JP2001321719A - 積層マイカ塗膜の形成方法 - Google Patents

積層マイカ塗膜の形成方法

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JP2001321719A
JP2001321719A JP2000141788A JP2000141788A JP2001321719A JP 2001321719 A JP2001321719 A JP 2001321719A JP 2000141788 A JP2000141788 A JP 2000141788A JP 2000141788 A JP2000141788 A JP 2000141788A JP 2001321719 A JP2001321719 A JP 2001321719A
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coating film
mica
coating
pigment
color
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JP2000141788A
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Shinichi Fujiwara
真一 藤原
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シェード位置から見た場合の白濁感が抑制さ
れ、彩度の高い赤系マイカ塗膜を提供すること。 【解決手段】 下塗り塗膜及び中塗り塗膜が形成された
基材上にカラーベース塗膜を形成する工程;カラーベー
ス塗膜上にマイカベース塗膜を形成し、これを硬化させ
ないでその上にクリヤー塗膜を形成する工程;及び加熱
することによりマイカベース塗膜及びクリヤー塗膜を硬
化させる工程;を包含する積層マイカ塗膜の形成方法に
おいて、該マイカベース塗膜が着色アルミニウム顔料及
びマイカ顔料を含有し、且つ、該カラーベース塗膜が呈
する色相と、該着色アルミニウム顔料が呈する色相が同
系色であることを特徴とする積層マイカ塗膜の形成方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鱗片状のマイカ顔料
を含有する塗料により形成されるマイカ塗膜の形成方法
に関し、特に、積層された複数の塗膜を含んでなる積層
マイカ塗膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上塗り塗色の多色化とニーズに対応する
ために、鱗片状のマイカ顔料を含有する塗料により形成
されるマイカ塗膜が年々増えてきている。例えば、特開
平8−164358号公報では、着色ベースコート、酸
化チタンで被覆されたりん片状雲母粉末を配合してなる
ホワイトマイカ調またはシルバーマイカ調のベースコー
トおよびクリヤーコートをウエットオンウエットで塗装
し、塗膜を同時に架橋硬化せしめることを特徴とする複
層塗膜形成法が提案されている。
【0003】更に、特開平11−114489号公報で
は、有機アマイドを含有するカラーベース塗料、光輝材
を含有した光輝材含有ベース塗料及びクリヤー塗料を順
次塗装し、積層塗膜を形成する方法提案されている。
【0004】一方、特開平5−70719号公報には、
鱗片状着色アルミニウム顔料とマイカ顔料を含有するメ
タリック塗料について開示されているが、積層塗膜の透
明感、彩度という点で十分ではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題を解決するものであり、その目的とするところは、シ
ェード位置から見た場合の白濁感が抑制され、彩度の高
い赤系マイカ塗膜を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下塗り塗膜及
び中塗り塗膜が形成された基材上にカラーベース塗膜を
形成する工程;カラーベース塗膜上にマイカベース塗膜
を形成し、これを硬化させないでその上にクリヤー塗膜
を形成する工程;及び加熱することによりマイカベース
塗膜及びクリヤー塗膜を硬化させる工程;を包含する積
層マイカ塗膜の形成方法において、該マイカベース塗膜
が着色アルミニウム顔料及びマイカ顔料を含有し、且
つ、該カラーベース塗膜が呈する色相と、該着色アルミ
ニウム顔料が呈する色相が同系色であることを特徴とす
る積層マイカ塗膜の形成方法を提供するものであり、そ
のことにより上記目的が達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】カラーベース塗膜 本発明の積層マイカ塗膜の形成方法において、カラーベ
ース塗膜を形成するためにカラーベース塗料が用いられ
る。このカラーベース塗料には、着色顔料、塗膜形成性
樹脂及び硬化剤等が含まれる。
【0008】上記カラーベース塗料に含有される着色顔
料としては、有機系、無機系の各種着色顔料及び体質顔
料などが挙げられる。着色顔料としては、例えば、有機
系のアゾレーキ系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系
顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン
系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナク
リドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料
など、無機系の黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボン
ブラック、二酸化チタンなど、また体質顔料としては、
炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等が用
いられる。また、上記着色顔料を1種または2種以上を
組み合わせて用いることで、所望の色相のカラーベース
塗膜を形成することができる。
【0009】例えば、カラーベース塗料に含有させる着
色顔料として、例えば、赤色系顔料の場合、キナクリド
ン系顔料、酸化鉄系顔料、ペリレン系顔料等を主として
用い、カラーベース塗料への含有量を、0.01〜50
%の顔料濃度(PWC)にすることで、隠蔽性の良いカ
ラーベース塗膜を得ることができる。下限を下回ると下
地隠蔽性が低下し、上限を上回ると外観が低下する。好
ましくは0.1〜20%である。また、赤系顔料を上記
範囲で含有することで、マンセル値の色相(H)が2.
