JP4817067B2 - X線撮影装置 - Google Patents

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Description

この発明は、X線撮影装置によって全脊椎撮影や全下肢撮影のような長尺撮影を行うために、被写体にX線を照射するX線管などのX線照射手段によりX線を照射し、その被写体を透過したX線を、立位スタンドまたは臥位テーブルなどに付設されたフラットパネル型X線検出器などのX線検出手段で検出し、かつ、被写体に対して連続する複数の撮影範囲に設定し、各撮影範囲でX線検出手段により検出されたX線を処理して分割画像データを収集し、その画像データを繋いで長尺画像データを作成するように構成したX線撮影装置に関する。
この種のX線撮影装置としては、従来、次のようなものが知られている。
すなわち、被写体にX線を照射するX線照射装置が、天井吊り保持装置によって天井から吊って保持されている。天井吊り保持装置はX線照射装置を上下左右に駆動移動できるように構成されている。
X線照射装置に被写体を挟んで対向するように、被写体を透過したX線信号を検出する二次元の平面検出器を有するX線検出装置が設けられている。このX線検出装置が立位撮影台に上下方向に駆動移動可能に設けられている。
X線検出装置には、平面検出器で検出したX線信号を読み出して画像データを収集する画像データ収集装置と、この画像データ収集装置で収集した画像データに各種の画像処理を施して所望の画像データを得る画像処理装置とが接続されている。
上記構成のX線撮影装置において、長尺撮影を行う際には、被写体の長尺撮影範囲のほぼ中心部となる腹部の上部付近から背中にかけての胴体周囲にマーカー付きのゴム製のバンド(マーカー固定具)を巻いて平面検出器の位置決め用および画像連結用マーカーを装着する。
しかる後、X線照射装置内に在るX線照射範囲確認用投光器からの光束によって得られる光照射範囲を目視しながら、X線照射装置を上下に移動させてX線照射装置からの光束の中心と被写体の長尺撮影範囲の中心とが一致する位置にX線照射装置を配置する。その位置にX線照射装置を保持するとともに、マーカーを長尺撮影範囲の中心における被写体の背中の横幅内の任意の距離を有する2ヶ所、すなわち、長尺撮影範囲を分割した隣り合う撮影範囲同士の一部に設けた重複領域内に固定する。
次いで、X線検出装置を、その平面検出器が、被写体の関心領域の上位半分以上を撮影できる撮影範囲の位置に配置されるように移動させ、X線可動絞り装置によってX線照射装置のX線照射野を平面検出器の有効視野に制限し、その状態でX線を曝射して、上位半分以上の撮影を行う。
その後、X線検出装置およびX線照射装置を下位半分以上の撮影を行おうとする位置に移動し、その状態で、X線照射装置の照射野を狭い範囲に絞り込んでX線透視と同レベルのX線量の照射によってマーカーの撮影を行い、X線検出装置の平面検出器の上端からのマーカーの位置を画像データから演算する。
平面検出器の大きさとX線検出装置およびX線照射装置の移動量とが予め判っていることから、上位半分以上の撮影時におけるX線検出装置の平面検出器の下端からマーカーまでの長さを演算し、その値とマーカー撮影時の平面検出器の上端からのマーカーの位置とに基づいて、平面検出器の上端からマーカーまでの長さが上位半分以上の撮影時における平面検出器の下端からマーカーまでの長さに等しくなる位置にX線検出装置およびX線照射装置を移動するのに必要な移動量を演算し、その移動量の分だけX線検出装置およびX線照射装置を移動させ、平面検出器の端での歪み量が上位半分以上の撮影時と下位半分以上の撮影時とで等しくなるようにしている。
このようにして得られた上位半分以上の撮影で得られた画像データからマーカーより下の部分をトリミングし、一方、下位半分以上の撮影で得られた画像データからマーカーより上の部分をトリミングし、両画像データを繋ぎ合わせて一枚の長尺画像データを得るように構成されている(特許文献1参照)。
