JP2000070833A - 光輝性顔料含有積層塗膜の形成方法 - Google Patents

光輝性顔料含有積層塗膜の形成方法

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JP2000070833A
JP2000070833A JP10259475A JP25947598A JP2000070833A JP 2000070833 A JP2000070833 A JP 2000070833A JP 10259475 A JP10259475 A JP 10259475A JP 25947598 A JP25947598 A JP 25947598A JP 2000070833 A JP2000070833 A JP 2000070833A
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pigment
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paint
resin
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Nobuhisa Sudou
伸久 須藤
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】見る角度により反射光量が変化しにくく、且つ
積層塗膜として奥行き感(立体感)と強い光輝感を有す
る新規な意匠を創出する新規なメタリック塗膜を形成す
ることにある。 【解決手段】着色塗膜と光輝性顔料含有塗膜及びクリヤ
ー塗膜を順次塗装する光輝性顔料含有積層塗膜を形成す
る方法において、光輝性顔料含有塗膜とクリヤー塗膜と
をウエットオンウエットで塗装し、光輝性顔料含有塗膜
とクリヤー塗膜との層間に面状の界面を有しない状態を
形成する光輝性顔料含有積層塗膜の形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車車体および
部品の上塗り塗料として好適に用いうる光輝性顔料含有
積層塗膜の形成方法であって、光輝性顔料の反射光量が
見る角度により変化しにくく、一定の光輝感を維持する
という今までにない独特の意匠を有する光輝性顔料含有
積層塗膜の形成方法に関し、更にその方法により形成さ
れた積層塗膜を有する物品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に自動車用の上塗り塗料として、金
属粉および/または雲母等の光輝性顔料を含有する、い
わゆるメタリック塗料と呼ばれる光輝性顔料含有塗料が
知られている。
【0003】この光輝性顔料含有塗料は、極めて低固形
分で塗装され、塗装後の高塗膜収縮を利用して、光輝性
顔料を基材と平行に並べることで光輝性顔料自身が有す
る光輝感を際だたせている。このような光輝性顔料含有
塗膜は、見る角度により反射光量が変化(フリップフロ
ップ性)し、独特の意匠性を奏する。
【0004】すなわち溶剤分の蒸発が、塗膜厚さを減少
させるとき光輝性顔料の配向を促進する為、光輝性顔料
が、図1の模式的な断面図に示すように塗膜面に平行
に、ほぼ均一に配列する。後に塗装するクリヤー塗料が
配列を乱さない限り、見る角度による反射光量の変化
(フリップフロップ性)を創出すると考えている。
【0005】また、一般にクリヤー塗膜は、光輝性顔料
の突き出しや、着色層の保護、塗膜の表面性能をだすた
めに塗装されるが、光輝性顔料含有塗膜層と「なじみ」
や混ざりを起こす(面状の界面を乱す)と、塗膜外観の
艶や色感を低下させるうえに、光輝性顔料含有塗膜層が
奏する意匠をだいなしにしてしまう。その為、図1の模
式的な断面図に示すように、光輝性顔料含有塗膜とクリ
ヤー塗膜との層間に対流が起こらないように、面状に界
面を形成・制御するよう工夫されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、塗膜
形成時に、見る角度により反射光量が変化する、いわゆ
るフリップフロップ性を創出できるような光輝性顔料を
用い、積層塗膜としては強い光輝感を有するが、見る角
度による反射光量の変化が少なく、深み感、奥行き感
(立体感)に優れた新規な意匠を創出するメタリック塗
膜を形成することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、光輝性顔
料を含有する塗料とクリヤー塗料とを、2コート1ベー
ク、必要により3コート2ベーク、3コート1ベーク工
程により塗装し、積層塗膜を形成する方法において、光
輝性顔料含有塗膜とクリヤー塗膜との塗膜層間に、積極
的に「なじみ」や混ざりを発生させ、図2の模式的な断
面図に示すように光輝性顔料を積層塗膜内に浮かし、対
流させることで従来にない意匠性に優れた塗膜を提供で
きることを解明した。
【0008】すなわち、本発明は、着色塗膜と光輝性顔
料含有塗膜及びクリヤー塗膜とを順次塗装する光輝性顔
料含有積層塗膜を形成する方法において、光輝性顔料含
有塗膜とクリヤー塗膜とをウエットオンウエットで塗装
し、光輝性顔料含有塗膜とクリヤー塗膜との層間に面状
の界面を有しない状態を形成する光輝性顔料含有積層塗
膜の形成方法を提供する。
【0009】特に本発明において、光輝性顔料含有塗膜
とクリヤー塗膜との層間に面状の界面を有しない状態を
形成する為には、前記光輝性顔料含有塗膜と前記クリヤ
