JP4792948B2 - 車車間通信システム - Google Patents
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そこで、従来より車両間で無線通信により情報を交換する車車間通信システムについて提案されている。例えば、特開2001−283381号公報には、自車両の周辺の画像を撮影する運転支援用カメラを設け、運転支援用カメラで撮像した画像を他車両に無線で送信することにより、道路・交差点上に生じた異常事象の発生を他車両に対して事前に送信することが可能な車車間通信システムについて記載されている。
上記システムによれば、複数の車両間で情報の共有を行うことができるので、自車両からでは認識できない情報を他車両から提供された情報に基づいて運転者が把握することが可能となり、より適切に走行を行うことが可能となる。
一方で、単に文字情報のみを送信することにより、複数の車両間で情報の共有を行う場合では、運転者は車両周辺に関する情報を十分に得ることができず、適切な走行を行うことが依然として困難となっていた。
また、各車両で取得した交通情報の中には他車両の走行に対して影響がほとんど生じない交通情報も含まれている。そして、そのような交通情報についても一律に送信することとすると、車両間の通信回数が非常に多くなり、制御装置の処理負担が大きくなっていた。また、影響がほとんど生じない交通情報についても一律に運転者に対して出力することにより、運転者にとって本来必要な情報を把握することが困難となっていた。
しかしながら、各車両で取得した交通情報が他車両にとって必要な交通情報であるか否かを判定することは難しく、必要な交通情報のみを選別又は優先して送信することが可能な新たな車車間通信システムが望まれていた。
また、送信する対象物に関する情報の選別は情報を構成する対象物の種類に基づいて行われるので、対象物の種類に応じた適確な情報の選別が可能となる。
また、対象物に関する情報の共有を行うことによって道路が渋滞して自車の前後に近接して他の車両が走行又は停車している場合や、見通しの悪い道路を走行する場合等の限られた情報の中で運転を行う必要がある状況下でも、運転者は適切な走行を行うことが可能となる。
また、撮像手段により撮像した画像中から消失した対象物に関する情報を送信するので、走行中の車両にとって障害となる虞のある対象物に関する情報のみを選別して他車両に対して送信することが可能となる。
また、送信元車両は撮像手段により撮像した画像中から消失した対象物に関する情報を送信するので、送信先車両は、障害となる虞のある対象物に関する情報のみを選別して受信することが可能となる。
先ず、第1実施形態に係る車車間通信システム1の概略構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は第1実施形態に係る車車間通信システム1の概略構成図である。図2は第1実施形態に係る車車間通信システム1の特に車両2を示す概略構成図である。
図1に示すように、第1実施形態に係る車車間通信システム1は、道路上を走行する複数の車両2によって構成され、各車両2に設けられた通信装置(交通情報送信手段、交通情報受信手段)3によって車両2の間で相互に情報通信が可能となっている。
また、通信装置3によって車両間で送受信される情報としては、後述するように車両2に備え付けられた前方カメラ5で撮像した車両2の前方環境の画像から抽出された交通情報や車両の現在位置に関する情報等がある。
ここで、車速センサ15は、車両2の車輪に取り付けられたアクティブ車輪速センサからなり、車輪の回転速度を検出して車両ECU10に速度信号を出力する。
また、操舵角センサ16は、ステアリング装置の内部に取り付けられており、ステアリングコラムシャフトの回転量を光学センサ等で検出する。そして、ステアリングホイールを転舵した場合の舵角を検出して操舵角信号を車両ECU10に出力する。
更に、ジャイロセンサ17は車両2の旋回角を検出して、車両ECU10に旋回角信号を出力する。尚、ジャイロセンサ17としては、例えば、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。
その結果、車両ECU10は車速センサ15の出力信号に基づいて車両2の現在の車速を検出し、操舵角センサ16の出力信号に基づいて車両2の舵角を検出する。また、ジャイロセンサ17によって検出された旋回角を積分することにより、自車方位を検出することができる。
