JPWO2015156032A1 - 光輝性塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

光輝性塗料組成物は、下記(A)、(B)及び(C)の樹脂固形分総量を100質量%とする固形分比で、水酸基含有樹脂(A)10〜90質量%、硬化剤(B)5〜50質量%、非水ディスパージョン樹脂(C)1〜40質量%、塩基性顔料(D)1〜20質量%、及び光輝性顔料(E)1〜30質量%を含有し、該非水ディスパージョン樹脂(C)が、コア部及びシェル部を備えた構造を有し、かつ、該非水ディスパージョン樹脂(C)のシェル部が、該非水ディスパージョン樹脂(C)を構成する重合性不飽和モノマー成分の総量を基準として、スルホン酸基含有重合性不飽和モノマー0.05〜5.0質量%を含有することを特徴とする。

Description

(関連分野の相互参照)
本願は、2014年4月10日に出願した特願2014-81250号明細書(その全体が参照により本明細書中に援用される)の優先権の利益を主張するものである。
(技術分野)
本発明は、フリップフロップ性が高くメタリックムラが少ない、光輝性に優れた複層塗膜が得られる光輝性塗料組成物に関する。
近年、自動車車体などの塗装においては、鮮映性及び平滑性などの仕上がり外観が良好で、更に高級感のある意匠が求められるようになり、メタリック塗料や干渉色塗料といった光輝性顔料を用いた光輝性塗料が多く用いられるようになっている。
上記の塗装としては、形成される塗膜の外観や生産効率などの観点から、一般に、塗料を微粒化して塗装する方法が用いられ、このような塗装方法としては、具体的には、例えば、スプレー塗装、回転霧化塗装などが挙げられる。
塗料を微粒化して塗装する場合、使用される塗料は、一般に、スプレー時や回転霧化時などの微粒化時には、その粘度が低く、より小さな塗料粒子が形成されることが、平滑性に優れた塗膜が形成されるため好ましい。また、一方で、塗料が被塗物に塗着した後は、塗料粘度が比較的高いことが、上層及び/又は下層の塗料との混層が起こりにくく、鮮映性及び平滑性に優れた塗膜が形成され、更に被塗物の垂直面で塗膜が垂れにくくなるため、好ましい。また、アルミニウム顔料などの光輝性顔料を含有する塗料の場合、該塗料が被塗物に塗着した後の塗料粘度が高いと、塗料中の光輝性顔料が流動しにくく、配向が乱れにくくなるため、光輝性に優れた塗膜を形成することができる。なお、光輝性に優れた塗膜とは、一般に、角度を変えて塗膜を観察した際に、観察の角度による明度の変化が顕著であり、さらに、光輝性顔料が塗膜中に比較的均一に存在して、メタリックムラがほとんど見られない塗膜をいう。また、上記のように、観察の角度による明度の変化が顕著であることは、一般に、フリップフロップ性(FF性)が高いといわれる。
一方、自動車車体などにおける塗膜形成方法としては、被塗物に電着塗膜を形成した後、中塗り塗料の塗装→焼き付け硬化→ベースコート塗料の塗装→クリヤーコート塗料の塗装→焼き付け硬化の3コート2ベーク方式(3C2B工程)、中塗り塗料塗装後の焼き付け硬化工程を省略した、中塗り塗料の塗装→ベースコート塗料の塗装→クリヤーコート塗料の塗装→焼き付け硬化の3コート1ベーク方式(3C1B工程)、電着塗膜上に中塗り塗料を塗装しない中塗り無しの2コート1ベーク方式(2C1B工程)などがあるが、ベースコート塗膜と中塗り塗膜及び/又はベースコート塗膜とクリヤーコート塗膜との混層が起こり、得られる塗膜の平滑性や鮮映性が低下するという問題があった。また、ベースコート塗料として光輝性顔料を含有する塗料を用いた場合、混層によりフリップフロップ性の低下やメタリックムラが生じ易く、十分な光輝感が得られにくいという問題があった。
例えば、特許文献1には、中塗り塗料及び/又はメタリックベースコート塗料として、架橋性重合体微粒子(ミクロゲル)を添加したものを使用して、中塗り塗料を塗布し、ウエット・オン・ウエット方式で上塗り塗料、即ち、メタリックベースコート塗料及びクリヤーコート塗料を塗布し、中塗り塗料と上塗り塗料とを同時に焼き付け硬化させる方法が記載されている。上記架橋性重合体微粒子(ミクロゲル)は、各層の混層を抑制することで、比較的鮮映性及び光沢性の高い塗膜外観を付与するが、該架橋性重合体微粒子(ミクロゲル)の製造においては、まずエマルションを生成し、該エマルションを噴霧乾燥してミクロゲルを得るため、特殊な製造設備及び煩雑な製造工程が必要であり、経済的な観点から不利な点があった。また、形成される塗膜の仕上がり外観でも不十分な場合があった。
また、特許文献2には、中塗り塗料を塗布し、ウエット・オン・ウエット方式でベースコート塗料及びクリヤーコート塗料を塗布し、中塗り塗料、ベースコート塗料及びクリヤーコート塗料を同時に焼き付け硬化させる3コート1ベーク法において、ベースコート塗料組成物に、水酸基含有樹脂、水酸基と反応しうる硬化剤、非水ディスパージョン樹脂及び顔料を含有することが記載されている。しかしながら、粘度の発現が不十分な場合があり、形成される塗膜の鮮映性及びフリップフロップ性が低下したり、メタリックムラが発生したりする場合があった。
特開平10−5680号公報 特開2002−38096号公報
したがって、本発明は、特に3C2B、3C1B又は2C1B工程で塗装した場合に、平滑性や鮮映性などの仕上がり外観が良好で、かつ、フリップフロップ性が高くメタリックムラが少ない、光輝性に優れた複層塗膜が得られる光輝性塗料組成物、複層塗膜形成方法並びに該方法により塗装された光輝性の物品を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を行った結果、水酸基含有樹脂、硬化剤、スルホン酸基含有非水ディスパージョン樹脂、塩基性顔料、及び光輝性顔料を有する光輝性塗料組成物によって、並びに該光輝性塗料組成物を光輝性ベースコート塗料として、光輝性ベースコート塗料及びクリヤーコート塗料、若しくは中塗り塗料、光輝性ベースコート塗料及びクリヤーコート塗料をウエット・オン・ウエットで塗り重ね、2層又は3層を同時に加熱硬化せしめる複層塗膜形成方法によって、上記の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の光輝性塗料組成物、複層塗膜形成方法及び複層塗膜を有する光輝性の物品を提供するものである。
項1.下記(A)、(B)及び(C)の樹脂固形分総量を100質量%とする固形分比で、水酸基含有樹脂(A)10〜90質量%、硬化剤(B)5〜50質量%、非水ディスパージョン樹脂(C)1〜40質量%、塩基性顔料(D)1〜20質量%、及び光輝性顔料(E)1〜30質量%を含有し、該非水ディスパージョン樹脂(C)が、コア部及びシェル部を備えた構造を有し、かつ、該非水ディスパージョン樹脂(C)のシェル部が、該非水ディスパージョン樹脂(C)を構成する重合性不飽和モノマー成分の総量を基準として、スルホン酸基含有重合性不飽和モノマー0.05〜5.0質量%を含有することを特徴とする光輝性塗料組成物。
項2.非水ディスパージョン樹脂(C)のコア部が、架橋されていることを特徴とする前記項1に記載の光輝性塗料組成物。
項3.非水ディスパージョン樹脂(C)のコア部が、該非水ディスパージョン樹脂(C)を構成する重合性不飽和モノマー成分の総量を基準として、酸基含有重合性不飽和モノマー0.1〜10.0質量%を含有することを特徴とする前記項1又は2に記載の光輝性塗料組成物。
項4.非水ディスパージョン樹脂(C)のシェル部を構成するスルホン酸基含有重合性不飽和モノマーが、少なくとも1個の重合性不飽和基、少なくとも1個のスルホン酸基、及び少なくとも1個の炭素数4以上の炭化水素基を有することを特徴とする前記項1〜3のいずれか1項に記載の光輝性塗料組成物。
項5.非水ディスパージョン樹脂(C)のコア部とシェル部のSP値の差が0.6以上であることを特徴とする前記項1〜4のいずれか1項に記載の光輝性塗料組成物。
項6.非水ディスパージョン樹脂(C)のコア部と水酸基含有樹脂(A)のSP値の差が1.0以下であることを特徴とする前記項1〜5のいずれか1項に記載の光輝性塗料組成物。
項7.非水ディスパージョン樹脂(C)のゼータ電位が−20mV以下であり、かつ、塩基性顔料(D)のゼータ電位が+1mV以上であることを特徴とする前記項1〜6のいずれか1項に記載の光輝性塗料組成物。
項8.前記項1〜7のいずれか1項に記載の光輝性塗料組成物が塗装された塗装物品。
項9.(1)被塗物に、前記項1〜7のいずれか1項に記載の光輝性塗料組成物を塗装してベースコート塗膜を形成する工程、
(2)上記の未硬化のベースコート塗膜上に、クリヤーコート塗料組成物を塗装してクリヤーコート塗膜を形成する工程、並びに
(3)上記の未硬化のベースコート塗膜及び未硬化のクリヤーコート塗膜を、加熱して2層を同時に硬化させる工程
を含む複層塗膜形成方法。
項10.(1)被塗物に、中塗り塗料組成物を塗装して中塗り塗膜を形成する工程、
(2)上記の未硬化の中塗り塗膜上に、前記項1〜7のいずれか1項に記載の光輝性塗料組成物を塗装してベースコート塗膜を形成する工程、
(3)上記の未硬化のベースコート塗膜上に、クリヤーコート塗料組成物を塗装してクリヤーコート塗膜を形成する工程、並びに
(4)上記の未硬化の中塗り塗膜、未硬化のベースコート塗膜及び未硬化のクリヤーコート塗膜を、加熱して3層を同時に硬化させる工程
を含む複層塗膜形成方法。
項11.前記項9又は10に記載の複層塗膜形成方法により形成された複層塗膜を有する物品。
項12.前記項10に記載の複層塗膜形成方法により形成された複層塗膜を有する物品。
本発明の光輝性塗料組成物は、NV(塗料固形分)の上昇と共に粘度が強く発現する粘度特性を有する。また、本発明の光輝性塗料組成物によれば、被塗物上に、光輝性ベースコート塗料及びクリヤーコート塗料、若しくは中塗り塗料、光輝性ベースコート塗料及びクリヤーコート塗料をウエット・オン・ウエットで塗り重ね、2層又は3層を同時に加熱硬化せしめる複層塗膜形成方法であっても、優れた平滑性及び鮮映性を有し、フリップフロップ性が高くメタリックムラが抑制された、優れた光輝性を有する複層塗膜を形成することができる。
以下、本発明の光輝性塗料組成物及び複層塗膜形成方法について詳細に説明する。
本明細書において、単数形(a, an, the)は、本明細書で別途明示がある場合又は文脈上明らかに矛盾する場合を除き、単数と複数を含むものとする。
光輝性塗料組成物
本発明の光輝性塗料組成物は、樹脂として、水酸基含有樹脂(A)、硬化剤(B)及び非水ディスパージョン樹脂(C)を含有し、顔料として、塩基性顔料(D)及び光輝性顔料(E)を含有することを特徴とする。また、光輝性塗料組成物は、成分(A)、(B)及び(C)の樹脂固形分総量を100質量%とする固形分比で、水酸基含有樹脂(A)10〜90質量%、硬化剤(B)5〜50質量%、非水ディスパージョン樹脂(C)1〜40質量%、塩基性顔料(D)1〜20質量%、及び光輝性顔料(E)1〜30質量%の範囲内で含有することを特徴とする。
水酸基含有樹脂(A)
本発明の光輝性塗料組成物で用いることができる水酸基含有樹脂(A)としては、本発明の塗料組成物中に溶解状態で存在する水酸基含有樹脂であれば特に制限はなく、従来から塗料に使用されているそれ自体既知の水酸基含有樹脂を使用することができる。樹脂の種類としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられ、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。また、水酸基含有樹脂(A)は、架橋性官能基として水酸基を有し、水酸基以外にカルボキシル基、アミノ基、スルホン酸基、リン酸基、エポキシ基などの官能基を有することができる。
本発明の光輝性塗料組成物で用いる水酸基含有樹脂(A)としては、水酸基含有アクリル樹脂(A1)及び/又は水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)を用いることが好ましい。
