JP2012017364A - メタリック塗料組成物及び塗膜形成方法 - Google Patents
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Abstract
各種工業製品、特に自動車の外板に適用できる全体に高彩度で、粒子感があり、深み感に優れる塗膜を形成可能な塗料組成物及び塗膜形成方法を提供することである。
【解決手段】本発明は、半透明な鱗片状基材を金属酸化物で被覆した鱗片状干渉顔料を2種類以上含有する塗料組成物であって、該鱗片状干渉顔料として、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料又は金属酸化物被覆マイカ顔料と、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料とを含むメタリック塗料組成物及び基材上に該メタリック塗料組成物を塗装しさらにクリヤー塗料を塗装する塗膜形成方法に関するものである。
【選択図】なし
Description
1.半透明な鱗片状基材を金属酸化物で被覆した鱗片状干渉顔料を2種類以上含有する塗料組成物であって、該鱗片状干渉顔料として、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料又は金属酸化物被覆マイカ顔料と、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料とを含むメタリック塗料組成物、
2.金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料又は金属酸化物被覆マイカ顔料と、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料との、塗膜に対して45度から照射した光を正反射光に対して25度で受光したときのL*C*h表色系における色相角度の差Δhが90〜180度の範囲内である1項に記載のメタリック塗料組成物、
3.金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料の平均粒子径が15〜50μmの範囲内である1項又は2項に記載のメタリック塗料組成物、
4.半透明な鱗片状基材を金属酸化物で被覆した鱗片状干渉顔料の合計含有量が、塗料組成物中のビヒクル形成成分である樹脂固形分100質量部に対して固形分として0.1〜25質量部の範囲内である1〜3項に記載のメタリック塗料組成物、
5.金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料又は金属酸化物被覆マイカ顔料と。金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料の質量比が、前者/後者の比で、10/1〜1/5の範囲内である1〜4項に記載のメタリック塗料組成物
6.基材に、1〜5項に記載されたメタリック塗料組成物を塗装し、さらにクリヤー塗料を塗装する塗膜形成方法
に関する。
塗膜及び中塗り塗膜を加熱し、架橋硬化後に前述のメタリック塗料組成物を塗装することができる。あるいは、下塗り塗膜を加熱し、架橋硬化後に中塗り塗膜を形成せしめ、中塗り塗膜が未硬化の状態で、前述のメタリック塗料組成物を塗装することもできる。又は、下塗り塗膜及び中塗り塗膜が未硬化の状態で前述のメタリック塗料組成物を塗装してもよい。
えば、基体樹脂及び架橋剤を含有する液状もしくは粉体状の塗料組成物が適用できる。基
体樹脂の例としては、水酸基、カルボキシル基、シラノ−ル基、エポキシ基などの架橋性
官能基を含有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、フッ素樹脂、ウレ
タン樹脂、シリコン含有樹脂などが挙げられる。架橋剤としては、前記基体樹脂の官能基
と反応しうるメラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネ−ト化合物、ブロックポリイソシ
アネ−ト化合物、エポキシ化合物又は樹脂、カルボキシル基含有化合物又は樹脂、酸無水
物、アルコキシシラン基含有化合物又は樹脂等が挙げられる。また、必要に応じて、水や
有機溶剤等の溶媒、硬化触媒、消泡剤、紫外線吸収剤、レオロジーコントロール剤、酸化
防止剤、表面調整剤等の添加剤を適宜配合することができる。
を適時配合することができる。着色顔料としては、インク用、塗料用として従来公知の顔
料を1種あるいは2種以上を組み合わせて配合することができる。その添加量は、適宜決
定されて良いが、クリヤー塗膜中の樹脂固形分100質量部に対して、固形分として30
質量部以下、好ましくは0.01〜15質量部、特に好ましくは0.01〜10質量部の範
囲内である。
(製造例1)水酸基含有アクリル樹脂の製造
温度計、サーモスタット、撹拌器、還流冷却器及び滴下装置を備えた反応容器にエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート50部を仕込み、撹拌混合し、135℃に昇温した。次いで下記のモノマー/重合開始剤の混合物を3時間かけて、同温度に保持した反応容器内に滴下し、滴下終了後1時間熟成を行なった。その後、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート10部、2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.6部からなる混合物を135℃に保持した反応容器内に1時間30分かけて滴下し、さらに2時間熟成した。次にエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートを減圧下で留去し、樹脂固形分65質量%の水酸基含有アクリル樹脂溶液を得た。得られた水酸基含有樹脂は、水酸基価54mgKOH/g、数平均分子量20,000であった。ここで数平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって標準ポリスチレンの検量線を用いて測定したものを意味する。
モノマー/重合開始剤の混合物:
メチルメタクリレ−ト38部、エチルアクリレ−ト17部、n−ブチルアクリレ−ト17部、ヒドロキシエチルメタクリレ−ト7部、ラウリルメタクリレ−ト20部及びアクリル酸1部及び2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)2部からなる混合物。
