JP2002273335A - 真珠光沢塗膜形成方法および塗装物 - Google Patents

真珠光沢塗膜形成方法および塗装物

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JP2002273335A
JP2002273335A JP2001075201A JP2001075201A JP2002273335A JP 2002273335 A JP2002273335 A JP 2002273335A JP 2001075201 A JP2001075201 A JP 2001075201A JP 2001075201 A JP2001075201 A JP 2001075201A JP 2002273335 A JP2002273335 A JP 2002273335A
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JP
Japan
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pigment
coating film
interference
forming
color
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JP2001075201A
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English (en)
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Shinichi Masuko
伸一 益子
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光の入射する方向に対して直角であるハイライ
ト部と光の入射する方向に対して斜めであるシェード部
との色相変化境界部が、高彩度で有彩色の着色性を伴っ
て、緩やかに変化して見える意匠(「有彩着色性真珠光
沢」)を発現する塗膜を得ることができる真珠光沢塗膜
形成方法およびこの方法により得られる塗装物を提供す
る。 【解決手段】基材に、カラーベース塗膜層を形成した
後、上記カラーベース塗膜層上に干渉性顔料を含有した
干渉クリヤーコート層を形成し、さらにその上に艶消し
剤として上記干渉性顔料の干渉色と同系色の有彩着色樹
脂微粒子を含む艶消しトップクリヤーコート層を形成す
る真珠光沢塗膜形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真珠光沢塗膜形成
方法およびこの方法により得られる塗装物に関する。
【0002】
【従来の技術】光輝性顔料を使用した光輝性塗膜は、意
匠感に優れた外観を与えるため、従来から自動車外板等
の塗装に使用されており、種々の塗膜形成方法が提案さ
れている。上記光輝性塗膜の上には、通常、艶を有する
クリヤー塗膜をトップコート層として形成する。
【0003】特開平8−38004号公報には、物品に
光輝性装飾層を形成し、その上に半透明の保護層を形成
することが記載されている。この半透明保護層が形成さ
れた塗膜は、艶を有する塗膜に比べて落ち着いた雰囲気
の意匠である。しかしながら以下に示すような独特の意
匠性を発現するには至っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光の
入射する方向に対して直角であるハイライト部と光の入
射する方向に対して斜めであるシェード部との色相変化
境界部が、高彩度で有彩色の着色性を伴って、緩やかに
変化して見える意匠(以下、「有彩着色性真珠光沢」と
いう)を発現する塗膜を得ることができる真珠光沢塗膜
形成方法およびこの方法により得られる塗装物を提供す
ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上述の課題
に鑑み鋭意研究した結果、本発明に至った。 1.基材に、カラーベース塗膜層を形成した後、上記カ
ラーベース塗膜層上に干渉性顔料を含有した干渉クリヤ
ーコート層を形成し、さらにその上に艶消し剤として上
記干渉性顔料の干渉色と同系色の有彩着色樹脂微粒子を
含む艶消しトップクリヤーコート層を形成する真珠光沢
塗膜形成方法。 2.上記有彩着色樹脂微粒子のマンセル表示における色
相Hが、マンセル色相環100に対し上記干渉性顔料の
干渉色の色相をマンセル表示系における色相0とし、左
