近年、CD−Rなどの光ディスク700(図14)に対する記録動作スピードのさらなる高速化が要望されている。しかしながら、CD−Rなどの光ディスク700に対し、記録の動作スピードがより高速化された場合、今までの設計のFPC505を備えるピックアップ501において、LDD510や、PDIC570や、FMD580などに入出力されるアナログ信号またはデジタル信号などの各信号により、LDD510が取り付けられた一層のFPC505のLDD510取付部周辺や、CD用のLD520などからノイズが発生することが懸念されていた。アナログ(analog)とは、物質やシステムなどの状態を連続的に変化する物理量により表現することを意味する。また、デジタル(digital )とは、物質やシステムなどの状態を離散的な数字や文字などの信号により表現することを意味する。
前記ノイズが発生した場合、CD用のLD520や、LDD510の周辺部や、PDIC570や、FMD580など各信号のクロストークなどにより、一層のFPC505に流されるアナログ微弱信号にノイズが回り込み、このことから、ピックアップ501が正常に動作されないという不具合の発生が心配されていた。クロストーク(crosstalk )とは、線の送信端で発生する混信のレベルを意味する。
デジタル信号もしくはアナログ信号などに起因されるノイズが、一層のFPC505を通るアナログ微弱信号に回り込むことを防止するために、例えば二層の導体802,803(図15)を備えるFPC801が用いられていた。この二層の導体を備えるFPCは、一方の面側の導体802と、他方の面側の導体803とを備えるものとされ、一方の面側の層と、他方の面側の層とが一体化されたものとされている。
ノイズ対策が行われた二層の導体802,803を備えるFPC801について詳しく説明すると、二層の導体802,803を備えるFPC801のうち、片方の層を構成するFPC801のGND803を強化させることで、デジタル信号またはアナログ信号が、アナログ微弱信号に回り込むということは、回避される。例えば図14に示す一層のFPC505に代えて、図15に示す二層の導体802,803を備えたFPC801をピックアップ(501)(図14)に用いることで、ピックアップ(501)のS/Nを向上させていた。GNDとは、「Ground」の略称とされ、接地を意味するものとされる。
しかしながら、上記従来の一体化された二層の導体802,803(図15)を備えるFPC801がピックアップ(501)(図14)に用いられた場合、そのようなピックアップ(501)は、一層のFPC505が用いられたものに比べてコストが上昇するということが懸念されていた。二層の導体802,803(図15)を備えるFPCとして構成されたフレキシブル回路体801は、高価なものとされていた。一層のFPCとして構成されたフレキシブル回路体505(図14)と、前記二層の導体802,803(図15)を備えるFPCとして構成されたフレキシブル回路体801とを比べた場合、約二倍の値段の差が生じるものとされていた。一体化された二層の導体802,803を備えるフレキシブル回路体801がピックアップ(501)(図14)に設けられると、ピックアップ(501)の製品単価が上昇することが懸念されていた。このようなことから、S/Nが向上されたフレキシブル回路体を備え、しかもコストの上昇が抑えられたピックアップが要求されていた。
本発明は、上記した点に鑑み、電気信号のS/Nが改善され且つコストダウンが図られたフレキシブル回路体を備えるピックアップならびにノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップは、定数回路を構成する電気/電子部品が取り付けられるメイン回路部と、該メイン回路部に続くサブ回路部と、を有するフレキシブル回路体と、該フレキシブル回路体が取り付けられるハウジングと、を備えたノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップであって、前記メイン回路部は、一層とされると共にグランド部を備えるものとされ、且つ、前記サブ回路部は、一層とされると共にグランド部を備えるものとされ、該メイン回路部に対し該サブ回路部が折り返されて、該メイン回路部と、該サブ回路部とが重ね合わせられて、各電気/電子部品の間に該グランド部が挟み込まれた状態で、前記フレキシブル回路体は、前記ハウジングに取り付けられたことを特徴とする。
上記構成により、一層のフレキシブル回路体とされながら、一体化された二層の導体を備えるフレキシブル回路体と略同等のGND強化が行われたフレキシブル回路体が構成される。「GND」とは、接地を意味するものとされ、「Ground」の略称とされている。GND強化が行われたフレキシブル回路体が構成されるから、フレキシブル回路体を通る電気信号のS/Nは、改善される。S/Nとは、信号(Signal)と、ノイズ(Noise )との比率を意味し、単位はdB(デシベル)とされる。ノイズ(noise )とは、電気信号の乱れや雑音などを意味する。また、フレキシブル回路体におけるデジタル信号と、アナログ信号とのアイソレーションが実現される。デジタル(digital )とは、物質やシステムなどの状態を離散的な数字や文字などの信号により表現することを意味する。これに対し、アナログ(analog)とは、物質やシステムなどの状態を連続的に変化する物理量により表現することを意味する。また、アイソレーション(isolation )とは、二つの通信ポイント間に電流が流されることを防止することを意味する。また、一体化された二層の導体を備えるフレキシブル回路体が用いられることなく、一層のフレキシブル回路体が用いられているから、フレキシブル回路体のコスト上昇は、抑えられる。従って、電気信号のS/Nが改善され且つコストダウンが図られたノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップの提供が可能となる。
請求項2に係るノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップは、請求項1記載のノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップにおいて、前記電気/電子部品が取り付けられる部品装着部が前記メイン回路部に設けられ、該部品装着部は、前記サブ回路部の前記グランド部と重ね合わせられた状態で折り返されたことを特徴とする。
上記構成により、一層のフレキシブル回路体が用いられていても、一層のフレキシブル回路体は、一体化された二層の導体を備えるフレキシブル回路体と略同等のGND性能を発揮するものとなる。電気/電子部品が取り付けられたメイン回路部の部品装着部は、サブ回路部のグランド部と重ね合わせられた状態で折り返されるので、電気/電子部品の周辺に流されるアナログ信号のS/Nは、改善される。また、サブ回路部のグランド部と重ね合わせられた状態で、電気/電子部品が取り付けられたメイン回路部の部品装着部が折り返されるので、電気/電子部品に対する輻射対策が行われる。従って、フレキシブル回路体にノイズが生じ、例えばノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップに誤動作が生じるということは、回避され易くなる。
請求項3に係るノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップは、請求項1又は2記載のノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップにおいて、前記電気/電子部品が取り付けられる部品装着部が前記メイン回路部に設けられ、該部品装着部は、第一電気/電子部品が設けられる第一部品装着部を備え、該第一部品装着部に対応して、前記サブ回路部の前記グランド部に第一平面部が設けられ、且つ、該部品装着部は、第二電気/電子部品が設けられる第二部品装着部を備え、該第二部品装着部に対応して、該サブ回路部の該グランド部に第二平面部が設けられ、該第一平面部と、該第二平面部とが重ね合わせられ
た状態で、該第二部品装着部に対し、該第一部品装着部が折り返されたことを特徴とする。
上記構成により、第二電気/電子部品の周辺に流されるアナログ信号のS/Nは、改善される。第一電気/電子部品と、第二電気/電子部品との間に挟み込まれたサブ回路部のグランド部により、シールド効果が発揮され、第二部品装着部の周辺に流されるアナログ信号のS/Nは、改善される。サブ回路部のグランド部を構成する第一平面部と、第二平面部とが重ね合わせられることにより、第一電気/電子部品や、第二電気/電子部品に対する輻射対策が行われる。これにより、一層のフレキシブル回路体が用いられても、一体化された二層の導体を備えるフレキシブル回路体のS/N特性と略同じ特性が、一層のフレキシブル回路体に発揮される。従って、フレキシブル回路体にノイズが生じ、例えばノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップに誤動作が生じるということは、回避される。
請求項4に係るノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップは、請求項3記載のノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップにおいて、前記部品装着部は、第三電気/電子部品が設けられる第三部品装着部を備え、該第三部品装着部に対応して、前記サブ回路部の前記グランド部に第三平面部が設けられ、前記第一部品装着部に取り付けられた前記第一電気/電子部品と、該第三平面部とが重ね合わせられた状態で、該第三部品装着部に対し、前記第二部品装着部が折り返されたことを特徴とする。
上記構成により、第一電気/電子部品や、第三電気/電子部品の周辺に流されるアナログ信号のS/Nは、改善される。第一電気/電子部品と、第三電気/電子部品との間に挟み込まれたサブ回路部のグランド部により、シールド効果が発揮される。サブ回路部のグランド部を構成する第三平面部により、第一電気/電子部品や、第三電気/電子部品に対する輻射対策が行われる。これにより、一層のフレキシブル回路体が用いられても、一体化された二層の導体を備えるフレキシブル回路体のS/N特性と略同じ特性が、一層のフレキシブル回路体に発揮される。従って、フレキシブル回路体にノイズが生じ、例えばノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップに誤動作が生じるということは、回避される。また、これにより、ノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップの小型化が図られる。
請求項5に係るノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップは、請求項1〜4の何れか1項に記載のノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップにおいて、前記メイン回路部は、信号が通されるシグナル送信部よりも幅広なグランド部を備え、且つ、前記サブ回路部は、該メイン回路部の該グランド部に対して通電可能とされる幅広なグランド部を備えることを特徴とする。
上記構成により、例えばノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップのレーザダイオードに流される大電流が、アナログの電気/電子部品に回り込むということは、回避される。従って、ノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップにおける電気信号のS/Nは、改善される。また、例えばノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップのレーザダイオードに流される大電流が、アナログの電気/電子部品に回り込まないものとさせたことにより、アナログの電気/電子部品に、例えば大電流により動作不良が生じるということは、回避される。