特開2006−141904号公報
しかしながら、従来例の場合、マーカー付きのゴム製のバンドを被写体に巻き付けるものであるため、マーカーを設けるために手間を要するとともに被写体にとって不快になる不都合がある。また、長尺撮影後の画像データにおいて、被写体にマーカーが接触して重なった状態での画像となり、読影の邪魔になり、診断能が低下する不都合があった。
この発明は、上述のような事情に鑑みてなされたものであって、マーカーを、読影に支障をきたさない所定の位置に容易に設けることができるようにすることを目的とする。
請求項1に係る発明は、上述のような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係るX線撮影装置は、被写体にX線を照射するX線照射手段と、前記X線照射手段のX線照射口に投光可能に設けられて、前記X線照射手段のX線照射野を調整するコリメータと、立位スタンドまたは臥位テーブルに付設されて被写体を透過したX線を検出するX線検出手段と、前記X線検出手段を前記立位スタンドまたは臥位テーブルに沿って駆動移動するX線検出手段駆動装置と、長尺撮影範囲を指定する長尺撮影範囲指定手段と、前記長尺撮影範囲と前記X線検出手段のX線検出領域とを考慮して撮影回数を算出する撮影回数算出手段と、被写体に対して連続する複数の撮影範囲それぞれで前記X線検出手段により検出されたX線を処理して分割画像データを収集する分割画像データ収集手段と、前記分割画像データ収集手段で収集された画像データを繋いで長尺画像データを作成する長尺画像データ作成手段と、前記長尺撮影範囲と前記撮影回数とに基づいて前記複数の撮影範囲における撮影範囲どうしの重複領域をそれぞれ求めるとともに、前記重複領域内で前記分割画像データを繋ぎ合わせるためのマーカーの設置位置を算出するマーカー位置算出手段と、前記マーカー位置算出手段で算出されたマーカーの設置位置を指定するマーカー位置指定手段を備えたことを特徴とするものである。
(作用・効果)
請求項1に係る発明のX線撮影装置の構成によれば、長尺撮影に際して、マーカーの設置位置を指定することができる。
すなわち、長尺撮影範囲指定手段によって長尺撮影範囲を指定し、撮影回数算出手段によって長尺撮影範囲とX線検出手段のX線検出領域とを考慮して撮影回数を算出する。また、マーカー位置算出手段によって長尺撮影範囲と撮影回数とに基づいて複数の撮影範囲における撮影範囲どうしの重複領域をそれぞれ求めるとともに、その重複領域内で分割画像データを繋ぎ合わせるためのマーカーの設置位置を算出する。このようにして算出されたマーカーの設置位置をマーカー位置指定手段によって指定する。
したがって、指定された位置にマーカーを設置すれば良いから、従来例の、マーカー付きのゴム製のバンドを被写体に巻き付けるような場合に比べ、マーカーを設けるための手間を少なくできるとともに不快になることを回避できる。
また、被写体と重ならない位置に容易にマーカーを設置できるから、長尺撮影後の画像データにおいて、被写体とマーカーとが重なることを回避でき、読影に支障をきたすことが無く、診断能を向上できる。
また、請求項2に係る発明は、
請求項1に記載のX線撮影装置において、
マーカー位置指定手段を、投光によってマーカーの設置位置を指定するもので構成する。
投光による構成としては、例えば、プロジェクターや、X線撮影装置に備えられているコリメータランプを利用して、線状やマーカーの模様とか線や点線などを投光して設置位置を指定する構成が採用される。
(作用・効果)
請求項2に係る発明のX線撮影装置の構成によれば、投光によってマーカーの設置位置を指定するから、被写体と繋がった状態で表示できながら、被写体に重ならない位置に容易にマーカーを設置することができ、読影に支障をきたすことが無く、診断能を向上できる。
また、請求項3に係る発明は、
請求項2に記載のX線撮影装置において、
マーカー位置指定手段を、X線検出手段の受光面の前記X線検出手段の移動方向に直交する方向の両端それぞれに相当する位置で、前記X線検出手段の移動方向に直交する方向に延びる線状光によってマーカーの設置位置を指定するもので構成する。
