JP3472896B2 - 交通情報システム - Google Patents

交通情報システム

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JP3472896B2
JP3472896B2 JP35125095A JP35125095A JP3472896B2 JP 3472896 B2 JP3472896 B2 JP 3472896B2 JP 35125095 A JP35125095 A JP 35125095A JP 35125095 A JP35125095 A JP 35125095A JP 3472896 B2 JP3472896 B2 JP 3472896B2
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眞人 吉田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】この発明は,道路を走行する車両に,渋滞
情報,事故情報,気象情報等を含む交通情報を報知する
交通情報システムに関する。
【0002】
【従来技術】この種の交通情報システムでは,渋滞情
報,事故情報,気象情報を作成するための基礎的なデー
タ(車両の数,車両の速度等)を収集することがその前
提である。この基礎データはできるだけ多数の地点で,
正確に,かつリアル・タイムで収集されることが望まし
い。
【0003】既存の設備では道路の主要なポイントに車
両センサ(テレビ・カメラを含む)が配置されているに
すぎない。データを収集する地点の数を増やそうとすれ
ば,数多くの地点に各種のセンサを設けなければなら
ず,そのための費用は莫大なものとなろう。
【0004】
【発明の開示】この発明は,数多くの地点にデータ収集
のためのセンサ装置を設置しなくても,多数の地点で,
正確に,そしてリアル・タイムで交通に関するデータを
収集し,適切な交通情報を提供できるシステムを提供す
るものである。
【0005】第1の観点から把握されたこの発明は,車
両に搭載されて使用され,交通等に関する個別情報を収
集する個別情報収集装置と,上記個別情報収集装置から
伝送された個別情報に基づいて所定範囲内の地域に関す
る総合情報を作成するセンタ装置とから構成される。
【0006】上記個別情報収集装置は,少なくとも位置
を計測して位置データを作成する位置検出手段,周囲の
状況を表わす情報をマニュアルで入力するためのマニュ
アル操作情報入力手段,上記位置検出手段によって作成
された位置データおよび上記マニュアル操作情報入力手
段によって入力された情報を含む個別情報を送信する第
1の送信装置,上記センタ装置から送信された総合情報
を受信する第1の受信装置,ならびに上記第1の受信装
置が受信した総合情報を報知する報知装置を備えてい
る。
【0007】上記センタ装置は,上記個別情報収集装置
の上記第1の送信装置から送信された上記個別情報を受
信する第2の受信装置,上記第2の受信装置が受信した
上記個別情報に基づいて所定範囲の地域に関する総合情
報を作成する情報処理手段,および上記情報処理手段に
よって作成された総合情報を上記個別情報収集装置に送
信する第2の送信手段を備えている。好ましくは上記個
別情報収集装置に時計手段が設けられ,この時計手段に
よって計時された時刻データが上記個別情報に含ませら
れて上記センタ装置に送信される。もっとも時刻データ
としては,上記センタ装置の上記第2の受信装置が上記
個別情報を受信した時点の時刻を用いることができる。
【0008】上記個別情報収集装置の上記マニュアル操
作情報入力手段によって,たとえば,事故,渋滞または
気象に関する情報が入力される。
【0009】個別情報収集装置は車両に搭載されて使用
される。道路上を走行する車両は数多く存在する。それ
らの車両の多く,またはいくつかからその車両の周囲の
状況を表わす情報がセンタ装置に伝送される。センタ装
置ではこれらの情報に基づいて,どこでどのような事態
が生じているのか(どこで事故や渋滞が,どの程度の規
模で生じているのか)を判断することができる。
【0010】道路を走行する車両に個別情報収集装置が
搭載されているから,道路の各所に車両センサ等を設け
なくても必要な情報が集まる。また,運転者がマニュア
ルで情報を入力するので,人間の目で見た様子を表わす
情報が得られ,適切な判断が可能となる。
【0011】一実施態様においては,上記個別情報収集
装置が個別情報収集装置またはそれを搭載した車両の識
別符号を記憶する記憶装置をさらに備え,上記個別情報
収集装置の上記第1の送信手段が,少なくとも上記位置
データ,時刻データおよび識別符号を所定時間間隔で少
なくとも2回送信し,上記マニュアル操作情報入力手段
から情報が入力されたことに応答して,入力された情報
と少なくとも上記識別符号とを送信する。上記センタ装
置の上記情報処理手段は,少なくとも2回にわたって受
信した位置データ,時刻データおよび識別符号に基づい
て上記個別情報収集装置を搭載した車両の走行方向を判
定する。車両の走行速度も算出することができる。
【0012】これによって,個別情報収集装置を搭載し
た車両の走行方向(走行車線)が分る。一般に道路上の
交通流は双方向である。事故や渋滞は一方向においての
み発生することが多い。上記のように,車両の走行方向
が判断されるので,道路上の交通流のどの方向で事故や
渋滞が発生しているかが分り,適切な交通情報の提供が
可能となる。もっとも,車両に搭載された個別情報収集
装置が一定時間間隔をおいた2つの位置データに基づい
てその移動ベクトルを算出し,この移動ベクトルに基づ
いて自車両の走行車線を判定し,その判定結果をセンタ
に送信するようにしてもよい。
【0013】この発明は上記の交通情報システムで用い
られる上記情報収集装置を提供している。
【0014】この情報収集装置は,少なくとも位置を計
測して位置データを作成する位置検出手段,周囲の状況
を表わす情報をマニュアルで入力するためのマニュアル
操作情報入力手段,ならびに上記位置検出手段によって
作成された位置データおよび上記マニュアル操作情報入
力手段によって入力された情報を含む個別情報を送信す
る第1の送信装置を備えている。必要ならば個別情報に
はマニアル入力時の時刻を表わすデータが含まれる。
【0015】好ましくは,この情報収集装置にはさら
に,上記センタ装置から送信された総合情報を受信する
第1の受信装置,および上記第1の受信装置が受信した
総合情報を報知する報知装置が設けられる。
【0016】この情報収集装置はカー・ナビゲーション
・システムを利用して実現することができる。少なくと
も上記位置検出手段および上記マニュアル操作情報入力
手段がカー・ナビゲーション・システムに設けられる。
【0017】この発明はさらにカー・ナビゲーション・
システムを提供している。このカー・ナビゲーション・
システムは,位置を計測して位置データを作成する位置
検出手段,ならびに事故,渋滞および気象のうちの少な
くとも一つに関する情報をマニュアルで入力するための
マニュアル操作情報入力手段を備えている。
【0018】カー・ナビゲーション・システムは徐々に
普及する傾向にある。したがって,カー・ナビゲーショ
ン・システムに情報収集装置の機能の一部を分担させる
ことにより,情報収集装置を設備する者の経済的負担を
軽減することができる。もちろん,情報収集装置の全機
能をもつカー・ナビゲーション・システムを用意するこ
ともできる。
【0019】第2の観点から把握されるこの発明による
交通情報システムは,車両に搭載されて使用され,その
車両の走行に関する個別情報を収集する個別情報収集装
置と,上記個別情報収集装置から伝送された個別情報に
基づいて所定範囲内の地域における交通情報を作成する
センタ装置とから構成される。
【0020】上記個別情報収集装置は,少なくとも位置
を計測して位置データを作成する位置検出手段,上記個
別情報収集装置またはそれを搭載した車両の識別符号を
記憶する記憶装置,上記位置検出手段によって作成され
た位置データおよび上記記憶装置に記憶されている識別
符号を含む個別情報を,所定時間間隔で少なくとも2回
にわたって送信する第1の送信装置,上記センタ装置か
ら送信された交通情報を受信する第1の受信装置,なら
びに上記第1の受信装置が受信した交通情報を報知する
報知装置を備えている。
【0021】上記センタ装置は,上記個別情報収集装置
の上記第1の送信装置から送信された上記個別情報を受
信する第2の受信装置,上記第2の受信装置が受信した
少なくとも2回分の上記個別情報に基づいて所定範囲の
地域における交通情報を作成する情報処理手段,および
上記情報処理手段によって作成された交通情報を上記個
別情報収集装置に送信する第2の送信手段を備えてい
る。
【0022】第2の発明は車両の個別情報収集装置か
ら,少なくとも位置データおよび識別番号という最小限
のデータをセンタ装置に送信する点に特徴をもつ。また
第2の発明はこれらのデータを時間間隔をあけて少なく
とも2回送信する点に特徴をもつ。この送信は自動的に
行なわれる。必要に応じて車両の個別情報収集装置は時
刻データも一緒に送信する。
【0023】位置データおよび識別番号を同一の車両か
ら少なくとも2回受信し,これに時刻データ(車両から
送信された,またはセンタ装置が受信時点の時刻を検出
することにより得られた)を加えることにより,センタ
装置では車両の進行方向,速度を算出することができ
る。この情報に基づいて,センタ装置では渋滞の有無お
よび渋滞がある場合にはその場所を判定することができ
る。
【0024】渋滞情報には渋滞の有無と程度とを含ませ
ることができる。
【0025】好ましい実施態様では,上記個別情報収集
装置に,それが搭載された車両の走行速度を検出する車
速検出手段を含ませておく。上記第1の送信装置が上記
車速検出手段が検出した走行速度を表わすデータを上記
センタ装置に送信する。
【0026】第2の発明においても,道路上を走行する
車両から各種データが得られるので,道路の多数地点に
特別の情報収集設備を設置する必要はない。
【0027】第2の発明もまたこの交通情報システムで
用いられる情報収集装置を提供している。
【0028】この情報収集装置は,少なくとも位置を計
測して位置データを作成する位置検出手段,上記情報収
集装置またはそれを搭載した車両の識別符号を記憶する
記憶装置,ならびに上記位置検出手段によって作成され
た位置データおよび上記記憶装置に記憶されている識別
符号を含む個別情報を,所定時間間隔で少なくとも2回
に送信する第1の送信装置を備えている。好ましくは,
上記情報収集装置に時計手段が設けられ,この時計手段
から出力される時刻データも個別情報に含ませられて送
信される。
【0029】さらに好ましくは,上記情報収集装置は,
上記センタ装置から送信された交通情報を受信する第1
の受信装置,および上記第1の受信装置が受信した交通
情報を報知する報知装置をさらに備える。
【0030】第3の観点から把握されるこの発明による
交通情報システムは,車両に搭載されて使用され,交通
等に関する個別情報を収集する個別情報収集装置と,上
記個別情報収集装置から伝送された個別情報に基づいて
所定範囲内の地域に関する総合情報を作成するセンタ装
置とから構成される。
【0031】上記個別情報収集装置は,少なくとも位置
を計測して位置データを作成する位置検出手段,電磁波
(光を含む)を所定範囲に投射し,その反射波を受波
し,受波信号に基づいて上記車両の周囲の状況を表わす
周囲情報を作成するレーダ装置,上記位置検出手段によ
って作成された位置データおよび上記レーダ装置によっ
て作成された周囲情報を含む個別情報を送信する第1の
送信装置,上記センタ装置から送信された総合情報を受
信する第1の受信装置,ならびに上記第1の受信装置が
受信した総合情報を報知する報知装置を備えている。
【0032】上記センタ装置は,上記個別情報収集装置
の上記第1の送信装置から送信された上記個別情報を受
信する第2の受信装置,上記第2の受信装置が受信した
上記個別情報に基づいて所定範囲の地域に関する総合情
報を作成する情報処理手段,および上記情報処理手段に
よって作成された総合情報を上記個別情報収集装置に送
信する第2の送信手段を備えている。
【0033】第3の発明はレーダ装置によって車両の周
囲の情報を収集する点に特徴をもつ。収集された情報は
自動的にセンタ装置に送信される。レーダ装置によって
多種多様の情報が得られるので,より正確な交通情報の
提供が可能となる。
【0034】上記レーダ装置によって作成される周囲情
報の例としては,上記車両の近傍に存在する検出対象物
の位置,形状,移動方向および速度,車両の数,車間距
離,道路形状などがある。
【0035】好ましくは,上記個別情報収集装置が,上
記レーダ装置によって作成された周囲情報に基づいて交
通情報を生成する交通情報生成手段をさらに備える。そ
して,上記第1の送信装置は上記交通情報生成手段によ
って生成された交通情報を上記センタ装置に送信する。
【0036】さらに好ましくは,上記個別情報収集装置
には,上記車両の速度を検出する車速検出手段が設けら
れる。
【0037】この発明はさらに上記交通情報システムに
おいて用いられる情報収集装置を提供している。
【0038】この情報収集装置は,少なくとも位置を計
測して位置データを作成する位置検出手段,電磁波を所
定範囲に投射し,その反射波を受波し,受波信号に基づ
いて上記車両の周囲の状況を表わす周囲情報を作成する
レーダ装置,ならびに上記位置検出手段によって作成さ
れた位置データおよび上記レーダ装置によって作成され
た周囲情報を含む個別情報を送信する第1の送信装置を
備えている。
【0039】好ましくは,情報収集装置に,上記センタ
装置から送信された総合情報を受信する第1の受信装
置,ならびに上記第1の受信装置が受信した総合情報を
報知する報知装置が設けられる。
【0040】第4の観点から把握されるこの発明による
交通情報システムは,車両に搭載されて使用され,交通
等に関する個別情報を収集する個別情報収集装置と,上
記個別情報収集装置から伝送された個別情報に基づいて
所定範囲内の地域に関する総合情報を作成するセンタ装
置とから構成される。
【0041】上記個別情報収集装置は,少なくとも位置
を計測して位置データを作成する位置検出手段,周囲の
状況を表わす情報を検出するセンサ,上記位置検出手段
によって作成された位置データおよび上記センサによっ
て検出された情報を含む個別情報を送信する第1の送信
装置,上記センタ装置から送信された総合情報を受信す
る第1の受信装置,ならびに上記第1の受信装置が受信
した総合情報を報知する報知装置を備えている。
【0042】上記センタ装置は,上記個別情報収集装置
の上記第1の送信装置から送信された上記個別情報を受
信する第2の受信装置,上記第2の受信装置が受信した
上記個別情報に基づいて所定範囲の地域に関する総合情
報を作成する情報処理手段,および上記情報処理手段に
よって作成された総合情報を上記個別情報収集装置に送
信する第2の送信手段を備えている。
【0043】好ましくは上記個別情報収集装置が時間を
計時する時計手段を備え,上記第1の送信装置によって
送信される上記個別情報に,上記時計手段によって計時
された時刻データが含まれる。
【0044】第4の発明は,車両に搭載される個別情報
収集装置において,自動的に周囲の情況を表わす情報が
検知され,センタ装置に送信されることに特徴をもつ。
周囲の情況を表わす情報とは,交通情報(事故情報,渋
滞情報等),気象情報を含む。
【0045】したがって,上記センサは,交通情報を検
出するセンサおよび気象情報を検出するセンサのうちの
少なくとも一つである。または,上記センサは,事故情
報を検出するセンサ,渋滞情報を検出するセンサおよび
気象情報を検出するセンサのうちの少なくとも一つであ
る。または,上記センサは,レーザ・レーダ,路面状態
判別装置および降雨量検出装置のうちの少なくとも一つ
である。
【0046】このようにして,車両の周囲の情況を表わ
す情報が自動的に収集され,センタ装置に送信されるの
で,運転者の負担が軽減する。しかも,センタ装置で加
工された総合情報が車両に送信されて報知されるので,
