JP2002035682A - 塗膜形成方法及び被塗物 - Google Patents

塗膜形成方法及び被塗物

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JP2002035682A
JP2002035682A JP2000227311A JP2000227311A JP2002035682A JP 2002035682 A JP2002035682 A JP 2002035682A JP 2000227311 A JP2000227311 A JP 2000227311A JP 2000227311 A JP2000227311 A JP 2000227311A JP 2002035682 A JP2002035682 A JP 2002035682A
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Katsuhiko Kano
勝彦 加野
Yoshio Tsuji
祥生 辻
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車車体等を塗装する際に、中塗り塗料を
塗布し、ウエット・オン・ウエット方式でベース塗料及
びクリヤー塗料を塗布し、3層を同時に焼き付け硬化さ
せる3コート1ベーク法において、優れた仕上がり外観
を得ることができる塗膜形成方法を提供する。 【解決手段】 電着塗装された素材の上に、中塗り塗
料、ベース塗料及びクリヤー塗料を順次塗装する工程、
並びに、上記塗装された3層を一度に焼き付け硬化させ
る工程からなる塗膜形成方法であって、上記中塗り塗
料、上記ベース塗料及び上記クリヤー塗料は、不揮発分
−粘度直線の関係が、不揮発分70〜90重量%におい
て、 中塗り塗料≧ベース塗料≧クリヤー塗料 を満たすものであることを特徴とする塗膜形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車車体等の電
着塗装された素材の上に複層塗膜を形成させる方法に関
し、更に詳しくは、自動車車体等に中塗り塗料を塗布
し、その上にウエット・オン・ウエット方式によりベー
ス塗料及びクリヤー塗料を塗布し、一度に焼き付け硬化
を行う、いわゆる3コート1ベーク塗装系によって複層
塗膜を形成させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車車体等は、被塗物である鋼板の表
面に塗装下地としてリン酸亜鉛等による化成処理が行わ
れた後、下塗り塗装、中塗り塗装及び上塗り塗装が行わ
れて、複層塗膜が形成されている。このうち、塗装工程
は、通常、電着塗装により下塗り塗装を行い焼き付け硬
化させて下塗り塗膜を形成させ、その上に中塗り塗料を
塗装し焼き付け硬化させて中塗り塗膜を形成させた後、
上塗り塗装が行われており、下塗り塗装、中塗り塗装及
び上塗り塗装は各塗装後に別々に焼き付け硬化が行われ
ている。
【0003】上塗り塗装としてベース塗料及びクリヤー
塗料を用いる場合には、中塗り塗料を塗装し焼き付け硬
化させた後、ベース塗料及びクリヤー塗料をウエット・
オン・ウエット方式により塗装してから一度に焼き付け
硬化を行う、いわゆる3コート2ベーク法により行われ
ている。
【0004】このような3コート2ベーク法は、塗装工
程が長く、エネルギー消費量が多いため、トータルコス
トが高いという問題点があった。特公昭59−3303
3号公報には、電着塗装により下塗りを行い焼き付けを
行った後、中塗り塗料及びメタリック塗料を塗布して同
時に焼き付けを行うメタリック塗装方法が開示されてい
る。しかしながら、従来の中塗り塗料及びメタリック塗
料を用いてこの方法を実施した場合には、中塗り塗料と
メタリック塗料とが塗装の界面において混和し、中塗り
塗料を塗装した後に一旦焼き付け硬化を行う3コート2
ベーク法と比較して、仕上がり外観に劣るという問題が
生じていた。
【0005】ところで、非水ディスパージョン樹脂(N
AD)は、低公害性、省資源性、及び、その流動特性に
よる塗装作業性、耐久性等に優れていることから、機
器、自動車等のメタリック塗装に使用されてきた。特開
昭57−177068号公報には、アクリル系共重合体
の存在下で単量体成分をグラフト重合させた分散粒子を
含む非水分散性樹脂被覆組成物が開示されている。この
ものは、分散粒子が硬化後も塗膜中に分散して不均一構
造をとることにより、表面硬度及び耐衝撃性に優れた塗
膜が得られるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、自動車車体
等の電着塗装された素材を塗装する際に、中塗り塗料を
塗布し、ウエット・オン・ウエット方式でベース塗料及
びクリヤー塗料を塗布し、中塗り塗料、ベース塗料及び
クリヤー塗料の3層を同時に焼き付け硬化させる方法で
あって、従来の3コート2ベーク法と比較して同等若し
くはそれ以上の優れた仕上がり外観を得ることができる
塗膜形成方法を提供することを目的とするものである。
【0007】本発明者らは、中塗り塗料を塗布した後に
焼き付け硬化が行われる従来の3コート2ベーク法の場
合には、下地隠蔽性が高く、即ち、電着塗料によって形
成された電着塗膜の表面の肌荒れは、中塗り塗料を塗装
し硬化した後にベース塗料及びクリヤー塗料を塗装した
塗膜にはあまり影響を及ぼさないが、中塗り塗料を塗布
した後に焼き付け硬化を行わずにウエット・オン・ウエ
ット方式でベース塗料及びクリヤー塗料を塗装し3層を
同時に焼き付け硬化を行う3コート1ベーク法の場合に
は、下地隠蔽性が低く、電着塗料によって形成された電
着塗膜の表面の肌荒れが、最終の仕上がり外観にも大き
く影響し、ムジ肌が発現するものであることがわかっ
た。そして、この電着塗膜に対する下地隠蔽性を向上さ
せるためには、(1)中塗り塗料、ベース塗料及びクリ
ヤー塗料をウエット・オン・ウエット方式で塗装した場
合、各層の不揮発分−粘度の関係が適正なものであるこ
と、即ち、塗装された3層のうち下層の粘度が上層の粘
度より高いことにより、体積収縮していっても塗膜がフ
ロー性を有していることが重要であることを見出し、本
発明を完成した。
【0008】本発明者らはまた、(2)中塗り塗料を塗
布した後ベース塗料及びクリヤー塗料をウエット・オン
・ウエット方式で塗装する場合における、中塗り塗料及
びベース塗料の溶剤膨潤率を低下させること(3)中塗
り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料を焼き付け硬化さ
せる過程においては、溶剤が揮発し塗膜の体積が減少し
ていくが、この体積収縮率を小さくすることによって、
電着塗膜に対する下地隠蔽性を更に向上させ、優れた仕
上がり外観の塗膜が得られることも見出した。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、電着塗装され
た素材の上に、中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗
料を順次塗装する工程、並びに、上記塗装された3層を
一度に焼き付け硬化させる工程からなる塗膜形成方法で
あって、上記中塗り塗料、上記ベース塗料及び上記クリ
ヤー塗料は、不揮発分−粘度直線の関係が、不揮発分7