実施例のメタリック塗料組成物に配合せしめる塗膜形成されたときの光干渉性顔料の干渉色を次に示す要領で測定し、結果を表1欄外に示した。予め測定に供する光干渉性顔料にエチレングリコールモノブチルエーテルを加えて攪拌し、固形分50質量%の高濃度金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料液を調製し、製造例1で得た水酸基含有アクリル樹脂溶液を固形分として75部、ユーバン28−60(商品名、ブチルエーテル化メラミン樹脂、三井化学社製)を固形分として25部からなるビヒクル形成成分である樹脂固形分100質量部に対して、鱗片状アルミニウム顔料の固形分が20質量部となるように添加し、さらに有機溶剤を加えて攪拌混合し、20℃における粘度を20秒/フォ−ドカップ#3の塗料を調製した。得られた塗料を予め黒色(N−2)の中塗塗膜が形成された鋼板を溶剤脱脂した基材に、硬化塗膜として20μmとなるようにエア霧化静電スプレー塗装し、室温約20℃の実験室に5分放置した後に、クリヤー塗料「ル−ガベ−ククリヤ−」(商品名、関西ペイント製、アクリル樹脂・アミノ樹脂系、有機溶剤型)をミニベル型回転式静電塗装機を用いて、ブ−ス温度25℃、湿度75%の条件で硬化塗膜として、30μmとなるように塗装した。塗装後、室温にて15分間放置した後に、熱風循環式乾燥炉内を使用して、140℃で30分間加熱し、複層塗膜を同時に乾燥硬化せしめて、測定に供する塗板を作成した。
実施例1〜7,比較例1〜3
(塗料組成物の調製)
製造例1で得た水酸基含有アクリル樹脂溶液を固形分として75部、ユーバン28−60(商品名、ブチルエーテル化メラミン樹脂、三井化学社製)を固形分として25部からなるビヒクル形成成分である樹脂固形分100質量部に対して、BLACK PEARLS 1300(商品名、カーボンブラック顔料、CABOT CORP.製)を1質量部及び鱗片状光輝性顔料を表1に示す比率で配合して攪拌混合し、さらに有機溶剤を加えて希釈して、固形分約25%の有機溶剤型塗料を調製し、実施例及び比較例に使用する塗料組成物1〜10を調製した。
基材の調製
脱脂及びりん酸亜鉛処理した鋼板(JISG3141、大きさ400×300×0.8mm)にカチオン電着塗料「エレクロン9400HB」(商品名:関西ペイント株式会社製、エポキシ樹脂ポリアミン系カチオン樹脂に硬化剤としてブロックポリイソシアネ−ト化合物を使用したもの)を硬化塗膜に基づいて膜厚20μmになるように電着塗装し、170℃で20分加熱して架橋硬化させて電着塗膜を得た。
(2)塗料組成物及びクリヤー塗料の塗装
上記基材に塗料組成物1〜10をエアスプレーを用いて、硬化塗膜として20μmとなるように塗装し、塗装後、室温約20℃の実験室に約15分静置し、その後にクリヤー塗料「ル−ガベ−ククリヤ−」(商品名:関西ペイント製、アクリル樹脂・アミノ樹脂系、有機溶剤型)をミニベル型回転式静電塗装機を用いて、ブ−ス温度25℃、湿度75%の条件で硬化塗膜として、30μmとなるように塗装した。塗装後、室温にて15分間放置した後に、熱風循環式乾燥炉内を使用して、140℃で30分間加熱し、複層塗膜を同時に乾燥硬化せしめて試験板を得た。
(Δh)
上記鱗片状光輝性顔料の色相角度から、塗料組成物に配合した鱗片状光輝性顔料の色相角度の差Δhを計算し、表1に示した。
(評価)
上記試験板の意匠性を以下の要領にて評価し、結果を表1に示した。
作成した塗板を、人工太陽灯(セリック社製、色温度6500K)で照明し、試験板の照明に対する角度を変えて観察して、彩度(ハイライト〜シェードにおける鮮やかさ)、粒子感(観察角度を変えるとキラキラと輝く効果)及び深み感(シェードにおける彩度の高さ)について、目視にて評価した。評価は、色彩開発に3年以上従事するデザイナー2名と技術者3名の計5名が行ない、平均点を採用した。
彩度
4:彩度が高い。
3:彩度がある。
2:彩度が乏しい。
1:彩度がない。
深み感
4:深み感が強い。
3:深み感がある。
2:深み感が乏しい。
1:深み感がない。
粒子感
4:粒子感が強い。
3:粒子感がある。
2:粒子感が乏しい。
1:粒子感がない。
Claims (6)
- 半透明な鱗片状基材を金属酸化物で被覆した鱗片状干渉顔料を2種類以上含有する塗料組成物であって、該鱗片状干渉顔料として、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料又は金属酸化物被覆マイカ顔料と、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料とを含むメタリック塗料組成物。
- 金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料又は金属酸化物被覆マイカ顔料と、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料との、塗膜に対して45度から照射した光を正反射光に対して25度で受光したときのL*C*h表色系における色相角度の差Δhが90〜180度の範囲内である請求項1に記載のメタリック塗料組成物。
- 金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料の平均粒子径が15〜50μmの範囲内である請求項1又は2に記載のメタリック塗料組成物。
- 半透明な鱗片状基材を金属酸化物で被覆した鱗片状干渉顔料の合計含有量が、塗料組成物中のビヒクル形成成分である樹脂固形分100質量部に対して固形分として0.1〜25質量部の範囲内である請求項1〜3のいずれか1項に記載のメタリック塗料組成物。
- 金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料又は金属酸化物被覆マイカ顔料と金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料の質量比が、前者/後者の比で、10/1〜1/5の範囲内である請求項1〜4のいずれか1項に記載のメタリック塗料組成物。
- 基材に、請求項1〜5に記載されたメタリック塗料組成物を塗装し、さらにクリヤー塗料を塗装する塗膜形成方法。
基材に、請求項1〜5に記載されたメタリック塗料組成物を塗装し、さらにクリヤー塗料を塗装する塗膜形成方法。
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