以下に、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
<システムの概要>
初めに、本実施形態に係る情報処理システム100の概要を説明する。
図1、2は一実施形態に係る情報処理システムの概要を説明するための図である。図1(a)において、情報処理システム100は、複数の情報処理装置101−1〜101−3と、複数の情報処理装置101−1〜101−3と通信可能な通信装置102とを含む。尚、以下の説明の中で、複数の情報処理装置101−1〜101−3のうちの任意の情報処理装置を示す場合「情報処理装置101」を用いる。
情報処理装置101は、例えば、自動車等の車両の利用者(例えば、運転者、同乗者等)に情報を提供するための、例えば、カーナビゲーション装置、スマートフォン、タブレット端末、ノートPC(Personal Computer)等の情報機器である。或いは、情報処理装置101は、上記の情報機器の機能を組み込んだ自動車等の車両であっても良い。尚、図1(a)では、説明を容易にするため、情報処理装置101を車両の形で図示しているが、本発明の範囲を限定するものではない。
図1(a)において、複数の情報処理装置101−1〜101−3は、道路104を図の左から右の方向に向かって移動しているものとする。尚、複数の情報処理装置101−1〜101−3の数は一例であり、他の数であっても良い。
通信装置102は、道路104に沿って設置され、複数の情報処理装置101−1〜101−3と通信可能な通信機器である。通信装置102は、所定の範囲内(例えば、数百メートル以内)にある複数の情報処理装置101と無線通信等により、データの送受信を行うことができる。尚、図1(a)の例では、通信装置102は、道路104に沿って設置された道路標識に取付けられているものとする。尚、通信装置102が、道路標識に取付けられているのは好適な一例であり、本発明の範囲を限定するものではない。例えば、通信装置102は、道路104に沿って設けられたガードレールや、看板等に取付けられているものであっても良いし、道路104に沿って単独で設置されているもの等であっても良い。また、通信装置102は外部装置の一例である。
本実施形態に係る情報処理装置101は、車両の周囲を監視するカメラや、センサ等を用いて、車両の周囲にある障害物を検知することができる。また、情報処理装置101は、検知した障害物の位置に係る情報(例えば、車両の位置情報と、車両から障害物までの距離等)を含む障害物情報を、無線通信等により通信装置102等に送信する。好ましくは、情報処理装置101が通信装置102に送信する障害物情報には、検知された障害物の画像が含まれる。
例えば、図1(a)において、情報処理装置101−1は、道路104にある障害物103を検知し、検知された障害物103の位置に係る情報を含む第1の障害物情報を通信装置102に送信する。
通信装置102は、情報処理装置101−1から受信した障害物情報に基づいて、所定の範囲内にある複数の情報処理装置101−2、101−3等に、障害物103の位置に係る情報を含む第2の障害物情報を、例えば、一斉送信(ブロードキャスト送信)する。
通信装置102から第2の障害物情報を受信した情報処理装置101は、受信した第2の障害物情報に基づいて、障害物103に関する情報を表示手段に表示させる。
図1(b)は、車両にヘッドアップディスプレイが取付けられた車両における障害物103に関する情報の表示イメージを示す図である。図1(b)の例では、車両のフロントガラス105を通して前方を走行する車両106が見えている。さらに、フロントガラス105には、ヘッドアップディスプレイにより、障害物103の情報を示すメッセージ情報107と、障害物103の画像情報108が表示されている。図1(b)のメッセージ情報107により、利用者は、障害物103までの距離等を把握し、画像情報108により、障害物103の外観等を把握することができる。
このように、本実施形態に係る情報処理システム100では、道路104上の任意の地点にある障害物103等の情報を、近くを走行中の車両の利用者に迅速に通知することができる。
好ましくは、通信装置102は、道路104上に障害物103が検知されると、障害物103に関する障害物情報の取得及び通知が、所定の時間間隔(例えば1分間隔等)で行われるように制御する。
図2は、図1(a)から所定の時間を経過した後の状態の例を示す。情報処理装置101−2、101−3は、例えば、通信装置102から、所定の時間毎に送信される情報更新命令等に応じて、障害物の検知を行い、検知された障害物103に関する障害物情報を通信装置に送信する。
このような制御を行うことにより、障害物情報の重複や、通信トラフィックの増大等を低減させることができる。
<ハードウェア構成>
(情報処理装置のハードウェア構成)
図3は、一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。情報処理装置101は、一般的なコンピュータの構成を含み、例えば、CPU(Central Processing Unit)301、RAM(Random Access Memory)302、ROM(Read Only Memory)303、ストレージ部304、外部I/F部305、入力部306、表示部307、通信I/F(Interface)部308、カメラ部309、センサ部310、位置情報取得部311、RTC(Real Time Clock)部312、バス313等を有する。
CPU301は、ROM303やストレージ部304等に格納されたプログラムやデータをRAM302上に読み出し、処理を実行することで、情報処理装置101の各機能を実現する演算装置である。RAM302は、CPU301のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。ROM303は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性のメモリである。ストレージ部304は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュROM等のストレージ装置であり、OS、アプリケーションプログラム、及び各種データ等を記憶する。
外部I/F305は、情報処理装置101に、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体や、カーナビゲーション装置、ヘッドアップディスプレイ、カメラ、センサ、等の外部機器を接続するためのインタフェースである。
入力部306は、利用者の操作を受け付けるためのタッチパネル、キーボード、ポインティングデバイス、リモコン等の入力装置である。表示部307は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)パネルや、ヘッドアップディスプレイ等の表示装置である。入力部306及び表示部307は、例えば、一体型のタッチパネルディスプレイ等の表示入力部314であっても良い。また、入力部306及び表示部307の少なくとも1つは、情報処理装置101の外部に設けられているものであっても良い。
通信I/F部308は、所定の無線通信方式で通信装置102のデータの送受信を行うための無線通信装置である。本実施形態で用いる所定の無線通信方式は、数百メートル程度、又はそれ以上の通信距離において、通信装置102と双方向にデータ通信を行えるものであれば、任意の無線通信方式で良い。また、通信I/F部308は、例えば、LTE(Long Term Evolution)等の移動通信網や、無線LAN(Local Area Network)等により、インターネット等のネットワークに接続するための通信機能をさらに有していても良い。
カメラ部309は、例えば、車両の周囲等の画像を撮像するための1つ以上のカメラを含む。カメラ部309は、例えば、外付けのカメラや、車両に取付けられたカメラを用いるものであっても良い。カメラ部309は、ステレオカメラや、所定の間隔で取付けられた複数のカメラを含み、車両から障害物までの距離を測定するために用いられるものであっても良い。
センサ部310は、例えば、レーザーレンジファイダ等の障害物までの距離を測定するための1つ以上の距離センサを含む。センサ部310は、例えば、車両に取付けられたセンサや、外付けのセンサ等であっても良い。また、情報処理装置101は、カメラ部309により距離を測定する機能を有している場合、必ずしも距離センサを有していなくても良い。
位置情報取得部311は、情報処理装置101の位置や進行方向等を含む位置情報を取得する、例えば、GPS(Global Positioning System)等の位置情報取得装置である。尚、情報処理装置101は、車両に搭載されたカーナビゲーション装置等から位置情報を取得するものであっても良い。
RTC部312は、現在の日付、時刻等を計時する時計装置である。バス313は、上記各構成要素に接続され、アドレス信号、データ信号、及び各種制御信号等を伝送する。
(通信装置のハードウェア構成)
図4は、一実施形態に係る通信装置のハードウェア構成例を示す図である。通信装置102は、例えば、CPU401、RAM402、フラッシュROM403、通信部404、位置情報取得部405、RTC部406、及びバス407等を有する。
CPU401は、フラッシュROM403等に格納されたプログラムを実行することにより、通信装置102の各機能を実現する演算装置である。RAM402は、CPU401のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。フラッシュROM403は、通信装置102のプログラム、位置情報等の各種の情報を記憶する不揮発性のメモリである。
通信部404は、所定の無線通信方式で複数の情報処理装置101等とデータの送受信を行うための無線通信装置である。通信部404は、所定の通信範囲内(数百メートル程度)にある複数の情報処理装置101と双方向にデータ通信を行うことができる。好ましくは、通信部404は、上記の無線通信や、他の有線/無線通信等により、他の通信装置102と通信を行う機能を有する。さらに、通信部404は、例えば、LTE(Long Term Evolution)等の移動通信網や、有線/無線LAN等により、インターネットや、LAN等のネットワークに接続する機能を有していても良い。
位置情報取得部405は、通信装置102の位置情報を取得する、例えば、GPS等の位置情報取得装置である。尚、通信装置102は、所定の位置に固定され、フラッシュROM403に通信装置102の位置情報が予め記録されている場合、必ずしも位置情報取得部405を有していなくても良い。
RTC部406は、現在の日付、時刻等を計時するタイマ装置である。バス407は、上記各構成要素に接続され、アドレス信号、データ信号、及び各種制御信号等を伝送する。
[第1の実施形態]
<機能構成>
図5は、第1の実施形態に係る情報処理システムの機能構成図である。
(情報処理装置の機能構成)
情報処理装置101は、例えば、通信手段501、検知手段503、取得手段504、情報送信手段505、情報受信手段506、表示制御手段508、変換手段509、相対位置計算手段510、判定手段511、制御手段512、記憶手段513等を有する。また、情報処理装置101は、監視手段502、表示入力手段507等をさらに有していても良いし、外部に設けられた監視手段502、表示入力手段507等を用いるものであっても良い。
通信手段501は、通信装置102と障害物情報や、各種の制御情報等の送受信を行うための手段であり、例えば、図3の通信I/F部308等によって実現される。
監視手段502は、車両の周囲を監視する手段であり、例えば、図3のカメラ部309や、センサ部310等によって実現される。監視手段502は、必ずしも情報処理装置101が有している必要はなく、例えば、車両に取付けられたカメラやセンサ等を用いるものであっても良い。
検知手段503は、監視手段502を用いて、車両の周辺にある障害物(第1の障害物)を検知する手段であり、例えば、図3のCPU301で動作するプログラムによって実現される。検知手段503は、例えば、監視手段502に含まれるカメラ部309によって撮像された画像を解析して、障害物を検知する。障害物の例として、道路104にある走行車両以外の物体、例えば、落下物、動物、人物、停止車両、自転車等が想定されるが、本実施形態では、障害物の種類を特に限定しない。
取得手段504は、検知手段503によって検知された障害物の位置に係る情報を取得する手段であり、図3のCPU301で動作するプログラム等によって実現される。また、取得手段504は、例えば、距離情報取得手段514、位置情報取得手段515等を含む。
距離情報取得手段514は、車両と、検知手段503によって検知された障害物との間の距離を示す距離情報を取得する手段である。距離情報取得手段514は、例えば、監視手段502に含まれるセンサ部310(距離センサ等)を用いて、車両と障害物との間の距離を取得する。或いは、距離情報取得手段514は、カメラ部309で撮像された複数の画像を解析し、例えば、三角測量の原理等を用いて距離情報を取得するものであっても良い。
位置情報取得手段515は、車両の位置や、進行方向等を含む位置情報を取得する手段である。位置情報取得手段515は、例えば、車両のカーナビゲーション装置等から位置情報を取得するものであっても良いし、図3の位置情報取得部311等に含まれるGPS装置等によって位置情報を取得するものであっても良い。
尚、上記の例では、取得手段504が取得する障害物の位置に係る情報は、車両の位置や進行方向等を示す位置情報と、車両と障害物との間の距離を示す距離情報とを含む。
情報送信手段505は、取得手段504が取得した障害物の位置に係る情報を含む障害物情報を通信装置102等の外部装置に送信する手段であり、例えば、図3のCPU301で動作するプログラムによって実現される。好ましくは、情報送信手段505が送信する障害物情報には、監視手段502で撮像された障害物の画像が含まれる。或いは、情報送信手段505は、通信装置102等の外部装置からの要求に応じて、要求された情報のみを送信するもの等であっても良い。
情報受信手段506は、通信装置102等の外部装置から、障害物(第2の障害物)の位置に係る情報を含む障害物情報を受信する手段であり、例えば、図3のCPU301で動作するプログラムによって実現される。好ましくは、情報受信手段506が受信する障害物情報には、障害物の画像が含まれる。
表示入力手段507は、例えば、図1(b)で説明した障害物103に関する情報を表示すると共に、利用者の入力操作を受け付けるための手段であり、例えば、図3の入力部306、表示部307、表示入力部314等によって実現される。また、表示入力手段507は、必ずしも情報処理装置101が有している必要はなく、例えば、車両に取付けられたヘッドアップディスプレイや、カーナビゲーション装置のディスプレイ等を用いるものであっても良い。また、表示入力手段507は、情報を表示する表示手段と、入力操作を受付ける入力手段とに分かれていても良い。
表示制御手段508は、情報受信手段506が受信した障害物情報(第2の障害物情報)に基づいて、表示入力手段507に障害物(第2の障害物)に関する情報を表示させる。また、表示制御手段508は、設定画面等を表示入力手段507に選択可能に表示させ、利用者の選択操作を受け付ける処理も行う。表示制御手段508は、例えば、図3のCPU301で動作するプログラムによって実現される。
変換手段509は、情報受信手段506が受信した障害物情報に含まれる障害物の画像を、情報処理装置101の利用者(車両の運転者等)の視点に対応する画像に変換する手段であり、例えば、図3のCPU301で動作するプログラムによって実現される。変換手段509は、例えば、情報受信手段506が受信した障害物情報に含まれる障害物の画像を、縮小、回転させることにより、情報処理装置101の利用者の視点に対応する画像を生成し、例えば、記憶手段513に表示画像517として記憶する。
相対位置計算手段510は、車両の現在の位置から、障害物(第2の障害物)までの距離や、所要時間等を計算する手段であり、例えば、図3のCPU301で動作するプログラムによって実現される。
判定手段511は、情報受信手段506から受信した情報が、通信装置102等の所定の外部装置から受信したデータであるかどうかを判定する手段であり、例えば、図3のCPU301で動作するプログラムによって実現される。判定手段511が、所定の外部装置から受信した情報であると判定した情報は、記憶手段513に、例えば、受信した障害物情報516として記憶される。
制御手段512は、検知手段503、取得手段504、情報送信手段505、情報受信手段506、記憶手段513等を含む情報処理装置101の全体の制御を行う手段であり、例えば、図3のCPU301で動作するプログラムによって実現される。
記憶手段513は、例えば、受信した障害物情報516、表示画像517等を含む各種の情報を記憶する手段であり、例えば、3のストレージ部304や、RAM302等によって実現される。
尚、図5において、情報処理装置101−2、101−3は、情報処理装置101−1と同様の機能構成を有するものとする。
(通信装置の機能構成)
通信装置102は、通信手段518、受信手段519、通知手段520、通知制御手段521、相対位置計算手段522、認証手段523、記憶手段524等を有する。
通信手段518は、複数の情報処理装置101−1〜101−3と障害物情報や、各種の制御情報等の送受信を行うための手段であり、例えば、図4の通信部404等によって実現される。
受信手段519は、所定の範囲内(例えば、通信装置102の通信範囲内)の情報処理装置101から、障害物の位置に係る情報を含む障害物情報を受信する手段である。受信手段519は、例えば、図4のCPU401で動作するプログラムによって実現される。