請求項6に係るノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップは、請求項1〜5の何れか1項に記載のノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップにおいて、前記サブ回路部は、第一サブ回路部と、該第一サブ回路部に通電可能に接続される第二サブ回路部とを備え、該第一サブ回路部と、該第二サブ回路部とは、別体とされて、該第一サブ回路部
は、第一サブ回路部材とされ、且つ、該第二サブ回路部は、第二サブ回路部材とされ、前記メイン回路部は、該第一サブ回路部材と一体とされたメイン回路部材とされ、該メイン回路部材と、該第一サブ回路部材とが一体とされて、該第一サブ回路部材のグランド部は、該メイン回路部材のグランド部に続くものとされ、該第一サブ回路部材のグランド部と、該第二サブ回路部材のグランド部とは、半田付けが行われることで通電可能に接続されたことを特徴とする。
上記構成により、価格の低減化が図られたフレキシブル回路体を備えるノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップが構成される。例えばフレキシブル回路体の形状により、定尺シートから打ち抜かれるフレキシブル回路体の歩留りが悪いものとされていても、フレキシブル回路体を、第一サブ回路部材を備えたメイン回路部材と、第二サブ回路部材との複数の部材に分けて、定尺シートから打ち抜くことで、第一サブ回路部材を備えたメイン回路部材と、第二サブ回路部材とは、効率よく形成される。フレキシブル回路体の打抜き加工が行われた定尺シートに、無駄とされる打抜き残部が多く残される場合、そのようなシート打抜き工程においては、多くの定尺シートが必要とされる。しかしながら、定尺シートの無駄な部分を減らすために、フレキシブル回路体を、第一サブ回路部材を備えたメイン回路部材と、第二サブ回路部材との複数の部材に分けて、定尺シートから打ち抜くことで、定尺シートの打抜き残部は減少する。従って、定尺シートの歩留りは、向上する。メイン回路部材に続く第一サブ回路部材と、第二サブ回路部材とは、半田付けにより、容易かつ迅速に通電可能に接続される。このようにすることで、コストダウンが図られたフレキシブル回路体を備えるノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップの提供が可能となる。
請求項7に係るノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップは、請求項1〜6の何れか1項に記載のノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップにおいて、前記電気/電子部品に対応した補強板が、前記メイン回路部に設けられ、該補強板に基づいて、該電気/電子部品が取り付けられる部品装着部が、該メイン回路部に区画形成され、該補強板は、該部品装着部に該電気/電子部品が取り付けられるときの下敷として用いられたことを特徴とする。
上記構成により、電気/電子部品は、フレキシブル回路体を構成するメイン回路部の部品装着部に、容易に取り付けられる。補強板は、メイン回路部の部品装着部に電気/電子部品が取り付けられるときの下敷として用いられるので、電気/電子部品は、効率よく正確にメイン回路部の部品装着部に取り付けられる。また、補強板に基づいて、電気/電子部品が取り付けられる部品装着部が、メイン回路部に区画形成されるので、フレキシブル回路体を構成するメイン回路部の折曲げ作業は、容易に行われる。メイン回路部に補強板が設けられたことにより、フレキシブル回路体が折り曲げられるときに、フレキシブル回路体は、節度よく容易に折曲げ可能なものとなる。補強板がフレキシブル回路体のメイン回路部に設けられていれば、補強板が設けられた部分は、こしの強いものとなる。フレキシブル回路体のメイン回路部に補強板が設けられることにより、フレキシブル回路体のメイン回路部は、こしの強い部分と、可撓性に優れる部分とに分けられる。これにより、フレキシブル回路体の折返しの作業は、容易に行われる。フレキシブル回路体を構成するメイン回路部の部品装着部に、電気/電子部品が精度よく効率的に取り付けられ、また、フレキシブル回路体の折曲げ作業は、容易に行われることにより、フレキシブル回路体の生産効率およびフレキシブル回路体の組立加工効率は向上する。これにより、フレキシブル回路体の価格は、低いものとして抑えられる。従って、価格が抑えられたノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップの提供が可能となる。
請求項8に係るノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップは、請求項1〜7の何れか1項に記載のノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップにおいて、前記メイン
回路部に対し前記サブ回路部が折り返されて、該メイン回路部と、該サブ回路部とが重ね合わせられるときに、該メイン回路部に該サブ回路部を添着可能な粘着テープが用いられて、該メイン回路部と、該サブ回路部とが貼り合わせられたことを特徴とする。
上記構成により、フレキシブル回路体に折返し曲げ加工が行われるときに、フレキシブル回路体のメイン回路部に対するサブ回路部の折返し作業は、容易に行われる。フレキシブル回路体は、一般に可撓性に優れるものとされている。例えば、略平面状のフレキシブル回路体が曲げられようとされたときに、フレキシブル回路体自身から生じる復元弾性力により、フレキシブル回路体は、元通りの形状に戻されようとする。このことから、折返し作業などの曲げ加工が行われたフレキシブル回路体を、曲げ加工が行われた状態に精度よく維持するということは、困難なこととされていた。しかしながら、フレキシブル回路体のメイン回路部に対し、フレキシブル回路体のサブ回路部が折り返されて、メイン回路部と、サブ回路部とが重ね合わせられるときに、メイン回路部にサブ回路部を添着可能な粘着テープが用いられて、フレキシブル回路体のメイン回路部と、フレキシブル回路体のサブ回路部とが貼り合わせられたものとされていれば、フレキシブル回路体のメイン回路部に対し、フレキシブル回路体のサブ回路部は、折り返された状態に精度よく維持される。これにより、ノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップの製造工程における生産効率は向上する。ノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップの製造工程における生産効率が向上することにより、安価なノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップが提供される。
請求項9に係るノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップは、請求項1〜8の何れか1項に記載のノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップにおいて、前記メイン回路部に対し前記サブ回路部が折り返されて、該メイン回路部と、該サブ回路部とが重ね合わせられたときに、該メイン回路部に対し、該サブ回路部が半田付けされて、該メイン回路部と、該サブ回路部とが通電可能に接続されたことを特徴とする。
上記構成により、フレキシブル回路体のメイン回路部に取り付けられた電気/電子部品がノイズの影響を受け、電気/電子部品が正常に機能しないということは、回避される。フレキシブル回路体のメイン回路部に対し、フレキシブル回路体のサブ回路部が折り返されて、メイン回路部と、サブ回路部とが重ね合わせられたときに、メイン回路部に対し、サブ回路部が半田付けされて、メイン回路部と、サブ回路部とが通電可能に接続されたものであれば、メイン回路部に備えられた電気/電子部品にノイズが回り込むということは、回避され易くなる。従って、ノイズによりメイン回路部の電気/電子部品に動作不良が生じ、ノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップが正常に機能しないということは、回避され易くなる。
請求項10に係るノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップは、請求項1〜9の何れか1項に記載のノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップにおいて、前記メイン回路部に装着される他のサブ回路部を備え、該他のサブ回路部は、該メイン回路部の回路導体を跨いで、該メイン回路部の一接続部と、該メイン回路部の他の接続部とを繋ぐバイパス用のものとされたことを特徴とする。
上記構成により、フレキシブル回路体の設計自由度が広げられる。また、フレキシブル回路体に取り付けられた電気/電子部品も正常に機能され易くなる。フレキシブル回路体を構成するメイン回路部には、回路導体が複雑に張り巡らされている。フレキシブル回路体を構成する他のサブ回路部が、メイン回路部の回路導体を跨いで、メイン回路部の一接続部と、メイン回路部の他の接続部とを繋ぐバイパス用回路とされていれば、複雑な回路導体の設計は、容易に行われる。ノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップのフレキシブル回路体の設計が容易に行われることにより、フレキシブル回路体にかけられる設
計費用が削減化され、結果としてノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップの価格低減化が図られる。また、メイン回路部に取り付けられた電気/電子部品にノイズが回り込むということも、回避され易くなる。
請求項11に係るノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップは、請求項10記載のノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップにおいて、前記メイン回路部に対し、前記他のサブ回路部が装着されるときに、半田付けが行われることで、該メイン回路部と、該他のサブ回路部とが通電可能に接続されたことを特徴とする。
上記構成により、フレキシブル回路体は、容易に構成される。フレキシブル回路体を構成するメイン回路部と、フレキシブル回路体を構成する他のサブ回路部とを通電可能に接続するために、メイン回路部に他のサブ回路部を半田付けさせることで、メイン回路部と、他のサブ回路部とを備えるフレキシブル回路体は、容易に構成される。容易にフレキシブル回路体が構成されるので、フレキシブル回路体の価格は、低いものとして抑えられる。従って、バイパス用の他のサブ回路部がメイン回路に装着されて構成されたフレキシブル回路体を備えるものとされていても、価格が抑えられたノート型パーソナルコンピュータ用ピックアップが構成される。
請求項12に係るピックアップは、定数回路を構成する第一および第三電気/電子部品と、発光素子へ電流を供給して駆動させるレーザ駆動用半導体集積回路として形成された第二電気/電子部品と、が取り付けられるメイン回路部と、該メイン回路部に続くサブ回路部と、を有するフレキシブル回路体と、該フレキシブル回路体が取り付けられるハウジングと、を備えたピックアップであって、前記メイン回路部は、一層とされると共に信号が通されるシグナル送信部よりも幅広なグランド部を備えるものとされ、且つ、前記サブ回路部は、一層とされると共に該メイン回路部の該グランド部に対して通電可能とされる幅広なグランド部を備えるものとされ、前記第一、第二、及び第三電気/電子部品が取り付けられる部品装着部が前記メイン回路部に設けられ、該部品装着部は、該第一電気/電子部品が設けられる第一部品装着部を備え、該第一部品装着部に対応して、該サブ回路部の該グランド部に第一平面部が設けられ、且つ、該部品装着部は、該第二電気/電子部品が設けられる第二部品装着部を備え、該第二部品装着部に対応して、該サブ回路部の該グランド部に第二平面部が設けられ、且つ、該部品装着部は、該第三電気/電子部品が設け