また、上記水酸基含有樹脂(A)は、水酸基価が1〜300mgKOH/gであるのが好ましく、2〜250mgKOH/gであるのがより好ましく、3〜180mgKOH/gであるのが更に好ましい。水酸基含有樹脂(A)がカルボキシル基などの酸基を有する場合、酸価が1〜200mgKOH/gであるのが好ましく、2〜150mgKOH/gであるのがより好ましく、3〜100mgKOH/gであるのが更に好ましい。
上記水酸基含有樹脂(A)の配合量は、成分(A)、(B)及び(C)の樹脂固形分総量を100質量%とする固形分比で、通常10〜90質量%、好ましくは15〜80質量%、より好ましくは20〜70質量%の範囲内である。
尚、塗料組成物中に溶解状態で存在するとは、塗料組成物中の有機溶媒成分と混ぜた場合に溶解性が良好で、樹脂が均一に広がって、透明になっている状態の事を言う。それ故、透明ではない状態で存在する非水ディスパージョン樹脂(C)とは明確に区別される。
水酸基含有アクリル樹脂(A1)
上記水酸基含有アクリル樹脂(A1)は、通常、水酸基含有重合性不飽和モノマー及び該水酸基含有重合性不飽和モノマーと共重合可能な他の重合性不飽和モノマーを、それ自体既知の方法、例えば、有機溶媒中での溶液重合法などの方法により、共重合せしめることによって製造することができる。
上記水酸基含有重合性不飽和モノマーは、1分子中に水酸基及び重合性不飽和結合をそれぞれ1個以上有する化合物であって、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物;該(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物のε−カプロラクトン変性体;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド;アリルアルコール、さらに、分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸又はメタクリル酸」を意味する。また、「(メタ)アクリロイル」は、「アクリロイル又はメタクリロイル」を意味する。また、「(メタ)アクリルアミド」は、「アクリルアミド又はメタクリルアミド」を意味する。
また、前記水酸基含有重合性不飽和モノマーと共重合可能な他の重合性不飽和モノマーは、水酸基含有アクリル樹脂(A1)に望まれる特性に応じて適宜選択して使用することができる。該モノマーの具体例を、(i)〜(xix)に列挙する。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(i)アルキル又はシクロアルキル(メタ)アクリレート:例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートなど。
(ii)イソボルニル基を有する重合性不飽和モノマー:イソボルニル(メタ)アクリレートなど。
(iii)アダマンチル基を有する重合性不飽和モノマー:アダマンチル(メタ)アクリレートなど。
(iv)トリシクロデセニル基を有する重合性不飽和モノマー:トリシクロデセニル(メタ)アクリレートなど。
(v)芳香環含有重合性不飽和モノマー:ベンジル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなど。
(vi)アルコキシシリル基を有する重合性不飽和モノマー:ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランなど。
(vii)フッ素化アルキル基を有する重合性不飽和モノマー:パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレートなどのパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;フルオロオレフィンなど。
(viii)マレイミド基などの光重合性官能基を有する重合性不飽和モノマー。
(ix)ビニル化合物:N−ビニルピロリドン、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニルなど。
(x)リン酸基含有重合性不飽和モノマー:2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェートなど。
(xi)カルボキシル基含有重合性不飽和モノマー:(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレートなど。
(xii)含窒素重合性不飽和モノマー:(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド、グリシジル(メタ)アクリレートとアミン類との付加物など。
(xiii)重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマー:アリル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなど。
(xiv)エポキシ基含有重合性不飽和モノマー:グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなど。
(xv)分子末端がアルコキシ基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート。
(xvi)スルホン酸基を有する重合性不飽和モノマー:2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、アリルスルホン酸、4−スチレンスルホン酸など;これらスルホン酸のナトリウム塩及びアンモニウム塩など。
(xvii)紫外線吸収性官能基を有する重合性不飽和モノマー:2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2' −ジヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2' −ジヒドロキシ−4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−(2' −ヒドロキシ−5' −メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールなど。
(xviii)紫外線安定性重合性不飽和モノマー:4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
(xix)カルボニル基を有する重合性不飽和モノマー:アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ホルミルスチロール、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン)など。
本発明において、水酸基含有アクリル樹脂(A1)は、上記重合性不飽和モノマー(i)〜(xix)を溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法などの既知の重合法により共重合することにより製造することができる。例えば、溶液重合法により水酸基含有アクリル樹脂(A1)を製造する場合には、有機溶剤及び重合開始剤の存在下に上記モノマーを共重合させる。
上記有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、「スワゾール1000」(商品名、コスモ石油社製、高沸点石油系溶剤)などの芳香族系溶剤;酢酸エチル、3−メトキシブチルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトンなどのケトン系溶剤、プロピルプロピオネート、ブチルプロピオネート、エトキシエチルプロピオネートなどを挙げることができ、水や各種アルコールを含有しても良い。これらの有機溶剤は、単独で又は2種以上を併用して使用することができる。
重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−アミルパーオキサイド、t−ブチルパーオクトエート、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などのそれ自体既知のラジカル重合開始剤を挙げることができる。また、任意選択で2−メルカプトエタノール、n−オクチルメルカプタン、α−マチルスチレンダイマーなどの連鎖移動剤を使用することができる。
上記水酸基含有アクリル樹脂(A1)としては、その一部として、該樹脂中の水酸基の一部にポリイソシアネート化合物をウレタン化反応により伸長させ高分子量化した、いわゆるウレタン変性アクリル樹脂を併用してもよい。
上記水酸基含有アクリル樹脂(A1)の重量平均分子量(Mw)としては、好ましくは1,000〜200,000、より好ましくは2,000〜100,000、さらに好ましくは3,000〜60,000の範囲内である。
なお、本明細書における樹脂の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフ(東ソー社製、「HLC8120GPC」)で測定した数平均分子量又は重量平均分子量を、標準ポリスチレンの分子量を基準にして換算した値である。この測定において、カラムは、「TSKgelG−4000HXL」、「TSKgel G−3000HXL」、「TSKgel G−2500HXL」、「TSKgel G−2000HXL」(いずれも商品名、東ソー社製)の4本を用い、移動相テトラヒドロフラン、測定温度40℃、流速1mL/min、検出器RIという測定条件を使用した。
水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)
上記水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)は、通常、酸成分とアルコール成分とのエステル化反応又はエステル交換反応によって製造することができる。
上記酸成分としては、ポリエステル樹脂の製造に際して、酸成分として通常使用される化合物を使用することができる。かかる酸成分としては、例えば、脂肪族多塩基酸、脂環族多塩基酸、芳香族多塩基酸などを挙げることができる。
上記脂肪族多塩基酸は、一般に、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する脂肪族化合物、該脂肪族化合物の酸無水物及び該脂肪族化合物のエステル化物である。脂肪族多塩基酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、オクタデカン二酸、クエン酸などの脂肪族多価カルボン酸;該脂肪族多価カルボン酸の無水物;該脂肪族多価カルボン酸の炭素数1〜4程度の低級アルキルのエステル化物などが挙げられる。上記脂肪族多塩基酸は、単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記脂環族多塩基酸は、一般に、1分子中に1個以上の脂環式構造と2個以上のカルボキシル基を有する化合物、該化合物の酸無水物及び該化合物のエステル化物である。脂環式構造は、主として4〜6員環構造である。脂環族多塩基酸としては、例えば、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸などの脂環族多価カルボン酸;該脂環族多価カルボン酸の無水物;該脂環族多価カルボン酸の炭素数1〜4程度の低級アルキルのエステル化物などが挙げられる。上記脂環族多塩基酸は、単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
上記芳香族多塩基酸は、一般に、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物、該芳香族化合物の酸無水物及び該芳香族化合物のエステル化物であって、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの芳香族多価カルボン酸;該芳香族多価カルボン酸の無水物;該芳香族多価カルボン酸の炭素数1〜4程度の低級アルキルのエステル化物などが挙げられる。上記芳香族多塩基酸は、単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
