JP4725310B2 - 車車間通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、道路上を走行する複数の車両間において情報の通信を行う車車間通信システムに関し、特に、撮像した画像から車両の周辺に係る交通情報を抽出し、抽出した交通情報を他車に送信することにより、運転者に対して必要となる交通情報の情報量を減少させることなく情報通信に係る通信時間の短縮や処理負荷の軽減を可能にした車車間通信システムに関するものである。
一般に車両を運転する運転者が、自己の五感等により得られる情報はかなり限られている。特に道路が渋滞して自車の前後に近接して他の車両が走行又は停車している場合や、見通しの悪い道路を走行する場合には、前方や後方の視界が遮られることとなる。そして、このような限られた情報の中で運転を行わなければならない状況下において運転者が適切な運転を行うことは非常に困難な作業となっていた。
そこで、従来より車両間で無線通信により情報を交換する車車間通信システムについて提案されている。例えば、特開2001−283381号公報には、自車両の周辺の画像を撮影する運転支援用カメラを設け、運転支援用カメラで撮像した画像を他車両に無線で送信することにより、道路・交差点上に生じた異常事象の発生を他車両に対して事前に送信することが可能な車車間通信システムについて記載されている。
上記システムによれば、複数の車両間で情報の共有を行うことができるので、自車両からでは認識できない情報を他車両から提供された情報に基づいて運転者が把握することが可能となり、より適切に走行を行うことが可能となる。
特開2001−283381号公報(第4頁〜第7頁、図1〜図4)
ここで、前記した特許文献1に記載された車車間通信システムにように、カメラで撮像したカメラ画像を用いて車両間で情報の提供を行うことは、現在の車両周辺におけるより具体的な情報を他車両に対して提供できるという利点があるが、画像データは文字情報等と比べて情報量が非常に多くなっていた。その結果、車両間における通信処理にかかる時間が長くなり、制御装置の処理負担も大きくなっていた。
一方で、単に文字情報のみを送信することにより、複数の車両間で情報の共有を行う場合では、運転者は車両周辺に関する情報を十分に得ることができず、適切な走行を行うことが依然として困難となっていた。
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、複数の車両間で撮像した画像に基づいた交通情報の共有を行うことにより、限られた情報の中で運転を行う必要がある状況下でも運転者が適切な走行を行うことが可能となるとともに、情報通信に係る通信時間の短縮や処理負荷の軽減を可能にした車車間通信システムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため本願の請求項1に係る車車間通信システム(1)は、他車両の周辺を撮像した撮像画像(41)に基づいて該他車両の周辺で検出された対象物の種類と位置に関する情報を、前記他車両から受信する情報受信手段(7)と、前記情報受信手段によって受信した前記対象物の種類と位置に関する情報に基づいて、所定距離内に同一種類の対象物に係る位置情報が所定個数以上あるか否かを判定する同一対象物判定手段(7)と、前記同一対象物判定手段によって所定距離内に同一種類の対象物に係る位置情報が所定個数以上あると判定された場合に、該同一種類の対象物に係る位置座標の区間を特定する情報を出力する特定情報出力手段(7)と、を有することを特徴とする。
また、請求項2に係る車車間通信システム(1)は、他車両の周辺を撮像した撮像画像(41)に基づいて該他車両の周辺で検出された対象物の種類と位置に関する情報を、前記他車両から受信する情報受信手段(7)と、前記情報受信手段によって受信した前記対象物の種類と位置に関する情報に基づいて、前記対象物の移動予測範囲を予測する予測手段(7)と、自車両の周辺の地図を表示するとともに表示された地図上で前記対象物の種類と前記移動予測範囲とを特定する情報を出力する予測情報出力手段(7)と、を有することを特徴とする。
また、請求項3に係る車車間通信システム(1)は、請求項1又は請求項2に記載の車車間通信システムにおいて、前記対象物の種類に関する情報は、対象物の種類を特定するコード又はパターンであって、前記情報受信手段(7)は、前記コード又はパターンを受信することにより前記対象物の種類と位置に関する情報を他車両から受信することを特徴とする。
前記構成を有する請求項1の車車間通信システムでは、他車両の周辺を撮像した画像に基づいて該他車両の周辺で検出された対象物の種類と位置に関する情報を、他車両から受信するので、複数の車両間で撮像した画像に基づいた対象物の種類と位置に関する情報の共有を行うことが可能となる。従って、道路が渋滞して自車の前後に近接して他の車両が走行又は停車している場合や、見通しの悪い道路を走行する場合等の限られた情報の中で運転を行う必要がある状況下でも、運転者は適切な走行を行うことが可能となる。
また、画像から抽出した対象物の種類と位置に関する情報に基づいた通信を行うので、運転者にとって必要となる情報の情報量を減少させることなく、画像情報を直接送信する場合と比較して情報通信に係る通信時間の短縮や処理負荷の軽減が可能となる。
また、所定距離内に同一種類の対象物に係る位置情報が所定個数以上ある場合に、同一種類の対象物に係る位置座標の区間を特定する情報を出力するので、所定距離内に連続して位置する対象物の情報を運転者に分かり易く案内することが可能となる。従って、道路が渋滞して自車の前後に近接して他の車両が走行又は停車している場合や、見通しの悪い道路を走行する場合等の限られた情報の中で運転を行う必要がある状況下でも、出力された対象物の種類と位置に関する情報を参照して運転者は適切な走行を行うことが可能となる。
また、請求項2の車車間通信システムでは、他車両の周辺を撮像した画像に基づいて該他車両の周辺で検出された対象物の種類と位置に関する情報を、他車両から受信するので、複数の車両間で撮像した画像に基づいた対象物の種類と位置に関する情報の共有を行うことが可能となる。従って、道路が渋滞して自車の前後に近接して他の車両が走行又は停車している場合や、見通しの悪い道路を走行する場合等の限られた情報の中で運転を行う必要がある状況下でも、運転者は適切な走行を行うことが可能となる。
また、画像から抽出した対象物の種類と位置に関する情報に基づいた通信を行うので、運転者にとって必要となる情報の情報量を減少させることなく、画像情報を直接送信する場合と比較して情報通信に係る通信時間の短縮や処理負荷の軽減が可能となる。
また、車両の周辺の地図を表示するとともに表示された地図上で対象物の種類と対象物の移動予測範囲とを特定する情報を出力するので、運転者は他車両で撮像した画像に基づいた自車周辺の対象物に関する情報を得ることができる。従って、道路が渋滞して自車の前後に近接して他の車両が走行又は停車している場合や、見通しの悪い道路を走行する場合等の限られた情報の中で運転を行う必要がある状況下でも、出力された対象物に関する情報を参照することにより運転者は適切な走行を行うことが可能となる。
また、請求項3の車車間通信システムでは、対象物の種類に関する情報を他車両から受信する際に、対象物の種類を特定するコード又はパターンにより受信するので、車車間の通信に係る情報量を減少させることが可能となる。
以下、本発明に係る車車間通信システムについて具体化した第1乃至第4実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1実施形態)
先ず、第1実施形態に係る車車間通信システム1の概略構成について図1及び図2を用いて説明する。図1は第1実施形態に係る車車間通信システム1の概略構成図である。図2は第1実施形態に係る車車間通信システム1の特に車両2を示す概略構成図である。
図1に示すように、第1実施形態に係る車車間通信システム1は、道路上を走行する複数の車両2によって構成され、各車両2に設けられた通信装置(交通情報送信手段、交通情報受信手段)3によって車両2の間で相互に情報通信が可能となっている。
ここで、通信装置3は、例えばミリ波帯の電波による無線方式で情報を通信する通信装置である。そして、自車両位置に対して予め定められた無線通信可能範囲(例えば、自車両位置を中心とした半径2kmまでの範囲)に位置する他車両(後続車両、前方車両、対向車両等)との間で、無線による情報の通信を行うことが可能となっている。
また、通信装置3によって車両間で送受信される情報としては、後述するように車両2に備え付けられた前方カメラ5で撮像した車両2の前方環境の画像から抽出された交通情報や車両の現在位置に関する情報等がある。
尚、車車間通信システム1における車両2の間の通信では、直接に車両2の間で情報を送受信することの他に、図1に示すように通信センタ4などの通信施設を介して情報を送受信することも可能である。
次に、車車間通信システム1を構成する一の車両2の構成について特に図2を用いて説明する。図2に示すように、車両2には前記した通信装置3に加え、前方カメラ(撮像手段)5と、液晶ディスプレイ(交通情報出力手段)6と、通信処理ECU(交通情報抽出手段、対象物検出手段、対象物種類特定手段、対象物位置検出手段、同一対象物判定手段)7と、現在地検出部8と、情報DB9と、車両ECU10等が設けられている。
前方カメラ5は、例えばCCD等の固体撮像素子を用いたものであり、車両2の前方に装着されたナンバープレートの上中央付近に取り付けられ、視線方向を水平よりやや下方に向けて設置される。そして、車両2の走行時に車両2の進行方向となる車両前方を撮像する(図5参照)。尚、撮像された画像は通信処理ECU7によって所定の処理が施されることにより、後述のように車両2の周囲の交通情報が抽出され、抽出された交通情報は他車両に対して送信される。ここで、第1実施形態における交通情報とは、特に車両2が走行するに際して注意すべき対象物(例えば、走行車両、駐車車両、右折車両、歩行者、自転車、路上障害物、工事中の看板)に関する情報であり、具体的には前方カメラ5で撮像された対象物の種類に関する情報と、対象物の位置に関する情報とから構成される。
液晶ディスプレイ6は、車両2の室内のセンターコンソール又はパネル面に備え付けられ、他車両から送信された交通情報に基づいて特定された対象物の種類と位置とを地図上に示した地図画像等を表示する(図6参照)。尚、液晶ディスプレイ6は、ナビゲーション装置に使用するものと兼用してもよい。
通信処理ECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)7は、前方カメラ5で撮像した画像に対して所定の処理を施すことにより、画像中に撮像された車両2の周囲に位置する対象物に関する情報(即ち、交通情報)を抽出するとともに、抽出した交通情報を車両2の挙動変化に基づいて他車両に送信するか否かの判定を実行したり、交通情報を送信する送信範囲を対象物の種類に基づいて設定する電子制御ユニットである。尚、通信処理ECU7の詳細な構成については後述する。
