JP2005075941A - 白色調干渉色を呈する粉末粒子、着色メタリック顔料およびその製造法 - Google Patents

白色調干渉色を呈する粉末粒子、着色メタリック顔料およびその製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】白色を基調とする色調,干渉色,隠蔽力,光輝感のすべてを備えた粉末粒子およびその顔料を提供する。
【解決手段】この課題は、基材の表面が、TiO2層と、そのTiO2層上に形成したチタン酸塩の薄膜層からなる複合皮膜で覆われた粉末粒子により解決される。チタン酸塩としては例えばCaTiO3,MgTiO3,AlTiO3,Ti23,FeTiO3が挙げられる。その薄膜層は1〜10nmが好ましい。この粉末粒子で構成される白色調干渉色を呈する着色メタリック顔料としては、平均厚さ0.5〜5μm,平均粒径5〜100μmのマイカまたはガラスフレークを基材とするものが好ましい。この顔料は、TiO2層が被覆された粉末粒子の該TiO2層の表面に、Ca,Mg,Al,Ti,Fe等の金属元素をスパッタリング法によってドーピングすることにより、得ることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗料や樹脂組成物、化粧品などの着色剤として好適な白色調干渉色を呈する粉末粒子およびその粉末粒子からなる着色メタリック顔料、並びにその製造法に関するものである。
マイカやガラスフレークの全表面にTiO2が被覆された粉末粒子は、TiO2皮膜の高屈折率に起因する干渉色が真珠光沢を呈するため、パール調顔料として種々の塗料やプラスチックスに混合されて幅広く使用されている。
しかし、この種のパール調顔料は、着色力,隠蔽力,光輝感等に乏しいので、種々の改良品が提案されている。
例えば、下記特許文献1には、無電解メッキ法などによってマイカの全表面に金属を被覆した顔料が開示されている。
下記特許文献2には、無電解メッキ法などによりマイカ等の基体表面に金属層を形成し、さらにその上をTiO2等の透明な無機化合物層で覆った顔料が開示されている。
下記特許文献3には、粉末スパッタリング法によって低次の酸化チタンと金属チタンをマイカ等の基体表面に散点状に形成した顔料が開示されている。粉末スパッタリング法の詳細は本出願人の出願による下記特許文献4に示されている。
また、資生堂(株)からは、マイカの表面を低次の酸化チタンで被覆した後に、その全表面をTiO2で被覆した「インフィニットカラー」なる商品名の顔料が既に市販されている。
特開昭57−161055号公報 特開平2−124981号公報 特開平4−268380号公報 特開平2−153068号公報
特許文献1に示された顔料は、マイカの全表面が金属で被覆されているので鋭い金属光沢感を有しているが、干渉色がなくなっているため色調に深みがない。
特許文献2および特許文献3に示された顔料は、金属の反射・散乱作用とTiO2の干渉作用を併せ持つので金属光沢と干渉色の両方を適度に保有するが、マイカ表面に光を通さない金属を島状に被覆しているために、干渉色の発現力が従来のパール調顔料よりも低下してしまった。
前記「インフィニットカラー」は比較的優れた干渉色を有するが、色調が暗い上に、隠蔽力および光輝感に乏しい。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、色調が白くて、干渉色,隠蔽力および光輝感のすべてを兼ね備えた粉末粒子、およびそれを用いた顔料を提供することを目的とする。
発明者らの調査によれば、従来知られている金属被覆やTiO2等の透明無機化合物被覆をどのように組み合わせても、上記特性をすべて備えた粉末粒子を得ることは極めて難しいことがわかった。そこで発明者らは詳細な研究を行い、上記特性をすべて満足できる新たな皮膜構造の開発を進めた。