通知手段520は、通知制御手段521の制御に従って、受信手段519が受信した障害物情報に基づく情報を、所定の範囲内の情報処理装置101に通知(例えば、ブロードキャスト送信)する。通知手段520は、例えば、図4のCPU401で動作するプログラムによって実現される。尚、通知手段520が通知する情報は、受信手段519が受信した障害物情報に基づいて生成された情報であっても良いし、受信手段519が受信した障害物情報であっても良い。
通知制御手段521は、受信手段519が受信した障害物情報に基づいて、通知手段520が通知する情報の通知内容、通知頻度、又は通知要否等を制御する手段であり、例えば、図4のCPU401で動作するプログラムによって実現される。通知制御手段521は、例えば、受信手段519が受信した障害物の情報と、受信手段519が前回受信した障害物の情報とを比較し、データがどれだけ変化したかを判断する。また、通知制御手段521は、データの変化量に応じて、通知手段520による通知頻度、通知要否、通知内容等を制御する。
相対位置計算手段522は、受信手段519が受信した障害物情報に基づいて、通信装置102に対する障害物の相対位置を計算する。
認証手段523は、受信手段519が受信したデータの認証を行い、受信データのセキュリティを確保する手段であり、例えば、図4のCPU401で動作するプログラムによって実現される。
記憶手段524は、例えば、通信装置102の位置や、方向等を示す位置情報を含む各種情報を記憶する手段であり、例えば、図4のフラッシュROM403等によって実現される。尚、図5の例では、通信装置102の位置情報は、記憶手段524に予め記録されていることを想定している。尚、通信装置102が可搬型の装置である場合等、通信装置102は、通信装置102の位置情報を取得する位置情報取得手段を有していることが望ましい。
<処理の流れ>
(情報処理装置の処理の流れ)
図6〜8は、第1の実施形態に係る情報処理装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図6において、情報処理装置101は、例えば、情報処理装置101を搭載した車両のエンジンをかけること等に応じて、待機モードの処理を開始する。
ステップS601において、情報処理装置101は、通信装置102等の所定の外部装置から受信した障害物情報があるか否かを判断する。受信した障害物情報がない場合、情報処理装置101は、処理をステップS602に移行させる。一方、受信した障害物情報がある場合、情報処理装置101は、処理を「検知モードA」に移行させる。尚、検知モードAについては、図7を用いて後述する。
ステップS602に移行すると、情報処理装置101は、検知手段503が障害物を検知したか否かを判断する。障害物を検知していない場合、情報処理装置101は、処理をステップS603に移行させる。一方、障害物を検知した場合、情報処理装置101は、処理を「検知モードB」に移行させる。尚、検知モードBについては、図8を用いて後述する。
ステップS603に移行すると、情報処理装置101は、情報処理装置101を搭載した車両のエンジンが停止したか否かを判断する。車両のエンジンが停止していない場合、情報処理装置101は、ステップS601に戻って同様の処理を繰り返す。一方、車両のエンジンが停止している場合、情報処理装置101は、処理を終了する。
次に、図7を用いて、検知モードAの処理について説明する。尚、検知モードAは、情報処理装置が、通信装置102等の外部装置から障害物情報の通知を受けた場合の処理の例である。
ステップS701において、情報処理装置101の情報受信手段506は、通信装置102から障害物情報を受信し、記憶手段513に、例えば、受信した障害物情報516として記憶する。
ステップS702において、情報処理装置101の位置情報取得手段515は、情報処理装置101に対応する車両(以下、自車と呼ぶ)の位置情報を取得する。
ステップS703において、相対位置計算手段510は、位置情報取得手段515によって取得された自車の位置情報と、記憶手段513に記憶された受信した障害物情報516とにより、自車と障害物との相対位置を計算する。相対位置計算手段510が計算する自車と障害物との相対位置は、例えば、自車と障害物との間の距離や、障害物に達するまでの所要時間(予測値)等の情報であっても良い。
ステップS704において、受信した障害物情報516が障害物の画像データを含む場合、情報処理装置101は、処理をステップS705に移行させる。一方、受信した障害物情報516が障害物の画像データを含まない場合、情報処理装置101は、処理をステップS712に移行させる。
ステップS705に移行すると、情報処理装置101の変換手段509は、受信した障害物情報516に含まれる障害物の画像データを、自車の視点に変換して表示画像を作成する。例えば、変換手段509は、障害物までの距離が遠い場合、障害物の画像データを小さく縮小し、障害物までの距離が近い場合、障害物の画像データの縮小率を下げる(又は縮小を行わない)等の変換を行う。好ましくは、変換手段509は、例えば、道路104が曲がっている場合等、自車から障害物を見た場合の角度が、障害物の画像データと異なる場合、障害物の画像に回転処理を行うこと等により障害物の画像データを自車の視点に変換する。
ステップS706において、情報処理装置101の表示制御手段508は、ステップS703で計算された相対位置情報等を用いて、表示入力手段507に表示させるメッセージ情報を作成する。このとき作成されるメッセージ情報は、例えば、自車から障害物までの距離や、障害物に到達するまでの所要時間等の情報を含むことが望ましい。
ステップS707において、表示制御手段508は、ステップS705で作成された表示画像と、ステップS706で作成されたメッセージ情報と、を表示入力手段507に表示させる。
ステップS708において、情報処理装置101は、ステップS707で表示した表示画像を、記憶手段513に表示画像517として記憶する。
ステップS709に移行すると、情報処理装置101は、検知手段503が障害物を検知したかどうかを判断する。障害物を検知していない場合、情報処理装置101は、処理をステップS710に移行させる。一方、障害物を検知した場合、情報処理装置101は、処理を「検知モードB」に移行させる。尚、検知モードBの処理については、図8を用いて後述する。
ステップS710に移行すると、情報処理装置101は、通信装置102等からデータ(障害物情報等)を受信したか否かを判断する。データを受信した場合、情報処理装置101は、ステップS701に戻って、同様の処理を繰り返す。一方、データを受信していない場合、情報処理装置101は、処理をステップS711に移行させる。
ステップS711に移行すると、情報処理装置101は、障害物を通り過ぎたかどうかを、例えば、自車の現在の位置や、障害物までの所要時間等から判断する。障害物を通り過ぎたと判断した場合、情報処理装置101は、処理を待機モード(図6)に移行させる。一方、障害物を通り過ぎていないと判断した場合、情報処理装置101は、ステップS702に戻って、同様の処理を繰り返す。
以上、ステップS704において、受信した障害物情報516が障害物の画像データを含む場合の処理について説明したが、次に、受信した障害物情報516が障害物の画像データを含まない場合の処理について説明する。
ステップS704において、受信した障害物情報516が障害物の画像データを含まない場合、ステップS712に移行し、記憶手段513に、ステップS708で記憶された表示画像517があるかどうかを判断する。
ステップS712において、記憶された表示画像517がない場合、情報処理装置101の表示制御手段508は、メッセージ情報を作成し(ステップS721)、作成したメッセージ情報を表示入力手段507に表示させる(ステップS722)。一方、記憶された表示画像517がある場合、情報処理装置101は、ステップS713以降の処理を実行する。
ステップS713において、情報処理装置101は、車両と障害物との相対位置を前回の値と比較する(ステップS713)。
ステップS714において、情報処理装置101は、車両と障害物との相対位置との比較結果が、予め定められたしきい値を超えたか否かを判断する。比較結果がしきい値を超えない場合、情報処理装置101の表示制御手段508は、メッセージ情報を作成し(ステップS719)、画像の更新を行わずに、作成したメッセージ情報のみを更新する(ステップS720)。一方、比較結果がしきい値を超えた場合、情報処理装置101は、ステップS715以降の処理を実行する。
ステップS715において、情報処理装置101の変換手段509は、記憶手段513に記憶された障害物の画像データを、自車の視点に変換して表示画像を作成する(ステップS715)。
ステップS716において、情報処理装置101の表示制御手段508は、表示入力手段507に表示させるメッセージ情報を作成する。
ステップS717において、表示制御手段508は、ステップS715で作成された表示画像と、ステップS716で作成されたメッセージ情報と、を表示入力手段507に表示させる。
ステップS718において、情報処理装置101は、ステップS717で表示した表示画像を、記憶手段513に表示画像517として記憶し、処理をステップS709に移行させる。
次に、図8を用いて、検知モードBの処理について説明する。尚、検知モードBは、情報処理装置101が障害物を検知した場合の処理の例である。
ステップS801において、情報処理装置101の情報送信手段505は、検知手段503が障害物を検知したことを通信装置102に通知する。
ステップS802において、情報処理装置101は、通信装置102からの応答の有無を判断する。通信装置102からの応答がない場合、ステップS801に戻って同様の処理を繰り返す。一方、通信装置102からの応答がある場合、情報処理装置101は、処理をステップS803に移行させる。
ステップS803において、情報処理装置101の取得手段504は、検知手段503が検知した障害物の位置に係る情報を取得する。例えば、取得手段504は、位置情報取得手段515により、自車の位置や、進行方向等を示す位置情報を取得すると共に、距離情報取得手段514により自車と障害物との間の距離を示す距離情報を取得する。
ステップS804において、情報処理装置101の情報送信手段505は、取得手段504が取得した障害物の位置に係る情報を含む障害物情報を通信装置102に送信する。
ステップS805において、情報処理装置101は、例えば、検知手段503により、障害物が検知できなくなったか否かを判断する。或いは、情報処理装置101は、例えば、相対位置計算手段510によって計算された自車と障害物との間の距離情報等により、障害物を通り過ぎたか否かを判断するものであっても良い。障害物を通り過ぎた場合、又は障害物を検知できなくなった場合、情報処理装置101は、処理を待機モード(図6)に移行させる。一方、障害物を通り過ぎていない場合、又は障害物を検知できる場合、情報処理装置101は、ステップS801に戻って同様の処理を繰り返す。
このように、情報処理装置101は、車両の周辺を監視する監視手段502を用いて車両の周辺にある障害物(第1の障害物)103を検知する。また、検知された障害物103の位置に係る情報を取得し、取得した障害物103の位置に係る情報を含む障害物情報(第1の障害物情報)を通信装置(第1の外部装置)102に送信する。
また、情報処理装置101は、通信装置(第2の外部装置)102から、障害物(第2の障害物)の位置に係る情報を含む障害物情報(第2の障害物情報)を受信すると、受信した障害物情報に基づいて、障害物に関する情報を表示入力手段507に表示させる。
尚、図6〜8の処理はあくまで一例である。例えば、図8のステップS801において、情報処理装置101は、通信装置102に、障害物を検知したことを通知する情報と共に、障害物情報を通知するもの等であっても良い。また、図8のステップS803において、情報処理装置101は障害物の画像を取得し、ステップS804で送信する障害物情報には、障害物の画像データが含まれるものであっても良い。さらに、図6のステップS603において、情報処理装置101は、エンジンの停止の検知を行わずに、情報処理装置101で動作するアプリケーションプログラムの操作等により処理の終了を判断するもの等であっても良い。
(通信装置の処理の流れ)
図9、10は、第1の実施形態に係る通信装置102の処理の流れを示すフローチャートである。
図9において、通信装置102は、待機モードの処理を開始すると、ステップS901において、情報処理装置101が障害物を検知したか否かを判断する。例えば、通信装置102は、情報処理装置101から障害物を検知した旨の通知を受信したか否かによって、情報処理装置101が障害物を検知したか否かを判断する。情報処理装置101が障害物を検知したと判断された場合、通信装置102は、処理を検知モードへ移行させる。尚、検知モードについては、図10を用いて後述する。情報処理装置101が障害物を検知していないと判断された場合、通信装置102は、処理をステップS902に移行させる。
ステップS902に移行すると、通信装置102は、所定の監視終了イベントが発生の有無を判断する。監視終了イベントの例として、例えば、管理者による監視終了の操作や、予め定められた監視期間の満了等がある。ステップS902において、監視終了イベントが発生していない場合、通信装置102は、ステップS901に戻って同様の処理を繰り返す。一方、ステップS902において、監視終了イベントが発生した場合、通信装置102は、待機モードの処理を終了させる。
図10は、通信装置102の検知モードの処理の例を示すフローチャートである。通信装置102は、検知モードに移行すると、ステップS1001において、障害物を検知した情報処理装置101に、障害物情報の送信を要求するデータ送信命令を送信する。
ステップS1002において、所定の期間データ受信待ちを行う。
ステップS1003において、データ送信命令を送信した情報処理装置101からデータを受信できない場合、通信装置102は、規定回数を超えるまでデータ送信命令の送信を繰り返す(ステップS1004)。また、通信装置102は、ステップS1004において、データ送信命令の送信回数が規定回数を超えると、処理を待機モード(図9)に移行させる。一方、データ送信命令を送信した情報処理装置101からデータを受信した場合、通信装置102は、ステップS1005以降の処理を実行する。
ステップS1005に移行すると、通信装置102の相対位置計算手段522は、受信した障害物情報に基づいて、自装置と障害物との間の相対位置(例えば、自装置と障害物との間の距離等)を計算する。
ステップS1006において、通信装置102は、計算した相対位置を含む障害物情報(第2の障害物情報)を所定の範囲(例えば、通信装置102の通信範囲)の情報処理装置101に一斉にデータ送信(ブロードキャスト送信)する。
ステップS1007において規定の時間待機した後、ステップS1008において、通信装置102は、先ほど障害物が検知された付近にある情報処理装置101に対してデータ更新命令を送信する。例えば、通信装置102は、道路104に沿って複数のアンテナを有し、先ほど障害物情報を受信したアンテナを用いて、データ更新命令を送信するものであっても良い。尚、障害物が検知された付近にある情報処理装置101に対してデータ更新命令を送信するのはあくまで一例であり、所定の範囲の情報処理装置101にブロードキャスト送信を行うものであっても良い。
ステップS1009において、所定の時間データの受信待ちを行い、ステップS1010において、データを受信できない場合、通信装置102は、規定回数を超えるまでデータ更新命令の送信を繰り返す(ステップS1011)。また、通信装置102は、ステップS1011において、データ送信命令の送信回数が規定回数を超えると、処理を待機モード(図9)に移行させる。一方、ステップS1010において、データを受信した場合、通信装置102は、ステップS1012以降の処理を実行する。
ステップS1012に移行すると、通信装置102は、障害物がなくなったことを示す通知の有無を判断する。障害物がなくなったことを示す通知は、例えば、情報処理装置101から通知されるものであっても良いし、他の通信装置102から通知されるものであっても良い。或いは、障害物がなくなったことを示す通知は、管理者や、管理サーバ等から通知されるもの等であっても良い。障害物がなくなったことを示す通知がある場合、通信装置102は、処理を待機モード(図9)に移行させる。一方、障害物がなくなったことを示す通知がない場合、通信装置102は、処理をステップS1013に移行させる。
ステップS1013に移行すると、通信装置102の相対位置計算手段522は、自装置(通信装置102)と障害物との相対位置を計算する。
ステップS1014において、通信装置102は、障害物の画像データを、記憶部(記憶手段524)に記憶した前回の障害物のデータと比較し、障害物のデータに変化があるか否かを判断する。
ステップS1015において、障害物のデータに変化がある場合、ステップS1016に移行して、画像データを含む障害物情報を所定の範囲の情報処理装置101に一斉送信し、ステップS1007に戻る。一方、ステップS1015において、障害物のデータに変化がない場合、ステップS1017に移行し、画像データを含まない障害物情報を所定の範囲の情報処理装置101に一斉送信し、ステップS1007に戻る。
例えばこのように、通信装置102は、情報処理装置101から障害物を検知したことを示す通知を受信すると、規定の時間間隔でデータ更新命令を情報処理装置101に送信する検知モードに移行する。また、通信装置102は、例えば、障害物がなくなると、待機モードに復帰する。
