JP4813403B2 - ハードディスク用ランプ - Google Patents

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Description

本発明は、ポリオキシメチレン樹脂を用いて成形される、ハードディスクドライブ内のヘッドを収納、ガイドするためのランプに関する。
ポリオキシメチレン樹脂は、バランスのとれた機械的性質と優れた摩擦摩耗性を有するエンジニアリング樹脂として、各種の機構部品をはじめ、OA機器などに広く用いられている。ポリオキシメチレン樹脂は他樹脂との比較で摩擦摩耗性には優れるものの用途によってはさらなる改良を狙って、アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、シリコーンなどの低分子の潤滑剤が広く使用されている。
ハ−ドディスクドライブのランプ材料にポリオキシメチレン樹脂を用いることについては、特許文献1に、引っ張り伸度が30%以上の樹脂材料を使用する事が示され、樹脂材料としてポリオキシメチレン樹脂が使用されている。また、潤滑剤としてPTFE等フッ素化合物、フォスファゼン系潤滑剤、カルナバワックス、ポリエチレンワックス、金属石鹸なども示されている。しかし、ハードディスク用ランプはトリクロルエチレン、トリクロロエタン、フロンの如きハロゲン系溶剤、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、アルコール類、界面活性剤を含有する水および純水などで成形品を入念に洗浄した後に使用されるため、前記した様な低分子化合物は洗浄工程で除去され、摩擦摩耗性能は著しく損なわれる問題があった。
この様な溶剤洗浄による摺動性能の低下を防ぐための提案として、本発明者らは、特許文献2において、高分子の潤滑剤を含有する組成物からなるハードディスク用ランプを提案し、溶剤洗浄を行っても優れた摩擦摩耗性能を有する材料を提案した。しかし、ハードディスクの普及が広範囲に進むにつれ、さらに低温環境下での摩擦摩耗性の更なる改良が求められている。また、ポリオキシメチレン樹脂に無機フィラーを添加し摩擦摩耗性を改良する試みが特許文献3に示されており、ポリアセタール樹脂に二酸化チタンや炭化珪素を添加した例が示されているが、摺動抵抗の改良効果は不十分である。
一方、本発明において用いるエチレンアクリル酸エステル共重合体は、前記した特許文献2においてもポリオレフィン系樹脂として示されている。しかし、同公報には、特定のアクリル酸エステル含有量のエチレンアクリル酸エステル共重合体が、低温下における摩擦摩耗性改良に卓越した効果を示す事や、副次的に発生する射出成形時の金型付着物の防止に効果を有する事は示されていない。また、特定のモース硬度範囲の無機フィラーが低温下の摩耗性能の改良に優れた効果を示すことも開示されていない。
特開2001−297548号公報 国際公開第03/055945号 特開2002−197820号公報
本発明は上記のような状況のもとでなされたものであって、ポリオキシメチレン樹脂製ハードディスク用ランプの低温下での摩擦摩耗性を大幅に改良することを目的とするものである。
本発明者らは、低温環境下での摩擦摩耗性能の改良を目指して、種々の高分子潤滑剤を検討した結果、アクリル酸エステル含有量が特定の範囲であるエチレンアクリル酸エステル共重合体が目的の性能を有することを見いだし、さらにその生産工程で問題となる金型付着物の生成を防止することを見出した。また、特定のモース硬度の無機フィラーが低温での摩耗の改良に効果のあることも合わせて見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下に記載するとおりのハードディスク用ランプである。
(1) (A)ポリオキシメチレン樹脂 100重量部、(B)アクリル酸エステル単位の含有量が5〜30重量%であるエチレンアクリル酸エステル共重合体 0.1〜10重量部からなる組成物を成形して得られるハードディスク用ランプ。
(2) (A)ポリオキシメチレン樹脂 100重量部、(B)アクリル酸エステル単位の含有量が5〜30重量%であるエチレンアクリル酸エステル共重合体 0.1〜10重量部、および(C)平均粒子径が10μm以下の無機フィラー0.01〜10重量部、及び/または(D)潤滑剤0.05〜10重量部からなる樹脂組成物を成形して得られるハードディスク用ランプ。
(3) (A)ポリオキシメチレン樹脂が、コモノマーの含有量が0.1〜3モル%のコポリマーである上記(1)又は(2)に記載のハードディスク用ランプ。
(4) (C)無機フィラーが、平均粒子径5μm以下でモース硬度が3〜7の範囲の無機フィラーであり、その添加量が0.1〜5重量部である上記(2)又は(3)に記載のハードディスク用ランプ。
(5) (D)潤滑剤が、アルコール、脂肪酸、アルコールと脂肪酸及び/又はジカルボン酸とのエステル、ポリオキシアルキレングリコールおよび平均重合度10〜500のオレフィン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記(2)〜(4)の何れかに記載のハードディスク用ランプ。
