JP5428882B2 - 放射線撮影装置 - Google Patents

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本発明は、医用の放射線撮影装置に係り、特に、立位の被検体を撮影する放射線撮影装置に関する。
医療機関には、放射線を被検体に照射し、放射線放射線透視画像を取得する放射線撮影装置が備えられている。この様な放射線撮影装置には、鉛直方向に移動可能なフラットパネルディテクタ(FPD)が設けられている。
従来の放射線撮影装置の構成を具体的に説明する。従来の放射線撮影装置51は、図10に示すように、放射線を照射する放射線源53と、被検体を透過した放射線を検出するFPD54とを備えている。被検体Mは、放射線源53とFPD54とに挟まれる位置に存し、検査中の被検体Mの体位は、立位である(例えば、特許文献1参照)。
FPD54は、鉛直方向に伸びた支柱57に支持されている。そして、FPD54は、支柱57に案内されて摺動することで鉛直方向に移動することができる。この様な装置で被検体Mの放射線透視画像を取得する場合、FPD54は鉛直方向の上方に移動される。放射線源53は鉛直方向に移動せず、その代りFPD54の移動に連動して常にFPD54を向くように傾斜される。放射線源53は、被検体Mに向けて放射線を照射し、FPD54によって第1の放射線透視画像が取得される。そして、FPD54は、鉛直方向の下方に移動される。この時点で放射線源53は、再び放射線を照射し、第2の放射線透視画像が取得される。第1の放射線透視画像には被検体の上部、第2の放射線透視画像には被検体の下部のそれぞれが写りこんでいる。
これら第1の放射線透視画像、第2の放射線透視画像は、つなぎ合わせられて単一の画像が生成される。こうして、放射線透視画像の取得を複数回に分けて行うことにより、広範囲な被検体Mの画像が取得される。
特開2006−141904号公報
しかしながら、従来構成によれば、次の様な問題点がある。
すなわち、従来の放射線撮影装置は、支柱57の撓みを無視した構成となっている。すなわち、FPD54を鉛直方向に移動させても支柱57は、撓まないものとして放射線透視画像が取得されるのである。第1の放射線透視画像を取得するときの放射線源53とFPD54との位置関係と、第2の放射線透視画像を取得するときのそれらの位置関係が同一であればこそ、歪みのない放射線放射線透視画像が取得できるのである。しかし、支柱57を軽量化しようとすると、図11に示すようにFPD54の重みにより支柱57が撓む。具体的には、FPD54が支柱57の上方にあればあるほど支柱57は撓み、FPD54が垂れ下がる。
この様な状態で第1の放射線透視画像を取得すると、支柱57の撓みによりFPD54は、より放射線源53に向けてせり出すとともに、FPD54が有する放射線を検出する検出面は、放射線源53の下側を向くように傾斜してしまう。一方、第2の放射線透視画像を取得するときのFPD54のせり出しと傾斜は、第1の放射線透視画像の取得時と比べてより軽微である。
この様に放射線源53とFPD54との位置関係は、2回の透視像の撮影の間で互いに異なっている。したがって、2つの透視像の間で写りこんでいる被検体の拡大率が互いに異なる。つまり、2つの放射線透視画像をつなぎ合わせると、2枚の放射線透視画像に写りこんでいる被検体の大きさに食い違いが生じてしまう。そのため、図12に示すように放射線放射線透視画像に写りこんでいる被検体の画像に階段状の歪みが生じてしまう。
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、FPDを摺動自在に支持する支柱を軽量化しつつ、生成される画像に歪みが生じることがない放射線撮影装置を提供することにある。
