JP2003236465A - 高意匠マイカ塗膜の形成方法 - Google Patents

高意匠マイカ塗膜の形成方法

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JP2003236465A
JP2003236465A JP2002036465A JP2002036465A JP2003236465A JP 2003236465 A JP2003236465 A JP 2003236465A JP 2002036465 A JP2002036465 A JP 2002036465A JP 2002036465 A JP2002036465 A JP 2002036465A JP 2003236465 A JP2003236465 A JP 2003236465A
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mica
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pigment
color
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JP2002036465A
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Fujio Nuibe
富士夫 縫部
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高意匠マイカ塗膜を形成するにあたり、透明
感及び彩度に優れ、工業的な量産性の観点から、ごみ隠
蔽性、補修性及び膜厚差による色相変化等において問題
となり難い、隠蔽性に優れたマイカ塗膜を提供すること
にある。 【解決手段】 下塗り塗膜及び中塗り塗膜を予め形成し
た基材上に、カラーベース塗膜を形成し、焼付け硬化さ
せた後、ベースカラー塗膜、マイカベース塗膜及びクリ
ヤー塗膜を順次形成するマイカ塗膜の形成方法におい
て、上記カラーベース塗膜が呈する色相と、上記ベース
カラー塗膜が呈する色相及び上記マイカベース塗膜が呈
する色相が同系色であり、且つ、上記マイカベース塗膜
を形成するマイカベース塗料が、透明性顔料と非透明性
顔料とを重量比で3/1〜20/1の比で含有すること
を特徴とする高意匠マイカ塗膜の形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】上塗り塗色の多色化とニーズに応じ、パ
ール感を奏する、いわゆるマイカ塗膜が年々増えてきて
いる。例えば、特開平8−164358号公報では、着
色ベースコート、酸化チタンで被覆されたりん片状雲母
粉末を配合してなるホワイトマイカ調またはシルバーマ
イカ調のベースコート及びクリヤーコートの3層をウエ
ットオンウエットで塗装し、塗膜を同時に硬化せしめる
ことを特徴とする複層塗膜形成法が提案されている。
【0002】また、特開平11−114489号公報で
は、有機アマイドを含有するカラーベース塗料、光輝材
を含有した光輝材含有ベース塗料及びクリヤー塗料を順
次塗装し、積層塗膜を形成する方法を開示しているが、
塗色が替わると塗膜の透明感、彩度という点で十分では
ない場合があった。
【0003】更に、マイカベース塗膜は隠蔽性が低いた
めに、工業的な量産性の観点から、ごみ隠蔽性、補修性
及び膜厚差による色相変化等において問題となる場合が
あった。特に、近年、流行のパステル調カラー、例え
ば、黄色、ライトブルー、ピンクあるいはライトグリー
ン等の塗色で、塗膜の低隠蔽性による問題が顕著となる
場合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高意
匠マイカ塗膜を形成するにあたり、透明感及び彩度に優
れ、工業的な量産性の観点から、ごみ隠蔽性、補修性及
び膜厚差による色相変化等において問題となり難い、隠
蔽性に優れたマイカ塗膜を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下塗り塗膜及
び中塗り塗膜を予め形成した基材上に、カラーベース塗
膜を形成し、焼付け硬化させた後、ベースカラー塗膜、
マイカベース塗膜及びクリヤー塗膜を順次形成するマイ
カ塗膜の形成方法において、上記カラーベース塗膜が呈
する色相と、上記ベースカラー塗膜が呈する色相及び上
記マイカベース塗膜が呈する色相が同系色であり、且
つ、上記マイカベース塗膜を形成するマイカベース塗料
が、透明性顔料と非透明性顔料とを重量比で3/1〜2
0/1の比で含有することを特徴とする高意匠マイカ塗
膜の形成方法を提供するものである。
【0006】また、上記マイカベース塗料に含有される
透明性顔料が、塗料固形分中の顔料濃度(PWC)を2
0%にした場合の白黒隠蔽膜厚が150μm以上である
顔料であり、上記非透明性顔料が、塗料固形分中の顔料
濃度(PWC)を20%にした場合の白黒隠蔽膜厚が1
50μm未満の顔料であることを特徴とする高意匠マイ
カ塗膜の形成方法を提供するものである。
【0007】更に、本発明は、上記マイカベース塗料に
含有される透明性顔料が、干渉アルミナフレーク及び有
機着色顔料であり、上記非透明性顔料が、着色アルミニ
ウム顔料及び酸化チタン顔料であることを特徴とする高
意匠マイカ塗膜の形成方法を提供するものである。
【0008】また更に、本発明は、上記マイカ塗膜の色
相が、マンセル表示の色相(H)で10YR〜10Yで
あることを特徴とする高意匠マイカ塗膜の形成方法を提