5R〜10Rの赤系カラーベース塗膜を形成することが
できる。
【0010】上記塗膜形成樹脂及び硬化剤としては、例
えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹
脂、フッ素系樹脂等の塗膜形成樹脂と、アミノ樹脂及び
/またはブロックポリイソシアネート化合物などの硬化
剤が用いられる。塗料中におけるこれらの好ましい固形
分含有量は、製造時30〜70重量%、塗布時10〜5
0重量%の範囲である。また塗装形成される塗膜の乾燥
膜厚は、10〜30μmが好ましい。
【0011】また、上記カラーベース塗料には、塗装作
業性を確保するために、粘性制御剤を添加することがで
きる。粘性制御剤としては、一般にチクソトロピー性を
示すものを使用でき、例えば、脂肪酸アマイドの膨潤分
散体、アマイド系脂肪酸、長鎖ポリアミノアマイドの燐
酸塩等のポリアマイド系のもの、酸化ポリエチレンのコ
ロイド状膨潤分散体等のポリエチレン系等のもの、有機
酸スメクタイト粘土、モンモリロナイト等の有機ベント
ナイト系のもの、ケイ酸アルミ、硫酸バリウム等の無機
顔料、顔料の形状により粘性が発現する偏平顔料、架橋
あるいは非架橋の樹脂粒子等を粘性制御剤として挙げる
ことができる。
【0012】更に、カラーベース塗料には、所望によ
り、その他の添加剤を含有させることができる。このよ
うな添加剤としては、例えば、シリコーン及び有機高分
子のような表面調整剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミ
ン、ヒンダードフェノール等がある。これらの配合量は
当業者の公知の範囲である。
【0013】上記全ての顔料を含めた塗料中の全顔料濃
度(PWC)としては、3〜70%であり、好ましく
は、4〜65%であり、より好ましくは、5〜60%で
ある。上限を越えると塗膜外観が低下する。
【0014】本発明に用いられるカラーベース塗料は、
一般には溶液型のものが好ましく用いられ、溶液型であ
れば有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、エマルシ
ョン)、非水分散型のいずれでもよい。
【0015】本発明に用いられる塗料組成物の製造方法
は、後述するものを含めて、特に限定されず、顔料等の
配合物をニーダーまたはロール等を用いて混練、分散す
る等の当業者に周知の方法を用い得る。
【0016】マイカベース塗膜 本発明の積層マイカ塗膜の形成方法において、マイカベ
ース塗膜の形成にはマイカベース塗料が用いられる。こ
のマイカベース塗料は、着色アルミニウム顔料、マイカ
顔料、塗膜形成性樹脂及び硬化剤等を含有する。
【0017】上記着色アルミニウム顔料とは、上記カラ
ーベース塗膜の着色顔料の記載で挙げた顔料を、アルミ
ニウム顔料にコーテイング(湿式法)したものである。
アルミニウム顔料は、平均粒径(D50)において約3〜
50μm、好ましくは約5〜45μmであり、厚さ方向
において約0.1〜2μmであるものが好ましい。着色
顔料のコーティング層は、約80〜約600nmの厚さ
を有する。着色顔料のコーティングは、例えば、高分子
物質と同時に水中に分散させ、アルミニウム顔料の表面
上に析出させて連続的に、密着性良く滑らかに着色層を
生成させたものが挙げられる。
【0018】上記マイカベース塗料は、着色アルミニウ
ム顔料を顔料濃度(PWC)で、1〜10%の範囲で含
有することが好ましい。上限を越えると塗膜外観を低下
し、下限を下回ると彩度が向上しない。好ましくは、1