本発明は上述の課題を解決するために次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係る放射線撮影装置は、放射線を照射する放射線源と、放射線源を傾斜させる放射線源傾斜手段と、放射線を検出する放射線検出手段と、放射線検出手段を摺動自在に支持する鉛直方向に伸びるとともに、放射線検出手段の重みにより放射線源の方向に撓んだ支柱と、放射線源との位置関係を保ちながら放射線検出手段を支柱に対して移動させる検出器移動手段と、放射線検出手段の出力を基に放射線透視画像を生成する画像生成手段と、支柱の撓みに起因した放射線透視画像が有する空間的な歪みを打ち消すように各放射線透視画像に補正処理を施して補正画像を生成する補正手段と、放射線検出手段が鉛直方向の異なる位置にあるときに取得された補正画像をつなぎ合わせるつなぎ合わせ手段を備え、補正手段の補正処理は、補正対象の放射線透視画像が取得された時点における放射線検出手段の鉛直方向の位置に応じて変更されることを特徴とするものである。
[作用・効果]本発明に係る放射線撮影装置は、放射線検出手段を鉛直方向に移動させながら複数の放射線透視画像を取得し、これらをつなぎ合わせて単一の画像を生成する構成となっている。これにより、放射線検出手段の視野範囲よりも広域な範囲における被検体の透視像が写りこんだ画像を取得することができる。複数の放射線透視画像をつなぎ合わせる際に、放射線検出手段を支持する支柱の撓みが問題となる。放射線検出手段は、支柱に案内され、鉛直方向に移動するので、支柱が撓んでいると放射線検出手段の移動の軌跡も直線からズレたものとなる。放射線透視画像の各々は、放射線検出手段が鉛直方向に移動しながら撮影されていることが前提である。しかし、支柱が撓んでいると、放射線検出手段の移動が鉛直方向からズレながら複数の放射線透視画像が取得されることになる。取得された放射線透視画像を単につなぎ合わせれば、放射線透視画像同士のつなぎ目において被検体の透視像の大きさが食い違ってしまう。つまり、放射線検出手段の移動が設定どおりとなっていないことにより放射線透視画像の各々には被検体が空間的に歪んだ状態で写りこんでいる。
しかも、その歪み方は放射線透視画像の各々で異なっている。放射線検出手段が鉛直方向に動くと、放射線検出手段の傾斜が逐次変動するからである。
本発明によれば、放射線透視画像の空間的な歪みを個別に補正した後、補正後の補正画像をつなぎ合わせる。こうすることで、被検体の透視像が放射線透視画像のつなぎ目でズレることがない。しかも、放射線透視画像の補正処理は、補正対象の放射線透視画像が取得された時点における放射線検出手段の鉛直方向の位置に応じて変更される。したがって、補正対象の放射線透視画像はその歪み方に合わせて確実に補正されるのである。
また、上述の放射線透視画像の空間的な歪みは、放射線検出手段の重みによる支柱の撓みに起因したものであればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、支柱をより具体的に示すものである。支柱を軽量化するとそれだけ剛性が劣り、放射線検出手段の重みで撓みやすくなる。本発明によれば、診断に好適な画像を取得するのに支柱を大掛かりなものとする必要はないので、装置は軽量化され、安価なものとなる。
また、上述の放射線検出手段の傾斜を測定する傾斜測定手段と、放射線検出手段を傾斜させる傾斜手段とを備え、傾斜手段は、放射線検出手段の移動に応じて放射線検出手段の有する放射線を検出する検出面が鉛直方向に沿うように放射線検出手段を傾斜させればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成のようにすると、放射線検出手段の姿勢は常に一定となる。放射線検出手段の検出面が垂直方向に対して傾斜すると放射線検出手段に写りこむ被検体の透視像は台形に歪む。上述の構成のように放射線検出手段の傾きを補正する構成とすれば、被検体の台形の歪みは抑制され、単に被検体の透視像は、拡大・縮小するように歪むのみである。したがって、放射線透視画像を単に拡大・縮小するだけで放射線透視画像の補正を完了することができる。
