JP2012011302A - 複層塗膜の形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被塗物上に、ホワイトカラーベース塗膜を形成し、鱗片状光輝性顔料を含む光輝性ベース塗膜を形成し、更にクリヤー塗膜を形成する、複層塗膜の形成方法であって;上記鱗片状光輝性顔料は、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料(a1)、および金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料および/または金属酸化物被覆マイカフレーク顔料(a2)、を少なくとも含有するものであり;上記金属酸化物被覆シリカフレーク顔料(a1)が、入射角15°および受光角−5°のハイライト部で奏でる干渉色の色相をマンセル色相環100の基準(0位置)として、色相環を左回り−50および右回り+50で表示した場合、上記金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料および/または金属酸化物被覆マイカフレーク顔料(a2)は、−10〜−30の色相範囲、または+10〜+30の色相範囲の干渉色を奏でる顔料である;複層塗膜の形成方法。
【選択図】なし
Description
被塗物上に、ホワイトカラーベース塗膜を形成し、鱗片状光輝性顔料を含む光輝性ベース塗膜を形成し、更にクリヤー塗膜を形成する、複層塗膜の形成方法であって、
上記鱗片状光輝性顔料は、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料(a1)、および金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料および/または金属酸化物被覆マイカフレーク顔料(a2)、を少なくとも含有するものであり、
上記金属酸化物被覆シリカフレーク顔料(a1)が、入射角15°および受光角−5°のハイライト部で奏でる干渉色の色相をマンセル色相環100の基準(0位置)として、色相環を左回り−50および右回り+50で表示した場合、上記金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料および/または金属酸化物被覆マイカフレーク顔料(a2)は、−10〜−30の色相範囲、または+10〜+30の色相範囲の干渉色を奏でる顔料である、
複層塗膜の形成方法、
を提供するものであり、これにより上記目的が達成される。
本発明の方法において、上記ホワイトカラーベース塗膜は、被塗物上に形成される塗膜であり、被塗物に白色を付す塗膜である。上記ホワイトカラーベース塗膜を形成するためにホワイトカラーベース塗料組成物が用いられる。上記ホワイトカラーベース塗料組成物として、着色顔料、塗膜形成性樹脂、必要に応じた硬化剤そして他の成分を含有するものを挙げることができる。
上記着色顔料は、白色系顔料を含む。白色系顔料として、例えば二酸化チタンなどを挙げることができる。上記白色系顔料の含有量は、顔料濃度(PWC)で下限20質量%、上限75質量%であることが好ましい。20質量%未満であると、下地隠蔽性が低下するおそれがある。75質量%を超えると、外観が低下するおそれがある。上記白色系顔料を上記範囲で含有することによって、マンセル値でN7〜N9.5の、いわゆるホワイトカラーベース塗膜を形成することができる。上記下限は30質量%であることがより好ましく、上記上限は65質量%であることがより好ましい。
上記塗膜形成性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂などが挙げられ、特に、アクリル樹脂およびポリエステル樹脂が好ましく用いられる。これらは、2種以上を組み合わせて使用することができる。また、上記塗膜形成性樹脂には、硬化性を有するタイプとラッカータイプとがあるが、通常は硬化性を有するタイプのものが使用される。硬化性を有するタイプの場合には、アミノ樹脂および/またはブロックイソシアネート化合物、アミン系、ポリアミド系、多価カルボン酸などの硬化剤(または架橋剤)と混合して使用に供され、加熱または常温で硬化反応を進行させることができる。また、硬化性を有しないタイプの塗膜形成性樹脂を、硬化性を有するタイプと併用することも可能である。
アクリル樹脂としては、アクリル系モノマーの共重合体、あるいは、アクリル系モノマーと他のエチレン性不飽和モノマーとの共重合体を挙げることができる。上記共重合に使用し得るアクリル系モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸またはメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、フェニル、ベンジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピルなどのエステル化物、アクリル酸またはメタクリル酸2−ヒドロキシエチルのカプロラクトンの開環付加物、アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN−メチロールアクリルアミドなどが挙げられる。これらと共重合可能な他のエチレン性不飽和モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン(またはダイマー)、イタコン酸、マレイン酸、酢酸ビニルなどが挙げられる。また、当業者に公知の方法である、例えば特開2007−39615号公報に開示の方法に従って、アクリル樹脂を水性エマルション化して水性塗料とすることが好ましい。
