JP2011045855A - 複層塗膜形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、従来の塗料および塗装方法では得られない優れた意匠性を有する複層塗膜の提供を目的とする。
【解決手段】基材上にカラーベース塗膜層を形成し、前記カラーベース塗膜層上に干渉性ベース塗膜層を形成し、さらにその上にクリヤー塗膜層を形成する複層塗膜の形成方法であって、
前記カラーベース塗膜層において、前記カラーベース塗膜層に含まれる顔料の濃度(PWC)が10〜70質量%であり、L*(25°)値が67〜83であり、
前記干渉性ベース塗膜層が、干渉性シリカフレーク顔料を含む干渉性顔料および二酸化チタン顔料を含み、前記干渉性ベース塗膜層において、前記干渉性顔料の濃度(PWC)が3〜15質量%であり、前記二酸化チタン顔料の濃度(PWC)が0.1〜0.6質量%であり、
前記複層塗膜のL*(25°)値が70〜100であり、a*(25°)値が−1〜+5であり、b*(25°)値が−10〜−2であり、干渉性金属調色を呈する、
複層塗膜の形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は干渉性金属調色を呈する複層塗膜の形成方法および当該方法によって形成される複層塗膜に関する。
近年、自動車塗装の分野では、高い意匠性を有する塗膜の開発が行われている。例えば、干渉性マイカ顔料などの干渉性顔料を利用した干渉性塗膜が開発および提供されている。具体的には、ホワイトカラーベース塗膜上に干渉性マイカ顔料を含有する干渉性塗膜が形成された複層塗膜(通称、ホワイトマイカ塗膜)などが高級感を与える塗膜としてよく知られている。しかし、これらの塗膜でさえも、消費者には、既に、目新しいものではなく、当該分野では、さらなる意匠性を具備した新たな塗膜が求められている。
干渉性マイカ顔料による光の干渉は、入射光が顔料表面あるいは顔料表面に形成された金属酸化物層で反射し、それよって光の位相および波長が変化することで生じるものである。特に、干渉性マイカ顔料を含む塗膜(以下、マイカ塗膜)の下地塗膜を黒色とすることによって、干渉性は飛躍的に向上することが知られている。これは、マイカ塗膜を通過した光が黒色の下地塗膜によって吸収され、光の不要な反射が抑制されることに起因すると考えられる。すなわち、白色の下地塗膜を用いた場合、下地塗膜の反射によって、マイカ塗膜が発現する干渉光を認めることができなくなってしまう。下地塗膜の色は、通常、明度(L*値)を測定することによって規定することができ、L*値は、その値が小さくなるに従って明度が低下、すなわち、黒色系となることを示し、L*値が大きくなるに従って明度が上昇、すなわち、白色系となることを示す。従って、干渉性顔料を使用する場合、下地塗膜のL*値が低いほど干渉色が強調される。その時の下地塗膜のL*値は0.1〜10である。
また、高い意匠性を与える塗膜として、アルミ粉などの金属製光輝材を含むメタリック塗膜も非常に良く知られている。メタリック塗膜は、金属製光輝材に起因して金属調色を呈することができ、さらに、見る角度によっては色相および明るさが変化し、フリップフロップ性などの優れた意匠性を塗膜に与えることもできる。しかし、金属製光輝材を含むメタリック塗膜は、金属感に加えて、ギラギラ感をも有する。
メタリック塗膜において、干渉性マイカ顔料を適用してメタリック塗膜に、干渉性を付与することも可能であるが、干渉性を発現できるメタリック塗膜の色は暗金属調色(ブラック、濃グリーン色、濃ブルー色、濃レッド色、濃グレー色など)に限定される。例えば、シルバーメタリック色などの明度(L*値)の高いメタリック塗膜に干渉性顔料を適用しても、アルミニウム顔料等の光輝性顔料が奏でる反射が強いために、干渉性顔料が奏でる干渉性を生かすことができない。その理由としては、上述と同様に、明度(L*値)の高い塗膜は、入射光を容易に反射し、干渉効果が極端に低下するからである。
干渉性マイカ顔料以外の特殊な干渉性顔料も知られており、被覆シリカフレークもその一例である。特許文献1では、酸化チタンまたは酸化鉄で被覆されたシリカフレークを含む光干渉性塗膜形成塗料が開示されており、詳細には、特許文献1の請求項1において、「濃色塗膜形成塗料(A)、酸化チタンまたは酸化鉄で被覆されたシリカフレークを樹脂固形分100重量部あたり、0.1〜2重量部含有し、かつ下地隠蔽膜厚が40μm以上である光干渉性塗膜形成塗料(B)および透明塗膜形成クリヤー塗料(C)を塗装することを特徴する複層塗膜形成方法」が開示されている。特許文献1で使用する被覆シリカフレークは、酸化チタンまたは酸化鉄で被覆されており、シリカフレークおよび酸化チタンまたは酸化鉄をそれぞれ単独で塗料に配合した場合とは異なる特殊な干渉性を示すことを特徴とする。特許文献1に開示の酸化チタンまたは酸化鉄で被覆されたシリカフレークを含む光干渉性塗膜において、入射光は、酸化チタンまたは酸化鉄からなる被覆層上で反射された反射光と、被覆層を透過してシリカフレーク上で反した反射光とに分離し、両者の間で干渉が生じる。対して、シリカフレークを酸化チタンまたは酸化鉄で被覆しない場合、すなわち、シリカフレークおよび酸化チタンまたは酸化鉄をそれぞれ単独で塗料に配合した場合、入射光は、シリカフレーク上および酸化チタン上または酸化鉄上でそれぞれ乱反射して散乱し、その散乱光が生じる。従って、両者は全く異なる干渉色を呈する。
また、特許文献1は、光干渉性を顕著に向上させることを目的として、上記光干渉性塗膜形成塗料(B)からなる光干渉性塗膜の下地塗膜として、濃色塗膜形成塗料(A)からなる濃色塗膜の使用を開示する。具体的には、濃色塗膜形成塗料(A)は、カーボンブラックおよびフタロシアニンブルーなどの着色顔料を含み、形成された塗膜のL*値は3〜25であり、ほぼ黒色を呈する(特許文献1の実施例を参照のこと)。このように、被覆シリカフレークなどの干渉性顔料を使用する場合であっても、上述の通り、干渉性マイカ顔料を使用する場合と同様に、下地塗膜の色を濃色とすることによって、光干渉性は顕著に向上する。このように、干渉性の向上を目的として下地塗膜を黒色などの濃色とすることは、当該分野において常套の手段であった。
さらに、特許文献1で使用する光干渉性塗膜形成塗料(B)は、その実施例において、被覆シリカフレーク(鱗片状シリカの長手方向寸法は15〜20μm、厚さは0.5〜1μmで、その表面を被覆する酸化チタンまたは酸化鉄の厚さは4〜50nm)を含み、さらにカーボンブラックなどの着色顔料を含む暗色塗料である。従って、特許文献1に開示の複層塗膜はほぼ黒色を呈する。このことは、特許文献1の実施例において得られる複層塗膜のL*値が3または12であることからも分かる。
また、特許文献2には、干渉性顔料として、特許文献1と同様に、被覆シリカフレークの使用が開示されている。詳細には、特許文献2の請求項1において、「基材に、L値が65〜100のカラーベース塗膜層を形成した後、前記カラーベース塗膜層上に干渉性顔料を含有した干渉クリヤーコート層を形成し、さらにその上に艶消し剤を含む艶消しトップクリヤーコート層を形成する真珠光沢塗膜形成方法」が開示され、上記干渉性顔料として、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、マイカ顔料(好ましくは、パールマイカ顔料)、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、チタンフレーク顔料、ホログラム顔料が開示されている。しかし、特許文献2に開示の干渉性顔料を含む塗料は、あくまで透明性を有するクリヤー塗料であり、形成塗膜が真珠光沢を呈するには、カラーベース塗膜が65〜100のL*値(ほぼ白色)を有する必要がある。また、特許文献2では、さらに、干渉クリヤーコート層の上に艶消し剤を含む艶消しトップクリヤーコート層を形成することを特徴とする。このことから、特許文献2に開示の複層塗膜は、従来のホワイトマイカ塗膜および黒色系下地塗膜を含むホワイトパールマイカ塗膜などとは全く異なる独特の真珠光沢(光の入射する方向に対して直角であるハイライト部と光の入射する方向に対して斜めであるシェード部との色相変化境界部が、緩やかに変化して見える意匠)を有する意匠性を提供する。
同様に、特許文献3においても、真珠光沢塗膜形成方法が開示されており、詳細には、請求項1において、「基材に、カラーベース塗膜層を形成した後、前記カラーベース塗膜層上に干渉性顔料を含有した干渉クリヤーコート層を形成し、さらにその上に艶消し剤として無彩着色樹脂微粒子を含む艶消しトップクリヤーコート層を形成する真珠光沢塗膜形成方法」が開示されている。特許文献3は、特許文献2と同様に、干渉性顔料として、マイカ顔料(好ましくは、パールマイカ顔料)、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、チタンフレーク顔料、ホログラム顔料およびコレステリック液晶ポリマーからなるフレーク状顔料を開示する。しかし、特許文献3に開示の干渉性顔料を含む塗料は、特許文献2と同様に、あくまで透明性を有するクリヤー塗料であり、形成塗膜が真珠光沢を呈するには、カラーベース塗膜のL*値が65〜100であり、ほぼ白色を呈することが必要である。また、特許文献3においても、独特の真珠光沢を有する意匠性(光の入射する方向に対して直角であるハイライト部と光の入射する方向に対して斜めであるシェード部との色相変化境界部が、無彩色の着色性を伴って、緩やかに変化して見える意匠(無彩着色性真珠光沢))を提供するために、艶消しトップクリヤーコート層が必要である。また、さらに、特許文献3に開示の発明は、艶消しトップクリヤーコート層が無彩着色樹脂微粒子を含むことを特徴とする。このことから、特許文献3に開示の複層塗膜においても、特許文献2と同様に、艶消しトップクリヤーコート層を使用することによって、従来のホワイトパールマイカ塗膜などとは全く異なる独特の意匠性を有する真珠光沢を提供することができる。