(6) ランプがハロゲン系溶剤、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、アルコール、液化炭酸ガス、界面活性剤を含有する水および純水からなる群から選ばれる少なくとも一種の溶剤で洗浄した後に使用される、上記(1)〜(5)のいずれかに記載のハードディスク用ランプ。
本発明のハードディスク用ランプは低温条件での摩擦摩耗性を大幅に改良したものであり、低温条件で使用される(例えば、車載や屋外使用など)用途への拡大を可能とするものである。
本発明の(A)成分に用いられるポリオキシメチレン樹脂は、ホルムアルデヒド、またはその3量体であるトリオキサンや4量体であるテトラオキサンなどの環状オリゴマーを重合し、重合体の両末端をエーテル、エステル基により封鎖したホモポリマーをはじめ、ホルムアルデヒドまたはその3量体であるトリオキサンや4量体であるテトラオキサンと、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,3−ジオキソラン、グリコールのホルマール、ジグリコールのホルマールなどとを共重合させて得られた炭素数2〜8のオキシアルキレン単位をオキシメチレンに対して、0.1〜20モル%を含有するオキシメチレンコポリマーや、さらに分岐状分子鎖を有するもの、オキシメチレン単位からなるセグメント50重量%以上と異種セグメント50重量%以下とを含有するオキシメチレンブロックポリマーから選ばれる少なくとも一種である。
オキシメチレンブロックポリマーとしては、特開昭57−31918号公報に開示されるポリアルキレングリコールとポリオキシメチレンホモポリマーとのブロックポリマー、国際公開第01/09213号に開示される水素添加ポリブタジエンとオキシメチレンコポリマーのブロックポリマーが好ましい。
また、これらポリオキシメチレン樹脂は、その目的によって使い分けすることが出来る。摺動性や剛性の観点からはホモポリマーやコモノマー量の少ないコポリマーの使用が好ましく、熱安定性や耐衝撃性の観点からはコモノマー量の多いコポリマーや水素添加ポリブタジエンとオキシメチレンコポリマーのブロックポリマーの使用が好ましい。とりわけ、ポリオキシメチレン樹脂に対する、コモノマーの含有量が0.1〜3重量%のコポリマーが望ましい。
本発明のハードディスク用ランプ材には、熱安定性の点からコポリマーが好ましく、さらに摺動性と熱安定性のバランスの点からコモノマー量の少ないコポリマーも好ましい。
また、本発明で用いるポリオキシメチレン樹脂のメルトフローレイト(ASTM−D1238−57Tの条件で測定)は0.5〜100g/10min、好ましくは3.0〜80g/10min、さらに好ましくは4〜50g/10min、さらにさらに好ましくは5〜40g/10min、最も好ましくは7〜20g/10minの範囲である。0.5g/10min未満では成形加工が困難で、100g/10minを超えると耐久性が不十分である。
本発明のポリオキシメチレン樹脂には、従来のポリオキシメチレン樹脂に使用されている安定剤、例えば熱安定剤、耐候(光)安定剤等を単独、またはこれらを組み合わせて用いることが出来る。熱安定剤としては、酸化防止剤、ホルムアルデヒドやぎ酸の捕捉剤およびこれらの併用が好適である。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましく、例えば、トリエチレングリコール−ビス−(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、テトラキス−(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタン等が挙げられる。
ホルムアルデヒドやギ酸の捕捉剤としては、(イ)ホルムアルデヒド反応性窒素を含む化合物および重合体、(ロ)アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、およびカルボン酸塩が挙げられる。(イ)ホルムアルデヒド反応性窒素を含む化合物および重合体としては、ジシアンジアミド、メラミン、メラミンとホルムアルデヒドとの共縮合物、ポリアミド樹脂、ポリ−β−アラニン、ポリアクリルアミド等が挙げられる。(ロ)アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、およびカルボン酸塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムもしくはバリウムなどの水酸化物、上記金属の炭酸塩、リン酸塩、珪酸塩、硼酸塩、カルボン酸塩である。具体的にはカルシウム塩が最も好ましく、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、珪酸カルシウム、硼酸カルシウム、および脂肪酸カルシウム塩(ステアリン酸カルシウム、ミリスチン酸カルシウム等)が挙げられる。また、これら脂肪酸は、ヒドロキシル基で置換されていてもよい。
耐候(光)安定剤としては、(イ)ベンゾトリアゾール系物質、(ロ)シュウ酸アニリド系物質及び(ハ)ヒンダードアミン系物質が好ましい。これらの物質はそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。中でも、ベンゾトリアゾール系物質、またはシュウ酸アニリド系物質の少なくとも1種とヒンダードアミン系物質の組み合わせが、特に好ましい。