0〜90重量%において、 中塗り塗料≧ベース塗料≧クリヤー塗料 を満たすものであることを特徴とする塗膜形成方法であ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の塗膜形成方法は、電着塗装された素材の上に、
中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料を順次塗装す
る工程、並びに、上記塗装された3層を一度に焼き付け
硬化させる工程からなるものである。
【0011】本発明においては、中塗り塗料、ベース塗
料及びクリヤー塗料は、不揮発分−粘度直線の関係が、
不揮発分70〜90重量%において、 中塗り塗料≧ベース塗料≧クリヤー塗料 を満たすものである。
【0012】本明細書において、不揮発分−粘度直線と
は、中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料について
それぞれ、種々の不揮発分における各粘度の値を測定
し、不揮発分(x軸)に対する粘度を対数座標軸上(y
軸)に取った点を直線的に結んだものを意味する。上記
粘度は、3点以上の不揮発分において測定することが好
ましく、そのうち少なくとも1点は70〜90重量%の
範囲内の不揮発分において測定することがより好まし
い。2点の不揮発分における測定のみであったり、70
〜90重量%の範囲を外れた不揮発分における測定のみ
であったりすると、不揮発分−粘度直線を作成した場合
に誤差が大きい場合がある。上記粘度は、ズリ速度(剪
断力)0.1(1/sec)において測定した粘度(2
5℃)であり、例えば、UBM社製レオゾルG−300
0を用いて測定することができる。
【0013】本明細書において、不揮発分−粘度直線の
関係が、不揮発分70〜90重量%において、 中塗り塗料≧ベース塗料≧クリヤー塗料 を満たすとは、上記のようにしてそれぞれ作成した中塗
り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料についての不揮発
分−粘度直線が、不揮発分70〜90重量%においては
各々交差することなく、同じ不揮発分の値であればそれ
に対する粘度の値は、 中塗り塗料≧ベース塗料≧クリヤー塗料 の関係を満たすことを意味する。上記不揮発分に対して
粘度は指数関数的に増加するものであるので、90重量
%以上の不揮発分における粘度の測定を行っていない場
合には、上記の不揮発分−粘度直線は不揮発分90重量
%における点まで外挿することができる。本発明におい
ては、上記の関係を満たすことにより、3層のうち下層
の粘度が上層と同じ又はより高いこととなり、電着塗膜
に対する下地隠蔽性を向上させることができ、更に、各
塗料が混じり合って反転することを防止することができ
るので、優れた仕上がり外観の塗膜が得られる。
【0014】中塗り塗料 本発明において、中塗り塗料としては上記の関係を満た
すものであれば特に限定されないが、水酸基含有樹脂
(a)、水酸基と反応しうる硬化剤(b)及び非水ディ
スパージョン樹脂(c)からなるものを使用することが
好ましい。上記中塗り塗料として非水ディスパージョン
樹脂(c)を含むものを使用することによって、ベース
塗料に含まれる溶剤による中塗り塗料の溶剤膨潤率を低
下させ、中塗り塗料とベース塗料とが塗装の界面におい
て混和することを防止することができるので、更に優れ
た仕上がり外観の塗膜を得ることができる。
【0015】上記水酸基含有樹脂(a)は、水酸基を含
有し、中塗り塗料に使用される媒体に溶解するものを意
味し、例えば、アクリル樹脂及び/又はポリエステル樹
脂等が挙げられる。SP値を高く設計することができる
点よりアクリル樹脂を用いることが好ましい。上記ポリ
エステル樹脂としては、ポリオールとポリカルボン酸又
はその無水物からなるものを使用することができる。
【0016】上記水酸基含有樹脂(a)は、水酸基価5
0〜250、酸価1〜50mgKOH/g、SP値9.
5〜12であるものが好ましい。水酸基価、酸価及びS
P値がこれらの範囲の上限を超えると、塗膜にした場合
の耐水性が低下する。水酸基価及び酸価が下限未満であ
ると、塗料の硬化性が低下し、また、SP値が下限未満
であると、ベース塗料とのなじみが起こる。上記水酸基
含有樹脂(a)の数平均分子量は、1000〜1000
0が挙げられるが、1100〜5000が好ましく、よ
り好ましくは1200〜3000である。上記範囲のも
のを使用することによって、中塗り塗料をハイソリッド
系とすることができるので、焼き付け硬化させた時の体
積収縮が小さくなり、塗膜の仕上がり外観を向上するこ
とができる。
【0017】なお、本明細書において、SP値は、溶解
度パラメーターとよばれるものであり、溶解性の尺度を
示すものである。SP値は、SUH,CLARKE著、
J.Polymer Science,A−1,第5
巻、1671−1681頁(1967)記載の方法によ
り計算することができる。即ち、測定温度20℃にて、
サンプルとして樹脂0.5gを100mLビーカーに秤
量し、良溶媒10mLをホールピペットを用いて加え、
マグネチックスターラーにより溶解する。良溶媒として
は、ジオキサン、アセトンを用い、貧溶媒としては、n
−ヘキサン、イオン交換水を用いる。濁点測定は、50
mLビュレットを用いて貧溶媒を滴下し、濁りが生じた
点を滴下量とする。樹脂のSP値δは次式により計算す
ることができる。 δ=(Vml 1/2 δml+Vmh 1/2 δmh)/(Vml 1/2 +V
mh 1/2 ) Vm =V12 /(φ12 +φ21 ) δm =φ1 δ1 +φ2 δ2i :溶媒の分子容(mL/mol) φi :濁点における各溶媒の体積分率 δi :溶媒のSP値 ml:低SP値貧溶媒混合系 mh:高SP値貧溶媒混合系
【0018】上記水酸基含有樹脂(a)は、樹脂固形分
総量に対して、固形分で10〜70重量%含まれること
が好ましい。10重量%未満であると、得られる塗膜が
脆くなったり、また、塗膜外観が低下したりして、塗膜
の基本的性能が劣る。70重量%を超えると、非水ディ
スパージョン樹脂(c)の配合割合が減少する結果、塗
膜の仕上がり外観が低下する。好ましくは、10〜50
重量%、より好ましくは、20〜50重量%である。
【0019】上記中塗り塗料は、水酸基と反応しうる硬
化剤(b)を含むものである。上記硬化剤(b)として
は特に限定されず、例えば、メラミン樹脂及び/又はブ
ロックイソシアネート樹脂等が挙げられる。上記硬化剤
(b)は、樹脂固形分総量に対して、固形分で10〜7
0重量%含まれることが好ましい。10重量%未満であ
ると、硬化が不充分となることがあり、塗膜物性に劣
る。70重量%を超えても、不経済であり、更に、塗膜
の仕上がり外観が低下する。より好ましくは、20〜5
0重量%である。上記水酸基含有樹脂(a)と水酸基と
反応しうる硬化剤(b)との組み合わせは特に限定され
ないが、顔料分散性や作業性の点から、アクリル樹脂及
び/又はポリエステル樹脂とメラミン樹脂とを組み合わ
せることが好ましい。
【0020】上記中塗り塗料は、非水ディスパージョン
樹脂(c)を含むものである。上記非水ディスパージョ
ン樹脂(c)は、高SP値のコア部分と低SP値のシェ
ル部分からなるものである。コア部分が高SP値を有し