図3において、車両2の制御系は、通信処理ECU7と、車両ECU10の各制御手段を基本にして構成され、各制御手段に対して前記した各周辺機器が接続されている。
図4に示すように通信範囲設定テーブル22Aは、前方カメラ5で撮像した画像で検出された対象物の種類と、当該対象物に関する交通情報を送信する通信範囲とから構成されている。
例えば、撮像した画像から検出された対象物が「走行車両」であった場合には、自車両から半径50m以内に位置する他車両へと交通情報の送信が行われる。また、撮像した画像から検出された対象物が「自転車」であった場合には、自車両から半径100m以内に位置する他車両へと交通情報の送信が行われる。また、撮像した画像から検出された対象物が「歩行者」であった場合には、自車両から半径200m以内に位置する他車両へと交通情報の送信が行われる。また、撮像した画像から検出された対象物が「右折車両」であった場合には、自車両から半径300m以内に位置する他車両へと交通情報の送信が行われる。また、撮像した画像から検出された対象物が「駐車車両」やその他の障害物等であった場合には、自車両から半径1km以内に位置する他車両へと交通情報の送信が行われる。それによって、交通情報を受信する他車両にとって有効であると考えられる対象物の情報のみを送信することが可能となる。
ここで、位置座標は前記したように前方カメラ5で撮像した撮像画像41における対象物の画像と、自車両2の現在位置から特定される。
一方、対象物の種類は前記したようにパターンマッチング処理により予め定められたいずれかの種類(例えば、走行車両、駐車車両、右折車両、歩行者、自転車、路上障害物、工事中の看板)に特定され、記憶される。また、特に車両に関しては車種(軽自動車、セダン、ワゴン、トラック等)についても特定される。尚、具体的に対象物の種類(車両の車種を含む)については、対象物の種類を特定するコード(数字)によって交通情報テーブル23Aに記憶されており、例えば「1」が歩行者、「2」がセダンの駐車車両、「3」がトラックの駐車車両、「4」が・・・のように特定される。また、車車間で交通情報を通信する際において特に対象物の種類の送受信に関しては、これらのコードを送受信することにより行う。従って、コードと対象物の種類を対応付けた対応テーブルを送信側車両と受信側車両のそれぞれに記憶させる必要がある。
尚、交通情報テーブル23Aには、対象物の種別や車両の車種を特定するコード(数字)の代わりに、対象物の種別や車両の車種を特定するシンボルやパターン(例えば、歩行者は○、セダンの駐車車両は□)を記憶し、それらのシンボルやパターンを送受信することによって交通情報を送受信することとしても良い。また、対象物の色や大きさについても撮像画像41から認識させ、記憶することとしても良い。
また、対象物の位置座標を検出する方法としては、上記した撮像画像に基づいて検出する方法以外にも、例えば、車両2にミリ波を発信するミリ波レーダを設け、対象物によって反射されたミリ波を測定することにより車両2から対象物までの距離を検出し、更に車両2の現在位置から対象物の位置座標を検出することとしても良い。
また、前記S8で交通情報として記憶された対象物が自車両の所定範囲内(例えば10m以内)に位置し、且つ撮像した画像の右側半分に位置していた場合であって、操舵角センサ16によってステアリングが左方向に所定範囲以上操作され、続いて右方向に操作された場合には、同じく車両2が対象物を避けるために蛇行走行を行ったと判定される。
尚、上記操舵角センサ16の代わりにジャイロセンサ17によって、対象物を避けるために蛇行走行を行ったか否かを判定しても良い。その際には、ジャイロセンサ17のジャイロ電圧によって自車方位が左方向又は右方向に所定範囲以上変化し、続いて右方向又は左方向に変化した場合には、車両2が対象物を避けるために蛇行走行を行ったと判定される。
また、対象物が自車両の所定範囲内(例えば10m以内)に位置し、且つ撮像した画像の右側半分に位置していた場合であって、操舵角センサ16によってステアリングが左方向に所定範囲以上操作された場合には、車両2が対象物を避けるために左側の車線に車線変更を行ったと判定される。
尚、車線変更の判定についても上記操舵角センサ16の代わりにジャイロセンサ17によって、対象物を避けるために蛇行走行を行ったか否かを判定しても良い。また、車両の現在位置と道路データとから車線を変更したか否かを判定しても良い。
