JP3839159B2 - 積層塗膜の形成方法 - Google Patents

積層塗膜の形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車車体や自動車部品等の上に形成する積層塗膜の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば自動車車体等の上塗り塗装においては、アルミフレークやマイカ粉などの光輝材を用いた塗装が知られている。光輝材の中でも、特にマイカ粉は、パール光沢などの独特の意匠性を塗膜に付与することができるので、近年注目されている。
【0003】
光輝材として用いるマイカ粉としては、ホワイトマイカ、干渉マイカ、及び着色マイカが知られている。ホワイトマイカは、二酸化チタンなどの金属酸化物層をマイカ表面に薄くコーティングしたマイカであり、いわゆるパール(真珠)光沢が得られるマイカ粉である。干渉マイカは、二酸化チタンなどの金属酸化物層をマイカ表面に相対的に厚くコーティングしたマイカ粉であり、金属酸化物層の膜厚に応じた光の干渉作用によって特有の干渉(発)色が得られるマイカ粉である。着色マイカは、二酸化チタンなどの金属酸化物層をマイカの表面にコーティングし、さらにその上に顔料や染料などをコーティングしたマイカ粉であり、金属酸化物層に基づく反射色と、その上にコーティングされた顔料または染料に基づく吸収色の二色性を呈するマイカ粉である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
自動車車体などの上塗り塗装において光輝材として実用的に用いられているマイカ粉は、上記のマイカ粉のうち、ホワイトマイカ及び干渉マイカであり、着色マイカは実用的には用いられていないのが現状である。その理由は、着色マイカを光輝材として用いると、被塗物の形状等による塗装膜厚等の僅かな条件の変化で、マイカ粉が呈する色調が異なってしまい、広範囲に安定した発色が得られず、一定の塗膜外観を再現性良く得ることが困難だからである。従って、現在までのところ、自動車車体等において、着色マイカを用いた塗装系は実用化されていない。
【0005】
本発明の目的は、自動車車体や自動車部品等の上に形成する上塗り積層塗膜において着色マイカを用い、膜厚差による塗膜外観(発色性)のバラツキが少なく、安定した意匠性を呈することができる積層塗膜の形成方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の積層塗膜の形成方法は、被塗物の中塗り塗膜上に、着色顔料を含有した着色ベース塗膜層を形成し、その上に反射色と吸収色で色相が異なる二色性を呈する着色マイカ顔料を含有したマイカベース塗膜層を形成し、さらにその上にクリヤ塗膜層を形成する積層塗膜の形成方法において、着色マイカ顔料の反射色が、マイカ表面に設けられる金属酸化物層に基づく色相であり、吸収色が金属酸化物層上に設けられる着色顔料または染料のコーティング層に基づく色相であり、反射色と吸収色の組み合わせが、グリーンとブルー、ゴールド(イエロー)とブルー、ブルーとレッド、ゴールド(イエロー)とグリーン、またはブルーとグリーンであり、かつ、着色マイカ顔料を含有したマイカベース塗膜層が、ハイライトの位置から見ると反射色の色相を呈し、シェードの位置から見ると吸収色の色相を呈する塗膜であり、着色ベース塗膜層の色相をマイカベース塗膜層の着色マイカ顔料の吸収色と同系色にすることを特徴としている。
【0007】
本発明においては、上述のように、着色ベース塗膜層の色相を、マイカベース塗膜層の着色マイカ顔料の吸収色と同系色にする。具体的には、着色ベース塗膜層の色相を、マイカベース塗膜層の着色マイカ顔料の吸収色に対し、マンセル表色系の色相環(10色相)の色配置において同一の色相または隣りの色相もしくは隣りの隣りの色相とすることが好ましい。特に好ましくは、同一の色相または隣りの色相とする。
【0008】
本発明に従えば、着色マイカを用いた積層塗膜において、マイカベース塗膜の膜厚差による塗膜外観(発色性)のバラツキが少なく、広範囲に安定した意匠性を呈する積層塗膜を形成することができる。本発明は、被塗物の形状に起因するマイカベース塗膜の部位による膜厚差が乾燥膜厚で5μm以上となるような塗装系に特に有用である。