供するものである。更に、本発明は上記の方法により形
成された高意匠マイカ塗膜を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】カラーベース塗膜 本発明のマイカ塗膜の形成方法において、カラーベース
塗膜を形成するためにカラーベース塗料が用いられる。
このカラーベース塗料には、着色顔料、塗膜形成性樹脂
及び硬化剤等が含まれる。
【0010】上記カラーベース塗料に含有される着色顔
料としては、有機系、あるいは無機系の各種着色顔料及
び体質顔料などが挙げられる。着色顔料としては、例え
ば、有機系のアゾレーキ系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮
合アゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ベンズイ
ミダゾロン系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔
料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系
顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、
金属錯体顔料など、無機系の黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガ
ラ、カーボンブラック、二酸化チタンなどが挙げられ、
また体質顔料としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、クレー、アルミ粉、タルク等が用いられる。また、
上記着色顔料を1種または2種以上を組み合わせて用い
ることで、所望の色相のカラーベース塗膜を形成するこ
とができる。
【0011】本発明のマイカ塗膜の形成方法に用いるカ
ラーベース塗料に含有させる着色顔料として、例えば、
黄色系顔料の場合、黄色酸化鉄系顔料、キナクリドン系
黄色顔料、ベンゾイミダゾロン系黄色顔料、キノフタロ
ン系黄色顔料、イソインドリノン系黄色顔料等を主とし
て用いることが好ましい。また、カラーベース塗料への
黄色顔料の含有量を、1〜50%の顔料濃度(PWC)
にすることで、隠蔽性の良いカラーベース塗膜を得るこ
とができる。下限を下回ると下地隠蔽性が低下し、上限
を上回ると外観が低下する。好ましくは3〜40%であ
る。尚、黄系顔料を上記範囲で含有することで、マンセ
ル値の色相(H)が10YR〜10Yの黄系カラーベー
ス塗膜を形成することができる。
【0012】上記塗膜形成性樹脂及び硬化剤としては、
例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹
脂、ポリエーテル樹脂、ウレタン樹脂等の塗膜形成性樹
脂と、アミノ樹脂及び/またはブロックポリイソシアネ
ート化合物などの硬化剤とが用いられるが、特にポリエ
ステル樹脂、アルキド樹脂を塗膜形成性樹脂として用い
ることが好ましい。
【0013】また、上記カラーベース塗料には、塗装作
業性を確保するために、粘性制御剤を添加することがで
きる。粘性制御剤としては、一般にチクソトロピー性を
示すものを使用でき、例えば、脂肪酸アマイドの膨潤分
散体、アマイド系脂肪酸、長鎖ポリアミノアマイドの燐
酸塩等のポリアマイド系のもの、酸化ポリエチレンのコ
ロイド状膨潤分散体等のポリエチレン系等のもの、有機
酸スメクタイト粘土、モンモリロナイト等の有機ベント
ナイト系のもの、ケイ酸アルミ、硫酸バリウム等の無機
顔料、顔料の形状により粘性が発現する偏平顔料、架橋
あるいは非架橋の樹脂粒子等を粘性制御剤として挙げる
ことができる。
【0014】更に、カラーベース塗料には、所望によ
り、その他の添加剤を含有させることができる。このよ
うな添加剤としては、例えば、シリコーン及び有機高分
子のような表面調整剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミ
ン、ヒンダードフェノール等がある。これらの配合量は
当業者の公知の範囲である。
【0015】上記全ての成分を含めた塗料固形分中の全
顔料濃度(PWC)としては、5〜55%であり、好ま
しくは、10〜50%である。上限を越えると塗膜外観
が低下する。
【0016】また、希釈された塗料中におけるこれらの
好ましい固形分含有量は、製造時30〜70重量%、塗
布時20〜55重量%の範囲である。更に、塗装形成さ
れる塗膜の乾燥膜厚は、20〜45μmが好ましい。
【0017】本発明に用いられるカラーベース塗料は、
一般には溶液型のものが好ましく用いられ、溶液型であ
れば有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、エマルシ
ョン)、非水分散型のいずれでもよい。
【0018】本発明に用いられる塗料組成物の製造方法
は、後述するものを含めて、特に限定されず、顔料等の
配合物をミル、ニーダーまたはロール等を用いて混練、
分散する等の当業者に周知の方法を用い得る。
【0019】ベースカラー塗膜 本発明のマイカ塗膜の形成方法において、ベースカラー
塗膜を形成するためにベースカラー塗料が用いられる。
このベースカラー塗料には、着色顔料、塗膜形成性樹脂
及び硬化剤等が含まれる。
【0020】上記ベースカラー塗料に含有される着色顔
料としては、有機系、無機系の各種着色顔料及び体質顔
料などが挙げられる。具体的には、上述のカラーベース
