JP2002038096A - ベース塗料組成物 - Google Patents

ベース塗料組成物

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JP2002038096A
JP2002038096A JP2000227307A JP2000227307A JP2002038096A JP 2002038096 A JP2002038096 A JP 2002038096A JP 2000227307 A JP2000227307 A JP 2000227307A JP 2000227307 A JP2000227307 A JP 2000227307A JP 2002038096 A JP2002038096 A JP 2002038096A
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JP2000227307A
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Katsuhiko Kano
勝彦 加野
Hitoshi Hori
仁 堀
Yasukiyo Shiomi
泰清 塩見
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車車体等を塗装する際に、中塗り塗料を
塗布し、ウエット・オン・ウエット方式でベース塗料及
びクリヤー塗料を塗布し、中塗り塗料、ベース塗料及び
クリヤー塗料を同時に焼き付け硬化させる3コート1ベ
ーク法において、優れた仕上がり外観を得ることができ
るベース塗料組成物を提供する。 【解決手段】 樹脂固形分総量に基づく固形分比で、水
酸基含有樹脂(a)10〜70重量%、水酸基と反応し
うる硬化剤(b)10〜70重量%及び非水ディスパー
ジョン樹脂(c)5〜50重量%からなり、更に、顔料
を含有することを特徴とするベース塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車車体等に使
用されるベース塗料組成物に関し、更に詳しくは、自動
車車体等に中塗り塗料を塗布し、その上にウエット・オ
ン・ウエット方式によりベース塗料及びクリヤー塗料を
塗布し一度に焼き付け硬化を行う、いわゆる3コート1
ベーク法に好適なベース塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車車体等は、被塗物である鋼板の表
面に塗装下地としてリン酸亜鉛等による化成処理が行わ
れた後、下塗り塗装、中塗り塗装及び上塗り塗装が行わ
れて、複層塗膜が形成されている。このうち、塗装工程
は、通常、電着塗装により下塗り塗装を行い焼き付け硬
化させて下塗り塗膜を形成させ、その上に中塗り塗料を
塗装し焼き付け硬化させて中塗り塗膜を形成させた後、
上塗り塗装が行われており、下塗り塗装、中塗り塗装及
び上塗り塗装は各塗装後に別々に焼き付け硬化が行われ
ている。
【0003】上塗り塗装としてベース塗料及びクリヤー
塗料を用いる場合には、中塗り塗料を塗装し焼き付け硬
化させた後、ベース塗料及びクリヤー塗料をウエット・
オン・ウエット方式により塗装してから一度に焼き付け
硬化を行う、いわゆる3コート2ベーク法により行われ
ている。
【0004】このような3コート2ベーク法は、塗装工
程が長く、エネルギー消費量が多いため、トータルコス
トが高いという問題点があった。特公昭59−3303
3号公報には、電着塗装により下塗りを行い焼き付けを
行った後、中塗り塗料及びメタリック塗料を塗布して同
時に焼き付けを行うメタリック塗装方法が開示されてい
る。しかしながら、従来のメタリックベース塗料を用い
てこの方法を実施した場合には、中塗り塗料を塗装した
後に一旦焼き付け硬化を行う3コート1ベーク法と比較
して、仕上がり外観に劣るという問題が生じていた。
【0005】特開平10−5680号公報には、中塗り
塗料及び/若しくはメタリックベース塗料として、又
は、中塗り塗料及び/若しくはソリッド系塗料として、
架橋性重合体微粒子(ミクロゲル)を添加したものを使
用して、中塗り塗料を塗布し、ウエット・オン・ウエッ
ト方式で上塗り塗料、即ち、メタリックベース塗料及び
クリヤー塗料、又は、ソリッド系塗料を塗布し、中塗り
塗料と上塗り塗料とを同時に焼き付け硬化させる方法が
記載されている。この架橋性重合体微粒子(ミクロゲ
ル)は、塗装の界面において各塗料が混和して境界面が
不明瞭となることを防ぐことを目的として添加されるも
のであり、鮮映性、光沢性の高い塗膜外観が得られる。
【0006】しかしながら、この方法は、自動車車体の
一部を色分けして塗装する場合等のように、狭い面積で
しかも目立ちにくい部分を塗装する際には充分な塗膜外
観が得られるが、自動車外板を全てこの方法によって塗
装する場合には、仕上がり外観の点で不十分であった。
【0007】ところで、非水ディスパージョン樹脂(N
AD)は、低公害性、省資源性、及び、その流動特性に
よる塗装作業性、耐久性等に優れていることから、機
器、自動車等のメタリック塗装に使用されてきた。特開
昭57−177068号公報には、アクリル系共重合体
の存在下で単量体成分をグラフト重合させた分散粒子を
含む非水分散性樹脂被覆組成物が開示されている。この
ものは、分散粒子が硬化後も塗膜中に分散して不均一構
造をとることにより、表面硬度及び耐衝撃性に優れた塗
膜が得られるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、自動車車体
等を塗装する際に、中塗り塗料を塗布し、ウエット・オ