また、上述の補正手段が行う放射線透視画像の補正は台形補正処理であればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成では、放射線検出手段に写りこむ被検体の透視像が台形に歪んでしまう場合であっても放射線透視画像を補正することができる。
また、上述の放射線検出手段の鉛直方向の位置と、放射線透視画像の空間的な歪みの程度とを関連付けた関連テーブルを記憶する記憶手段を更に備え、補正手段は、関連テーブルを参照して動作し、関連テーブルは、放射線源および放射線検出手段を鉛直方向に移動させながら両者の挟まれる位置に載置されたファントムを撮影することで取得される複数の校正用画像から放射線透視画像の空間的な歪みを推定する推定手段と、推定された放射線透視画像の空間的な歪みと放射線検出手段の鉛直方向の位置とを関連付ける関連付け手段とによって生成されればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、補正手段が参照する関連テーブルについての構成を示すものである。関連テーブルは放射線検出手段の鉛直方向の位置と、放射線透視画像の空間的な歪みの程度とが関連したものである。この関連テーブルは、ファントムを撮影することで得られる複数の校正用画像を基に生成される。校正用画像の空間的な歪みの程度は、校正用画像が撮影された時点における放射線検出手段の位置によって変化する。関連テーブルは、放射線検出手段の位置に応じた校正用画像の空間的な歪みの程度を記憶するのである。補正手段は、この関連テーブルを参照することで放射線検出手段の鉛直方向の位置に応じて放射線透視画像の補正処理を的確に変更することができる。
また、上述のファントムは、放射線源から放射線検出手段へ向かう方向に垂直な平面に広がるマトリックス状の目印が付されたものであればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、ファントムの具体的な構成を示すものである。ファントムにはマトリックス状の目印が付されており、これが校正用画像に写りこむ。推定手段は校正用画像に写りこんだ目印の配列の歪みを把握することで放射線透視画像の空間的な歪みを推定することができる。
本発明に係る放射線撮影装置は、放射線検出手段を鉛直方向に移動させながら複数の放射線透視画像を取得し、これらをつなぎ合わせて単一の画像を生成する構成となっている。しかし、放射線検出手段を支持する支柱が撓んでいると、放射線検出手段と放射線源との位置が設定どおりとなっていないことにより放射線透視画像の各々には被検体が空間的に歪んだ状態で写りこんしまう。しかも、その歪み方は放射線透視画像の各々で異なっている。本発明によれば、放射線透視画像の空間的な歪みを個別に補正する。しかも、放射線透視画像の補正処理は、補正対象の放射線透視画像が取得された時点における放射線検出手段の鉛直方向の位置に応じて変更される。したがって、本発明の放射線撮影装置は、互いに歪み方が異なる放射線透視画像を確実に補正することができるのである。
実施例1に係るX線撮影装置構成を説明する機能ブロック図である。 実施例1に係るX線管、FPDの移動の様子を説明する模式図である。 実施例1に係る補正画像、完成画像を説明する模式図である。 実施例1に係る支柱の撓みを説明する模式図である。 実施例1に係る支柱の撓みを説明する模式図である。 実施例1に係る放射線透視画像の歪みを説明する模式図である。 実施例1に係るファントムの較正を説明する模式図である。 実施例1に係る関連テーブルの生成に係る構成を説明する機能ブロック図である。 本発明の一変形例に係る構成を説明する機能ブロック図である。 従来の放射線撮影装置の構成を説明する模式図である。 従来の放射線撮影装置の構成を説明する模式図である。 従来の放射線撮影装置の構成を説明する模式図である。
<X線撮影装置の構成>