ポリエステル樹脂としては、飽和ポリエステル樹脂や不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられ、例えば、多塩基酸と多価アルコールを加熱縮合して得られた縮合物が挙げられる。多塩基酸としては、例えば、飽和多塩基酸、不飽和多塩基酸などが挙げられ、飽和多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸、テレフタル酸、コハク酸などが挙げられ、不飽和多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。多価アルコールとしては、例えば、二価アルコール、三価アルコールなどが挙げられ、二価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどが挙げられ、三価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
アルキド樹脂としては、上記多塩基酸と多価アルコールにさらに油脂・油脂脂肪酸(大豆油、アマニ油、ヤシ油、ステアリン酸など)、天然樹脂(ロジン、コハクなど)などの変性剤を反応させて得られたアルキド樹脂を用いることができる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールとエピクロルヒドリンの反応によって得られる樹脂などを挙げることができる。ビスフェノールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどが挙げられる。上記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、エピコート828、エピコート1001、エピコート1004、エピコート1007、エピコート1009(いずれも、シェルケミカル社製)などが挙げられ、またこれらを適当な鎖延長剤を用いて鎖延長したものも用いることができる。
ポリウレタン樹脂としては、アクリル、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネートなどの各種ポリオール成分とポリイソシアネート化合物とによって得られるウレタン結合を有する樹脂を挙げることができる。上記ポリイソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、およびその混合物(TDI)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(4,4’−MDI)、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート(2,4’−MDI)、およびその混合物(MDI)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジシクロへキシルメタン・ジイソシアネート(水素化HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、へキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水素化キシリレンジイソシアネート(HXDI)などを挙げることができる。
ポリエーテル樹脂としては、エーテル結合を有する重合体または共重合体であり、ポリオキシエチレン系ポリエーテル、ポリオキシプロピレン系ポリエーテル、ポリオキシブチレン系ポリエーテルもしくはビスフェノールAあるいはビスフェノールFなどの芳香族ポリヒドロキシ化合物から誘導されるポリエーテルなどの1分子当たりに少なくとも2個の水酸基を有するポリエーテル樹脂を、または上記ポリエーテル樹脂とコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸などの多価カルボン酸類、あるいは、これらの酸無水物などの反応性誘導体とを反応させて得られるカルボキシル基含有ポリエーテル樹脂を挙げることができる。
本発明で使用することのできるホワイトカラーベース塗料組成物には、上記成分の他に、脂肪族アミドの潤滑分散体であるポリアミドワックスや酸化ポリエチレンを主体としたコロイド状分散体であるポリエチレンワックスなどの沈降防止剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、シリコンや有機高分子などの表面調整剤、タレ止め剤、増粘剤、消泡剤、滑剤、有機アマイド、架橋樹脂粒子などを適宜添加することができる。これらの添加剤は、通常、塗膜形成性樹脂および硬化剤の総量100質量部(固形分基準)に対して、一般に15質量部以下の割合で配合することにより、塗料や塗膜の性能を改善することができる。