本願の樹脂組成物における安定剤の好ましい組み合わせは、「ヒンダードフェノール(特にトリエチレングリコールービス−(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、テトラキス−(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタン))、ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体(特にポリアミド樹脂、ポリ−β−アラニン)」および必要により「アルカリ土類金属の脂肪酸塩(特に脂肪酸カルシウム塩)」の併用である。その添加量は、ポリオキシメチレン樹脂に対して、「ヒンダードフェノール」0.05〜0.5重量%、「ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体」0.05〜0.5重量%、および「アルカリ土類金属の脂肪酸塩(特に脂肪酸カルシウム塩)」0.01〜0.3重量%の範囲である。
本発明の(B)成分であるエチレンアクリル酸エステル共重合体は、具体的には、エチレンとアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチルからなる群から選ばれる少なくとも一種との共重合体である。これらの中では、エチレンアクリル酸メチルエステル共重合体、エチレンアクリル酸エチルエステル共重合体が好ましく、エチレンアクリル酸エチルエステル共重合体が最も好ましい。アクリル酸エステル含有量は5〜30重量%の範囲であることが必要で、10〜25重量%の範囲が好ましい。アクリル酸エステル含有量が5重量%以上で低温での摩擦摩耗性の改良効果が良好で、30重量%以下では射出成形時の金型付着物の生成が少ないため好ましい。
また、エチレンアクリル酸エステル共重合体の分子量は、メルトフローレイト(JIS K7210−4条件で測定)で0.1〜200g/10minの範囲が好ましく、0.4〜100g/10minがさらに好ましく、1〜50g/10minが最も好ましい。メルトフローレイトが0.1g/10min未満では摩耗が増加するため好ましくなく、200g/10minを超えると摩擦係数が増加するため好ましくない。
また、エチレンアクリル酸エステル共重合体は、(A)ポリキシメチレン樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられ、好ましくは0.2〜8重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部の範囲である。0.1重量部〜10重量部の範囲では摩擦摩耗性低減効果が良好である。
本発明におけるエチレンアクリル酸エステル共重合体は他の極性基を有しないポリオレフィンと併用することも可能である。極性基を有しないポリオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセンから選ばれる少なくとも一種からなる重合体である。具体的には、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、エチレンプロピレン共重合体、エチレンブテン共重合体、エチレンオクテン共重合体などが挙げられる。
これらの中では、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレンプロピレン共重合体、エチレンブテン共重合体、エチレンオクテン共重合体が好ましい。これらの極性基を有しないポリオレフィンの分子量はメルトフローレイト(JIS K7210−4条件で測定)で0.5〜150g/10minの範囲が好ましく、さらに好ましくは3〜120g/10minの範囲であり、最も好ましくは5〜100g/10minの範囲である。
本発明の(C)成分に用いられる平均粒子径10μm以下の無機フィラーとしては、針状、粒子状、板状の無機フィラーが用いられる。針状フィラーとしては、チタン酸カリ、酸化亜鉛、酸化チタン等のウイスカー、針状ウォラストナイト(珪酸カルシウム)、微細カーボン繊維、カーボンナノチューブ等であり、粒子状フィラーとしては、黒鉛、カーボンブラック、導電性カーボンブラック、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、珪酸アルミニウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、ネフェリンサイナイト、クリストバライト、ウォラストナイト(珪酸カルシウム)、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、金属(Ti、Cr、Sb、Ni、Zn、Fe、Co、Al及びCuから選ばれる2種以上)の複合酸化物、アルミナ、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、炭化珪素、窒化硅素、窒化硼素、各種金属粉末、等があげられる。板状フィラーとしては、マイカやグラファイトが挙げられる。これらの無機フィラーは1種又は2種以上を併用して使用することが可能である。無機フィラーを添加する目的は表面硬度の改良、導電性の付与、剛性の改良及び着色など目的は様々であり、目的により選択が可能である。