尚、図9、10に示す処理は好適な一例であり、本発明の範囲を限定するものではない。例えば、通信装置102は、規定の時間間隔で障害物情報を情報処理装置101に通知し、情報処理装置101は、受信した通知に応じて障害物の検知を行うものであっても良い。或いは、情報処理装置101は、障害物を検知した時点で障害物情報を通信装置102に随時送信し、通信装置102は、受信した障害物情報の中から必要な情報を、選択的に所定の範囲内の情報処理装置101に通知を行うもの等であっても良い。
以上、本実施形態に係る情報処理システム100によれば、一の情報処理装置101によって検知された障害物の位置に係る情報を含む障害物情報は、通信装置102を介して、周辺の一つ以上の情報処理装置101に通知される。従って、道路上の任意の地点にある障害物等の情報を、近くを走行中の車両の利用者に容易に、かつ迅速に通知することができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、情報処理システム100が、第1の実施形態の構成に加えて、障害物情報の通知内容、通知頻度、通知要否等を設定するための構成を含む場合の例について説明する。
障害物情報の通知内容、通知頻度、通知要否等の設定は、通信装置102側で行うものであっても良いし、情報処理装置101側で行うものであっても良い。また、障害物情報の通知内容、通知頻度、通知要否等の設定は、通信装置102と、情報処理装置101との双方で行うものであっても良い。
<機能構成>
(情報処理装置の機能構成)
図11は、第2の実施形態に係る情報処理装置の制御手段の構成例を示す図である。図11において、情報処理装置101の制御手段512は、例えば、時間計測手段1101、重要度設定手段1102、更新データ設定手段1103等を有する。尚、情報処理装置101のその他の機能構成は、図5に示す第1の実施形態の機能構成と同様なので、ここでは差分を中心に説明する。
時間計測手段1101は、障害物情報を送信する時間間隔等を、例えば、図3のRTC部312等を用いて計測する。好ましくは、時間計測手段1101は、障害物情報を送信する時間間隔等を設定する機能等も有する。
重要度設定手段1102は、例えば、車両の走行を開始する前等に、情報処理装置101の利用者等が、データの重要度の設定を行うための手段である。尚、データの重要度とは、例えば、天候(「晴れ」、「くもり」、「雨」、「霧」等)、障害物の移動の有無、車両の運転者の技量等、障害物103に関する情報(障害物情報)の重要度を示す情報である。
例えば、天候が「晴れ」の場合、利用者(運転車)が障害物103や車両の周囲を視認できる範囲が広くなり、前の車がブレーキを踏む等の不意な情報が発生しても、利用者は十分に対応することができる。従って、天候が「晴れ」の場合、障害物情報の重要度は比較的低くなる。一方、天候が「霧」の場合、利用者が視認できる範囲が狭くなり、障害物103の危険度が増すので、障害物情報の重要度はより高くなる。
また、障害物が移動している場合、障害物が静止している場合と比べて危険度が増すので、障害物情報の重要度はより高くなる。
情報処理装置101は、データの重要度に対応する、障害物103に関する情報の更新の有無や、更新の間隔等を定義する更新頻度情報1104を、予め記憶手段513等に記憶しておく。また、重要度設定手段1102は、情報処理装置101の表示入力部314等に、データの重要度の設定画面を表示させ、利用者の操作によりデータの重要度を設定する。或いは、重要度設定手段1102は、通信装置102から受信した、天候情報や、障害物の移動の有無等の情報に応じて、データの重要度を自動的に設定するもの等であっても良い。
更新データ設定手段1103は、通信装置102に送信する障害物情報に含まれる情報の種類、例えば、障害物の相対位置情報の有無、画像データの有無、監視手段502のセンサ値の有無等を設定するための手段である。
上記の構成により、情報処理装置101は、例えば、天候が「雨」の場合、通信装置102に送信する障害物情報の送信頻度を、通常よりも高く制御すること等ができる。尚、情報処理装置101が、データの重要度に応じて障害物情報の送信頻度を変更する構成は一例であり、情報処理装置101は、データの重要度に応じて、障害物情報に含まれる画像の有無や、データの種類等を変更するもの等であっても良い。
(通信装置の機能構成)
図12は、第2の実施形態に係る通信装置の通知制御手段の構成例を示す図である。図12において、通信装置102の通知制御手段521は、例えば、重要度設定手段1201、重要度制御手段1202、天候情報取得手段1203、移動判定手段1204、及び更新データ設定手段1205等を有する。また、通知制御手段521には、受信手段519が受信した障害物の情報と、受信手段519が前回受信した障害物の情報とを比較し、データがどれだけ変化したかを判断するデータ比較手段1206等も含まれる。尚、通信装置102のその他の機能構成は、図5に示す第1の実施形態の機能構成と同様なので、ここでは差分を中心に説明する。
重要度設定手段1201は、通信装置102側のデータの重要度を設定するための手段である。通信装置102は、情報処理装置101と同様に、データの重要度に対応する、障害物103に関する情報の更新の有無や、更新の間隔等を定義する更新頻度情報1207を、予め記憶手段524等に記憶しておく。また、重要度設定手段1102は、管理者等の操作や、重要度制御手段1202の制御等により、データの重要度を設定する。
尚、データの重要度、及び更新頻度情報1207については、図11で説明した情報処理装置101と同様である。
重要度制御手段1202は、例えば、天候情報や、障害物の移動有無等に応じて、重要度設定手段120によるデータの重要度の設定を、例えば、自動的に制御する。重要度制御手段1202は、例えば、天候が悪い場合、障害物情報等のデータの重要度を自動的に高く変更し、障害物情報等のデータの更新頻度を高く制御する。或いは、重要度制御手段1202は、例えば、障害物が移動していない場合、障害物情報等のデータの重要度を自動的に低く変更し、障害物情報等のデータの更新頻度を低く制御する。
天候情報取得手段1203は、例えば、外部サーバ等から、天候情報を取得する。
移動判定手段1204は、例えば、複数の情報処理装置101から受信した障害物情報に含まれる障害物の位置に係る情報等に基づいて、障害物が移動しているか否かを判断する。
更新データ設定手段1205は、情報処理装置101に送信を要求する障害物情報に含まれる情報の種類、例えば、障害物の相対位置情報の有無、画像データの有無、監視手段502のセンサ値の有無等を設定するための手段である。尚、更新データ設定手段1205による情報の種類の設定は、重要度制御手段1202等によって自動的に行われるものであっても良いし、管理者等によって行われるものであっても良い。
上記の構成により、通信装置102は、例えば、天候や、障害物の移動の有無等のデータの重要度に応じて、障害物情報の送信頻度、障害物情報に含まれる画像の有無、障害物情報に含まれるデータの種類等を、例えば、自動的に変更することができる。
図13は、第2の実施形態に係る更新頻度情報の例を示す図である。
図13(a)は、天候に応じた更新頻度情報の例を示す。図13(a)において、更新頻度情報1300は、複数の天候に対応する4つの重要度、Mode1(晴れ)1301、Mode2(くもり)1302、Mode3(雨)1303、Mode4(霧)1304に応じた、更新の有無と更新間隔が記録されている。
図13(a)において、「○」は障害物情報の更新を行うことを示しており、「×」は、障害物情報の更新を行わないことを示している。また、「○」の隣に記載された「3(s)」は、障害物情報の更新間隔が3秒間隔であることを示している。図13(a)の例では、Mode1(晴れ)1301は最も重要度が低いため、更新が行われる情報の数がより少なく、また更新間隔がより長く設定されている。一方、Mode4(霧)1304は最も重要度が高いため、更新が行われる情報の数がより多く、また更新間隔がより短く設定されている。
図13(b)は、障害物の移動の有無に応じた更新頻度情報の例を示す。図13(b)において、更新頻度情報1300は、障害物の移動の有無に対応する2つの重要度、Mode1(移動なし)1305、Mode2(移動あり)1306に応じた、更新の有無と更新間隔が記録されている。
図13(b)の例では、Mode1(移動なし)1305は重要度がより低いため、更新が行われる情報の数がより少なく、また更新間隔がより長く設定されている。一方、Mode2(移動あり)1306は重要度がより高いため、更新が行われる情報の数がより多く、また更新間隔がより短く設定されている。
情報処理装置101の重要度設定手段1102は、例えば、図13(b)の複数の重要度、Mode1(移動なし)1305、Mode2(移動あり)1306のいずれかを選択するため等に用いられる。また、情報処理装置101の更新データ設定手段1103は、選択された重要度のうち、各項目の更新有無、更新間隔等の設定を変更するため等に用いられる。通信装置102においても同様である。
[第3の実施形態]
第3の実施形態では、情報処理システム100が複数の通信装置102を含む場合の例について説明する。
<システム構成>
図14、15は、第3の実施形態に係る情報処理システムの概要を説明するための図である。図14(a)において、第3の実施形態に係る情報処理システム100は、道路104に沿って設置された複数の通信装置102−1、102−2と、道路104上を移動する複数の情報処理装置101−1〜101−3とを含む。尚、複数の通信装置102−1、102−2の数は一例であり、2つ以上の他の数であっても良い。同様に複数の情報処理装置101−1〜101−3の数は一例であり、2つ以上の他の数であっても良い。また、以下の説明の中で、複数の通信装置102−1、102−2のうち、任意の通信装置を示す場合、「通信装置102」を用いる。
図14(a)において、通信装置102−1は、情報処理装置101−1から受信した障害物103の情報に基づいて、障害物103に関する情報を情報処理装置101−2、101−3等に通知しているものとする。また、図14(a)の状態から、所定の時間を経過した後、図14(b)に示すように、障害物103の位置が、通信装置102−1の近くから、通信装置102−2の近くに移動したものとする。
このような場合、本実施形態に係る通信装置102−1は、障害物103により近い通信装置102−2に、障害物103に関する情報の受信及び通知に関する処理を主に行う通信装置102(主動作装置)を、通信装置102−2に切替える機能を有する。
また、図15に示すように、障害物103が通信装置102−1と通信装置102−2との間にある場合、本実施形態に係る通信装置102−1は、通信装置102−2と障害物103の情報を共有する機能を有する。これにより、本実施形態に係る通信装置102−1は、他の通信装置102−2と共に障害物103の情報の受信、通知等の処理を行うことができる。
尚、障害物103に関する情報の受信及び通知に関する処理を主に行う主動作装置とは、図15の例では、障害物103の障害物情報を受信する通信装置102−2に相当する。主動作装置は、例えば、主動作装置の通信範囲内の情報処理装置101から障害物情報を受信し、受信した障害物情報に基づく情報を、主動作装置の通信範囲内の情報処理装置、及び主動作装置とデータを共有する通信装置102に通知する。
図15の例では、主動作装置である通信装置102−2は、通信装置102−2の通信範囲1502内にある情報処理装置101−1から障害物103に係る障害物情報を受信する。また、通信装置102−2は、受信した障害物情報に基づく情報を、通信装置102−1の通信範囲1502内にある情報処理装置101−1に通知すると共に、通信装置102−2とデータを共有する通信装置102−1に通知する。
一方、主動作装置である通信装置102−2とデータを共有する通信装置102−1は、主動作装置から通知された情報に基づいて、障害物103に関する情報を通信装置102−1の通信範囲1501内にある情報処理装置101−2、101−3等に通知する。
好ましくは、主動作装置である通信装置102−2は、所定の時間間隔で通信装置102−2の通信範囲1502内にある情報処理装置101−1等に障害物情報の送信を要求する。このように、本実施形態に係る情報処理システム100では、2つ以上の通信装置102で障害物103の情報(データ)を共有し、より広範囲の情報処理装置101に障害物情報を提供することができる。また、本実施形態に係る情報処理システム100では、障害物情報の通知を複数の通信装置102で処理することにより、各通信装置102の負荷を低減させることができる。
<機能構成>
図16は、第3の実施形態に係る情報処理システムの機能構成図である。本実施形態に係る通信装置102は、第1及び第2の実施形態の機能構成に加えて、主動作判定手段1601、主動作切替手段1602、並列動作設定手段1603、及び通信範囲設定手段1604等を有する。好ましくは、通信装置102は、再送制御手段1605、及び再送設定手段1606をさらに有する。さらに、本実施形態に係る通信手段518は、他の通信装置102と通信を行うための通信機能を有しているものとする。
尚、その他の機能構成は、第2の実施形態と同様なので、ここでは差分を中心に説明する。また、図16において、通信装置102−2は、通信装置102−1と同様の機能構成を有しているものとする。
主動作判定手段1601は、通信装置102が、現在、障害物103に関する情報の受信、及び通知に関する処理を主に行う主動作装置として動作しているか否かを判断する。
主動作切替手段1602は、障害物103が、例えば、車両や動物等のように移動する障害物である場合等、障害物103により近い通信装置102を主動作装置に切替える。
並列動作設定手段1603は、例えば、障害物103が通信装置102−1と通信装置102−2との間にある場合等、通信装置102−1と通信装置102−2とのデータの共有を含む並列動作の設定や、制御等を行う。
好ましくは、並列動作を行う通信装置102−1と通信装置102−2は、それぞれが通信を行う通信範囲を設定し、自装置の通信範囲内にある情報処理装置101に対して障害物103の情報の通知を行う。これにより、通信装置102の通信処理の負荷を分散させ、通信装置102毎の通信トラフィックを低減させることができる。
通信範囲設定手段1604は、通信装置102の通信範囲を設定する機能を持つ。例えば、通信装置102は、道路104に沿って複数のアンテナを有し、使用するアンテナの数を切替えることによって通信範囲を設定するものであっても良い。或いは、通信装置102は、通信手段518の受信利得、送信出力、アンテナ特性等を変更すること等によって、通信範囲を設定するものであっても良い。
再送制御手段1605は、例えば、情報処理装置101から受信した障害物103の情報が、前回受信した情報と大きく異なる場合等、複数の情報処理装置101に対して障害物103の情報の再送を要求する。また、再送された複数の情報を比較し、先程受信した障害物103の情報が正しいか否かを判断する。さらに、再送された複数の情報に基づいて、適切な障害物103の情報を選択し、複数の情報処理装置101に通知する。
再送設定手段1606は、再送制御手段1605で比較を行う情報の数や、時間等の設定を行う。
尚、主動作判定手段1601、主動作切替手段1602、並列動作設定手段1603、通信範囲設定手段1604、再送制御手段1605、及び再送設定手段1606は、例えば、図4のCPUで動作するプログラム等によって実現される。
<処理の流れ>
次に、図17〜図22のフローチャートを用いて、第3の実施形態に係る情報処理システム100の処理の流れについて説明する。尚、図17〜図22のフローチャートには、第2の実施形態の処理も含まれている。
(情報処理装置の処理の流れ)
図17は、第3の実施形態に係る情報処理装置の待機モードの処理の流れを示すフローチャートである。尚、図17のステップS601〜S603の処理は、図6に示す第1の実施形態と同様なので、ここでは差分を中心に説明する。
図17において、情報処理装置101は、例えば、情報処理装置101を搭載した車両のエンジンをかけること等に応じて、待機モードの処理を開始する。
ステップS1701において、情報処理装置101は、待機モードの処理を開始すると、図11の重要度設定手段1102により、データの重要度の設定を行う。例えば、重要度設定手段1102は、表示入力手段507にデータの重要度を設定するためのGUI(Graphical User Interface)を表示させ、利用者の操作に応じてデータの重要度を設定する。或いは、重要度設定手段1102は、通信装置102から受信した情報に、天候情報や、障害物の移動有無等の情報が含まれる場合、天候情報や、障害物の移動有無の情報等に応じて、自動的にデータの重要度を設定するもの等であっても良い。また、重要度設定手段1102は、通信装置102から受信した情報に、天候情報や、障害物の移動有無等の情報が含まれない場合、デフォルトの設定でデータの重要度を設定するものであっても良い。
ステップS1701において、データの重要度の設定が終わると、情報処理装置101は、ステップS601〜S603の処理を実行する。尚、ステップS1701の処理は、第2の実施形態に関する処理である。
図18は、第3の実施形態に係る情報処理装置の検知モードAの処理の流れを示すフローチャートである。尚、図18のステップS701〜S722の処理は、図10に示す第1の実施形態の処理と同様なので、ここでは差分を中心に説明を行う。
情報処理装置101は、検知モードAの処理を開始すると、ステップS1801において、更新頻度情報の選択処理を行う。尚、更新頻度情報の選択処理については、図19を用いて後述する。また、ステップS1801の処理は、第2の実施形態に関する処理である。
ステップS701から、ステップS709に至るまでの処理は、第1の実施形態と同様である。ステップS709において、検知手段503が障害物を検知していない場合、情報処理装置101は、ステップS1802以降の処理を実行する。