本発明の方法において、上記光輝性ベース塗膜は、光輝性ベース塗料組成物を用いて形成される。この光輝性ベース塗料組成物は、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料(a1)、および金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料および/または金属酸化物被覆マイカフレーク顔料(a2)を少なくとも含有する鱗片状光輝性顔料が含まれる。
本発明は、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料(a1)、および金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料および/または金属酸化物被覆マイカフレーク顔料(a2)を鱗片状光輝性顔料として用いることを特徴とする。この金属酸化物被覆シリカフレーク顔料(a1)は、天然または合成のシリカフレーク(二酸化ケイ素:SiO2)に、二酸化チタン(TiO2)を主成分とする金属酸化物を、望ましくは均一に被覆することによって製造することができる。
本発明は、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料および/または金属酸化物被覆マイカフレーク顔料(a2)を鱗片状光輝性顔料の1種として用いることを特徴とする。この金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料は、天然または合成のアルミナフレーク(酸化アルミニウム:Al2O3)に、二酸化チタン(TiO2)を主成分とする金属酸化物を、望ましくは均一に被覆することによって製造することができる。また金属酸化物被覆マイカフレーク顔料は、天然または合成のマイカフレークに、二酸化チタン(TiO2)を主成分とする金属酸化物を、望ましくは均一に被覆することによって製造することができる。
またマイカフレークの屈折率は1.58であり、二酸化チタンの屈折率は2.30であるため、基材であるマイカフレークと被覆層である金属酸化物層との間に0.5以上の屈折率差が生じ、これにより視認性に優れた干渉色が発現することとなる。この金属酸化物層は、二酸化チタン以外の金属酸化物を含んでもよい。このような金属酸化物として、例えば酸化ジルコニウム(屈折率2.40)、酸化鉄(屈折率2.36)、二酸化スズ(屈折率1.98)、酸化亜鉛(2.0)などが挙げられる。
本発明の方法において、上記クリヤー塗膜は、クリヤー塗料組成物を用いて形成される。本発明の方法で使用することのできるクリヤー塗料組成物としては、特に限定はなく、上塗り塗装用として一般に使用されているクリヤー塗料組成物を用いることができ、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂およびこれらの変性樹脂などから選ばれた少なくとも1種の熱硬化性樹脂そして必要に応じた上記硬化剤を含むものなどを用いることができる。
本発明の方法は、被塗物上に、ホワイトカラーベース塗膜、鱗片状光輝性顔料を含む光輝性ベース塗膜、クリヤー塗膜を順次形成する方法である。
本発明の複層塗膜の形成方法において用いられる被塗物としては、特に限定されるものでなく、鉄、アルミニウム、マグネシウム、銅、スズ、亜鉛またはこれらの合金などの金属類およびその成形品;ガラス、セメント、コンクリートなどの無機材料;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂などの樹脂類や各種のFRPなどのプラスチック材料およびその成形品または発泡体;木材、繊維材料(紙、布など)などの天然または合成材料などが挙げられる。被塗物は、本発明によって得られる少なくとも3色性の意匠を効果的に発現するため、例えば、乗用車、トラック、オートバイ、バスなどの自動車車体および部品(自動車のボディ、ドアなど)のように、曲面を有しているものであることが好ましい。また、プラスチック成形品としては、具体的には、スポイラー、バンパー、ミラーカバー、グリル、ドアノブなどの自動車部品などを挙げることができる。さらに、これらのプラスチック成形品は、トリクロロエタンで蒸気洗浄または中性洗剤で洗浄されたものが好ましい。また、さらに、静電塗装を可能にするためのプライマー塗装が施されていてもよい。
本発明の方法においては、上記被塗物上に、上記ホワイトカラーベース塗料組成物を塗装して硬化させた後に、光輝性ベース塗料組成物およびクリヤー塗料組成物をこの順でウェットオンウェットで塗装し、次いでこれらの塗膜を同時に硬化させる、3コート2ベークの方法で塗膜形成を行うことが好ましい。また、次のような3コート1ベーク塗装方法にも適用できる。すなわち、上記被塗物上に、上記ホワイトカラーベース塗料組成物を塗装し、次に光輝性ベース塗料組成物をウェットオンウェットで塗装し、さらにクリヤー塗料組成物をウェットオンウェットで塗装して、3層同時に硬化させる塗膜形成方法である。