その結果、「TiO2層+チタン酸塩の薄膜層」という新規な複合皮膜構造によって上記目的が達成できることを見出した。また、この複合皮膜はTiO2層の表面に金属元素をスパッタリング法でドーピングすることによって比較的簡単に得られること明らかになった。本発明はこのような知見に基づいて完成したものである。
すなわち、上記目的は、基材の表面が、TiO2層と、そのTiO2層上に形成したチタン酸塩の薄膜層からなる複合皮膜で覆われた粉末粒子によって達成される。
チタン酸塩としては、例えばCaTiO3,MgTiO3,AlTiO3,Ti23およびFeTiO3のいずれかを採用することができる。特に、チタン酸塩の膜厚が1〜10nmであるもの、また、前記複合皮膜の膜厚が20〜30nmであるものが提供される。
また、このような複合皮膜を被覆した粉末粒子で構成される、白色を基調とした干渉色を呈する着色メタリック顔料が提供される。特に、平均厚さ0.5〜5μm,平均粒径5〜100μmのマイカまたはガラスフレークを粉末粒子の基材として採用したものが提供される。ここで、粒径とは粒子の最大径、すなわち、フレーク(薄片)の長さをいう。平均厚さおよび平均粒径の「平均」とは、使用する基材粉末の平均値(公称値)である。したがって、厚さまたは粒径が上記範囲を外れる基材粒子が混入していても構わない。
このような粉末粒子から構成される顔料の製造法として、TiO2層が被覆された粉末粒子の該TiO2層の表面に、金属元素をスパッタリング法によってドーピングすることにより、粉末粒子の表面にTiO2層とチタン酸塩の薄膜層からなる複合皮膜を形成する、白色調干渉色を呈する着色メタリック顔料の製造法が提供される。特に、Ca,Mg,Al,TiおよびFeのいずれかの金属元素をドーピングすることにより、TiO2層と、CaTiO3,MgTiO3,AlTiO3,Ti23およびFeTiO3のいずれかのチタン酸塩の薄膜層からなる複合皮膜を形成する製造法が提供される。
また、この製造法において、特にマイカまたはガラスフレークを基材とする粉末粒子を原料として使用する製造法、さらに、チタン酸塩の膜厚が1〜10nmになるようにスパッタリング条件をコントロールする製造法が提供される。
本発明によれば、i) 白を基調とする明度の高い色調,ii) 強い干渉色,iii) 優れた隠蔽力,iv) 優れた光輝感、を兼ね備えた粉末粒子を提供することが可能になった。これは従来の粉末粒子では実現できなかったことである。したがって、本発明は、自動車車体の塗料,反射テープ,看板や各種表示板,内・外装建材,化粧品など、幅広い用途において、意匠性の向上に寄与するものである。
本発明の粉末粒子は、基材の表面に「TiO2層+チタン酸塩の薄膜層」という構造の複合皮膜を有している点に特徴がある。
その複合皮膜中のチタン酸塩としては、CaTiO3(チタン酸カルシウム),MgTiO3(チタン酸マグネシウム),AlTiO3(チタン酸アルミニウム),Ti23(三二酸化チタン),FeTiO3(チタン酸鉄)のいずれかが特に好適に採用できる。
これらのチタン酸塩はいずれも黒色あるいは褐色に近い暗色系の化合物である。しかしながら、TiO2層の表面に極めて薄い膜厚として存在するチタン酸塩に限っては、下地のTiO2層との複合皮膜全体として、白色を基調とする明度の高い色調を発現することが明らかになった。また、光輝感にも優れ、かつ、TiO2層が本来有する干渉色は十分な強度で維持される。しかも、高い隠蔽力を有するのである。
複合皮膜中におけるチタン酸塩層の膜厚が1nm未満では、TiO2を被覆した粒子(いわゆるパールマイカなど)の色調とあまり差が出ない。逆に10nmを超えて厚くなると黒味が強くなって、白色を基調とする色調が低減する。したがって、チタン酸塩層の膜厚は1〜10nmとすることが望ましい。
