JP5702240B2 - X線撮影装置およびそのキャリブレーション方法 - Google Patents

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Description

本発明は、臥位、立位、マンモ等で撮影を行うX線撮影装置およびそのキャリブレーション方法に関し、特に、X線検出器に対してX線源の移動軸がずれて設置されていた場合、そのずれを補正するとともに、そのずれの経時劣化も抑制することができるX線撮影装置およびそのキャリブレーション方法に関する。
現在、患部をより詳しく観察するために、X線源を移動させて異なる角度から被写体にX線を照射して撮影を行い、得た画像を加算して所望の断層面を強調した画像を得ることができるトモシンセシス撮影が可能なX線撮影装置が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
トモシンセシス撮影では、例えば、X線源をX線検出器と平行に移動させたり、円、楕円等の弧を描くように移動させて、異なる照射角で被写体を撮影した複数の撮影画像を取得して、これらの撮影画像を再構成して断層画像を作成する。
特許文献1には、トモシンセシス撮影の際に、放射線源のみを移動させる第1のモードと、放射線源および検出手段の双方を移動させる第2のモードとのいずれかを撮影条件に応じて選択することができ、選択されたモードにしたがって複数の撮影画像を取得する放射線撮影装置が開示されている。
特開2011−67503号公報 特開2000−278606号公報 特開2010−252951号公報
しかしながら、トモシンセシス撮影には、X線検出器(X線画像センサ)とX線源の移動軸のアライメントに高い精度が要求されている。特に、天井走行型のX線源を用いたX線撮影装置では、X線源とX線検出器(X線画像センサ)が一体化されておらず、高い精度でアライメントが取れるように設置するのは容易ではない。
従来、トモシンセシス撮影においては、既定のマーカーアッセンブリを用いてキャリブレーションデータを生成する方法が知られている。しかし、この方法では、マーカの精度管理を要する点、SID(X線管焦点・受像面間距離)、X線源の角度、ショット数等の撮影条件毎にキャリブレーションデータを生成する必要がある点等の難点がある。
さらには、既定のマーカーアッセンブリを用いてキャリブレーションデータを生成する方法では、事前に取得したキャリブレーションデータを用いるため、経時劣化(経時変化)に対応することができないという問題点もある。
また、上述のもの以外にも、マーカを用いて画像の位置ずれを検出して、X線画像を補正することがなされている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2には、被検体の撮影部位にマーカを有するサポータを装着し、この撮影部位のマスク像とライブ像とを撮影し、マスク像のマーカの位置とライブ像のマーカの位置との誤差を計算してこれが一致するようにしてサブトラクションを行い、カテタリゼーションテーブルの位置ずれにより生じるサブトラクション画像のノイズ発生を防止するX線画像撮影装置が開示されている。
この場合においても、キャリブレーションデータを生成するために、マーカの精度管理を要する点、SID(X線管焦点・受像面間距離)、X線源の角度、ショット数等の撮影条件毎にキャリブレーションデータを生成する必要がある点等の難点がある。
また、特許文献3には、臨床現場における運用に適し、リングアーチファクトのない精度の高いCT画像を取得することを目的とするX線CT装置が開示されている。この特許文献3のX線CT装置においては、出力された画像にリングアーチファクトが検出された場合、エアキャリブレーションデータ取得部は新しいエアキャリブレーションデータを取得し、エアキャリブレーションデータ交換部は、その時点まで使用していたエアキャリブレーションデータを新しいエアキャリブレーションデータに差し替える。
このように特許文献3は、エアキャリブレーションデータを差し替えることが開示されているものの、X線CT装置に関するものであり、トモシンセシス撮影において、キャリブレーションの経時劣化に対応できるものがないのが現状である。
本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、X線検出器に対してX線源の移動軸がずれて設置されていた場合、そのずれを補正するとともに、そのずれの経時劣化も抑制することができるX線撮影装置およびそのキャリブレーション方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、所定の移動経路で移動可能なX線源と、前記X線源を所定の移動経路で移動させる移動手段と、X線源に対向して設けられた撮影台と、前記撮影台に設けられた平板状のX線検出器と、前記撮影台に設けられるマーカと、前記X線検出器に対して配置された前記X線源の移動方向のずれに関するキャリブレーションを行うキャリブレーション部と、前記キャリブレーション部によるキャリブレーションの更新の要否を判定し、判定結果に基づいて前記キャリブレーション部にキャリブレーションを行わせる判定部とを有し、前記X線源により前記マーカを含む画像が撮影され、前記キャリブレーション部により前記撮影された画像のマーカ像の位置が求められ、前記判定部は、このマーカ像の位置に基づいて前記キャリブレーションの更新の要否を判定することを特徴とするX線撮影装置を提供するものである。
前記キャリブレーション部により、前記X線源を移動させて、少なくとも2つの位置から、それぞれ前記マーカを含む画像を撮影させ、前記撮影された第1の画像、第2の画像についてマーカ像の位置が求められ、前記判定部は、既存のキャリブレーションデータを用いて前記第1の画像のマーカ像の位置から前記第2の画像のマーカ像に対応する対応マーカ像の位置を求め、前記第2の画像のマーカ像の位置と、前記第2の画像のマーカ像に対応する対応マーカ像の位置とのずれに基づいて前記キャリブレーションの更新の要否を判定することが好ましい。