ステップS1802において、情報処理装置101は、通信装置102から、複数の通信装置102が並列処理を行うことを通知する並列制御通知を受信したか否かを判断する。この並列制御通知には、例えば、主動作装置となる通信装置102の情報等が含まれる。
ステップS1802において、並列制御通知を受信している場合、情報処理装置101は、主動作装置となる通信装置102の位置情報(絶対位置、相対位置等)を更新(計算)し、ステップS1805に処理を移行させる。一方、ステップS1802において、並列制御通知を受信していない場合、情報処理装置101は、ステップS1803に処理を移行させる。
ステップS1803に移行すると、情報処理装置101は、通信装置102から、主動作装置の変更を通知する主動作変更通知を受信したか否かを判断する。この主動作変更通知には、例えば、新たに主動作装置となる通信装置102の情報等が含まれる。
ステップS1803において、主動作変更通知を受信している場合、情報処理装置101は、ステップS1804において、新たに主動作装置となる通信装置102の位置情報(絶対位置、相対位置等)を更新(計算)し、ステップS1805に処理を移行させる。一方、ステップS1803において、主動作変更通知を受信していない場合、情報処理装置101は、ステップS1805に処理を移行させる。
ステップS1805に移行すると、情報処理装置101は、ステップS1801で選択された更新頻度情報に応じて、通信装置102(複数の通信装置102がある場合は、主動作装置となる通信装置102)に障害物情報の送信を依頼する情報を送信する。尚、ステップ710以降の処理は、第1の実施形態と同様である。
上記処理により、情報処理装置101は、複数の通信装置102による並列動作を開始する場合、又は主動作装置が変更された場合、新たに主動作装置となる通信装置102に対して所定の処理を行うことができるようになる。
尚、検知モードBの処理は、第3の実施形態においても、図8に示す第1の実施形態の処理と同様なので、説明を省略する。
図19は、第3の実施形態に係る情報処理装置の更新頻度情報の選択処理の流れを示すフローチャートである。
図18のステップS1801において、更新頻度情報の選択処理を開始すると、情報処理装置101は、図19のステップS1901において、通信装置102側の重要度自動制御フラグが有効(ON)であるか否かを判断する。尚、重要度自動制御フラグは、通信装置102から通知される情報(例えば、障害物情報等)に含まれているものとする。
ステップS1901において、通信装置102側の重要度自動制御フラグが有効である場合、ステップS1906において、情報処理装置101は、通信装置102側の更新頻度情報を選択する。この場合、情報処理装置101は、通信装置102側の更新頻度情報に従って処理を行う。一方、ステップS1901において、通信装置102側の重要度自動制御フラグが有効でない場合、情報処理装置101は、処理をステップS1902に移行させる。
ステップS1902に移行すると、情報処理装置101は、通信装置102側の重要度設定がデフォルト値であるか否かを判断する。尚、通信装置102側の重要度設定がデフォルト値であるか否かを判断するための情報は、通信装置102から通知される情報(例えば、障害物情報)等に含まれているものとする。
ステップS1902において、通信装置102側の重要度設定がデフォルト値である場合、情報処理装置101は、情報処理装置101側の更新頻度情報を選択する(ステップS1903)。重要度設定のデフォルト値は、例えば、図13(a)のMode1(晴れ)1301のように、更新データの数がより少なく、また更新頻度がより長く設定されている。従って、通信装置102側の重要度設定がデフォルト値である場合、情報処理システム100は、情報処理装置101側の更新頻度情報を用いて、各データの更新の有無や、更新間隔等を設定できるようにすることが望ましい。一方、ステップS1902において、通信装置102側の重要度設定がデフォルト値ではない場合、情報処理装置101は、処理をステップS1904に移行させる。
ステップS1904に移行すると、情報処理装置101は、通信装置102側のデータ重要度設定が、情報処理装置101側の設定よりも、高い頻度でデータを取得する設定であるか否かを判断する。尚、通信装置102側のデータ重要度設定が、情報処理装置101側の設定よりも、高い頻度でデータを取得する設定であるか否かを判断するための情報は、通信装置102から通知される情報(例えば、障害物情報)等に含まれているものとする。
ステップS1904において、通信装置102側のデータ重要度設定が、情報処理装置101側の設定よりも、高い頻度でデータを取得する設定である場合、情報処理装置101は、情報処理装置101側の更新頻度情報を選択する(ステップS1905)。一方、ステップS1904において、通信装置102側のデータ重要度設定が、情報処理装置101側の設定よりも、高い頻度でデータを取得する設定でない場合、情報処理装置101は、通信装置102側の更新頻度情報を選択する(ステップS1906)。
尚、図19に示す更新頻度情報の選択処理は一例である。例えば、情報処理システム100は、天候情報や障害物の移動の有無等に応じて重要度設定が自動制御されている場合、自動制御された重要度設定及び更新頻度情報に応じて処理を行う。この自動制御は、通信装置102側で行われるものであっても良いし、情報処理装置101側で行われるものであっても良い。また、情報処理システム100は、重要度設定が自動制御されていない場合、通信装置102側の要度設定及び更新頻度情報、又は、情報処理装置101側の要度設定及び更新頻度情報に応じて処理を行う。好ましくは、情報処理システム100は、通信装置102側のデータの更新頻度と、情報処理装置101側のデータ更新頻度のうち、より高頻度の更新頻度に従って処理を行う。
(通信装置の処理の流れ)
図20は、第3の実施形態に係る通信装置の待機モードの処理の流れを示すフローチャートである。
通信装置102は、待機モードの処理を開始すると、ステップS2001において、更新頻度情報を変更するか否かを判断し、更新頻度情報を変更する場合、更新頻度情報の設定処理を行う(ステップS2002)。尚、更新頻度情報の設定処理については、図22を用いて後述する。一方、更新頻度情報を変更しない場合、通信装置102は、処理をステップ2003に移行させる。
ステップS2003に移行すると、通信装置102は、通信範囲設定の変更を行うか否かを判断する。例えば、図15の例では、主動作装置である通信装置102−2とデータを共有する通信装置102−1は、通信装置102−2からの指示に従って、通信範囲を変更するか否かを判断する。また、主動作装置である通信装置102−2は、例えば、通信装置102−1とデータ共有を開始するとき、通信装置102−2の通信範囲1502を変更し、通信装置102−1の通信範囲1501の変更を通信装置102−1に指示する。通信装置102は、ステップS2003において、通信範囲設定を変更すると判断した場合、ステップS2004において、通信範囲設定の設定値を変更し、例えば、変更した設定値を再読み込みすること等により通信装置102の通信範囲を変更する。
ステップS901では、第1の実施形態と同様に、情報処理装置101が障害物を検知したか否かを判断する。ステップS901において、情報処理装置101が障害物を検知したと判断された場合、通信装置102は、主動作判定フラグを有効(ON)に設定し(ステップS2009)、処理を検知モードに移行させる。一方、情報処理装置101が障害物を検知していないと判断された場合、ステップS2005以降の処理を実行する。
ステップS2005において、通信装置102は、他の通信装置102から主動作変更通知を受信したか否かを判断する。ステップS2005において、他の通信装置102から主動作変更通知を受信した場合、通信装置102は、主動作判定フラグを有効(ON)に設定する(ステップS2007)。また、通信装置102は、通知を送信した他の通信装置102に対して検知モードに移行する旨を通知し(ステップS2008)、処理を検知モードに移行させる。一方、ステップS2005において、他の通信装置102から主動作変更通知を受信していない場合、通信装置102は、処理をステップS2006に移行させる。
ステップS2006に移行すると、通信装置102は、他の通信装置102から並列制御通知を受信したか否かを判断する。ステップS2006において、他の通信装置102から並列制御通知を受信した場合、通信装置102は、通知を送信した他の通信装置102に対して検知モードに移行する旨を通知し(ステップS2008)、処理を検知モードに移行させる。一方、ステップS2006において、他の通信装置102から並列制御通知を受信していない場合、通信装置102は、処理をステップS902に移行させる。
ステップS902に移行すると、通信装置102は、図9に示す第1の実施形態の処理と同様に、所定の監視終了イベントが発生の有無を判断する。ステップS902において、監視終了イベントが発生していない場合、通信装置102は、ステップS2001に戻って同様の処理を繰り返す。一方、ステップS902において、監視終了イベントが発生した場合、通信装置102は、待機モードの処理を終了させる。
図21は、第3の実施形態に係る通信装置の検知モードの処理流れを示すフローチャートである。尚、図21のステップS1001〜S1017の処理は、図10に示す第1の実施形態の処理と同様なので、ここでは差分を中心に説明を行う。
図21のステップS1015において、障害物のデータに変化があると判断された場合、本実施形態に係る通信装置102は、ステップS2101以降の処理を実行する。
ステップS2101において、通信装置102は、障害物が所定の範囲外に移動し、まだ存在しているかどうかを判断する。
例えば、図15において、通信装置102−1は、障害物103の位置が、通信装置102−1の通信範囲1501から、通信装置102−2の通信範囲1502に移動した場合、障害物が所定の範囲外に移動したと判断することができる。或いは、通信装置102−1は、通信装置102−1と障害物103との間の距離が、通信装置102−2と障害物103との間の距離よりも遠くなった場合、障害物が所定の範囲外に移動したと判断するもの等であっても良い。また、通信装置102は、情報処理装置101から受信した障害物情報により、障害物がまだ存在しているか否かを判断することができる。
ステップS2101において、障害物が所定の範囲外に移動し、まだ存在していると判断された場合、通信装置102は、ステップS2105以降の処理を実行する。一方、ステップS2101において、障害物が所定の範囲外に移動し、まだ存在していると判断されない場合、通信装置102は、ステップS2102以降の処理を実行する。
ステップS2102において、通信装置102は、通信装置102が並列動作中であるか否かを判断する。通信装置102が並列動作中である場合、通信装置102は、ステップS1016に処理を移行させる。一方、通信装置102が並列動作中でない場合、通信装置102は、処理をステップS2103に移行させる。
ステップ2103に移行すると、通信装置102は、通信可能な他の通信装置102との間に障害物が存在しているか否かを判断する。他の通信装置102との間に障害物が存在していない場合、通信装置102は、処理をステップS1016に移行させる。一方、障害物が、他の通信装置102との間に存在している場合、通信装置102は、障害物により近い通信装置102に対して並列制御通知を送信し(ステップS2104)、ステップS1016に処理を移行させる。
尚、ステップS1016の処理は、第1の実施形態と同様である。
次に、ステップS2101において、障害物が所定の範囲外に移動し、まだ存在していると判断された場合の処理について説明する。
ステップS2101において、障害物が所定の範囲外に移動し、まだ存在していると判断された場合、通信装置102は、ステップS2105において、障害物により近い他の通信装置102に対して主動作変更通知を送信する。
ステップS2106において、通信装置102は、主動作変更通知を送信した他の通信装置102が、障害物検知モードへ移行したことを確認する。例えば、通信装置102は、他の通信装置102から、検知モードへ移行する旨の通知を受信したか否かによって、他の通信装置102が障害物検知モードへ移行したか否かを判断(確認)する。
ステップS2106で、主動作変更通知を送信した他の通信装置102が、障害物検知モードへ移行したことを確認した場合、通信装置102は、処理を待機モードへ移行させる。一方、ステップS2106で、主動作変更通知を送信した他の通信装置102が、障害物検知モードへ移行したことを確認できない場合、通信装置102は、ステップS2107において、規定の回数を超えるまで主動作変更通知の送信リトライを繰り返す。また、通信装置102は、ステップS2107において、送信リトライ回数が規定を超えると、処理をステップS2108に移行させる。
ステップS2108では、ステップS1017と同様に、画像データを含まない障害物情報を所定の範囲の情報処理装置101に一斉送信する。
図22は、第3の実施形態に係る通信装置の更新頻度情報の設定処理の流れを示すフローチャートである。
図20のステップS2002において、更新頻度情報の設定処理が開始されると、図22のステップS2201において、通信装置102は、通信装置102の重要度自動選択フラグが有効(ON)であるか否かを判断する。
通信装置102の重要度自動選択フラグが有効(ON)である場合、ステップS2203において、通信装置102は、図12の天候情報取得手段1203により、天候情報をチェックし、現在の天候を判断する。また、通信装置102は、ステップS2204において、天候に応じて更新頻度情報を自動選択し、処理をステップS2205に移行させる。例えば、通信装置102は、ステップS2203において天候が「雨」である場合、ステップS2204において、図13(a)の重要度Mode3(雨)1303の情報を自動的に選択する。
一方、通信装置102の重要度自動選択フラグが有効(ON)でない場合、通信装置102は、ステップS2202において、通信装置側の更新頻度情報を選択し、処理をステップS2205に移行させる。例えば、通信装置102は、管理者や管理サーバ等によって、更新頻度情報の重要度の設定が行われていない場合、ステップS2202において、デフォルトの重要度、例えば、図13(a)の重要度Mode1(晴れ)1301の情報等を選択する。
ステップS2205に移行すると、通信装置102は、ステップS2202、又はステップS2204で選択された情報を用いて、情報処理装置101に送信する情報(障害物情報等)に付加する通信装置102側の更新頻度情報を書き換える。
尚、図22に示す更新頻度情報の設定処理は一例である。例えば、通信装置102は、天候以外の情報、例えば、時間帯、気温、季節等に基づいて、更新頻度情報の重要度を選択するものであっても良い。
以上、第3の実施形態に係る情報処理システム100によれば、道路104に沿って設けられた2つ以上の通信装置102を用いて、より広範囲の情報処理装置101に障害物情報を通知することができる。また、情報処理システム100は、障害物の移動に応じて、障害物情報の受信、通知等処理を主に行う通信装置102を自動的に切替えることができる。
[第4の実施形態]
第1の実施形態に係る通信装置102は、1つの通信手段518を用いて、障害物に関する情報を複数の情報処理装置101に送信していた。しかし、障害物との距離が近い情報処理装置101と、障害物との距離が離れている情報処理装置101とでは、必要な情報や更新頻度が異なる場合がある。
図23は、第4の実施形態に係る情報処理システムの概要を説明するための図である。
図23(a)は、情報処理システム100の構成の一例である。図23(a)において、障害物103との距離が離れている情報処理装置101−4には、動いている障害物よりも、制止している障害物、例えば、工事看板や停止車両等の情報が重要であると考えられる。なぜならば、動く障害物は情報処理装置101が、障害物の発見地点に到達した際に他の地点に移動してしまっている可能性があるためである。また、この場合、頻繁な障害物の情報の更新は必ずしも必要ではない。
一方、障害物との距離が近い情報処理装置101−2は、静止している障害物よりも動く障害物、例えば、人、二輪車、動物等の方が危険度が高いので、動く障害物の情報の重要度がより高くなる。また、この場合、障害物の情報は比較的短い時間間隔(例えば、5秒間隔等)で更新されることが望ましい。
図23(a)の例では、通信装置102は、近距離(例えば100m未満)用の通信手段、中距離(例えば1km未満)用の通信手段、遠距離(例えば1km以上)用の通信手段等、通信範囲が異なる3つ通信手段を有しているものとする。尚、3つの通信手段はあくまで一例であり、通信範囲が異なる複数の通信手段の数は2つ以上の他の数であっても良い。また、各距離の値も一例である。
上記の構成により、例えば、通信装置102は、近距離用の通信手段を用いて動く障害物の情報を、比較的短い時間間隔(例えば5秒間隔)で送信する。また、通信装置102は、中距離用の通信手段を用いて動く障害物の情報を、近距離用も通信手段よりも長い時間間隔(例えば30秒間隔)で送信する。さらに、通信装置102は、遠距離用の通信手段を用いて静止している障害物の情報を、比較的長い時間間隔(例えば1分間隔)で送信する。例えば、このような制御を行うことにより、各情報処理装置101に、障害物103との距離に応じた適切な情報が通知されるようになる。尚、上記の時間間隔及び、通知する情報の内容はあくまで一例である。
