活性メチレン化合物が挙げられる。
上記ブロックイソシアネート化合物の含有量は、塗料樹脂固形分質量を基準にして、15〜30質量%である。17〜25質量%であることが更に好ましい。上記範囲外では、硬化が不足するおそれがある。例えば、具体的には旭化成社製活性メチレン型ブロックイソシアネート「デュラネートMF−K60X」、「デュラネートK−6000」等が挙げられる。
非水ディスパージョン樹脂(d)
上記コアシェル構造を有する非水ディスパージョン樹脂(d)は、分散安定樹脂と有機溶剤との混合液中で、重合性単量体を共重合させることにより、この混合液に不溶な樹脂粒子として調製することができる。なお「非水ディスパージョン」とは、非水分散型樹脂を意味し、有機溶媒を媒体として樹脂を分散安定化させたものである。
非水ディスパージョン樹脂(d)における樹脂粒子は、非架橋樹脂粒子として調製することが好ましい。また、非架橋樹脂粒子を得るため分散安定樹脂の存在下で共重合させる単量体は、ラジカル重合性の不飽和単量体であれば特に制限されない。
但し、上記分散安定樹脂および非水ディスパージョン樹脂(d)の合成において、官能基を有する重合性単量体を用いることが好ましい。官能基を有する非水ディスパージョン樹脂(d)は官能基を含有せしめた分散安定樹脂と共に後記硬化剤と反応して三次元に架橋した塗膜を形成することができるからである。
分散安定樹脂は、非水ディスパージョン樹脂(d)を有機溶剤中で安定に合成できるものであれば特に限定されるものではない。分散安定樹脂として、具体的には、水酸基価(固形分)が10〜250、好ましくは20〜180であり、酸価(固形分)が0〜100mgKOH/g、好ましくは0〜50mgKOH/g、数平均分子量が800〜100000、好ましくは1000〜20000である、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂またはポリウレタン樹脂等を用いることが好ましい。これらの上限を上回ると樹脂のハンドリング性が低下し、非水ディスパージョン自身のハンドリングも低下する恐れがある。下限を下回ると塗膜にした場合に樹脂が脱離したり、粒子の安定性が低下したりする恐れがある。
分散安定樹脂の合成方法は、特に限定されるものではないが、ラジカル重合開始剤の存在下でラジカル重合により得る方法、縮合反応や付加反応により得る方法等が好ましいものとして挙げられる。更に、上記分散安定樹脂を得るために用いられる単量体としては、樹脂の特性に応じて適宜選択され得るが、後述する非水ディスパージョンを合成するために用いられる重合性単量体が有するような、水酸基、酸基等の官能基を有するものを用いることが好ましく、更に必要に応じて、グリシジル基、イソシアネート基等の官能基を有するものを用いてもよい。
非水ディスパージョン樹脂(d)は、分散安定樹脂の存在下で重合性単量体を重合させることによって得ることができる。重合性単量体として、ラジカル重合性の単量体を用いることができる。
非水ディスパージョン樹脂(d)の合成に用いられる重合性単量体は、官能基を有するものを用いるのが好ましい。官能基を有する重合性単量体としてその代表的なものは以下のとおりである。水酸基を有する重合性単量体として、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシメチル、アリルアルコール、(メタ)メタクリル酸ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンとの付加物等が挙げられる。
一方、酸性基を有する重合性単量体としては、カルボキシル基、スルホン酸基等を有する重合性単量体が挙げられる。カルボキシル基を有するものの例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、フマール酸等が挙げられる。スルホン酸基を有する重合性単量体の例としては、t−ブチルアクリルアミドスルホン酸等が挙げられる。酸性基を有する重合性単量体を用いる場合は、酸性基の一部はカルボキシル基であることが好ましい。
そのほかにも、(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有不飽和単量体、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、アクリル酸イソシアナトエチル等のイソシアネート基含有不飽和単量体等が、官能基を有する重合性単量体として挙げられる。
この他の重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、メタクリル酸トリデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、油脂肪酸とオキシラン構造を有するアクリル酸またはメタクリル酸エステルモノマーとの付加反応物(例えば、ステアリン酸とグリシジルメタクリレートの付加反応物等)、炭素数3以上のアルキル基を含むオキシラン化合物とアクリル酸またはメタクリル酸との付加反応物、スチレン、α−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、(メタ)アクリル酸ベンジル、イタコン酸エステル(イタコン酸ジメチルなど)、マレイン酸エステル(マイレン酸ジメチルなど)、フマール酸エステル(フマール酸ジメチルなど)、その他に、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチルイソプロペニルケトン、酢酸ビニル、ベオバモノマー(シェル化学社製、商品名)、ビニルプロピオネート、ビニルピバレート、エチレン、プロピレン、ブタジエン、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、アクリルアミド、ビニルピリジン等の重合性単量体が挙げられる。
非水ディスパージョン樹脂(d)の調製において、分散安定樹脂と重合性単量体との構成比率は目的に応じて任意に選択できるが、例えば、該両成分の合計質量に基いて分散安定樹脂は3〜80質量%、特に5〜60質量%、重合性単量体は97〜20質量%、特に95〜40質量%が好ましい。さらに有機溶剤中における分散安定樹脂と重合性単量体との合計濃度は合計質量を基準に、30〜80質量%、特に40〜60質量%が好ましい。
上記非水ディスパージョンを得るための重合反応は、ラジカル重合開始剤の存在下で行うことが好ましい。ラジカル重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオクトエート等が挙げられる。これらの開始剤の使用量は重合性単量体合計100質量部あたり0.2〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部が望ましい。分散安定樹脂を含有する有機溶剤中での非水ディスパージョンを得るための重合反応は、一般に60〜160℃程度の温度範囲で約1〜15時間行うことが好ましい。