前記キャリブレーション部は、前記X線源を移動させて、少なくとも2つの位置から、それぞれ前記マーカを含む画像を撮影させ、前記撮影された各画像についてマーカ像の位置を求め、このマーカ像の位置の相対関係に基づいて、前記X線源の移動軸の、前記X線検出器の表面と平行な面内での第1の傾きを求め、前記第1の傾きに基づいて第1のキャリブレーションデータを作成するものであることが好ましい。
前記キャリブレーション部は、前記X線源を移動させて、少なくとも2つの位置から、それぞれ前記マーカを含む画像を撮影させ、前記撮影された各画像についてマーカ像の大きさの変動を算出し、この変動を用いて前記X線源と前記X線検出器との距離を求めて、前記X線検出器の表面と直交する面内での前記X線源の第2の傾きを求め、前記第2の傾きに基づいて第2のキャリブレーションデータを作成するものであることが好ましい。
また、前記キャリブレーション部は、前記X線源の撮影位置毎に、前記第1のキャリブレーションデータおよび前記第2のキャリブレーションデータのうち、少なくとも前記第1のキャリブレーションデータを求めることが好ましい。
さらに、前記移動手段により前記X線源が所定の撮影位置に移動されトモシンセシス撮影されて得られた複数の画像を用いて断層画像を再構成する再構成部を有し、前記再構成部は、トモシンセシス撮影で撮影された複数の画像を用いて断層画像を再構成する際に、前記第1のキャリブレーションデータおよび前記第2のキャリブレーションデータのうち、少なくとも前記第1のキャリブレーションデータを用いることが好ましい。
さらに、前記判定部による前記キャリブレーションの更新の要否の判定結果を通知する通知部を有することが好ましい。
本発明の第2の態様は、X線撮影装置のキャリブレーション方法であって、前記X線撮影装置は、所定の移動経路で移動可能なX線源に対向して設けられた撮影台と、前記撮影台に設けられた平板状のX線検出器と、マーカとを備えており、前記X線源により前記マーカを含む画像を撮影させる工程と、前記撮影された画像のマーカ像の位置を求め、このマーカ像の位置に基づいて、キャリブレーションの更新の要否を判定し、判定結果に基づいてキャリブレーションを行う工程とを有することを特徴とするキャリブレーション方法を提供するものである。
前記キャリブレーション工程は、前記X線源を移動させて、少なくとも2つの位置から、それぞれ前記マーカを含む画像を撮影させ、前記撮影された第1の画像、第2の画像についてそれぞれマーカ像の位置を求める工程と、既存のキャリブレーションデータを用いて前記第1の画像のマーカ像の位置から前記第2の画像のマーカ像に対応する対応マーカ像の位置を求める工程と、前記第2の画像のマーカ像の位置と、前記第2の画像のマーカ像に対応する対応マーカ像の位置とのずれに基づいて前記キャリブレーションの更新の要否を判定する工程とを有することが好ましい。
前記キャリブレーション工程は、前記X線源を移動させて、少なくとも2つの位置から、それぞれ前記マーカを含む画像を撮影させ、前記撮影された各画像についてマーカ像の位置を求め、このマーカ像の位置の相対関係に基づいて、前記X線源の移動軸の、前記X線検出器の表面と平行な面内での第1の傾きを求め、前記第1の傾きに基づいて第1のキャリブレーションデータを作成する工程を有することが好ましい。
前記キャリブレーション工程は、前記X線源を移動させて、少なくとも2つの位置から、それぞれ前記マーカを含む画像を撮影させ、前記撮影された各画像についてマーカ像の大きさの変動を算出し、この変動を用いて前記X線源と前記X線検出器との距離を求めて、前記X線検出器の表面と直交する面内での前記X線源の第2の傾きを求め、前記第2の傾きに基づいて第2のキャリブレーションデータを作成するものであることが好ましい。
また、前記X線源の撮影位置毎に、前記第1のキャリブレーションデータおよび前記第2のキャリブレーションデータのうち、少なくとも前記第1のキャリブレーションデータを求めることが好ましい。
本発明によれば、X線検出器とX線源の移動軸とのずれを校正するためのキャリブレーションデータが、経時変化により、更新する必要があるか否かについて容易に判定することができる。これにより、キャリブレーションの要否を容易に知ることができ、必要に応じてキャリブレーションを行うことができる。このため、経時変化の影響を抑制して、トモシンセシスの再構成を、常に高い精度で行うことができ、被写体の所定の位置の断面について、高精度な合成画像(トモシンセシス画像)を常に得ることができる。
本発明の実施形態に係るX線撮影装置を示す模式図である。 本発明の実施形態に係るX線撮影装置のX線源とX線検出器との配置状態を示す模式図である。 本発明の実施形態に係るX線撮影装置で撮影された2つの画像を示す模式図である。 本発明の実施形態に係るX線撮影装置で撮影された2つの画像の合成画像を示す模式図である。 (a)および(b)は、本発明の実施形態に係るX線撮影装置で撮影されたマーカのマーカ像の変動を示す模式図である。 本発明の実施形態に係るX線撮影装置におけるキャリブレーション方法を示すフローチャートである。 (a)および(b)は、トモシンセシス撮影によるX線断層画像の再構成時の様子を示す概念図である。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明のX線撮影装置およびそのキャリブレーション方法を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るX線撮影装置を示す模式図である。
図1に示すX線撮影装置10は、人体等の被写体30をトモシンセシス撮影して、被写体30の任意高さの断面におけるX線断層画像を得るものである。
X線撮影装置10は、例えば、臥位、立位、マンモのトモシンセシス撮影に用いることができる。
X線撮影装置10は、X線検出器18は、ビルトインを用いることができる。また、X線撮影装置10は、カセッテの位置がキャリブレーション前後で変わらなければ、カセッテタイプのX線検出器18を用いることができる。