ー塗膜の各最低溶融粘度(η)が、η1(光輝性顔料含
有塗膜の最低溶融粘度)≧η2(クリヤー塗膜の最低溶
融粘度)−5000ポイズ、更に、20ポイズ≦η2
(クリヤー塗膜の最低溶融粘度)≦20000ポイズの
関係を満足するようにすることで、より意匠性に優れた
積層塗膜を形成できる。更に本発明は、上記方法により
形成された積層塗膜を有する物品も提供するものであ
る。
【0010】
【発明の実施の態様】本発明の積層塗膜形成方法は、い
かなる基材、例えば金属、ガラス、プラスチック、発泡
体等に用い得る。特に鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜
鉛、これらの合金および鋳造物に有利に用い得るが、電
着塗装可能な金属製品に特に好適に使用できる。具体的
には、乗用車、トラック、オートバイ、バス等の自動車
車体および部品が挙げられる。
【0011】これらの金属製品は予めリン酸塩、クロム
酸塩等で化成処理されたものが特に好ましい。また、下
塗り層を形成する電着塗料としては、カチオン型及びア
ニオン型を使用できるが、カチオン型電着塗料が防食性
において優れた積層塗膜を与える。
【0012】更に、下地欠陥を隠蔽し、上塗り塗装後の
表面平滑性の確保とその他膜性能を付与するために、有
機系、無機系の各種着色顔料および体質顔料を含む中塗
り塗料を塗装する。
【0013】標準的には、カーボンブラックと二酸化チ
タンを主要顔料としたグレー系中塗り塗料が多用される
が、上塗りの隠蔽性に応じて各種の着色顔料を組み合わ
せた、いわゆるカラー中塗り塗料を用いることもでき
る。
【0014】上記中塗り塗料は、熱硬化性被膜形成性樹
脂として、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド
樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の被膜形成性樹脂
が利用でき、これらはアミノ樹脂および/またはブロッ
クイソシアネート樹脂等の硬化剤と組み合わせて用いら
れる。顔料分散性あるいは作業性の点から、アクリル樹
脂および/またはポリエステル樹脂とアミノ樹脂との組
合わせが好ましい。
【0015】上記中塗り塗料中の固形分含有量は、30
〜70重量%であり、好ましくは35〜55重量%であ
る。塗布時には、10〜60重量%であり、好ましくは
20〜50重量%である。
【0016】中塗り塗料は、加熱硬化させたまたは未硬
化の電着塗料塗膜上に、静電塗装、エアースプレー、エ
アレススプレー等の方法で塗装することが好ましく、形
成される塗膜の乾燥膜厚は、一般に10〜60μm程度
が好ましく、より好ましくは20〜50μm程度であ
る。上限を越えると、塗装時にワキあるいはタレ等の不
具合が起こることもあり、下限を下回ると、下地が隠蔽
できない。
【0017】中塗り塗膜自身は約100〜180℃の温
度で加熱硬化させることができる。本発明では、光輝性
顔料含有塗膜およびクリヤー塗膜と組合わせ積層するこ
とで、外観および塗膜性能に優れた積層塗膜を形成する
ことができる。
【0018】上記中塗り塗膜上には上塗りの第1層とし
て隠蔽力のある着色された塗膜、すなわち着色塗膜を形
成することが好ましい。すなわち硬化あるいは未硬化の
着色塗膜を形成し、第2層を光輝性顔料含有塗料により
形成し、更にウエットオンウエットで、クリヤー塗膜を
形成することで、意匠性に優れた3コート2ベークある
いは3コート1ベークの積層塗膜を形成することができ
る。
【0019】本発明の積層塗膜形成方法で用いる着色塗
膜は、光輝性顔料含有塗膜と相俟って、独特の意匠を発
する為に用いられるもので、一般の中塗り塗膜とは違
い、発色性、耐候性等の上塗りに要求される性能を備え
た塗膜である。
【0020】上記着色塗料に含有される着色顔料として
は、例えば有機系のアゾキレート系顔料、不溶性アゾ系
顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジ
ゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン
系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔
料、金属錯体顔料など、無機系の黄塩、黄色酸化鉄、ベ
ンガラ、カーボンブラック、二酸化チタンなどが挙げら
れる。また、体質顔料としては、炭酸カルシウム、硫酸
バリウム、クレー、タルク等が用いられ、更に、アルミ
ニウム、ステンレス、鉄、銅、ニッケル、スズ等の金属
粉、あるいはその他偏平顔料を使用しても良い。
【0021】上記着色塗料の熱硬化性被膜形成性樹脂と
しては、特に限定されるものではなく、アクリル樹脂、
ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ウレ
タン樹脂等の塗膜形成性樹脂が利用でき、これらはアミ
ノ樹脂および/またはブロックイソシアネート樹脂等の
硬化剤と組み合わせて用いられる。顔料分散性あるいは
作業性の点から、アクリル樹脂および/またはポリエス
テル樹脂とアミノ樹脂との組合わせが好ましい。
【0022】また、3コート1ベークの塗膜形成方法で
積層塗膜を形成する場合には、着色塗膜と光輝性顔料含
有塗膜とをウエットオンウエットで塗装するため、着色
塗膜の粘性制御を行うことが好ましい。
【0023】着色塗膜の粘性制御のために用いる粘性制