【0009】
本発明における積層塗膜は、いわゆる3コート2ベーク方式、あるいは3コート1ベーク方式で形成することができる積層塗膜である。3コート2ベーク方式は、着色ベース塗膜層を塗装し一旦ベーキング処理した後、マイカベース塗膜層をその上に塗装し、さらにその上にウェット・オン・ウェットでクリヤ塗膜層を塗装した後、マイカベース塗膜層とクリヤ塗膜層とを同時にベーキング処理する方式である。3コート1ベーク方式は、着色ベース塗膜層を塗装し、その上にウェット・オン・ウェットでマイカベース塗膜層を塗装し、その上にさらにウェット・オン・ウェットでクリヤ塗膜層を塗装した後、着色ベース塗膜層、マイカベース塗膜層及びクリヤ塗膜層を同時にベーキング処理する方式である。
【0010】
本発明の積層塗膜は、上記本発明の形成方法により形成される積層塗膜である。
本発明の積層塗膜の色差評価方法は、着色顔料を含有した着色ベース塗膜層と、反射色と吸収色で色相が異なる着色マイカ顔料を含有したマイカベース塗膜層と、クリヤ塗膜層とを順次積層した積層塗膜において、変角色差計を用い、入射角に対して45〜75度の範囲内の角度で測定することにより、上記積層塗膜の色差を評価することを特徴とする評価方法である。
【0011】
本発明の評価方法によれば、着色マイカを用いた積層塗膜の色差を、肉眼による目視とほぼ一致する傾向で評価することができ、実際の塗膜外観を数値で管理することが可能になる。
【0012】
本発明において用いられる着色マイカ顔料は、上述のように、反射色と吸収色で色相が異なるマイカ顔料である。このようなマイカ顔料としては、上述のように、金属酸化物をコーティングしたマイカの上に、さらに着色顔料または染料をコーティングしたマイカ顔料が挙げられる。このようなマイカ顔料は、例えば、特開昭63−243168号公報に記載されており、ここでは、金属酸化物をコーティングしたマイカ顔料に、湿式法により着色顔料をコーティングしている。また、特開平5−214257号公報にも、同様のマイカ顔料が記載されており、ここでは、金属酸化物をコーティングしたマイカ顔料に、乾式法により着色顔料または染料をコーティングしている。本発明で用いられる着色マイカ顔料は、このような湿式法及び乾式法のいずれの方法により調製されたものであってもよい。
【0013】
本発明における着色マイカ顔料に用いられるマイカ顔料の寸法形状は特に限定されるものではないが、最長方向において約3〜100μm、好ましくは約5〜60μmであり、厚み方向において約0.1〜1μmであり、アスペクト比が10〜120のマイカ粒子であることが好ましい。
【0014】
着色マイカ顔料において、マイカ表面にコーティングする金属酸化物としては、例えば、TiO2 、ZrO2 、SnO2 、ZnO2 、Fe2 3 、Cr2 3 、V2 5 及びこれらの含水系等の金属酸化物が挙げられる。これらの金属酸化物は、上述のホワイトマイカや干渉マイカにおいてコーティングされるのと同様の金属酸化物であり、マイカ顔料に対し、真珠(パール)光沢、及び玉虫色効果等をもたらすものである。金属酸化物のコーティング層は、一般に約80〜約600nmの光学的厚みを有することが好ましい。着色マイカ顔料の反射色は、一般にこの金属酸化物のコーティング層の干渉作用により与えられる。
【0015】
着色マイカ顔料において、金属酸化物コーティング層の上に被覆される着色顔料または染料は、特に限定されるものではないが、例えば、フタロシアニン、キナクリドン、ペリレン、ジオキサン、カーボン、アゾ化合物、アントラキノン、ペリノン、チオインジゴ等の顔料粒子が挙げられる。これらの顔料粒子を、上記湿式法でコーティングする場合には、例えば特開昭63−243168号公報に記載されているように、多価カチオンにより沈殿し得るアニオン性高分子、あるいはアニオン及びカチオン双方を有する高分子と同時に水中にこれらの顔料粒子を分散させ、マイカ顔料の表面に高分子を析出させて、マイカ顔料表面に顔料粒子を付着させる。着色マイカ顔料の吸収色は、このようにして金属酸化物コーティング層の上にコーティングされる着色顔料または染料に基づくものである。
【0016】