%〜7.0%である。
【0019】具体的には、赤系着色アルミニウム顔料と
して、東洋アルミニウム社製の「98−4008R
E」、「99−4048RE」、「97−4084R
E」等が挙げられ、昭和アルミニウム社製では、「D−
554RE」等が挙げられる。その他に、同様の効果を
奏することができる着色アルミニウム顔料として、例え
ば、ブルー系着色アルミニウム顔料では、東洋アルミニ
ウム社製の「98−4012BL」、「96−4072
BL」等が挙げられ、昭和アルミニウム社製では、「D
−551BL」、「F−500BL」、「F−701B
L」等が挙げられる。更に、イエロー系着色アルミニウ
ム顔料では、東洋アルミニウム社製の「96−4017
YE」等が挙げられ、昭和アルミニウム社製では、「D
−529YE」等が挙げられる。
【0020】一方、カラーベース塗膜が示す色相と、マ
イカベース塗膜に含有される着色アルミニウム顔料のコ
ーティング層が示す色とが、同系色とは、カラーベース
塗膜に含有される顔料が相俟って呈する色相と、マイカ
ベース塗膜に含有される着色アルミニウム顔料の着色層
が示す色相が、マンセル表色系の色相環(10色相)の
色配置において、その色相が隣り合った色か、その隣の
色である関係にあることが好ましく、こを外れると積層
塗膜として安定に塗色設計できず、色相ムラがおきた
り、塗装膜厚の少しの振れにより色調が異なったりする
ことがある。そのため上記の色相の差は少なくとも隣り
合った色である方が好ましく、実質上の差が生じないこ
とが更に好ましい。尚、着色アルミニウム顔料の着色層
が有する色相は、コーティングした顔料が有する色相に
より決定されるものである。
【0021】上記マイカ顔料としては、通常メタリック
塗料に用いられるもので、例えば干渉マイカ顔料、着色
マイカ顔料、ホワイトマイカ顔料等が挙げられる。形状
は特に限定されないが、例えば鱗片状のものが好まし
く、平均粒径(D50)が2〜50μmであり、且つ厚さ
が0.1〜3μmであるものが適している。
【0022】上記の干渉マイカ顔料、着色マイカ顔料お
よびホワイトマイカ顔料は、マイカ顔料の表面に、Ti
2、SnO2、ZrO2、Fe23、ZnO2、Cr
23、V 25等およびそれらの含水物等の金属酸化物を
コーティングしたマイカ顔料で、真珠箔状、金属様且つ
玉虫色効果を有する上に、金属酸化物種とそのコーティ
ング層の厚みが奏する色感をもたらすものである。この
中でTiO2、Fe23等の金属酸化物を均一に被覆さ
れたものが、好適に用いられる。
【0023】例えば、ホワイトの干渉色を有する干渉マ
イカ顔料として、メルクジャパン社製「シラリック T
60−10 W3」(商品名)、日本光研社製「パール
グレイスSME 90−9」(商品名)、グリーンの干
渉色を有する干渉マイカ顔料として、メルクジャパン社
製「イリオジン ウルトラ 7235 W2」(商品
名)、ブルーの干渉色を有する干渉マイカとして、メル
クジャパン社製「イリオジン ウルトラ 7225 W
2」(商品名)、エローの干渉色を有する干渉マイカと
して、メルクジャパン社製「イリオジン ウルトラ 7
205 W2」(商品名)等が挙げられる。また、上記
干渉光を有するマイカ顔料として、干渉光を有するアル
ミナフレークを用いることもできる。
【0024】上記マイカ顔料の塗料中のマイカ顔料の顔
料濃度(PWC)は、一般的に18.0%以下である。
上限を越えると塗膜外観を低下させる。好ましくは、
0.01%〜17.0%であり、より好ましくは、0.