また、上記脂肪族多塩基酸、脂環族多塩基酸及び芳香族多塩基酸以外の酸成分を使用することも出来る。かかる酸成分としては、特に限定されず、例えば、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、麻実油脂肪酸、米ぬか油脂肪酸、魚油脂肪酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸などの脂肪酸;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、シクロヘキサン酸、10−フェニルオクタデカン酸などのモノカルボン酸;乳酸、3−ヒドロキシブタン酸、3−ヒドロキシ−4−エトキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。これらの酸成分は、単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
前記アルコール成分としては、1分子中に2個以上の水酸基を有する多価アルコールを好適に使用することができる。該多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3−メチル−4,3−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールFなどの2価アルコール;これらの2価アルコールにε−カプロラクトンなどのラクトン類を付加したポリラクトンジオール;ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートなどのエステルジオール類;ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどのポリエーテルジオール類;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸、ソルビトール、マンニットなどの3価以上のアルコール;これらの3価以上のアルコールにε−カプロラクトンなどのラクトン類を付加させたポリラクトンポリオール類などが挙げられる。
また、上記多価アルコール以外のアルコール成分を使用することも出来る。かかるアルコール成分としては、特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ステアリルアルコール、2−フェノキシエタノールなどのモノアルコール;プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、「カージュラE10」(商品名、HEXIONSpecialty Chemicals社製、合成高分岐飽和脂肪酸のグリシジルエステル)などのモノエポキシ化合物と酸を反応させて得られたアルコール化合物などが挙げられる。
水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)の製造方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法に従って行なうことができる。例えば、前記酸成分とアルコール成分とを、窒素気流中、150〜250℃程度で、5〜15時間程度加熱し、該酸成分とアルコール成分のエステル化反応及び/又はエステル交換反応を行なう方法により、水酸基含有ポリエステル樹脂を製造することができる。
上記酸成分及びアルコール成分をエステル化反応及び/又はエステル交換反応せしめる際には、反応容器中に、これらを一度に添加してもよいし、一方又は両者を、数回に分けて添加してもよい。また、まず水酸基含有ポリエステル樹脂を合成した後、得られた水酸基含有ポリエステル樹脂に酸無水物を反応させてハーフエステル化することでカルボキシル基及び水酸基含有ポリエステル樹脂としてもよい。また、先ず、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂を合成した後、上記アルコール成分を付加させて水酸基含有ポリエステル樹脂としてもよい。
前記エステル化又はエステル交換反応の際には、反応を促進させるための触媒として、ジブチル錫オキサイド、三酸化アンチモン、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸コバルト、酢酸カルシウム、酢酸鉛、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネートなどのそれ自体既知の触媒を使用することができる。
また、前記水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)は、該樹脂の調製中又は調製後に、脂肪酸、モノエポキシ化合物、ポリイソシアネート化合物などで変性することができる。
上記脂肪酸としては、例えば、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、麻実油脂肪酸、米ぬか油脂肪酸、魚油脂肪酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、桐油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸などが挙げられる。
上記モノエポキシ化合物としては、例えば、「カージュラE10」(商品名、HEXIONSpecialty Chemicals社製、合成高分岐飽和脂肪酸のグリシジルエステル)を好適に用いることができる。
上記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、リジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−(イソシアナトメチル)シクロヘキサンなどの脂環族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート類;リジントリイソシアネートなどの3価以上のポリイソシアネートなどの有機ポリイソシアネートそれ自体;これらの各有機ポリイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂、水などとの付加物;これらの各有機ポリイソシアネート同士の環化重合体(例えば、イソシアヌレート)、ビウレット型付加物などが挙げられる。これらのポリイソシアネート化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)は、数平均分子量(Mn)が好ましくは500〜50,000、より好ましくは1,000〜30,000、さらに好ましくは1,200〜10,000の範囲内である。
硬化剤(B)
本発明の光輝性塗料組成物で用いる硬化剤(B)は、水酸基含有樹脂(A)中の水酸基、カルボキシル基、エポキシ基などの架橋性官能基と反応して、該塗料組成物を硬化し得る化合物である。上記硬化剤(B)としては、例えば、アミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物、エポキシ基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、カルボジイミド基含有化合物などが挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、水酸基と反応し得るアミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物及び/又はブロック化ポリイソシアネート化合物が好ましく、アミノ樹脂及び/又はブロック化ポリイソシアネート化合物がより好ましく、アミノ樹脂が特に好ましい。
上記アミノ樹脂としては、アミノ成分とアルデヒド成分との反応によって得られる部分メチロール化アミノ樹脂又は完全メチロール化アミノ樹脂を使用することができる。アミノ成分としては、例えば、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミドなどが挙げられる。アルデヒド成分としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンツアルデヒドなどが挙げられる。
また、上記メチロール化アミノ樹脂のメチロール基を、適当なアルコールによって、部分的に又は完全にエーテル化したものも使用することができる。エーテル化に用いられるアルコールとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチル−1−ブタノール、2−エチル−1−ヘキサノールなどが挙げられる。
上記アミノ樹脂としては、メラミン樹脂が好ましい。特に、部分又は完全メチロール化メラミン樹脂のメチロール基をメチルアルコールで部分的に又は完全にエーテル化したメチルエーテル化メラミン樹脂、部分又は完全メチロール化メラミン樹脂のメチロール基をブチルアルコールで部分的に又は完全にエーテル化したブチルエーテル化メラミン樹脂、部分又は完全メチロール化メラミン樹脂のメチロール基をメチルアルコール及びブチルアルコールで部分的に又は完全にエーテル化したメチル−ブチル混合エーテル化メラミン樹脂が好ましく、メチル−ブチル混合エーテル化メラミン樹脂がより好ましい。
上記メラミン樹脂は、重量平均分子量が400〜6,000であるのが好ましく、500〜4,000であるのがより好ましく、600〜3,000であるのがさらに好ましい。
メラミン樹脂としては市販品を使用できる。市販品の商品名としては、例えば、「サイメル202」、「サイメル203」、「サイメル204」、「サイメル211」、「サイメル238」、「サイメル251」、「サイメル303」、「サイメル323」、「サイメル324」、「サイメル325」、「サイメル327」、「サイメル350」、「サイメル385」、「サイメル1156」、「サイメル1158」、「サイメル1116」、「サイメル1130」(以上、日本サイテックインダストリーズ社製)、「ユーバン120」、「ユーバン20HS」、「ユーバン20SE60」、「ユーバン2021」、「ユーバン2028」、「ユーバン28−60」(以上、三井化学社製)などが挙げられる。
また、硬化剤(B)としてメラミン樹脂を使用する場合は、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸などのスルホン酸、アルキルリン酸エステル;これらの酸性化合物と塩基性化合物との塩;などを触媒として使用することができる。
上記ブロック化ポリイソシアネート化合物は、ポリイソシアネート化合物とイソシアネートブロック剤とのほぼ化学理論量での付加反応生成物である。ブロック化ポリイソシアネート化合物で使用されるポリイソシアネート化合物としては、公知のものを特に制限なく使用することができ、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,2’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、クルードMDI[ポリメチレンポリフェニルイソシアネート]、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの芳香族、脂肪族又は脂環族ポリイソシアネート化合物;これらのポリイソシアネート化合物の環化重合体又はビゥレット体;又はこれらの組合せを挙げることができる。
一方、前記イソシアネートブロック剤は、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に付加してブロックするものであり、そして付加によって生成するブロック化ポリイソシアネート化合物は常温において安定であるが、塗膜の焼付け温度(通常約100〜約200℃)に加熱した際、ブロック剤が解離して遊離のイソシアネート基を再生することが望ましい。上記ブロック化ポリイソシアネート化合物で使用されるブロック剤としては、公知のものを特に制限なく使用することができ、例えば、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合物;フェノール、パラ−t−ブチルフェノール、クレゾールなどのフェノール系化合物;n−ブタノール、2−エチルヘキサノール、フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール系化合物;ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムなどのラクタム系化合物;マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセチルアセトンなどの活性メチレン系化合物など(好ましくは、アルコール系化合物など)が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
