JP4238524B2 - 塗料用樹脂組成物及びそれを用いた多層塗膜 - Google Patents

塗料用樹脂組成物及びそれを用いた多層塗膜 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規にして有用なる、塗料用樹脂組成物、1液型ベースコート用塗料及びそれを用いた多層塗膜に関する。さらに詳細には、本発明は、特に自動車補修等において1液性のベースコートと2液性のクリヤーコートを組み合わせることで耐水性、再塗装性、耐候性等の性能に優れ、さらに仕上がり外観にも優れ、メタルムラをも起こさない多層塗膜及びこれに用いられる塗料用樹脂組成物及び1液型ベースコート用塗料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまでの自動車補修用塗料は低温硬化性が可能であることや、塗膜の物理的及び化学的性能を向上させるという観点から、通常硬化剤にポリイソシアネートを使用した2液型の塗料が用いられる。
ここにおいて問題となるのは、2液型の塗料はポリオールとポリイソシアネートの2成分からなるため、それぞれ別々に貯蔵し、塗装時に混合する必要がある。また、混合してしまうと塗料の使用時間に制限があり作業性を著しく低下させている因子となっている。こうした作業性の面での改良が望まれている。また自動車補修用塗料は、一般に、一度塗膜を形成して乾燥した後(以下、旧塗膜をいう)、その上に再度、塗料を塗装して塗膜を形成するという作業を行う。このとき旧塗膜がウレタン架橋塗膜にも関わらず再塗装によってリフティングを発生する。このような問題を無くすために分子量の高いセルロース・アセテート・ブチレートやニトロセルロースなどを配合しているが、再塗装時のリフティング発生は完全に解決されていない。このような作業性の面でも強く改良が望まれている。また、近年、環境保全の観点からPRTR法の施行に伴い、塗料の溶媒にトルエンやキシレン等のPRTR通知対象物質を使用しない塗料系も求められている。これらの問題に対し、例えば特開2001−64572号公報では非水分散型重合体のみからなる1液型ベースコートが開示されており、作業性、再塗装性などには優れるが、溶媒にキシレン等のPRTR通知対象物質を使用しているため、PRTR通知対象物質を使用しない要求に対しては不十分であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の欠点を解消し、溶媒にPRTR通知対象物質を使用しなくても、仕上がり外観、乾燥性、再塗装性、耐ガソリン性、耐候性の性能に優れた塗膜を形成し得る、極めて実用性の高い塗料用樹脂組成物を提供し、併せて、斯かる塗料用樹脂組成物を用いた1液型ベースコート用塗料及び多層塗膜を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、(A)任意の不飽和二重結合を有する重合性単量体を共重合させてなる有機溶媒に可溶な共重合体を分散安定剤として用い、該分散安定剤の存在下に有機溶媒中で(B)1分子中に2個以上の重合性二重結合を有する重合性単量体を0.1〜15重量%含有する任意の不飽和二重結合を有する重合性単量体を共重合させてなる有機溶媒に不溶な共重合体分散粒子を含有する非水分散型重合体(C)からなり、(B)成分の配合割合が(A)成分及び(B)成分中の合計固形分重量の30〜70重量%であり、かつ有機溶媒が芳香族系溶媒、脂肪族系溶媒及びこれらの混合溶媒から選ばれる少なくとも1種以上の有機溶媒であることを特徴とする塗料用樹脂組成物に関する。
【0005】
また、本発明は、(A)成分の有機溶媒に可溶な共重合体が重量平均分子量が10,000〜200,000、ガラス転移温度が0〜100℃の共重合体である上記の塗料用樹脂組成物に関する。
【0006】
また、本発明は、水酸基価が1〜150mgKOH/g、酸価が1〜60mgKOH/gである上記の塗料用樹脂組成物に関する。
【0007】
また、本発明は、前記塗料用樹脂組成物とメタリック粉末及び/又は着色顔料を配合してなる1液型ベースコート用塗料に関する。
【0008】
また、本発明は、上記の1液型ベースコート塗料から得られたベースコート層及びクリヤーコート層からなる多層塗膜に関する。
【0009】
また、本発明は、クリヤーコート層がメタクリル酸t−ブチルを含有する不飽和二重結合を有する重合性単量体を共重合させて得られる共重合体(D)及びポリイソシアネート(E)を含有する塗料用樹脂組成物から得られた層である上記の多層塗膜に関する。
【0010】
また、本発明は、(D)成分のガラス転移温度が50〜80℃、水酸基価が30〜150mgKOH/g、酸価が1〜20mgKOH/gである上記の多層塗膜に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明における有機溶媒に可溶な重合体(A)成分の共重合体の製造に使用される不飽和二重結合を有する重合性単量体としては、次に示す不飽和二重結合を有する重合性単量体(a1)、ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(a2)、カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(a3)の重合性単量体が挙げられる。
不飽和二重結合を有する重合性単量体(a1)としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のアクリル酸アルキルエステル;アクリル酸シクロヘキシル等のシクロアルキル基の炭素数が3〜20のアクリル酸シクロアルキルエステル;アクリル酸トリシクロデシル、アクリル酸トリシクロデシロキシエチル、アクリル酸トリシクロデシロキシプロピル等のトリシクロアルキル基の炭素数が5〜20のアクリル酸トリシクロアルキルエステル又はアクリル酸トリシクロアルキルオキシアルキルエステル:メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル等のシクロアルキル基の炭素数が3〜20のメタクリル酸シクロアルキルエステル;メタクリル酸トリシクロデシル、メタクリル酸トリシクロデシロキシエチル、メタクリル酸トリシクロデシロキシプロピル等のトリシクロアルキル基の炭素数が5〜20のメタクリル酸トリシクロアルキルエステル又はメタクリル酸トリシクロアルキルオキシアルキルエステル;メタクリル酸アミノメチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル等のアルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸アミノアルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン等のスチレン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のビニル誘導体;マレイン酸ジメチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル等の不飽和二塩基酸のジアルキルエステル、ヒンダートアミノ基を有するアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル、ベンゾトリアゾール基を有するアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。前記成分は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。
