JP4639720B2 - 車両用情報提供システム及びそのセンタ - Google Patents
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Description
本発明は、上記の問題点を解決するために、ポイント区間、例えばカーブ区間での走行の実績にもとづく通過速度にもとづいて安全な通過速度の情報を車両に提供することを目的とする。
センタは、車載機から速度データを受信し、受信した速度データにもとづくポイント区間における通過速度を通過速度データベースに記憶格納する際に、通過速度を所定のカテゴリの区分ごとに、各ポイント区間における通過速度のサンプル値を所定数になるまで収集して、これらの平均値を記憶させ、車載機から受信した速度データが、通過速度データベースに記憶された対応するポイント区間の、対応するカテゴリの区分の平均値から所定値以上の差があり、かつ所定値以上の差がある速度データを所定回数以上連続して取得した場合、前記平均値の通過速度を更新するようにし、車両が通過するポイント区間における通過速度を通過速度データベースから検索して、車載機に送信し、
車載機は、センタより自車両が通過するポイント区間の通過速度の情報を受信し、受信した通過速度の情報を現在位置にもとづいて運転者に提示するものとした。
以下の実施例ではポイント区間の1例としてカーブ区間を取り上げ、本車両用情報提供システムにおけるセンタから車載機へのカーブ区間の通過速度の情報の提供を例に説明する。
まず車載機1の構成を説明する。
車載機1は、GPS衛星からの電波信号を利用して現在位置座標を検出する現在位置検出部12、地図データを格納する地図情報記憶部13、現在位置周辺の地図などを表示する表示部14、ナビゲーション処理の操作指示など車載機1の操作のための入力部15、ナビゲーションのための各種情報処理を行うナビゲーション処理部11、センタ3と情報通信するための携帯電話17を備えている。
携帯電話17は、ナビゲーション処理部11に制御されて、センタ3の送受信機31と接続し、データの送受信を行う。
ナビゲーション処理部11は、またインストルメントパネル内のディスプレイ4に接続し、受信したカーブ通過速度の情報を、表示部14に加えてディスプレイ4にも表示可能となっている。
カーブ検出部21は、自車両の現在位置にもとづき前方のカーブ区間への接近を検出し、その後そのカーブ区間を走行中かどうか判定する。
なお車種別符号とは、車載機1を搭載している車両の種別を示す情報であり、例えば軽自動車、小型乗用車、大型乗用車などの車両を普通乗用車、トラック、バスなどの車両を大型車と、車両の大きさで区分する車両種別を示す。この車種別符号は予め車載機1を車両に取り付けるとき、車両の種別に合わせて、カーブ通過速度通信制御部20にデータとして記憶させておく。
走行データ記録部24は、車両状態センサ2に接続し、カーブ検出部21が自車両のカーブ区間の走行を検出している間、車両状態センサ2からの走行データの信号を時刻信号とともに記録する。
車両状態センサ2は、自車両の各車輪の車輪速を検出する車輪速センサ、アクセル開度を検出するアクセルセンサ、ブレーキ操作を検出するブレーキセンサ、車両の幅方向の加速度(横方向加速度)を検出する横方向加速度センサ、先行車両との距離を検出する車間距離センサなどのセンサから構成されている。
なお、走行データ記録部24は、DRAMなどのメモリを含んでいる。
送信制御部26は、上記走行データ送信判定部25が送信必要と判定したとき、自車両の車種別符号と、カーブ区間のID番号を付加して、走行データ記録部24に記録した走行データを、携帯電話17を介してセンタ3へ送信させる。送信制御部26は、送信不必要の判定であった場合は、これらのデータをセンタ3へ送信させない。
センタ3は、例えばHDを用いた地図データベース33、カーブ通過速度データベース34、天候情報取得部35と、車載機1と情報を送受信する送受信機31と、通信制御サーバ32、記憶情報設定部36、送信情報検索部37を備える。
天候情報取得部35は、各地点の天候情報を外部から取得し、逐次最新情報に更新して、位置座標と対応させて格納する。
記憶情報設定部36は、通信制御サーバ32が送受信機31を介して車載機1から受信したカーブ区間のID番号、車種別符号と、その車両が当該カーブ区間を走行時の走行データとから、そのカーブ区間のカーブ通過速度の新たなサンプル値を取得する。そして必要に応じて当該車両の種別、カーブ区間通過時の天候、時間帯のカテゴリにもとづいて区分し、すでにカーブ通過速度データベース34に記憶されているサンプル値との平均を算出して、新たな通過速度の平均値を更新記憶させる。
このとき、新たに取得されたサンプル値と合計のサンプル数も記憶させる。
通信制御サーバ32は、複数の車載機1から送受信機31への通信接続チャンネルを制御し、上記のようにそれぞれの通信接続中の車載機1と記憶情報設定部36、送信情報検索部37との情報の通信を制御する。
(a)に示すように、センタ3は、車載機1を搭載した車両が各カーブ区間(図中、カーブ(Pc1)、カーブ(Pc2)と表示)を通過するたびに、車載機1から車両のカーブ区間通過時の走行データを受信し、カーブ通過速度のサンプル値を取得して、例えばカーブ(Pc1)では、車両Aからカーブ通過速度のサンプル値V11を得、カーブ(Pc2)では、車両Bからカーブ通過速度のサンプル値V21を、車両Cからカーブ通過速度のサンプル値V22を得る。