図23(b)は、情報処理システム100の構成の別の一例である。図23(b)は、例えば、高速道路等のように、複数の車両が同じ方向に進行しており、道路104に沿って複数の通信装置102−1〜102−3が設定されている場合の例を示している。尚、通信装置102−1は通信装置102−2と通信可能であり、通信装置102−2は通信装置102−3と通信可能であるものとする。このような場合、通信装置102−1は、通信装置102−2を中距離用の通信手段として利用し、通信装置102−3を遠距離用の通信手段として用いることができる。
例えば、通信装置102−1は、自装置で、動く障害物の情報を比較的短い時間間隔(例えば5秒間隔)で送信する。また、通信装置102−1は、通信装置102−2に、動く障害物の情報をより長い時間間隔(例えば30秒間隔)で送信を指示する。さらに、通信装置102−1は、通信装置102−2を介して通信装置102−3に、静止している障害物の情報を、さらに長い時間間隔(例えば1分間隔)で送信を指示する。このように、通信装置102は、通信範囲が異なる複数の通信手段として、他の通信装置102を用いることも可能である。
尚、図23(a)、(b)のシステム構成は一例である。本実施形態に係る通信装置102は、互いに通信範囲が異なる複数の通信手段を用いて、障害物との距離に応じた障害物の情報を情報処理装置101に通知するものであれば良い。また、通信範囲が異なる複数の通信手段は、図24(a)の例のように通信装置102が有していても良いし、図24(b)の例のように通信装置102の外部の通信手段を利用するものであっても良い。
<ハードウェア構成>
図24は、第4の実施形態に係る通信装置のハードウェア構成例を示す図である。本実施形態に係る通信装置102は、図4に示す一実施形態に係る通信装置102の通信部404に代えて、複数の通信部(第1の通信部2401、第2の通信部2402、…)を有している。尚、本実施形態に係る通信装置102は、複数の通信手段として外部の通信手段を利用する場合、図4に示す通信装置102の構成を有していても良い。
<機能構成>
(通信装置の機能構成)
図25は、第4の実施形態に係る通信装置の機能構成図である。本実施形態に係る通信装置102は、図16に示す第3の実施形態に係る通信装置102の構成に加えて、振分情報管理手段2501、データ解析手段2502、データ振分手段2503、通知範囲決定手段2504等を有する。尚、振分情報管理手段2501、データ解析手段2502、データ振分手段2503、及び通知範囲決定手段2504は、例えば、CPU401で動作するプログラムによって実現される。
また、本実施形態に係る通信装置102は、通信範囲が異なる複数の通信手段、例えば、通信手段A2505、通信手段B2506、通信手段C2507等を有する。尚、複数の通信手段の数は一例であり、2つ以上の他の数であっても良い。また、通信手段A2504以外の通信手段B2506、通信手段C2507等は、通信装置102の外部に設けられていても良い。
尚、上記以外の構成は、図16に示す第3の実施形態に係る通信装置102と同様なので、ここでは差分を中心に説明する。また、情報処理装置101の構成は、図5に示す第1の実施形態に係る情報処理装置101と同様で良い。
振分情報管理手段2501は、複数の障害物の種類(例えば、歩行者、看板、車両等)と、障害物の情報の通知範囲(例えば、近距離、中距離、遠距離等)とを対応づけて記憶した情報である振分情報を、記憶手段524に記憶して管理する。振分情報管理手段2501が管理する振分情報の例を図26に示す。
図26は、第4の実施形態に係る振分情報の例を示す図である。図26の例では、振分情報は、複数の障害物の種類と、対応する通知範囲が対応づけて記憶されている。尚、通知範囲の「○」は「通知」を示し、「×」は「非通知」を示すものとする。例えば、障害物の種類が「歩行者」の場合、通知範囲は「近距離(通信手段A)」となる。また、障害物の種類が特定できない場合、障害物の種類は「不明」となり、その通知範囲は「近距離(通信手段A)」、「中距離(通信手段B)」、及び「遠距離(通信手段C)」となる。
図26の例では、時間の変化に応じて障害物が動く可能性があるもの(歩行者、二輪車等)に関しては、車両に危険を与える可能性が高いため、障害物までの距離が近い場所にある情報処理装置101に情報を通知する。一方、まだ障害物までの距離が遠い場所にある情報処理装置101に対しては、障害物を発見した場所に到達したときに、障害物が既に動いてなくなっている可能性があるため、情報を通知しないように設定されている。
また、時間の変化によらず止まっている可能性が高いもの(静止している看板等)に関しては、障害物の近くにきても危険度が低いため、障害物までの距離がある所で事前に障害物があることを通知すれば良いと考えられる。これは、障害物の近くでは周囲の実際に目で見た障害物の情報が得られるためである。そのため、図26の例では、近くを走る車両には静止している障害物の情報を通知しない設定となっている。
図26の例では、通信手段Aからは、歩行者、二輪車、逆走車両情報を送信し、通信手段Bからは、二輪車、駐車車両、落下物(ゴミ)、逆走車両情報を、情報処理装置101に対してブロードキャスト送信する。また、通信手段Cからは駐車車両、工事看板、落下物(ゴミ)、逆走車両情報を、情報処理装置101に対してブロードキャスト送信する。
尚、上記の振り分けはあくまで一例であり、障害物の種類に対応する送信範囲の振り分け方法は、任意の方法であって良い。
図25に戻って、通信装置102の機能構成の説明を続ける。
データ解析手段2502は、情報処理装置101から受け取った障害物に関する距離情報(相対距離)、画像データ等を、例えば、既存のデータベース等と比較して、障害物の種類や、大きさ等を解析する。例えば、通信装置102は、記憶手段524に、図26の障害物の種類に含まれる各障害物の特徴情報を予め記憶しておく。また、データ解析手段2502は、情報処理装置101から受け取った障害物の特徴情報を抽出し、予め記憶した障害物の特徴情報と比較すること等により、障害物の種類を解析することができる。
また、受信手段519が受信した障害物の情報と受信手段519が前回受信した同じ種類の障害物の情報とを比較し、データがどれだけ変化したかを解析する。
データ振分手段2503は、データ解析手段2502で解析された障害物情報の種類、大きさに応じて、障害物を前述した振分情報の複数の障害物の種類に振り分ける。
通知範囲決定手段2504は、データ振分手段2503によって振り分けられた障害物の種別と、振分情報管理手段2501によって管理される振分情報に基づいて、障害物の情報を送信する通知範囲や、通信手段等を決定する。また、通知範囲決定手段2504は、通信手段A〜通信手段Cの通信範囲(電波の到達距離等)の設定等も行う。
通信手段A2505は、図16に示す第3の実施形態の通信手段518に相当し、情報処理装置101や、他の通信装置102との通信を行う。
通信手段B2506は、通信手段A2505と同様に、情報処理装置101や、他の通信装置102との通信を行う手段であり、通信範囲(例えば電波の到達距離)が通信手段A2505と異なる。
通信手段C2507は、通信手段A2505、通信手段B2506と同様に、情報処理装置101や、他の通信装置102との通信を行う手段であり、通信範囲(例えば電波の到達距離)が通信手段A2505及び通信手段B2506と異なる。
通信手段A2505、通信手段B2506、及び通信手段C2507は、例えば、図24の第1の通信部2401、第2の通信部2402等によって実現される。
通信手段A2505、通信手段B2506、及び通信手段C2507は、例えば、互いに異なる通信方式(プロトコル)により無線通信を行う。例えば、通信手段A2505は、比較的通信範囲が狭い、近距離無線通信、無線PAN(Personal Area Network)等の無線通信を用いるものであっても良い。また、通信手段B2506は、無線LANや、無線LANの組合せ等の無線通信を用いるものであっても良い。また、通信手段C2507は、例えば、3G(3rd Generation)、WiMAX(登録商標)(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、LTE(Long Term Evolution)等の無線通信を用いるものであっても良い。
ただし、これらの無線通信はあくまで一例であり、通信手段A2505、通信手段B2506、及び通信手段C2507は、少なくとも一部が同じ通信方式の無線通信を利用するものであっても良い。
上記の構成により、通信装置102は、情報処理装置101から受信した障害物を複数の障害物の種類に振り分ける。また、通信装置102は、振り分けられた障害物の種類と、予め記憶した振分情報とに基づいて、障害物の情報の通知範囲を決定し、通知範囲に対応する通信手段を用いて障害物の情報を情報処理装置101に送信する。
<処理の流れ>
続いて、第4の実施形態における処理の流れを説明する。尚、基本的な処理は、第3の実施形態と共通なので、ここでは差分を中心に説明を行う。
(通信装置の待機モードの処理)
図27は、第4の実施形態に係る通信装置の待機モードの処理の例を示すフローチャートである。
ステップS2701において、通信装置102は待機モードの処理を開始すると、障害物データを送信するための各種の初期設定を行う設定変更処理を行う。尚、設定変更処理の例については、図28で説明する。
ステップS2702に移行すると、通信装置102は、情報処理装置101が障害物を検知したか否かを、例えば、車両等に搭載された情報処理装置101から受信した障害物検知通知の有無によって判断する。受信した障害物検知通知がある場合、通信装置102は、ステップS2709において主動作判定フラグを有効(ON)に設定し、処理を検知モードに移行させる。一方、受信した障害物検知通知がない場合、通信装置102は、ステップS2703以降の処理を実行する。
ステップS2703に移行すると、通信装置102は、他の通信装置102から主動作変更通知を受信したか否かを判断する。他の通信装置102から主動作変更通知を受信した場合、通信装置102は、ステップS2707において、主動作判定フラグを有効(ON)に設定する。また、通信装置102は、通知を送信した他の通信装置102に対して検知モードに移行する旨をステップS2708で通知し、処理を検知モードへ移行させる。一方、他の通信装置102から主動作変更通知を受信していない場合、通信装置102は、処理をステップS2704へ移行させる。
ステップS2704に移行すると、通信装置102は、他の通信装置102から並列制御通知を受信したか否かを判断する。他の通信装置102から並列制御通知を受信した場合、通信装置102は、ステップS2708において、通知を送信した他の通信装置102に対して検知モードに移行する旨を通知し、処理を検知モードに移行させる。一方、他の通信装置102から並列制御通知を受信していない場合、通信装置102は、処理をステップS2705に移行させる。
ステップS2705に移行すると、通信装置102は、設定変更イベントが発生したか否かを判断する。ステップS2705において、設定変更イベントが発生していた場合、処理をステップS2701に移行させ、設定変更処理を行う。設定変更イベントが発生していない場合、処理をステップS2706に移行させる。尚、設定変更イベントは、例えば、管理者による設定操作を受け付けた場合や、設定変更を要求する所定の通知を受信した場合等に発生する。
ステップS2706に移行すると、通信装置102は、監視終了イベントの発生の有無を判断する。ステップS2706において、監視終了イベントが発生していない場合、通信装置102は、ステップS2702に戻って同様の処理を繰り返す。一方、ステップS2706において、監視終了イベントが発生した場合、通信装置102は、待機モードの処理を終了させる。尚、監視終了イベントは、例えば、管理者による設定操作を受け付けた場合や、設定変更を要求する所定の通知を受信した場合等に発生する。
(通信装置の設定変更処理)
図28は、第4の実施形態に係る通信装置の設定変更処理の例を示すフローチャートである。通信装置102は、この設定変更処理により、障害物の情報を送信するための各種の設定を行う。
ステップS2801において、通信装置102は、例えば、利用者(管理者)等による所定の操作や、所定の通知等の有無等により、振分情報(データ振分テーブル)を再設定するか否かを判断する。振分情報を再設定すると判断された場合、ステップS2802において、通信装置102の振分情報管理手段2501は、例えば、利用者(管理者)等による所定の操作や、所定の通知等に応じて、振分情報の設定を変更し、ステップS2803に移行する。例えば、振分情報管理手段2501は、複数の振分情報を予め記憶手段524に記憶しておき、ステップS2802において、利用する振分情報を選択するものであっても良い。或いは、振分情報管理手段2501は、利用者(管理者)等による所定の操作や、所定の通知等により受け付けた情報を記憶手段524に振分情報として記憶するものであっても良い。
一方、振分情報を再設定しないと判断された場合、通信装置102は、処理をステップS2803に移行させる。
ステップS2803に移行すると、通信装置102の通知制御手段521は、例えば、利用者(管理者)等による所定の操作や、所定の通知等に応じて、通信手段A〜通信手段Cの情報の送信頻度の設定を変更するか否かを判断する。情報の送信頻度を変更すると判断された場合、ステップS2804において、通知制御手段521は、例えば、利用者(管理者)等による所定の操作や、所定の通知等に応じて、各通信手段の情報の送信間隔を設定し、処理をステップS2805へ移行させる。ステップS2803において、データの送信頻度を変更しないと判断された場合、通信装置102は処理をステップS2805へ移行させる。
ステップS2805に移行すると、通信装置102は、例えば、利用者(管理者)等による所定の操作や、所定の通知等に応じて、通信手段A〜通信手段Bの通信範囲の設定を行うか否かを判断する。例えば、通信手段Aの規定の通信範囲を100mとした場合、送信出力の調整等により通信範囲の設定を80m〜120m程度の範囲等で変更可能であるものとする。また、同様に、通信手段B及び通信手段Cの通信範囲の設定も変更可能であるものとする。通信範囲の設定を変更すると判断された場合、ステップS2806において、通信装置102の通知範囲決定手段2504は、例えば、利用者(管理者)等による所定の操作や、所定の通知等に応じて、通信範囲設定の設定値を通信手段毎に設定する。また、通信手段A〜通信手段Cは、設定された新たな設定値を読み込むこと等により、各通信手段の通信範囲を設定(変更)する。
(通信装置の検知モードの処理)
図29は、第4の実施形態に係る通信装置の検知モードの処理の例を示すフローチャートである。通信装置102は、図29に示す検知モードの処理によって、障害物の情報を情報処理装置101から取得して解析し、他の情報処理装置へ障害物の情報を送信する。
ステップS2901において、通信装置102は、受信したデータが障害物の最初の検知情報であることを示す障害物初期データ受信フラグをOFFに設定し、ステップS2902へ処理を移行させる。
ステップS2902に移行すると、通信装置102は、障害物を検知した情報処理装置101に、障害物の情報の送信を要求するデータ送信命令を送信する。
ステップS2903おいて、通信装置102は、所定の期間データの受信を待つ。
ステップS2904において、通信装置102は、データ送信命令を送信した情報処理装置101からデータを受信できない場合、規定回数を超えるまでデータ送信命令の送信を繰り返す(ステップS2905)。また、通信装置102は、ステップS2905において、データ送信命令の送信回数が規定回数を超えると、処理を待機モード(図5)に移行させる。一方、通信装置102は、データ送信命令を送信した情報処理装置101からデータを受信した場合、ステップS2906移行の処理を実行する。
ステップS2906において、通信装置102のデータ解析手段2502は、受信したデータのデータ解析処理を行う。尚、データ解析処理については、図30を用いて後述する。
ステップS2907において、通信装置102は、規定の時間待機した後、ステップS2908おいて、先ほど障害物が検知された付近にある情報処理装置101に対してデータ更新命令を送信する。例えば、通信装置102は、道路104に沿って複数のアンテナを有し、先ほど障害物情報を受信したアンテナを用いて、データ更新命令を送信するものであっても良い。尚、障害物が検知された付近にある情報処理装置101に対してデータ更新命令を送信するのはあくまで一例であり、所定の範囲の情報処理装置101にブロードキャスト送信を行うものであっても良い。
ステップS2909において、通信装置102は、所定の時間データの受信待ちを行い、ステップS2910において、データを受信できない場合、規定回数を超えるまでデータ更新命令の送信を繰り返す(ステップS2911)。また、通信装置102は、ステップS2911において、データ送信命令の送信回数が規定回数を超えると、ステップS2912で障害物初期データ受信フラグをOFFに設定し、処理を待機モード(図5)に移行させる。一方、ステップS2910において、データを受信した場合、通信装置102は、ステップS2913以降の処理を実行する。
ステップS2913において、主動作変更通知フラグがONの場合、通信装置102は、ステップS2916以降の処理を実行する。一方、ステップS2913において、主動作変更通知フラグがOFFの場合、通信装置102は、ステップS2914以降の処理を実行する。
ステップS2914において、通信装置102は、通信装置102が並列動作中であるか否かを示す並列制御通知フラグがONであるか否かを判断する。並列制御通知フラグがONである場合、通信装置102は、ステップS2915に処理を移行させる。一方、並列制御通知フラグがOFFの場合、通信装置10は、処理をステップS2906に戻して、同様の処理を行う。