本発明において用いられる着色マイカ顔料の市販品としては、例えば、「Dynacolor(ダイナカラー)」(マール社(The Mearl Corporation )製)が挙げられる。これら市販品の着色マイカ顔料は、顔料の粒径が6〜48μmで、平均粒径が18〜20μmのマイカ粒子であり、グリーン、ブルー、ゴールド(イエロー)、ホワイトの色を有する干渉マイカの上に、ブルー、グリーン、レッド、バイオレットの着色顔料のコーティング層が設けられている。これらの着色マイカ顔料は、反射色と吸収色で色相が異なる二色性を有している。表1に、これら市販品のグレード及びその反射色と吸収色を示す。
【0017】
反射色は、マイカ表面に設けられる金属酸化物に基づく色相であり、吸収色は金属酸化物層の上に設けられる着色顔料のコーティング層に基づく色相である。
【0018】
【表1】
Figure 0003839159
【0019】
例えば、表1に示すグレード「BY−B」は、ゴールド(イエロー)の干渉マイカの上に、ブルーの顔料の着色層が設けられた着色マイカ顔料である。この着色マイカ顔料は、いわゆるハイライトの位置から見るとゴールド(イエロー)の色相を呈し、シェードの位置から見るとブルーの色相を示す。
【0020】
本発明におけるマイカベース塗膜層は、上述のような着色マイカ顔料を含有したマイカベース塗料を塗布することにより形成することができる。
マイカベース塗料のバインダーとしては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フッ素系樹脂等の塗膜形成樹脂と、アミノ樹脂及び/またはブロックポリイソシアネート化合物などの架橋剤が用いられる。塗料中の好ましい固形分含有量は、製造時30〜70重量%、塗布時10〜50重量%の範囲である。また塗装形成される塗膜の乾燥膜厚は、10〜30μmが好ましい。
【0021】
またマイカベース塗料には、上記の着色マイカ顔料に加えて、必要に応じてホワイトマイカ、干渉マイカなどその他のマイカ顔料を添加してもよい。さらには、アルミフレークなどの金属フレークを添加してもよい。
【0022】
本発明における着色ベース塗膜層は、着色顔料を含有した着色ベース塗料を塗布することにより形成することができる。着色ベース塗料に含有される着色顔料は、上述のように、マイカベース塗膜層の着色マイカ顔料の吸収色と同系色の色相となるような着色顔料が選ばれる。
【0023】
着色顔料としては、有機系、無機系の各種着色顔料及び体質顔料などが挙げられる。着色顔料としては、例えば、有機系のアゾレーキ系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料など、無機系の黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタンなど、また体質顔料としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等が用いられる。
【0024】
着色ベース塗料のバインダーとしては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フッ素系樹脂等の塗膜形成樹脂と、アミノ樹脂及び/またはブロックポリイソシアネート化合物などの架橋剤が用いられる。塗料中の好ましい固形分含有量は、製造時30〜70重量%、塗布時10〜50重量%の範囲である。また塗装形成される塗膜の乾燥膜厚は、10〜30μmが好ましい。
【0025】
本発明におけるクリヤ塗膜層は、クリヤ塗料を塗布することにより形成することができる。クリヤ塗料のバインダーとしては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フッ素系樹脂等の塗膜形成樹脂と、アミノ樹脂及び/またはブロックポリイソシーネート化合物などの架橋剤からなる樹脂組成物や、酸基を有するアクリル樹脂とエポキシ化合物からなる酸−エポキシ系のアクリル塗料などを用いることができる。塗料中の好ましい固形分含有量は、製造時30〜70重量%、塗布時10〜50重量%の範囲である。また塗装形成される塗膜の乾燥膜厚は、30〜60μm程度が好ましい。
【0026】