これらの充填剤は表面処理されたもの、表面処理されていないもの、何れも使用可能であるが、成形品表面の平滑性、機械的特性の面から表面処理の施されたものの使用が好ましい場合がある。表面処理剤としては従来公知のものが使用可能である。例えば、シラン系、チタネート系、アルミニウム系、ジルコニウム系等の各種カップリング処理剤が使用できる。具体的には、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリスステアロイルチタネート、ジイソプロポキシアンモニウムエチルアセテート、n−ブチルジルコネート等が挙げられる。また、樹脂への分散性の改良を目的に高級アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩などで分散処理したものやポリオキシメチレン樹脂やポリオレフィンなど他の樹脂と予め混練したマスターバッチを使用することも当然可能である。
本発明の無機フィラーは摩擦摩耗性の観点からは体積平均粒子径が10μm以下のものが用いられ、好ましくは5μm以下、さらに好ましくは3μm以下であり、粒子状でアスペクト比が3以下が好ましい。粒子径が10μmを超えると摩擦摩耗性が悪化するため好ましくない。これら充填剤を用いる場合の添加割合は(A)ポリキシメチレン樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部の範囲で用いられ、好ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.2〜3重量部の範囲である。0.01重量部〜10重量部の範囲では摩耗性低減効果や成形品外観性、物性等を損なう事が無い。
また、無機フィラーの硬さ(モース硬度)に着目して、ハードディスク用ランプと接触する金属製タブ(主成分は鉄)との摩擦摩耗性を検討した結果、モース硬度が3〜7の範囲が好ましく、3〜6の範囲がより好ましく、4〜6の範囲が最も好ましい結果であった。モース硬度が3以上ではフィラー自身が摩耗し難いためランプの摩耗が小さく、モース硬度7以下では金属製タブを摩耗させないため好ましい。
本発明の(D)成分に用いられる潤滑剤はアルコール、脂肪酸、アルコールと脂肪酸及び/又はジカルボン酸とのエステル、ポリオキシアルキレングリコール及び平均重合度が10〜500であるオレフィン化合物の中から選ばれる少なくとも一種である。
アルコールとしては1価アルコール、多価アルコールである。1価アルコールの例としてはオクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、セリルアルコール、ベヘニルアルコール、メリシルアルコール、ヘキシルデシルアルコール、オクチルドデシルアルコール、デシルミリスチルアルコール、デシルステアリルアルコール、ユニリンアルコールなどの飽和または不飽和アルコールがあげられる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、トレイトール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、アラビトール、リビトール、キシリトール、ソルバイト、ソルビタン、ソルビトール、マンニトールがあげられる。
脂肪酸としては、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸、ステアリン酸、ナノデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、プロピオール酸、ステアロール酸が挙げられ、かかる成分を含有してなる天然に存在する脂肪酸またはこれらの混合物等が挙げられ、これらの脂肪酸はヒドロキシ基で置換されていてもよい。また、合成脂肪族アルコールであるユニリンアルコールの末端をカルボキシル変性した合成脂肪酸でもよい。
アルコールと脂肪酸のエステルとしては下記に示すアルコールと脂肪酸とのエステルである。アルコールとしては1価アルコール、多価アルコールであり、例えば1価アルコールの例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、セリルアルコール、ベヘニルアルコール、メリシルアルコール、ヘキシルデシルアルコール、オクチルドデシルアルコール、デシルミリスチルアルコール、デシルステアリルアルコール、ユニリンアルコール等の飽和・不飽和アルコールが挙げられる。
多価アルコールとしては、2〜6個の炭素原子を含有する多価アルコールであり、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエリスリトール、アラビトール、リビトール、キシリトール、ソルバイト、ソルビタン、ソルビトール、マンニトール等があげられる。
脂肪酸としては、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸、ステアリン酸、ナノデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、プロピオール酸、ステアロール酸が挙げられ、かかる成分を含有してなる天然に存在する脂肪酸またはこれらの混合物等が挙げられ、これらの脂肪酸はヒドロキシ基で置換されていてもよい。また、合成脂肪族アルコールであるユニリンアルコールの末端をカルボキシル変性した合成脂肪酸でもよい。