運転者はより多くの情報を持つことができるようにな
る。
【0047】さらにこの発明は上記交通情報システムで
用いられる情報収集装置を提供している。
【0048】この情報収集装置は,少なくとも位置を計
測して位置データを作成する位置検出手段,周囲の状況
を表わす情報を検出するセンサ,ならびに上記位置検出
手段によって作成された位置データ,上記情報収集装置
に関する識別符号および上記センサによって検出された
情報を含む個別情報を送信する第1の送信装置を備えて
いる。
【0049】好ましくはこの情報収集装置はセンタ装置
から送信された総合情報を受信する第1の受信装置,お
よび上記第1の受信装置が受信した総合情報を報知する
報知装置を備えている。
【0050】上述したすべての交通情報システムにおい
て,上記個別情報収集装置と上記センタ装置との間の交
信は必要に応じて中継装置によって中継される。中継装
置は適当な間隔で道路近傍の適所に設けられる。
【0051】上記第1の受信装置と上記報知装置が上記
個別情報収集装置に備えられることに代えてまたは加え
て,これらが道路の近傍に設置された大型報知装置に設
けられる。上記センタ装置の第2の送信手段は上記総合
情報を上記大型報知装置に送信することになる。この大
型報知装置によって,多くの車両に一挙に交通情報が伝
えられる。
【0052】この発明はさらに,上述した情報収集装
置,またはカー・ナビゲーション・システムを搭載した
車両を提供している。
【0053】第5の観点から把握されるこの発明は,上
述したすべての交通情報システムにおいて,上記センタ
装置が,上記識別符号ごとに,各識別符号をもつ上記個
別情報収集装置から送信された上記個別情報を受信した
回数を記憶する手段,および所定値に達した受信回数に
対応する識別符号に関するデータを出力する手段を備え
ていることを特徴とする。
【0054】上記所定値に等しい,またはそれ以上の回
数にわたって個別情報を提供した者のリストがセンタ装
置から出力される。多くの情報を提供した者には何らか
の報酬(金銭,商品等)が与えられる。これによって,
積極的に情報を提供しようとする者が多く現われ,セン
タ装置には多くの地点から多くの情報が集まる。より確
度の高い交通情報をセンタ装置で作成することができる
ようになることが期待される。
【0055】
【実施例】
第1実施例 図1は交通情報システムの空間的配置構成を示すもので
ある。
【0056】交通情報システムは基本的には,道路1上
を走行する車両2に搭載される車載機3と,道路1の近
傍の適所に設けられる中継機4と,センタ9とから構成
される。中継機4は好ましくは,信号機,街灯柱,歩道
橋,陸橋等の道路に関連する建造物,構造体,施設等の
設備に取付けられる。もちろん,中継機専用の支持塔に
中継機を取付けることもできる。必要に応じて交通情報
システムには表示盤8が含まれる。表示盤8はたとえば
電光掲示板であり,表示された情報が遠方からも読める
ように大きい文字,図,絵等で情報を表示する。表示盤
8も道路に関連する上記の設備に取付けられることが好
ましいであろう。
【0057】交通情報システムは適当な広さの地域にわ
たって設けられる。この地域は日本全国でも,北海道,
本州,四国,九州のような広さのものでもよいし,さら
に東京地方,関東地方,中部地方という単位でもよく,
行政区画(都道府県,市町村)別でもよい。複数の行政
区画にわたるものでもよい。
【0058】いずれにしても交通情報システムが設けら
れる地域は,複数のエリアに分割される。このエリアは
交通情報の収集に適した広さまたは区域,交通流制御に
適した区域等を単位として定められることが好ましい。
図1においてはエリアにA〜Hの識別符号(以下,エリ
アIDという)が割当てられている。
【0059】好ましくは一つのエリアに少なくとも一つ
の中継機4が設けられる。一つの中継機4がカバーしう
る範囲を一つのエリアとすることもできる。エリアEに
はセンタ9が設けられており,センタ9が中継機の働き
をするので,このエリアEには中継機は設けられていな
い。
【0060】図2は車両に搭載される車載機3の電気的
構成例を示している。車載機3は主に,各種センサ,通
信装置および情報処理装置から構成される。
【0061】各種センサとしては,この実施例では,車
速センサ13,レーザ・レーダ14,路面判別装置15,雨滴
センサ16および位置センサが設けられている。車速セン
サ13は通常の車両に設けられている速度計によって実現
できる。
【0062】レーザ・レーダ14は車両の前方に向けてレ
ーザ光を投射しかつ投射レーザ光を水平方向に一次元的
にまたは水平,垂直方向に二次元的にスキャンし,前方
にある物体からの反射光を受光し,この受光信号を用い
た信号処理により周囲の状況に関する情報(相対速度,
物体までの距離,物体形状,道路形状,渋滞情報,事故
情報,気象状況等)を生成するものである。
【0063】路面判別装置15は路面に向けて光を投射
し,その反射光に基づいて,および必要に応じて路面温
度計が検出した路面温度に基づいて,路面状態(湿潤,
凍結,雨など)を検出するものである。
【0064】雨滴センサ16は光を用いて雨滴の大きさ,
降雨量等を測定するものである。この実施例ではレーザ
・レーダ14,路面判別装置15および雨滴センサ16は必ず
しも必要ない。レーザ・レーダ,路面判別装置および雨
滴センサの詳細については後述する。
【0065】位置センサとしてはこの実施例ではカー・
ナビゲーション・システム20が利用されている。位置セ
ンサは車両の位置を表わすデータ(緯度,経度および必
要に応じて高度)を出力する。もちろん,位置センサと
してはカー・ナビゲーション・システムを利用しなくて
もよい。
【0066】通信装置は送信機11と受信機12とから構成
され,主に中継機4と交信するためのものである。
【0067】情報処理装置10は小型コンピュータまたは
マイクロプロセッサ,メモリ(ROM,RAMまたは必
要に応じてディスク記憶装置),インターフェイス回路
等から構成される。情報処理装置10は,センサ13,14,
15,16,カー・ナビゲーション・システム20から得られ
る各種情報をそのまま,または加工処理して送信機11か
ら中継機4に送り,中継機4から送信されかつ受信機12
で受信した交通情報,気象情報等をカー・ナビゲーショ
ン・システム20の表示装置25や音声出力装置(ブザー,
マイクロホン等)を利用して出力するように制御する。
カー・ナビゲーション・システム20の表示装置25を利用
せず,交通,気象情報専用の表示装置を設けてもよい。
【0068】カー・ナビゲーション・システムはよく知
られているように,地図を表示し,この地図上に現在位
置,目的位置,最適経路等を明示するものであり,プロ
セッサ21,位置測定のためのGPS受信機22および各種
センサ24,地図データ・ベース23,ならびにマン・マシ
ン・インターフェイスとしての表示装置25およびキー群
26を備えている。
【0069】地図データ・ベース23は一般にCD−RO
Mにより実現され,いくつかの縮尺の地図を表わすデー
タを格納している。
【0070】位置の計測には種々の方式があるが,一般
には複数の方式を併用することにより正確な位置が求め
られる。GPS(Global Positioning System )方
式は複数の人工衛星から発射される電波をGPS受信機
22で受信し,その到達時間を計測し,衛星からの距離を
計算することによって位置を知るシステムである。路側
に設けられる電波発信設備(ビーコンと呼ばれる)から
の電波を受信して位置を計測する方式もある。上記の中
継機4がビーコンとしての役割を果たす。位置計測用の
信号は受信機12で受信され,プロセッサ21に与えられ
る。センサ24にはジャイロや車輪速差センサが含まれ
る。プロセッサ21はこれらの受信電波,センサからの信
号に基づき,必要に応じて地図データ・ベースによって
表わされる道路地図を用いて位置を修正し(マップ・マ
ッチング),正確な位置を表わすデータを得る。
【0071】図3はカー・ナビゲーション・システム20
におけるマン・マシン・インターフェイス部分(表示装
置25およびキー群26)を示している。
【0072】中央に表示装置(表示画面)25があり,地
図,センタ9からの情報または後述するメニュー(入力
案内)が表示される。表示装置25の周囲にキー群26が設
けられている。
【0073】キー群26には,自車の周囲の交通情報(事
故,渋滞情報等),気象情報,その他の情報を,運転者
がマニアルで入力するためのマニアル送信操作部31が含
まれている。この操作部31はまた,受信した交通情報,
気象情報等を表示装置25に表示させるための指令を入力
するためにも用いられる。この操作部31は5個のタッチ
・スイッチ31A〜31Eを含み,これらのタッチ・スイッ
チ31A〜31Eにはその機能が可変表示される(詳細は後
述する)。特にタッチ・スイッチ31Eは,情報マニアル
入力モードと情報報知モードのいずれか一方を選択する
ためのものであり,押される毎にこれらのモードが交互
に選択される。もっとも,運転者がタッチ・スイッチ31
A〜31Dを用いて各種情報を入力するためにのみこの操
作部31を用いるこの実施例ではタッチ・スイッチ31Eは
不要であり,この場合には操作部31は常に情報マニアル
入力モードになっている。運転者が各種情報を入力する
必要のない第2実施例でもタッチ・スイッチ31Eは不要
であり,この場合には操作部31は常に情報報知モードと
なっている。
【0074】キー群26にはさらに,表示された自車位置
のマニアル調整用のキー32,カー・ナビゲーション・シ
ステムの電源スイッチ33,表示される地図の縮小,拡大
を指示するキー34,35,テレビジョン/ラジオ/ナビゲ
ーションの切替スイッチ36,画面の明るさの調整スイッ
チ37,音量調整用のつまみ38等が含まれている。目的地
に到着したときに発生するビーブ音や,交通情報,気象
情報を案内する音声の音量がつまみ38によって調整され
る。
【0075】図4から図7はカー・ナビゲーション・シ
ステム20の表示装置25における地図表示の例を示すもの
である。
【0076】図4は図3に示すものと同じ縮小の地図で
ある。拡大キー35が押されると図5に示すように拡大さ
れた地図が表示される。この状態から縮小キー34が押さ
れると図4に示す縮尺に戻る。再度縮小キー34が押され
ると図6に示すように縮小された地図が表示される。縮
小される前の領域(図4に示す範囲)が鎖線で示されて
いる。さらに縮小キーが押されると,図7に示すよう
に,さらに縮小された地図が表示される。図7において
も縮小される前の領域(図6に示す範囲)が鎖線で示さ
れている。
【0077】図8は中継機4の構成例を示している。中
継機4は,送信機41,処理装置42および受信機43を備え
ている。受信機43は車両2の車載機3またはセンタ9か
らの電波を受信し,そこに含まれる情報を処理装置42に
渡す。処理装置42は受信した情報をそのまま,または加
工して送信機41に渡す。送信機41は受取った情報を含む
電波をセンタ9または車両2の車載機3に向けて発信す
る。このようにして,車載機3で得られた情報は中継機
4を通してセンタ9に,センタ9で作成された情報は中
継機4を通して車載機3に送られる。処理装置42は単な
る増幅器でもよい。
【0078】図9はセンタ9に設けられるシステムを示
している。このセンタ・システム(これも符号9で表わ
す)は,基本的にはコンピュータ・システムであり,こ
れに送信機51と受信機52が接続されて構成される。セン
タ・コンピュータ50にはメモリ(半導体メモリ,ディス
ク・メモリ等)53と入,出力装置(キーボード,表示装
置,プリンタ,マウス等)54とが接続されている。
【0079】この実施例では運転手がカー・ナビゲーシ
ョン・システム20の表示装置25とマニアル送信操作部31
のタッチ・スイッチ31A〜31Eを用いて,交通情報,気
象情報,その他の情報を入力し,これらの入力された情
報が車載機3から中継機4を経てセンタ9に送られる。
送信される情報は,事故,渋滞,気象,およびその他の
情報である。
【0080】図3に示すように,通常の状態においては
タッチ・スイッチ31A〜31Eには,「事故」,「渋
滞」,「気象」,「その他」および「入力/報知」の文
字が表示されている。
【0081】運転者が事故を発見してその事故について
の情報を送信しようとするときには,まずタッチ・スイ
ッチ31Eによって情報マニアル入力モードを選択する。
図10に示すようにタッチ・スイッチ31Eの文字は「入力
/報知」から「入力」に変わる。
【0082】続いて運転者はタッチ・スイッチ31Aを押
す。すると,タッチ・スイッチ31A〜31Dの表示は図11
に示すように切替わる。スイッチ31Aには「自車線」と
いう文字が,スイッチ31Bには「反対車線」という文字
がそれぞれ表示される。スイッチ31Cおよび31Dには何
も表示されない。運転者はスイッチ31A,31Bのうちの
いずれかのスイッチを押して事故の発生している車線を
入力する。
【0083】タッチ・スイッチ31A〜31Dの表示は図12
に示すように切替わる。自車両から事故現場までのおお
よその距離を入力するために,タッチ・スイッチ31A〜
31Cの表示は「0〜50m」,「50〜100 m」および「10
0 m以上」となる。タッチ・スイッチ31Dには文字は表
示されない。運転者はタッチ・スイッチ31A〜31Cを用
いて距離を入力する。
【0084】車両は走行しているのでその位置を絶えず
変えている。車両から事故現場までの距離も刻刻変化す
る。情報を正確なものとするために,運転者が距離を入
力するためにタッチ・スイッチのいずれかを押した時点
の車両の位置を表わすデータがプロセッサ21によってそ
のメモリに記憶される。
【0085】続いてタッチ・スイッチ31A,31Bの表示
は図13に示すように変わり,事故の位置が自車両の「前
方」か,「後方」かを問うものとなる。運転者は方向を
入力する。
【0086】最後に,事故の規模についての情報を得る
ために,タッチ・スイッチ31A〜31Cの表示は図14に示
すようになる。運転者は感覚的な判断で「大」,「中」
または「小」のいずれかを選択して事故の規模を入力す
る。
【0087】これらのタッチ・スイッチ31A〜31Dにお
ける表示の変化に伴って,車線,距離,方向および規模
の入力を促すような案内が表示装置25に表示される。
【0088】このようにして,運転者が発見した事故に
ついての詳細情報がカー・ナビゲーション・システムの
マニアル送信操作部31を用いて入力される。これらの情
報は情報処理装置10によってまとめられ,中継機4を経
てセンタ9に送られることになる。
【0089】上述した一連の入力操作が終了すると,表
示装置25の表示画面およびタッチ・スイッチ31A〜31E
は図3に示す通常状態に戻る。
【0090】渋滞に関する詳細情報は次のように2段階
に分けて入力されよう。渋滞を示すタッチ・スイッチ31
Bが押されると,タッチ・スイッチ31A,31Bの表示が
「自車線」,「反対車線」という車線入力状態に変わ
る。車線が入力されると,渋滞箇所(方向)を入力させ
るためにタッチ・スイッチ31A,31Bはそれぞれ
「前」,「後」と表示される。渋滞の程度を入力させる
ようにしてもよい。
【0091】気象に関する詳細情報はたとえば次のよう
に3段階に入力されよう。まず現在の天候の種類を入力
させるために,タッチ・スイッチ31A〜31Dは「雪」,
「雨」,「くもり」,「晴」と表示される。次に,程度
を入力させるために「大」,「中」,「小」がタッチ・
スイッチに表示される。最後に,天候の変化の状態の入
力のために「回復方向」,「悪化方向」が表示される。
【0092】「その他」を示すスイッチ31Dは,上述し
た事故,渋滞および気象情報以外の情報,たとえば上記
の天候の中になかった「湿潤」,「凍結」,レストラン
の有無,特定のレストランの混み具合等を入力するため
に用いられよう。この場合にも,好ましくは運転者に入
力させるべき項目メニューをあらかじめ作成しておい
て,表示装置25およびタッチ・スイッチ31A〜31Dに表
示する。もっとも,アルファベット・キー等を用いて運