01%〜16.0%である。
【0025】上記マイカベース塗料に含有される塗膜形
成性樹脂としては、特に限定されるものではなく、上述
のカラーベース塗料の記載で挙げたものを使用できる。
尚、上記マイカベース塗料を、水性型塗料で用いる場合
には、米国特許第5151125号および同51835
04号等に具体的に説明されている塗膜形成性樹脂が用
い得る。
【0026】また、上記マイカベース塗料は、塗装作業
性を確保するために、粘性制御剤を添加することができ
る。具体的には、上述のカラーベース塗膜の記載で挙げ
たものを使用できる。
【0027】上記マイカベース塗料への粘性制御剤の添
加量は、塗料組成物の樹脂固形分100重量部に対して
0.01〜10重量部であり、好ましくは0.02〜8
重量部、より好ましくは0.03〜6重量部の量で添加
される。10重量部を越えると、外観が低下し、0.1
重量部を下回ると粘性制御効果が得られず、層間でなじ
みや反転をおこす原因となる。
【0028】上記マイカベース塗料の全固形分量は、1
0〜60重量%であり、好ましくは15〜55重量%で
ある。
【0029】本発明で用いるマイカベース塗料の塗料形
態としては、有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、
エマルション)、非水分散型のいずれでもよく、また必
要により、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、表面
調製剤等を用いることができる。
【0030】クリヤー塗膜 本発明の積層マイカ塗膜の形成方法において、クリヤー
塗膜の形成には、クリヤー塗料が用いられる。このクリ
ヤー塗料は、塗膜形成性樹脂および硬化剤等を含有す
る。上記塗膜形成性樹脂としては、特に限定されるもの
ではなく、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ
樹脂、ウレタン樹脂等の塗膜形成性樹脂を利用すること
ができ、これらはアミノ樹脂および/またはブロックイ
ソシアネート樹脂等の硬化剤と組み合わせて用いられ
る。透明性あるいは耐酸エッチング性等の点から、アク
リル樹脂および/またはポリエステル樹脂とアミノ樹脂
との組合わせ、あるいはカルボン酸・エポキシ硬化系を
有するアクリル樹脂および/またはポリエステル樹脂等
が挙げられる。
【0031】クリヤー塗料中の固形分含有量は、20〜
60重量%であり、好ましくは35〜55重量%であ
る。また、塗布時の固形分含有量は、10〜50重量%
であり、好ましくは20〜50重量%である。
【0032】尚、クリヤー塗料は、マイカベース塗料を
塗装後、未硬化の状態で塗装する、いわゆるウエットオ
ンウエットで塗膜が形成されるため、ここで生じる層間
のなじみや反転、あるいは、タレ等の防止のため、上述
した粘性制御剤を含有することが好ましい。含有量は、
トップクリヤー塗料組成物の樹脂固形分100重量部に
対して0.01〜10重量部であり、好ましくは0.0
2〜8重量部、より好ましくは0.03〜6重量部の量
で添加される。10重量部を越えると、外観が低下し、
0.1重量部を下回ると粘性制御効果が得られず、タレ
等の不具合をおこす原因となる。
【0033】本発明で用いるクリヤー塗料の塗料形態と
しては、有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、エマ
ルション)、非水分散型、粉体型のいずれでもよく、ま
た必要により、硬化触媒、表面調製剤等を用いることが
できる。
【0034】基材 本発明の塗膜形成方法は、種々の基材、例えば、金属、
ガラス、布、プラスチック、発泡体等、特に金属表面、
および鋳造物に有利に用い得るが、カチオン電着塗装可
能な金属製品に対し、特に好適に使用できる。
【0035】上記金属製品としては、例えば、鉄、銅、
アルミニウム、スズ、亜鉛等およびこれらの金属を含む
合金が挙げられる。具体的には、乗用車、トラック、オ