ここで、図9は道路を走行中の所定のタイミングにおける自車両51と、自車両51の周囲を走行する他車両52〜58との位置関係を示した模式図である。前記S12の処理では、自車両51は他車両52〜58のそれぞれと通信を行うことにより、他車両52〜58の位置情報を取得し、更に自車両51から他車両52〜58までの距離をそれぞれ算出する。尚、上記S12が距離検出手段の処理に相当する。
また、「走行車両/トラック」に関する情報は自車両51から50m以内に位置する他車両52、53に送信される。
また、「歩行者」に関する情報は自車両51から200m以内に位置する他車両52〜56に送信される。
ただし、異なる複数の他車両から所定間隔(例えば30秒)以内で、それぞれ交通情報が送信された場合には、送信されたそれぞれの交通情報を同時に液晶ディスプレイ6に表示することが望ましい。
図12に示す対象物区間70では、複数の駐車車両が自車両の前方に位置する路肩の所定区間に連続して駐車されていることを示している。このように対象物が連続して位置する場合に、その対象物をセグメントで表示することによって、対象物マークを連続して重畳して表示するよりも、運転者に分かり易く表示することが可能となる。
そして、図13に示す対象物移動エリア71は、歩行者が自車両の前方の所定エリア内を歩行していることを示している。また、対象物移動エリア72は、自転車が自車両の前方の所定エリア内を走行していることを示している。また、対象物移動エリア73は、走行車両が自車両の前方の所定エリア内を走行していることを示している。
また、画像から抽出した交通情報を送受信することにより、運転者にとって必要となる交通情報の情報量を減少させることなく、画像情報を直接送信する場合と比較して情報通信に係る通信時間の短縮やCPU21の処理負荷の軽減が可能となる。
また、他車両から交通情報が送信されると、液晶ディスプレイ6に自車両周辺の地図を表示するとともに、表示された地図上に自車両の周辺に係る交通情報(具体的には対象物の種類と位置に関する情報)を表示する(S23)ので、運転者は他車両で撮像した画像に基づいた自車周辺の交通情報を得ることができる。従って、道路が渋滞して自車の前後に近接して他の車両が走行又は停車している場合や、見通しの悪い道路を走行する場合等の限られた情報の中で運転を行う必要がある状況下でも、表示された交通情報を参照することにより運転者は適切な走行を行うことが可能となる。
また、車両2は交通情報を送信する際に対象物を避ける為の車両の挙動変化(蛇行運転や車線変更)があったか否かを判定し(S9、S10)、車両の挙動変化があった場合にのみ抽出した交通情報を送信する(S14)ので、複数の車両間で撮像した画像から抽出された交通情報(具体的には対象物の種類と位置に関する情報)の内、特に他車両にとって必要と思われる交通情報のみを選別して共有を行うことが可能となる。従って、運転者にとって必要となる交通情報の情報量を減少させることなく、情報通信に係る通信時間の短縮や処理負荷の軽減が可能となる。
また、交通情報を構成する対象物の種類に基づいた送信範囲に位置する他車両に対して当該対象物に関する交通情報を送信する(S11、S14)ので、対象物の種類に応じた適当な範囲内に位置する他車両のみに対して情報を送信し、交通情報の共有を行うことが可能となる。従って、運転者にとって必要となる交通情報の情報量を減少させることなく、通信回数を減少させることにより情報通信に係る通信時間の短縮や処理負荷の軽減が可能となる。
更に、交通情報を送信する送信範囲は交通情報を構成する対象物の種類に基づいて決定されるので、対象物の種類に応じた適確な情報の選別が可能となる。
また、対象物の種類に関する情報を他車両に送信する際に、対象物の種類を特定するコード(数字)又はパターンにより送信するので、車車間の通信に係る情報量を減少させることが可能となる。
更に、受信した交通情報の内、所定距離内に同一種類の対象物に係る位置情報が所定個数以上(例えば3以上)ある場合に、同一種類の対象物に係る位置座標の区間を特定するセグメントを表示する(図12参照)ので、所定距離内に連続して位置する対象物の情報を運転者に分かり易く表示することが可能となる。
次に、第2実施形態に係る車車間通信システムについて図14及び図15に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図13の第1実施形態に係る車車間通信システム1等の構成と同一符号は、前記第1実施形態に係る車車間通信システム1等の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
