JP2005015523A - 硬化型塗料用組成物、クリヤーコート用塗料組成物及びこれらを用いた多層塗膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】仕上がり外観、可とう性、リコート性、光沢、肉持ち感、耐食性、耐糸さび性、耐湿性、耐温水性のいずれにも優れる硬化型塗料用組成物、有機溶剤量を低減することのできるクリヤーコート用塗料組成物、及び、これらを用いた多層塗膜を提供する。
【解決手段】不飽和二重結合を有する重合性単量体を共重合させた有機溶媒に可溶な共重合体を分散安定剤として用い、有機溶媒中で不飽和二重結合を有する重合性単量体を共重合させてなる有機溶媒に不溶な共重合体分散粒子を含有する非水分散型重合体(A)、架橋剤としてのアミノ樹脂(B)、並びに(A)成分及び(B)成分との相溶性を有する顔料分散用樹脂(C)からなる硬化型塗料用組成物;メタクリル酸t−ブチルを必須成分とする不飽和二重結合を有する重合性単量体の共重合体(D)及びアミノ樹脂(B)を含有するクリヤーコート用塗料組成物;これらを用いて形成される多層塗膜。
【選択図】 なし
【解決手段】不飽和二重結合を有する重合性単量体を共重合させた有機溶媒に可溶な共重合体を分散安定剤として用い、有機溶媒中で不飽和二重結合を有する重合性単量体を共重合させてなる有機溶媒に不溶な共重合体分散粒子を含有する非水分散型重合体(A)、架橋剤としてのアミノ樹脂(B)、並びに(A)成分及び(B)成分との相溶性を有する顔料分散用樹脂(C)からなる硬化型塗料用組成物;メタクリル酸t−ブチルを必須成分とする不飽和二重結合を有する重合性単量体の共重合体(D)及びアミノ樹脂(B)を含有するクリヤーコート用塗料組成物;これらを用いて形成される多層塗膜。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は仕上がり外観の優れた硬化型塗料用組成物に関するものであり、詳細にはメタル配向性、耐メタル戻しムラ性に優れたメタリックベースコート用塗料でありながら、エナメル用塗料としても使用でき、可とう性、リコート性、光沢、肉持ち感、耐食性、耐糸さび性、耐湿性、耐温水性に優れる硬化型塗料用組成物に関する。また、本発明は、有機溶剤量を少なくすることができ、耐候性、耐水性、リコート性に優れるクリヤーコート用塗料組成物に関する。また、本発明は、さらに、上記の硬化型塗料用組成物から形成されたベースコート層と、上記のクリヤーコート用塗料組成物から形成されたクリヤーコート層からなる多層塗膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、塗料業界にあっては省資源、省エネルギー、低公害という観点から、特に有機溶剤の削減(VOC)及び塗装環境の危険性低減への技術開発が行なわれており、塗料中の有機溶剤量を減らしたハイソリッド型塗料の検討が行なわれている。そのための手法の一つとして非水分散液(NAD)を使用する方法がある。NADは、非極性溶媒(疎水性溶媒)に溶解している安定剤樹脂の溶液と、この溶液に不溶であるが安定剤樹脂の溶液中に安定に分散している分散樹脂の微粒子よりなる。分散樹脂の微粒子の存在により、NADは構造粘性を示し、ずれ応力が増大すると見かけの粘性率が減少する。このためスプレー塗装が可能な一方、被塗物からのたれを生じない最高固形分含量を高くすることができる。これらの技術は、有機溶剤量が多い塗料系に用いることで大きな効果が得られると考えられる。例えば、近年増えている光輝性顔料を含有するメタリック塗料が挙げられる。メタリック塗料から形成されるメタリック塗膜は、メタリック塗膜とクリヤー塗膜とをウェットオンウェットで形成するが、このメタリックベース塗膜とクリヤー塗膜とが混じりあうと、メタリックベース塗膜中の光輝性顔料の配列(メタル配向性)が不均一になり、フリップフロップ性が低下したり、塗膜光沢の低下を引き起こす。一般には塗装時あるいは焼付け硬化時の粘性制御のため、メタリックベース塗料に粘性付与剤として、高分子量架橋重合微粒子を含有させることが知られているが、これだけでは十分ではない場合があった。また、クリヤーコート用塗料も同様であり、塗料中の有機溶剤量を減らしたハイソリッド型塗料の検討が行なわれている。ハイソリッド型塗料、つまり、低分子量共重合体を得るために、多量のラジカル重合開始剤を使用するが十分な低分子量体が得られず、更にメルカプタン系の連鎖移動剤を使用する方法を取るが、特にメルカプタン系の連鎖移動剤を使用すればビニル系重合体溶液の悪臭の原因となったり、また、最終的に得られる塗膜の耐候性や耐溶剤性等が低下し、実用的ではない。前記に示した非水分散液の開発も進められているが、塗膜の仕上がり外観が低下してしまい、実用的ではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の欠点を解消し、メタリックベース塗料として用いたときのメタル配向性、メタル戻しムラ性に優れ、且つエナメル塗料にも使用でき、仕上がり外観、可とう性、リコート性、光沢、肉持ち感、耐食性、耐糸さび性、耐湿性、耐温水性のいずれにも優れる硬化型塗料用組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、有機溶剤量を低減することのできるクリヤーコート用塗料組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、仕上がり外観、密着性、耐温水性、耐食性及びリコート性に優れる多層塗膜を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、不飽和二重結合を有する2種類以上の重合性単量体(ax)を共重合させてなる有機溶媒に可溶な共重合体(a)を分散安定剤として用い、該分散安定剤の存在下有機溶媒中で不飽和二重結合を有する2種類以上の重合性単量体(bx)を共重合させてなる有機溶媒に不溶な共重合体分散粒子(b)を含有する非水分散型重合体(A)、架橋剤としてのアミノ樹脂(B)、並びに(A)成分及び(B)成分との相溶性を有する顔料分散用樹脂(C)からなる硬化型塗料用組成物に関する。
また本発明は、非水分散型重合体(A)のアセトン不溶成分量が10〜60重量%である硬化型塗料用組成物に関する。
【0005】
また本発明は、(A)成分及び(C)成分中の合計固形分重量に対して、(A)成分の固形分の配合比率が40〜90重量%であるメタリック塗料用の硬化型塗料用組成物に関する。
また本発明は、(A)成分及び(C)成分中の合計固形分重量に対して、(A)成分の固形分の配合比率が10〜60重量%であるエナメル塗料用硬化型塗料用の硬化型塗料用組成物に関する。
また本発明は、硬化型塗料用組成物中のアミノ樹脂(B)の配合比率が10〜69重量%である硬化型塗料用組成物に関する。
【0006】
また本発明は、 共重合体(a)が、重量平均分子量が5,000〜200,000、ガラス転移温度が−40〜100℃であり、非水分散型重合体(A)中の共重合体(a)の配合割合が共重合体(a)及び共重合体分散粒子(b)の総量に対し、30〜70重量%である硬化型塗料用組成物に関する。
また本発明は、重合性単量体(bx)中に1分子中にグリシジル基及び不飽和二重結合を有する重合性単量体が0.1〜10重量%の割合で配合されている硬化型塗料用組成物に関する。
また本発明は、重合性単量体(bx)中に1分子中に2個以上の重合性二重結合を有する重合性単量体が0.1〜15重量%の割合で配合されている硬化型塗料用組成物に関する。
また本発明は、(A)成分の水酸基価が10〜200mgKOH/g、酸価が0.1〜50mgKOH/gである硬化型塗料用組成物に関する。
【0007】
また本発明は、メタクリル酸t−ブチルを必須成分とする不飽和二重結合を有する2種類以上の重合性単量体(dx)の共重合体(D)及びアミノ樹脂(B)を含有してなるクリヤーコート用塗料組成物に関する。
また本発明は、共重合体(D)のガラス転移温度が0〜60℃、水酸基価が10〜250mgKOH/g、酸価が1〜100mgKOH/gであるクリヤーコート用塗料組成物に関する。
また本発明は、硬化型塗料用組成物から得られるベースコート層及びクリヤーコート用塗料組成物から得られるクリヤーコート層からなる多層塗膜に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明における有機溶媒に可溶な共重合体(a)の共重合に使用される不飽和二重結合を有する重合性単量体(ax)としては、次に示す不飽和二重結合を有する重合性単量体(a1)、ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(a2)、カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(a3)の重合性単量体が挙げられる。
【0009】
不飽和二重結合を有する重合性単量体(a1)としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のアクリル酸アルキルエステル;アクリル酸シクロヘキシル等のシクロアルキル基の炭素数が3〜20のアクリル酸シクロアルキルエステル;アクリル酸トリシクロデシル等のトリシクロアルキル基の炭素数が5〜20のアクリル酸トリシクロアルキルエステル;アクリル酸トリシクロデシロキシエチル、アクリル酸トリシクロデシロキシプロピル等のトリシクロアルキルオキシアルキル基の炭素数が6〜21のアクリル酸トリシクロアルキルオキシアルキルエステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸シクロヘキシル等のシクロアルキル基の炭素数が3〜20のメタクリル酸シクロアルキルエステル;メタクリル酸トリシクロデシル等のトリシクロアルキル基の炭素数が5〜20のメタクリル酸トリシクロアルキルエステル;メタクリル酸トリシクロデシロキシエチル、メタクリル酸トリシクロデシロキシプロピル等のトリシクロアルキルオキシアルキル基の炭素数が6〜21のメタクリル酸トリシクロアルキルオキシアルキルエステル;メタクリル酸アミノメチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル等のアルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸アミノアルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン等のスチレン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のビニル誘導体;マレイン酸ジメチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル等の不飽和二塩基酸のジアルキルエステル、ヒンダートアミノ基を有するアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル、ベンゾトリアゾール基を有するアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。前記成分は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。
不飽和二重結合を有する重合性単量体(a1)の不飽和二重結合を含む重合性単量体(ax)中の配合割合は10〜98.9重量%とすることが好ましく、50〜97.7重量%であることがより好ましい。
【0010】
ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(a2)としては、例えば、アクリル酸ヒドロキシアルキル、メタクリル酸ヒドロキシアルキル、それらのラクトン変性物等が挙げられる。アクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、例えばアルキル基の炭素数が1〜6のアクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。メタクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、例えばアルキル基の炭素数が1〜6のメタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。また、前記アクリル酸ヒドロキシアルキル及びメタクリル酸ヒドロキシアルキルのラクトン変性物の具体例としては、ラクトン変性アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ラクトン変性メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。前記成分は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。
ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(a2)の不飽和二重結合を含む重合性単量体(ax)中の配合割合は1〜50重量%であることが好ましく、2〜30重量%であることがより好ましい。1重量%未満であると得られる樹脂組成物とアミノ樹脂(B)との架橋が低く、耐溶剤性、耐温水性が劣る原因となる傾向があり、逆に50重量%を超えた場合は、重合時の不安定さを誘起したり、架橋後塗膜の柔軟性が低化し、耐屈曲性や耐衝撃性が低下する傾向がある。
【0011】
カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(a3)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。カルボキシル基は酸無水物基として存在してもよく、無水マレイン酸等も使用可能である。前記成分は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。
【0012】
カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(a3)の不飽和二重結合を含む重合性単量体(ax)中の配合割合は0.1〜40重量%であることが好ましく、0.3〜20重量%であることがより好ましい。0.1重量%未満の場合は、本発明で用いられるアミノ樹脂(B)の硬化触媒として有用な効果が得られず、耐溶剤性、耐湿性が劣る原因となる傾向があり、逆に40重量%を超えた場合、重合時の不安定さを誘起したり、得られた被覆物の耐水性を低化させる傾向がある。
【0013】
有機溶剤に可溶な共重合体(a)の重量平均分子量は5,000〜200,000であることが好ましく、10,000〜150,000であることがより好ましい。重量平均分子量が5,000未満では重合時の分散安定性、得られる塗膜の可とう性、耐温水性が不十分となる傾向があり、200,000を超えると塗料の希釈に必要な有機溶剤量が多くなるため塗料の固形分が低下し、得られる塗膜の仕上がり外観等が劣る傾向がある。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法による標準ポリスチレン換算値である。
【0014】
有機溶剤に可溶な共重合体(a)のガラス転移温度は−40℃〜100℃の範囲内であることが好ましく、−10℃〜70℃の範囲内であることがより好ましい。−40℃未満では、後述で得られる塗膜が柔らかすぎて、硬度、耐溶剤性、耐温水性が劣る傾向がある。また、100℃を超えた場合には、得られた塗膜の柔軟性が低下し、可とう性や耐衝撃性が低下するので好ましくない。
【0015】
本発明において、重合性単量体(ax)を共重合させる方法としては、通常のラジカル重合方法を利用することができ、特にその方法が制限されるものではない。
【0016】
前記ラジカル重合方法においては、有機溶媒の存在下で溶液重合をすることができ、この場合に使用できる有機溶剤としては、トルエン、キシレン、又は「ソルベッソ100もしくは150」(芳香族炭化水素混合物、エクソン社製の商品名)等の芳香族炭化水素類;へプタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族系炭化水素類;ミネラルスピリット、ホワイトスピリット、ミネラルターペン等の芳香族ッ脂肪族炭化水素類混合溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどの酢酸エステル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;イソプロパノール、ノルマルブタノール、イソブタノールなどの脂肪族アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルキレングリコールモノアルキルエーテル類;などが挙げることができ、これらの有機溶剤は単独又は混合溶剤として使用される。
【0017】
また、前記ラジカル重合法において、重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物、アゾビス系化合物等を使用することができる。有機過酸化物としては、例えば、イソブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジシクロベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1、1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、ジイソブチルパーオキシジカーボネート、2−ジエチルヘキシルパーオキシジカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等が挙げられ、アゾ系化合物としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾジイソブチレート、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、(1−フェニルエチル)アゾジフェニルメタン、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート、1,1′−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニル)、2,2′−アゾビス(2,2,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルプロパン)等が挙げられる。