【0012】
前記重合性単量体の中では、塗膜の仕上がり外観、耐候性、作業性等の特性の点から、アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸シクロアルキルエステル、アクリル酸トリシクロアルキルエステル、アクリル酸トリシクロアルキルオキシアルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸シクロアルキルエステル、メタクリル酸トリシクロアルキルエステル、メタクリル酸トリシクロアルキルオキシアルキルエステルから選ばれる少なくとも1種類以上の重合性単量体を使用することが好ましい。
【0013】
これらの重合性単量体の使用量は不飽和二重結合を含む重合性単量体配合物中70〜100重量%とすることが好ましく、70〜99.4重量%であることがよリ好ましく、80〜95重量%であることが更に好ましい。
【0014】
また本発明における(A)成分に使用されるヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(a2)としては、例えば、アクリル酸ヒドロキシアルキル、メタクリル酸ヒドロキシアルキル、それらのラクトン変性物等が挙げられる。アクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、例えばアルキル基の炭素数が1〜6のアクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。メタクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、例えばアルキル基の炭素数が1〜6のメタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。また、前記アクリル酸ヒドロキシアルキル及びメタクリル酸ヒドロキシアルキルのラクトン変性物の具体例としては、ラクトン変性アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ラクトン変性メタクリル酸2―ヒドロキシエチル等が挙げられる。
【0015】
ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体の不飽和二重結合を含む重合性単量体混合物中の配合割合は0〜25重量%であることが好ましく、0.5〜25重量%であることがより好ましく、1〜20重量%であることが更に好ましい。
【0016】
また本発明における(A)成分に使用されるカルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(a3)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。カルボキシル基は酸無水物基として存在してもよく、無水マレイン酸等も使用可能である。前記成分は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。
【0017】
カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体の不飽和二重結合を含む重合性単量体混合物中の配合割合は0〜10重量%であることが好ましく、0.1〜10重量%であることがより好ましく、0.5〜8重量%であることが更に好ましい。
【0018】
これらの不飽和二重結合を有する重合性単量体は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。
【0019】
(A)成分の重量平均分子量は10,000〜200,000であることが好ましく、30,000〜150,000であることがより好ましい。重量平均分子量が10,000未満では重合時の分散安定性、得られる塗膜の耐候性が不十分となる傾向があり、200,000を超えると塗料の希釈に必要な有機溶剤量が多くなるため塗料の固形分が低下し、得られる塗膜の仕上がり外観等が劣る傾向がある。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法による標準ポリスチレン換算値である。
【0020】
(A)成分のガラス転移温度は0℃〜100℃の範囲内であることが好ましく、30〜90℃の範囲内であることがより好ましい。0℃未満では乾燥性、耐ガソリン性、再塗装性が著しく低下し、100℃を超える場合は仕上がり外観が極端に低下し易くなる。ここで、(A)成分のガラス転移温度は、「熱分析装置DSC」「Seiko Instrument Inc.製品」を用いて測定した値を指称するというものである。
【0021】
本発明において、(A)成分を重合させる方法としては、通常のラジカル重合方法を利用することができ、特にその方法が制限されるものではない。
【0022】
前記ラジカル重合方法において、有機溶媒としては、例えば、芳香族系溶媒及び脂肪族系溶媒又はこれらの混合溶媒等を使用することができる。芳香族系溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、又は「ソルベッソ 100もしくは150」(芳香族炭化水素混合物、エクソン社製の商品名)等が挙げられるが、PRTR通知対象物質であるトルエン、キシレンは用いないのが好ましい。脂肪族系溶媒としては、例えば、ヘプタン、ヘキサン、オクタン等が挙げられる。芳香族−脂肪族炭化水素混合溶媒としてはミネラルスピリット、ホワイトスピリット、ミネラルターペン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、それぞれ単独又は2種類以上の有機溶剤を併用してもよい。
【0023】