上記硬化剤(B)の配合量は、成分(A)、(B)及び(C)の樹脂固形分総量を100質量%とする固形分比で、通常5〜50質量%、好ましくは10〜45質量%、より好ましくは15〜40質量%の範囲内である。
非水ディスパージョン樹脂(C)
本発明の光輝性塗料組成物は、塗料組成物中において不溶状態(不透明状態)で存在する非水ディスパージョン樹脂(C)を含有する。
上記非水ディスパージョン樹脂(C)は、コア及びシェル構造、すなわちコア部及びシェル部を備えた構造を有し、通常、高SP値のコア部分と低SP値のシェル部分とからなる。コア部分が高SP値(高極性)のため、塗料中の有機溶剤に不溶であり、溶剤による膨潤率を小さくすることができる。更に、中塗り塗料やクリヤーコート塗料との混層によって、塗膜外観の低下や光輝性顔料の配向の乱れによるフリップフロップ性の低下及び/又はメタリックムラ発生を防止することができる。低SP値(低極性)のシェル部分は、分散安定剤としての働きを担う。
ここで、SP値(ソルビリティ・パラメーター)とは、溶解性パラメーターとも呼ばれるものであって、樹脂の親水性(高極性)又は疎水性(低極性)の度合いを示す尺度である。また、樹脂間の相溶性などを判断する上で重要な尺度となるものであり、溶解性パラメーターの値が近い(溶解性パラメーターの差の絶対値が小さい)樹脂同士は一般的に相溶性が良好となる。少なくとも2種のモノマーの共重合により得られるアクリル樹脂の溶解性パラメータ値(SP値)は、下記式(1)により計算して求めることができる。
SP値=SP×fW1+SP×fW2+・・・・+SP×fWn・・・式(1)
上記式(1)中、SP、SP、・・・・SPは各モノマーのホモポリマーのSP値を表し、fW1、fW2、・・・fWnは各モノマーの総量に対する重量分率を表す。モノマーのホモポリマーのSP値はJ.PaintTechnology,vol42,176(1970)に記載されている。
また、アクリル樹脂以外の樹脂(例えば、ポリエステル樹脂など)のSP値に関しては、下記に示す当業者に公知の濁度測定法をもとに数値定量化できる。
具体的には、下記式(2)、K.W.SUH、J.M.CORBETTの式(Journalof Applied Polymer Science,12,2359,1968)に準じてSP値を算出することができる。
Figure 2015156032
(式中、Vはn−ヘキサンの容積分率、Vは脱イオン水の容積分率、δはn−ヘキサンのSP値、δは脱イオン水のSP値を示す。)
濁点滴定では、サンプルとして樹脂0.5g(固形分)をテトラヒドロフラン10mlに溶解した中にn−ヘキサンを徐々に加え、濁点での滴定量H(ml)を読み、同様に樹脂0.5g(固形分)をテトラヒドロフラン10mlに溶解した中に脱イオン水を加えての濁点における滴定量D(ml)を読んで、これらを下記式(3)に適用し、V、V、δ、δを算出する。なお、各溶剤のSP値はテトラヒドロフラン:9.52、n−ヘキサン:7.24、脱イオン水:23.43である。
[V=H/(10+H)、V=D/(10+D)、δ=9.52×10/(10+H)+7.24×H/(10+H)、δ=9.52×10/(10+D)+23.43×D/(10+D)]・・・式(3)
本発明の光輝性塗料組成物で用いる非水ディスパージョン樹脂(C)は、高分子分散安定剤(S1)及び有機溶剤の存在下で、少なくとも1種の重合性不飽和モノマーを分散重合せしめてなるアクリル樹脂が好ましい。ここで、上記高分子分散安定剤(S1)は低SP値のシェル部となり、上記重合性不飽和モノマーを重合せしめたアクリル樹脂は高SP値のコア部となる。
上記樹脂(C)の製造において、シェル部となる高分子分散安定剤(S1)としては、長鎖重合性不飽和モノマー(s−1)と、スルホン酸基含有重合性不飽和モノマー(s−2)と、任意選択で用いられるその他の重合性不飽和モノマー(s−3)とを共重合してなる重合体を用いることができる。
上記長鎖重合性不飽和モノマー(s−1)としては、塗膜に要求される性能に応じて適宜選択できるが、共重合性、有機溶剤に対する溶解性などの観点から好ましく使用できる長鎖重合性不飽和モノマー(s−1)として以下のものを例示することができる。
例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸の炭素数4〜18のアルキル又はシクロアルキルエステル;メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のアルコキシアルキルエステル;ベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香族アルコールの(メタ)アクリル酸とのエステル;グリシジル(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステルとカプリン酸、ラウリン酸、リノール酸、オレイン酸などのモノカルボン酸化合物との付加物;(メタ)アクリル酸と「カージユラE10」などのモノエポキシ化合物との付加物;12−ヒドロキシステアリン酸などの水酸基を含有する脂肪酸の自己縮合ポリエステルとアクリル酸グリシジル又はメタクリル酸グリシジルを付加して分子中に約1.0個の重合性不飽和基を導入したポリエステルマクロモノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−クロルスチレン、p−t−ブチルスチレンなどのビニル芳香族化合物;イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸などの(メタ)アクリル酸以外のα,β−不飽和カルボン酸とブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ステアリルアルコールなどの炭素数4〜18のモノアルコールとのモノ又はジエステル化合物;「ビスコート8F」、「ビスコート8FM」、「ビスコート3F」、「ビスコート3FM」(何れも大阪有機化学(株)製、商品名、側鎖にフッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物)、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシルエチレンなどのフッ素原子含有化合物などを挙げることができる。
上記スルホン酸基含有重合性不飽和モノマー(s−2)としては、ビニルスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、及びこれらのアルカリ金属塩やアンモニウム塩など、少なくとも1個の重合性不飽和基及び少なくとも1個のスルホン酸基を有するスルホン酸基含有重合性不飽和モノマーが挙げられる。
なかでも、スルホン酸基含有重合性不飽和モノマー(s−2)として、樹脂の製造適性と貯蔵安定性とフリップフロップ性の観点から、少なくとも1個の重合性不飽和基、少なくとも1個のスルホン酸基、及び少なくとも1個の炭素数4以上、好ましくは炭素数6以上の炭化水素基を有するものが好ましく、例えば、下記式(I)のスルホン酸基含有重合性不飽和モノマー(s−2−1)が好ましい。
Figure 2015156032
(式中、Rは炭素数4以上の炭化水素基を有する)
また、上記スルホン酸基含有重合性不飽和モノマー(s−2−1)の炭化水素基(R)としては、炭素数が6〜30の範囲であることがより好ましく、炭素数が8〜25の範囲であることが特に好ましい。
かかるスルホン酸基含有重合性不飽和モノマー(s−2−1)としては、オレイル2−ヒドロキシ−〔3−アリルオキシ〕−プロピルスルホサクシネートアンモニウム塩〔上記式(I)中のR炭素数が約18〕などが挙げられる。これらスルホン酸基含有重合性不飽和モノマー(s−2)としては、1種を単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
上記スルホン酸基含有重合性不飽和モノマー(s−2)の含有量としては、非水ディスパージョン樹脂(C)を構成する重合性不飽和モノマー成分の総量を基準として、シェル部において、0.05〜5質量%が好ましく、0.1〜4質量%がより好ましく、0.2〜3質量%が特に好ましい。上記範囲よりも少ない場合は、好適なフリップフロップ性が得られない場合があり、また、上記範囲よりも多い場合は仕上がり性が悪化する場合がある。
上記その他の重合性不飽和モノマー(s−3)としては、特に限定されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸の炭素数1〜3のアルキルエステル;グリシジル(メタ)アクリレートと酢酸、プロピオン酸などの炭素数2〜3のモノカルボン酸化合物との付加物;イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸などの(メタ)アクリル酸以外のα,β−不飽和カルボン酸とメチルアルコール、プロピルアルコールなどの炭素数1〜3のモノアルコールとのモノ又はジエステル化合物;(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ基含有不飽和化合物;酢酸ビニルのようなビニルエステル化合物;エチルビニルエーテル、メチルビニルエーテルなどのビニルエーテル化合物;エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのα−オレフィン系化合物などを挙げることができる。その他の重合性不飽和モノマー(s−3)には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのように、上記に列挙した重合性不飽和モノマーを水酸基などで置換したものも含まれる。
上記の長鎖重合性不飽和モノマー(s−1)、スルホン酸基含有重合性不飽和モノマー(s−2)、及び任意選択で用いられるその他の重合性不飽和モノマー(s−3)の配合量としては、非水ディスパージョン樹脂(C)を構成する重合性不飽和モノマー成分の総量を基準として、長鎖重合性不飽和モノマー(s−1)に関しては、好ましくは0.1〜80質量%、より好ましくは0.5〜65質量%、特に好ましくは1.0〜50質量%である。スルホン酸基含有重合性不飽和モノマー(s−2)に関しては、好ましくは0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜4質量%、特に好ましくは0.2〜3質量%である。その他の重合性不飽和モノマー(s−3)に関しては、好ましくは0〜80質量%、より好ましくは0.5〜65質量%、特に好ましくは1.0〜50質量%である。
上記の長鎖重合性不飽和モノマー(s−1)、スルホン酸基含有重合性不飽和モノマー(s−2)、及び任意選択で用いられるその他の重合性不飽和モノマー(s−3)の配合量の合計は、非水ディスパージョン樹脂(C)を構成する重合性不飽和モノマー成分の総量を基準として、好ましくは10〜90質量%であり、より好ましくは通常20〜70質量%である。
なお、重合性不飽和モノマー成分の総量は、非水ディスパージョン樹脂(C)のうちの好ましくは50〜100質量%であり、より好ましくは通常75〜95質量%である。