【0018】
これらの重合開始剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。重合に際して、前記各重合性単量体(a1)、(a2)及び(a3)は、予め混合物とした上で反応系に添加してもよいし、別々に反応系に添加してもよく、また、この混合物を分割して反応系に添加してもよい。
【0019】
重合開始剤の使用量は、有機溶媒に可溶な共重合体(a)成分の目的とする分子量により決められるものであるが、通常、(a)成分の重合に使用される不飽和二重結合を有する重合性単量体(ax)の総量に対し、0.1〜10重量%とすることが好ましい。
【0020】
また、必要に応じて、連鎖移動剤を用いて分子量調整をしてもよい。連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0021】
本発明における非水分散型重合体(A)は、有機溶媒に可溶な共重合体(a)を分散安定剤として用い、該分散安定剤の存在下に、有機溶媒中で、不飽和二重結合を有する2種類以上の重合性単量体(bx)を共重合させてなる有機溶媒に不溶な共重合体分散粒子(b)を含有するものである。
【0022】
本発明の有機溶媒に不溶な共重合体粒子(b)を得るために使用される不飽和二重結合を有する2種類以上の重合性単量体(bx)としては、次に示す不飽和二重結合を有する重合性単量体(b1)、ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(b2)、カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(b3)の重合性単量体、グリシジル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(b4)及び2個以上の不飽和二重結合を有する重合性単量体(b5)が挙げられる。
不飽和二重結合を有する重合性単量体(b1)としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のアクリル酸アルキルエステル;アクリル酸シクロヘキシル等のシクロアルキル基の炭素数が3〜20のアクリル酸シクロアルキルエステル;アクリル酸トリシクロデシル等のトリシクロアルキル基の炭素数が5〜20のアクリル酸トリシクロアルキルエステル;アクリル酸トリシクロデシロキシエチル、アクリル酸トリシクロデシロキシプロピル等のトリシクロアルキルオキシアルキル基の炭素数が6〜21のアクリル酸トリシクロアルキルオキシアルキルエステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸シクロヘキシル等のシクロアルキル基の炭素数が3〜20のメタクリル酸シクロアルキルエステル;メタクリル酸トリシクロデシル等のトリシクロアルキル基の炭素数が5〜20のメタクリル酸トリシクロアルキルエステル;メタクリル酸トリシクロデシロキシエチル、メタクリル酸トリシクロデシロキシプロピル等のトリシクロアルキルオキシアルキル基の炭素数が6〜21のメタクリル酸トリシクロアルキルオキシアルキルエステル;メタクリル酸アミノメチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル等のアルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸アミノアルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン等のスチレン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のビニル誘導体;マレイン酸ジメチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル等の不飽和二塩基酸のジアルキルエステル、ヒンダートアミノ基を有するアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル、ベンゾトリアゾール基を有するアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。前記成分は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。
【0023】
前記重合性単量体の中では、重合時の分散安定性、塗膜の仕上がり外観、作業性等の特性の点から、スチレン系単量体、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルから選ばれる少なくとも1種類以上の重合性単量体を使用することが好ましい。重合性単量体(b1)の使用量は不飽和二重結合を含む重合性単量体混合物中10〜98.9%重量%とすることが好ましく、50〜97.7重量%であることがより好ましい。
【0024】
また、ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(b2)としては、例えば、アクリル酸ヒドロキシアルキル、メタクリル酸ヒドロキシアルキル、それらのラクトン変性物等が挙げられる。アクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、例えばアルキル基の炭素数が1〜6のアクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。メタクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、例えばアルキル基の炭素数が1〜6のメタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。また、前記アクリル酸ヒドロキシアルキル及びメタクリル酸ヒドロキシアルキルのラクトン変性物の具体例としては、ラクトン変性アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ラクトン変性メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。
【0025】
ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(b2)の不飽和二重結合を含む重合性単量体(bx)中の配合割合は1〜50重量%であることが好ましく、2〜30重量%であることがより好ましい。1重量%未満であると得られる樹脂組成物とアミノ樹脂(B)との架橋が低く、耐溶剤性、耐温水性が劣る原因となることがあり、逆に50重量%を超えた場合は、重合時の不安定さを誘起したり、架橋後塗膜の柔軟性が低化し、耐屈曲性や耐衝撃性が低下する傾向がある。
【0026】
また、カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(b3)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。カルボキシル基は酸無水物基として存在してもよく、無水マレイン酸等も使用可能である。
【0027】
前記成分は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(b3)の不飽和二重結合を含む重合性単量体(bx)中の配合割合は0.1〜40重量%であることが好ましく、0.3〜20重量%であることがより好ましい。0.1重量%未満の場合は、本発明で用いられるアミノ樹脂(B)の硬化触媒として有用な効果が得られず、耐溶剤性、耐湿性が劣る原因となることがあり、逆に40重量%を超えた場合、重合時の不安定さを誘起したり、得られた被覆物の耐水性を低化させる傾向がある。
【0028】
また本発明における有機溶媒に不溶な分散粒子を高分子量化する手法としては、前記重合性単量体(b1)として挙げているアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等の、グリシジル基と不飽和二重結合とを有する重合性単量体(b4)と、カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(b3)とを併用し、粒子内での重合反応及び橋かけ反応により分散粒子を高分子量化することができる。
前記グリシジル基及び不飽和二重結合を持つ重合性単量体(b4)の不飽和二重結合を含む重合性単量体(bx)中の配合割合は、0.1〜10重量%であることが好ましく、0.5〜7重量%であることがより好ましい。0.1重量%未満では分散粒子のアセトン不溶分が5%以下と著しく少なくなり、十分なメタル配向性、メタル戻しムラが得られなくなる傾向があり、10%重量%を超えると樹脂合成中に樹脂が増粘又はゲル化を起こす傾向があり、また樹脂が高粘度となるため塗料の希釈調整時に大量の希釈溶媒を必要とし、得られる塗料の塗装固形分が著しく低下する傾向にある。
【0029】
また、分散粒子を高分子量化する手法としては、1分子中に2個以上の不飽和二重結合を有する重合性単量体(b5)を用いる方法もある。1分子中に2個以上の不飽和二重結合を有する重合性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2−ビス〔4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシ・エトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・エトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート等が挙げられる。
【0030】
前記2個以上の不飽和二重結合を有する重合性単量体(b5)成分は、単独又は2種類以上を組み合わせて使用される。これらの共重合体分散粒子への導入により、粒子内で分岐しての重合反応及び橋かけが起こり高分子量の粒子を得ることが出来る。また、分散粒子の高分子量化度合いは、アセトンにて樹脂溶解させ、遠心分離を行い、遠心分離後の樹脂中のアセトン不溶分の量で比較することができる。
2個以上の不飽和二重結合を有する重合性単量体(b5)を用いる場合、その不飽和二重結合を含む重合性単量体(bx)中の配合割合は、0.1〜15重量%であることが好ましく、0.5〜8重量%であることがより好ましい。0.1重量%未満では共重合体分散粒子のアセトン不溶分が5重量%以下と著しく少なくなり、十分なメタル配向性、メタル戻しムラが得られなくなる傾向があり、10重量%を超えると樹脂合成中に樹脂が増粘又はゲル化を起こす傾向があり、また樹脂が高粘度となるため塗料の希釈調整時に大量の希釈溶媒を必要とし、得られる塗料の塗装固形分が著しく低下する傾向がある。
【0031】
共重合体分散粒子(b)は、ガラス転位温度が−40℃〜100℃の範囲とすることが好ましく、−10℃〜70℃がより好ましい。ガラス転位温度が−40℃未満では、後述配合で得られる塗膜が柔らかすぎて、耐溶剤性、耐温水性が劣る傾向がある。また、100℃を超えた場合には、得られた塗膜の柔軟性が低下し、耐屈曲性や耐衝撃性が低下するので好ましくない。
【0032】
本発明における共重合体(a)と共重合体分散粒子(b)の配合割合は、共重合体(a)と共重合体分散粒子(b)の総量100重量部に対して、共重合体(a)の配合量が30〜70重量部、共重合体分散粒子(b)の配合量が30〜70重量部となることが好ましく、共重合体(a)の配合量が40〜60重量部、共重合体分散粒子(b)の配合量が40〜60重量部となることがより好ましい。共重合体分散粒子(b)の配合量が30重量部未満では、メタル配向性、メタル戻りムラ性が劣る傾向があり、70重量部を超えると共重合体分散粒子(b)の分散安定性が劣る傾向があり、合成中或いは貯蔵中に粒子が凝集、沈降する傾向がある。また、分散性を向上させる目的で、共重合体(a)と共重合体分散粒子(b)をグラフト化してもよい。
【0033】
共重合体分散粒子(b)の平均粒子径(例えば、コールター社製N4型サブミクロン粒子分析装置により、温度20℃、INTENSITYモードで測定して得られる値、以下同じ)は、約70〜2000nmであることが好ましく、150〜1000nmであることがより好ましい。小さすぎると樹脂溶液の粘度が高くなる傾向があり、大きすぎると、貯蔵中に粒子が膨潤又は凝集し安定性が劣る傾向がなる。この平均粒子径は、有機溶媒、共重合体(a)の分子量、共重合体(a)と共重合体分散粒子(b)の配合比率及び溶解性パラメータ(SP値)を選択することにより調整される。
また、本発明において、共重合体分散粒子(b)を共重合させる方法としては、通常のラジカル重合方法を利用することができ、特にその方法が制限されるものではない。
【0034】
前記ラジカル重合法において、重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物、アゾビス系化合物等を使用することができる。有機過酸化物としては、例えば、イソブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジシクロベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1、1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、ジイソブチルパーオキシジカーボネート、2−ジエチルヘキシルパーオキシジカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等が挙げられ、アゾ系化合物としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾジイソブチレート、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、(1−フェニルエチル)アゾジフェニルメタン、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート、1,1′−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニル)、2,2′−アゾビス(2,2,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルプロパン)等が挙げられる。
これらの重合開始剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0035】
重合に際して、前記各重合性単量体は、予め混合物とした上で反応系に添加してもよいし、別に反応系に添加してもよく、また、この混合物を分割して反応系に添加してもよい。
【0036】
重合開始剤の使用量は、共重合体分散粒子(b)の目的とする重合率により決められるものであるが、通常、共重合体分散粒子(b)の共重合に使用される不飽和二重結合を有する重合性単量体(bx)の総量に対し、0.1〜10重量%とすることが好ましい。
また、必要に応じて、連鎖移動剤を用いて粒子径調整をしてもよい。連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0037】
得られた非水分散型重合体(A)のアセトン不溶成分量は10〜60重量%であることが好ましい。10重量%未満であると、十分なメタル配向性、メタル戻しムラ性が得られなくなり、60重量%を超えると塗料の希釈調整時に大量の希釈溶媒を必要とし、得られる塗料の塗装固形分が著しく低下する傾向がある。アセトン不溶成分量は後述する方法により測定される。
また、(A)成分の水酸基価は10〜200mgKOH/gであることが好ましく、酸価は0.1〜50mgKOH/gであることが好ましい。
【0038】
本発明に用いられる架橋剤として用いられるアミノ樹脂(B)は、樹脂形態は溶剤型、水溶性型いずれでも良い。この際、用いられるアミノ樹脂(B)としては、例えば、メチルエーテル化メラミン樹脂、ブチルエーテル化メラミン樹脂、イソブチルエーテル化メラミン樹脂、ブチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂などのアミノ樹脂などを挙げることができ、これらの1種又は2種以上の混合物を使用できる。本発明におけるアミノ樹脂(B)としては、市販品としてメラン28D、メラン265、メラン269、メラン2650LS、メラン2000(日立化成工業(株)製)が挙げられる。
【0039】
架橋剤としてのアミノ樹脂(B)の配合量としては、硬化型塗料用組成物に対し、10〜69重量%の範囲で使用することが好ましい。10重量%未満では、共重合体(A)との架橋が不十分となり、耐溶剤性、耐温水性が劣る原因となる傾向がある。逆に69重量%を超えた場合は、架橋後塗膜の柔軟性が低下し、耐屈曲性や耐衝撃性が低下する傾向がある。
【0040】
本発明における顔料分散用樹脂(C)としては、不飽和二重結合を有する重合性単量体(cx)を重合することにより得られるものであって、(A)成分及び(B)成分との相溶性に優れる樹脂であることが好ましい。
不飽和二重結合を有する重合性単量体(cx)としては、次に示す不飽和二重結合を有する重合性単量体(c1)、ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(c2)、カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(c3)の重合性単量体が挙げられる。
【0041】