こうして得られる非水ディスパージョン樹脂(d)は、水酸基価(固形分)が50〜400、好ましくは100〜300であり、酸価(固形分)が0〜200mgKOH/g、好ましくは0〜50mgKOH/g、平均粒径(D50)が0.05〜10μm、好ましくは0.1〜2μmであるものが好ましい。下限を下回ると粒子形状を維持できず、上限を上回ると塗料組成物に分散した場合の安定性が低下する。平均粒径の測定方法としては、光散乱法を挙げることができる。
また、上記非水ディスパージョンは架橋重合体微粒子と異なり、塗料組成物中においては粒子成分であるが、塗膜においては粒子構造を形成しない特徴を有する。つまり非水ディスパージョンは粒子内に架橋部位が存在しないため、焼き付け過程で粒子形状が変化し、樹脂成分となり得る点が架橋重合体微粒子とは異なる。
更に、例えば色材、48巻(1975)第28頁〜第34頁中に記載されているNAD塗料に用いられるNAD(Non Aqueous Dispersion、非水系重合体分散液)と言われる樹脂粒子も使用することができる。
上記中塗り塗料組成物中における、非水ディスパージョン樹脂(d)の含有量は、塗料樹脂固形分質量を基準にして4〜15質量%である。含有量が下限を下回ると総合塗膜外観が不十分となる恐れがあり、また上限を上回ると耐チッピング性能が低下する恐れがある。この含有量は、好ましくは5〜12質量%である。
扁平顔料(e)
扁平顔料(e)は、顔料の少なくとも一面が扁平状の形状を有する顔料である。扁平顔料(e)として、例えばマイカ、アルミナ、タルクおよびシリカ等を挙げることができる。この中でもタルクを用いるのが好ましい。塗膜のチッピング性能を向上させることができるからである。
上記扁平顔料は、長径が1〜10μmであり、数平均粒径が2〜6μmであることが好ましい。ここで長径とは、扁平顔料の扁平面における径の長さである。また数平均粒径とは、走査型電子顕微鏡写真から所定数の粒子を選び出して画像解析を行い、円相当径の平均値とその分布を求めることにより得られる平均粒径である。ここで円相当径とは、顔料を、面積が等しい真円の直径に換算した場合のその直径の値をいう。これらの直径および数平均粒径は、走査型電子顕微鏡などを用いることによって測定することができる。扁平顔料の長径が上記範囲外である場合は、塗膜外観が劣ったり、十分な耐チッピング性能を発現させることが困難となる恐れがある。また、数平均粒径が上記範囲外である場合は、同様に塗膜外観が劣ったり、十分な耐チッピング性能を発現させることが困難となる恐れがある。
上記扁平顔料(e)の含有量は、塗料中の樹脂固形分質量を100質量部として、0.4〜8質量部である。この含有量は0.5〜5質量部であることがより好ましい。上記範囲外では、下地塗膜との付着性が低下する恐れがあり、またそれにより十分なチッピング性能が得られない恐れがある。
中塗り塗料組成物は、上記成分(a)〜(e)に加えて、更に他の成分を含んでもよい。他の成分として、例えば樹脂成分などが挙げられる。用いることができる樹脂成分としては、特に限定されるものではなく、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらは1種のみを用いてもよく、また2種以上を併用して用いてもよい。
他の成分として、着色顔料などを用いることもできる。着色顔料としては、有機系のアゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料などが挙げられ、無機系では黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタンなどが挙げられる。更に、体質顔料として、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミニウム粉、カオリン等を用いることができる。
一般に中塗り塗料組成物には、カーボンブラックと二酸化チタンとを主要顔料としたグレー系のものなどが用いられる。このほかにも、上塗りとの色相を合わせたものや各種の着色顔料を組み合わせたものを用いることもできる。
さらに中塗り塗料組成物には、粘性制御剤を添加することができる。これによって、上塗り塗膜とのなじみを防いだり、塗装作業性を確保することなどができる。粘性制御剤としては、一般にチクソトロピー性を示すものを含有でき、例えば、脂肪酸アマイドの膨潤分散体、アマイド系脂肪酸、長鎖ポリアミノアマイドの燐酸塩等のポリアマイド系のもの、酸化ポリエチレンのコロイド状膨潤分散体等のポリエチレン系等のもの、有機酸スメクタイト粘土、モンモリロナイト等の有機ベントナイト系のもの、ケイ酸アルミ、硫酸バリウム等の無機顔料、顔料の形状により粘性が発現する扁平顔料、架橋樹脂粒子等を粘性制御剤として挙げることができる。
本発明で用いられる中塗り塗料組成物の塗装時の全固形分量は、30〜80質量%であり、好ましくは35〜65質量%である。この範囲外では塗料安定性が低下する恐れがある。また上限を上回ると粘性が高すぎて塗膜外観が低下し、下限を下回ると粘性が低すぎてなじみやムラ等の外観不良が発生する恐れがある。本発明に用いられる中塗り塗料組成物中には、上記成分の他に塗料に通常添加される添加剤、例えば、表面調整剤、酸化防止剤、消泡剤等を配合してもよい。これらの配合量は当業者の公知の範囲である。
本発明に用いられる塗料組成物の製造方法は、後述するものを含めて、特に限定されず、顔料等の配合物をニーダーまたはロール、SGミル等を用いて混練、分散する等の当業者に周知の全ての方法を用いることができる。
ベース塗料組成物
本発明の塗膜形成方法に用いられるベース塗料組成物は、アクリル樹脂(ア)、メラミン樹脂(イ)、重合微粒子(ウ)、光輝性顔料(エ)、そして塗膜形成性樹脂および硬化剤等を含有する、メタリックベース塗料組成物である。そして重合微粒子(ウ)は、架橋重合体微粒子(ウ−1)およびコアシェル構造を有する非水ディスパージョン樹脂(ウー2)を含有する。
上記ベース塗料組成物は、アクリル樹脂(ア)を含む。アクリル樹脂(ア)を含むことにより、堅牢度を高める等、ベース塗膜の物性を向上させることができる。上記アクリル樹脂は、水酸基価(固形分)が10〜200である。10未満であると、硬化不充分となって、塗膜物性が劣る恐れがある。また200を超えると、塗膜の可撓性や耐水性が低下する恐れがある。
上記アクリル樹脂(ア)は、アクリル酸、メタクリル酸、及び/又はこれらの誘導体等のアクリル樹脂を得るために通常使用される不飽和モノマーを1種又は2種以上用いて調製される。そしてアクリル樹脂(ア)の調製に用いられるモノマー成分として、水酸基含有モノマーも用いられる。