廻り+50、右廻り−50で表示した際に、0〜+2
0、または0〜−20の色相範囲にある上記の真珠光沢
塗膜形成方法。 3.上記艶消しトップクリヤーコート層中の有彩着色樹
脂微粒子の量が、1〜50質量%である上記の真珠光沢
塗膜形成方法。 4.上記干渉性顔料が、マイカ顔料、金属酸化物被覆ア
ルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔
料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、チタンフレー
ク顔料、ホログラム顔料およびコレステリック液晶ポリ
マーからなるフレーク状顔料からなる群より選ばれた少
なくとも一種の顔料である上記の真珠光沢塗膜形成方
法。 5.上記の真珠光沢塗膜形成方法により得られた塗装
物。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳述
する。
【0007】真珠光沢塗膜形成方法 本発明の真珠光沢塗膜形成方法は、基材に、カラーベー
ス塗膜層を形成した後、前記カラーベース塗膜層上に干
渉性顔料を含有した干渉クリヤーコート層を形成し、さ
らにその上に艶消し剤として干渉クリヤーコート層の干
渉性顔料の干渉色と同系色の有彩着色樹脂微粒子(以
下、「有彩着色樹脂微粒子」という)を含む艶消しトッ
プクリヤーコート層を形成するものである。
【0008】基材 上記基材としては、鉄、アルミニウム、銅またはこれら
の合金等の金属類;ガラス、セメント、コンクリート等
の無機材料;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、
アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂類や各
種のFRP等のプラスチック材料;木材、繊維材料
(紙、布等)等の天然または合成材料等並びにこれらの
加工品が挙げられる。
【0009】本発明の真珠光沢塗膜形成方法では、上記
基材に直接または下地塗膜を介して、カラーベース塗膜
層を形成する。塗装物が自動車車体または自動車部品等
の場合は、予め上記基材に脱脂や化成処理による下地処
理や、電着塗装または各種プライマー塗装等による、下
地塗装を施しておくのが好ましい。
【0010】カラーベース塗膜層 本発明の真珠光沢塗膜形成方法では、まず基材にカラー
ベース塗膜層を形成する。このカラーベース塗膜層は、
好ましくはL値が65〜100、より好ましくはL値が
80〜100の高明度色域の層である。この範囲である
ことが、真珠光沢をより明確に発現するため、L値が6
5未満では真珠光沢を十分には発現できない恐れがあ
る。またL値100は、明度表示としての上限値であ
る。ここで、L値とはJIS Z8722に規定する三
刺激値X,Y,Zから求められるハンターの色差式にお
ける明度指数を意味する。色差は、分光測色計(例え
ば、商品名「SMコンピューター」、スガ試験機社製)
によって測定することができる。
【0011】上記カラーベース塗膜層の乾燥膜厚は、1
0〜100μmが好ましい。10μm未満では、下地を
隠蔽し難く、100μmを超えると塗膜外観不良を生じ
る恐れがある。より好ましくは20〜50μmである。
【0012】上記カラーベース塗膜層の形成は、カラー
ベース塗料を先の基材に塗布することにより行われる。
塗膜を形成する方法は特に限定されないが、カラーベー
ス塗料が液体の場合にはスプレー法、ロールコーター法
等が、粉体の場合には静電塗装が好ましい。また、カラ
ーベース塗膜層形成後、焼き付けを行っても行わなくて
もよい。行う場合には80〜160℃で所定時間焼き付
けることにより、塗膜を得ることができる。
【0013】上記カラーベース塗膜層の形成に用いられ
るカラーベース塗料は、着色顔料および/または光輝性
顔料をビヒクル中に分散したものである。このカラーベ
ース塗料を用いて得られる塗膜層のL値が、好ましくは
65〜100となるように、着色顔料および/または光
輝性顔料の種類および量を選択する。
【0014】上記着色顔料としては、従来から塗料用と
して常用されている有機顔料や無機顔料が挙げられる。
例えば、有機顔料としては、アゾレーキ系顔料、フタロ
シアニン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、キ
ノフタロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン
系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等が挙
げられ、また、無機顔料としては、黄色酸化鉄、ベンガ
ラ、二酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。
一方、上記光輝性顔料としては、従来から塗料用として
常用されている各種フレーク顔料、メタリック顔料等が
挙げられる。
【0015】上記着色顔料と光輝性顔料とを合計した塗
料中の含有量(塗料固形分100質量部に対する顔料の
固形分質量割合:PWC)は、70%未満が好ましく、
50%未満がより好ましい。70%を超えると塗膜外観
が低下する。またタルク、炭酸カルシウム、沈降性硫酸
バリウム、シリカ等の各種体質顔料等を併用することが
できる。
【0016】上記カラーベース塗料に含まれるビヒクル
を構成する塗膜形成用樹脂としては、(a)アクリル樹
脂、(b)ポリエステル樹脂、(c)アルキド樹脂、
(d)フッ素樹脂、(e)エポキシ樹脂、(f)ポリウ
レタン樹脂、(g)ポリエーテル樹脂等が挙げられ、こ
れらは、単独または2種以上を組み合わせて使用するこ
とができ、好ましくはアクリル樹脂またはポリエステル
樹脂である。
【0017】上記(a)アクリル樹脂としては、アクリ
ル系モノマーと他のエチレン性不飽和モノマーとの共重
合体が挙げられる。上記共重合に使用し得るアクリル系
モノマーとしては、アクリル酸またはメタクリル酸のメ
チル、エチル、プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t
−ブチル、2−エチルヘキシル、ラウリル、フェニル、
ベンジル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロ
ピル等のエステル化物類、アクリル酸またはメタクリル
酸2−ヒドロキシエチルのカプロラクトンの開環付加物
類、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、
アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN−メチロー
ルアクリルアミド、多価アルコールの(メタ)アクリル
酸エステル類等が挙げられる。これらと共重合可能な上
記他のエチレン性不飽和モノマーとしては、スチレン、
α−メチルスチレン、イタコン酸、マレイン酸、酢酸ビ
ニル等が挙げられる。
【0018】上記(b)ポリエステル樹脂としては、飽
和ポリエステル樹脂や不飽和ポリエステル樹脂が挙げら
れ、例えば、多塩基酸と多価アルコールを加熱縮合して
得られた縮合物が挙げられる。多塩基酸としては、例え
ば、無水フタル酸、テレフタル酸、コハク酸等の飽和多
塩基酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等の不
飽和多塩基酸が挙げられる。多価アルコールとしては、
例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール等
の二価アルコール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン等の三価アルコール等が挙げられる。また、上記塗膜
形成用樹脂には、硬化性を有するタイプとラッカータイ
プがあるが、通常硬化性を有するタイプのものが使用さ
れる。
【0019】上記塗膜形成用樹脂が硬化性を有するタイ
プの場合には、アミノ樹脂、(ブロック)ポリイソシア
ネート化合物、アミン系、ポリアミド系、イミダゾール
類、イミダゾリン類、多価カルボン酸等の架橋剤と混合
して使用され、加熱または常温で硬化反応を進行させる
ことができる。また、硬化性を有しないラッカータイプ
の塗膜形成用樹脂を、硬化性を有するタイプと併用する
ことも可能である。
【0020】上記ビヒクルが架橋剤を含む場合、塗膜形
成用樹脂と架橋剤との割合としては、固形分換算で塗膜
形成用樹脂が90〜50質量%、架橋剤が10〜50質
量%であり、好ましくは塗膜形成用樹脂が85〜60質
量%であり、架橋剤が15〜40質量%である。架橋剤
が10質量%未満では(塗膜形成用樹脂が90質量%を
超えると)、塗膜中の架橋が十分でない。一方、架橋剤
が50質量%を超えると(塗膜形成用樹脂が50質量%
未満では)、塗料の貯蔵安定性が低下するとともに硬化
速度が大きくなるため、塗膜外観が悪くなる。