また、現在地検出部8は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することにより、地球上における車両2の現在地と現在時刻を検出するGPS11と、地磁気を測定することによって車両2の絶対方位を検出する地磁気センサ12と、地図データが格納された地図DB13を備えたものであり(図3参照)、車両2の現在地と進行方向を地図上で特定することが可能となる。尚、現在地検出部8としてはナビゲーション装置を用いることも可能である。
また、情報DB9は、前方カメラ5により撮像した画像データと、他車両から送信された交通情報に基づいて自車周辺の地図上に対象物の種類と位置を特定するマークを重ねた地図画像を表示させる為の表示用データとが格納された記憶手段である。尚、第1実施形態においては、情報DB9の記憶媒体としてハードディスクが使用されるが、磁気ディスク、メモリカード、磁気テープ、磁気ドラム、CD、MD、DVD、光ディスク、MO、ICカード、光カード等を外部記憶装置として使用することもできる。
そして、車両ECU10は、エンジン、変速機、ブレーキ等の作動を制御する車両2の電子制御ユニットであり、また、車速センサ15、操舵角センサ16、ジャイロセンサ17の各種センサが接続されている。
ここで、車速センサ15は、車両2の車輪に取り付けられたアクティブ車輪速センサからなり、車輪の回転速度を検出して車両ECU10に速度信号を出力する。
また、操舵角センサ16は、ステアリング装置の内部に取り付けられており、ステアリングコラムシャフトの回転量を光学センサ等で検出する。そして、ステアリングホイールを転舵した場合の舵角を検出して操舵角信号を車両ECU10に出力する。
更に、ジャイロセンサ17は車両2の旋回角を検出して、車両ECU10に旋回角信号を出力する。尚、ジャイロセンサ17としては、例えば、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。
その結果、車両ECU10は車速センサ15の出力信号に基づいて車両2の現在の車速を検出し、操舵角センサ16の出力信号に基づいて車両2の舵角を検出する。また、ジャイロセンサ17によって検出された旋回角を積分することにより、自車方位を検出することができる。
次に、第1実施形態に係る車車間通信システム1を構成する車両2の制御系に係る構成について図3に基づき説明する。図3は第1実施形態に係る車車間通信システム1を構成する車両2の制御系を模式的に示すブロック図である。
図3において、車両2の制御系は、通信処理ECU7と、車両ECU10の各制御手段を基本にして構成され、各制御手段に対して前記した各周辺機器が接続されている。
ここで、通信処理ECU7は、CPU21を核として構成されており、CPU21には記憶手段であるROM22及びRAM23が接続されている。そして、ROM22には前方カメラ5で撮像した画像から抽出された交通情報を他車両に送信する車車間通信処理プログラム(図8参照)、他車両から送信された交通情報に基づいて自車の周囲の交通情報を液晶ディスプレイ6に表示する交通情報表示処理プログラム(図10参照)、対象物の種類に基づいて交通情報を送信する通信範囲を設定する通信範囲設定テーブル22A(図4)、その他、液晶ディスプレイ6等の制御上必要な各種のプログラム等が格納されている。また、RAM23はCPU21で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリであり、特に第1実施形態では前方カメラ5により撮像した画像から抽出された交通情報を累積記憶した交通情報テーブル23A(図7)が格納される。
次に、ROM22に格納される通信範囲設定テーブル22Aについて図4を用いて説明する。図4は第1実施形態に係る通信範囲設定テーブル22Aについて示した図である。
図4に示すように通信範囲設定テーブル22Aは、前方カメラ5で撮像した画像で検出された対象物の種類と、当該対象物に関する交通情報を送信する通信範囲とから構成されている。
例えば、撮像した画像から検出された対象物が「走行車両」であった場合には、自車両から半径50m以内に位置する他車両へと交通情報の送信が行われる。また、撮像した画像から検出された対象物が「自転車」であった場合には、自車両から半径100m以内に位置する他車両へと交通情報の送信が行われる。また、撮像した画像から検出された対象物が「歩行者」であった場合には、自車両から半径200m以内に位置する他車両へと交通情報の送信が行われる。また、撮像した画像から検出された対象物が「右折車両」であった場合には、自車両から半径300m以内に位置する他車両へと交通情報の送信が行われる。また、撮像した画像から検出された対象物が「駐車車両」やその他の障害物等であった場合には、自車両から半径1km以内に位置する他車両へと交通情報の送信が行われる。それによって、交通情報を受信する他車両にとって有効であると考えられる対象物の情報のみを送信することが可能となる。
次に、RAM23に格納される交通情報テーブル23Aの具体例について、前方カメラ5で撮像した画像からの交通情報の抽出方法とともに図5乃至図7を用いて説明する。ここで、図5は道路上を走行する車両2を所定のタイミングで示した上面図、図6は図5のタイミングで前方カメラ5によって撮像された車両2の前方環境の撮像画像41を示した模式図、図7は図6の撮像画像41に基づいて抽出された交通情報を記憶した交通情報テーブル23Aを示した図である。
図5及び図6に示す所定のタイミングでは、自車両2の前方に、路肩に駐車している駐車車両31と、駐車車両31の後方を歩行する歩行者32と、対向車線を走行する走行車両33が存在する。その結果、前方カメラ5で撮像した撮像画像41には、駐車車両31、歩行者32及び走行車両33がそれぞれ映し出されることとなる。
そして、CPU21は撮像画像41から交通情報を抽出する際には、先ず撮像画像中の路面と対象物(図6では駐車車両31、歩行者32、走行車両33)を輝度差に基づいて輝度補正を行う。その後、対象物を画像から分離する2値化処理、歪みを補正する幾何学処理、画像の雑音を除去する平滑化処理等を行い、路面と対象物との境界線を検出することが可能となる。
また、前方カメラ5は、車両2の前バンパー42の直上から前方を撮像できるように光軸を水平から所定角度(例えば15度)下方向に向けるように取り付けられており、撮像範囲が固定されている。従って、前方カメラ5によって撮像された図6に示す撮像画像41中で検出された対象物の位置(具体的には下縁からの画素数)に基づいて、車両2から被写体までの距離を計算することができる。更に、GPS11で検出された自車の現在位置との相対的な位置関係から対象物の位置座標を間接的に検出することも可能となる。
その後CPU21は、撮像画像41から検出された対象物の画像サイズを対象物の距離に応じて定まる拡大率または縮小率で、拡大又は縮小を行う。そして、サイズを調整した対象物の画像を、ROM22に記憶された各テンプレート画像とのパターンマッチングを施すことにより、撮像画像41中に検出された対象物の種類を算定する。更に、その後の対象物の撮像画像41における移動方向と移動速度から、対象物が車両である場合の車両の走行状態(駐車車両、走行車両、右折車両)を判定することも可能である。
その結果、図7に示すように交通情報テーブル23Aには、撮像画像41から検出された対象物である駐車車両31、歩行者32及び走行車両33が、位置座標とともに記録されている。
ここで、位置座標は前記したように前方カメラ5で撮像した撮像画像41における対象物の画像と、自車両2の現在位置から特定される。
一方、対象物の種類は前記したようにパターンマッチング処理により予め定められたいずれかの種類(例えば、走行車両、駐車車両、右折車両、歩行者、自転車、路上障害物、工事中の看板)に特定され、記憶される。また、特に車両に関しては車種(軽自動車、セダン、ワゴン、トラック等)についても特定される。尚、具体的に対象物の種類(車両の車種を含む)については、対象物の種類を特定するコード(数字)によって交通情報テーブル23Aに記憶されており、例えば「1」が歩行者、「2」がセダンの駐車車両、「3」がトラックの駐車車両、「4」が・・・のように特定される。また、車車間で交通情報を通信する際において特に対象物の種類の送受信に関しては、これらのコードを送受信することにより行う。従って、コードと対象物の種類を対応付けた対応テーブルを送信側車両と受信側車両のそれぞれに記憶させる必要がある。
尚、交通情報テーブル23Aには、対象物の種別や車両の車種を特定するコード(数字)の代わりに、対象物の種別や車両の車種を特定するシンボルやパターン(例えば、歩行者は○、セダンの駐車車両は□)を記憶し、それらのシンボルやパターンを送受信することによって交通情報を送受信することとしても良い。また、対象物の色や大きさについても撮像画像41から認識させ、記憶することとしても良い。
続いて、前記構成を有する第1実施形態に係る車車間通信システム1の通信処理ECU7が実行する車車間通信処理プログラムについて図8に基づき説明する。図8は第1実施形態に係る車車間通信システム1における車車間通信処理プログラムのフローチャートである。ここで、車車間通信処理プログラムは、車両2が道路を走行する際において前方カメラ5により撮像した撮像画像から対象物を検出し、対象物に係る情報を交通情報として抽出するとともに、抽出した交通情報を他車両に送信する制御を行うものである。尚、図8にフローチャートで示されるプログラムは通信処理ECU7が備えているROM22やRAM23に記憶されており、CPU21により所定間隔毎(例えば4ms毎)に実行される。
車車間通信処理プログラムでは、先ずステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU21は前方カメラ5によって車両2の前方環境を撮像する。続いて、S2では前記S1において前方カメラ5で撮像した画像を取り込んで解析処理を行い、車両2の周辺に位置する歩行者、自転車、他車両、その他障害物等の対象物を検出する画像認識処理を行う。
具体的には、先ず、NTSCのようなアナログ通信手段や、i−linkのようなデジタル通信手段を用いて前方カメラ5で撮像した映像を入力し、jpeg、mpeg等のデジタル画像フォーマットに変換する。次に、CPU21は、撮像画像中の路面と対象物を輝度差に基づいて輝度補正を行う。その後、対象物を画像から分離する2値化処理、歪みを補正する幾何学処理、画像の雑音を除去する平滑化処理等を行い、路面と対象物との境界線を検出する。それによって、車両2の周辺に位置する対象物を検出することが可能となる。尚、上記S2が対象物検出手段の処理に相当する。
