JP2004267983A - 光輝性塗膜形成方法、塗装物およびアルミホイール - Google Patents
光輝性塗膜形成方法、塗装物およびアルミホイール Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】ベース塗膜を有する基材に、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆マイカフレーク顔料、ホログラム顔料およびコレステリック液晶ポリマーからなるフレーク状顔料、からなる群より選ばれた少なくとも一種の顔料を含む多色性クリヤー塗膜を形成し、次いで、めっき調クリヤー塗膜を形成する光輝性塗膜形成方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光輝性塗膜形成方法、この方法により塗装された塗装物およびアルミホイールに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車車体やアルミニウムホイールなどの高い意匠性を必要とする分野においては、ハイライト部(塗膜を正面から見たとき)とシェード部(塗膜を斜めから見たとき)とで異なる色相を発現する2色性の塗膜形成が求められている。このような2色性塗膜を形成するには、コレステリック液晶ポリマーからなるフレーク状顔料を用いた光輝性塗料による光輝性塗膜の形成が知られている。このコレステリック液晶ポリマーからなるフレーク状顔料と干渉顔料とを併用できることが、特許第3047122号公報(特許文献1)に記載されている。
【0003】
しかしながら、上記特許文献1は、コレステリック液晶ポリマーからなるフレーク状顔料と干渉顔料とが、同一塗膜内に配向するため、コレステリック液晶ポリマーからなるフレーク状顔料と干渉顔料の配向が混在してしまうため、それぞれの効果が十分に得られ難かった。
【0004】
また、特許第2957560号公報(特許文献2)には、被塗物上にベース塗膜層を形成する工程と、このベース塗膜層の上に、蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料を顔料重量濃度(PWC)が15%以上となるように含むメタリック塗膜層を形成する工程と、このメタリック塗膜層の上にクリヤー上塗り層を形成する工程とを備え、上記のベース塗膜層が、クリヤー塗膜であってもよいし、着色された塗膜であってもよいが、より良好な金属面光沢を付与するためには、クリヤー塗膜であることが好ましいと記載されている。
【0005】
しかしながら、上記特許文献2は、ハイライト部とシェード部とで異なる色相を発現する2色性についての光輝感が得られることはなかった。
【0006】
【特許文献1】
特許第3047122号公報
【特許文献2】
特許第2957560号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、日当たりにある被塗物や塗装箇所では、ハイライト部とシェード部とで異なる色相を発現する多色性(通常は、ハイライト部とシェード部とでの異なる色合いを呈するが、ハイライト部とシェード部の角度で更に異なることもあるので以下、「多色性」という)が協調され、日陰にある被塗物や塗装箇所では、上記の多色性の発現を損なうことなく、めっきの仕上がり外観に近いメタリック感(以下、「めっき調」という)を発現する意匠性の高い光輝感を得る塗膜を形成することができる光輝性塗膜形成方法、この方法により塗装された塗装物およびアルミホイールを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上述の課題に鑑み鋭意研究した結果、本発明に至った。
【0009】
(1) ベース塗膜を有する基材に、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆マイカフレーク顔料、ホログラム顔料およびコレステリック液晶ポリマーからなるフレーク状顔料、からなる群より選ばれた少なくとも一種の顔料を含む多色性クリヤー塗膜を形成し、次いで、めっき調クリヤー塗膜を形成する光輝性塗膜形成方法。
【0010】
(2) 上記めっき調クリヤー塗膜上に、トップクリヤー塗膜を形成する上記の塗膜の光輝性塗膜形成方法。
【0011】
(3) 上記ベース塗膜が、マンセルの明度が6以下である上記の光輝性塗膜形成方法。
【0012】
(4) 上記めっき調クリヤー塗膜が、蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料を含む上記の光輝性塗膜形成方法。
【0013】
(5) 上記めっき調クリヤー塗膜の蒸着金属膜に用いる金属がアルミニウム、金、銀、銅、真鍮、チタン、クロム、ニッケル、ニッケルクロムおよびステンレスからなる群より選ばれた少なくとも一種の金属である上記の光輝性塗膜形成方法。
【0014】
(6) 上記蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料の厚みが100〜1000オングストローム、長径の平均粒径が5μm〜100μmである上記の光輝性塗膜形成方法。
【0015】
(7) 上記めっき調クリヤー塗膜の乾燥膜厚が、1μm以下である上記の光輝性塗膜形成方法。
【0016】
(8) 上記の光輝性塗膜形成方法により形成された塗装物。
【0017】
(9) 上記の光輝性塗膜形成方法により形成されたアルミニウムホイール。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について詳述する。
【0019】
[光輝性塗膜形成方法]
本発明の光輝性塗膜形成方法は、「ベース塗膜」を有する基材に、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆マイカフレーク顔料、ホログラム顔料およびコレステリック液晶ポリマーからなるフレーク状顔料、からなる群より選ばれた少なくとも一種の顔料を含む「多色性クリヤー塗膜」を形成し、次いで、「めっき調クリヤー塗膜」を形成するものである。さらに必要に応じて、上記めっき調クリヤー塗膜上に、「トップクリヤー塗膜」を形成するものである。
