JP2005000261A - 放射線画像形成方法および放射線撮影装置 - Google Patents
放射線画像形成方法および放射線撮影装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】被写体の正確な立体情報が得られる複数のX線画像を取得する。
【解決手段】被写体3に対して異なる角度で同時に照射されたX線La,Lbの透過X線を、イメージングプレート4a,4bで検出することにより、被写体3についての異なる角度から撮影された、被写体の形状や位置のずれがない複数の放射線画像を得る。
【選択図】 図2
【解決手段】被写体3に対して異なる角度で同時に照射されたX線La,Lbの透過X線を、イメージングプレート4a,4bで検出することにより、被写体3についての異なる角度から撮影された、被写体の形状や位置のずれがない複数の放射線画像を得る。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、放射線撮影に関し、特に、被写体を複数の角度から撮影して被写体の立体情報を得るステレオ撮影に適した、放射線画像形成方法および放射線撮影装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
放射線撮影方法の一つとして、ステレオ撮影と呼ばれる方法が用いられている。このステレオ撮影とは、同一の被写体を複数の角度から撮影する方法であり、異なる角度から撮影された複数の放射線画像に基づいて、被写体の立体情報(特に奥行き方向の情報)を得るための基本的な撮影方法である。
【0003】
従来のステレオ撮影では、被写体を複数の角度から撮影する際に、撮影角度毎にX線源、X線検出器あるいは被写体などの配置を変更し、撮影系のセッティングを調整し直す手法(例えば、特許文献1)や、一方の角度から撮影された放射線画像に基づいて、他方の角度からの撮影に用いるX線源の曝射を制御する手法(例えば、特許文献2)などが用いられている。
【0004】
【特許文献1】
特開2003−47609号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平9−173328号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような、撮影系をセッティングし直す手法や放射線画像に基づいてX線源の曝射を制御する手法などを用いた従来のステレオ撮影によれば、角度の異なる複数の放射線画像は、ある時間間隔をおいて撮影されたものとなり、これら複数の放射線画像においては、被写体の動き、例えば、被写体が人体の胸部である場合には、呼吸による肺の動きや心臓の動きなどにより、被写体の形状や位置がずれてしまい、被写体の正確な情報を得ることが困難であるという問題がある。
【0007】
またこの問題は、ステレオ撮影に限らず、被写体の異なる部分を複数撮影して被写体全体の情報を得ようとする場合にも、同様に存在する。すなわち、被写体の相対的なずれが原因で、被写体全体の正確な情報を得ることが困難となる。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、被写体の正確な情報が得られる複数の放射線画像を形成することが可能な放射線画像形成方法およびそのための放射線撮影装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の放射線画像形成方法は、同一の被写体に対して複数の異なる位置から同時に照射されて上記被写体を透過したX線を検出して、上記被写体の同時刻における複数の放射線画像を表す画像情報を取得し、当該画像情報に基づいて放射線画像を形成することを特徴とする方法である。
【0010】
そして、本発明の放射線撮影装置は、複数の異なる位置に配され、同一の被写体に対して上記各位置からX線をそれぞれ照射する複数のX線源と、当該各X線が上記被写体に対して同時に照射されるように、複数のX線源を制御する制御手段と、上記被写体を透過した各X線を検出して、上記被写体の複数の放射線画像を表す画像情報を取得するX線検出手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
「被写体」としては、非同一の時刻において空間上での形状や位置が変化し得るものすべてが考えられるが、特に、人や動物などの生物が適している。
【0012】
「X線源」としては、X線管などを用いることができ、またこの場合、「制御手段」としては、各X線管に対して同時にエネルギーを供給することにより、X線を同時に照射させる電源装置などが考えられる。
【0013】
「画像情報」としては、画像を表す電気的信号やデジタルデータを考えることができる。