【0021】上記カラーベース塗料は、上記成分の他
に、脂肪族アミドの潤滑分散体であるポリアミドワック
スや酸化ポリエチレンを主体としたコロイド状分散体で
あるポリエチレンワックス、沈降防止剤、硬化触媒、紫
外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、シリコーンや
有機高分子等の表面調整剤、タレ止め剤、増粘剤、消泡
剤、滑剤、架橋性重合体粒子(ミクロゲル)等を適宜添
加して含有することができる。これらの添加剤は、通
常、上記ビヒクル100質量部(固形分基準)に対して
例えば、それぞれ15質量部以下の割合で配合すること
により、塗料や塗膜の性能を改善することができる。
【0022】上記カラーベース塗料は、有機溶剤型、水
性または粉体型いずれの形態であってもよい。上記カラ
ーベース塗料が有機溶剤型または水性の場合、上記構成
成分を、通常、溶剤成分に溶解または分散した態様で提
供される。溶剤成分としては、ビヒクルを溶解または分
散するものであればよく、有機溶剤および/または水を
使用し得る。有機溶剤としては、塗料分野において常用
されているものが挙げられる。例えば、トルエン、キシ
レン等の炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等
のケトン類、酢酸エチル、セロソルブアセテート、ブチ
ルセロソルブ等のエステル類、アルコール類等を例示で
きる。環境面の観点から有機溶剤の使用が規制されてい
る場合には、水を用いることが好ましい。この場合、適
量の親水性有機溶剤を含有させてもよい。
【0023】干渉クリヤーコート層 本発明の真珠光沢塗膜形成方法では、上記カラーベース
塗膜層を形成した後、焼き付けを行わない場合にはウェ
ットオンウェット法、または焼き付けを行った場合には
ウェットオンドライ法により、干渉性顔料を含有した干
渉クリヤーコート層を形成する。上記干渉クリヤーコー
ト層は、干渉性顔料およびビヒクルを含有する干渉性ク
リヤー塗料により形成される。この塗膜を形成する方法
および焼き付けについては特に限定されず、先のカラー
ベース塗膜層のところで説明した内容が適用される。
【0024】上記干渉クリヤーコート層の乾燥膜厚は、
10〜50μmが好ましい。10μm未満では、真珠光
沢を発現し難く、50μmを超えると塗膜外観不良を生
じる恐れがある。より好ましくは10〜30μmであ
る。
【0025】上記干渉性クリヤー塗料に含まれる干渉性
顔料としては、マイカ顔料、金属酸化物被覆アルミナフ
レーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、金属
酸化物被覆ガラスフレーク顔料、チタンフレーク顔料、
ホログラム顔料およびコレステリック液晶ポリマーから
なるフレーク状顔料より選ばれた少なくとも一種の顔料
を用いることができる。好ましくはマイカ顔料が用いら
れる。このようなマイカ顔料としては、天然の白雲母や
合成雲母の表面に二酸化チタン、酸化鉄その他クロム、
コバルト、錫、ジルコニウム等の金属酸化物の薄膜をコ
ーティングして発色効果を付与したパールマイカ顔料で
あって、粒径範囲が1〜60μm、好ましくは1〜40
μm で、平均粒径15〜25μm の鱗片状粒子が挙げ
られる。上記マイカ顔料の干渉色は、被覆する金属酸化
物の種類・量(被覆厚)を変化させることで、調整する
ことができる。
【0026】上記干渉性顔料の干渉性クリヤー塗料中の
含有量(PWC)は、好ましくは0.1〜30%、より
好ましくは0.5〜15%である。0.1%未満では真
珠光沢の発現が十分に得られない恐れがあり、30%を
超えると塗膜外観が低下する恐れがある。
【0027】なお、上記干渉性クリヤー塗料に含まれる
ビヒクルは、上記カラーベース塗料のところで説明した
ものを用いることができる。
【0028】上記干渉性クリヤー塗料においては、透明
性を損なわない範囲で、上記の着色顔料を含有すること
ができる。
【0029】上記干渉性クリヤー塗料は、有機溶剤型、
水性または粉体型いずれの形態であってもよい。有機溶
剤型および水性塗料は、一液型であってもよいし、二液
型ウレタン樹脂塗料等のような二液型であってもよい。
【0030】艶消しトップクリヤーコート層 本発明の真珠光沢塗膜形成方法では、上記干渉クリヤー
コート層を形成した後、その上に焼き付けを行わない場
合にはウェットオンウェット法、または焼き付けを行っ
た場合にはウェットオンドライ法により、艶消し剤とし