御剤の添加量としては、塗料の樹脂固形分100重量部
に対して0.1〜20重量部であり、好ましくは0.2
〜15重量部、より好ましくは0.3〜10重量部の量
で添加される。架橋性樹脂粒子の量が、20重量部を上
回ると、外観が低下し、0.1重量部を下回ると粘性制
御効果が得られず、層間でなじみや反転をおこす原因と
なる。
【0024】また更に、上記着色塗料中には、必要によ
り硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、表面調製剤等
を用いることができる。
【0025】着色塗料中の固形分含有量は、15〜60
重量%であり、好ましくは20〜55重量%である。塗
布時の固形分含有量は、10〜50重量%であり、好ま
しくは20〜45重量%である。着色塗料は、中塗り塗
膜あるいは電着塗膜上に、静電塗装、エアースプレー塗
装等の方法で塗装することが好ましく、形成される塗膜
の乾燥膜厚は、一般に10〜45μm程度が好ましく、
より好ましくは20〜40μm程度である。上限を越え
ると、塗装時にワキあるいはタレ等の不具合が起こるこ
ともあり、下限を下回ると、下地が隠蔽できない。
【0026】上記着色塗膜自身は約100〜180℃の
温度で加熱硬化させることができる。単独で加熱硬化さ
せた場合には、その上に本発明の光輝性顔料含有塗料を
塗装し、更にその上に、ウエットオンウエットでクリヤ
ー塗料を塗装することで、3コート2ベークの積層塗膜
を形成することができる。また、着色塗膜と、光輝性顔
料含有塗膜およびクリヤー塗膜とをウエットオンウエッ
トで組合わせ、積層塗膜を形成した後に加熱硬化するこ
とで、3コート1ベークの積層塗膜を形成することがで
き、更に優れた外観及び意匠性を示すことができる。
【0027】光輝性顔料含有塗膜との界面制御が考慮さ
れていないカラー中塗りや1コート型のソリッド系上塗
り塗料を、本発明の着色塗膜として用いる場合には、着
色塗膜の硬化が必要となるため、3コート2ベークの積
層塗膜を形成することになる。
【0028】本発明で用いる中塗り塗料および着色塗料
の形態としては、共に溶液型のものが好ましく用いら
れ、溶液型であれば有機溶剤型、水性(水溶性、水分散
性、エマルジョン)、非水分散型のいづれでもよい。ま
た必要により、硬化触媒、表面調製剤等を用いることが
できる。
【0029】本発明の積層塗膜形成方法で用いる光輝性
顔料含有塗料としては、特に限定されるものではない
が、光輝性顔料として、アルミニウム、ステンレス、
鉄、銅、ニッケル、スズ等の金属粉、あるいは二酸化チ
タン、酸化鉄等の金属酸化物を被覆したアルミナ粉、マ
イカ粉、その他板状酸化鉄等の光輝性を有する偏平顔料
を使用できる。また、有機・無機の着色顔料あるいは体
質顔料等を併用して用いることができる。平均粒経とし
ては10〜30μm、厚みは0.2〜0.4μmのもの
が好ましい。
【0030】光輝性顔料の含有率(PWC%)は、0.
01%〜10.0%であり、上限を越えると塗膜外観が
低下し、下限を下回ると光輝性顔料の偏在が発生し、光
輝感が低下する。好ましくは、0.01%〜7.0%で
あり、より好ましくは、0.02%〜5.0%である。
【0031】光輝性顔料以外の顔料を併用したときの塗
料中の全顔料率(PWC%)としては、0.01〜30
%であり、好ましくは、0.01%〜25%であり、よ
り好ましくは、0.02%〜20%である。上限を越え
ると塗膜外観が低下する。
【0032】本発明で使用される光輝性顔料含有塗料
は、粘性制御剤を含んでいる。粘性制御剤としては、一
般に”タレ止め剤”としてチクソトロピー性を示すもの
を使用できる。このようなものとしては例えば、脂肪酸
アマイドの膨潤分散体、アマイド系脂肪酸、長鎖ポリア
ミノアマイドの燐酸塩等のポリアマイド系のものおよ
び、酸化ポリエチレンのコロイド状膨潤分散体等のポリ
エチレン系等のものがある。
【0033】またこの他に、有機酸スメタイト粘土、モ
ンモリナイト等の有機ベントナイト系のものがあり、ケ
イ酸アルミ、硫酸バリウム等の無機顔料、顔料の形状に
より粘性が発現する偏平顔料、極性基の相互作用を利用
する非架橋あるいは架橋型の樹脂あるいは粒子を粘性制
御剤として挙げることができる。
【0034】本発明において、粘性制御剤は一種のみで
使用することも可能であるが、併用することも可能であ
る。但し、塗膜化した場合に光沢、発色性に影響を及ぼ
さないものが好ましく、上述した粘性制御剤の中でも架
橋性樹脂粒子が特に好ましい。
【0035】本発明で用いる架橋性樹脂粒子は、一般に
エマルジョン樹脂に含有され、塗膜化したときに性能を
低下させるような低分子乳化剤あるいは保護コロイドを
含まないものが好ましい。しかも分子内に2個以上のラ
ジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマー
を単量体の一部として共重合することにより、架橋して
いるものが、塗膜の耐水性、耐溶剤性および光沢の点で
優れている。
【0036】本発明における粘性制御剤の添加量は、本
発明の塗料の樹脂固形分100重量部に対して0.01
〜15重量部であり、好ましくは0.1〜12重量部、
より好ましくは0.2〜10重量部の量で添加される。
粘性制御剤の添加量が、15重量部を越えると、外観が
低下する。更に、塗膜としての構造粘性が高すぎ、クリ
ヤー塗膜をウエットオンウエットで塗装しても、本願で
意図する「なじみ」や混ざりが起こらず、意図する意匠