られる第三部品装着部を備え、該第三部品装着部に対応して、該サブ回路部の該グランド部に第三平面部が設けられ、該第一平面部と、該第二平面部とが重ね合わせられた状態で、該第二部品装着部に対し、該第一部品装着部が折り返されて、該第一電気/電子部品と該第二電気/電子部品との間に該グランド部が挟み込まれ、該第一部品装着部に取り付けられた該第一電気/電子部品と、該第三平面部とが重ね合わせられた状態で、該第三部品装着部に対し、前記第二部品装着部が折り返されて、該第一電気/電子部品と該第三電気/電子部品との間に該グランド部が挟み込まれて、前記フレキシブル回路体が前記ハウジングに取り付けられたことを特徴とする。
請求項13に係るピックアップは、電気/電子部品が取り付けられるメイン回路部と、該メイン回路部に続くサブ回路部と、を有するフレキシブル回路体と、該フレキシブル回路体が取り付けられるハウジングと、を備えたピックアップであって、前記電気/電子部品に対応した補強板が前記メイン回路部に設けられ、該補強板に基づいて、該電気/電子部品が取り付けられる部品装着部が該メイン回路部に区画形成され、該補強板は、該部品装着部に該電気/電子部品が取り付けられるときの下敷として用いられ、且つ、各補強板は、同じ厚さに統一され、該メイン回路部は、一層とされると共にグランド部を備えるものとされ、且つ、前記サブ回路部は、一層とされると共にグランド部を備えるものとされ、該メイン回路部に対し該サブ回路部が折り返されて、該メイン回路部と、該サブ回路部とが重ね合わせられた状態で、前記フレキシブル回路体は、前記ハウジングに取り付けられたことを特徴とする。
請求項14に係るピックアップは、請求項13記載のピックアップにおいて、前記補強
板は、粘着テープが用いられて前記フレキシブル回路体の前記メイン回路部に装着されたことを特徴とする。
請求項15に係るピックアップは、電気/電子部品が取り付けられるメイン回路部と、該メイン回路部に続くサブ回路部と、を有するフレキシブル回路体と、該フレキシブル回路体が取り付けられるハウジングと、を備えたピックアップであって、前記電気/電子部品に対応したポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂からなる補強板が前記メイン回路部に設けられ、該補強板に基づいて、該電気/電子部品が取り付けられる部品装着部が該メイン回路部に区画形成され、該補強板は、該部品装着部に該電気/電子部品が取り付けられるときの下敷として用いられ、該メイン回路部は、一層とされると共にグランド部を備えるものとされ、且つ、前記サブ回路部は、一層とされると共にグランド部を備えるものとされ、該メイン回路部に対し該サブ回路部が折り返されて、該メイン回路部と、該サブ回路部とが重ね合わせられた状態で、前記フレキシブル回路体は、前記ハウジングに取り付けられたことを特徴とする。
請求項16に係るピックアップは、請求項15記載のピックアップにおいて、鉛フリー半田が用いられて、前記メイン回路部に対し、前記サブ回路部が半田付けされて、該メイン回路部と、該サブ回路部とが通電可能に接続されたことを特徴とする。
請求項17に係るピックアップは、電気/電子部品が取り付けられるメイン回路部と、該メイン回路部に続くサブ回路部と、を有するフレキシブル回路体と、該フレキシブル回路体が取り付けられるハウジングと、を備えたピックアップであって、前記メイン回路部は、一層とされると共にグランド部を備えるものとされ、且つ、前記サブ回路部は、一層とされると共にグランド部を備えるものとされ、鉛フリー半田が用いられて、該メイン回路部に対し、該サブ回路部が半田付けされて、該メイン回路部と、該サブ回路部とが通電可能に接続され、該メイン回路部に対し該サブ回路部が折り返されて、該メイン回路部と、該サブ回路部とが重ね合わせられた状態で前記フレキシブル回路体が前記ハウジングに取り付けられたことを特徴とする。
請求項18に係るピックアップは、電気/電子部品が取り付けられるメイン回路部と、該メイン回路部に続くサブ回路部と、を有するフレキシブル回路体と、該フレキシブル回路体が取り付けられるハウジングと、を備えたピックアップであって、前記メイン回路部は、一層とされると共にグランド部を備えるものとされ、且つ、前記サブ回路部は、一層とされると共にグランド部を備えるものとされ、該サブ回路部は、第一サブ回路部と、該第一サブ回路部に通電可能に接続される第二サブ回路部とを備え、該第一サブ回路部と、該第二サブ回路部とは、別体とされて、該第一サブ回路部は、第一サブ回路部材とされ、且つ、該第二サブ回路部は、第二サブ回路部材とされ、該メイン回路部は、該第一サブ回路部材と一体とされたメイン回路部材とされ、該メイン回路部材と、該第一サブ回路部材とが一体とされて、該第一サブ回路部材のグランド部は、該メイン回路部材のグランド部に続くものとされ、該第一サブ回路部材のグランド部と、該第二サブ回路部材のグランド部とは、鉛フリー半田が用いられて半田付けが行われることで通電可能に接続され、該メイン回路部に対し該サブ回路部が折り返されて、該メイン回路部と、該サブ回路部とが重ね合わせられた状態で、前記フレキシブル回路体は、前記ハウジングに取り付けられたことを特徴とする。
請求項19に係るピックアップは、電気/電子部品が取り付けられるメイン回路部と、該メイン回路部に続くサブ回路部と、前記メイン回路部に装着される他のサブ回路部と、を有するフレキシブル回路体と、該フレキシブル回路体が取り付けられるハウジングと、を備えたピックアップであって、前記メイン回路部は、一層とされると共にグランド部を備えるものとされ、且つ、前記サブ回路部は、一層とされると共にグランド部を備えるも
のとされ、該他のサブ回路部は、該メイン回路部の回路導体を跨いで、該メイン回路部の一接続部と、該メイン回路部の他の接続部とを繋ぐバイパス用のものとされ、該メイン回路部に対し該サブ回路部が折り返されて、該メイン回路部と、該サブ回路部とが重ね合わせられ、且つ、該メイン回路部に対し、該他のサブ回路部が装着されるときに、鉛フリー半田が用いられて半田付けが行われて、該メイン回路部と、該他のサブ回路部とが通電可能に接続された状態で、前記フレキシブル回路体が前記ハウジングに取り付けられたことを特徴とする。
以上の如く、本発明によれば、一層のフレキシブル回路体とされながら、一体化された二層の導体を備えるフレキシブル回路体と略同等のGND強化が行われたフレキシブル回路体を構成することができる。GND強化が行われたフレキシブル回路体が構成されるから、フレキシブル回路体を通る電気信号のS/Nを改善させることができる。また、フレキシブル回路体におけるデジタル信号と、アナログ信号とのアイソレーションを実現させることができる。また、一体化された二層の導体を備えるフレキシブル回路体が用いられることなく、一層のフレキシブル回路体が用いられているから、フレキシブル回路体のコスト上昇を抑えることができる。従って、電気信号のS/Nが改善され且つコストダウンが図られたピックアップを提供することができる。
また、本発明によれば、一層のフレキシブル回路体が用いられていても、一層のフレキシブル回路体は、一体化された二層の導体を備えるフレキシブル回路体と略同等のGND性能を発揮するものとなる。電気/電子部品が取り付けられたメイン回路部の部品装着部は、サブ回路部のグランド部と重ね合わせられた状態で折り返されるので、電気/電子部品の周辺に流されるアナログ信号のS/Nを改善することができる。また、サブ回路部のグランド部と重ね合わせられた状態で、電気/電子部品が取り付けられたメイン回路部の部品装着部が折り返されるので、電気/電子部品に対する輻射対策行うことができる。従って、フレキシブル回路体にノイズが生じ、例えばピックアップに誤動作が生じるということを、回避させ易くすることができる。
また、本発明によれば、第二電気/電子部品の周辺に流されるアナログ信号のS/Nを改善させることができる。第一電気/電子部品と、第二電気/電子部品との間に挟み込まれたサブ回路部のグランド部により、シールド効果を発揮させることで、第二部品装着部の周辺に流されるアナログ信号のS/Nを改善させることができる。サブ回路部のグランド部を構成する第一平面部と、第二平面部とが重ね合わせられることにより、第一電気/電子部品や、第二電気/電子部品に対する輻射対策が行われる。これにより、一層のフレキシブル回路体が用いられても、一体化された二層の導体を備えるフレキシブル回路体のS/N特性と略同じ特性を、一層のフレキシブル回路体に発揮させることができる。従って、フレキシブル回路体にノイズが生じ、例えばピックアップに誤動作が生じるということを、回避することができる。
また、本発明によれば、第一電気/電子部品や、第三電気/電子部品の周辺に流されるアナログ信号のS/Nを改善させることができる。第一電気/電子部品と、第三電気/電子部品との間に挟み込まれたサブ回路部のグランド部により、シールド効果が発揮される。サブ回路部のグランド部を構成する第三平面部により、第一電気/電子部品や、第三電気/電子部品に対する輻射対策を行うことが可能となる。これにより、一層のフレキシブル回路体が用いられても、一体化された二層の導体を備えるフレキシブル回路体のS/N特性と略同じ特性を、一層のフレキシブル回路体に発揮させることができる。従って、フレキシブル回路体にノイズが生じ、例えばピックアップに誤動作が生じるということを、回避することができる。また、これにより、ピックアップの小型化を図ることができる。
また、本発明によれば、例えばピックアップのレーザダイオードに流される大電流が、アナログの電気/電子部品に回り込むということを、回避することができる。従って、ピックアップにおける電気信号のS/Nを改善させることができる。また、例えばピックアップのレーザダイオードに流される大電流が、アナログの電気/電子部品に回り込まないものとさせたことにより、アナログの電気/電子部品に、例えば大電流により動作不良が生じるということは、回避される。
また、本発明によれば、価格の低減化が図られたフレキシブル回路体を備えるピックアップが構成される。例えばフレキシブル回路体の形状により、定尺シートから打ち抜かれるフレキシブル回路体の歩留りが悪いものとされていても、フレキシブル回路体を、第一サブ回路部材を備えたメイン回路部材と、第二サブ回路部材との複数の部材に分けて、定尺シートから打ち抜くことで、第一サブ回路部材を備えたメイン回路部材と、第二サブ回路部材とを、効率よく形成することができる。フレキシブル回路体の打抜き加工が行われた定尺シートに、無駄とされる打抜き残部が多く残される場合、そのようなシート打抜き工程においては、多くの定尺シートが必要とされる。しかしながら、定尺シートの無駄な部分を減らすために、フレキシブル回路体を、第一サブ回路部材を備えたメイン回路部材と、第二サブ回路部材との複数の部材に分けて、定尺シートから打ち抜くことで、定尺シートの打抜き残部は減少する。従って、定尺シートの歩留りを向上させることができる。メイン回路部材に続く第一サブ回路部材と、第二サブ回路部材とは、半田付けにより、容易かつ迅速に通電可能に接続される。このようにすることで、コストダウンが図られたフレキシブル回路体を備えるピックアップの提供が可能となる。
また、本発明によれば、フレキシブル回路体を構成するメイン回路部の部品装着部に、電気/電子部品を容易に取り付けることができる。補強板は、メイン回路部の部品装着部に電気/電子部品が取り付けられるときの下敷として用いられるので、メイン回路部の部品装着部に、効率よく正確に電気/電子部品を取り付けることができる。また、補強板に基づいて、電気/電子部品が取り付けられる部品装着部が、メイン回路部に区画形成されるので、フレキシブル回路体を構成するメイン回路部の折曲げ作業を容易に行うことができる。メイン回路部に補強板が設けられたことにより、フレキシブル回路体が折り曲げられるときに、フレキシブル回路体は、節度よく容易に折曲げ可能なものとなる。補強板がフレキシブル回路体のメイン回路部に設けられていれば、補強板が設けられた部分は、こしの強いものとなる。フレキシブル回路体のメイン回路部に補強板が設けられることにより、フレキシブル回路体のメイン回路部は、こしの強い部分と、可撓性に優れる部分とに分けられる。これにより、フレキシブル回路体の折返しの作業を容易に行うことができる。フレキシブル回路体を構成するメイン回路部の部品装着部に、電気/電子部品が精度よく効率的に取り付けられ、また、フレキシブル回路体の折曲げ作業は、容易に行われることにより、フレキシブル回路体の生産効率およびフレキシブル回路体の組立加工効率を向上させることが可能となる。これにより、フレキシブル回路体の価格は、低いものとして抑えられる。従って、価格が抑えられたピックアップを提供することができる。