特許文献4には、干渉性顔料として、表面を二酸化チタンで被覆した干渉マイカ顔料、金属酸化物で被覆したシリカフレーク顔料、ホログラム顔料、金属酸化物を被覆したガラスフレーク顔料、および金属をメッキしたガラスフレーク顔料から選ばれる1種以上の鱗片状光輝性顔料を必須成分として含む、光輝クリヤー塗料を開示する。詳細には、特許文献4の請求項1は、「基材上に鱗片状光輝性顔料を含んでなるベースコート塗料(A)を塗装して得られた塗膜上に、さらに表面を二酸化チタンで被覆した干渉マイカ顔料、金属酸化物で被覆したシリカフレーク顔料、ホログラム顔料、金属酸化物を被覆したガラスフレーク顔料、及び金属をメッキしたガラスフレーク顔料から選ばれる1種以上の鱗片状光輝性顔料を塗料中のビヒクル固形分100重量部に対して、0.01〜20重量部含んでなる光輝クリヤー塗料(B)を塗装して複層塗膜を得ることを特徴とする複層塗膜形成方法」を開示する。なお、特許文献4に開示の光輝クリヤー塗料(B)は、特許文献2および3に記載の干渉性クリヤー塗料と同様に、無色もしくは有色の透明塗料である。従って、特許文献4に開示の複層塗膜は、その下地として、顔料を含む下地塗膜が必要となる。なお、特許文献4に開示の発明において、下地塗膜を形成するベースコート塗料、すなわち、ベースコート塗料(A)は、鱗片状光輝性顔料を含み、さらに、必要に応じて、着色顔料または体質顔料などの顔料を含む。特許文献4に開示の発明によると、光輝性顔料を含む塗料(A)および(B)を二重に重ねて塗装することによって、ハイライト部からシェード部まで光輝感に優れた複層塗膜を形成することができ、優れた意匠性を提供することができる。
このように、当該分野では、様々な干渉性顔料または光輝性顔料を用いて、様々な意匠性を提供している。
特開2000− 42487号公報 特開2002−201421号公報 特開2002−273334号公報 特開2005−177642号公報
本発明は、従来の塗料および塗装方法では得られない優れた意匠性を有する複層塗膜の提供を目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、従来技術に束縛されることなく、特定明度(L*値)の塗膜を下地塗膜として使用し、その上に、干渉性顔料および二酸化チタン顔料を含む干渉性塗膜層を形成することによって、従来にはない干渉性金属調色が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。従って、本発明は以下を提供する。
基材上にカラーベース塗膜層を形成し、前記カラーベース塗膜層上に干渉性ベース塗膜層を形成し、さらにその上にクリヤー塗膜層を形成する複層塗膜の形成方法であって、
前記カラーベース塗膜層において、前記カラーベース塗膜層に含まれる顔料の濃度(PWC)が10〜70質量%であり、L*(25℃)値が67〜83であり、
前記干渉性ベース塗膜層が、干渉性シリカフレーク顔料を含む干渉性顔料および二酸化チタン顔料を含み、前記干渉性ベース塗膜層において、前記干渉性顔料の濃度(PWC)が3〜15質量%であり、前記二酸化チタン顔料の濃度(PWC)が0.1〜0.6質量%であり、
前記複層塗膜のL*(25℃)値が70〜100であり、a*(25℃)値が−1〜+5であり、b*(25℃)値が−10〜−2であり、干渉性金属調色を呈する、
複層塗膜の形成方法。
上記の複層塗膜の形成方法において、前記干渉性顔料が、さらに、マイカ顔料、アルミナフレーク顔料およびガラスフレーク顔料からなる群から選択される1種以上の鱗片状透明顔料を含むことが好ましい。
上記の複層塗膜の形成方法において、前記干渉性シリカフレーク顔料と前記鱗片状透明顔料の質量比(前記干渉性シリカフレーク顔料/前記鱗片状透明顔料)が、100/0〜30/70であることが好ましい。
上記の複層塗膜の形成方法において、前記干渉性シリカフレーク顔料と前記鱗片状透明顔料の質量比(前記干渉性シリカフレーク顔料/前記鱗片状透明顔料)が、95/5〜40/60であることが好ましい。
上記の複層塗膜の形成方法において、前記カラーベース塗膜層において、前記カラーベース塗膜層に含まれる顔料の濃度(PWC)が25〜60質量%であり、L*(25℃)値が70〜80であることが好ましい。
本発明は、さらに、上記の複層塗膜の形成方法により得られる複層塗膜に関する。
当該分野では、優れた意匠性を有する塗膜が常に求められており、上述の背景技術に記載の通り、干渉性顔料を使用した様々な塗膜が開発されている。しかし、明度(L*値)の高い塗膜、例えば、金属製光輝材を使用したシルバーメタリック塗膜などに顕著な干渉性を付与することは技術上不可能であると考えられていた。また、干渉性顔料を使用する場合、その下地塗膜として、低明度(低L*値)の塗膜を使用することで高い干渉効果が得られることは知られていたが、干渉性顔料を含んだ塗膜の厚みによって色調が大きく変化するため、自動車外板用塗膜には適さないと判断されてきた。
しかし、本発明では、下地ベース塗膜として特定の明度を有するものを選択し、そして、干渉性顔料と二酸化チタン顔料を組み合わせた塗膜を併用することによって、従来の塗料および塗装方法では得られない優れた意匠性と優れた色変動性を両立した複層塗膜を提供することができる。
本発明によると、L*値が67〜83のカラーベース塗膜層上に、干渉性シリカフレーク顔料および二酸化チタン顔料を含む干渉性ベース塗膜層を形成することによって、金属製光輝材を用いずとも金属感を与えることができる。従来の金属製光輝材を含むメタリック塗膜の場合には、無機質な冷たい印象を周囲に与え、さらに、ギラギラ感が強調されるが、本発明の場合、ギラギラ感を抑えたやわらかな従来にない独特の風合いの金属感が得られる。さらに、上記カラーベース塗膜層上に、干渉性シリカフレーク顔料および二酸化チタン顔料を含む干渉性ベース塗膜層を形成することによって、桃色から緑色へとゆるやかにやんわりと連続して変化する独特の干渉性を塗膜に付与することができる。特に、本発明では、シルバーメタリック塗膜に似た金属感を提供することができ、しかも、独特のやわらかな、あたかも霜が降りたような、やさしい色味を提供することができる。従って、本発明の複層塗膜によって、やわらかく包み込むような印象を周囲に与えることができる。このような意匠性は、本発明によって初めて提供されるものであり、従来の塗料および塗装方法では全く得ることができないものである。
図1は、明度L*値ならびに色度a*値およびb*値の測定方法を模式的に示す図である。
本発明は従来の塗料および塗装方法では得られない優れた意匠性を有する複層塗膜およびその製造方法に関する。
本発明では複層塗膜の色調を明度(L*値)および/または彩度(C*値)で規定する。明度(L*値)および彩度(C*値)は、例えば、「CM512m−3」(ミノルタ社製変角色差計)、X-Rite MA68II(エックスライト社製変角色差計)などの変角色差計を用いて測定することができる。
本発明において、明度(L*値)および彩度(C*値)は、JIS Z8729に準拠して決定することができる。なお、明度(L*値)および彩度(C*値)は、L*a*b*表色系(CIE 1976)による、被測定物の色を表すのに用いられる指標である。この表色系では、明度をL*値で示し、彩度をC*値で示す。
明度(L*値)は、上述の通り、その数値が増加するに従って被測定物質の白色度が増すことを意味し、その数値が低下するに従って黒色度が増すことを意味する。
彩度(C*値)は、その値が増加するに従って被測定物の色が鮮やかであることを示し、その数値が低下するに従って被測定物の色が鮮やかでないこと、すなわち、色味のない、無彩色に近い色であることを示す。
なお、L*a*b*表色系(CIE 1976)において、a*値およびb*値は、クロマティクネス指数と呼ばれ、色度を示す指標である。
a*値は、0を基準とし、数値がマイナス(−)になる場合、被測定物質の緑色度が増すことを意味し、数値がプラス(+)になる場合、被測定物質の赤色度が増すことを意味する。
b*値は、0を基準とし、数値がマイナス(−)になる場合、被測定物質の青色度が増すことを意味し、数値がプラス(+)になる場合、被測定物質の黄色度が増すことを意味する。
a*値およびb*値がともに0の場合は、無彩色を意味する。
彩度C*値は、色度a*値およびb*値から、下記の式によって決定することができる値である。
Figure 2011045855
本発明の複層塗膜は、明度L*値が70〜100、好ましくは80〜90より好ましくは83〜88、色度a*値が−1〜+5、好ましくは0〜+4、より好ましくは+1〜+3、なおかつ、色度b*値が−10〜−2、好ましくは−8〜−4、より好ましくは−7〜−5である。上記のL*値ならびに色度a*値およびb*値はいずれもハイライト(25°)での値である(図1を参照のこと)。上記L*値、a*値およびb*値のうちいずれか1つが上記範囲を逸脱しても、本発明で得られる独特のやさしい金属感およびやわらかな干渉性を提供することができない。
本発明の複層塗膜は、アルミニウムなどの金属製光輝材を含なくても、明度L*(25°)値70〜100を有し、白色度の高い金属調色、すなわち、アルミニウムなどの金属製光輝材を含むシルバーメタリック塗膜に近い明るい金属感を提供することができる。従来の金属製光輝材を含むメタリック塗膜の場合には、無機質な冷たい印象があり、さらに、ギラギラ感が強調されるが、本発明の場合、ギラギラ感を抑えたやわらかなやさしい従来にない独特の風味のある金属感が得られる。従って、本発明によると、従来のメタリック塗膜では得られない独特の意匠性を提供することができる。
また、本発明の複層塗膜において、ハイライト(25°)での彩度C*値は、好ましくは6.5以上である。彩度C*値は、高い方が好ましく、6.5以上であると、色が鮮やかとなり、ハイライトにおいて顕著な干渉性を示すことができる。彩度C*(25°)値は、6.5〜16.0の範囲内であることがより好ましい。また、彩度C*(25°)値が6.5未満であると、干渉性が顕著ではなくなり、さらに、色味が低下し、金属調色とは異なる色調を呈するおそれがある。
また、本発明の複層塗膜は、上述の通り、金属感に加えて、顕著な干渉性を具備する。すなわち、本発明の複層塗膜は干渉性金属調色を呈し、本発明によると、桃色から緑色へとゆるやかにやんわりと連続して変化する独特の干渉性を塗膜に付与することができる。特に、本発明の複層塗膜では、従来のシルバーメタリック塗膜によく似た金属感を提供することができ、しかも、独特のやわらかな、あたかも霜が降りたような、やさしい色味を提供することができる。従って、本発明では、やさしくやわらかく包み込むような独特の意匠性を与えることができる。このような意匠性は、本発明によって初めて提供されるものであり、従来の塗料および塗装方法では全く得ることができないものである。
なお、本発明によって得られる優れた意匠性は、従来の自動車外板用3コートパールにおいては色変動性の問題から適用されなかったような色相のカラーベース塗膜層を用いることによって達成することができるものである。