が得られない。また、0.01重量部を下回ると粘性制
御効果が得られない。
【0037】更に、光輝性顔料含有塗料は熱硬化性被膜
形成性樹脂を含んでいる。この樹脂は、光輝性顔料およ
び粘性制御剤を分散し、硬化被膜を形成するものであ
り、特に限定されるものではないが、アクリル樹脂、ポ
リエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂等からな
る群から選ばれた少なくともひとつの水酸基を有する熱
硬化性被膜形成性樹脂が使用でき、これらはアミノ樹脂
および/またはブロックイソシアネート樹脂等の硬化剤
と組み合わせて用いる。耐候性、顔料分散性あるいは塗
装作業性の点から、水酸基を有するアクリル樹脂とアミ
ノ樹脂とを組合わせることが好ましい。
【0038】本発明に用いる光輝性顔料含有塗料中の熱
硬化性被膜形成性樹脂と硬化剤との重量組成比は、90
/10〜10/90であり、好ましくは80/20〜5
0/50である。上限を越えると硬化性が低下し、下限
を下回ると固く脆い塗膜となる。また更に、必要により
硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、表面調製剤等を
用いることができる。
【0039】上記光輝性顔料含有塗料の塗装時の固形分
含有量は、15〜60重量%であり、好ましくは20〜
50重量%である。上限を越えると、光輝性顔料を塗膜
面に均一に塗装することができず、下限を下回ると粘度
が低すぎてタレや膜切れ等の外観不良が発生する。
【0040】本発明の積層塗膜形成方法で用いるクリヤ
ー塗料としては、特に限定されるものではなく、アクリ
ル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹
脂等の被膜形成性樹脂を利用することができ、これらは
アミノ樹脂および/またはブロックイソシアネート樹脂
等の硬化剤と組み合わせて用いられる。透明性あるいは
耐酸エッチング性等の点から、アクリル樹脂および/ま
たはポリエステル樹脂とアミノ樹脂との組合わせ、ある
いは酸基とエポキシ基による硬化系を有するアクリル樹
脂および/またはポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0041】上記クリヤー塗料中の固形分含有量は、2
0〜60重量%であり、好ましくは35〜55重量%で
ある。塗布時の固形分含有量は、10〜50重量%であ
り、好ましくは20〜50重量%である。上記クリヤー
塗料は、未硬化の光輝性顔料含有塗膜上に、静電塗装、
エアースプレー等の方法で塗装することが好ましく、形
成される塗膜の乾燥膜厚は、一般に10〜60μm程度
が好ましく、より好ましくは20〜50μm程度であ
る。上限を越えると、塗装時にワキあるいはタレ等の不
具合が起こることもあり、下限を下回ると、下地の凹凸
が隠蔽できない。
【0042】クリヤー塗膜自身は約100〜180℃の
温度で加熱硬化させることができるが、本発明では、ク
リヤー塗膜と、光輝性顔料含有塗膜、あるいは着色塗膜
と光輝性顔料含有塗膜とを組合わせ積層塗膜を形成し、
加熱硬化することで、優れた外観および塗膜性能を示す
ことができる。
【0043】尚、クリヤー塗料は、上記光輝性顔料含有
塗料とウエットオンウエットで塗装するため、粘性制御
剤を含有することが好ましい。クリヤー塗料への粘性制
御剤の添加量は、塗料の樹脂固形分100重量部に対し
て0.01〜10重量部であり、好ましくは0.02〜
8重量部、より好ましくは0.03〜6重量部の量で添
加される。粘性制御剤の量が、10重量部を越えると、
外観が低下し、更に、光輝性顔料含有塗膜とクリヤー塗
膜の境界面で接している二層のうち、後から塗装される
クリヤー層に光輝性顔料含有層の光輝性顔料を、掘り起
こし浮遊させ、対流・移行させる溶解性と粘性を有する
塗膜にすることができない。0.01重量部を下回ると
粘性制御効果が得られない。
【0044】更に、上記光輝性顔料含有塗膜と上記クリ
ヤー塗膜との最低溶融粘度(η)が、光輝性顔料含有塗
膜の最低溶融粘度をη1とし、クリヤー塗膜の最低溶融
粘度をη2とした場合に、η1(光輝性顔料含有塗膜の
最低溶融粘度)≧η2(クリヤー塗膜の最低溶融粘度)
−5000(ポイズ)の関係を満足することが好まし
く、特に、η1(光輝性顔料含有塗膜の最低溶融粘度)
≧η2(クリヤー塗膜の最低溶融粘度)の関係を満足す
ることが特に好ましい。また更に、20(ポイズ)≦η
2(クリヤー塗膜の最低溶融粘度)≦20000(ポイ
ズ)の関係を満足する事が好ましい。但し、クリヤーの
最低溶融粘度(η2)が、20000ポイズ以上では、
スプレー塗装に適さず、均一な意匠が発現できず。20
ポイズ以下では、光輝性顔料の大流動が起こり、更にク
リヤー塗膜にも額縁現象が発生し、塗装時の作業性が満
足できない。
【0045】また、η1(光輝剤含有塗膜の最低溶融粘
度)とη2(クリヤー塗膜の最低溶融粘度)とが100
00ポイズ以上離れると互いに界面を侵しにくくなり、
見る角度により反射光量に変化の少ない、光輝感に優れ
た奥行き感を有する独特の意匠が、発現しにくくなる。
【0046】最低溶融粘度とは、「レオバイブロンDD
V−II(オリエンテック社製強制伸縮振動型粘弾性測
定装置)」により、硬化過程での塗膜の動的粘弾性をス
パイラルスプリング塗布方式により、昇温に対して連続
的に測定することで得られる値であり、図3の模式図に