また、本発明によれば、フレキシブル回路体に折返し曲げ加工を行うときに、フレキシブル回路体のメイン回路部に対するサブ回路部の折返し作業を容易に行うことができる。フレキシブル回路体は、一般に可撓性に優れるものとされている。例えば、略平面状のフレキシブル回路体が曲げられようとされたときに、フレキシブル回路体自身から生じる復元弾性力により、フレキシブル回路体は、元通りの形状に戻されようとする。このことから、折返し作業などの曲げ加工が行われたフレキシブル回路体を、曲げ加工が行われた状態に精度よく維持するということは、困難なこととされていた。しかしながら、フレキシブル回路体のメイン回路部に対し、フレキシブル回路体のサブ回路部が折り返されて、メイン回路部と、サブ回路部とが重ね合わせられるときに、メイン回路部にサブ回路部を添着可能な粘着テープが用いられて、フレキシブル回路体のメイン回路部と、フレキシブル
回路体のサブ回路部とが貼り合わせられたものとされていれば、フレキシブル回路体のメイン回路部に対し、フレキシブル回路体のサブ回路部は、折り返された状態に精度よく維持される。これにより、ピックアップの製造工程における生産効率を向上させることができる。ピックアップの製造工程における生産効率を向上させたことにより、安価なピックアップを提供することができる。
また、本発明によれば、フレキシブル回路体のメイン回路部に取り付けられた電気/電子部品がノイズの影響を受け、電気/電子部品が正常に機能しないということを、回避することができる。フレキシブル回路体のメイン回路部に対し、フレキシブル回路体のサブ回路部が折り返されて、メイン回路部と、サブ回路部とが重ね合わせられたときに、メイン回路部に対し、サブ回路部が半田付けされて、メイン回路部と、サブ回路部とが通電可能に接続されたものであれば、メイン回路部に備えられた電気/電子部品にノイズが回り込むということは、回避され易くなる。従って、ノイズによりメイン回路部の電気/電子部品に動作不良が生じ、ピックアップが正常に機能しないということを、回避させ易くすることができる。
また、本発明によれば、フレキシブル回路体の設計自由度を広げることができる。また、フレキシブル回路体に取り付けられた電気/電子部品を、正常に機能させ易くすることもできる。フレキシブル回路体を構成するメイン回路部には、回路導体が複雑に張り巡らされている。フレキシブル回路体を構成する他のサブ回路部が、メイン回路部の回路導体を跨いで、メイン回路部の一接続部と、メイン回路部の他の接続部とを繋ぐバイパス用回路とされていれば、複雑な回路導体の設計を容易に行うことができる。ピックアップのフレキシブル回路体の設計が容易に行われることにより、フレキシブル回路体にかけられる設計費用を削減化でき、結果としてピックアップの価格低減化を図ることができる。また、メイン回路部に取り付けられた電気/電子部品にノイズが回り込むということも、回避させ易くすることができる。
また、本発明によれば、フレキシブル回路体を容易に構成することができる。フレキシブル回路体を構成するメイン回路部と、フレキシブル回路体を構成する他のサブ回路部とを通電可能に接続するために、メイン回路部に他のサブ回路部を半田付けさせることで、メイン回路部と、他のサブ回路部とを備えるフレキシブル回路体は、容易に構成される。容易にフレキシブル回路体が構成されるので、フレキシブル回路体の価格を低いものとして抑えることができる。従って、バイパス用の他のサブ回路部がメイン回路に装着されて構成されたフレキシブル回路体を備えるものとされていても、価格を抑えたピックアップを構成することができる。
図2は、本発明に係るピックアップの第一実施例に用いられたフレキシブル回路体を示す平面図、図3は、フレキシブル回路体における半田付けが行われる部分を示す説明図、図4は、フレキシブル回路体に補強板が取り付けられた状態を示す説明図である。
また、図5は、メイン回路部の第一サブ回路部に第二サブ回路部が半田付けされた状態を示す平面図、図6は、メイン回路部に対しサブ回路部が折り返された状態を示す平面図、図7は、メイン回路部の第二部品装着部に対し第一部品装着部が折り返された状態を示す平面図、図8は、メイン回路部の第三部品装着部に対し第二部品装着部が折り返された状態を示す平面図である。
また、図9は、メイン回路部の部品装着部を示す説明図、図10は、メイン回路部に対しサブ回路部が折り返された状態を示す説明図、図11は、メイン回路部の第二部品装着部に対し第一部品装着部が折り返された状態を示す説明図、図12は、メイン回路部の第三部品装着部に対し第二部品装着部が折り返された状態を示す説明図である。
光学式ピックアップ1,1X(図1)は、図示されたもの以外に、他のもの(図示せず)も備えるものとされているが、図1においては、それらの他のものは、便宜上、省略した。また、図1〜図12は、フレキシブル回路体5の要部を示すものとされている。また、図3においては、便宜上、黒く塗りつぶされた部分が、半田付けが行われる部分とされ、他のものについては省略されている。また、図4においては、便宜上、点線で示された部分が補強板とされ、他のものについては省略されている。また、図9は、図5のA−A線に沿った断面の説明図とされる。また、図10は、図6のB−B線に沿った断面の説明図とされる。また、図11は、図7のC−C線に沿った断面の説明図とされる。また、図12は、図8のD−D線に沿った断面の説明図とされる。
また、図2〜図4に示す平面図のものが、フレキシブル回路体5の表面側もしくは上面側とされ、これの逆側が、フレキシブル回路体5の裏面側もしくは下面側とされる。なお、本明細書における「表」、「裏」、「上」、「下」の定義は、光学式ピックアップ1のフレキシブル回路体5を説明するための便宜上のものとされる。
光ディスク装置(図示せず)が用いられて、光ディスクに記録された情報などのデータが再生される。また、光ディスク装置が用いられて、光ディスクに情報などのデータの記録が行われる。光ディスクとして、例えば、「CD−ROM」,「DVD−ROM」などの読出し専用の光ディスクや、「CD−R」,「DVD−R」,「DVD+R」などの追記型の光ディスクや、「CD−RW」,「DVD−RW」,「DVD+RW」,「DVD−RAM」,「HD DVD」,「Blu-ray Disc」などの書込み/消去や書換え可能なタイプの光ディスクなどが挙げられる。
上述した如く、「CD」は、「Compact Disc」の略称とされる。また、「DVD」は、「Digital Versatile Disc」もしくは「Digital Video Disc」の略称とされる。また、「CD−ROM」もしくは「DVD−ROM」の「ROM」は、「Read Only Memory」の略称とされ、CD−ROMもしくはDVD−ROMは、データ読出し専用のものとされている。また、「CD−R」または「DVD−R」もしくは「DVD+R」の「R」は、「Recordable」の略称とされ、CD−RまたはDVD−RもしくはDVD+Rは、データの書込みが可能なものとされている。また、「CD−RW」または「DVD−RW」もしくは「DVD+RW」の「RW」は、「ReWritable」の略称とされ、CD−RWまたはDVD−RWもしくはDVD+RWは、データの書換えが可能なものとされている。また、「DVD−RAM」は、「Digital Versatile Disc Random Access Memory 」の略称とされ、データの読み書き・消去が可能なものとされている。
また、「HD DVD」は、「High Definition DVD 」の略称とされる。「HD DVD」は、従来のDVD系列のものと互換性をもたせ、且つ、従来のDVD系列の光ディスクよりも記憶容量の大きいものとされる。従来のCDやDVDには、赤色のレーザが用いられていたが、「HD DVD」の光ディスクに記録されたデータが読み出されるときには、青紫色のレーザが用いられる。また、「Blu-ray 」とは、従来のCDやDVDで信号の読み書きに用いられていた赤色のレーザに対し、高密度記録が実現されるために採用された青紫色のレーザを意味するものとされている。
光学式ピックアップ1(図1)は、CDやDVD等の各ディスク(図示せず)の信号記
録再生に対応可能な光学ヘッド装置とされている。光ピックアップ1は、CDや、DVDなどのメディアのデータを再生および記録可能な光ディスク装置に装備される。CD、DVDなどの光ディスクは、光ディスク装置内のターンテーブル2に装着される。光ピックアップ1は、不図示の光ディスクに形成された略螺旋状の信号トラックを横切る方向Dに沿って、移動可能なものとされている。即ち、光ピックアップ1は、スクリューシャフト3およびガイドシャフト4の長さ方向Dに沿って移動可能なものとされている。このように、光ピックアップ1は、スクリューシャフト3およびガイドシャフト4により、移動可能に支持されている。光ピックアップ(optical pickup)は、「OPU」と略称される。
OPU1の上面側からフレキシブル回路体5が延設されている。このフレキシブル回路体5は、OPU1の移動方向Dに沿って、OPU1から引き出されている。OPU1から延設されたフレキシブル回路体5は、可撓性に優れたフレキシブルプリント回路体5として形成されている。以下、フレキシブルプリント回路体は、FPCと略称して示す。上述した如く、「FPC」は、「Flexible Printed Circuit」の略称とされる。
FPC5は、途中で緩やかに曲げられて折り返され、回路基板7に設けられたコネクタ部6を介して、回路基板7と通電可能に接続されている。FPC5のコネクタ部26が、回路基板7に設けられた相手側コネクタ部6に接続されることで、OPU1から回路基板7にかけて通電可能に接続される。このように、FPC5は、OPU1と、回路基板7とを結ぶ伝送路としての役割を果すフレキシブル配線基板とされている。回路基板7は、光ディスク装置内の機器本体と接続されて、各種信号の送受信が行われる。光ピックアップ装置は、このような構造のものとされている。
スクリューシャフト3およびガイドシャフト4に支持されつつ、OPU1が、光ディスクに形成された略螺旋状の信号トラックを横切る方向Dに沿って移動するときに、FPC5のメイン回路部10は、緩やかに撓まされる。そのときに、FPC5のメイン回路部10に例えば反返り異常が生じ、FPC5のメイン回路部10が周辺機器に挟み込まれることを防止するために、FPC5のメイン回路部10に、反返り防止部10pが突出形成されている。
FPC5のメイン回路部10に反返り防止部10pが突出形成されることにより、FPC5のメイン回路部10が周辺機器に挟み込まれ、FPC5が損傷するということは、回避される。FPC5のメイン回路部10が緩やかに撓まされるときに、FPC5のメイン回路部10の反返り防止部10pは、光ディスク装置を構成する筐体(図示せず)の基板に確実に当接され続ける。これにより、FPC5のメイン回路部10が不用意に周辺機器に挟み込まれ、FPC5が損傷するということは、回避される。
OPU1は、各電気/電子部品が通電可能に接続されるFPC5と、FPC5や、各電気/電子部品や、各光学部品などが取り付けられるハウジング1Hとを少なくとも備える光学ヘッド装置として構成されている。
ハウジング1Hは、例えば耐食性の点で優れるアルミニウムを含有した合金が用いられて形成されている。アルミニウムなどの非鉄金属が用いられて、ハウジング1Hが形成されていれば、ハウジング1Hから錆などが生じることなく、ハウジング1Hの放熱も良好に行われる。アルミニウムは、耐食性に優れたものとされ、鉄よりも比重の小さい非鉄金属とされている。金属製ハウジング1H代えて、例えば合成樹脂製ハウジング(1H)が用いられたものも使用可能とされる。
FPC5は、各電気/電子部品などが通電可能に取り付けられるメイン回路部10(図2〜図4)と、このメイン回路部10に続く複数のサブ回路部50,60,70,80(
図2〜図4)とを備えるものとして構成されている。
図2の如く、FPC5の主体部を構成するメイン回路部10は、ポリイミド系樹脂製の絶縁シートとされる基部10bに、銅箔などの金属箔となる複数の回路導体10c,10gが印刷されて並設され、その上に保護層が設けられることで形成されている。ポリイミド(polyimide)は、「PI」と略称される。基部10bに対し、回路導体10c,10gは、一層のみ設けられている。