X線撮影装置10は、天井走行型のX線源12、移動部14、X線源制御部15、撮影台16、X線検出器18、マーカ20、画像処理部22、判定部23、表示部24、出力部26、および制御部30を有する。制御部30は、移動部14、X線源制御部15、X線検出器18、画像処理部22、判定部23、表示部24、出力部26および入力部28に接続されている。
制御部30は、入力部28から入力される指示入力信号に従って、X線源12、移動部14およびX線源制御部15によるX線画像撮影、画像処理部22における画像処理、判定部23におけるキャリブレーションの更新の要否などの判断、表示部24における画面表示、および出力部26における出力処理等のX線撮影装置10の動作を制御するものである。
また、判定部23の判定結果に基づいて、制御部30を介して画像処理部22(後述する補正部22b)に後述する第1のキャリブレーションデータおよび第2のキャリブレーションデータのうち、少なくとも第1のキャリブレーションデータが作成させ、作成されたキャリブレーションデータが画像処理部22(後述する記憶部22a)に記憶される。
入力部28は、撮影開始の指示や後述する切替指示等を含む、各種の指示を入力するための部位であり、例えば、マウスやキーボード等を例示することができる。入力部28を介して指示入力が制御部30に入力されて、X線撮影装置10の各種の動作が制御部30によりなされる。なお、入力部28を介して入力される指示入力は、例えば、表示部24に表示される。
X線源12は、撮影台16に対向して天井Hに設けられたレール13に、移動可能に取り付けられている。
なお、レール13は、図2に示すように、X線源12の移動方向(y方向)とX線検出器18の長手方向(Y方向)とが一致するように、すなわち、X線源12の移動方向(y方向)とX線検出器18の長手方向(Y方向)とが平行に配置されている。
図1に示すように、レール13には移動部14が設けられている。この移動部14は、例えば、X線源12にベルト(図示せず)、プーリ(図示せず)を介して接続されたステッピングモータ等の駆動部(図示せず)を備える。この移動部14により、X線源12は、レール13に沿って直線移動が可能であり、レール13上の所定の位置に停止することもできる。
なお、移動部14は、X線源12をレール13に沿って直線移動させることができ、かつ所定の撮影位置にX線源12を停止させることができれば、その構成は特に限定されるものではない。
また、X線源12の移動経路は、直線に限定されるものではなく、円弧状であってもよく、この場合、レール13が円弧状に設けられる。
X線源12は、撮影台16の表面16a上の被写体MにX線(放射線)を照射するものであり、被写体Mの方向にX線の照射角度を変えることができるものである。X線源12には、一般的なX線撮影装置に用いられる、X線の照射角度を変えることができるX線源を用いることができる。X線源12には、例えば、図示はしないがコリメータ(照射野絞り)が設けられている。
X線源12は、X線源制御部15に接続されている。このX線源制御部15により、X線源12によるX線の照射およびX線の照射角度が制御される。撮影条件に応じて、移動部14によりX線源12が所定の撮影位置に移動された後、X線源制御部15により、被写体Mの方向にX線の照射角度を変えられた後、X線源12から所定強度のX線を所定の時間だけ照射させる。すなわち、X線源12から、所定の照射量(線量)のX線を被写体Mに向けて照射させる。
撮影台16は、表面16aに、人、動物などの被写体Mが載るものである。被写体Mとして、例えば、人が臥位でこの撮影台16の表面16aに載る。
また、撮影台16の裏面16bにフラットタイプ(平板状)のX線検出器18(以下、FPD18という)が、レール13に対向して設けられている。本実施形態においては、上述のように、FPD18の長手方向(Y方向、図2参照)と、レール13の長手方向、すなわち、X線源12の移動方向(y方向)とが平行になるように設置される。
FPD18は、X線の受光面を上向きにして撮影台16の裏面16bに配設されている。FPD18は、被写体Mを透過したX線を検出して光電変換し、撮影された被写体MのX線画像に対応するデジタル画像データ(投影データ)を取得するものであり、検出器筐体の中に複数の画素が2次元マトリックス状に配置されてなる撮像面がある。FPD18から画像処理部22にデジタル画像データが出力される。なお、上述のようにX線源12の移動方向(y方向)とFPD18の長手方向(Y方向)とが平行になるように配置されており、X線源12の移動方向(y方向)は、FPD18の画素配列方向と一致するように配置される。
ここで、本発明において、“傾き”とは、複数の画素の並び(2次元マトリックスの配列方向)に対する傾きのことである。
FPD18としては、X線(放射線)を電荷に直接変換する直接方式、X線(放射線)を一旦光に変換し、変換された光をさらに電気信号に変換する間接方式等、各種方式のものが利用可能である。また、X線源12の移動方向に対してFPD18を移動可能に構成してもよい。
また、撮影台16には、FPD18が設けられている範囲内にマーカ20が、例えば、1個設けられている。このマーカ20は、FPD18の外縁18bにエッジを一致させて設けられている。また、マーカ20は、FPD18の表面18aに対して隙間をあけて撮影台16に設けられている。
マーカ20は、被写体Mのトモシンセシス撮影を行う前、例えば、装置起動時に撮影され、撮影された複数枚の投影データ(X線画像)のキャリブレーションのために用いられるものである。
マーカ20は、例えば、金属、好ましくは原子番号の大きい金属であって、放射線を透過しにくい材質のものである。マーカ20の形状は、十字穴付き形状のように、マーカ20の中心が分かりやすいものが望ましい。マーカ20の数は、特に限定されるものではないが、複数あってもよい。複数の場合、各マーカの識別を容易にするために、マーカはそれぞれ異なることが好ましい。さらには、マーカ20が複数の場合、例えば、4個設ける。なお、マーカ20が複数の場合、その配置パターンは何ら限定されないが、例えば、矩形状に配置する。