これら、アルコール、脂肪酸、アルコールと脂肪酸のエステルの中では、炭素数12以上の脂肪酸とアルコールとのエステルが好ましく、炭素数12以上の脂肪酸と炭素数10以上のアルコールとのエステルがより好ましく、炭素数12〜30の脂肪酸と炭素数10〜30のアルコールとのエステルがさらに好ましい。
アルコールとジカルボン酸のエステルはオクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、セリルアルコール、ベヘニルアルコール、メリシルアルコール、ヘキシルデシルアルコール、オクチルドデシルアルコール、デシルミリスチルアルコール、デシルステアリルアルコール、ユニリンアルコール等の飽和・不飽和の一級アルコールとシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカニン酸、ブラシリン酸、マレイン酸、フマール酸、グルタコン酸等のジカルボン酸とのモノエステル、ジエステル及びこれらの混合物である。これらのアルコールとジカルボン酸のエステルの中では、炭素数10以上のアルコールとジカルボン酸とのエステルが好ましい。
ポリオキシアルキレングリコール化合物としては、3種類の化合物が挙げられる。
第1のグループとしては、アルキレングリコールをモノマーとする重縮合物が挙げられる。例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールとプロピレングリコールのブロックポリマー等が挙げられる。これらの重合モル数の好ましい範囲は5〜1000、より好ましい範囲は10〜500である。
第2のグループは、第1のグループと脂肪族アルコールとのエーテル化合物である。例えば、ポリエチレングリコールオレイルエーテル(エチレンオキサイド重合モル数5〜50)、ポリエチレングリコールセチルエーテル(エチレンオキサイド重合モル数5〜50)、ポリエチレングリコールステアリルエーテル(エチレンオキサイド重合モル数5〜30)、ポリエチレングリコールラウリルエーテル(エチレンオキサイド重合モル数5〜30)、ポリエチレングリコールトリデシルエーテル(エチレンオキサイド重合モル数5〜30)、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル(エチレンオキサイド重合モル数2〜100)、ポリエチレングリコールオキチルフェニルエーテル(エチレンオキサイド重合モル数4〜50)等が挙げられる。
第3のグループは、第1のグループと高級脂肪酸とのエステル化合物である。例えば、ポリエチレングリコールモノラウレート(エチレンオキサイド重合モル数2〜30)、ポリエチレングリコールモノステアレート(エチレンオキサイド重合モル数2〜50)、ポリエチレングリコールモノオレート(エチレンオキサイド重合モル数2〜50)等が挙げられる。
平均重合度が10〜500であるオレフィン化合物とは以下の式(1)で示される化合物である。
Figure 0004813403
(R、Rは水素、アルキル基、アリール基、エーテル基より選ばれ、各々同一でも異なっていても良い。nは平均重合度で10〜500である。アルキル基としては、例えばエチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ラウリル基、セチル基、ステアリル基等であり、アリール基としては、例えばフェニル基、p−ブチルフェニル基、p−オクチルフェニル基、p−ノニルフェニル基、ベンジル基、p−ブチルベンジル基、トリル基、キシリル基等がある。またエーテル基としては例えばエチルエーテル基、プロピルエーテル基、ブチルエーテル基等がある。)
具体的にオレフィン化合物を構成するモノマーとしてはエチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、2−ペンテン、4−メチル−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、1−ヘキセン、2,3−ジメチル−2−ブテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等で表されるオレフィン系モノマー、またはアレン、1,2−ブタジエン、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、シクロペンタジエン等で表されるジオレフィン系モノマーがある。
これらオレフィン系モノマー、ジオレフィン系モノマーの2種以上を共重合して得られる化合物であってもかまわない。オレフィン化合物がジオレフィン系モノマーを重合して得られる化合物である場合は熱安定性向上の観点から慣用の水素添加法を用いて炭素−炭素不飽和結合を極力少なくしたオレフィン化合物を用いる方が好ましい。
オレフィン化合物を構成するオレフィン単位の平均重合度nは10〜500の間にある必要があり、好ましくは15〜300の範囲であり、さらに好ましくは15〜100の範囲である。平均重合度nが10より小さい場合は長期の摩擦摩耗特性が低下すると共に金型汚染性へも悪影響を与えるため好ましくない。nが500より大きい場合は、初期の摩擦摩耗特性が低下するため好ましくない。