TiO2層の表面に極薄のチタン酸塩層を形成するには、チタン酸塩を構成する金属元素、例えばCa,Mn,Al,Ti,Feなどを、TiO2層の表面にスパッタリング法によってドーピングする方法が使用できる。ただし、効率良くチタン酸塩層を形成するためには、スパッタリング時に高真空下で酸素を含むガス(例えば「Ar+空気」の混合ガス)を流しながら、できるだけ低電流・高電圧の条件で行うことが必要である。
スパッタリング法によれば、プラズマ状態まで励起された金属原子がTiO2層の表面に高速で衝突する現象を繰り返す。この衝突エネルギーによって、TiO2と、Ca,Mn,Al,Ti,Feなどの金属原子と、ガス中の酸素が反応して、TiO2層の最表層に各金属元素のチタン酸塩の薄膜が一挙に形成される。このとき、金属原子の衝突地点が皮膜形成開始時の核の発生起点となるので、核の発生密度が極めて緻密となる。このため、少量の金属原子でもTiO2層の表面全体をほぼ均一に被覆することが可能になる。
具体的なスパッタリング法としては、特許文献4に開示されている粉末スパッタリング法が好適に適用できる。すなわち、粉末を回転容器に入れて、その回転で生じる流動層に対して金属をスパッタリングする方法により、容易に所定厚さのチタン酸塩層が形成できる。
なお、複合皮膜の膜厚は20〜30nmの範囲とすることが望ましい。そのためには、この範囲の膜厚を有するTiO2層を被覆した粉末粒子をドーピング処理に供することが好ましい。この下地のTiO2層は、従来のパールマイカ顔料と同種のものでよい。市販のパールマイカを用いてドーピング処理に供してもよい。
ドーピングの方法として、スパッタリング法以外に、イオンプレーティング法や真空蒸着法も原理的には利用可能と考えられる。
CVD法のように被覆時の温度が700℃を超えるような方法は、基材のガラスフレークなどは軟化するので好ましくない。
一方、無電解メッキ法の場合は、前処理として予め表面をパラジウムなどで活性化処理する必要がある。このパラジウムの付着部分が無電解メッキ時の皮膜形成の核発生点になるといわれている。物理吸着現象であるパラジウムの付着強度は、スパッタリング法の場合の密着性よりも弱く、しかもパラジウムの付着密度はスパッタリング法の場合よりかなり小さい。このため皮膜が粗くなり、一般には100nm以上の膜厚にしないと粉末粒子の表面全体を被覆することが困難であるとされる。膜厚が厚くなるほど表面凹凸が大きくなり、光輝感が低下してしまう。また、チタン酸塩の膜厚を極薄にコントロールすることは困難であり、白色調の明るい色調は得られない。したがって、無電解メッキ法は適用し難い。
粉末粒子の基材としては、マイカ,ガラス,アルミニウム,二硫化モリブデン,グラファイト,雲母状酸化鉄(MIO)などの素材が採用できる。塗料や樹脂組成物に混合して使用する顔料の場合には、マイカやガラスフレークが好ましい。マイカとしては、白雲母,黒雲母,金雲母などの天然マイカ、およびフッ素などを含有する合成マイカを用いることができる。また、ガラスフレークとしては、元素ガラス,水素結合ガラス,酸化物ガラス,フッ化物ガラス,塩化物ガラス,硫化物ガラス,炭酸塩ガラス,硝酸塩ガラス,硫酸塩ガラスのいずれも使用することができるが、価格や性能の面から、ケイ酸ガラス,ケイ酸アルカリガラス,ソーダ石灰ガラス,鉛ガラス,バリウムガラス,ホウケイ酸ガラスなどの酸化物ガラスが好適である。
顔料に用いるためのフレーク状基材は、平均厚さが0.5〜5μm,平均粒径が5〜100μmの範囲にあるものを使用することが望ましい。すなわち、「厚さ/長さ」の比がほぼ5/100〜10/100のものが用いられる。平均粒径5μm未満のフレークや、平均厚さが0.5μm未満のフレークは一般に製造が困難であり、取扱いも難しい。一方、平均粒径が100μmを超えると、きめ細かい光輝感(メタリック感)が出ない。また平均厚さが5μmを超えると、塗膜の厚さに近くなると共に、塗膜中でフレークが重なり合うと塗膜表面の凹凸が大きくなるので、塗料に混ぜて使う顔料としては不向きである。