上記アクリル酸やメタクリル酸の誘導体としては特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n、i又はt−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等のアルキルエステル類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルエステル類;(メタ)アクリルアミド等のアミド類;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類等が挙げられる。上記モノマー成分としては、更に、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;酢酸ビニル等のビニル化合物等を含むこともできる。水酸基含有モノマーとして、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和モノマーが挙げられる。
上記アクリル樹脂(ア)は、数平均分子量が1000〜20000である。1000未満であると、耐候性等の塗膜物性に劣るおそれがある。また20000を超えると、樹脂の粘度が高くなり、多量の溶剤が必要となるおそれがある。
上記アクリル樹脂(ア)は、酸価が1〜80mgKOH/g(固形分)であることが好ましい。1mgKOH/g未満であると、塗膜物性に劣る場合があり、80mgKOH/gを超えると、塗膜の耐水性が後退しやすくなるおそれがある。より好ましくは、10〜45mgKOH/gである。
上記アクリル樹脂(ア)の製造方法としては特に限定されず、例えば、通常のラジカル重合等の溶液重合等により行うことができる。
ベース塗料組成物中におけるアクリル樹脂(ア)の含有量は、ベース塗料組成物のアクリル樹脂(A)、メラミン樹脂(イ)および重合微粒子(ウ)などの塗膜形成樹脂の固形分に対して10〜90質量%であるのが好ましい。10質量%未満であると、堅牢度が低下する等、塗膜物性に劣ることがあり、90質量%を超えると、塗膜が硬く脆くなり、耐チッピング性等の塗膜物性が劣ることがある。
上記ベース塗料組成物に含まれるメラミン樹脂(イ)は、特に限定されるものではなく、上記中塗り塗料に含有されるメラミン樹脂(b)と同じものであっても、違うものであってもよい。メラミン樹脂(イ)として、例えばメチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂あるいはメチル・ブチル混合型メラミン樹脂などを用いることができる。市販のメラミン樹脂として、例えば日本サイテック社製の「サイメル−303」、「サイメル254」、三井化学社製の「ユーバン20N60」、「ユーバン128」、住友化学工業社製の「スミマールシリーズ」等が挙げられる。
ベース塗料組成物中におけるメラミン樹脂(イ)の含有量は、ベース塗料組成物のアクリル樹脂(A)、メラミン樹脂(イ)および重合微粒子(ウ)などの塗膜形成樹脂の固形分に対して5〜60質量部であるのが好ましく、15〜45質量%であるのが更に好ましい。使用量が下限を下回ると硬化性が不十分となるおそれがあり、上限を上回ると硬化膜が堅くなり、塗膜にした場合にチッピング性が低下する恐れがある。
上記ベース塗料組成物に含まれる重合微粒子(ウ)は、架橋重合体微粒子(ウ−1)および非水ディスパージョン樹脂(ウ−2)を含む。ベース塗料組成物中における重合微粒子(ウ)の含有量は、ベース塗料組成物のアクリル樹脂(A)、メラミン樹脂(イ)および重合微粒子(ウ)などの塗膜形成樹脂の固形分に対して1〜30質量部であるのが好ましい。
非水ディスパージョン樹脂(ウ−2)は、上述の中塗り塗料組成物に配合した非水ディスパージョン樹脂(d)と同じものを用いることができる。さらに、中塗り塗料組成物の場合と同様に、例えば色材,48巻(1975)第686頁〜692頁中に記載されているNAD塗料に用いられるNAD(Non Aqueous Dispersion、非水系重合体分散液)と言われる樹脂粒子を使用することもできる。そしてベース塗料組成物に用いられる非水ディスパージョン樹脂(ウ−2)は、上記などの非水ディスパージョン樹脂のうち、平均粒径(D50)が0.05〜10μmのものを用いる。
なお、本明細書中の「平均粒径」とは、一般に粒子の粒度(粒径が粗いか細かいか)を表わすために用いられるものであり、質量50%に相当するメジアン径や数平均径、表面積平均径、体積面積平均径などが使用される。本明細書に示す平均粒径は、レーザー法によって測定された値で示している。レーザー法とは、粒子を溶媒に分散させ、その分散溶媒にレーザー光線を当て、得られた散乱光を捕捉、演算することにより、平均粒径、粒度分布等を測定する方法である。
上記ベース塗料組成物に配合する架橋重合体微粒子(ウ−1)は、有機溶剤に不溶であって、平均粒径(D50)が0.01〜1μmのものを用いる。平均粒径が上限を超えると安定性が低下する恐れがあり、また下限未満では生産設備上の困難性が高く、粒子形状の維持も困難になる恐れがある。架橋重合体微粒子は、乳化能を有する樹脂と重合開始剤との存在下において、水性媒体中で重合性単量体を乳化重合させることにより調製することができる。乳化能を有する樹脂として、例えば、両イオン性基および2以上のヒドロキシル基を分子内に有する単量体を、多価アルコール成分のひとつとして用いて合成した、アルキド樹脂あるいはポリエステル樹脂などの樹脂が挙げられる。
上記の両イオン性基として、例えば−N+−R−COO-または−N+−R−SO3 -(式中、RはC1〜C6の直鎖もしくは分岐状アルキレン基を表す)が挙げられる。このような両イオン性基と、2以上のヒドロキシル基とを有する単量体を用いることによって、乳化能を有する樹脂を好適に調製することができる。このような単量体として、ヒドロキシル基含有アミノスルホン酸型両性イオン化合物が樹脂合成上好ましく用いられる。具体的な単量体として、例えばビスヒドロキシエチルタウリン等が挙げられる。
上記の単量体を用いて合成される、両イオン性基を分子内に有する、乳化能を有する樹脂としては、酸価が30〜150mgKOH/g、好ましくは40〜150mgKOH/g、数平均分子量が500〜5000、好ましくは700〜3000のポリエステル樹脂であるのがより好ましい。これらの酸価および数平均分子量が上限を超える場合は、樹脂のハンドリング性が低下する恐れがある。また、これらの酸価および数平均分子量が下限を下回る場合は、塗膜にした場合に乳化能を有する樹脂が脱離したり、耐溶剤性が低下したりする恐れがある。
また架橋重合体微粒子の合成で用いられる、乳化重合される重合性単量体としては、分子内に2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマーが用いられる。このような分子内に2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマーは、全単量体中の0.1〜70質量%の範囲で含有させることが好ましい。この量は、微粒子重合体が溶剤に溶解しないだけの充分な架橋が与えられる程度に選択される。