【0014】
「X線検出手段」としては、被写体を透過したX線を検出して、被写体の構造にかかる画像情報を取得できるものであれば、いかなるものであってもよく、例えば、蓄積性蛍光体シート(イメージングプレート)や固定式のフラットパネルセンサーなどの検出器が考えられる。なお、これらの検出器は、照射されるX線毎に複数台設置するようにしてもよいし、照射されるX線をすべて検出できる形態のものを1台設置するようにしてもよい。
【0015】
なお、上記放射線画像形成方法および放射線撮影装置において、X線は、上記複数の放射線画像各々において被写体の少なくとも一部が重複して含まれるような向きで照射されたものとしてもよい。
【0016】
また、X線は、平行光であることが好ましい。平行光とは、進行方向が光軸に対して略平行で、指向性を有する光(X線)のことである。
【0017】
上記の平行光のX線を得る手法としては、X線の照射経路に、コリメータを設置して、進行方向の同じX線だけを取り出す手法や、高エネルギー電子が磁場で曲げられた際にX線が発生するという原理を利用して、細く絞られた拡がりにくいX線を発生させるX線発生装置を用いる手法などが考えられる。上記コリメータとしては、例えば、浜松ホトニクス株式会社製のキャピラリプレート(直径数μmの穴が規則正しく2次元的に並んでいるガラス板;J5022シリーズなど)があり、また、上記X線発生装置としては、例えば、財団法人高輝度光科学研究センターの放射光施設SPring−8などがある。
【0018】
【発明の効果】
本発明の放射線画像形成方法および放射線撮影装置によれば、同一の被写体を異なる位置から同時に撮影するようにしているので、被写体の動きに起因する被写体の形状や位置のずれがない、被写体の正確な情報が得られる複数の放射線画像を形成することが可能となる。
【0019】
本発明の放射線画像形成方法および放射線撮影装置において、X線を、複数の放射線画像各々において被写体の少なくとも一部が重複して含まれるような向きで照射するようにすれば、重複部分についての撮影角度の異なる複数の放射線画像を形成することができるので、その重複部分の正確な立体情報を得ることができる。
【0020】
本発明の放射線画像形成方法および放射線撮影装置において、X線を、平行光とすれば、被写体の撮影が、X線の照射角の広がりに起因する拡大撮影とならないので、X線の検出面積を小さく抑えることができ、X線の検出手段の小型化が実現できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
(実施例1)
図1は、本発明の放射線画像形成方法を適用する第1の放射線撮影装置の概略構成図である。図1に示す放射線撮影装置は、2つの異なる位置に配され、被写体3の同一部分に対して各X線La,Lbをそれぞれ照射する、複数のX線源としてのX線管1a,1bと、各X線管1a,1bから各X線La,Lbが同時に照射されるように各X線管1a,1bに同時に高圧電力を供給する、制御手段としての電源装置2と、被写体3を透過した各X線La,Lbをそれぞれ検出して被写体3の画像情報を記録する、X線検出手段としてのイメージングプレート4a,4bと、イメージングプレート4a,4bに記録された被写体の画像情報を読み取って、撮影角度の異なる2つのデジタル放射線画像データPa,Pbを取得する読取装置5とにより構成されている。
【0023】
次に、上記のように構成された第1の放射線撮影装置の作用について説明する。
【0024】
電源装置2は、X線管1a,1bがX線La,Lbを同時に照射するように、各X線管に対して高圧電力を同時に供給する。
【0025】
すると、X線管1a,1bは、供給された電力をX線に変換し、X線La,Lbを被写体3の同一部分に対して同時に照射する。
【0026】
イメージングプレート4aは、被写体3を透過したX線Laを検出して被写体の一方の角度から撮影された画像情報を記録し、同様に、イメージングプレート4bは、被写体3を透過したX線Lbを検出して被写体の他方の角度から撮影された画像情報を記録する。
【0027】
そして、読取装置5が、画像情報が記録されたイメージングプレート4a,4bを読み取り、異なる角度から同時に撮影された被写体3の放射線画像を表すデジタル画像データPa,Pbを生成して出力する。
【0028】
その後、オペレータが、デジタル画像データPa,Pbに基づいて各放射線画像を形成し、画像解析を行って被写体の立体情報等を得ることになる。
【0029】