上記高分子分散安定剤(S1)を製造するための重合は、通常、ラジカル重合開始剤を用いて行なうことができる。ラジカル重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ系開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオクトエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどの過酸化物系開始剤などが挙げられ、これらの重合開始剤は一般に重合に供されるモノマー100質量部当り0.2〜10質量部程度、好ましくは0.5〜5質量部の範囲内で使用できる。重合時の反応温度は、通常60〜160℃程度であり、重合時の反応時間は、通常1〜15時間程度である。
上記高分子分散安定剤(S1)として用いる共重合体は、通常、重量平均分子量が5,000〜100,000程度、好ましくは5,000〜50,000程度の範囲内である。上記範囲の分子量を有する共重合体を分散安定剤として用いることによって、分散粒子の安定化により、凝集及び沈降が抑制され、かつ粘度が高すぎず扱いやすい塗料を得ることができるため、好ましい。
さらに、本発明の光輝性塗料組成物で用いる非水ディスパージョン樹脂(C)のシェル部として、上記高分子分散安定剤(S1)以外に、スルホン酸基含有重合性不飽和モノマーを構成成分としないその他の分散安定剤(S2)を併用することが好ましい。
その他の分散安定剤(S2)としては、従来から非水ディスパージョンの分野で使用されている既知のものを制限なく使用でき、例えば下記(1)〜(9)のものを例示することができる。
(1)ヒドロキシ酸などの水酸基を含有する脂肪酸の自己縮合ポリエステルとアクリル酸グリシジル又はメタクリル酸グリシジルを付加して分子中に約1.0個の重合性不飽和基を導入したポリエステルマクロモノマー。
(2)上記(1)のポリエステルマクロモノマーとメチルメタクリレート及び/又はその他の(メタ)アクリル酸エステル、ビニルモノマーを共重合した櫛型ポリマー。
(3)上記(2)に少量のグリシジル(メタ)アクリレートを共重合させておき、そのグリシジル基に後から(メタ)アクリル酸を付加して不飽和基を導入したもの。
(4)炭素数4以上のモノアルコールの(メタ)アクリル酸エステルを少なくとも20%共重合してなる水酸基含有アクリル共重合体。
(5)上記(4)に数平均分子量基準で1分子当たり0.3以上の不飽和基を導入したもの。導入する方法としては、例えば、もとのアクリル共重合体中に少量の(メタ)アクリル酸グリシジルを共重合しておき、後からそのグリシジル基に(メタ)アクリル酸を付加する方法が挙げられる。
(6)ミネラルスピリット許容率の高いアルキルメラミン樹脂。
(7)脂肪酸含有量15%以上のアルキド樹脂及び/又はそれに重合性不飽和基を導入したもの。重合性不飽和基を導入する方法としては、例えばアルキド樹脂中のカルボキシル基に(メタ)アクリル酸グリシジルを付加する方法が挙げられる。
(8)ミネラルスピリット許容率の高いオイルフリーポリエステル樹脂、脂肪酸含有量15%以上のアルキド樹脂及び/又はそれに重合性不飽和基を導入したもの。
(9)重合性不飽和基を導入したセルロースアセテートブチレート。重合性不飽和基を導入する方法としては、例えばセルロースアセテートブチレートにイソシアネートエチルメタクリレートを付加する方法が挙げられる。
上記その他の分散安定剤(S2)としては、分散安定性及び貯蔵性の観点から、(3)の分散安定剤を好適に用いることができ、構成成分である自己縮合ポリエステルとしては、ヒドロキシ酸を好適に用いることができる。また、上記ヒドロキシ酸としては、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロピオン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などを使用することができるが、なかでも、分散安定性の観点から12−ヒドロキシステアリン酸を好適に用いることができる。また、ヒドロキシ酸を含有する場合の含有量としては、シェル部を構成する重合性不飽和モノマー成分の総量を基準として、ヒドロキシ酸の構成成分で、0〜15.0質量%が好ましく、1.0〜13.0質量%がより好ましい。
上記の高分子分散安定剤(S1)とその他の分散安定剤(S2)の配合比率(S1/S2)としては、シェル部の樹脂固形分総量を100質量%とする固形分比で、100/0〜20/80の範囲が好ましく、80/20〜40/60の範囲がより好ましい。
非水ディスパージョン樹脂(C)の製造においては、上記高分子分散安定剤(S1)及び任意選択で併用するその他の分散安定剤(S2)の存在下に、有機溶剤中で少なくとも1種の重合性不飽和モノマー(c−1)を共重合して、コア部となる重合体を作成し、該有機溶剤に不溶性の重合体粒子の非水分散液を調製する。
上記重合に使用される有機溶剤としては、該重合により生成する重合体粒子は実質的に溶解しないが、上記高分子分散安定剤(S1)及び重合性不飽和モノマー(c−1)に対しては良溶媒となる有機溶剤が包含される。かかる有機溶剤の具体例としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;メチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、オクチルアルコールなどのアルコール系溶剤;セロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテル系溶剤;メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルヘキシルケトン、エチルブチルケトンなどのケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、2−エチルヘキシルアセテートなどのエステル系溶剤などを挙げることができる。これらの有機溶剤は単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
上記有機溶剤としては、特に、脂肪族炭化水素を主体とし、これに適宜芳香族炭化水素、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤などを組合せたものを好適に使用することができる。
上記重合に供されコア部の構成成分となる重合性不飽和モノマー(c−1)としては、重合性に優れ、かつ高分子分散安定剤(S1)のモノマー成分として用いたモノマーの有する炭素数よりも炭素数の小さい重合性不飽和モノマーを使用するのが、分散重合体粒子として形成されやすい点から好適である。
このような重合性不飽和モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸の炭素数1〜18のアルキル又はシクロアルキルエステル;メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシブチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸のアルコキシアルキルエステル;ベンジル(メタ)アクリレートなどの芳香族アルコールの(メタ)アクリル酸とのエステル;グリシジル(メタ)アクリレートと酢酸、プロピオン酸、オレイン酸、p−t−ブチル安息香酸などの炭素数2〜18のモノカルボン酸化合物との付加物;(メタ)アクリル酸と「カ−ジユラE10」などのモノエポキシ化合物との付加物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−クロルスチレン、p−t−ブチルスチレンなどのビニル芳香族化合物;イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸などの(メタ)アクリル酸以外のα,β−不飽和カルボン酸とメチルアルコール、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、ステアリルアルコールなどの炭素数1〜18のモノアルコールとのモノ又はジエステル化合物;「ビスコート8F」、「ビスコート8FM」、「ビスコート3F」、「ビスコート3FM」(何れも大阪有機化学(株)製、商品名、側鎖にフッ素原子を有する(メタ)アクリレート化合物)、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシルエチレンなどのフッ素原子含有化合物;(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ基含有不飽和化合物;酢酸ビニル、安息香酸ビニル、「ベオバ(VEOVA)」(シェル(株)製)のようなビニルエステル化合物;n−ブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、メチルビニルエーテルなどのビニルエーテル化合物;エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのα−オレフィン系化合物などを挙げることができる。
また、N−アルコキシメチル化アクリルアミドやγ−メタクリロキシトリアルコキシシランのような自己反応性の重合性不飽和モノマー、又はアリル(メタ)アクリレートやエチレングリコールジ(メタ)アクリレートや1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートやメチレンビス(メタ)アクリルアミドやペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートのような重合性不飽和基を2個以上有するモノマーを共重合することによって粒子内を架橋し、ゲル化粒子とすることができる。これらの重合性不飽和モノマーは、単独で又は2種以上を併用して使用することができる。
コア部の重合体粒子を形成するモノマー成分は、前記の通り、高分子分散安定剤(S1)で用いるモノマー成分の炭素数よりも炭素数が小さいモノマーを使用することによって粒子成分を安定に形成することができるが、この観点から、炭素数8以下、好ましくは4以下の(メタ)アクリル酸エステル化合物、ビニル芳香族化合物、(メタ)アクリロニトリル、酸基含有重合性不飽和モノマーなどを含有することが好ましく、なかでも(メタ)アクリル酸を含有することが特に好ましい。また、コア部の構成成分として、酸基含有重合性不飽和モノマーを含有する場合、酸基含有重合性不飽和モノマーの含有量は、非水ディスパージョン樹脂(C)を構成する重合性不飽和モノマー成分の総量を基準として、0.1〜10.0質量%が好ましく、0.5〜8.0質量%がより好ましく、1.0〜5.0質量%が特に好ましい。
上記重合性不飽和モノマー(c−1)の重合は、通常ラジカル重合開始剤を用いて行なわれる。使用可能なラジカル重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ系開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオクトエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどの過酸化物系開始剤などが挙げられ、これら重合開始剤は一般に重合に供されるモノマー100質量部当り0.2〜10質量部程度、好ましくは0.5〜5質量部の範囲内で使用できる。
上記重合の際に存在させる高分子分散安定剤(S1)と重合性不飽和モノマー(c−1)との使用割合は、通常、高分子分散安定剤(S1)100質量部に対して重合性不飽和モノマー(c−1)を3〜240質量部程度、好ましくは10〜160質量部程度である。更に、有機溶剤中における高分子分散安定剤(S1)と重合性不飽和モノマー(c−1)との合計濃度は、通常、30〜70質量%程度、好ましくは30〜60質量%程度である。重合性不飽和モノマー(c−1)の重合は、それ自体既知の方法で行なうことができ、重合時の反応温度は通常60〜160℃程度、重合時の反応時間は通常1〜15時間程度である。
上記のようにして重合反応を行なうことにより、液相は有機溶剤に高分子分散安定剤(S1)が溶解したものであり、固相は重合性不飽和モノマー(c−1)が重合した重合体粒子である非水ディスパージョン型アクリル樹脂の安定な非水分散液を得ることができる。重合体粒子の平均粒子径は、通常約0.01〜1.0μmの範囲である。重合体粒子の平均粒子径を上記範囲とすることによって、非水分散液の粘度が高くなりすぎず、かつ塗料の貯蔵中の重合体粒子の膨潤又は凝集を抑制することができるため、好ましい。