【0020】
[基材]
上記基材としては、鉄、アルミニウム、銅またはこれらの合金等の金属類;ガラス、セメント、コンクリート等の無機材料;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂類や各種のFRP等のプラスチック材料;木材、繊維材料(紙、布等)等の天然または合成材料等並びにこれらの加工品が挙げられる。
【0021】
[下地処理および下地塗装]
本発明の光輝性塗膜形成方法では、上記基材に直接または下地塗膜を介して、まず、ベース塗膜を形成するが、塗装物が自動車車体または自動車部品等の場合は、予め上記基材に脱脂や化成処理による下地処理や、電着塗装または各種プライマー塗装、中塗り塗装等による、下地塗装を施しておくのが好ましい。
【0022】
中塗り塗装を行わず、下塗り塗装により形成された下塗り塗膜の上にベース塗膜を直接形成する場合には、ウェットオンウェット(W/W)、またはウェットオンドライ(W/D)により形成することができる。
【0023】
上記W/Wとは、下層の塗膜を形成した後、風乾等により乾燥し、未硬化状態または半硬化状態の下層の塗膜に、上層の塗膜を形成する方法であり、これに対して、上記W/Dとは、下層の塗膜を焼き付けて硬化させた下層の塗膜に、上層の塗膜を形成する方法である。また、各塗膜を複数回塗装することも可能である。なお、塗膜を焼き付ける場合は、80〜160℃で所定時間焼き付けを行う。
【0024】
また、上記基材に対してベース塗膜を形成する前に、「下塗り塗膜」上に「中塗り塗膜」を形成することができる。中塗り塗膜の下層の下塗り塗膜とはW/Dにより、中塗り塗膜を形成することが好ましい。
【0025】
中塗り塗膜は、溶剤型塗料、水性塗料または粉体型塗料により形成してもよい。なお、中塗り塗膜の形成に用いる塗料のビヒクル、顔料、必要に応じて加える添加剤等は後述する光輝性塗料のところで例示したものを使用できる。
【0026】
上記中塗り塗膜の乾燥膜厚は、20〜100μmが好ましく、この範囲を外れると塗膜外観が低下する恐れがある。より好ましくは30〜50μmである。
【0027】
また、基材が、アルミニウムホイールの場合には、脱脂や化成処理による下地処理後、所望により、「プライマー塗膜」を形成する。プライマー塗膜を形成することにより、基材表面の色をマンセルの明度でN値6以下の暗色にすることが好ましい。プライマー塗膜では、溶剤プライマー系、粉体プライマー系、ゾル系を用いることができる。溶剤プライマー系では、10〜30μmの乾燥膜厚とするのが好ましい。
【0028】
一方、粉体プライマー系は、ほとんどが不揮発分の粉末状塗料を基材に塗布させ、これを粉体の融点以上の温度で焼き付け、溶融、流展、硬化させて連続塗膜を形成させることにより、高度な塗膜性能が期待でき、高度な防食性が得られる。粉体塗装方法としては、例えば、流動浸漬法、静電粉体塗装法、静電流動浸漬法等が挙げられ、本発明では何れを用いてもよい。
【0029】
粉体プライマーに用いる塗料については、公知の粉体塗料を適宜、選択して用いることができる。粉体塗料に用いられる樹脂は、熱硬化性樹脂であってもよいし、熱可塑性樹脂であってもよい。例えば、エポキシ樹脂系、ポリエステル樹脂系、アクリル樹脂系等の塗料、例えば、「パウダックスP200」、「パウダックスP250」、「ビリューシア2000」、「パウダックスA400」等(いずれも商品名、日本ペイント社製)を用いることができる。粉体プライマー系では、30〜200μmの乾燥膜厚とするのが好ましい。
【0030】
[ベース塗膜]
次いで、上記中塗り塗膜、またはプライマー塗膜の上に、ベース塗膜を形成する。このベース塗膜は、上記中塗り塗膜、またはプライマー塗膜の上に上記W/Dにより形成することが好ましい。ベース塗膜の乾燥膜厚は、5〜30μmが好ましく、より好ましくは10〜20μmである。5μm未満では、隠蔽性が不十分となる恐れがあり、30μmを超えると塗膜外観不良を生じる恐れがある。
【0031】
本発明の光輝性塗膜形成方法のベース塗膜を形成するために用いるベース塗料は、着色顔料およびビヒクルを含有する塗料である。
【0032】
なお、ベース塗膜には、自動車外板塗装で常用される中塗り塗料を用いることができる。
【0033】
上記着色顔料は、塗膜の隠蔽性および着色を付与する顔料である。上記着色顔料としては、従来から塗料用として常用されているものが挙げられ、このようなものとして、有機顔料としては、例えば、アゾレーキ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、キノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等が挙げられ、また、無機顔料としては、例えば、黄色酸化鉄、ベンガラ、二酸化チタン、カーボンブラックが挙げられる。また、各種体質顔料等を併用することができる。
【0034】
上記ベース塗膜は、マンセルの明度が6以下であることが好ましく、この範囲にすることで、多色性効果を顕著に発現することが可能となる。より好ましいマンセルの明度は4以下である。
【0035】
上記着色顔料の含有量は、塗膜中のビヒクル100固形分質量部に対して、2〜100質量部の範囲で、使用する顔料種によって選択する。
【0036】
本発明の光輝性塗膜を形成するために用いるベース塗料に含まれるビヒクルは、上記着色顔料を分散するものであって、塗膜形成用樹脂と必要に応じて架橋剤とから構成される。
【0037】
上記ビヒクルを構成する塗膜形成用樹脂としては、例えば、(a)アクリル樹脂、(b)ポリエステル樹脂、(c)アルキド樹脂、(d)フッ素樹脂、(e)エポキシ樹脂、(f)ポリウレタン樹脂、(g)ポリエーテル樹脂等が挙げられ、これらは、単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。特に、アクリル樹脂およびポリエステル樹脂が好ましく用いられる。