ステップS2915に移行すると、通信装置102は、障害物により近い通信装置102に対して並列制御通知を送信し、ステップS2906に処理を戻して、同様の処理を行う。
次に、ステップS2913において、主動作変更通知フラグがONの場合の処理について説明する。
ステップS2913において、主動作変更通知フラグがONの場合、通信装置102は、ステップS2916において、障害物により近い他の通信装置102に対して主動作変更通知を送信する。
ステップS2917において、通信装置102は、主動作変更通知を送信した他の通信装置102が、障害物検知モードへ移行したことを確認する。例えば、通信装置102は、他の通信装置102から、検知モードへ移行する旨の通知を受信したか否かによって、他の通信装置102が障害物検知モードへ移行したか否かを判断(確認)する。
ステップS2917において、主動作変更通知を送信した他の通信装置102が、障害物検知モードへ移行したことを確認した場合、通信装置102は、ステップS2920において主動作変更通知フラグをOFFにした後、処理を待機モードへ移行させる。一方、ステップS2917において、主動作変更通知を送信した他の通信装置102が、障害物検知モードへ移行したことを確認できない場合、通信装置102は、ステップS2918において、規定の回数を超えるまで主動作変更通知の送信リトライを繰り返す。また、通信装置102は、ステップS2918において、送信リトライ回数が規定を超えると、ステップS2919において、エラー通知をシステム管理者に送信する。さらに、通信装置102は、ステップS2920において主動作変更通知フラグをOFFにした後、処理を待機モードへ移行させる。
(通信装置のデータ解析処理)
図30は、第4の実施形態に係る通信装置のデータ解析処理の例を示すフローチャートである。このデータ解析処理により、通信装置102は、情報処理装置101から送られてきた障害物データを解析することにより、障害物種の特定、通信手段への振り分け、別の情報処理装置101への解析結果の送信を行うことができる。
ステップS3001において、通信装置102は、障害物がなくなったことを示す通知の有無を判断する。障害物がなくなったことを示す通知は、例えば、情報処理装置101から通知されるものであっても良いし、他の通信装置102から通知されるものであっても良い。或いは、障害物がなくなったことを示す通知は、管理者や、管理サーバ等から通知されるもの等であっても良い。障害物がなくなったことを示す通知がある場合、通信装置102は、処理を待機モード(図5)に移行させる。一方、障害物がなくなったことを示す通知がない場合、通信装置102は、処理をステップS3002に移行させる。
ステップS3002において、通信装置102は、情報処理装置101から受け取った障害物のデータをデータ解析手段2502で、障害物の種類や大きさ等の解析を行う。また、ここで前回受信したデータと比較し障害物が動くものであるかどうかの判断を行い、後述するデータ振分の際に一つの指標として用いても良い。
ステップS3003において、通信装置102のデータ解析手段2502は、ステップS3002における解析結果より、障害物の種類が何であるか、大きさはどれくらいであるか等の決定を行う。
ステップS3004において、通信装置102のデータ振分手段2503は、ステップS3003で決定された障害物の種類から、予め記憶した振分情報(図26)の障害物の種類のうち、どのグループに該当するかの振分を行う。
ステップS3005において、通信装置102の通知範囲決定手段2504は、ステップS3004で振分られた障害物の種類と、予め記憶した振分情報とに基づいて、障害物の情報(データ)を送信する通信手段を決定する(各通信手段への振分を行う)。
ステップS3006において、通信装置102は、受信したデータが障害物の最初の検知情報であることを示す障害物初期データ受信フラグがONであるかどうかの判断を行う。ステップS3006において、障害物初期データ受信フラグがONの場合、通信装置102は、ステップS3011移行の処理を実行する。一方、障害物初期データ受信フラグがOFFの場合、通信装置102は、処理をステップS3007へ移行させる。尚、これ以降の処理は、例えば、通信手段毎にそれぞれ処理が行われる。
ステップS3007に移行すると、通信装置102は、障害物初期データ受信フラグをOFFからONに変更する。
ステップS3008において、通信装置102の相対位置計算手段522は、自装置(通信装置102)と障害物との相対位置を計算する。
ステップS3009において、通信装置102の通知手段520は、画像データと相対位置データに基づいて、各通信手段毎の送信データ(障害物の情報)を作成する。
ステップS3010において、ステップS3009作成した画像データを含む障害物の情報を各通信手段から、所定の範囲の情報処理装置101に一斉送信し、データ解析処理を終了する。(図29のステップS2907へ移行する。)
続いて、ステップS3006において、障害物初期データ受信フラグがONの場合の処理について説明する。
ステップS3011に移行すると、通信装置102は、新しいデータが情報処理装置101から入力されたか否かによって処理を分岐させる。新しいデータが情報処理装置101から入力された場合、通信装置102は、処理をステップS3012へ移行させて障害物データの上書きを行った後、処理をステップS3013へ移行させる。一方、新しいデータが入力されない場合、通信装置102は、障害物データの上書きを行わずに、処理をステップS3013へ移行させる。
ステップS3013に移行すると、通信手段A〜通信手段C毎に設定されたデータ更新頻度に応じて設定された処理待ち時間を経過したか否かを判断する。通信手段毎に設定された処理待ち時間を経過すると、通信装置102は、ステップS3014移行の処理を実行する。一方、処理待ち時間を経過していない場合、ステップS3011に戻って、処理を繰り返す。尚、通信手段毎に設定されたデータ更新頻度は一例であり、データ更新頻度は、通信装置102に設定された更新頻度等であっても良い。
ステップS3014に移行すると、通信装置102の相対位置計算手段522は、自装置(通信装置102)と障害物との相対位置を計算する。
ステップS3015において、通信装置102は、障害物の画像データを、記憶部(記憶手段524)に記憶した前回の障害物のデータと比較し、障害物のデータに、所定の変化量以上の変化があるか否かを判断する。
ステップS3016において、障害物のデータに所定の変化量よりも大きい変化がある場合、通信装置102は、処理をステップS3018に移行させる。一方、障害物のデータに所定の変化量よりも大きい変化がない場合、通信装置102は、処理をステップS3017に移行させる。ステップS3017に移行すると、通信装置102の通知手段520は、各通信手段を用いて、画像データを含まない障害物の情報を情報処理装置101に一斉送信し、データ解析処理を終了する。(図29のステップS2907へ移行する。)
ステップS3018に移行すると、通信装置102は、障害物が所定の範囲外に移動し、まだ存在しているか否かを判断する。障害物が所定の範囲外に移動し、まだ存在していると判断された場合、通信装置102は、処理をステップS3019に移行させる。一方、障害物が所定の範囲外に移動し、まだ存在していると判断されない場合、通信装置102は、処理をステップS3021に移行させる。
ステップS3019に移行すると、通信装置102は、現在の範囲内に今まで把握していた障害物以外の別の障害物が存在しているか否かを判断する。現在の範囲内に今まで把握していた障害物以外の別の障害物が存在していると判断された場合、通信装置102は、処理をステップS3021に移行させる。一方、現在の範囲内に今まで把握していた障害物以外の別の障害物が存在していないと判断された場合、通信装置102は、ステップS3020において主動作変更通知フラグをONに設定し、処理をステップS3021に移行させる。
ステップS3021に移行すると、通信装置102は、通信装置102が並列動作中であるか否かを判断する。通信装置102が並列動作中である場合、通信装置102は、ステップS3024に処理を移行させる。一方、通信装置102が並列動作中でない場合、通信装置102は、処理をステップS3022に移行させる。
ステップS3022に移行すると、通信装置102は、障害物が別の通信装置102との間に存在しているか否かを判断する。障害物が別の通信装置102との間に存在している場合、通信装置102は、ステップS3023において、並列通知フラグをONに設定した後、処理をステップS3024に移行させる。一方、障害物が別の通信装置102との間に存在していない場合、通信装置102は、並列通知フラグを変更せずに、処理をステップS3024に移行させる。
ステップS3024において、通信装置102の通知手段520は、画像データと相対位置データより送信データの作成を行う。
ステップS3025において、通信装置102の通知手段520は、ステップS3024で作成した障害物の情報を、各通信手段を用いて、所定の範囲の情報処理装置101に一斉送信し、データ解析処理を終了する。(図29のステップS2907へ移行する。)
続いて、第4の実施形態に係る情報処理装置の処理の例について説明する。
(情報処理装置の待機モードの処理)
図31は、第4の実施形態に係る情報処理装置の待機モードの処理の例を示すフローチャートである。
図31において、情報処理装置101は、例えば、情報処理装置101を搭載した車両のエンジンをかけること等に応じて、待機モードの処理を開始する。
ステップS3101において、情報処理装置101は、通信装置102等の所定の外部装置から受信した障害物情報があるか否かを判断する。受信した障害物情報がない場合、情報処理装置101は、処理をステップS3102に移行させる。一方、受信した障害物情報がある場合、情報処理装置101は、処理を「データ受信モード」に移行させる。尚、データ受信モードについては図32を用いて後述する。
ステップS3102に移行すると、情報処理装置101は、検知手段503が障害物を検知したか否かを判断する。障害物を検知していない場合、情報処理装置101は、処理をステップS3103に移行させる。一方、障害物を検知した場合、情報処理装置101は、処理を「障害物検知モード」に移行させる。尚、障害物検知モードについては、図33を用いて後述する。
ステップS3103に移行すると、情報処理装置101は、情報処理装置101を搭載した車両のエンジンが停止したか否かを判断する。車両のエンジンが停止していない場合、情報処理装置101はステップS3101に戻って同様の処理を繰り返す。一方、車両のエンジンが停止している場合、情報処理装置101は、処理を終了する。
(情報処理装置のデータ受信モードの処理)
図32は、第4の実施形態に係る情報処理装置のデータ受信モードの処理の例を示すフローチャートである。尚、データ受信モードは、情報処理装置101が、通信装置102等の外部装置から障害物の情報の通知を受けた場合の処理の例である。
ステップS3201において、情報処理装置101の情報受信手段506は、通信装置102から障害物情報を受信し、記憶手段513に、例えば、受信した障害物情報516として記憶する。
ステップS3202において、情報処理装置101の位置情報取得手段515は、情報処理装置101に対応する車両(以下、自車と呼ぶ)の位置情報を取得する。
ステップS3203において、相対位置計算手段510は、位置情報取得手段515によって取得された自車の位置情報と、記憶手段513に記憶された受信した障害物情報516とにより、自車と障害物との相対位置を計算する。相対位置計算手段510が計算する自車と障害物との相対位置は、例えば、自車と障害物との間の距離や、障害物に達するまでの所要時間(予測値)等の情報であっても良い。
ステップS3204において、受信した障害物情報516が障害物の画像データを含む場合、情報処理装置101は、処理をステップS3205に移行させる。一方、受信した障害物情報516が障害物の画像データを含まない場合、情報処理装置101は、処理をステップS3215に移行させる。
ステップS3205に移行すると、情報処理装置101の変換手段509は、受信した障害物情報516に含まれる障害物の画像データを、自車の視点に変換して表示画像を作成する。例えば、変換手段509は、障害物までの距離が遠い場合、障害物の画像データを小さく縮小し、障害物までの距離が近い場合、障害物の画像データの縮小率を下げる(又は縮小行わない)等の変換を行う。好ましくは、変換手段509は、例えば、道路104が曲がっている場合等、自車から障害物を見た場合の角度が、障害物の画像データと異なる場合、障害物の画像に回転処理を行うこと等により障害物の画像データを自車の視点に変換する。
ステップS3206において、情報処理装置101の表示制御手段508は、ステップS3203で計算された相対位置情報等を用いて、表示入力手段507に表示させるメッセージ情報を作成する。このとき作成されるメッセージ情報は、例えば、自車から障害物までの距離や、障害物に到達するまでの所要時間等の情報を含むことが望ましい。
ステップS3207において、表示制御手段508は、ステップS3205で作成された表示画像と、ステップS3206で作成されたメッセージ情報と、を表示入力手段507に表示させる。
ステップS3208において、情報処理装置101は、ステップS3207で表示した表示画像を、記憶手段513に表示画像517として記憶する。
ステップS3209に移行すると、情報処理装置101は、検知手段503が障害物を検知したかどうかを判断する。障害物を検知していない場合、情報処理装置101は、処理をステップS3210に移行させる。一方、障害物を検知した場合、情報処理装置101は、処理を「障害物検知モード」に移行させる。尚、障害物検知モードの処理については、図33を用いて後述する。
ステップS3210において、情報処理装置101は、通信装置102から、複数の通信装置102が並列処理を行うことを通知する並列制御通知を受信したか否かを判断する。この並列制御通知には、例えば、主動作装置となる通信装置102の情報等が含まれる。
ステップS3210において、並列制御通知を受信している場合、情報処理装置101は、ステップS3212において、主動作装置となる通信装置102の位置情報を更新し、ステップS3213に処理を移行させる。一方、ステップS3210において、並列制御通知を受信していない場合、情報処理装置101は、ステップS3211に処理を移行させる。
ステップS3211に移行すると、情報処理装置101は、通信装置102から、主動作装置の変更を通知する主動作変更通知を受信したか否かを判断する。この主動作変更通知には、例えば、新たに主動作装置となる通信装置102の情報等が含まれる。
ステップS3211において、主動作変更通知を受信している場合、情報処理装置101は、ステップS3212において、新たに主動作装置となる通信装置102の位置情報を更新し、ステップS3213に処理を移行させる。一方、ステップS3211において、主動作変更通知を受信していない場合、情報処理装置101はステップS3213に処理を移行させる。
ステップS3213に移行すると、情報処理装置101は、通信装置102等からデータ(障害物情報等)を受信したか否かを判断する。データを受信した場合、情報処理装置101は、処理をステップS3201に戻して、同様の処理を繰り返す。一方、データを受信していない場合、情報処理装置101は、処理をステップS3214に移行させる。
ステップS3214に移行すると、情報処理装置101は、障害物を通り過ぎたかどうかを、例えば、自車の現在の位置や、障害物までの所要時間等から判断する。障害物を通り過ぎたと判断した場合、情報処理装置101は、処理を待機モード(図31)に移行させる。一方、障害物を通り過ぎていないと判断した場合、情報処理装置101は、処理をステップS3209に戻して、同様の処理を繰り返す。
以上、ステップS3204において、受信した障害物情報516が障害物の画像データを含む場合の処理について説明したが、次に、受信した障害物情報516が障害物の画像データを含まない場合の処理について説明する。
ステップS3204において、受信した障害物情報516が障害物の画像データを含まない場合、ステップS3215に移行し、記憶手段513に、ステップS3208で記憶された表示画像517があるかどうかを判断する。
ステップS3215において、記憶された表示画像517がない場合、情報処理装置101の表示制御手段508は、メッセージ情報を作成し(ステップS3224)、作成したメッセージ情報を表示入力手段507に表示させる(ステップS3225)。一方、記憶された表示画像517がある場合、情報処理装置101は、ステップS3216以降の処理を実行する。
ステップS3216に移行すると、情報処理装置101は、自車と障害物との相対位置を前回の値と比較する。
ステップS3217において、情報処理装置101は、自車と障害物との相対位置との比較結果が、予め定められた閾値を超えたか否かを判断する。比較結果が閾値を超えない場合、情報処理装置101の表示制御手段508は、メッセージ情報を作成し(ステップS3222)、画像の更新を行わずに、作成したメッセージ情報のみを更新する(ステップS3223)。一方、比較結果が閾値を超えた場合、情報処理装置101は、ステップS3218以降の処理を実行する。
ステップS3218において、情報処理装置101の変換手段509は、記憶手段513に記憶された障害物の画像データを、自車の視点に変換して表示画像を作成する。
ステップS3219において、情報処理装置101の表示制御手段508は、表示入力手段507に表示させるメッセージ情報を作成する。
ステップS3220において、表示制御手段508は、ステップS3218で作成された表示画像と、ステップS3219で作成されたメッセージ情報と、を表示入力手段507に表示させる。