塗膜の記載で挙げたものを使用できる。尚、上記着色顔
料を1種または2種以上を組み合わせて用いることで、
所望の色相のベースカラー塗膜を形成することができ
る。
【0021】例えば具体的には、ベースカラー塗料に含
有させる着色顔料として、例えば、黄色系顔料の場合、
黄色酸化鉄系顔料、キナクリドン系黄色顔料、ベンゾイ
ミダゾロン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料、イソ
インドリノン系黄色顔料等を主として用いることが好ま
しい。また、ベースカラー塗料への黄色顔料の含有量
を、1〜50%の顔料濃度(PWC)にすることで、隠
蔽性の良いベースカラー塗膜を得ることができる。下限
を下回ると下地隠蔽性が低下し、上限を上回ると外観が
低下する。好ましくは3〜40%である。また、黄系顔
料を上記範囲で含有することで、マンセル値の色相
(H)が10YR〜10Yの黄系ベースカラー塗膜を形
成することができる。
【0022】上記塗膜形成性樹脂及び硬化剤としては、
具体的には、上述のカラーベース塗膜の記載で挙げたも
のを使用できるが、特にアクリル樹脂を塗膜形成性樹脂
として用いること、及び次に塗装されるマイカベースと
同一樹脂系にすることが特に好ましい。
【0023】また、上記ベースカラー塗料には、塗装作
業性を確保するために、粘性制御剤を添加することがで
きる。具体的には、上述のカラーベース塗膜の記載で挙
げたものを使用できる。更に、ベースカラー塗料には、
所望により、その他の添加剤を含有させることができ
る。具体的には、上述のカラーベース塗膜の記載で挙げ
たものを使用できる。
【0024】上記全ての成分を含めた塗料固形分中の全
顔料濃度(PWC)としては、5〜55%であり、好ま
しくは、10〜50%である。上限を越えると塗膜外観
が低下する。
【0025】また、希釈された塗料中におけるこれらの
好ましい固形分含有量は、製造時30〜60重量%、塗
布時15〜50重量%の範囲である。更に、塗装形成さ
れる塗膜の乾燥膜厚は、5〜20μmが好ましい。
【0026】本発明に用いられるベースカラー塗料は、
一般には溶液型のものが好ましく用いられ、溶液型であ
れば有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、エマルシ
ョン)、非水分散型のいずれでもよい。
【0027】本発明に用いられる塗料組成物の製造方法
は、後述するものを含めて、特に限定されず、顔料等の
配合物をミル、ニーダーまたはロール等を用いて混練、
分散する等の当業者に周知の方法を用い得る。
【0028】マイカベース塗膜 本発明のマイカ塗膜の形成方法において、マイカベース
塗膜の形成にはマイカベース塗料が用いられる。このマ
イカベース塗料には、透明性顔料と非透明性顔料とを重
量比で3/1〜20/1の比で含有するが、その他に塗
膜形成性樹脂及び硬化剤等を含有することができる。上
記重量比が上限を越えると、意匠性が低下し、下限を下
回るとごみ隠蔽性が低下する。好ましくは4/1〜15
/1の比である。
【0029】上記透明性顔料とは、塗料固形分中の顔料
濃度(PWC)を20%にした場合の白黒隠蔽膜厚が1
50μm以上の顔料(白は除く)を意味する。透明性顔
料の具体例としては、マイカフレーク、干渉マイカフレ
ーク、アルミナフレーク、干渉アルミナフレーク等の燐
片状光輝性顔料が挙げられ、好ましくは、意匠性の観点
から干渉マイカフレーク、干渉アルミナフレークが挙げ
られる。更に、透明性顔料として、粒子径の小さく透明
性の高い有機着色顔料等を包含するが、透明性及び意匠
性の観点から、干渉アルミナフレーク及び有機着色顔料
を組み合わせて用いることが特に好ましい。
【0030】上記非透明性顔料とは、塗料固形分中の顔
料濃度(PWC)を20%にした場合の白黒隠蔽膜厚が
150μm未満の顔料を意味する。非透明性顔料の具体
例としては、アルミニウム顔料、着色アルミニウム顔料
等の燐片状光輝性顔料が挙げられ、好ましくは、意匠性
の観点から着色アルミニウム顔料が挙げられる。更に、
非透明性顔料として、酸化チタン顔料、酸化鉄等の無機
顔料、あるいは隠蔽力の高い有機顔料を包含するが、隠
蔽性及び意匠性の観点から、着色アルミニウム顔料及び
酸化チタン顔料を組み合わせて用いることが特に好まし
い。
【0031】また、本発明の方法で用いられるマイカベ
ース塗料に含有する燐片状光輝性顔料のうち、透明性顔
料である干渉アルミナフレークと、非透明性顔料である
着色アルミニウムフレークとの含有量比は、5/1〜3
0/1であることが好ましく、上限を越えるとごみ隠蔽
性が低下し、下限を下回ると意匠性が低下する。特に好
ましくは5/1〜20/1である。
【0032】更に、本発明の方法で用いられるマイカベ
ース塗料に含有する非燐片状光輝性顔料のうち、透明性
顔料である有機着色顔料と、非透明性顔料である酸化チ
タン顔料との含有量比は1.5/1〜5/1であること
が好ましく、上限を越えるとごみ隠蔽性が低下し、下限
を下回ると意匠性が低下するので好ましくない。特に好
ましくは2/1〜5/1である。
【0033】また、塗料固形分に対する全顔料の合計P
WCが5〜18%であることが好ましい。上限を越える
と外観が低下し、下限を下回るとごみ隠蔽性、意匠性が
低下するので好ましくない。特に好ましくは7〜15%
である。
【0034】上記干渉アルミナフレークとしては、酸化
アルミニウム(Al)を二酸化チタン等の金属酸
化物で被覆したもので、粒度10〜30μm、厚み0.