尚、非水ディスパージョン樹脂(C)の粒子径測定は、「COULTER N4型サブミクロン粒子分析装置」(商品名、ベックマン・コールター社製)により測定した。
非水ディスパージョン樹脂(C)の製造においては、非水分散液中の高分子分散安定剤(S1)とコア部の重合体粒子とを結合させることによって、非水分散液の貯蔵安定性及び機械的特性を向上させることが好ましい。
高分子分散安定剤(S1)とコア部の重合体粒子とを結合させる方法としては、例えば、予め高分子分散安定剤(S1)を製造する段階において、水酸基、酸基、酸無水基、エポキシ基、メチロール基、イソシアネート基、アミド基、アミノ基などの官能基を有するモノマー成分を一部共重合させておき、更に重合体粒子を形成するモノマー成分として上記官能基と反応する水酸基、酸基、酸無水基、エポキシ基、メチロール基、イソシアネート基、アミド基、アミノ基などの官能基を有するモノマーを用いることによって行なうことができる。これらの組合せとしては、例えばイソシアネート基と水酸基、イソシアネート基とメチロール基、エポキシ基と酸(無水)基、エポキシ基とアミノ基、イソシアネート基とアミド基、酸(無水)基と水酸基などを挙げることができる。
このような官能基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸などのα,β−エチレン性不飽和カルボン酸;グリシジル(メタ)アクリレート、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどのグリシジル基含有化合物;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどのカルボン酸アミド化合物;p−スチレンスルホンアミド、N−メチル−p−スチレンスルホンアミド、N,N−ジメチル−p−スチレンスルホンアミドなどのスルホン酸アミド基含有化合物;(メタ)アクリル酸−t−ブチルアミノエチルなどのアミノ基含有化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとリン酸又はリン酸エステル化合物との縮合物、グリシジル(メタ)アクリレートなどのグリシジル基を有する化合物のグリシジル基にリン酸又はリン酸エステル化合物を付加させたものなどのリン酸基含有化合物;2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸などのスルホン酸基含有化合物;m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、イソホロンジイソシアネート又はトリレンジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの等モル付加物、イソシアノエチルメタクリレートなどのイソシアネート基含有化合物などを挙げることができる。
また、高分子分散安定剤(S1)と重合体粒子とを結合させる別の方法として、重合性不飽和基を有する高分子分散安定剤(S1)の存在下で重合性不飽和モノマーを重合させることによって行なうことができる。
高分子分散安定剤(S1)への重合性不飽和基の導入は、例えば、該樹脂の共重合成分としてカルボン酸、リン酸、スルホン酸などの酸基含有モノマーを用い、この酸基にグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのグリシジル基含有重合性不飽和モノマーを反応せしめることによって行なうことができる。また、逆にグリシジル基を高分子分散安定剤(S1)に含有させておいてこれに酸基含有重合性不飽和モノマーを反応せしめることによっても行なうことができる。これらの反応は、既知の条件に従い行なうことができる。
また、高分子分散安定剤(S1)とコア部の重合体粒子とを結合させる更に別の方法として、高分子分散安定剤(S1)と重合体粒子とに互いに反応しない官能基を導入した非水分散液を製造した後、このものに両者を結合させる結合剤を反応させることによっても行なうことができる。
具体的には、例えば水酸基含有高分子分散安定剤及び有機溶剤の存在下で水酸基含有重合性不飽和モノマーを単独で又は他の重合性不飽和モノマーとの混合物として重合し、高分子分散安定剤と重合体粒子とに水酸基を含有する非水分散液を製造した後、ポリイソシアネート化合物などを配合して常温で数時間〜数日間、60〜100℃程度で1〜5時間程度反応させることにより行なうことができる。
ポリイソシアネート化合物としては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものであればよく、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート又はそれらの水素化物;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸(トール油脂肪酸の二量化物)ジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネートなどを挙げることができる。
また、上記の他、酸基を含有する高分子分散安定剤及び重合体粒子とポリエポキシドとの組合せ、エポキシ基を含有する高分子分散安定剤及び重合体粒子とポリカルボン酸との組合せ、エポキシ基又はイソシアネート基を含有する高分子分散安定剤及び重合体粒子とポリサルファイド化合物との組合せなどでも行なうことができる。
ポリエポキシドとしては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル系樹脂など;ポリカルボン酸としては、例えばアジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、イソフタル酸など;ポリサルファイドとしてはペンタメチレンジサルファイド、ヘキサメチレンジサルファイド、ポリ(エチレンジサルファイド)などが挙げられる。
以上のようにして、高分子分散安定剤(S1)と重合体粒子とを化学的に結合させることができるが、この際に各種官能基及び/又は重合性不飽和基を高分子分散安定剤及び/又は重合性粒子に導入する量は、該分散安定剤及び/又は粒子の一分子中に平均して少なくとも0.1個となる量であれば十分である。
このようにして得られる非水分散液は、シェル部の高分子分散安定剤(S1)とコア部の重合体粒子とが化学的に結合していることから貯蔵安定性に優れ、しかも形成された塗膜は化学的、機械的に優れた性質を示すことができる。
上記非水ディスパージョン樹脂(C)のコア/シェル比率としては、質量比で、通常90/10〜10/90であり、80/20〜30/70が好ましく、70/30〜40/60がより好ましい。
また、上記非水ディスパージョン樹脂(C)の配合量としては、得られる塗料組成物の塗装作業性(耐タレ性)、得られる塗膜の塗面平滑性などの仕上り外観及び光輝性の観点から、成分(A)、(B)及び(C)の樹脂固形分総量を100質量%とする固形分比で、通常1〜40質量%、好ましくは3〜28質量%、より好ましくは6〜20質量%の範囲内である。
本発明の光輝性塗料組成物で用いる非水ディスパージョン樹脂(C)は、シェル部にスルホン酸基を有するため、後述の塩基性顔料(D)との酸塩基相互作用により、特に塗料が被塗物に塗着してからのNV上昇時に粘性が強く発現する。そのため、平滑性や鮮映性などの仕上がり外観が良好で、かつ、フリップフロップ性が高くメタリックムラが少ない、光輝性に優れた複層塗膜を得ることができる。
また、酸塩基相互作用による粘性発現を強めるため、上記非水ディスパージョン樹脂(C)のゼータ電位が、通常、−20mV以下であり、好ましくは−30mV以下であり、更に好ましくは−40mV以下である。
ゼータ電位は、電気泳動法により粒子の移動速度を測定し、Helmholtz−Smoluchowskiの下記式(4)により求められる。
ゼータ電位(ζ)=ηV/εE・・・式(4)
〔η:粘度(ポイズ)、V:移動速度(cm/sec)、ε:誘電率、E:電場(V/cm)〕
本明細書では、ゼータ電位は、粒子5gに、100mLの脱イオン水を添加し、超音波振動器で1時間分散させ、動的光散乱測定法により測定された値を意味する。上記ゼータ電位の測定には、例えば、PemKem社製のLASER ZEE MODEL501を用いることができる。
本発明の塗料組成物で用いる非水ディスパージョン樹脂(C)は、塗料組成物中の樹脂及び溶剤に不溶性であり、通常、粒子径は通常0.01〜1.0μmであり、0.05〜0.5μmが好ましく、0.09〜0.25μmが更に好ましい。
また、本発明の光輝性塗料組成物は、樹脂(C)の製造適性、及び水酸基含有樹脂(A)と樹脂(C)の相溶性、複層塗膜の仕上がり性の観点から、SP値としては、非水ディスパージョン樹脂(C)のコア部とシェル部のSP値の差が0.6以上であることが好ましく、また、コア部と水酸基含有樹脂(A)のSP値の差が1.0以下であることが好ましい。
塩基性顔料(D)
本発明の光輝性塗料組成物で用いる塩基性顔料(D)は、顔料を蒸留水中に縣濁させた液の水素イオン濃度を測定して、pHが7.0〜13.0の範囲のものである。塩基性顔料のpHは、顔料自体の表面状態や、溶解性、製造条件、表面処理剤などによって支配されるため、例えば、同じ白顔料の二酸化チタンであっても、そのpHが、例えば4.0〜10.0と大きく異なることがあるので、酸性顔料か中性顔料か塩基性顔料かの判断は実際にはpHを測定することによって判別される。
上記塩基性顔料(D)としては、後述する光輝性顔料以外の顔料であり、着色顔料(例えば、白色顔料、青色顔料、緑色顔料、赤色顔料、黄色顔料、橙色顔料、紫色顔料など)や透明又は非透明の体質顔料などが挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、少なくとも1種の塩基性体質顔料(D1)を含有することが好ましく、該塩基性体質顔料として、塩基性含水珪酸アルミニウム及び/又は塩基性硫酸バリウムを含有することがさらに好ましく、塩基性硫酸バリウムを含有することがさらに特に好ましい。
上記塩基性体質顔料(D1)としては、特に制限なく用いることができる。上記塩基性含水珪酸アルミニウムの市販品としては、例えば、ホフマンミネラル社のシリコロイドP87、シリチンZ86などが挙げられ、上記塩基性硫酸バリウムの市販品としては、例えば、堺化学工業株式会社のバリファインBF−10、バリファインBF−20などが挙げられる。
また、前述の非水ディスパージョン樹脂(C)との酸塩基相互作用による粘性発現のため、上記塩基性顔料(D)のゼータ電位は、+1mV以上であることが好ましく、+3mV以上であることがより好ましく、+5mV以上であることがさらに好ましい。
上記塩基性顔料(D)の配合量としては、光輝性塗料中の成分(A)、(B)及び(C)の樹脂固形分総量を100質量%とする固形分比で、通常1〜20質量%、好ましくは3〜18質量%、より好ましくは5〜15質量%の範囲内である。
光輝性顔料(E)
本発明の光輝性塗料組成物で用いる光輝性顔料(E)は、塗膜にキラキラとした光輝性や光干渉性模様を付与する顔料であり、上記塩基性顔料(D)とは区別される。具体的には、例えば、アルミニウム(蒸着アルミニウムも含む)、銅、亜鉛、真ちゅう、ニッケル、酸化アルミニウム、雲母、酸化チタンや酸化鉄で被覆された雲母、酸化チタンや酸化鉄で被覆された酸化アルミニウムなどを挙げることができる。なかでも、アルミニウム、雲母、酸化チタンや酸化鉄で被覆された雲母、酸化チタンや酸化鉄で被覆された酸化アルミニウムが好ましく、アルミニウムがさらに好ましい。これらの顔料はそれぞれ単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
上記光輝性顔料(E)は、りん片状であることが好ましい。りん片状の光輝性顔料としては、長手方向寸法が通常1〜100μm、特に5〜40μmであり、厚さが通常0.001〜5μm、特に0.01〜2μmのものを好適に用いることができる。
上記光輝性顔料(E)の配合量としては、光輝性塗料中の成分(A)、(B)及び(C)の樹脂固形分総量を100質量%とする固形分比で、通常1〜30質量%、好ましくは2〜25質量%、より好ましくは3〜20質量%の範囲内である。