これら(D)潤滑剤を用いる場合の配合割合はポリオキシメチレン樹脂100重量部に対して、0.05〜10重量部であり、好ましくは0.1〜7重量部、さらに好ましくは0.2〜5重量部である。添加量が0.05重量部未満では摩擦摩耗性の改良効果が不十分であり、10重量部を超えて添加すると、摩耗量が増加するとともに成形品表面外観が悪化するため好ましくない。
さらに本発明のポリオキシメチレン樹脂組成物は所望に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、従来ポリオキシメチレン樹脂で用いられる各種の添加剤、例えば、潤滑剤、耐衝撃改良材、他樹脂、結晶核剤、離型剤、染料、顔料などを用いることが出来る。
本発明の樹脂組成物の製造方法は一般的に使用されている溶融混練機を用いることができる。溶融混練機としてはニーダー、ロールミル、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機等を挙げることができる。このときの加工温度は180〜240℃であることが好ましく、品質や作業環境の保持のためには不活性ガスによる置換や、一段及び多段ベントで脱気することが好ましい。
本発明の樹脂組成物の成形方法は、射出成形法、ホットランナー射出成形法、アウトサート成形法、インサート成形法、ガスアシスト中空射出成形法、金型の高周波加熱射出成形法、圧縮成形法、インフレーション成形、ブロー成形、押出成形、或いは押出成形品の切削加工等の成形法で成形することが出来る。
本発明のハードディスク用ランプは、従来は困難であった低温条件下での摩擦摩耗性を大幅に改良したものであり、低温条件で使用される例えば車載用や軍事用途への拡大を可能とするものである。
また、本発明のハードディスクランプに用いられる組成物はハードディスク用ランプ以外にも、ギア、カム、スライダー、レバー、アーム、ガイド、クラッチ、フェルトクラッチ、アイドラギアー、プーリー、ローラー、コロ、キーステム、キートップ、シャッター、メーター文字車、バックル、ファスナー、プラホック、リール、シャフト、関節、軸、軸受け、ガイドなどの摺動部品に使用可能である。これらの摺動性部品が使用される用途は、VTR(Video Tape Recorder)、ビデオムービー、デジタルビデオカメラ、カメラおよびデジタルカメラ、カセットプレイヤー、DAT、LD(Laser Disk)、MD(Mini Disk )、CD(Compact Disk)〔CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R(Recordable)、CD−RW(Rewritable)を含む〕、DVD(Digital Versatile Disk)〔DVD−ROM、DVD−R、DVD−RW、DVD+RW、DVD−RAM(Random Access Memory )、DVD−Audio、DVDマルチを含む〕、その他の光デイスクドライブ、MFD、MOおよびこれらのコンポーネントタイプである。
これらの記録装置は近年小型化高集積化とともに密閉される構造になって来ている。このため、部品に付着するゴミ、油脂分、不揮発性溶剤、記録媒体に影響を与える物質などを排除するため、部品を溶剤(トリクロロエチレン、トリクロロエタン、各種フロンに代表されるハロゲン系溶剤、脂肪族・芳香族炭化水素、アルコール類、液化炭酸ガス、界面活性剤を含有する水及び純水など)で洗浄してから使用することが望ましい場合がある。この様な用途にも本願の組成物は有用である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。はじめに、実施例および比較例で使用する成分の内容と評価方法を以下に示す。
<使用成分>
(A)ポリオキシメチレン樹脂
(A−1) 1,3ジオキソラン0.5モル%を共重合成分として含む、曲げ弾性率2900MPaで、メルトフローレイト30g/10分(ASTM D−1238−57T)のポリオキシメチレンコポリマー
(A−2) 1,3ジオキソラン1.5モル%を共重合成分として含む、曲げ弾性率2600MPaで、メルトフローレイト15g/10分(ASTM D−1238−57T)のポリオキシメチレンコポリマー
(A−3) メルトフローレートでメルトフローレイト30g/10分(ASTM D−1238−57T)で、曲げ弾性率3000MPaの両末端がアセチル其で封鎖されたポリオキシメチレンホモポリマー
(B)エチレンアクリル酸エステル共重合体
(B−1) エチルアクリレート含有量が5重量%でメルトローレイト(JIS K7210−4条件)が4g/10minのエチレンアクリル酸エステル共重合体
(B−2) エチルアクリレート含有量が10重量%でメルトローレイト(JIS K7210−4条件)が3g/10minのエチレンアクリル酸エステル共重合体
(B−3) エチルアクリレート含有量が20重量%でメルトローレイト(JIS K7210−4条件)が5g/10minのエチレンアクリル酸エステル共重合体
(B−4) エチルアクリレート含有量が30重量%でメルトローレイト(JIS K7210−4条件)が14g/10minのエチレンアクリル酸エステル共重合体