不飽和二重結合を有する重合性単量体(c1)としては例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のアクリル酸アルキルエステル;アクリル酸シクロヘキシル等のシクロアルキル基の炭素数が3〜20のアクリル酸シクロアルキルエステル;アクリル酸トリシクロデシル等のトリシクロアルキル基の炭素数が5〜20のアクリル酸トリシクロアルキルエステル;アクリル酸トリシクロデシロキシエチル、アクリル酸トリシクロデシロキシプロピル等のトリシクロアルキルオキシアルキル基の炭素数が6〜21のアクリル酸トリシクロアルキルオキシアルキルエステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸シクロヘキシル等のシクロアルキル基の炭素数が3〜20のメタクリル酸シクロアルキルエステル;メタクリル酸トリシクロデシル等のトリシクロアルキル基の炭素数が5〜20のメタクリル酸トリシクロアルキルエステル;メタクリル酸トリシクロデシロキシエチル、メタクリル酸トリシクロデシロキシプロピル等のトリシクロアルキルオキシアルキル基の炭素数が6〜21のメタクリル酸トリシクロアルキルオキシアルキルエステル;メタクリル酸アミノメチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル等のアルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸アミノアルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン等のスチレン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のビニル誘導体;マレイン酸ジメチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル等の不飽和二塩基酸のジアルキルエステル、ヒンダートアミノ基を有するアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル、ベンゾトリアゾール基を有するアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。前記成分は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。 これらの重合性単量体(c1)の使用量は不飽和二重結合を含む重合性単量体(cx)中10〜98.9重量%とすることが好ましく、50〜97.7重量%であることがより好ましい。
【0042】
また本発明における(C)成分に使用されるヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(c2)としては、例えば、アクリル酸ヒドロキシアルキル、メタクリル酸ヒドロキシアルキル、それらのラクトン変性物等が挙げられる。アクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、例えばアルキル基の炭素数が1〜6のアクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。メタクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、例えばアルキル基の炭素数が1〜6のメタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。また、前記アクリル酸ヒドロキシアルキル及びメタクリル酸ヒドロキシアルキルのラクトン変性物の具体例としては、ラクトン変性アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ラクトン変性メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。
【0043】
ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(c2)の不飽和二重結合を含む重合性単量体(cx)中の配合割合は1〜50重量%であることが好ましく、2〜30重量%であることがより好ましい。1重量%未満であると得られる顔料分散用樹脂(C)とアミノ樹脂(B)との架橋が低く、耐溶剤性、耐温水性が劣る原因となる傾向があり、逆に50重量%を超えた場合は、重合時の不安定さを誘起したり、架橋後塗膜の柔軟性が低化し、耐屈曲性や耐衝撃性が低下する傾向がある。
【0044】
また、カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(c3)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。カルボキシル基は酸無水物基として存在してもよく、無水マレイン酸等も使用可能である。前記成分は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。
【0045】
カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(c3)の不飽和二重結合を含む重合性単量体(cx)中の配合割合は0.1〜40重量%であることが好ましく、0.3〜20重量%であることがより好ましい。0.1重量%未満の場合は、本発明で用いられるアミノ樹脂(B)の硬化触媒として有用な効果が得られず、耐溶剤性、耐温水性が劣る原因となる傾向があり、逆に40重量%を超えた場合、重合時の不安定さを誘起したり、得られた被覆物の耐水性を低化させる傾向がある。
【0046】
また本発明における(C)成分に顔料分散性を向上させる目的で不飽和二重結合を含む重合性単量体(cx)に対して0.5〜30重量%の不飽和アルキド樹脂の存在下に重合を行なうことが好ましい。不飽和アルキド樹脂の配合量は、0.5重量%未満では顔料分散性向上の効果が低く、30重量%を超えると重合中にゲル化物を生じやすくなり、塗膜の性能、特に耐アルカリ性が劣る傾向にある。ここで使用する不飽和アルキド樹脂は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタリンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸等、あるいは、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、ハイミック酸、1,6−シクロへキサンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの3価以上のカルボン酸又はこれらの低級アルキルエステル、酸無水物などの多塩基酸又はその反応性誘導体、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチルペンタンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールあるいは水添ビスフェノールA及びビスフェノールAのエチレンオキサイド、又はプロピレンオキサイド付加物、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール、ヤシ油、ヒマシ油、サフラワー油、脱水ヒマシ油等の天然不乾性油、バーサチック酸(シェルケミカル社商品名)等の合成脂肪酸、カージュラE(シェルケミカル社商品名)等の脂肪酸のグリシジルエステル等を用いて常法により製造される。重合時に不飽和アルキド樹脂を存在させた場合、アルキド樹脂に含まれる反応性不飽和基が重合性単量体(cx)成分と共重合反応し、グラフト共重合体となり、これが顔料分散性を向上させる働きをする。
【0047】
これらの不飽和アルキド樹脂は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。
【0048】
(C)成分の重量平均分子量は5,000〜200,000であることが好ましく、10,000〜150,000であることがより好ましい。重量平均分子量が5,000未満では重合時の分散安定性、得られる塗膜の耐候性が不十分となる傾向があり、200,000を超えると塗料の希釈に必要な有機溶剤量が多くなるため塗料の固形分が低下し、得られる塗膜の仕上がり外観等が劣る傾向がある。
(C)成分のガラス転移温度は−40℃〜100℃の範囲内であることが好ましく、−10℃〜70℃の範囲内であることがより好ましい。ガラス転位温度が−40℃未満では、後述配合で得られる塗膜が柔らかすぎて、耐溶剤性、耐温水性が劣る傾向がある。また、100℃を超えた場合には、得られた塗膜の柔軟性が低下し、耐屈曲性や耐衝撃性が低下するので好ましくない。
【0049】
(A)成分及び(C)成分中の合計固形分重量に対して、(A)成分の固形分の配合比率を40〜90重量%とするとメタリック塗料用の硬化型塗料用組成物として好適に使用される。
また、(A)成分及び(C)成分中の合計固形分重量に対して、(A)成分の固形分の配合比率を10〜60重量%とするとエナメル塗料用硬化型塗料用の硬化型塗料用組成物として好適に使用される。
【0050】
本発明のクリヤーコート用塗料組成物は、メタクリル酸t−ブチルを必須成分とする不飽和二重結合を有する2種類以上の重合性単量体(dx)の共重合体(D)及びアミノ樹脂(B)を含有する。
本発明における上記の共重合体(D)の重合に使用される不飽和二重結合を有する重合性単量体(dx)は、メタクリル酸t−ブチルを必須成分とする。メタクリル酸t−ブチルの使用量は不飽和二重結合を含む2種類以上の重合性単量体中(dx)の10〜50重量%とすることが好ましく、15〜45重量%とすることがより好ましい。メタクリル酸t−ブチルが10重量%未満では得られる樹脂の溶剤溶解性が低くハイソリッド化になりにくく、塗膜の仕上がり外観も不十分となる傾向にあり、50重量%を超えると得られる塗膜の乾燥性が低下する傾向にある。メタクリル酸t−ブチルを必須成分とする以外は特に制限されるものではないが、炭素−炭素二重結合を有するのが好ましく、ヒドロキシル基及びカルボキシル基のいずれをも有さず、メタクリル酸t−ブチルを必須成分とする不飽和二重結合を有する重合性単量体(d1)、ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(d2)、カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(d3)等が用いられる。
【0051】
ヒドロキシル基及びカルボキシル基のいずれをも有さず、不飽和二重結合を有する重合性単量体(d1)としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のアクリル酸エルキルエステル;アクリル酸シクロヘキシル等のシクロアルキル基の炭素数が3〜20のアクリル酸シクロアルキルエステル;アクリル酸トリシクロデシル等のトリシクロアルキル基の炭素数が5〜20のアクリル酸トリシクロアルキルエステル;アクリル酸トリシクロデシロキシエチル、アクリル酸トリシクロデシロキシプロピル等のトリシクロアルキルオキシアルキル基の炭素数が6〜21のアクリル酸トリシクロアルキルオキシアルキルエステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル(必須成分)、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸シクロヘキシル等のシクロアルキル基の炭素数が3〜20のメタクリル酸シクロアルキルエステル;メタクリル酸トリシクロデシル等のトリシクロアルキル基の炭素数が5〜20のメタクリル酸トリシクロアルキルエステル;メタクリル酸トリシクロデシロキシエチル、メタクリル酸トリシクロデシロキシプロピル等のトリシクロアルキルオキシアルキル基の炭素数が6〜21のメタクリル酸トリシクロアルキルオキシアルキルエステル;メタクリル酸アミノメチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル等のアルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸アミノアルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン等のスチレン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のビニル誘導体;マレイン酸ジメチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル等の不飽和二塩基酸のジアルキルエステル、ヒンダードアミノ基を有するアクリル酸エステル若しくはメタクル酸エステル、ベンゾトリアゾール基を有するアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0052】
前記重合性単量体(d1)の中では、塗膜の仕上がり外観、作業性等の特性の点から、メタクリル酸t−ブチルの他に、アクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルから選ばれる少なくとも1種類の重合性単量体を使用することが好ましい。これらの重合性単量体(d1)の使用量は不飽和二重結合を含む重合性単量体(dx)中70〜100重量%とすることが好ましく、75〜95重量%とすることがより好ましい。
【0053】
また本発明における共重合体(D)の製造に使用されるヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(d2)としては、例えば、アクリル酸ヒドロキシアルキル、メタクリル酸ヒドロキシアルキル、これらのラクトン変性物等が挙げられる。アクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、例えばアルキル基の炭素数が1〜6のアクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。メタクリル酸ヒドロキシルアルキルとしては、例えばアルキル基の炭素数が1〜6のメタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。また、前記アクリル酸ヒドロキシアルキル及びメタクリル酸ヒドロキシアルキルのラクトン変性物の具体例としては、ラクトン変性アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ラクトン変性メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(d2)の不飽和二重結合を有する重合性単量体(dx)中の配合割合は1〜40重量%であることが好ましく、3〜30重量%であることがより好ましい。これらのヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(d2)は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0054】
また本発明における共重合体(D)の製造に使用されるカルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(d3)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。カルボキシル基は酸無水物基として存在してもよく、無水マレイン酸等も使用可能である。前記成分は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(d3)の不飽和二重結合を含む重合性単量体(dx)中の配合割合は0.1〜20重量%であることが好ましく、0.5〜10重量%であることがより好ましい。これらのカルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(d3)は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0055】
共重合体(D)の水酸基価は10〜250mgKOH/gであることが好ましい。水酸基価が10mgKOH/g未満では得られる共重合体(D)とアミノ樹脂(B)との架橋が低く、耐溶剤性、耐候性が劣る原因となり、250mgKOH/gを超えた場合は、重合時の不安定さを誘起したり、架橋後塗膜の柔軟性が低下し、耐屈曲性や耐衝撃性が低下する傾向がある。共重合体(D)の酸価は1mgKOH/g〜100mgKOH/gであることが好ましい。1mgKOH/g未満では、本発明で用いられるアミノ樹脂(B)の内部触媒として有用な効果が得られず、耐溶剤性、耐候性が劣る原因となり、逆に100mgKOH/gを超えた場合、重合時の不安定さを誘起したり、得られた被覆物の耐水性を低下させる傾向がある。共重合体(D)のガラス転移温度は0〜60℃であることが好ましい。0℃未満では得られる塗膜の硬度が低下する傾向にあり、60℃を超えると得られる塗膜の可とう性、耐衝撃性が低下する傾向にある。
【0056】
また、本発明において、共重合体(D)の製造法としては、通常のラジカル重合方法を利用することができ、特にその方法が制限されるものではない。好ましくは重合開始剤の存在下で行われる。好ましい反応温度は50〜200℃であり、特に好ましい反応温度は70〜150℃である。反応時間は3時間〜12時間とすることが好ましい。
【0057】
前記ラジカル重合法において、重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物、アゾビス系化合物等を使用することができる。有機過酸化物としては、例えば、イソブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジシクロベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、ジイソブチルパーオキシジカーボネート、2−ジエチルヘキシルパーオキシジカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等が挙げられ、アゾビス系化合物としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾジイソブチレート、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、(1−フェニルエチル)アゾジフェニルメタン、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート、1,1′−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニル)、2,2′−アゾビス(2,2,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルプロパン)等が挙げられる。