示すように温度上昇による動的弾性率(dyne/cm2)の
変化を経時測定する事により最低値が求められるのであ
る。
【0047】本願で求めた動的弾性率(dyne/cm2)の
最低値を、粘度(ポイズ)が既知のシリコンオイルをス
パイラルスプリングに塗布して求めた動的弾性率(E
s)から、何も塗布していないスプリングの動的弾性率
(Eb)を減じた動的弾性率(EsーEb)と、使用し
たシリコンオイルの粘度(ポイズ)をプロットし、作成
した検量線(図4)に代入し、換算することで最低溶融
粘度(ポイズ)は求められた。
【0048】一般に塗料での最低溶融粘度は、ほぼ樹脂
の分子量に比例して変化すると言われているが、極性基
の種類、分子量もしくは重合度、結晶性、あるいは架橋
構造等が樹脂分子間に影響を与え、最低溶融粘度を変化
させるものと推測している。
【0049】本発明で用いるクリヤー塗料の塗料形態と
しては、溶液型のものが好ましく用いられ、溶液型であ
れば有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、エマルジ
ョン)、非水分散型のいづれでもよい。また必要によ
り、硬化触媒、表面調製剤等を用いることができる。
【0050】光輝性顔料含有塗膜を、少なくとも一つの
層として含有する積層塗膜としては、多くの場合30〜
300μmである。好ましくは50〜250μmであ
る。上限を越えると、冷熱サイクル性等の膜物性が低下
し、下限を下回ると膜自体の強度が低下する。
【0051】本発明の積層塗膜形成方法で用いるクリヤ
ー塗料としては、表面平滑性の確保とその他塗膜に要求
される性能を付与するために形成されるもので、塗膜の
透明感を損なわない程度に、着色顔料を含有させても良
い。本発明の塗料の製造方法は、特に限定されず、顔料
等の配合物をSGミル、ニーダーまたはロール等を用い
て混練、分散する等の当業者に周知の全ての方法を用い
得る。
【0052】
【実施例】以下に、本発明を実施例により詳細に説明す
る。尚、部は、特にことわらない限り、重量部を意味す
る。
【0053】調整例1;黒色着色塗料A−1の調整 以下の組成を用い、下記の製法に従って黒色の着色塗料
A−1を調整した。予め、カーボンMA−100(三菱
カーボン社製黒顔料)3.0部と熱硬化性ポリエステル
樹脂(日本ペイント社製、水酸基価90、酸価8、数平
均分子量(Mn)1800、固形分70%)15.0部
とを卓上SGミルにて顔料粒径が、5ミクロン以下に分
散した後、残りの熱硬化性ポリエステル樹脂15.0
部、ユーバン128(三井東圧社製ブチル化メラミン樹
脂、固形分60%)15.0部、架橋樹脂粒子(日本ペ
イント社製、構造粘性付与剤、固形分20%)10.0
部、レジミックスRL−4(三井東圧社製、表面調整
剤)0.1部、n−ブタノール4.0部、ソルベッソ1
00(エッソ社製芳香族系溶剤)8.4部を、順次添加
し、1コート1ベーク型の黒色の着色塗料A−1を調整
した。
【0054】調整例2;黒色着色塗料A−2の調整 調整例1の「MA−100(三菱カーボン社製黒顔
料)」を、「モナーク1300(キャボット社製黒色顔
料)」に、「熱硬化性ポリエステル樹脂」を「熱硬化性
アクリル樹脂A(日本ペイント社製熱硬化性アクリル樹
脂、水酸基価60、酸価15、数平均分子量(Mn)2
1000、固形分60%)」に、置き換えた混合物を同
様に顔料分散した後、熱硬化性アクリル樹脂A20.0
部、ユーバン20N60(三井東圧社製ブチル化メラミ
ン樹脂、固形分60%)14.5部、リポノックスNC
−60(ライオン油脂社製表面調整剤)0.2部、架橋
樹脂粒子(日本ペイント社製、構造粘性付与剤、固形分
20%)10.0部、nブタノール4.5部、酢酸ブチ
ル2.0部、キシロール9.6部、トルエン6.2部
を、順次添加し、光輝性顔料含有塗膜とウエットオンウ
エット塗装が可能な黒色の着色塗料A−2を調整した。
【0055】調整例3;赤色着色塗料A−3の調整 調整例2の「モナーク1300(キャボット社製黒色顔
料)」を、「イルガジンレッドDPP−BO(チバガイ
ギー社製赤色顔料)」3.5部、と「クロモフタルレッ
ドA2B(チバガイギー社製赤色顔料)」1.0部に置
き換え、光輝性顔料含有塗膜とウエットオンウエット塗
装が可能な赤色の着色塗料A−3を調整例2と同様に調
整した。
【0056】調整例4;黒色透明光輝性顔料含有塗料B
−1の調整 (アルミナ粉含有透明黒色メタリックベース塗料、光輝
材PWC=0.7%)調整例1と同様に、予め着色顔料
を5ミクロン以下まで分散し、残りの成分を下記配合に
準じて、順次添加し、塗料を調整した。
【0057】また、調整した塗料の溶融粘度を、「レオ
バイブロンDDV−II(オリエンテック社製強制伸縮
振動型粘弾性測定装置)」により、測定条件は110ヘ
ルツ、昇温速度2℃/分、サンプル条件は資料長2cm、
幅0.4cm、厚さ0.005cm、塗料の塗布量0.00
7g、ニッケルスプリングを使用して測定した。動的弾
性率の最低値は、3.0×E9(dyne/cm2)であっ
た、予め作成した検量線(図4)に代入し、換算すると
最低溶融粘度は4000ポイズであった。