本発明では、基材上に特定明度のカラーベース塗膜層を形成し、このカラーベース塗膜層上に特定の干渉性ベース塗膜層を形成し、さらにその上にクリヤー塗膜層を形成することによって、上述の独特の意匠性を有する複層塗膜を形成することができる。従来、高い干渉性を奏する複層塗膜を形成する際には、明度の低い暗色の下地塗膜を形成し、その上に干渉性塗膜層を設けることによって、下地塗膜による入射光の反射を防止して、干渉性顔料による干渉性を有意に発現させることが知られていた。また、特殊な意匠性の塗膜を除いては、干渉性塗膜層を形成する際に明度の高い下地塗膜を形成することはなかった。
以下、本発明で使用する各塗料組成物について詳細に説明する。本発明の複層塗膜の形成方法は、特に、特定明度のカラーベース塗膜層を形成することのできるカラーベース塗料組成物と、その上に形成される特定の干渉性ベース塗膜層を形成することのできる干渉性ベース塗料組成物とを組み合わせて使用することに特徴がある。
カラーベース塗料組成物
本発明において使用することのできるカラーベース塗料組成物は、例えば、塗膜形成性樹脂、硬化剤および顔料を含むカラーベース塗料組成物であって、特定明度(具体的には、25°のL*値:67〜83)のカラーベース塗膜層を形成することができる塗料組成物であれば、特に限定はない。
カラーベース塗料組成物に含まれる顔料としては、例えば、有機系および無機系の着色顔料ならびに体質顔料などが挙げられる。有機系の着色顔料としては、例えば、アゾレーキ系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、スレン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料などが挙げられる。無機系の着色顔料としては、例えば、黄鉛、亜鉛華、酸化鉄、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムイエロー、酸化クロム、プルシアンブルー、コバルトブルー、酸化チタン(例えば、二酸化チタン)などが挙げられる。また、体質顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、焼成カオリン、珪酸マグネシウム、クレー、タルクなどが挙げられる。上記顔料を1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カラーベース塗料組成物またはカラーベース塗膜層に含まれる顔料の濃度(PWC)(pigment weight concentration)は、10〜70質量%、好ましくは25〜60質量%である。
本発明において、カラーベース塗料組成物またはカラーベース塗膜に含まれる顔料の濃度(PWC)は、以下の式に基づいて決定することができる。
顔料濃度(PWC)=(全顔料の合計質量)/(全顔料および全樹脂固形分の合計質量)×100(質量%)
顔料濃度(PWC)が10質量%未満であると、下地隠蔽性が充分に確保されない、下地隠蔽性が低いと下地の色相が透け、カラーベースの色相が安定しない。また、紫外線の透過量が多くなり下地の電着塗膜に達するとハガレが発生する恐れがある。また、顔料濃度(PWC)が70質量%を超えると、分散性が低下して光沢が後退する、塗膜の平滑性不良、密着性不良などの問題の恐れがある。また、顔料の濃度(PWC)が10〜70質量%であると、明度L*値67〜83、好ましくは70〜80のカラーベース塗膜層を形成することができる。
本発明において、カラーベース塗膜層は67〜83のL*(25°)値、すなわち、従来のホワイトマイカ用のカラーベースとしては低い明度を有する。従来では、干渉性塗膜層を用いて干渉性を付与する際、明度の低い黒色の下地塗膜を設け、その上に干渉性塗膜層を設けることによって、入射光の下地塗膜による反射を防止し、干渉性を高めることは知られていたが、干渉性顔料を含んだ塗膜の厚みによって色調が大きく変化するため、自動車外板用塗膜には適さないとされてきた。しかし、本発明では、下地塗膜として上記の適切な明度を有するものを選択し、そして、干渉性顔料と酸化チタン顔料を組み合わせた塗膜を併用することによって、従来の塗料および塗装方法では得られない優れた意匠性と優れた色変動性を両立した複層塗膜を提供することができる。なお、このような効果は、本発明によって初めて明らかとなったものである。
本発明で用いることのできるカラーベース塗料組成物は、上記顔料に加えて、塗膜形成性樹脂および硬化剤を含む。好ましくは、本発明で用いるカラーベース塗料組成物は、上記顔料、ポリエステル樹脂およびメラミン硬化剤を含むメラミン硬化系塗料組成物であり、なかでも、特に、上記顔料;数平均分子量1000〜4500、水酸基価70〜220mgKOH/g(固形分)および酸価5〜20mgKOH/g(固形分)のポリエステル樹脂;ならびにメチル/ブチル混合アルキルエーテル化メラミン樹脂およびブチルエーテル化メラミン樹脂からなる群から選択される少なくとも1つの硬化剤を含むメラミン硬化系塗料組成物が好ましい。
上記ポリエステル樹脂としては、中塗り塗料が有する機能である耐チッピング性と下地の隠蔽ならびに表面平滑性等を付与する基本樹脂成分と同等のものを用いることが好ましい。
上記ポリエステル樹脂の数平均分子量は、1000〜4500であり、数平均分子量が1000未満であると充分な硬化が得られず、4500を超えると平滑性が不充分となり良好な外観が得られなくなると同時に、塗着時の粘度が高くなりすぎる。
上記ポリエステル樹脂は、70〜220mgKOH/g(固形分)の水酸基価を有する。水酸基価が70mgKOH/g(固形分)未満であると硬化性が不良となり、220mgKOH/g(固形分)を超えると弾性が低下して耐チッピング性が不良となる。
上記ポリエステル樹脂は、5〜20mgKOH/g(固形分)の酸価を有する。酸価が5mgKOH/g(固形分)より低くなると硬化性が不良となり、20mgKOH/g(固形分)を超えると耐水性が後退する。
上記ポリエステル樹脂は、必須成分として、多価カルボン酸および/または酸無水物と、多価アルコールとを重縮合することによって製造することができる。上記必須成分以外の他の反応成分としては、例えば、モノカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等が挙げられる。また、反応系中に、乾性油、反乾性油およびそれらの脂肪酸を添加してもよい。
上記ポリエステル樹脂のカラーベース塗料組成物における含有量は、塗料固形分に基づいて、20〜70質量%、好ましくは30〜50質量%である。含有量が20質量%未満であると分散が悪くなって光沢性が低下し、70質量%を超えると下地の隠蔽性が不充分になる。
上記硬化剤としては、好ましくはメラミン硬化剤、より好ましくはメチル/ブチル混合アルキルエーテル化メラミン樹脂が効果的に使用される。その理由は、該硬化剤成分が低縮合度であり、反応開始速度が遅いため、加熱時のフロー度合が大きくなり、表面平滑性を高めると同時に、反応開始速度が遅いにもかかわらず自己縮合率が低く、塗膜性能的に優れていることなどが挙げられる。
しかし、低温での焼き付けの可能性がある場合には、上記メチル/ブチル混合アルキルエーテル化メラミン樹脂のみでは充分な塗膜性能が得られないことがある。このようなときは、上記メチル/ブチル混合アルキルエーテル化メラミン樹脂にブチルエーテル化メラミン樹脂を併用して用いることができる。
また、上記硬化剤を2種以上適宜混合して用いてもよい。
上記硬化剤のカラーベース塗料組成物における含有量は、塗料固形分に基づいて、10〜40質量%、好ましくは15〜35質量%である。含有量が10質量%を下まわると硬化性が不充分となり、40質量%を超えると形成される塗膜が硬く脆くなる。
本発明で用いることのできるカラーベース塗料組成物は、上記必須成分である顔料、塗膜形成性樹脂および硬化剤以外にも、必要に応じて、有機溶媒(例えば、芳香族炭化水素系、脂肪族炭化水素系、エステル系、アルコール系溶媒等)、増粘剤(例えば、架橋樹脂粒子、有機ベントナイト、脂肪酸ポリアマイド、ポリエチレンワックス等)、光輝材(例えば、アルミニウム箔、マイカ、スズ箔、金箔、金属チタン箔、ニッケル箔等)、酸触媒、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤、酸化防止剤、表面調整剤、レベリング剤、顔料分散剤、可塑剤、消泡剤等を適宜配合してもよい。
干渉性ベース塗料組成物
本発明において干渉性ベース塗膜層を形成することのできる干渉性ベース塗料組成物は、好ましくは水性塗料組成物であり、干渉性シリカフレーク顔料を含む干渉性顔料および二酸化チタン顔料、ならびに、塗膜形成性樹脂として、α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物を乳化重合して得られるエマルション樹脂を含む。
本発明では、下地塗膜として特定明度のカラーベース塗膜層(すなわち、25°のL*値:67〜83を有するカラーベース塗膜層)を形成し、その上に、干渉性顔料および二酸化チタン顔料を含む干渉性ベース塗膜層を形成することによって、従来の金属製光輝材を使用したシルバーメタリック塗膜に似た金属調色を複層塗膜に付与することができる。しかも、本発明によると、金属製光輝材を使用することなく、金属調色を達成することができ、さらに、この干渉性ベース塗膜層によって顕著な干渉性をも付与することができる。このような干渉性金属調色(25°のL*値:70〜100)は、本発明によって初めて見出された意匠であり、金属製光輝材を使用した従来のメタリック塗膜とは全く異なる独特の意匠を提供することができる。なお、従来では、シルバーメタリック塗膜などの明度の高い塗膜に顕著な干渉性を付与することは不可能であった。また、塗膜に干渉性を付与するには、下地塗膜は黒色などの濃色または暗色であることが必須であったが、干渉性顔料を含む塗膜の厚みによって色調が大きく変化するため、自動車外板用塗膜には適さないとされてきた。しかし、本発明では、従来技術に束縛されることなく、従来の金属製光輝材を使用したメタリック塗膜ではなく、上述の特定明度のカラーベース塗膜を用いながら干渉性顔料と酸化チタン顔料を組み合わせた塗膜を併用することによって、従来の塗料および塗装方法では得られない優れた意匠性と優れた色変動性を両立した複層塗膜を提供することができる。