【0038】
上記(a)アクリル樹脂としては、アクリル系モノマーと他のエチレン性不飽和モノマーとの共重合体が挙げられる。上記共重合に使用し得るアクリル系モノマーとしては、アクリル酸またはメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、フェニル、ベンジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル等のエステル化物類、アクリル酸またはメタクリル酸2−ヒドロキシエチルのカプロラクトンの開環付加物類、アクリル酸またはメタクリル酸グリシジル、アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN−メチロールアクリルアミド、多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これらと共重合可能な上記他のエチレン性不飽和モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、イタコン酸、マレイン酸、酢酸ビニル等が挙げられる。
【0039】
上記(b)ポリエステル樹脂としては、飽和ポリエステル樹脂や不飽和ポリエステル樹脂が挙げられ、例えば、多塩基酸と多価アルコールを加熱縮合して得られた縮合物が挙げられる。多塩基酸としては、飽和多塩基酸、不飽和多塩基酸が挙げられ、飽和多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸、テレフタル酸、コハク酸等が挙げられ、不飽和多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。多価アルコールとしては、例えば、二価アルコール、三価アルコール等が挙げられ、二価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール等が挙げられ、三価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
【0040】
上記(c)アルキド樹脂としては、上記多塩基酸と多価アルコールにさらに油脂・油脂脂肪酸(大豆油、アマニ油、ヤシ油、ステアリン酸等)、天然樹脂(ロジン、コハク等)等の変性剤を反応させて得られたアルキッド樹脂が挙げられる。
【0041】
上記(d)フッ素樹脂としては、フッ化ビニリデン樹脂、四フッ化エチレン樹脂のいずれかまたはこれらの混合体、フルオロオレフィンとヒドロキシ基含有の重合性化合物およびその他の共重合可能なビニル系化合物からなるモノマーを共重合させて得られる各種フッ素系共重合体からなる樹脂を挙げることができる。
【0042】
上記(e)エポキシ樹脂としては、ビスフェノールとエピクロルヒドリンの反応によって得られる樹脂等を挙げることができる。ビスフェノールとしては、例えば、ビスフェノールA、F等が挙げられる。上記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、エピコート828、エピコート1001、エピコート1004、エピコート1007、エピコート1009(いずれも商品名、シェルケミカル社製)が挙げられ、また、これらを適当な鎖延長剤を用いて鎖延長したものも用いることができる。
【0043】
上記(f)ポリウレタン樹脂としては、アクリル、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート等の各種ポリオール成分とポリイソシアネート化合物との反応によって得られるウレタン結合を有する樹脂を挙げることができる。上記ポリイソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、およびその混合物(TDI)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(4,4’−MDI)、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート(2,4’−MDI)、およびその混合物(MDI)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ジシクロへキシルメタン・ジイソシアネート(水素化HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、水素化キシリレンジイソシアネート(HXDI)等を挙げることができる。
【0044】
上記(g)ポリエーテル樹脂としては、エーテル結合を有する重合体または共重合体であり、ポリオキシエチレン系ポリエーテル、ポリオキシプロピレン系ポリエーテル、もしくはポリオキシブチレン系ポリエーテル、またはビスフェノールAもしくはビスフェノールFなどの芳香族ポリヒドロキシ化合物から誘導されるポリエーテル等の1分子当たりに少なくとも2個の水酸基を有するポリエーテル樹脂を挙げることができる。また、上記ポリエーテル樹脂とコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の多価カルボン酸類、または、これらの酸無水物等の反応性誘導体とを反応させて得られるカルボキシル基含有ポリエーテル樹脂を挙げることができる。
【0045】
また、上記塗膜形成用樹脂には、硬化性を有するタイプとラッカータイプがあるが、通常硬化性を有するタイプのものが好ましい。硬化性を有するタイプの場合には、アミノ樹脂、(ブロック)ポリイソシアネート化合物、アミン系、ポリアミド系、多価カルボン酸等の架橋剤と混合して用いられ、加熱または常温で硬化反応を進行させることができる。また、硬化性を有しないラッカータイプの塗膜形成用樹脂と硬化性を有するタイプとを併用することも可能である。
【0046】