分子内に2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有する単量体としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記架橋重合体微粒子(ウ−1)は、塗膜化したときに性能を低下させるような低分子乳化剤あるいは保護コロイドを含まず、しかも分子内に2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマーを共重合することにより架橋されている。そのため、得られる塗膜の耐水性、耐溶剤性および光沢等を向上させることができるという利点を有する。
上記ベース塗料組成物に含まれる架橋重合体微粒子(ウ−1)とコアシェル構造を有する非水ディスパージョン樹脂(ウ−2)との混合固形分質量比は、(ウ−1)/(ウ−2)が40/60〜60/40の範囲である。上記範囲を外れる場合は、ベース塗料組成物に対して十分な粘性制御効果を付与することができない。すなわち、架橋重合体微粒子(ウ−1)とコアシェル構造を有する非水ディスパージョン樹脂(ウ−2)を上記範囲で併用することによって、より大きな構造粘性を発現させることができる。
上記ベース塗料組成物に含有される光輝性顔料(エ)としては、形状は特に限定されず、更に着色されていても良いが、例えば、平均粒径(D50)が2〜50μmであり、且つ厚さが0.1〜5μmである鱗片状のものが好ましい。また、平均粒径が10〜35μmの範囲のものは光輝感に優れるという利点を有し、更に好適に用いられる。上記光輝性顔料の塗料中の顔料濃度(PWC)は、一般に23.0%以下である。上限を超えると塗膜外観が低下する恐れがある。好ましくは、1%〜20.0%であり、より好ましくは、1%〜18.0%である。なお、この顔料濃度は、樹脂固形分質量を基準にした顔料の含有量(%)を示すものである。
上記光輝性顔料としては、金属または合金等の無着色あるいは着色された金属性光輝材及びその混合物、干渉マイカ粉、着色マイカ粉、ホワイトマイカ粉、グラファイトあるいは無色有色偏平顔料等を挙げることができる。金属または合金等の無着色あるいは着色された金属性光輝材及びその混合物が好ましい。金属の具体例としては、アルミニウム、酸化アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、スズ等を挙げることができる。これらは分散性に優れており、またこれらを用いることによって透明感の高い塗膜を形成することができる。
上記ベース塗料組成物は、さらに着色顔料および/または体質顔料を含んでもよい。着色顔料としては、有機系のアゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料などが挙げられ、無機系では黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタンなどが挙げられる。また更に、体質顔料として、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等を併用しても良い。
上記光輝性顔料およびその他の全ての顔料を含めたベース塗料組成物中の全顔料濃度(PWC)としては、1〜50%であり、好ましくは、1%〜40%であり、より好ましくは、1%〜30%である。上限を超えると塗膜外観が低下する恐れがある。
本発明で用いられるベース塗料組成物の塗装時の固形分量は、15〜70質量%であり、好ましくは20〜50質量%である。上限を超えると、粘性が高すぎて塗膜外観が低下する恐れがある、また下限を下回ると、粘性が低すぎてなじみやムラ等の外観不良が発生する恐れがある。さらに上記範囲外では、塗料安定性が低下する傾向がある。
上記ベース塗料組成物は、一般には溶液型のものが好ましく用いられ、溶液型であれば有機溶剤型、非水分散型のいずれでもよい。
本発明に用いられるベース塗料組成物の製造には、特に限定されず、顔料等の配合物をニーダーまたはロール等を用いて混練、分散する等の当業者に周知の全ての方法を用いることができる。
クリヤー塗料組成物
本発明に用いられるクリヤー塗料は、イソシアネート化合物(A)および数平均分子量(Mn)2000〜5000、水酸基価(固形分)100〜200mgKOH/gであり、かつ該水酸基価のうち二級水酸基の割合が20〜100%である水酸基含有アクリル樹脂(B)を含有する2液型クリヤー塗料組成物である。
上記イソシアネート化合物(A)は、塗料の硬化剤として用いられるイソシアネート化合物であれば、特に限定されない。代表的なイソシアネート化合物としては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂肪族環式イソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルナンジイソシアネートメチル等の脂環族イソシアネート、これらのビューレット体、ヌレート体等の多量体および混合物を用いることができる。
上記水酸基含有アクリル樹脂(B)は、数平均分子量(Mn)2000〜5000、水酸基価(固形分)100〜200mgKOH/gであり、かつ該水酸基価のうち二級水酸基の割合が20〜100%であり、水酸基含有アクリル単量体と他のエチレン性不飽和基含有単量体とを通常の方法により共重合することにより得ることができるが、水酸基含有アクリル単量体として二級水酸基を有するアクリル単量体を使用する必要がある。
水酸基含有アクリル樹脂(B)の合成に用いる二級水酸基含有アクリル単量体の例としては、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、二級水酸基含有アクリル単量体に加えて、一級水酸基を有するアクリル単量体も用いることができ、その例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;プラクセルFM−1(商品名、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとポリカプロラクトンとの付加物、ダイセル化学工業社製);ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及び/又はメタクリレートを表す。