3〜0.4μmのものである。また、表面平滑性が高
く、粒度分布がシャープであるため微粒子による光散乱
が少ない。更に、高アスペクト比の薄片状アルミナ結晶
の表面を金属酸化物で被覆しているため、パール感を有
する顔料となり、塗膜化した場合にハイライト及びシェ
ードの位置から共に従来のマイカ粉では得られなかった
強い輝きを有する塗膜が得られ、見栄えとしては透明感
があり、立体的な印象を表現できる。
【0035】上記の干渉アルミナフレークとして、例え
ば、メルク・ジャパン(株)より販売されている「Xi
rallic T60−20 W−3 サンビームゴー
ルド(商品名)」等のXirallic T−60シリ
ーズが挙げられる。
【0036】これらは、被覆する金属酸化物(Al
、TiO、SnO、ZrO、Fe等)の
種・量を変化させることで、シルバー色からカッパー
色、シエンナ色干渉色までカバーでき、本発明の複合塗
膜形成方法に用いることで、より輝度が高く、太陽光な
どの強い光を当てると、特に強いキラキラ感を有する塗
色を有する塗膜を提供できる。
【0037】上記干渉アルミナフレークの塗料固形分に
対する含有量(PWC%)は、3.0%〜17.0%で
あり、上限を越えると塗膜外観が低下し、下限を下回る
と光輝感が低下する。好ましくは、5.0%〜15.0
%である。
【0038】上記着色アルミニウム顔料としては、上記
カラーベース塗膜の着色顔料の記載で挙げた顔料を、ア
ルミニウム顔料にコーティング(湿式法)したものであ
る。アルミニウム顔料は、最長方向において約3〜50
μm、好ましくは約5〜45μmであり、厚さ方向にお
いて約0.1〜2μmであるものが好ましい。着色顔料
のコーティング層は、約80〜約600nmの厚さを有
する。着色顔料のコーティングは、例えば、高分子物質
と同時に水中に分散させ、アルミニウム顔料の表面上に
析出させて連続的に、密着性良く滑らかに着色層を生成
させたものが挙げられる。
【0039】上記着色アルミニウム顔料の塗料固形分に
対する含有量(PWC)は、0.2〜3%の範囲で含有
することが好ましい。上限を越えると塗膜外観を低下
し、下限を下回ると彩度が向上しない。好ましくは、
0.3%〜2.0%である。
【0040】具体的には、東洋アルミニウム社製の「9
8−4012BL」、BASF社製の「パリオクロムゴ
ールドL2025」、「パリオクロムオレンジL280
0」等が挙げられる。
【0041】上記酸化チタン顔料としては、一般的に
は、硫酸法又は塩素法によって製造されている。硫酸法
は、原料のイルメナイトを硫酸で蒸解して、チタン分を
抽出分離し、加水分解した後、これを焼成、粉砕、表面
処理して製造する方法であり、塩素法は、原料としてル
チル鉱石や合成ルチルを用い、塩素を用いて塩素化して
分離し、酸化した後、粉砕、表面処理して製造する方法
である。
【0042】酸化チタンは、上記硫酸法又は塩素法のい
ずれを採用して製造するかによって、また、表面処理方
法、結晶形、比重、粒子径等によっても、着色性、光
沢、耐光性等の性質が相違することが知られている。
【0043】上記酸化チタン顔料として、例えば、堺化
学工業社製二酸化チタン顔料「R−61N」、石原産業
製二酸化チタン顔料「タイペークR−820」、「タイ
ペークCR97」等の市販品を利用することが可能であ
る。上記酸化チタン顔料は、単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。
【0044】一方、本発明で用いるマイカベース塗料に
含有される干渉アルミナフレークが奏する干渉色(色
相)と、有機着色顔料が奏する色相及び着色アルミニウ
ム顔料が奏する色相が、ほぼ同系色であることが好まし
い。
【0045】上記干渉アルミナフレークが奏する干渉色
(色相)と着色顔料及び着色アルミニウム顔料のコーテ
ィング層が示す色相が、同系色とは、それぞれの成分の
色相が、図2に示したマンセル表色系の色相環(10色
相)の色配置において、同じか、その隣り合った色相の
関係にあることが好ましく、これを外れると、色相ムラ
がおきたり、塗装膜厚の少しの振れにより色調が異なっ
たりすることがある。そのため上記の色相の差は少なく
とも隣り合った色である方が好ましく、実質上の差が生
じないことが更に好ましい。
【0046】尚、上記の各顔料の色相とは、顔料自体が
有する色や干渉層の厚みが奏する色や、コーティングし
た顔料が有する色により決定されるものであるが、例え
ば、それぞれの顔料濃度(PWC)が、10%になるよ
うに塗料化し、白黒隠蔽試験紙上に乾燥膜厚が15μm
となるように塗布、焼き付けた後、「ミノルタ分光測色
計CM−2002」(商品名、ミノルタ社製)等の色差
計により測色し、マンセル色相での色配置を測り求める
ことができる。上記白黒隠蔽試験紙とは、40mm間隔
の白黒市松模様を焼き付けたものとし、その明度は白色
部でL*値80以上、黒色部でL*値12以下のもので
ある。
【0047】上記マイカベース塗料に含有される塗膜形
成性樹脂としては、特に限定されるものではなく、上述