【0058】
これらの重合開始剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。重合に際して、前記各重合性単量体は、予め混合物とした上で反応系に添加してもよいし、別に反応系に添加してもよく、また、この混合物を分割して反応系に添加してもよい。
重合開始剤の使用量は、共重合体(D)の目的とする分子量により決められるものであるが、通常、共重合体(D)の製造に使用される不飽和二重結合を有する重合性単量体の総量に対し、0.05〜5重量%とすることが好ましい。また、必要に応じて、連鎖移動剤を用いて粒子径の調整をしてもよい。連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0059】
本発明における硬化型塗料用組成物は、メタリック粉末及び/又は着色顔料を配合して塗料とすることができる。メタリック粉末としては、例えば、アルミニウム粉末、銅粉末、雲母粉末等が挙げられ、着色顔料としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック等の無機顔料や、フタロシアニンブルー、トルイジンレッド、ベンジジンイエローなどの有機顔料が挙げられる。また、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料を加えることもできる。また前記顔料を加えずに、クリヤー塗料とすることも可能である。これらの顔料は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0060】
また、本発明の硬化型塗料用組成物及びクリヤーコート用塗料組成物には、必要に応じて反応を促進させるための硬化触媒、有機溶剤及び/又は水などの溶媒、可塑剤、塗膜強化用樹脂、分散剤、顔料沈降防止剤、塗面調整剤、レオロジーコントロール剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤等を塗料化の際又は塗料化後に添加することも可能である。
【0061】
本発明の硬化型塗料用組成物及びクリヤーコート用塗料組成物の塗料化方法としては、例えば、ロール、サンドミル、ディスパーザー等の公知の方法を使用することができる。また、非水分散系の樹脂で塗料化する際に、高せん断力がかかり、樹脂が凝集化を起こすことがあるので本発明により得られる顔料分散用樹脂(C)を用い、塗料を作製することもできる。更に、塗料としての性能向上のため、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じてアクリル系重合体、ポリエステル系重合体、ウレタン重合体、架橋重合粒子等の重合体、セルロース等を含有するものであってもよい。セルロースとしては、例えば、セルロースブチレートアセテート(CAB)、ニトロセルロース(NC)等が挙げられる。セルロース等を含有させる方法としては、例えば、通常の顔料分散方法を利用することができる。
【0062】
本発明の硬化型塗料用組成物及びクリヤーコート用塗料組成物を用いた塗料は、通常の塗装方法に従い、各種基材や物品の表面等の塗装に供することができる。塗装に際しては、例えば、エアスプレー機、エアレススプレー機、静電塗装機、浸漬、ロール塗装機、ハケ等を用いることができる。機材としては、例えば、金属、プラスチック等が挙げられる。塗装によって形成された塗膜を、焼付け乾燥することにより、硬化塗膜を形成することができる。
本発明の多層塗膜は、本発明の硬化型塗料用組成物から得られるベースコート層及び本発明のクリヤーコート用塗料組成物から得られるクリヤーコート層からなるものであり、硬化型塗料用組成物を用いた塗料を塗布した後、クリヤーコート用塗料組成物を用いたクリヤー塗料をその上に塗布し、焼付け乾燥することにより、硬化した多層塗膜を形成することができる。
【0063】
本発明は、仕上がり外観の優れた硬化型塗料用組成物に関するものであり、詳細には、メタル配向性、メタル戻しムラ性に優れたメタリックベース用塗料でありながら、エナメル用塗料としても使用でき、仕上がり外観、可とう性、リコート性、光沢、肉持ち感、耐食性、付着性、糸さび性、耐温水性に優れた塗膜形成能の優れた作業性を有するものであり、大型構造物用、自動車用、木工用などの広い分野に使用できる。
【0064】
【実施例】
次に本発明を実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、「部」は重量部、「%」は重量%を表す。
製造例1(分散安定剤の合成)
攪拌装置、還流冷却器、窒素導入管及び温度計のついたフラスコにソルベッソ100 20部、酢酸ブチル20部を仕込み、窒素気流下で125℃に昇温し、スチレン35部、エチルアクリレート10部、2−エチルヘキシルアクリレート31部、2−ヒドロキシエチルアクリレート21部、メタクリル酸0.5部、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル1.1部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.5部から成る混合液を2時間かけて滴下し、その後同温度で1時間保温した。続いて、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.2部、酢酸ブチル5部の混合液を1時間かけて滴下し、更に同温度で2時間保持した。その後冷却し、加熱残分が約65%になるように酢酸ブチルで調整し、分散安定剤ワニスを得た。
【0065】
製造例2〜4(NADアクリル樹脂の合成)
攪拌装置、還流冷却器、窒素導入管及び温度計のついたフラスコに製造例1で得られた分散安定剤ワニスと、ミネラルターペンを表1に示す量仕込み、窒素気流下で110℃に昇温し、表1に示す混合液(St、MMA、EA、2−EA、2−HEA、AN、GMA、TMP−A、MAA、AIBN、PB−O)を2時間かけて滴下し、その後、同温度で1時間保温した。続いて、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.3部、酢酸ブチル5部の混合液を30分かけて滴下し、更に125℃に昇温し、同温度で2時間保持した。その後冷却し、加熱残分が約60%になるように酢酸ブチルで調整し、NADアクリル樹脂ワニス(A−1)〜(A−3)を得た。
【0066】
【表1】
St:スチレン MMA:メチルメタクリレート EA:エチルアクリレート2−HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート AN:アクリロニトリルGMA:グリシジルメタクリレート TMP−A:トリメチロールプロパントリアクリレート MAA:メタクリル酸 AIBN:2,2′−アゾビスイソブチチロニトリル PB−O:t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
ガラス転移温度は、下記式を用い各成分の単独重合体のTg(文献値)による計算値である。
1/Tg=W1/TG1+W2/TG2+・・・・
W1、W2:各成分の質量分率
TG1、TG2:各成分の単独重合体のTg
*1 NADアクリル樹脂の酸価
*2 NADアクリル樹脂の水酸基価
*3 共重合体分散粒子(b)の粒子径
*4 共重合体分散粒子(b)の重量平均分子量
*5 NADアクリル樹脂ワニス中のアセトン不溶成分
【0067】
製造例5(不飽和アルキド樹脂の製造)
攪拌装置、還流冷却器、窒素導入管及び温度計のついたフラスコにカージュラE 9.1部、ヘキサンジオール24.8部、トリメチロールプロパン14.8部、イソフタル酸52.3部を仕込み210℃に昇温し、酸価が23〜25になるまで保温した。その後180℃まで冷却し、無水マレイン酸3.1部を添加し酸価が17〜18になるまで保温した。その後冷却し、加熱残分が約60%になるようにキシレンで調整し、不飽和アルキド樹脂ワニスを得た。
【0068】
製造例6、7(顔料分散用樹脂の合成)
攪拌装置、還流冷却器、窒素導入管及び温度計のついたフラスコにソルベッソ100 20部、酢酸ブチル30部、製造例5で得られた不飽和アルキド樹脂ワニス11.7部を仕込み、窒素気流下で125℃に昇温し、表2に示す混合液(St、BMA、EA、BA、2−HEA、2−HEMA、MAA、AIBN、PB−O)を2時間かけて滴下し、その後同温度で1時間保温した。続いて、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.2部、酢酸ブチル5部の混合液を1時間かけて滴下し、更に同温度で2時間保持した。その後冷却し、加熱残分が約60%になるように酢酸ブチルで調整し、顔料分散用樹脂ワニス(C−1)〜(C−2)を得た。
【0069】
【表2】
St:スチレン BMA:ブチルメタクリレート EA:エチルアクリレート
BA:ブチルアクリレート 2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
2−HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート 2−HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート MAA:メタクリル酸 AIBN:2,2′−アゾビスイソブチロニトリル PB−O:t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
【0070】
塗料の作製
前記で得たワニスを使用して表3に示す配合でメタリック塗料を作製した。前記で得たワニス(固形分60重量%)、イソブチルエーテル化メラミン樹脂(商品名メラン2650LS、日立化成工業(株)製、固形分60重量%)、光輝性顔料であるアルミフレークペースト(旭化成(株)製、商品名MH6601、加熱残分65重量%品)を混合して分散させ、シンナー(トルエン/メトアセ/キシレン/MIBK/イソブタノール=40/20/15/15/10の容量比で混合した溶液)を用い、フォードカップ#4で14〜16秒/20℃になるように希釈してメタリック塗料用ベースコート塗料とした。表3中、各成分の量は重量部である。
【0071】
【表3】
*1 メラン2650LS(日立化成工業(株)製)
*2 MH6601(旭化成(株)、加熱残分65重量%)
【0072】
前記で得たワニスを使用して表4に示す配合でエナメル塗料用ベースコート塗料を作製した。前記で得たワニス(固形分60重量%)、イソブチルエーテル化メラミン樹脂(商品名メラン2650LS、日立化成工業(株)製、固形分60重量%)、顔料であるチタン白(石原産業(株)製、CR95)を混合して分散させ、シンナー(キシレン/ソルベッソ100/ブチルセロソルブ/ノルマルブタノール=40/40/10/10の容量比で混合した溶液)を用い、フォードカップ#4で18〜20秒/20℃になるように希釈して塗料とした。表4中、各成分の量は重量部である。
【0073】
【表4】
*1 メラン2650LS(日立化成工業(株)製)
【0074】
(クリヤーコート用塗料の作製)
攪拌装置、還流冷却器、窒素導入管及び温度計のついたフラスコにソルベッソ100 45重量部を仕込み、窒素気流下で140℃に昇温し、表5に示す混合液(St、TBMA、BMA、BA、2−HEMA、2−HEA、MAA、AIBN)を2時間かけて滴下し、同温度で1時間保温した。その後冷却し、加熱残分が約60%になるようにソルベッソ100で調整し、共重合体ワニスを得た。
【0075】
【表5】
上記で得られた共重合体ワニス100重量部とアミノ樹脂(日立化成工業(株)製、商品名メラン200)67重量部を混合して表6に示すクリヤーコート塗料を得た。シンナー(ソルベッソ100/キシレン/プロピレングリコールモノメチルアセテート/ブチルセロソルブ=35/35/20/10)を用い、フォードカップ#4で18〜20秒/20℃になるように希釈してクリヤーコート塗料とした。表6中、各成分の量は重量部である。
【0076】
【表6】
*1 メラン2000(日立化成工業(株)製)
【0077】
塗膜試料の作成
前記で得られたメタリック塗料用ベースコート塗料、エナメル塗料用ベースコート塗料及びクリヤーコート塗料を化成処理が施されている処理鋼板(ボンデライト#144処理鋼板、パルテック社製、0.8t)、アルミ板(A1050、パルテック社製、0.8t)にスプレー塗装した。メタリック塗料用ベースコート塗料は、乾燥膜厚が20〜30μmになるようにスプレー塗装した後、室温で2〜5分間放置してから、上記で得られたクリヤーコート塗料をクリヤーコート塗料の乾燥膜厚が20〜40μmの範囲になるようにウェットオンウェットで塗装し、その後、室温で5〜10分放置した後、150℃で20分間焼付乾燥し、得られた塗膜板の性能を評価した。つまり、メタリック塗料用ベースコート塗料及びクリヤーコート塗料を用いて2コート1ベーク(2C1B)方式で多層塗膜を作成した。エナメル塗料用ベースコート塗料は、乾燥膜厚が30〜40μmになるようにスプレー塗装し、その後10分間放置した。その後、150℃で20分間焼付け乾燥し、得られた塗膜板の性能を評価した。
【0078】
塗膜評価方法
得られた塗膜板について、下記方法に従い、仕上がり外観、耐温水性、耐食性、付着性、鉛筆硬度、耐衝撃性を調べ、評価結果を表7、表8に示した。
【0079】
<仕上がり外観>
得られた塗膜試験片を目視により下記基準で評価した。
アルミニウム顔料の配向にムラが全く認められない :○ 良好
アルミニウム顔料の配向に少しムラが認められる :△ やや不良
アルミニウム顔料の配向にムラが顕著に認められる :× 不良
<耐温水性>
化成処理した鋼板を基板とする試験片を用い、純水中に試験片を浸漬し、40℃で10日間放置した。その後塗膜を観察し以下のように評価した。
塗膜に変色及びブリスタが生じない :○
塗膜の部分的に変色及びブリスタが見られる :△
塗膜全体に変色及びブリスタが見られる :×
【0080】
<耐食性>
化成処理した鋼板を基板とする試験片を用い、JIS K 5400のソルトスプレイ試験に従い、評価試験板にカット部を形成し、240時間塩水を噴霧した。評価終了後、試験片を常温に2h放置後、塗膜上の水分を取り、テープにてカット部を剥離した。その時のカット部における錆の剥離幅(mm)を測定した。
<糸さび性>
前記耐食性試験で使用した試験片を用い、49℃、湿度98%の条件下に10日間放置した後、糸さび性の長さを測定した。
糸さび性の発生なし :○
糸さびの最長長さ3mm未満 :△
糸さびの最長長さ3mm以上 :×
<付着性>
アルミニウム板A1050を基板とする試験片を用い、JIS−K5400碁盤目剥離試験方法に従った。塗膜板上にナイフで1mm間隔で縦横各10本の線を引いて100個の碁盤目を作製し、その上にセロファンテープを接着させ、テープを剥がし、塗膜上に残存する碁盤目の数を測定し下記基準で評価した。
100/100 : ○ 密着性が良好
51〜99/100 : △ 密着性がやや劣る
50/100以下 : × 密着性が著しく劣る
<鉛筆硬度>
JIS K−5400の鉛筆引っかき試験方法に従い、塗膜のキズが認められない鉛筆の硬度記号で結果を示した。
<リコート性>
メタリック塗料用ベースコート塗料単独及びエナメル塗料用ベースコート塗料をスプレー塗装し、180℃で20分間焼付け乾燥し、各リコート性評価用塗装板を作製する。得られた塗装板を常温まで冷却した後、更に同じ塗料をスプレー塗装し、150℃で20分間焼付け乾燥を行なう。その後、前記付着性評価方法に従って、ゴバン目剥離試験を行なった。
100/100 : ○ 密着性が良好
51〜99/100 : △ 密着性がやや劣る
50/100以下 : × 密着性が著しく劣る
<耐衝撃性>
化成処理した鋼板を基板とする試験片を用い、20℃において撃芯:1/2インチ、重り1kgの条件にてデュポン衝撃試験を行った。異なる高さから重りを落とし、塗膜の割れが生じない所を合格とし、割れが生じた高さを不合格とした。
○:50cmから重りを落として、塗膜の割れが生じない。
△:30cmから重りを落として、塗膜の割れが生じない。
×:30cmから重りを落として、塗膜の割れが生じる。
<アセトン不溶成分量>
得られた非水分散型樹脂を2g採取し、アセトン20gで希釈した後、遠心分離器を使用し15,000rpmで1時間遠心分離をおこない、沈降分離したアセトン不溶成分を採取し、非水分散型重合体の固形分に対するアセトン不溶成分の重量%としてアセトン不溶成分量を求めた。
【0081】
【表7】
【0082】
【表8】
【0083】
【発明の効果】