転者に入力させてもよい。
【0093】図15は車両の車載機3における情報処理装
置10の処理手順を示している。
【0094】車載機3には識別符号(これを車両IDと
いう)が付されている。車両IDは車載機3の製造番号
でもよいし,通し番号でもよいし,車両ナンバーでもよ
い。運転者の識別符号でもよい。この車両IDは情報処
理装置10のメモリにあらかじめ記憶されている。また,
情報処理装置10には時計が内蔵されている。
【0095】情報処理装置10は一定時間ごとに(比較的
短い時間,秒単位または分単位程度),時計から得られ
る時刻データ,カー・ナビゲーション・システム20から
得られる位置データおよび車速センサ13から得られる車
速データに,車両IDを加えて電文を作成し,この電文
を送信機11から送信する(ステップ101 ,102 )。
【0096】マニアル送信操作部31から上述した一連の
操作があると,これらの入力データが一旦メモリに記憶
され,操作が終了した時点で割込が発生する(ステップ
103)。
【0097】この割込に応じて,操作部31から入力され
たデータ(情報)(距離が入力されたときの位置データ
を含む),ならびにそのときの時刻,位置および車速の
データが車両IDとともに送信されることになる(ステ
ップ104 )。
【0098】図16は中継機4における処理装置42の処理
手順を示している。
【0099】受信機43が電文を受信したかどうか,受信
したときにはその電文が車両の車載機3からのものか,
それともセンタ9から送られたものかが判断される(ス
テップ111 ,112 )。センタ9からの電文の場合には,
それを送信機41からそのまま車両2に向けて(中継機4
がカバーする範囲にわたって)送信する(ステップ113
)。
【0100】車両2からの電文を受信したときには,そ
の電文に含まれる位置データに基づいて,その中継機4
がカバーするエリア内に存在する車両からのものかどう
かが判断される(ステップ114 )。中継機4の処理装置
42にはその中継機4が担当するエリアの境界を示す位置
データがあらかじめ設定されており,車両から伝送され
た位置データとこの境界を示す位置データとを比較する
ことにより,車両が自機の管理するエリア内にあるかど
うかが判別される。
【0101】中継機4が管理するエリア内に存在する車
両からの電文の場合には,その電文に自エリアID(上
述した符号A〜H等)を付加してセンタ9に送信する
(ステップ115 )。自エリア内の車両からの電文でない
場合には,その電文を無視し,センタ9に送らない。
【0102】このようにして,各中継機が自エリア内に
存在する車両からの電文のみをセンタ9に送信している
ので,センタ9は同一の車両から同じ電文を受信するこ
とがなくなり,センタ9の負担が軽減される。
【0103】もっとも,中継機4は車両からの電文をそ
のままセンタ9に送信する構成でもよい。この場合には
処理装置42は単なる増幅器,または簡単な論理回路で足
りる。センタ9は受信した電文中の車両IDと時刻デー
タとから同一電文があるかどうかを判断し,二つ以上の
同一電文を受信したときには,その一つを残して他のす
べてを棄却することになろう。
【0104】図17はセンタ9のメモリ53に設けられる車
両情報エリアを示している。このエリアには,車両ID
ごとに,一定時間ごとに中継機を通して電文を送った
(ステップ102 ,115 で送信された)車両の存在するエ
リアのエリアID,ならびに時刻,位置および車速のデ
ータ(これらは前回受信したもの)が格納される。これ
らのエリアID,時刻,位置および車速データは受信す
るたびに更新される。
【0105】センタ・コンピュータ50は前回の受信デー
タ中の位置データと今回の受信データ中の位置データと
を比較することにより,車両の走行車線を判断する。こ
の車線データもまた車両IDに対応して格納される。た
とえば今回の受信データ中の位置データと前回の受信デ
ータ中の位置データとに基づいて車両の移動ベクトルが
算出される。この移動ベクトルと道路の上り方向の方位
ベクトルとが比較される。両ベクトルのなす角度が90度
より小ならば車両は上り方向車線を走行していると判断
される。車両の移動ベクトルと道路の下り方向の方位ベ
クトルとの比較に基づいて同じように車両が下り方向車
線を走行しているかどうかが分る。車線は道路地図デー
タと関連して記憶されることになろう。地図上で道路の
方向が符号化され,この方向に関して車線が符号化され
る。このような移動方向(走行車線)判定処理は車両の
情報処理装置10が行ない,その判定結果をセンタに送信
すれば,センタにおける上記の車線判定処理は不要とな
る。
【0106】さらに車両IDごとに,車載機3のマニア
ル送信操作部31を用いて入力されかつ送信された(ステ
ップ104 で送信された)交通情報,気象情報等(時刻,
位置,車速データを含む)が車両IDに関連づけて記憶
される。これらの情報もまた,新たな情報を受信したと
きに更新される。
【0107】図18はセンタ・コンピュータ50による交通
情報,気象情報等についての処理手順を示している。
【0108】車両情報エリアに格納された交通情報,気
象情報等を,それを送信した車両の存在するエリアごと
に分類し(ステップ121 ),エリアごとにそれらの情報
の判定処理を行う(ステップ122 )。
【0109】たとえば車両から送られてくる事故情報に
は車線,距離,方向,規模,車両の位置,距離の入力時
点を示す時刻,車速が含まれている。ある基準の時点を
仮定し,かつエリア内に基準地点を定める。車両から送
られた車線,車両の位置,時刻および車速のデータか
ら,基準時点において,その車両がどの位置(基準地点
を基準とする)にいたかが算出される。この算出された
位置,距離,方向,車線のデータから事故が発生してい
るおおよその位置が算出される。一つのエリアの複数台
の車両から情報が得られているときには,各車両からの
情報に基づいて算出された事故現場の位置の平均値が算
出され,事故の位置が確定される。事故の規模は多数決
の原理にしたがって決定される。
【0110】このようにして判定された事故情報はセン
タ9からそのエリアの中継機4を通して(大局的な情報
の場合には複数のエリアの中継機を通して)各車両に送
信される。各車両ではその車載機3の表示装置25に事故
情報が表示される。運転者は事故情報の表示を望むとき
にはタッチ・スイッチ31Eによって情報報知モードを選
択し,続いてタッチ・スイッチ31Aによって事故に関す
る情報を選択することになる。もっとも,重大な事故で
運転者に必ず知らせる必要があるときには,タッチ・ス
イッチの操作なしで自動的に表示するようにしてもよ
い。事故現場の位置は好ましくは表示装置25に表示され
た地図上に適当なマークまたは文字,記号等によって表
わされよう。または,地図上の地名,建物名,交叉点名
等を基準として,「○○交叉点から上り方向に約○○m
の箇所で中規模の事故が発生しております」というメッ
セージを表示装置25に表示してもよい。表示例について
は後述する。
【0111】他の情報,すなわち渋滞,気象等について
も上記と同様な処理により,車両からの情報に基づいて
エリアごとに判定され,その結果が車両に報知される。
【0112】上記の説明では,カー・ナビゲーション・
システム20において,交通,気象情報等はかなり詳しく
入力される構成となっている。しかしながら,もっと簡
単な構成としてもよい。たとえば,カー・ナビゲーショ
ン・システムの図3に示すようなマン・マシン・インタ
ーフェイスにおいて,渋滞,事故,晴,雪,凍結,チェ
ーン装着等の文字と,これに対応するボタンを配置し,
運転者にはいずれか一つまたは二つ以上のボタンを単に
押させるだけでもよい。この場合には,押されたボタン
を表わすデータと,その車両の位置データおよびボタン
が押された時刻を表わすデータとが(さらに好ましくは
車両IDを加えて),センタに送られる。センタではエ
リアごとに,押されたボタンの多数決によって道路の状
態を判定する。判定した結果は車両に送信される。
【0113】一般にカー・ナビゲーション・システムは
車両の位置を地図上に表示するものであり,外界に対し
ては何らの作用も行なわない。上述したシステムをカー
・ナビゲーション・システムを中心に考えると,カー・
ナビゲーション・システムで収集したデータをセンタに
送信し,センタで加工して得られたデータをカー・ナビ
ゲーション・システムで受信して表示(出力)するとい
うことになる。これは外界との相互作用を行なうカー・
ナビゲーション・システムであり,いわば双方向性をも
つカー・ナビゲーション・システムということができ
る。
【0114】第2実施例 第2実施例は主にセンタ9におけるセンタ・コンピュー
タ50によって渋滞を検出する処理に関するものである。
車載機3,中継機4およびセンタ9の構成は上述した第
1実施例に示すものと基本的に同じである。以下に第1
実施例と異なる点について述べる。
【0115】車載機3において,運転者は事故,渋滞,
気象等に関する情報を入力する必要はない。第2実施例
では車載機3から自動的にセンタ9に送信される情報に
のみ基づいて,センタ9において渋滞の有無が判断され
る。カー・ナビゲーション・システム20は位置センサと
して働くことになる。
【0116】車載機3から中継機4を経てセンタ9に伝
送される情報には少なくとも,車両ID,時刻データお
よび位置データが含まれる。
【0117】車載機3の情報処理装置10は適当な間隔
(比較的短い時間,秒単位または分単位程度)をあけて
少なくとも2回,上記情報を伝送する。センタ9のセン
タ・コンピュータ50では,同一の車載機3から2回にわ
たって受信した時刻データと位置データとを用いてその
車載機3が搭載されている車両2の車速を算出すること
ができる。もっとも,車載機3には車速センサ13が含ま
れているので,車速センサ13から得られる車速データを
車載機3からセンタ9に伝送するようにすることが好ま
しい。これにより,センタ・コンピュータ50の負担を軽
減することができる。
【0118】同一の車載機3から2回にわたって送られ
てきた情報(少なくとも時刻データと位置データ)を用
いてセンタ・コンピュータ50は,第1実施例の場合と同
じように,その車載機3を搭載した車両2の走行車線を
判断する。
【0119】車両2の車載機3からは上記以外に,車載
機3を搭載した車輌2の前方を走行している走行車輌と
の車間距離,道路1の路面状態(乾燥,湿潤,凍結,雨
等)を表わす路面情報,雨に関する情報等をセンタ9に
伝送するようにしてもよい。これらの情報はレーザ・レ
ーダ,路面判別装置,雨滴センサ等から得られる(第3
実施例参照)。
【0120】図19はセンタ9のメモリ53内に設けられる
車輌情報エリアの例を示している。この車輌情報エリア
は図17に示す第1実施例のものと同じであってもよい
が,第2実施例の特徴をきわだたせるために若干異なら
せて描かれている。
【0121】この車輌情報エリアには,車輌IDごと
に,前回データ,今回データ,走行車線,およびその他
の情報が格納される。上述のように,車輌2の車載機3
からは一定時間間隔で少なくとも2回にわたって情報が
伝達される。最新の情報が今回データであり,その前に
送られてきた情報が前回データである。これらのデータ
には,時刻データ,位置データおよび車速データ(セン
タで算出されたものでもよい)が含まれる。車輌から新
たな情報を受信したときには,格納されている今回デー
タが前回データとして格納され,新たな情報に含まれる
データが今回データとして格納されることにより,今回
データと前回データとが更新される。走行車線は,今回
データと前回データとに基づいて判定されたものであ
る。その他の情報には上述した車間距離や路面情報が含
まれる。
【0122】センタ9のセンタ・コンピュータ50は,車
両情報エリアのデータに基づいて渋滞の有無および必要
に応じてその程度を判定する処理を行う。
【0123】図20は渋滞判定処理の一例を示している。
これは渋滞していれば平均車速が遅くなるという事実に
着目した最も単純な処理である。
【0124】車両情報エリアに格納された各車両ごとの
位置データ(今回データに含まれる)に基づいて,各車
両を地図平面上でブロック分けする(ステップ131 )。
ブロックは第1実施例におけるエリアと同じものでもよ
いが,好ましくは車線を考慮したものとする。たとえ
ば,エリアAにおける特定の道路の上り車線上を走行し
ている車両が一つのブロックに含まれるようにする。同
じ道路の下り車線上を走行している車両は他のブロック
に属することになる。ブロックは渋滞を判断すべき範囲
の単位と考えればよい。
【0125】ブロックごとに,そのブロックに属するす
べての車両の車速(今回データに含まれる)を用いて平
均車速が算出される(ステップ132 )。
【0126】センタ9が統括している地域内にはN個の
ブロックがあるものとする。これらのブロックを計数す
るためのブロック・カウンタが設けられている。このブ
ロック・カウンタの内容が零にクリアされる(ステップ
133 )。
【0127】ブロックごとに,平均車速が30Km/h (時
速30Km)以上であるかどうかが判定される(ステップ13
5 )。平均車速が30Km/h 未満であれば,そのブロック
は渋滞しており(ステップ136 ),30Km/h 以上であれ
ば渋滞していない(ステップ137 )と判定される。渋滞
の判定のための基準となる速度は30Km/h に限らず任意
の速度でよい。
【0128】ブロック・カウンタがインクレメントされ
(ステップ138 ),次のブロックについて上述した処理
が行なわれる。そして,N個のブロックのすべてについ
て上述の処理が終了すれば(ステップ134 ),渋滞判定
処理は終る。
【0129】図21および図22は渋滞を判定する処理の他
の例を示している。この処理は,車両が渋滞しているブ
ロックではすべての車両の車速が遅くなるという事実に
着目したものである。
【0130】車両情報エリアにデータが格納されている
すべての車両が,図20の処理と同じように,その位置デ
ータにしたがってN個のブロックのいずれかに振分けら
れる(ステップ141 )。
【0131】ブロックごとに,そのブロックに属するす
べての車両に関して平均車速,車速幅および車両台数が
算出される(ステップ142 )。車速幅は,そのブロック
に属する車両の速度のうちの最大値と最小値との差(最
大車速車両と最小車速車両との速度差)を意味する。車
両台数はそのブロックに属する車両の総数である。
【0132】各ブロックについて,車両台数が10台を超
え(ステップ145 ),かつ平均車速が30Km/h 未満で
(ステップ146 ),かつ車速幅が30Km/h 未満である
(ステップ147 )場合にのみ,そのブロックで渋滞が発
生していると判定し(ステップ148 ),それ以外の場合
には渋滞ではないと判定する(ステップ149 )。判断の
基準となる車両台数,車速,車速幅は任意に設定できる
のはいうまでもない。
【0133】上記の処理はN個のすべてのブロックにつ
いて行なわれる(ステップ143 ,144 ,150 )。
【0134】図20または図21および図22に示す処理によ
り得られた渋滞の有無を表わす情報は,渋滞有と判定さ
れたブロックの位置情報とともに中継機4を通して車両
2の車載機3に伝送される。車載機3においては位置情
報とともに渋滞情報が表示される。渋滞情報表示のため
にカー・ナビゲーション・システム20の表示装置25が用
いられた場合には,たとえば図23に示すように,表示さ
れた地図上において渋滞と判定されたブロックに特定の
色または模様(図23ではハッチングで示す)で渋滞の旨
が表示される。渋滞している位置を,「○○交差点に至
る上り車線1Km」のように文字で表現して表示すること
もできる。必要に応じて表示盤8にも表示されよう。
【0135】図24および図25に示す渋滞判定処理は,車
両から伝送される車両ID,時刻データおよび位置デー
タのみ(車速データは不要)に基づいて渋滞を判定する
ものである。しかも,渋滞の程度も判断されている。
【0136】この処理はブロックごとに行なわれる。す
なわち,処理に先だち車両情報エリアにデータが格納さ