のカラーベース塗料の記載で挙げたものを使用できる。
尚、上記マイカベース塗料を、水性型塗料で用いる場合
には、米国特許第5151125号及び同518350
4号等に具体的に説明されている塗膜形成性樹脂が用い
得る。
【0048】また、上記マイカベース塗料は、塗装作業
性を確保するために、粘性制御剤を添加することができ
る。具体的には、上述のカラーベース塗膜の記載で挙げ
たものを使用できる。
【0049】上記マイカベース塗料への粘性制御剤の添
加量は、塗料組成物の樹脂固形分100重量部に対して
0.01〜20重量部であり、好ましくは0.02〜1
5重量部、より好ましくは0.03〜15重量部の量で
添加される。20重量部を越えると、外観が低下し、
0.01重量部を下回ると粘性制御効果が得られず、層
間でなじみや反転をおこす原因となる。
【0050】上記マイカベース塗料の全固形分量は、1
0〜60重量%であり、好ましくは15〜55重量%で
ある。
【0051】更に、マイカベース塗料には、所望によ
り、その他の添加剤を含有させることができる。具体的
には、上述のカラーベース塗膜の記載で挙げたものを使
用できる。
【0052】本発明で用いるマイカベース塗料の塗料形
態としては、有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、
エマルション)、非水分散型のいずれでもよく、また必
要により、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、表面
調製剤等を用いることができる。
【0053】クリヤー塗膜 本発明のマイカ塗膜の形成方法において、クリヤー塗膜
の形成には、クリヤー塗料が用いられる。このクリヤー
塗料は、塗膜形成性樹脂及び硬化剤等を含有する。上記
塗膜形成性樹脂としては、特に限定されるものではな
く、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、
ポリエーテル樹脂、ウレタン樹脂等の塗膜形成性樹脂を
利用することができ、これらはアミノ樹脂及び/または
ブロックイソシアネート樹脂等の硬化剤と組み合わせて
用いられる。透明性あるいは耐酸エッチング性等の点か
ら、アクリル樹脂及び/またはポリエステル樹脂とアミ
ノ樹脂との組合わせ、あるいはカルボン酸・エポキシ硬
化系を有するアクリル樹脂及び/またはポリエステル樹
脂等が挙げられる。
【0054】クリヤー塗料中の固形分含有量は、30〜
60重量%であり、好ましくは35〜55重量%であ
る。また、塗布時の固形分含有量は、20〜55重量%
であり、好ましくは30〜55重量%である。
【0055】尚、クリヤー塗料は、マイカベース塗料を
塗装後、未硬化の状態で塗装する、いわゆるウエットオ
ンウエットで塗膜が形成されるため、ここで生じる層間
のなじみや反転、あるいは、タレ等の防止のため、上述
した粘性制御剤を含有することが好ましい。含有量は、
クリヤー塗料組成物の樹脂固形分100重量部に対して
0.1〜10重量部であり、好ましくは0.2〜8重量
部、より好ましくは0.5〜6重量部の量で添加され
る。10重量部を越えると、外観が低下し、0.1重量
部を下回ると粘性制御効果が得られず、タレ等の不具合
をおこす原因となる。
【0056】更に、クリヤー塗料には、所望により、そ
の他の添加剤を含有させることができる。具体的には、
上述のカラーベース塗膜の記載で挙げたものを使用でき
る。
【0057】本発明で用いるクリヤー塗料の塗料形態と
しては、有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、エマ
ルション)、非水分散型、粉体型のいずれでもよく、ま
た必要により、硬化触媒、表面調製剤等を用いることが
できる。
【0058】基材 本発明のマイカ塗膜の形成方法は、種々の基材、例え
ば、金属、ガラス、布、プラスチック、発泡体等、特に
金属表面、及び鋳造物に有利に用い得るが、カチオン電
着塗装可能な金属製品に対し、特に好適に使用できる。
【0059】上記金属製品としては、例えば、鉄、銅、
アルミニウム、スズ、亜鉛等及びこれらの金属を含む合
金が挙げられる。具体的には、乗用車、トラック、オー
トバイ、バス等の自動車車体及び部品が挙げられる。こ
れらの金属は予めリン酸塩、クロム酸塩等で化成処理さ
れたものが特に好ましい。
【0060】下塗り塗膜 本発明のマイカ塗膜の形成方法に用いられる化成処理さ
れた鋼板上に塗布され下塗り塗膜を形成する電着塗料と
しては、カチオン型及びアニオン型を使用できるが、カ
チオン型電着塗料組成物が防食性において優れた積層塗
膜を与える。
【0061】中塗り塗膜 本発明のマイカ塗膜の形成方法において中塗り塗膜は、
下地欠陥を隠蔽し、上塗り塗装後の表面平滑性を確保
(外観向上)し、塗膜物性(耐衝撃性、耐チッピング性
等)を付与するためのものである。この中塗り塗膜を形
成するには中塗り塗料が用いられ、この中塗り塗料は、
有機系、無機系の各種着色顔料、体質顔料等、塗膜形成
性樹脂及び硬化剤等を含む。