ているので、塗料中の溶剤に不溶である結果、溶剤によ
る膨潤率をも小さくすることができ、更に、ベース塗膜
との微妙な混じり合いにより起こる色戻りを防止するこ
とができる。低SP値のシェル部分は、分散安定剤とし
ての働きを担う。更に、この非水ディスパージョン樹脂
(c)は非架橋粒子であるので、焼き付け時の最低粘度
を小さくすることができる。また、この粒子自体も上記
水酸基と反応しうる硬化剤(b)によって架橋すること
ができ、この場合塗膜形成成分となり得ることから、添
加量を高くすることが可能である。従って、上記非水デ
ィスパージョン樹脂(c)によって、電着塗膜の下地隠
蔽性が大きく、ムジ肌を抑制することができ、鮮映性、
光沢性も高い塗膜外観を得ることができる。
【0021】上記非水ディスパージョン樹脂(c)は、
SP値が11〜14であり、コア部分とシェル部分のS
P値の差が0.5〜3であることが好ましい。SP値の
差が0.5未満では、塗料の不揮発分を低下させること
ができず、溶解膨潤したり、また、コア部分が有する粘
性制御効果が低くなるので、電着塗膜の下地隠蔽性が小
さく、更に、ベース塗料との間でなじみが生じて、優れ
た仕上がり外観の塗膜を得ることができない。SP値の
差が3を超えるものは、分散が不安定となり、分離が起
こったり、中塗り塗料とベース塗料とが混じり合って反
転やワレが生じる場合がある。好ましくは、SP値の差
が1〜3である。上記水酸基含有樹脂(a)のSP値と
上記非水ディスパージョン樹脂(c)のSP値との関係
は、ベース塗料とのなじみを抑制することができる点か
ら、非水ディスパージョン樹脂(c)のSP値が高い方
が好ましい。
【0022】上記非水ディスパージョン樹脂(c)とし
ては、水酸基価が100〜400、好ましくは130〜
300のものである。100未満であると、塗料の硬化
性が低下し、400を超えると、耐水性が低下する場合
がある。酸価としては、0〜200mgKOH/g、好
ましくは0〜50mgKOH/gである。200mgK
OH/gを超えると、塗膜にしたときの耐水性が低下す
る。平均粒径(D50)は、0.05〜5μm、好ましく
は0.05〜1μmである。0.05μm未満である
と、塗料の不揮発分が低下し、5μmを超えると、粘性
制御効果に劣り、外観不良となる。上記分散安定樹脂の
Tgは、30℃以下が好ましい。30℃を超えると、塗
膜外観に劣り、耐チッピング性が低下したりする。
【0023】上記非水ディスパージョン樹脂(c)は、
分散安定樹脂と有機溶剤との混合液中で、重合性単量体
を共重合させることにより、この混合液に不溶な非架橋
樹脂粒子として調製することができる。分散安定樹脂が
シェル部分を構成し、重合性単量体が共重合されたもの
がコア部分を構成する。
【0024】上記重合性単量体としては、官能基を有す
る単量体が好ましい。官能基を有する単量体は、得られ
る非水ディスパージョン樹脂が上記水酸基と反応しうる
硬化剤(b)と反応して3次元に架橋した塗膜を形成す
ることができる。上記官能基を有する重合性単量体とし
てその代表的なものは以下のとおりである。水酸基を有
するものとして、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキ
シエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシメチル、アリルアルコール、(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンとの付
加物等が挙げられる。
【0025】一方、酸基を有するものとしては、カルボ
キシル基、スルホン酸基等を有するものが挙げられ、カ
ルボキシル基を有するものの例としては、(メタ)アク
リル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリ
ル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、無水マレ
イン酸、フマル酸等が挙げられる。スルホン酸基を有す
るものの例としては、t−ブチルアクリルアミドスルホ
ン酸等が挙げられる。酸基を有する重合性単量体を用い
る場合には、酸基の一部はカルボキシル基であることが
好ましい。更に、(メタ)アクリル酸グリシジル等のグ
リシジル基含有不飽和単量体、m−イソプロペニル−
α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、アクリル酸
イソシアナトエチル等のイソシアネート基含有不飽和単
量体等も挙げられる。
【0026】その他の重合性単量体としては、例えば、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリ
ル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、
(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イ
ソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸
ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、メタクリル
酸トリデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル;油脂肪酸とオキシラン構造を有するアクリル酸又は
メタクリル酸エステルモノマーとの付加反応物(例え
ば、ステアリン酸とグリシジルメタクリレートの付加反
応物);C3 以上のアルキル基を含むオキシラン化合物
とアクリル酸又はメタクリル酸との付加反応物;スチレ
ン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルス
チレン;(メタ)アクリル酸ベンジル;イタコン酸エス
テル(イタコン酸ジメチル等);マレイン酸エステル
(マレイン酸ジメチル等);フマル酸エステル(フマル
酸ジメチル等);その他に、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル;メチルイソプロペニルケトン;酢酸ビニ
ル;ベオバモノマー(商品名、シェル化学社製)、ビニ
ルプロピオネート、ビニルピバレート、プロピオン酸ビ
ニル;エチレン、プロピレン、ブタジエン、N,N−ジ
メチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルア
ミノエチルメタクリレート、アクリルアミド、ビニルピ
リジン等が挙げられる。上記重合性単量体は、官能基を
有するもの及びその他の単量体のなかから、単独で、又
は、2種以上を併用して使用することができる。
【0027】上記重合性単量体は、ラジカル重合開始剤
の存在下で共重合させることが好ましい。ラジカル重合
開始剤としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチ
ロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)等のアゾ系開始剤;ベンゾイルパーオキ
サイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオク
トエート等のパーオキシド系開始剤が挙げられる。これ
らの開始剤の使用量は、重合性単量体合計100重量部
あたり0.2〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量
部が好ましい。分散安定樹脂を含有する有機溶媒中での
重合反応は、一般に60〜160℃程度の温度範囲で約
1〜15時間行うことが好ましい。
【0028】上記重合性単量体を共重合させる際に存在
させる分散安定樹脂は、非水ディスパージョン樹脂を有
機溶剤中で安定に合成できるものであれば特に限定され
るものではない。具体的には、水酸基価が10〜25
0、好ましくは20〜180である。10未満である
と、硬化性、密着性、安定性等が低下し、250を超え
ると、分散が不安定となる。酸価は、0〜100mgK
OH/g、好ましくは0〜50mgKOH/gである。
100mgKOH/gを超えると、塗膜にした場合の耐
水性が低下する。数平均分子量としては、2000〜1
0000が好ましい。2000未満であると、分散が不
安定化し、10000を超えると塗料の不揮発分が低下
する。
【0029】上記分散安定樹脂の製造方法としては特に
限定されず、例えば、ラジカル重合性開始剤の存在下で
ラジカル重合により得る方法、縮合反応や付加反応によ
り得る方法等が好ましいものとして挙げられる。上記分
散安定樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウ
レタン樹脂等を用いることができる。上記分散安定樹脂
を得るために用いられる単量体としては、樹脂の特性に
応じて適宜選択することができるが、上記の重合性単量
体に用いられる水酸基、酸基等の官能基を有する単量体
を用いることが好ましく、更に必要に応じてグリシジル
基、イソシアネート基等の官能基を有するものを用いて
もよい。官能基を有する単量体は、得られる非水ディス
パージョン樹脂が硬化剤(b)と反応して3次元に架橋
した塗膜を形成することができる。
【0030】上記分散安定樹脂を得るために用いられる
単量体は、炭素数10以上の側鎖を有するものが、単量
体の全量に対して10〜50重量%含まれることが好ま
しい。10重量%未満であると、ベース塗料との間でな
じみが生じる。50重量%を超えると、中塗り塗料のな
かで分離が起こったり、中塗り塗料とベース塗料とが混
じり合って反転やワレが生じる場合がある。
【0031】更に、上記単量体は、親水基を有するもの
が、重合性単量体の全量に対して20〜50重量%含ま
れることが好ましい。20重量%未満であると、硬化
性、密着性及び安定性に劣る場合がある。50重量%を
超えると、分散性が不安定となる場合がある。上記親水
基としては、水酸基、カルボキシル基、アミド基及びエ
ーテル基が挙げられる。
【0032】上記分散安定剤と上記重合性単量体との比
率は、目的に応じて任意に選択することができるが、例
えば、両成分の合計重量に基づいて、分散安定樹脂は3
〜80重量%、好ましくは5〜60重量%、重合性単量
体は97〜20重量%、好ましくは95〜40重量%で
ある。更に、有機溶媒中における分散安定剤と重合性単
量体との合計濃度は、合計重量を基準に、30〜80重
量%、好ましくは40〜60重量%である。
【0033】このようにして得られる非水ディスパージ
ョン樹脂(c)は、樹脂固形分総量に対して、固形分で
18〜50重量%含まれることが好ましい。18重量%
未満であるか、又は、50重量%を超えると、得られる
塗膜の外観が低下する。より好ましくは、23〜45重
量%である。
【0034】上記中塗り塗料は、通常、顔料を含有する
ものである。上記顔料は、顔料と樹脂固形分との合計量
に対して10〜70重量%で含まれることが好ましい。
上記中塗り塗料において、樹脂固形分とは、水酸基含有
樹脂(a)、水酸基と反応しうる硬化剤(b)及び非水
ディスパージョン樹脂(c)の固形分の合計量を意味す
るものである。10重量%未満であると、得られる中塗
り塗料をハイソリッド系にすることができず、焼き付け
硬化させた場合に体積収縮が大きくなり、仕上がり外観
に劣る場合がある。70重量%を超えると、顔料が多す
ぎるので、塗膜の外観が低下する。
【0035】上記顔料としては特に限定されず、従来の
中塗り塗料に用いられるものが挙げられ、例えば、アゾ
キレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、
フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔
料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン
系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等の有
機系着色顔料;黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボン
ブラック、二酸化チタン等の無機着色顔料等が挙げられ
る。更に、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タ
ルク等の体質顔料;アルミニウム粉、マイカ粉等の扁平
顔料を併用してもよい。上記顔料としてカーボンブラッ
クと二酸化チタンを主要顔料とした標準的なグレー系中
塗り塗料を用いることもできるし、上塗り塗料と明度又
は色相等を合わせたセットグレーや各種の着色顔料を組
み合わせたいわゆるカラー中塗り塗料を用いることもで
きる。
【0036】本発明において、中塗り塗料は、従来公知
の添加剤、例えば、粘性制御剤、ワキ防止剤、希釈用溶
剤等を添加することができる。上記粘性制御剤として
は、脂肪酸アマイドの膨潤分散体、アマイド系脂肪酸、
長鎖ポリアミノアマイドのリン酸塩等のポリアマイド系
のもの;酸化ポリエチレンのコロイド状膨潤分散体等の
ポリエチレン系のもの;有機酸スメクタイト粘土、モン
モリロナイト等の有機ベントナイト系のもの;ケイ酸ア
ルミ、硫酸バリウム等の無機顔料;顔料の形状により粘
性が発現する偏平顔料等が挙げられる。
【0037】本発明においては、中塗り塗料の塗料形態
としては、溶液型のものが好ましく用いられ、溶液型の
ものとしては有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、
エマルジョン)、非水分散型が挙げられる。上記中塗り
塗料は、水酸基含有樹脂(a)、水酸基と反応しうる硬
化剤(b)及び非水ディスパージョン樹脂(c)、並び
に、顔料やその他の成分を、ニーダー、ロール等を用い
て混練、分散する等の当業者に周知の方法によって得る
ことができる。
【0038】本発明において、中塗り塗料の不揮発分
は、塗装時で40〜70重量%であることが好ましい。
40重量%未満であると、溶剤が多すぎるので、ハイソ
リッド系の中塗り塗料とすることができず、体積収縮率
が大きくなるので、塗膜の仕上がり外観に劣る場合があ
る。70重量%を超えると、粘性が高すぎるので塗膜外
観に劣ったり、作業性が低くなる場合がある。より好ま
しくは、45〜60重量%である。
【0039】上記中塗り塗料は、塗装後、140℃、3
0分間硬化させた場合の体積収縮率が45%以下である