本発明に係る放射線撮影装置の実施例について説明する。なお、X線は本発明の放射線に相当する。本発明に係るX線撮影装置1は、図1に示すようにX線を照射するX線管3と、X線を検出するFPD4とを備えている。FPD4には、X線を検出する検出面を有している。X線管3から照射されるX線ビームは、水平方向に向けて照射され、鉛直方向に沿って伸びたFPD4の検出面に入射する。X線管3は、本発明の放射線源に相当し、FPD4は、本発明の放射線検出手段に相当する。
支柱7は、検査室の床面に固定されており、鉛直上向きに伸びている。この支柱7は、FPD4を支持するものである。FPD移動機構11は、FPD4を支柱7に対して移動させる目的で設けられている。これにより、FPD4の鉛直方向の位置が変更される。FPD移動制御部12は、FPD移動機構11を制御するものである。FPD移動機構11は、本発明の検出器移動手段に相当する。
X線管支持体3aは、検査室の天井に固定されており、鉛直下向きに伸びている。このX線管支持体3aは、X線管3を支持するものである。X線管傾斜機構9は、X線管3を鉛直方向に傾斜させる目的で設けられている。X線管傾斜制御部10は、X線管傾斜機構9を制御するものである。X線管傾斜機構9は、本発明の放射線源傾斜手段に相当する。
X線管制御部6は、X線管3をX線照射を制御するものであり、X線管3は、これの制御にしたがって、所定の管電圧、管電流、パルス幅でX線をFPD4に向けて照射する。
X線グリッド5は、FPD4の検出面を覆うように設けられている。このX線グリッド5は、X線を吸収する短冊状の吸収箔がブラインドのように配列された構成となっている。X線ビームが被検体内で散乱することで発生した散乱X線は、このX線グリッド5を通過できず、FPDの検出面に入射しない。この様に、X線グリッド5を設けることでX線放射線透視画像のコントラストの悪化の原因となる散乱X線がFPD4に入射することを抑制することができる。
画像生成部15は、FPD4が出力するX線の検出信号を被検体の透視像が写りこんだ放射線透視画像P0に変換するものである。画像補正部16は、放射線透視画像P0の空間的な歪みを補正して補正画像P1を生成するものである。つなぎ合わせ部17は、複数の補正画像P1をつなぎ合わせて一枚の完成画像P2を生成するものである。画像補正部16は、本発明の補正手段に相当し、画像生成部15は、本発明の画像生成手段に相当する。また、つなぎ合わせ部17は、本発明のつなぎ合わせ手段に相当する。
記憶部37は、各制御部6,10,12や画像生成に関する各部15,16,17における設定値や各部の出力の一切を記憶する。記憶部37には例えば、画像補正部16が行う補正の様式が記憶されている。記憶部37は、本発明の記憶手段に相当する。
実施例1に係るX線撮影装置1は、各制御部6,10,12を統括的に制御する主制御部41を備えている。この主制御部41は、CPUによって構成され、各種のプログラムを実行することにより各制御部6,10,12,および画像生成部15,画像補正部16,つなぎ合わせ部17を実現している。
表示部35は、完成画像P2を表示するものであり、操作卓36は、術者の操作を入力させるものである。
次に、X線管3の傾斜、およびFPD4の移動について説明する。X線管傾斜制御部10およびFPD移動制御部12は、協働してX線管3,FPD4を同期的に移動・傾斜させる。すなわち、図2に示すようにFPD4が実線の位置にあるとき、X線管3は、実線の方向を向いている。そこからFPD4が破線の位置に移動したとすると、X線管3は破線で示すようにFPD4を向くように鉛直方向に傾斜する。この様にX線管3は、X線を発する焦点の位置を一定としながら傾斜し、FPD4の移動に係らずX線ビームの中心軸が常にFPD4の中心を貫くように傾斜する。