また、本発明においては、着色ベース塗料、マイカベース塗料、及びクリヤ塗料に、必要に応じて構造粘性付与剤としての架橋樹脂粒子を含有させてもよい。架橋樹脂粒子の粒子径は、1μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.8μmである。架橋樹脂粒子の含有量は、各塗料の樹脂固形分100重量部に対し0.1重量部〜15重量部であることが好ましい。
【0027】
架橋樹脂粒子としては、一般にNAD(Non Aqueous Dispersion)塗料中に含有されるとされているポリマー粒子を使用することができる。例えば、色材,48巻(1975)第28頁〜第34頁中に記載されているNAD塗料に用いられるポリマー粒子を用いることができる。また、特開昭53−133236号公報及び特開昭58−129066号公報に開示されている重合体微粒子を、架橋樹脂粒子として用いることができる。
【0028】
また、本発明においては、着色ベース塗料、マイカベース塗料、及びクリヤ塗料に、所望により、その他の添加剤を含有させることができる。このような添加剤としては、例えば、シリコーン及び有機高分子のような表面調整剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール等がある。
【0029】
本発明における被塗物は、特に限定されるものではなく、例えば、鉄、アルミニウム、銅もしくはこれらの合金を含む金属類を初めとして、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリアクリル、ポリエステル、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリウレタン等の樹脂成形品及び各種FRPなどのプラスチック材料が挙げられる。
【0030】
本発明における被塗物が、自動車部品などのプラスチック成形品である場合には、上記各塗料のバインダーとして2液型ポリウレタン樹脂やシリコーン樹脂などの常温硬化型のバインダー樹脂を用いることができる。
【0031】
また、自動車車体等のような金属を基材とする場合には、その表面を化成処理するのが一般的である。また、一般には化成処理後、下塗り層及び中塗り層を形成した後に、本発明の積層塗膜が形成される。
【0032】
下塗り層は、一般に電着塗装により形成される。電着塗装に用いる塗料としては、カチオン電着塗料及びアニオン電着塗料のいずれを使用してもよい。
中塗り層は、下地欠陥を隠蔽し、上塗塗装後の表面平滑性の確保と耐チッピング性を付与するため施されるものであり、有機系、無機系の各種着色顔料及び体質顔料を含む中塗塗料を用いて塗装される。中塗塗料の着色顔料としては、例えば、有機系のアゾレーキ系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料など、無機系の黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタンなど、また体質顔料としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等が用いられる。標準的には、カーボンブラックと二酸化チタンを主要顔料としたグレー系の中塗塗料が多用されるが、前記の各着色顔料を組み合わせた、いわゆるカラー中塗塗料を用いることもできる。
【0033】
塗料形態としては、有機溶剤型、水性(水溶性、水分散性、エマルジョン)、非水分散型のいずれでもよい。中塗塗料のバインダーとしては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂などを基本樹脂とし、これにアミノ樹脂や(ブロック)ポリイソシアネート化合物などの架橋剤を混合した樹脂、あるいは常温乾燥で硬化することができる2液型ポリウレタン樹脂やシリコーン樹脂などを用いることができる。中塗塗料は、このバインダー樹脂と上記の着色顔料を形成塗膜が所望の色相となるように配合して調製されるが、固形分含有量は、製造時30〜70重量%、塗布時10〜50重量%の範囲が好ましい。また塗装形成される中塗塗膜の乾燥膜厚は25〜50μm、好ましくは30〜40μmの範囲である。