また、マーカ20は、撮影台16に対して着脱自在であってもよい。この場合、キャリブレーションのときにだけ、例えば、装置起動時等に、マーカ20を撮影台16上に適当に設置して撮影すれば、キャリブレーションすることができる。このように、マーカ20を着脱自在にすることにより、キャリブレーションの更新を容易にすることができる。
本実施形態のX線撮影装置10において、トモシンセシス撮影を行う場合、移動部14により、X線源12をy方向に移動しつつ、所定の撮影位置で、被写体Mの方向にX線の照射角度を変えて、異なる撮影角度(一定の時間間隔)で被写体MにX線が照射される。X線源12から照射されたX線は、被写体Mを透過してFPD18の受光面に入射され、FPD18により検出されて光電変換され、撮影された被写体MのX線画像に対応する投影データ(デジタル画像データ)が取得される。
トモシンセシス撮影の場合、1回の撮影操作により、被写体Mの、撮影角度の異なる複数枚(例えば、20〜80枚)のX線画像が撮影され、FPD18から、撮影された複数枚のX線画像に対応する投影データ(デジタル画像データ)が順次画像処理部22(記憶部22a)に出力される。
画像処理部22は、FPD18で取得された複数枚のX線画像の投影データが入力されて、これら複数枚のX線画像の投影データを用いて画像処理(補正処理(キャリブレーション)、画像合成処理等を含む)を行って、被写体Mの任意高さの断面におけるX線断層画像を再構成する部位である。画像処理部22は、記憶部22a、補正部22bおよび再構成部22cを有する。
記憶部22a、補正部22bおよび制御部30により、本発明のキャリブレーション部が構成される。
判定部23は、キャリブレーション部におけるキャリブレーションデータの更新の要否を判定するものである。判定部23においては、後述するように、キャリブレーション部(補正部22b)で得られた撮影画像におけるマーカ20(マーカ像)の位置、および撮影画像におけるマーカ20(マーカ像)の大きさのうち、少なくとも撮影画像におけるマーカ20(マーカ像)の位置に基づいて、キャリブレーションデータの更新の要否を判定する。すなわち、判定部23は、キャリブレーション部にキャリブレーションを実施させて、既に記憶部22aに記憶されているキャリブレーションデータを更新するか否かを判定するものである。
また、判定部23は、現在保存している第1のキャリブレーションデータを用いて、第2の画像42におけるマーカ20の像に対応する対応マーカの像の位置を求めるものでもある。さらには、現在保存している第2のキャリブレーションデータを用いて、第2の画像42におけるマーカ20の像に対応する対応マーカの像の大きさを求めるものでもある。
次に、画像処理部22の各部について詳細に説明する。
記憶部22aは、FPD18で取得されたX線画像の複数枚の投影データが入力されて、これらのX線画像の投影データを記憶するものである。
また、記憶部22aには、投影データにおけるマーカ20の設計上の大きさ、ならびに後述するマーカ20の像の位置、マーカ20の像の大きさの一致度に関する閾値等も記憶される。
さらには、記憶部22aには、後述する第1のキャリブレーションデータ、第2のキャリブレーションデータが記憶されるものでもある。この第1のキャリブレーションデータ、第2のキャリブレーションデータは、上述のように判定部23の判定結果に応じて適宜更新される。
補正部22bは、X線源12の各撮影位置における、後に詳細に説明する第1のキャリブレーションデータを算出するものである。また、さらには、後述するように、第2のキャリブレーションデータを算出するものである。
補正部22bは、撮影画像におけるマーカ20の像位置を検出する位置検出機能を有しており、互いに異なるX線管球位置から撮影された第1の画像および第2の画像から、それぞれマーカ像の位置を自動検出し、第1のキャリブレーションデータの生成に用いるとともに、判定部23における第1のキャリブレーションデータ更新要否の判定に供する。
判定部23は、第1の画像から検出されたマーカ像位置と第1のキャリブレーションデータから第2の画像のマーカ像のあるべき対応マーカ像位置を求め、これを第2の画像から検出されたマーカ像位置と比較し、ずれ量を求める。このずれ量を予め設定された閾値と比較することにより、キャリブレーションの要否が判定される。
補正部22bにおいては、上述の判定部23のキャリブレーションデータを更新するか否かの判定結果に応じて、第1のキャリブレーションデータを算出し、キャリブレーションデータを更新するものである。
判定部23で、第1のキャリブレーションデータに関し、キャリブレーションが必要であると判定された場合、補正部22bにおいては、移動部14により移動方向(y方向)にX線源12を移動させつつ、撮影された少なくとも2つの画像を用いて第1のキャリブレーションデータを作成する。例えば、図3に示すように、第1の画像40と第2の画像42を用いて第1のキャリブレーションデータを作成する。
この場合、X線源12の移動方向(y方向)と、FPD18の長さ方向(Y方向)とが平行であれば、マーカ20の位置は、FPD18の長さ方向(Y方向)と直交するX方向における位置が第1の画像40と第2の画像42とで同じである。すなわち、シフト量がゼロである。
一方、X線源12の移動方向(y方向)がFPD18の長さ方向に対して、例えば、図2に示すようにyθ方向にX線源12がずれて移動するものであれば、X方向における位置が第1の画像40と第2の画像42とでマーカ20の像の位置が、例えば、δだけずれる。すなわち、シフト量δである。
このシフト量δと、第1の画像40と第2の画像42の撮影位置間の距離dとにより、X線源12のずれ角θ(第1の傾き)を求めることができる。すなわち、ずれ角θは、θ=tan−1(δ/d)により算出することができる。
補正部22bは、ずれ角θ(第1の傾き)に基づいて、第1のキャリブレーションデータを作成し、記憶部22aに記憶させる。