上記の複合皮膜を形成した本発明の粉末粒子は、塗料中の分散性向上や樹脂との密着性改善の目的で、脂肪酸などの有機物をさらに被覆したり、各種のカップリング剤で表面処理して用いることができる。カップリング剤の具体例としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン,N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン,γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,ビニルトリエトキシシラン,γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン,チタン系カップリング剤,ジルコニア系カップリング剤,アルミ系カップリング剤などが挙げられる。
本発明に係るメタリック顔料の樹脂中への配合量は、あまりに少ないと奥行きのある高級なメタリック感が得られ難くなるので、ビヒクル成分(固形分)100質量部当たり0.1〜30質量部が好ましい。配合量の上限は特に制限されないが、樹脂の種類,要求される成形品の物性などによって決定される。通常は20質量部まで、特に好ましくは5質量部までである。
このビヒクル成分は、基体樹脂と架橋剤とを主成分とする硬化性樹脂組成物が好ましく、基体樹脂としては架橋性官能基を有するアクリル樹脂,ポリエステル樹脂またはアルキド樹脂などが挙げられるが、できるだけ透明な樹脂が好ましい。架橋剤としては、メチロール化またはアルキルエーテル化メラミン樹脂や、尿素樹脂,ポリイソシアネート化合物が好ましい。また、自己硬化性樹脂や熱硬化性樹脂も使用できる。樹脂が染料や顔料によって着色されていても差し支えない。溶剤としては、塗料用有機溶剤および水が使用できる。
〔実施例1〕
シルバー色パールマイカ粉末を原料として、図1に示す粉末スパッタリング装置により、1nm厚さのCaTiO3を形成した顔料を製造した。
(シルバー色パールマイカ粉末の準備)
マイカフレーク(平均粒径10〜20μm,平均厚さ約0.5μm)50gを、イオン交換水500mlに添加して、十分に攪拌し均一に分散させた。得られた分散液に濃度40質量%の硫酸チタニル水溶液80mlを加えて、攪拌しながら加熱し、沸騰状態で6時間保持した。その後、放冷し、濾過・水洗したのち、600℃で焼成して、表面が約20nm厚さのTiO2で被覆されたシルバー色のパールマイカ粉末70gを得た。以上の方法を複数チャージ実施して、実施例1および後述の実施例2〜5,比較例1に必要な量のパールマイカ粉末を準備した。
(粉末スパッタリング装置の説明)
図1の装置は、回転ドラム1(内径200mm,軸方向長さ200mm)を2本のロール2で支持して、その一方のロールをモーター3で回転させるようになっている。回転ドラム1の内部には2個のスパッタリング源4(周波数13.56MHz,出力1.5kWのマグネトロン型)が配置されていて、投入した粉末5に金属がスパッタリングできるようになっている。スパッタリング源4の姿勢は垂直ではなく、回転ドラム1の回転によって生じる粉末の流動層の位置によって決定される傾きをもって保持される。
回転ドラム1の上方には、外周に加熱コイル6を有する減圧処理室7が配置され、その底部はバルブ8を有する供給管9で回転ドラム1に接続されている。この供給管9のバルブ8より下側の部分にはガス導入管10が内部に挿入され、二重管の構造を有している。ガス導入管10は回転ドラム1の側面から内部に挿入され、先端は回転ドラム1の内部の流動層が生じる位置に伸長している。また、供給管9のバルブ8より下側には分岐管11が設けられ、その先端は流体ジェットミル12に接続されている。流体ジェットミル12の出側は循環管13により減圧処理室7につながっている。分岐管11および循環管13にはそれぞれバルブ14およびバルブ15が挿入してある。また、循環管13には固気分離装置16を接続してある。