【0034】
この他、中塗塗料として耐チッピング性プライマーと称するチッピング吸収機能を有する塗料を適用することも可能である。該耐チッピングプライマーは、単独で中塗塗料とされる他、中塗塗料の前工程及び/または後工程として使用することもできる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従う具体的な実施例について説明する。また、特に断らない限り、配合量及び%等は重量基準である。
【0036】
マイカベース塗料の調製
マイカベース塗料を、以下の配合で調製した。着色マイカ顔料としては、反射色としてゴールド(イエロー)の色相を呈し、吸収色としてブルーの色相を呈するものを用いた。
【0037】
なお、以下の塗料の配合において、R/MF比は、(熱硬化性アクリル樹脂)/(メラミン樹脂)の固形分重量比を示しており、PWCは固形分重量基準の顔料含有量を示している。
【0038】
また、以下の塗料の調製においては、全ての着色顔料と熱硬化性アクリル樹脂を、ガラスビーズを分散媒体とした卓上SGミルで粒度5μm以下になるまで、予め分散し、分散ペーストとした後、この分散ペーストにその他の残りの原料を順次デスパーで攪拌しながら徐々に加えて調製した。
【0039】
Figure 0003839159
【0040】
グレー中塗り塗料の調製
以下の配合で、グレー中塗り塗料を調製した。
【0041】
Figure 0003839159
【0042】
着色ベース塗料の調製
以下の配合で、着色ベース塗料としてのブルー系カラーベース塗料を調製した。
【0043】
Figure 0003839159
【0044】
上記ブルー系カラーベース塗料の配合において、シアニンブルー顔料の代わりに、酸化鉄エロー顔料を用いることにより、以下のイエロー系カラーベース塗料を調製した。
【0045】
・イエロー系カラーベース塗料、R/MF比=7/3、PWC=25%
(L値=55.63、a値=−4.50、b値=−9.09)
【0046】
上記ブルー系カラーベース塗料の配合において、シアニンブルー顔料の代わりに、キナクリドン系レッド顔料を用いることにより、以下のレッド系カラーベース塗料を調製した。
【0047】
・レッド系カラーベース塗料、R/MF比=7/3、PWC=25%
(L値=63.44、a値=1.48、b値=−3.94)
【0048】
上記ブルー系カラーベース塗料の配合において、シアニンブルー顔料の代わりに、シャニン系グリーン顔料を用いることにより、以下のグリーン系カラーベース塗料を調製した。
【0049】
・グリーン系カラーベース塗料、R/MF比=7/3、PWC=25%
(L値=64.03、a値=−2.47、b値=−3.24)
【0050】
クリヤ塗料
クリヤ塗料としては、「スーパーラック O−150クリヤ」(商品名、日本ペイント社製、アクリル・メラミン樹脂硬化系塗料)を用いた。
【0051】
外観評価用塗板の作製
予めリン酸亜鉛処理を施した、厚さ0.8mm、20cm×30cmのダル鋼板に、カチオン電着塗料(日本ペイント社製)を乾燥膜厚が20μmとなるように電着塗装し、160℃で30分間焼き付けた。
【0052】
次に、得られた塗膜表面に、予めスプレー粘度に調整した上記グレー中塗り塗料を、乾燥膜厚が30μmとなるようにスプレーガンで塗装し、10分間セッティングした後、140℃で20分間焼き付け、下地塗膜を形成した。
【0053】
次に、上記の各着色ベース塗料を、乾燥膜厚が20μmとなるように、静電スプレー塗装機で塗装し、10分間のインターバルの後、上記のマイカベース塗料を、10μm〜20μmの濃度勾配が乾燥膜厚にできるように、静電スプレー塗装機で塗装し、5分間のインターバルの後、ウェット・オン・ウェット塗装で、上記クリヤ塗料を、乾燥膜厚が30μmとなるようにスプレーガンで塗装した。10分間のセッティングの後、140℃で20分間焼き付け、放冷し、外観評価用塗板を得た。
【0054】
目視による色差の評価
得られた外観評価用塗板について、マイカベース塗膜層の膜厚が10μmの部位と、18μmの部位で、目視により色差を評価した。評価は、目視による色差感が大きいものを「大」とし、中程度のものを「中」とし、色差感が小さいものを「小」とした。評価結果を表2に示す。