上記ビヒクルが架橋剤を含む場合、塗膜形成用樹脂と架橋剤との割合としては、固形分換算で塗膜形成用樹脂が90〜50質量%であり、架橋剤が10〜50質量%であり、好ましくは塗膜形成用樹脂が85〜60質量%であり、架橋剤が15〜40質量%である。架橋剤が10質量%未満では(塗膜形成用樹脂が90質量%を超えると)、塗膜中の架橋が十分でない。一方、架橋剤が50質量%を超えると(塗膜形成用樹脂が50質量%未満では)、塗料組成物の貯蔵安定性が低下するとともに硬化速度が大きくなるため、塗膜外観が悪くなる。
【0047】
上記ベース塗料では、上記成分の他に、脂肪族アミドの潤滑分散体であるポリアミドワックスや酸化ポリエチレンを主体としたコロイド状分散体であるポリエチレンワックス、沈降防止剤、硬化触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、シリコーンや有機高分子等の表面調整剤、タレ止め剤、増粘剤、消泡剤、架橋性重合体粒子(ミクロゲル)等を適宜添加して含有することができる。これらの添加剤は、通常、上記ビヒクル100質量部(固形分基準)に対して例えば、それぞれ15質量部以下の割合で配合することにより、塗料や塗膜の性能を改善することができる。
【0048】
上記ベース塗料は、上記構成成分を、通常、溶剤に溶解または分散した態様で提供される。溶剤としては、ビヒクルを溶解または分散するものであればよく、有機溶剤および/または水を使用し得る。有機溶剤としては、塗料分野において通常用いられるものを挙げることができる。例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ等のエステル類、アルコール類等を例示できる。環境面の観点から有機溶剤の使用が規制されている場合には、水を用いることが好ましい。この場合、適量の親水性有機溶剤を含有させてもよい。
【0049】
[多色性クリヤー塗膜]
次いで、ベース塗膜を形成した後、上記ベース塗膜上に金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆マイカフレーク顔料、ホログラム顔料およびコレステリック液晶ポリマーからなるフレーク状顔料、からなる群より選ばれた少なくとも一種の顔料を含む多色性クリヤー塗膜を形成する。この多色性クリヤー塗膜は、上記ベース塗膜の上に上記W/W、またはW/Dにより形成するが、W/Wにより形成することが好ましい。上記多色性クリヤー塗膜の乾燥膜厚は、10〜50μmが好ましい。10μm未満では、多色性を発現する塗膜を得ることができない恐れや塗膜の平滑性を損ねる恐れがあり、50μmを超えると塗膜外観不良を生じる恐れがある。より好ましくは10〜30μmである。
【0050】
本発明の光輝性塗膜形成方法の多色性クリヤー塗膜に用いる多色性クリヤー塗料は、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆マイカフレーク顔料、ホログラム顔料およびコレステリック液晶ポリマーからなるフレーク状顔料、からなる群より選ばれた少なくとも一種の顔料(以下、「多色性顔料」ともいう。)およびビヒクルを含有する塗料である。
【0051】
上記金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料としては、酸化アルミニウム(A12O3)をFe2O3、TiO2、SnO2、ZrO2等の金属酸化物により被覆したものが挙げられ、長径の平均粒径が3〜60μm、好ましくは5〜30μm、厚みが0.1〜0.8μm、好ましくは0.2〜0.4μmのものである。また、表面平滑性が高く、粒度分布がシャープなものは反射した光による散乱を少なくすることができる。
【0052】
さらに、アスペクト比(長径/厚み)が20以上の薄片状アルミナフレーク顔料の表面を金属酸化物で被覆した場合には、多色性のパール感(真珠光沢)を呈する顔料となり、これを用いた塗膜は、ハイライトおよびシェードの位置から、従来のマイカ粉では得られなかった強い多色干渉性の輝きを呈し、透明感があって立体的な印象を表現できる。
【0053】
上記金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料が発現する干渉色は、被覆する金属酸化物の量(被覆する金属酸化物層の厚み)を調整することで、変化させることができる。
【0054】
上記金属酸化物被覆シリカフレーク顔料は、強い多色干渉性を有する輝きを呈し、高彩度および高輝度の意匠性に優れ、かつ耐候性のある顔料であってもよい。
【0055】
これらは例えば、次のようにして製造される。まず、シリカフレークの原料として加水分解性シリコンアルコキシド(シリコンテトラメトキシド、シリコンテトラエトキシド等)を用意し、これをエタノール、イソプロピルアルコール等の溶剤および酸性水とともに室温〜80℃で5分〜48時間養生してゾル液を形成する。次に、このゾル液をコンベアー形式のプラスチックベルト上に厚さが均一となるように拡げる。これには、ディップ、フロー、スプレー等どのような方法でも使用できるが、生成されるシリカフレークの厚さが300〜500nmに収まるように制御するのが好ましい。そして、ベルト上に拡げられたゾル液は、加熱炉を通過させることでゲル膜となり、さらに、加熱・乾燥させると水分を失って収縮し、ひび割れてシリカフレークを形成する。
【0056】
上記の手順によって形成したシリカフレークを、今度は水に加え懸濁液とした中でpHを一定の酸性度に保ちながら金属塩溶液と混合させて、表面に金属酸化物被覆を施す。この金属塩の例としては、TiCl4、FeCl2、FeCl3が挙げられる。次に、被覆されたシリカフレークを取り出し、乾燥後、700〜1000℃で焼結することにより、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料が得られる。
【0057】
このようにして得られる金属酸化物被覆シリカフレーク顔料は、フレーク状のシリカ(二酸化珪素)からなる基体を、基体の酸化物とは異なる金属酸化物で被覆したものである。基体の厚みは300〜500nmが好ましく、より好ましくは400〜450nmであり、長径は、5〜60μmが好ましく、より好ましくは10〜40μmである。