ン・ウエット方式でベース塗料及びクリヤー塗料を塗布
し、中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料を同時に
焼き付け硬化させる方法において、従来の3コート2ベ
ーク法と比較して同等若しくはそれ以上の優れた仕上が
り外観を得ることができるベース塗料組成物を提供する
ことを目的とするものである。
【0009】本発明者らは、中塗り塗料を塗布した後に
焼き付け硬化が行われる従来の3コート2ベーク法の場
合には、下地隠蔽性が高く、即ち、電着塗料によって形
成された電着塗膜の表面の肌荒れは、中塗り塗料を塗装
し硬化した後にベース塗料及びクリヤー塗料を塗装した
塗膜にはあまり影響を及ぼさないが、中塗り塗料を塗布
した後に焼き付け硬化を行わずにウエット・オン・ウエ
ット方式でベース塗料及びクリヤー塗料を塗装し同時に
焼き付け硬化を行う3コート1ベーク法の場合には、下
地隠蔽性が低く、電着塗料によって形成された電着塗膜
の表面の肌荒れが、最終の仕上がり外観にも大きく影響
し、ムジ肌が発現するものであることがわかった。そし
て、この電着塗膜に対する下地隠蔽性を向上させるため
には、 (1)中塗り塗料を塗布した後ベース塗料及びクリヤー
塗料をウエット・オン・ウエット方式で塗装する場合に
おける、中塗り塗料やクリヤー塗料に含まれる溶剤によ
るベース塗料の溶剤膨潤率を低下させること (2)中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料を焼き
付け硬化させる過程においては、溶剤が揮発し塗膜の体
積が減少していくが、この体積収縮率を小さくすること (3)中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料を焼き
付け硬化させる過程においては、当初は温度上昇に伴い
粘度が減少して行き、硬化が始まると粘度は上昇に転ず
るが、この焼き付け過程における最低粘度を小さくする
ことで、体積収縮していっても塗膜がフロー性を有して
いること が重要であると考え、ベース塗料の1成分として非水デ
ィスパージョン樹脂(NAD)を含有させることを見出
し、本発明を完成した。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、樹脂固形分総
量に基づく固形分比で、水酸基含有樹脂(a)10〜7
0重量%、水酸基と反応しうる硬化剤(b)10〜70
重量%及び非水ディスパージョン樹脂(c)5〜50重
量%からなり、更に、顔料を含有することを特徴とする
ベース塗料組成物である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のベース塗料組成物は、水酸基含有樹脂(a)を
含むものである。上記水酸基含有樹脂(a)は、水酸基
を含有し、ベース塗料組成物に使用される媒体に溶解す
るものを意味し、例えば、アクリル樹脂及び/又はポリ
エステル樹脂等が挙げられる。SP値を高く設計するこ
とができる点よりアクリル樹脂を用いることが好まし
い。上記ポリエステル樹脂としては、ポリオールとポリ
カルボン酸又はその無水物からなるものを使用すること
ができる。
【0012】上記水酸基含有樹脂(a)は、水酸基価5
0〜250、酸価1〜50mgKOH/g、SP値9.
5〜12であるものが好ましい。水酸基価、酸価及びS
P値がこれらの範囲の上限を超えると、塗膜にした場合
の耐水性が低下する。水酸基価及び酸価が下限未満であ
ると、塗料の硬化性が低下し、また、SP値が下限未満
であると、中塗り塗料やクリヤー塗料とのなじみが起こ
る。上記水酸基含有樹脂(a)の数平均分子量は、10
00〜10000が挙げられるが、1100〜5000
が好ましく、より好ましくは1200〜3000であ
る。上記範囲のものを使用することによって、本発明の
ベース塗料組成物をハイソリッド系とすることができる
ので、焼き付け硬化させた時の体積収縮が小さくなり、
塗膜の仕上がり外観を向上することができる。
【0013】なお、本明細書において、SP値は、溶解
度パラメーターとよばれるものであり、溶解性の尺度を
示すものである。SP値は、SUH,CLARKE著、
J.Polymer Science,A−1,第5
巻、1671−1681頁(1967)記載の方法によ
り計算することができる。即ち、測定温度20℃にて、
サンプルとして樹脂0.5gを100mLビーカーに秤
量し、良溶媒10mLをホールピペットを用いて加え、
マグネチックスターラーにより溶解する。良溶媒として
は、ジオキサン、アセトンを用い、貧溶媒としては、n
−ヘキサン、イオン交換水を用いる。濁点測定は、50
mLビュレットを用いて貧溶媒を滴下し、濁りが生じた
点を滴下量とする。樹脂のSP値δは次式により計算す
ることができる。 δ=(Vml 1/2 δml+Vmh 1/2 δmh)/(Vml 1/2 +V
mh 1/2 ) Vm =V12 /(φ12 +φ21 ) δm =φ1 δ1 +φ2 δ2i :溶媒の分子容(mL/mol) φi :濁点における各溶媒の体積分率 δi :溶媒のSP値 ml:低SP値貧溶媒混合系 mh:高SP値貧溶媒混合系
【0014】上記水酸基含有樹脂(a)は、樹脂固形分
総量に対して、固形分で10〜70重量%含まれるもの
である。10重量%未満であると、得られる塗膜が脆く
なったり、また、塗膜外観が低下したりして、塗膜の基
本的性能が劣る。70重量%を超えると、非水ディスパ
ージョン樹脂(c)の配合割合が減少する結果、塗膜の
仕上がり外観が低下する。好ましくは、10〜50重量
%、より好ましくは、20〜50重量%である。