ートバイ、バス等の自動車車体および部品が挙げられ
る。これらの金属は予めリン酸塩、クロム酸塩等で化成
処理されたものが特に好ましい。
【0036】下塗り塗膜 本発明のメタリック塗膜形成方法に用いられる化成処理
された鋼板上に塗布され下塗り塗膜を形成する電着塗料
としては、カチオン型及びアニオン型を使用できるが、
カチオン型電着塗料組成物が防食性において優れた積層
塗膜を与える。
【0037】中塗り塗膜 本発明のメタリック塗膜形成方法において中塗り塗膜
は、下地欠陥を隠蔽し、上塗り塗装後の表面平滑性を確
保(外観向上)し、塗膜物性(耐衝撃性、耐チッピング
性等)を付与するためのものである。この中塗り塗膜を
形成するには中塗り塗料が用いられ、この中塗り塗料
は、有機系、無機系の各種着色顔料、体質顔料等、塗膜
形成性樹脂および硬化剤等を含む。
【0038】上記中塗り塗料に用いられる着色顔料とし
ては、例えば上述のカラーベース塗料で記載されたもの
が用いられる。更に、アルミニウム粉、グラファイト粉
等の扁平顔料を添加しても良い。
【0039】標準的には、カーボンブラックと二酸化チ
タンを主要顔料としたグレー系中塗り塗料が用いられ
る。更に、セットグレーや各種の着色顔料を組み合わせ
た、いわゆるカラー中塗り塗料を用いることもできる。
【0040】上記中塗り塗料に用いられる塗膜形成性樹
脂としては、特に限定されるものではなく、例えば上述
のカラーベース塗料で記載されたものが用いられる。顔
料分散性あるいは作業性の点から、アルキド樹脂および
/またはポリエステル樹脂とアミノ樹脂との組合わせが
好ましい。
【0041】下塗りされた基材上へ塗装された後、未硬
化の状態でも用い得るが、上記中塗り塗膜を硬化させる
場合には、硬化温度は100〜180℃、好ましくは1
20〜160℃に設定することで高い架橋度の硬化塗膜
を得られる。上限を越えると、塗膜が固く脆くなり、下
限以下では硬化が充分でない。硬化時間は硬化温度によ
り変化するが、120℃〜160℃で10〜30分が適
当である。
【0042】積層マイカ塗膜の形成方法 図1は本発明の方法で形成される積層マイカ塗膜の一例
を示す断面図である。基材6上に、下塗り塗膜5、中塗
り塗膜4、カラーベース塗膜3、マイカベース塗膜2、
及びクリヤー塗膜1が形成されている。
【0043】この積層マイカ塗膜を形成する際には、ま
ず、基材6上に下塗り塗膜5及び中塗り塗膜4を形成す
る。形成方法は当業者に知られた方法であればよい。
【0044】次いで、下塗り塗膜5および中塗り塗膜4
を形成した基材6上に、まずカラーベース塗料を塗装し
てカラーベース塗膜3を形成する。本発明でカラーベー
ス塗料を、自動車車体に塗装する場合には、意匠性を高
めるためにエアー静電スプレー塗装による多ステージ塗
装、好ましくは2ステージで塗装するか、或いは、エア
ー静電スプレー塗装と、通称「μμ(マイクロマイク
ロ)ベル」、「μ(マイクロ)ベル」あるいは「メタベ
ル」等と言われる回転霧化式の静電塗装機とを組み合わ
せた塗装方法により塗膜を形成することができる。
【0045】本発明におけるカラーベース塗料による塗
装時の塗膜の膜厚は所望の用途により変化するが、多く
の場合10〜30μmが有用である。上限を越えると、
鮮映性が低下したり、塗装時にムラあるいは流れ等の不
具合が起こることがあり、下限を下回ると、下地が隠蔽
できず膜切れが発生する。
【0046】カラーベース塗膜は硬化させても硬化させ
なくてもよい。塗装後、カラーベース塗膜を硬化させる
場合は、硬化温度を100〜180℃、好ましくは12
0〜160℃に設定することで高い架橋度の硬化塗膜を
得られる。上限を越えると、塗膜が固く脆くなり、下限
未満では硬化が充分でない。硬化時間は硬化温度により
変化するが、120℃〜160℃で10〜30分が適当
である。
【0047】更に、カラーベース塗膜上にマイカベース
塗料、およびクリヤー塗料を塗布してマイカベース塗膜
2、およびクリヤー塗膜1を形成する。その際、マイカ