ただし、第1実施形態に係る車車間通信システム1が、前方カメラ5で撮像した画像から抽出した交通情報を送信側車両から受信側車両へと送信する際に、先ず送信側車両が周囲に位置する受信側車両との位置情報を取得し(S12)、予め設定された送信範囲(図4参照)に位置する受信側車両のみと通信を行うことにより交通情報を送信する(S14)のに対して、第2実施形態に係る車車間通信システムでは、送信側車両は交通情報を通信装置3で通信可能な通信可能エリアに対して送信し、交通情報を受信した通信可能エリア内の受信側車両が送信側車両との位置情報を取得するとともに、予め設定された受信範囲に位置する送信側車両から送信された交通情報のみを出力する点で前記第1実施形態に係る車車間通信システム1と異なっている。
例えば、図9において自車両51の周囲を走行する他車両56が交通情報を送信する送信側車両であった場合には、自車両51と他車両56との距離が算出される。尚、上記S124が送信距離検出手段の処理に相当する。
ここで、前記S125で行われる受信範囲の判定処理について図9を用いてより具体的に説明すると、例えば、図7に示す交通情報を受信した場合には、「駐車車両/セダン」に関する情報は自車両51から1km以内に位置する他車両52〜58が送信側車両であった場合に、送信側車両が受信範囲に位置すると判定される。
また、「走行車両/トラック」に関する情報は自車両51から50m以内に位置する他車両52、53が送信側車両であった場合に、送信側車両が受信範囲に位置すると判定される。
また、「歩行者」に関する情報は自車両51から200m以内に位置する他車両52〜56が送信側車両であった場合に、送信側車両が受信範囲に位置すると判定される。
そして、前記S126の処理で液晶ディスプレイ6に対して表示された交通情報は、所定時間(例えば30秒間)経過するまで、又は次に交通情報が他車両から送信されるまでの間、継続して表示される。
ただし、異なる複数の他車両から所定間隔(例えば30秒)以内で、それぞれ交通情報が送信された場合には、送信されたそれぞれの交通情報を同時に液晶ディスプレイ6に表示することが望ましい。
また、画像から抽出した交通情報を送受信することにより、運転者にとって必要となる交通情報の情報量を減少させることなく、画像情報を直接送信する場合と比較して情報通信に係る通信時間の短縮やCPU21の処理負荷の軽減が可能となる。
また、他車両から交通情報が送信されると、液晶ディスプレイ6に自車両周辺の地図を表示するとともに、表示された地図上に自車両の周辺に係る交通情報(具体的には対象物の種類と位置に関する情報)を表示する(S126)ので、運転者は他車両で撮像した画像に基づいた自車周辺の交通情報を得ることができる。従って、道路が渋滞して自車の前後に近接して他の車両が走行又は停車している場合や、見通しの悪い道路を走行する場合等の限られた情報の中で運転を行う必要がある状況下でも、表示された交通情報を参照することにより運転者は適切な走行を行うことが可能となる。
また、車両2は交通情報を送信する際に対象物を避ける為の車両の挙動変化(蛇行運転や車線変更)があったか否かを判定し(S109、S110)、車両の挙動変化があった場合にのみ抽出した交通情報を送信する(S111)ので、複数の車両間で撮像した画像から抽出された交通情報(具体的には対象物の種類と位置に関する情報)の内、特に他車両にとって必要と思われる交通情報のみを選別して共有を行うことが可能となる。従って、運転者にとって必要となる交通情報の情報量を減少させることなく、情報通信に係る通信時間の短縮や処理負荷の軽減が可能となる。
また、交通情報を受信した車両は、交通情報を送信した他車両が対象物の種類に基づいた受信範囲に位置するか否かを判定し(S125)、受信範囲に位置すると判定した場合に液晶ディスプレイ6に対して交通情報を表示する(S126)ので、運転者は特に必要と思われる交通情報のみを選別して得ることができる。従って、他車両から多数の交通情報が送信された場合であっても、出力された交通情報を参照して運転者は適切な走行を行うことが可能となる。
次に、第3実施形態に係る車車間通信システムについて図16乃至図18に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図13の第1実施形態に係る車車間通信システム1等の構成と同一符号は、前記第1実施形態に係る車車間通信システム1等の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