ものが好ましい。45%を超えると、電着塗膜の下地隠
蔽性に劣る結果、良好な仕上がり外観の塗膜を得ること
ができない場合がある。より好ましくは、40%以下で
ある。本発明において、140℃、30分間硬化させた
場合の体積収縮率は、下記式で求めることができる。 体積収縮率(%)={(100−塗着NV)/溶剤比
重}/[{(100−塗着NV)/溶剤比重}+(塗着
NV/乾燥塗膜比重)}×100 (式中、塗着NVは、塗装前の被塗物の重量をW1、塗
料の付着した被塗物の重量をW2、140℃で30分間
乾燥後の重量をW3とした場合に、 塗着NV(%)=(W3−W1)/(W2−W1)×1
00 により求められる不揮発分の値を表す。溶剤比重は、中
塗り塗料に含まれる溶剤の比重を表す。乾燥塗膜比重
は、塗料中の不揮発分の比重であって、個々の成分の比
重とその割合から計算により求められる値である。)
【0040】ベース塗料 本発明において、ベース塗料は、上記の不揮発分−粘度
直線の関係を満たすものであれば特に限定されないが、
非水ディスパージョン樹脂、及び/又は、架橋性重合体
微粒子(ミクロゲル)を含むものを使用することが好ま
しい。
【0041】上記非水ディスパージョン樹脂及び架橋性
重合体微粒子はともに、粘性付与剤として働くものであ
り、層間でなじみや反転が生じることを防いで、鮮映
性、光沢性の高い塗膜外観を得ることを目的とするもの
である。しかし、架橋性重合体微粒子は架橋されたもの
であり、塗膜形成成分とはなり得ないことから、添加量
が5重量%以下に限られ、結果として、溶剤による膨潤
率の低下に寄与する割合が小さい。一方、非水ディスパ
ージョン樹脂は、SP値の高いコア部分を有する非架橋
粒子であり、添加量を高くすることが可能であるので、
溶剤による膨潤率の低下に寄与する割合が大きいだけで
なく、焼き付け時の最低粘度を小さくすることができ、
よって、優れた仕上がり外観の塗膜を得ることができる
点から、本発明においては、非水ディスパージョン樹脂
を含むものを使用することが好ましい。
【0042】上記非水ディスパージョン樹脂としては、
上述の中塗り塗料において記載した非水ディスパージョ
ン樹脂(c)を挙げることができ、また、上記非水ディ
スパージョン樹脂とともに使用する樹脂及び硬化剤につ
いても、上述の中塗り塗料において記載したものを挙げ
ることができる。ベース塗料においては、上記非水ディ
スパージョン樹脂の配合量は、樹脂固形分総量に対し
て、固形分で5〜50重量%であることが好ましい。5
重量%未満であるか、又は、50重量%を超えると、得
られる塗膜の外観が低下する。より好ましくは、18〜
45重量%である。
【0043】上記架橋性重合体微粒子としては、特開平
10−5680号公報に記載されているものを使用する
ことができる。具体的には、塗料用の有機溶剤に不溶で
あり、ある程度架橋されているポリマーからなり、好ま
しくは平均粒径0.01〜10μmのミクロ粒子であ
り、塗料中に安定に分散される特性を備えたものであ
る。平均粒径が0.01μm未満では、生産設備上の困
難性が高く、粒子形状の維持も困難になる。10μmを
超えると、安定性が低下する。好ましくは、0.01〜
1μmである。
【0044】上記架橋性重合体微粒子の製造方法として
は、エチレン性不飽和単量体を架橋性の単量体と水性媒
体中で乳化重合させて微粒子共重合体をつくり、溶媒置
換、共沸、遠心分離、濾過乾燥等の手段で水を除去する
方法;脂肪酸炭化水素等の単量体は溶解するが重合体は
溶解しない非水性有機溶媒中で、エチレン性不飽和基を
有する単量体を架橋性の単量体と反応させ、得られる微
粒子共重合体を分散する方法(NAD法)等、各種の方
法が知られており、本発明においては上記の特性を備え
たものであればいずれの製法によるものでもよい。本発
明においては、前者の乳化重合により得る方法が好まし
いが、なかでも、両イオン性基を分子内に有する単量体
を多価アルコール成分の1つとして合成したアルキド樹
脂又はポリエステル樹脂等の乳化能を有する樹脂と、重
合開始剤との存在下に、水性媒体中で重合性単量体を乳
化重合させることにより得られるものがより好ましい。
【0045】上記の両イオン性基は、−N+ −R−CO
- 又は−N+ −R−SO3 - として表され(式中、R
はC1 〜C6 の直鎖又は分岐状アルキレン基を表す)、
これを分子内に有する単量体としては、2つ以上のヒド
ロキシル基を有するものを用いることができる。このよ
うな単量体としては、ヒドロキシル基含有アミノスルホ
ン型両性イオン化合物が樹脂合成上好ましい。具体的に
は、ビスヒドロキシエチルタウリン等を挙げることがで
きる。
【0046】上記の単量体を用いて合成された乳化能を
有する両イオン性基を分子内に有する樹脂としては、酸
価が30〜150mgKOH/g、好ましくは40〜1
50mgKOH/g、数平均分子量が500〜500
0、好ましくは700〜3000のポリエステル樹脂を
好適に用いることができる。上限を超えると、樹脂のハ
ンドリング性が低下し、下限を下回ると塗膜にした場合
に乳化能を有する樹脂が脱離したり、耐溶剤性が低下し
たりする。
【0047】上記樹脂の存在下で乳化重合させる重合性
単量体としては、分子内に2個以上のラジカル重合可能
なエチレン性不飽和基を有する単量体を含有させる必要
がある。上記分子内に2個以上のラジカル重合可能なエ
チレン性不飽和基を有する単量体は、全単量体中の0.
1〜70重量%の範囲で含有させることが好ましい。こ
の量は、微粒子重合体が溶剤に溶解しないだけの充分な
架橋が与えられる程度に選択される。
【0048】上記分子内に2個以上のラジカル重合可能
なエチレン性不飽和基を有する単量体としては、例え
ば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メ
タ)アクリレート等を挙げることができる。
【0049】上記のようにして得られる架橋性重合体微
粒子の添加量は、ベース塗料の固形分に対して、0.5
〜5重量%が好ましい。0.5重量%未満であると、架
橋性重合体微粒子を添加することによる効果が得られ
ず、5重量%を超えると、得られる塗膜の平滑性が失わ
れ易く、ピンホールも生じ易い。
【0050】上記架橋性重合体微粒子とともに使用する
塗膜形成性樹脂としては特に限定されず、例えば、フェ
ノール樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹
脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂等が挙げられ、この
うち、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹
脂、エポキシ樹脂系アルキド樹脂等が好適に使用され
る。上記塗膜形成性樹脂に対しては、必要に応じて、メ
ラミン樹脂等のアミノ樹脂;(ブロック)ポリイソシア
ネート化合物等の架橋剤を含むことができる。
【0051】本発明において、上記ベース塗料は、光輝
性顔料を配合してメタリックベース塗料として用いるこ
ともできるし、光輝性顔料を配合せずにレッド、ブルー
あるいはブラック等の着色顔料及び/又は体質顔料を配
合してソリッド型ベース塗料として用いることもでき
る。上記光輝性顔料としては特に限定されず、例えば、