次に、S3では前記S2の画像認識処理の結果、撮像した画像から何らかの対象物が検出されたか否かを判定する。そして、何らかの対象物が検出されたと判定した場合(S3:YES)にはS4へと移行し、一方、何らの対象物も検出されなかった判定した場合(S3:NO)には他車両に送信すべき交通情報が存在しないので、当該車車間通信処理プログラムを終了する。
次に、S4ではGPS11を用いて自車両2の現在位置を検出する。その後、S5では前記S2の画像認識処理によって検出された対象物の位置(具体的には下縁からの画素数)から、被写体までの距離を算出し、更に、前記S4で検出された自車の現在位置との相対的な位置関係から対象物の位置座標を間接的に検出する。尚、上記S5が対象物位置検出手段の処理に相当する。
また、対象物の位置座標を検出する方法としては、上記した撮像画像に基づいて検出する方法以外にも、例えば、車両2にミリ波を発信するミリ波レーダを設け、対象物によって反射されたミリ波を測定することにより車両2から対象物までの距離を検出し、更に車両2の現在位置から対象物の位置座標を検出することとしても良い。
続いて、S6では前記S2の画像認識処理で検出された対象物の種類の特定を行う。具体的には、検出された対象物の画像サイズを、前記S5で算出された自車両から対象物の距離に応じて定まる拡大率または縮小率で、拡大又は縮小を行う。そして、サイズを調整した対象物の画像を、ROM22に記憶された各テンプレート画像とのパターンマッチングを施すことにより、画像中に検出された対象物の種類を算定する。更に、その後の対象物の撮像画像41における移動方向と移動速度から、対象物が車両である場合の車両の走行状態(駐車車両、走行車両、右折車両)と送信側車両に対する対象物の相対位置(左側路肩、右側路肩等)についても検出する。尚、ROM22に記憶されたいずれのテンプレート画像ともマッチングしなかった場合には、検出された対象物は交通情報として他車両に送信する必要はないと判定され、当該車車間通信処理プログラムを終了する。また、上記S6が対象物種類特定手段の処理に相当する。
そして、S7においてCPU21は、前記S5で検出された対象物の位置座標と、前記S6で特定された対象物の種類とを交通情報として抽出し、RAM23の交通情報テーブル23Aに記憶する(S8)。尚、上記S2〜S7が交通情報抽出手段の処理に相当する。
次に、S9では前記S8で交通情報として記憶された対象物が前方カメラ5で撮像する画像中から移動して消失したか否か、即ち、検出された対象物が走行中の車両にとって障害となる虞のある対象物であるか否かを判定する。ここで、撮像する画像中から移動して消失する対象物としては、対応車線を走行する走行車両、道路脇の駐車車両、右折の為に停車している車両、歩行者、自転車、路上障害物、工事中の看板等がある。
そして、前記S9で対象物が前方カメラ5で撮像する画像中から移動して消失したと判定された場合(S9:YES)には、S10へと移行する。一方、対象物が前方カメラ5で撮像する画像中から消失しないと判定された場合(S9:NO)には、検出された対象物が走行中の車両にとって障害となる虞のない対象物であると予想され、他車両に対して当該対象物に係る情報を送信することなく、当該車車間通信処理プログラムを終了する。
続いて、S10ではCPU21は、車両ECU10に接続された各種センサの検出結果に基づいて所定変化量以上の車両の挙動変化があったか否かを判定する。ここで、第1実施形態において前記S10で判定される車両の挙動変化とは、車両2が対象物を避ける走行を行うことをいい、具体的には対象物を避ける蛇行走行又は車線変更を行った場合に所定変化量以上の車両の挙動変化があったと判定される。
以下に、その具体的な判定手段について説明すると、例えば、前記S8で交通情報として記憶された対象物が自車両の所定範囲内(例えば10m以内)に位置し、且つ撮像した画像の左側半分に位置していた場合であって、操舵角センサ16によってステアリングが右方向に所定範囲以上操作され、続いて左方向に操作された場合には、車両2が対象物を避けるために蛇行走行を行ったと判定される。
また、前記S8で交通情報として記憶された対象物が自車両の所定範囲内(例えば10m以内)に位置し、且つ撮像した画像の右側半分に位置していた場合であって、操舵角センサ16によってステアリングが左方向に所定範囲以上操作され、続いて右方向に操作された場合には、同じく車両2が対象物を避けるために蛇行走行を行ったと判定される。
尚、上記操舵角センサ16の代わりにジャイロセンサ17によって、対象物を避けるために蛇行走行を行ったか否かを判定しても良い。その際には、ジャイロセンサ17のジャイロ電圧によって自車方位が左方向又は右方向に所定範囲以上変化し、続いて右方向又は左方向に変化した場合には、車両2が対象物を避けるために蛇行走行を行ったと判定される。
また、車線変更を行ったか否かの判定については、対象物が自車両の所定範囲内(例えば10m以内)に位置し、且つ撮像した画像の左側半分に位置していた場合であって、操舵角センサ16によってステアリングが右方向に所定範囲以上操作された場合には、車両2が対象物を避けるために右側の車線に車線変更を行ったと判定される。
また、対象物が自車両の所定範囲内(例えば10m以内)に位置し、且つ撮像した画像の右側半分に位置していた場合であって、操舵角センサ16によってステアリングが左方向に所定範囲以上操作された場合には、車両2が対象物を避けるために左側の車線に車線変更を行ったと判定される。
尚、車線変更の判定についても上記操舵角センサ16の代わりにジャイロセンサ17によって、対象物を避けるために蛇行走行を行ったか否かを判定しても良い。また、車両の現在位置と道路データとから車線を変更したか否かを判定しても良い。
また、上記したステアリング操作の所定範囲は、検出された対象物の種類によって異なるようにするのが好ましい。これは、対象物が車両か歩行者であるかによって、対象物を避ける車両の走行軌跡が異なるものとなるからであり、対象物が歩行者である場合より車両である場合のほうが、より大きなステアリング操作の変化があった場合に蛇行走行を行ったと判定する。例えば、対象物が歩行者である場合には5度以上の操作が行われた場合に蛇行走行又は車線変更を行ったと判定し、対象物が車両である場合には10度以上の操作が行われた場合に蛇行走行又は車線変更を行ったと判定する。それによって、対象物を避ける走行を行ったか否かのより正確な判定が可能となる。尚、ジャイロセンサ17によって判定を行う場合も同様であり、対象物が歩行者である場合より車両である場合のほうが、より大きなジャイロ電圧の変化があった場合に蛇行走行又は車線変更を行ったと判定するのが好ましい。
そして、前記S10で車両に所定変化量以上の挙動変化があったと判定された場合(S10:YES)には、S11へと移行する。一方、車両に所定変化量以上の挙動変化がなかったと判定された場合(S10:NO)には、検出された対象物が走行中の車両にとって障害となる虞のない対象物であると予想され、他車両に対して当該対象物に係る情報を送信することなく、当該車車間通信処理プログラムを終了する。
次に、S11では前記S6で特定された対象物の種類と、RAM23に格納された通信範囲設定テーブル22A(図4参照)とに基づいて、前記S7で抽出された交通情報を他車に送信する送信範囲を設定する。例えば、図7に示す交通情報が抽出された場合には、「駐車車両/セダン」に関する情報は自車両から1km以内に位置する他車両に送信すると設定され、「走行車両/トラック」に関する情報は自車両から50m以内に位置する他車両に送信すると設定され、「歩行者」に関する情報は自車両から200m以内に位置する他車両に送信すると設定される。
続いて、S12では自車両の周囲に位置する各他車両と通信装置3を介して通信を行うことにより、各他車両の位置情報を取得し、更に取得した位置情報と自車両の位置情報とから自車両から各他車両までの距離を算出する。
ここで、図9は道路を走行中の所定のタイミングにおける自車両51と、自車両51の周囲を走行する他車両52〜58との位置関係を示した模式図である。前記S12の処理では、自車両51は他車両52〜58のそれぞれと通信を行うことにより、他車両52〜58の位置情報を取得し、更に自車両51から他車両52〜58までの距離をそれぞれ算出する。
次に、S13では前記S7で抽出した交通情報を送信する対象となる他車両が自車の周囲に位置するか否かが判定される。例えば、前記S7で抽出された交通情報が歩行者のみを対象物とする交通情報であった場合で、且つ前記S12の算出結果において自車の200m以内に他車両が存在しない場合には、送信対象となる他車両がないと判定される。
そして、前記S13で送信対象となる他車両があると判定された場合(S13:YES)には、S14へと移行して送信対象となる全ての他車両に対して通信装置3を介して通信を行うことにより、交通情報テーブル23Aに記憶された交通情報を送信する。その後、送信された交通情報は交通情報テーブル23Aから削除される。また、送信されなくとも交通情報テーブル23Aに交通情報が記憶されてから所定時間(例えば、30秒)経過した場合には、不要な過去の情報として同様に削除される。
一方、送信対象となる他車両が無いと判定された場合(S13:NO)には、現時点で交通情報を送信する必要のある他車両は無いと判定され、他車両に対して当該対象物に係る情報を送信することなく、当該車車間通信処理プログラムを終了する。
ここで、前記S14で行われる交通情報の送信処理について図9を用いてより具体的に説明すると、例えば、前記S7で図7に示す交通情報が抽出されていた場合には、「駐車車両/セダン」に関する情報は自車両51から1km以内に位置する他車両52〜58に送信される。
また、「走行車両/トラック」に関する情報は自車両51から50m以内に位置する他車両52、53に送信される。
また、「歩行者」に関する情報は自車両51から200m以内に位置する他車両52〜56に送信される。
次に、第1実施形態に係る車車間通信システム1の通信処理ECU7が実行する交通情報表示処理プログラムについて図10に基づき説明する。図10は第1実施形態に係る車車間通信システム1における交通情報表示処理プログラムのフローチャートである。ここで、交通情報表示処理プログラムは、他車両から送信された交通情報に基づいて自車の周囲の交通情報を液晶ディスプレイ6に表示する制御を行うものである。尚、図10にフローチャートで示されるプログラムは通信処理ECU7が備えているROM22やRAM23に記憶されており、CPU21により所定間隔毎(例えば4ms毎)に実行される。
交通情報表示処理プログラムでは、先ずS21において、CPU21は前記車車間通信処理プログラムのS14において他車両から送信された交通情報を受信したか否かを判定する。そして、交通情報を受信したと判定された場合(S21:YES)にはS22へと移行する一方、交通情報を受信していないと判定された場合(S21:NO)には当該交通情報表示処理プログラムを終了する。