ただし、第1実施形態に係る車車間通信システム1が、前方カメラ5で撮像した画像中に対象物を検出した場合(S3:YES)に、続けて画像から抽出した交通情報を送信側車両から受信側車両へと送信する(S14)のに対して、第3実施形態に係る車車間通信システムでは、前方カメラ5で撮像した画像中に対象物を検出した場合に画像から抽出した交通情報をRAMに対して累積記憶し、累積記憶された交通情報毎に設定された送信範囲に他車両が位置した場合に、他車両に対して、その時点までに累積記憶された交通情報を送信する点で前記第1実施形態に係る車車間通信システム1と異なっている。
尚、対象物の位置座標を検出する方法としては、上記した撮像画像に基づいて検出する方法以外にも、例えば、車両2にミリ波を発信するミリ波レーダを設け、対象物によって反射されたミリ波を測定することにより車両2から対象物までの距離を検出し、更に車両2の現在位置から対象物の位置座標を検出することとしても良い。
ただし、異なる複数の他車両から所定間隔(例えば30秒)以内で、それぞれ交通情報が送信された場合には、送信されたそれぞれの交通情報を同時に液晶ディスプレイ6に表示することが望ましい。
また、画像から抽出した交通情報を送受信することにより、運転者にとって必要となる交通情報の情報量を減少させることなく、画像情報を直接送信する場合と比較して情報通信に係る通信時間の短縮やCPU21の処理負荷の軽減が可能となる。
また、他車両から交通情報が送信されると、液晶ディスプレイ6に自車両周辺の地図を表示するとともに、表示された地図上に自車両の周辺に係る交通情報(具体的には対象物の種類と位置に関する情報)を表示する(S323)ので、運転者は他車両で撮像した画像に基づいた自車周辺の交通情報を得ることができる。従って、道路が渋滞して自車の前後に近接して他の車両が走行又は停車している場合や、見通しの悪い道路を走行する場合等の限られた情報の中で運転を行う必要がある状況下でも、表示された交通情報を参照することにより運転者は適切な走行を行うことが可能となる。
また、交通情報を構成する対象物の種類に基づいた送信範囲に位置する他車両に対して当該対象物に関する交通情報を送信する(S312、S315)ので、対象物の種類に応じた適当な範囲内に位置する他車両のみに対して情報を送信し、交通情報の共有を行うことが可能となる。従って、運転者にとって必要となる交通情報の情報量を減少させることなく、通信回数を減少させることにより情報通信に係る通信時間の短縮や処理負荷の軽減が可能となる。
更に、交通情報を送信する送信範囲は交通情報を構成する対象物の種類に基づいて決定されるので、対象物の種類に応じた適確な送信情報の選別が可能となる。
次に、第4実施形態に係る車車間通信システム101について図19乃至図25に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図13の第1実施形態に係る車車間通信システム1等の構成と同一符号は、前記第1実施形態に係る車車間通信システム1等の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
ただし、第1実施形態に係る車車間通信システム1が、前方カメラ5で撮像した画像中に対象物を検出した場合(S3:YES)に、画像から抽出した交通情報を送信側車両から受信側車両へと送信する(S14)のに対して、第4実施形態に係る車車間通信システム101では、前方カメラ5で撮像した画像中に対象物を検出した場合に画像から抽出した交通情報をRAMに対して累積記憶し、自車両が他車両とすれ違った際にすれ違った他車両に対して、その時点までに累積記憶された交通情報を送信する点で前記第1実施形態に係る車車間通信システム1と異なっている。
図19に示すように、第4実施形態に係る車車間通信システム101は、2車線以上で構成される道路上を走行する複数の車両102によって構成され、いずれかの車線を走行する車両102と他の車線を走行する車両102とがすれ違う際に、各車両102に設けられた通信装置103によって車両間で相互に情報通信を行うこととなっている。尚、車車間通信システム101における車両102間の通信では、直接に車両102間で情報を送受信することの他に、通信センタなどの施設を介して情報を送受信することも可能である。