(作用・効果)
請求項3に係る発明のX線撮影装置の構成によれば、線状光によってマーカーの設置位置を指定するから、被写体と繋がった状態で表示できながら、被写体の長軸方向でのマーカーの設置位置の精度を高くした状態で被写体に重ならない位置に容易にマーカーを設置することができ、読影に支障をきたすことが無く、診断能を一層向上できる。
また、請求項4に係る発明は、
請求項1に記載のX線撮影装置において、
マーカー位置指定手段を、X線検出手段の受光面の前記X線検出手段の移動方向に直交する方向の両端それぞれに相当する位置で、発光によってマーカーの設置位置を指定するもので構成する。
(作用・効果)
請求項4に係る発明のX線撮影装置の構成によれば、X線照射手段側に投光のための構成を設けずに済み、X線照射手段側の構成を簡略化できる。
請求項1に係る発明のX線撮影装置の構成によれば、長尺撮影に際して、マーカーの設置位置を指定することができる。
したがって、指定された位置にマーカーを設置すれば良いから、従来例の、マーカー付きのゴム製のバンドを被写体に巻き付けるような場合に比べ、マーカーを設けるための手間を少なくできるとともに不快になることを回避できる。
また、被写体と重ならない位置に容易にマーカーを設置できるから、長尺撮影後の画像データにおいて、被写体とマーカーとが重なることを回避でき、読影に支障をきたすことが無く、診断能を向上できる。
次に、この発明のX線撮影装置の実施例について説明する。
図1は、この発明に係る実施例1のX線撮影装置の全体側面図であり、被写体Hを載置する臥位テーブル1上に、X線を照射するX線照射手段としてのX線管2が設けられ、天板1の下部に、被写体Hを透過したX線を検出するX線検出手段としてのフラットパネル型X線検出器(FPD)3が設けられ、X線撮影装置が構成されている。
X線管2のX線照射口には、X線管2のX線照射野を調整するコリメータ4が設けられている。コリメータ4には、被写体Hの長軸方向に間隔を隔てて対向するように第1のリーフ5と第2のリーフ6がそれぞれ独立して移動可能に設けられ、第1のリーフ5に第1のリーフ用電動モータ7が、第2のリーフ6に第2のリーフ用電動モータ8がそれぞれ連動連結され、コリメータ4の光照射野を被写体Hの身長方向(長軸方向)に拡大縮小できるとともに、X線管2のX線照射野を被写体Hの身長方向(長軸方向)に駆動移動できるように構成されている。
フラットパネル型X線検出器3は、臥位テーブル1に被写体Hの身長方向(長軸方向)に移動可能に設けられ、フラットパネル型X線検出器3に、それを駆動移動するX線検出手段用駆動装置としてのフラットパネル型X線検出器(FPD)用電動モータ10(図2参照)が連動連結されている。
フラットパネル型X線検出器3には分割画像データ収集手段11が接続され、被写体Hに対して連続する複数の撮影範囲それぞれで検出されたX線を処理して分割画像データを収集するように構成されている。また、分割画像データ収集手段11に長尺画像データ作成手段12が接続され、分割画像データ収集手段11で収集された画像データを繋いで長尺画像データを作成するように構成されている。長尺画像データ作成手段12には表示モニタ13が接続され、作成された長尺画像を表示できるように構成されている。
第1のリーフ用電動モータ7および第2のリーフ用電動モータ8それぞれには、その回転量から第1のリーフ5および第2のリーフ6それぞれの位置を検出する第1のリーフ用ポテンショメータ14および第2のリーフ用ポテンショメータ15が付設され、第1のリーフ5および第2のリーフ6それぞれの位置に基づいて、光照射野による被写体Hの身長方向の長尺撮影範囲の特定を行えるとともに、X線管2からのX線照射の際の照射野を特定できるように構成されている。また、第1のリーフ5および第2のリーフ6は、その対向間隔を近接してランプ光を直線状にして投光可能に構成され、直線光の投光によりマーカーの設置位置を指定可能にマーカー位置指定手段が構成されている。