ベース塗膜2は硬化させないで、その上にクリヤー塗料
を塗布することが好ましい。
【0048】マイカベース塗膜2を形成する為に用いる
マイカベース塗料は、上記カラーベース塗料と同様に、
μμベル、μベル等の回転霧化式の静電塗装機により塗
装することができ、その塗膜の乾燥膜厚は10〜30μ
m設定で用いられる。
【0049】マイカベース塗膜2を形成した後に塗装さ
れるクリヤー塗膜1は、上記マイカベース塗膜2に含ま
れる光輝性顔料に起因する凹凸、チカチカ等を平滑に
し、保護するために形成される。塗装方法として具体的
には、先に述べたμμベル、μベル等の回転霧化式の静
電塗装機により塗膜形成することが好ましい。
【0050】上記クリヤー塗料により形成されるクリヤ
ー塗膜の乾燥膜厚は、一般に10〜70μm程度が好ま
しく、より好ましくは20〜50μm程度である。上限
を越えると、塗装時にワキあるいはタレ等の不具合が起
こることもあり、下限を下回ると、下地の凹凸が隠蔽で
きない。
【0051】その後、このようにして積層された塗膜を
硬化させる。但し、上記カラーベース塗料、マイカベー
ス塗料を水性型塗料で用いる場合には、良好な仕上がり
塗膜を得るために、それぞれ形成した後に塗膜を40〜
80℃で2〜10分間加熱しておくことが望ましい。
【0052】上記クリヤー塗膜の塗装後、塗膜を硬化さ
せる。硬化温度を100〜180℃、好ましくは120
〜160℃に設定することで高い架橋度の硬化塗膜を得
られる。上限を越えると、塗膜が固く脆くなり、下限未
満では硬化が充分でない。硬化時間は硬化温度により変
化するが、120℃〜160℃で10〜30分が適当で
ある。
【0053】本発明で形成される積層塗膜の膜厚は、多
くの場合30〜300μmであり、好ましくは50〜2
50μmである。上限を越えると、冷熱サイクル等の膜
物性が低下し、下限を下回ると膜自体の強度が低下す
る。
【0054】
【実施例】以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳細
に説明するが、本発明は以下の実施例により限定される
ものではない。尚、以下において「部」とあるのは「重
量部」を意味する。
【0055】製造例1 カラーベース塗料の製造1 表1に示す配合で、カラーベース塗料1を製造した。
尚、この塗料で形成したカラーベース塗膜のマンセル値
は、4.0R2.7/7.0であった。
【0056】
【表1】
【0057】製造例2 カラーベース塗料の製造2 表2に示す配合で、カラーベース塗料2を製造した。
尚、この塗料で形成したカラーベース塗膜のマンセル値
は、3.8R2.6/6.2であった。
【0058】
【表2】
【0059】製造例3 マイカベース塗料の製造 表3に示す配合で、赤系マイカベース塗料を製造した。
【0060】
【表3】
【0061】実施例1 積層マイカ塗膜の形成1 リン酸亜鉛処理した厚さ0.8cm、20cm×30c
mのダル鋼板に、カチオン電着塗料「パワートップU−
50」(日本ペイント社製)を、乾燥膜厚が20μmと
なるように電着塗装し、160℃で30分間焼き付け
た。次に、得られた電着塗膜上に、グレー色の中塗り塗
料「オルガP−2グレー」(日本ペイント社製、ポリエ
ステル・メラミン樹脂系塗料)を、乾燥膜厚が30μm
となるようにスプレー塗装し、140℃で20分間焼き
付け下地塗膜を作成した。
【0062】得られた中塗り塗膜上に、上記製造例のカ
ラーベース塗料を、乾燥膜厚が15μmとなるように、
2分間隔の2ステージで「オートREA」(ランズバー
グ社製エアー静電塗装機)により塗装した。10分間の
インターバルの後、140℃で20分間焼き付けた。更
に、上記製造例のマイカベース塗料を、乾燥膜厚が15
μmとなるように、同様に静電塗装した。次に7分間の
セッテイングの後、更にウエットオンウエットで、クリ
ヤー塗料「スーパーラック O−380クリヤー」(日
本ペイント社製、酸・エポキシ硬化型アクリル樹脂系塗