このような第1の放射線撮影装置によれば、同一の被写体を異なる位置から同時に撮影するようにしているので、被写体の動きに起因する被写体の形状や位置のずれがない、被写体の正確な情報が得られる複数の放射線画像を形成することが可能となる。また、この第1の放射線撮影装置では、X線を、複数の放射線画像各々において被写体の少なくとも一部が重複して含まれるような向きで照射するようにしており、重複部分についての撮影角度の異なる複数の放射線画像を形成することができるので、その重複部分の正確な立体情報を得ることができる。
【0030】
なお、上記の第1の放射線撮影装置において、図2のように、X線を平行光とすれば、被写体の撮影が、X線の照射角度の広がりに起因する拡大撮影とならないため、X線を検出する面積を小さく抑えることができ、より小型のイメージングプレートで足りるという利点がある。
【0031】
上記の平行光のX線を得る手法としては、X線の照射経路に、コリメータを設置して、X線に対して指向性を持たせる手法や、高エネルギー電子が磁場で曲げられた際にX線が発生するという原理を利用して、細く絞られた拡がりにくいX線を発生させるX線発生装置を用いる手法などが考えられる。上記コリメータとしては、例えば、浜松ホトニクス株式会社製のキャピラリプレート(直径数μmの穴が規則正しく2次元的に並んでいるガラス板;J5022シリーズなど)があり、また、上記X線発生装置としては、例えば、財団法人高輝度光科学研究センターの放射光施設SPring−8などがある。
【0032】
(実施例2)
図3は、本発明の放射線画像形成方法を適用する第2の放射線撮影装置の概略構成図である。図3に示す放射線撮影装置は、2つの異なる位置に配され、同一の被写体3の異なる部分(上部と下部)に対して同じ向きにX線Lc,Ldをそれぞれ照射するX線管1c,1dと、各X線管1c、1dからX線が同時に照射されるように、各X線管に高圧電力を同時に供給する電源装置2と、被写体3を透過した各X線Lc,Ldをそれぞれ検出して被写体の画像情報を記録するイメージングプレート4c,4dと、イメージングプレート4c,4dに記録された被写体の画像情報を読み取って、撮影角度が同じで撮影場所の異なる2つのデジタル放射線画像データPc,Pdを取得する読取装置5とにより構成されている。なお、X線管1c,1dから照射されるX線Lc,Ldは平行光であるものとする。
【0033】
次に、上記のように構成された第2の放射線撮影装置の作用について説明する。
【0034】
電源装置2は、X線管1c,1dがX線を同時に照射するように、各X線管に高圧電力を同時に供給する。
【0035】
すると、X線管1c,1dは、X線Lc,Ldを被写体3のそれぞれ異なる部分、すなわち上部と下部に対して同時に照射する。
【0036】
イメージングプレート4cは、被写体3の上部を透過したX線Lcを検出して被写体上部の画像情報を記録し、同様に、イメージングプレート4dは、被写体3の下部を透過したX線Ldを検出して被写体下部の画像情報を記録する。
【0037】
そして、読取装置5が、画像情報が記録されたイメージングプレート4c,4dを読み取り、同じ向きで同時に撮影された被写体3のそれぞれ異なる部分の放射線画像を表すデジタル画像データPc,Pdを生成して出力する。
【0038】
その後、オペレータが、デジタル画像データPc,Pdに基づいて、被写体の上部と下部の放射線画像を形成し、これらを連結させるなどして被写体全体の情報等を得ることになる。
【0039】
このような第2の放射線撮影装置によれば、被写体を異なる位置から同時に撮影するようにしているので、第1の放射線撮影装置と同様に、被写体の動きに起因する被写体の形状や位置のずれがない、被写体の正確な情報が得られる複数の放射線画像を形成することが可能となる。また、このような形態の場合には、平行光であるX線を同じ向きで照射して撮影するので、拡大撮影とならず、被写体の近接した異なる部分を、互いに干渉することなく同時に撮影することができ、小さいイメージングプレートを用いて、一度に大きな範囲の撮影が可能になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての第1の放射線撮影装置の概略構成図
【図2】X線を平行光としたときの第1の放射線撮影装置の概略構成図
【図3】本発明の他の実施形態としての第2の放射線撮影装置の概略構成図
【符号の説明】
1a〜1d X線管
2 電源装置
3 被写体
4a〜4d イメージングプレート
5 読取装置
【発明の属する分野】
本発明は、放射線撮影に関し、特に、被写体を複数の角度から撮影して被写体の立体情報を得るステレオ撮影に適した、放射線画像形成方法および放射線撮影装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
放射線撮影方法の一つとして、ステレオ撮影と呼ばれる方法が用いられている。このステレオ撮影とは、同一の被写体を複数の角度から撮影する方法であり、異なる角度から撮影された複数の放射線画像に基づいて、被写体の立体情報(特に奥行き方向の情報)を得るための基本的な撮影方法である。