金属又は合金等の無着色若しくは着色された金属性光輝
材及びその混合物、干渉マイカ粉、着色マイカ粉、ホワ
イトマイカ粉、グラファイト又は無色有色偏平顔料等を
挙げることができる。分散性に優れ、透明感の高い塗膜
を形成することができるため、金属又は合金等の無着色
若しくは着色された金属性光輝材及びその混合物が好ま
しい。その金属の具体例としては、アルミニウム、酸化
アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、スズ等を挙げ
ることができる。
【0052】上記光輝性顔料の形状は特に限定されず、
更に、着色されていてもよいが、例えば平均粒径
(D50)が2〜50μmであり、厚さが0.1〜5μm
である鱗片状のものが好ましい。平均粒径10〜35μ
mの範囲のものが光輝感に優れ、より好ましい。上記光
輝性顔料のベース塗料中の顔料濃度(PWC)は、一般
に23重量%以下である。23重量%を超えると、塗膜
外観が低下する。好ましくは、0.01〜20重量%で
あり、より好ましくは、0.01〜18重量%である。
【0053】上記光輝性顔料以外の顔料としては、中塗
り塗料において記載した着色顔料、体質顔料を用いるこ
とができる。上記顔料としては、光輝性顔料、着色顔料
及び体質顔料のなかから、1種又は2種以上を組み合わ
せて用いることができる。上記光輝性顔料及びその他の
全ての顔料を含めたベース塗料中の顔料濃度(PWC)
は、一般的には0.1〜50重量%であり、好ましくは
0.5〜40重量%であり、より好ましくは1〜30重
量%である。50重量%を超えると塗膜外観が低下す
る。
【0054】本発明においては、ベース塗料の塗料形態
としては、溶液型のものが好ましく用いられ、溶液型の
ものとしては有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、
エマルジョン)、非水分散型が挙げられる。ベース塗料
に用いられるその他の添加剤、及び、ベース塗料の調製
方法としては、中塗り塗料において例示したものを挙げ
ることができる。
【0055】本発明において、ベース塗料の不揮発分
は、塗装時で30〜60重量%であることが好ましく、
より好ましくは40〜50重量%である。30重量%未
満であると、溶剤が多すぎるので、ハイソリッド系塗料
とすることができず、体積収縮率が大きくなるので、塗
膜の仕上がり外観に劣る場合がある。60重量%を超え
ると、粘性が高すぎるので塗膜外観に劣ったり、作業性
が低くなる場合がある。
【0056】上記ベース塗料としては、塗装後、140
℃、30分間硬化させた場合の体積収縮率が45%以下
であるものが好ましい。45%を超えると、良好な仕上
がり外観の塗膜を得ることができない場合がある。より
好ましくは、40%以下である。
【0057】クリヤー塗料 クリヤー塗膜は、ベース塗料として光輝性顔料を含むメ
タリックベース塗料を用いた場合に光輝性顔料に起因す
るベース塗膜の凹凸、チカチカ等を平滑にしたり、ま
た、ベース塗膜を保護するために形成されるものであ
る。本発明において、クリヤー塗料は、上記の不揮発分
−粘度直線の関係を満たすものであれば特に限定され
ず、例えば、塗膜形成性樹脂、硬化剤及びその他の添加
剤からなるものを挙げることができる。
【0058】上記塗膜形成性樹脂としては特に限定され
ず、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキ
シ樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられ、これらはアミノ樹
脂及び/又はブロックイソシアネート樹脂等の硬化剤と
組み合わせて用いられる。透明性又は耐酸エッチング性
等の点から、アクリル樹脂及び/若しくはポリエステル
樹脂とアミノ樹脂との組み合わせ、又は、カルボン酸・
エポキシ硬化系を有するアクリル樹脂及び/若しくはポ
リエステル樹脂等を用いることが好ましい。
【0059】上記クリヤー塗料としては、上述したベー
ス塗料を塗装後、未硬化の状態で塗装するため、層間の
なじみや反転、又は、タレ等の防止のため、粘性制御剤
を添加剤として含有することが好ましい。上記粘性制御
剤の添加量は、クリヤー塗料の樹脂固形分100重量部
に対して0.01〜10重量部であり、好ましくは0.
02〜8重量部、より好ましくは0.03〜6重量部で
ある。10重量部を超えると、外観が低下し、0.1重
量部未満であると、粘性制御効果が得られず、タレ等の
不具合を起こす原因となる。上記クリヤー塗料の塗料形
態としては、有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、
エマルジョン)、非水分散型、粉体型のいずれでもよ
く、また必要により、硬化触媒、表面調整剤等を用いる
ことができる。
【0060】上記クリヤー塗料の調製方法としては、中
塗り塗料において例示した方法を挙げることができる。
溶液型の場合、クリヤー塗料の不揮発分は、塗装時で4
0〜70重量%であることが好ましく、より好ましくは
45〜60重量%である。40重量%未満であると、溶
剤が多すぎるので、ハイソリッド系塗料とすることがで
きず、体積収縮率が大きくなるので、塗膜の仕上がり外
観に劣る場合がある。70重量%を超えると、粘性が高
すぎるので塗膜外観に劣ったり、作業性が低くなる場合
がある。本発明においては、中塗り塗料、ベース塗料及
びクリヤー塗料ともに、ハイソリッド系のものを用いる
ことがより好ましい。上記中塗り塗料のみならず、ベー
ス塗料及びクリヤー塗料もハイソリッド系のものを用い
ることによって、3コート1ベーク法によって塗装した
場合に、トータルとしての体積収縮率を小さくすること
ができるので、仕上がり外観が非常に優れた塗膜を得る
ことができる。
【0061】基材 本発明の塗膜形成方法は、電着塗装された素材に対して
適用されるものである。上記電着塗装に用いられる電着
塗料としては、カチオン型及びアニオン型のものを用い
ることができる。防食性に優れた塗膜を得ることができ
る点より、カチオン型のものが好ましい。電着塗装を行
う素材としては特に限定されず、例えば、鉄、銅、アル
ミニウム、スズ、亜鉛等;これらの金属を含む合金及び
鋳造物が挙げられる。具体的には、乗用車、トラック、
オートバイ、バス等の自動車車体及び部品が挙げられ
る。これらの金属は、電着塗装が行われる前に、予めリ
ン酸塩、クロム酸塩等で化成処理されたものが特に好ま
しい。
【0062】塗装方法 本発明の塗膜形成方法は、上記の電着塗装された素材の
上に、中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料を順次
塗装する工程を含むものである。上記塗装方法としては
特に限定されず、例えば、通称「リアクトガン」と言わ
れるエアー静電スプレー;通称「マイクロ・マイクロ
(μμ)ベル」、「マイクロ(μ)ベル」、「メタベ
ル」等と言われる回転霧化式の静電塗装機等を用いるこ
とにより行うことができる。好ましくは、回転霧化式の
静電塗装機等を用いる方法である。上記ベース塗料を自
動車車体等に対して塗装する場合には、意匠性を高める
ために、エアー静電スプレーによる多ステージ塗装、好
ましくは2ステージで塗装するか、又は、エアー静電ス