【0015】本発明のベース塗料組成物は、水酸基と反
応しうる硬化剤(b)を含むものである。上記硬化剤
(b)としては特に限定されず、例えば、メラミン樹脂
及び/又はブロックイソシアネート樹脂等が挙げられ
る。上記硬化剤(b)は、樹脂固形分総量に対して、固
形分で10〜70重量%含まれるものである。10重量
%未満であると、硬化が不充分となることがあり、塗膜
物性に劣る。70重量%を超えても、不経済であり、更
に、塗膜の仕上がり外観が低下する。好ましくは、20
〜50重量部である。上記水酸基含有樹脂(a)と水酸
基と反応しうる硬化剤(b)との組み合わせは特に限定
されないが、顔料分散性や作業性の点から、アクリル樹
脂及び/又はポリエステル樹脂とメラミン樹脂とを組み
合わせることが好ましい。
【0016】本発明のベース塗料組成物は、非水ディス
パージョン樹脂(c)を含むものである。上記非水ディ
スパージョン樹脂(c)は、高SP値のコア部分と低S
P値のシェル部分からなるものである。コア部分が高S
P値を有しているので、塗料中の溶剤に不溶である結
果、溶剤による膨潤率をも小さくすることができ、更
に、中塗り塗料やクリヤー塗料との微妙な混じり合いに
より起こる色戻りを防止することができる。低SP値の
シェル部分は、分散安定剤としての働きを担う。更に、
この非水ディスパージョン樹脂(c)は非架橋粒子であ
るので、焼き付け時の最低粘度を小さくすることができ
る。また、この粒子自体も上記水酸基と反応しうる硬化
剤(b)によって架橋することができ、この場合塗膜形
成成分となり得ることから、添加量を高くすることが可
能である。従って、上記非水ディスパージョン樹脂
(c)によって、電着塗膜の下地隠蔽性が大きく、ムジ
肌を抑制することができ、鮮映性、光沢性も高い塗膜外
観を得ることができる。
【0017】特開平10−5680号公報には、ベース
塗料に架橋性重合体微粒子(ミクロゲル)を添加するこ
とが開示されているが、このものは、粘性付与剤として
添加され、層間でなじみや反転が生じることを防いで、
鮮映性、光沢性の高い塗膜外観を得ることを目的とする
ものである。しかし、この粒子自体は架橋されたもので
あり、塗膜形成成分とはなり得ないことから、添加量は
15重量%以下に限られ、結果として、溶剤による膨潤
率の低下に寄与する割合が小さかった。
【0018】本発明の非水ディスパージョン樹脂(c)
もまた、粘性付与剤として働き、層間でなじみや反転が
生じることを防いで、鮮映性、光沢性の高い塗膜外観が
得られるものである。更に、このものは、SP値の高い
コア部分を有する非架橋粒子であり、添加量を高くする
ことが可能であるので、溶剤による膨潤率の低下に寄与
する割合が大きいだけでなく、ベース塗料の焼き付け時
の最低粘度を小さくすることができ、よって、電着塗膜
の下地隠蔽性が大きく、優れた仕上がり外観の塗膜を得
ることができる点で、上記の架橋性重合体微粒子(ミク
ロゲル)とは異なるものである。
【0019】上記非水ディスパージョン樹脂(c)は、
SP値が11〜14であり、コア部分とシェル部分のS
P値の差が0.5〜3であることが好ましい。SP値の
差が0.5未満では、塗料の不揮発分を低下させること
ができず、溶解膨潤したり、また、コア部分が有する粘
性制御効果が低くなるので、電着塗膜の下地隠蔽性が小
さく、更に、中塗り塗料やクリヤー塗料との間でなじみ
が生じて、優れた仕上がり外観の塗膜を得ることができ
ない。SP値の差が3を超えるものは、分散が不安定と
なり、分離が起こったり、中塗り塗料やクリヤー塗料と
ベース塗料とが混じり合って反転やワレが生じる場合が
ある。好ましくは、SP値の差が1〜3である。上記水
酸基含有樹脂(a)のSP値と上記非水ディスパージョ
ン樹脂(c)のSP値との関係は、中塗り塗料やクリヤ
ー塗料とのなじみを抑制することができる点から、非水
ディスパージョン樹脂(c)のSP値が高い方が好まし
い。
【0020】上記非水ディスパージョン樹脂(c)とし
ては、水酸基価が100〜400、好ましくは130〜
300のものである。100未満であると、塗料の硬化
性が低下し、400を超えると、耐水性が低下する場合
がある。酸価としては、0〜200mgKOH/g、好
ましくは0〜50mgKOH/gである。200mgK
OH/gを超えると、塗膜にしたときの耐水性が低下す
る。平均粒径(D50)は、0.05〜5μm、好ましく
は0.05〜1μmである。0.05μm未満である
と、塗料の不揮発分が低下し、5μmを超えると、粘性
制御効果に劣り、外観不良となる。上記分散安定樹脂の
Tgは、30℃以下が好ましい。30℃を超えると、塗
膜外観に劣り、耐チッピング性が低下したりする。
【0021】上記非水ディスパージョン樹脂(c)は、
分散安定樹脂と有機溶剤との混合液中で、重合性単量体
を共重合させることにより、この混合液に不溶な非架橋
樹脂粒子として調製することができる。分散安定樹脂が
シェル部分を構成し、重合性単量体が共重合されたもの
がコア部分を構成する。
【0022】上記重合性単量体としては、官能基を有す
る単量体が好ましい。官能基を有する単量体は、得られ
る非水ディスパージョン樹脂が上記水酸基と反応しうる
硬化剤(b)と反応して3次元に架橋した塗膜を形成す
ることができる。上記官能基を有する重合性単量体とし
てその代表的なものは以下のとおりである。水酸基を有
するものとして、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキ
シエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、