このようにして、センタ3はカーブ通過速度のサンプル値を収集して、それをカーブ区間ごとに車両種別、時間帯、天候のカテゴリにもとづき区分したものの平均値を算出し、例えば普通乗用車に対して、カーブ(Pc1)のカーブ通過速度V1、カーブ(Pc2)のカーブ通過速度V2を得る。
この制御は主にナビゲーション処理部11のカーブ通過速度通信制御部20において、一定時間間隔、たとえば100ミリ秒間隔で実行される。
ステップ101では、カーブ通過速度通信制御部20のカーブ検出部21において、ナビゲーション処理部11の自車両の現在位置と走行方向を判定する機能部分から、現在位置を取得する。
カーブ区間の接近を検出した場合はステップ103に進み、そうでない場合はステップ101を繰り返す。
ステップ104では、ダウンロード制御部22において、センタ3からカーブ通過速度を得られたどうかをチェックする。カーブ通過速度が得られなかった場合はセンタ3との通信を終了し、当該カーブ区間に対するカーブ通過速度の情報の取得および提示の制御を終了する。
カーブ通過速度を得られた場合は、ステップ105に進み、出力制御部23において、ステップ104で取得したカーブ通過速度を、表示部14とディスプレイ4に表示させて、乗員に提示する。
カーブ中間点通過の場合はステップ107に進み、カーブ通過速度の表示を終了して、検出された前方のカーブ区間に対する一連のカーブ通過速度の情報の取得と提示の制御を終了する。カーブ中間点を通過していないときは、ステップ105に戻る。
このような、ステップ105から107の制御は、所定距離Lthが例えば減速距離を考えて長めに設定されていて、しかも前方に連続する複数のカーブ区間がある場合に、車両が手前のカーブ区間に接近した段階で、次のカーブ区間の入口が所定距離Lth以内に検出され、出力制御部23が次のカーブ区間のカーブ通過速度を表示しないようにするための制御である。
ディスプレイ4は、図5の(a)に示すように、例えばアナログ針式スピードメータ65の速度表示リング64の内側に、例えば液晶またはEL(エレクトロ・ルミネッセンス)の円形の表示領域を有している。
ディスプレイ4は、車載機1がセンタ3から受信したカーブ通過速度を出力制御部23によって以下のように表示する。
ステップ111では、出力制御部23は、前方のカーブ区間の通過速度を取得したかチェックする。取得していない場合は、ステップ111を繰り返す。取得した場合は、ステップ112へ進む。
ステップ112では、車速と、現在位置からカーブ入口までの距離Lを取得する。
ステップ113では、現在位置からカーブ区間入口までの間で、現在の車速を取得した通過速度まで時間−車速座標で直線的に減速したと仮定した場合の、必要減速度αを演算する(図5の(b)参照)。なお、減速度は図5の(b)に示した傾きの絶対値である。
ここで、α1は所定の正の値であり、Δαはα1より絶対値が小さい所定の負の値である。必要減速度α1の値は、この必要減速度α1が算出された位置よりもカーブ区間入口により接近した区間では減速を開始するのが望ましいとして設定するものである。また、Δαの値は、必要減速度α1が算出される位置よりもより手前からカーブ通過速度の注意表示をディスプレイ4の表示領域に表示開始して、必要減速度α1が算出される位置では運転者に注意表示が認識しやすいように、注意表示をフェードインするための前駆時間を設定するものである。
必要減速度αが所定値α1+Δα未満の場合は、ステップ118へ進み、所定値α1+Δα以上の場合はステップ115へ進む。
ここで、α2はα1よりも大きい所定の正の値であり、この必要減速度α2が算出された位置を過ぎてからは速やかに減速しないと危険であるとして設定するものである。
必要減速度αが所定値α2未満の場合は、ステップ116へ進み、注意表示を行う。必要減速度αが所定値α2以上の場合は、ステップ117へ進み、警報表示を行う。
ステップ116、117の後ステップ118へ進む。
ステップ118では、カーブ区間入口を通過したかどうかをチェックする。カーブ区間入口を通過していない場合は、ステップ112に戻り、通過している場合はステップ119に進む。
ステップ120では、カーブ中間点を通過したかどうかをチェックする。カーブ中間点を通過していない場合は、ステップ119に戻り、通過している場合はステップ121に進む。
ステップ121では、カーブ通過速度提示を終了する。
そのフェードイン制御においては、図5の(a)の左図から右図に表示の変化を示すように、算出された必要減速度αの値が所定値α1+Δαからα1に近づくに応じて、カーブ通過速度表示(VC)61の数字が小さい表示から大きい表示に連続的に変化し、並行してセクター領域62の表示色がディスプレイ4の表示領域の背景色と同色、同一輝度から徐々に例えば黄色に変化し、必要減速度α1が算出された時点では注意表示のフェードインが完了する。
初めてステップ116に進んだときは、注意表示は前述のようにフェードインを行い、その後必要減速度αの値がα1より大きくα2に接近するにつれ、セクター領域62の表示色が黄色から濃いオレンジ色に変化していく。
このように、カーブ通過速度表示を運転者が見易いスピードメータ65のディスプレイ4にも行うことにより、必ずしも運転者の正面近くに配置されているとは限らない車載機1の表示部14よりも運転者に注意喚起しやすい。
なお、本実施例では、ディスプレイ4へのカーブ通加速度の表示制御は車載機1の出力制御部23が行うとしたが、それに限定されない。