本発明の硬化型塗料用組成物は、熱硬化型塗料用として好適であり、本発明で得られた非水分散型重合体(A)にアミノ樹脂(B)、顔料分散用樹脂(C)を組み合わせた塗料は、メタリック塗料且つエナメル塗料にも使用できる。更に、本発明で得られた共重合体(D)にアミノ樹脂(B)を組合わせた塗料は、クリヤーコート塗料として使用でき、ベースコート且つクリヤーコート共に有機溶剤が削減されたハイソリッド用塗料であり、これらから得られる多層塗膜は、仕上がり外観、可とう性、リコート性、光沢、肉持ち感、耐食性、糸さび性、耐温水性に優れたものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は仕上がり外観の優れた硬化型塗料用組成物に関するものであり、詳細にはメタル配向性、耐メタル戻しムラ性に優れたメタリックベースコート用塗料でありながら、エナメル用塗料としても使用でき、可とう性、リコート性、光沢、肉持ち感、耐食性、耐糸さび性、耐湿性、耐温水性に優れる硬化型塗料用組成物に関する。また、本発明は、有機溶剤量を少なくすることができ、耐候性、耐水性、リコート性に優れるクリヤーコート用塗料組成物に関する。また、本発明は、さらに、上記の硬化型塗料用組成物から形成されたベースコート層と、上記のクリヤーコート用塗料組成物から形成されたクリヤーコート層からなる多層塗膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、塗料業界にあっては省資源、省エネルギー、低公害という観点から、特に有機溶剤の削減(VOC)及び塗装環境の危険性低減への技術開発が行なわれており、塗料中の有機溶剤量を減らしたハイソリッド型塗料の検討が行なわれている。そのための手法の一つとして非水分散液(NAD)を使用する方法がある。NADは、非極性溶媒(疎水性溶媒)に溶解している安定剤樹脂の溶液と、この溶液に不溶であるが安定剤樹脂の溶液中に安定に分散している分散樹脂の微粒子よりなる。分散樹脂の微粒子の存在により、NADは構造粘性を示し、ずれ応力が増大すると見かけの粘性率が減少する。このためスプレー塗装が可能な一方、被塗物からのたれを生じない最高固形分含量を高くすることができる。これらの技術は、有機溶剤量が多い塗料系に用いることで大きな効果が得られると考えられる。例えば、近年増えている光輝性顔料を含有するメタリック塗料が挙げられる。メタリック塗料から形成されるメタリック塗膜は、メタリック塗膜とクリヤー塗膜とをウェットオンウェットで形成するが、このメタリックベース塗膜とクリヤー塗膜とが混じりあうと、メタリックベース塗膜中の光輝性顔料の配列(メタル配向性)が不均一になり、フリップフロップ性が低下したり、塗膜光沢の低下を引き起こす。一般には塗装時あるいは焼付け硬化時の粘性制御のため、メタリックベース塗料に粘性付与剤として、高分子量架橋重合微粒子を含有させることが知られているが、これだけでは十分ではない場合があった。また、クリヤーコート用塗料も同様であり、塗料中の有機溶剤量を減らしたハイソリッド型塗料の検討が行なわれている。ハイソリッド型塗料、つまり、低分子量共重合体を得るために、多量のラジカル重合開始剤を使用するが十分な低分子量体が得られず、更にメルカプタン系の連鎖移動剤を使用する方法を取るが、特にメルカプタン系の連鎖移動剤を使用すればビニル系重合体溶液の悪臭の原因となったり、また、最終的に得られる塗膜の耐候性や耐溶剤性等が低下し、実用的ではない。前記に示した非水分散液の開発も進められているが、塗膜の仕上がり外観が低下してしまい、実用的ではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の欠点を解消し、メタリックベース塗料として用いたときのメタル配向性、メタル戻しムラ性に優れ、且つエナメル塗料にも使用でき、仕上がり外観、可とう性、リコート性、光沢、肉持ち感、耐食性、耐糸さび性、耐湿性、耐温水性のいずれにも優れる硬化型塗料用組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、有機溶剤量を低減することのできるクリヤーコート用塗料組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、仕上がり外観、密着性、耐温水性、耐食性及びリコート性に優れる多層塗膜を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、不飽和二重結合を有する2種類以上の重合性単量体(ax)を共重合させてなる有機溶媒に可溶な共重合体(a)を分散安定剤として用い、該分散安定剤の存在下有機溶媒中で不飽和二重結合を有する2種類以上の重合性単量体(bx)を共重合させてなる有機溶媒に不溶な共重合体分散粒子(b)を含有する非水分散型重合体(A)、架橋剤としてのアミノ樹脂(B)、並びに(A)成分及び(B)成分との相溶性を有する顔料分散用樹脂(C)からなる硬化型塗料用組成物に関する。
また本発明は、非水分散型重合体(A)のアセトン不溶成分量が10〜60重量%である硬化型塗料用組成物に関する。
【0005】
また本発明は、(A)成分及び(C)成分中の合計固形分重量に対して、(A)成分の固形分の配合比率が40〜90重量%であるメタリック塗料用の硬化型塗料用組成物に関する。
また本発明は、(A)成分及び(C)成分中の合計固形分重量に対して、(A)成分の固形分の配合比率が10〜60重量%であるエナメル塗料用硬化型塗料用の硬化型塗料用組成物に関する。
また本発明は、硬化型塗料用組成物中のアミノ樹脂(B)の配合比率が10〜69重量%である硬化型塗料用組成物に関する。
【0006】
また本発明は、 共重合体(a)が、重量平均分子量が5,000〜200,000、ガラス転移温度が−40〜100℃であり、非水分散型重合体(A)中の共重合体(a)の配合割合が共重合体(a)及び共重合体分散粒子(b)の総量に対し、30〜70重量%である硬化型塗料用組成物に関する。
また本発明は、重合性単量体(bx)中に1分子中にグリシジル基及び不飽和二重結合を有する重合性単量体が0.1〜10重量%の割合で配合されている硬化型塗料用組成物に関する。
また本発明は、重合性単量体(bx)中に1分子中に2個以上の重合性二重結合を有する重合性単量体が0.1〜15重量%の割合で配合されている硬化型塗料用組成物に関する。
また本発明は、(A)成分の水酸基価が10〜200mgKOH/g、酸価が0.1〜50mgKOH/gである硬化型塗料用組成物に関する。
【0007】
また本発明は、メタクリル酸t−ブチルを必須成分とする不飽和二重結合を有する2種類以上の重合性単量体(dx)の共重合体(D)及びアミノ樹脂(B)を含有してなるクリヤーコート用塗料組成物に関する。
また本発明は、共重合体(D)のガラス転移温度が0〜60℃、水酸基価が10〜250mgKOH/g、酸価が1〜100mgKOH/gであるクリヤーコート用塗料組成物に関する。
また本発明は、硬化型塗料用組成物から得られるベースコート層及びクリヤーコート用塗料組成物から得られるクリヤーコート層からなる多層塗膜に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明における有機溶媒に可溶な共重合体(a)の共重合に使用される不飽和二重結合を有する重合性単量体(ax)としては、次に示す不飽和二重結合を有する重合性単量体(a1)、ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(a2)、カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(a3)の重合性単量体が挙げられる。
【0009】
不飽和二重結合を有する重合性単量体(a1)としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のアクリル酸アルキルエステル;アクリル酸シクロヘキシル等のシクロアルキル基の炭素数が3〜20のアクリル酸シクロアルキルエステル;アクリル酸トリシクロデシル等のトリシクロアルキル基の炭素数が5〜20のアクリル酸トリシクロアルキルエステル;アクリル酸トリシクロデシロキシエチル、アクリル酸トリシクロデシロキシプロピル等のトリシクロアルキルオキシアルキル基の炭素数が6〜21のアクリル酸トリシクロアルキルオキシアルキルエステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸シクロヘキシル等のシクロアルキル基の炭素数が3〜20のメタクリル酸シクロアルキルエステル;メタクリル酸トリシクロデシル等のトリシクロアルキル基の炭素数が5〜20のメタクリル酸トリシクロアルキルエステル;メタクリル酸トリシクロデシロキシエチル、メタクリル酸トリシクロデシロキシプロピル等のトリシクロアルキルオキシアルキル基の炭素数が6〜21のメタクリル酸トリシクロアルキルオキシアルキルエステル;メタクリル酸アミノメチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル等のアルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸アミノアルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン等のスチレン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のビニル誘導体;マレイン酸ジメチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル等の不飽和二塩基酸のジアルキルエステル、ヒンダートアミノ基を有するアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル、ベンゾトリアゾール基を有するアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。前記成分は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。
不飽和二重結合を有する重合性単量体(a1)の不飽和二重結合を含む重合性単量体(ax)中の配合割合は10〜98.9重量%とすることが好ましく、50〜97.7重量%であることがより好ましい。
【0010】
ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(a2)としては、例えば、アクリル酸ヒドロキシアルキル、メタクリル酸ヒドロキシアルキル、それらのラクトン変性物等が挙げられる。アクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、例えばアルキル基の炭素数が1〜6のアクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。メタクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、例えばアルキル基の炭素数が1〜6のメタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。また、前記アクリル酸ヒドロキシアルキル及びメタクリル酸ヒドロキシアルキルのラクトン変性物の具体例としては、ラクトン変性アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ラクトン変性メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。前記成分は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。
ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(a2)の不飽和二重結合を含む重合性単量体(ax)中の配合割合は1〜50重量%であることが好ましく、2〜30重量%であることがより好ましい。1重量%未満であると得られる樹脂組成物とアミノ樹脂(B)との架橋が低く、耐溶剤性、耐温水性が劣る原因となる傾向があり、逆に50重量%を超えた場合は、重合時の不安定さを誘起したり、架橋後塗膜の柔軟性が低化し、耐屈曲性や耐衝撃性が低下する傾向がある。
【0011】
カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(a3)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。カルボキシル基は酸無水物基として存在してもよく、無水マレイン酸等も使用可能である。前記成分は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。
【0012】
カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(a3)の不飽和二重結合を含む重合性単量体(ax)中の配合割合は0.1〜40重量%であることが好ましく、0.3〜20重量%であることがより好ましい。0.1重量%未満の場合は、本発明で用いられるアミノ樹脂(B)の硬化触媒として有用な効果が得られず、耐溶剤性、耐湿性が劣る原因となる傾向があり、逆に40重量%を超えた場合、重合時の不安定さを誘起したり、得られた被覆物の耐水性を低化させる傾向がある。
【0013】
有機溶剤に可溶な共重合体(a)の重量平均分子量は5,000〜200,000であることが好ましく、10,000〜150,000であることがより好ましい。重量平均分子量が5,000未満では重合時の分散安定性、得られる塗膜の可とう性、耐温水性が不十分となる傾向があり、200,000を超えると塗料の希釈に必要な有機溶剤量が多くなるため塗料の固形分が低下し、得られる塗膜の仕上がり外観等が劣る傾向がある。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法による標準ポリスチレン換算値である。
【0014】
有機溶剤に可溶な共重合体(a)のガラス転移温度は−40℃〜100℃の範囲内であることが好ましく、−10℃〜70℃の範囲内であることがより好ましい。−40℃未満では、後述で得られる塗膜が柔らかすぎて、硬度、耐溶剤性、耐温水性が劣る傾向がある。また、100℃を超えた場合には、得られた塗膜の柔軟性が低下し、可とう性や耐衝撃性が低下するので好ましくない。
【0015】
本発明において、重合性単量体(ax)を共重合させる方法としては、通常のラジカル重合方法を利用することができ、特にその方法が制限されるものではない。
【0016】
前記ラジカル重合方法においては、有機溶媒の存在下で溶液重合をすることができ、この場合に使用できる有機溶剤としては、トルエン、キシレン、又は「ソルベッソ100もしくは150」(芳香族炭化水素混合物、エクソン社製の商品名)等の芳香族炭化水素類;へプタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族系炭化水素類;ミネラルスピリット、ホワイトスピリット、ミネラルターペン等の芳香族ッ脂肪族炭化水素類混合溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルなどの酢酸エステル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;イソプロパノール、ノルマルブタノール、イソブタノールなどの脂肪族アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルキレングリコールモノアルキルエーテル類;などが挙げることができ、これらの有機溶剤は単独又は混合溶剤として使用される。
【0017】
また、前記ラジカル重合法において、重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物、アゾビス系化合物等を使用することができる。有機過酸化物としては、例えば、イソブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジシクロベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1、1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、ジイソブチルパーオキシジカーボネート、2−ジエチルヘキシルパーオキシジカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等が挙げられ、アゾ系化合物としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾジイソブチレート、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、(1−フェニルエチル)アゾジフェニルメタン、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート、1,1′−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニル)、2,2′−アゾビス(2,2,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルプロパン)等が挙げられる。
【0018】
これらの重合開始剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。重合に際して、前記各重合性単量体(a1)、(a2)及び(a3)は、予め混合物とした上で反応系に添加してもよいし、別々に反応系に添加してもよく、また、この混合物を分割して反応系に添加してもよい。
【0019】
重合開始剤の使用量は、有機溶媒に可溶な共重合体(a)成分の目的とする分子量により決められるものであるが、通常、(a)成分の重合に使用される不飽和二重結合を有する重合性単量体(ax)の総量に対し、0.1〜10重量%とすることが好ましい。
【0020】
また、必要に応じて、連鎖移動剤を用いて分子量調整をしてもよい。連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0021】
本発明における非水分散型重合体(A)は、有機溶媒に可溶な共重合体(a)を分散安定剤として用い、該分散安定剤の存在下に、有機溶媒中で、不飽和二重結合を有する2種類以上の重合性単量体(bx)を共重合させてなる有機溶媒に不溶な共重合体分散粒子(b)を含有するものである。
【0022】
本発明の有機溶媒に不溶な共重合体粒子(b)を得るために使用される不飽和二重結合を有する2種類以上の重合性単量体(bx)としては、次に示す不飽和二重結合を有する重合性単量体(b1)、ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(b2)、カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(b3)の重合性単量体、グリシジル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(b4)及び2個以上の不飽和二重結合を有する重合性単量体(b5)が挙げられる。