S22では他車両から送信された交通情報の解析処理を行う。具体的には、交通情報として記憶された対象物の種類と位置座標をそれぞれ特定する。また、第1実施形態に係る車車間通信システム1では他車両から送信された交通情報に関し、所定距離内(例えば20m以内)に同一種類の対象物(例えば駐車車両や歩行者)に係る位置情報が3以上ある場合には、その連続して位置する対象物の始点と終点の位置座標をそれぞれ特定する。尚、始点と終点の位置座標の特定は送信する車両側で行う(例えば、図8のS7やS8の処理で行う)こととしても良い。
次に、S23では前記S22で解析処理された交通情報の解析結果に基づいて、液晶ディスプレイ6に対して交通情報を表示する。そして、前記S22の処理で液晶ディスプレイ6に対して表示された交通情報は、所定時間(例えば30秒間)経過するまで、又は次に交通情報が他車両から送信されるまでの間、継続して表示される。
ただし、異なる複数の他車両から所定間隔(例えば30秒)以内で、それぞれ交通情報が送信された場合には、送信されたそれぞれの交通情報を同時に液晶ディスプレイ6に表示することが望ましい。
ここで、図11乃至図13は他車両から送信された交通情報を液晶ディスプレイ6に表示した交通情報表示画面の例を計3パターン挙げて示した図である。図11乃至図13に示すように、交通情報表示画面61〜63には自車両の現在位置周辺領域の地図が地図DB13に基づいて表示される。そして、表示された地図上には自車両の現在位置を示す自車マーク64と、対象物の位置と種類を示す対象物マーク65〜69、対象物区間70、対象物移動エリア71〜73等がそれぞれ重ねて表示される。
例えば、図11に示す対象物マーク65は、トラック型の走行車両が自車両の右前方を走行していることを示している。また、対象物マーク66は、ワゴン型の駐車車両が自車両の前方の路肩に駐車していることを示している。また、対象物マーク67は、セダン型の右折車両が自車両の前方の交差点で右折を行う為に停車していることを示している。また、対象物マーク68、69は、それぞれ歩行者が自車両の前方の所定地点を歩行していることを示している。
また、図12は対象物マークの変わりに対象物区間70を用いて交通情報を示した例である。ここで、第1実施形態に係る車車間通信システム1では他車両から送信された交通情報に関し、所定距離内(例えば20m以内)に同一種類の対象物(例えば駐車車両や歩行者)に係る位置情報が所定個数以上、例えば3以上ある場合には、前記S22の交通情報解析処理において対象物の始点と終点の位置座標を特定し、その位置座標の間をセグメントにより表示する。
図12に示す対象物区間70では、複数の駐車車両が自車両の前方に位置する路肩の所定区間に連続して駐車されていることを示している。このように対象物が連続して位置する場合に、その対象物をセグメントで表示することによって、対象物マークを連続して重畳して表示するよりも、運転者に分かり易く表示することが可能となる。
一方、図13は対象物マークの変わりに対象物移動エリア71〜73を用いて交通情報を示した例である。ここで、対象物移動エリア71〜73とは、対象物の位置とともに対象物の移動予測範囲を示したものである。これは、自車両が他車両によって認識された対象物の地点へと走行するまでに、当該対象物が移動する可能性のある範囲を考慮したものであり、その範囲は移動速度がより速いと考えられる対象物ほど広くなるように設定される(例えば、駐車車両→歩行者→自転車→右折車両→走行車両の順に広くなる)。
そして、図13に示す対象物移動エリア71は、歩行者が自車両の前方の所定エリア内を歩行していることを示している。また、対象物移動エリア72は、自転車が自車両の前方の所定エリア内を走行していることを示している。また、対象物移動エリア73は、走行車両が自車両の前方の所定エリア内を走行していることを示している。
そして、運転者は液晶ディスプレイ6に表示された交通情報表示画面61〜63を視認することによって、自車両からは確認できないエリアの交通情報について容易に把握することが可能となる。尚、交通情報は液晶ディスプレイ6による表示以外にもスピーカを用いた音声案内によって利用者に出力することとしても良い。
以上詳細に説明した通り、第1実施形態に係る車車間通信システム1では、前方カメラ5によって撮像した車両の前方環境の画像に基づいて自車の周辺に位置する対象物の種類と位置座標とを検出し(S2〜S6)、交通情報として抽出する(S7)とともに、抽出した交通情報を他車に送信する(S14)ので、複数の車両2間で撮像した画像に基づいた交通情報(具体的には対象物の種類と位置に関する情報)の共有を行うことが可能となる。
また、画像から抽出した交通情報を送受信することにより、運転者にとって必要となる交通情報の情報量を減少させることなく、画像情報を直接送信する場合と比較して情報通信に係る通信時間の短縮やCPU21の処理負荷の軽減が可能となる。
また、他車両から交通情報が送信されると、液晶ディスプレイ6に自車両周辺の地図を表示するとともに、表示された地図上に自車両の周辺に係る交通情報(具体的には対象物の種類と位置に関する情報)を表示する(S23)ので、運転者は他車両で撮像した画像に基づいた自車周辺の交通情報を得ることができる。従って、道路が渋滞して自車の前後に近接して他の車両が走行又は停車している場合や、見通しの悪い道路を走行する場合等の限られた情報の中で運転を行う必要がある状況下でも、表示された交通情報を参照することにより運転者は適切な走行を行うことが可能となる。
また、車両2は交通情報を送信する際に対象物を避ける為の車両の挙動変化(蛇行運転や車線変更)があったか否かを判定し(S9、S10)、車両の挙動変化があった場合にのみ抽出した交通情報を送信する(S14)ので、複数の車両間で撮像した画像から抽出された交通情報(具体的には対象物の種類と位置に関する情報)の内、特に他車両にとって必要と思われる交通情報のみを選別して共有を行うことが可能となる。従って、運転者にとって必要となる交通情報の情報量を減少させることなく、情報通信に係る通信時間の短縮や処理負荷の軽減が可能となる。
また、交通情報を構成する対象物の種類に基づいた送信範囲に位置する他車両に対して当該対象物に関する交通情報を送信する(S11、S14)ので、対象物の種類に応じた適当な範囲内に位置する他車両のみに対して情報を送信し、交通情報の共有を行うことが可能となる。従って、運転者にとって必要となる交通情報の情報量を減少させることなく、通信回数を減少させることにより情報通信に係る通信時間の短縮や処理負荷の軽減が可能となる。
更に、交通情報を送信する送信範囲は交通情報を構成する対象物の種類に基づいて決定されるので、対象物の種類に応じた適確な情報の選別が可能となる。
また、対象物の種類に関する情報を他車両に送信する際に、対象物の種類を特定するコード(数字)又はパターンにより送信するので、車車間の通信に係る情報量を減少させることが可能となる。
更に、受信した交通情報の内、所定距離内に同一種類の対象物に係る位置情報が所定個数以上(例えば3以上)ある場合に、同一種類の対象物に係る位置座標の区間を特定するセグメントを表示する(図12参照)ので、所定距離内に連続して位置する対象物の情報を運転者に分かり易く表示することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る車車間通信システムについて図14及び図15に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図13の第1実施形態に係る車車間通信システム1等の構成と同一符号は、前記第1実施形態に係る車車間通信システム1等の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
この第2実施形態に係る車車間通信システムの概略構成は、第1実施形態に係る車車間通信システム1とほぼ同じ構成である。また、各種制御処理も第1実施形態に係る車車間通信システム1とほぼ同じ制御処理である。
ただし、第1実施形態に係る車車間通信システム1が、前方カメラ5で撮像した画像から抽出した交通情報を送信側車両から受信側車両へと送信する際に、先ず送信側車両が周囲に位置する受信側車両との位置情報を取得し(S12)、予め設定された送信範囲(図4参照)に位置する受信側車両のみと通信を行うことにより交通情報を送信する(S14)のに対して、第2実施形態に係る車車間通信システムでは、送信側車両は交通情報を通信装置3で通信可能な通信可能エリアに対して送信し、交通情報を受信した通信可能エリア内の受信側車両が送信側車両との位置情報を取得するとともに、予め設定された受信範囲に位置する送信側車両から送信された交通情報のみを出力する点で前記第1実施形態に係る車車間通信システム1と異なっている。
以下に、第2実施形態に係る車車間通信システムの通信処理ECU7が実行する車車間通信処理プログラムについて図14に基づき説明する。図14は第2実施形態に係る車車間通信システムにおける車車間通信処理プログラムのフローチャートである。尚、以下の図14及び図15にフローチャートで示されるプログラムは通信処理ECU7が備えているROM22やRAM23に記憶されており、CPU21により所定間隔毎(例えば4ms毎)に実行される。
ここで、S101〜S110において実行される処理は、前記第1実施形態に係る車車間通信システム1が実行する車車間通信処理プログラム(図8)のS1〜S10の処理と同一の処理であるので、その説明は省略する。
また、S111では通信装置3によって通信可能なエリア(例えば車両2から半径2km以内のエリア)に対して、前記S108において交通情報テーブル23Aに記憶された交通情報の内容に関わらず全ての交通情報を送信する。その後、送信された交通情報は交通情報テーブル23Aから削除される。
次に、第2実施形態に係る車車間通信システムの通信処理ECU7が実行する交通情報表示処理プログラムについて図15に基づき説明する。図15は第2実施形態に係る車車間通信システムにおける交通情報表示処理プログラムのフローチャートである。
交通情報表示処理プログラムでは、先ずS121において、CPU21は前記車車間通信処理プログラムのS111において他車両から送信された交通情報を受信したか否かを判定する。そして、交通情報を受信したと判定された場合(S121:YES)にはS122へと移行する一方、交通情報を受信していないと判定された場合(S121:NO)には当該交通情報表示処理プログラムを終了する。
S122では他車両から送信された交通情報の解析処理を行う。具体的には、交通情報として記憶された対象物の種類と位置座標をそれぞれ特定する。また、第2実施形態に係る車車間通信システムでは他車両から送信された交通情報に関し、所定距離内(例えば20m以内)に同一種類の対象物(例えば駐車車両や歩行者)に係る位置情報が3以上ある場合には、その連続して位置する対象物の始点と終点の位置座標をそれぞれ特定する。尚、始点と終点の位置座標の特定は送信する車両側で行う(例えば、図14のS107やS108の処理で行う)こととしても良い。