たとえば、車両側のコンビネーションメータの表示を制御するコンビネーションメータ・コントロール・ユニットに出力制御部23から信号を入力し、コンビネーションメータ・コントロール・ユニットが上記の表示を制御するようにしてもよい。
この制御は主にナビゲーション処理部11において、図4、図6に示すフローチャートの制御と並行して、一定時間間隔、たとえば100ミリ秒間隔で実行される。
ステップ131では、カーブ検出部21において、ステップ102で検出されたカーブ区間に自車両が進入したかどうかを判定する。進入したとの判定は、カーブ区間の自車両の現在位置に近い側をカーブ区間の入口、遠い側をカーブ区間の出口と認識し、入口の位置座標を通過したことを検出して判定する。カーブ区間を走行中は、カーブ検出部21は走行データ記録部24にカーブ区間走行信号を送出し続ける。
カーブ区間に進入した場合はステップ132に進み、そうでない場合はステップ131を繰り返す。
走行データは、車両状態センサ2からの各車輪の車輪速にもとづく速度、アクセル開度、ブレーキ操作、先行車両との車間距離、横方向加速度などを示すデータである。
ステップ133では、走行データ記録部24は、カーブ区間の通過を検出したかどうかチェックする。カーブ区間の通過は、走行データ記録部24が、カーブ区間走行信号の途切れたことを検出したときである。
カーブ区間をまだ走行中はステップ132、133を繰り返し、通過した場合はステップ134に進む。
ステップ134において送信不要と判定された場合は、走行データをセンタ3に送信せず、当該のカーブ区間における一連の走行データの送信制御を終了する。
ステップ141では、走行データ送信判定部25は、車間距離データからカーブ区間走行時に、所定距離、たとえば10m以内に先行車両が存在したかチェックする。所定距離内に先行車両が存在した場合は、先行車両に合わせて走行したもので、カーブ区間を適切な速度での走行時よりは減速して走行している可能性が高いとして、走行状態が良好でないと判定して送信しないで終了する。先行車が所定距離内に存在しない場合はステップ142へ進む。
ジャーク値が所定の閾値を越えている場合は、滑らかに走行していない、たとえば減速し過ぎて、再加速時に速度の立ち上がりが急激となったものとして、走行状態が良好でないと判定して送信しないで終了する。ジャーク値が所定の閾値を越えていない場合はステップ144へ進む。
ステップ144では、速度データとブレーキ信号から、急制動を行ったかどうかチェックする。急制動を行った場合は、走行状態が良好でないと判定して送信しないで終了する。急制動を行っていない場合はステップ145へ進む。
ステップ147では、カーブ区間における速度データから得られる最低速度を実際のカーブ通過速度とし、センタ3から取得したカーブ通過速度と実際の通過速度に所定の閾値、例えば5km/h以上の差があるかどうかをチェックする。所定の閾値以上の差がある場合はステップ135に進み、そうでない場合は送信しないで終了する。
これは、5km/h以上の差がない場合は、すでにセンタ3において精度のよいカーブ通過速度を作成するだけのサンプル値が集まっていて、その精度も実際のカーブ通過速度とあまり大きな差がないと判断して、今回の走行データをセンタ3に送信する必要がないとする考え方によるものである。
ステップ201では、通信制御サーバ32は、車載機1よりカーブ通過速度の情報のリクエストを受信したかどうかをチェックする。リクエストの受信がない場合はステップ201を繰り返す。リクエストがあった場合はステップ202へ進む。
ステップ202では、送信情報検索部37が、車載機1から車種別符号とカーブ区間のID番号を取得する。
なお、天候のカテゴリの区分の判定に当たって、送信情報検索部37は、カーブ区間のID番号にもとづき、車載機1の車両が現在走行している地点を地図データベース33で特定し、天候情報取得部35に記憶されている最新の地域別天候情報から当該カーブ区間の天候状態を取得して区分を判定する。
カーブ通過速度を取得できなかった場合は、ステップ206に進み、通信制御サーバ32は、送受信機31に、リクエストしてきた車載機1へ「情報なし」のメッセージを送信させる。
ステップ205、206の後、一連のセンタ3における車載機1へカーブ通過速度の情報を送信する制御は終了する。
ステップ211では、通信制御サーバ32は、送受信機31を介して車載機1からカーブ区間のID番号、車種別符号、走行データを受信する。
ステップ212では、記憶情報設定部36は、カーブ区間のID番号にもとづき、カーブ通過速度データベース34の当該のカーブ区間を特定する。
当該カーブ区間の天候カテゴリの区分の判定は、前述のフローチャートのステップ203の説明と同じ手順で行う。
ステップ214では、記憶情報設定部36は、サンプル数Nを読み出し、サンプル数Nが所定数Nmax、例えば100未満であるかどうかを判定する。サンプル数Nmaxが所定数未満の場合は、ステップ215に進み、所定数以上の場合は、一連のカーブ通過速度のサンプル値の取得、カーブ通過速度の更新記憶の制御を終了する。
図11にカーブ区間前後を含めた速度(V)、アクセル開度、ブレーキ操作(ブレーキSW)の信号の推移を示す。横軸は時刻tを示す。図中カーブ区間に対応する記録された時間幅だけ各信号を実線で示す。
上記の減速終了時刻Tsは、(c)においてカーブ区間で初めてブレーキ操作信号が、オン(ON)からオフ(OFF)になった時点に設定する。