また、本発明では、干渉性ベース塗料組成物が、干渉性顔料として、干渉性シリカフレーク顔料を含み、さらに、二酸化チタン顔料を含むことを特徴とする。なお、本発明において、干渉性シリカフレーク顔料は、干渉性顔料として、必須の成分であり、顕著な干渉性を塗膜に付与することができる。また、当該分野では、干渉性を与える顔料としてマイカなどの干渉性顔料が広く利用されているが、干渉性顔料は一般に透明性の高い透明顔料であり、通常、二酸化チタンなどの白色系顔料と併用することはなかった。というのも、二酸化チタンなどの白色系顔料と、干渉性マイカ顔料などとを併用した場合、形成塗膜に濁りが生じ、干渉性が著しく低下するからである。以下、干渉性顔料および二酸化チタン顔料について詳細に説明する。
(干渉性顔料)
本発明の干渉性ベース塗料組成物および干渉性ベース塗膜層に含まれる干渉性顔料としては、干渉性シリカフレーク顔料などの鱗片状の干渉性顔料を用いることが好ましい。本発明で用いることのできる干渉性顔料は、例えば、平均粒径(D50)が2〜50μm、好ましくは10〜35μmであり、なおかつ、厚さが0.1〜5μm、好ましくは0.5〜2μmである。なお、本発明において、干渉性顔料は着色されていてもよい。
干渉性シリカフレーク顔料としては、例えば、「Colorstream T20−01」(メルク社製の干渉性ピンク−グリーンシリカフレーク顔料)、Colorstream T20−02」(メルク社製の干渉性ターコイズ−レッドシリカフレーク顔料)、Colorstream T20−03」(メルク社製の干渉性グリーン−レッドシリカフレーク顔料)、Colorstream F20−00」(メルク社製の干渉性レッド−ゴールドシリカフレーク顔料)などの市販品を使用することができる。干渉性シリカフレーク顔料を用いることによって、色変化が大きく(二色性が強く)、強い干渉性を発現するなどの効果が得られるので特に好ましい。特に、「Colorstream T20−01」(メルク社製の干渉性ピンク−グリーンシリカフレーク顔料)、Colorstream T20−02」(メルク社製の干渉性ターコイズ−レッドシリカフレーク顔料)、Colorstream T20−03」(メルク社製の干渉性グリーン−レッドシリカフレーク顔料)等の二色性を有する干渉性シリカフレークを用いることが好ましく、「Colorstream T20−01」(メルク社製の干渉性ピンク−グリーンシリカフレーク顔料)を用いることがさらに好ましい。
また、干渉性顔料としては、上記干渉性シリカフレーク顔料以外の鱗片状透明顔料が挙げられ、例えば、マイカ顔料(例えば、干渉マイカ顔料が好ましい。)、アルミナフレーク顔料(例えば、干渉アルミナフレークが好ましい。)、ガラスフレーク顔料(例えば、干渉ガラスフレークが好ましい。)などの鱗片状透明顔料が挙げられる。
上記鱗片状透明顔料としては、明度が高く、色変化が小さいという理由から、マイカ顔料が好ましく、なかでも干渉性マイカ顔料を使用することが特に好ましい。
本発明で用いることのできる干渉性ベース塗料組成物または干渉性ベース塗膜層において、干渉性顔料の濃度(PWC)(pigment weight concentration)は、3〜15質量%、好ましくは4〜13質量%である。干渉性顔料の濃度(PWC)が3質量%未満であると、十分な干渉効果を得ることができない、干渉性顔料がまだらで不均一となりムラになりやすいなどの問題の恐れがあり、15質量%を超えると、艶の低下、肌荒れといった外観不良につながるなどの問題の恐れがある。
本発明において、干渉性顔料の濃度(PWC)は、以下の式に基づいて決定することができる。
干渉性顔料濃度(PWC)=(全干渉性顔料の合計質量)/(干渉性顔料を含む全顔料および全樹脂固形分の合計質量)×100(質量%)
また、本発明において、上記干渉性顔料として、上記干渉性シリカフレーク顔料と、上記干渉性シリカフレーク顔料以外の鱗片状透明顔料とを組み合わせて使用してもよい。例えば、上記干渉性シリカフレーク顔料と、上記その他の鱗片状透明顔料とを組み合わせて使用する場合、干渉性シリカフレーク顔料と、その他の鱗片状透明顔料の質量比(干渉性シリカフレーク顔料/その他の鱗片状透明顔料)は、100/0〜30/70、好ましくは95/5〜40/60である。上記質量比が上記範囲内であると、シリカフレークの干渉効果が十分引き出され、明度の高い意匠発現ができるなどの効果が得られる。なお、本発明では、干渉性顔料として、干渉性シリカフレーク顔料を単独で使用する場合が最も好ましく、上記定義の干渉性金属調色を首尾よく複層塗膜に付与することができる。その場合、干渉性シリカフレーク顔料の濃度(PWC)は、好ましくは4〜13質量%、より好ましくは9〜12質量%である。
(二酸化チタン顔料)
本発明の干渉性ベース塗料組成物および干渉性ベース塗膜層に含まれる二酸化チタン顔料としては、特に限定はなく、例えば、チタン白顔料「CR−97」(石原産業社製)、「CR−95」(石原産業社製)、「D−918」(堺化学社製)などの市販品を使用することができる。二酸化チタン顔料を干渉性ベース塗料組成物に配合し、上記干渉性顔料と最適な比率で併用することによって、意匠性を阻害せずに干渉性ベース塗料の膜厚が変動したときの色相変動を小さく抑制することができるなどの効果が得られる。
なお、従来技術では、二酸化チタンなどの白色系顔料と、上記の透明な干渉性顔料とを併用した場合、塗膜に濁りが生じて干渉性が著しく低下するため、二酸化チタン顔料と干渉性顔料とを併用することはなく、上記の効果は本発明によって初めて明らかとなった効果であり、従来にない優れた意匠性の提供に非常に貢献する。
本発明で用いることのできる干渉性ベース塗料組成物または干渉性ベース塗膜層において、二酸化チタン顔料の濃度(PWC)(pigment weight concentration)は、0.1〜0.6質量%、好ましくは0.2〜0.4質量%である。干渉性顔料の濃度(PWC)が0.1質量%未満であると、二酸化チタン顔料の発色効果が小さく、干渉性ベース塗料の膜厚が変動したときの色相変動抑制効果が小さいなどの問題の恐れがあり、0.6質量%を超えると、二酸化チタン顔料の発色効果が強すぎ、干渉性顔料の発色効果を阻害するため、狙った意匠が発現しないなどの問題の恐れがある。
本発明において、二酸化チタン顔料の濃度(PWC)は、以下の式に基づいて決定することができる。
二酸化チタン顔料濃度(PWC)=(二酸化チタン顔料の質量)/(二酸化チタン顔料を含む全顔料および全樹脂固形分の合計質量)×100(質量%)
(塗膜形成性樹脂)
干渉性ベース塗料組成物は、さらに、塗膜形成性樹脂として、α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物を乳化重合して得られるエマルション樹脂を含む。α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物は、エステル部の炭素数が1または2の(メタ)アクリル酸エステルを65重量%以上含んでいる。65重量%未満であると、得られる塗膜の外観が低下する。上記エステル部の炭素数が1または2の(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルが挙げられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸エステル」とはアクリル酸エステルとメタアクリル酸エステルとの両方を意味するものとする。
また、このα,β−エチレン性不飽和モノマー混合物は酸価が3〜50であり、好ましくは7〜40である。酸価が3未満では、作業性を向上させることができず、50を上回ると、塗膜の耐水性が低下する。一方、上記干渉性ベース塗料組成物が硬化性を有する必要がある場合には、このα,β−エチレン性不飽和モノマー混合物は水酸基価が10〜150であり、好ましくは20〜100である。10未満では、充分な硬化性が得られず、150を上回ると、塗膜の耐水性が低下する。また、上記α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物を共重合して得られるポリマーのガラス転移温度は、−20〜80℃の間であることが、得られる塗膜の機械的物性の点から好ましい。
上記α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物は、酸基または水酸基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーをその中に含むことにより、上記酸価および水酸基価を有することができる。
また、上記酸基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、イソクロトン酸、α−ハイドロ−ω−((1−オキソ−2−プロペニル)オキシ)ポリ(オキシ(1−オキソ−1,6−ヘキサンジイル))、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、3−ビニルサリチル酸、3−ビニルアセチルサリチル酸、2−アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等を挙げることができる。これらの中で好ましいものは、アクリル酸、メタクリル酸である。
一方、水酸基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、アリルアルコール、メタクリルアルコール、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンとの付加物を挙げることができる。これらの中で好ましいものは、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンとの付加物である。
さらに、上記α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物はさらにその他のα,β−エチレン性不飽和モノマーを含んでいてもよい。上記その他のα,β−エチレン性不飽和モノマーとしては、エステル部の炭素数3以上の(メタ)アクリル酸エステル(例えば(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタジエニル、(メタ)アクリル酸ジヒドロジシクロペンタジエニル等)、重合性アミド化合物(例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクチル(メタ)アクリルアミド、N−モノブチル(メタ)アクリルアミド、N−モノオクチル(メタ)アクリルアミド 2,4−ジヒドロキシ−4’−ビニルベンゾフェノン、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド等)、重合性芳香族化合物(例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルケトン、t−ブチルスチレン、パラクロロスチレン及びビニルナフタレン等)、重合性ニトリル(例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、α−オレフィン(例えば、エチレン、プロピレン等)、ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等)、ジエン(例えば、ブタジエン、イソプレン等)、重合性芳香族化合物、重合性ニトリル、α−オレフィン、ビニルエステル、及びジエンを挙げることができる。これらは目的により選択することができるが、親水性を容易に付与する場合には(メタ)アクリルアミドを用いることが好ましい。