【0058】 アルミナフレークEM−silverWIII(メルクジャパン社 0.3部 製アルミナ粉) モナーク1300(キャボット社製黒色顔料) 0.26部 熱硬化性アクリル樹脂B(日本ペイント社製熱硬化性 44.6部 アクリル樹脂、酸価20、水酸基価95、Mn4000、 Tg10℃、固形分60%) ユーバン20N60(三井東圧社製ブチル化メラミン樹脂、 19.1部 固形分60%) チヌビン900(チバガイギー社製紫外線吸収剤) 1.0部 サノールLS−770(チバガイギー社製光安定剤) 0.1部 架橋樹脂粒子(日本ペイント社製、構造粘性付与剤、 12.5部 固形分20%) nブタノール 3.0部 ソルベッソ100 19.14 部 合計 100.0部
【0059】調整例5;赤色透明光輝性顔料含有塗料B
−2の調整 (マイカ粉含有透明赤色メタリックベース塗料、光輝材
PWC=0.4%)調整例1と同様に、予め着色顔料を
分散し、残りの成分を下記配合に準じて、順次添加し、
塗料を調整した。更に、調整例4と同様にして最低溶融
粘度を測定すると、動的弾性率の最低値は、5.5×E
9(dyne/cm2)であった、検量線(図4)に代入し、
換算すると最低溶融粘度は9000ポイズであった。
【0060】 パールグレイスSME−90−9(日本光研社製マイカ粉) 0.2部 イルガジンレッドDPP−BO(チバガイギー社製赤色顔料) 0.1部 クロモフタルレッドA2B(チバガイギー社製赤色顔料) 0.1部 熱硬化性アクリル樹脂B(日本ペイント社製熱硬化性 27.3部 アクリル樹脂、酸価20、水酸基価95、Mn4000、 Tg10℃、固形分60%) 熱硬化性アクリル樹脂C(日本ペイント社製熱硬化性 27.3部 アクリル樹脂、酸価20、水酸基価70、Mn8000、 Tg25℃、固形分60%) ユーバン20N60(三井東圧社製ブチル化メラミン樹脂、 23.4部 固形分60%) チヌビン900(チバガイギー社製紫外線吸収剤) 1.0部 サノールLS−770(チバガイギー社製光安定剤) 0.1部 架橋樹脂粒子(日本ペイント社製、構造粘性付与剤、 12.5部 固形分20%) 表面調整剤 0.1部 nブタノール 3.0部 ソルベッソ100 4.9部 合計 100.0部
【0061】調整例6;透明光輝性顔料含有塗料B−3
の調整 (アルミナ粉含有透明メタリックベース塗料、光輝材P
WC=0.02%)下記配合成分を、順次添加し、塗料
を調整した。調整例4と同様にして最低溶融粘度を測定
すると、動的弾性率の最低値は、2.0×E9(dyne/
cm2)であった、検量線(図4)に代入し、換算すると
最低溶融粘度は2200ポイズであった。
【0062】 アルミナフレークEM−silverWIII(メルクジャパン社 0.01部 製アルミナ粉) 酸基含有熱硬化性アクリル樹脂(日本ペイント社製、 50.0部 酸価137、Mn3000、スチレン/メタクリル酸シクロヘキシル /アクリル酸イソブチル/無水マレイン酸=30/23/23/24、 メタノールによって無水マレイン酸をハーフエステル化した樹脂、 固形分50%) エポキシ基及び水酸基含有熱硬化性アクリル樹脂 41.0部 (日本ペイント社製、水酸基価46、エポキシ当量420、 Mn3400、固形分61%) テトラブチルアンモニウムブロミド(硬化触媒) 0.15部 チヌビン900(チバガイギー社製紫外線吸収剤) 2.0部 サノールLS−292(三共有機合成社製光安定剤) 1.0部 表面調整剤 0.1部 架橋樹脂粒子(日本ペイント社製、構造粘性付与剤、 10.0部 固形分20%) nブタノール 3.0部 ソルベッソ100 5.0部 合計 112.26部
【0063】調整例7;透明光輝性顔料含有塗料B−4
の調整 (板状酸化鉄含有透明メタリックベース塗料、光輝材P
WC=0.7%)下記配合成分を、順次添加し、塗料を
調整した。調整例4と同様にして最低溶融粘度を測定す
ると、動的弾性率の最低値は、3.0×E9(dyne/cm
2)であった、検量線(図4)に代入し、換算すると最
低溶融粘度は4000ポイズであった。
【0064】 AM−200S(チタン工業社製板状酸化鉄粉) 0.3部 熱硬化性アクリル樹脂B(日本ペイント社製熱硬化性 44.6部 アクリル樹脂、酸価20、水酸基価95、Mn4000、 Tg10℃、固形分60%) ユーバン20N60(三井東圧社製ブチル化メラミン樹脂、 19.1部 固形分60%) チヌビン900(チバガイギー社製紫外線吸収剤) 1.0部 サノールLS−770(チバガイギー社製光安定剤) 0.1部 架橋樹脂粒子(日本ペイント社製、構造粘性付与剤、 12.5部 固形分20%) nブタノール 3.0部 ソルベッソ100 19.4部 合計 100.0部
【0065】調整例8;透明光輝性顔料含有塗料B−5
の調整 (アルミニウム粉含有透明メタリックベース塗料、光輝
材PWC=0.04%)下記配合成分を、順次添加し、
塗料を調整した。調整例4と同様にして最低溶融粘度を
測定すると、動的弾性率の最低値は、0.7×E9(dy
ne/cm2)であった、検量線(図4)に代入し、換算す
ると最低溶融粘度は300ポイズであった。
【0066】 アルペースト93−0647(東洋アルミニウム社製 0.02部 アルミニウム粉) 熱硬化性アクリル樹脂D(日本ペイント社製熱硬化性 45.0部 アクリル樹脂、酸価2、水酸基価100、Mn2900、 Tgー8℃、固形分60%) サイメル254(三井サイテック社製メチルブチル混合 22.5部 メラミン樹脂、固形分80%) チヌビン900(チバガイギー社製紫外線吸収剤) 1.0部 サノールLS−770(チバガイギー社製光安定剤) 0.1部 架橋樹脂粒子(日本ペイント社製、構造粘性付与剤、 12.5部 固形分20%) 表面調整剤 0.1部 nブタノール 3.0部 ソルベッソ100 15.8部 合計 100.02部