【0062】上記中塗り塗料に用いられる着色顔料とし
ては、例えば上述のカラーベース塗料で記載されたもの
が用いられる。更に、アルミ粉、グラファイト粉等の扁
平顔料を添加しても良い。
【0063】標準的には、カーボンブラック及び二酸化
チタンを主要顔料としたダークグレー系、ライトグレー
系あるいはホワイト系中塗り塗料が用いられる。更に、
セットグレーや各種の着色顔料を組み合わせた、いわゆ
るカラー中塗り塗料を用いることもできる。
【0064】上記中塗り塗料に用いられる塗膜形成性樹
脂としては、特に限定されるものではなく、例えば上述
のカラーベース塗料で記載されたものが用いられる。顔
料分散性あるいは作業性の点から、アルキド樹脂及び/
またはポリエステル樹脂とアミノ樹脂との組合わせが好
ましい。
【0065】下塗りされた基材上へ塗装された後、未硬
化の状態でも用い得るが、上記中塗り塗膜を硬化させる
場合には、硬化温度は100〜180℃、好ましくは1
20〜160℃に設定することで高い架橋度の硬化塗膜
を得られる。上限を越えると、塗膜が固く脆くなり、下
限以下では硬化が充分でない。硬化時間は硬化温度によ
り変化するが、120℃〜160℃で10〜30分が適
当である。
【0066】マイカ塗膜の形成方法 本発明のマイカ塗膜の形成方法は、図1に示すように、
下塗り塗膜6及び中塗り塗膜5を形成した基材7上に、
カラーベース塗膜4を形成した後、硬化させた後に、ベ
ースカラー塗膜3、マイカベース塗膜2及びクリヤー塗
膜1を、順次形成し、硬化させる塗膜の形成方法であ
る。
【0067】すなわち本発明の方法においては、下塗り
塗膜6及び中塗り塗膜5を形成した基材7上に、まず上
記カラーベース塗料を塗装してカラーベース塗膜4を形
成する。本発明でカラーベース塗料を、自動車車体に塗
装する場合には、外観及び意匠性を高めるためにエアー
静電スプレー塗装による多ステージ塗装、好ましくは2
ステージで塗装するか、或いは、エアー静電スプレー塗
装と、通称「μμ(マイクロマイクロ)ベル」、「μ
(マイクロ)ベル」あるいは「メタベル」等と言われる
回転霧化式の静電塗装機とを組み合わせた塗装方法によ
り塗膜を形成することが好ましい。
【0068】本発明におけるカラーベース塗料による塗
装時の塗膜の膜厚は所望の用途により変化するが、多く
の場合20〜45μmが有用である。上限を越えると、
鮮映性が低下したり、塗装時にムラあるいは流れ等の不
具合が起こることがあり、下限を下回ると、下地が隠蔽
できず膜切れが発生する。
【0069】上記カラーベース塗膜の塗装後、塗膜を硬
化させる場合は、硬化温度を100〜180℃、好まし
くは120〜160℃に設定することで高い架橋度の硬
化塗膜を得られる。上限を越えると、塗膜が固く脆くな
り、下限未満では硬化が充分でない。硬化時間は硬化温
度により変化するが、120℃〜160℃で10〜30
分が適当である。
【0070】次に、本発明の方法では、上記ベースカラ
ー塗料を用いてベースカラー塗膜を形成する。ベースカ
ラー塗膜自身は、上記カラーベース塗膜と同様に塗膜形
成することができるが、後述するマイカベース塗膜及び
クリヤー塗膜とウェットオンウエットで形成する。
【0071】ウェットオンウェットとは、第1の塗料を
塗布して塗膜を形成した後、塗膜を焼き付け硬化させな
いで、その上に第2の塗料を塗布して塗膜を形成するこ
とをいう。第2の塗料を塗布する前に、第1の塗料で形
成した塗膜をセッティングやプレヒートしてもよい。セ
ッティングは、一般に、室温で1〜8分塗膜を放置する
ことにより行う。又、プレヒートは、一般に、40〜8
0℃で2〜10分間塗膜を加熱することにより行う。
【0072】上記ベースカラー塗料による塗装時の塗膜
の膜厚は所望の用途により変化するが、多くの場合5〜
20μmが有用である。上限を越えると、鮮映性が低下
したり、塗装時にムラあるいは流れ等の不具合が起こる
ことがあり、下限を下回ると、下地が隠蔽できず膜切れ
が発生する。
【0073】次に、本発明のマイカ塗膜形成方法では更
に、図1に示すように、ウェットオンウェットでマイカ
ベース塗料及びクリヤー塗料を塗布し、マイカベース塗
膜2、及びクリヤー塗膜1を形成する。
【0074】本発明におけるマイカベース塗膜2を形成
する為に用いるマイカベース塗料は、上記カラーベース
塗料と同様に、μμベル、μベル等の回転霧化式の静電
塗装機により塗装することができ、その塗膜の乾燥膜厚
は10〜30μm設定で用いられる。
【0075】上記マイカベース塗料により形成されたマ
イカベース塗膜は、白黒隠蔽紙を用いた塗装試験による
隠蔽限界膜厚が、乾燥膜厚で70〜200μmであるこ
とが好ましい。上限を越えるとごみ隠蔽性が低下し、下
限を下回ると意匠性が低下する。特に好ましくは80〜
160μmである。
【0076】尚、本発明の方法において、上記カラーベ
ース塗膜が奏する色相と上記ベースカラー塗膜が奏する
色相及び上記マイカベース塗膜が奏する色相が、同系色
である。この同系色にあるとは、上述のマイカベース塗