なお、これらのエステル部の炭素数が1または2の(メタ)アクリル酸エステル以外の上記α,β−エチレン性不飽和モノマーは、上記α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物中の含有量が35重量%未満に設定されなければならない。
干渉性ベース塗料組成物に含まれるエマルション樹脂は、上記α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物を乳化重合して得られるものである。ここで行われる乳化重合は、通常よく知られている方法を用いて行うことができる。具体的には、水、または必要に応じてアルコールなどのような有機溶剤を含む水性媒体中に乳化剤を溶解させ、加熱撹拌下、上記α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物および重合開始剤を滴下することにより行うことができる。乳化剤と水とを用いて予め乳化したα,β−エチレン性不飽和モノマー混合物を同様に滴下してもよい。
好適に用いうる重合開始剤としては、アゾ系の油性化合物(例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)および2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)など)、および水性化合物(例えば、アニオン系の4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2−アゾビス(N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジンおよびカチオン系の2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン));並びにレドックス系の油性過酸化物(例えば、ベンゾイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドおよびt−ブチルパーベンゾエートなど)、および水性過酸化物(例えば、過硫酸カリおよび過硫酸アンモニウムなど)が挙げられる。
乳化剤には、当業者に通常使用されているものを用いうるが、反応性乳化剤、例えば、アントックス(Antox)MS−60(日本乳化剤社製)、エレミノールJS−2(三洋化成工業社製)、アデカリアソープNE−20(旭電化社製)およびアクアロンHS−10(第一工業製薬社製)などが特に好ましい。
また、分子量を調節するために、ラウリルメルカプタンのようなメルカプタンおよびα−メチルスチレンダイマーなどのような連鎖移動剤を必要に応じて用いうる。
反応温度は開始剤により決定され、例えば、アゾ系開始剤では60〜90℃であり、レドックス系では30〜70℃で行うことが好ましい。一般に、反応時間は1〜8時間である。α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物の総量に対する開始剤の量は、一般に0.1〜5重量%であり、好ましくは0.2〜2重量%である。
上記乳化重合は多段階で行うことができ、例えば、二段階で行うことができる。すなわち、まず上記α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物のうちの一部(α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物1)を乳化重合し、ここに上記α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物の残り(α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物2)をさらに加えて乳化重合を行うものである。
ここで、クリヤー塗料組成物とのなじみ防止の点から、α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物1は、アミド基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーを含有していることが好ましい。またこの時、α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物2は、アミド基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーを含有していないことがさらに好ましい。なお、α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物1および2を一緒にしたものが、上記α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物であるため、先に示した上記α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物の要件は、α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物1および2を一緒にしたものが満たすことになる。
このようにして得られる上記エマルション樹脂の粒子径は0.01〜1.0μmの範囲であることが好ましい。粒子径が0.01μm未満であると作業性の改善の効果が小さく、1.0μmを上回ると得られる塗膜の外観が悪化する恐れがある。この粒子径の調節は、例えば、モノマー組成や乳化重合条件を調整することにより可能である。
上記エマルション樹脂は、必要に応じて塩基で中和することにより、pH5〜10で用いることができる。これは、このpH領域における安定性が高いからである。この中和は、乳化重合の前または後に、ジメチルエタノールアミンやトリエチルアミンのような3級アミンを系に添加することにより行うことが好ましい。
上記干渉性ベース塗料組成物は、さらに、硬化剤を含むことができる。硬化剤としては、塗料一般に用いられているものを使用することができる。このようなものとして、アミノ樹脂、ブロックイソシアネート、エポキシ化合物、アジリジン化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、金属イオン等が挙げられる。得られた塗膜の諸性能、コストの点からアミノ樹脂および/またはブロックイソシアネート樹脂が一般的に用いられる。
上記硬化剤としてのアミノ樹脂は、特に限定されるものではなく、水溶性メラミン樹脂あるいは非水溶性メラミン樹脂を用いることができる。なお、メラミン樹脂のなかでも水トレランスが3.0以上のものを用いることが、安定性上好ましい。ここで用いる水トレランスとは、親水性の度合を評価するためのものであり、その値が高いほど親水性が高いことを意味する。水トレランス値の測定方法は、25℃において、100mlビーカー内で、サンプル0.5gをアセトン10mlに混合して分散させ、ビュウレットを用いてイオン交換水を徐々に加え、混合物が白濁を生じるまでに要するイオン交換水の量(ml)を測定し、このイオン交換水の量(ml)を水トレランス値としたものである。
上記ブロックイソシアネートとしては、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のポリイソシアネートに活性水素を有するブロック剤を付加させることによって得ることができるものであって、加熱によりブロック剤が解離してイソシアネート基が発生するものが挙げられる。
これらの硬化剤が含まれる場合、その含有量は、干渉性ベース塗料組成物中の樹脂固形分100重量部に対し、20〜100重量部であることが好ましい。上記範囲外では、硬化性が不足する。
上記干渉性ベース塗料組成物は、必要によりその他の塗膜形成性樹脂を含んでいてもよい。その他の塗膜形成性樹脂としては、特に限定されるものではなく、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の塗膜形成性樹脂が利用できる。
また、上記その他の塗膜形成性樹脂は、数平均分子量3000〜50000、好ましくは6000〜30000であることが好ましい。3000より小さいと作業性および硬化性が十分でなく、50000を越えると塗装時の不揮発分が低くなりすぎ、かえって作業性が悪くなる。
上記塗膜形成性樹脂は10〜100mgKOH/g、更に20〜80mgKOH/gの酸価を有することが好ましく、上限を越えると塗膜の耐水性が低下し、下限を下回ると樹脂の水分散性が低下する。また、20〜180mgKOH/g、更に30〜160mgKOH/gの水酸基価を有することが好ましく、上限を越えると塗膜の耐水性が低下し、下限を下回ると塗膜の硬化性が低下する。
上記干渉性ベース塗料組成物における上記エマルション樹脂とその他の塗膜形成性樹脂との配合割合は、その樹脂固形分総量を基準にして、エマルション樹脂が5〜95重量%、好ましくは10〜85重量%、さらに好ましくは20〜70重量%であり、その他の塗膜形成性樹脂が95〜5重量%、好ましくは90〜15重量%、さらに好ましくは80〜30重量%である。エマルション樹脂の割合が5重量%を下回ると作業性が低下し、95重量%より多いと造膜性が悪くなる恐れがある。
上記その他の塗膜形成性樹脂として、エマルション樹脂との相溶性の点から、水溶性アクリル樹脂を用いることが好ましい。この水溶性アクリル樹脂は、先のα,β−エチレン性不飽和モノマー混合物のところで述べた酸基を有するα,β−エチレン性不飽和モノマーを必須成分とし、それ以外のα,β−エチレン性不飽和モノマーとともに溶液重合を行うことにより得ることができる。ここで、この水溶性アクリル樹脂を得るのに用いられる成分が、エステル部の炭素数が1または2の(メタ)アクリル酸エステルを65重量%以上含んでいることが得られる塗膜の外観の点から好ましい。