れた車両がブロック分けされる。
【0137】処理の対象となっている一つのブロックに
属する車両の台数が計数される(ステップ151 )。車両
台数をMとする。
【0138】上記の一ブロックに属する車両IDが小さ
い順にソート(並べ換え)される(ステップ152 )。
【0139】処理済の車両台数を計数するための車両カ
ウンタが設けられており,この車両カウンタがクリアさ
れる(ステップ153 )。
【0140】車両ごとに(車両IDごとに),それに関
連する今回データ中の位置データと前回データ中の位置
データとの差が算出される。今回データ中の時刻データ
と前回データ中の時刻データとの差が算出される。位置
データの差を時刻データの差によって割ることにより,
単位時間当りのその車両の位置変化量(速度)が算出さ
れる(ステップ155 )。この位置変化量算出処理は,車
両カウンタをインクレメントしながら,M台のすべての
車両について行なわれる(ステップ154 ,156)。
【0141】処理の対象となっている一ブロックに含ま
れる車両について位置変化量の平均値が算出される(ス
テップ157 )。この平均値は上述した平均車速とほぼ同
じ意味である。
【0142】算出された平均車速が基準の車速50Km/h
,20Km/h および5Km/h とそれぞれ比較される(ス
テップ158 ,159 ,160 )。この基準の車速は任意に設
定できる。
【0143】平均車速が50Km/h 以上であれば,そのブ
ロックは渋滞していないと判定される(ステップ161
)。
【0144】平均車速が50Km/h 未満で20Km/h 以上の
場合には,渋滞しているがその程度は小さいと判定され
る(ステップ162 )。
【0145】平均車速が20Km/h 未満で5Km/h 以上の
場合には渋滞しているがその程度は中くらいと判定され
る(ステップ163 )。
【0146】平均車速が5Km/h 未満の場合には渋滞し
ており,かつその程度は大きいと判定される(ステップ
164 )。
【0147】一ブロックに属する車両の台数が多ければ
多いほど,上記の判定の確度は高まる。車両台数を確か
らしさ(確度)を表わす値に変換するテーブルまたは関
数があらかじめ設定されており,このテーブルまたは関
数を用いて,処理の対象となっている一ブロックに属す
る車両の台数Mが情報の確からしさを表わす値に変換さ
れる(ステップ165 )。
【0149】上述したステップ151 から165 の処理は,
すべてのブロックについて,ブロックごとに行なわれ
る。したがって,ブロックごとに,そのブロックにおけ
る渋滞の有無,渋滞の程度およびこの渋滞情報の確から
しさが得られる。
【0149】このようにして得られた渋滞情報はブロッ
クの位置を表わす位置情報とともに車両の車載機に伝送
される。車載機においては,図23に示すような図で,ま
たは上述したような文章で渋滞情報が運転者に報知され
る。このとき,渋滞の程度も報知される。たとえば,図
23に示す地図上において,渋滞の程度が色分けされて表
示される。
【0150】図24および図25に示す処理において,ブロ
ックに含まれる車両台数や車速幅も渋滞の有無および程
度を判定するための基礎データとすることができる。
【0151】第3実施例 第3実施例はレーザ・レーダを活用して,自車両に関す
る情報のみならず,自車両が走行している場所およびそ
の近傍の環境(先行する車両に関する情報を含む)に関
する情報も車載機3において収集し,これらをセンタ9
に送信する形態に関するものである。第3実施例ではま
た,路面判別装置15によって判別された路面状態に関す
る情報,および雨滴センサ16によって測定された雨滴ま
たは降雨に関する情報も車載機3からセンタ9に送信さ
れる。車載機3,中継機4およびセンタ9の構成は上述
した第1実施例のものと基本的に同じである。第3実施
例に特有の構成および動作,とくにレーザ・レーダ14,
路面判別装置15および雨滴センサ16に関する構成および
動作について以下に説明する。
【0152】図26はレーザ・レーダ14の構成を示してい
る。レーザ・レーダ14はヘッド60を含む。ヘッド60は車
両の前方に向けてまたは後方に向けて(一般には前方に
向けて)レーザ光を投射するように車両に取付けられ
る。このヘッド60には,投射光を投射する投光光学系
と,反射光を受光する受光光学系とが含まれる。車両の
前方に向けてレーザ光を投射する場合には,図27に示す
ように,ヘッド60は車両2の前部,たとえばバンパまた
はその付近に取付けられる。ヘッド60の全部を車両2の
車体の外側に露出させる必要はなく,少なくともレーザ
光の出射窓と反射光の入射窓とがあけられていればよ
い。各種の信号処理回路は一般には車体内部に設けられ
るであろう。
【0153】投射されるレーザ光は,後に詳述するよう
に,パルス光であり,その投射方向が2次元的に走査さ
れる。投射レーザの走査の様子が図29に示されている。
図29(B) は平面からみたもので,投射光はヘッド60か
ら,ヘッド60を要として扇状の範囲(検知エリア)に投
射される。図29(A) はヘッド60から測定可能最大距離は
なれた位置における測定範囲(検知エリア)を垂直面上
で示すものである。これらの図において投射光(図29
(B) )および走査順序(図29(A) )が鎖線で示されてい
る。投射光を水平方向に往復走査しながら垂直方向に走
査する。
【0154】レーザ・レーダ14の全体的な動作はCPU
61によって統括される。CPU61は発光指令およびミラ
ー回転指令を出力する。CPU61は発光タイミング信
号,水平走査角θH を表わす信号,垂直走査角θV を表
わす信号,測定された距離dを表わす信号および受信信
号レベルSを表わす信号を取込んで,後述する座標変換
処理,測定データ処理等を行う。
【0155】CPU61が発光指令をパルス発生回路62に
与えると,パルス発生回路62は,一定周期をもつ一連の
発光パルスの発生を開始する。発光パルスの周期は,測
定可能最大距離を光が往復するのに要する時間以上の時
間をもつ。発光パルスは駆動回路63に与えられるととも
に,発光タイミング信号としてCPU61および測定回路
69に与えられる。
【0156】CPU61はまたミラー回転指令をミラー回
転装置71に与える。これに応答してミラー回転装置71は
投射光走査用ミラー70を所定角度範囲内で水平方向に往
復回動させ,かつ上記所定角度範囲の両端で垂直方向に
わずかな角度だけ回動させる。
【0157】図28は,ミラー70とミラー回転装置71の一
部を示している。
【0158】ミラー70は水平走査用モータ76の回転軸に
直接にまたは減速機構を介して取り付けられる。水平走
査用モータ76は回転台75に取付けられている。回転台75
に固定された軸77は軸受(図示略)に回転自在に受けら
れている。一方の軸77が垂直走査用モータ78によって,
必要に応じて減速機構を介して,回転される。垂直走査
用モータ78はヘッド60のフレーム(図示略)に支持され
る。
【0159】水平走査用モータ76がミラー回転装置71に
含まれる水平走査用モータ駆動回路(図示略)により駆
動され,ミラー70が水平平面内で回動される。垂直走査
用モータ78が垂直走査用モータ駆動回路(図示略)によ
り駆動され,回転台75(ミラー70と水平走査用モータ76
も)が回動することによりミラー70が垂直平面内で回動
される。
【0160】投光装置64はレーザ・ダイオードとコリメ
ート・レンズとを含む。レーザ・ダイオードが発光パル
スに応答して駆動回路63によってパルス駆動されるの
で,投光装置64からはコリメートされたレーザ光が出射
する。このレーザ光はミラー70で反射し,投光レンズ65
を通って投射される。投光レンズ65は必ずしも必要では
ない。
【0161】ミラー70が水平方向および垂直方向に回動
することにより,投射光は上述したように所定角度範囲
(検知エリア)内で2次元的に走査される。
【0162】ミラー70の水平走査角θH は,ミラー70の
反対面(この面も反射面となっている)に向けて光を投
射する発光ダイオード(LED)72H,ミラー70からの
反射光の位置を検出する位置検出素子(PSD)73H,
および位置検出素子73Hの位置信号を水平走査角信号に
変換する角度検出回路74Hにより検出され,CPU61に
与えられる。
【0163】ミラー70の垂直走査角θV は,ミラー70の
反対面に向けて投射する発光ダイオード72V,ミラー70
からの反射光の位置を検出する位置検出素子73V,およ
び位置検出素子73Vの位置信号を垂直走査角信号に変換
する角度検出回路74Vにより検出され,CPU61に与え
られる。
【0164】道路にはその路側に沿って適当な間隔で多
数のリフレクタ(路側リフレクタ)が設けられている。
道路のセンタ・ラインまたは車線を分けるラインは白線
または黄線により描かれている。これらの白線または黄
線上にもリフレクタ(路面リフレクタ)が設けられてい
る。乗用車,バス,トラック等の一般に四輪以上の車両
には,その後部の両端部(尾燈が取付けられている箇所
付近)に各1個ずつ合計2個のリフレクタ(車両リフレ
クタ)が取付けられている。二輪車には1個のリフレク
タ(車両リフレクタ)が取付けられている。これらの路
側リフレクタ,路面リフレクタおよび車両リフレクタは
再帰反射板といわれるもので,反射方向が入射方向とほ
ぼ同じになるという性質をもつ。
【0165】レーザ・レーダ14のヘッド60から投射され
たレーザ光は,車体,路面上の白線または黄線,各種リ
フレクタ等で反射してヘッド60に戻ってくる。一般にリ
フレクタからの反射光強度は高く,車体,白線等からの
反射光強度は低い。また,一般に反射光強度はヘッド60
から反射物体までの距離に応じて変化し,近距離になる
ものほど反射光強度が高い。車体等からの反射光であっ
ても比較的近距離にある場合には検出可能な光強度を持
つ。
【0166】このような反射物体からの反射光は受光レ
ンズ66によって集光され,受光素子(たとえば,フォト
ダイオード)67に入射する。受光素子67の受光信号は増
幅器68を通して測定回路69に入力する。
【0167】測定回路69は,発光タイミング信号の入力
時点から受光信号の入力時点までの時間を計時し,この
時間と光速とを用いて反射物体までの距離d(光が往復
した距離:図29(B) 参照)を算出する。また,増幅器68
から入力する受光信号のレベルSを表わすレベル信号を
出力する。距離dを表わす信号と受光レベルSを表わす
信号はCPU61に入力する。
【0168】再び図29を参照して,ヘッド60の位置を原
点として,水平面内において,その前方に向ってY軸
が,右横方向にX軸がとられる。また上方向にZ軸がと
られる。
【0169】CPU61は各走査点について,水平走査角
θH ,垂直走査角θV および距離dを受取ると,これら
の極座標で表わされた値を,上記のX,Y,Z軸からな
る直交座標における値に変換する。
【0170】測定可能最大距離はたとえば150 mであ
る。距離の分解能を0.01mとする。水平方向の走査角を
400 mrad とし,その角度範囲が4000に分割され,4000
の角度位置で計測が行なわれる(4000個のパルス状投射
光が投射される)ものとする。また垂直方向の走査角を
100 mrad とし,この走査角が40に分割され,40回の計
測が行なわれるものとする。受光信号のレベルSは20レ
ベルの分解能をもつものとする。
【0171】CPU61は得られた距離dおよびレベルS
のまるめ処理(平均化処理)を行う。たとえば,水平方
向の走査角の範囲で得られる4000回分の計測値を100 方
向のデータにまとめる。40個のデータを1個のデータに
まとめることになる。垂直方向の走査角の範囲で得られ
る40回分の計測値を10方向のデータにまとめる。4個の
データを1個のデータにまとめることになる。このまる
め処理はXYZ座標変換前に行っても変換後に行なって
もいずれでもよい。
【0172】いずれにしても,1回の2次元走査におい
て,水平方向(X軸方向)に100 個の位置データ,垂直
方向(Z軸方向)に10個の位置データ,合計1000個の位
置データが得られる。これらの1000個の位置データ(10
00個の検出点)のそれぞれについて,反射物体までの距
離(Y軸方向)のデータと受光レベルのデータが付随す
ることになる。
【0173】図30は,1回の2次元走査で得られる上記
のデータをまとめたものである。1000個の位置データに
は検出点番号が割当てられている。CPU61は,各2次
元走査ごとにこのようなデータを作成してそのメモリに
記憶する。
【0174】反射物体が検知されない位置(反射光レベ
ルが非常に低いかまたは零に等しい位置)については,
Y軸の値および受光信号レベルの値がともに0に設定さ
れる。これにより,何らかの反射物体が検出された位置
とその数(検出点の位置と数)が分る。
【0175】車載機3の情報処理装置10はCPU61が作
成した図30に示すデータに基づいて,各種の特徴量また
は状態量を作成する。情報処理装置10はまた,これらの
特徴量および状態量に基づいて,渋滞情報,事故情報,
気象情報,その他の情報を作成し,それらの情報をセン
タ9に送信する。
【0176】まず情報処理装置10が特徴量または状態量
を作成する処理の代表的なものについて説明する。
【0177】CPU61が作成した一回の2次元走査で得
られるデータには信号レベルを表わすデータが含まれて
いる。低い信号レベルをもつデータは処理の誤りを誘発
しやすいので,あるしきい値レベル以上の信号レベルを
もつ検出点のデータのみが処理の対象となる。
【0178】リフレクタにしても車両の車体にしても,
隣接する検出点間の距離(400 mrad の水平走査角が10
0 個の検出光で分割された場合,ヘッド60からY軸方向
に1mの距離の位置で,2つの隣接する検出点間のX軸
方向の距離は約4mmである)よりも大きい。したがっ
て,一つの検出対象物の表面上の複数の点(検出点)か
ら反射光が得られる。そこで,同一の検出対象物からの
反射光に基づくデータが一つのグループをつくるように
まとめられる。
【0179】同一検出対象物ごとにデータをまとめる処
理(同定処理)は,X,YおよびZ座標データに基づい
て行なわれる。2つの検出点のX座標データとZ座標デ
ータとが所定の許容範囲内に含まれればこれらの2つの
検出点は同一検出対象物上の検出点と判定される。所定
の許容範囲は距離Yのデータに応じて定められよう。
【0180】ヘッド60に近い位置に車両が存在する場合
には,その車両の車体およびリフレクタからの反射光が
検出点を形成し,これらの検出点はヘッド60からみた車
体の輪郭線の範囲内に分布し,上記の処理によって同一
検出対象物(一台の車両)上のものとして一つのグルー
プを形成するようにまとめられる。
【0181】ヘッド60から遠い位置に存在する車両につ
いては,その車両に取付けられたリフレクタからの反射
光のみが検出点を構成しよう。車両には2個のリフレク
タが取付けられている。これら2つのリフレクタの間に
は車両の車幅よりも少し狭い一定間隔がある。したがっ
て,Y軸上の位置がほぼ同じでかつX軸方向に上記一定
間隔(Y軸座標値に応じて定められる)にほぼ等しい位
置の差をもつ2つのリフレクタからの反射光に基づく検
出点は同一の検出対象物(一台の車両)に属するものと
してまとめられる。
【0182】このようにして同定された検出対象物の位
置(X,YおよびZ座標値)ならびにそれらの数が検出
される。
【0183】レーザ・レーダ14は走行する車両に搭載さ
れている。上述のようにして検出された検出対象物のレ
ーザ・レーダ14を搭載した車両に対する相対速度は次の
ようにして求められる。
【0184】相対速度の算出には少なくとも2回分(好
ましくは3回分)の2次元走査データ(図30に示すも
の)が用いられる。これらの走査データ上にY軸方向に
ウィンドウが設定される。このウィンドウは,2回の2
次元走査の周期(時間間隔)の間に,考えられうる最大
相対速度で移動する物体が変位する距離またはそれより
も若干大きく設定される。前回(第1回目)の2次元走
査データに基づいて検出された対象物と今回(第2回
目)の2次元走査データに基づいて検出された対象物と