図2においてFPD4が実線の位置にあるときに取得された補正画像を第1補正画像P1aとし、FPD4が破線の位置にあるときに取得された補正画像を第2補正画像P1bとする(図3参照)。つなぎ合わせ部17は、両画像P1a,P1bをつなぎ合わせて1枚の完成画像P2を生成する。このとき、両画像P1a,P1bのつなぎ目には、被検体の同一の部分Rが撮影されている。すなわち、被検体の部分Rをオーバーラップさせて両画像P1a,P1bを撮影するのである。これにより、両画像P1a,P1bはより確実につなぎ合わされる。
支柱7は、従来のものよりも軽量化されたものである。したがって、FPD4を鉛直上向きに移動させるにしたがって支柱7が撓む。図4に示すように、FPD4が下方にある場合、支柱7は撓んではいない。しかし、図5に示すように、FPD4が上方にある場合、支柱7はFPD4の重みによりFPD4側に撓む。すると、FPD4の検出面は、垂直方向に沿わなくなる。具体的にはFPD4の検出面は検査室の床面に向けて傾斜してしまう。しかも、FPD4全体がX線管3に向けてシフトしてしまう。
図4と図5の状態で正方形の板objを撮影したものとする。板objは、X線管3から見たとき正方形となっている。図4の状態の時に画像生成部15が生成する放射線透視画像P0cは、図6(a)のごとくである。放射線透視画像P0cには正方形の板objが写りこんでいる。一方、図5の状態の時に画像生成部15が生成する放射線透視画像P0dは、図6(b)のごとくである。放射線透視画像P0dには正方形であるはずの板objが台形の形状で写りこんでいる。つまり、放射線透視画像P0dに写りこむ板objの横方向の幅は、鉛直方向の位置によって変化する。具体的には、板objとFPD4が近づけば近づくほど板objの横方向の幅は狭く放射線透視画像P0dに写る。これが支柱7の撓みに起因する放射線透視画像P0dに表れる空間的な歪みである。放射線透視画像P0dは、縦方向、および横方向の両方向について歪んでいる。
画像補正部16は、放射線透視画像P0の空間的な歪みを補正する。すなわち、図6(b)における放射線透視画像P0dに縦方向、および横方向の補正を行うことにより空間的に歪みのない図6(a)のように補正するのである。しかし、放射線透視画像P0の歪みは、放射線透視画像P0が撮影されたときのFPD4の鉛直方向の位置に応じて変化する。したがって、仮に取得された放射線透視画像P0に同一の変換処理を行ったとしても放射線透視画像P0の各々についての空間的な歪みが正確に消去されるわけではない。
放射線透視画像P0の空間的な歪みが一定でない理由について説明する。FPD4の鉛直方向の位置に応じて支柱7の撓み方が変化する。FPD4が上方に移動すると支柱7の撓みが余計に増すので、それに伴い放射線透視画像P0の歪みも増す。また、仮に支柱7の撓み方に変化が無かったとしても、支柱7の上端部がX線管3側に曲がっているのには違いは無く、FPD4が上方に移動するとFPD4は曲がった支柱7に案内され、X線管3により近づく。この様な理由から、FPD4のX線管3に向かう方向の位置と、傾斜角度は、FPD4が支柱7の上端に向かうほど理想からズレる。これらのズレが放射線透視画像P0の空間的な歪みを決定するのであるから、空間的な歪みはFPD4の鉛直方向の位置に応じて変化するのである。
画像補正部16は、FPD4の鉛直方向の位置に応じて放射線透視画像P0の補正の様式を変更する必要がある。これを実現しているのが記憶部37が記憶する関連テーブルTである。関連テーブルTには、FPD4の鉛直方向の位置と、放射線透視画像P0に現れる空間的な歪みの様式が関連付けられて記憶されている。画像補正部16には、FPD移動制御部12からFPD4の移動状況に関するデータが送られてきている。画像補正部16は、この情報を基にFPD4の位置を認識するのである。そして、画像補正部16は、FPD4の位置に応じた空間的な歪みの様式を関連テーブルTを参照することで取得する。画像補正部16は、放射線透視画像P0に対し、放射線透視画像P0の空間的な歪みが打ち消されるように放射線透視画像P0に対して台形補正を実行する。放射線透視画像P0に台形補正処理を行った後の画像が補正画像P1である。