また、FPC5を構成する第一サブ回路部50は、ポリイミド系樹脂製の絶縁シートとされる基部50bに、銅箔などの金属箔となる回路導体50gが印刷され、その上に保護層が設けられることで形成されている。基部50bに対し、回路導体50gは、一層のみ設けられている。FPC5のメイン回路部10に対して一体に設けられたサブ回路部50は、第一平面部51と、第一平面部51に続く第二平面部52と、第二平面部52に続く第三平面部53とを備えるものとされている。
前記第一サブ回路部50と同じく、FPC5を構成する第二サブ回路部材60も、ポリイミド系樹脂製の絶縁シートとされる基部60bに、銅箔などの金属箔となる回路導体60gが印刷され、その上に保護層が設けられることで形成されている。基部60bに対し、回路導体60gは、一層のみ設けられている。
また、FPC5を構成する第三サブ回路部材70は、ポリイミド系樹脂製の絶縁シートとされる基部70bに、銅箔などの金属箔となる複数の回路導体70cが印刷されて並設され、その上に保護層が設けられることで形成されている。基部70bに対し、回路導体70cは、一層のみ設けられている。
前記第三サブ回路部材70と同じく、FPC5を構成する第四サブ回路部材80も、ポリイミド系樹脂製の絶縁シートとされる基部80bに、銅箔などの金属箔となる複数の回路導体80cが印刷されて並設され、その上に保護層が設けられることで形成されている。基部80bに対し、回路導体80cは、一層のみ設けられている。
FPC5を構成するメイン回路部材10および各サブ回路部材50,60,70,80は、一層の回路導体のみを備えるものとして形成されている。一層の回路導体を形成する銅箔の厚さは、約70μm(ミクロン)の厚さとされている。FPC5を構成するメイン回路部材10および各サブ回路部材50,60,70,80の厚さは、数十μm〜数百μmの厚さとされた可撓性に優れるものとされる。各回路導体10g,50g,60gは、接地側のものとされるグランドラインとして形成されている。
各回路導体10c,10g,50g,60g,70c,80c(図2)等が相手側のものと通電可能に接続されるため、半田付けが行われて、回路導体10c,10g,50g,60g,70c,80c等と、相手側のものとが繋げられる。このとき、メイン回路部材10およびサブ回路部材50,60,70,80に十分な耐熱性が要求される。そのため、各基部10b,50b,60b,70b,80b(図3,図4)は、半田付け工程が行われるときの溶融半田温度に対応可能な耐熱性合成重合体が用いられて形成されている。耐熱性合成重合体として、例えば耐熱性に優れるポリイミド系樹脂などが挙げられる。また、ポリイミド樹脂が用いられて基部が形成されたFPCとして、例えば、日東電工社製:ニトフレックス(登録商標)や、東レ・デュポン社製カプトン(登録商標)などが挙げられる。
日東電工社製ニトフレックス(登録商標)の商品として、例えば、高精細FPC(両面)、高精細FPC、微細接続FPC、高絶縁信頼性FPC、高耐熱性FPC、高屈曲FP
Cなどが挙げられる。また、東レ・デュポン社製カプトン(登録商標)の商品として、例えば、Hタイプ、Vタイプ、SuperVタイプ、ENタイプ、KJタイプなどが挙げられる。東レ・デュポン社製カプトン(登録商標)は、約−269℃の極低温から約+400℃の高温までの広い温度範囲に使用可能なものとされている。
また、半田材として、環境に配慮された鉛を含有しない半田いわゆる鉛フリー半田が用いられた。半田材として、鉛フリー半田が用いられていれば、例えばOPU1(図1)もしくはOPU1に装備されたFPC5(図1,図3,図5)が廃棄されるときに、鉛により自然環境に影響が及ぶということは、回避される。鉛フリー半田として、例えば千住金属工業社製:エコソルダM30などが挙げられる。また、リフロータイプの鉛フリー半田として、例えば千住金属工業社製:エコソルダL21などが挙げられる。なお、前記鉛フリー半田に代えて、通常の半田材が用いられたものも使用可能とされる。通常の半田材として、例えば千住金属工業社製:スパークルペーストOZシリーズ等が挙げられる。
電気/電子部品101,103(図9)は、回路定数を設定するLCR101,103として構成されている。「LCR」は、定数回路を構成するものとされ、「LCR」の「L」は、コイルを意味し、「C」は、コンデンサを意味し、「R」は、抵抗を意味する。図9の如く、LCR101,103は、コイル105と、コンデンサ106と、抵抗107とを備える回路として構成されている。コイル105、コンデンサ106、抵抗107は、分布定数回路や、集中定数回路などを構成するための電気/電子部品105,106,107とされる。
また、電気/電子部品102(図9)は、不図示のレーザダイオード(LD)へ電流を供給して駆動させるレーザ駆動用半導体集積回路いわゆるレーザドライバ102(図9)として形成されている。上述した如く、レーザドライバは、「LD Driver 」を意味し、「LDD」と略称されている。
また、不図示の光ディスクへレーザを出力させる発光素子(図示せず)も、電気/電子部品とされる。発光素子は、半導体レーザいわゆるレーザダイオードとして形成されている。上述した如く、レーザダイオード(Laser Diode )は、「LD」と略称される。
また、CDもしくはDVDなどの光ディスクから反射されたレーザ光を受光する光検出器も、電気/電子部品とされる。上述した如く、光検出器(Photo Diode IC)は、「PDIC」と略称されている。
また、不図示のLDの出射光量を所定の強度に保持させるための受光素子(図示せず)も、電気/電子部品とされる。受光素子いわゆるフロントモニタダイオードは、CD用のLD(図示せず)またはDVD用のLD(図示せず)の何れか一方から出力されるレーザ光を受光するものとされている。上述した如く、フロントモニタダイオード(Front Monitor Diode )は、「FMD」と略称されている。
また、システムコントローラ(図示せず)や、不図示のシステムコントローラに通電可能に接続されるメモリ(図示せず)も、電気/電子部品とされる。システムコントローラは、CPU、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータなどとされ、光ディスク装置全般のシステム制御を司る制御部とされる。「CPU」は、「Central Processing Unit 」の略称とされ、中央演算装置を意味するものとされている。
図2〜図4の如く、メイン回路部材10と、サブ回路部材50とは、一体のものとして形成されている。図5の如く、半田付けが行われることで、グランド用の一層の第一サブ回路部材50に、グランド用の一層の第二サブ回路部材60が通電可能に接続される。詳
しく説明すると、図3に示す第一サブ回路部材50の半田部50Sと、図3に示す第二サブ回路部材60の半田部60Sとが合わせられて、黒く塗りつぶされた部分に半田付けが行われることで、図5の如く、第一サブ回路部材50と、第二サブ回路部材60とが通電可能に接続される。このようにして、第一サブ回路部材50を備えるメイン回路部材10と、第二サブ回路部材60とが一体化される。
半田付けの工程は、第三サブ回路部材70と、第四サブ回路部材80とが、メイン回路部材10に取り付けられるときにも行われる。詳しく説明すると、メイン回路部材10(図3)の半田部30Sと、第三サブ回路部材70の半田部70Sとが合わせられて、黒く塗りつぶされた部分に半田付けが行われることで、メイン回路部材10と、第三サブ回路部材70とが通電可能に接続される。第三サブ回路部材70には、電気/電子部品として、複数のレーザダイオード(LD)(図示せず)が、半田付けにより通電可能に取り付けられる。
また、メイン回路部材10の半田部10Sと、第四サブ回路部材80の半田部80Sとが合わせられて、黒く塗りつぶされた部分に半田付けが行われることで、メイン回路部材10と、第四サブ回路部材80とが通電可能に接続される。
上記半田付け工程が行われることで、第一サブ回路部材50を備えるメイン回路部材10と、第二サブ回路部材60と、第三サブ回路部材70と、第四サブ回路部材80とが、一体化される。半田付け方法として、例えば要部にクリーム状のリフロー半田材を塗布し、半田付け対象物をリフロー半田槽内に収容し、約240〜250℃の温度でリフロー半田を溶かし、その後、徐々に冷却させることで、対象物の半田付け工程を行うといった方法などが挙げられる。
なお、図15に例示されるFPC801は、半田付け工程が行われることなく、二層の導体802,803が一体化されて構成されたものとされている。
メイン回路部材10(図2〜図5)と、第一サブ回路部材50との境界とされる曲部41において、メイン回路部材10に対し、サブ回路部材50が折り返されることで、図6および図10の如く、メイン回路部材10と、サブ回路部材50,60とが重ね合わせられる。図5に示す一体化されたサブ回路部50,60を、メイン回路部10(図6,図9,図10)の下側に回り込ませる。
曲部41(図5)において、メイン回路部10に対し、サブ回路部50,60がメイン回路部10の下側に折り返されたときに(図6)、第一補強板31P(図4)の下面側に予め貼り付けられた両面粘着テープ31T(図4,図9)と、第一サブ回路部50の第一平面部51とが、両面粘着テープにより貼り合わせられることで、メイン回路部10と、第一サブ回路部50とが精度よく合わせられる(図6,図10)。また、第六補強板36P(図4)の下面側に予め貼り付けられた両面粘着テープ36Tと、第二サブ回路部60(図5)とが、両面粘着テープにより貼り合わせられることで、メイン回路部10と、第二サブ回路部60とが精度よく合わせられる(図6)。両面粘着テープとして、例えばニチバン社製:強弱セロハン両面テープ「セルタック」(登録商標)CW−D15等が挙げられる。前記両面粘着テープに代えて、例えば接着剤などの粘着系部材が用いられたものも使用可能とされる。粘着系部材として、両面粘着テープや接着剤などが挙げられる。
FPC5(図2〜図5)の第二部品装着部32に取り付けられたLDD102(図9)の周辺近傍部は、各アナログ信号もしくはデジタル信号の何れか一方の信号または両方の信号が集中して混在する信号混在部10x(図2,図5)とされている。FPC5の第一部品装着部31や、第二部品装着部32や、第三部品装着部33は、信号混在部10xと
される。上述した如く、アナログ(analog)とは、物質やシステムなどの状態を連続的に変化する物理量により表現することを意味する。また、デジタル(digital )とは、物質やシステムなどの状態を離散的な数字や文字などの信号により表現することを意味する。
信号混在部10x(図2,図5)全体の下側に、グランド用の一層のサブ回路部50が位置するものとさせるために、メイン回路部材10と、第一サブ回路部材50との境界部とされる曲部41において、一体化されたサブ回路部50,60(図5)を、メイン回路部10の下側に折り込ませる(図6)。これにより、メイン回路部材10の信号混在部10x全体のS/Nが改善され、メイン回路部材10の信号混在部10x全体のノイズ対策が行われる。上述した如く、S/Nとは、信号(Signal)と、ノイズ(Noise )との比率を意味し、単位はdB(デシベル)とされる。また、ノイズ(noise )とは、電気信号の乱れや雑音などを意味する。
メイン回路部材10(図5)と、第一サブ回路部材50との境界部とされる曲部41において、一体化されたサブ回路部材50,60を、メイン回路部財10の下側に折り込ませることにより(図6)、メイン回路部材10の信号混在部10xにおけるクロストークの発生は、抑えられる。上述した如く、クロストーク(crosstalk )とは、線の送信端で発生する混信のレベルを意味する。クロストークについて詳しく説明すると、クロストークとは、ある回線を伝わる信号が、他の回線に漏れることを意味する。また、図3,図4の如く、曲部41が容易に折り曲げられるものとされるために、曲部41に、スリットS1と、切欠部U1とが設けられている。
FPC5の曲部41が折り曲げられたのちに、図2〜図8に示すFPC5の各曲部40A,40B,40C,42A,42B,43A,43B,44A,44B,45,46A,46Bが折り曲げられた状態に維持されて(図8,図12)、FPC5(図1)は、ハウジング1Hに取り付けられ、OPU1が組み立てられる。