なお、上記水溶性アクリル樹脂は、通常、塩基性化合物、例えばモノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びジメチルエタノールアミンのような有機アミンで中和し、水に溶解させて用いるが、この中和は、水溶性アクリル樹脂そのものに対して行っても、後述する干渉性ベース塗料組成物の製造時に行ってもよい。
本発明で用いることのできる干渉性ベース塗料組成物は、上記必須成分である、干渉性顔料、二酸化チタン顔料、および、塗膜形成性樹脂として、α,β−エチレン性不飽和モノマー混合物を乳化重合して得られるエマルション樹脂以外にも、必要に応じて、有機溶媒(例えば、芳香族炭化水素系、脂肪族炭化水素系、エステル系、アルコール系溶媒等)、増粘剤(例えば、架橋樹脂粒子、有機ベントナイト、脂肪酸ポリアマイド、ポリエチレンワックス等)、有機系着色顔料(例えば、アゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等)、無機系着色顔料(例えば、黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック等)、体質顔料(例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、焼成カオリン、珪酸マグネシウム、クレー、タルク等)、光輝材(例えば、アルミニウム箔、スズ箔、金箔、金属チタン箔、ニッケル箔等)、酸触媒、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤、酸化防止剤、表面調整剤、レベリング剤、顔料分散剤、可塑剤、消泡剤等を適宜配合してもよい。
クリヤー塗料組成物
本発明においてクリヤー塗膜層を形成することのできるクリヤー塗料組成物は、特に限定されず、塗膜形成性熱硬化性樹脂および硬化剤等を含有するものを利用することができる。クリヤー塗料組成物の形態としては、溶剤型、水性型および粉体型のいずれの形態であってもよい。
溶剤型のクリヤー塗料組成物の好ましい例としては、透明性あるいは耐酸エッチング性等の点から、塗膜形成性樹脂として、アクリル樹脂および/またはポリエステル樹脂と、アミノ樹脂との組み合わせ、あるいはカルボン酸・エポキシ硬化系を有するアクリル樹脂および/またはポリエステル樹脂等を含む溶剤型のクリヤー塗料組成物が挙げられる。
また、水性型のクリヤー塗料組成物の例としては、上記溶剤型のクリヤー塗料組成物の例として挙げたものに含有される塗膜形成性樹脂を、塩基で中和して水性化した樹脂を含有するものを挙げることができる。この中和は重合の前または後に、ジメチルエタノールアミンおよびトリエチルアミンのような3級アミンを添加することにより行うことができる。
一方、粉体型のクリヤー塗料組成物としては、熱可塑性および熱硬化性粉体塗料のような通常の粉体塗料を用い得ることができる。良好な物性の塗膜が得られるため、熱硬化性粉体塗料が好ましい。熱硬化性粉体塗料の具体的なものとしては、エポキシ系、アクリル系およびポリエステル系の粉体型のクリヤー塗料組成物等が挙げられるが、耐候性が良好なアクリル系粉体型のクリヤー塗料組成物が特に好ましい。
本発明に用いる粉体型のクリヤー塗料組成物として、硬化時の揮散物が無く、良好な外観が得られ、そして黄変が少ないことから、エポキシ含有アクリル樹脂/多価カルボン酸の系の粉体型クリヤー塗料組成物が特に好ましい。
さらに、クリヤー塗料組成物には、塗装作業性を確保するために、粘性制御剤を添加することが好ましい。粘性制御剤は、一般にチクソトロピー性を示すものを使用することができる。また、必要に応じて、硬化触媒、表面調整剤等を配合してもよい。
基材
本発明の複層塗膜形成方法は、種々の基材、例えば、金属、プラスチック、発泡体等、特に金属表面および鋳造物に有利に適用することができるが、電着塗装可能な金属製品に対して特に好適に適用することができる。
上記金属製品としては、例えば、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、スズ、亜鉛等およびこれらの金属を含む合金などが挙げられる。具体的には、乗用車、トラック、オートバイ、バス等の自動車車体およびそれらの部品などが挙げられる。これらの金属製品は予めリン酸塩、クロム酸塩等で化成処理されたものが特に好ましい。
また、本発明の複層塗膜形成方法に用いられる基材上には、化成処理後、電着塗膜および/または中塗り塗膜が形成されていてもよい。電着塗膜を形成する電着塗料としては、カチオン型およびアニオン型をいずれも使用できるが、カチオン型電着塗料組成物が防食性において優れた積層塗膜を与えるため好ましい。
中塗り塗膜を形成する中塗り塗料組成物としては、カーボンブラックと二酸化チタンとを主要顔料としたグレー系のメラミン硬化系あるいはイソシアネート硬化系のものが用いられる。さらに、上塗りとの色相を合わせたものや各種の着色顔料を組み合わせたものを用いることもできる。
複層塗膜形成方法
本発明の複層塗膜形成方法は、基材上にカラーベース塗膜層を形成し、前記カラーベース塗膜層上に干渉性ベース塗膜層を形成し、さらにその上にクリヤー塗膜層を形成することを包含する。例えば、本発明の複層塗膜は、電着塗膜等の下塗り塗膜および/または中塗り塗膜が形成された基材上に、例えば、静電塗装機などを用いて、上述のカラーベース塗料組成物、干渉性ベース塗料組成物およびクリヤー塗料組成物をこの順番でウェット・オン・ウェット(wet-on-wet)で重ねて塗装し、カラーベース塗膜、干渉性ベース塗膜およびクリヤー塗膜を同時に加熱硬化させて3層からなる複層塗膜を得る方法(3コート1ベーク(3C1B)法)によって形成することができる。
本発明で上述の塗料組成物を自動車車体などの基材に塗装する場合、作業性および外観を高めるために、静電塗装機を用いてもよい。静電塗装機の例としては、例えば、「リアクトガン」等と言われるエアー静電スプレー塗装、あるいは、通称「μμ(マイクロマイクロ)ベル」、「μ(マイクロ)ベル」あるいは「メタベル」等と言われる回転霧化式の静電塗装機などが挙げられる。上記静電塗装機を用いて、多ステージ塗装、好ましくは2〜3ステージ塗装によって塗膜を形成することができる。また、エアー静電スプレー塗装と、回転霧化式の静電塗装機等とを組み合わせた塗装方法等によって塗膜を形成することもできる。
本発明において、カラーベース塗膜層の乾燥膜厚は、所望の用途により変化するが、通常20〜80μm、好ましくは25〜60μm、より好ましくは30〜50μmである。乾燥膜厚が、20μm未満であると、隠蔽力が確保できずに下地の色相が透けてしまい色相が安定しない、下地の形状を十分隠蔽できず肌や艶の悪い仕上がりとなってしまう等の問題の恐れがあり、80μmを超えると、垂直面でタレが発生したり、ワキが発生する等の問題の恐れがある。
本発明において、干渉性ベース塗膜層の乾燥膜厚は、所望の用途により変化するが、通常10〜30μm、好ましくは12〜20μm、より好ましくは13〜18μm、最も好ましくは15μmである。乾燥膜厚が、10μm未満であると、干渉性ベース塗膜が透けすぎてしまい、十分な干渉発色効果が発現しない。色相が安定しない等の問題の恐れがあり、30μmを超えると、垂直面でのタレの発生、ワキ発生、艶や肌の悪化等の問題の恐れがある。
本発明において、クリヤー塗膜層の乾燥膜厚は、所望の用途により変化するが、通常10〜80μm、好ましくは20〜60μmである。乾燥膜厚が10μm未満であると、下地の凹凸が隠蔽できない、艶や肌の悪化、塗膜としての保護機能が十分発揮できない等の問題の恐れがあり、80μmを超えると、塗装時にワキあるいはタレ等の不具合が起こる恐れがある。
本発明の複層塗膜の形成方法において、クリヤー塗膜層は、上記カラーベース塗膜および上記干渉性ベース塗膜に起因する凹凸を平滑にし、保護するために形成される。クリヤー塗料組成物の塗装方法としては、先に述べたμμベル、μベル等の回転霧化式の静電塗装機による塗装方法が好ましい。
各塗装の間にインターバル(もしくはセッティング)と呼ばれる時間的間隔を空ける操作を行ってもよい。このインターバルによって、形成塗膜に含まれる有機溶剤または水を十分に揮発させることができ、塗膜の外観が向上する。インターバルは、例えば、30秒〜15分間である。
また、上記インターバルの間にプレヒートと呼ばれる加熱操作を行ってもよい。このプレヒートによって、形成塗膜に含まれる有機溶剤または水の揮発を短時間で効率的に行うことができる。なお、このプレヒート加熱は、形成塗膜を積極的に硬化させるものではない。従って、プレヒート加熱条件は、例えば、40〜100℃で1〜10分間である。プレヒートは、例えば、温風ヒータや赤外線ヒータを用いて行ってもよい。
ウェット・オン・ウェットで塗り重ねられたカラーベース塗膜、干渉性ベース塗膜およびクリヤー塗膜を同時に加熱硬化して3層からなる複層塗膜を得る3コート1ベーク法において、加熱硬化温度は、80〜180℃、好ましくは120〜160℃であり、80℃未満であると充分な硬化が得られず、180℃を超えると塗膜が固く脆くなる恐れがある。加熱硬化時間は、温度によって変化するが、通常、120℃〜180℃で10〜30分である。
また、本発明の複層塗膜形成方法において、塗料組成物の塗装後に任意で塗膜を加熱硬化してもよい。例えば、カラーベース塗料組成物を用いてカラーベース塗膜を形成した後、上記の条件で加熱硬化を行って硬化塗膜を形成し、その上に干渉性ベース塗料組成物を用いて干渉性ベース塗膜を形成した後、その上にクリヤー塗料組成物をウェット・オン・ウェットで塗り重ね、さらに上記の条件で加熱硬化を行ってもよい(すなわち、3コート2(3C2B)ベーク法)。加熱硬化工程を増やすことによって、工程数は増加するが、優れた塗膜外観を得ることができるなどの利点がある。
本発明の方法で形成された複層塗膜の乾燥膜厚は、30〜300μm、好ましくは50〜250μmである。30μm未満であると塗膜強度が低下し、300μmを超えると冷熱サイクル等の塗膜物性が低下する恐れがある。
従来では、金属製光輝材を含むシルバーメタリック塗膜などの明度の高い金属調色を呈する塗膜に顕著な干渉性を付与することは不可能であったが、本発明の方法で形成された複層塗膜は、上述の通り、金属製光輝材を含まずとも、金属調色を呈することができ、さらに、顕著な干渉性をも提供することができる。これは、本発明において、従来の色変動性の問題のために自動車外板用パールマイカには適用されなかった特定明度のカラーベース塗膜層と、干渉性顔料(特に、干渉性シリカフレーク顔料)および二酸化チタン顔料を含む干渉性ベース塗膜層とを組み合わせることによって、達成することができる。また、従来では、マイカ塗膜において、干渉性顔料と二酸化チタン顔料とを組み合わせて使用することは行われていなかった。従って、本発明によって、従来にはない優れた意匠性、すなわち、明度の高い干渉性金属調色を提供することができる。