また、前記ラジカル重合法において、重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物、アゾビス系化合物等を使用することができる。有機過酸化物としては、例えば、イソブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジシクロベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、ジイソブチルパーオキシジカーボネート、2−ジエチルヘキシルパーオキシジカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等が挙げられ、アゾ系化合物としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾジイソブチレート、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、(1−フェニルエチル)アゾジフェニルメタン、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート、1,1′−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニル)、2,2′−アゾビス(2,2,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルプロパン)等が挙げられる。
【0024】
これらの重合開始剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
重合に際して、前記各重合性単量体は、予め混合物とした上で反応系に添加してもよいし、別々に反応系に添加してもよく、また、この混合物を分割して反応系に添加してもよい。
【0025】
重合開始剤の使用量は、共重合体(A)成分の目的とする分子量により決められるものであるが、通常、(A)成分の重合に使用される不飽和二重結合を有する重合性単量体の総量に対し、0.1〜10重量%とすることが好ましい。
【0026】
また、必要に応じて、連鎖移動剤を用いて分子量調整をしてもよい。連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0027】
本発明における非水分散型重合体(C)は、共重合体(A)成分溶液の存在下で、任意の不飽和二重結合を有する重合性単量体を共重合させ、(A)成分溶液に有機溶媒に不溶な共重合体分散粒子(B)成分を含有させたものである。
【0028】
本発明の有機溶媒に不溶な共重合体分散粒子(B)は共重合体(A)及び有機溶媒の存在下で不飽和二重結合を有する重合性単量体を共重合して得られる。本発明の有機溶媒に不要な共重合体分散粒子(B)を得るために使用される不飽和二重結合を有する重合性単量体としては、次に示す不飽和二重結合を有する重合性単量体(b1)、ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(b2)、カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(b3)の重合性単量体が挙げられる。
不飽和二重結合を有する重合性単量体(b1)としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のアクリル酸アルキルエステル;アクリル酸シクロヘキシル等のシクロアルキル基の炭素数が3〜20のアクリル酸シクロアルキルエステル;アクリル酸トリシクロデシル、アクリル酸トリシクロデシロキシエチル、アクリル酸トリシクロデシロキシプロピル等のトリシクロアルキル基の炭素数が5〜20のアクリル酸トリシクロアルキルエステル又はアクリル酸トリシクロアルキルオキシアルキルエステル:メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸シクロヘキシル等のシクロアルキル基の炭素数が3〜20のメタクリル酸シクロアルキルエステル;メタクリル酸トリシクロデシル、メタクリル酸トリシクロデシロキシエチル、メタクリル酸トリシクロデシロキシプロピル等のトリシクロアルキル基の炭素数が5〜20のメタクリル酸トリシクロアルキルエステル又はメタクリル酸トリシクロアルキルオキシアルキルエステル;メタクリル酸アミノメチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル等のアルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸アミノアルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン等のスチレン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のビニル誘導体;マレイン酸ジメチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル等の不飽和二塩基酸のジアルキルエステル、ヒンダートアミノ基を有するアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル、ベンゾトリアゾール基を有するアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。前記成分は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。
【0029】
前記重合性単量体の中では、重合時の分散安定性、塗膜の仕上がり外観、作業性等の特性の点から、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルから選ばれる少なくとも1種類以上の重合性単量体を使用することが好ましい。これらの重合性単量体の使用量は不飽和二重結合を含む重合性単量体配合物中60〜99.9重量%とすることが好ましく、60〜99.3重量%であることがより好ましく、70〜95重量%であることが更に好ましい。
【0030】
また本発明における(B)成分の製造に使用されるヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(b2)としては、例えば、アクリル酸ヒドロキシアルキル、メタクリル酸ヒドロキシアルキル、それらのラクトン変性物等が挙げられる。アクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、例えばアルキル基の炭素数が1〜6のアクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。メタクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、例えばアルキル基の炭素数が1〜6のメタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。また、前記アクリル酸ヒドロキシアルキル及びメタクリル酸ヒドロキシアルキルのラクトン変性物の具体例としては、ラクトン変性アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ラクトン変性メタクリル酸2―ヒドロキシエチル等が挙げられる。
【0031】
ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体の不飽和二重結合を含む重合性単量体混合物中の配合割合は0〜40重量%であることが好ましく、0.5〜40重量%であることがより好ましく、1〜30重量%であることが更に好ましい。
【0032】
また本発明における(B)成分の製造に使用されるカルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(b3)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。カルボキシル基は酸無水物基として存在してもよく、無水マレイン酸等も使用可能である。
【0033】
前記成分は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体の不飽和二重結合を含む重合性単量体混合物中の配合割合は0〜10重量%であることが好ましく、0.1〜10重量%であることがより好ましく、0.5〜8重量%であることが更に好ましい。
【0034】
また本発明における(B)成分の製造に使用される不飽和二重結合を有する重合性単量体は、1分子中に2個以上の重合性二重結合を有する重合性単量体(b4)を含有する。1分子中に2個以上の重合性二重結合を有する重合性単量体(b4)としては、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2−ビス〔4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシ・エトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・エトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン、2−ヒドロキシ−1−アクリロキシ−3−メタクリロキシプロパン、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート等が挙げられる。
【0035】
前記2個以上の重合性二重結合を有する重合性単量体(b4)成分は単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。これらの共重合体分散粒子への導入により、粒子内で分岐しての重合反応及び橋かけが起こり高分子量の粒子を得ることができる。
【0036】
共重合体分散粒子(B)の高分子量化の度合は、アセトンにて樹脂を溶解させ、遠心分離をおこない、遠心分離後の樹脂中のアセトン不溶成分量で比較できる。
【0037】
2個以上の重合性二重結合を有する重合性単量体の不飽和二重結合を含む重合性単量体混合物中の配合割合は0.1〜15重量%であり、0.5〜8重量%であることが好ましい。0.1重量%未満では共重合体分散粒子のアセトン不溶成分量が5%以下と著しく少なくなり、再塗装性が低下し、15重量%を超えると樹脂合成中に樹脂が増粘又はゲル化を起こすことがあり、また樹脂が高粘度となるため塗料の希釈調整時に大量の希釈溶媒を必要とし、得られる塗膜の塗装固形分が著しく低下する。
【0038】
本発明の塗料用樹脂組成物において、(C)成分の水酸基価は1〜150mgKOH/gであることが好ましい。ヒドロキシル基価が1mgKOH/g未満では、得られる塗膜の耐ガソリン性が不十分となる傾向にあり、150mgKOH/gを超えると得られる塗膜の耐水性が低下する傾向がある。また、(C)成分の酸価は1〜60mgKOH/gであることが好ましい。1mgKOH/g未満では得られる塗膜の耐ガソリン性、再塗装性が低下する傾向にあり、60mgKOH/gを超えると塗料用樹脂組成物及び塗料の貯蔵安定性が不十分となる傾向がある。
【0039】
本発明における共重合体(A)成分と共重合体分散粒子(B)成分の配合割合(固形分換算)は、共重合体(A)成分と共重合体分散粒子(B)成分の総量を100重量部として、共重合体(A)成分の配合量が30〜70重量部、共重合体分散粒子(B)成分の配合量が30〜70重量部となることが好ましく、共重合体(A)成分の配合量が40〜55重量部、共重合体分散粒子(B)成分の配合量が45〜60重量部となることがより好ましい。共重合体分散粒子(B)成分の配合量が30重量部未満では、乾燥性、再塗装性に劣る傾向があり、70重量部を超える共重合体分散粒子(B)成分の分散安定性に劣り、合成中或いは貯蔵中に粒子が凝集、沈降する傾向となる。また、分散性を向上させる目的で、共重合体(A)成分と共重合体分散粒子(B)成分をグラフト化してもよい。
【0040】
共重合体分散粒子(B)成分の平均粒子径(例えば、コールター社製N4型サブミクロン粒子分析装置により、温度20℃、INTENSITYモードで測定して得られる値、以下同じ)は、約100〜2000nmであることが好ましく、150〜1000nmであることがより好ましい。小さすぎると樹脂溶液の粘度が高くなる傾向にあり、大きすぎると、貯蔵中に粒子が膨潤又は凝集し安定性に劣る傾向となる。この平均粒子径は、有機溶媒、共重合体(A)の分子量、共重合体(A)成分と共重合体分散粒子(B)成分の配合比率及び溶解性パラメータ(SP値)を選択することにより調整される。
【0041】
また、本発明において、共重合体分散粒子(B)を共重合により得る方法としては、通常のラジカル重合方法を利用することができ、特にその方法が制限されるものではない。
【0042】
前記ラジカル重合法において、重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物、アゾビス系化合物等を使用することができる。有機過酸化物としては、例えば、イソブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジシクロベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、ジイソブチルパーオキシジカーボネート、2−ジエチルヘキシルパーオキシジカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等が挙げられ、アゾ系化合物としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾジイソブチレート、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、(1−フェニルエチル)アゾジフェニルメタン、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート、1,1′−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニル)、2,2′−アゾビス(2,2,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルプロパン)等が挙げられる。