がこのウィンドウ内に含まれるならば,これらの対象物
は同一のものと判定される。
【0185】同一対象物の前回位置から出発し今回位置
に至る移動ベクトルが設定される。好ましくは,この移
動ベクトルに基づいてその対象物が次回(第3回目)の
2次元走査において存在するであろう位置が推定され
る。第3回目の2次元走査データに基づいて検出された
対象物が,推定された位置の近傍にあれば,第1回目お
よび第2回目の2次元走査データに基づいて同定された
対象物は確かに同一対象物であると確定される。
【0186】上記の移動ベクトルに基づいてその検出対
象物の移動方向と相対速度(X,YおよびZ軸方向のそ
れぞれについて,およびそれらを合成したものについ
て)とが算出される。レーザ・レーダ14が搭載されてい
る車両の走行速度は車速センサ13によって検出される。
検出された車速に相対速度(正,負の符号をもつ)を加
算することにより検出対象物の絶対速度が求められる。
【0187】上述したように,道路のセンタ・ライン上
や路側には一定間隔で多数のリフレクタが道路の形状に
沿って設けられている。これらのリフレクタは上述した
同一検出対象物同定処理において,それぞれ別個の検出
対象物であると判定される。これらのリフレクタは,一
定間隔で直線または曲線に沿って並んでいる,相対速度
が車速センサ13によって検出される車速とほぼ同じでか
つ移動方向が逆である,という性質を持っている。これ
らの性質を利用して路面リフレクタおよび路側リフレク
タは他の検出対象物から区別される。路面リフレクタと
路側リフレクタとは設けられている高さ位置が異なるの
で,Z軸座標データを用いてこれらのリフレクタを相互
に区別できる。これらの路面リフレクタおよび路側リフ
レクタの並びの方向は道路の形状を表わすので,道路の
形状が判定される。また,これらのリフレクタの高さ位
置または移動ベクトルに基づいて道路の勾配の有無およ
びその程度が判定される。
【0188】上述した特徴量または状態量の同定,検出
および判定処理の詳細は,同一出願人による特許出願,
特願平4-305019号,特願平6-52512 号および特願平6-83
793号に記載されている。
【0189】道路,特に高速道路に存在するものが殆ん
ど,車両(二輪車を含む)と路面リフレクタおよび路側
リフレクタであるとすれば,全ての同定した検出対象物
の数から路面リフレクタおよび路側リフレクタの数を減
算することにより,存在する車両のおおよその数が算出
される。
【0190】上述したように一つの検出対象物に属する
もの判定された検出点の集合は,特にXZ平面におい
て,一つの2次元像を形成する。この2次元像の形状に
基づいて検出対象物が何であるかが判定される。
【0191】たとえば,図31(A) に示される2次元像は
横向き(道路を横切る方向)の大型トラックのものであ
ると判断される。図31(B) に示される2次元像は,前向
きまたは後向きの大型トラックのものであり,図31(C)
に示される2次元像は高さが低いので前向きまたは後向
きの普通車のものであると判断される。このような判断
はパターン・マッチングの手法,高さ,幅,面積の比較
に基づいて,その他の方法により行なわれよう。高さ,
幅,面積の算出は当然,ヘッド60からの距離(Y座標
値)が考慮される。
【0192】検出対象物が何であるかということ,また
は形状の判別が可能であるとともに,上記のようにその
検出対象物の向き(横向き,前向きなど)も判別され
る。上述したように,移動ベクトルから,検出対象物が
静止しているのか,移動しているのか,移動していると
するとその方向と速さも検知される。
【0193】信号のレベルが低い検出点も活用すると,
道路に存在する多くの対象物の形状が2次元画像として
表現されるので,さらに多くの種類の対象物の認識が可
能となる。この場合にも,すべての検出点について同一
対象物に属するかどうかの同定処理が行なわれ,同一の
検出対象物に属すると判定された検出点の集合によって
対象物の2次元画像が得られる。
【0194】対象物の認識の判断基準の一例を挙げると
次の通りである。
【0195】横幅が50cm程度で,高さが2m弱で,絶対
速度の小さい対象物は人である。横幅が50cm程度で,高
さが1.5 m程度で,絶対速度がある程度速いものは二輪
車である。(絶対速度が小さければ人と判断してもよ
い。) 横幅が2m程度で,高さが1.5 m程度の対象物は普通車
である。横幅が3m程度で,高さが3m程度の対象物は
大型トラックである。横幅が3m以上で,絶対速度がほ
ぼ零の対象物は壁である。絶対速度がほぼ零で,位置が
上の方にある対象物は看板である。細長くかつ連続的に
つながっている対象物は白線である。受光信号のレベル
が高く,横幅が小さく,絶対速度がほぼ零のものは路側
リフレクタである。
【0196】対象物が何であるかの認識処理はファジィ
推論またはしきい値処理(しきい値との比較に基づく判
断)等により行なわれる。
【0197】上述した特徴量ないしは状態量に主に基づ
いて情報処理装置10は渋滞の有無,その程度,事故の有
無,その程度等を次のようにして判断する。
【0198】まず渋滞情報の生成処理について説明す
る。これはファジィ推論により行なわれ,検出した車両
数,平均車間距離,平均速度およびこれらのファクタが
ある大きさをもつ状態が継続する時間に基づいて渋滞が
判断される。
【0199】車両数は上述したようにレーザ・レーダ14
の検知エリアに存在する車両の台数である。
【0200】車間距離とは一の車両を基準にすると,基
準車両の前を走行している車両のうち基準車両に最も近
い車両と基準車両との間の距離である。上述した特徴量
の作成処理により,レーザ・レーダの検知エリアに存在
する殆んどすべての車両(後方からみると,先行する車
両が重なって殆んど見えない状態では車両の位置を検出
できない場合もある)の位置が検出される。前後に相隣
り合う車両の間隔(車間距離)がそれぞれ算出される。
算出された車間距離の平均値が平均車間距離である。
【0201】レーザ・レーダの検知エリアに存在する殆
んどすべての車両の移動ベクトルからそれらの相対速度
が算出され,相対速度に自車両の車速を加算することに
より,絶対速度が算出される。検知エリア内の車両の絶
対速度の平均値が平均速度である。
【0202】次に示すようなIf, then ルールが用意さ
れる。
【0203】R1:車両数が多ければ渋滞である。 R2:車両数が少なければ渋滞ではない。 R3:平均車間距離が短ければ渋滞である。 R4:平均車間距離が長ければ渋滞ではない。 R5:平均速度が遅ければ渋滞である。 R6:平均速度が速ければ渋滞ではない。 R7:車両数の多い状態が長時間続くならば渋滞であ
る。 R8:車両数の少い状態が長時間続くならば渋滞ではな
い。 R9:平均車間距離の短い状態が長時間続くならば渋滞
である。 R10:平均車間距離の長い状態が長時間続くならば渋滞
ではない。 R11:平均速度の遅い状態が長時間続くならば渋滞であ
る。 R12:平均速度の速い状態が長時間続くならば渋滞では
ない。
【0204】これらのルールR1〜R12で用いられるメ
ンバーシップ関数の例が図32から図37に示されている。
【0205】図32(A) および(B) はそれぞれルールR1
およびR2で用いられるものである。渋滞度は渋滞とい
える度合いであり,非渋滞度は渋滞ではないといえる度
合いである。
【0206】図33(A) および(B) はルールR3およびR
4のためのメンバーシップ関数を示す。
【0207】図34(A) および(B) はルールR5およびR
6でそれぞれ用いられるメンバーシップ関数を示してい
る。
【0208】図35(A) および(B) はそれぞれルールR7
およびR8で用いられるメンバーシップ関数を示す。車
両数の多い状態とは,検出された車両数がたとえば10台
以上である状態をいい,車両数の少ない状態とは,検出
された車両数がたとえば10台未満である状態をいう。
【0209】図36(A) および(B) はそれぞれルールR9
およびR10のためのメンバーシップ関数を示す。平均車
間距離の短い状態とは,平均車間距離がたとえば10m以
下の状態を指す。平均車間距離の長い状態とは,平均車
間距離がたとえば20m以上の状態をいう。
【0210】図37(A) および(B) はそれぞれルールR11
およびR12で用いられるメンバーシップ関数を示す。平
均速度の遅い状態とは,平均速度がたとえば20Km/h 以
下の状態をいう。平均速度の速い状態とは,たとえば平
均速度が30Km/h 以上である状態をいう。
【0211】ルールR7からR12はある状態の継続時間
を計測して適用するものであるから,これらルールに基
づく処理は一定時間間隔(たとえば30分間隔)で行なわ
れよう。
【0212】図32から図37には直線で表現されたメンバ
ーシップ関数が示されているが,メンバーシップ関数を
曲線で表現できるのはいうまでもない。
【0213】検出した車両数,平均車間距離,平均速
度,車両数の多い状態の継続時間,平均車間距離の短い
状態の継続時間および平均速度の遅い状態の連続時間
を,ルールR1,R3,R5,R7,R9およびR11に
したがって図32(A) ,図33(A) ,図34(A) ,図35(A) ,
図36(A) および図37(A) のメンバーシップ関数にあては
め,それぞれ渋滞度を得る。これらの渋滞度の総和を算
出する。
【0214】同じように,検出した車両数,平均車間距
離,平均速度,車両数の少ない状態の継続時間,平均車
間距離の長い状態の継続時間および平均速度の速い状態
の継続時間を,ルールR2,R4,R6,R8,R10お
よびR12にしたがって図32(B) ,図33(B) ,図34(B) ,
図35(B) ,図36(B) および図37(B) のメンバーシップ関
数に適用し,それぞれ非渋滞度を得る。これらの非渋滞
度の総和を算出する。
【0215】渋滞度の総和と非渋滞度の総和を比較し
て,渋滞度の総和の方が多ければ渋滞状況にあると判定
し,逆の場合には渋滞していないと判定する。渋滞状況
にあると判定したときには,上記の2つの総和の差を渋
滞度合(規格化することが好ましい)とする。
【0216】上述したルールのうちいずれか一つまたは
複数を省いてもよいし,他のルールを加えてもよい。
【0217】事故情報は上述した特徴量のうち,検出対
象物の種類,その向き,絶対速度,道路形状等に基づい
て作成される。
【0218】たとえば,図38に示すように,両側に路側
リフレクタ81が設けられた道路1において,センタ・ラ
イン83にまたがって(ほぼ直交して),大型トラックと
認識される検出物体が横向きになっており,その絶対速
度が零(停車している)と判断されるときには,事故で
あると判定される。この事故に関連する車両の数,事故
現場までの距離も検出される。
【0219】事故情報には,事故の有無,事故の状況,
事故に関連する車両数,自車両の位置から事故現場まで
の距離等が含まれることになる。
【0220】レーザ・レーダを用いると気象情報も得ら
れる。
【0221】例えば,晴天の場合には太陽光による外乱
ノイズがレーザ・レーダ14の受光光学系(受光素子67)
に受光される。投光装置64のレーザ・ダイオードが発光
していないタイミングで受光素子67から高いレベルの受
光信号が得られたときには太陽光の光が入射したものと
判断され,晴天と判定される。
【0222】至近距離において,小さな検出対象物(幅
および高さが非常に小さいもの)が離散的にかつ不連続
的に検出されたときには雨または雪と判断される。温度
センサが設けられていれば,検出された温度に基づいて
雨または雪のどちらであるかが判断されよう。
【0223】雨または雪はレーザ・レーダの前面に付着
する水滴または雪を検出することによっても認識され
る。たとえば,距離が0mの位置に検出点がある場合に
はそれは水滴または雪と判断される。
【0224】その他にも,先行車がはね上げる水飛沫
(スプラッシュ)の判定により,雨または水たまりが検
出される。
【0225】レーザ・レーダを用いた自車両をとりまく
外部環境の検出,判断について説明したが,その他のセ
ンサ群を備えることにより,一層正確な情報を各車両が
収集することができる。これらのセンサの例としては,
日射センサ,雨滴センサ,ハンドル角センサ,ワイパの
オン/オフ・センサ,温度センサ,路面状態センサ(路
面判別装置)等がある。路面判別装置と雨滴センサにつ
いては次に詳述する。
【0226】たとえば一定時間内におけるブレーキまた
はアクセルを運転者が踏んだ回数を計数し,この計数値
を上述した渋滞の判断において考慮することができる。
【0227】雨滴センサ(降水量も測定する),日射セ
ンサ,ワイパのオン/オフの回数を検出するセンサ,路
面状態センサ(乾燥,湿潤,凍結,雨などの検知)等か
らの情報に基づいて気象情報を作成することができる。
【0228】自車両が衝突したときにその衝撃を検出す
るエアバッグ用衝撃センサを設けておくと,自車両が事
故を起したことが検出できる。
【0229】事故情報はさらに車両間通信により得るこ
ともできる。走行する車両が事故を起したとき,または
事故を検出したときに,その情報を後続車両に通信によ
り伝える。後続車両の情報処理装置10は,上述したレー
ザ・レーダから得られる情報と通信により得られた情報
とを総合して事故に関する情報を作成する。
【0230】路面判別装置15の具体的構成例について詳
述する。この路面判別装置は国際公開番号WO95/0
1549(PCT/JP94/01053)に記載され
ているものである。
【0231】路面判別装置15の少なくとも光学系200
(図40,図41および図42に示す構成)は図39に示すよう
に車両2の下部の適所に下方に向けて固定される。路面
判別装置15の光学系から光が道路1の路面LDに向けて
投射され,路面LDからの反射光が光学系によって受光
される。光学系から得られる電気信号に基づいて信号処
理回路(図44参照)によって路面状態が判別される。
【0232】識別される路面状態の代表例は次の通りで
ある。
【0233】雪 アスファルト(またはコンクリート) 砂利(または土もしくは砂)
【0234】路面が凍結しているかどうかも判別され
る。
【0235】さらにアスファルト(コンクリート)路面
を次の2つの状態に細分化することもできる。
【0236】湿潤アスファルト(コンクリート) 乾燥アスファルト(コンクリート)
【0237】したがって判別の態様には,上述した路面
状態の中の任意の1つの路面状態の識別することおよび
任意の2つ以上の路面状態を区別することが含まれる。
判別の態様の代表的なものは次の通りである。
【0238】a.雪路の識別 b.アスファルト路(コンクリート路)の識別 c.砂利路(土または砂路)の識別 d.路面凍結の識別 e.湿潤アスファルト路の識別 f.乾燥アスファルト路の識別 g.雪路とアスファルト路との区別 h.雪路と砂利路との区別 i.アスファルト路と砂利路との区別 j.雪路とアスファルト路と砂利路との区別 k.上記g.,i.およびj.においてアスファルト路
を湿潤状態と乾燥状態とに判別すること m.上記g.,h.,i.,j.およびk.において凍
結の有無を判別すること
【0239】以下では判別すべき路面状態の種類が最も
多い上記m.の態様を中心に説明するが,その光学的構
成の必要な一部,電気的構成の必要な一部およびアルゴ
リズムの必要な一部のみを取出すことにより,上記a.
〜k.のうち任意の態様の路面判別が可能なのはいうま
でもない。
【0240】図40から図42は路面判別装置15の光学系20
0 の構成を示すものである。図面の枚数を少くするため
に,この光学系には,後に詳述するいくつかの路面判別
アルゴリズムのすべてを実際に実行するために必要なす
べての光学的要素が描かれている。逆に言えば,ある路
面判別アルゴリズムを実行するためには必要とされない
光学的要素もこの光学系に含まれている。図40から図42
はいくつかの路面判別装置の光学系に含まれるすべての
光学的要素をあわせて表現したものといえる。このこと
は,図44に示す信号処理回路にもあてはまる。したがっ
て,この光学系および図44に示す信号処理回路を用いる
と,上記m.の態様の路面判別が可能である。上記a.