次に、S123では前記S122で解析処理された交通情報の解析結果に基づいて、特定された対象物の種類と、RAM23に格納された通信範囲設定テーブル22A(図4参照)とに基づいて、受信した交通情報を出力する受信範囲を設定する。例えば、図7に示す交通情報が他車両から送信された場合には、「駐車車両/セダン」に関する情報は自車両から1km以内に位置する他車両から送信されたものを出力すると設定され、「走行車両/トラック」に関する情報は自車両から50m以内に位置する他車両から送信されたものを出力すると設定され、「歩行者」に関する情報は自車両から200m以内に位置する他車両から送信されたものを出力すると設定される。
続いて、S124では交通情報を送信する他車両である送信側車両と通信装置3を介して通信を行うことにより、送信側車両の位置情報を取得し、更に取得した位置情報と自車両の位置情報とから自車両から送信側車両までの距離を算出する。
例えば、図9において自車両51の周囲を走行する他車両56が交通情報を送信する送信側車両であった場合には、自車両51と他車両56との距離が算出される。
次に、S125では交通情報を送信した送信側車両が前記S123で設定されたいずれかの受信範囲に位置するか否か、即ち、受信範囲から送信された交通情報があるか否かが判定される。
ここで、前記S125で行われる受信範囲の判定処理について図9を用いてより具体的に説明すると、例えば、図7に示す交通情報を受信した場合には、「駐車車両/セダン」に関する情報は自車両51から1km以内に位置する他車両52〜58が送信側車両であった場合に、送信側車両が受信範囲に位置すると判定される。
また、「走行車両/トラック」に関する情報は自車両51から50m以内に位置する他車両52、53が送信側車両であった場合に、送信側車両が受信範囲に位置すると判定される。
また、「歩行者」に関する情報は自車両51から200m以内に位置する他車両52〜56が送信側車両であった場合に、送信側車両が受信範囲に位置すると判定される。
そして、前記S125で受信範囲に位置する他車両から送信された交通情報があると判定された場合(S125:YES)には、前記S122で解析処理された交通情報の解析結果に基づいて、液晶ディスプレイ6に対して交通情報を表示する。尚、液晶ディスプレイ6に対する交通情報の表示方法は第1実施形態に係る車車間通信システム1と同様であるので(図11〜図13参照)、ここではその説明は省略する。
そして、前記S126の処理で液晶ディスプレイ6に対して表示された交通情報は、所定時間(例えば30秒間)経過するまで、又は次に交通情報が他車両から送信されるまでの間、継続して表示される。
ただし、異なる複数の他車両から所定間隔(例えば30秒)以内で、それぞれ交通情報が送信された場合には、送信されたそれぞれの交通情報を同時に液晶ディスプレイ6に表示することが望ましい。
一方、前記S125で受信範囲に位置する他車両から送信された交通情報がないと判定された場合(S125:NO)には、送信された交通情報は現時点で出力する必要のある交通情報ではないと判定され、交通情報を液晶ディスプレイ6に表示することなく、当該交通情報表示処理プログラムを終了する。
以上詳細に説明した通り、第2実施形態に係る車車間通信システムでは、前方カメラ5によって撮像した車両の前方環境の画像に基づいて自車の周辺に位置する対象物の種類と位置座標とを検出し(S102〜S106)、交通情報として抽出する(S107)とともに、抽出した交通情報を他車に送信するので、複数の車両2間で撮像した画像に基づいた交通情報(具体的には対象物の種類と位置に関する情報)の共有を行うことが可能となる。
また、画像から抽出した交通情報を送受信することにより、運転者にとって必要となる交通情報の情報量を減少させることなく、画像情報を直接送信する場合と比較して情報通信に係る通信時間の短縮やCPU21の処理負荷の軽減が可能となる。
また、他車両から交通情報が送信されると、液晶ディスプレイ6に自車両周辺の地図を表示するとともに、表示された地図上に自車両の周辺に係る交通情報(具体的には対象物の種類と位置に関する情報)を表示する(S126)ので、運転者は他車両で撮像した画像に基づいた自車周辺の交通情報を得ることができる。従って、道路が渋滞して自車の前後に近接して他の車両が走行又は停車している場合や、見通しの悪い道路を走行する場合等の限られた情報の中で運転を行う必要がある状況下でも、表示された交通情報を参照することにより運転者は適切な走行を行うことが可能となる。
また、車両2は交通情報を送信する際に対象物を避ける為の車両の挙動変化(蛇行運転や車線変更)があったか否かを判定し(S109、S110)、車両の挙動変化があった場合にのみ抽出した交通情報を送信する(S111)ので、複数の車両間で撮像した画像から抽出された交通情報(具体的には対象物の種類と位置に関する情報)の内、特に他車両にとって必要と思われる交通情報のみを選別して共有を行うことが可能となる。従って、運転者にとって必要となる交通情報の情報量を減少させることなく、情報通信に係る通信時間の短縮や処理負荷の軽減が可能となる。
また、交通情報を受信した車両は、交通情報を送信した他車両が対象物の種類に基づいた受信範囲に位置するか否かを判定し(S125)、受信範囲に位置すると判定した場合に液晶ディスプレイ6に対して交通情報を表示する(S126)ので、運転者は特に必要と思われる交通情報のみを選別して得ることができる。従って、他車両から多数の交通情報が送信された場合であっても、出力された交通情報を参照して運転者は適切な走行を行うことが可能となる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る車車間通信システムについて図16乃至図18に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図13の第1実施形態に係る車車間通信システム1等の構成と同一符号は、前記第1実施形態に係る車車間通信システム1等の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
この第3実施形態に係る車車間通信システムの概略構成は、第1実施形態に係る車車間通信システム1とほぼ同じ構成である。また、各種制御処理も第1実施形態に係る車車間通信システム1とほぼ同じ制御処理である。
ただし、第1実施形態に係る車車間通信システム1が、前方カメラ5で撮像した画像中に対象物を検出した場合(S3:YES)に、続けて画像から抽出した交通情報を送信側車両から受信側車両へと送信する(S14)のに対して、第3実施形態に係る車車間通信システムでは、前方カメラ5で撮像した画像中に対象物を検出した場合に画像から抽出した交通情報をRAMに対して累積記憶し、累積記憶された交通情報毎に設定された送信範囲に他車両が位置した場合に、他車両に対して、その時点までに累積記憶された交通情報を送信する点で前記第1実施形態に係る車車間通信システム1と異なっている。
続いて、前記構成を有する第3実施形態に係る車車間通信システムの通信処理ECU7が実行する交通情報記憶処理プログラムについて図16に基づき説明する。図16は第3実施形態に係る車車間通信システム1における交通情報記憶処理プログラムのフローチャートである。ここで、交通情報記憶処理プログラムは、車両2が道路を走行する際において前方カメラ5により撮像した撮像画像から抽出された交通情報をRAM23に累積記憶する制御を行うものである。尚、以下の図16乃至図18にフローチャートで示されるプログラムは通信処理ECU7が備えているROM22やRAM23に記憶されており、CPU21により所定間隔毎(例えば4ms毎)に実行される。
交通情報記憶処理プログラムでは、先ずS301において、CPU21は前方カメラ5によって車両2の前方環境を撮像する。続いて、S302では前記S301において前方カメラ5で撮像した画像を取り込んで解析処理を行い、車両2の周辺に位置する歩行者、自転車、他車両、その他障害物等の対象物を検出する画像認識処理を行う。
具体的には、先ず、NTSCのようなアナログ通信手段や、i−linkのようなデジタル通信手段を用いて前方カメラ5で撮像した映像を入力し、jpeg、mpeg等のデジタル画像フォーマットに変換する。次に、CPU21は、撮像画像中の路面と対象物を輝度差に基づいて輝度補正を行う。その後、対象物を画像から分離する2値化処理、歪みを補正する幾何学処理、画像の雑音を除去する平滑化処理等を行い、路面と対象物との境界線を検出する。それによって、車両2の周辺に位置する対象物を検出することが可能となる。
次に、S303では前記S302の画像認識処理の結果、撮像した画像から何らかの対象物が検出されたか否かを判定する。そして、何らかの対象物が検出されたと判定した場合(S303:YES)にはS304へと移行し、一方、何らの対象物も検出されなかった判定した場合(S303:NO)にはRAM23に記憶すべき交通情報が存在しないので、当該交通情報記憶処理プログラムを終了する。
次に、S304ではGPS11を用いて自車両2の現在位置を検出する。その後、S305では前記S302の画像認識処理によって検出された対象物の位置(具体的には下縁からの画素数)から、被写体までの距離を算出し、更に、前記S304で検出された自車の現在位置との相対的な位置関係から対象物の位置座標を間接的に検出する。
尚、対象物の位置座標を検出する方法としては、上記した撮像画像に基づいて検出する方法以外にも、例えば、車両2にミリ波を発信するミリ波レーダを設け、対象物によって反射されたミリ波を測定することにより車両2から対象物までの距離を検出し、更に車両2の現在位置から対象物の位置座標を検出することとしても良い。
続いて、S306では前記S302の画像認識処理で検出された対象物の種類の特定を行う。具体的には、検出された対象物の画像サイズを、前記S305で算出された自車から対象物の距離に応じて定まる拡大率または縮小率で、拡大又は縮小を行う。そして、サイズを調整した対象物の画像を、ROM22に記憶された各テンプレート画像とのパターンマッチングを施すことにより、画像中に検出された対象物の種類を算定する。更に、その後の対象物の撮像画像41における移動方向と移動速度から、対象物が車両である場合の車両の走行状態(駐車車両、走行車両、右折車両)と送信側車両に対する対象物の相対位置(左側路肩、右側路肩等)についても検出する。尚、ROM22に記憶されたいずれのテンプレート画像ともマッチングしなかった場合には、検出された対象物はRAM23に記憶すべき交通情報でないと判定され、当該交通情報記憶処理プログラムを終了する。
そして、S307においてCPU21は、前記S305で検出された対象物の位置座標と、前記S306で特定された対象物の種類とを交通情報として抽出し、RAM23の交通情報テーブル23Aに累積的に記憶する(S308)。