(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシメチル、アリルアルコール、(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンとの付
加物等が挙げられる。
【0023】一方、酸基を有するものとしては、カルボ
キシル基、スルホン酸基等を有するものが挙げられ、カ
ルボキシル基を有するものの例としては、(メタ)アク
リル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリ
ル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、無水マレ
イン酸、フマル酸等が挙げられる。スルホン酸基を有す
るものの例としては、t−ブチルアクリルアミドスルホ
ン酸等が挙げられる。酸基を有する重合性単量体を用い
る場合には、酸基の一部はカルボキシル基であることが
好ましい。更に、(メタ)アクリル酸グリシジル等のグ
リシジル基含有不飽和単量体、m−イソプロペニル−
α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、アクリル酸
イソシアナトエチル等のイソシアネート基含有不飽和単
量体等も挙げられる。
【0024】その他の重合性単量体としては、例えば、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリ
ル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、
(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イ
ソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸
ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、メタクリル
酸トリデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル;油脂肪酸とオキシラン構造を有するアクリル酸又は
メタクリル酸エステルモノマーとの付加反応物(例え
ば、ステアリン酸とグリシジルメタクリレートの付加反
応物);C3 以上のアルキル基を含むオキシラン化合物
とアクリル酸又はメタクリル酸との付加反応物;スチレ
ン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルス
チレン;(メタ)アクリル酸ベンジル;イタコン酸エス
テル(イタコン酸ジメチル等);マレイン酸エステル
(マレイン酸ジメチル等);フマル酸エステル(フマル
酸ジメチル等);その他に、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル;メチルイソプロペニルケトン;酢酸ビニ
ル;ベオバモノマー(商品名、シェル化学社製)、ビニ
ルプロピオネート、ビニルピバレート、プロピオン酸ビ
ニル;エチレン、プロピレン、ブタジエン、N,N−ジ
メチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルア
ミノエチルメタクリレート、アクリルアミド、ビニルピ
リジン等が挙げられる。上記重合性単量体は、官能基を
有するもの及びその他の単量体のなかから、単独で、又
は、2種以上を併用して使用することができる。
【0025】上記重合性単量体は、ラジカル重合開始剤
の存在下で共重合させることが好ましい。ラジカル重合
開始剤としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチ
ロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)等のアゾ系開始剤;ベンゾイルパーオキ
サイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオク
トエート等のパーオキシド系開始剤が挙げられる。これ
らの開始剤の使用量は、重合性単量体合計100重量部
あたり0.2〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量
部が好ましい。分散安定樹脂を含有する有機溶媒中での
重合反応は、一般に60〜160℃程度の温度範囲で約
1〜15時間行うことが好ましい。
【0026】上記重合性単量体を共重合させる際に存在
させる分散安定樹脂は、非水ディスパージョン樹脂を有
機溶剤中で安定に合成できるものであれば特に限定され
るものではない。具体的には、水酸基価が10〜25
0、好ましくは20〜180である。10未満である
と、硬化性、密着性、安定性等が低下し、250を超え
ると、分散が不安定となる。酸価は、0〜100mgK
OH/g、好ましくは0〜50mgKOH/gである。
100mgKOH/gを超えると、塗膜にした場合の耐
水性が低下する。数平均分子量としては、2000〜1
0000が好ましい。2000未満であると、分散が不
安定化し、10000を超えると塗料の不揮発分が低下
する。
【0027】上記分散安定樹脂の製造方法としては特に
限定されず、例えば、ラジカル重合性開始剤の存在下で
ラジカル重合により得る方法、縮合反応や付加反応によ
り得る方法等が好ましいものとして挙げられる。上記分
散安定樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウ
レタン樹脂等を用いることができる。上記分散安定樹脂