なお、ブレーキ操作信号から減速終了時刻Tsを検出できない場合は、(b)においてカーブ区間でアクセル開度が初めてオン状態(アクセル開度>0)から0になった時点をもって減速終了時刻Tsとする。
さらに、アクセル開度信号から減速終了時刻Tsを検出できない場合は、カーブ区間入口の手前で減速操作を終了したとして、走行データ記録開始時を減速終了時刻Tsとする。
ステップ217では、記憶情報設定部36は、時刻Ts〜Teの間の最小速度Vcを選定する(図11の(a)参照)。
カーブ通過速度データベース34にすでに格納されているカーブ通過速度(平均値)がVCで、その値を算出したサンプル数がNとすると、新しいカーブ通過速度VCは、(N×VC+Vc)/(N+1)で算出される。
ステップ220では、記憶情報設定部36は、新しく算出したカーブ通過速度VCを新しいサンプル数(N+1)およびサンプル値Vcとともに、カーブ通過速度データベース34に記憶させる。
ステップ220の後、受信した走行データに対する一連の処理を終了する。
なお、本実施例の携帯電話17は、本発明の車載機側通信装置に、送受信機31はセンタ側通信装置に、カーブ通過速度データベース34は通過速度データベースに対応する。
センタ3は、車載機1からカーブ区間のID番号を指定してカーブ通過速度の情報のリクエストを受けたとき、カーブ通過速度データベース34に記憶された通過速度をカーブ区間のID番号にもとづき検索して、車載機1に送るので、走行の実績にもとづく安全な通過速度を車載機1に提供することができる。
特に、カーブの曲率だけでなく、カーブ区間の道路の幅、ブラインドカーブか見通しの効くカーブかによっても安全なカーブ通過速度は異なることから、個々のカーブの構造を反映した走行実績のカーブ通過速度をセンタ3に集約でき、車載機1に送信することができる。
センタ3は、車載機1からは車種別符号を付加してカーブ通過速度の情報のリクエストを受けるので、車載機1を搭載している車両の種別に応じたカーブ通過速度を車載機1に提供することができる。
例えば同じカーブ区間を普通乗用車と大型車両のトラックが走行するときでは、遠心力が異なり大型車ほど外へはみ出し易いこと、後輪の追従性から操舵方法が異なることから、大型車に対する安全なカーブ通過速度は普通乗用車より低速となる。そのような車両種別を考慮したカーブ通過速度の提供を可能とすることで、運転者により安全なカーブ通過速度の提供ができる。
車載機1は、自車両のカーブ区間における走行状態が不良のときはセンタ3へのデータ送信をしないので、通信費が節約できる。
本実施例の車載機、センタの構成は、第1の実施例と同じである。第1の実施例と異なる点は、センタ3が車載機1から受信したカーブ区間の走行データからカーブ通過速度のサンプル値を取得して、カーブ通過速度データベース34に記憶する制御の流れである。
本実施例のセンタ3は、各カーブ区間における各カテゴリの区分のサンプル数が所定数Nmaxに達し、平均値であるカーブ通過速度VCを確定した後も、車載機1からカーブ区間通過時の走行データを収集し、そのカーブ区間において、たとえば道路の工事などでカーブ通過速度が大幅に変化したときに、カーブ通過速度データベース34のカーブ通過速度VCを自動的に更新する点である。
暫定的なカーブ通過速度VC’、分散σ’c、サンプル数Nc1、Nc2、については、フローチャートの説明の中で後述する。
ステップ221〜226は、第1の実施例におけるフローチャートのステップ211〜213およびステップ215〜217と同じであり、説明を省略する。
なお、データの処理はカーブ通過速度データベース34におけるステップ221〜223において特定したカーブ区間およびカテゴリの区分に対応するカーブ通過速度に係わるデータに対してなされる。
ステップ228では、記憶情報設定部36は、サンプル数Nを読み出し、サンプル数Nが所定数Nmax、例えば100未満であるかどうかを判別する。サンプル数Nが所定数Nmax未満の場合は、ステップ229に進み、所定数以上の場合は、ステップ231に進む。
ステップ230では、記憶情報設定部36は、新しく算出したカーブ通過速度VCと分散σcを、新しいサンプル数(N+1)、今回のサンプル値Vcとともに、カーブ通過速度データベース34に記憶させる。
ステップ230の後、受信した走行データに対する一連の処理を終了する。
ステップ232では、記憶情報設定部36は、ステップ226において選定した最小速度Vcが(VC+σc)より大きいかどうかチェックする。大きい場合は、ステップ238に進み、そうでない場合はステップ233に進む。
ステップ233では、記憶情報設定部36は、暫定記録領域のNc1、Nc2、VC’、σ’cを0にリセットし、またサンプル値Vcが暫定記録領域に記憶されている場合はそのサンプル値を消去して一連の処理を終了する。
通常、カーブ通過速度のサンプル値Vcは大半が(VC−σc)〜(VC+σc)の範囲に含まれるので、最初はステップ233を通過するとして話を進める。その時は、Nc1、Nc2、VC’、σ’cを0にリセットするものである。
ステップ234では、記憶情報設定部36は、回数Nc2=0であることをチェックする。Nc2=0のときはステップ235に進み、Nc2=0でないときはステップ233に進む。
新しい平均値VC’は(VC’×(Nc1−1)+Vc)÷Nc1により求まる。