【0058】
ここで、被覆する金属酸化物の例としては、酸化鉄(一酸化鉄、三酸化二鉄、ヘマタイト)、二酸化チタン(アナターゼ型、またはルチル型)が挙げられる。金属酸化物被覆層の厚みは、50〜200nmが好ましく、より好ましくは60〜180nmである。
【0059】
上記金属酸化物被覆シリカフレーク顔料が発現する干渉色は、被覆する金属酸化物の量(被覆する金属酸化物層の厚み)を調整することで、変化させることができる。
【0060】
上記金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料は、多色干渉色効果を発現する光輝感を呈しつつ、ガラスフレークの粒子感を付与するものである。
【0061】
上記金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料は、ガラスフレークの表面に酸化チタン、酸化鉄等の金属酸化物を被覆した光輝性顔料である。
【0062】
上記金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料は、金属酸化物が被覆された状態での長径の平均粒径が、好ましくは10μm以上で、80μm未満、より好ましくは10〜60μmである。長径の平均粒径が10μm未満では、多色干渉色効果を発現する光輝感を呈することができ難く、80μm以上では塗膜外観不良を生じる。厚みは、0.1〜10μm、好ましくは0.1〜5μmである。厚みが0.1μm未満では、塗料サーキュレーション時に、過大のシェアがかかり、上記光輝性顔料に変形・破壊が発生し経時的に塗料が変色する不具合が生じ、10μmを超えると塗膜外観が低下する恐れがある。
【0063】
上記金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料が発現する干渉色は、被覆する金属酸化物の量(被覆する金属酸化物層の厚み)を調整することで、変化させることができる。
【0064】
上記金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料を含む塗膜は、上記金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料と同様にハイライトおよびシェードの位置から、彩度が高く粒子の強い輝きを有する粒子感を呈し、新しい印象を表現できる。
【0065】
上記金属酸化物被覆マイカフレーク顔料としては、天然の白雲母や合成雲母の表面に二酸化チタン、酸化鉄その他クロム、コバルト、錫、ジルコニウム等の金属酸化物の薄膜をコーティングして発色効果を付与したパールマイカ顔料であって、粒径範囲が1〜60μm、好ましくは1〜40μmで、長径の平均粒径15〜25μmの鱗片状粒子を挙げることができる。上記パールマイカ顔料の干渉色は、被覆する金属酸化物の種類・量(被覆する金属酸化物層の厚み)を変化させることで、調整することができる。
【0066】
上記ホログラム顔料は、見る角度によって虹色に変化する光輝感を呈するもので、これらのホログラム顔料を製造するには、基板となる支持フィルムの表面に熱可塑性樹脂層を形成し、その表面に2500オングストローム程度の凹凸を有するホログラム面を形成すること、また、薄層のフィルムを積層すること、および基板の表面に紫外線または電子線硬化型樹脂層に対しレリーフ型ホログラムが形成されたホログラム原板を圧接し、圧接後に紫外線または電子線硬化型樹脂層を硬化させてホログラム層を得ることが好ましい。
【0067】
また必要に応じて、さらに、上記ホログラム面の上に、各種金属を蒸着させて用いたり、表面に保護フィルムをラミネートしたりして用いてもよい。また、ホログラム層および支持フィルムは、公知の方法で着色してもよい。上記ホログラム顔料は、上記基板およびそこに形成されたホログラム層を、使用目的に応じて、任意のサイズのフレーク状にグリッター加工すること等により得られる。サイズは、用途に応じて10〜1000μm程度に加工する。塗膜外観からは、10〜500μmが好ましい。フレーク形状については、目的に応じて円形状、楕円状、四角形状等のものを用いることができる。
【0068】
上記コレステリック液晶ポリマーからなるフレーク状顔料としては、三次元架橋されたコレステリック液晶性構造物質からなり、色が視角によって変化する2色性を発現する材料が挙げられる。
【0069】
上記コレステリック液晶ポリマーからなるフレーク状顔料は、例えば、メタクリロイロキシ基またはアクリロイロキシ基を側鎖に有するポリオルガノシロキサン等の三次元架橋性ポリマーと液晶性物質を基材に、分子をそれぞれ平行な層に整えた後、螺旋構造とするために、電場または磁場により少しずつ異なる分子配向となるように層状に積み重ね、重合反応によって配向した分子を固定化すべく薄膜層を三次元架橋させた後、基材から分離し、続いて所望の粒子サイズに粉砕することにより得ることができる。
【0070】
上記コレステリック液晶ポリマーからなるフレーク状顔料は、螺旋構造を有しているため、螺旋構造のピッチ幅、液晶の屈折率によって反射するスペクトル波長の範囲が決まり、特定範囲のスペクトル波長の反射光が、光波長に相当するピッチの螺旋構造に偏光した光線成分に分割され、螺旋の回転方向に従って反射成分と透過成分となる。視角の変化が、螺旋のピッチを変えることになり、色が視角によって変化する2色性を発現することになる。上記コレステリック液晶ポリマーからなるフレーク状顔料の長径は、好ましくは1〜100μm、より好ましくは10〜60μmであり、好ましい平均厚みは、2〜15μm、より好ましくは3〜10μmである。上記コレステリック液晶ポリマーからなるフレーク状顔料は、HELICONEシリーズとして「HELICONE SAPPHIRE(青色〜暗色)」、「HELICONE SCARABEUS(緑色〜青色)」、「HELICONE JADE(金色〜緑がかった青色)」または「HELICONE MAPLE」(赤銅色〜緑色)等(いずれも商品名)、ワッカーケミー社より市販されているものを使用することができる。