これらの重合開始剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0043】
重合に際して、前記各重合性単量体は、予め混合物とした上で反応系に添加してもよいし、別々に反応系に添加してもよく、また、この混合物を分割して反応系に添加してもよい。
【0044】
重合開始剤の使用量は、共重合体分散粒子(B)の目的とする重合率により決められるものであるが、通常、共重合体分散粒子(B)の重合に使用される不飽和二重結合を有する重合性単量体の総量に対し、0.1〜10重量%とすることが好ましい。
【0045】
また、必要に応じて、連鎖移動剤を用いて粒子径調整をしてもよい。連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0046】
また、本発明における共重合体(D)の重合に使用される不飽和二重結合を有する重合性単量体としては、メタクリル酸t−ブチルを必須成分とすることが好ましい。メタクリル酸t−ブチルの使用量は不飽和二重結合を含む重合性単量体配合物中10〜50重量%とすることが好ましく、15〜45重量%とすることがより好ましい。メタクリル酸t−ブチルが10重量%未満では得られる塗膜の仕上がり外観、再塗装性が不十分となる傾向にあり、50重量%を超えると得られる塗膜の乾燥性が低下する傾向にある。メタクリル酸t−ブチルを必須成分とする以外は特に制限されるものではないが、炭素−炭素二重結合を有するのが好ましく、ヒドロキシル基及びカルボキシル基のいずれをも有さず、不飽和二重結合を有する重合性単量体(d1)、ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(d2)、カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(d3)等が用いられる。
【0047】
ヒドロキシル基及びカルボキシル基のいずれをも有さず、不飽和二重結合を有する重合性単量体(d1)としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のアクリル酸アルキルエステル;アクリル酸シクロヘキシル等のシクロアルキル基の炭素数が3〜20のアクリル酸シクロアルキルエステル;アクリル酸トリシクロデシル、アクリル酸トリシクロデシロキシエチル、アクリル酸トリシクロデシロキシプロピル等のトリシクロアルキル基の炭素数が5〜20のアクリル酸トリシクロアルキルエステル又はアクリル酸トリシクロアルキルオキシアルキルエステル:メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸シクロヘキシル等のシクロアルキル基の炭素数が3〜20のメタクリル酸シクロアルキルエステル;メタクリル酸トリシクロデシル、メタクリル酸トリシクロデシロキシエチル、メタクリル酸トリシクロデシロキシプロピル等のトリシクロアルキル基の炭素数が5〜20のメタクリル酸トリシクロアルキルエステル又はアクリル酸トリシクロアルキルオキシアルキルエステル;メタクリル酸アミノメチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル等のアルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸アミノアルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン等のスチレン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のビニル誘導体;マレイン酸ジメチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル等の不飽和二塩基酸のジアルキルエステル、ヒンダートアミノ基を有するアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル、ベンゾトリアゾール基を有するアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。前記成分は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。前記重合性単量体の中では、重合時の分散安定性、塗膜の仕上がり外観、作業性等の特性の点から、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルから選ばれる少なくとも1種類以上の重合性単量体を使用することが好ましい。これらの重合性単量体の使用量は不飽和二重結合を含む重合性単量体配合物中60〜100重量%とすることが好ましく、70〜100重量%とすることがより好ましく、70〜98.9重量%とすることが更に好ましく、75〜95重量%であることが更に好ましい。
【0048】
また本発明における(D)成分の重合に使用されるヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(d2)としては、例えば、アクリル酸ヒドロキシアルキル、メタクリル酸ヒドロキシアルキル、それらのラクトン変性物等が挙げられる。アクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、例えばアルキル基の炭素数が1〜6のアクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。メタクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、例えばアルキル基の炭素数が1〜6のメタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。また、前記アクリル酸ヒドロキシアルキル及びメタクリル酸ヒドロキシアルキルのラクトン変性物の具体例としては、ラクトン変性アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ラクトン変性メタクリル酸2―ヒドロキシエチル等が挙げられる。ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体の不飽和二重結合を含む重合性単量体混合物中の配合割合は0〜40重量%であることが好ましく、1〜40重量%であることがより好ましく、5〜35重量%であることが更に好ましい。
【0049】
また本発明における(D)成分の重合に使用されるカルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(d3)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。カルボキシル基は酸無水物基として存在してもよく、無水マレイン酸等も使用可能である。前記成分は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体の不飽和二重結合を含む重合性単量体混合物中の配合割合は0〜5重量%であることが好ましく、0.1〜5重量%であることがより好ましく、0.5〜3重量%であることが更に好ましい。これらの不飽和二重結合を有する単量体は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。