〜k.のいずれかの態様の路面判別が可能な路面判別装
置を実現する場合には,不要な光学的要素および電気回
路要素を除けばよい。
【0241】路面照明用光源211 と正反射光用光源212
とが光学系に含まれている。これらの光源211 と212 は
いずれも発光ダイオードにより構成される。路面照明用
光源211 は車両の進行方向に斜め下方に光を投射する。
正反射光用光源212 はこれと直交する方向に斜め下方に
光を投射する。好ましくはこれらの光源211 および212
から出射する光の波長は異なるものである。これによ
り,これらの光源の光の路面LDからの反射光を光学フ
ィルタにより分離できる。
【0242】路面からの拡散反射光の受光光学系は受光
レンズ221 ,スリット板222 ,コリメート・レンズ224
を含んでいる。受光レンズ221 の焦点とコリメート・レ
ンズ224 の焦点は同じ位置にあり,これらの焦点にスリ
ット板222 のスリット(絞り) 222aが位置している。
スリット 222aは車両の走行方向に直交する方向に細長
くのびている。このような光学系はテレセントリック光
学系といわれている。すなわち,路面LDからの反射光
のうち,路面LDに垂直でかつ互いに平行な光のみ(図
41において)が,受光レンズ221 の焦点に集光され,ス
リット 222aを通過する。スリット 222aを通過した光
はコリメート・レンズ224 によって平行化される。光源
211 からの光は路面LDに斜めに入射する。路面LDか
ら垂直に反射する光のみがスリット 222aを通る。この
ようにして,路面LDからの拡散反射光のみがコメリー
ト・レンズ224 でコリメートされて,空間フィルタ光学
系に入る(すなわち,路面LDからの正反射光は空間フ
ィルタ光学系には入らない)。
【0243】好ましくはスリット板222 のスリット 222
aの位置に光学フィルタ223 が配置されている。このフ
ィルタ223 は路面照明用光源211 から投射された光のみ
を通過させる波長選択性をもつ。これにより,正反射光
用光源212 からの光,その他の外乱光(太陽光,道路の
照明灯の光等)が空間フィルタ光学系に入射するのが防
止される。光源211 の投射光は好ましくは赤外光であ
る。
【0244】空間フィルタ光学系は格子板(スリット・
アレイ)225 ,プリズム・アレイ226 ,集光レンズ227
および2個の光検出器(受光素子,たとえばフォトダイ
オードまたはフォトトランジスタ) 231A, 231Bを含
む。基本的にプリズム・アレイ226 が空間フィルタ作用
を行う。
【0245】プリズム・アレイ226 は多数のプリズムか
ら構成されている。これらのプリズムは車両の走行方向
に配列されかつ走行方向に直交する方向にのびている。
好ましくはプリズム・アレイ226 は一体成形される。コ
リメート・レンズ224 によって平行化された光はプリズ
ム・アレイ226 のプリズムによって一定のピッチ幅ずつ
交互に前後に(走行方向を基準として)屈折によって分
離される。これらの分離された光は集光レンズ227 によ
ってそれぞれ集光され,2個の光検出器 231Aおよび 2
31Bに入射する。
【0246】図41において鎖線で示された光は光検出器
231Aに入射し,破線で示された光は光検出器 231Bに
入射する。これらの光の幅はプリズムの配列周期に依存
している。プリズムの配列周期が空間フィルタの特性
(周期)を規定する。
【0247】格子板(スリット・アレイ)225 には,車
両の走行方向に配列されかつ走行方向と直交する方向に
のびる多数のスリットが形成されている。これらのスリ
ットの配列周期はプリズム・アレイ226 におけるプリズ
ムの配列周期の1/2倍である。コリメート・レンズ22
4 によって平行化された光のうちスリットを通過した光
が上述のようにプリズム・アレイ226 に入射して,分離
され,空間的に交互に,光検出器 231A, 231Bに受光
される。格子板225 は迷光がプリズム・アレイ226 に入
射するのを防止するものである。
【0248】光検出器 231Aと 231Bは車両の走行方向
に間隔をあけて配置されている。この間隔は,プリズム
・アレイ226 におけるプリズムの周期と集光レンズ227
の倍率によって定まる。光検出器 231Aと 231Bの両側
には鏡228 が設けられ,レンズ227 によって光検出器 2
31A, 231Bの受光面上に集光されない光をできるだけ
光検出器 231A, 231Bに入射させるように働く。
【0249】後に示すように,2つの光検出器 231Aと
231Bの出力信号は差動増幅回路に与えられ,それらの
差が算出される。差動増幅回路の出力信号が,路面の凹
凸を含む,拡散反射光に変動を生じさせる路面の状態を
表わす空間周波数成分に対応する周波数成分(車両の速
度に依存する)を含んでいる。
【0250】光検出器 231Aに入射する光と光検出器 2
31Bに入射する光は,空間フィルタによって選択される
空間周期の半分の周期だけ位相がずれている。したがっ
て,両光検出器 231Aと 231Bの出力信号の差をとるこ
とによって,空間中心周波数成分は2倍になる。主に直
流(DC)成分がこの差動処理により相殺される。
【0251】正反射光用光源212 と正反射光用光検出器
232 とは,車両の走行方向と直交する平面内において,
光源212 からの投射光の路面LDに対する入射角と,光
検出器232 に入射する路面からの反射光の反射角とが等
しくなるように配置されている。この入射角と反射角は
ブリュースタ角(53度)よりも小さくすることができる
ので,光学系の小型化が期待できる。好ましくは,光検
出器232 の前面に,光源212 の投射光のもつ波長の光の
みの通過を許す光学フィルタと,集光レンズとを配置す
る。
【0252】路面温度計233 は路面温度を計測するもの
であり,たとえば赤外線放射温度計により実現される。
路面温度計233 は光学系内に含めずに,車両の他の適所
に設けるようにしてもよい。
【0253】さらに,正反射光用光源212 の投射光の一
部を受光する投光量モニタ用光検出器234 が設けられて
いる。
【0254】図43は光検出器 231Aの出力信号と光検出
器 231Bの出力信号との差動信号によって表わされる空
間周波数スペクトルの実測例を表わす。このグラフは3
種類の路面状態,すなわち雪路,砂利路およびアスファ
ルト路について実測したものである。
【0255】光検出器 231Aと 231Bの出力差動信号に
含まれる中心周波数信号成分の周波数(電気的な中心周
波数)fは,空間フィルタの構成によって選択される空
間中心周波数μと車両の速度vとの積によって表わされ
る。
【0256】 f=μ×v …式(1)
【0257】空間中心周波数μは空間フィルタの構成に
よって一義的に定まる。空間フィルタによって選択され
る路面周期(路面の凹凸を含む,拡散反射光に変化を生
じさせる路面状態の周期)はここでは4(mm)に設定さ
れている。図43は実測によって得られた電気信号をフー
リェ変換して(FFT:高速フーリェ変換)周波数スペ
クトルを得,これを空間中心周波数μで規格化したもの
である。また,雪,砂利およびアスファルトについての
データを,空間中心周波数μにおけるピーク値(強度)
が一致するように正規化している。
【0258】このグラフから分るように,空間中心周波
数μよりも低い(たとえばμ/4以下の帯域)空間周波
数成分の強度において,雪路と砂利路とアスファルト路
との間には大きなかつ明白な差がある。これらの差は1
桁(10倍)前後または1桁以上である。3種類の路面状
態における強度の差は空間周波数が低くなればなるほど
大きくなっている。
【0259】したがって,空間周波数の低周波数成分強
度(たとえばμ/4やμ/10の周波数における)を中心
周波数成分強度で正規化した値(これを〔低周波数成分
強度/中心周波数成分強度〕=Db/Daという)に基
づいて雪路と砂利路とアスファルト路とを区別すること
ができる。これらを区別するために用いるしきい値TH
1,TH2は,各状態における上記の値Db/Daの中
間に定めればよい。図43を参照して,値Db/Daがし
きい値TH1より大きければ雪路,しきい値TH1とT
H2の間にあれば砂利路,しきい値TH2以下であれば
アスファルト路と判別される。
【0260】ここで雪路とは降雪直後の新雪(全表面が
真白の雪)よりはむしろ車両や人の交通があって,雪の
表面が荒れ,比較的大きな(砂利よりもかなり大きい)
凹凸等のある状態(拡散反射光量に変化を生じさせる表
面状態)である。
【0261】砂利の混った土路や砂道も砂利路と同じよ
うな傾向を示す,また,コンクリート路の周波数スペク
トルはアスファルト路のスペクトルとほぼ同様である。
【0262】図44は路面判別装置に含まれる信号処理回
路の構成の一例を示すものである。
【0263】光検出器 231Aと 231Bの出力信号は差動
増幅回路251 に与えられ,その差を表わす信号が回路25
1 から出力される。
【0264】光検出器 231A, 231Bおよび差動増幅回
路251 の構成例が図45に示されている。光検出器 231A
と 231Bはそれぞれフォトダイオードにより構成され,
これらのフォトダイオードが直列に接続されている。差
動増幅回路251 は帰還抵抗Rをもつ演算増幅器 251Aに
より構成される。フォトダイオード 231Aに流れる電流
1 とフォトダイオード 231Bに流れる電流I2 との差
がそれらの結節点で算出され,この差電流が演算増幅器
251Aに入力する。演算増幅器 251Aは入力する差電流
を電圧信号V0 に変換して出力する。この出力電圧V0
は次式で与えられる。
【0265】 V0 =R(I2 −I1 ) …式(2)
【0266】差動増幅回路251 の出力電圧V0 はトラッ
キング・バンド・パス・フィルタ(トラッキングBPF
(C))252 およびトラッキング・ロウ・パス・フィル
タ(トラッキングLPF(L))255 に与えられる。
【0267】トラッキングBPF252 の出力信号は周波
数/電圧(F/V)変換回路253 に与えられる。F/V
変換回路253 の出力信号は,路面判別装置が搭載された
車両の速度(対地速度)vを表わす。F/V変換回路25
3 の出力信号はトラッキングBPF252 およびトラッキ
ングLPF255 にフィードバックされ,これらのフィル
タ回路における遮断周波数(周波数帯域)を車速vに追
従して変化させるのに用いられる。
【0268】トラッキングBPF252 の出力信号はまた
振幅検出回路254 に入力する。振幅検出回路254 は上述
した中心周波数成分強度Daを表わす信号を出力する。
【0269】トラッキングLPF255 の出力信号は振幅
検出回路256 に入力する。振幅検出回路256 は上述した
低周波数成分強度Dbを表わす信号を出力する。
【0270】トラッキングBPF252 の構成例が図46に
示されている。トラッキングBPF252 はハイ・パス・
フィルタ(HPF)とロウ・パス・フィルタ(LPF)
とを含み,これらのHPFとLPFとがバッファ増幅器
275 を介して直列に接続されている。HPFはコンデン
サ271 と電圧制御可変抵抗素子273 とから構成されてい
る。LPFはコンデンサ272 と電圧制御可変抵抗素子27
4 とから構成されている。電圧制御可変抵抗素子273 ,
274 はたとえばFETにより構成される。これらの素子
273 ,274 には制御電圧発生回路276 から制御電圧が与
えられており,素子273 ,274 の抵抗値がこの制御電圧
に応じて変化する。素子273 ,274 の抵抗値が変化する
ことによりHPFとLPFの遮断(カットオフ)周波数
が変化する。トラッキングBPF252 の通過帯域はHP
Fの遮断周波数とLPFの遮断周波数(HPFの遮断周
波数よりも高い)との間の帯域である。制御電圧発生回
路276 はF/V変換回路253 の出力電圧信号(車速vを
表わす)に応じた制御電圧を発生する。
【0271】たとえば上述した光学系における空間フィ
ルタによって選択される路面(における凹凸の)周期を
5(mm)とすると,空間中心周波数μは 0.2(mm-1)と
なる。車両の速度(対地速度)をv(Km/h)とする。
【0272】 v(Km/h)=1000v/ 3.6(mm/s) …式(3)
【0273】式(1) より,差動増幅回路251 から得られ
る電気信号の中心周波数fは, f=μ×v= 200v/ 3.6(Hz) …式(4) となる。
【0274】したがって,トラッキングBPF252 の通
過帯域の中心周波数を式(4) で表わされる周波数に設定
し,かつ式(4) にしたがって車速vに応じて変化させれ
ばよい。
【0275】トラッキングLPF255 はトラッキングB
PF252 におけるLPF(コンデンサ272 ,電圧制御可
変抵抗素子274 および制御電圧発生回路276 )と同じ構
成であり(ただし遮断周波数は異なる),その遮断周波
数は車速vに応じて変化する。
【0276】このトラッキングLPF255 で抽出すべき
低周波数成分の周波数を中心周波数の1/10のものと設
定するときには,式(4) を参照して,その遮断(カット
オフ)周波数を20v/ 3.6(Hz)とすればよい。
【0277】振幅検出回路254 の具体的構成例が図47に
示されている。この回路254 は半波整流回路277 と,ロ
ウ・パス・フィルタ(LPF)278 とから構成されてい
る。半波整流回路277 に代えて全波整流回路を用いるこ
ともできる。LPF278 の通過帯域は路面検出に要求さ
れる応答時間の観点から決定される。たとえば応答時間
を 0.1(S)とし,LPF278 を一次のロウ・パス・フ
ィルタとすると,遮断(カットオフ)周波数は 3.7(H
z)となる。
【0278】光検出器 231B(光検出器 231Aでもよ
い)の出力信号はロウ・パス・フィルタ(LPF)257
を経て,拡散反射光量Dcを表わす信号として出力され
る。LPF257 は光電検出器 231Bの出力信号に含まれ
る極低周波のゆらぎを除去するためのもので,その遮断
周波数はたとえば1(Hz)(固定)程度に設定され
る。
【0279】正反射光用光検出器232 の出力信号は正反
射光量Ddを表わす信号となる。この光検出器232 の出
力側にも適当な通過帯域をもつロウ・パス・フィルタを
接続してもよい。
【0280】路面温度計233 の出力信号は路面温度De
を表わす信号となる。路面ではなく外気温度を検出する
温度計(感温素子)でもよい。この場合には温度計は外
気に触れる場所に設けられる。
【0281】路面照明用光源211 および正反射光用光源
212 はそれぞれ自動パワー制御(APC)回路261 およ
び262 によって制御される。これにより,これらの光源
211,212 から投射される光の光量が常に一定に保たれ
る。
【0282】振幅検出回路254 から出力される中心周波
数成分強度Daを表わす信号,振幅検出回路256 から出
力される低周波数成分強度Dbを表わす信号,LPF25
7 から出力される拡散反射光量Dcを表わす信号,光検
出器232 から出力される正反射光量Ddを表わす信号,
および路面温度計233 から出力される路面温度Deを表
わす信号は判別回路260 に入力する。
【0283】判別回路260 はこれらの入力信号のうちの
2以上を用いて,後述する路面判別アルゴリズムにした
がって路面状態を識別または判別する。判別回路260 は
好ましくはCPU(たとえばマイクロコンピュータ),
メモリおよびその他の周辺回路から構成される。この場
合には,上述した信号Da〜DeはA/D変換回路でデ
ィジタル・データに変換されたのちに判別回路260 に与
えられる。
【0284】図48は最も簡単な路面判別アルゴリズムを
示している。この路面判別アルゴリズムにしたがう処理
は判別回路260 において実行される。このことは他の路
面判別アルゴリズムについても同じである。
【0285】低周波数成分強度Dbと中心周波数成分強
度Daとの比Db/Daが算出され,この比が上述した
しきい値TH1およびTH2と比較される。比Db/D
aがしきい値TH1より大きければ(「大」という)雪
路,しきい値TH1とTH2との間にあれば(「中」と
いう)砂利路,しきい値TH2以下であれば(「小」と
いう)アスファルト路とそれぞれ判定される。
【0286】判別回路260 にしきい値TH1のみを設定
しておき,雪と砂利との判別のみを行ってもよい。
【0287】判別回路260 にしきい値TH2(またはT
H1からTH2までの間の適当な値)のみを設定してお
き,雪とアスファルトとの判別のみを行ってもよい。
【0288】判別回路260 にしきい値TH2のみを設定
しておき,砂利とアスファルトとの判別のみを行うよう
にしてもよい。
【0289】図49は,光検出器232 から与えられる正反
射光量Ddを表わす信号をさらに用いて,アスファルト
路が湿潤状態にあるのか,乾燥状態にあるのかも弁別す
る路面判定アルゴリズムを示している。
【0290】上記の比Db/Daがしきい値TH2以下
の場合にはアスファルト路である。
【0291】アスファルト路の表面(路面)が濡れてい
る場合(湿潤)には路面は鏡面に近い状態となり,乾燥
状態に比べて正反射光量Ddが増大する。アスファルト
路が湿潤状態にあるときに得られる正反射光量と乾燥状
態にあるときに得られる正反射光量とのほぼ中間のレベ
ルにしきい値を設定しておく。正反射光量Ddがこのし
きい値以上であれば(「大」という)湿潤アスファルト
と判定され,しきい値未満であれば(「小」という)乾
燥アスファルトと判定される。
【0292】砂利路および雪路の判定は図48に示すアル
ゴリズムによるものと同じである。
【0293】湿潤アスファルト路と乾燥アスファルト路
との判別のみを行うようにしてもよいし,これらに砂利
路の判定を加えてもよいし,雪路の判定を加えてもよい
のはいうまでもない。
【0294】図50はLPF257 から出力される拡散反射
光量Dcを表わす信号および路面温度計233 から出力さ
れる路面温度Deを表わす信号をさらに利用して,路面