【0071】
上記多色性クリヤー塗膜における上記多色性顔料の好ましい含有量は、多色性クリヤー塗膜中の100固形分質量部に対して、0.5〜50質量部が好ましく、1〜20質量部がより好ましい。0.5質量部を下回ると多色性が低下し、50質量部を超えると塗膜外観が低下する。
【0072】
また、多色性クリヤー塗料のビヒクルは、上記ベース塗料のところで例示したものを使用することが可能である。また、多色性クリヤー塗料のビヒクルの透明性を損なわない範囲で添加できる顔料、必要に応じて加える添加剤および溶剤等は上記ベース塗料のところで例示したものを配合することが可能である。
【0073】
上記多色性クリヤー塗料は、有機溶剤型、水性または粉体型いずれの形態であってもよい。有機溶剤型および水性塗料としては、一液型であってもよいし、二液型ウレタン樹脂塗料等のような二液型であってもよい。
【0074】
[めっき調クリヤー塗膜]
次いで、多色性クリヤー塗膜を形成した後、上記多色性クリヤー塗膜上にめっき調クリヤー塗膜を形成する。本発明でのめっき調クリヤー塗膜には、めっき調を発現する光輝性顔料(以下、「めっき調顔料」ともいう)とビヒクルからなるめっき調クリヤー塗料によりめっき調クリヤー塗膜を形成してもよいし、アルミニウム・スパッタ等により金属クリヤー膜を形成してもよい。
【0075】
本発明でのめっき調とは、60°鏡面反射率が80%以上、好ましくは150%以上であることを示す。鏡面反射率は、鏡面光沢度測定器で測定することができる。入射角θに対して、試料面からの鏡面反射光束ψsを測定する。但し、同一条件における屈折率n=1.567のガラス表面の鏡面反射光束ψosを基準として、その比で表わす。60°鏡面反射率は、下記の数式にて、入射角θおよび受光角ψが60°の場合の値をいう。
【0076】
【数1】
Gs(θ)=(ψs/ψos)x100 (%)
【0077】
図1で、光源Iから光が放出され、スリットS1を通過し、レンズL1を通り、入射角θで試料面に入射する。そして、試料面にて受光角ψで反射した光がレンズL2を通り、スリットS2を通過し、受光面Cに入射する。
【0078】
上記めっき調顔料としては、蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料であれば特に限定されるものではない。このような光輝性顔料は、一般にはベースフィルム上に金属膜を蒸着させ、ベースフィルムを剥離した後、蒸着金属膜を粉砕して金属片とすることにより得られる。蒸着金属膜の厚み、すなわち、粉砕して得られる金属片の厚みとしては、一般には100〜1000オングストローム程度が好ましい。また、粉砕の程度としては、粒径が5〜100μm程度となるように粉砕されることが好ましい。
【0079】
蒸着金属膜の材質としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、真鍮、チタン、クロム、ニッケル、ニッケルクロム、ステンレス等の金属膜が挙げられる。
【0080】
本発明に用いる光輝性顔料は、蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料であるので、非常に厚みが薄い金属片である。従って、後述するように面状に配向することにより、表面がフラットなメタリック塗膜層を形成することができ、金属面光沢をもたらすことができる。従来のメタリック塗料に用いられているアルミニウムフレーク等の金属フレークは、金属粉や金属箔をボールミル等で粉砕して得られるものであるが、これらの金属フレークは比較的厚みが厚く、また、表面に凹凸を有しているので、このような金属フレークを面状に配向しても、表面がフラットにならず、本発明のような金属面光沢は得られない。
【0081】
本発明に用いる光輝性顔料は、例えば、OPP(配向ポリプロピレン)、CPP(結晶性ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等のプラスチックフィルムをベースフィルムとして用い、その上に剥離剤を塗布し、剥離剤の上に金属蒸着を行うことにより得られる。金属蒸着後、蒸着金属の酸化を防止するため、例えば、蒸着面の上にトップコート剤を塗布する。剥離剤およびトップコート剤としては、例えば、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ニトロセルロース、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、EVA樹脂、塩素化PP樹脂、塩素化EVA樹脂、石油系樹脂等の樹脂を用いることができる。次いで、蒸着金属膜をベースフィルムから剥離し、これを粉砕することにより金属片とする。
【0082】
上記めっき調クリヤー塗料は、上記のようにして得られるめっき調顔料、溶剤、さらには必要に応じて、ビヒクルおよび添加剤を添加して調製される。上記めっき調塗料においては、めっき調顔料の顔料重量濃度(PWC)はできるだけ高いことが好ましく、さらに5%以上が好ましく、特に好ましくは20%以上である。めっき調塗料におけるPWCを高くすることにより、めっき調顔料の面状の配向を促進することができ、めっき調顔料のキラキラした光沢を減少させ、より良好な金属面光沢を付与することができ易くなる。なお、めっき調顔料の含有量が少なすぎるとめっき調光沢の意匠性が低下する。
【0083】
このめっき調クリヤー塗膜の場合には、上記多色性クリヤー塗膜の上に上記W/W、またはW/Dにより形成するが、W/Dにより形成することが好ましい。
【0084】
上記めっき調クリヤー塗膜の乾燥膜厚は、ビヒクルとめっき調顔料との比率によって変わり、0.1〜2μmが好ましく、より好ましくは0.1〜1.5μmである。
【0085】