を得るために用いられる単量体としては、樹脂の特性に
応じて適宜選択することができるが、上記の重合性単量
体に用いられる水酸基、酸基等の官能基を有する単量体
を用いることが好ましく、更に必要に応じてグリシジル
基、イソシアネート基等の官能基を有するものを用いて
もよい。官能基を有する単量体は、得られる非水ディス
パージョン樹脂が硬化剤(b)と反応して3次元に架橋
した塗膜を形成することができる。
【0028】上記分散安定樹脂を得るために用いられる
単量体は、炭素数10以上の側鎖を有するものが、単量
体の全量に対して10〜50重量%含まれることが好ま
しい。10重量%未満であると、中塗り塗料及びクリヤ
ー塗料との間でなじみが生じる。50重量%を超える
と、ベース塗料のなかで分離が起こったり、中塗り塗料
やクリヤー塗料とベース塗料とが混じり合って反転やワ
レが生じる場合がある。
【0029】更に、上記単量体は、親水基を有するもの
が、重合性単量体の全量に対して20〜50重量%含ま
れることが好ましい。20重量%未満であると、硬化
性、密着性及び安定性に劣る場合がある。50重量%を
超えると、分散性が不安定となる場合がある。上記親水
基としては、水酸基、カルボキシル基、アミド基及びエ
ーテル基が挙げられる。
【0030】上記分散安定剤と上記重合性単量体との比
率は、目的に応じて任意に選択することができるが、例
えば、両成分の合計重量に基づいて、分散安定樹脂は3
〜80重量%、好ましくは5〜60重量%、重合性単量
体は97〜20重量%、好ましくは95〜40重量%で
ある。更に、有機溶媒中における分散安定剤と重合性単
量体との合計濃度は、合計重量を基準に、30〜80重
量%、好ましくは40〜60重量%である。
【0031】このようにして得られる非水ディスパージ
ョン樹脂(c)は、樹脂固形分総量に対して、固形分で
5〜50重量%含まれるものである。5重量%未満であ
るか、又は、50重量%を超えると、得られる塗膜の外
観が低下する。好ましくは、18〜45重量部である。
【0032】本発明のベース塗料組成物は、上記の水酸
基含有樹脂(a)、水酸基と反応しうる硬化剤(b)及
び非水ディスパージョン樹脂(c)からなり、更に、顔
料を含有するものである。本発明のベース塗料は、上記
顔料として光輝性顔料を配合してメタリックベース塗料
として用いることもできるし、光輝性顔料を配合せずに
レッド、ブルーあるいはブラック等の着色顔料及び/又
は体質顔料を配合してソリッド型ベース塗料として用い
ることもできる。
【0033】上記光輝性顔料としては特に限定されず、
例えば、金属又は合金等の無着色若しくは着色された金
属性光輝材及びその混合物、干渉マイカ粉、着色マイカ
粉、ホワイトマイカ粉、グラファイト又は無色有色偏平
顔料等を挙げることができる。分散性に優れ、透明感の
高い塗膜を形成することができるため、金属又は合金等
の無着色若しくは着色された金属性光輝材及びその混合
物が好ましい。その金属の具体例としては、アルミニウ
ム、酸化アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、スズ
等を挙げることができる。
【0034】上記光輝性顔料の形状は特に限定されず、
更に、着色されていてもよいが、例えば平均粒径
(D50)が2〜50μmであり、厚さが0.1〜5μm
である鱗片状のものが好ましい。平均粒径10〜35μ
mの範囲のものが光輝感に優れ、より好ましい。上記光
輝性顔料のベース塗料中の顔料濃度(PWC)は、一般
に23重量%以下である。23重量%を超えると、塗膜
外観が低下する。好ましくは、0.01〜20重量%で
あり、より好ましくは、0.01〜18重量%である。
【0035】上記光輝性顔料以外の顔料としては特に限
定されず、従来のベース塗料組成物に用いられるものが
挙げられ、例えば、アゾキレート系顔料、不溶性アゾ系
顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジ
ゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン
系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔
料、金属錯体顔料等の有機系着色顔料;黄鉛、黄色酸化
鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタン等の無
機着色顔料等が挙げられる。更に、炭酸カルシウム、硫
酸バリウム、クレー、タルク等の体質顔料を併用しても
よい。上記顔料としては、光輝性顔料、着色顔料及び体
質顔料のなかから、1種又は2種以上を組み合わせて用
いることができる。
【0036】上記光輝性顔料及びその他の全ての顔料を
含めた顔料濃度(PWC)は、顔料と樹脂固形分との合
計量に対して1〜60重量%であることが好ましい。本
発明において、樹脂固形分とは、水酸基含有樹脂
(a)、水酸基と反応しうる硬化剤(b)及び非水ディ
スパージョン樹脂(c)の固形分の合計量を意味するも
のである。60重量%を超えると、顔料が多すぎるの
で、塗膜外観が低下する。
【0037】本発明のベース塗料組成物は、従来公知の
添加剤、例えば、粘性制御剤、ワキ防止剤、希釈用溶剤
等を添加することができる。上記粘性制御剤としては、
脂肪酸アマイドの膨潤分散体、アマイド系脂肪酸、長鎖
ポリアミノアマイドのリン酸塩等のポリアマイド系のも
の;酸化ポリエチレンのコロイド状膨潤分散体等のポリ
エチレン系のもの;有機酸スメクタイト粘土、モンモリ
ロナイト等の有機ベントナイト系のもの;ケイ酸アル