ステップ237では、記憶情報設定部36は、回数Nc1が所定数N’max、例えば50以上かどうかをチェックする。所定数N’max未満の場合はステップ242に進み、所定数N’max以上の場合はステップ243に進む。
ステップ238では、記憶情報設定部36は、回数数Nc1=0であることをチェックする。Nc1=0のときはステップ239に進み、Nc1=0でないときはステップ233に進む。
新しい平均値VC’は(VC’×(Nc2−1)+Vc)÷Nc2により求まる。
このときに、暫定的なカーブ通過速度VC’の分散σ’cも算出する。
ステップ241では、記憶情報設定部36は、回数Nc2が所定数N’max以上かどうかをチェックする。所定数N’max未満の場合はステップ242に進み、所定数N’max以上の場合はステップ243に進む。
ステップ237、241の後ステップ243に進んだ場合は、記憶情報設定部36は暫定領域に記録された暫定的なカーブ通過速度VC’を本来のカーブ通過速度VCとして更新記録する。また暫定記録領域に記憶されている所定数N’max個のサンプル値Vcの分散σ’cも同様に本来の分散σcとして更新記憶される。
ステップ243の後ステップ233に進み、暫定記録領域のデータをリセットし、サンプル値Vcを消去し、一連の処理を終了する。
これにより、たまたま初心者がカーブ区間を低速で通過したり、スポーツカーでカーブ区間を高速で通過したりした場合の、カーブ通過速度の散発的な分散σcを超えるずれ量の発生によるサンプル数Nc1、Nc2の累積による、カーブ通過速度の大幅な更新処理(誤処理)を避けることができる。
なお、本実施例の携帯電話17は、本発明の車載機側通信装置に、送受信機31はセンタ側通信装置に、カーブ通過速度データベース34は通過速度データベースに対応する。
また、車載機1は、センタ3からカーブ通過速度の情報の提供を受けることができなかったカーブ区間の走行データは、センタ3に送信するようにし、カーブ通過速度の情報の提供を受けることができたカーブ区間の走行データは、必要に応じてセンタ3に送るようにしている。
したがって、不必要な車載機1からセンタ3への通信料が節約される。
本変形例におけるセンタ3および車載機1の構成を、図1を用いて説明する。
センタ3の通信制御サーバ32は、通信回線を介して道路近傍に設置された狭域通信装置であるビーコン送受信機41に接続している。ビーコン送受信機41のビーコンアンテナ42は、図14に示すようにカーブ区間手前の所定の位置に設置され、カーブ区間に接近する車両と通信可能な狭い通信エリアの指向性を有したビーコンアンテナ42aとカーブ区間全体をカバーする通信エリアのビーコンアンテナ42bとから構成されている。
図1においては、ビーコンアンテナ42a、42bをまとめてビーコンアンテナ42で示してある。
ビーコン送受信機41とビーコンアンテナ42a、42bは、カーブ区間ごとに設けられ、電波ビーコン、光ビーコン、ETC、また無線LANによる狭範囲の通信が可能なものである
送受信機16は、センタ3からカーブ情報およびカーブ通過速度の情報をビーコン送受信機41とビーコンアンテナ42aを介して取得し、ナビゲーション処理部11に入力する。また、送受信機16は、送信制御部26に制御されて走行データをビーコンアンテナ42b、ビーコン送受信機41を介してセンタ3に送る。
なお、ここでは第1の実施例または第2の実施例の制御の流れと、本変形例の制御の流れとで異なるステップについてのみ説明する。
本変形例では、図4のフローチャートにおけるステップ102が削除される。
ステップ103では、送受信機16は、電界強度から自車両がビーコンアンテナ42aの通信エリアに進入したことを検出し、ダウンロード制御部22に通信エリア進入の信号を送る。ダウンロード制御部22は、送受信機16を介して自車両の車種別符号を、ビーコンアンテナ42aを介してビーコン送受信機41に送信し、カーブ通過速度の情報をリクエストする。
ステップ105では、出力制御部23は、ダウンロードされたカーブ情報と自車両の現在位置とにもとづき、自車両の当該のカーブ区間に対する位置を判定し、出力制御部23にカーブ通過速度の情報の提示制御を開始させる。
ステップ105、106において出力制御部23は、カーブ区間入口の所定距離手前から自車両がカーブ区間の中間点を通過完了するまでカーブ通過速度を表示部14とディスプレイ4にて運転者に提示させ、カーブ中間点を通過するとステップ107において提示を終了する。
ビーコン送受信機41は、通信制御サーバ32から送られてきた最新のカーブ通過速度の情報を保持し、また自身がカバーするカーブ区間のカーブ情報を保持する。
ビーコン送受信機41は、ビーコンアンテナ42aの通信エリア内に進入した車両の車載機1から、カーブ通過速度の情報のリクエストと車種別符号を受信したとき、当該車両種別のカーブ通過速度の情報とカーブ情報を車載機1に送信する。
ただし、ステップ135において送信制御部26は、自車両が走行したカーブ区間のID番号と、自車両の車種別符号と、さらにDRAMに記憶された走行データを、送受信機16からビーコンアンテナ42b、ビーコン送受信機41を介してセンタ3に送信し、当該のカーブ区間における一連の車両走行データの送信制御を終了する。
ただし、ステップ211(221)において通信制御サーバ32と接続して、走行データ受信のため車載機1の送受信機16と通信するのは、送受信機31の代わりにビーコンアンテナ42b、ビーコン送受信機41である。
本変形例のように、携帯電話17と送受信機31との間の通信の代わりに、送受信機16とビーコン送受信機41との間の通信を用いることにより、車載機1の通信費が節約できる。