上記他のエチレン性不飽和基含有単量体としては特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル系単量体類;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有単量体類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有単量体類;(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド等のアクリルアミド系単量体類;アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の積層塗膜形成方法に用いる水酸基含有アクリル樹脂は数平均分子量(Mn)2,000〜5,000、好ましくは2,500〜4,500を有する。数平均分子量が2,000より小さいと、作業性および硬化性が十分でなく、5,000を越えると塗装時の不揮発分が低くなりすぎ、かえって作業性が悪くなる。
水酸基含有アクリル樹脂は、100〜200mgKOH/gの水酸基価(固形分)を有することが好ましく、好ましくは110〜180である。上限を越えると塗膜の耐水性が低下し、下限を下回ると塗膜の硬化性が低下する。本発明では水酸基含有アクリル樹脂は、水酸基価のうち二級水酸基に由来する割合が20〜100%、好ましくは30〜100%である。二級水酸基の割合が20%以下であると、硬化反応速度を遅延させることができず、外観の欠陥が多くなる傾向にある。二級水酸基が100%であっても、硬化反応速度の大幅な落ち込みはなく、作業性や硬化度にあまり悪影響を与えない。
上記クリヤー塗料組成物中の水酸基含有アクリル樹脂の含有量は、クリヤー塗膜を形成する二液型塗料の固形分の重量に対して、50〜85重量%である。上限を越えると塗膜の硬化性が低下し、下限未満では塗料の貯蔵安定性が低下する。
上記イソシアネート化合物である硬化剤の配合量は上記水酸基含有アクリル樹脂の固形分に対して15〜50重量%である。含有量が15重量%を下回ると硬化性が不十分となり、50重量%を上回ると硬化膜が堅くなりすぎ脆くなる。
更に、水酸基含有樹脂とポリイソシアネートとの配合比は、目的により種々選択できるが、本発明ではイソシアネート基(NCO)と水酸基(OH)との当量比(NCO/OH)が1/1.5〜1.5/1の範囲、好ましくは1/1.2〜1.2/1となるように構成するのが好ましい。範囲外では硬化性が低下する。
更に、上記クリヤー塗料には、塗装作業性を確保するために、粘性制御剤を添加されていることが好ましい。粘性制御剤は、一般にチクソトロピー性を示すものを使用できる。このようなものとして、例えば、上述の中塗り塗料についての記載で挙げたものを使用することができる。また必要により、硬化触媒、表面調整剤等を含むことができる。
基材
本発明の積層塗膜形成方法は、種々の基材、例えば金属、プラスチック、発泡体等、特に金属表面、および鋳造物に有利に用いることができる。中でも、カチオン電着塗装可能な金属製品に対し、特に好適に用いることができる。
上記金属製品としては、例えば、鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛等およびこれらの金属を含む合金が挙げられる。具体的には、乗用車、トラック、オートバイ、バス等の自動車車体および部品が挙げられる。これらの金属は予めリン酸塩、クロム酸塩等で化成処理されたものが特に好ましい。
また、本発明の積層塗膜形成方法に用いられる基材には、化成処理された鋼板上に電着塗膜が形成されていても良い。電着塗膜を形成する電着塗料としては、カチオン型およびアニオン型を使用できるが、カチオン型電着塗料組成物が防食性において優れた積層塗膜を与えるため好ましい。
積層塗膜形成方法
本発明の積層塗膜形成方法は、基材上に、中塗り塗料組成物により中塗り塗膜、ベース塗料組成物によりベース塗膜およびクリヤー塗料組成物によりクリヤー塗膜を、順次ウェット・オン・ウェットで形成し、その後これらの3種の塗膜を一度に焼付け硬化させる方法である。
本発明において、中塗り塗料組成物を、自動車車体などの被塗物に塗装する際は、エアー静電スプレー塗装による多ステージ塗装、好ましくは2ステージで塗装するか、或いは、エアー静電スプレー塗装と、通称「μμ(マイクロマイクロ)ベル」、「μ(マイクロ)ベル」あるいは「メタベル」等と言われる回転霧化式の静電塗装機とを組み合わせた塗装方法等により塗膜を形成することができる。これらの塗装方法によって、塗膜外観に優れた塗膜を得ることができる。
本発明における、中塗り塗料組成物による乾燥塗膜の膜厚は、所望の用途により変化するが、多くの場合10〜60μmが有用である。上限を超えると、鮮映性が低下したり、塗装時にムラあるいは流れ等の不具合が起こることがあり、下限を下回ると、下地が隠蔽できず膜切れが発生することがある。
本発明の積層塗膜形成方法では更に、未硬化の中塗り塗膜の上に、ベース塗料組成物、およびクリヤー塗料組成物を順次ウェット・オン・ウェットで塗布し、ベース塗膜およびクリヤー塗膜を形成する。
ベース塗料組成物は、上記中塗り塗料組成物と同様に、エアー静電スプレー塗装あるいはメタベル、μμベル、μベル等の回転霧化式の静電塗装機により塗装することができる。ベース塗膜の乾燥膜厚は5〜35μmに設定することができ、好ましくは7〜25μmである。ベース塗膜の膜厚が35μmを超えると、鮮映性が低下したり、塗膜にムラまたは流れが生じることがあり、5μm未満であると、下地隠蔽性が不充分となり、膜切れ(塗膜が不連続な状態)が生じることがあるため、いずれも好ましくない。
上記クリヤー塗料組成物により形成されるクリヤー塗膜の乾燥膜厚は、一般に10〜80μm程度が好ましく、より好ましくは20〜60μm程度である。上限を超えると、塗装時にワキあるいはタレ等の不具合が起こることがある。また下限を下回ると、下地の凹凸が隠蔽できないことがある。
こうして得られる3種の塗膜は、同時に焼付け硬化させる、いわゆる3コート1ベークによって硬化する。この方法は、中塗り塗膜およびベース塗膜の焼き付け乾燥炉を省略することができ、経済性および環境保全の面からも好ましい。
本発明では、クリヤー塗料組成物に特定の2液型クリヤー塗料組成物を用い、その塗料組成物に用いる水酸基含有アクリル樹脂の水酸基の20〜100%を2級水酸基にした。このように2級水酸基を導入することにより、クリヤー塗料組成物の硬化反応が遅延する。具体的には、クリヤー塗料組成物の硬化開始温度が高くなる。クリヤー塗料組成物の硬化開始温度が高くなると、その下層、即ち中塗り塗膜やベース塗膜から揮散する溶剤がクリヤー塗膜が硬化を開始しない間に、揮散してしまい、クリヤー塗膜が加熱によってフローするためその抜け跡をクリヤー塗膜に形成しないので、塗膜欠陥が生じず、外観が向上する。本発明では、好ましくは、それぞれの塗料の硬化開始温度が、クリヤー塗料組成物(又はクリヤー塗膜)>ベース塗料組成物(又はベース塗膜)>中塗り塗料組成物(又は中塗り塗膜)の順になる。
上記積層塗膜を硬化させる硬化温度を60〜140℃、好ましくは80〜130℃に設定することで高い架橋度の硬化塗膜が得られる。上限を上回ると塗膜が固く脆くなる恐れがあり、下限を下回ると十分な硬化が得られない恐れがある。硬化時間は硬化温度により変化するが、80℃〜130℃で20〜60分、120℃〜150℃で5〜40分程度、好ましくは7〜30分程度である。