次に、前記構成を有する第3実施形態に係る車車間通信システム1の通信処理ECU7が実行する車車間通信処理プログラムについて図17に基づき説明する。図17は第3実施形態に係る車車間通信システム1における車車間通信処理プログラムのフローチャートである。ここで、車車間通信処理プログラムは、前記交通情報記憶処理プログラムで累積記憶された交通情報を、送信範囲に位置する他車両に対して送信する制御を行うものである。
車車間通信処理プログラムでは、先ずS311において、CPU21は通信装置3を介して他車両と通信が行われたか否か、即ち、他車両が通信装置3による通信可能エリア内に位置するか否かを判定する。
その結果、他車両と通信が行われたと判定した場合(S311:YES)には、S312へと移行する一方、他車両と通信が行われていないと判定した場合(S311:NO)には、交通情報の送信対象となる他車両が存在しないので、当該車車間通信処理プログラムを終了する。
S312では自車両の周囲に位置する各他車両と通信装置3を介して通信を行うことにより、各他車両の位置情報を取得し、更に取得した位置情報と自車両の位置情報とから自車両から各他車両までの距離を算出する。
続いて、S313では、他車両に送信する為の交通情報として、RAM23に格納された交通情報テーブル23Aにおいて累積記憶されている交通情報を読み出す。
次に、S314では前記S313で読み出した交通情報を送信する対象となる他車両が自車の周囲に位置するか否かが判定される。例えば、前記S313で読み出された交通情報が歩行者のみを対象物とする交通情報であった場合で、且つ前記S312の算出結果において自車の200m以内に他車両が存在しない場合には、送信対象となる他車両がないと判定される。
そして、前記S314で送信対象となる他車両があると判定された場合(S314:YES)には、S315へと移行して送信対象となる全ての他車両に対して通信装置3を介して通信を行うことにより、交通情報テーブル23Aに累積記憶されている交通情報を送信する。その後、送信された交通情報は交通情報テーブル23Aから削除される。また、送信されなくとも交通情報テーブル23Aに交通情報が記憶されてから所定時間(例えば、30秒)経過した場合には、不要な過去の情報として同様に削除される。
一方、送信対象となる他車両が無いと判定された場合(S314:NO)には、現時点で交通情報を送信する必要のある他車両は無いと判定され、他車両に対して当該対象物に係る情報を送信することなく、当該車車間通信処理プログラムを終了する。
次に、第3実施形態に係る車車間通信システム1の通信処理ECU7が実行する交通情報表示処理プログラムについて図18に基づき説明する。図18は第3実施形態に係る車車間通信システム1における交通情報表示処理プログラムのフローチャートである。ここで、交通情報表示処理プログラムは、他車両から送信された交通情報に基づいて自車の周囲の交通情報を液晶ディスプレイ6に表示する制御を行うものである。
交通情報表示処理プログラムでは、先ずS321において、CPU21は前記車車間通信処理プログラムのS315において他車両から送信された交通情報を受信したか否かを判定する。そして、交通情報を受信したと判定された場合(S321:YES)にはS322へと移行する一方、交通情報を受信していないと判定された場合(S321:NO)には当該交通情報表示処理プログラムを終了する。
S322では他車両から送信された交通情報の解析処理を行う。具体的には、交通情報として記憶された対象物の種類と位置座標をそれぞれ特定する。また、第3実施形態に係る車車間通信システム1では他車両から送信された交通情報に関し、所定距離内(例えば20m以内)に同一種類の対象物(例えば駐車車両や歩行者)に係る位置情報が3以上ある場合には、その連続して位置する対象物の始点と終点の位置座標をそれぞれ特定する。尚、始点と終点の位置座標の特定は送信する車両側で行う(例えば、図16のS307やS308の処理で行う)こととしても良い。
次に、S323では前記S322で解析処理された交通情報の解析結果に基づいて、液晶ディスプレイ6に対して交通情報を表示する。そして、前記S322の処理で液晶ディスプレイ6に対して表示された交通情報は、所定時間(例えば30秒間)経過するまで、又は次に交通情報が他車両から送信されるまでの間、継続して表示される。
ただし、異なる複数の他車両から所定間隔(例えば30秒)以内で、それぞれ交通情報が送信された場合には、送信されたそれぞれの交通情報を同時に液晶ディスプレイ6に表示することが望ましい。
尚、液晶ディスプレイ6に交通情報を表示する表示画面については、第1実施形態に係る車車間通信システム1の液晶ディスプレイ6に交通情報を表示する表示画面と同様である。そして、第1実施形態に係る車車間通信システム1の液晶ディスプレイ6に表示される交通情報表示画面61〜63に関しては、既に図11乃至図13を用いて説明したので、ここではその説明は省略する。尚、交通情報は液晶ディスプレイ6による表示以外にもスピーカを用いた音声案内によって利用者に出力することとしても良い。
以上詳細に説明した通り、第3実施形態に係る車車間通信システムでは、前方カメラ5によって撮像した車両の前方環境の画像に基づいて自車の周辺に位置する対象物の種類と位置座標とを検出し(S302〜S306)、交通情報として抽出する(S307)とともに、抽出した交通情報を累積して記憶し(S308)、他車両との通信が行われた際に累積記憶された交通情報を他車両に送信する(S315)ので、複数の車両2間で撮像した画像に基づいた交通情報(具体的には対象物の種類と位置に関する情報)の共有を行うことが可能となる。
また、画像から抽出した交通情報を送受信することにより、運転者にとって必要となる交通情報の情報量を減少させることなく、画像情報を直接送信する場合と比較して情報通信に係る通信時間の短縮やCPU21の処理負荷の軽減が可能となる。
また、他車両から交通情報が送信されると、液晶ディスプレイ6に自車両周辺の地図を表示するとともに、表示された地図上に自車両の周辺に係る交通情報(具体的には対象物の種類と位置に関する情報)を表示する(S323)ので、運転者は他車両で撮像した画像に基づいた自車周辺の交通情報を得ることができる。従って、道路が渋滞して自車の前後に近接して他の車両が走行又は停車している場合や、見通しの悪い道路を走行する場合等の限られた情報の中で運転を行う必要がある状況下でも、表示された交通情報を参照することにより運転者は適切な走行を行うことが可能となる。
また、交通情報を構成する対象物の種類に基づいた送信範囲に位置する他車両に対して当該対象物に関する交通情報を送信する(S312、S315)ので、対象物の種類に応じた適当な範囲内に位置する他車両のみに対して情報を送信し、交通情報の共有を行うことが可能となる。従って、運転者にとって必要となる交通情報の情報量を減少させることなく、通信回数を減少させることにより情報通信に係る通信時間の短縮や処理負荷の軽減が可能となる。
更に、交通情報を送信する送信範囲は交通情報を構成する対象物の種類に基づいて決定されるので、対象物の種類に応じた適確な送信情報の選別が可能となる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る車車間通信システム101について図19乃至図25に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図13の第1実施形態に係る車車間通信システム1等の構成と同一符号は、前記第1実施形態に係る車車間通信システム1等の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
この第4実施形態に係る車車間通信システム101の概略構成は、第1実施形態に係る車車間通信システムとほぼ同じ構成である。また、各種制御処理も第1実施形態に係る車車間通信システム1とほぼ同じ制御処理である。
ただし、第1実施形態に係る車車間通信システム1が、前方カメラ5で撮像した画像中に対象物を検出した場合(S3:YES)に、画像から抽出した交通情報を送信側車両から受信側車両へと送信する(S14)のに対して、第4実施形態に係る車車間通信システム101では、前方カメラ5で撮像した画像中に対象物を検出した場合に画像から抽出した交通情報をRAMに対して累積記憶し、自車両が他車両とすれ違った際にすれ違った他車両に対して、その時点までに累積記憶された交通情報を送信する点で前記第1実施形態に係る車車間通信システム1と異なっている。
先ず、第4実施形態に係る車車間通信システム101の概略構成について図19を用いて説明する。図19は第4実施形態に係る車車間通信システム101の概略構成図である。
図19に示すように、第4実施形態に係る車車間通信システム101は、2車線以上で構成される道路上を走行する複数の車両102によって構成され、いずれかの車線を走行する車両102と他の車線を走行する車両102とがすれ違う際に、各車両102に設けられた通信装置103によって車両間で相互に情報通信を行うこととなっている。尚、車車間通信システム101における車両102間の通信では、直接に車両102間で情報を送受信することの他に、通信センタなどの施設を介して情報を送受信することも可能である。
次に、第4実施形態に係る車車間通信システム101を構成する車両102の制御系に係る構成について図20に基づき説明する。図20は第4実施形態に係る車車間通信システム101を構成する車両102の制御系を模式的に示すブロック図である。
図20において、車両102の制御系は、通信処理ECU107と、車両ECU110の各制御手段を基本にして構成され、各制御手段に対して前記した各周辺機器が接続されている。ここで、第4実施形態に係る車両102の制御系に係る構成において、通信処理ECU107を除く通信装置103、前方カメラ105、液晶ディスプレイ106、現在地検出部108、情報DB109、車両ECU110、車速センサ115、操舵角センサ116及びジャイロセンサ117の構成に関しては、既に図3を用いて説明した第1実施形態に係る車両2の制御系に係る通信装置3、前方カメラ5、液晶ディスプレイ6、現在地検出部8、情報DB9、車両ECU10、車速センサ15、操舵角センサ16及びジャイロセンサ17の構成とそれぞれ同一であるので、その詳細は省略する。
ここで、通信処理ECU107は、CPU121を核として構成されており、CPU121には記憶手段であるROM122及びRAM123が接続されている。そして、ROM122には前方カメラ5で撮像した画像から抽出された交通情報を累積記憶する交通情報記憶処理プログラム(図22参照)、記憶された交通情報をすれ違う他車両に対して送信する車車間通信処理プログラム(図23参照)、累積記憶された交通情報について通信有効時間を経過したものから順に削除する交通情報削除処理プログラム(図24参照)、他車両から送信された交通情報に基づいて自車の周囲の交通情報を液晶ディスプレイ106に表示する交通情報表示処理プログラム(図25参照)、対象物の種類に基づいて交通情報を記憶してから交通情報を削除するまでの通信有効時間を設定する通信有効時間設定テーブル122A、その他、液晶ディスプレイ106等の制御上必要な各種のプログラム等が格納されている。また、RAM123はCPU121で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリであり、特に第4実施形態では前方カメラ105により撮像した画像から抽出された交通情報を累積記憶する交通情報テーブル123Aが格納される。