て有彩着色樹脂微粒子を含む艶消しトップクリヤーコー
ト層を少なくとも1層形成する。
【0031】上記艶消しトップクリヤーコート層は、有
彩着色樹脂微粒子を艶消し剤として含む艶消しトップク
リヤーコート塗料により形成される。この塗膜を形成す
る方法および焼き付けについては特に限定されず、先の
カラーベース塗膜層のところで説明した内容が適用され
る。
【0032】上記艶消しトップクリヤーコート層の乾燥
膜厚は、20〜50μmが好ましい。20μm未満で
は、真珠光沢を発現し難く、50μmを超えると塗膜外
観不良を生じる恐れがある。より好ましくは25〜45
μmである。
【0033】艶消しトップクリヤーコート塗料に用いる
艶消し剤としては、有彩着色樹脂微粒子を用いる。
【0034】上記有彩着色樹脂微粒子としては、上記干
渉クリヤーコート層の干渉性顔料の干渉色と同系色の有
彩色に着色されたアクリル樹脂、ポリアクリロニトリル
樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド
樹脂等が挙げられる。好ましい同系色としては、上記有
彩着色樹脂微粒子のマンセル表示における色相Hが、マ
ンセル色相環100に対し上記干渉性顔料の干渉色の色
相をマンセル表示系における色相0とし、左廻り+5
0、右廻り−50で表示した際に、0〜+20、または
0〜−20の色相範囲である。この範囲にあることによ
り有彩着色性真珠光沢を高彩度に発現することができ
る。上記有彩着色樹脂微粒子の平均粒径は10〜25μ
mが好ましい。10μm未満であると有彩着色性真珠光
沢の発現効果が不十分であり、触感が滑らかになり過ぎ
る。また25μmを超えると艶消しトップクリヤー塗膜
層の表面凹凸が荒くなり、ざらつきの大きな触感を与え
る。
【0035】上記有彩着色樹脂微粒子の効果を損なわな
い量の、無機微粒子を併用してもよい。上記無機微粒子
としてはシリカ微粉末、クレー、タルク、雲母等が挙げ
られる。無機微粒子の平均粒径は1〜5μmが好まし
い。上記有彩着色樹脂微粒子と無機微粒子とを併用する
と、柔らかな雰囲気の有彩着色性真珠光沢を発現する複
合塗膜を形成することが可能となる。そのときの質量配
合比は、有彩着色樹脂微粒子1に対して無機粒子0.0
01〜1が好ましい。
【0036】上記有彩着色樹脂微粒子の含有量は、上記
艶消しトップクリヤーコート層中に1〜50質量%が好
ましい。1質量%未満であると、有彩着色性真珠光沢の
発現効果が得られない恐れがあり、また50質量%を超
えると、塗膜の強度が不十分となる恐れがある。より好
ましくは、2〜40質量%である。
【0037】上記有彩着色樹脂微粒子を含む艶消しトッ
プクリヤー塗料は、ビヒクルを含んでいる。このビヒク
ルとしては、上記カラーベース塗料のところで説明した
ビヒクルを用いることができる。また特公平8−193
15号公報に記載されたカルボキシル基含有ポリマーと
エポキシ基含有ポリマーとを組み合わせたものが、耐酸
性雨対策およびウェットオンウェット法で塗装した際
に、下層塗膜層の干渉性顔料の配向を乱さないという観
点から好ましく用いられる。
【0038】また、上記艶消しトップクリヤー塗料に
は、必要に応じて上記の着色顔料、体質顔料、改質剤、
紫外線吸収剤、レベリング剤、分散剤、消泡剤等の添加
剤を配合することが可能である。
【0039】また上記艶消しトップクリヤー塗料は、有
機溶剤型、水性または粉体型いずれの形態であってもよ
い。有機溶剤型および水性塗料としては、一液型であっ
てもよいし、二液型ウレタン樹脂塗料等のような二液型
であってもよい。なお先の干渉クリヤーコート層中に干
渉性顔料が多く含まれる場合や、粒径の大きい干渉性顔
料が含まれる場合には、上記艶消しトップクリヤーコー
ト層を2層以上形成すると、真珠光沢効果を向上させる
ことができる。上記艶消しトップクリヤーコート層を2
層以上形成する場合、最表層には、上記カルボキシル基
含有ポリマーとエポキシ基含有ポリマーとを含有する艶
消しクリヤー塗料により、艶消しトップクリヤーコート
層が形成されることが、上記と同じ理由で好ましい。
【0040】塗装物 本発明の塗装物は、先の真珠光沢塗膜形成方法によって
得られる。この塗装物では、基材上にカラーベース塗膜
層、その上に干渉性顔料を含有した干渉クリヤーコート
層、さらにその上に上記有彩着色樹脂微粒子を含む艶消
しトップクリヤーコート層が形成されている。
【0041】上記カラーベース塗膜層の乾燥膜厚は、1