【0055】
なお、表2において「グレー系カラーベース(中塗り)として示したものは、中塗り塗膜の上に着色ベース塗膜を形成せずに、中塗り塗膜の上に直接マイカベース塗料を塗装した評価用塗板である。
【0056】
色差計による色差の評価
次に、色差計を用いてマイカベース塗膜の膜厚が10μmの部位と18μmの部位における色差を評価した。表2に示す測色角度は、入射角に対する測色の角度を示している。測色角度10度においては、従来の色差計(ミノルタ社製、CR−200)を用いて測定した。測色角度25度、45度、及び75度については、変角色差計(ミノルタ社製、CM−512m3)を用いて測定した。測定結果を表2に示す。
【0057】
【表2】
Figure 0003839159
【0058】
表2から明らかなように、着色ベース塗膜としてブルー系カラーベース塗膜を用いた場合に、目視での色差感が小さくなっている。従って、本実施例のように吸収色がブルーの色相である着色マイカ顔料を用いる場合には、着色ベース塗膜の色相を、同系色のブルー系とすることにより、膜厚による色差感が小さくなり、安定した意匠性を付与できることがわかる。
【0059】
また、従来の測色角度である10度で色差を測定した場合、表2に示されるように、測定される色差の数値は、目視での色差感と一致していないことがわかる。変角色差計を用い、測色角度45度及び75度で測定すると、ブルー系カラーベースを用いた場合の色差が、他のカラーベース塗膜に比べ小さな値となっている。従って、測色角度を45〜75度の範囲内の角度にして色差を測定することにより、目視での色差感に比例した数値として色差を測定できることがわかる。従って、着色マイカ顔料を含有する積層塗膜においては、45〜75度の範囲内の角度で色差を測定することにより、塗膜の膜厚差による色差感を統一し、管理することができ、安定した品質の塗膜を供給することができる。
【0060】
【発明の効果】
本発明の積層塗膜の形成方法に従えば、膜厚差による塗膜外観(発色性)のバラツキが少なく、安定した意匠性を呈する積層塗膜を形成することができる。

Claims (4)

  1. 被塗物の中塗り塗膜上に、着色顔料を含有した着色ベース塗膜層を形成し、その上に反射色と吸収色で色相が異なる二色性を呈する着色マイカ顔料を含有したマイカベース塗膜層を形成し、さらにその上にクリヤ塗膜層を形成する積層塗膜の形成方法において、
    前記着色マイカ顔料の反射色が、マイカ表面に設けられる金属酸化物層に基づく色相であり、吸収色が金属酸化物層上に設けられる着色顔料または染料のコーティング層に基づく色相であり、
    前記反射色と前記吸収色の組み合わせが、グリーンとブルー、ゴールド(イエロー)とブルー、ブルーとレッド、ゴールド(イエロー)とグリーン、またはブルーとグリーンであり、かつ、前記着色マイカ顔料を含有した前記マイカベース塗膜層が、ハイライトの位置から見ると前記反射色の色相を呈し、シェードの位置から見ると前記吸収色の色相を呈する塗膜であり、
    前記着色ベース塗膜層の色相を前記マイカベース塗膜層の着色マイカ顔料の吸収色と同系色にすることを特徴とする積層塗膜の形成方法。
  2. 前記着色ベース塗膜層の色相が、前記マイカベース塗膜層の着色マイカ顔料の吸収色に対し、マンセル表色系の色相環(10色相)の色配置において同一の色相または隣りの色相もしくは隣りの隣りの色相である請求項1に記載の積層塗膜の形成方法。
  3. 前記積層塗膜が、前記着色ベース塗膜層を塗装しベーキング処理した後、前記マイカベース塗膜層を塗装し、その上にウェット・オン・ウェットで前記クリヤ塗膜層を塗装してベーキング処理する3コート2ベーク方式、あるいは前記着色ベース塗膜層、前記マイカベース塗膜層及び前記クリヤ塗膜層を順次ウェット・オン・ウェットで塗装した後ベーキング処理する3コート1ベーク方式で形成される請求項1または2に記載の積層塗膜の形成方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法で形成された積層塗膜。
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