空間的な歪みの様式を記憶する具体的な方法としては、台形補正に用いるパラメータを記憶部37に記憶させる方法が考えられる。また、画像生成部15がFPD移動制御部12からFPD4の移動状況に関するデータを受信して、FPD4の位置情報を放射線透視画像P0と一緒に画像補正部16に送出する構成としても良い。
<X線撮影装置の動作>
次に、X線撮影装置1の動作について説明する。X線撮影装置1で完成画像P2を取得するには、まず、被検体MをX線管3とFPD4との間に立たせる。術者が操作卓36を通じで撮影の開始を指示すると、まずFPD4は支柱7の上端部に移動される。そして、X線管3は、被検体Mに向けて放射線を照射し、被検体MおよびX線グリッド5を透過したX線はFPD4に検出される。このとき画像生成部15で生成された第1放射線透視画像P0aは、画像補正部16に送出される。画像補正部16は、関連テーブルTを参照しながら第1放射線透視画像P0aを補正して被検体Mの上部が写りこんだ第1補正画像P1aを生成する(図3参照)。次に、FPD4が支柱7の下側に移動されて、被検体Mの下部が写りこんだ第2放射線透視画像P0bが取得される。画像補正部16は、関連テーブルTを参照しながら第2放射線透視画像P0bを補正して第2補正画像P1bを生成する(図3参照)。つなぎ合わせ部17は、両補正画像P1a,P1bをつなぎ合わせて完成画像P2を生成する。完成画像P2が表示部35に表示されてX線撮影装置1に係る動作は終了となる。
<関連テーブルTの生成>
次に、上述の関連テーブルTの生成方法について説明する。関連テーブルTは、X線撮影装置1の設置時に一度生成しておけば良い。一度、放射線透視画像P0の空間的な歪みを知っておけば、これを何度でも画像補正部16の台形補正処理に使用することができる。
関連テーブルTの作成に係るファントム42について説明する。ファントム42は、図7に示すように、縦横に沿ったマス目模様が施された板状であり、鉛直方向の位置を示す横線と、水平方向の位置を示す縦線とがマトリックス状の目印となっている。関連テーブルTの作成に先立って、このファントム42をX線管3とFPD4との間に載置する(図8参照)。このとき、ファントム42は、その目印が、X線管3からFPD4に向かう方向に直交する平面に広がるような向きでに載置される。
ファントム42を載置した状態で校正用画像C(ファントム42の一部が写りこんだ放射線透視画像P0)が生成される。校正用画像Cは、空間的な歪みを推定する歪み推定部43に送出される。歪み推定部43は、放射線透視画像P0に写りこんだファントム42の目印の配列の歪みから、台形補正処理に用いるパラメータを算出する。歪み推定部43は、本発明の推定手段に相当する。
パラメータは、関連付け部44に送出される。関連付け部44には、FPD移動制御部12からFPD4の位置に関する情報が送られてきている。関連付け部44は、パラメータとFPD4の位置情報とを関連付ける。FPD4を移動しながら校正用画像Cの取得が繰り返され、関連付け部44は、パラメータと位置情報が関連した関連テーブルTを生成する。この関連テーブルTは、図1の記憶部37で記憶される。関連付け部44は、本発明の関連付け手段に相当する。
以上のように、実施例1に係るX線撮影装置1は、FPD4を鉛直方向に移動させながら複数の放射線透視画像P0を取得し、これらをつなぎ合わせて単一の完成画像P2を生成する構成となっている。これにより、FPD4の視野範囲よりも広域な範囲について被検体Mの透視像が写りこんだ完成画像P2を取得することができる。複数の放射線透視画像P0をつなぎ合わせる際に、FPD4を支持する支柱7の撓みが問題となる。FPD4は、支柱7に案内され、鉛直方向に移動するので、支柱7が撓んでいるとFPD4の移動の軌跡も直線からズレたものとなる。放射線透視画像P0の各々は、FPD4の移動が正確に鉛直方向となっている状態で撮影されていることが前提である。しかし、支柱7が撓んでいると、両者の位置関係が変化しながら複数の放射線透視画像P0が取得されることになる。取得された放射線透視画像P0を単につなぎ合わせれば、放射線透視画像同士のつなぎ目において被検体Mの透視像の大きさが食い違ってしまう。つまり、FPD4とX線管3との位置関係が設定どおりとなっていないことにより放射線透視画像P0の各々には被検体Mが空間的に歪んだ状態で写りこんでいる。