プレーと上記の回転霧化式の静電塗装機とを組み合わせ
た塗装方法により行うことが好ましい。
【0063】上記中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー
塗料の塗膜の乾燥膜厚は、用途により変化するが、それ
ぞれ、中塗り塗膜5〜40μm、ベース塗膜5〜35μ
m、クリヤー塗膜10〜70μmである。この乾燥膜厚
が上限を超えると、鮮映性が低下したり、塗装時にム
ラ、流れ等の不具合が起こることがあり、下限を下回る
と、下地が隠蔽できず、膜切れが発生したりする。本発
明において、中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料
を順次塗装するとは、中塗り塗料、ベース塗料及びクリ
ヤー塗料をウエット・オン・ウエットでこの順番に塗装
することを意味するものであり、中塗り塗膜、ベース塗
膜及びクリヤー塗膜をそれぞれ別々に100℃以上で焼
き付け硬化させるような工程を含まないものであればよ
い。従って、ベース塗料を塗布する前及び/又はクリヤ
ー塗料を塗布する前に、一定時間室温で放置、又は、例
えば60〜100℃未満にて2〜10分間加熱すること
によって塗膜を予め乾燥させる工程を含んでもよく、こ
のような方法も本発明の一つである。特に、ベース塗料
を水性型塗料で用いる場合等には、良好な仕上がり外観
が得られることから、クリヤー塗料を塗装する前に、塗
膜を予め乾燥させることが好ましい。
【0064】本発明の塗膜形成方法は、上記のように塗
装された中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料の3
層を一度に焼き付け硬化させる工程を含むものである。
上記焼き付け硬化させる温度としては、110〜180
℃、好ましくは120〜160℃にて行うことによっ
て、高い架橋度の硬化塗膜を得ることができる。180
℃を超えると、塗膜が固く脆くなり、110℃未満では
硬化が充分ではない。硬化時間は硬化温度により変化す
るが、120〜160℃で10〜60分間が適当であ
る。本発明の塗膜形成方法によって得られる複層塗膜の
膜厚は、通常30〜300μm、好ましくは50〜25
0μmである。300μmを超えると、冷熱サイクル等
の膜物性が低下し、30μm未満であると、膜自体の強
度が低下する。
【0065】本発明の塗膜形成方法は、下地隠蔽性に優
れており、良好な仕上がり外観の塗膜を得ることができ
る。更に、従来一般的であった3コート2ベーク法にお
けるよりも、中塗り塗料の焼き付け工程を省くことがで
きるので、塗装工程を短くすることができ、エネルギー
消費量も削減できることから、トータルコストとしては
大幅に減少させることができる。
【0066】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。実施例において、「部」は重量部を表す。 合成例1 アクリル樹脂の合成1 攪拌機、温度制御装置、還流冷却器を備えた容器に、キ
シレン82部を仕込み、次いで下記の組成の溶液: メタクリル酸 4.5部 アクリル酸エチル 26.0部 プラクセルFM−1 64.5部 (ダイセル化学工業社製水酸基含有モノマー) MSD−100 5.0部 (三井東圧化学社製メチルスチレンダイマー) アゾイソブチロニトリル 13.0部 のうち20部を加え、攪拌しながら加熱し、温度を上昇
させた。還流させながら、上記混合溶液の残り93.0
部を3時間で滴下し、次いでアゾイソブチロニトリル
1.0部、キシレン12部からなる溶液を30分間で滴
下した。反応溶液をさらに1時間攪拌還流させたのち
に、減圧下で63部の溶剤を留去して反応を終了した。
固形分75%、数平均分子量2000のアクリル樹脂ワ
ニス1を得た。
【0067】合成例2 アクリル樹脂の合成2 攪拌機、温度制御装置、還流冷却器を備えた容器に、ト
ルエン300部及びメチルイソブチルケトン(MIB
K)100部を仕込み、攪拌しながら加熱し、温度を上
昇させた。温度が105℃に上昇したら還流させなが
ら、下記配合の溶液を3時間で等速滴下した。 スチレン 50.0部 メタクリル酸メチル 300.0部 メタクリル酸エチル 79.0部 アクリル酸エチル 444.0部 メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 104.0部 メタクリル酸 23.0部 トルエン 400.0部 t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート 7.0部 30分間エージング後、トルエン200部及びt−ブチ
ルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート3部からなる
溶液を30分間で等速滴下した。反応溶液を更に1時間
攪拌還流させて樹脂への変化率を上昇させた後、反応を
終了させ、固形分50%、数平均分子量21000のア
クリル樹脂ワニス2を得た。
【0068】合成例3 非水ディスパージョン樹脂の合
成 (a)分散安定樹脂の製造 攪拌機、温度制御装置、還流冷却器を備えた容器に、酢
酸ブチル90部を仕込み、次いで下記の組成の溶液: メタクリル酸メチル 38.9部 ステアリルメタクリレート 38.8部 2−ヒドキシエチルアクリレート 22.3部 アゾイソブチロニトリル 5.0部 のうち20部を加え、攪拌しながら加熱し、温度を上昇
させた。110℃で上記混合溶液の残り85部を3時間
で滴下し、次いでアゾイソブチロニトリル0.5部と酢
酸ブチル10部からなる溶液を30分間で滴下した。反
応溶液をさらに2時間攪拌還流させて樹脂への変化率を
上昇させた後、反応を終了させ、固形分50%、数平均
分子量5600、SP値9.5のアクリル樹脂を得た。
【0069】(b)非水ディスパージョン樹脂の製造 攪拌機、温度制御装置、冷却器を備えた容器に、酢酸ブ
チル35部を仕込み、上記の(a)分散安定樹脂の製造
で得たアクリル樹脂60部を仕込んだ。次に下記組成の
溶液: スチレン 7.0部 メタクリル酸 1.8部 メタクリル酸メチル 12.0部 エチルアクリレート 8.5部 2−ヒドキシエチルアクリレート 40.7部 アゾイソブチロニトリル 1.4部 を100℃で3時間で滴下し、次いで、アゾイソブチロ
ニトリル0.1部と酢酸ブチル1部からなる溶液を30
分間で滴下した。反応溶液をさらに1時間攪拌を続けた
ところ、固形分60%、粒子径0.18μmのエマルジ
ョンを得た。このエマルジョンを酢酸ブチルで希釈し、
粘度300cps(25℃)、粒子径0.18μmの非
水ディスパージョン樹脂含量40重量%の酢酸ブチル分
散体を得た。この非水ディスパージョン樹脂のTgは、
23℃、水酸基価は162であった。SP値は、11.
8であり、分散安定樹脂であるシェル部分とコア部分と
のSP値の差は、2.3であった。
【0070】実施例1中塗り塗料の調製 2Lのベッセルに、合成例1で得られたアクリル樹脂ワ
ニス1を328部投入し、続いてCR−93(石原産業
社製酸化チタン)973部、FW−200P(デグサ社
製カーボンブラック)10部、更に酢酸ブチル159部
及びキシレン82部を順に入れた。その後、仕込み全重
量と同量のガラスビーズ(品名GB503M、粒径1.