【0067】調整例9;クリヤー塗料C−1の調整 (アクリル・メラミン樹脂硬化系塗料)下記配合成分
を、順次添加し、塗料を調整した。調整例4と同様にし
て最低溶融粘度を測定すると、動的弾性率の最低値は、
3.0×E9(dyne/cm2)であった、検量線(図4)
に代入し、換算すると最低溶融粘度は4000ポイズで
あった。
【0068】 熱硬化性アクリル樹脂B(日本ペイント社製熱硬化性 38.4部 アクリル樹脂、酸価20、水酸基価95、Mn4000、 Tg10℃、固形分60%) ユーバン20N60(三井東圧社製ブチル化メラミン樹脂、 25.3部 固形分60%) チヌビン900(チバガイギー社製紫外線吸収剤) 1.0部 サノールLS−770(チバガイギー社製光安定剤) 0.1部 架橋樹脂粒子(日本ペイント社製、構造粘性付与剤、 12.5部 固形分20%) 表面調整剤 0.1部 nブタノール 3.0部 ソルベッソ100 5.0部 合計 100.0部
【0069】調整例10;クリヤー塗料C−2の調整 (アクリル・メラミン樹脂硬化系塗料)下記配合成分
を、順次添加し、塗料を調整した。調整例4と同様にし
て最低溶融粘度を測定すると、動的弾性率の最低値は、
5.5×E9(dyne/cm2)であった、検量線(図4)
に代入し、換算すると最低溶融粘度は9000ポイズで
あった。
【0070】 熱硬化性アクリル樹脂B(日本ペイント社製熱硬化性 27.3部 アクリル樹脂、酸価20、水酸基価95、Mn4000、 Tg10℃、固形分60%) 熱硬化性アクリル樹脂C(日本ペイント社製熱硬化性 27.3部 アクリル樹脂、酸価20、水酸基価70、Mn8000、 Tg25℃、固形分60%) ユーバン20N60(三井東圧社製ブチル化メラミン樹脂、 23.4部 固形分60%) チヌビン900(チバガイギー社製紫外線吸収剤) 1.0部 サノールLS−770(チバガイギー社製光安定剤) 0.1部 架橋樹脂粒子(日本ペイント社製、構造粘性付与剤、 12.5部 固形分20%) 表面調整剤 0.1部 nブタノール 3.0部 ソルベッソ100 4.9部 合計 100.0部
【0071】調整例11;クリヤー塗料C−3の調整 (カルボン酸/エポキシ基硬化型クリヤー(酸基/エポ
キシ基=1/1))下記配合成分を、順次添加し、塗料
を調整した。調整例4と同様にして最低溶融粘度を測定
すると、動的弾性率の最低値は、2.0×E9(dyne/
cm2)であった、検量線(図4)に代入し、換算すると
最低溶融粘度は2200ポイズであった。
【0072】 酸基含有熱硬化性アクリル樹脂(日本ペイント社製、 100.0部 酸価137、Mn3000、スチレン/メタクリル酸シクロヘキシル /アクリル酸イソブチル/無水マレイン酸=30/23/23/24、 メタノールによって無水マレイン酸をハーフエステル化した樹脂、 固形分50%) エポキシ基及び水酸基含有熱硬化性アクリル樹脂 82.0部 (日本ペイント社製、水酸基価46、エポキシ当量420、 Mn3400、固形分61%) テトラブチルアンモニウムブロミド(硬化触媒) 0.3部 チヌビン900(チバガイギー社製紫外線吸収剤) 2.0部 サノールLS−292(三共有機合成社製光安定剤) 1.0部 表面調整剤 0.1部 架橋樹脂粒子(日本ペイント社製、構造粘性付与剤、 10.0部 固形分20%) nブタノール 3.0部 ソルベッソ100 5.0部 合計 121.6部
【0073】調整例12;クリヤー塗料C−4の調整 (アクリル・メラミン樹脂硬化系塗料)調整例6と同様
に、下記配合成分を、順次添加し、塗料を調整した。調
整例4と同様にして最低溶融粘度を測定すると、動的弾
性率の最低値は、0.7×E9(dyne/cm2)であっ
た、検量線(図4)に代入し、換算すると最低溶融粘度
は300ポイズであった。
【0074】 熱硬化性アクリル樹脂D(日本ペイント社製熱硬化性 45.0部 アクリル樹脂、酸価2、水酸基価100、Mn2900、 Tgー8℃、固形分60%) サイメル254(三井サイテック社製メチルブチル混合 22.5部 メラミン樹脂、固形分80%) チヌビン900(チバガイギー社製紫外線吸収剤) 1.0部 サノールLS−770(チバガイギー社製光安定剤) 0.1部 架橋樹脂粒子(日本ペイント社製、構造粘性付与剤、 12.5部 固形分20%) 表面調整剤 0.1部 nブタノール 3.0部 ソルベッソ100 15.8部 合計 100.02部
【0075】実施例1 リン酸亜鉛処理した厚さ0.8mm、20cm×30cmのダ
ル鋼板に、カチオン電着塗料「パワートップU−50
(日本ペイント社製、カチオン型電着塗料)」を、乾燥
膜圧が20μmとなるように電着塗装し、160℃で3
0分間焼き付けた。次に、得られた電着塗膜上に、グレ
ー色の中塗り塗料「オルガP−2グレー(日本ペイント
社製、ポリエステル・メラミン樹脂系塗料)」を、乾燥
膜圧が30μmとなるようにスプレー塗装し、140℃
で20分間焼き付け下地塗膜を作成した。
【0076】得られた中塗り塗膜上に、予め、酢酸ブチ
ル/ソルベッソ100=6/4の希釈用シンナーで25
秒(20℃・#4フォードカップ)に希釈した上記塗料
配合A−1の黒色着色塗料を、乾燥膜圧が30μmとな
るように、2ステージで「オートREA(ランズバーグ
社製エアー静電塗装機)」により塗装した。10分放置
の後、140℃で20分間焼付け、黒色着色塗膜を作成