このようにすれば、一層のみの回路導体を備えるFPC5とされながら、一体化された二層の導体802,803(図15)を備える高価なFPC801と略同等のGND強化が行われたFPC5(図1〜図12)が構成される。上述した如く、「GND」とは、接地を意味するものとされ、「Ground」の略称とされている。GND強化が行われたFPC5が構成されるから、FPC5を通る電気信号のS/Nは、改善される。
また、このようにすることで、FPC5におけるデジタル信号と、アナログ信号とのアイソレーションが実現される。アイソレーション(isolation )とは、二つの通信ポイント間に電流が流されることを防止することを意味する。FPC5を通るデジタル信号と、アナログ信号とのアイソレーションが実現されることにより、FPC5を通る電気信号のS/Nは、改善される。従って、電気信号のS/Nが改善されたOPU1(図1)を、光ディスク装置の製造メーカ等に提供することができる。
また、一体化された二層の導体802,803(図15)を備える高価なFPC801が用いられることなく、一層のみの回路導体を備えるFPC5(図1〜図12)が用いられているから、FPC5のコスト上昇は、抑えられる。従って、コストダウンが図られたOPU1(図1)を、光ディスク装置の製造メーカ等に提供することができる。
第一サブ回路部材50は、メイン回路部材10(図2〜図5)の部品装着部32に取り付けられたLDD102(図9)の信号が、メイン回路部10の信号混在部10x(図2,図5)に干渉し、信号混在部10xに装備された各LCR101,103(図9)などの各電気/電子部品101,103に作動不良などが生じることを防ぐために設けられている。
第二サブ回路部材60(図2〜図5)は、メイン回路部材10の部品装着部35に取り付けられたPDICの信号や、メイン回路部材10の部品装着部34に取り付けられたFMDの信号が、メイン回路部10の信号混在部10x(図2,図5)に干渉し、信号混在部10xに装備された各LCR101,103(図9)などの各電気/電子部品101,103に作動不良などが生じることを防ぐために設けられている。
第三サブ回路部材70(図2〜図4)は、一方の部品装着部38に取り付けられた不図示のCD用LDと、他方の部品装着部39に取り付けられた不図示のDVD用LDとを、メイン回路部材10に通電可能に接続させるために設けられている。
第四サブ回路部材80(図2〜図4)は、メイン回路部材10の特定の回路導体10c(図2,図5〜図8)と接続されることなく、例えばメイン回路部材10の一接続部10j(図3)と、メイン回路部材10の他の接続部10kとを接続するために設けられている。
上記各電気/電子部品に対応した各補強板31P,32P,33P,34P,35P,36P,37P,38P,39P(図4)が、FPC5の裏面側に設けられている。各補強板31P,32P,33P,34P,35P,36P,37P,38P,39Pは、上記両面粘着テープや接着剤などの粘着系部材が用いられて、FPC5の裏面側に装着されている。また、各補強板31P,32P,33P,34P,35P,36P,37P,38P,39Pに基づいて、上記各電気/電子部品が取り付けられる各部品装着部31,32,33,34,35,36,37,38(図2〜図4)が、メイン回路部材10に区画形成される。各補強板31P,32P,33P,34P,35P,36P,37P,38P,39P(図4)に対応して、上記各電気/電子部品が取り付けられる各部品装着部30,31,32,33,34,35,36,37,38が、FPC5に設けられている。
詳しく説明すると、第一電気/電子部品101(図9)が構成される第一部品装着部31(図2〜図4)が、メイン回路部10に設けられている。第一電気/電子部品101(図9)は、LCR101を構成するものとされる。LCR101は、コイル105と、コンデンサ106と、抵抗107とが、一箇所にまとめられて構成された電気/電子部品群とされている。LCR101を構成するための半田付け工程を行うときに、第一部品装着部31にLCR101が構成され易いものとさせるために、図4および図9の如く、メイン回路部10の第一部品装着部31の裏面側に、第一補強板31Pが設けられている。第一補強板31P(図4)は、半田材が用いられて、メイン回路部材10の第一部品装着部31(図2〜図5)に、コイル105(図9)や、コンデンサ106や、抵抗107が取り付けられるときの下敷31P(図4,図9)として用いられた。また、第一補強板31Pの下面側に、第一サブ回路部50が貼り合わせられる両面粘着テープ31Tが貼り付けられている。
また、第二電気/電子部品102(図9)が取り付けられる第二部品装着部32(図2〜図4)が、メイン回路部10に設けられている。第二電気/電子部品102(図9)は、LDD102とされる。半田付け工程を行って、第二部品装着部32にLDD102などを取り付けるときに、LDD102などを第二部品装着部32に取り付け易くさせるため、図4および図9の如く、メイン回路部10の第二部品装着部32の裏面側に、第二補強板32Pが設けられている。第二補強板32P(図4)は、半田材が用いられて、メイン回路部材10の第二部品装着部32(図2〜図5)に、LDD102(図9)などが取り付けられるときの下敷32P(図4,図9)として用いられた。
また、第三電気/電子部品103(図9)が構成される第三部品装着部33(図2〜図
4)が、メイン回路部10に設けられている。第三電気/電子部品103(図9)は、LCR103を構成するものとされる。LCR103は、コイル105と、コンデンサ106と、抵抗107とが、一箇所にまとめられて構成された電気/電子部品群とされている。LCR103を構成するための半田付け工程を行うときに、第三部品装着部33にLCR103が構成され易いものとさせるために、図4および図9の如く、メイン回路部10の第三部品装着部33の裏面側に、第三補強板33Pが設けられている。第三補強板33P(図4)は、半田材が用いられて、メイン回路部材10の第三部品装着部33(図2〜図5)に、コイル105(図9)や、コンデンサ106や、抵抗107が取り付けられるときの下敷33P(図4,図9)として用いられた。
また、メイン回路部材10(図2〜図4)の部品装着部34に、不図示のFMDが取り付けられる。半田付け工程を行って、第四部品装着部34にFMDを取り付けるときに、FMDを第四部品装着部34に取り付け易くさせるため、図4の如く、メイン回路部10の第四部品装着部34の裏面側に、第四補強板34Pが設けられている。第四補強板34Pは、半田材が用いられて、メイン回路部材10の第四部品装着部34(図2〜図5)にFMDが取り付けられるときの下敷34P(図4)として用いられた。
また、メイン回路部材10(図2〜図4)の部品装着部35に、不図示のPDICが取り付けられる。半田付け工程を行って、第五部品装着部35にPDICを取り付けるときに、PDICを第五部品装着部35に取り付け易くさせるため、図4の如く、メイン回路部10の第五部品装着部35の裏面側に、第五補強板35Pが設けられている。第五補強板35Pは、半田材が用いられて、メイン回路部材10の第五部品装着部35(図2〜図5)にPDICが取り付けられるときの下敷35P(図4)として用いられた。
また、メイン回路部材10(図2〜図4)の部品装着部36に、不図示のメモリが取り付けられる。メモリとして、EEPROMが用いられる。EEPROMとは、電気的に内容を書き換えることが可能なROMを意味するものとされ、不揮発性メモリとされている。EEPROMの変更が行われるときには、通常の電圧よりも高い電圧により行われる。また、EEPROMは、記憶された情報を電気的に消去可能なものとされている。「EEPROM」は、「Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory」の略称とされる。
半田付け工程を行って、第六部品装着部36にEEPROMを取り付けるときに、EEPROMを第六部品装着部36に取り付け易くさせるため、図4の如く、メイン回路部10の第六部品装着部36の裏面側に、第六補強板36Pが設けられている。第六補強板36Pは、半田材が用いられて、メイン回路部材10の第六部品装着部36(図2〜図5)にEEPROMが取り付けられるときの下敷36P(図4)として用いられた。また、第六補強板36Pの下面側に、第二サブ回路部60が貼り合わせられる両面粘着テープ36Tが貼り付けられている。
また、第七電気/電子部品(図示せず)が構成される第七部品装着部37(図2〜図4)が、メイン回路部10に設けられている。上記第一電気/電子部品101(図9)または上記第三電気/電子部品103と同じく、第七電気/電子部品は、LCRを構成するものとされる。LCRを構成するための半田付け工程を行うときに、第七部品装着部37にLCRが構成され易いものとさせるために、図4の如く、メイン回路部10の第七部品装着部37の裏面側に、第七補強板37Pが設けられている。第七補強板37Pは、半田材が用いられて、メイン回路部材10の第七部品装着部37(図2〜図5)に、コイルや、コンデンサや、抵抗が取り付けられるときの下敷37P(図4)として用いられた。
また、メイン回路部材10(図1〜図4)のコネクタ部26が、相手側コネクタ部6(
図1)に対してフィーリングよく抜き差しされるために、図4の如く、メイン回路部10のコネクタ部26に、補強板26Pが設けられている。この補強板26Pは、上記両面粘着テープや接着剤などの粘着系部材が用いられて、メイン回路部材10の裏面側に取り付けられている。
また、メイン回路部材10(図2〜図4)の接続部21に、OPU1のレンズホルダ(図示せず)を駆動させるアクチュエータ(図示せず)が、通電可能に繋げられる。
また、第三サブ回路部材70(図2〜図4)の一方の部品装着部38に、不図示のCD用LDが取り付けられる。半田付け工程を行って、一方の部品装着部38にCD用LDを取り付けるときに、CD用LDを部品装着部38に取り付け易くさせるため、図4の如く、第三サブ回路部材70の部品装着部38の裏面側に、補強板38Pが設けられている。補強板38Pは、半田材が用いられて、第三サブ回路部材70の部品装着部38(図2〜図4)にCD用LDが取り付けられるときの下敷38P(図4)として用いられた。
また、第三サブ回路部材70(図2〜図4)の他方の部品装着部39に、不図示のDVD用LDが取り付けられる。半田付け工程を行って、他方の部品装着部39にDVD用LDを取り付けるときに、DVD用LDを他方の部品装着部39に取り付け易くさせるため、図4の如く、第三サブ回路部材70の部品装着部39の裏面側に、補強板39Pが設けられている。補強板39Pは、半田材が用いられて、第三サブ回路部材70の部品装着部39(図2〜図4)にDVD用LDが取り付けられるときの下敷39P(図4)として用いられた。
CD用LDおよびDVD用LDを備える第三サブ回路部材70(図2〜図4)は、メイン回路部材10と通電可能に接続される。
半田付けが行われることにより、上記各電気/電子部品は、上記各補強板が取り付けられた上記各部品装着部に固定される。半田付け工程が行われるときに、メイン回路部材10に装着された補強板31P,32P,33P(図4,図9),34P,35P,36P,37P(図4)に、十分な耐熱性が要求される。また、半田付け工程が行われるときに、第三サブ回路部材70の補強板38P,39Pに、十分な耐熱性が要求される。
そのため、各補強板31P,32P,33P(図4,図9),34P,35P,36P,37P,38P,39P(図4)は、耐熱性に優れるポリイミド系樹脂が用いられて形成されている。また、コネクタ部26に備えられた補強板26Pも、コネクタ部26における半田メッキ処理工程に対応可能とされるために、前記と同じくポリイミド系樹脂が用いられて形成されている。補強板として、ポリイミド系樹脂や、エポキシ系樹脂や、ポリエステル系樹脂などの耐熱性合成重合体からなるものが、使用可能とされる。熱可塑性ポリエステル樹脂製の補強板として、例えば日東電工社製:FB−ML11Aなどが挙げられる。