一つの好ましい実施形態において、本発明の光輝性塗料組成物は、下記(A)、(B)及び(C)の樹脂固形分総量を100質量%とする固形分比で、水酸基含有樹脂(A)10〜90質量%、硬化剤(B)5〜50質量%、非水ディスパージョン樹脂(C)1〜40質量%、塩基性顔料(D)1〜20質量%、及び光輝性顔料(E)1〜30質量%を含有し、水酸基含有樹脂(A)は水酸基含有アクリル樹脂、水酸基含有ポリエステル樹脂又はそれらの組み合わせであり、硬化剤(B)はアミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物、エポキシ基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、及びカルボジイミド基含有化合物から選択される1種又は2種以上であり、非水ディスパージョン樹脂(C)が、コア部及びシェル部を備えた構造を有し、コア部は少なくとも1種の重合性不飽和モノマー(c−1)の共重合体を有し、シェル部は長鎖重合性不飽和モノマー(s−1)と、スルホン酸基含有重合性不飽和モノマー(s−2)と、任意選択で用いられるその他の重合性不飽和モノマー(s−3)とを共重合してなる重合体からなる高分子分散安定剤(S1)を有し、かつ、非水ディスパージョン樹脂(C)のシェル部が、非水ディスパージョン樹脂(C)を構成する重合性不飽和モノマー成分の総量を基準として、スルホン酸基含有重合性不飽和モノマー(s−2)0.05〜5.0質量%を含有する。好ましくは、コア部の構成成分となる重合性不飽和モノマー(c−1)は、高分子分散安定剤(S1)のモノマー成分として用いたモノマーの有する炭素数よりも炭素数の小さい重合性不飽和モノマーである。
その他の成分
本発明の光輝性塗料組成物は、水酸基含有樹脂(A)、硬化剤(B)、非水ディスパージョン樹脂(C)、塩基性顔料(D)、及び光輝性顔料(E)を必須成分とする塗料組成物であって、通常、有機溶剤を含有し、さらに任意選択で、上記水酸基含有樹脂(A)及び硬化剤(B)以外の樹脂、上記非水ディスパージョン樹脂(C)以外のレオロジーコントロール剤成分、塩基性顔料(D)及び光輝性顔料(E)以外の顔料、硬化触媒、顔料分散剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤など、通常、塗料の分野で用いられる塗料用添加剤を任意選択で含有することができる。
次に、本発明の光輝性塗料組成物を用いた複層塗膜形成方法について以下に述べる。本発明の塗膜形成方法としては、下記の2つの方式を好適に用いることができる。
(方式1)2コート1ベーク方式(2C1B工程)
1−1.被塗物に、本発明の光輝性塗料組成物を塗装してベースコート塗膜を形成する工程、
1−2.上記の未硬化のベースコート塗膜上に、クリヤーコート塗料組成物を塗装してクリヤーコート塗膜を形成する工程、並びに
1−3.上記の未硬化のベースコート塗膜及び未硬化のクリヤーコート塗膜を、加熱して2層を同時に硬化させる工程
を含む複層塗膜形成方法。
(方式2)3コート1ベーク方式(3C1B工程)
2−1.被塗物に、中塗り塗料組成物を塗装して中塗り塗膜を形成する工程、
2−2.上記の未硬化の中塗り塗膜上に、本発明の光輝性塗料組成物を塗装してベースコート塗膜を形成する工程、
2−3.上記の未硬化のベースコート塗膜上に、クリヤーコート塗料組成物を塗装してクリヤーコート塗膜を形成する工程、並びに
2−4.上記の未硬化の中塗り塗膜、未硬化のベースコート塗膜及び未硬化のクリヤーコート塗膜を、加熱して3層を同時に硬化させる工程
を含む複層塗膜形成方法。
上記被塗物としては、金属素材やプラスティック素材やその複合品など、従来から公知のものを特に制限なく使用でき、例えば、化成処理を施した自動車ボデーに電着硬化塗膜を形成したものが使用できる。また、上記(方式1)の被塗物として、電着硬化塗膜上に中塗り塗料を塗装して、加熱硬化せしめたものを使用することができ、この場合は、3コート2ベーク方式(3C2B工程)である。
中塗り塗料、光輝性ベースコート塗料及びクリヤーコート塗料の塗装は、通常の塗装方式、例えば静電霧化塗装もしくは非静電霧化塗装によって行なうことができる。霧化方法としては、回転霧化方法又はエアー霧化方法などが使用できる。
中塗り塗料としては、従来から公知のものを特に制限なく使用できるが、メラミン硬化系有機溶剤型塗料又はイソシアネート硬化系有機溶剤型塗料が好ましい。上記中塗り塗膜の硬化後の膜厚は約5〜30μmが好ましい。中塗り塗料を塗装した場合、数分間室温に放置するか、約50〜80℃で数分間予備乾燥をする。
次いで、被塗物又は中塗り塗膜上に、本発明の光輝性塗料組成物である光輝性ベースコート塗料を塗装する。上記光輝性ベースコート塗膜の硬化後の膜厚は、通常5〜30μm、好ましくは7〜25μm、より好ましくは10〜20μmの範囲内である。光輝性ベースコート塗料を塗装した後、数分間室温に放置するか、約50〜80℃で数分間予備乾燥し、続いてクリヤーコート塗料を塗装する。
クリヤーコート塗料としては、特に制限なく従来から公知のものを使用できるが、酸/エポキシ硬化系有機溶剤型塗料、イソシアネート硬化系有機溶剤型塗料又はメラミン硬化系有機溶剤型塗料が好ましい。上記クリヤーコート塗膜の硬化後の膜厚は、通常15〜60μm、好ましくは10〜50μm、より好ましくは15〜45μmの範囲内である。また、複層塗膜を硬化させるための加熱は、通常、約120〜180℃で約20〜90分間行われる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、「部」及び「%」はいずれも質量基準によるものである。
水酸基含有アクリル樹脂(A1)溶液の製造
製造例1
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置を備えた反応容器に、「スワゾール1000」(商品名、丸善石油化学社製、石油系芳香族炭化水素系溶剤)30部を仕込み、窒素を吹き込みながら110℃に昇温後、同温度にて、スチレン10部、メチルメタクリレート50部、n−ブチルアクリレート28部、下記リン酸基含有重合性モノマー溶液4部、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1.5部からなるモノマー混合物を4時間かけて滴下した。滴下終了後1時間熟成し、その後さらに酢酸ブチル15部及び2,2´−アゾビスイソブチロニトリル1.0部の混合物を1時間かけて反応容器に滴下した。滴下終了後1時間熟成させたのち、メチルエチルケトンで希釈し、固形分50%の水酸基含有アクリル樹脂(A1−1)溶液を得た。得られた水酸基含有アクリル樹脂(A1−1)は、酸価6mgKOH/g、水酸基価48mgKOH/g、重量平均分子量20,000であった。
リン酸基含有重合性モノマー溶液:温度計、サーモスタット、攪拌器、還流冷却器、窒素ガス導入管及び滴下装置を備えた反応容器にモノブチルリン酸57.5部、イソブタノール41部を入れ、90℃に昇温後、グリシジルメタクリレート42.5部を2時間かけて滴下した後、さらに1時間攪拌熟成した。その後、イソプロパノ−ル59部を加えて、固形分濃度50%のリン酸基含有重合性モノマー溶液を得た。得られたモノマーの酸価は285mgKOH/gであった。
水酸基含有ポリエステル樹脂(A2)溶液の製造
製造例2
温度計、サーモスタット、攪拌装置、還流冷却器及び水分離器を備えた反応容器に、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物69部、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸86部、1,6−ヘキサンジオール59部、エチレングリコール25部及びトリメチロールプロパン13部を仕込み、160℃から230℃まで3時間かけて昇温させた後、縮合水を水分離器により留去させながら230℃で保持し、酸価が6mgKOH/gとなるまで反応させた。次いで、キシレン/「スワゾール1000」(商品名、丸善石油化学社製、石油系芳香族炭化水素系溶剤)=50/50(質量比)の混合溶剤で固形分濃度70%となるように希釈し、水酸基含有ポリエステル樹脂(A2−1)溶液を得た。得られた水酸基含有ポリエステル樹脂(A2−1)は、酸価6mgKOH/g、水酸基価56mgKOH/g、数平均分子量3,000であった。
非水ディスパージョン樹脂(C)溶液の製造
製造例3
撹拌装置、温度計、冷却管及び窒素ガス導入口を備えた四ツ口フラスコにヘプタン60部、キシレン60部、下記高分子分散安定剤(S1−1)溶液(注1)75部、及び下記その他の分散安定剤(S2−1)溶液(注3)10部を仕込んで窒素を吹き込みながら100℃まで昇温させた。次いで、下記コアモノマー組成物(注4)51部を3時間かけて滴下し、更に2時間熟成することにより、非水ディスパージョン樹脂(C−1)溶液を得た。得られた非水ディスパージョン樹脂(C−1)は、固形分40%、平均粒子径146μm、ゼータ電位−55mVであった。また、コア/シェル比は50/50であり、シェル部のSP値は9.0、コア部のSP値は9.9であった。
(注1)高分子分散安定剤(S1−1)溶液
撹拌装置、温度計、水分離器、窒素ガス導入口を備えた四ツ口フラスコに、オレイル2−ヒドロキシ−(3−アリルオキシ)−プロピルスルホサクシネートアンモニウム塩2.05部、キシレン30部を仕込み、水を水分離器により留去させながら130℃まで昇温させた。次いで、メチルメタクリレート16.3部、メチルアクリレート3.3部、n−ブチルアクリレート10.4部、2−エチルヘキシルアクリレート5.3部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5.5部及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート2.5部の混合物を3時間かけて滴下し、さらに1時間熟成させた。その後、マクロモノマー(IPDI−HEA)(注2)2.15部を加え、さらに4時間熟成を行なうことにより固形分60%の高分子分散安定剤(S1−1)溶液を得た。
(注2)マクロモノマー(IPDI−HEA)
温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却器及び空気吹込装置を備え付けた反応容器に、イソホロンジイソシアネート888部(4モル)、2−ヒドロキシエチルアクリレート464部(4モル)及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.7部を仕込み、反応容器内に空気を吹き込みながら、80℃に昇温してその温度に5時間保ち、加えた2−ヒドロキシエチルアクリレートが実質的に全て反応したのを確認して、イソホロンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアクリレートの付加物であるマクロモノマー(IPDI−HEA)を得た。
(注3)その他の分散安定剤(S2−1)溶液
撹拌装置、温度計、冷却管、窒素ガス導入口を備えた四ツ口フラスコに、トルエン還流下、メタンスルホン酸を触媒として12−ヒドロキシステアリン酸を脱水縮合して、樹脂酸価30まで縮合を行なった。得られた数平均分子量約1,800の自己縮合ポリエステルの末端カルボキシル基に、ジメチルアミノエタノールを触媒としてグリシジルメタクリレートを付加して重合性不飽和基を導入し、固形分70%の重合性不飽和基含有マクロモノマー溶液を得た。得られた重合性不飽和基含有マクロモノマーは1分子当り数平均分子量に基づき約1個の重合性不飽和基を有していた。次いで、フラスコ中に酢酸ブチル174部を入れて加熱還流させ、この中に、上記70%重合性不飽和基含有マクロモノマー溶液297部、メチルメタクリレート195.9部、グリシジルメタクリレート18.5部、キシレン163部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル9.6部の混合物を3時間かけて均一速度で滴下し、さらに2時間熟成した。ついでp−t−ブチルカテコール0.05部、メタクリル酸3.8部、ジメチルアミノエタノール0.5部の混合物をフラスコ中に加えて樹脂酸価が0.5になるまで140℃で約5時間反応を続け、固形分50%のその他の分散安定剤(S2−1)溶液を得た。得られたその他の分散安定剤(S2−1)は、12−ヒドロキシステアリン酸によるセグメントと、メチルメタクリレートとグリシジルメタクリレートの共重合体によるセグメントとを有するグラフトポリマーであって、1分子中平均約4個の重合性不飽和基を有している。