不飽和二重結合を有する重合性単量体(b1)としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のアクリル酸アルキルエステル;アクリル酸シクロヘキシル等のシクロアルキル基の炭素数が3〜20のアクリル酸シクロアルキルエステル;アクリル酸トリシクロデシル等のトリシクロアルキル基の炭素数が5〜20のアクリル酸トリシクロアルキルエステル;アクリル酸トリシクロデシロキシエチル、アクリル酸トリシクロデシロキシプロピル等のトリシクロアルキルオキシアルキル基の炭素数が6〜21のアクリル酸トリシクロアルキルオキシアルキルエステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸シクロヘキシル等のシクロアルキル基の炭素数が3〜20のメタクリル酸シクロアルキルエステル;メタクリル酸トリシクロデシル等のトリシクロアルキル基の炭素数が5〜20のメタクリル酸トリシクロアルキルエステル;メタクリル酸トリシクロデシロキシエチル、メタクリル酸トリシクロデシロキシプロピル等のトリシクロアルキルオキシアルキル基の炭素数が6〜21のメタクリル酸トリシクロアルキルオキシアルキルエステル;メタクリル酸アミノメチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル等のアルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸アミノアルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン等のスチレン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のビニル誘導体;マレイン酸ジメチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル等の不飽和二塩基酸のジアルキルエステル、ヒンダートアミノ基を有するアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル、ベンゾトリアゾール基を有するアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。前記成分は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。
【0023】
前記重合性単量体の中では、重合時の分散安定性、塗膜の仕上がり外観、作業性等の特性の点から、スチレン系単量体、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルから選ばれる少なくとも1種類以上の重合性単量体を使用することが好ましい。重合性単量体(b1)の使用量は不飽和二重結合を含む重合性単量体混合物中10〜98.9%重量%とすることが好ましく、50〜97.7重量%であることがより好ましい。
【0024】
また、ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(b2)としては、例えば、アクリル酸ヒドロキシアルキル、メタクリル酸ヒドロキシアルキル、それらのラクトン変性物等が挙げられる。アクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、例えばアルキル基の炭素数が1〜6のアクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。メタクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、例えばアルキル基の炭素数が1〜6のメタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。また、前記アクリル酸ヒドロキシアルキル及びメタクリル酸ヒドロキシアルキルのラクトン変性物の具体例としては、ラクトン変性アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ラクトン変性メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。
【0025】
ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(b2)の不飽和二重結合を含む重合性単量体(bx)中の配合割合は1〜50重量%であることが好ましく、2〜30重量%であることがより好ましい。1重量%未満であると得られる樹脂組成物とアミノ樹脂(B)との架橋が低く、耐溶剤性、耐温水性が劣る原因となることがあり、逆に50重量%を超えた場合は、重合時の不安定さを誘起したり、架橋後塗膜の柔軟性が低化し、耐屈曲性や耐衝撃性が低下する傾向がある。
【0026】
また、カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(b3)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。カルボキシル基は酸無水物基として存在してもよく、無水マレイン酸等も使用可能である。
【0027】
前記成分は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(b3)の不飽和二重結合を含む重合性単量体(bx)中の配合割合は0.1〜40重量%であることが好ましく、0.3〜20重量%であることがより好ましい。0.1重量%未満の場合は、本発明で用いられるアミノ樹脂(B)の硬化触媒として有用な効果が得られず、耐溶剤性、耐湿性が劣る原因となることがあり、逆に40重量%を超えた場合、重合時の不安定さを誘起したり、得られた被覆物の耐水性を低化させる傾向がある。
【0028】
また本発明における有機溶媒に不溶な分散粒子を高分子量化する手法としては、前記重合性単量体(b1)として挙げているアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等の、グリシジル基と不飽和二重結合とを有する重合性単量体(b4)と、カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(b3)とを併用し、粒子内での重合反応及び橋かけ反応により分散粒子を高分子量化することができる。
前記グリシジル基及び不飽和二重結合を持つ重合性単量体(b4)の不飽和二重結合を含む重合性単量体(bx)中の配合割合は、0.1〜10重量%であることが好ましく、0.5〜7重量%であることがより好ましい。0.1重量%未満では分散粒子のアセトン不溶分が5%以下と著しく少なくなり、十分なメタル配向性、メタル戻しムラが得られなくなる傾向があり、10%重量%を超えると樹脂合成中に樹脂が増粘又はゲル化を起こす傾向があり、また樹脂が高粘度となるため塗料の希釈調整時に大量の希釈溶媒を必要とし、得られる塗料の塗装固形分が著しく低下する傾向にある。
【0029】
また、分散粒子を高分子量化する手法としては、1分子中に2個以上の不飽和二重結合を有する重合性単量体(b5)を用いる方法もある。1分子中に2個以上の不飽和二重結合を有する重合性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2−ビス〔4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシ・エトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・エトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート等が挙げられる。
【0030】
前記2個以上の不飽和二重結合を有する重合性単量体(b5)成分は、単独又は2種類以上を組み合わせて使用される。これらの共重合体分散粒子への導入により、粒子内で分岐しての重合反応及び橋かけが起こり高分子量の粒子を得ることが出来る。また、分散粒子の高分子量化度合いは、アセトンにて樹脂溶解させ、遠心分離を行い、遠心分離後の樹脂中のアセトン不溶分の量で比較することができる。
2個以上の不飽和二重結合を有する重合性単量体(b5)を用いる場合、その不飽和二重結合を含む重合性単量体(bx)中の配合割合は、0.1〜15重量%であることが好ましく、0.5〜8重量%であることがより好ましい。0.1重量%未満では共重合体分散粒子のアセトン不溶分が5重量%以下と著しく少なくなり、十分なメタル配向性、メタル戻しムラが得られなくなる傾向があり、10重量%を超えると樹脂合成中に樹脂が増粘又はゲル化を起こす傾向があり、また樹脂が高粘度となるため塗料の希釈調整時に大量の希釈溶媒を必要とし、得られる塗料の塗装固形分が著しく低下する傾向がある。
【0031】
共重合体分散粒子(b)は、ガラス転位温度が−40℃〜100℃の範囲とすることが好ましく、−10℃〜70℃がより好ましい。ガラス転位温度が−40℃未満では、後述配合で得られる塗膜が柔らかすぎて、耐溶剤性、耐温水性が劣る傾向がある。また、100℃を超えた場合には、得られた塗膜の柔軟性が低下し、耐屈曲性や耐衝撃性が低下するので好ましくない。
【0032】
本発明における共重合体(a)と共重合体分散粒子(b)の配合割合は、共重合体(a)と共重合体分散粒子(b)の総量100重量部に対して、共重合体(a)の配合量が30〜70重量部、共重合体分散粒子(b)の配合量が30〜70重量部となることが好ましく、共重合体(a)の配合量が40〜60重量部、共重合体分散粒子(b)の配合量が40〜60重量部となることがより好ましい。共重合体分散粒子(b)の配合量が30重量部未満では、メタル配向性、メタル戻りムラ性が劣る傾向があり、70重量部を超えると共重合体分散粒子(b)の分散安定性が劣る傾向があり、合成中或いは貯蔵中に粒子が凝集、沈降する傾向がある。また、分散性を向上させる目的で、共重合体(a)と共重合体分散粒子(b)をグラフト化してもよい。
【0033】
共重合体分散粒子(b)の平均粒子径(例えば、コールター社製N4型サブミクロン粒子分析装置により、温度20℃、INTENSITYモードで測定して得られる値、以下同じ)は、約70〜2000nmであることが好ましく、150〜1000nmであることがより好ましい。小さすぎると樹脂溶液の粘度が高くなる傾向があり、大きすぎると、貯蔵中に粒子が膨潤又は凝集し安定性が劣る傾向がなる。この平均粒子径は、有機溶媒、共重合体(a)の分子量、共重合体(a)と共重合体分散粒子(b)の配合比率及び溶解性パラメータ(SP値)を選択することにより調整される。
また、本発明において、共重合体分散粒子(b)を共重合させる方法としては、通常のラジカル重合方法を利用することができ、特にその方法が制限されるものではない。
【0034】
前記ラジカル重合法において、重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物、アゾビス系化合物等を使用することができる。有機過酸化物としては、例えば、イソブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジシクロベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1、1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、ジイソブチルパーオキシジカーボネート、2−ジエチルヘキシルパーオキシジカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等が挙げられ、アゾ系化合物としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾジイソブチレート、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、(1−フェニルエチル)アゾジフェニルメタン、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート、1,1′−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニル)、2,2′−アゾビス(2,2,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルプロパン)等が挙げられる。
これらの重合開始剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0035】
重合に際して、前記各重合性単量体は、予め混合物とした上で反応系に添加してもよいし、別に反応系に添加してもよく、また、この混合物を分割して反応系に添加してもよい。
【0036】
重合開始剤の使用量は、共重合体分散粒子(b)の目的とする重合率により決められるものであるが、通常、共重合体分散粒子(b)の共重合に使用される不飽和二重結合を有する重合性単量体(bx)の総量に対し、0.1〜10重量%とすることが好ましい。
また、必要に応じて、連鎖移動剤を用いて粒子径調整をしてもよい。連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0037】
得られた非水分散型重合体(A)のアセトン不溶成分量は10〜60重量%であることが好ましい。10重量%未満であると、十分なメタル配向性、メタル戻しムラ性が得られなくなり、60重量%を超えると塗料の希釈調整時に大量の希釈溶媒を必要とし、得られる塗料の塗装固形分が著しく低下する傾向がある。アセトン不溶成分量は後述する方法により測定される。
また、(A)成分の水酸基価は10〜200mgKOH/gであることが好ましく、酸価は0.1〜50mgKOH/gであることが好ましい。
【0038】
本発明に用いられる架橋剤として用いられるアミノ樹脂(B)は、樹脂形態は溶剤型、水溶性型いずれでも良い。この際、用いられるアミノ樹脂(B)としては、例えば、メチルエーテル化メラミン樹脂、ブチルエーテル化メラミン樹脂、イソブチルエーテル化メラミン樹脂、ブチルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂などのアミノ樹脂などを挙げることができ、これらの1種又は2種以上の混合物を使用できる。本発明におけるアミノ樹脂(B)としては、市販品としてメラン28D、メラン265、メラン269、メラン2650LS、メラン2000(日立化成工業(株)製)が挙げられる。
【0039】
架橋剤としてのアミノ樹脂(B)の配合量としては、硬化型塗料用組成物に対し、10〜69重量%の範囲で使用することが好ましい。10重量%未満では、共重合体(A)との架橋が不十分となり、耐溶剤性、耐温水性が劣る原因となる傾向がある。逆に69重量%を超えた場合は、架橋後塗膜の柔軟性が低下し、耐屈曲性や耐衝撃性が低下する傾向がある。
【0040】
本発明における顔料分散用樹脂(C)としては、不飽和二重結合を有する重合性単量体(cx)を重合することにより得られるものであって、(A)成分及び(B)成分との相溶性に優れる樹脂であることが好ましい。
不飽和二重結合を有する重合性単量体(cx)としては、次に示す不飽和二重結合を有する重合性単量体(c1)、ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(c2)、カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(c3)の重合性単量体が挙げられる。
【0041】
不飽和二重結合を有する重合性単量体(c1)としては例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のアクリル酸アルキルエステル;アクリル酸シクロヘキシル等のシクロアルキル基の炭素数が3〜20のアクリル酸シクロアルキルエステル;アクリル酸トリシクロデシル等のトリシクロアルキル基の炭素数が5〜20のアクリル酸トリシクロアルキルエステル;アクリル酸トリシクロデシロキシエチル、アクリル酸トリシクロデシロキシプロピル等のトリシクロアルキルオキシアルキル基の炭素数が6〜21のアクリル酸トリシクロアルキルオキシアルキルエステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸シクロヘキシル等のシクロアルキル基の炭素数が3〜20のメタクリル酸シクロアルキルエステル;メタクリル酸トリシクロデシル等のトリシクロアルキル基の炭素数が5〜20のメタクリル酸トリシクロアルキルエステル;メタクリル酸トリシクロデシロキシエチル、メタクリル酸トリシクロデシロキシプロピル等のトリシクロアルキルオキシアルキル基の炭素数が6〜21のメタクリル酸トリシクロアルキルオキシアルキルエステル;メタクリル酸アミノメチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル等のアルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸アミノアルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン等のスチレン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のビニル誘導体;マレイン酸ジメチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル等の不飽和二塩基酸のジアルキルエステル、ヒンダートアミノ基を有するアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル、ベンゾトリアゾール基を有するアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。前記成分は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。 これらの重合性単量体(c1)の使用量は不飽和二重結合を含む重合性単量体(cx)中10〜98.9重量%とすることが好ましく、50〜97.7重量%であることがより好ましい。