0〜100μmが好ましく、20〜50μmがより好ま
しい。上記干渉クリヤーコート層の乾燥膜厚は、10〜
50μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
上記艶消しトップクリヤーコート層の乾燥膜厚は、20
〜50μmが好ましく、25〜45μmがより好まし
い。
【0042】上記塗装物には複層塗膜が形成されてい
る。ここで、上記有彩着色樹脂微粒子を含む艶消しトッ
プクリヤーコート層は、下層の塗膜層を隠蔽しない層で
あり、上記カラーベース塗膜層および干渉クリヤーコー
ト層との複合効果として、これら3層からなる複層塗膜
が有彩着色性真珠光沢を発現する。
【0043】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例を挙げて
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
のみ限定されるものではない。なお、配合量は特に断り
のないかぎり質量部を表す。また原材料、塗料、機器の
名称は、特に断らない限り商品名を表す。
【0044】実施例1〜13、比較例1〜3 基材の調製 ダル鋼板(長さ300mm、幅100mmおよび厚さ
0.8mm)を燐酸亜鉛処理剤(「サーフダインSD2
000」、日本ペイント社製)を使用して化成処理した
後、カチオン電着塗料(「パワートップU−50」、日
本ペイント社製)を乾燥膜厚が25μmとなるように電
着塗装した。次いで、160℃で30分間焼き付け、基
材とした。
【0045】塗膜形成方法 上記基材に、乾燥膜厚が30μmとなるように以下に示
すカラーベース塗料を表1に示す組み合わせでエアース
プレー塗装し、140℃で30分間焼き付けてカラーベ
ース塗膜層を形成した。塗装は静電塗装機(「Auto
REA」、ABBインダストリー社製)を用い、霧化
圧2.8kg/cm2で行った。その後、干渉性クリヤ
ー塗料A(干渉マイカ顔料:「イリオジン7225WI
I(ブルー)、メルク社製」を乾燥塗膜中に10質量%
含有するアクリルメラミン樹脂系クリヤー塗料)または
干渉性クリヤー塗料B(酸化チタン被覆アルミナフレー
ク顔料:「Xirallic T−60−23WIII
(ブルー)、メルク社製」を乾燥塗膜中に10質量%含
有するアクリルメラミン樹脂系クリヤー塗料)を乾燥膜
厚が15μmとなるようにエアースプレー塗装し、塗装
後3分間セッティングし、下記に示したクリヤー塗料に
表1に示す種類および量の有彩着色樹脂微粒子を添加し
て得られた艶消しトップクリヤー塗料を乾燥膜厚が35
μmになるように塗装し、室温で10分間セッティング
し、140℃の温度で30分間焼き付けた。得られた塗
膜の有彩着色性真珠光沢の発現効果を下記評価方法で評
価し結果を表1に示した。
【0046】カラーベース塗料 カラーベース塗料1:アクリル/メラミン樹脂系カラー
ベース塗料(「オルガS−90シーラーホワイト」、日
本ペイント社製、L値:95) カラーベース塗料2:アクリル/メラミン樹脂系カラー
ベース塗料(「オルガS−90ライトグレー」、日本ペ
イント社製、L値:85) カラーベース塗料3:アクリル/メラミン樹脂系カラー
ベース塗料(「オルガS−90シーラーグレー」、日本
ペイント社製、L値:70) カラーベース塗料4:アクリル/メラミン樹脂系カラー
ベース塗料(「オルガS−90シーラーダークグレ
ー」、日本ペイント社製、L値:40) L値:JIS Z 8722に規定する三刺激値X、
Y、Zから求められるハンターの色差式における明度指
数である。
【0047】クリヤー塗料 クリヤー塗料1:アクリル/メラミン樹脂系(商品名:
「スーパーラックO−130クリヤー」、日本ペイント
社製)、 クリヤー塗料2:カルボキシル基含有ポリマーおよびエ
ポキシ基含有ポリマー系(「マックフローO−520ク
リヤー」、日本ペイント社製)
【0048】艶消し剤 艶消し剤1:青色着色アクリル樹脂(着色色相Hが、マ
ンセル色相環100に対し上記干渉性顔料の干渉色の色
相をマンセル表示系における色相0とし、左廻り+5
0、右廻り−50で表示した際に、+5のもの)、 艶消し剤2:青緑着色アクリル樹脂(着色色相Hが、マ
ンセル色相環100に対し上記干渉性顔料の干渉色の色
相をマンセル表示系における色相0とし、左廻り+5
0、右廻り−50で表示した際に、+15のもの)、 艶消し剤3:紫色着色アクリル樹脂(着色色相Hが、マ
ンセル色相環100に対し上記干渉性顔料の干渉色の色