状態をさらに詳しく判定するものである。
【0295】一般に水分は0(℃)で凍結する。したが
って路面温度Deが0(℃)以下であれば凍結の可能性
がある。路面温度Deが凍結温度を超えているか
(「高」とする),凍結温度以下であるか(「低」とす
る)が判定される。
【0296】凍結温度は0(℃)丁度である必要はな
く,経験的に最適値に定めればよい。路面温度に代えて
気温を用いた場合には,凍結した路面が融けずに残りう
る気温,路面が凍結を始める気温等が判定のしきい値と
なろう。
【0297】凍結した路面は湿潤路面と同じように鏡面
に近いので正反射光量Ddは「大」である。
【0298】したがって,路面温度Deが「低」で,か
つ正反射光量Ddが「大」であれば凍結路面と判定され
る。この場合に,一般に拡散反射光量Dcは「小」であ
る。
【0299】路面温度Deが「低」であっても正反射光
量Ddが「小」であれば,凍結路面ではない。この場合
には,低周波数成分強度Dbと中心周波数成分強度Da
との比に基づいて路面状態が判定される(乾燥アスファ
ルト路または砂利路)。この判定において雪を除いてい
るのは,拡散反射光量Dcに基づいて雪を判定している
からである。しかしながら,比Db/Daに基づく雪の
判定と拡散反射光量Dcに基づく雪の判定は,雪の状態
が若干異なるところがあるので(同じ状態のときもあ
る),比Db/Daに基づいて雪を判定してもよい。
【0300】新雪や,通行物(車両,人)によって踏ま
れても白い部分が残っている雪は光を拡散反射させる。
雪による拡散反射光量は他の路面状態に比べて極端に大
きいので,雪と他の路面状態とを拡散反射光量Dcに基
づいて判定することができる。この判定のためのしきい
値は,雪のときの拡散反射光量とそれ以外の路面状態の
拡散反射光量との間のレベルに設定される。
【0301】路面温度Deが「低」でかつ拡散反射光量
Dcがしきい値以上(「大」とする)の場合には,雪と
判定される。凍結と判定するときの路面温度のしきい値
と雪と判定するときの路面温度のしきい値を異ならせて
もよいのはいうまでもない。
【0302】拡散反射光量Dcに基づいて判定される雪
は白い表面を部分的または全面的にもつ雪である。これ
に対して,比Db/Daに基づいて判定される雪は,砂
利よりも長い周期で拡散反射光量を変動させるものであ
り,白い雪のみならず踏みつぶされて黒くなった雪も含
まれる。
【0303】路面温度Deが「高」の場合の判定アルゴ
リズムは図49に示すものと同じである。
【0304】凍結,雪,砂利,乾燥アスファルトおよび
湿潤アスファルトのうちの任意の1または2以上の種類
の路面状態のみを識別または判定するように,図50に示
す判定アルゴリズムの一部のみを用いることができるの
はいうまでもない。
【0305】図51に示す路面判定アルゴリズムは図50に
示すものと似ている。図51では比Db/Daに基づいて
砂利とアスファルトとを区別している。この比Db/D
aに基づいて雪を判定していない点が図50に示すものと
異なる。図51のアルゴリズムは図50のアルゴリズムのバ
リエーションと考えればよい。
【0306】このようにして路面判別装置15からは種々
の路面状態の判別結果が得られる。特に,湿潤,雪,凍
結の判別結果は交通情報システムにおいて有効に利用さ
れよう。
【0307】雨滴センサ16の構成の詳細について説明す
る。雨滴センサ16もまた光学系(図52および図53)と信
号処理回路(図60)とから構成される。
【0308】雨滴センサ16の光学系は図52に示すよう
に,対向して配置された投光器301 と受光器302 とを含
む。投光器301 からスリット状(帯状)の光が受光器30
2 に投射される。投光器301 と受光器302 はケース303
内に内蔵されている。ケース303 は,投光器301 および
受光器302 をそれぞれ収納するヘッド部 303Bと,これ
らを連結する連結部 303Aとから構成される。
【0309】投光器301 は,図53に示すように,発光素
子311 ,発光素子311 からの光をコリメートするコリメ
ート・レンズ312 ,およびスリット 313aがあけられた
スリット板313 を備えている。コリメート・レンズ312
によってコリメートされた光はスリット 313aを通って
スリット光SLに整形されて投射される。
【0310】受光器302 は,投光器301 からのスリット
光SLを通過させるスリット 323aがあけられたスリッ
ト板323 ,スリット 323aを通った光を集光する集光レ
ンズ322 ,および集光された光を受光する受光素子321
を備えている。スリット光SLには好ましくは赤外光が
用いられよう。
【0311】このような雨滴センサ16の光学系は,図54
に示すように,車両2のボンネット304 とフロント・ガ
ラス(フロント・ガラスを支持するフレームを含む)30
5 との境界に設けられる。投光器301 から受光器302 に
向うスリット光SLが車体の幅方向に水平方向に進むよ
うに光学系が配置される。
【0312】好ましくは,図55に示すように,光学系の
ケース303 のヘッド部 303Bと連結部 303Aとによって
ボンネット304 の先端部を挟むようにして光学系が取付
けられる。
【0313】車両2が走行しているときには,雨滴は車
両2に対してその前方の上方から斜めに車両2に向って
落下してくる。このような雨滴がスリット光SLをその
厚さ方向に垂直に通過するように光学系が配置される。
すなわち,スリット光SLの面の法線が落下してくる雨
滴と平行になるように(スリット光SLの幅方向が車両
の前方下部から後方上部に向う方向となるように)光学
系が配置される。
【0314】さらに好ましくは,雨滴の大きさまたは雨
滴がスリット光SLを横切る(通過する)速度をできる
だけ正確に測定するために,雨滴検知エリア(投光器30
1 と受光器302 との間の間隔およびスリット光SLの幅
によって規定される)内に1個の雨滴が侵入するように
その大きさが定められる。
【0315】図56はスリット光SLを雨滴が通過したと
きの受光器302 (受光素子321 )の受光光量の変化を示
している。雨滴がスリット光SLを通過するときには受
光量が減少する。
【0316】受光量の減少開始時点t1 から受光量が元
に戻る時点t3 までの間に,雨滴がスリット光SLを通
過したことになる。時間T=t3 −t1 が雨滴の通過時
間である。時点t1 〜t3 の間において(時点t2 )受
光量が最小miとなる。
【0317】図57は直径1mm,2mm,3mm,4mmおよび
5mm(それぞれ符号a,b,c,dおよびeで示す)の
雨滴がスリット光SLを通過する時間T1 ,T2 ,T
3 ,T4 およびT5 ならびに受光量の最小値mi1,m
i2,mi3,mi4およびmi5を示すものである。
【0318】しきい値e1 ,e2 ,e3 およびe4 をそ
れぞれ隣接する受光量最小値の間に設定することによ
り,受光量の最小値に基づいて雨滴の大きさを弁別する
ことができる。
【0319】図58は地表近くにおける雨滴の落下速度d
vと雨滴の大きさ(直径)との関係を示すものである。
落下速度dvに関するしきい値g1 ,g2 ,g3 および
4を設定することによっても雨滴の大きさを弁別する
ことができる。
【0320】図59(A) に示すように,車両2は速度vで
走行しているので,スリット光SLを雨滴が通過する速
度pvと雨滴の落下速度dvとは等しくない。これらの
速度v,pv,dvの関係が図59(B) に示されている。
【0321】雨滴の落下速度dvは次式で求められる。
【0322】 dv=[(pv)2 −v21/2 …式(5)
【0323】ここで車両2の走行速度vは車速センサ13
等から得られる。また,通過速度pvは通過時間Tとス
リット光SLの厚さとに基づいて算出される。したがっ
て,雨滴の落下速度dvを求めることができる。
【0324】図60は雨滴センサ16の信号処理回路を示し
ている。
【0325】同期信号発生回路331 は高周波パルス信号
を発生する。このパルス信号は駆動回路332 およびA/
D変換回路334 に与えられる。
【0326】駆動回路332 は入力するパルス信号に同期
して発光素子311 を駆動する。発光素子311 から出力さ
れる投射光(スリット光SL)の波形が図61(A) に示さ
れている。
【0327】図61(B) は受光素子312 の受光信号の波形
を示すものである。雨滴がスリット光SLを通過すると
受光信号のレベルが低下する。受光素子312 の出力受光
信号は増幅器333 で増幅されたのちA/D変換回路334
に与えられる。
【0328】A/D変換回路334 は同期信号発生回路33
1 から与えられるパルス信号に同期して,入力する受光
信号を,そのレベルを表わすディジタル信号に変換す
る。このディジタル信号は処理装置330 に入力する。
【0329】処理装置330 はCPU,メモリ等から構成
される。処理装置330 は入力するディジタル信号に基づ
いて,受光量の最小値miまたは雨滴の通過時間Tを測
定する。測定された受光量の最小値に基づいて雨滴の大
きさが判別される。これに代えて,測定された通過時間
Tと,装置330 に入力する車速vとに基づいて式(5)を
用いて雨滴の落下速度dvが算出される。この落下速度
dvに基づいて雨滴の大きさが判別される。単位時間当
りにスリット光SLに侵入する雨滴の数と,判別した雨
滴の大きさと,所定の係数とを用いて,単位時間当りの
降雨量が算出される。算出された降雨量を表わす信号が
処理装置330 から出力される。
【0330】このようにして,レーザ・レーダ14からは
主要に渋滞に関する情報が,路面判別装置15からは路面
状態(湿潤,凍結,雪など)に関する情報が,雨滴セン
サ16からは降雨量に関する情報がそれぞれ得られる(路
面状態情報と降雨量に関する情報をまとめて気象情報と
いうことがある)。
【0331】これらの情報は車載機3から中継機4を通
してまたは直接にセンタ9に伝送される。
【0332】車載機3から各種情報をセンタに伝送する
方式には種々のものがある。
【0333】第1番目のものはマニアル送信である。車
載機3に送信ボタンを設けておく。運転者がこの送信ボ
タンを押したときのみ送信が行なわれる。必要ならば,
送信する情報の種類(渋滞情報,事故情報,気象情報な
ど)を表示し(タッチ・スイッチ31A〜31C),その中
から運転者に送信すべき情報を選択させる。選択された
情報がセンタに送られる。
【0334】第2番目のものは一定間隔オート送信であ
る。これは一定時間間隔(たとえば1分)で自動的にそ
のときの情報を送信するものである。
【0335】第3番目のものは可変間隔オート送信であ
る。これは,特定の時点に送信するものである。たとえ
ば,作成した情報に変化が生じたときに送信する。ま
た,検出した車両数が少ないときのみ送信する。検出し
た車両数が多いときには他の車両も同じように収集しか
つ作成した情報をセンタに送信していると考えられるの
で,センタの負担が増大する。このような場合には送信
の時間間隔を長くとるかまたは送信をしない。
【0336】センタに送信する電文には,作成した情報
と,車両IDと,時刻データと,位置データとが含まれ
よう。もっとも,時刻データはセンタが受信した時刻で
代えることができるので,必ずしも車両からセンタに送
信しなくてもよい。
【0337】各車両からの情報を受信したセンタ9のセ
ンタ・コンピュータ50は上述した第1実施例の場合と同
じようにして,エリアまたはブロックごとに,情報の種
類ごとに,その平均値または多数決の原理により,エリ
アまたはブロックの状況を判定する。この判定結果を,
エリアごとに,中継機4を通して各車両に分配する。
【0338】センタ9における処理の一例について図62
および図63を参照して説明する。
【0339】図62は渋滞情報についての処理である。車
両の車載機3からの電文を受信すると(ステップ170
),そこに含まれる位置データが抽出され(ステップ1
71 ),その車両がどのエリアにいるかが判定される
(ステップ172 )。
【0340】エリアごとに次の処理が行なわれる。電文
から渋滞情報(渋滞の有無)が抽出される(ステップ17
3 )。一定時間(たとえば10分間)にわたって,そのエ
リアに存在する車両からの電文に含まれる渋滞有という
情報の数が積算される(ステップ174 )。渋滞有という
情報の数がそのエリアについてあらかじめ定められたし
きい値(一般にエリアごとに異なる)以上であれば,そ
のエリアは渋滞であると判定され(ステップ175 ),そ
のエリアの中継機4(中継機のIDを付して)にエリア
IDとともに渋滞有の情報が伝送される(ステップ176
)。他のエリアの中継機にエリアIDとともに渋滞情
報を送ってもよい。この情報は中継機4からそのエリア
に存在する各車両等に伝送されるのはいうまでもない。
【0341】渋滞情報に渋滞の程度に関する情報が含ま
れている場合には,渋滞の程度の平均値が求められ,ま
たは多数決により渋滞の程度が決定される。決定された
渋滞の程度を表わす情報もまた中継機4および車両に送
信される。
【0342】エリアごとではなく,車線を考慮したブロ
ックごとに上記の処理を行ってもよい。同じ道路でも一
般に車線によって渋滞の有無が異なるので,上記のエリ
アごとの処理は車線を考慮して行なわれよう。このと
き,上述したように車両の進行方向から車線を判別する
か,または車両からの電文に車線情報を含ませておく。
【0343】図63は気象情報についての判定処理であ
る。気象情報には,天気が晴かどうか(これは,無くて
もよい),雨かどうか(降雨量に応じて大,中,小の3
段階を表わす詳細情報を車載機3が作成した場合にはこ
の詳細情報も含む),路面に積雪があるか,路面が凍結
しているか,路面がぬれているか(湿潤)などが含まれ
ている。ステップ170 〜172 は図62に示すものと同じで
ある。
【0344】エリアごとに,電文から気象情報が抽出さ
れ(ステップ181 ),晴情報,雨情報,雪情報,凍結情
報,湿潤情報の数がそれぞれ別個に積算される(ステッ
プ182 )。雨情報については,必要に応じて,大,中,
小の詳細情報も加算される。一定時間(たとえば5分
間)の積算が終ると,積算値のうちの最も大きいものが
確定情報として選択される(ステップ183 ,184 ,185
,186 ,187 ,188 )。もっとも,雨情報が確定され
たときに,湿潤情報も雨情報と同程度に多いときには湿
潤情報も確定される。このように,2つ以上の情報を確
定してもよい。確定された気象情報は中継機を経て車両
に伝送される。
【0345】事故およびそれに伴なって発生する渋滞に
関するセンタにおける処理および車両の車載機における
表示について説明する。事故に関してはセンタではその
位置,規模などの細かい内容まで判定する必要がある。
【0346】図64において三叉路で事故が発生している
ものとする。この事故現場に近い車両2A,2B,2
C,2D等から事故に関する情報がセンタに送信され
る。事故情報には上述したように,事故の有無,事故の
状況,事故に関係する車両数,自車両の位置から事故現
場までの距離等が含まれている。これに加えて,事故情
報を送信した車両の車両ID,位置データ,時刻等が電
文に含まれる。
【0347】複数台の車両からその車両の位置データ
と,事故現場までの距離が伝送されてくるので,センタ
9では事故現場の位置が地図上で正確に判定できる。ま
た,事故に関係する車両台数,事故の状況等から,事故
の規模(広がり)が判明する。最初に事故情報を受信し
た時点からの経過時間も計時される。
【0348】この事故に伴って発生している渋滞に関す
る情報も事故現場に向っているまたは事故現場から遠ざ
かっている他の車両から伝送されてくる。その車両の進
行方向から渋滞している車線が判定される。渋滞情報を
送信した車両の位置から渋滞の始点と終点が判定され
る。
【0349】このようにして得られた事故と渋滞に関す
る情報は事故および渋滞の発生しているエリアのみなら
ずその近傍のエリアの中継機にもセンタから送信され
る。中継機にも中継機ID(送信アドレス)が割り当て
られているので,センタは中継機を指定して情報を送る
ことができる。
【0350】事故,渋滞情報を受信した車両の車載機3
では,これらの情報を,第1実施例の場合と同様に,グ
ラフィック表示,文字などを用いたメッセージ表示,ま
たは音や言葉などによる音声出力で運転者に報知する。
たとえば運転者はタッチ・スイッチ31Eにより情報報知
モードを選択し,タッチ・スイッチ31Aにより事故情報
を選択すると,表示装置25に地図とともに事故情報が表
示される。
【0351】たとえば,グラフィック表示では,図65お
よび図66に示すように,まずエリアAに事故が発生して
いることが大局的に表示される。次に運転者の指示に応
じて(たとえば,拡大キー35の押下により),または自
動的に図67に示すように,事故現場を地図上で拡大して
その位置が正確に分るように表示する。タッチ・スイッ
チ31Bにより渋滞情報が選択されると,図68に示すよう
に渋滞している範囲も表示される。
【0352】地図上には,事故の位置に加えて,事故の
規模,関係車両台数,事故発生からの経過時間等も文字
等を用いて表示される。
【0353】メッセージ表示,音声出力の例としては,
「Aエリアで事故が発生しております」(大局的な報
知),「Aエリアの三叉路で車両5台が関係する中規模
の事故が午後2時ごろ発生しました」(詳細な報知)な
どがある。
【0354】気象(天候)の情報についても上記と同じ
ように,種々の形態で報知が行なわれよう。
【0355】たとえば,運転者がタッチ・スイッチ31E
により情報報知モードを選択し,タッチ・スイッチ31C
により気象情報を選択する。すると,図69に示すよう
に,雨が降っている道路が表示装置25に表示される。自
車両の位置も表示される(黒丸)。再びタッチ・スイッ
チ31Cが押されると,図70に示すようにぬれている道路
の表示に切替わる。運転者がさらにタッチ・スイッチ31
Cを押すと,図71に示すように凍結している道路が表示