第1のキャリブレーションデータは、例えば、ずれ角θに応じた分だけ、設計値(複数の画像をそれぞれどの位置で撮るかの目標値)をベースにしてX線源12の移動軸が傾いている分を補正することによって、真のX線源12の位置に近い情報に補正するためのX線源12の位置情報(X線管球位置情報)である。この第1のキャリブレーションデータにより、図2に示すyθ方向のずれを補正することができる。
なお、図4に示すように、第1の画像40と第2の画像42とを、撮影画像のX方向の端を合わせて合成して合成画像44を得て、合成画像44の外縁44aを基準として、マーカ20のシフト量δを求め、このシフト量δと、第1の画像40と第2の画像42の撮影位置間の距離dとにより、X線源12のずれ角θ(第1の傾き)を求めることもできる。このように、マーカ20の撮影画像の位置の相対関係を用いてX線源12のずれ角θ(第1の傾き)を求めることができる。このずれ角θ(第1の傾き)に基づいて、上述の第1のキャリブレーションデータを作成することもできる。
ここで、ずれ角θ(第1の傾き)とは、上述の傾きのことから、複数の画素の並び(2次元マトリックスの配列方向)に対するものである。
また、X線源12とFPD18の表面18aとの距離(X線源−FPD間の距離L)のずれ量に対しては、X線源−FPD間の距離Lが設定された距離から変化すると、撮影画像におけるマーク20の大きさが変わる。このため、本実施形態においては、X線源−FPD間の距離Lのずれ量に対して、撮影画像におけるマーカ20の大きさ、撮影画像におけるマーカ20の変化率、すなわち、各距離Lにおけるマーカ20の大きさ、マーカ20の拡大率または縮小率を求めておき、これを、例えば、記憶部22aに記憶させておく。さらには、撮影画像におけるマーカ20の大きさ、マーカ20の拡大率または縮小率に対して、閾値を設定しておき、この閾値を記憶部22aに記憶させておく。
補正部22bは、マーカ20の像の位置以外に、互いに異なるX線管球位置から撮影された第1の画像および第2の画像から、それぞれマーカ像の大きさを自動検出し、第2のキャリブレーションデータの生成に用いるとともに、判定部23における第2のキャリブレーションデータ更新要否の判定に供することもできる。
この場合、判定部23は、第1の画像40のマーカ20の像の大きさおよび第2の画像42のマーカ20の像の大きさを求める。第2のキャリブレーションデータから第2の画像40のマーカ像のあるべき対応マーカ像の大きさを求め、第2の画像42のマーカ20の大きさと比較し、ずれ量を求める。このずれ量を予め設定された閾値と比較することにより、キャリブレーションの要否が判定される。なお、ずれ量は、マーカ20の像の直径の差、マーカ20の像の拡大率または縮小率等を用いることができる。
判定部23で、第2のキャリブレーションデータに関し、キャリブレーションが必要であると判定された場合、補正部22bは、移動部14により移動方向(y方向)にX線源12を移動させつつ、撮影された少なくとも2つの画像を用いて第2のキャリブレーションデータを作成する。
例えば、2つの撮影位置で撮影した結果、図5(a)に示すマーカ20が図5(b)に示すマーカ21のように大きさが変動した場合、補正部22bにおいては、各撮影位置でのX線源−FPD間の距離Lを得ることができる。更には、補正部22bでは、各撮影位置の距離Lと撮影位置間の距離dとにより、図1に示すX線源12のFPD18の表面に対して直交する面におけるずれ角(第2の傾き)を求めることができる。このように、マーカ20の撮影画像の位置の相対関係を用いてX線源12のz方向におけるずれ角(第2の傾き)を求めることができる。
補正部22bは、このずれ角(第2の傾き)に基づいて、第2のキャリブレーションデータを作成し、記憶部22aに記憶させる。
第2のキャリブレーションデータとしては、例えば、拡大率または縮小率に応じた分だけ、マーカ20の大きさが設計上の大きさとなるように投影データ全体を拡大または縮小する拡大率データまたは縮小率データ等である。この第2のキャリブレーションデータにより、図1に示すz方向におけるずれを補正することができる。
なお、判定部23において、マーカ20の像の位置の一致度の閾値、マーカ20の像の大きさの一致度の閾値は、例えば、入力部28を介して設定できるようにしてもよい。更には、補正部22bにより作成されるキャリブレーションデータ(第1のキャリブレーションデータおよび第2のキャリブレーションデータ)についても、例えば、入力部28を介して設定できるようにしてもよい。
本実施形態においては、第1のキャリブレーションデータおよび第2のキャリブレーションデータについて、X線源12の位置毎に求めておき、記憶部22aに、例えば、テーブルの形式で記憶しておいて、トモシンセシス撮影の際に利用してもよい。
再構成部22cは、必要に応じてなされた補正部22bによる補正処理後の投影データを含む、複数枚のX線画像の投影データを、必要に応じて補正されたX線源12の位置情報(X線管球位置情報)を用いて画像合成処理を施し、被写体Mの任意高さの断面におけるX線断層画像を再構成するものである。
なお、補正部22bにおいて、第1のキャリブレーションデータおよび第2のキャリブレーションデータを作成することが望ましいが、少なくとも第1のキャリブレーションデータを作成すればよい。第1のキャリブレーションデータおよび第2のキャリブレーションデータのうち、少なくとも第1のキャリブレーションデータを用いることにより、高精度なトモシンセシス画像を得ることができ、第1のキャリブレーションデータおよび第2のキャリブレーションデータの両方を用いることにより、更に高精度なトモシンセシス画像を得ることができる。このため、再構成部22cで、被写体Mの任意高さの断面におけるX線断層画像を再構成する際には、補正部22bにより、少なくとも第1のキャリブレーションデータを用いて補正されたX線源12の位置情報(X線管球位置情報)を用いればよい。
本実施形態において、画像処理部22(記憶部22a、補正部22bおよび再構成部22c)は、ハードウェア(装置)で構成することに限定されるものではない。例えば、記憶部22aに記憶された投影データに対して、画像処理部22の補正部22bおよび再構成部22cによる処理を、コンピュータに実行させるためのプログラムとすることもできる。