カーブ情報をビーコン送受信機41とビーコンアンテナ42aから送受信機16が受信するとき、カーブ区間の入口、出口の位置座標とカーブ区間長さLsの代わりに、ビーコンアンテナ42aの通信エリアからカーブ区間入口までの距離Lとカーブ区間長さLsを受信し、カーブ検出部21において車両状態センサ2に含まれる車輪速センサからの車速にもとづく走行距離からカーブ区間の入口、中間点、出口に対する自車両の位置を算出、検出してもよい。
例えば、車両状態センサ2は、さらにヘッドランプとワイパーのスイッチポジション信号を検出し、他の信号とともにカーブ通過速度通信制御部20に入力する。ダウンロード制御部22が、ヘッドランプの点灯の有無から夜間と昼間を判定し、ワイパーの作動の有無から雨天か雨天でないかを判定し、さらに駆動輪と従動輪の車輪速の差からスリップ率を求めて、積雪状態か積雪状態でないかを判定する。そして、ダウンロード制御部22が、時間帯、天候のカテゴリの該当する区分を判定して、センタ3にその区分のカーブ通過速度の情報をリクエストするようにしてもよい。
その場合、センタ3の記憶情報設定部36において、ヘッドランプの点灯の有無から夜間か昼間かを判定し、ワイパーの作動の有無から雨天か雨天でないかを判定し、さらに駆動輪と従動輪の車輪速の差からスリップ率を求めて、積雪状態か積雪状態でないかを判定してもよい。記憶情報設定部36は、新たなカーブ通過速度のサンプル値の天候のカテゴリの区分を上記判定の天候カテゴリの区分のものとして、カーブ通過速度データベース34に更新記憶する。
図15は、第3の実施例における車載機、センタのブロック構成図である。第1の実施例と同じ構成については同じ符号を付し説明を省略する。
まず、本実施例における車載機1’の構成を説明する。
車載機1’は、現在位置検出部12、地図情報記憶部13、表示部14、入力部15、ナビゲーションのための各種情報処理を行うナビゲーション処理部11’、センタ3’の送受信機31と情報通信するための携帯電話17を備えている。
ナビゲーション処理部11’は、現在位置算出部51、目的地検索・設定部52、経路設定部53、経路記憶部54、経路案内部55を有しており、通常のカーナビゲーション装置の有する処理機能を有する。
例えば、(1)現在位置算出部51において、現在位置検出部12からの位置座標にもとづき、現在位置と走行方向を判定する機能、(2)現在位置周辺の地図表示と自車両の地図上での現在位置表示機能、(3)目的地検索・設定部52において目的地を検索し設定する機能、(4)経路設定部53において現在位置から目的地までの走行経路を探索し、経路記憶部54に記憶させる機能、(5)経路案内部55による経路案内機能、(6)地点登録機能などを有している。
カーブ通過速度通信制御部20’は、カーブ検出部21、ダウンロード制御部22’、出力制御部23’、カーブ通過速度記憶部27、走行データ記録部24、走行データ送信判定部25、送信制御部26から構成される。
ダウンロード制御部22’は、そのリクエストに対するセンタ3’からの応答を受けて、走行経路に係わるカーブ区間のカーブ情報とカーブ通過速度を、カーブ通過速度記憶部27に記憶させる。
ダウンロード制御部22’は、さらにセンタ3’から車載機1’へのカーブ通過速度の更新送信を、携帯電話17を介して受信したとき、カーブ通過速度記憶部27に更新記憶させる。
センタ3’は、地図データベース33、カーブ通過速度データベース34、天候情報取得部35と、送受信機31と、通信制御サーバ32’、記憶情報設定部36、送信情報検索部37’を備える。
通信制御サーバ32’は、車載機1’から受信した車種別符号と走行経路の情報を送信情報検索部37’に転送する。
さらに、送信情報検索部37’は、取得した一連のカーブ情報と車種別符号にもとづき、カーブ区間ごとに、検索時点の時間帯のカテゴリの区分および天候情報取得部35の最新の天候情報にもとづく天候のカテゴリの区分、さらに車両種別のカテゴリの区分に該当するカーブ通過速度を、カーブ通過速度データベース34から抽出し、通信制御サーバ32’に送る。
通信制御サーバ32’は、車載機1’からの終了信号を受信したとき、経路通過速度記憶部38に記憶された、車載機1’のIDを付した経路通過速度情報を消去する。
本実施例では、車載機1’のナビゲーション処理部11’において出発地から目的地までの走行経路が設定されたときに、車載機1’は走行経路の情報をセンタ3’に送信する。
センタ3’は走行経路の情報を一時記憶し、走行経路の情報にもとづいて走行経路に含まれるカーブ区間を地図データベース33で検索し、カーブ通過速度データベース34から、現時点で該当する時間帯、天候カテゴリの区分のカーブ通過速度を検索し、車載機1’にカーブ情報とともに送信する。
車載機1’は、図16に示すように走行経路に含まれる一連のカーブ区間のカーブ情報、カーブ通過速度の情報を受信し、カーブ通過速度記憶部27に記憶する。車載機1’は、カーブ区間に接近するごとにカーブ通過速度記憶部27からカーブ通過速度を検索して運転者に提示する。
ステップ301では、操作者が入力部15を用いて、現在位置算出部51、目的地検索・設定部52、経路設定部53により目的地までの経路設定の操作をしたのを受けて、経路記憶部54が走行経路を記憶する。
このとき、車載機1’は、センタ3’が携帯電話17を呼び出して車載機1’と通信接続するための車載機ID(または電話番号)、自車両の車種別符号、経路記憶部54に記憶された走行経路の情報をセンタ3’に送信する。