【0003】
従来のステレオ撮影では、被写体を複数の角度から撮影する際に、撮影角度毎にX線源、X線検出器あるいは被写体などの配置を変更し、撮影系のセッティングを調整し直す手法(例えば、特許文献1)や、一方の角度から撮影された放射線画像に基づいて、他方の角度からの撮影に用いるX線源の曝射を制御する手法(例えば、特許文献2)などが用いられている。
【0004】
【特許文献1】
特開2003−47609号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平9−173328号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような、撮影系をセッティングし直す手法や放射線画像に基づいてX線源の曝射を制御する手法などを用いた従来のステレオ撮影によれば、角度の異なる複数の放射線画像は、ある時間間隔をおいて撮影されたものとなり、これら複数の放射線画像においては、被写体の動き、例えば、被写体が人体の胸部である場合には、呼吸による肺の動きや心臓の動きなどにより、被写体の形状や位置がずれてしまい、被写体の正確な情報を得ることが困難であるという問題がある。
【0007】
またこの問題は、ステレオ撮影に限らず、被写体の異なる部分を複数撮影して被写体全体の情報を得ようとする場合にも、同様に存在する。すなわち、被写体の相対的なずれが原因で、被写体全体の正確な情報を得ることが困難となる。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、被写体の正確な情報が得られる複数の放射線画像を形成することが可能な放射線画像形成方法およびそのための放射線撮影装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の放射線画像形成方法は、同一の被写体に対して複数の異なる位置から同時に照射されて上記被写体を透過したX線を検出して、上記被写体の同時刻における複数の放射線画像を表す画像情報を取得し、当該画像情報に基づいて放射線画像を形成することを特徴とする方法である。
【0010】
そして、本発明の放射線撮影装置は、複数の異なる位置に配され、同一の被写体に対して上記各位置からX線をそれぞれ照射する複数のX線源と、当該各X線が上記被写体に対して同時に照射されるように、複数のX線源を制御する制御手段と、上記被写体を透過した各X線を検出して、上記被写体の複数の放射線画像を表す画像情報を取得するX線検出手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
「被写体」としては、非同一の時刻において空間上での形状や位置が変化し得るものすべてが考えられるが、特に、人や動物などの生物が適している。
【0012】
「X線源」としては、X線管などを用いることができ、またこの場合、「制御手段」としては、各X線管に対して同時にエネルギーを供給することにより、X線を同時に照射させる電源装置などが考えられる。
【0013】
「画像情報」としては、画像を表す電気的信号やデジタルデータを考えることができる。
【0014】
「X線検出手段」としては、被写体を透過したX線を検出して、被写体の構造にかかる画像情報を取得できるものであれば、いかなるものであってもよく、例えば、蓄積性蛍光体シート(イメージングプレート)や固定式のフラットパネルセンサーなどの検出器が考えられる。なお、これらの検出器は、照射されるX線毎に複数台設置するようにしてもよいし、照射されるX線をすべて検出できる形態のものを1台設置するようにしてもよい。
【0015】
なお、上記放射線画像形成方法および放射線撮影装置において、X線は、上記複数の放射線画像各々において被写体の少なくとも一部が重複して含まれるような向きで照射されたものとしてもよい。
【0016】
また、X線は、平行光であることが好ましい。平行光とは、進行方向が光軸に対して略平行で、指向性を有する光(X線)のことである。
【0017】
上記の平行光のX線を得る手法としては、X線の照射経路に、コリメータを設置して、進行方向の同じX線だけを取り出す手法や、高エネルギー電子が磁場で曲げられた際にX線が発生するという原理を利用して、細く絞られた拡がりにくいX線を発生させるX線発生装置を用いる手法などが考えられる。上記コリメータとしては、例えば、浜松ホトニクス株式会社製のキャピラリプレート(直径数μmの穴が規則正しく2次元的に並んでいるガラス板;J5022シリーズなど)があり、また、上記X線発生装置としては、例えば、財団法人高輝度光科学研究センターの放射光施設SPring−8などがある。