第1のリーフ用ポテンショメータ14および第2のリーフ用ポテンショメータ15に登録ボタン16が接続され、コリメータ4の光照射野を被写体Hの身長方向の長尺撮影全範囲にわたるように拡大した状態で、被写体Hの身長方向の頭部側端部撮影位置および脚部側端部撮影位置を指定する撮影領域指定手段17(図2参照)が構成されている。図中18は、X線管1の照射中心方向を変更するX線管用電動モータを示している。
図2の制御系のブロック図に示すように、撮影領域指定手段17とマーカー設置ボタン19とがコントローラ20に接続され、そのコントローラ20に、第1のリーフ用電動モータ7、第2のリーフ用電動モータ8、フラットパネル型X線検出器(FPD)用電動モータ10およびX線管用電動モータ18が接続されている。
コントローラ20には、撮影状況特定手段21、フラットパネル型X線検出器(FPD)制御手段22、コリメータ制御手段23およびX線管制御手段24が備えられている。
撮影状況特定手段21には、撮影回数算出手段25、1回目撮影領域算出手段26、2回目撮影領域算出手段27および3回目撮影領域算出手段28が備えられている。
また、コントローラ20には、マーカー位置算出手段29が備えられ、撮影回数算出手段25に接続されている。
撮影回数算出手段25では、撮影領域指定手段17による撮影領域の指定に基づいて、フラットパネル型X線検出器3のX線検出領域との比較により長尺撮影に必要な撮影回数を算出するようになっている。
1回目撮影領域算出手段26では、撮影回数算出手段25で算出された撮影回数に基づき、フラットパネル型X線検出器(FPD)制御手段22、コリメータ制御手段23およびX線管制御手段24に制御信号を出力し、長尺撮影において最も被写体Hの頭部側の撮影に必要な位置にフラットパネル型X線検出器3を移動するとともに、そのX線検出領域にX線を照射するに必要な照射野が得られるようにコリメータ4およびX線管2を駆動するようになっている。通常、この1回目ではフラットパネル型X線検出器3の全面にX線を照射する。
2回目撮影領域算出手段27では、撮影回数算出手段25で算出された撮影回数に基づき、フラットパネル型X線検出器(FPD)制御手段22、コリメータ制御手段23およびX線管制御手段24に制御信号を出力し、長尺撮影において中間位置(2回撮影の場合は最も被写体Hの脚部側)の撮影に必要な位置にフラットパネル型X線検出器3を移動するとともに、そのX線検出領域(2回撮影の場合にはフラットパネル型X線検出器3の全面より狭い領域になる)にX線を照射するに必要な照射野が得られるようにコリメータ4およびX線管2を駆動するようになっている。
3回目撮影領域算出手段28では、撮影回数算出手段25で算出された撮影回数に基づき、フラットパネル型X線検出器(FPD)制御手段22、コリメータ制御手段23およびX線管制御手段24に制御信号を出力し、長尺撮影において最も被写体Hの脚部側の撮影に必要な位置にフラットパネル型X線検出器3を移動するとともに、そのX線検出領域(一般的にフラットパネル型X線検出器3の全面より狭い領域になる)にX線を照射するに必要な照射野が得られるようにコリメータ4およびX線管2を駆動するようになっている。
マーカー位置算出手段29では、マーカー設置ボタン19を操作するに伴って、撮影領域指定手段17で指定された撮影領域と、撮影回数算出手段25で算出された撮影回数とに基づいて、1回目と2回目、および、2回目と3回目それぞれの撮影において重複させる領域を求めるとともに、その重複領域内でマーカーを設置する位置を算出するようになっている。
次に、上記実施例1による撮影動作について説明する。
先ず、フラットパネル型X線検出器3上の被写体Hに対してコリメータ4からランプ光を照射し、第1のリーフ5および第2のリーフ6を駆動してその光照射野を拡大縮小し、図1に示すように、被写体Hに対応して長尺撮影に必要な撮影領域を設定し、登録ボタン16を押すことにより、その撮影領域を指定する。