図20において、車両102の制御系は、通信処理ECU107と、車両ECU110の各制御手段を基本にして構成され、各制御手段に対して前記した各周辺機器が接続されている。ここで、第4実施形態に係る車両102の制御系に係る構成において、通信処理ECU107を除く通信装置103、前方カメラ105、液晶ディスプレイ106、現在地検出部108、情報DB109、車両ECU110、車速センサ115、操舵角センサ116及びジャイロセンサ117の構成に関しては、既に図3を用いて説明した第1実施形態に係る車両2の制御系に係る通信装置3、前方カメラ5、液晶ディスプレイ6、現在地検出部8、情報DB9、車両ECU10、車速センサ15、操舵角センサ16及びジャイロセンサ17の構成とそれぞれ同一であるので、その詳細は省略する。
図21に示すように通信有効時間設定テーブル122Aは、前方カメラ105で撮像した画像で認識された対象物の種類と、交通情報テーブル123Aに交通情報が記憶されてから記憶された交通情報を削除するまでの通信有効時間とから構成されている。
例えば、撮像した画像から認識された対象物が「走行車両」であった場合には、当該対象物に係る交通情報が交通情報テーブル123Aに記憶されてから10秒経過後に削除され、その間においてすれ違った他車両との間で交通情報の送信が行われる。また、撮像した画像から認識された対象物が「自転車」であった場合には、当該対象物に係る交通情報が交通情報テーブル123Aに記憶されてから20秒経過後に削除され、その間においてすれ違った他車両との間で交通情報の送信が行われる。また、撮像した画像から認識された対象物が「歩行者」であった場合には、当該対象物に係る交通情報が交通情報テーブル123Aに記憶されてから30秒経過後に削除され、その間においてすれ違った他車両との間で交通情報の送信が行われる。また、撮像した画像から認識された対象物が「右折車両」であった場合には、当該対象物に係る交通情報が交通情報テーブル123Aに記憶されてから1分経過後に削除され、その間においてすれ違った他車両との間で交通情報の送信が行われる。また、撮像した画像から認識された対象物が「駐車車両」やその他の障害物等であった場合には、当該対象物に係る交通情報が交通情報テーブル123Aに記憶されてから3分経過後に削除され、その間においてすれ違った他車両との間で交通情報の送信が行われる。それによって、交通情報を受信する他車両にとって有効であると考えられる対象物の情報のみを送信することが可能となる。
尚、対象物の位置座標を検出する方法としては、上記した撮像画像に基づいて検出する方法以外にも、例えば、車両102にミリ波を発信するミリ波レーダを設け、対象物によって反射されたミリ波を測定することにより車両102から対象物までの距離を検出し、更に車両102の現在位置から対象物の位置座標を検出することとしても良い。
一方、通信を行った他車両が自車両とすれ違う他車両でないと判定された場合(S413:NO)には、交通情報の送信対象となる他車両が存在しないので、当該車車間通信処理プログラムを終了する。
ただし、異なる複数の他車両から所定間隔(例えば30秒)以内で、それぞれ交通情報が送信された場合には、送信されたそれぞれの交通情報を同時に液晶ディスプレイ106に表示することが望ましい。
また、画像から抽出した交通情報を送受信することにより、運転者にとって必要となる交通情報の情報量を減少させることなく、画像情報を直接送信する場合と比較して情報通信に係る通信時間の短縮やCPU121の処理負荷の軽減が可能となる。
また、他車両から交通情報が送信されると、液晶ディスプレイ106に自車両周辺の地図を表示するとともに、表示された地図上に自車両の周辺に係る交通情報(具体的には対象物の種類と位置に関する情報)を表示する(S433)ので、運転者は他車両で撮像した画像に基づいた自車周辺の交通情報を得ることができる。従って、道路が渋滞して自車の前後に近接して他の車両が走行又は停車している場合や、見通しの悪い道路を走行する場合等の限られた情報の中で運転を行う必要がある状況下でも、表示された交通情報を参照することにより運転者は適切な走行を行うことが可能となる。
また、RAM123に記憶された交通情報は、対象物の種類に基づいた送信可能時間が経過すると削除される(S423、S424)ので、送信可能時間内にすれ違った他車両に対して当該対象物に関する交通情報を送信することとなる。従って、対象物の種類に応じた適当なエリアに位置する他車両のみに対して情報を送信し、交通情報の共有を行うことが可能となる。そして、運転者にとって必要となる交通情報の情報量を減少させることなく、通信回数を減少させることにより情報通信に係る通信時間の短縮や処理負荷の軽減が可能となる。