(チタン酸塩層の形成)
この粉末スパッタリング装置の回転ドラム1に上記のシルバー色パールマイカからなる粉末5を100g投入して、減圧処理室7を3.0×10-5Pa.に減圧したのち、ガス導入管10よりArガス3cm3/minと空気1cm3/minの混合ガスを導入して、粉末5を分岐管11、流体ジェットミル12および循環管13経由で減圧処理室7に吸引移送した。そして、減圧処理室7で加熱コイル6により200℃で30分加熱して、乾燥、脱ガスした。次に、回転ドラム1の雰囲気を前記混合ガスで完全に置換したのち、減圧処理室7内の粉末を供給管9から回転ドラム1内に落下させて、回転ドラム1を5rpmの回転速度で回転させながら、3.0×10-3Pa.の減圧下でスパッタリング源4によりCaをドーピングした。
10分後にスパッタリングを中止して、減圧処理室7を減圧にするとともにガス導入管10より混合ガスを導入して、粉末5を流体ジェットミル12経由で減圧処理室7に吸引移送し、スパッタリング中に塊状になった粉体をほぐした。
このようなスパッタリング操作を2回繰り返した後、固気分離装置16からスパッタリング後の粉末を回収した。
得られた粉末について、表面のオージェ分析とX線回折分析を行った結果、TiO2層の上に1nm厚さのCaTiO3薄膜の生成が認められた。
(塗装板の作製)
得られた粉末を顔料として、当該顔料10質量部にトルエン8質量部を加えて攪拌し、顔料をトルエン中に均一に分散させた。この分散液に熱硬化アクリル樹脂ワニス(三井東圧化学(株)製、商品名「アルマテックス 448−O」)60質量部、メラミン樹脂ワニス(三井東圧化学(株)製、商品名「ユーバン 20N−60」)12質量部、および溶剤(トルエン65%,n−ブタノール35%の混合溶剤)15質量%を加えて、ディスパーで30分間攪拌し、供試塗料を作った。
磨き鋼板(厚さ0.8mm,幅300mm,長さ500mm)を使用し、リン酸亜鉛処理剤(日本ペイント(株)製、商品名「グラノジン SD5000」)で常法により前処理した後、まずカチオン電着塗料(日本ペイント(株)製、商品名「パワートップ U−30」)で常法により電着塗装を行い、160℃で30分間加熱して、乾燥膜厚20μmの下塗り塗膜を形成した。次いで、中塗り塗料(日本ペイント(株)製、商品名「オルガ P−2 グレー」)を常法により塗装し、140℃で30分間加熱して、乾燥膜厚35μmの中塗り塗膜を形成した。
次に、前記の供試塗料を塗料用シンナー(日本ペイント(株)製、商品名「ニッペ 298」)で薄め、粘度が20℃においてNo.4フォードカップで15秒となるようにした。これを前記の中塗り塗膜の上にスプレーガンで静電噴霧塗装し、乾燥膜厚が15μmになるようにした。次に、ウエット・オン・ウエットでクリヤー塗料(日本ペイント(株)製、商品名「スーパーラック 128M−1」)を塗装し、140℃で30分間加熱して、乾燥後の全膜厚が140μmの塗装板を得た。
(評価)
得られた塗装板について、色調,干渉色(見る角度によって色調が異なる光学特性),隠蔽力,光輝感を目視で官能判定した。色調については、特に白色を基調とする明度の高い色調が得られているかどうかに重点を置いた。評価基準は、従来の顔料の性能を考慮しながら、○:良好、△:普通、×:不十分、とした。従来公知の顔料では上記4項目全てにおいて△以上の評価が得られるものは見当たらないことから、上記4項目全てにおいて△以上の評価が得られるものを合格と判断した。
結果は、他の実施例、比較例とともに表1にまとめて示してある。
〔実施例2〜実施例5〕
ドーピングする金属をそれぞれMg,Al,TiおよびFeとし、チタン酸塩の膜厚がそれぞれ3nm,5nm,8nmおよび10nmとなるようにした以外、実施例1と同じ方法で実験および評価を行った。