ミ、硫酸バリウム等の無機顔料;顔料の形状により粘性
が発現する偏平顔料等が挙げられる。
【0038】上記ベース塗料組成物は、水酸基含有樹脂
(a)、水酸基と反応しうる硬化剤(b)及び非水ディ
スパージョン樹脂(c)、並びに、顔料やその他の成分
を、ニーダー、ロール等を用いて混練、分散する等の当
業者に周知の方法によって得ることができる。このよう
にして得られたベース塗料組成物の不揮発分は、塗装時
で30〜60重量%であることが好ましい。30重量%
未満であると、溶剤が多すぎるので、ハイソリッド系の
ベース塗料組成物とすることができず、体積収縮率が大
きくなるので、塗膜の仕上がり外観に劣る場合がある。
60重量%を超えると、粘性が高すぎるので塗膜外観に
劣ったり、作業性が低くなる場合がある。より好ましく
は、40〜50重量%である。
【0039】本発明のベース塗料組成物は、塗装後、1
40℃、30分間硬化させた場合の体積収縮率は、45
%以下であることが好ましい。45%を超えると、電着
塗膜の下地隠蔽性に劣る結果、良好な仕上がり外観の塗
膜を得ることができない場合がある。より好ましくは、
40%以下である。本発明において、140℃、30分
間硬化させた場合の体積収縮率は、下記式で求めること
ができる。 体積収縮率(%)={(100−塗着NV)/溶剤比
重}/[{(100−塗着NV)/溶剤比重}+(塗着
NV/乾燥塗膜比重)}×100 (式中、塗着NVは、塗装前の被塗物の重量をW1、塗
料の付着した被塗物の重量をW2、140℃で30分間
乾燥後の重量をW3とした場合に、 塗着NV(%)=(W3−W1)/(W2−W1)×1
00 により求められる不揮発分の値を表す。溶剤比重は、ベ
ース塗料組成物に含まれる溶剤の比重を表す。乾燥塗膜
比重は、塗料中の不揮発分の比重であって、個々の成分
の比重とその割合から計算により求められる値であ
る。)
【0040】本発明のベース塗料組成物は、種々の基
材、例えば金属、ガラス、プラスチック、発泡体等に用
い得るが、特にカチオン電着塗装可能な金属製品に対し
好適に使用できる。上記金属製品としては、例えば、
鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛等;これらの金属を
含む合金及び鋳造物が挙げられる。具体的には、乗用
車、トラック、オートバイ、バス等の自動車車体及び部
品が挙げられる。これらの金属は、予め、リン酸塩、ク
ロム酸塩等で化成処理されたものが特に好ましい。
【0041】本発明のベース塗料組成物を自動車車体等
に対して適用する場合、電着塗装した被塗物に中塗り塗
料を塗布した後、ウエット・オン・ウエット方式で、ベ
ース塗料、次いでクリヤー塗料を塗布し、中塗り塗料、
ベース塗料及びクリヤー塗料を同時に焼き付け硬化させ
る3コート1ベーク法において好適に使用することがで
きる。
【0042】本発明のベース塗料組成物は、電着塗装し
た被塗物に中塗り塗料を塗布した後一旦焼き付け硬化さ
せた後で、ベース塗料及びクリヤー塗料を塗布し、ベー
ス塗料及びクリヤー塗料を同時に焼き付け硬化させる従
来の3コート2ベーク法においても、良好な外観の塗膜
を得ることができる。しかしながら、上記の3コート1
ベーク法において用いた方が、下地隠蔽性に優れており
良好な仕上がり外観の塗膜を得ることができるという本
発明の効果が顕著に見られることから、これらの方法に
用いることが好ましい。更に、従来一般的であった3コ
ート2ベーク法におけるよりも、中塗り塗料の焼き付け
工程を省くことができるので、塗装工程を短くすること
ができ、エネルギー消費量も削減できることから、トー
タルコストとしては大幅に減少させることができる点に
おいても、3コート1ベーク法において用いることが好
ましい。
【0043】上記の3コート1ベーク法においては、中
塗り塗料及びクリヤー塗料もハイソリッド系のものを用
いることが好ましい。上記中塗り塗料の不揮発分は、塗
装時で40〜70重量%であることが好ましく、より好
ましくは45〜60重量%である。上記クリヤー塗料の
不揮発は、塗装時で40〜70重量%であることが好ま
しく、より好ましくは45〜60重量%である。上記ベ
ース塗料のみならず、中塗り塗料及びクリヤー塗料もハ
イソリッド系のものを用いることによって、3コート1
ベーク法によって塗装した場合に、トータルとしての体
積収縮率を小さくすることができるので、仕上がり外観
が非常に優れた塗膜を得ることができる。本発明のベー
ス塗料組成物を使用した塗装方法及び硬化方法としは特
に限定されず、また、それと合わせて用いる中塗り塗料
及びクリヤー塗料についても特に限定されず、従来より
広く用いられているものを使用することができる。
【0044】
【実施例】以下に実施例を揚げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。実施例において、「部」は重量部を表す。 合成例1 アクリル樹脂の合成1 攪拌機、温度制御装置、還流冷却器を備えた容器に、キ
シレン82部を仕込み、次いで下記の組成の溶液: メタクリル酸 4.5部 アクリル酸エチル 26.0部 プラクセルFM−1 64.5部 (ダイセル化学工業社製水酸基含有モノマー) MSD−100 5.0部 (三井東圧化学社製メチルスチレンダイマー) アゾイソブチロニトリル 13.0部 のうち20部を加え、攪拌しながら加熱し、温度を上昇
させた。還流させながら、上記混合溶液の残り93.0
部を3時間で滴下し、次いでアゾイソブチロニトリル
1.0部、キシレン12部からなる溶液を30分間で滴
下した。反応溶液をさらに1時間攪拌還流させたのち