表示部24は、入力部28から制御部30に入力される指示入力信号の内容、およびこの指示入力信号に従って、画像処理部22により再構成されたX線断層画像等を表示する部位であり、例えば、液晶ディスプレイ等のようなフラットパネル型ディスプレイを例示することができる。
また、表示部24は、判定部23によるキャリブレーションの更新の要否の判定結果を通知する通知部として機能するものである。判定部23によるキャリブレーションの更新の要否の判定結果が、制御部30により、例えば、文字等の形態で表示部24に表示される。
出力部26は、入力部28から制御部30に入力される指示入力信号に従って、画像処理部22により再構成されたX線断層画像を出力する部位であり、例えば、X線断層画像をプリント出力する各種のプリンタ、X線断層画像のデジタル画像データを各種の記録媒体に保存する記憶装置等を例示することができる。
本実施形態のX線撮影装置10を用いたトモシンセシス撮影においては、上述のように、FPD18(X線検出器18)とX線源12の移動軸のアライメントに高い精度が要求されている。本実施形態のように、天井走行型のX線源12を用いたX線撮影装置10では、X線源12とFPD18が一体化していないため、X線源12とFPD18とを高い精度で設置することが難しい。このため、X線源12を移動させた場合、図2に示すように、X線源12がFPD18の長手方向(Y方向)に対してずれて、X線源12がyθ方向に移動し、その状態で得られた撮影画像を用いて再構成されることがある。この場合、高精度な合成画像(トモシンセシス画像)を得ることができない。また、キャリブレーションしても経時劣化(経時変化)により、そのキャリブレーションデータが適正ではないこともある。
しかしながら、本実施形態においては、図6に示すようにしてキャリブレーションの要否を判定し、キャリブレーションデータの経時劣化(経時変化)の影響を抑制している。
なお、X線撮影装置10のキャリブレーションは、撮影台16の表面16a上に被写体M(患者)がいない状態で行うことが好ましいが、被写体M(患者)の撮影状態で行ってもよい。
X線撮影装置10について、既にキャリブレーションがなされており、第1のキャリブレーションデータおよび第2のキャリブレーションデータが、初期キャリブレーションデータとして記憶部22aに記憶されている(ステップS10)。
次に、被写体Mのトモシンセシス撮影を行う前、例えば、装置起動時に、移動部14によりX線源12を少なくとも2つの撮影位置に移動させ、各撮影位置において、X線源12からマーカ20が撮影されるようにX線をFPD18に照射して、FPD18からマーカ20を含む少なくとも2つの撮影画像(例えば、第1の画像40、第2の画像42)の各画像データが画像処理部22の記憶部22aに出力される。
次に、補正部22bにおいて、例えば、第1の画像40のマーカ20の像の位置および第2の画像42のマーカ20の像の位置を求める。さらに、判定部23において現在保存している第1のキャリブレーションデータを用いて、第2の画像42におけるマーカ20の像に対応する対応マーカの像の位置が求められる。そして、補正部22bにおいて、第2の画像42のマーカ20の位置と、第1のキャリブレーションデータを用いて得られた対応マーカの像の位置とのずれ量が求められる(ステップS12)。
次に、マーカ20の像の位置におけるずれ量が、判定部23に出力される。
次に、判定部23において、記憶部22aに記憶されたマーカ20の像の位置におけるずれ量の閾値に基づいて、キャリブレーション(第1のキャリブレーションデータの作成)の要否が判定される(ステップS14)。なお、第1のキャリブレーションデータに関するキャリブレーションの要否の判定結果は、例えば、表示部24に文字等の形態で表示されて、使用者等に通知される。
ステップS14において、マーカ20の像の位置におけるずれ量が閾値以内であれば、初期キャリブレーションデータを更新することなく、記憶部22aに記憶されている第1のキャリブレーションデータが、X線断層画像の再構成に利用される。
一方、ステップS14において、マーカ20の像の位置におけるずれ量が閾値を越えた場合、再度、第1のキャリブレーションデータを作成する(ステップS18)。
なお、ステップS12において、例えば、第1の画像40のマーカ20の像の大きさおよび第2の画像42のマーカ20の像の大きさを求める。さらに、判定部23において現在保存している第2のキャリブレーションデータを用いて、第2の画像42におけるマーカ20の像に対応する対応マーカの像の大きさが求められる。そして、補正部22bにおいて、第2の画像42のマーカ20の大きさと、第2のキャリブレーションデータを用いて得られた対応マーカの像の大きさとのずれ量を求めてもよい(ステップS12)。
この場合、次に、マーカ20の像の大きさのずれ量が、判定部23に出力される。判定部23において、記憶部22aに記憶されたマーカ20の像の大きさのずれ量の閾値に基づいて、キャリブレーション(第2のキャリブレーションデータの作成)の要否が判定される(ステップS14)。なお、第2のキャリブレーションデータに関するキャリブレーションの要否の判定結果は、例えば、表示部24に文字等の形態で表示されて、使用者等に通知される。
ステップS14において、マーカ20の像の大きさのずれ量が閾値以内であれば、初期キャリブレーションデータを更新することなく、記憶部22aに記憶されている第2のキャリブレーションデータが、X線断層画像の再構成に利用される。
一方、ステップS14において、マーカ20の像の大きさのずれ量が閾値を越えた場合、再度、第2のキャリブレーションデータを作成する(ステップS18)。
なお、第1のキャリブレーションデータおよび第2のキャリブレーションデータの作成方法は、既に説明したように、少なくとも2つの撮影位置からマーク20を含む画像を撮影し、得られた各撮影画像データを用いる方法であり、その作成方法についての詳細な説明は省略する。