本発明で形成される積層塗膜の膜厚は、多くの場合30〜300μmであり、好ましくは50〜250μmである。上限を超えると、冷熱サイクル等の膜物性が低下し、下限を下回ると膜自体の強度が低下するおそれがある。
以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。尚、以下に於いて「部」とあるのは「質量部」を意味する。
製造例1 中塗り塗料組成物用ウレタン変性ポリエステル樹脂の製造
窒素導入管、撹拌機、温度調節機、滴下ロートおよびデカンターを備えた冷却管を取り付けた2Lの反応容器にイソフタル酸440部、ヘキサヒドロフタル酸20部、アゼライン酸40部、トリメチロールプロパン300部およびネオペンチルグリコール200部とを仕込み、加熱により原料が溶解し撹拌可能となったところで、ジブチル錫オキサイド0.2部を投入し、撹拌を開始し、反応層温度を180から220℃まで3時間かけて徐々に昇温した。生成する縮合水は系外へ留去した。220℃に達したところで、1時間保温し、反応層内にキシレン20部を徐々に添加し、溶剤存在化で縮合反応を進行させた。樹脂酸価が10mgKOH/gに達したところで、100℃に冷却し、ヘキサメチレンジイソシアネート100部を30分間かけて徐々に添加した。更に、1時間保持後、キシレン200部および酢酸ブチル200部を加え、固形分70%、数平均分子量2000、酸価8mgKOH/g、水酸基価120、樹脂Tg60℃のウレタン変性ポリエステル樹脂を得た。
製造例2 非水ディスパージョンの製造
(2−1)分散安定樹脂の製造
攪拌機、温度制御装置、還流冷却器を備えた容器に酢酸ブチル90部を仕込んだ。次に、メチルメタクリレート38.9部、ステアリルメタクリレート38.8部、2−ヒドロキシエチルアクリレート22.3部およびアゾビスイソブチロニトリル5.0部からなる組成の溶液の内20部を加え、攪拌しながら加熱し、温度を上昇させた。110℃で上記混合溶液の残り85部を3時間で滴下し、次いでアゾビスイソブチロニトリル0.5部と酢酸ブチル10部からなる溶液を30分間で滴下した。反応溶液をさらに2時間攪拌還流させて樹脂への変化率を上昇させた後、反応を終了させ、固形分50%、数平均分子量5600およびSP値9.5のアクリル樹脂を得た。
(2−2)非水ディスパージョンの製造
攪拌機、冷却器、温度制御装置を備えた容器に酢酸ブチル90部、上記の(2−1)分散安定樹脂の製造で得たアクリル樹脂120部(固形分として60部)を仕込んだ。次に、スチレン7.0部、メタクリル酸1.8部、メチルメタクリレート12.0部、エチルアクリレート8.5部、2−ヒドロキシエチルアクリレート40.7部およびアゾビスイソブチロニトリル1.4部からなる組成の溶液を100℃で3時間で滴下し、次いでアゾビスイソブチロニトリル0.1部と酢酸ブチル1部からなる溶液を30分間で滴下した。反応溶液をさらに1時間攪拌を続けたところ、固形分60%、粒子径180nmのエマルジョンを得た。このエマルジョンを酢酸ブチルで希釈し、粘度300cps(25℃)、粒子径180nmの非水ディスパージョン含量40質量%のコアシェル型酢酸ブチル分散体を得た。この非水ディスパージョン樹脂のTgは23℃、水酸基価は162であった。
製造例3 中塗り塗料組成物の製造
1Lのベッセルに、先の製造例1で得られた中塗り塗料組成物用ウレタン変性ポリエステル樹脂ワニス107部、CR−97(石原産業社製酸化チタン)280部、MA−100(三菱化学社製カーボンブラック顔料)13部、LMS−100(富士タルク社製鱗片状タルク)7部、酢酸ブチル47部およびキシレン47部を仕込み、仕込み質量と同量のGB503M(粒径1.6mmガラスビーズ)を投入し、卓上SGミルを用いて室温で3時間分散し、灰色の顔料ペーストとした。グラインドゲージによる分散終了時の粒度は5μm以下であった。ガラスビーズを濾過して顔料ペーストを得た。
上記顔料ペースト100部に、上記中塗り塗料組成物用ウレタン変性ポリエステル樹脂130部、上記製造例の中塗り塗料組成物用非水ディスパージョン53部、ユーバン128(三井化学社製メラミン樹脂、固形分60%)71部、デュラネートMF−K60X(旭化成社製活性メチレン型ブロックイソシアネート、固形分60%)71部を混合して中塗り塗料組成物を調製した。
更に、エトキシエチルプロピオネート/S−100(エクソン社製芳香族炭化水素溶剤)=1/1の混合溶剤で、No.4フォードカップを用いて19秒/20℃に希釈調整した。塗布時の不揮発分は49%であった。
製造例4 アクリル樹脂(ア)の製造
攪拌機、温度制御装置、還流冷却器を備えた容器にキシレン50部、n−ブタノール25部を仕込んだ。次に下記組成の溶液スチレン5.0部、メタクリル酸1.5部、メタクリル酸メチル20.0部、エチルアクリレート45.0部、2−ヒドロキシエチルアクリレート6.6部、ブトキシメチルアクリルアミド5.0部、プラクセルFM−2 17.6部(ダイセル化学工業水酸基含有モノマー)、アゾビスイソブチロニトリル7.0部の内20部を加え、攪拌しながら加熱し、温度を上昇させた。還流させながら上記混合溶液の残り87.7部を3時間で滴下し、次いでアゾビスイソブチロニトリル0.2部とキシロール8部からなる溶液を30分間で滴下した。反応溶液をさらに1時間攪拌還流させて樹脂への変化率を上昇させた後、反応を終了させ、固形分55%、数平均分子量3800のアクリル樹脂ワニスを得た。
製造例5 架橋重合体微粒子(ウ−1)の製造
(5−1)両イオン性基を有するポリエステル樹脂の製造
攪拌機、窒素導入管、温度制御装置、コンデンサー、デカンターを備えた2Lコルベンに、ビスヒドロキシエチルタウリン134部、ネオペンチルグリコール130部、アゼライン酸236部、無水フタル酸186部およびキシレン27部を仕込み、昇温した。反応により生成する水をキシレンと共沸させ除去した。還流開始より約2時間をかけて温度を190℃にし、カルボン酸相当の酸価が145になるまで攪拌と脱水を継続し、次に140℃まで冷却した。次いで140℃の温度を保持し、「カージュラE−10」(シェル社製のバーサティック酸グリシジルエステル)314部を30分で滴下し、その後2時間攪拌を継続し、反応を終了した。このようにして得られたポリエステル樹脂は、酸価59、ヒドロキシル価90、数平均分子量1054であった。
(5−2)架橋重合体微粒子の製造