(注4)コアモノマー組成物
スチレン12.5部、メチルメタクリレート12.44部、メチルアクリレート5部、アクリロニトリル5部、2−ヒドロキシエチルアクリレート12.5部、グリシジルメタクリレート0.5部、メタクリル酸2.06部及び2,2´−アゾビスイソブチロニトリル1.0部の混合物。
製造例4〜20
下記表1に示す配合に従って、製造例3と同様の方法により、固形分40%の非水ディスパージョン樹脂(C−2)〜(C−18)溶液を得た。非水ディスパージョン樹脂(C−14)に関しては、フラスコに高分子分散安定剤及びその他の分散安定剤を配合せずにコアモノマー組成物を滴下した。
尚、下記表1中の配合量は、固形分又は有効成分の値である。また、非水ディスパージョン樹脂(C−14)及び(C−18)については、ブツ(凝集物)が発生したため、ゼータ電位と粒子径の測定は行わなかった。
Figure 2015156032
(注5)KBM−503:商品名、信越化学工業株式会社製、3−メタクリロオキシプロピルトリメトキシシラン
(注6)ライトエステルP−1M:商品名、共栄社化学社製、アシッドホスホキシエチルメタクリレート。
光輝性塗料組成物の製造
実施例1
製造例1で得た水酸基含有アクリル樹脂(A1−1)溶液18部(樹脂固形分9部)、製造例2で得た水酸基含有ポリエステル樹脂(A2−1)溶液12.9部(樹脂固形分9部)、「バリファインBF−20」(商品名、堺化学工業社製、微粒子硫酸バリウム、ゼータ電位6mV、pH9、塩基性顔料)10部及びキシレン20部を広口ガラスビン中に入れ、ガラスビーズを加えて密封し、ペイントシェーカーで60分間分散した後、ガラスビーズを除去して、顔料分散ペーストを得た。
次いで、得られた顔料分散ペースト60.9部、製造例1で得た水酸基含有アクリル樹脂(A1−1)溶液32部、製造例2で得た水酸基含有ポリエステル樹脂(A2−1)溶液30部、「ユーバン28−60」(商品名、ブチルエーテル化メラミン樹脂、三井化学社製、固形分60%、硬化剤)50部、非水ディスパージョン樹脂(C−1)溶液37.5部、「GX−180A」(商品名、旭化成メタルズ社製、アルミニウム顔料ペースト、アルミニウム含有量74%、光輝性顔料)13.5部、「Nacure4167」(商品名、King Industries社製、アルキルリン酸エステルのアミン塩、有効成分25%)4部を均一に混合した。次いで、キシレン/「スワゾール1000」(商品名、丸善石油化学社製、石油系芳香族炭化水素系溶剤)=50/50(質量比)の混合溶剤を添加して、20℃におけるフォードカップNo.4の粘度が12秒になるように調整して、光輝性塗料(X−1)組成物を得た。
実施例2〜16及び比較例1〜10
下記表2に示す配合に従って、実施例1と同様の方法により、20℃におけるフォードカップNo.4による粘度が12秒である光輝性塗料(X−2)〜(X−26)溶液を得た。尚、下記表2中の配合量は、固形分又は有効成分の値である。また、光輝性塗料組成物(X−17)及び(X−21)については、非水ディスパージョン樹脂(C−14)及び(C−18)から持ち込まれるブツ(凝集物)により、塗料状態は「不良」と判断し、以降の塗装、塗膜評価は行わなかった。
Figure 2015156032
(注7)シリチンZ86:商品名、ホフマンミネラル社製、塩基性含水珪酸アルミニウム、ゼータ電位1mV、pH:8、塩基性顔料。
被塗物の作製
製造例21
30cm×45cmのリン酸亜鉛処理された冷延鋼板に、熱硬化性エポキシ樹脂系カチオン電着塗料組成物(商品名「エレクロンGT−10」、関西ペイント社製)を膜厚20μmになるように電着塗装し、170℃で30分加熱して硬化させた。かくして、鋼板上に電着塗膜を形成してなる被塗物H−1を作製した。
製造例22
30cm×45cmのリン酸亜鉛処理された冷延鋼板に、熱硬化性エポキシ樹脂系カチオン電着塗料組成物(商品名「エレクロンGT−10」、関西ペイント社製)を膜厚20μmになるように電着塗装し、170℃で30分加熱して硬化させた。次いで、この電着塗膜上に中塗り塗料組成物(商品名「TP−65−3」、関西ペイント社製、ポリエステル樹脂・アミノ樹脂系有機溶剤型塗料組成物)を膜厚35μmになるように塗装し、140℃で30分間加熱して硬化させた。かくして、鋼板上に電着塗膜及び中塗り塗膜を形成してなる被塗物H−2を作製した。
試験板の作製
実施例17
製造例21で得た被塗物H−1の電着塗膜上に、中塗り塗料組成物(商品名「TP−65−3」、関西ペイント社製、ポリエステル樹脂・アミノ樹脂系有機溶剤型塗料組成物)を硬化塗膜の膜厚として25μmになるように塗装し、5分間放置した後、80℃で5分間プレヒートを行った。7分間セッティングした後、その未硬化塗面上に光輝性塗料組成物(X−1)を、回転霧化型のベル型塗装機を用いて、硬化塗膜の膜厚として15μmになるように塗装し、2分間セッティングした後、80℃で5分間プレヒートを行った。次いで、その未硬化塗面上にアクリル樹脂系有機溶剤型クリヤーコート塗料組成物(商品名「マジクロンKINO−1210」、関西ペイント社製)を硬化塗膜の膜厚として40μmになるように塗装し、7分間放置した後、140℃で30分間加熱して、この3層の複層塗膜を同時に硬化させた。
かくして、実施例1で得られた光輝性塗料組成物(X−1)を3コート1ベーク方式(3C1B工程)における光輝性ベースコート塗料として使用し、電着塗膜上に中塗り塗膜、光輝性ベースコート塗膜、及びクリヤーコート塗膜からなる複層塗膜が形成された試験板を得た。
実施例18〜32及び比較例11〜18
下記表3に示した光輝性塗料組成物を3コート1ベーク方式(3C1B工程)における光輝性ベースコート塗料として用いる以外は、実施例17と同じ塗料組成物を同じ工程及び条件で塗り重ね、実施例18〜32及び比較例11〜18の試験板を得た。
実施例33
製造例22で得た被塗物H−2に、光輝性塗料組成物(X−1)を、回転霧化型のベル型塗装機を用いて、硬化塗膜の膜厚として15μmになるように塗装し、2分間セッティングした後、80℃で5分間プレヒートを行った。次いで、その未硬化塗面上にアクリル樹脂系有機溶剤型上塗りクリヤーコート塗料組成物(商品名「マジクロンKINO−1210」、関西ペイント社製)を硬化塗膜の膜厚として40μmになるように塗装し、7分間放置した後、140℃で30分間加熱して、この2層の複層塗膜を同時に硬化させた。
かくして、実施例1で得られた光輝性塗料組成物(X−1)を2コート1ベーク方式(2C1B工程)における光輝性ベースコート塗料として使用し、硬化中塗り塗膜上に、光輝性ベースコート塗膜及びクリヤーコート塗膜からなる複層塗膜が形成された試験板を得た。
比較例19〜21
下記表3に示した光輝性塗料組成物を2コート1ベーク方式(2C1B工程)における光輝性ベースコート塗料として用いる以外は、実施例33と同じ塗料を同じ工程及び条件で塗り重ね、比較例19〜21の試験板を得た。
Figure 2015156032
評価試験
上記実施例及び比較例で得られた各試験板について、下記の試験方法により評価を行なった。評価結果を表3に示す。
<フリップフロップ性(FF性)>
角度を変えて各試験板を目視し、下記基準でフリップフロップ性を評価した。評価としては、S〜Bが合格で、Cが不合格である。
S:目視の角度による明度の変化が顕著である(極めて優れたフリップフロップ性を有する)。
A:目視の角度による明度の変化が大きい(フリップフロップ性に優れる)。
B:目視の角度による明度の変化がやや小さい(フリップフロップ性がやや劣る)。
C:目視の角度による明度の変化が小さい(フリップフロップ性が劣る)。
<鮮映性>
各試験板について、「Wave Scan」(商品名、BYKGardner社製)によって測定されるShort Wave(SW)値に基づいて、鮮映性を評価した。SW値が小さいほど塗面の鮮映性が高いことを示し、評価としては、SW値20以上が不合格である。
<平滑性>
各試験板について、「Wave Scan」(商品名、BYKGardner社製)によって測定されるLong Wave(LW)値に基づいて、下記のように平滑性を評価した。LW値が小さいほど塗面の平滑性が高いことを示し、評価としては、LW値10以上が不合格である。

Claims (12)

  1. 下記(A)、(B)及び(C)の樹脂固形分総量を100質量%とする固形分比で、水酸基含有樹脂(A)10〜90質量%、硬化剤(B)5〜50質量%、非水ディスパージョン樹脂(C)1〜40質量%、塩基性顔料(D)1〜20質量%、及び光輝性顔料(E)1〜30質量%を含有し、該非水ディスパージョン樹脂(C)が、コア部及びシェル部を備えた構造を有し、かつ、該非水ディスパージョン樹脂(C)のシェル部が、該非水ディスパージョン樹脂(C)を構成する重合性不飽和モノマー成分の総量を基準として、スルホン酸基含有重合性不飽和モノマー0.05〜5.0質量%を含有することを特徴とする光輝性塗料組成物。
  2. 非水ディスパージョン樹脂(C)のコア部が、架橋されていることを特徴とする請求項1に記載の光輝性塗料組成物。
  3. 非水ディスパージョン樹脂(C)のコア部が、該非水ディスパージョン樹脂(C)を構成する重合性不飽和モノマー成分の総量を基準として、酸基含有重合性不飽和モノマー0.1〜10.0質量%を含有することを特徴とする請求項1に記載の光輝性塗料組成物。
  4. 非水ディスパージョン樹脂(C)のシェル部を構成するスルホン酸基含有重合性不飽和モノマーが、少なくとも1個の重合性不飽和基、少なくとも1個のスルホン酸基、及び少なくとも1個の炭素数4以上の炭化水素基を有することを特徴とする請求項1に記載の光輝性塗料組成物。
  5. 非水ディスパージョン樹脂(C)のコア部とシェル部のSP値の差が0.6以上であることを特徴とする請求項1に記載の光輝性塗料組成物。
  6. 非水ディスパージョン樹脂(C)のコア部と水酸基含有樹脂(A)のSP値の差が1.0以下であることを特徴とする請求項1に記載の光輝性塗料組成物。
  7. 非水ディスパージョン樹脂(C)のゼータ電位が−20mV以下であり、かつ、塩基性顔料(D)のゼータ電位が+1mV以上であることを特徴とする請求項1に記載の光輝性塗料組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光輝性塗料組成物が塗装された塗装物品。
  9. (1)被塗物に、請求項1〜7のいずれか1項に記載の光輝性塗料組成物を塗装してベースコート塗膜を形成する工程、
    (2)上記の未硬化のベースコート塗膜上に、クリヤーコート塗料組成物を塗装してクリヤーコート塗膜を形成する工程、並びに
    (3)上記の未硬化のベースコート塗膜及び未硬化のクリヤーコート塗膜を、加熱して2層を同時に硬化させる工程
    を含む複層塗膜形成方法。
  10. (1)被塗物に、中塗り塗料組成物を塗装して中塗り塗膜を形成する工程、
    (2)上記の未硬化の中塗り塗膜上に、請求項1〜7のいずれか1項に記載の光輝性塗料組成物を塗装してベースコート塗膜を形成する工程、
    (3)上記の未硬化のベースコート塗膜上に、クリヤーコート塗料組成物を塗装してクリヤーコート塗膜を形成する工程、並びに
    (4)上記の未硬化の中塗り塗膜、未硬化のベースコート塗膜及び未硬化のクリヤーコート塗膜を、加熱して3層を同時に硬化させる工程
    を含む複層塗膜形成方法。
  11. 請求項9に記載の複層塗膜形成方法により形成された複層塗膜を有する物品。
  12. 請求項10に記載の複層塗膜形成方法により形成された複層塗膜を有する物品。
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