本発明の干渉性金属調色を示す複層塗膜は、上述の通り、ハイライト(25°)において、70〜100のL*値、−1〜+5のa*値および−10〜−2のb*値を有するが、本発明の複層塗膜が金属調色を示し、さらに顕著な干渉性を示すためには、下地塗膜となるカラーベース塗膜層のL*(25°)値および干渉性ベース塗膜層に含まれる二酸化チタン顔料の濃度(PWC)が重要な因子となる。従って、本発明において、顕著な干渉性を示す金属調色を得るためには、カラーベース塗膜層のL*(25°)値が67〜83であり、なおかつ、干渉性ベース塗膜層に含まれる二酸化チタン顔料の濃度(PWC)が0.1〜0.6質量%であることが必要である。
また、本発明の複層塗膜が顕著な干渉性を有する金属調色を呈するためには、複層塗膜形成時の「作業性」を考慮する必要がある。一般に、複層塗膜形成時の作業性が低下すると、塗膜にムラが生じ、意匠性が顕著に低下する。ムラの発生は、主に、干渉性顔料などの固形物を含む塗膜層の膜厚に依存する。従って、本発明では、干渉性ベース塗膜層の膜厚の変化およびそれに伴う複層塗膜のL*値、a*値およびb*値の変化から、作業性の指標(Total ΔE)を導き出した。
作業性の指標(Total ΔE)は、具体的には、以下の通り導き出すことができる。干渉性ベース塗膜層の膜厚は、上述の通り、15μmが最も好ましく、塗装時における膜厚変動として実際は±2μm程度が予測される。従って、干渉性ベース塗膜層の膜厚が13μm(=15μm−2μm)から17μm(=15μm+2μm)の間で変動した場合のそれに伴う複層塗膜のL*値、a*値およびb*値の変化から、作業性の指標(Total ΔE)を導き出した。
なお、明度L*値、色度a*値およびb*値は、それぞれ、図1の概略図に示すように、測定対象である塗膜に対して垂直位置にある受光部を0°として、光源を用いて、25°(ハイライト)、45°または75°(シェード)の角度から光を塗膜に照射することによって測定することができる。
(光源から25°の角度で光を照射する場合)
(1)干渉性ベース塗膜層の膜厚が13μmの場合の複層塗膜の25°におけるL*値、a*値およびb*値を測定する。
(2)干渉性ベース塗膜層の膜厚が17μmの場合の複層塗膜の25°におけるL*値、a*値およびb*値を測定する。
(3)干渉性ベース塗膜層の膜厚の変化(13〜17μm)に伴うL*値、a*値およびb*値の変化量ΔL(25°)、Δa(25°)およびΔb(25°)をそれぞれ以下の式を用いて求める。
ΔL(25°)=(干渉性ベース塗膜層の膜厚が13μmの場合の複層塗膜の25°におけるL*値)−(干渉性ベース塗膜層の膜厚が17μmの場合の複層塗膜の25°におけるL*値)
Δa(25°)=(干渉性ベース塗膜層の膜厚が13μmの場合の複層塗膜の25°におけるa*値)−(干渉性ベース塗膜層の膜厚が17μmの場合の複層塗膜の25°におけるa*値)
Δb(25°)=(干渉性ベース塗膜層の膜厚が13μmの場合の複層塗膜の25°におけるb*値)−(干渉性ベース塗膜層の膜厚が17μmの場合の複層塗膜の25°におけるb*値)
(4)ΔE(25°)をΔL(25°)、Δa(25°)およびΔb(25°)から次式に従って求める。
ΔE(25°)=[(ΔL(25°))+(Δa(25°))+(Δb(25°))1/2
光源から45°および75°の角度で光を照射する場合もそれぞれ同様にしてΔE(45°)およびΔE(75°)を決定する。
作業性の指標(Total ΔE)は、ΔE(25°)、ΔE(45°)およびΔE(75°)の総和であり、以下の式から計算によって求めることができる。
Total ΔE = ΔE(25°)+ΔE(45°)+ΔE(75°)
作業性の指標(Total ΔE)が3未満であると色変化が小さく安定していることを示し、3以上であると色変動が大きく不安定であることを示す。
本発明では、カラーベース塗膜層のL*(25°)値を67〜83とし、干渉性ベース塗膜層の二酸化チタン顔料の濃度をPWCで0.1〜0.6質量%、望ましくは0.2〜0.4質量%とすることにより、作業性、すなわち色変動安定性の指標(Total ΔE)が3未満となる。
また、本発明では、上述の通り、複層塗膜の明度L*(25°)値ならびに色度a*(25°)値およびb*(25°)値から、彩度C*(25°)値、すなわち、ハイライトにおける干渉性を評価することができ、C*(25°)値が6.5以上であると、顕著な干渉性を示す。
本発明では、明度L*(25°)値が67〜83のカラーベース塗膜層を下地として形成することによって、金属製光輝材を用いずとも金属感を与えることができる。従来の金属製光輝材を用いたメタリック塗膜には無機質な冷たい印象があり、さらにギラギラ感が強調されるが、本発明ではギラギラ感を抑えたやわらかなやさしい印象の金属感を与えることができる。さらに、カラーベース塗膜層上に、干渉性顔料および二酸化チタン顔料を含む干渉性ベース塗膜層を形成することによって、桃色から緑色へとゆるやかにやんわりと連続して変化する独特の干渉性を塗膜に付与することができる。特に、本発明では、上述の通り、特定明度のカラーベース塗膜層と特定の干渉性ベース塗膜層とを組み合わせることによって、シルバーメタリック塗膜によく似た明るい金属感の塗膜を提供することができ、しかも、独特のやわらかな、ふんわり、ぼんやりとした、あたかも霜が降りたような、やさしい色味を演出することができる。従って、本発明の複層塗膜によると、やわらかく包み込むような印象の意匠性を与えることができる。このような意匠性は、本発明によって初めて提供されるものであり、従来の塗料および塗装方法では全く得ることができないものである。
以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。尚、以下に於いて「部」とあるのは「重量部」を意味する。
製造例1:カラーベース塗料組成物の調製
熱硬化性ポリエステル樹脂(日本ペイント社製、水酸基価80、酸価8mgKOH/g、数平均分子量1800、固形分70質量%)48.8部、チタン白顔料「CR−97」(石原産業社製)50部、カーボンブラック「MA−100」(三菱カーボン社製)0.3部、シアニンブルー「シャニンブルー5240KB」(大日精化社製社製)0.1部およびキナクリドンレッド「シンカシャレッドY−RT−759D」(チバガイギー社製)0.1部を加えて均一分散し、更に、メラミン樹脂「ユーバン128」(三井サイテック社製)24.4部を加えて均一分散することによりカラーベース塗料組成物を得た。
製造例2:カラーベース塗料組成物の調製
熱硬化性ポリエステル樹脂(日本ペイント社製、水酸基価80、酸価8mgKOH/g、数平均分子量1800、固形分70質量%)48.8部、チタン白顔料「CR−97」(石原産業社製)50部、カーボンブラック「MA−100」(三菱カーボン社製)0.4部、シアニンブルー「シャニンブルー5240KB」(大日精化社製社製)0.1部およびキナクリドンレッド「シンカシャレッドY−RT−759D」(チバガイギー社製)0.1部を加えて均一分散し、更に、メラミン樹脂「ユーバン128」(三井サイテック社製)24.4部を加えて均一分散することによりカラーベース塗料組成物を得た。
製造例3:カラーベース塗料組成物の調製
熱硬化性ポリエステル樹脂(日本ペイント社製、水酸基価80、酸価8mgKOH/g、数平均分子量1800、固形分70質量%)48.8部、チタン白顔料「CR−97」(石原産業社製)50部、カーボンブラック「MA−100」(三菱カーボン社製)0.2部、シアニンブルー「シャニンブルー5240KB」(大日精化社製社製)0.1部およびキナクリドンレッド「シンカシャレッドY−RT−759D」(チバガイギー社製)0.1部を加えて均一分散し、更に、メラミン樹脂「ユーバン128」(三井サイテック社製)24.4部を加えて均一分散することによりカラーベース塗料組成物を得た。
製造例4:カラーベース塗料組成物の調製
熱硬化性ポリエステル樹脂(日本ペイント社製、水酸基価80、酸価8mgKOH/g、数平均分子量1800、固形分70質量%)48.8部、チタン白顔料「CR−97」(石原産業社製)50部、カーボンブラック「MA−100」(三菱カーボン社製)0.5部、シアニンブルー「シャニンブルー5240KB」(大日精化社製社製)0.1部およびキナクリドンレッド「シンカシャレッドY−RT−759D」(チバガイギー社製)0.1部を加えて均一分散し、更に、メラミン樹脂「ユーバン128」(三井サイテック社製)24.4部を加えて均一分散することによりカラーベース塗料組成物を得た。
製造例5:カラーベース塗料組成物の調製
熱硬化性ポリエステル樹脂(日本ペイント社製、水酸基価80、酸価8mgKOH/g、数平均分子量1800、固形分70質量%)48.8部、チタン白顔料「CR−97」(石原産業社製)50部、カーボンブラック「MA−100」(三菱カーボン社製)0.1部、シアニンブルー「シャニンブルー5240KB」(大日精化社製社製)0.1部およびキナクリドンレッド「シンカシャレッドY−RT−759D」(チバガイギー社製)0.1部を加えて均一分散し、更に、メラミン樹脂「ユーバン128」(三井サイテック社製)24.4部を加えて均一分散することによりカラーベース塗料組成物を得た。
製造例6:干渉性ベース塗料組成物の調製
日本ペイント社製アクリルエマルション(平均粒子径150nm、不揮発分20%、固形分酸価20mgKOH/g、水酸基価40mgKOH/g)236部、ジメチルエタノールアミン10質量%水溶液10部、日本ペイント社製水溶性アクリル樹脂(不揮発分30.0%、固形分酸価40mgKOH/g、水酸基価50mgKOH/g)31.9部、プライムポールPX−1000(三洋化成工業社製2官能ポリエーテルポリオール、数平均分子量400、水酸基価278mgKOH/g、一級/二級水酸基価比=63/37、不揮発分100%)8.6部、サイメル204(三井サイテック社製混合アルキル化型メラミン樹脂、不揮発分100%)24.3部、ラウリルアシッドフォスフェート0.2部、干渉性シリカフレーク顔料「Colorstream T20−01」(メルク社製、干渉性ピンク−グリーンシリカフレーク顔料)10部およびチタン白顔料「CR−97」(石原産業社製)0.3部を加えて均一分散することにより水性干渉性ベース塗料組成物を調製した。
製造例7:干渉性ベース塗料組成物の調製