(B−5) エチルアクリレート含有量が35重量%でメルトローレイト(JIS K7210−4条件)が20g/10minのエチレンアクリル酸エステル共重合体
(B−6) エチルアクリレート含有量が3重量%でメルトローレイト(JIS K7210−4条件)が4g/10minのエチレンアクリル酸エステル共重合体
(B−7) ブテン含量10モル%でメルトローレイト(JIS K7210−4条件)が70g/10minのエチレンブテン共重合体
(C)無機フィラー
(C−1) レーザー回折散乱法で測定した50%体積平均粒子径が、3μmの粒子状炭酸カルシウム(モース硬度=3)
(C−2) レーザー回折散乱法で測定した50%体積平均粒子径が2μmの粒子状ウォラストナイト(モース硬度=5)
(C−3) レーザー回折散乱法で測定した50%体積平均粒子径が3μの粒子状の亜鉛と鉄の複合酸化物顔料(モース硬度=5)
(C−4) レーザー回折散乱法で測定した50%体積平均粒子径が3μmの粒子状タルク(モース硬度=1)
(C−5) レーザー回折散乱法で測定した50%体積平均粒子径が0.4μmの粒子状ルチル型酸化チタン(モース硬度=7)
(D)潤滑剤
(D−1) ミリスチン酸セチルエステル
(D−2) ポリエチレンワックス(東洋ペトロライト株式会社製 ポリワックス500(分子量=500)
[評価方法]
(1)物性評価
実施例及び比較例で得られたペレットを80℃で3時間乾燥した後、シリンダー温度200℃に設定された5オンス成形機(東芝機械(株)製 IS−100E)を用いて、金型温度70℃、冷却時間30秒の条件で物性評価用試験片を成形した。この試験片を用いて下記の試験を行った。
1)メルトフローレイト(MFR);ASTM D−1238−57Tに基づいて測定。
2)引張強度、引張伸度;ASTM D638に基づいて測定。
3)曲げ強度、曲げ弾性率;ASTM D790に基づいて測定。
4)アイゾット衝撃強度;ASTM D256に基づいて測定。
(2)金型付着物
実施例及び比較例で得られたペレットを80℃で3時間乾燥した後、シリンダー温度200℃に設定された1オンス成形機(東洋機械金属(株)製 TI−30G)を用いて金型温度100℃、冷却時間30秒の条件で外径30mmφ×厚さ3mmのギヤを300ショット成形し、金型への付着物を測定し、以下の基準で判断した。
○;金型への付着が認められない。
△;金型への付着が極僅か。
×;金型への付着が明確に判る。
(3)摩擦摩耗性能
1)溶剤洗浄前
実施例及び比較例で得られたペレットを80℃で3時間乾燥した後、シリンダー温度200℃に設定された3オンス成形機(住友重機(株)製 SH−75)で金型温度70℃、冷却時間20秒の条件で、厚さ3mmの平板を成形し試験片とした。この試験片を、往復動摩擦摩耗試験機(大倉インダストリー(株)製 DFT−2型)を用いて荷重3.92N、線速度200mm/sec、往復距離40mm、および環境温度、−15℃と23℃の条件で300,000回往復し、摩擦係数と摩耗量を測定した。相手材料としては、SUS304試験片(直径5mmの球)を用いた。
2)溶剤洗浄後
溶剤洗浄前摺動性能評価で用いた、厚さ3mmの平板を60℃に加温された界面活性剤入りの洗浄液(旭化成ケミカルズ(株)製、エリーズK1000(商品名)の5%水溶液)を用いて20分間超音波洗浄を実施し、その後、3回純水を用いて同条件下で洗浄を行った。その後、80℃の熱風乾燥機で2時間乾燥を行い、得られた試験片を往復動摩擦摩耗試験機(大倉インダストリー(株)製 DFT−2型)を用いて荷重3.92N、線速度200mm/sec、往復距離40mm、および環境温度、−15℃と23℃の条件で300,000回往復し、摩擦係数と摩耗量を測定した。相手材料としては、SUS304試験片(直径5mmの球)を用いた。
[実施例1]
(A−1)100重量部(安定剤としてトリエチレングリコール−ビス−〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕0.3重量%、ポリアミド66 0.10重量%、ステアリン酸カルシウム0.15重量%を含む)、(B−1)3重量部をブレンダーで均一にブレンドした後、200℃に設定されたL/D=40の30mmφ二軸押出機を用い、スクリュー回転数100rpm、10kg/hrで溶融混練を行った。押出された樹脂はストランドカッターでペレットとした。このペレットを用いて測定を行い、結果を表1に示した。
[実施例2〜4]
実施例1の(B−1)に替えて、表1に示す(B−2)〜(B−4)成分を用いる以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
[比較例1〜3]
実施例1の(B−1)に替えて、表1に示す(B−5)〜(B−7)成分を用いる以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
[比較例4]
実施例1の(B−1)を無添加にする以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例1の(B−1)に替えて、表1に示す(B−3)成分 1重量部を用いる以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
[実施例6]