相をマンセル表示系における色相0とし、左廻り+5
0、右廻り−50で表示した際に、−10のもの)、 艶消し剤4:青色着色ポリウレタン(着色色相Hが、マ
ンセル色相環100に対し上記干渉性顔料の干渉色の色
相をマンセル表示系における色相0とし、左廻り+5
0、右廻り−50で表示した際に、+5のもの)、 艶消し剤5:黄色着色アクリル樹脂(着色色相Hが、マ
ンセル色相環100に対し上記干渉性顔料の干渉色の色
相をマンセル表示系における色相0とし、左廻り+5
0、右廻り−50で表示した際に、+48のもの)…比
較例用
【0049】評価方法 有彩着色性真珠光沢:上記で得られた各塗膜をほぼ真上
から見た場合(A)と、試験片に対する俯瞰角度15度
程度で見た場合(B)との境界部の色相変化の見え方を
目視で評価した。 3…(A)と(B)との境界部の色相変化が、高彩度で
有彩着色性を伴って緩やかに変化するもの 2…(A)と(B)との境界部の色相変化が、高彩度で
有彩着色性を伴ってやや緩やかに変化するもの 1…(A)と(B)との境界部の色相変化が、急激に変
化するもの、または高彩度で有彩着色性を伴わないもの
【0050】
【表1】
【0051】表1の結果から明らかのように、本実施例
は、本発明の真珠光沢塗膜形成方法により塗膜を形成し
たもので、高彩度有彩着色性真珠光沢を発現する塗装物
が得られた。一方、比較例では、高彩度有彩着色性真珠
光沢が得られない結果となった。
【0052】
【発明の効果】以上のように、基材に、カラーベースコ
ート層を形成した後、干渉性顔料を含有した干渉クリヤ
ーコート層を形成し、次いで有彩着色樹脂微粒子を含む
艶消しトップクリヤーコート層を形成することにより、
高彩度有彩着色性真珠光沢の意匠を呈する光輝性塗膜の
提供を可能にした。
【0053】また、本発明により得られる塗膜は、高彩
度有彩着色性真珠光沢を呈するため、自動車、二輪車等
の乗物外板、容器外面、コイルコーティング、家電製
品、通信製品等の意匠性が要求される塗装物において好
ましく使用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 AE03 CB02 CB15 DA06 DB02 DB06 DB07 DB12 DB13 DB18 DB20 DB21 DB36 DB38 DB40 DB43 DB47 DB48 DB50 DB53 DB61 DC12 DC13 DC18 DC41 EA07 EA10 EB17 EB22 EB32 EB33 EB35 EB36 EB37 EB38 EB39 EB45 EC03 EC04 EC05 EC07 EC11 EC23 EC54

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材に、カラーベース塗膜層を形成した
    後、前記カラーベース塗膜層上に干渉性顔料を含有した
    干渉クリヤーコート層を形成し、さらにその上に艶消し
    剤として前記干渉性顔料の干渉色と同系色の有彩着色樹
    脂微粒子を含む艶消しトップクリヤーコート層を形成す
    る真珠光沢塗膜形成方法。
  2. 【請求項2】前記有彩着色樹脂微粒子のマンセル表示に
    おける色相Hが、マンセル色相環100に対し前記干渉
    性顔料の干渉色の色相をマンセル表示系における色相0
    とし、左廻り+50、右廻り−50で表示した際に、0
    〜+20、または0〜−20の色相範囲にある請求項1
    記載の真珠光沢塗膜形成方法。
  3. 【請求項3】前記艶消しトップクリヤーコート層中の有
    彩着色樹脂微粒子の量が、1〜50質量%である請求項
    1または2記載の真珠光沢塗膜形成方法。
  4. 【請求項4】前記干渉性顔料が、マイカ顔料、金属酸化
    物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフ
    レーク顔料、金属酸化物被覆ガラスフレーク顔料、チタ
    ンフレーク顔料、ホログラム顔料およびコレステリック
    液晶ポリマーからなるフレーク状顔料からなる群より選
    ばれた少なくとも一種の顔料である請求項1から3いず
    れか1項記載の真珠光沢塗膜形成方法。
  5. 【請求項5】請求項1から4いずれか1項記載の真珠光
    沢塗膜形成方法により得られた塗装物。
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