【0042】
また本発明における(C)成分に使用されるヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(c2)としては、例えば、アクリル酸ヒドロキシアルキル、メタクリル酸ヒドロキシアルキル、それらのラクトン変性物等が挙げられる。アクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、例えばアルキル基の炭素数が1〜6のアクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。メタクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、例えばアルキル基の炭素数が1〜6のメタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。また、前記アクリル酸ヒドロキシアルキル及びメタクリル酸ヒドロキシアルキルのラクトン変性物の具体例としては、ラクトン変性アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ラクトン変性メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。
【0043】
ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(c2)の不飽和二重結合を含む重合性単量体(cx)中の配合割合は1〜50重量%であることが好ましく、2〜30重量%であることがより好ましい。1重量%未満であると得られる顔料分散用樹脂(C)とアミノ樹脂(B)との架橋が低く、耐溶剤性、耐温水性が劣る原因となる傾向があり、逆に50重量%を超えた場合は、重合時の不安定さを誘起したり、架橋後塗膜の柔軟性が低化し、耐屈曲性や耐衝撃性が低下する傾向がある。
【0044】
また、カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(c3)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。カルボキシル基は酸無水物基として存在してもよく、無水マレイン酸等も使用可能である。前記成分は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。
【0045】
カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(c3)の不飽和二重結合を含む重合性単量体(cx)中の配合割合は0.1〜40重量%であることが好ましく、0.3〜20重量%であることがより好ましい。0.1重量%未満の場合は、本発明で用いられるアミノ樹脂(B)の硬化触媒として有用な効果が得られず、耐溶剤性、耐温水性が劣る原因となる傾向があり、逆に40重量%を超えた場合、重合時の不安定さを誘起したり、得られた被覆物の耐水性を低化させる傾向がある。
【0046】
また本発明における(C)成分に顔料分散性を向上させる目的で不飽和二重結合を含む重合性単量体(cx)に対して0.5〜30重量%の不飽和アルキド樹脂の存在下に重合を行なうことが好ましい。不飽和アルキド樹脂の配合量は、0.5重量%未満では顔料分散性向上の効果が低く、30重量%を超えると重合中にゲル化物を生じやすくなり、塗膜の性能、特に耐アルカリ性が劣る傾向にある。ここで使用する不飽和アルキド樹脂は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタリンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸等、あるいは、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、ハイミック酸、1,6−シクロへキサンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの3価以上のカルボン酸又はこれらの低級アルキルエステル、酸無水物などの多塩基酸又はその反応性誘導体、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチルペンタンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールあるいは水添ビスフェノールA及びビスフェノールAのエチレンオキサイド、又はプロピレンオキサイド付加物、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール、ヤシ油、ヒマシ油、サフラワー油、脱水ヒマシ油等の天然不乾性油、バーサチック酸(シェルケミカル社商品名)等の合成脂肪酸、カージュラE(シェルケミカル社商品名)等の脂肪酸のグリシジルエステル等を用いて常法により製造される。重合時に不飽和アルキド樹脂を存在させた場合、アルキド樹脂に含まれる反応性不飽和基が重合性単量体(cx)成分と共重合反応し、グラフト共重合体となり、これが顔料分散性を向上させる働きをする。
【0047】
これらの不飽和アルキド樹脂は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。
【0048】
(C)成分の重量平均分子量は5,000〜200,000であることが好ましく、10,000〜150,000であることがより好ましい。重量平均分子量が5,000未満では重合時の分散安定性、得られる塗膜の耐候性が不十分となる傾向があり、200,000を超えると塗料の希釈に必要な有機溶剤量が多くなるため塗料の固形分が低下し、得られる塗膜の仕上がり外観等が劣る傾向がある。
(C)成分のガラス転移温度は−40℃〜100℃の範囲内であることが好ましく、−10℃〜70℃の範囲内であることがより好ましい。ガラス転位温度が−40℃未満では、後述配合で得られる塗膜が柔らかすぎて、耐溶剤性、耐温水性が劣る傾向がある。また、100℃を超えた場合には、得られた塗膜の柔軟性が低下し、耐屈曲性や耐衝撃性が低下するので好ましくない。
【0049】
(A)成分及び(C)成分中の合計固形分重量に対して、(A)成分の固形分の配合比率を40〜90重量%とするとメタリック塗料用の硬化型塗料用組成物として好適に使用される。
また、(A)成分及び(C)成分中の合計固形分重量に対して、(A)成分の固形分の配合比率を10〜60重量%とするとエナメル塗料用硬化型塗料用の硬化型塗料用組成物として好適に使用される。
【0050】
本発明のクリヤーコート用塗料組成物は、メタクリル酸t−ブチルを必須成分とする不飽和二重結合を有する2種類以上の重合性単量体(dx)の共重合体(D)及びアミノ樹脂(B)を含有する。
本発明における上記の共重合体(D)の重合に使用される不飽和二重結合を有する重合性単量体(dx)は、メタクリル酸t−ブチルを必須成分とする。メタクリル酸t−ブチルの使用量は不飽和二重結合を含む2種類以上の重合性単量体中(dx)の10〜50重量%とすることが好ましく、15〜45重量%とすることがより好ましい。メタクリル酸t−ブチルが10重量%未満では得られる樹脂の溶剤溶解性が低くハイソリッド化になりにくく、塗膜の仕上がり外観も不十分となる傾向にあり、50重量%を超えると得られる塗膜の乾燥性が低下する傾向にある。メタクリル酸t−ブチルを必須成分とする以外は特に制限されるものではないが、炭素−炭素二重結合を有するのが好ましく、ヒドロキシル基及びカルボキシル基のいずれをも有さず、メタクリル酸t−ブチルを必須成分とする不飽和二重結合を有する重合性単量体(d1)、ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(d2)、カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(d3)等が用いられる。
【0051】
ヒドロキシル基及びカルボキシル基のいずれをも有さず、不飽和二重結合を有する重合性単量体(d1)としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のアクリル酸エルキルエステル;アクリル酸シクロヘキシル等のシクロアルキル基の炭素数が3〜20のアクリル酸シクロアルキルエステル;アクリル酸トリシクロデシル等のトリシクロアルキル基の炭素数が5〜20のアクリル酸トリシクロアルキルエステル;アクリル酸トリシクロデシロキシエチル、アクリル酸トリシクロデシロキシプロピル等のトリシクロアルキルオキシアルキル基の炭素数が6〜21のアクリル酸トリシクロアルキルオキシアルキルエステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル(必須成分)、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸シクロヘキシル等のシクロアルキル基の炭素数が3〜20のメタクリル酸シクロアルキルエステル;メタクリル酸トリシクロデシル等のトリシクロアルキル基の炭素数が5〜20のメタクリル酸トリシクロアルキルエステル;メタクリル酸トリシクロデシロキシエチル、メタクリル酸トリシクロデシロキシプロピル等のトリシクロアルキルオキシアルキル基の炭素数が6〜21のメタクリル酸トリシクロアルキルオキシアルキルエステル;メタクリル酸アミノメチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル等のアルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸アミノアルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン等のスチレン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のビニル誘導体;マレイン酸ジメチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル等の不飽和二塩基酸のジアルキルエステル、ヒンダードアミノ基を有するアクリル酸エステル若しくはメタクル酸エステル、ベンゾトリアゾール基を有するアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0052】
前記重合性単量体(d1)の中では、塗膜の仕上がり外観、作業性等の特性の点から、メタクリル酸t−ブチルの他に、アクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルから選ばれる少なくとも1種類の重合性単量体を使用することが好ましい。これらの重合性単量体(d1)の使用量は不飽和二重結合を含む重合性単量体(dx)中70〜100重量%とすることが好ましく、75〜95重量%とすることがより好ましい。
【0053】
また本発明における共重合体(D)の製造に使用されるヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(d2)としては、例えば、アクリル酸ヒドロキシアルキル、メタクリル酸ヒドロキシアルキル、これらのラクトン変性物等が挙げられる。アクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、例えばアルキル基の炭素数が1〜6のアクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。メタクリル酸ヒドロキシルアルキルとしては、例えばアルキル基の炭素数が1〜6のメタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。また、前記アクリル酸ヒドロキシアルキル及びメタクリル酸ヒドロキシアルキルのラクトン変性物の具体例としては、ラクトン変性アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ラクトン変性メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(d2)の不飽和二重結合を有する重合性単量体(dx)中の配合割合は1〜40重量%であることが好ましく、3〜30重量%であることがより好ましい。これらのヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(d2)は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0054】
また本発明における共重合体(D)の製造に使用されるカルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(d3)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。カルボキシル基は酸無水物基として存在してもよく、無水マレイン酸等も使用可能である。前記成分は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(d3)の不飽和二重結合を含む重合性単量体(dx)中の配合割合は0.1〜20重量%であることが好ましく、0.5〜10重量%であることがより好ましい。これらのカルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(d3)は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0055】
共重合体(D)の水酸基価は10〜250mgKOH/gであることが好ましい。水酸基価が10mgKOH/g未満では得られる共重合体(D)とアミノ樹脂(B)との架橋が低く、耐溶剤性、耐候性が劣る原因となり、250mgKOH/gを超えた場合は、重合時の不安定さを誘起したり、架橋後塗膜の柔軟性が低下し、耐屈曲性や耐衝撃性が低下する傾向がある。共重合体(D)の酸価は1mgKOH/g〜100mgKOH/gであることが好ましい。1mgKOH/g未満では、本発明で用いられるアミノ樹脂(B)の内部触媒として有用な効果が得られず、耐溶剤性、耐候性が劣る原因となり、逆に100mgKOH/gを超えた場合、重合時の不安定さを誘起したり、得られた被覆物の耐水性を低下させる傾向がある。共重合体(D)のガラス転移温度は0〜60℃であることが好ましい。0℃未満では得られる塗膜の硬度が低下する傾向にあり、60℃を超えると得られる塗膜の可とう性、耐衝撃性が低下する傾向にある。
【0056】
また、本発明において、共重合体(D)の製造法としては、通常のラジカル重合方法を利用することができ、特にその方法が制限されるものではない。好ましくは重合開始剤の存在下で行われる。好ましい反応温度は50〜200℃であり、特に好ましい反応温度は70〜150℃である。反応時間は3時間〜12時間とすることが好ましい。
【0057】
前記ラジカル重合法において、重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物、アゾビス系化合物等を使用することができる。有機過酸化物としては、例えば、イソブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジシクロベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、ジイソブチルパーオキシジカーボネート、2−ジエチルヘキシルパーオキシジカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等が挙げられ、アゾビス系化合物としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾジイソブチレート、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、(1−フェニルエチル)アゾジフェニルメタン、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート、1,1′−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニル)、2,2′−アゾビス(2,2,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルプロパン)等が挙げられる。
【0058】
これらの重合開始剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。重合に際して、前記各重合性単量体は、予め混合物とした上で反応系に添加してもよいし、別に反応系に添加してもよく、また、この混合物を分割して反応系に添加してもよい。
重合開始剤の使用量は、共重合体(D)の目的とする分子量により決められるものであるが、通常、共重合体(D)の製造に使用される不飽和二重結合を有する重合性単量体の総量に対し、0.05〜5重量%とすることが好ましい。また、必要に応じて、連鎖移動剤を用いて粒子径の調整をしてもよい。連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0059】
本発明における硬化型塗料用組成物は、メタリック粉末及び/又は着色顔料を配合して塗料とすることができる。メタリック粉末としては、例えば、アルミニウム粉末、銅粉末、雲母粉末等が挙げられ、着色顔料としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック等の無機顔料や、フタロシアニンブルー、トルイジンレッド、ベンジジンイエローなどの有機顔料が挙げられる。また、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料を加えることもできる。また前記顔料を加えずに、クリヤー塗料とすることも可能である。これらの顔料は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0060】