しかも、その歪み方は放射線透視画像P0の各々で異なっている。FPD4が鉛直方向に動くと、FPD4の傾斜が逐次変動するからである。
実施例1によれば、放射線透視画像P0の空間的な歪みを個別に補正した後、補正後の補正画像P1をつなぎ合わせる。こうすることで、被検体Mの透視像が放射線透視画像P0のつなぎ目でズレることがない。しかも、放射線透視画像P0の補正処理は、補正対象の放射線透視画像P0が取得された時点におけるFPD4の鉛直方向の位置に応じて変更される。したがって、画像補正部16は、放射線透視画像P0の各々で程度の異なる空間的な歪みを確実に除去して補正画像P1を生成することができる。
また、上述の構成は、画像補正部16が参照する関連テーブルTについての構成を示している。関連テーブルTはFPD4の鉛直方向の位置と、放射線透視画像P0の空間的な歪みの程度とが関連したものである。この関連テーブルTは、ファントム42を撮影することで得られる複数の校正用画像Cを基に生成される。校正用画像Cの空間的な歪みの程度は、校正用画像Cが撮影された時点におけるFPD4の鉛直方向の位置によって変化する。関連テーブルTは、FPD4の位置に応じた校正用画像Cの空間的な歪みの程度を記憶するのである。画像補正部16は、この関連テーブルTを参照することでFPD4の鉛直方向の位置に応じて放射線透視画像P0の補正処理を的確に変更することができる。
そして、上述の構成は、ファントム42の具体的な構成も示している。ファントム42にはマトリックス状の目印が付されており、これが校正用画像Cに写りこむ。歪み推定部43は校正用画像Cに写りこんだ目印の配列の歪みを把握することで放射線透視画像P0の空間的な歪みを推定することができる。
本発明は上記構成に限られず、下記のように変形実施することが可能である。
(1)画像補正部16が行う画像処理は、必ずしも台形補正処理でなくてもよい。この様な構成とする場合、X線撮影装置1は、図9に示すように、FPD4の傾きを検出する角度センサ20と、FPD4を支柱7に対して傾斜させる傾斜機構21と、傾斜機構を制御する傾斜制御部22とを備えている。傾斜制御部22は、図1の主制御部41に統括的に制御される。
傾斜機構21は、FPD4の上端の面、または下端の面をX線管3に近づけたり遠ざけたりすることができる、傾斜制御部22は、角度センサ20から送出された傾斜情報を基に、FPD4の傾斜を知り、FPD4の検出面が鉛直方向に沿うようにFPD4を傾斜させる。このような構成で放射線透視画像P0を取得すると、放射線透視画像P0に写りこんだ被検体Mは台形には歪まない。とはいえ、支柱7は撓んでいるので、FPD4の位置がX線管3に近づく方向にシフトしてしまっているのは上述の実施例と変わりはない。つまり、放射線透視画像P0に写りこんだ被検体MはFPD4の位置に応じて拡大・縮小されるのである。関連テーブルTには、台形補正処理に用いるパラメータの代わりに、拡大率がFPD4の位置に関連付けられている。画像補正部16は、放射線透視画像P0をFPD4の位置に応じて拡大・縮小して補正画像を生成するのである。この様にすると、複雑な台形補正処理を行わなくとも実施例1と同様な効果を有するX線撮影装置1が提供できる。角度センサ20は、本発明の傾斜測定手段に相当する。角度センサ20の代わりにジャイロを用いても良い。
(2)上述した各実施例は、医用の装置であったが、本発明は、工業用や、原子力用の装置に適用することもできる。