オルガP−30ホワイトカラーベース塗料(商品名、日本ペイント社製)を用いて、塗装前に25秒/20℃になるようにNo.4フォードカップで粘度調整した。このホワイトカラーベース塗料組成物の白色系顔料含有量(PWC)は45質量%であった。
窒素導入管、撹拌機、温度調節機、滴下ロートおよび冷却管を備えた2Lの反応容器にプロピレングリコールエチルエーテル450部を仕込んで、温度を107℃とした。次に、アクリルアミド100部をプロピレングリコールメチルエーテル200部に溶かし、これにスチレン50部、2−エチルヘキシルメタクリレート200部、n−ブチルアクリレート313部、メタクリル酸77部、プラクセルFM−1(商品名、水酸基含有重合性単量体、ダイセル社製)260部およびt−ブチルパーオキシ−2−ヘキサノエート8部を混合することによりモノマー溶液を別途調製した。このモノマー溶液を反応容器に、撹拌下、3時間かけて滴下した後、30分間撹拌を継続し、更にt−ブチルパーオキシ−2−ヘキサノエート5部とプロピレングリコールメチルエーテル50部との混合液を15分間で滴下した後、1時間攪拌を継続し、樹脂固形分が59%、数平均分子量13000、水酸基価60および酸価50mgKOH/gのアクリル樹脂を得た。
このアクリル樹脂500部を、樹脂固形分が75%になるまで脱溶剤し、ジメチルエタノールアミン23.4部およびイオン交換水925部を加えて、樹脂固形分が22%の水溶性アクリル樹脂を得た。
光輝性ベース塗料組成物の製造
上述の製造例2で得られた水溶性アクリル樹脂273部に、鱗片状光輝性顔料である「Colorstream T20−02WNT Arctic Fire」(金属酸化物被覆シリカフレーク顔料(a1)、メルクジャパン社製)5部、および「Xirallic T60−23WNT Galaxy Blue」(金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料(a2)、メルクジャパン社製)5部を加えて均一分散し、更に、メラミン樹脂「サイメル202」(三井サイテック社製)50部およびアクリル系表面調整剤0.20部を加えて均一分散することにより、光輝性ベース塗料組成物を得た。
リン酸亜鉛処理した厚さ0.8cm、20cm×30cmのダル鋼板に、カチオン電着塗料「パワートップU−50」(日本ペイント社製)を、乾燥膜厚が20μmとなるように電着塗装し、160℃で30分間焼き付けた。次に、得られた電着塗膜上に、グレー色の中塗り塗料「オルガP−2グレー」(ポリエステル・メラミン樹脂系塗料、日本ペイント社製)を、乾燥膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装し、140℃で20分間焼き付け下地塗膜を作成した。
得られた中塗り塗膜上に、上述の製造例1で得られたホワイトカラーベース塗料組成物を、乾燥膜厚が15μmとなるように、2分間隔の2ステージで「オートREA」(ランズバーグ社製エアー静電塗装機)により塗装し、8分間のインターバルの後、140℃で20分間焼き付け硬化させた。得られたホワイトカラーベース塗膜の色相はマンセル表示でN9であった。
次いで、上記により得られた光輝性ベース塗料組成物を、乾燥膜厚が15μmとなるように、2ステージ塗装した。2回の塗布の間に、1.5分間のインターバルを行った。2回目の塗布後、3分間セッティングを行った後、80℃で3分間プレヒートを行った。次いで、クリヤー塗料組成物である「MAC O−1820クリヤー」(酸・エポキシ硬化型アクリル樹脂系塗料、日本ペイント社製)を、乾燥膜厚が30μmとなるように、μμベルにより回転霧化型静電塗装した。その後、140℃で20分間焼き付け、評価用塗膜を作成した。
上記光輝性ベース塗料組成物中の鱗片状光輝性顔料である「Xirallic T60−23WNT Galaxy Blue」および「Colorstream T20−02WNT Arctic Fire」を、表1に示す種類の顔料および含有量に変更した以外は、実施例1と同様にして評価用塗膜を作成した。
(株)村上色彩技術研究所製「三次元変角分光測色システムGCMS−4」を用いて、入射角および受光角を図2に示す通り変更させた。得られた評価用塗膜を用いて、入射角15°:受光角−5°(ハイライト)、入射角35°:受光角−25°(中間)、入射角60°:受光角−50°(シェード)における色相について、a*値およびb*値を測定した。
上記a*およびb*は、L*a*b*表色系(CIE 1976)による、被測定物の色を表すのに用いられる指標である。このa*およびb*は、JIS Z8729に準拠して求められる。a*およびb*は、クロマティクネス指数と呼ばれ、色の方向を表す。a*は0を基準とし、数値がマイナスになる場合は被測定物質の色相において緑色度が、数値がプラスになる場合は赤色度が増すことを意味する。またb*は0を基準とし、数値がマイナスになる場合は被測定物質の色相が青色度を、プラスになる場合は黄色度を増すことを意味する。なおa*およびb*ともに0の場合は、色味がない無彩色となる。
村上色彩研究所社製の三次元変角分光測色システムGCMS−4を用いて図2に示す通り、入射角15°:受光角−5°(ハイライト)、入射角35°:受光角−25°(中間)、および入射角60°:受光角−50°(シェード)の位置で評価塗膜を観察した。