また、めっき調クリヤー塗料のビヒクルは、上記ベース塗料のところで例示したものを使用することが可能である。また、めっき調クリヤー塗料のビヒクルの透明性を損なわない範囲で添加できる顔料、必要に応じて加える添加剤および溶剤等は上記ベース塗料のところで例示したものを配合することが可能である。
【0086】
上記めっき調クリヤー塗料は、有機溶剤型、水性または粉体型いずれの形態であってもよい。有機溶剤型および水性塗料としては、一液型であってもよいし、二液型ウレタン樹脂塗料等のような二液型であってもよい。
【0087】
[トップクリヤー塗膜]
次いで、めっき調クリヤー塗膜を形成した後、必要に応じて上記めっき調クリヤー塗膜上にトップクリヤー塗膜を形成する。
【0088】
本発明の光輝性塗膜形成方法においては、薄膜であるめっき調クリヤー塗膜を保護すること、および塗膜外観向上の観点から、上記めっき調クリヤー塗膜上にトップクリヤー塗膜を形成することが、好ましい。
【0089】
上記トップクリヤー塗膜に用いるトップクリヤー塗料は、ビヒクルを含んでいる。このビヒクルとしては、上記ベース塗料のところで説明したビヒクルを用いることができる。
【0090】
また、特公平8−19315号公報に記載されたカルボキシル基含有ポリマーとエポキシ基含有ポリマーとを組み合わせたものが、耐酸性雨対策およびウェットオンウェット法で塗装した際に、下層塗膜のめっき調顔料の配向を乱さないという観点から好ましく用いられる。
【0091】
また、トップクリヤー塗料のビヒクルの透明性を損なわない範囲で添加できる顔料、必要に応じて加える添加剤および溶剤等は上記光輝性塗料のところで例示したものを配合することが可能である。
【0092】
また、上記トップクリヤー塗料は、有機溶剤型、水性または粉体型いずれの形態であってもよい。有機溶剤型および水性塗料としては、一液型であってもよいし、二液型ウレタン樹脂塗料等のような二液型であってもよい。
【0093】
上記各塗膜を形成するために用いる塗装方法は特に限定されないが、用いる塗料が液体の場合にはスプレー法、ロールコーター法等が、粉体の場合には静電塗装が好ましい。
【0094】
[塗装物およびアルミニウムホイール]
本発明の塗装物は、上記光輝性塗膜形成方法によって得られる。この塗装物は、基材上に形成されたものであって、塗膜層が、ベース塗膜、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆マイカフレーク顔料、ホログラム顔料およびコレステリック液晶ポリマーからなるフレーク状顔料、からなる群より選ばれた少なくとも一種の顔料を含む多色性クリヤー塗膜、めっき調クリヤー塗膜、さらに必要に応じてトップクリヤー塗膜が順次形成されている。ここで、各塗膜の複合効果として、これらからなる複層塗膜が、日当たりにある被塗物や塗装箇所では、ハイライト部とシェード部とで異なる色相を発現する多色性が協調され、日陰にある被塗物や塗装箇所では、上記の多色性の発現を損なうことなく、めっき調を発現する意匠性の高い光輝感を発現する。基材として自動車部品であるタイヤなどの取付け部材である自動車のホイールである鋼製やアルミニウム(合金)製などのものが使用されているが、特に、軽量化、意匠性および防食性等に優れたアルミホイールが多用されている。このアルミホイールに上記光輝性塗膜形成方法によって上記の複層塗膜を形成することにより、被塗物が回転することで、本発明の効果を顕著に発現することができる。
【0095】
【実施例】
次に、本発明を実施例および比較例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。なお、配合量は特に断りのない限り質量部を表す。また、原材料、塗料、機器の名称は、特に断らない限り商品名を表す。
【0096】
[実施例1〜22、比較例1〜3]
[基材1および2の調製]
アルミニウムホイール切断片(スポーク部を含むカット片)を、クロム酸クロメートを使用して化成処理した後、プライマーとして、「パウダックスA−400クリヤー」(日本ペイント社製)を乾燥膜厚が30〜150μmとなるように静電塗装し、プライマー塗膜を形成した。次いで、被塗物表面温度、160℃で20分間(時間は、被塗物表面温度の維持時間、以下同じ。)焼き付け、これを基材1とした。
【0097】
ダル鋼板(長さ300mm、幅100mmおよび厚さ0.8mm)を燐酸亜鉛処理した後、カチオン電着塗料(「パワートップU−50」、日本ペイント社製)を乾燥膜厚が25μmとなるように電着塗装した。次いで、160℃で20分間焼き付け、電着塗膜を得た。さらに、上記電着塗膜上に、ポリエステル・メラミン樹脂系中塗り塗料(「オルガS−90シーラー各色」、日本ペイント社製)を乾燥膜厚が40μmとなるようにエアースプレー塗装し、140℃で20分間焼き付け、中塗り塗膜を形成し、これを基材2とした。
【0098】
[ベース塗膜の形成]
次いで、表1に示す組合せにて基材1または基材2に、アルミニウムフレーク顔料含有のアクリル・メラミン樹脂系塗料「スーパーラック5000 AS−70ベースクリヤー各色」(日本ペイント社製)を乾燥膜厚が10〜30μmとなるようにエアースプレー塗装し、140℃にて20分間焼付け、ベース塗膜を形成した。
【0099】
[多色性クリヤー塗料の調整]
アクリル樹脂(スチレン/メチルメタクリレート/エチルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸の共重合体、数平均分子量約20,000、水酸基価45、酸価15、固形分50質量%)と、メラミン樹脂(「ユーバン20SE」、三井化学社製、固形分60質量%)とを80:20の固形分質量比で配合して得たビヒクルに対し、以下の多色性顔料1〜5、および必要により、その他の顔料を表1に示す割合で配合した。次いで、有機溶剤(トルエン/キシレン/酢酸エチル/酢酸ブチルの質量比=70/15/10/5)とともに攪拌機により塗装適正粘度になるように攪拌混合し、多色性クリヤー塗料を調製した。
【0100】
多色性顔料1:ニ酸化チタン被覆アルミナフレーク顔料、
多色性顔料2:ニ酸化チタン被覆シリカフレーク顔料、
多色性顔料3:ニ酸化チタン被覆ガラスフレーク顔料、