ステップS3221において、情報処理装置101は、ステップS3220で表示した表示画像を、記憶手段513に表示画像517として記憶し、処理をステップS3209に移行させる。
上記の処理により、情報処理装置101は、複数の通信装置102による並列動作を開始する場合、又は主動作装置が変更された場合、新たに主動作装置となる通信装置102に対して所定の処理を行うことができるようになる。
(情報処理装置の検知モードの処理)
図33は、第4の実施形態に係る情報処理装置の検知モードの処理の例を示すフローチャートである。尚、障害物検知モード(検知モード)は、情報処理装置101が障害物を検知した場合の処理の例である。
ステップS3301において、情報処理装置101の情報送信手段505は、検知手段503が障害物を検知したことを通信装置102に通知する。
ステップS3302において、情報処理装置101は、通信装置102からの応答の有無を判断する。通信装置102からの応答がない場合、ステップS3301に戻って同様の処理を繰り返す。一方、通信装置102からの応答がある場合、情報処理装置101は、処理をステップS3303に移行させる。
ステップS3303に移行すると、情報処理装置101の取得手段504は、位置情報取得手段515により、自車の位置や、進行方向等を示す位置情報を取得する。
ステップS3304において、情報処理装置101の取得手段504は、検知手段503が検知した障害物の位置に係る情報を取得する。例えば、取得手段504は、距離情報取得手段514により取得した自車と障害物との間の距離を示す距離情報や、監視手段502により得られた障害物の画像等を取得する。
ステップS3305において、情報処理装置101の情報送信手段505は、取得手段504が取得した障害物の位置に係る情報と画像データを含む障害物情報を通信装置102に送信する。
ステップS3306において、情報処理装置101は、例えば、検知手段503により、障害物が検知できなくなったか否かを判断する。或いは、情報処理装置101は、例えば、相対位置計算手段510によって計算された自車と障害物との間の距離情報等により、障害物を通り過ぎたか否かを判断するものであっても良い。障害物を通り過ぎた場合、又は障害物を検知できなくなった場合、情報処理装置101は、処理を待機モード(図31)に移行させる。一方、障害物を通り過ぎていない場合、又は障害物を検知できる場合、情報処理装置101は、ステップS3301に処理を戻して、同様の処理を繰り返す。
このように、情報処理装置101は、車両の周辺を監視する監視手段502を用いて車両の周辺にある障害物103を検知する。また、検知された障害物103の位置に係る情報とその画像データを取得し、取得した障害物103の位置に係る情報と画像データを含む障害物情報を通信装置102に送信する。
また、情報処理装置101は、通信装置102から、障害物の位置に係る情報を受信すると、受信した障害物の情報に基づいて、障害物に関する情報を表示入力手段507に表示させる。
以上、本実施形態によれば、通信装置102は、通信範囲が異なる複数の通信手段を用いて、障害物103と情報処理装置101とに応じた情報を、情報処理装置101に提供することができるようになる。
[第5の実施形態]
第4の実施形態において、例えば、図23(a)に示すようなシステム構成とした場合、通信装置102の近くにある情報処理装置101−2は、近距離向けの障害物の情報に加えて、中距離向け、及び遠距離向けの障害物の情報も受信することになる。また、図23(b)に示すシステム構成のおいても、例えば、通信装置102−1による第1の通信範囲と、通信装置102−2による第2の通信範囲が重複するエリアでは、近距離向けの障害物の情報に加えて、中距離向けの障害物の情報を受信することになる。
これにより、通信装置102が受信した重要な情報が、必ずしも重要ではない情報に埋もれてしまう場合や、通信装置102が必ずしも必要ではない情報を処理しなければならないような場合がある。
第5の実施形態では、上記の問題点を解決する方法について説明する。また、周囲の状況等に応じて、振分情報を自動的に選択(変更)する方法についても説明する。
<機能構成>
(通信装置の機能構成)
図34は、第5の実施形態に係る通信装置の機能構成図である。本実施形態に係る通信装置102は、図25に示す第4の実施形態に係る通信装置102の構成に加えて、距離タグ生成手段3401、振分情報決定手段3402、周囲環境把握手段3403を有する。尚、距離タグ生成手段3401、振分情報決定手段3402、及び周囲環境把握手段3403は、例えば、CPU401で動作するプログラムによって実現される。
距離タグ生成手段3401は、例えば、図26に示す通知範囲のうち、「近距離」向けの情報であること、「中距離」向けの情報であること、「遠距離」向けの情報であること等を示す情報である距離タグを生成する手段である。前述したように、情報処理装置101は、複数の通信手段(通信手段A〜通信手段C)から送信された複数の情報を同時に受信する場合がある。そこで、本実施形態に係る通信装置102は、情報処理装置101に通知する障害物の情報に、距離タグを含めて送信する。これにより、情報処理装置101は、自装置の現在の位置で必要な障害物の情報を選択的に取得することができるようになる。
振分情報決定手段3402は、周囲環境把握手段3403で取得した情報に応じて算出された危険度に基づいて、予め記憶手段524に記憶した複数の振分情報の中から、利用する振分情報を決定する。
周囲環境把握手段3403は、例えば天候や、道路混雑度、気温等による道路凍結情報等を把握するための手段であり、例えば天候情報を取得する天候情報取得手段3404、道路の混雑情報を取得する混雑情報取得手段3405等を有する。またそれらの情報から現在の周囲環境の危険度を算出する危険度判定手段3406を有する。尚、振分情報決定手段3402は、振分情報の設定を手動で行うか、自動で行うかを設定する機能を有しているものであっても良い。
図36は、第5の実施形態に係る振分情報の例を示す図である。
通信装置102は、例えば、図36(a)に示すような危険度の振分情報を、記憶手段524に予め記憶しているものとする。危険度判定手段3406は、この危険度の振分情報を用いて、例えば、天候情報取得手段3404が取得した天候情報と、混雑情報取得手段3405が取得した混雑情報とに基づいて危険度を判定する。図36(a)の例では、危険度の数値が高いほど危険度が高いことを示している。
例えば、図36(a)の危険度の振分情報において、天候が「晴れ」、渋滞状況が「空」、霧が「なし」、凍結が「なし」の場合、危険度は「0」と判定され、危険度が低いと判断することができる。同様に、例えば、天候が「雪」、渋滞状況が「混雑」、霧が「あり」、凍結が「あり」の場合、危険度は「9」と判定され、危険度が高いと判断することができる。
さらに、通信装置102は、例えば、図36(b)、(c)に示すような、危険度に応じた複数の通信範囲の振分情報を、記憶手段524に予め記憶しているものとする。図36(b)は、危険度が「2」の場合の通信範囲の振分情報を示しており、図36(c)は、危険度が「7」の場合の通信範囲の振分情報を示している。図36(b)、(c)例では、危険度が高いほど、より広い範囲に対して障害物の情報を通知するように設定されている。
例えば危険度が「2」のとき、歩行者情報は近距離の通信手段からのみ情報を送信するが、危険度が「7」のときは、送信範囲を増やして近距離と中距離の通信手段からデータを送信する。通信装置102は、全ての危険度に対応させて、このような通信範囲の振分情報を記憶手段524に予め記憶しているものとする。
尚、図36に示す振分情報はあくまで一例である。例えば、危険度の振分情報は、天候情報や、混雑情報以外の周囲の環境情報を用いて危険度を判定するものであっても良い。また、通信範囲の振分情報は、図36とは異なる設定であっても良い。
(情報処理装置の機能構成)
図35は、第5の実施形態に係る情報処理装置の機能構成図である。本実施形態に係る情報処理装置101は、図5に示す第1の実施形態に係る情報処理装置101の構成に加えて、距離タグ判定手段3501、及び受信動作制御手段3502を有する。尚、距離タグ判定手段3501、及び受信動作制御手段3502は、例えば、CPU301で動作するプログラムによって実現される。
距離タグ判定手段3501は、通信装置102から受信した障害物の情報に含まれる距離タグの情報と、情報処理装置101の現在の位置情報を比較して、有効な距離タグを判定する。
受信動作制御手段3502は、距離タグ判定手段3501によって有効と判定された距離タグを含む障害物の情報を受信し、不要な情報を、例えば、廃棄する。
上記の構成により、情報処理装置101は、通信装置102から、複数の障害物の情報を受信した場合、距離タグに基づいて、必要な情報を選択的に取得することができるようになる。
<処理の流れ>
本実施形態における通信装置102の待機モードの処理は、図27に示す第4の実施形態の処理と同様で良い。また、本実施形態における通信装置102のデータ解析処理は、図30に示す第4の実施形態の処理と同様で良い。
(通信装置の周囲環境の監視処理)
図37は、第5の実施形態に係る通信装置の周囲環境の監視処理の例を示すフローチャートである。通信装置102の周囲環境把握手段3403は、例えば、通信装置102のシステム電源がONになること等に応じて、周囲環境の監視処理を開始する。
ステップS3701において、周囲環境把握手段3403の天候情報取得手段3404は、現在の天候を監視し、天候情報を取得する。尚、天候情報の取得方法は、例えば、ネットワーク上の情報提供サーバ等から情報を取得するものであっても良いし、天候情報取得手段3404が、温度、湿度、降水量等の情報を検知して、自律的に判断するもの等であっても良い。
ステップS3702において、周囲環境把握手段3403の混雑情報取得手段3405は、道路の混雑度を監視し、混雑情報を取得する。尚、混雑情報の取得方法は、例えば、ネットワーク上の情報提供サーバ等から情報を取得するものであっても良いし、混雑情報取得手段3405が、例えば、道路の撮像画像等に基づいて自律的に判断するものであっても良い。或いは、混雑情報取得手段3405は、情報処理装置101(カーナビゲーション装置等)から、混雑情報を取得するもの等であっても良い。
ステップS3703において、周囲環境把握手段3403の危険度判定手段3406は、上記周囲環境の情報状況から、図36(a)に示すような危険度の振分情報と照らし合わせて危険度の判定を行う。
ステップS3704において、ステップS3703で判定された危険度が、前回判定された危険度から変化したか否かを判断する。危険度が変化した場合、ステップS3703において、周囲環境把握手段3403は、周囲環境変化イベントフラグをONにし、ステップS3706に処理を移行させる。一方、危険度が変化していない場合、周囲環境把握手段3403は、周囲環境変化イベントフラグを変更せずに、ステップS3706に処理を移行させる。
ステップS3706に移行すると、周囲環境把握手段3403は、現在の危険度を、例えば記憶手段524等に保存する。
ステップS3707において、一定時間経過するまで待機(wait)する。
ステップS3708において、周囲環境把握手段3403は、システム(通信装置102等)が停止しているか否かを判断する。システムが停止していない場合、周囲環境把握手段3403は、処理をステップS3701に戻して、同様の処理を繰り返す。一方、システムが停止している場合、周囲環境把握手段3403は、周囲環境の監視処理を終了する。
(通信装置の設定変更処理)
図38は、第5の実施形態に係る通信装置の設定変更処理の例を示すフローチャートである。尚、図38のステップS2801〜S2806の処理は、図28に示す第4の実施形態の設定変更処理と同様なので、ここでは差分を中心に説明を行う。
ステップS3801において、通信装置102の振分情報決定手段3402は、例えば、利用者(管理者)等による所定の操作や、所定の通知等、或いは、予め設定された設定情報等により、振分情報の設定を手動で行うか、自動で行うかを決定する。
ステップS3802において、決定された振分情報の設定が自動設定モードでない場合、通信装置102は、処理をステップS2801に移行させて、第4の実施形態と同様に、手動で振分情報の設定を行う。一方、自動設定モードである場合、通信装置102は、処理をステップS2803へ移行させる。(ここでは振分情報の設定を行わない。)
(通信装置の検知モードの処理)
図39は、第5の実施形態に係る通信装置の検知モードの処理の例を示すフローチャートである。尚、図39のステップS2901〜S2902の処理は、図29に示す第4の実施形態に係る検知モードの処理と同様なので、ここでは差分を中心に説明する。
ステップS2904において、通信装置102は、データを受信するとステップS3901以降の処理を実行する。
ステップS3901において、通信装置102は、振分情報(振分テーブル)の設定が、自動設定モードであるか否かを判断する。自動設定モードでない場合、通信装置102は、処理をステップS2906に移行させる。一方、自動設定モードである場合、通信装置102は、処理をステップS3902に移行させる。
ステップS3902に移行すると、通信装置102は、周囲環境イベントフラグがONであるか否かを判断する。周囲環境イベントフラグがOFFである場合、通信装置102は、処理をステップS2906に移行させる。一方、周囲環境イベントフラグがONである場合、通信装置102は、処理をステップS3903に移行させる。尚、周囲環境イベントフラグは、通信装置102の周囲環境に変化がある場合に「ON」に設定されるものとする。
ステップS3903に移行すると、通信装置102は、周囲環境イベントフラグをONからOFFへ変化させ、処理をステップS3904に移行させる。
ステップS3904に移行すると、通信装置102の振分情報決定手段3402は、周囲環境把握手段3403によって判定された危険度に応じた振分情報を設定する。
上記の処理により、周囲の環境が変化した場合、周囲の環境の変化に応じた振分情報が、自動的に設定されるようになる。
(情報処理装置のデータ受信モードの処理)
図40は、第5の実施形態に係る情報処理装置のデータ受信モードの処理の例を示すフローチャートである。尚、図40において、ステップS3201〜S3214の処理は、図32に示す第4の実施形態に係るデータ受信モードの処理と同様なので、ここでは差分を中心に説明を行う。尚、情報処理装置101の待機モードの処理は、図31に示す第4の実施形態に係る待機モードの処理と同様で良い。また、情報処理装置101の検知モードの処理は、図33に示す第4の実施形態に係る検知モードと同様で良い。
ステップS4001において、情報処理装置101は、データ受信モードを開始してから、初めて障害物の情報を受信したか否かを判断する。初めて障害物情報を受信した場合、情報処理装置101は、処理をステップS3201に移行させる。一方、初めての障害物情報の受信ではない場合、すなわち、2回目以降の障害物情報の受信である場合、情報処理装置101は、処理をステップS4002に移行させる。
ステップS4002に移行すると、情報処理装置101の取得手段504は、自車の位置情報を取得する。これにより、情報処理装置101は、自車と障害物との間の距離を算出することができる。
ステップS4003において、情報処理装置101の距離タグ判定手段3501は、情報受信手段506が受信した情報に含まれる距離タグを取得する。
ステップS4004において、距離タグ判定手段3501は、自車と障害物との間の距離と、距離タグとを比較し、ステップS4005において、受信した障害物の情報が、現在の自車の位置で必要な情報であるか否かを判断する。
ステップS4005において、受信した障害物の情報が、現在の自車の位置で必要な情報であると判断された場合、情報処理装置101は、処理をステップS3203に移行させる。一方、受信した障害物の情報が、現在の自車の位置で必要な情報でないと判断された場合、ステップS4007において、情報処理装置101は、受信データを廃棄して、処理をステップS3209に移行させる。
上記の処理により、情報処理装置101は、通信装置102の複数の通信手段(通信手段A〜通信手段C)から重複して障害物の情報を受信した場合、現在の自車の位置に応じた障害物の情報を選択的に取得することができるようになる。これにより、情報処理装置101は、複数の通信手段から受信した複数の障害物の情報に関する処理の負荷を低減させると共に、利用者に必ずしも必要ではない情報を提供することを低減させることができる。
[第6の実施形態]
第4及び第5の実施形態により、通信装置102は、通信範囲の異なる複数の通信手段を用いて、障害物の情報を情報処理装置101に通知する構成について説明を行った。これにより、情報処理システム100は、より広範囲に位置する情報処理装置101に対して、障害物の情報を提供することができるようになる。
第6の実施形態では、通信装置102が障害物の情報を提供できる範囲を、例えば、対向車線を進行している車両に搭載された情報処理装置101を用いて、拡大又は補完する場合の実施例について説明する。
図41は、第6実施形態に係る情報処理システムの概要を説明するための図である。
図41(a)において、複数の情報処理装置101−1〜101−3は、道路104を図の左から右の方向に向かって移動しているものとする。また、通信装置102は、情報処理装置101−1によって検知された障害物103の情報を周囲の情報処理装置101に対して送信しているものとする。
また、図41(a)において、通信装置102が送信する障害物の情報が、情報処理装置101−3に届かないものとする。障害物の情報が情報処理装置101−3に届かない理由としては、例えば、遠距離用の通信手段の故障、空き回線なし、電波障害、又は電波の到達範囲外等のいずれの理由であっても良い。