なお、スパッタリング後の粉末について、表面のオージェ分析とX線回折分析を行った結果、TiO2層の上にそれぞれ3nm厚さのMgTiO3薄膜,5nm厚さのAlTiO3薄膜,8nm厚さのTi23薄膜および10nm厚さのFeTiO3薄膜の生成が認められた。
〔実施例6〜10〕
フレーク状基材として、透明ガラスフレーク(ソーダ石英ガラス,平均粒径40μm,平均厚さ1μm)を採用して、ドーピングに供する原料をシルバー色パール調ガラス粉末とした以外、実施例1〜5とそれぞれ同じ方法で実験および評価を行った。
なお、スパッタリング後の粉末について、表面のオージェ分析とX線回折分析を行った結果、TiO2層の上にそれぞれ1nm厚さのCaTiO3薄膜,3nm厚さのMgTiO3薄膜,5nm厚さのAlTiO3薄膜,8nm厚さのTi23薄膜および10nm厚さのFeTiO3薄膜の生成が認められた。
〔比較例1〕
実施例1〜5で原料として使用したシルバー色パールマイカ粉末(金属元素をドーピングしていないもの)を顔料として用い、各実施例と同様の塗装板を作製して評価を行った。
〔比較例2〕
実施例6〜10で原料として使用したシルバー色パール調ガラス粉末(金属元素をドーピングしていないもの)を顔料として用い、各実施例と同様の塗装板を作製して評価を行った。
Figure 2005075941
表1からわかるように、本発明例のものは、色調,干渉色,隠蔽力,光輝感の全ての特性において△以上の評価が得られ、合格と判定された。これに対し、チタン酸塩の薄膜を形成したいない比較例のものは、隠蔽力、光輝感において劣っていた。
粉末スパッタリング装置の構造を示す模式図。
符号の説明
1 回転ドラム
2 ロール
3 モーター
4 スパッタリング源
5 粉末
6 加熱コイル
7 減圧処理室
8 バルブ
9 供給管
10 ガス導入管
11 分岐管
12 流体ジェットミル
13 循環管
14 バルブ
15 バルブ
16 固気分離装置

Claims (10)

  1. 基材の表面が、TiO2層と、そのTiO2層上に形成したチタン酸塩の薄膜層からなる複合皮膜で覆われた粉末粒子。
  2. チタン酸塩がCaTiO3,MgTiO3,AlTiO3,Ti23およびFeTiO3のいずれかである請求項1に記載の粉末粒子。
  3. チタン酸塩の膜厚が1〜10nmである請求項1または2に記載の粉末粒子。
  4. 複合皮膜の膜厚が20〜30nmである請求項1〜3に記載の粉末粒子。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の粉末粒子で構成される、白色調干渉色を呈する着色メタリック顔料。
  6. 粉末粒子が平均厚さ0.5〜5μm,平均粒径5〜100μmのマイカまたはガラスフレークを基材とするものである請求項5に記載の着色メタリック顔料。
  7. TiO2層が被覆された粉末粒子の該TiO2層の表面に、金属元素をスパッタリング法によってドーピングすることにより、粉末粒子の表面にTiO2層とチタン酸塩の薄膜層からなる複合皮膜を形成する、白色調干渉色を呈する着色メタリック顔料の製造法。
  8. TiO2層が被覆された粉末粒子の該TiO2層の表面に、Ca,Mg,Al,TiおよびFeのいずれかをスパッタリング法によってドーピングすることにより、粉末粒子の表面に、TiO2層と、CaTiO3,MgTiO3,AlTiO3,Ti23およびFeTiO3のいずれかのチタン酸塩の薄膜層からなる複合皮膜を形成する、白色調干渉色を呈する着色メタリック顔料の製造法。
  9. 粉末粒子がマイカまたはガラスフレークを基材とするものである、請求項7または8に記載の着色メタリック顔料の製造法。
  10. チタン酸塩の膜厚が1〜10nmになるようにスパッタリング条件をコントロールする請求項7〜9に記載の着色メタリック顔料の製造法。
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