実施例1の(B−1)に替えて、表1に示す(B−3)成分 10重量部を用いる以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
[実施例7]
(A−1)成分に替えて、(A−2)成分(安定剤としてトリエチレングリコール−ビス−〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕0.3重量%、ポリアミド66 0.10重量%、ステアリン酸カルシウム0.15重量%を含む)を用いる以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
[実施例8]
(A−1)成分に替えて、(A−3)成分(安定剤としてトリエチレングリコール−ビス−〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕0.3重量%、ポリ−β−アラニン 0.30重量%を含む)を用いる以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
[実施例9]
(A−1)成分100重量部(安定剤としてトリエチレングリコール−ビス−〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕0.3重量%、ポリアミド66 0.10重量%、ステアリン酸カルシウム0.15重量%を含む)、(B−3)成分3重量部、(C−1)成分0.5重量部及び添着剤として流動パラフィン0.1重量%を用いてブレンダーで均一にブレンドした後、200℃に設定されたL/D=40の30mmφ二軸押出機を用い、スクリュー回転数100rpm、10kg/hrで溶融混練を行った。押出された樹脂はストランドカッターでペレットとした。このペレットを用いて測定を行い、結果を表2に示した。
[実施例10〜13]
実施例9の(C−1)成分を(C−2)〜(C−5)成分に替える以外は実施例9と同様に実施した。結果を表2に示した。
[実施例14、15]
実施例10と実施例11の(A−1)成分を(A−2)成分に替える以外は実施例10、11と同様に実施した。結果を表2に示した。
[実施例16]
(A−1)成分100重量部(安定剤としてトリエチレングリコール−ビス−〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕0.3重量%、ポリアミド66 0.10重量%、ステアリン酸カルシウム0.15重量%を含む)、(B−3)成分3重量部、(D−1)成分1重量部及び添着剤として流動パラフィン0.1重量%を用いてブレンダーで均一にブレンドした後、200℃に設定されたL/D=40の30mmφ二軸押出機を用い、スクリュー回転数100rpm、10kg/hrで溶融混練を行った。押出された樹脂はストランドカッターでペレットとした。このペレットを用いて測定を行い、結果を表2に示した。
[実施例17]
実施例16の(D−1)成分を(D−2)成分に変更する以外は実施例16と同様に実施した。結果を表2に示した。
[実施例18]
実施例10にさらに(D−1)成分1重量%添加する以外は実施例10と同様に実施した。結果を表2に示した。
Figure 0004813403
Figure 0004813403
本発明のハードディスク用ランプは低温下での摩擦摩耗性能に優れ、用途が拡大とともに使用環境が厳しくなっているハードディスクドライブの信頼性向上に有効である。

Claims (6)

  1. (A)ポリオキシメチレン樹脂 100重量部、(B)アクリル酸エステル単位の含有量が5〜30重量%であるエチレンアクリル酸エステル共重合体 0.1〜10重量部からなる組成物を成形して得られるハードディスク用ランプ。
  2. (A)ポリオキシメチレン樹脂 100重量部、(B)アクリル酸エステル単位の含有量が5〜30重量%であるエチレンアクリル酸エステル共重合体 0.1〜10重量部、および(C)平均粒子径が10μm以下の無機フィラー0.01〜10重量部、及び/または(D)潤滑剤0.05〜10重量部からなる樹脂組成物を成形して得られるハードディスク用ランプ。
  3. (A)ポリオキシメチレン樹脂が、コモノマーの含有量が0.1〜3モル%のコポリマーである請求項1又は2に記載のハードディスク用ランプ。
  4. (C)無機フィラーが、平均粒子径5μm以下でモース硬度が3〜7の範囲の無機フィラーであり、その添加量が0.1〜5重量部である請求項2又は3に記載のハードディスク用ランプ。
  5. (D)潤滑剤が、アルコール、脂肪酸、アルコールと脂肪酸及び/又はジカルボン酸とのエステル、ポリオキシアルキレングリコールおよび平均重合度10〜500のオレフィン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項2〜4の何れかに記載のハードディスク用ランプ。
  6. ランプがハロゲン系溶剤、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、アルコール、液化炭酸ガス、界面活性剤を含有する水および純水からなる群から選ばれる少なくとも一種の溶剤で洗浄した後に使用される、請求項1〜5のいずれかに記載のハードディスク用ランプ。
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