【0050】
本発明の塗料用樹脂組成物において、(D)成分の水酸基価は3〜150mgKOH/gであることが好ましく、より好ましくは30〜150mgKOH/gである。水酸基価が3mgKOH/g未満では、得られる塗膜の耐久性、仕上がり外観、再塗装性が不十分となる傾向にあり、150mgKOH/gを超えると得られる塗膜の乾燥性が低下する傾向がある。また、(D)成分の酸価は1〜20mgKOH/gであることが好ましい。1mgKOH/g未満では得られる塗膜の乾燥性、再塗装性が低下する傾向にあり、20mgKOH/gを超えると塗料用樹脂組成物のポットライフ低下と得られる塗膜の仕上がり外観が低下する傾向がある。また、(D)成分のガラス転移温度は、50〜80℃であることが好ましい。
【0051】
また、本発明において、(D)成分を重合させる方法としては、通常のラジカル重合方法を利用することができ、特にその方法が制限されるものではない。
好ましくは重合開始剤の存在下で行われる。好ましい反応温度は50℃〜200℃であり、特に好ましい反応温度は70〜150℃である。反応時間は3時間〜12時間とすることが好ましい。
【0052】
前記ラジカル重合法において、重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物、アゾビス系化合物等を使用することができる。有機過酸化物としては、例えば、イソブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジシクロベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、ジイソブチルパーオキシジカーボネート、2−ジエチルヘキシルパーオキシジカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等が挙げられ、アゾ系化合物としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾジイソブチレート、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、(1−フェニルエチル)アゾジフェニルメタン、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレート、1,1′−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニル)、2,2′−アゾビス(2,2,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルプロパン)等が挙げられる。
これらの重合開始剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
重合に際して、前記各重合性単量体は、予め混合物とした上で反応系に添加してもよいし、別々に反応系に添加してもよく、また、この混合物を分割して反応系に添加してもよい。
【0053】
重合開始剤の使用量は、共重合体(D)成分の目的とする分子量により決められるものであるが、通常、(D)成分の重合に使用される不飽和二重結合を有する重合性単量体の総量に対し、0.05〜5重量%とすることが好ましい。
また、必要に応じて、連鎖移動剤を用いて粒子径調整をしてもよい。連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0054】
本発明に使用する(E)成分のポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のイソシアネート化合物ならびにこれらのアダクト体、ビューレット体及びイソシアヌレート体が挙げられる。ポリイソシアネートの中では、耐候性の点からヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体が好ましい。
なお、ポリイソシアネートは少なくとも1種類使用し、2種類以上使用してもよい。
(E)成分の配合量は、(D)成分の水酸基に対する(E)成分のイソシアネート基のモル比(OH/NCO)が0.8〜1.2となるようにすることが好ましい。
【0055】
本発明におけるベースコート層に使用する塗料用樹脂組成物は、メタリック粉末及び/又は着色顔料を配合して1液型ベースコート用塗料とすることができる。メタリック粉末としては、例えば、アルミニウム粉末、銅粉末、雲母粉末等が挙げられ、着色顔料としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック等の無機顔料や、フタロシアニンブルー、トルイジンレッド、ベンジジンイエローなどの有機顔料が挙げられる。また、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料を加えることもできる。また前記顔料を加えずに、クリヤー塗料とすることも可能である。これらの顔料は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0056】
本発明におけるベースコート層に使用する塗料用樹脂組成物の塗料化方法としては、例えば、ロール、サンドミル、ディスパーザー等の公知の方法を使用することができる。また、非水分散系の樹脂で塗料化する際に、高せん断力がかかり、樹脂が凝集化を起こすことがあるので本発明により得られる塗料用樹脂組成物に相溶性の良好な種ペンを用い、塗料を作製することもできる。更に、塗料としての性能向上のため、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じてアクリル系重合体、ポリエステル系重合体、ウレタン重合体、架橋重合粒子等の重合体、セルロース等を含有するものであってもよい。セルロースとしては、例えば、セルロースブチレートアセテート(CAB)、ニトロセルロース(NC)等が挙げられる。セルロース等を含有させる方法としては、例えば、通常の顔料分散方法を利用することができる。
【0057】
また、本発明の塗料用樹脂組成物及び1液型ベースコート用塗料は、必要に応じて各種添加剤、例えば、可塑剤、塗膜強化用樹脂、分散剤、顔料沈降防止剤、塗面調整剤、レオロジーコントロール剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤等を塗料化の際又は塗料化後に添加することも可能である。
【0058】