【0018】
【発明の効果】
本発明の放射線画像形成方法および放射線撮影装置によれば、同一の被写体を異なる位置から同時に撮影するようにしているので、被写体の動きに起因する被写体の形状や位置のずれがない、被写体の正確な情報が得られる複数の放射線画像を形成することが可能となる。
【0019】
本発明の放射線画像形成方法および放射線撮影装置において、X線を、複数の放射線画像各々において被写体の少なくとも一部が重複して含まれるような向きで照射するようにすれば、重複部分についての撮影角度の異なる複数の放射線画像を形成することができるので、その重複部分の正確な立体情報を得ることができる。
【0020】
本発明の放射線画像形成方法および放射線撮影装置において、X線を、平行光とすれば、被写体の撮影が、X線の照射角の広がりに起因する拡大撮影とならないので、X線の検出面積を小さく抑えることができ、X線の検出手段の小型化が実現できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
(実施例1)
図1は、本発明の放射線画像形成方法を適用する第1の放射線撮影装置の概略構成図である。図1に示す放射線撮影装置は、2つの異なる位置に配され、被写体3の同一部分に対して各X線La,Lbをそれぞれ照射する、複数のX線源としてのX線管1a,1bと、各X線管1a,1bから各X線La,Lbが同時に照射されるように各X線管1a,1bに同時に高圧電力を供給する、制御手段としての電源装置2と、被写体3を透過した各X線La,Lbをそれぞれ検出して被写体3の画像情報を記録する、X線検出手段としてのイメージングプレート4a,4bと、イメージングプレート4a,4bに記録された被写体の画像情報を読み取って、撮影角度の異なる2つのデジタル放射線画像データPa,Pbを取得する読取装置5とにより構成されている。
【0023】
次に、上記のように構成された第1の放射線撮影装置の作用について説明する。
【0024】
電源装置2は、X線管1a,1bがX線La,Lbを同時に照射するように、各X線管に対して高圧電力を同時に供給する。
【0025】
すると、X線管1a,1bは、供給された電力をX線に変換し、X線La,Lbを被写体3の同一部分に対して同時に照射する。
【0026】
イメージングプレート4aは、被写体3を透過したX線Laを検出して被写体の一方の角度から撮影された画像情報を記録し、同様に、イメージングプレート4bは、被写体3を透過したX線Lbを検出して被写体の他方の角度から撮影された画像情報を記録する。
【0027】
そして、読取装置5が、画像情報が記録されたイメージングプレート4a,4bを読み取り、異なる角度から同時に撮影された被写体3の放射線画像を表すデジタル画像データPa,Pbを生成して出力する。
【0028】
その後、オペレータが、デジタル画像データPa,Pbに基づいて各放射線画像を形成し、画像解析を行って被写体の立体情報等を得ることになる。
【0029】
このような第1の放射線撮影装置によれば、同一の被写体を異なる位置から同時に撮影するようにしているので、被写体の動きに起因する被写体の形状や位置のずれがない、被写体の正確な情報が得られる複数の放射線画像を形成することが可能となる。また、この第1の放射線撮影装置では、X線を、複数の放射線画像各々において被写体の少なくとも一部が重複して含まれるような向きで照射するようにしており、重複部分についての撮影角度の異なる複数の放射線画像を形成することができるので、その重複部分の正確な立体情報を得ることができる。
【0030】
なお、上記の第1の放射線撮影装置において、図2のように、X線を平行光とすれば、被写体の撮影が、X線の照射角度の広がりに起因する拡大撮影とならないため、X線を検出する面積を小さく抑えることができ、より小型のイメージングプレートで足りるという利点がある。
【0031】
上記の平行光のX線を得る手法としては、X線の照射経路に、コリメータを設置して、X線に対して指向性を持たせる手法や、高エネルギー電子が磁場で曲げられた際にX線が発生するという原理を利用して、細く絞られた拡がりにくいX線を発生させるX線発生装置を用いる手法などが考えられる。上記コリメータとしては、例えば、浜松ホトニクス株式会社製のキャピラリプレート(直径数μmの穴が規則正しく2次元的に並んでいるガラス板;J5022シリーズなど)があり、また、上記X線発生装置としては、例えば、財団法人高輝度光科学研究センターの放射光施設SPring−8などがある。
【0032】
(実施例2)