上記指定に伴い、フラットパネル型X線検出器3のX線検出領域の長さと重複領域を考慮して撮影回数(ここでは3回)が算出され、1回目、2回目および3回目それぞれでのフラットパネル型X線検出器3の位置を特定する。また、マーカー設置ボタン19の操作に伴って第1のリーフ5および第2のリーフ6によって決まる直線光の投光位置、すなわち、マーカーの設置位置(3分割の場合は2ヶ所)それぞれを特定するとともに、X線管1のX線照射中心の角度と、第1のリーフ5および第2のリーフ6によって決まるX線照射野の角度それぞれを特定する。
その後、図3の動作説明に供する全体概略平面図に示すように、マーカー設置ボタン19の操作に伴って第1のリーフ5および第2のリーフ6を変位し、順に、2つの重複領域A1、A2内に、マーカーの設置位置を指定する直線光L1、L2を投光し、その直線光L1、L2に基づいて臥位テーブル1の両端側の被写体Hに重複しない箇所それぞれに順にマーカー30を設置する。
しかる後、1回目、2回目および3回目それぞれの撮影において、上述のように特定された位置にフラットパネル型X線検出器3を自動的に移動するとともに、X線管2のX線照射中心の角度およびX線照射野が特定された角度およびX線照射野になるように、X線管2と第1のリーフ5および第2のリーフ6を自動的に変位させ、3個の分割領域B1、B2、B3に対応する3枚の分割画像データを得るとともに、それらの分割画像データどうしを繋ぎ合わせて長尺画像データを作成する。
上述繋ぎ合わせ処理においては、1枚目の分割画像データのマーカー30よりも被写体Hの脚部側部分と、2枚目の分割画像データのマーカー30よりも被写体Hの頭部側部分それぞれをトリミングして1枚目の分割画像データと2枚目の分割画像データとを繋ぎ合わせる。同様にして、2枚目の分割画像データと3枚目の分割画像データとを繋ぎ合わせ、全体として3枚の分割画像データを繋ぎ合わせた長尺画像データを作成する。
上記実施例1では、マーカーの設置位置を指定する直線光L1、L2を投光するのに、コリメータ4を利用しているが、別途プロジェクターを用いるようにしても良い。
図4は、この発明に係る実施例2のX線撮影装置の全体側面図であり、実施例1と異なるところは次の通りである。
すなわち、コリメータ4の光照射口に、フィルム支持部材41を介して、マーカー位置指定手段として、任意の位置に描画可能で、X線を透過可能な材質のフィルム状の電子ペーパー42が取り付けられている。電子ペーパー42は、マーカー位置算出手段29で算出された位置に投影可能に点線を描画し、その描画した点線を臥位テーブル1に投影し、マーカー30の設置位置を指定するように構成されている。他の構成は実施例1と同じであり、その説明は省略する。
この実施例2の構成によれば、図5の動作説明に供する全体概略平面図に示すように、前述のマーカー位置算出手段29で算出された位置(重複領域A1、A2)に点線光D1、D2を同時に投光して、マーカー30の設置位置を指定し、その点線光D1、D2に基づいて臥位テーブル1の両側縁の被写体Hに重複しない箇所それぞれに順にマーカー30を設置できる。
このため、実施例1のように、マーカー位置算出手段29で算出された位置に順に個別にしか投光できない場合に比べ、マーカー30の設置を迅速に行うことができる利点を有している。
上記実施例2による場合、投光によって表示するものは、点線に限らず、直線であっても、マーカー状の模様であっても良い。
図6は、この発明に係る実施例3のX線撮影装置の要部の概略平面図であり、実施例1と異なるところは次の通りである。
すなわち、臥位テーブル1の両側縁それぞれに、マーカー位置指定手段として、長手方向に多数の発光ダイオード(LED)51が付設され、マーカー位置算出手段29で算出された位置(重複領域A1、A2)の発光ダイオード51を同時に発光させ、マーカー30の設置位置を指定するように構成されている。他の構成は実施例1と同じであり、その説明は省略する。