上記耐熱性合成重合体として、半田材が融ける温度よりも高い耐熱温度とされる重合体が用いられた。上述した如く、ポリイミド樹脂は、耐熱性に優れたものとされているので、半田付け作業が行われるときに、下敷などとして用いられるものに適したものとされる。例えば耐熱温度が約260℃以上のポリイミド樹脂材料が用いられて、各成形品が形成された。半田付け工程が行われるときの温度は、約240〜250℃の温度とされる。そのため、FPC5を構成する各部品は、半田付け工程が行われるときの温度よりも高い耐熱性の材料が用いられて形成される。
ポリイミド樹脂製の補強板26P,31P,32P,33P,34P,35P,36P
,37P,38P,39Pは、補強板26P,31P,32P,33P,34P,35P,36P,37P,38P,39Pに、半田付け工程が行われるときの溶融半田温度に対応可能なものとされている。
前記各補強板26P,31P,32P,33P,34P,35P,36P,37P,38P,39Pの厚さは、数百μmの厚さとされ、各補強板26P,31P,32P,33P,34P,35P,36P,37P,38P,39Pは、全て同じ厚さに統一されている。全ての補強板26P,31P,32P,33P,34P,35P,36P,37P,38P,39Pが同じ厚さに統一されていれば、各補強板26P,31P,32P,33P,34P,35P,36P,37P,38P,39Pは、一枚の定尺シートから効率よく打抜き形成される。
FPC5(図4)に装備された各補強板31P,32P,33P,34P,35P,36P,37P,38P,39Pは、電気/電子部品が、各部品装着部30,31,32,33,34,35,36,37,38,39に取り付けられるときに、精度よく取り付けられるものとされるために、FPC5の裏面側に設けられている。また、補強板26Pも、同じくFPC5のコネクタ部26の裏面側に設けられている。
FPC5を構成するメイン回路部材10に、上記各補強板31P,32P,33P,34P,35P,36P,37Pが装備されることにより、各種電気/電子部品は、FPC5を構成するメイン回路部材10の各部品装着部31,32,33,34,35,36,37に、容易に半田付けされる。各補強板31P,32P,33P,34P,35P,36P,37Pは、半田材が用いられて、メイン回路部材10の各部品装着部31,32,33,34,35,36,37に、各種電気/電子部品が取り付けられるときの下敷31P,32P,33P,34P,35P,36P,37Pとして用いられるので、各種電気/電子部品は、効率よく正確にメイン回路部材10の各部品装着部31,32,33,34,35,36,37に半田付けされる。
また、FPC5を構成する第三サブ回路部材70に、上記各補強板38P,39Pが装備されることにより、CD用LDおよびDVD用LDは、FPC5を構成する第三サブ回路部材70の部品装着部38,39に、容易に半田付けされる。各補強板38P,39Pは、半田材が用いられて、第三サブ回路部材70の各部品装着部38,39に、CD用LDおよびDVD用LDが取り付けられるときの下敷38P,39Pとして用いられるので、CD用LDおよびDVD用LDは、効率よく正確に第三サブ回路部材70の各部品装着部38,39に半田付けされる。
FPC5を構成する第三サブ回路部材70の各部品装着部38,39に、CD用LDおよびDVD用LDが精度よく効率的に取り付けられることにより、FPC5の生産効率およびFPC5の組立加工効率は向上する。これにより、FPC5の価格は、低いものとして抑えられる。
また、各補強板31P,32P,33P,36P,37Pに基づいて、各種電気/電子部品が取り付けられる各部品装着部31,32,33,36,37が、メイン回路部材10に区画形成されるので、FPC5を構成するメイン回路部材10の折曲げ作業は、容易に行われる。メイン回路部材10に補強板31P,32P,33P,36P,37Pが設けられたことにより、FPC5が折り曲げられるときに、FPC5は、節度よく容易に折曲げ可能なものとなる。
各補強板31P,32P,33P,36P,37Pが、FPC5のメイン回路部材10に設けられていれば、各補強板31P,32P,33P,36P,37Pが設けられた部
分は、こしの強いものとなる。FPC5のメイン回路部材10に、各補強板31P,32P,33P,36P,37Pが設けられることにより、FPC5のメイン回路部材10は、こしの強い部分と、可撓性に優れる部分とに分けられる。これにより、FPC5の第一部品装着部31や、第二部品装着部32や、第六部品装着部36が折り返されるときの折返しの作業は、容易に行われる。
FPC5を構成するメイン回路部材10の各部品装着部31,32,33,36,37に、各種電気/電子部品が精度よく効率的に取り付けられ、また、FPC5の折曲げ作業は、容易に行われることにより、FPC5の生産効率およびFPC5の組立加工効率は向上する。これにより、FPC5の価格は、低いものとして抑えられる。従って、価格が抑えられたOPU1の提供が可能となる。
メイン回路部10(図2,図5)の信号混在部10xを構成する部品装着部30は、サブ回路部50のグランド部50gと重ね合わせられた状態(図6,図10)で折り返される(図7,図8,図11,図12)。
このようにすれば、一層のFPC5が用いられていても、一層のFPC5は、一体化された二層の導体802,803(図15)を備える高価なFPC801と略同等のGND性能を発揮するものとなる。各種電気/電子部品101,102,103,105,106,107(図9)が取り付けられたメイン回路部10の部品装着部30は、サブ回路部50のグランド部50gと重ね合わせられた状態(図6,図10)で折り返されるので(図7,図8,図11,図12)、各種電気/電子部品101,102,103,105,106,107の周辺に流されるアナログ信号のS/Nは、改善される。
また、サブ回路部50のグランド部50gと重ね合わせられた状態で、各種電気/電子部品101,102,103,105,106,107が取り付けられたメイン回路部10の部品装着部30が折り返されるので、各種電気/電子部品101,102,103,105,106,107に対する輻射対策が行われる。従って、FPC5の信号混在部10x(図2,図5,図6)にノイズが生じ、例えばOPU1(図1)に誤動作が生じるということは、回避され易くなる。
メイン回路部材10(図2〜図4)の信号混在部10xを構成する部品装着部30は、LCR101(図9)が設けられる第一部品装着部31(図2〜図4)を備えるものとされている。第一部品装着部31に対応して、サブ回路部50のグランド部50gに第一平面部51が設けられている。また、部品装着部30は、LDD102(図9)が設けられる第二部品装着部32(図2〜図4)を備えるものとされている。第二部品装着部32に対応して、サブ回路部50のグランド部50gに第二平面部52が設けられている。図6,図7,図10,図11の如く、第一平面部51と、第二平面部52とが重ね合わせられた状態で、第二部品装着部32に対し、第一部品装着部31が折り返される。
曲部42A,42B(図6,図10)において、第二部品装着部32に対し、第一部品装着部31が折り返される(図7,図11)。詳しく説明すると、メイン回路部材10(図6,図10)の第一部品装着部31と、第二部品装着部32との境界とされる曲部42Aにおいて、第二部品装着部32に対し、第一部品装着部31が折り返される(図11)。これと共に、サブ回路部材50(図4,図6,図10)の第一平面部51と、第二平面部52との境界とされる曲部42Bにおいて、第二平面部52に対し、第一平面部51が折り返されて、第一平面部51と、第二平面部52とが重ね合わせられる(図11)。第一部品装着部31(図10)を、第二部品装着部32の下側に回り込ませる(図11)。
このようにすることで、LDD102の周辺に流される微弱なアナログ信号のS/Nは
、改善される。LCR101と、LDD102との間に挟み込まれたサブ回路部50のグランド部50gにより、シールド効果が発揮され、第二部品装着部32の周辺に流される微弱なアナログ信号のS/Nは、改善される。サブ回路部50のグランド部50gを構成する第一平面部51と、第二平面部52とが重ね合わせられることにより、LCR101や、LDD102に対する電磁波などの輻射対策が行われる。
これにより、一層だけの回路導体10c,10g,50g,60g,70c,80cを備えるFPC5が用いられても、一体化された二層の導体802,803(図15)を備えるFPC801のS/N特性と略同じ特性が、一層のFPC5(図7,図11)に発揮される。従って、FPC5にノイズが生じ、例えばOPU1(図1)に誤動作が生じるということは、回避される。また、これにより、OPU1の小型化も図られる。また、図3,図4の如く、曲部42Bが容易に折り曲げられるものとされるために、曲部42BにスリットS2が設けられている。
また、メイン回路部材10(図2〜図4)の信号混在部10xを構成する部品装着部30は、LCR103(図9)が設けられる第三部品装着部33(図2〜図4)を備えるものとされている。第三部品装着部33に対応して、サブ回路部50のグランド部50gに第三平面部53が設けられている。図7,図8,図11,図12の如く、第一部品装着部31に取り付けられたLCR101(図12)と、第三平面部53とが重ね合わせられた状態で、第三部品装着部33に対し、第二部品装着部32が折り返される。
曲部43A,43B(図7,図11)において、第三部品装着部33に対し、第二部品装着部32が折り返される(図8,図12)。詳しく説明すると、メイン回路部材10(図7,図11)の第二部品装着部32と、第三部品装着部33との境界とされる曲部43Aにおいて、第三部品装着部33に対し、第二部品装着部32が折り返される(図12)。これと共に、サブ回路部材50(図4,図7,図11)の第二平面部52と、第三平面部53との境界とされる曲部43Bにおいて、第三平面部53に対し、第一部品装着部31が折り返されて、第一部品装着部31に取り付けられたLCR101と、第三平面部53とが重ね合わせられる(図12)。第二部品装着部32(図11)を、第三部品装着部33の下側に回り込ませる(図12)。また、これと共に、第一部品装着部31(図11)が、第三部品装着部33の下側に回り込む(図12)。
このようにすれば、LCR101の周辺や、LCR103の周辺に流される微弱なアナログ信号のS/Nは、改善される。LCR101と、LDD102との間に挟み込まれたサブ回路部50のグランド部50gや、LCR101と、LCR103との間に挟み込まれたサブ回路部50のグランド部50gにより、シールド効果が発揮される。サブ回路部50のグランド部50gを構成する第一平面部51(図11)や、第二平面部52や、第三平面部53(図12)により、LCR101や、LCR103に対する電磁波などの輻射対策が行われる。
これにより、一層だけの回路導体10c,10g,50g,60g,70c,80cFPC5が用いられても、一体化された二層の導体802,803(図15)を備えるFPC801のS/N特性と略同じ特性が、一層のFPC5(図8,図12)に発揮される。従って、FPC5にノイズが生じ、例えばOPU1(図1)に誤動作が生じるということは、回避される。また、これにより、同時にOPU1の小型化が図られる。
図3,図4の如く、曲部43Bが容易に折り曲げられるものとされるために、曲部43BにスリットS3が設けられている。また、曲部44Bが容易に折り曲げられるものとされるために、曲部44Bに切欠部U4が設けられている。また、曲部46Bが容易に折り曲げられるものとされるために、曲部46Bに、スリットS6と、切欠部U6とが設けら
れている。
図2の如く、メイン回路部材10は、アナログ信号などの信号が通される各シグナル送信部10cよりも幅広なグランド部10gを備えるものとして形成されている。また、図2および図5の如く、第一サブ回路部材50は、メイン回路部材10のグランド部10gに対して通電可能とされる幅広なグランド部50gを備えるものとされている。また、第一サブ回路部材50と同じく、第二サブ回路部材60も、メイン回路部材10のグランド部10gに対して通電可能とされる幅広なグランド部60gを備えるものとされている。