に、減圧下で63部の溶剤を留去して反応を終了した。
固形分75%、数平均分子量2000のアクリル樹脂ワ
ニス1を得た。
【0045】合成例2 アクリル樹脂の合成2 攪拌機、温度制御装置、還流冷却器を備えた容器に、ト
ルエン300部及びメチルイソブチルケトン(MIB
K)100部を仕込み、攪拌しながら加熱し、温度を上
昇させた。温度が105℃に上昇したら還流させなが
ら、下記配合の溶液を3時間で等速滴下した。 スチレン 50.0部 メタクリル酸メチル 300.0部 メタクリル酸エチル 79.0部 アクリル酸エチル 444.0部 メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 104.0部 メタクリル酸 23.0部 トルエン 400.0部 t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート 7.0部 30分間エージング後、トルエン200部及びt−ブチ
ルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート3部からなる
溶液を30分間で等速滴下した。反応溶液を更に1時間
攪拌還流させて樹脂への変化率を上昇させた後、反応を
終了させ、固形分50%、数平均分子量21000のア
クリル樹脂ワニス2を得た。
【0046】合成例3 ポリエステル樹脂の合成 温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管、水分離機、精留
塔を備えた反応槽に、トリメチロールプロパン134部
を仕込み、窒素パージ下、80℃で溶解した。続いて無
水コハク酸54部、酢酸ブチル47部を投入し、90℃
まで昇温した。2時間90℃に保持した後、プラクセル
M(ダイセル社製ε−カプロラクトン)456部、カー
ジュラE10(シェル化学化学工業社製バーサティック
酸グリシジルエステル)72部を投入し、115℃まで
昇温した。8時間115℃に保持した後、80℃に冷
却、トルオール100部で希釈し、固形分80%、数平
均分子量1300、酸価22(mgKOH/g)、水酸
基価216のポリエステル樹脂溶液を得た。
【0047】合成例4 非水ディスパージョン樹脂の合
成 (a)分散安定樹脂の製造 攪拌機、温度制御装置、還流冷却器を備えた容器に、酢
酸ブチル90部を仕込み、次いで下記の組成の溶液: メタクリル酸メチル 38.9部 ステアリルメタクリレート 38.8部 2−ヒドキシエチルアクリレート 22.3部 アゾイソブチロニトリル 5.0部 のうち20部を加え、攪拌しながら加熱し、温度を上昇
させた。110℃で上記混合溶液の残り85部を3時間
で滴下し、次いでアゾイソブチロニトリル0.5部と酢
酸ブチル10部からなる溶液を30分間で滴下した。反
応溶液をさらに2時間攪拌還流させて樹脂への変化率を
上昇させた後、反応を終了させ、固形分50%、数平均
分子量5600、SP値9.5のアクリル樹脂を得た。
【0048】(b)非水ディスパージョン樹脂の製造 攪拌機、温度制御装置、冷却器を備えた容器に、酢酸ブ
チル35部を仕込み、上記の(a)分散安定樹脂の製造
で得たアクリル樹脂60部を仕込んだ。次に下記組成の
溶液: スチレン 7.0部 メタクリル酸 1.8部 メタクリル酸メチル 12.0部 エチルアクリレート 8.5部 2−ヒドキシエチルアクリレート 40.7部 アゾイソブチロニトリル 1.4部 を100℃で3時間で滴下し、次いで、アゾイソブチロ
ニトリル0.1部と酢酸ブチル1部からなる溶液を30
分間で滴下した。反応溶液をさらに1時間攪拌を続けた
ところ、固形分60%、粒子径0.18μmのエマルジ
ョンを得た。このエマルジョンを酢酸ブチルで希釈し、
粘度300cps(25℃)、粒子径0.18μmの非
水ディスパージョン樹脂含量40重量%の酢酸ブチル分
散体を得た。この非水ディスパージョン樹脂のTgは、
23℃、水酸基価は162であった。SP値は、11.
8であり、分散安定樹脂であるシェル部分とコア部分と
のSP値の差は、2.3であった。
【0049】実施例1ベース塗料の調製 2Lのベッセルに、合成例1で得られたアクリル樹脂ワ
ニス1を500部、DISPERBYK161(ビッグ
ケミー社製;分散助剤)を320部投入し、続いてモナ
ーク1400(キャボット社製カーボンブラック)10
部、更に酢酸ブチル31部及びキシレン31部を順に入
れた。その後、仕込み全重量と同量のガラスビーズ(品
名GB503M、粒径1.6mm)を投入し、卓上SG
ミルで3時間分散した。グラインドゲージによる分散終
了時の粒度は5μm以下であった。分散終了後、ガラス
ビーズを濾過して、顔料ペーストとした。作製したペー
ストに固形分比が表2の通りになるように、樹脂、非水
ディスパージョン樹脂及び硬化剤を配合して、ベース塗
料を調製した。
【0050】中塗り塗料及びクリヤー塗料 中塗り塗料としては、不揮発分が40%のオルガ P−
2(日本ペイント社製中塗りグレー)、及び、不揮発分
が55%のオルガ P−5(日本ペイント社製中塗りグ
レー)、クリヤー塗料としては、不揮発分が48%のM
AC O−1330(日本ペイント社製)を使用した。希釈条件 各塗料は下記の条件で希釈し、塗装した。 (中塗り塗料) シンナー:EEP(エトキシエチルプロピオネート)/
キシレン=9/1119秒/No.4フォードカップ/
20℃ (ベース塗料) シンナー:EEP/S−100(エクソン社製芳香族系
炭化水素溶剤)/酢酸エチル=8/7/5 20秒/No.4フォードカップ/20℃ (クリヤー塗料) シンナー:EEP/S−150(エクソン社製芳香族系