更に、交通情報をRAM123に記憶させて送信可能にする送信可能時間は交通情報を構成する対象物の種類に基づいて決定されるので、対象物の種類に応じた適確な送信情報の選別が可能となる。
例えば、第1乃至第4実施形態では、他車両から送信された交通情報を受信した際に、受信した交通情報を液晶ディスプレイ6、106に表示するように構成されているが、受信した時点では交通情報を表示せず、交通情報を構成する対象物の位置に所定距離(例えば50m)まで接近した際に表示するようにしても良い。
2、102 車両
3、103 通信装置
5、105 前方カメラ
6、106 液晶ディスプレイ
7、107 通信処理ECU
8、108 現在地検出部
11、111 GPS
16、116 操舵角センサ
17、117 ジャイロセンサ
21、121 CPU
22、122 ROM
23、123 RAM
41 撮像画像
65〜69 対象物マーク
70 対象物区間
71〜73 対象物移動エリア
Claims (4)
- 道路上を走行する複数の車両間において情報の通信を行う車車間通信システムにおいて、
車両の周辺を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像した画像から前記車両の周辺に位置する対象物を検出する対象物検出手段と、
前記対象物検出手段により検出された前記対象物の種類を特定する対象物種類特定手段と、
前記撮像手段により撮像した画像から前記対象物特定手段によって特定された前記対象物に関する情報を抽出する情報抽出手段と、
対象物の種類と送信条件とを対応づけて記憶した記憶手段と、
前記対象物種類特定手段によって特定された前記対象物の種類に対応する送信条件を前記記憶手段から特定する送信条件特定手段と、
前記撮像手段により撮像した画像中から前記対象物が消失したか否か判定する消失判定手段と、
前記消失判定手段によって前記対象物が消失したと判定された場合に、前記情報抽出手段により抽出された前記対象物に関する情報を前記送信条件特定手段により特定された前記送信条件で他車両に対して送信する情報送信手段と、を有することを特徴とする車車間通信システム。 - 他車両から送信された前記対象物に関する情報を受信する情報受信手段と、
前記情報受信手段により受信した前記対象物に関する情報に基づいて車両の周辺に係る対象物に関する情報を出力する情報出力手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の車車間通信システム。 - 前記情報抽出手段は前記対象物検出手段により検出された対象物の位置を検出する対象物位置検出手段を有し、
前記情報出力手段は車両の周辺の地図を表示するとともに表示された地図上で前記対象物の種類と対象物の位置とを特定する特定情報を表示することを特徴とする請求項2に記載の車車間通信システム。 - 道路上を走行する送信元車両及び送信先車両を含む複数の車両間において情報の通信を行う車車間通信システムにおいて、
前記送信元車両において、
前記送信元車両の周辺を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像した画像から前記送信元車両の周辺に位置する対象物を検出する対象物検出手段と、
前記対象物検出手段により検出された前記対象物の種類及び位置を特定する対象物特定手段と、
前記撮像手段により撮像した画像中から前記対象物が消失したか否か判定する消失判定手段と、
前記消失判定手段によって前記対象物が消失したと判定された場合に、前記対象物特定手段により特定された前記対象物の種類と位置に関する情報を、前記送信先車両へと送信する対象物情報送信手段と、を有し、
前記送信先車両において、
前記送信先車両から前記対象物の種類と位置に関する情報を受信する対象物情報受信手段と、
前記送信元車両から前記送信先車両までの距離を検出する送信距離検出手段と、
対象物の種類と受信範囲とを対応づけて記憶した記憶手段と、
前記対象物情報受信手段によって受信した情報に含まれる前記対象物の種類に対応する受信範囲を前記記憶手段から特定する受信範囲特定手段と、
前記送信元車両が前記受信範囲特定手段により特定された前記受信範囲内に位置する場合に、前記送信元車両から送信された情報を出力する特定情報出力手段と、
を有することを特徴とする車車間通信システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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