した。次に、予め、酢酸エチル/トルエン=1/1の希
釈用シンナーで14秒(20℃・#4フォードカップ)
に希釈した上記塗料配合B−1のアルミナ粉含有透明黒
色光輝性顔料含有塗料を、乾燥膜圧が15μmとなるよ
うに、2ステージでオートREAによりエアー静電塗装
した。更に5分間のインターバルの後、ウエットオンウ
エットで、予め、ソルベッソ100で20秒(20℃・
#4フォードカップ)に希釈した塗料配合C−1のクリ
ヤー塗料(日本ペイント社製、アクリル・メラミン樹脂
系塗料)を、乾燥膜圧が30μmとなるようにスプレー
塗装し、10分間静置の後、140℃で20分間焼付
け、評価用塗膜を作成した。
【0077】実施例2〜7および比較例1〜2 着色塗料A−1をA−2〜A−3に、光輝性顔料含有塗
料B−1をB−2〜B−4に、C−1クリヤーをC−2
〜C−4クリヤーに変え、硬化の有無を表1に記載の方
法に変更した他は実施例1と同様にして塗膜を作成し
た。
【0078】上記実施例1〜7および比較例1〜2にお
いて形成した積層塗膜の構成を表1にまとめた。
【0079】評価方法 外観;クリヤー塗料塗装後の積層塗膜の肌感を、目視に
より判定した。結果を表1に示す。 評価基準 5:非常に塗膜肌がよい。 4:塗膜肌がよい。 3:肌感はある。 2:若干肌が荒れる。 1:塗膜肌が悪い。
【0080】意匠性;積層塗膜を、太陽光線が直接当た
る場所で、塗板から垂直方向および角度が30度の位置
より観察し、深み感、奥行き感、立体感の状態を目視
で、総合判定した。結果を表1に示す。
【0081】評価基準 5:角度に変化無く、光輝感に優れ、深み感、奥行き感
がでている。 4:わずかに角度により光輝感、深み感、奥行き感が変
化する。 3:角度により光輝感、深み感、奥行き感が変化する。 2:角度により光輝感、深み感、奥行き感が無くなる。 1:奥行き感、立体感が全く無い。
【0082】
【表1】
【0083】
【発明の効果】本発明では、均一に平行に配列された光
輝性顔料を含有する未硬化塗膜と、次いでこの塗膜面に
ウエットオンウエットで形成されるクリヤー塗膜との塗
膜層間に、積極的に「なじみ」や混ざりを発生させ、光
輝性顔料の一部をクリヤー塗膜層内に浮遊し、対流・移
行させることで、図2の模式的な断面図に示したように
光輝性顔料をクリヤー塗膜内に浮かし出したように、立
体的に再配置でき、塗膜に奥行感や深み感という従来に
ない意匠性に優れた塗膜を提供できる。更に、より光輝
性の高い顔料を用いることで、少量でより高い光輝感を
際だたせる事ができ好ましいことを見いだした。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の技術により作成した積層塗膜の模式的な
断面図を示す。
【図2】本発明の積層塗膜形成方法により作成した積層
塗膜の模式的な断面図を示す。
【図3】各光輝性顔料含有塗料の動的弾性率を昇温測定
した場合の動的弾性率曲線の模式図を示す。矢印は各光
輝性顔料含有塗料の動的弾性率の最低点を同時に示す。
【図4】動的弾性率から溶融粘度に換算するための検量
線を示す。
【符号の説明】
4 中塗り塗膜 5 電着塗膜 6 鋼板 9 B−2、C−2の各塗料の動的弾性率曲線 10 B−1、B−4、C−1の各塗料の動的弾性率曲
線 11 B−3、C−3の各塗料の動的弾性率曲線 12 B−5、C−4の各塗料の動的弾性率曲線 13 検量線 14 粘度既知の各シリコーンオイルのプロット 15 B−2、C−2の各塗料の最低動的弾性率のプロ
ット 16 B−1、B−4、C−1の各塗料の最低動的弾性
率のプロット 17 B−3、C−3の各塗料の最低動的弾性率のプロ
ット 18 B−5、C−4の各塗料の最低動的弾性率のプロ
ット 19、20、21、22 各塗料の最低動的弾性率を換
算して得た各粘度のプロット

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】着色塗膜と光輝性顔料含有塗膜及びクリヤ
    ー塗膜とを順次塗装する光輝性顔料含有積層塗膜を形成
    する方法において、光輝性顔料含有塗膜とクリヤー塗膜
    とをウエットオンウエットで塗装し、光輝性顔料含有塗
    膜とクリヤー塗膜との層間に面状の界面を有しない状態
    を形成する光輝性顔料含有積層塗膜の形成方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光輝性顔料含有塗膜とクリ
    ヤー塗膜の各最低溶融粘度(η)が、η1(光輝性顔料
    含有塗膜の最低溶融粘度)≧η2(クリヤー塗膜の最低
    溶融粘度)−5000ポイズの関係を満足することを特
    徴とする光輝性顔料含有積層塗膜の形成方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の光輝性顔料が、マイカ粉、
    アルミナ粉、アルミニウム粉および板状酸化鉄から選ば
    れた少なくとも一つ以上であることを特徴とする光輝性
    顔料含有積層塗膜の形成方法。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3記載の光輝性顔料含有積層
    塗膜の形成方法により形成された光輝性顔料含有積層塗
    膜を有する物品。
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