本発明におけるクリヤーコート層に使用する塗料用樹脂組成物は、ポリイソシアネートと組み合わせて2液型のクリヤー塗料とすることができる。また着色顔料を配合して2液型の着色クリヤー塗料とすることができる。着色顔料としては、例えば、フタロシアニンブルー、トルイジンレッド、ベンジジンイエローなどの有機顔料が挙げられる。これらの顔料は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0059】
本発明におけるクリヤーコート層に使用する塗料用樹脂組成物の塗料化方法としては、例えば、ロール、サンドミル、ディスパーザー等の公知の方法を使用することができる。更に、塗料としての性能向上のため、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じてアクリル系重合体、ポリエステル系重合体、ウレタン重合体、架橋重合粒子等の重合体、セルロース、塗面調整剤、レオロジーコントロール剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤等を含有するものであってもよい。セルロースとしては、例えば、セルロースブチレートアセテート(CAB)、ニトロセルロース(NC)等が挙げられる。セルロース等を含有させる方法としては、例えば、通常の分散混合方法を利用することができる。
【0060】
本発明の多層塗膜形成方法は、ベースコート、クリヤーコートの順に2コート塗装後に、乾燥炉で塗膜乾燥を行う「2コート1ベーク仕上げ」、ベースコートとクリヤーコートそれぞれを乾燥炉で塗膜乾燥を行う「2コート2ベーク仕上げ」、ベースコート、パールコート、クリヤーコートの順に3コート塗装後に、乾燥炉で塗膜乾燥を行う「3コート1ベーク仕上げ」とすることができる。
【0061】
本発明のベースコート層及びクリヤーコート層に使用する塗料用樹脂組成物は、通常の塗装方法に従い、各種基材や物品の表面等の塗装に供することができる。塗装に際しては、例えば、エアスプレー機、エアレススプレー機、静電塗装機、浸漬、ロール塗装機、ハケ等を用いることができる。機材としては、例えば、金属、プラスチック等が挙げられる。本発明の塗料用非水分散型樹脂組成物は、通常の塗装方法に従い、各種基材や物品の表面等の塗装に供することができる。塗装に際しては、例えば、エアスプレー機、エアレススプレー機、静電塗装機、浸漬、ロール塗装機、ハケ等を用いることができる。機材としては、例えば、金属、プラスチック等が挙げられる。
【0062】
本発明の塗料用樹脂組成物、1液型ベースコート用塗料、クリヤーコート用の塗料用組成物は、基材に塗布後、常温〜200℃で1〜60分間加熱乾燥することが好ましい。加熱することで乾燥時間を短縮することができる。加熱乾燥条件は、基材の変形温度等を考慮して適宜選択される。
【0063】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、部及び%は、それぞれ重量部及び重量%を示す。
【0064】
製造例 1〜3 有機溶媒に可溶な共重合体(A)成分溶液の製造
冷却器、温度計、滴下ロート、窒素ガス吹き込み管及び撹拌機を備えた四つ口フラスコに「ソルベッソ100」(エクソン社製芳香族炭化水素混合物)40重量部を仕込み、110℃に加熱した。その後、表1に示される混合液と2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.4重量部を均一混合した混合物を調製し、同温度で保温しながら2時間で滴下し、その後同温度で1時間保温した。さらに、「ソルベッソ100」15重量部にt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.4重量部を均一に混合し、その後同温度で保温しながら前記四つ口フラスコに30分かけて滴下し、その後同温度で1時間保温した。そして、前記四つ口フラスコを室温まで冷却し、反応物の加熱残分が50重量%になるようにミネラルターペンを添加し、樹脂組成物(A−1)〜(A−3)を得た。
【0065】
【表1】
Figure 0004238524
Tgは各成分の単独重合体Tgから計算により求めた理論Tgである。
【0066】
製造例4〜10 非水分散型重合体(C)成分溶液の製造
製造例1〜3で用いた合成装置を用い、表2に示す配合にて製造例1〜3で得られた樹脂組成物(A−1)〜(A−3)とミネラルターペンを仕込み、110℃に昇温し、表2に示す混合液を2時間かけて滴下した。続いて、ミネラルターペン20重量部、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.5重量部の混合液を30分かけて滴下し、さらに、3時間保温した。その後冷却し、加熱残分が50%になるようにミネラルターペンを添加し、非水分散型重合体(C−1)〜(C−7)を得た。
【0067】
【表2】
Figure 0004238524
酸価、水酸基価は各成分の配合から求めた計算値である。
【0068】
製造例1〜10を用いた1液型ベースコート用塗料の作製
上記製造例1〜10で得られた非水分散型重合体(C−1)〜(C−7)を用い、表4に示される配合割合で他の成分を配合し、常法に従って各成分を混合、分散させ、ベースコート用塗料を得た。酢酸ブチルを用いて、フォードカップ#4で11〜14秒/20℃になるように希釈してベースコート用塗料とした。
【0069】
製造例11〜14 (D)成分溶液の製造
【表3】
Figure 0004238524
冷却器、温度計、滴下ロート、窒素ガス吹き込み管及び撹拌機を備えた四つ口フラスコにキシレン60重量部を仕込み、135℃に加熱した。その後、表3に示す混合液とt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートを均一混合した混合物を調製し、同温度で保温しながら2時間で滴下し、その後同温度で2時間保温した。そして、前記四つ口フラスコを室温まで冷却し、反応物の加熱残分が50重量%になるようにキシレンを添加し、樹脂組成物(D−1)〜(D−4)を得た。
【0070】
製造例11〜14の樹脂組成物を用いたクリヤーコート用塗料の作製
上記製造例11〜14で得られた樹脂組成物(D−1)〜(D−4)を用い、表5に示される配合割合で他の成分を配合し、常法に従って各成分を混合させてクリヤーコート用塗料を得た。シンナー(酢酸ブチル/キシレン/酢酸エチル/トルエン=25/60/10/5の重量比で混合した溶液)でフォード・カップNo.4で13〜14秒/20℃になるように希釈してクリヤーコート用塗料とした。
【0071】
塗膜試料の作製