6mm)を投入し、卓上SGミルで3時間分散した。グ
ラインドゲージによる分散終了時の粒度は5μm以下で
あった。最後にキシレンを81.8部添加後、約10分
攪拌し、ガラスビーズを濾過して、顔料ペーストとし
た。作製したペーストに固形分比が表2の通りになるよ
うに、樹脂、非水ディスパージョン樹脂及び硬化剤を配
合して、中塗り塗料を調製した。
【0071】ベース塗料の調製 2Lのベッセルに、合成例1で得られたアクリル樹脂ワ
ニス1を500部、DISPERBYK161(ビッグ
ケミー社製;分散助剤)を320部投入し、続いてモナ
ーク1400(キャボット社製カーボンブラック)10
部、更に酢酸ブチル31部及びキシレン31部を順に入
れた。その後、仕込み全重量と同量のガラスビーズ(品
名GB503M、粒径1.6mm)を投入し、卓上SG
ミルで3時間分散した。グラインドゲージによる分散終
了時の粒度は5μm以下であった。分散終了後、ガラス
ビーズを濾過して、顔料ペーストとした。作製したペー
ストに固形分比が表2の通りになるように、樹脂、非水
ディスパージョン樹脂及び硬化剤を配合して、ベース塗
料を調製した。
【0072】クリヤー塗料 クリヤー塗料としては、不揮発分が48%のMAC O
−1330(日本ペイント社製)を使用した。希釈条件 各塗料は下記の条件で希釈し、塗装した。 (中塗り塗料) シンナー:EEP(エトキシエチルプロピオネート)/
キシレン=9/11 19秒/No.4フォードカップ/20℃ (ベース塗料) シンナー:EEP/S−100(エクソン社製芳香族系
炭化水素溶剤)/酢酸エチル=8/7/5 20秒/No.4フォードカップ/20℃ (クリヤー塗料) シンナー:EEP/S−150(エクソン社製芳香族系
炭化水素溶剤)=1/1 22秒/No.4フォードカップ/20℃
【0073】不揮発分−粘度直線の作成 得られた中塗り塗料を80℃にて30秒、2分及び4分
乾燥して種々の不揮発分のサンプルを調製し、UBM社
製レオゾルG−3000を用いて、ズリ速度(剪断力)
0.1(1/sec)における粘度(25℃)を測定し
た。結果を表2に示した。横軸(x軸)に不揮発分、縦
軸(y軸;対数座標)に粘度を取り、各点を直線的に結
ぶことによって、図1に示した中塗り塗料の不揮発分−
粘度直線を作成した。中塗り塗料と同様にして、ベース
塗料及びクリヤー塗料についても不揮発分−粘度直線を
作成した。結果を表2及び図1に示した。
【0074】塗装方法 表1に示す塗装条件下、SPCダル鋼板(20cm×3
0cm×0.8mm)にパワートップV−6(日本ペイ
ント社製カチオン電着塗料)を乾燥膜厚20μmになる
ように電着塗装したカチオン電着塗装板を、移動板に付
着して移動させながら、中塗り塗料を塗装、10分後に
ベース塗料を塗装、2.5分後に更にもう一度ベース塗
料を塗装(2ステージ塗装)、その後20分後にクリヤ
ー塗料を塗装した。塗装した中塗り塗膜、ベース塗膜及
びクリヤー塗膜を、140℃で30分間焼き付け硬化さ
せた。
【0075】
【表1】
【0076】外観評価 塗装した塗板の外観を、ビッグケミー社製ウエーブスキ
ャンのSWの値で評価した。結果を表2に示した。数値
の小さいもの程良好な結果が得られたことを表す。
【0077】塗着NV(不揮発分)測定方法 中塗り塗装、ベース塗装及びクリヤー塗装について別々
に操作を行って、下記方法に従って計算した。 器具:重量(w1)を測定したアルミ箔を、5cm×1
0cmの四角い穴をあけた紙で覆ったものをマスキング
テープで鉄板にはりつける。 操作:この鉄板を上記塗装時に塗板に隣接するように移
動板に付着させ、塗料塗布後、アルミ箔を鉄板から剥が
す。NV測定:塗料の付着したアルミ箔の重量(w2)
を測定後、140℃で30分間乾燥後の重量(w3)を
測定する。 計算:下記の式より塗着NV(%)を計算する。 塗着NV(%)=(w3−w1)/(w2−w1)×1
00 得られた結果を表2に示した。
【0078】体積収縮率計算方法 体積収縮率(%)を下記式に従って計算する。 体積収縮率(%)={(100−塗着NV)/溶剤比
重}/[{(100−塗着NV)/溶剤比重}+(塗着
NV/乾燥塗膜比重)}×100 溶剤比重:塗料中の溶剤組成から、中塗り塗料は0.8
7、ベース塗料は0.86とした。 乾燥塗膜比重:各塗料組成から、中塗り塗料1.64、
ベース塗料1.23とした。 得られた結果を表2に示した。
【0079】耐溶剤性試験方法 中塗り塗料及びベース塗料をそれぞれブリキ板上に塗装
後(20μm)、80℃×10分乾燥してNVを上げた
ものを作成し、これに、代表的な塗料溶剤であるS−1
50、キシロール、EEPを1滴スポットし、30秒静
置後約45度傾斜して状態を観察した。 ○:変化なし △:膨潤 ×:溶解 得られた結果を表2に示した。
【0080】比較例1 固形分比が表2の通りになるように、樹脂、非水ディス
パージョン樹脂及び硬化剤を配合したこと以外は、実施
例1と同様にして、中塗り塗料及びベース塗料を調製し
て塗装を行い、測定及び評価を行った。結果を表2及び
図2に示した。
【0081】
【表2】
【0082】表2中、サイメル254はメチル・ブチル
混合型メラミン樹脂(三井サイテック社製)である。実
施例1は、中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料の
不揮発分−粘度直線の関係が、不揮発分70〜90重量
%において、中塗り塗料≧ベース塗料≧クリヤー塗料と
なっていること、更に、実施例1で使用した中塗り塗料
及びベース塗料は、体積収縮率が小さいものであり、非
水ディスパージョン樹脂を含むことより耐溶剤性にも優
れるものであったことより、3コート1ベーク法で塗装
し焼き付け硬化させた場合の仕上がり外観に優れるもの
であった。比較例1は、中塗り塗料、ベース塗料及びク
リヤー塗料の不揮発分−粘度直線の関係が、不揮発分7
0〜90重量%において、ベース塗料の方が中塗り塗料
よりも粘度が高くなっていること、また、ベース塗料の
体積収縮率が大きく、非水ディスパージョン樹脂を含ま
ない中塗り塗料は耐溶剤性に劣るものであったので溶剤
により膨潤すると考えられることより、良好な仕上がり
外観は得られなかった。
【0083】
【発明の効果】本発明の塗膜形成方法により、自動車車
体等を3コート1ベーク法で塗装した場合に、優れた仕
上がり外観の塗膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における、中塗り塗料、ベース塗料及
びクリヤー塗料の不揮発分−粘度直線を示したグラフで
ある。
【図2】比較例1における、中塗り塗料、ベース塗料及
びクリヤー塗料の不揮発分−粘度直線を示したグラフで
ある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電着塗装された素材の上に、中塗り塗
    料、ベース塗料及びクリヤー塗料を順次塗装する工程、
    並びに、前記塗装された3層を一度に焼き付け硬化させ
    る工程からなる塗膜形成方法であって、前記中塗り塗
    料、前記ベース塗料及び前記クリヤー塗料は、不揮発分
    −粘度直線の関係が、不揮発分70〜90重量%におい
    て、中塗り塗料≧ベース塗料≧クリヤー塗料を満たすも
    のであることを特徴とする塗膜形成方法。
  2. 【請求項2】 中塗り塗料の塗装時の不揮発分は、40
    〜70重量%であり、ベース塗料の塗装時の不揮発分は
    30〜60重量%であり、クリヤー塗料の塗装時の不揮
    発分は40〜70重量%である請求項1記載の塗膜形成
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の塗膜形成方法によ
    り得られる被塗物。
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