このような場合、本実施形態に係る情報処理システム100では、対向車線4101を進行中の情報処理装置101−4を介して、障害物の情報を情報処理装置101−3に通知する。例えば、通信装置102は、対向車線を進行中の情報処理装置101−4に対して、障害物の情報を通知する。尚、情報処理装置101−4に通知される障害物の情報は、情報処理装置101−4の負荷をできるだけ低減するために、簡易的な障害物の情報であることが望ましい。例えば、情報処理装置101−4は、通信装置102が送信している障害物の情報のうち、画像情報を除くメッセージ情報等を選択的に取得するものであっても良い。
図41(b)は、図41(a)の状態から、所定の時間を経過した後の状態を示している。図41(b)において、情報処理装置101−4は、図41(a)で通信装置102から受信した障害物の情報を、情報処理装置103−3に通知する。
上記の構成により、情報処理システム100は、対向車線4101を進行中の情報処理装置101−4を利用して、障害物の情報を通知する範囲を広げる、又は補完することができるようになる。
<機能構成>
図42は、第6の実施形態に係る情報処理システムの機能構成図である。尚、図42において、情報処理装置101−3と、情報処理装置101−4と同様の構成を有しているものとする。
(情報処理装置の機能構成)
本実施形態に係る情報処理装置101は、図35に示す第5の実施形態に係る情報処理装置101の構成に加えて、経路情報抽出手段4201、判定範囲設定手段4202、位置判定手段4203、通信モード選択手段4204、情報選択手段4205、障害物情報記憶手段4206、及びデータ開放手段4207を有する。尚、上記の各手段は、例えば、CPU301で動作するプログラムによって実現される。
経路情報抽出手段4201は、情報処理装置101を搭載した車両が目的地へ向かうための経路を取得する手段である。例えば、情報処理装置101が、車両に搭載されたカーナビゲーション装置等である場合、経路情報抽出手段4201は、情報処理装置101が有するカーナビゲーション機能によって実現される。或いは、経路情報抽出手段4201は、例えば、カーナビゲーション装置、スマートフォン、タブレット端末等から、車両が目的地で行くための経路を取得するものであっても良い。
判定範囲設定手段4202は、経路情報抽出手段4201によって抽出された経路から、自装置に関係する障害物であると判定する範囲を設定する手段である。
位置判定手段4203は、経路情報抽出手段4201によって抽出された経路、判定範囲設定手段4202設定した範囲、及び通信装置102から受信した障害物の位置情報から、受信した障害物の情報が情報処理装置101に関係する障害物であるかを判定する。例えば、判定する範囲が50mに設定された場合、位置判定手段4203は、経路情報抽出手段4201によって抽出された経路から50m以内にある障害物を、情報処理装置101に関係する障害物であると判断する。情報処理装置101は、位置判定手段4203による判定の結果、情報処理装置101に関係する障害物の情報であれば通常通り処理を行い、情報処理装置101に関係のない障害物の情報であれば、例えば、受信動作制御手段3502によって、情報を廃棄する。
通信モード選択手段4204は、情報処理装置101同士で障害物の情報を共有するか否か等の設定を行う手段である。情報処理装置101は、例えば、利用者による設定に応じて、他の情報処理装置101と障害物の情報の送受信を行う。
情報選択手段4205は、受信した障害物の情報の重要度を判断し、障害物の情報を利用するか、廃棄するかを選択する手段である。尚、情報選択手段4205による情報選択処理の具体的な例については後述する。
障害物情報記憶手段4206は、他の情報処理装置101から受信した障害物の情報(例えば、簡易的な障害物情報)を記憶する。尚、他の情報処理装置101から受信する障害物の情報は、データ量の観点から、画像データ等を含まない簡易的な情報であることが望ましい。
データ開放手段4207は、障害物情報記憶手段4206に保存した障害物の情報を、所定の条件(例えば所定の時間を経過後)に応じて削除する。
<情報選択処理>
ここで、情報選択手段4205による情報選択処理の例について説明する。
図43は、第6の実施形態に係る障害物情報の受信可否の例を示す図である。
図43(a)は、経路情報抽出手段4201によって抽出された経路のイメージを示す図である。図43(a)において、2つの矢印4301は、情報処理装置101(又は情報処理装置101を搭載した車両)が進む経路を示すものとする。また、情報処理装置101は、通信装置102の通信範囲4302内にあるものとする。さらに、情報処理装置101が進む経路とは異なる地点に、障害物103があるものとする。
この場合、情報処理装置101は、通信装置102の通信範囲4302内に位置しているので、通信装置102が送信する障害物103の情報を受信する。
このような場合、情報処理装置101の情報選択手段4205は、図43(b)に示すように、情報処理装置101が進む経路4303とは異なる地点にある障害物103の情報を、例えば、利用しないように制御することができる。
或いは、情報処理装置101の情報選択手段4205は、図43(c)に示すように、情報処理装置101が進む経路4303から、所定の範囲内4304にある障害物の情報を利用するように制御するものであっても良い。これは、障害物103が移動する物体である場合、障害物103が、経路4303まで移動する可能性があるためである。
また、情報選択手段4205は、通信装置102から受信した障害物の情報と、他の情報処理装置101から受信した障害物の情報のうち、利用する障害物の情報を選択する制御も行う。
例えば、情報処理装置101は、ある時点で電波障害が大きい箇所を走行中に障害物が発生し、通信装置102から情報を受信できず、対向車線を進行中の他の情報処理装置101から情報を受信したものとする。この場合、情報を受信した情報処理装置101は、他の情報処理装置101から受信した(簡易的な)障害物の情報に基づいて、利用者に提供する情報を生成する。この間に、情報処理装置101が、電波障害が比較的少ない地点へ移動し、通信装置102から障害物の情報を受信すると、情報選択手段4205は、通信装置102から受信した障害物の情報を優先的に利用するように制御を行う。
また、情報選択手段4205は、情報処理装置101が、通信装置102と、他の情報処理装置101との両方から障害物の情報を受信した場合、例えば、通信装置102から受信した情報を優先して利用するように制御を行う。
<処理の流れ>
(情報処理装置の待機モードの処理)
図44は、第6の実施形態に係る情報処理装置の待機モードの処理の例を示すフローチャートである。図44において、ステップS3101〜S3103の処理は、図31に示す第4の実施形態に係る待機モードの処理と同様なので、ここでは差分を中心に説明を行う。
ステップS4401において、本実施形態に係る情報処理装置101は、待機モードの処理を開始すると、設定変更処理を行う。尚、設定変更処理については、図45を用いて説明する。
(情報処理装置の設定変更処理)
図45は、第6の実施形態に係る設定変更処理の例を示すフローチャートである。
ステップS4501において、情報処理装置101は、例えば、利用者の操作等に基づいて、経路情報抽出手段4201で抽出された経路から、障害物を判定する範囲の設定を変更するか否かを判断する。設定を変更する場合、ステップS4502において、判定範囲設定手段4502は、例えば、利用者の操作等に基づいて、障害物を判定する範囲の設定を行い、処理をステップS4503に移行させる。一方、設定を変更しない場合、情報処理装置101は、障害物を判定する範囲の設定を行わずに、処理をステップS4503に移行させる。
ステップS4503に移行すると、情報処理装置101の通信モード選択手段4204は、例えば、利用者の操作等に基づいて、情報処理装置101間で障害物の情報を送受信する通信(以下、装置間通信と呼ぶ)を行うか否かを判断する。装置間通信を行う場合、通信モード選択手段4204は、ステップS4504において、装置間通信を行うことを示す「装置間通信フラグ」をONに設定する。一方、装置間通信を行わない場合、通信モード選択手段4204は、ステップS4505において、「装置間通信フラグ」をOFFに設定する。
(情報処理装置のデータ受信モードの処理)
図46A、図46Bは、第6の実施形態に係る情報処理装置のデータ受信モードの処理の例を示す図である。尚、図46A、図46BのステップS4001〜S4007の処理は、図40に示す第5の実施形態のデータ受信モードの処理と同様である。また、図46A、図46BのステップS3201〜3214の処理は、図32に示す第4の実施形態のデータ受信モードの処理と同様である。そのため、ここでは、差分を中心に説明を行う。
ステップS4601において、情報処理装置101の情報受信手段506は、情報を受信すると、受信した情報が対向車両の情報処理装置101からの障害物発生イベントであるか否かを判断する。尚、障害物発生イベントは、対向車両の情報処理装置101が、通信装置102から受信して記憶した障害物の情報を有していることを示す情報である。受信した情報が対向車両の情報処理装置101からの障害物発生イベントでない場合、情報処理装置101は、処理をステップS4001に移行させる。一方、受信した情報が対向車両の情報処理装置101からの障害物発生イベントである場合、情報処理装置101は、処理をステップS4602に移行させる。
ステップS4602に移行すると、情報処理装置101は、対向車両の情報処理装置101からの情報を受信するか否かを判断する。対向車両の情報処理装置101から情報を受信する場合、情報処理装置101は、ステップS4603において、対向車両の情報処理装置101にデータ送信通知を送信し、処理をステップS3209に移行させ、次回以降のデータ受信を待つ。一方、対向車両の情報処理装置101から情報を受信する場合、情報処理装置101は、処理をステップS3209に移行させ、次回以降のデータ受信を待つ。尚、データ送信通知は、障害物発生イベントを送信している対向車線の情報処理装置101に、障害物の情報の送信を要求するための情報である。
好ましくは、上記の「障害物発生イベント」、「データ送信通知」、「障害物の情報」等には、各情報がどの進行方向に対応する情報であるかを示す進行方向を示す情報が含まれる。進行方向を示す情報は、例えば、高速道路であれば、「上り」又は「下り」、「東京方面」又は「大阪方面」等の情報であっても良いし、一般道であれば、「北」又は「南」等の方向を示す情報であっても良い。これにより、情報処理装置101は、受信した情報が、自車線の情報であるか、対向車線の情報であるかを判断することができる。
また、ステップS4604において、情報処理装置101の位置判定手段4203は、受信した障害物の位置が、経路情報抽出手段4201で抽出された経路、さらに判定範囲設定手段4202で設定された範囲内に入っているかを判断する。
ステップS4605において、位置判定手段4203は、ステップS4604の判断結果に基づいて、受信した障害物の情報が、自装置(情報処理装置101)に関係があるか否かを判断する。受信した障害物の情報が自装置に関係があると判断された場合、情報処理装置101は、処理をステップS4606に移行させる。一方、受信した障害物の情報が自装置に関係がないと判断された場合、情報処理装置101は、ステップS4007において、受信した障害物は情報処理装置101に影響を与えない障害物と判定し、処理をステップS3209に移行させる。
ステップS4606において、情報処理装置101は、受信した情報が、逆車線で発生した障害物の情報であるか否かを判断する。受信した情報が、逆車線で発生した障害物の情報ではない場合(自車線で発生した障害物の情報である場合)、情報処理装置101は、処理をステップS3202に移行させる。一方、受信した情報が、逆車線で発生した障害物の情報である場合、情報処理装置101は、処理をステップS4607に移行させる。
ステップS4607に移行すると、情報処理装置101は、装置間通信フラグがONであるか否かを判断する。装置間通信フラグがONでない場合、情報処理装置101は、処理を待機モードに移行させる。一方、装置間通信フラグがONである場合、情報処理装置101は、処理を装置間通信モード(装置間の通信処理)へ移行させる。
(情報処理装置間の通信処理)
図47は、第6の実施形態に係る情報処理装置間の通信処理の例を示すフローチャートである。
ステップS4701において、情報処理装置101は、通信装置102から受信した情報を障害物情報記憶手段4206へ保存(記憶)する。
ステップS4702において、情報処理装置101は、対向車両(障害物が発生している車線の車両)の情報処理装置101に対して、障害物発生イベントを通知する。
ステップS4703において、情報処理装置101は、対向車両の情報処理装置101から、送信通知を受信したか否かを判断する。送信通知を受信した場合、情報処理装置101は、処理をステップS4706に移行させる。一方、送信通知を受信しなかった場合、情報処理装置101は、処理をステップS4704に移行させる。
ステップS4706に移行すると、情報処理装置101は、対向車両(障害物が発生した車線を走行中の車両)の情報処理装置101に対して、障害物の情報を送信する。
ステップS4707において、情報処理装置101は、対向車両の情報処理装置101から受信した送信通知をクリア(削除)する。
ステップS4708に移行すると、情報処理装置101は、対向車両が通信装置102から初めてデータを受信した時刻から所定の時間(例えば5分)が経過したかどうかを判断する。所定の時間が経過していない場合、情報処理装置101は、処理をステップS4703に戻して、同様の処理を繰り返す。一方、所定の時間が経過した場合、情報処理装置101は、ステップS4709において、障害物情報記憶手段4206のデータを開放(情報を削除)し、待機モードへ移行させる。
一方、ステップS4704に移行すると、情報処理装置101は、例えば、通信装置102から障害物の情報を受信すること等により、自車線に新たな障害物が発生したか否かを判断する。自車線に新たな障害物が発生した場合、情報処理装置101は、ステップS4705において、障害物情報記憶手段4206に記憶したデータを開放(情報を破棄)し、データ受信モードへ移行させる。一方、自車線に新たな障害物が発生していない場合、情報処理装置101は、処理をステップS4708へ移行させる。
尚、情報処理装置101間の通信で用いる情報の優先度は低いため、他の処理(例えば、通信装置102からの情報の受信等)が発生した場合、処理を中断し、より優先度の高い処理を実行するものであっても良い。
また、情報処理装置101の障害物検知モードの処理は図39に示す第5の実施形態に係る検知モードの処理と同様で良い。
上記の処理により、通信装置102が障害物の情報を提供できる範囲を、例えば、対向車線を進行している車両に搭載された情報処理装置101を用いて、拡大又は補完することができるようになる。
<まとめ>
本実施形態に係る情報処理装置(101)は、車両の利用者に情報を提供する情報処理装置(101)であって、前記車両の周辺を監視する監視手段(502)を用いて前記車両の周辺にある第1の障害物(103)を検知する検知手段(503)を有する。また、情報処理装置(101)は、前記検知された第1の障害物(103)の位置に係る情報を取得する取得手段(504)を有する。さらに、情報処理装置(101)は、前記取得した第1の障害物(103)の位置に係る情報を含む第1の障害物情報を第1の外部装置(102)に送信する情報送信手段(505)を有する。
また、情報処理装置(101)は、第2の外部装置(101)から第2の障害物(103)の位置に係る情報を含む第2の障害物情報を受信する情報受信手段(506)を有する。さらに、情報処理装置(101)は、前記受信した第2の障害物情報に基づいて前記第2の障害物(103)に関する情報(107、108等)を表示手段(507)に表示させる表示制御手段(508)と、を有する。
上記の構成により、情報処理装置(101)は、車両の周辺にある障害物を検知すると、検知した第1の障害物に関する障害物情報を外部装置(102)に送信することができる。
また、情報処理装置(101)は、例えば、他の情報処理装置(101)が検知した第2の障害物に関する障害物情報を外部装置(102)から受信すると、受信した障害物情報に基づいて、第2の障害物に関する情報(107、108等)を表示させることができる。
これにより、本実施形態に係る情報処理装置(100)によれば、道路上の任意の地点にある障害物(103)等の情報を、近くを走行中の車両の利用者に迅速に、かつ容易に通知することができるようになる。
尚、上記括弧内の参照符号は、理解を容易にするために付したものであり、一例に過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
例えば、通信装置102は、情報処理装置101が、検知した第1の障害物に関する障害物情報を送信する第1の外部装置の一例である。第1の外部装置は、例えば、情報処理装置101の周辺にある他の情報処理装置101や、車両等であっても良いし、ネットワークを介して通信可能な管理サーバ等であっても良い。
同様に、通信装置102は、情報処理装置101が第2の障害物情報を受信する第2の外部装置の一例である。第2の外部装置は、例えば、情報処理装置101の周辺にある他の情報処理装置101や、車両等であっても良いし、ネットワークを介して通信可能な管理サーバ等であっても良い。また、第1の外部装置と第2の外部装置とは、同じ装置であっても良いし、異なる装置であっても良い。
このように、本実施形態に係る情報処理システム100は、様々なシステム構成が可能である。