される。さらにタッチ・スイッチ31Cを押すと,図72に
示すように雪が降っている,または積雪のある道路が表
示される。このように,タッチ・スイッチ31Cが押され
る毎に表示が切替わる。もちろん,これらの複数の気象
状態(路面状態)を一つの地図上に重ねて表示してもよ
い。
【0356】中継機4の役割は,上述したように,車載
機3からセンタ9へのおよびその逆の電文の中継にある
が,中継機にさらに次のような機能を持たせてもよい。
【0357】車両2の車載機3から局所的な情報が中継
機4に伝送された場合には,中継機はその情報をそのま
ま,または加工して,その中継機が担当するエリアに存
在する車両に送信する。事故情報などのすみやかに報知
する必要のある情報についても同様である。たとえば複
数台の車両から事故情報が送られてきたときには,上述
したセンタの処理を中継機が代わって実行し,その結果
を,センタを経由せずに,直接に車両に送信する。この
ように,中継機は車両からの情報を選択的にセンタに送
信するとともに,その情報を必要に応じて加工し車両に
送信する機能をもつ。
【0358】中継機4はそれが担当するエリアからの車
両の情報を加工してセンタ9に送信する機能ももつ。た
とえば,50台の車両から雨情報が送られてきた場合に
は,自己の管理するエリアに「雨,50台」というように
データをまとめた上でセンタに送信する。これにより,
センタの負担が軽減する。
【0359】中継機4にはまた,上述したレーザ・レー
ダ等の各種センサが設けられ,中継機自体が各種情報を
収集しかつ加工して,センタに伝送または車両に送信し
てもよい。
【0360】中継機には上述のように送信アドレスが付
され,センタは大局的な情報については複数の中継機を
指定して送信する。局所的な情報については一つのエリ
アの中継機についてのみ送信する。場合によっては,セ
ンタまたは中継機は,情報を含む電文に車両ID(車両
アドレス)を付して,特定の車両に対してのみ情報を送
るようにしてもよい。
【0361】第4実施例 第1から第3の実施例は基本的に車両に搭載した車載機
3が自車両およびその周囲の環境に関する情報を収集
し,必要に応じて加工する。車両の所有者は,情報を収
集し,必要に応じて加工し,そして中継機またはセンタ
にその情報を送信する機能をもつ車載機を設備しなけれ
ばならない。第1実施例のように運転者は情報を手動で
入力する労力を提供しなければならない。さらに,情報
を収集し,加工しそして送信するためには車両に搭載さ
れたバッテリィから車載機に電力を供給しなければなら
ない。他方では情報を提供せずに情報の受信のみを行な
おうとする運転者もいるかも知れない。
【0362】この発明の交通情報システムは各種の情報
を収集して提供する者がいることを前提とする。情報提
供者が存在しなければこのシステムは成り立たないとい
える。
【0363】その意味で情報の提供者に提供した情報量
に応じて報いることが重要である。第4実施例は,情報
提供者に提供した情報量に応じて報酬を与えようとする
ものである。
【0364】図73に示すようにセンタ9のセンタ・コン
ピュータ50のメモリ53には,情報を提供する意志があり
かつ上述した車載機3を自己の所有する車両に搭載した
者の識別符号があらかじめ登録されている。この識別符
号はここでは車両IDである。車両IDに対応して情報
提供回数を記憶するエリアが設けられている。
【0365】図74はセンタにおける処理を示すものであ
る。この処理では上述した第1〜第3実施例のようなセ
ンタの情報配信処理は省略されている。
【0366】車両の車載機3から直接に,または中継機
4を介して車両からの各種情報を含む電文を受信すると
(ステップ190 ),センタのコンピュータ50は,その電
文に含まれる車両IDを抽出する(ステップ191 )。
【0367】抽出した車両IDに対応してメモリ53に記
憶されている情報提供回路が1インクレメントされる
(ステップ192 )。
【0368】その情報提供回路があらかじめ定められた
所定回数(10回とか20回,または50回,100 回等)に達
した場合にはその車両ID(および必要ならば車両ID
に関連して登録された所有者の氏名,住所等)がプリン
タから出力され,また表示装置に表示される(ステップ
194 )。
【0369】情報提供回数が所定回数に達した者に対し
ては,賞金,商品,または特別の情報等の報酬が与えら
れる。
【0370】情報提供回数が所定回数に達した車両ID
に対応する情報提供回数がクリアされる(ステップ195
)。この車両IDについては再び0から情報提供回数
が計数されることになる。
【0371】情報提供回数が所定回数に達したときにた
だちにその車両IDを出力しなくてもよい。情報提供回
数が所定回数以上になった車両IDを定期的に出力させ
るようにしてもよい。この場合には,車両IDを出力し
たときの情報提供回数から所定回数を減算した結果が新
たな情報提供回数として車両IDに対応して記憶される
ことになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】交通情報システムの空間的配置構成を示す。
【図2】車載機の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】カー・ナビゲーション・システムにおけるマン
・マシン・インターフェイス部分を示す。
【図4】表示装置における道路の表示例を示す。
【図5】表示装置における道路の拡大表示例を示す。
【図6】表示装置における道路の縮小表示例を示す。
【図7】表示装置における道路のさらに縮小した表示例
を示す。
【図8】中継機の電気的構成を示すブロック図である。
【図9】センタの電気的構成を示すブロック図である。
【図10】カー・ナビゲーション・システムから情報を
入力するときの初期状態を示す。
【図11】事故情報を入力するときの表示画面とキー群
を示す。
【図12】事故情報を入力するときの表示画面とキー群
を示す。
【図13】事故情報を入力するときの表示画面とキー群
を示す。
【図14】事故情報を入力するときの表示画面とキー群
を示す。
【図15】車載機における処理手順を示すフロー・チャ
ートである。
【図16】中継機における処理手順を示すフロー・チャ
ートである。
【図17】センタの車両情報エリアを示す。
【図18】センタにおける処理手順を示すフロー・チャ
ートである。
【図19】センタの車両情報エリアの他の例を示す。
【図20】センタにおける渋滞検出処理手順を示すフロ
ー・チャートである。
【図21】センタにおける渋滞検出処理手順の他の例を
示すフロー・チャートである。
【図22】センタにおける渋滞検出処理手順の他の例を
示すフロー・チャートである。
【図23】渋滞情報の車両における表示例を示す。
【図24】センタにおける渋滞検出処理手順のさらに他
の例を示すフロー・チャートである。
【図25】センタにおける渋滞検出処理手順のさらに他
の例を示すフロー・チャートである。
【図26】レーザ・レーダの構成を示すブロック図であ
る。
【図27】レーザ・レーダを搭載した車両を示す斜視図
である。
【図28】レーザ・レーダの投光光学系を示す斜視図で
ある。
【図29】レーザ・レーダの検知エリアを示し,(A) は
検知エリアの垂直面,(B) は平面を表わす。
【図30】レーザ・レーダによって得られた検出点のデ
ータを示す。
【図31】(A) ,(B) および(C) はそれぞれ異なる形状
が検出される様子を示す。
【図32】(A) および(B) は渋滞判定のためのファジィ
推論で用いられるメンバーシップ関数の例を示すグラフ
である。
【図33】(A) および(B) は渋滞判定のためのファジィ
推論で用いられるメンバーシップ関数の例を示すグラフ
である。
【図34】(A) および(B) は渋滞判定のためのファジィ
推論で用いられるメンバーシップ関数の例を示すグラフ
である。
【図35】(A) および(B) は渋滞判定のためのファジィ
推論で用いられるメンバーシップ関数の例を示すグラフ
である。
【図36】(A) および(B) は渋滞判定のためのファジィ
推論で用いられるメンバーシップ関数の例を示すグラフ
である。
【図37】(A) および(B) は渋滞判定のためのファジィ
推論で用いられるメンバーシップ関数の例を示すグラフ
である。
【図38】事故が発生していることが検知される様子を
示す。
【図39】路面判別装置の光学系を備えた車両を示す。
【図40】路面判別装置の光学的構成の斜視図である。
【図41】路面判別装置の光学的構成の縦断面図であ
る。
【図42】正反射光用光学系の正面図である。
【図43】実測結果を示すグラフである。
【図44】路面判別装置の電気的構成を示すブロック図
である。
【図45】差動増幅回路の具体例を示す回路図である。
【図46】トラッキング・バンド・パス・フィルタの具
体例を示す回路図である。
【図47】振幅検出回路の具体例を示すブロック図であ
る。
【図48】路面判定アルゴリズムの一例を示すフロー・
チャートである。
【図49】路面判定アルゴリズムの他の例を示すフロー
・チャートである。
【図50】路面判定アルゴリズムのさらに他の例を示す
フロー・チャートである。
【図51】路面判定アルゴリズムのさらに他の例を示す
フロー・チャートである。
【図52】雨滴センサのヘッドを示す斜視図である。
【図53】雨滴センサの光学系を示す斜視図である。
【図54】雨滴センサを備えた車両を示す斜視図であ
る。
【図55】雨滴センサ・ヘッドの取付状態を示す断面図
である。
【図56】雨滴がスリット光内に侵入したときの受光光
量の変化を示すグラフである。
【図57】様々な大きさの雨滴に対する受光光量の変化
を示すグラフである。
【図58】雨滴の大きさと落下速度との関係を示すグラ
フである。
【図59】(A) は車速と雨滴の落下速度とを示すもので
あり,(B) は車速と雨滴の落下速度と雨滴のスリット光
の通過速度との関係を示すベクトル図である。
【図60】雨滴センサの信号処理回路を示すブロック図
である。
【図61】(A) は発光する光の波形を,(B) は受光信号
の波形をそれぞれ示している。
【図62】センタにおける渋滞情報処理手順を示すフロ
ー・チャートである。
【図63】センタにおける気象情報処理手順を示すフロ
ー・チャートである。
【図64】事故発生箇所を示す。
【図65】事故情報の表示例を示す。
【図66】事故情報の他の表示例を示す。
【図67】事故情報の表示例を示す。
【図68】事故情報の他の表示例を示す。
【図69】雨情報の表示例を示す。
【図70】湿潤情報の表示例を示す。
【図71】凍結情報の表示例を示す。
【図72】雪情報の表示例を示す。
【図73】センタのメモリの内容を示す。
【図74】情報提供者に報酬を付与する処理手順を示す
フロー・チャートである。
【符号の説明】
1 道路 2,2A,2B,2C,2D 車両 3 車載機 4 中継機 9 センタ 10 情報処理装置 11,41,51 送信機 12,43,52 受信機 13 車速センサ 14 レーザ・レーダ 15 路面判別装置 16 雨滴センサ 20 カー・ナビゲーション・システム 25 表示装置 26 キー群 31 操作部 31A,31B,31C,31D,31E タッチ・スイッチ 50 センタ・コンピュータ 53 メモリ 60 レーザ・レーダのヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G08G 1/09 G08G 1/09 F 1/123 1/123 A G09B 29/10 G09B 29/10 A (56)参考文献 特開 昭58−169700(JP,A) 特開 平4−229729(JP,A) 特開 平5−151497(JP,A) 特開 平4−23099(JP,A) 特開 平7−225895(JP,A) 特開 平7−85398(JP,A) 特開 平7−334786(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08G 1/00 - 1/16 G01C 21/00 G01S 13/91 G01W 1/00 G01W 1/14 G09B 29/10

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に搭載されて使用され,交通等に関
    する個別情報を収集する個別情報収集装置と,上記個別
    情報収集装置から伝送された個別情報に基づいて所定範
    囲内の地域に関する総合情報を作成するセンタ装置とか
    ら構成され, 上記個別情報収集装置が, 少なくとも位置を計測して位置データを作成する位置検
    出手段, 電磁波を所定範囲に投射し,その反射波を受波し,受波
    信号に基づいて上記車両の周囲の状況を表わす周囲情報
    を作成するレーダ装置, 上記位置検出手段によって作成された位置データおよび
    上記レーダ装置によって作成された周囲情報を含む個別
    情報を送信する第1の送信装置, 上記センタ装置から送信された総合情報を受信する第1
    の受信装置,ならびに 上記第1の受信装置が受信した総合情報を報知する報知
    装置を備え, 上記センタ装置が, 上記個別情報収集装置の上記第1の送信装置から送信さ
    れた上記個別情報を受信する第2の受信装置, 上記第2の受信装置が受信した上記個別情報に基づいて
    所定範囲の地域に関する総合情報を作成する情報処理手
    段,および 上記情報処理手段によって作成された総合情報を上記個
    別情報収集装置に送信する第2の送信手段を備えてい
    る, 交通情報システム。
  2. 【請求項2】 上記個別情報収集装置が時間を計時する
    時計手段を備え,上記第1の送信装置によって送信され
    る上記個別情報に,上記時計手段によって計時された時
    刻データが含まれる,請求項1に記載の交通情報システ
    ム。
  3. 【請求項3】 上記レーダ装置によって作成される周囲
    情報が,上記車両の近傍に存在する検出対象物の位置,
    形状,移動方向および速度,車両の数,車間距離,なら
    びに道路形状のうちの少なくとも一つである, 請求項1に記載の交通情報システム。
  4. 【請求項4】 上記個別情報収集装置が,上記レーダ装
    置によって作成された周囲情報に基づいて交通情報を生
    成する交通情報生成手段をさらに備え, 上記第1の送信装置が上記交通情報生成手段によって生
    成された交通情報を上記センタ装置に送信する, 請求項1に記載の交通情報システム。
  5. 【請求項5】 上記個別情報収集装置が,上記車両の速
    度を検出する車速検出手段をさらに備えている,請求項
    1に記載の交通情報システム。
  6. 【請求項6】 車両に搭載されて使用され,交通等に関
    する個別情報を収集する情報収集装置と,上記情報収集
    装置から伝送された個別情報に基づいて所定範囲内の地
    域に関する総合情報を作成するセンタ装置とから構成さ
    れる交通情報システムで用いられる上記情報収集装置で
    あり, 少なくとも位置を計測して位置データを作成する位置検
    出手段, 電磁波を所定範囲に投射し,その反射波を受波し,受波
    信号に基づいて上記車両の周囲の状況を表わす周囲情報
    を作成するレーダ装置,ならびに 上記位置検出手段によって作成された位置データ,およ
    び上記レーダ装置によって作成された周囲情報を含む個
    別情報を送信する第1の送信装置, を備えている情報収集装置。
  7. 【請求項7】 時間を計時する時計手段を備え,上記第
    1の送信装置によって送信される個別情報に,上記時計
    手段によって計時された時刻データが含まれる,請求項
    6に記載の情報収集装置。
  8. 【請求項8】 上記センタ装置から送信された総合情報
    を受信する第1の受信装置,ならびに 上記第1の受信装置が受信した総合情報を報知する報知
    装置, をさらに備えた請求項6に記載の情報収集装置。
  9. 【請求項9】 上記レーダ装置によって作成される周囲
    情報が,上記車両の近傍に存在する検出対象物の位置,
    形状,移動方向および速度,車両の数,車間距離,なら
    びに道路形状のうちの少なくとも一つである, 請求項6に記載の情報収集装置。
  10. 【請求項10】 上記レーダ装置によって作成された周
    囲情報に基づいて交通情報を生成する交通情報生成手段
    をさらに備え, 上記第1の送信装置が上記交通情報生成手段によって生
    成された交通情報を上記センタ装置に送信する, 請求項6に記載の情報収集装置。
  11. 【請求項11】 上記車両の速度を検出する車速検出手
    段をさらに備えている,請求項6に記載の情報収集装
    置。
  12. 【請求項12】 上記個別情報収集装置と上記センタ装
    置との間の交信を中継する中継装置をさらに備えた請求
    項1から5のいずれか一項に記載の交通情報システム。
  13. 【請求項13】 請求項6から11のいずれか一項に記載
    の情報収集装置を搭載した車両。
  14. 【請求項14】 上記第1の受信装置と上記報知装置が
    上記個別情報収集装置に備えられることに代えて,道路
    の近傍に設置された大型報知装置に設けられ,上記第2
    の送信手段は上記総合情報を上記大型報知装置に送信す
    る,請求項1から5のいずれか一項に記載の交通情報シ
    ステム。
  15. 【請求項15】 上記センタ装置が, 上記識別符号ごとに,各識別符号をもつ上記個別情報収
    集装置から送信された上記個別情報を受信した回数を記
    憶する手段,および 所定値に達した受信回数に対応する識別符号に関するデ
    ータを出力する手段, を備えている請求項1から5のいずれか一項に記載の交
    通情報システム。
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