次に、ROM122に格納される通信有効時間設定テーブル122Aについて図21を用いて説明する。図21は第4実施形態に係る通信有効時間設定テーブル122Aについて示した図である。
図21に示すように通信有効時間設定テーブル122Aは、前方カメラ105で撮像した画像で認識された対象物の種類と、交通情報テーブル123Aに交通情報が記憶されてから記憶された交通情報を削除するまでの通信有効時間とから構成されている。
例えば、撮像した画像から認識された対象物が「走行車両」であった場合には、当該対象物に係る交通情報が交通情報テーブル123Aに記憶されてから10秒経過後に削除され、その間においてすれ違った他車両との間で交通情報の送信が行われる。また、撮像した画像から認識された対象物が「自転車」であった場合には、当該対象物に係る交通情報が交通情報テーブル123Aに記憶されてから20秒経過後に削除され、その間においてすれ違った他車両との間で交通情報の送信が行われる。また、撮像した画像から認識された対象物が「歩行者」であった場合には、当該対象物に係る交通情報が交通情報テーブル123Aに記憶されてから30秒経過後に削除され、その間においてすれ違った他車両との間で交通情報の送信が行われる。また、撮像した画像から認識された対象物が「右折車両」であった場合には、当該対象物に係る交通情報が交通情報テーブル123Aに記憶されてから1分経過後に削除され、その間においてすれ違った他車両との間で交通情報の送信が行われる。また、撮像した画像から認識された対象物が「駐車車両」やその他の障害物等であった場合には、当該対象物に係る交通情報が交通情報テーブル123Aに記憶されてから3分経過後に削除され、その間においてすれ違った他車両との間で交通情報の送信が行われる。それによって、交通情報を受信する他車両にとって有効であると考えられる対象物の情報のみを送信することが可能となる。
また、RAM123に格納される交通情報テーブル123Aに関しては、第1実施形態に係る交通情報テーブル23A(図7)と同様であるので、ここではその説明は省略する。
続いて、前記構成を有する第4実施形態に係る車車間通信システム101の通信処理ECU107が実行する交通情報記憶処理プログラムについて図22に基づき説明する。図22は第4実施形態に係る車車間通信システム101における交通情報記憶処理プログラムのフローチャートである。ここで、交通情報記憶処理プログラムは、車両102が道路を走行する際において前方カメラ5により撮像した撮像画像から抽出された交通情報をRAM123に累積記憶する制御を行うものである。尚、以下の図22乃至図25にフローチャートで示されるプログラムは通信処理ECU107が備えているROM122やRAM123に記憶されており、CPU121により所定間隔毎(例えば4ms毎)に実行される。
交通情報記憶処理プログラムでは、先ずS401において、CPU121は前方カメラ105によって車両102の前方環境を撮像する。続いて、S402では前記S401において前方カメラ105で撮像した画像を取り込んで解析処理を行い、車両102の周辺に位置する歩行者、自転車、他車両、その他障害物等の対象物を検出する画像認識処理を行う。
具体的には、先ず、NTSCのようなアナログ通信手段や、i−linkのようなデジタル通信手段を用いて前方カメラ105で撮像した映像を入力し、jpeg、mpeg等のデジタル画像フォーマットに変換する。次に、CPU121は、撮像画像中の路面と対象物を輝度差に基づいて輝度補正を行う。その後、対象物を画像から分離する2値化処理、歪みを補正する幾何学処理、画像の雑音を除去する平滑化処理等を行い、路面と対象物との境界線を検出する。それによって、車両102の周辺に位置する対象物を検出することが可能となる。
次に、S403では前記S402の画像認識処理の結果、撮像した画像から何らかの対象物が検出されたか否かを判定する。そして、何らかの対象物が検出されたと判定した場合(S403:YES)にはS404へと移行し、一方、何らの対象物も検出されなかった判定した場合(S403:NO)にはRAM123に記憶すべき交通情報が存在しないので、当該交通情報記憶処理プログラムを終了する。
次に、S404ではGPS111を用いて自車両102の現在位置を検出する。その後、S405では前記S402の画像認識処理によって検出された対象物の位置(具体的には下縁からの画素数)から、被写体までの距離を算出し、更に、前記S404で検出された自車の現在位置との相対的な位置関係から対象物の位置座標を間接的に検出する。
尚、対象物の位置座標を検出する方法としては、上記した撮像画像に基づいて検出する方法以外にも、例えば、車両102にミリ波を発信するミリ波レーダを設け、対象物によって反射されたミリ波を測定することにより車両102から対象物までの距離を検出し、更に車両102の現在位置から対象物の位置座標を検出することとしても良い。
続いて、S406では前記S402の画像認識処理で検出された対象物の種類の特定を行う。具体的には、検出された対象物の画像サイズを、前記S405で算出された自車から対象物の距離に応じて定まる拡大率または縮小率で、拡大又は縮小を行う。そして、サイズを調整した対象物の画像を、ROM122に記憶された各テンプレート画像とのパターンマッチングを施すことにより、画像中に検出された対象物の種類を算定する。更に、その後の対象物の撮像画像41における移動方向と移動速度から、対象物が車両である場合の車両の走行状態(駐車車両、走行車両、右折車両)と送信側車両に対する対象物の相対位置(左側路肩、右側路肩等)についても検出する。尚、ROM122に記憶されたいずれのテンプレート画像ともマッチングしなかった場合には、検出された対象物はRAM123に記憶すべき交通情報でないと判定され、当該交通情報記憶処理プログラムを終了する。
そして、S407においてCPU121は、前記S405で検出された対象物の位置座標と、前記S406で特定された対象物の種類とを交通情報として抽出し、RAM123の交通情報テーブル123Aに累積的に記憶する(S408)。
次に、前記構成を有する第4実施形態に係る車車間通信システム101の通信処理ECU107が実行する車車間通信処理プログラムについて図23に基づき説明する。図23は第4実施形態に係る車車間通信システム101における車車間通信処理プログラムのフローチャートである。ここで、車車間通信処理プログラムは、前記交通情報記憶処理プログラムで累積記憶された交通情報を、すれ違う他車両に対して送信する制御を行うものである。
車車間通信処理プログラムでは、先ずS411において、CPU121は通信装置103を介して他車両と通信が行われたか否か、即ち、他車両が通信装置103による通信可能エリア内に位置するか否かを判定する。
その結果、他車両と通信が行われたと判定した場合(S411:YES)には、S412へと移行する一方、他車両と通信が行われていないと判定した場合(S411:NO)には、交通情報の送信対象となる他車両が存在しないので、当該車車間通信処理プログラムを終了する。
S412では自車両の周囲に位置する各他車両と通信装置103を介して通信を行うことにより、各他車両の位置情報を取得し、更に取得した位置情報と自車両の位置情報とから自車両から各他車両までの距離を算出する。
続いて、S413では通信を行った他車両が自車両とすれ違う他車両であるか否かを、前記S412で検出した他車両までの距離(例えば、距離が5m以内であるか否か)から判定する。ここで、第4実施形態に係る車車間通信システム101では、通信装置103による車両間の通信範囲を狭く(例えば半径5m以内に)設定し、前記したように道路を走行する車両102が他車両とすれ違う際に、すれ違う車両との間で通信を行う(図19参照)。
そして、通信を行った他車両が自車両とすれ違う他車両であると判定された場合(S413:YES)には、他車両に送信する為の交通情報として、RAM123に格納された交通情報テーブル123Aにおいて累積記憶されている交通情報を読み出す(S414)。
一方、通信を行った他車両が自車両とすれ違う他車両でないと判定された場合(S413:NO)には、交通情報の送信対象となる他車両が存在しないので、当該車車間通信処理プログラムを終了する。
次に、S415でCPU121は、前記S414で読み出した交通情報を、すれ違う他車両に対して送信する。
次に、前記構成を有する第4実施形態に係る車車間通信システム101の通信処理ECU107が実行する交通情報削除処理プログラムについて図24に基づき説明する。図24は第4実施形態に係る車車間通信システム101における交通情報削除処理プログラムのフローチャートである。ここで、交通情報削除処理プログラムは、累積記憶された交通情報について通信有効時間を経過したものから順に削除する制御を行うものである。
交通情報削除処理プログラムでは、先ずS421において、CPU121はRAM123の交通情報テーブル123Aに交通情報が少なくとも一以上記憶されているか否かを判定する。
そして、交通情報テーブル123Aに交通情報が一以上記憶されていると判定された場合(S421:YES)にはS422へと移行する一方、交通情報が記憶されていないと判定された場合(S421:NO)には、削除すべき交通情報が存在しないので、当該交通情報削除処理プログラムを終了する。
S422では交通情報テーブル123Aから記憶されている交通情報を構成する対象物の種類と通信有効時間設定テーブル122Aとに基づいて、記憶されている交通情報の通信有効時間を読み出す。
その後、S423では、前記S422で読み出した交通情報の通信有効時間が経過したか否かが判定される。具体的には、GPS111から取得した現在時刻を用いて交通情報が記憶(S408)されてからの経過時間を計測し、その経過時間が交通情報テーブル123Aに記憶されたいずれかの交通情報の通信有効時間を経過した場合に、当該交通情報の通信有効時間が経過したと判定される。
そして、通信有効時間が経過した交通情報があると判定された場合(S423:YES)には、経過したと判定された交通情報を交通情報テーブル123Aから削除する(S424)。それによって、他車両に対して通信が不要な過去の交通情報を、自動的にRAM123から削除することが可能となる。
一方、通信有効時間が経過した交通情報がないと判定された場合(S423:NO)には、現時点で削除すべき交通情報が存在しないので、当該交通情報削除処理プログラムを終了する。