料)を、乾燥膜厚が30μmとなるように、μμベルに
より回転霧化型静電塗装した。140℃で20分間焼き
付け、評価用塗膜を作成した。
【0063】得られた積層マイカ塗膜の外観を、ハイラ
イトの位置およびシェードの位置からの見え方につい
て、透明感、光輝感という視点で、目視により下記判定
基準で判断した。
【0064】判断基準 5;かなり優れている 4;やや優れている 3;優れている 2;やや劣る 1;かなり劣る
【0065】更に、得られた積層塗膜のマンセル値を、
スガ試験機社製測色機「SMカラーコンピューターSM
−6−1S−2B」を用いてH(色相)、V(明度)、
C(彩度)を測定した。
【0066】また、得られた積層塗膜の反射強度(L
値)を、ミノルタ社製変角色差計「512m−3」を用
いて、25度及び75度で測定し、[25度での測定強
度]÷[75度での測定強度]をフリップフロップ性
(FF値)の指標とした。値が大きい程、フリップフロ
ップ性が高いことを示す。結果を表4に示した。
【0067】実施例2 積層マイカ塗膜の形成2 マイカベース塗料を先の製造例のマイカベース塗料2に
替えた以外は、実施例1と同様に積層塗膜を形成し、同
様に評価した。結果を表4に示した。
【0068】比較例1 マイカベース塗料に含有する赤系着色アルミニウム顔料
をマイカ顔料に置き換え、更にマイカ顔料に置換したの
で、色相を補正するために、シンカシャレッドRT−7
59D(チバガイギー社製赤色顔料)を1.60部添加
して塗料化した以外は、実施例1と同様に積層塗膜を形
成し、同様に評価した。結果を表4に示した。
【0069】
【表4】
【0070】
【発明の効果】既存の顔料では濁りが発生し、彩度が低
下していたにもかかわらず、着色アルミニウム顔料を用
いることで、彩度(実施例の場合は赤味に関する)を保
ちながら明度を上げることができた。またカラーベース
塗料とマイカベース塗料に含有される着色アルミニウム
顔料の色相を同系色にすることで、更に彩度を上げられ
ることが分かった。
【0071】ブルーカラーベース塗膜とブルーアルミニ
ウム顔料、イエローカラーベース塗膜とイエローアルミ
ニウム顔料での組み合わせでも同様の効果が得られるも
のと思われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法で形成される積層マイカ塗膜の
一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…クリヤー塗膜、 2…マイカベース塗膜、 3…カラーベース塗膜、 4…中塗り塗膜、 5…下塗り塗膜、 6…基材。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下塗り塗膜及び中塗り塗膜が形成された
    基材上にカラーベース塗膜を形成する工程;カラーベー
    ス塗膜上にマイカベース塗膜を形成し、これを硬化させ
    ないでその上にクリヤー塗膜を形成する工程;及び加熱
    することによりマイカベース塗膜及びクリヤー塗膜を硬
    化させる工程;を包含する積層マイカ塗膜の形成方法に
    おいて、 該マイカベース塗膜が着色アルミニウム顔料及びマイカ
    顔料を含有し、 且つ、該カラーベース塗膜が呈する色相と、該着色アル
    ミニウム顔料が呈する色相が同系色であることを特徴と
    する積層マイカ塗膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記カラーベース塗膜のマンセル表示の
    色相(H)が2.5R〜10Rであることを特徴とする
    請求項1記載の積層マイカ塗膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の方法により形成
    された積層マイカ塗膜。
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