炭化水素溶剤)=1/122秒/No.4フォードカッ
プ/20℃
【0051】塗装方法 表1に示す塗装条件下、SPCダル鋼板(20cm×3
0cm×0.8mm)にパワートップV−6(日本ペイ
ント社製カチオン電着塗料)を乾燥膜厚20μmになる
ように電着塗装したカチオン電着塗装板を、移動板に付
着して移動させながら、中塗り塗料を塗装、10分後に
ベース塗料を塗装、2.5分後に更にもう一度ベース塗
料を塗装(2ステージ塗装)、その後20分後にクリヤ
ー塗料を塗装した。塗装した中塗り塗膜、ベース塗膜及
びクリヤー塗膜を、140℃で30分間焼き付け硬化さ
せた。
【0052】
【表1】
【0053】外観評価 塗装した塗板の外観を、ビッグケミー社製ウエーブスキ
ャンのSWの値で評価した。結果を表2に示した。数値
の小さいもの程良好な結果が得られたことを表す。
【0054】塗着NV(不揮発分)測定方法 中塗り塗装、ベース塗装及びクリヤー塗装について別々
に操作を行って、下記方法に従って計算した。 器具:重量(w1)を測定したアルミ箔を、5cm×1
0cmの四角い穴をあけた紙で覆ったものをマスキング
テープで鉄板にはりつける。 操作:この鉄板を上記塗装時に塗板に隣接するように移
動板に付着させ、塗料塗布後、アルミ箔を鉄板から剥が
す。 NV測定:塗料の付着したアルミ箔の重量(w2)を測
定後、140℃で30分間乾燥後の重量(w3)を測定
する。 計算:下記の式より塗着NV(%)を計算する。 塗着NV(%)=(w3−w1)/(w2−w1)×1
00 得られた結果を表2に示した。
【0055】体積収縮率計算方法 ベース塗膜の体積収縮率(%)を下記式に従って計算す
る。 体積収縮率(%)={(100−塗着NV)/溶剤比
重}/[{(100−塗着NV)/溶剤比重}+(塗着
NV/乾燥塗膜比重)}×100 溶剤比重:塗料中の溶剤組成から0.86とした。 乾燥塗膜比重:塗料組成から1.23とした。 得られた結果を表2に示した。
【0056】耐溶剤性試験方法 ベース塗料をブリキ板上に塗装後(20μm)、80℃
×10分乾燥してNVを上げたものを作成し、これに、
代表的な塗料溶剤であるS−150、キシロール、EE
Pを1滴スポットし、30秒静置後約45度傾斜して状
態を観察した。 ○:変化なし △:膨潤 ×:溶解 得られた結果を表2に示した。
【0057】実施例2〜6、比較例1〜2 固形分比が表2の通りになるように、樹脂、非水ディス
パージョン樹脂及び硬化剤を配合してベース塗料を調製
し、更に、表2に示した中塗り塗料を用いたこと以外
は、実施例1と同様にして塗装を行い、測定及び評価を
行った。なお、実施例5及び6では、アルペースト76
40NS(東洋アルミニウム社製鱗片状アルミニウム顔
料)を使用した。結果を表2に示した。
【0058】
【表2】
【0059】表2中、サイメル254はメチル・ブタン
混合型メラミン樹脂(三井サイテック社製)、ユーバン
20N−60はブチル化メラミン樹脂(三井サイテック
社製)である。
【0060】実施例1〜6のベース塗料は、体積収縮率
が小さく、耐溶剤性にも優れるので、中塗り塗料を塗布
しウエット・オン・ウエット方式でベース塗料及びクリ
ヤー塗料を塗布し、焼き付け硬化させた場合の仕上がり
外観に優れるものであった。比較例1の非水ディスパー
ジョン樹脂を含まないベース塗料は、耐溶剤性に劣るも
のであったので、溶剤により膨潤するものと考えられ、
良好な仕上がり外観は得られなかった。比較例2のベー
ス塗料は、耐溶剤性は良好であったが、不揮発分が低
く、体積収縮率が大きいものであったので、良好な仕上
がり外観は得られなかった。
【0061】
【発明の効果】本発明のベース塗料組成物を用いること
により、自動車車体等を3コート1ベーク法で塗装した
場合に、優れた仕上がり外観を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩見 泰清 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 Fターム(参考) 4J038 CA021 CB031 CB091 CC011 CE011 CE051 CF021 CG021 CG031 CG061 CG101 CG141 CG151 CG161 CH031 CH041 CH121 CH171 CH191 CH201 CK041 DA162 DB221 DD041 DG111 DG191 DG301 GA03 GA06 GA07 GA09 GA10 GA11 GA13 KA03 KA08 MA07 MA10 NA01 PA19 PB07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂固形分総量に基づく固形分比で、水
    酸基含有樹脂(a)10〜70重量%、水酸基と反応し
    うる硬化剤(b)10〜70重量%及び非水ディスパー
    ジョン樹脂(c)5〜50重量%からなり、更に、顔料
    を含有することを特徴とするベース塗料組成物。
  2. 【請求項2】 顔料は、顔料と樹脂固形分との合計量に
    対して1〜60重量%で含まれるものである請求項1記
    載のベース塗料組成物。
  3. 【請求項3】 塗装時の不揮発分は、30〜60重量%
    である請求項1又は2記載のベース塗料組成物。
  4. 【請求項4】 塗装後、140℃、30分間硬化させた
    場合の体積収縮率は、45%以下である請求項1、2又
    は3記載のベース塗料組成物。
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