次に、作成された第1のキャリブレーションデータおよび第2のキャリブレーションデータと、初期キャリブレーションデータとして記憶部22aに記憶されていた第1のキャリブレーションデータおよび第2のキャリブレーションデータとを書き換え、記憶部22aに記憶させる。すなわち、初期キャリブレーションデータを更新する(ステップS20)。
このようにして、初期キャリブレーションデータの更新の要否が判定され、判定結果に基づいて初期キャリブレーションデータが更新される。このため、X線源12の移動方向が経時変化によりずれて、初期キャリブレーションデータが経時劣化(経時変化)した場合でも、適正なキャリブレーションデータとすることができる。
本実施形態においては、例えば、X線源12の移動軸が真直ではない場合、すなわち、レール13がFPD18の長手方向(Y方向)と平行ではない場合(X線源12の移動方向(y方向)とFPD18の画素配列方向とが平行ではない場合)等、X線源12の移動軸がずれていても、そのずれを補正できるとともに、X線源12の移動軸のずれの経時変化の影響を抑制しつつ、常に適正なキャリブレーションデータを用いて、トモシンセシスの再構成を、常に高い精度で行うことができ、被写体の所定の位置の断面について、高精度な合成画像(トモシンセシス画像)を常に得ることができる。
次に、X線撮影装置10のトモシンセシス撮影について説明する。
まず、被写体Mが撮影台16の表面16aに位置決めされた後、入力部28から撮影開始の指示が与えられると、制御部30の制御によりトモシンセシス撮影が開始される。
撮影が開始されると、移動機部14により、X線源12をy方向に移動しつつ、所定の撮影位置で、被写体Mの方向にX線源12の照射角度を変えて、異なる照射角度でX線が被写体Mに照射され、1回の撮影操作で撮影角度の異なる複数枚の投影データ(X線画像)が得られる。そして、被写体MのX線画像の撮影が行われる度に、FPD18から、撮影されたX線画像に対応する投影データが画像処理部22の記憶部22aに出力され、FPD18で取得された複数枚のX線画像の投影データが記憶部32に記憶される。
次に、予め記憶部22aには、例えば、各撮影位置毎に、上述の第1のキャリブレーションデータおよび第2のキャリブレーションデータが記憶されている。また、図6に示す方法のように撮影前に、キャリブレーションデータの更新の要否が判定され、判定結果に応じて、キャリブレーションデータは更新されている。なお、このキャリブレーションの要否の判定結果は、例えば、表示部24に文字等の形態で表示される。
次に、補正部22bにより、第1のキャリブレーションデータおよび第2のキャリブレーションデータに基づいて位置ずれがあるものについては、投影データの撮影位置(X線源12の位置情報(X線管球位置情報))が補正される。補正された撮影位置(X線源12の位置情報(X線管球位置情報))が再構成部22cに出力される。
次に、再構成部22cにおいて、投影データおよび補正された撮影位置(X線源12の位置情報(X線管球位置情報))を用いて、被写体Mの任意高さの断面におけるX線断層画像が再構成される。このようにして、撮影位置の位置ずれを補正しているため、被写体Mの所定の位置の断面について、高精度な合成画像(トモシンセシス画像)を得ることができる。
例えば、得られたトモシンセシス画像(X線断層画像)は、例えば、表示部24に表示される。また、トモシンセシス画像(X線断層画像)は出力部26に出力され、出力部26において、例えば、トモシンセシス画像(X線断層画像)がプリント出力され、X線断層画像のデジタル画像データが記録媒体に保存される。
次に、トモシンセシス撮影のX線断層画像の再構成について説明する。
図7(a)および(b)は、トモシンセシス撮影によるX線断層画像の再構成時の様子を示す概念図である。
トモシンセシス撮影時に、図7(a)に示すようにX線源12が位置S1からスタートしてS3まで移動し、S1、S2、S3の各線源位置において被写体Mに放射線が照射され、それぞれ、被写体MのX線画像P1、P2、P3が得られるものとする。
ここで、図7(a)に示すように、被写体Mの高さの異なる2つの位置に撮影対象物A、Bが存在するとする。各撮影位置(撮影時のX線源12の位置)S1、S2、S3において、X線源12から照射されたX線は、被写体Mを透過してFPD18に入射される。その結果、各撮影位置S1、S2、S3に対応するX線画像P1、P2、P3において、2つの撮影対象物A、Bは、それぞれ異なる位置関係で投影される。
例えば、X線画像P1の場合、X線源12の位置S1が、X線源12の移動方向に対して、撮影対象物A、Bよりも左側に位置するため、撮影対象物A、Bは、それぞれ、撮影対象物A、Bよりも右側にずれたP1A、P1Bの位置に投影される。同様に、X線画像P2の場合には、ほぼ直下のP2A、P2Bの位置に、X線画像P3の場合には、左側にずれたP3A、P3Bの位置に投影される。
撮影対象物Aが存在する高さの断面におけるX線断層画像を再構成する場合、X線源12の位置に基づいて、撮影対象物Aの投影位置P1A、P2A、P3Aが一致するように、例えば、図7(b)に示すように、X線画像P1を左へ、X線画像P3を右にシフトさせて合成する。これにより、撮影対象物Aが存在する高さのX線断層画像が再構成される。同様にして、任意高さの断面におけるX線断層画像も再構成することができる。
なお、X線断層画像の再構成方法としては、代表的にシフト加算法が利用される。シフト加算法は、それぞれのX線画像の撮影時におけるX線源12の位置に基づいて、撮影した複数枚の投影データ(X線画像)の位置を順次シフトして加算するものである。
本発明は、基本的に以上のように構成されるものである。以上、本発明のX線撮影装置およびそのキャリブレーション方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。
10 X線撮影装置
12 X線源
13 レール
14 移動部
15 X線源制御部
16 撮影台
18 X線検出器(FPD)
20 マーカ
22 画像処理部
24 表示部
26 出力部
28 入力部
29 判定部
30 制御部
M 被写体