リン酸亜鉛化成処理を施した厚さ0.8mm鋼鈑に上記で得られたベースコート用塗料をベースコート用塗料の乾燥膜厚が5〜30μm、好ましくは、15〜20μmの範囲内になるように塗装した後、室温で2〜5分間放置してから、上記で得られたクリヤーコート用塗料をクリヤーコート用塗料の乾燥膜厚が20〜60μm、好ましくは、30〜40μmの範囲内になるようにウェットオンウェットで塗装し、その後、室温で5〜10分放置した後、60℃で20〜40分焼付を行った。つまり、ベースコート用塗料とクリヤーコート用塗料を2コート1ベーク(2C−1B)方式で塗膜を作製した。また、再塗装する場合は、上記の方法で作製した塗膜を室温で24時間放置した後、クリヤーコートを傾斜して研磨し、ベースコートとクリヤーコートの境界ができるようにした後、その上にベースコート用塗料とクリヤーコート用塗料を上記の方法と同様に2コート1ベーク(2C−1B)方式で再塗装を行い、塗膜を作製した。そして、得られた塗膜板の性能を評価した。
【0072】
(評価)
得られた塗膜板について、下記方法に従い、得られた塗料用樹脂組成物及び塗料の乾燥性、仕上がり外観、密着性(初期密着及び温水処理後の密着性)、再塗装性、耐ガソリン性、耐候性、アセトン不溶成分量の評価結果を表6に示した。
【0073】
【表4】
Figure 0004238524
塗料配合は固形分換算値で記載
1)旭化成(株)製、商品名MH6601、65重量%品
2)楠本化成(株)製、商品名ディスパロン6900−20X、20重量%品
【0074】
【表5】
Figure 0004238524
塗料配合は固形分換算値で記載
3)旭化成(株)製、商品名(デュラネートTPA100)ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型
4)ビックケミー・ジャパン(株)製、商品名(BYK355)、有効成分52重量%品
【0075】
【表6】
Figure 0004238524
【0076】
(乾燥性)
得られたベースコート用塗料を塗装した後、指触により下記基準で評価した。
塗装した後、2分放置でベタツキがない:◎(乾燥性が非常に良好)
塗装した後、3分放置でベタツキがない:○(乾燥性が良好)
塗装した後、4分放置でベタツキがない:△(乾燥性がやや劣る)
塗装した後、5分放置でベタツキがない:×(乾燥性が著しく劣る)
【0077】
(仕上がり外観)
得られた塗膜試験片を目視により下記基準で評価した。
アルミニウム顔料の配向にムラが全く認められない :○ 良好
アルミニウム顔料の配向に少しムラが認められる :△ やや不良
アルミニウム顔料の配向にムラが顕著に認められる :× 不良
【0078】
(密着性(初期密着性))
JIS K−5400のゴバン目試験方法に従った。塗膜上にナイフで1mm間隔で縦横各10本の線を引いて100個のゴバン目を作製し、その上にセロハンテープを接着させ、テープを剥がし、塗膜上に残存するゴバン目の数を測定し、下記基準で評価した。
100/100 :○密着性が良好
51〜99/100 :△密着性がやや劣る
50/100以下 :×密着性が著しく劣る
【0079】
(耐水性(温水処理後の密着性))
得られた塗膜試験片を40℃の温水に240時間浸漬させた後、前記初期密着性の評価方法に従って密着性を評価した。
100/100 :○密着性が良好
51〜99/100 :△密着性がやや劣る
50/100以下 :×密着性が著しく劣る
【0080】
(耐ガソリン性)
得られた塗膜試験片を日石レギュラーガソリン/エタノール=90/10の重量比で混合した溶液に浸漬して塗膜のハガレの有無を下記基準で評価した。
30分以上ハガレなし :○ 耐ガソリン性が良好
15〜29分でハガレあり :△耐ガソリン性がやや劣る
10分以内でハガレあり :×耐ガソリン性が劣る
【0081】
(再塗装性)
クリヤー塗装後24時間後に、ベースが露出するまでクリヤー塗膜を研磨し、その上にベースコートを再塗装し、得られた塗膜試験片を下記基準で評価した。
リフティングなし :○(再塗装性が良好)
わずかにリフティング発生:△(再塗装性がやや劣る)
著しいリフティング発生 :×(再塗装性が劣る)
【0082】
(耐候性)
得られた塗膜試験片をサンシャインウエーザーメーター(スガ試験機(株)製、S−80型)で1500時間照射試験を行い、その後の塗膜状態を下記基準で評価した。
塗膜にクラックなし、変色なし :○(耐候性が良好)
塗膜にクラックなし、変色あり :△(耐候性がやや劣る)
塗膜にクラックあり、変色あり :△(耐候性が劣る)
【0083】
(アセトン不溶成分量)
得られた非水分散型重合体を2g採取し、アセトン20gで希釈したのち、遠心分離器を使用し15,000rpmで1時間遠心分離をおこない、沈降分離したアセトン不溶成分を採取し、非水分散型重合体(固形分)中のアセトン不溶成分量を求めた。
【0084】
【発明の効果】
本発明の塗料用樹脂組成物は、経済性、作業性、仕上がり外観に優れ、1液型ベースコート用塗料及び2液型クリヤーコート用塗料に好適である。
本発明の塗料用樹脂組成物は、密着性、耐水性、再塗装性、耐候性に優れ、1液型ベースコート用塗料及び2液型クリヤーコート用塗料に好適である。
本発明の多層塗膜は、密着性、耐水性、再塗装性、耐候性に優れ、さらにメタルムラを起こさず、仕上がり外観にも優れ、自動車補修や金属・プラスチック部品用の塗膜として好適である。

Claims (4)

  1. (A)任意の不飽和二重結合を有する重合性単量体を共重合させてなる有機溶媒に可溶な共重合体を分散安定剤として用い、該分散安定剤の存在下に有機溶媒中で(B)1分子中に2個以上の重合性二重結合を有する重合性単量体を0.1〜15重量%含有する任意の不飽和二重結合を有する重合性単量体を共重合させてなる有機溶媒に不溶な共重合体分散粒子を含有する非水分散型重合体(C)からなり、(B)成分の配合割合が(A)成分及び(B)成分中の合計固形分重量の30〜70重量%であり、かつ有機溶媒が芳香族系溶媒、脂肪族系溶媒及びこれらの混合溶媒から選ばれる少なくとも1種以上の有機溶媒である塗料用樹脂組成物に、メタリック粉末及び/又は着色顔料を配合してなる1液型ベースコート用塗料から得られたベースコート層と、
    メタクリル酸t−ブチルを含有する不飽和二重結合を有する重合性単量体を共重合させて得られる共重合体(D)及び、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートから選ばれるイソシアネート化合物のアダクト体、ビューレット体及びイソシアヌレート体から選ばれる少なくとも一種以上のポリイソシアネート(E)を含有する塗料用樹脂組成物から得られたクリヤーコート層とを積層した多層塗膜
  2. (A)成分の有機溶媒に可溶な共重合体が重量平均分子量が10,000〜200,000、ガラス転移温度が0〜100℃の共重合体である請求項1記載の多層塗膜
  3. (C)成分の水酸基価が1〜150mgKOH/g、酸価が1〜60mgKOH/gである請求項1又は2記載の多層塗膜
  4. (D)成分のガラス転移温度が50〜80℃、水酸基価が3〜150mgKOH/g、酸価が1〜20mgKOH/gである請求項1〜3何れかに記載の多層塗膜。
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