攪拌機、冷却器、温度制御装置を備えた1Lの反応容器に、脱イオン水232部、上記の両イオン性基を有するポリエステル樹脂の製造で得たポリエステル樹脂10部およびジメチルエタノールアミン0.75部を仕込み、攪拌下温度を80℃に保持しながら溶解し、これにアゾビスシアノ吉草酸4.5部を脱イオン水45部とジメチルエタノールアミン4.3部に溶解した液を添加した。次いでメチルメタクリレート130部、スチレン40部およびエチレングリコールジメタクリレート140部からなる混合溶液を60分間を要して滴下した。滴下後、さらにアゾビスシアノ吉草酸1.5部を脱イオン水15部とジメチルエタノールアミン1.4部に溶かしたものを添加して80℃で60分間攪拌を続けたところ、固形分45%、pH7.2、粘度92cps(25℃)、粒子径0.1μmのエマルジョンが得られた。このエマルジョンを共沸を利用してキシロール溶液に置換し、架橋重合体微粒子粒径0.07μmで架橋重合体微粒子含量20質量%のキシロール分散体を得た。
ベース塗料組成物の製造
ステンレス容器に、製造例4のアクリル樹脂(ア)70部、ユーバン20N60(三井化学社製メラミン樹脂、固形分60%)30部、製造例5の架橋重合体微粒子(ウ−1)5部、製造例2のコアシェル構造を有する非水ディスパージョン樹脂(ウ−2)5部、アルミペースト91−0562(東洋アルミニウム社製アルミニウム顔料)15部、を秤量し、卓上攪拌機で攪拌してメタリックベース塗料組成物を調製した。
実施例1
アクリル樹脂の製造方法
攪拌機、温度制御装置、還流冷却器を備えた容器に酢酸ブチル30gを仕込み120℃に昇温させた。次に下記組成の溶液(スチレン20部、n-ブチルアクリレート15.3部、n-ブチルメタアクリレート27.9部、2-ヒドロキシプロピルメタアクリレート36部、アクリル酸0.8部)およびカヤエステルO 12部および酢酸ブチル6部を3時間かけて同時に滴下させた後30分間放置し、カヤエステルO 0.5部、酢酸ブチル4部の溶液を30分間かけて滴下し、反応溶液を1時間攪拌し樹脂への変化率を上昇させた後、反応を終了させ、固形分70%、数平均分子量3800のアクリル樹脂ワニスを得た。
2液型クリヤー塗料組成物の製造
1Lの金属製容器に上記にて得られたアクリル樹脂ワニスを245.3部、チバガイギー社製紫外線吸収剤「チヌビン384」5.6部、チバガイギー社製光安定剤「チヌビン123」5.6部、アクリル系表面調整剤5.6部、トルエン37.0部及びキシレン37.0部を順次添加し、ディスパーにて十分撹拌した。次に、ビッグケミー社製有機カルボン酸のアンモニウム塩「BYK−ES80」0.5部及びメタノール6.0部を添加し、更に撹拌し、クリヤー塗料A液を得た。
別の金属製容器に、住友バイエルウレタン社製「ディスモジュールN−3300」(NCO有効成分22%)100.0部及び2−エチルエトキシプロパノールを順次添加し、十分撹拌し、クリヤー塗料B液を得た。
このようにして得られたクリヤー塗料A液とクリヤー塗料B液を表1に示す規定の比率で混合することで、クリヤー塗料1(有機溶剤含有量64重量%)を得た。尚、配合量(部)は、質量比(%)で表示した。
次いで、2−エチルエトキシプロパノール/キシレン=1/1からなる希釈溶剤を用いて、30秒(No.4フォードカップを使用し、20℃で測定)に希釈した。希釈塗料の電気抵抗値は、1.5MΩであった。また、希釈された塗料を20℃で4時間経過した場合の粘度上昇率は、+30%であった。
積層塗膜の形成
りん酸亜鉛化成処理を施した厚さ0.8mmのダル鋼板上にカチオン電着塗料「V−50」(日本ペイント社製)を硬化膜厚が約20μmになるように電着塗装し、160℃で30分加熱し硬化させてから、製造例3により得られた中塗り塗料組成物を、硬化膜厚が約25μmになるようにエアースプレー塗装した。
中塗り塗料組成物を塗装してから10分後、未硬化の中塗り塗料組成物が塗装された上記被塗物板を垂直に立てた。調製したベース塗料組成物を、ソルベッソ150(エクソン石油社製炭化水素系溶剤)50部、酢酸エチル25部、トルエン25部からなる希釈シンナーにて、No.4フォードカップで12.5秒/20℃に希釈調整した。得られた希釈ベース塗料組成物を、乾燥膜厚で15μmとなるように、1.5分間隔の2ステージで「メタベル」(ランズバーグ社製回転霧化型静電塗装機)により塗装した。室温で10分間放置し、メタリックベース塗膜を作成した。
ついで、予め、No.4フォードカップで25秒/20℃に希釈調整された実施例1のクリアー塗料1を、垂直に設置した未硬化の中塗りおよびベース塗膜が形成された被塗物にウェット・オン・ウェットにより、クリヤー塗膜の乾燥塗膜が35μmになるように1回塗りで塗装した。
3層未硬化の塗膜が形成された被塗物を、室温にて、垂直状態で7分間放置した後、垂直の状態のままで、140℃の乾燥器で30分間焼付けることにより、3コート/1ベークによる積層塗膜が得られた。得られた積層塗膜について、以下の試験を行った。結果を表1に示す。表1中には、用いた2級水酸基含有アクリルモノマーの種類とその結果得られた水酸基価の値および各塗膜の硬化開始温度も記載する。
<耐擦傷性試験>
クレンザーの50%水分散体1g(花王社製ニューホーミングクレンザー(商品名);研磨剤87%、界面活性剤5%及びその他の成分を含む。)を塗布した2×2cmのネル製布を学振型染色物摩擦堅牢度試験機(大栄科学精機社製)に装着した。次いで、得られた硬化塗膜を500gの負荷で10往復摩擦し、光沢計(スガ試験機社製)を用いて摩擦前後の20°Gの光沢保持率(%)を測定した。目視評価との対応を以下に示す。
>90:変化なし。
80〜90:かすかに変化が見えるが気にならない程度である。
70〜80:少し変化が見える。
70<:明確に変化が見える。
<塗膜外観の評価>
塗膜外観を、ウェーブスキャン(ビッグケミーーガードナー社製)にて測定し、平滑性とツヤ感を800〜2400μmの中波長領域の測定値(W2値)と、320〜800μmの短波長領域の測定値(3W値)とで評価した。いずれも数値の低い方が平滑性とツヤ感が良好である。
実施例2
実施例1のアクリル樹脂の製造において、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート36部を2−ヒドロキシプロピルアクリレート32.5部に代える以外は、実施例1と同様に2液ウレタンクリヤー塗料を作成し、実施例1と同様に塗装および評価を行った。用いた水酸基含有アクリルモノマーとそれにより得られた水酸基価、各塗料の硬化開始温度および塗膜の評価結果を表1に示す。
実施例3
実施例1のアクリル樹脂の製造において、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート36部を、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート27.0部と4−ヒドロキシブチルアクリレート9.0部に代える以外は、実施例1と同様に2液ウレタンクリヤー塗料を作成し、実施例1と同様に塗装および評価を行った。用いた水酸基含有アクリルモノマーとそれにより得られた水酸基価、各塗料の硬化開始温度および塗膜の評価結果を表1に示す。
実施例4