図3は、本発明の放射線画像形成方法を適用する第2の放射線撮影装置の概略構成図である。図3に示す放射線撮影装置は、2つの異なる位置に配され、同一の被写体3の異なる部分(上部と下部)に対して同じ向きにX線Lc,Ldをそれぞれ照射するX線管1c,1dと、各X線管1c、1dからX線が同時に照射されるように、各X線管に高圧電力を同時に供給する電源装置2と、被写体3を透過した各X線Lc,Ldをそれぞれ検出して被写体の画像情報を記録するイメージングプレート4c,4dと、イメージングプレート4c,4dに記録された被写体の画像情報を読み取って、撮影角度が同じで撮影場所の異なる2つのデジタル放射線画像データPc,Pdを取得する読取装置5とにより構成されている。なお、X線管1c,1dから照射されるX線Lc,Ldは平行光であるものとする。
【0033】
次に、上記のように構成された第2の放射線撮影装置の作用について説明する。
【0034】
電源装置2は、X線管1c,1dがX線を同時に照射するように、各X線管に高圧電力を同時に供給する。
【0035】
すると、X線管1c,1dは、X線Lc,Ldを被写体3のそれぞれ異なる部分、すなわち上部と下部に対して同時に照射する。
【0036】
イメージングプレート4cは、被写体3の上部を透過したX線Lcを検出して被写体上部の画像情報を記録し、同様に、イメージングプレート4dは、被写体3の下部を透過したX線Ldを検出して被写体下部の画像情報を記録する。
【0037】
そして、読取装置5が、画像情報が記録されたイメージングプレート4c,4dを読み取り、同じ向きで同時に撮影された被写体3のそれぞれ異なる部分の放射線画像を表すデジタル画像データPc,Pdを生成して出力する。
【0038】
その後、オペレータが、デジタル画像データPc,Pdに基づいて、被写体の上部と下部の放射線画像を形成し、これらを連結させるなどして被写体全体の情報等を得ることになる。
【0039】
このような第2の放射線撮影装置によれば、被写体を異なる位置から同時に撮影するようにしているので、第1の放射線撮影装置と同様に、被写体の動きに起因する被写体の形状や位置のずれがない、被写体の正確な情報が得られる複数の放射線画像を形成することが可能となる。また、このような形態の場合には、平行光であるX線を同じ向きで照射して撮影するので、拡大撮影とならず、被写体の近接した異なる部分を、互いに干渉することなく同時に撮影することができ、小さいイメージングプレートを用いて、一度に大きな範囲の撮影が可能になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての第1の放射線撮影装置の概略構成図
【図2】X線を平行光としたときの第1の放射線撮影装置の概略構成図
【図3】本発明の他の実施形態としての第2の放射線撮影装置の概略構成図
【符号の説明】
1a〜1d X線管
2 電源装置
3 被写体
4a〜4d イメージングプレート
5 読取装置
Claims (6)
- 同一の被写体に対して複数の異なる位置から同時に照射されて前記被写体を透過したX線を検出して、前記被写体の同時刻における複数の放射線画像を表す画像情報を取得し、
該画像情報に基づいて前記放射線画像を形成することを特徴とする放射線画像形成方法。 - 前記X線が、前記複数の放射線画像各々において前記被写体の少なくとも一部が重複して含まれるような向きで照射されたものであることを特徴とする請求項1記載の放射線画像形成方法。
- 前記X線が、平行光であることを特徴とする請求項1または2記載の放射線画像形成方法。
- 複数の異なる位置に配され、同一の被写体に対して前記各位置からX線をそれぞれ照射する複数のX線源と、
該各X線が前記被写体に対して同時に照射されるように、前記複数のX線源を制御する制御手段と、
前記被写体を透過した前記各X線を検出して、前記被写体の複数の放射線画像を表す画像情報を取得するX線検出手段とを備えたことを特徴とする放射線撮影装置。 - 前記各X線が、前記複数の放射線画像各々において前記被写体の少なくとも一部が重複して含まれるような向きで照射されたものであることを特徴とする請求項4記載の放射線撮影装置。
- 前記X線が、平行光であることを特徴とする請求項4または5記載の放射線撮影装置。
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JP2003164481A JP2005000261A (ja) | 2003-06-10 | 2003-06-10 | 放射線画像形成方法および放射線撮影装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2003-06-10 JP JP2003164481A patent/JP2005000261A/ja not_active Withdrawn
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