Claims (12)

  1. 所定の移動経路で移動可能なX線源と、
    前記X線源を所定の移動経路で移動させる移動手段と、
    X線源に対向して設けられた撮影台と、
    前記撮影台に設けられた平板状のX線検出器と、
    前記撮影台に設けられるマーカと、
    前記X線検出器に対して配置された前記X線源の移動方向のずれに関するキャリブレーションを行うキャリブレーション部と、
    前記キャリブレーション部によるキャリブレーションの更新の要否を判定し、判定結果に基づいて前記キャリブレーション部にキャリブレーションを行わせる判定部とを有し、
    前記X線源により前記マーカを含む画像が撮影され、前記キャリブレーション部により前記撮影された画像のマーカ像の位置が求められ、前記判定部は、このマーカ像の位置に基づいて前記キャリブレーションの更新の要否を判定することを特徴とするX線撮影装置。
  2. 前記キャリブレーション部により、前記X線源を移動させて、少なくとも2つの位置から、それぞれ前記マーカを含む画像を撮影させ、前記撮影された第1の画像、第2の画像についてマーカ像の位置が求められ、
    前記判定部は、既存のキャリブレーションデータを用いて前記第1の画像のマーカ像の位置から前記第2の画像のマーカ像に対応する対応マーカ像の位置を求め、前記第2の画像のマーカ像の位置と、前記第2の画像のマーカ像に対応する対応マーカ像の位置とのずれに基づいて前記キャリブレーションの更新の要否を判定する請求項1に記載のX線撮影装置。
  3. 前記キャリブレーション部は、前記X線源を移動させて、少なくとも2つの位置から、それぞれ前記マーカを含む画像を撮影させ、前記撮影された各画像についてマーカ像の位置を求め、このマーカ像の位置の相対関係に基づいて、前記X線源の移動軸の、前記X線検出器の表面と平行な面内での第1の傾きを求め、前記第1の傾きに基づいて第1のキャリブレーションデータを作成するものである請求項1に記載のX線撮影装置。
  4. 前記キャリブレーション部は、前記X線源を移動させて、少なくとも2つの位置から、それぞれ前記マーカを含む画像を撮影させ、前記撮影された各画像についてマーカ像の大きさの変動を算出し、この変動を用いて前記X線源と前記X線検出器との距離を求めて、前記X線検出器の表面と直交する面内での前記X線源の第2の傾きを求め、前記第2の傾きに基づいて第2のキャリブレーションデータを作成するものである請求項2または3に記載のX線撮影装置。
  5. 前記キャリブレーション部は、前記X線源の撮影位置毎に、前記第1のキャリブレーションデータおよび前記第2のキャリブレーションデータのうち、少なくとも前記第1のキャリブレーションデータを求める請求項4に記載のX線撮影装置。
  6. さらに、前記移動手段により前記X線源が所定の撮影位置に移動されトモシンセシス撮影されて得られた複数の画像を用いて断層画像を再構成する再構成部を有し、
    前記再構成部は、トモシンセシス撮影で撮影された複数の画像を用いて断層画像を再構成する際に、前記第1のキャリブレーションデータおよび前記第2のキャリブレーションデータのうち、少なくとも前記第1のキャリブレーションデータを用いる請求項4または5に記載のX線撮影装置。
  7. さらに、前記判定部による前記キャリブレーションの更新の要否の判定結果を通知する通知部を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載のX線撮影装置。
  8. X線撮影装置のキャリブレーション方法であって、
    前記X線撮影装置は、所定の移動経路で移動可能なX線源に対向して設けられた撮影台と、前記撮影台に設けられた平板状のX線検出器と、マーカとを備えており、
    前記X線源により前記マーカを含む画像を撮影させる工程と、
    前記撮影された画像のマーカ像の位置を求め、このマーカ像の位置に基づいて、キャリブレーションの更新の要否を判定し、判定結果に基づいてキャリブレーションを行う工程とを有することを特徴とするキャリブレーション方法。
  9. 前記キャリブレーション工程は、前記X線源を移動させて、少なくとも2つの位置から、それぞれ前記マーカを含む画像を撮影させ、前記撮影された第1の画像、第2の画像についてそれぞれマーカ像の位置を求める工程と、
    既存のキャリブレーションデータを用いて前記第1の画像のマーカ像の位置から前記第2の画像のマーカ像に対応する対応マーカ像の位置を求める工程と、
    前記第2の画像のマーカ像の位置と、前記第2の画像のマーカ像に対応する対応マーカ像の位置とのずれに基づいて前記キャリブレーションの更新の要否を判定する工程とを有する請求項8に記載のキャリブレーション方法。
  10. 前記キャリブレーション工程は、前記X線源を移動させて、少なくとも2つの位置から、それぞれ前記マーカを含む画像を撮影させ、前記撮影された各画像についてマーカ像の位置を求め、このマーカ像の位置の相対関係に基づいて、前記X線源の移動軸の、前記X線検出器の表面と平行な面内での第1の傾きを求め、前記第1の傾きに基づいて第1のキャリブレーションデータを作成する工程を有する請求項8に記載のキャリブレーション方法。
  11. 前記キャリブレーション工程は、前記X線源を移動させて、少なくとも2つの位置から、それぞれ前記マーカを含む画像を撮影させ、前記撮影された各画像についてマーカ像の大きさの変動を算出し、この変動を用いて前記X線源と前記X線検出器との距離を求めて、前記X線検出器の表面と直交する面内での前記X線源の第2の傾きを求め、前記第2の傾きに基づいて第2のキャリブレーションデータを作成するものである請求項8または10に記載のキャリブレーション方法。
  12. 前記X線源の撮影位置毎に、前記第1のキャリブレーションデータおよび前記第2のキャリブレーションデータのうち、少なくとも前記第1のキャリブレーションデータを求める請求項11に記載のキャリブレーション方法。
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