実施例1のアクリル樹脂の製造において、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート36部を、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート18.0部と4−ヒドロキシブチルアクリレート18.0部に代える以外は、実施例1と同様に2液ウレタンクリヤー塗料を作成し、実施例1と同様に塗装および評価を行った。用いた水酸基含有アクリルモノマーとそれにより得られた水酸基価、各塗料の硬化開始温度および塗膜の評価結果を表1に示す。
実施例5
実施例1のアクリル樹脂の製造において、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート36部を、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート9.0部と4−ヒドロキシブチルアクリレート27.0部に代える以外は、実施例1と同様に2液ウレタンクリヤー塗料を作成し、実施例1と同様に塗装および評価を行った。用いた水酸基含有アクリルモノマーとそれにより得られた水酸基価、各塗料の硬化開始温度および塗膜の評価結果を表1に示す。
比較例1
実施例1のアクリル樹脂の製造において、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート36部を2−ヒドロキシエチルアクリレート29.0部に代える以外は、実施例1と同様に2液ウレタンクリヤー塗料を作成し、実施例1と同様に塗装および評価を行った。配合量および評価結果を表1に示す。
比較例2
実施例1のアクリル樹脂の製造において、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート36部を2−ヒドロキシエチルメタクリレートとポリカプロラクトンとの付加物(プラクセルFM(商品名)シリーズ、ダイセル工業社製)61.0部に代える以外は、実施例1と同様に2液ウレタンクリヤー塗料を作成し、実施例1と同様に塗装および評価を行った。用いた水酸基含有アクリルモノマーとそれにより得られた水酸基価、各塗料の硬化開始温度および塗膜の評価結果を表1に示す。
比較例3
実施例1のアクリル樹脂の製造において、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート36部を4−ヒドロキシブチルアクリレート36.0部に代える以外は、実施例1と同様に2液ウレタンクリヤー塗料を作成し、実施例1と同様に塗装および評価を行った。用いた水酸基含有アクリルモノマーとそれにより得られた水酸基価、各塗料の硬化開始温度および塗膜の評価結果を表1に示す。
Figure 2010227753
*1 商品名、2−ヒドロキシエチルメタクリレートとポリカプロラクトンとの付加物、ダイセル化学工業社製
上記表1から明らかなように、2級水酸基を含むアクリル樹脂の場合、硬化開始温度が比較例のもの(2級水酸基を所定量含まないアクリル樹脂)より高くなり、硬化開始温度がクリヤー塗膜>ベース塗膜>中塗り塗膜の順になっている。この場合、外観と耐擦傷性光沢保持率が比較例のものより高くなることが解る。一方、比較例(従来の2級水酸基を含まないアクリル樹脂を用いるもの)ではベース塗膜の硬化開始温度が一番高くなり、外観や耐擦傷性光沢保持率が悪くなっている。
このことから明らかなように、3コート1ベークの複層塗膜形成方法において、最上層のクリヤー塗膜が下層の塗膜より遅く硬化が始まることによって、外観がよくなる、即ち塗膜欠陥が少なくなることが理解できる。
本発明では、3コート1ベークの複層塗膜形成方法において、塗膜欠陥が少ない外観の優れた複層塗膜を提供することができる。3コート1ベークによる複層塗膜形成は、自動車などの質の高い外観が求められる基材の塗装に用いられる。

Claims (3)

  1. 電着塗膜が形成された基材の上に、中塗り塗料組成物、ベース塗料組成物およびクリヤー塗料組成物を、順次塗装する工程、および
    塗装された三層を一度に焼付け硬化させる工程、
    を包含する積層塗膜形成方法であって、
    該中塗り塗料組成物が、下記成分;
    イソフタル酸を80モル%以上含有する酸成分と多価アルコールとの重縮合によって得られ、ガラス転移点(Tg)が40〜80℃である水酸基含有ポリエステル樹脂と、脂肪族ジイソシアネート化合物とを反応して得られる、数平均分子量(Mn)が1500〜3000のウレタン変性ポリエステル樹脂(a)40〜56質量%;
    メラミン樹脂(b)10〜30質量%;
    ヘキサメチレンジイソシアネートまたはヘキサメチレンジイソシアネートとこれと反応する化合物と反応して得られるイソシアネート化合物を、活性メチレン基を有する化合物でブロックした、ブロックイソシアネート化合物(c)15〜30質量%;
    コアシェル構造を有する非水ディスパージョン樹脂(d)4〜15質量%
    ((a)〜(d)の量は塗料樹脂固形分質量を基準にする。);および
    長径が1〜10μmであり、数平均粒径が2〜6μmである扁平顔料(e)0.4〜8質量部(塗料樹脂固形分質量を100質量部とする。);
    を含有する中塗り塗料組成物であり、および、
    該ベース塗料組成物が下記成分;
    数平均分子量(Mn)1000〜20000、水酸基価10〜200および酸価1〜80mgKOH/gであるアクリル樹脂(ア)10〜90質量%;
    メラミン樹脂(イ)5〜60質量%;
    重合微粒子(ウ)1〜30質量%;
    ((ア)〜(ウ)の量は塗料樹脂固形分質量を基準にする。);および
    光輝性顔料(エ)(塗料固形分質量を基準にしての)顔料濃度(PWC)1〜23.0%;
    を含有する溶剤型ベース塗料組成物であって、
    該重合微粒子(ウ)は、平均粒径(D50)0.01〜1μmである架橋重合体微粒子(ウ−1)と平均粒径(D50)0.05〜10μmでコアシェル構造を有する非水ディスパージョン樹脂(ウ−2)とを含み、両成分の固形分質量比率は(ウ−1)/(ウ−2)が40/60〜60/40であり、および
    該クリヤー塗料組成物が、下記成分;
    イソシアネート化合物(A);および
    数平均分子量(Mn)2000〜5000、水酸基価100〜200であり、かつ該水酸基価のうち二級水酸基の割合が20〜100%である水酸基含有アクリル樹脂(B):
    を含有する2液型クリヤー塗料組成物である、
    ことを特徴とする積層塗膜形成方法。
  2. 中塗り塗料組成物、ベース塗料組成物およびクリヤー塗料組成物の硬化開始温度が、クリヤー塗料組成物>ベース塗料組成物>中塗り塗料組成物の順である請求項1記載の積層塗膜形成方法。
  3. 前記請求項1又は2記載の積層塗膜形成方法により得られる積層塗膜を有する塗装物。
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