上記実施例では、臥位テーブル1を用いたX線撮影装置を示したが、この発明としては、立位スタンドを用いたX線撮影装置にも適用でき、その場合は、被写体Hと立位スタンドとの間に衝立を設け、その衝立にマーカー30を設置するようにするものであれば良く、衝立に直線光や点線光を投光したり、発光ダイオードを設けるようにすれば良い。
上記実施例では、最大で3枚の分割画像データから長尺画像データを得る場合で説明したが、この発明としては、4枚以上の分割画像データから長尺画像データを得る場合にも適用できる。
上記実施例のX線撮影装置では、X線検出手段としてフラットパネル型X線検出器3を用いているが、この発明としては、例えば、X線フィルムを用いるものとか、X線透過像を可視光像に変換するイメージインテンシファイアを用いるものでも良い。
また、この発明は、身体全体をX線撮影する場合に限らず、フラットパネル型X線検出器3の移動方向でのX線検出領域よりも長い脚や腕などの被写体HをX線撮影する場合にも適用できる。
また、この発明としては、上記実施例のようにX線管2を回転するタイプに限らず、被写体Hの長軸方向にX線管2を移動可能に設けるタイプのX線撮影装置にも適用できる。
この発明に係る実施例1のX線撮影装置の全体側面図である。 制御系を示すブロック図である。 動作説明に供する全体概略平面図である。 この発明に係る実施例2のX線撮影装置の全体側面図である。 動作説明に供する全体概略平面図である。 この発明に係る実施例2のX線撮影装置の要部の概略平面図である。
符号の説明
1…臥位テーブル
2…X線管(X線照射手段)
3…フラットパネル型X線検出器(X線検出手段)
10…フラットパネル型X線検出器用電動モータ(X線検出手段用駆動装置)
11…分割画像データ収集手段
12…長尺画像データ作成手段
30…マーカー
42…電子ペーパー(マーカー位置指定手段)
51…発光ダイオード(マーカー位置指定手段)
H…被写体

Claims (4)

  1. 被写体にX線を照射するX線照射手段と、前記X線照射手段のX線照射口に投光可能に設けられて、前記X線照射手段のX線照射野を調整するコリメータと、立位スタンドまたは臥位テーブルに付設されて被写体を透過したX線を検出するX線検出手段と、前記X線検出手段を前記立位スタンドまたは臥位テーブルに沿って駆動移動するX線検出手段駆動装置と、長尺撮影範囲を指定する長尺撮影範囲指定手段と、前記長尺撮影範囲と前記X線検出手段のX線検出領域とを考慮して撮影回数を算出する撮影回数算出手段と、被写体に対して連続する複数の撮影範囲それぞれで前記X線検出手段により検出されたX線を処理して分割画像データを収集する分割画像データ収集手段と、前記分割画像データ収集手段で収集された画像データを繋いで長尺画像データを作成する長尺画像データ作成手段と、前記長尺撮影範囲と前記撮影回数とに基づいて前記複数の撮影範囲における撮影範囲どうしの重複領域をそれぞれ求めるとともに、前記重複領域内で前記分割画像データを繋ぎ合わせるためのマーカーの設置位置を算出するマーカー位置算出手段と、前記マーカー位置算出手段で算出されたマーカーの設置位置を指定するマーカー位置指定手段を備えたことを特徴とするX線撮影装置。
  2. 請求項1に記載のX線撮影装置において、
    マーカー位置指定手段が、投光によってマーカーの設置位置を指定するものであるX線撮影装置。
  3. 請求項2に記載のX線撮影装置において、
    マーカー位置指定手段が、X線検出手段の受光面の前記X線検出手段の移動方向に直交する方向の両端それぞれに相当する位置で、前記X線検出手段の移動方向に直交する方向に延びる線状光によってマーカーの設置位置を指定するものであるX線撮影装置。
  4. 請求項1に記載のX線撮影装置において、
    マーカー位置指定手段が、X線検出手段の受光面の前記X線検出手段の移動方向に直交する方向の両端それぞれに相当する位置で、発光によってマーカーの設置位置を指定するものであるX線撮影装置。
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