こうして観察された色相について、1943年に米国光学会(Optical Society of America)の測色委員会で尺度が示された色票集の色見本に基づき、目視による対比評価を行うことによって決定した。
上記評価を総合的に勘案し、以下の基準で評価した。
○:視認角度に従い反射色の色相が変化し、3色の色相を認識できる。
×:視認角度を変えても3色の色相を認識することができない。
比較例1、2は、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料および/または金属酸化物被覆マイカフレーク顔料のみで3色の発現を試みた実験例である。これらの比較例1、2においては、ハイライド部でターコイズの色相が認識できたものの、中間部およびシェード部では特定の色相を認識することができなかった。これは、ハイライト部においては、ブルー/レッド/グリーンの3色の並置加法混色が生じてターコイズの色相が認識され、そして中間部およびシェード部では加法混色が生じて特定の色相を認識することができなかったものと考えられる。
比較例3は、2色の干渉色を奏でる金属酸化物被覆シリカフレーク顔料(a1)のみを用いた実験例である。この場合、ハイライト部とシェード部とを比較すると大きな色相の変化は確認できるものの、ハイライト部と中間部ではほぼ同じ色相が確認された。このため、視認角度を変えても3色の色相を認識することはできなかった。
比較例4は、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料および/または金属酸化物被覆マイカフレーク顔料(a2)のみで3色の発現を試みた実験例である。比較例4においては、ハイライト部でイエローの色相が認識できたものの、中間部およびシェード部では特定の色相を認識することができなかった。これは、ハイライト部においては最も発色が強いイエローのみが認識され、そして中間部およびシェード部では加法混色が生じて特定の色相を認識することができなかったものと考えられる。
比較例5は、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料および/または金属酸化物被覆マイカフレーク顔料のみで3色の発現を試みた実験例である。比較例5においては、ハイライト部でブルーの色相が認識できたものの、中間部およびシェード部では特定の色相を認識することができなかった。これは、ハイライト部においては最も発色が強いブルーのみが認識され、そして中間部およびシェード部では加法混色が生じて特定の色相を認識することができなかったものと考えられる。
Claims (4)
- 被塗物上に、ホワイトカラーベース塗膜を形成し、鱗片状光輝性顔料を含む光輝性ベース塗膜を形成し、更にクリヤー塗膜を形成する、複層塗膜の形成方法であって、
前記鱗片状光輝性顔料は、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料(a1)、および金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料および/または金属酸化物被覆マイカフレーク顔料(a2)、を少なくとも含有するものであり、
前記金属酸化物被覆シリカフレーク顔料(a1)が、入射角15°および受光角−5°のハイライト部で奏でる干渉色の色相をマンセル色相環100の基準(0位置)として、色相環を左回り−50および右回り+50で表示した場合、前記金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料および/または金属酸化物被覆マイカフレーク顔料(a2)は、−10〜−30の色相範囲、または+10〜+30の色相範囲の干渉色を奏でる顔料である、
複層塗膜の形成方法。 - 前記金属酸化物被覆シリカフレーク顔料(a1)は、入射角15°および受光角−5°のハイライト部で奏でる干渉色の色相をマンセル色相環100の基準(0位置)として、色相環を左回り−50および右回り+50で表示した場合、入射角60°および受光角−50°のシェード部で奏でる干渉色の色相が−30〜−50の色相範囲または+30〜+50の色相範囲を奏でる顔料である、請求項1記載の複層塗膜の形成方法。
- 前記金属酸化物被覆シリカフレーク顔料(a1)および前記金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料および/または金属酸化物被覆マイカフレーク顔料(a2)の合計顔料濃度(PWC)は1〜30質量%であり、前記金属酸化物被覆シリカフレーク顔料(a1)と前記金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料および/または金属酸化物被覆マイカフレーク顔料(a2)との質量比は、(a1)/(a2)=7/3〜3/7である、請求項1または2記載の複層塗膜の形成方法。
- 請求項1〜3いずれかに記載の複層塗膜の形成方法により得られた複層塗膜。
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