このようにすれば、例えばOPU1(図1)のCD用LD(不図示)またはDVD用LD(不図示)に流される大電流が、LCR101,103(図9〜図12)などのアナログの電気/電子部品に回り込むということは、回避される。従って、OPU1(図1)における電気信号のS/Nは、改善される。また、例えばOPU1のCD用LDまたはDVD用LDに流される大電流が、LCR101,103(図9〜図12)などのアナログ系電気/電子部品101,103に回り込まないものとさせたことにより、LCR101,103などのアナログ系電気/電子部品101,103に、例えば大電流により動作不良が生じるということは、回避される。
光ディスク装置内において、OPU1(図1)が用いられて、例えば不図示のCD−Rにデータの記録が行われるときに、CD用のLD(図示せず)に、数百mA(ミリアンペア)のパルス電流が流される。パルス電流が流されたときに合わせられて、強力な電磁波が瞬間に発せられる。また、例えば、不図示のLDと、不図示のPDICとが近づけられてOPU1に装備された場合、PDICに対するLDの影響は、大きなものとなる。これらは、OPU1を誤動作させる不具合発生の原因とされる。
しかしながら、図12の如く、各電気/電子部品101,102,103の間に、グランド用のサブ回路部材50を介在させるようにして、各電気/電子部品101,102,103が備えられる部品装着部30を二重に折り返し(図9,図10,図11,図12)、且つ、FPC5(図2)の各グランド部10g,50g,60gをシグナル送信部10cよりも十分に幅広く形成することで、前記不具合の発生は回避される。
図2〜図4の如く、サブ回路部50,60,70,80は、第一サブ回路部50と、第一サブ回路部50に通電可能に接続される第二サブ回路部60(図5)とを、少なくとも備えるものとされている。第一サブ回路部50と、第二サブ回路部60とは、別体とされて、第一サブ回路部50は、第一サブ回路部材50とされ、且つ、第二サブ回路部60は、第二サブ回路部材60とされている。
また、図2〜図4の如く、メイン回路部10は、第一サブ回路部材50と一体とされたメイン回路部材10とされている。メイン回路部材10と、第一サブ回路部材50とが一体とされて、第一サブ回路部材50のグランド部50gは、メイン回路部材10のグランド部10gに続くものとされている。図5の如く、第一サブ回路部材50のグランド部50gと、第二サブ回路部材60のグランド部60gとは、半田付けが行われることで通電可能に接続されている。
このようにすれば、価格の低減化が図られたFPC5を備えるOPU1(図1)が構成される。例えばFPCの形状により、定尺シート(図示せず)から打ち抜かれるFPCの歩留りが悪いものとされていても、FPC5(図2〜図4)を、第一サブ回路部材50を備えたメイン回路部材10と、第二サブ回路部材60との複数の部材に分けて、定尺シートから打ち抜くことで、第一サブ回路部材50を備えたメイン回路部材10と、第二サブ回路部材60とは、効率よく形成される。
FPC5の打抜き加工が行われた不図示の高価な定尺シートに、無駄とされる打抜き残部(図示せず)が多く残される場合、そのようなシート打抜き工程においては、多くの定尺シートが必要とされる。しかしながら、定尺シートの無駄な部分を減らすために、FPC5を、第一サブ回路部材50を備えたメイン回路部材10と、第二サブ回路部材60との複数の部材に分けて、定尺シートから打ち抜くことで、定尺シートの打抜き残部は減少する。従って、高価な定尺シートの歩留りは、向上する。
メイン回路部材10に続く第一サブ回路部材50と、第二サブ回路部材60とは、半田付けにより、容易かつ迅速に通電可能に接続される。このようにすることで、コストダウンが図られたFPC5を備えるOPU1が、光ディスク装置の製造メーカ等に提供される。
定尺シートの打抜き工程が行われるときに、第一サブ回路部材50を備えたメイン回路部材10と、第四サブ回路部材80とが、同一の定尺シートから打ち抜かれて形成される。また、第二サブ回路部材60と、第三サブ回路部材70とが、同一の定尺シートから打ち抜かれて形成される。
図5,図6,図9,図10の如く、メイン回路部材10に対し、サブ回路部材50,60が折り返されて、メイン回路部材10と、サブ回路部材50,60とが重ね合わせられるときに、メイン回路部材10にサブ回路部材50,60を添着可能な両面粘着テープ31T(図4,図9,図10),36T(図4)が用いられて、メイン回路部材10と、サブ回路部材50,60とが貼り合わせられる。
両面粘着テープ31T,36Tが用いられることにより、FPC5に折返し曲げ加工が行われるときに、FPC5のメイン回路部材10に対するサブ回路部材50,60の折返し作業は、容易に行われる。FPC5は、一般に可撓性に優れるものとされている。例えば、略平面状のFPC5が曲げられようとされたときに、FPC5自身から生じる復元弾性力により、FPC5は、元通りの形状に戻されようとする。このことから、折返し作業などの曲げ加工が行われたFPC5を、曲げ加工が行われた状態に精度よく維持するということは、困難なこととされていた。
しかしながら、FPC5のメイン回路部材10に対し、FPC5のサブ回路部材50,60が折り返されて、メイン回路部材10と、サブ回路部材50,60とが重ね合わせられるときに、メイン回路部材10にサブ回路部材50,60を添着可能な両面粘着テープ31T,36Tが用いられて、FPC5のメイン回路部材10と、FPC5のサブ回路部材50,60とが貼り合わせられたものとされていれば、FPC5のメイン回路部材10に対し、FPC5のサブ回路部材50,60は、折り返された状態に精度よく維持される。これにより、OPU1の製造工程における生産効率は向上する。OPU1の製造工程における生産効率が向上することにより、安価なOPU1を光ディスク装置の製造メーカ等に提供することができる。
図5,図6,図9,図10の如く、メイン回路部材10に対し、サブ回路部材50,60が折り返されて、メイン回路部材10と、サブ回路部材50,60とが重ね合わせられたときに、メイン回路部材10に対し、サブ回路部材50,60が半田付けされて、メイン回路部材10と、サブ回路部材50,60とが通電可能に接続される。
第一サブ回路部材50(図3,図5)の第一平面部51に突出形成された接続部51jが、メイン回路部材10の第一部品装着部31に設けられた接続部31j(図3)に半田付けされて、メイン回路部材10の第一部品装着部31と、第一サブ回路部材50のグラ
ンド部50g(図5)とが通電可能に接続される(図6)。
また、第二サブ回路部材60(図3,図5)に突出形成された接続部60jが、メイン回路部材10の第六部品装着部36に設けられた接続部36j(図3)に半田付けされて、メイン回路部材10の第六部品装着部36と、第二サブ回路部材60のグランド部60g(図5)とが通電可能に接続される(図6)。
このようにすることで、FPC5(図5,図6)のメイン回路部材10に取り付けられた各種電気/電子部品がノイズの影響を受け、電気/電子部品が正常に機能しないということは、回避される。FPC5のメイン回路部材10に対し、FPC5のサブ回路部材50,60が折り返されて、メイン回路部材10と、サブ回路部材50,60とが重ね合わせられたときに、メイン回路部材10の第一部品装着部31に対し、第一サブ回路部材50が半田付けされて、メイン回路部材10の第一部品装着部31と、第一サブ回路部材50とが通電可能に接続されたものであれば、メイン回路部材10の第一部品装着部31に構成されたLCR101(図9)にノイズが回り込むということは、回避され易くなる。
また、FPC5(図5,図6)のメイン回路部材10に対し、FPC5のサブ回路部材50,60が折り返されて、メイン回路部材10と、サブ回路部材50,60とが重ね合わせられたときに、メイン回路部材10の第六部品装着部36に対し、第二サブ回路部材60が半田付けされて、メイン回路部材10の第六部品装着部36と、第二サブ回路部材60とが通電可能に接続されたものであれば、メイン回路部材10の第六部品装着部36に装着された不図示のEEPROMにノイズが回り込むということは、回避され易くなる。従って、ノイズにより、メイン回路部材10の各種電気/電子部品に動作不良が生じ、OPU1(図1)が正常に機能しないということは、回避され易くなる。
FPC5(図2〜図4)は、メイン回路部材10に装着される他のサブ回路部材80を備えるものとされている。他のサブ回路部材80は、メイン回路部材10に設けられた特定の回路導体10c(図2)を跨いで、メイン回路部材10の一接続部10jと、メイン回路部材10の他の接続部10kとを通電可能に繋ぐバイパス用のサブ回路部材とされている。図2においては、回路導体10cは、簡略化されたものとして示されているが、実際には、多くの回路導体10cが、メイン回路部材10の基部10bに張り巡らされている。
メイン回路部材10に他のサブ回路部材80が装着されるときに、他のサブ回路部材80の一接続部80j(図3)と、メイン回路部材10の一接続部10jとが合わせられる。また、メイン回路部材10に他のサブ回路部材80が装着されるときに、他のサブ回路部材80における他の接続部80kと、メイン回路部材10における他の接続部10kとが合わせられる。
他のサブ回路部材80がメイン回路部材10に装着されてFPC5が構成されるものとされていれば、FPC5の設計自由度が広げられる。また、FPC5に取り付けられた各種電気/電子部品も正常に機能され易くなる。FPC5を構成するメイン回路部材10には、多数の回路導体10cが複雑に張り巡らされている。
FPC5を構成する他のサブ回路部材80が、メイン回路部材10に設けられた特定の回路導体10cを跨いで、メイン回路部材10の一接続部10jと、メイン回路部材10の他の接続部10kとを通電可能に繋ぐバイパス用回路とされていれば、複雑な回路導体10c,10gの設計は、容易に行われる。OPU1のFPC5の設計が容易に行われることにより、FPC5にかけられる設計費用が削減化され、結果としてOPU1の価格低減化が図られる。また、メイン回路部材10に取り付けられた各種電気/電子部品にノイ
ズが回り込むということも、回避され易くなる。
メイン回路部材10(図2〜図4)に対し、他のサブ回路部材80が装着されるときに、半田付けが行われることで、メイン回路部材10と、他のサブ回路部材80とが通電可能に接続される。メイン回路部材10の半田部10S(図3)と、他のサブ回路部材80の半田部80Sとが合わせられて、黒く塗りつぶされた部分に半田付けが行われることで、メイン回路部材10と、他のサブ回路部材80とが通電可能に接続される。
具体例を説明すると、メイン回路部材10に他のサブ回路部材80が装着されるときに、メイン回路部材10の一接続部10jに、他のサブ回路部材80の一接続部80jが半田付けされる。また、メイン回路部材10に他のサブ回路部材80が装着されるときに、メイン回路部材10における他の接続部10kに、他のサブ回路部材80における他の接続部80kが半田付けされる。
これにより、他のサブ回路部材80を備えるFPC5は、容易に構成される。FPC5を構成するメイン回路部材10と、FPC5を構成する他のサブ回路部材80とを通電可能に接続するために、メイン回路部材10に他のサブ回路部材80を半田付けさせることで、メイン回路部材10と、他のサブ回路部材80とを備えるFPC5は、容易に構成される。容易にFPC5が構成されるので、FPC5の価格は、低いものとして抑えられる。従って、バイパス用の他のサブ回路部材80がメイン回路に装着されて構成されたFPC5を備えるものとされていても、価格が抑えられたOPU1(図1)が構成される。
メイン回路部材10(図2,図5〜図8)のグランド部10gが延長されて形成された接続部23は、金属製ハウジング1H(図1)に取り付けられた金属製放熱板(図示せず)に通電可能に接続される。前記金属製放熱板に対し、メイン回路部材10のグランド部10gが容易で確実に半田付けされ、且つ、OPU1のLD(図示せず)などから生じる熱が、放熱板を介して効率よく発散されるために、金属製放熱板は、銅板が用いられて形成されている。銅板製放熱板が装着された金属製ハウジング1Hは、金属製スクリューシャフト3と、金属製ガイドシャフト4とにより、移動可能な状態で支持されている。
OPU1は、FPC5を構成するメイン回路部材10のグランド部10gと、メイン回路部材10のグランド部10gと接続された金属製放熱板と、金属製放熱板が装着された金属製ハウジング1Hと、金属製ハウジング1Hを移動可能に支持する金属製スクリューシャフト3および/または金属製ガイドシャフト4とにより、接地されている。