料の説明で記載したように、それぞれの塗膜層に含有す
る顔料成分が相まって奏する色相同士が、マンセル表色
系の色相環(10色相)の色配置において、同色あるい
は近い関係の組合せにあることを意味し、少なくとも、
色相環における隣あった色相であることを意味する。
【0077】例えば、上記マイカ塗膜の色相が、いわゆ
る黄色であるマンセル表示の色相(H)で10YR〜1
0Yの範囲である場合、8YR〜2GYであることが好
ましく、更に好ましくは10YR〜10Yの範囲であ
る。上記範囲を外れると意匠性が低下する為好ましくな
い。
【0078】本発明のマイカ塗膜の形成方法において、
上記マイカベース塗膜2を形成した後にウエットオンウ
エットで塗装されるクリヤー塗膜1は、上記マイカベー
ス塗膜2に含まれる光輝性顔料に起因する凹凸、チカチ
カ等を平滑にし、保護するために形成される。塗装方法
として具体的には、先に述べたμμベル、μベル等の回
転霧化式の静電塗装機により塗膜形成することが好まし
い。
【0079】上記クリヤー塗料により形成されるクリヤ
ー塗膜の乾燥膜厚は、一般に10〜70μm程度が好ま
しく、より好ましくは20〜50μm程度である。上限
を越えると、塗装時にワキあるいはタレ等の不具合が起
こることもあり、下限を下回ると、下地の凹凸が隠蔽で
きない。
【0080】その後、このようにして積層された塗膜を
硬化させる。但し、上記ベースカラー塗料、マイカベー
ス塗料を水性型塗料で用いる場合には、良好な仕上がり
塗膜を得るために、それぞれ形成した後に塗膜を40〜
80℃で2〜10分間加熱しておくことが望ましい。
【0081】上記クリヤー塗膜の塗装後、塗膜を硬化さ
せる硬化温度を100〜180℃、好ましくは120〜
160℃に設定することで高い架橋度の硬化塗膜を得ら
れる。上限を越えると、塗膜が固く脆くなり、下限未満
では硬化が充分でない。硬化時間は硬化温度により変化
するが、120℃〜160℃で10〜30分が適当であ
る。
【0082】本発明で形成される積層塗膜の膜厚は、多
くの場合30〜300μmであり、好ましくは50〜2
50μmである。上限を越えると、冷熱サイクル等の膜
物性が低下し、下限を下回ると膜自体の強度が低下す
る。
【0083】
【実施例】以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳細
に説明するが、本発明は以下の実施例により限定される
ものではない。尚、以下において「部」とあるのは「重
量部」を意味する。
【0084】製造例 カラーベース塗料の製造 予め下記オイルフリーポリエステル樹脂、顔料及び溶剤
をSGミルで最大粒度が5μmになるように分散した。
この分散ペーストに残りのオイルフリーポリエステル樹
脂及びメラミン樹脂等を加えて、下記に示す配合で、黄
色カラーベース塗料を製造した。尚、この塗料で形成し
たカラーベース塗膜のマンセル値は、1.1Y7.1/
10.5であった。
【0085】
【表1】
【0086】上記黄色カラーベース塗料を、酢酸エチル
/酢酸ブチル/エチルエトキシプロピオネート(以下
「EEP」と称す。)=2/4/4の希釈シンナーを用
いて、20℃、No.4フォードカップで、23秒にな
るように希釈した。
【0087】ベースカラー塗料及びマイカベース塗料1
〜4の製造 下記表2に示す配合になるように、予め下記のアクリル
樹脂、顔料及び溶剤をSGミルで最大粒度5μmになる
ように分散することにより、各色の分散ペーストを得
た。そして、下記表3に示したように分散ペースト、光
輝剤、アクリル樹脂ワニス及びメラミン樹脂等を混合し
てベースカラー塗料及びマイカベース塗料1〜4を製造
した。
【0088】得られたマイカベース塗料を、白黒が碁盤
目状に配置された白黒隠蔽試験紙上に、あらかじめ1
2.5秒/20℃でフォードカップNo.4に希釈され
た塗料を、乾燥膜厚が20〜250μmの勾配になるよ
うにスプレー塗装し、7分間セッティングした後、14
0℃で20分間焼き付け乾燥した。放冷後、目視により
下地が隠蔽された限界を判定し、その限界部分の乾燥膜
厚を測定し、隠蔽膜厚とした。結果を表3に示した。
【0089】また、タロックスエロ−LLXLO(商品
名、チタン工業社製合成酸化鉄顔料)、パリオトールエ
ロー0962HD(商品名、BASF社製黄色有機顔
料)及びパリオトールエロー2140HD(商品名、B
ASF社製黄色有機顔料)が有する色相は、それぞれ
0.7Y5.7/8.7、5.4Y7.9/14.1及
び6.8YR6.8/15.7であった。シラリックT
60−20WIIIサンビームゴールド(商品名、メルク
社製ゴールド干渉アルミナ顔料)、パリオクロムゴール
ドL−2025(商品名、BASF社製ゴールド着色ア
ルミニウム顔料)及びイリオジン303WII(商品名、
メルク社製ゴールド干渉マイカ顔料)が有する色相は、
それぞれ7.3Y8.8/0.7、6.8Y8.2/
3.7及び9.2YR6.7/7.5であった。更に、
得られたベースカラー塗料及びマイカベース塗料1〜4
の色相は、それぞれ1.1Y7.1/10.6及び1.