次に、第4実施形態に係る車車間通信システム101の通信処理ECU107が実行する交通情報表示処理プログラムについて図25に基づき説明する。図25は第4実施形態に係る車車間通信システム101における交通情報表示処理プログラムのフローチャートである。ここで、交通情報表示処理プログラムは、他車両から送信された交通情報に基づいて自車の周囲の交通情報を液晶ディスプレイ106に表示する制御を行うものである。
交通情報表示処理プログラムでは、先ずS431において、CPU121は前記車車間通信処理プログラムのS415において他車両から送信された交通情報を受信したか否かを判定する。そして、交通情報を受信したと判定された場合(S431:YES)にはS432へと移行する一方、交通情報を受信していないと判定された場合(S431:NO)には当該交通情報表示処理プログラムを終了する。
S432では他車両から送信された交通情報の解析処理を行う。具体的には、交通情報として記憶された対象物の種類と位置座標をそれぞれ特定する。また、第4実施形態に係る車車間通信システム101では他車両から送信された交通情報に関し、所定距離内(例えば20m以内)に同一種類の対象物(例えば駐車車両や歩行者)に係る位置情報が3以上ある場合には、その連続して位置する対象物の始点と終点の位置座標をそれぞれ特定する。尚、始点と終点の位置座標の特定は送信する車両側で行う(例えば、図22のS407やS408の処理で行う)こととしても良い。
次に、S433では前記S432で解析処理された交通情報の解析結果に基づいて、液晶ディスプレイ106に対して交通情報を表示する。そして、前記S432の処理で液晶ディスプレイ106に対して表示された交通情報は、所定時間(例えば30秒間)経過するまで、又は次に交通情報が他車両から送信されるまでの間、継続して表示される。
ただし、異なる複数の他車両から所定間隔(例えば30秒)以内で、それぞれ交通情報が送信された場合には、送信されたそれぞれの交通情報を同時に液晶ディスプレイ106に表示することが望ましい。
尚、液晶ディスプレイ106に交通情報を表示する表示画面については、第1実施形態に係る車車間通信システム1の液晶ディスプレイ6に交通情報を表示する表示画面と同様である。そして、第1実施形態に係る車車間通信システム1の液晶ディスプレイ6に表示される交通情報表示画面61〜63に関しては、既に図11乃至図13を用いて説明したので、ここではその説明は省略する。尚、交通情報は液晶ディスプレイ106による表示以外にもスピーカを用いた音声案内によって利用者に出力することとしても良い。
以上詳細に説明した通り、第4実施形態に係る車車間通信システム101では、前方カメラ105によって撮像した車両の前方環境の画像に基づいて自車の周辺に位置する対象物の種類と位置座標とを検出し(S402〜S406)、交通情報として抽出する(S407)とともに、抽出した交通情報を累積して記憶し(S408)、すれ違った他車両に対して累積記憶された交通情報を送信する(S415)ので、複数の車両102間で撮像した画像に基づいた交通情報(具体的には対象物の種類と位置に関する情報)の共有を行うことが可能となる。
また、画像から抽出した交通情報を送受信することにより、運転者にとって必要となる交通情報の情報量を減少させることなく、画像情報を直接送信する場合と比較して情報通信に係る通信時間の短縮やCPU121の処理負荷の軽減が可能となる。
また、他車両から交通情報が送信されると、液晶ディスプレイ106に自車両周辺の地図を表示するとともに、表示された地図上に自車両の周辺に係る交通情報(具体的には対象物の種類と位置に関する情報)を表示する(S433)ので、運転者は他車両で撮像した画像に基づいた自車周辺の交通情報を得ることができる。従って、道路が渋滞して自車の前後に近接して他の車両が走行又は停車している場合や、見通しの悪い道路を走行する場合等の限られた情報の中で運転を行う必要がある状況下でも、表示された交通情報を参照することにより運転者は適切な走行を行うことが可能となる。
また、RAM123に記憶された交通情報は、対象物の種類に基づいた送信可能時間が経過すると削除される(S423、S424)ので、送信可能時間内にすれ違った他車両に対して当該対象物に関する交通情報を送信することとなる。従って、対象物の種類に応じた適当なエリアに位置する他車両のみに対して情報を送信し、交通情報の共有を行うことが可能となる。そして、運転者にとって必要となる交通情報の情報量を減少させることなく、通信回数を減少させることにより情報通信に係る通信時間の短縮や処理負荷の軽減が可能となる。
更に、交通情報をRAM123に記憶させて送信可能にする送信可能時間は交通情報を構成する対象物の種類に基づいて決定されるので、対象物の種類に応じた適確な送信情報の選別が可能となる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、第1乃至第4実施形態では、他車両から送信された交通情報を受信した際に、受信した交通情報を液晶ディスプレイ6、106に表示するように構成されているが、受信した時点では交通情報を表示せず、交通情報を構成する対象物の位置に所定距離(例えば50m)まで接近した際に表示するようにしても良い。
また、第1実施形態乃至第3実施形態では送信側の車両に対して受信側の車両が通信範囲設定テーブル22Aの範囲内に位置する場合に交通情報を送信又は表示することとしているが、通信範囲設定テーブル22Aの範囲内に位置するか否かに関わらず交通情報を送信又は表示するようにしても良い。尚、その際には通信範囲設定テーブル22Aの範囲内に位置する交通情報を他の交通情報より優先又は強調して表示するようにしても良い。
また、第1及び第2実施形態では、車両に所定量以上の挙動変化があるか否かは操舵角センサ16やジャイロセンサ17により検出することとしているが、GPS11によって車両の走行軌跡を検出し、検出された走行軌跡に基づいて車両に所定量以上の挙動変化があるか否かを判定することとしても良い。
また、第4実施形態では、通信有効時間が経過した際に経過した交通情報をRAM123から削除し、削除されずにRAM123に記憶されている交通情報のみを他車両に対して送信することとしているが、RAM123に記憶されている交通情報に対して通信を行うか否かのフラグを設定し、通信有効時間が経過した際に当該フラグをOFFにすることにより、フラグがONとなっている交通情報のみを他車両に対して送信することとしても良い。
第1実施形態に係る車車間通信システムの概略構成図である。 第1実施形態に係る車車間通信システムの特に車両を示す概略構成図である。 第1実施形態に係る車車間通信システムを構成する車両の制御系を模式的に示すブロック図である。 第1実施形態に係る通信範囲設定テーブルについて示した図である。 道路上を走行する車両を所定のタイミングで示した上面図である。 図5のタイミングで前方カメラによって撮像された車両の前方環境の撮像画像を示した模式図である。 図6の撮像画像に基づいて抽出された交通情報を記憶した交通情報テーブルを示した図である。 第1実施形態に係る車車間通信システムにおける車車間通信処理プログラムのフローチャートである。 道路を走行中の所定のタイミングにおける自車両と、自車両の周囲を走行する他車両との位置関係を示した模式図である。 第1実施形態に係る車車間通信システムにおける交通情報表示処理プログラムのフローチャートである。 他車両から送信された交通情報を液晶ディスプレイに表示した交通情報表示画面の例を示した図である。 他車両から送信された交通情報を液晶ディスプレイに表示した交通情報表示画面の例を示した図である。 他車両から送信された交通情報を液晶ディスプレイに表示した交通情報表示画面の例を示した図である。 第2実施形態に係る車車間通信システムにおける車車間通信処理プログラムのフローチャートである。 第2実施形態に係る車車間通信システムにおける交通情報表示処理プログラムのフローチャートである。 第3実施形態に係る車車間通信システムにおける交通情報記憶処理プログラムのフローチャートである。 第3実施形態に係る車車間通信システムにおける車車間通信処理プログラムのフローチャートである。 第3実施形態に係る車車間通信システムにおける交通情報表示処理プログラムのフローチャートである。 第4実施形態に係る車車間通信システムの概略構成図である。 第4実施形態に係る車車間通信システムを構成する車両の制御系を模式的に示すブロック図である。 第4実施形態に係る通信有効時間設定テーブルについて示した図である。 第4実施形態に係る車車間通信システムにおける交通情報記憶処理プログラムのフローチャートである。 第4実施形態に係る車車間通信システムにおける車車間通信処理プログラムのフローチャートである。 第4実施形態に係る車車間通信システムにおける交通情報削除処理プログラムのフローチャートである。 第4実施形態に係る車車間通信システムにおける交通情報表示処理プログラムのフローチャートである。
1、101 車車間通信システム
2、102 車両
3、103 通信装置
5、105 前方カメラ
6、106 液晶ディスプレイ
7、107 通信処理ECU
8、108 現在地検出部
11、111 GPS
16、116 操舵角センサ
17、117 ジャイロセンサ
21、121 CPU
22、122 ROM
23、123 RAM
41 撮像画像
65〜69 対象物マーク
70 対象物区間
71〜73 対象物移動エリア

Claims (3)

  1. 他車両の周辺を撮像した撮像画像に基づいて該他車両の周辺で検出された対象物の種類と位置に関する情報を、前記他車両から受信する情報受信手段と、
    前記情報受信手段によって受信した前記対象物の種類と位置に関する情報に基づいて、所定距離内に同一種類の対象物に係る位置情報が所定個数以上あるか否かを判定する同一対象物判定手段と、
    前記同一対象物判定手段によって所定距離内に同一種類の対象物に係る位置情報が所定個数以上あると判定された場合に、該同一種類の対象物に係る位置座標の区間を特定する情報を出力する特定情報出力手段と、を有することを特徴とする車車間通信システム。
  2. 他車両の周辺を撮像した撮像画像に基づいて該他車両の周辺で検出された対象物の種類と位置に関する情報を、前記他車両から受信する情報受信手段と、
    前記情報受信手段によって受信した前記対象物の種類と位置に関する情報に基づいて、前記対象物の移動予測範囲を予測する予測手段と、
    自車両の周辺の地図を表示するとともに表示された地図上で前記対象物の種類と前記移動予測範囲とを特定する情報を出力する予測情報出力手段と、を有することを特徴とする車車間通信システム。
  3. 前記対象物の種類に関する情報は、対象物の種類を特定するコード又はパターンであって、
    前記情報受信手段は、前記コード又はパターンを受信することにより前記対象物の種類と位置に関する情報を他車両から受信することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車車間通信システム。
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