多色性顔料4:ホログラム顔料「375GEOMETRIC PIGMENTS」(スペクトラテック社製)、
多色性顔料5:コレステリック液晶ポリマーからなるフレーク状顔料「HELICONE HC Scarabeus」(ワッカーケミー社製)
【0101】
[めっき調クリヤー塗膜]
実施例用(めっき調塗料):塗料1;アクリル・メラミン樹脂系蒸着アルミニウムフレーク含有塗料(「スーパーラック5000スウォードシルバー」、日本ペイント社製)。
比較例用(非めっき調塗料、通常のメタリックシルバー塗料):塗料2;アクリル・メラミン樹脂系アルミニウムフレーク含有塗料(「スーパーラック シルバー」、日本ペイント社製)。
【0102】
[塗膜形成方法]
上記ベース塗膜が形成された基材1または2に、乾燥膜厚が10〜30μmとなるように表1に示す多色性クリヤー塗料をエアースプレー塗装し、140℃で20分間焼き付けて多色性クリヤー塗膜を形成した。塗装は静電塗装機(「Auto REA」、ABBインダストリー社製)を用い、霧化圧2.8kg/cm2で行った。その後、表1に示すめっき調クリヤー塗膜を形成した。めっき調クリヤー塗料を用いた場合は、表1に示すめっき調塗料を乾燥膜厚が0.5μm以下となるようにエアースプレー塗装し、塗装後3分間セッティングし、必要により、下記に示したトップクリヤー塗料を乾燥膜厚が10〜30μmになるように塗装し、室温で10分間セッティングし、140℃の温度で20分間焼き付けた。得られた塗膜の光輝感を下記評価方法で評価し、結果を表1に示した。
【0103】
[トップクリヤー塗料]
トップクリヤー塗料は、以下の塗料を使用した。
【0104】
1...アクリル樹脂系溶剤型クリヤー塗料(「スーパーラックO−130クリヤー」、日本ペイント社製)および、
2...カルボキシル基含有ポリマーとエポキシ基含有ポリマーのブレンドからなる溶剤型クリヤー塗料(「マックフローO−520クリヤー」、日本ペイント社製)の2種類である。
【0105】
[評価方法]
光輝感:日当たりにある被塗物や塗装箇所では、ハイライト部とシェード部とで異なる色相を発現する「多色性」が協調され、日陰にある被塗物や塗装箇所では、上記の多色性の発現を損なうことなく、「めっき調」を発現する程度を目視で評価した。
【0106】
3...「多色性」も「めっき調」も発現する。
2...「多色性」か「めっき調」のいずれかは発現する。
1...「多色性」も「めっき調」も発現せず。
【0107】
【表1】
【0108】
表1の結果から明らかのように、本実施例は、本発明の光輝性塗膜形成方法により複層塗膜を形成したもので、日当たりにある被塗物や塗装箇所では、ハイライト部とシェード部とで異なる色相を発現する多色性が協調され、日陰にある被塗物や塗装箇所では、上記の多色性の発現を損なうことなく、めっき調を発現する意匠性の高い光輝感を発現した複層塗膜が得られた。
【0109】
一方、比較例では、上記実施例で得られたような光輝感は得られなかった。
【0110】
【発明の効果】
本発明の光輝性塗膜形成方法は、「ベース塗膜」を有する基材に、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆マイカフレーク顔料、ホログラム顔料およびコレステリック液晶ポリマーからなるフレーク状顔料、からなる群より選ばれた少なくとも一種の顔料による「多色性クリヤー塗膜」を形成し、次いで、「めっき調クリヤー塗膜」を形成するものであり、さらに必要に応じて、上記めっき調クリヤー塗膜上に、「トップクリヤー塗膜」を形成するため、この方法により形成された塗装物は、日当たりにある被塗物や塗装箇所では、ハイライト部とシェード部とで異なる色相を発現する多色性が協調され、日陰にある被塗物や塗装箇所では、上記の多色性の発現を損なうことなく、めっき調を発現する意匠性の高い光輝感をすることが可能である。
【0111】
なお、本発明により得られる塗膜は上記光輝感を呈するため、自動車、二輪車等の乗物外板、自動車部品(ホイール、バンパー等)、容器外面、コイルコーティング、家電業界等の光輝性が要求される分野において好ましく使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】鏡面光沢度測定器の概略図である。
Claims (9)
- ベース塗膜を有する基材に、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、金属酸化物被覆マイカフレーク顔料、ホログラム顔料およびコレステリック液晶ポリマーからなるフレーク状顔料、からなる群より選ばれた少なくとも一種の顔料を含む多色性クリヤー塗膜を形成し、次いで、めっき調クリヤー塗膜を形成する光輝性塗膜形成方法。
- 前記めっき調クリヤー塗膜上に、トップクリヤー塗膜を形成する請求項1記載の塗膜の光輝性塗膜形成方法。
- 前記ベース塗膜が、マンセルの明度が6以下である請求項1または2に記載の光輝性塗膜形成方法。
- 前記めっき調クリヤー塗膜が、蒸着金属膜を粉砕して金属片とした光輝性顔料を含む請求項1から3いずれか1項記載の光輝性塗膜形成方法。
- 前記めっき調クリヤー塗膜の蒸着金属膜に用いる金属がアルミニウム、金、銀、銅、真鍮、チタン、クロム、ニッケル、ニッケルクロムおよびステンレスからなる群より選ばれた少なくとも一種の金属である請求項1から4いずれか1項記載の光輝性塗膜形成方法。
- 前記光輝性顔料の厚みが100〜1000オングストローム、長径の平均粒径が5μm〜100μmである請求項4または5に記載の光輝性塗膜形成方法。
- 前記めっき調クリヤー塗膜の乾燥膜厚が、1μm以下である請求項1から6いずれか1項記載の光輝性塗膜形成方法。
- 請求項1から7いずれか1項記載の光輝性塗膜形成方法により形成された塗装物。
- 請求項1から7いずれか1項記載の光輝性塗膜形成方法により形成されたアルミニウムホイール。
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