ステップ303では、ダウンロード制御部22’は、センタ3’から送られてきた走行経路に係わるカーブ区間のカーブ通過速度の情報、カーブ情報を、カーブ区間のID番号でラベルしてカーブ通過速度記憶部27に記憶させる。
ステップ305では、カーブ検出部21において、前方の最も近いカーブ区間を地図情報記憶部13から検索しカーブ情報を取得し、自車両の現在位置との比較から、それが所定距離内に接近したことを検出する。なお、カーブ区間の接近は、カーブ区間の自車両に近い側(入口)の位置座標までの距離が所定距離Lth以内になったことで検出する。
カーブ区間の接近を検出した場合はステップ306に進み、そうでない場合はステップ304を繰り返す。
ステップ307では、出力制御部23’は、カーブ通過速度記憶部27からカーブ通過速度を取得できたかどうかをチェックする。カーブ通過速度が取得できなかった場合は、ステップ311に進み、取得できた場合は、ステップ308に進む。
ステップ308では、出力制御部23’において、ステップ306で取得したカーブ通過速度の情報を、表示部14とディスプレイ4に表示させて、乗員に提示する。
なお、ディスプレイ4に表示する制御は、第1の実施例と同じである。
カーブ中間点通過の場合はステップ310に進み、カーブ通過速度の表示を終了してステップ311に進む。カーブ中間点を通過していないときは、ステップ308に戻る。
ステップ312では、ダウンロード制御部22’は、経路設定部53に対し操作者が経路設定のリセットまたは走行経路の変更設定をしたかをチェックする。経路設定のリセットまたは走行経路の変更設定をした場合は、ステップ315に進み、そうでない場合はステップ313へ進む。
受診していない場合は、ステップ304に戻る。受信している場合は、ステップ314において、ダウンロード制御部22’が、カーブ通過速度の更新情報をカーブ通過速度記憶部27に記憶させ、ステップ304に戻る。
ステップ313、314の制御は、ステップ303において取得した一連のカーブ通過速度が、時間の経過により時間帯、または天候のカテゴリの区分などに変化が生じた場合、センタ3’においてその変化をチェックして、車載機IDにもとづいて車載機1’に通信接続し、カーブ通過速度の更新情報を送ってくるのを受けて、カーブ通過速度記憶部27に記憶したカーブ通過速度を更新するものである。
これにより、一連の車載機1’におけるセンタ3’からのカーブ通過速度の情報の受信制御と運転者へのカーブ通過速度の情報の提示制御を終了する。
次に、図19のフローチャートにもとづいてセンタが車載機へカーブ通過速度の情報を送信する制御の流れを説明する。
ステップ321では、通信制御サーバ32’は、送受信機31を介して車載機1’よりカーブ通過速度の情報のリクエストを受信し、車載機1’のID、車種別符号と走行経路の情報を取得する。
なお、天候カテゴリの区分の判定は、第1の実施例と同様に天候情報取得部35に記憶されている最新の地域別天候情報から、走行経路に係わるカーブ区間の位置の天候情報を取得して判定する。
なお、ステップ322において、走行経路に係わるカーブ区間として抽出されたカーブ区間に対応するカーブ通過速度がなかった場合は、そのカーブ区間については、カーブ情報も含めてなんら情報を記憶しない。
このとき、ステップ323において、経路通過速度記憶部38に記憶したときの時刻データも付加して送信する。この時刻データが車載機1’で受信した走行経路に係わる一連のカーブ通過速度の情報の新旧の判定に使われる。
終了信号を受信した場合は、経路通過速度記憶部38に記憶されている車載機1’のIDに対応する経路通過速度情報を消去して、車載機1’に対する一連のカーブ通過速度の情報の更新送信を終了する。
例えば、カーブ通過速度データベース34に格納されている各カーブ区間の各々のカテゴリの区分のカーブ通過速度データに、データ登録時の年月日時刻データが付加されていれば、その年月日時刻データの変化により、個々のデータごとのバージョン更新が検出できる。
バージョン更新されていない場合はステップ325に戻り、バージョン更新されている場合はステップ328に進む。
ステップ329では、通信制御サーバ32’は、カーブ情報、更新時刻データを付して更新カーブ通過速度の情報を、車載機1’へ送信させる。以下、これらの情報を単に更新情報と称する。ステップ329の後ステップ325に戻る。
こうしてセンタ3’は、車載機1’から終了信号を受信するまで、必要に応じて更新情報の送信を行う。
なお、本実施例の携帯電話17は、本発明の車載機側通信装置に、送受信機31はセンタ側通信装置に、カーブ通過速度データベース34は通過速度データベースに対応する。
また、車載機1’は、センタ3’からカーブ通過速度の情報の提供を受けることができなかったカーブ区間の走行データは、センタ3’に送信するようにし、カーブ通過速度の情報の提供を受けることができたカーブ区間の走行データは、必要に応じてセンタ3’に送るようにしている。
したがって、不必要な車載機1’からセンタ3’への通信料が節約される。
また、経路設定後のセンタ3’から一括したカーブ通過速度の情報のダウンロード、および必要に応じた更新情報のダウンロードなので、カーブ区間ごとにカーブ通過速度の情報を取得する第1の実施例、第2の実施例に対し、必要最小限の効率的なデータ送信によりカーブ通過速度の情報が得られる。