6Y7.1/10.4であった。
【0090】尚、ベースカラー塗料及び各マイカベース
塗料には酢酸カルビト−ルを4重量%加えた後、トルエ
ン/酢酸ブチル/EEP=40/40/20にて20
℃、No.4フォードカップを用いて、12.5秒にな
るように希釈した。
【0091】
【表2】
【0092】
【表3】
【0093】実施例1 マイカ塗膜の形成 リン酸亜鉛処理した厚さ0.8cm、20cm×30c
mのダル鋼板に、カチオン電着塗料「パワートップV−
20グレー」(商品名、日本ペイント社製)を、乾燥膜
厚が20μmとなるように電着塗装し、160℃で30
分間焼き付けた。次に、得られた電着塗膜上に、グレー
色の中塗り塗料「オルガTO H−870スパーライト
グレー」(商品名、日本ペイント社製、ポリエステル・
メラミン樹脂系塗料)を、乾燥膜厚が30μmとなるよ
うにスプレー塗装し、140℃で20分間焼き付け中塗
り塗膜を作成した。
【0094】得られた中塗り塗膜上に、上記製造例のカ
ラーベース塗料を、エアースプレー塗装により乾燥膜厚
が35μmとなるように塗装した。10分間のインター
バルの後、140℃で20分間焼き付けた。
【0095】次に、上記製造例のベースカラー塗料1
を、2分間隔の2ステージで「オートREA」(商品
名、ランズバーグ社製エアー静電塗装機)により乾燥膜
厚が10μmとなるように塗装した。2分間のインター
バルの後、更に、上記製造例のマイカベース塗料1を、
乾燥膜厚が10μmとなるように、同様に塗装した。
【0096】次に、7分間のセッテイングの後、更にウ
エットオンウエットで、クリヤー塗料「オルガTO−5
63クリヤー」(商品名、日本ペイント社製、メラミン
硬化型アクリル樹脂系塗料)を、乾燥膜厚が35μmと
なるように塗装した。8分間セッテイング後、140℃
で20分間乾燥器で焼き付け、評価用塗膜を作成した。
【0097】得られたマイカ塗膜の透明感、光輝感とい
う視点で、目視により下記判定基準で判断した。
【0098】
【表4】
【0099】更に、黒ごみ隠蔽テストのため、ベースカ
ラー塗装後に粉砕したカーボンブラック0.01グラム
を塗板に振り掛ける以外は上記とほぼ同じ塗装板を作成
し、試験片とした。この試験片を目視で粉砕したカーボ
ンブラックが見えるかどうかで、黒ごみ隠蔽性を判断し
た。結果を表5に示した。
【0100】実施例2及び比較例1、2 実施例1で用いたマイカベース1の代わりにマイカベー
ス2、マイカベース3、マイカベース4を用いて同様に
塗板を作成し、光輝感、透明感と黒ごみ隠蔽を確認し
た。
【0101】
【表5】
【0102】本発明のマイカベース1、及びマイカベー
ス2を用いた場合は、光輝感及び透明感が優れ、且つ、
黒ごみ隠蔽に優れた塗膜が得られた。一方、不透明顔料
を用いない比較例のマイカベース3、マイカベース4を
用いた場合は光輝感、透明感は優れているが、黒ごみ隠
蔽性が劣り、実塗装ラインでの適性に問題のあることが
わかった。
【0103】
【発明の効果】既存の顔料及び塗膜層の組合せでは積層
塗膜とした場合に濁りが発生し、彩度が低下していたに
もかかわらず、本発明で用いた顔料を特定の混合比で用
いることで、彩度(実施例の場合は黄味に関する)を保
ちながら明度を上げることができた。またカラーベース
塗料、ベースカラー塗料及びマイカベース塗料に含有さ
れる顔料成分の色相を同系色にすることで、更に彩度を
上げられることが分かった。
【0104】グリーン系、ブルー系、レッド系の淡彩色
に於ける顔料成分あるいは塗膜の組み合わせでも同様の
効果が得られるものと思われる。
【0105】本発明の方法により、高意匠マイカ塗膜を
形成するため、順次、積層塗装した場合の、各塗膜層間
の界面でのなじみや反転を制御しながら、塗装作業性に
優れ、更に高外観を有する積層塗膜を工業的に安定に提
供することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の積層塗膜の構造を模式的に示す断面
図である。
【図2】 マンセル表色系の色相環(10色相)を示す
模式図である。
【符号の説明】
1…クリヤー塗膜、 2…マイカベース塗膜、 3…ベースカラー塗膜、 4…カラーベース塗膜、 5…中塗り塗膜、 6…下塗り塗膜、 7…基材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 AE12 AE17 BB26Y BB26Z CA33 CA44 CB06 CB07 CB13 CB15 DA06 DA25 DB02 DB05 DB06 DB07 DB13 DB20 DB31 DC11 EA06 EA07 EA13 EA43 EB22 EB32 EB33 EB35 EB36 EB37 EB38 EB45 EC02 EC04 EC05 EC10 EC11 EC17 EC23 EC54

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下塗り塗膜及び中塗り塗膜を予め形成し
    た基材上に、カラーベース塗膜を形成し、焼付け硬化さ
    せた後、ベースカラー塗膜、マイカベース塗膜及びクリ
    ヤー塗膜を順次形成するマイカ塗膜の形成方法におい
    て、 前記カラーベース塗膜が呈する色相と、前記ベースカラ
    ー塗膜が呈する色相及び前記マイカベース塗膜が呈する
    色相が同系色であり、且つ、前記マイカベース塗膜を形
    成するマイカベース塗料が、透明性顔料と非透明性顔料
    とを重量比で3/1〜20/1の比で含有することを特
    徴とする高意匠マイカ塗膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記マイカベース塗料に含有される透明
    性顔料が、塗料固形分中の顔料濃度(PWC)を20%
    にした場合の白黒隠蔽膜厚が150μm以上である顔料
    であり、前記非透明性顔料が、塗料固形分中の顔料濃度
    (PWC)を20%にした場合の白黒隠蔽膜厚が150
    μm未満の顔料であることを特徴とする請求項1に記載
    の高意匠マイカ塗膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記マイカベース塗料に含有される透明
    性顔料が、干渉アルミナフレーク及び有機着色顔料であ
    り、前記非透明性顔料が、着色アルミニウム顔料及び酸
    化チタン顔料であることを特徴とする請求項1または2
    に記載の高意匠マイカ塗膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記マイカ塗膜の色相が、マンセル表示
    の色相(H)で10YR〜10Yであることを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれか一つに記載の高意匠マイカ
    塗膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか一つに記載の
    方法により形成された高意匠マイカ塗膜。
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Effective date: 20070220