(3)上述した各実施例のいうX線は、本発明における放射線の一例である。したがって、本発明は、X線以外の放射線にも適応できる。
C 校正用画像
P0 放射線透視画像
P1 補正画像
T 関連テーブル
3 X線管(放射線源)
4 FPD(放射線検出手段)
7 支柱
9 X線管傾斜機構(放射線源傾斜手段)
11 FPD移動機構(検出器移動手段)
15 画像生成部(画像生成手段)
16 画像補正部(補正手段)
17 つなぎ合わせ部(つなぎ合わせ手段)
20 角度センサ(傾斜測定手段)
21 傾斜手段
37 記憶部(記憶手段)
42 ファントム
43 歪み推定部(推定手段)
44 関連付け部(関連付け手段)

Claims (6)

  1. 放射線を照射する放射線源と、
    前記放射線源を傾斜させる放射線源傾斜手段と、
    放射線を検出する放射線検出手段と、
    前記放射線検出手段を摺動自在に支持する鉛直方向に伸びるとともに、前記放射線検出手段の重みにより前記放射線源の方向に撓んだ支柱と、
    前記放射線源との位置関係を保ちながら前記放射線検出手段を前記支柱に対して移動させる検出器移動手段と、
    前記放射線検出手段の出力を基に放射線透視画像を生成する画像生成手段と、
    前記支柱の撓みに起因した前記放射線透視画像が有する空間的な歪みを打ち消すように各放射線透視画像に補正処理を施して補正画像を生成する補正手段と、
    前記放射線検出手段が鉛直方向の異なる位置にあるときに取得された前記補正画像をつなぎ合わせるつなぎ合わせ手段を備え、
    前記補正手段の補正処理は、補正対象の放射線透視画像が取得された時点における前記放射線検出手段の鉛直方向の位置に応じて変更されることを特徴とする放射線撮影装置。
  2. 請求項1に記載の放射線撮影装置において、
    前記放射線透視画像の空間的な歪みは、放射線検出手段の重みによる前記支柱の撓みに起因したものであることを特徴とする放射線撮影装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の放射線撮影装置において、
    前記放射線検出手段の傾斜を測定する傾斜測定手段と、
    前記放射線検出手段を傾斜させる傾斜手段とを備え、
    前記傾斜手段は、前記放射線検出手段の移動に応じて前記放射線検出手段の有する放射線を検出する検出面が鉛直方向に沿うように前記放射線検出手段を傾斜させることを特徴とする放射線撮影装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の放射線撮影装置において、
    前記補正手段が行う前記放射線透視画像の補正は台形補正処理であることを特徴とする放射線撮影装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の放射線撮影装置において、
    前記放射線検出手段の鉛直方向の位置と、前記放射線透視画像の空間的な歪みの程度とを関連付けた関連テーブルを記憶する記憶手段を更に備え、
    前記補正手段は、前記関連テーブルを参照して動作し、
    前記関連テーブルは、前記放射線源および前記放射線検出手段を鉛直方向に移動させながら両者の挟まれる位置に載置されたファントムを撮影することで取得される複数の校正用画像から前記放射線透視画像の空間的な歪みを推定する推定手段と、
    推定された前記放射線透視画像の空間的な歪みと前記放射線検出手段の鉛直方向の位置とを関連付ける関連付け手段とによって生成されることを特徴とする放射線撮影装置。
  6. 請求項5に記載の放射線撮影装置において、
    前記ファントムは、前記放射線源から前記放射線検出手段へ向かう方向に垂直な平面に広がるマトリックス状の目印が付されたものであることを特徴とする放射線撮影装置。
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