また、本発明の硬化型塗料用組成物及びクリヤーコート用塗料組成物には、必要に応じて反応を促進させるための硬化触媒、有機溶剤及び/又は水などの溶媒、可塑剤、塗膜強化用樹脂、分散剤、顔料沈降防止剤、塗面調整剤、レオロジーコントロール剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤等を塗料化の際又は塗料化後に添加することも可能である。
【0061】
本発明の硬化型塗料用組成物及びクリヤーコート用塗料組成物の塗料化方法としては、例えば、ロール、サンドミル、ディスパーザー等の公知の方法を使用することができる。また、非水分散系の樹脂で塗料化する際に、高せん断力がかかり、樹脂が凝集化を起こすことがあるので本発明により得られる顔料分散用樹脂(C)を用い、塗料を作製することもできる。更に、塗料としての性能向上のため、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じてアクリル系重合体、ポリエステル系重合体、ウレタン重合体、架橋重合粒子等の重合体、セルロース等を含有するものであってもよい。セルロースとしては、例えば、セルロースブチレートアセテート(CAB)、ニトロセルロース(NC)等が挙げられる。セルロース等を含有させる方法としては、例えば、通常の顔料分散方法を利用することができる。
【0062】
本発明の硬化型塗料用組成物及びクリヤーコート用塗料組成物を用いた塗料は、通常の塗装方法に従い、各種基材や物品の表面等の塗装に供することができる。塗装に際しては、例えば、エアスプレー機、エアレススプレー機、静電塗装機、浸漬、ロール塗装機、ハケ等を用いることができる。機材としては、例えば、金属、プラスチック等が挙げられる。塗装によって形成された塗膜を、焼付け乾燥することにより、硬化塗膜を形成することができる。
本発明の多層塗膜は、本発明の硬化型塗料用組成物から得られるベースコート層及び本発明のクリヤーコート用塗料組成物から得られるクリヤーコート層からなるものであり、硬化型塗料用組成物を用いた塗料を塗布した後、クリヤーコート用塗料組成物を用いたクリヤー塗料をその上に塗布し、焼付け乾燥することにより、硬化した多層塗膜を形成することができる。
【0063】
本発明は、仕上がり外観の優れた硬化型塗料用組成物に関するものであり、詳細には、メタル配向性、メタル戻しムラ性に優れたメタリックベース用塗料でありながら、エナメル用塗料としても使用でき、仕上がり外観、可とう性、リコート性、光沢、肉持ち感、耐食性、付着性、糸さび性、耐温水性に優れた塗膜形成能の優れた作業性を有するものであり、大型構造物用、自動車用、木工用などの広い分野に使用できる。
【0064】
【実施例】
次に本発明を実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、「部」は重量部、「%」は重量%を表す。
製造例1(分散安定剤の合成)
攪拌装置、還流冷却器、窒素導入管及び温度計のついたフラスコにソルベッソ100 20部、酢酸ブチル20部を仕込み、窒素気流下で125℃に昇温し、スチレン35部、エチルアクリレート10部、2−エチルヘキシルアクリレート31部、2−ヒドロキシエチルアクリレート21部、メタクリル酸0.5部、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル1.1部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.5部から成る混合液を2時間かけて滴下し、その後同温度で1時間保温した。続いて、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.2部、酢酸ブチル5部の混合液を1時間かけて滴下し、更に同温度で2時間保持した。その後冷却し、加熱残分が約65%になるように酢酸ブチルで調整し、分散安定剤ワニスを得た。
【0065】
製造例2〜4(NADアクリル樹脂の合成)
攪拌装置、還流冷却器、窒素導入管及び温度計のついたフラスコに製造例1で得られた分散安定剤ワニスと、ミネラルターペンを表1に示す量仕込み、窒素気流下で110℃に昇温し、表1に示す混合液(St、MMA、EA、2−EA、2−HEA、AN、GMA、TMP−A、MAA、AIBN、PB−O)を2時間かけて滴下し、その後、同温度で1時間保温した。続いて、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.3部、酢酸ブチル5部の混合液を30分かけて滴下し、更に125℃に昇温し、同温度で2時間保持した。その後冷却し、加熱残分が約60%になるように酢酸ブチルで調整し、NADアクリル樹脂ワニス(A−1)〜(A−3)を得た。
【0066】
【表1】
St:スチレン MMA:メチルメタクリレート EA:エチルアクリレート2−HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート AN:アクリロニトリルGMA:グリシジルメタクリレート TMP−A:トリメチロールプロパントリアクリレート MAA:メタクリル酸 AIBN:2,2′−アゾビスイソブチチロニトリル PB−O:t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
ガラス転移温度は、下記式を用い各成分の単独重合体のTg(文献値)による計算値である。
1/Tg=W1/TG1+W2/TG2+・・・・
W1、W2:各成分の質量分率
TG1、TG2:各成分の単独重合体のTg
*1 NADアクリル樹脂の酸価
*2 NADアクリル樹脂の水酸基価
*3 共重合体分散粒子(b)の粒子径
*4 共重合体分散粒子(b)の重量平均分子量
*5 NADアクリル樹脂ワニス中のアセトン不溶成分
【0067】
製造例5(不飽和アルキド樹脂の製造)
攪拌装置、還流冷却器、窒素導入管及び温度計のついたフラスコにカージュラE 9.1部、ヘキサンジオール24.8部、トリメチロールプロパン14.8部、イソフタル酸52.3部を仕込み210℃に昇温し、酸価が23〜25になるまで保温した。その後180℃まで冷却し、無水マレイン酸3.1部を添加し酸価が17〜18になるまで保温した。その後冷却し、加熱残分が約60%になるようにキシレンで調整し、不飽和アルキド樹脂ワニスを得た。
【0068】
製造例6、7(顔料分散用樹脂の合成)
攪拌装置、還流冷却器、窒素導入管及び温度計のついたフラスコにソルベッソ100 20部、酢酸ブチル30部、製造例5で得られた不飽和アルキド樹脂ワニス11.7部を仕込み、窒素気流下で125℃に昇温し、表2に示す混合液(St、BMA、EA、BA、2−HEA、2−HEMA、MAA、AIBN、PB−O)を2時間かけて滴下し、その後同温度で1時間保温した。続いて、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.2部、酢酸ブチル5部の混合液を1時間かけて滴下し、更に同温度で2時間保持した。その後冷却し、加熱残分が約60%になるように酢酸ブチルで調整し、顔料分散用樹脂ワニス(C−1)〜(C−2)を得た。
【0069】
【表2】
St:スチレン BMA:ブチルメタクリレート EA:エチルアクリレート
BA:ブチルアクリレート 2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
2−HEA:2−ヒドロキシエチルアクリレート 2−HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート MAA:メタクリル酸 AIBN:2,2′−アゾビスイソブチロニトリル PB−O:t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
【0070】
塗料の作製
前記で得たワニスを使用して表3に示す配合でメタリック塗料を作製した。前記で得たワニス(固形分60重量%)、イソブチルエーテル化メラミン樹脂(商品名メラン2650LS、日立化成工業(株)製、固形分60重量%)、光輝性顔料であるアルミフレークペースト(旭化成(株)製、商品名MH6601、加熱残分65重量%品)を混合して分散させ、シンナー(トルエン/メトアセ/キシレン/MIBK/イソブタノール=40/20/15/15/10の容量比で混合した溶液)を用い、フォードカップ#4で14〜16秒/20℃になるように希釈してメタリック塗料用ベースコート塗料とした。表3中、各成分の量は重量部である。
【0071】
【表3】
*1 メラン2650LS(日立化成工業(株)製)
*2 MH6601(旭化成(株)、加熱残分65重量%)
【0072】
前記で得たワニスを使用して表4に示す配合でエナメル塗料用ベースコート塗料を作製した。前記で得たワニス(固形分60重量%)、イソブチルエーテル化メラミン樹脂(商品名メラン2650LS、日立化成工業(株)製、固形分60重量%)、顔料であるチタン白(石原産業(株)製、CR95)を混合して分散させ、シンナー(キシレン/ソルベッソ100/ブチルセロソルブ/ノルマルブタノール=40/40/10/10の容量比で混合した溶液)を用い、フォードカップ#4で18〜20秒/20℃になるように希釈して塗料とした。表4中、各成分の量は重量部である。
【0073】
【表4】
*1 メラン2650LS(日立化成工業(株)製)
【0074】
(クリヤーコート用塗料の作製)
攪拌装置、還流冷却器、窒素導入管及び温度計のついたフラスコにソルベッソ100 45重量部を仕込み、窒素気流下で140℃に昇温し、表5に示す混合液(St、TBMA、BMA、BA、2−HEMA、2−HEA、MAA、AIBN)を2時間かけて滴下し、同温度で1時間保温した。その後冷却し、加熱残分が約60%になるようにソルベッソ100で調整し、共重合体ワニスを得た。
【0075】
【表5】
上記で得られた共重合体ワニス100重量部とアミノ樹脂(日立化成工業(株)製、商品名メラン200)67重量部を混合して表6に示すクリヤーコート塗料を得た。シンナー(ソルベッソ100/キシレン/プロピレングリコールモノメチルアセテート/ブチルセロソルブ=35/35/20/10)を用い、フォードカップ#4で18〜20秒/20℃になるように希釈してクリヤーコート塗料とした。表6中、各成分の量は重量部である。
【0076】
【表6】
*1 メラン2000(日立化成工業(株)製)
【0077】
塗膜試料の作成
前記で得られたメタリック塗料用ベースコート塗料、エナメル塗料用ベースコート塗料及びクリヤーコート塗料を化成処理が施されている処理鋼板(ボンデライト#144処理鋼板、パルテック社製、0.8t)、アルミ板(A1050、パルテック社製、0.8t)にスプレー塗装した。メタリック塗料用ベースコート塗料は、乾燥膜厚が20〜30μmになるようにスプレー塗装した後、室温で2〜5分間放置してから、上記で得られたクリヤーコート塗料をクリヤーコート塗料の乾燥膜厚が20〜40μmの範囲になるようにウェットオンウェットで塗装し、その後、室温で5〜10分放置した後、150℃で20分間焼付乾燥し、得られた塗膜板の性能を評価した。つまり、メタリック塗料用ベースコート塗料及びクリヤーコート塗料を用いて2コート1ベーク(2C1B)方式で多層塗膜を作成した。エナメル塗料用ベースコート塗料は、乾燥膜厚が30〜40μmになるようにスプレー塗装し、その後10分間放置した。その後、150℃で20分間焼付け乾燥し、得られた塗膜板の性能を評価した。
【0078】
塗膜評価方法
得られた塗膜板について、下記方法に従い、仕上がり外観、耐温水性、耐食性、付着性、鉛筆硬度、耐衝撃性を調べ、評価結果を表7、表8に示した。
【0079】
<仕上がり外観>
得られた塗膜試験片を目視により下記基準で評価した。
アルミニウム顔料の配向にムラが全く認められない :○ 良好
アルミニウム顔料の配向に少しムラが認められる :△ やや不良
アルミニウム顔料の配向にムラが顕著に認められる :× 不良
<耐温水性>
化成処理した鋼板を基板とする試験片を用い、純水中に試験片を浸漬し、40℃で10日間放置した。その後塗膜を観察し以下のように評価した。
塗膜に変色及びブリスタが生じない :○
塗膜の部分的に変色及びブリスタが見られる :△
塗膜全体に変色及びブリスタが見られる :×
【0080】
<耐食性>
化成処理した鋼板を基板とする試験片を用い、JIS K 5400のソルトスプレイ試験に従い、評価試験板にカット部を形成し、240時間塩水を噴霧した。評価終了後、試験片を常温に2h放置後、塗膜上の水分を取り、テープにてカット部を剥離した。その時のカット部における錆の剥離幅(mm)を測定した。
<糸さび性>
前記耐食性試験で使用した試験片を用い、49℃、湿度98%の条件下に10日間放置した後、糸さび性の長さを測定した。
糸さび性の発生なし :○
糸さびの最長長さ3mm未満 :△
糸さびの最長長さ3mm以上 :×
<付着性>
アルミニウム板A1050を基板とする試験片を用い、JIS−K5400碁盤目剥離試験方法に従った。塗膜板上にナイフで1mm間隔で縦横各10本の線を引いて100個の碁盤目を作製し、その上にセロファンテープを接着させ、テープを剥がし、塗膜上に残存する碁盤目の数を測定し下記基準で評価した。
100/100 : ○ 密着性が良好
51〜99/100 : △ 密着性がやや劣る
50/100以下 : × 密着性が著しく劣る
<鉛筆硬度>
JIS K−5400の鉛筆引っかき試験方法に従い、塗膜のキズが認められない鉛筆の硬度記号で結果を示した。
<リコート性>
メタリック塗料用ベースコート塗料単独及びエナメル塗料用ベースコート塗料をスプレー塗装し、180℃で20分間焼付け乾燥し、各リコート性評価用塗装板を作製する。得られた塗装板を常温まで冷却した後、更に同じ塗料をスプレー塗装し、150℃で20分間焼付け乾燥を行なう。その後、前記付着性評価方法に従って、ゴバン目剥離試験を行なった。
100/100 : ○ 密着性が良好
51〜99/100 : △ 密着性がやや劣る
50/100以下 : × 密着性が著しく劣る
<耐衝撃性>
化成処理した鋼板を基板とする試験片を用い、20℃において撃芯:1/2インチ、重り1kgの条件にてデュポン衝撃試験を行った。異なる高さから重りを落とし、塗膜の割れが生じない所を合格とし、割れが生じた高さを不合格とした。
○:50cmから重りを落として、塗膜の割れが生じない。
△:30cmから重りを落として、塗膜の割れが生じない。
×:30cmから重りを落として、塗膜の割れが生じる。
<アセトン不溶成分量>
得られた非水分散型樹脂を2g採取し、アセトン20gで希釈した後、遠心分離器を使用し15,000rpmで1時間遠心分離をおこない、沈降分離したアセトン不溶成分を採取し、非水分散型重合体の固形分に対するアセトン不溶成分の重量%としてアセトン不溶成分量を求めた。
【0081】
【表7】
【0082】
【表8】
【0083】
【発明の効果】
本発明の硬化型塗料用組成物は、熱硬化型塗料用として好適であり、本発明で得られた非水分散型重合体(A)にアミノ樹脂(B)、顔料分散用樹脂(C)を組み合わせた塗料は、メタリック塗料且つエナメル塗料にも使用できる。更に、本発明で得られた共重合体(D)にアミノ樹脂(B)を組合わせた塗料は、クリヤーコート塗料として使用でき、ベースコート且つクリヤーコート共に有機溶剤が削減されたハイソリッド用塗料であり、これらから得られる多層塗膜は、仕上がり外観、可とう性、リコート性、光沢、肉持ち感、耐食性、糸さび性、耐温水性に優れたものである。
Claims (12)
- 不飽和二重結合を有する2種類以上の重合性単量体(ax)を共重合させてなる有機溶媒に可溶な共重合体(a)を分散安定剤として用い、該分散安定剤の存在下有機溶媒中で不飽和二重結合を有する2種類以上の重合性単量体(bx)を共重合させてなる有機溶媒に不溶な共重合体分散粒子(b)を含有する非水分散型重合体(A)、架橋剤としてのアミノ樹脂(B)、並びに(A)成分及び(B)成分との相溶性を有する顔料分散用樹脂(C)からなる硬化型塗料用組成物。
- 非水分散型重合体(A)のアセトン不溶成分量が10〜60重量%である請求項1記載の硬化型塗料用組成物。
- (A)成分及び(C)成分中の合計固形分重量に対して、(A)成分の固形分の配合比率が40〜90重量%であるメタリック塗料用の請求項1又は2記載の硬化型塗料用組成物。
- (A)成分及び(C)成分中の合計固形分重量に対して、(A)成分の固形分の配合比率が10〜60重量%であるエナメル塗料用硬化型塗料用の請求項1又は2記載の硬化型塗料用組成物。
- 硬化型塗料用組成物中のアミノ樹脂(B)の配合比率が10〜69重量%である請求項1〜4いずれかに記載の硬化型塗料用組成物。
- 共重合体(a)が、重量平均分子量が5,000〜200,000、ガラス転移温度が−40〜100℃であり、非水分散型重合体(A)中の共重合体(a)の配合割合が共重合体(a)及び共重合体分散粒子(b)の総量に対し、30〜70重量%である請求項1〜5何れか記載の硬化型塗料用組成物。
- 重合性単量体(bx)中に1分子中にグリシジル基及び不飽和二重結合を有する重合性単量体が0.1〜10重量%の割合で配合されている請求項1〜6何れか記載の硬化型塗料用組成物。
- 重合性単量体(bx)中に1分子中に2個以上の重合性二重結合を有する重合性単量体が0.1〜15重量%の割合で配合されている請求項1〜6何れか記載の硬化型塗料用組成物。
- (A)成分の水酸基価が10〜200mgKOH/g、酸価が0.1〜50mgKOH/gである請求項1〜8何れか記載の硬化型塗料用組成物。
- メタクリル酸t−ブチルを必須成分とする不飽和二重結合を有する2種類以上の重合性単量体(dx)の共重合体(D)及びアミノ樹脂(B)を含有してなるクリヤーコート用塗料組成物。
- 共重合体(D)のガラス転移温度が0〜60℃、水酸基価が10〜250mgKOH/g、酸価が1〜100mgKOH/gである請求項10記載のクリヤーコート用塗料組成物。
- 請求項3又は4記載の硬化型塗料用組成物から得られるベースコート層及び請求項10又は11記載のクリヤーコート用塗料組成物から得られるクリヤーコート層からなる多層塗膜。
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