製造例6に従って、チタン白顔料「CR−97」(石原産業社製)を0.2部使用し、それ以外は製造例6と同様に水性干渉性ベース塗料組成物を調製した。
製造例8:干渉性ベース塗料組成物の調製
製造例6に従って、チタン白顔料「CR−97」(石原産業社製)を0.4部使用し、それ以外は製造例6と同様に水性干渉性ベース塗料組成物を調製した。
製造例9:干渉性ベース塗料組成物の調製
製造例6に従って、干渉性シリカフレーク顔料「Colorstream T20−01」(メルク社製)5部および干渉ホワイトマイカ顔料「Iriodin 103」(メルク社製)5部を使用し、それ以外は製造例6と同様に水性干渉性ベース塗料組成物を調製した。
製造例10:干渉性ベース塗料組成物の調製
製造例6に従って、チタン白顔料「CR−97」(石原産業社製)0部を使用し、すなわち、使用せず、それ以外は製造例6と同様に水性干渉性ベース塗料組成物を調製した。
製造例11:干渉性ベース塗料組成物の調製
製造例6に従って、チタン白顔料「CR−97」(石原産業社製)1.0部を使用し、それ以外は製造例6と同様に水性干渉性ベース塗料組成物を調製した。
製造例12:干渉性ベース塗料組成物の調製
製造例6に従って、干渉性顔料として、干渉性シリカフレーク顔料「Colorstream T20−01」(メルク社製)の代わりに、干渉ホワイトマイカ顔料「Iriodin 103」(メルク社製)10部のみを使用し、それ以外は製造例6と同様に水性干渉性ベース塗料組成物を調製した。
実施例1:複層塗膜形成
30cm×40cm、厚み0.8mmのダル鋼板をリン酸亜鉛処理した後、カチオン電着塗料「パワートップV−6」(日本ペイント社製)を電着塗装し、170℃で20分間加熱硬化し、乾燥膜厚25μmの電着塗膜を形成した。
製造例1で調製したカラーベース塗料組成物を希釈(22秒/#4FC/20℃/N−179シンナー)し、電着塗膜の上に、乾燥膜厚が30μmとなるように、外部印加型の「メタベル」を用いて、印加電圧−60kV、回転数25000rpm、シェービングエアー圧1.5kg/cm、吐出量200cc/分で2ステージ塗装した。その後、7分間のセッティングの後、140℃の乾燥機内で30分間焼き付け硬化し、乾燥膜厚30μmの硬化カラーベース塗膜を形成した。
製造例6で調製した干渉性ベース塗料組成物を希釈(45秒/#4FC/イオン交換水)し、上記カラーベース塗膜の上に乾燥膜厚15μmとなるように、外部印加型の「メタベル」を用いて、印加電圧−60kV、回転数25000rpm、シェービングエアー圧1.5kg/cm、吐出量200cc/分で2ステージ塗装した。
その後、3分間のセッティングの後、80℃で3分間プレヒートを行った。
次に、「スーパーラック O−150クリヤー」(日本ペイント社製アクリルメラミン硬化型溶剤クリヤー塗料組成物)を未硬化の干渉性ベース塗膜の上にウェット・オン・ウェットで乾燥膜厚35μmとなるように、「マイクロマイクロベル」を用いて印加電圧−90kV、回転数30000rpm、シェービングエアー圧1.5kg/cm、吐出量280cc/分で塗装した。7分間のセッティングの後、140℃の乾燥機内で30分間焼き付け硬化を行った。
実施例2〜6および比較例1〜5:複層塗膜形成
以下の表に示す成分を用いて、実施例1と同様にして、実施例2〜6および比較例1〜5の複層塗膜を実施例1に従って形成した。
Figure 2011045855
Figure 2011045855
Figure 2011045855
表中、カラーベース塗膜層のL*(25°)値は「CM512m−3」(ミノルタ社製変角色差計)を用いて測定した。
また、実施例1〜6および比較例1〜5の複層塗膜の25°での明度(L*値)および色度(a*値およびb*値)をミノルタ社製変角色差計「CM512m−3」を用いて測定し、複層塗膜の明度L*(25°)値および彩度C*(25°)値をJIS Z8729に準拠して決定した。
また、本発明の複層塗膜の意匠性をC*(25°)値によって評価した。なお、C*(25°)値は、ハイライトでの干渉性を示す指標である。結果を以下の表に示す。
意匠性の評価基準
良好(○):C*(25°)値=6.5以上
不良(×):C*(25°)値=6.5未満
さらに、実施例1〜6および比較例1〜5の複層塗膜に含まれる干渉性ベース塗膜層の厚み15μmを±2μm(すなわち13μmおよび17μm)で変動させた場合の複層塗膜のL*値、a*値およびb*値をそれぞれ25°、45°および75°において測定し、膜厚変動によるL*値、a*値およびb*値の変動値(ΔL、ΔaおよびΔb)をそれぞれ25°、45°および75°において決定した。25°、45°および75°におけるΔL、ΔaおよびΔbから、それぞれ、25°、45°および75°におけるΔEをそれぞれ決定し、その総和として、作業性の指標(Total ΔE=ΔE(25°)+ΔE(45°)+ΔE(75°))を決定した。結果を以下の表に示す。
作業性の評価基準
良好(○):Total ΔE=3未満
不良(×):Total ΔE=3以上
Figure 2011045855
Figure 2011045855
表中、複層塗膜の25°でのC*値、L*値、a*値およびb*値はそれぞれ「CM512m−3」(ミノルタ社製変角色差計)を用いて測定した。また、Total ΔEは上述の通り決定した。
本発明の実施例1〜6の複層塗膜は、25°でのL*値が70〜100であり、a*値が−1〜+5であり、b*値が−10〜−2あり、金属調色を呈し、さらに優れた干渉性をも有する。また、本発明の実施例1〜6の複層塗膜は、C*(25°)値(ハイライトでの干渉性)が6.5以上であり、顕著な干渉性を有し、さらに優れた意匠性、具体的には、干渉色が桃色から緑色へとゆるやかにやわらかく連続して変化する意匠性を塗膜に提供することができる。本発明の複層塗膜では、上記の表に示す通り、カラーベース塗膜層のL*(25°)値が67〜83であり、なおかつ、干渉性ベース塗膜層に含まれる二酸化チタン顔料の濃度(PWC)が0.1〜0.6質量%であり、これによって、上記独特の優れた意匠性を提供することができる。
対して、比較例1では、干渉性ベース塗膜層が二酸化チタン顔料を含まないので、作業性が低下し、優れた色変動性および意匠性を提供することができない。
比較例2では、干渉性ベース塗膜層における二酸化チタン顔料が(PWC)が1.0質量%であり、本発明の規定量(0.1〜0.6質量%)を逸脱しているので、意匠性が著しく低下する。
比較例3では、干渉性ベース塗膜層において、干渉性顔料として、従来の干渉ホワイトマイカ顔料のみを含むが、従来の干渉ホワイトマイカ顔料だけでは、顕著な干渉性が得られない。
比較例4では、カラーベース塗膜層のL*(25°)値が65であり、本発明の規定範囲67〜83を逸脱しているので、作業性が低下し、優れた色変動性および意匠性を提供することができない。
比較例5では、カラーベース塗膜層のL*(25°)値が85であり、本発明の規定範囲67〜83を逸脱しているので、意匠性が著しく低下する。
従って、比較例では、カラーベース塗膜層のL*(25°)値が本発明の規定範囲67〜83を逸脱、あるいは、干渉性ベース塗膜層に含まれる二酸化チタン顔料が(PWC)が本発明の規定量(0.1〜0.6質量%)を逸脱しても、意匠性および/または作業性が著しく低下し、優れた意匠性および色変動性を得ることができない。
本発明では、従来の自動車外板用3コートパールでは色変動性の問題から適用されなかった特定明度のカラーベース塗膜層(L*(25°)値:67〜83)の適用と二酸化チタン顔料を含む干渉性ベース塗膜層とを組み合わせることによって、従来の塗料および塗装方法では得られない優れた意匠性と色変動性とを有する複層塗膜を提供することができる。
本発明の複層塗膜では、25°のL*値が67〜83のカラーベース塗膜層と、干渉性シリカフレーク顔料および二酸化チタン顔料を含む干渉性ベース塗膜層とを組み合わせることによって、桃色から緑色へとゆるやかにやんわりと連続して変化する独特の干渉性を塗膜に付与することができる。特に、本発明では、シルバーメタリック塗膜によく似た金属感を提供することができ、しかも、独特のやわらかな、ふんわり、ぼんやりとした、あたかも霜が降りたような、やさしい色味を提供することができる。従って、本発明の複層塗膜によると、やわらかくやさしく包み込むような意匠性を与えることができ、高級車などの高い質感が求められる分野において非常に有益となる。

Claims (6)

  1. 基材上にカラーベース塗膜層を形成し、前記カラーベース塗膜層上に干渉性ベース塗膜層を形成し、さらにその上にクリヤー塗膜層を形成する複層塗膜の形成方法であって、
    前記カラーベース塗膜層において、前記カラーベース塗膜層に含まれる顔料の濃度(PWC)が10〜70質量%であり、L*(25°)値が67〜83であり、
    前記干渉性ベース塗膜層が、干渉性シリカフレーク顔料を含む干渉性顔料および二酸化チタン顔料を含み、前記干渉性ベース塗膜層において、前記干渉性顔料の濃度(PWC)が3〜15質量%であり、前記二酸化チタン顔料の濃度(PWC)が0.1〜0.6質量%であり、
    前記複層塗膜のL*(25°)値が70〜100であり、a*(25°)値が−1〜+5であり、b*(25°)値が−10〜−2であり、干渉性金属調色を呈する、
    複層塗膜の形成方法。
  2. 前記干渉性顔料が、さらに、マイカ顔料、アルミナフレーク顔料およびガラスフレーク顔料からなる群から選択される1種以上の鱗片状透明顔料を含む、請求項1に記載の複層塗膜の形成方法。
  3. 前記干渉性シリカフレーク顔料と前記鱗片状透明顔料の質量比(前記干渉性シリカフレーク顔料/前記鱗片状透明顔料)が、100/0〜30/70である、請求項2に記載の複層塗膜の形成方法。
  4. 前記干渉性シリカフレーク顔料と前記鱗片状透明顔料の質量比(前記干渉性シリカフレーク顔料/前記鱗片状透明顔料)が、95/5〜40/60である、請求項2または3に記載の複層塗膜の形成方法。
  5. 前記カラーベース塗膜層において、前記カラーベース塗膜層に含まれる顔料の濃度(PWC)が25〜60質量%であり、L*(25°)値が70〜80である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の複層塗膜の形成方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の複層塗膜の形成方法により得られる複層塗膜。
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