例えば、別個自宅に置いたパーソナルコンピュータにより走行経路を設定し、走行経路に係わるカーブ区間のカーブ情報、カーブ通過速度の情報をセンタ3’からパーソナルコンピュータにダウンロードする。次いで、パーソナルコンピュータに取得したカーブ通過速度の情報を車載機1’に転送し、車載機1’のカーブ通過速度記憶部27に記憶させ、また、センタ3’に車載機IDを登録して走行経路の情報をアップロードする。
以後、実施例3のようにセンタ3’は、上記走行経路に係わるカーブ区間のカーブ通過速度の情報に対し、カーブ通過速度データベース34上のカーブ通過速度の変更、または時間帯、天候のカテゴリの区分の変化があった場合、車載機1’を呼び出し更新情報を送信するもとしてもよい。
図20に示すようにセンタ3’の通信制御サーバ32’には、通信回線によりさらに放送局43が接続している。
また、車載機1’は送受信機16を備え、FM多重放送も受信可能である。
第3の実施例では、センタ3’の通信制御サーバ32’にカーブ通過速度の情報のリクエストのあった車載機1’に対して、カーブ通過速度データの更新やカテゴリの区分の変化があった場合、車載機1’を呼び出し、更新情報を送信するものとしていた。それに対し、本変形例では、各放送局43の放送エリア内に含まれるカーブ区間に対する常に最新のカーブ通過速度をカーブ情報との対で、例えばFM多重放送で放送する。
この放送する情報には、バージョン情報としてカーブ通過速度の情報が更新された時刻データが付加されている。
また、センタ3’は、カーブ通過速度の情報をリクエストしてきた車載機1’のIDを通信制御サーバ32’で記憶管理する必要がなく、送受信機31の通信負荷が軽減される。
センタ3’の通信制御サーバ32’は、通信回線を介して道路近傍に設置された狭域通信装置であるビーコン送受信機41に接続している。また、車載機1’はビーコン送受信機である送受信機16を備えている。
ビーコン送受信機41のビーコンアンテナ42は、図14に示すようにカーブ区間手前の所定の位置に設置され、カーブ区間に接近する車両と通信可能な狭い通信エリアの指向性を有したビーコンアンテナ42aと、カーブ区間全体をカバーする通信エリアのビーコンアンテナ42bとから構成されている。
この場合、ビーコン送受信機41とビーコンアンテナ42a、42bは、カーブ区間ごとに設けてもよいし、複数のカーブ区間に対してまとめて1組としてもよい。
ビーコン送受信機41がビーコンアンテナ42aを介して送信する情報には、バージョン情報としてのカーブ通過速度の情報の更新された時刻データが付加されている。
また、センタ3’は、カーブ通過速度の情報をリクエストしてきた車載機1’のIDを通信制御サーバ32’で記憶管理する必要がなく送受信機31の通信負荷が軽減される。
なお、本実施例の第1または第2の変形例においては、通信制御サーバ32’の経路通過速度記憶部38を必要としない。
第3の実施例では、車載機1’は走行経路を設定して、まず走行経路に係わるカーブ区間のカーブ通過速度の情報をセンタ3’から取得するものしたが、本変形例では走行経路を設定せず、図20に示すようにダウンロード制御部22’は、FM受信機である送受信機16を介してFM多重放送により、自車両の現在位置から所定の半径距離内のカーブ通過速度の情報を、カーブ情報との対の形でバージョン情報である更新時刻データとともに受信し、カーブ通過速度記憶部27に記憶する。
出力制御部23’は、カーブ検出部21が自車両の前方の所定距離以内に検出したカーブ区間に対して、対応するカーブ通過速度の情報をカーブ通過速度記憶部27から検索し、表示部14、ディスプレイ4に提示させる。
これにより、走行経路を設定しないで走行する場合にも、前方のカーブ区間の最新のカーブ通過速度の情報を、通信コストを掛けることなくセンタ3’から受信でき、運転者に提示することができる。
このようにすることによって、車載機1’からセンタ3’がカーブ通過速度のサンプル値を収集する場合に、車載機1’に通信コスト負担を掛けずにすむ。
また、通過速度の情報を提示する提示手段として、表示部14とインストルメントパネルのディスプレイ4を例示してきたが、そのほかに車載機1(1’)のナビゲーション処理部11(11’)にスピーカが接続し、カーブ区間の入口から手前の所定距離において、カーブ通過速度の情報を音声情報により、例えば「次のカーブは40km/hで通過してください。」と運転者に提示するようにしてもよい。
同様に、車載機1(1’)が、自車両がスクールゾーンに進入したことを検出して、センタ3(3’)からスクールゾーンにおける通過速度の情報を取得し、表示部14、ディスプレイ4により運転者に提示しても良い。
2 車両状態センサ
3、3’ センタ
4 ディスプレイ
11、11’ ナビゲーション処理部
12 現在位置検出部
13 地図情報記憶部
14 表示部
15 入力部
16 送受信機
17 携帯電話
20、20’ カーブ通過速度通信制御部
21 カーブ検出部
22、22’ ダウンロード制御部
23、23’ 出力制御部
24 走行データ記録部
25 走行データ送信判定部
26 送信制御部
27 カーブ通過速度記憶部
31 送受信機
32、32’ 通信制御サーバ
33 地図データベース
34 カーブ通過速度データベース
35 天候情報取得部
36 記憶情報設定部
37、37’ 送信情報検索部
38 経路通過速度記憶部
41 ビーコン送受信機
42、42a、42b ビーコンアンテナ
43 放送局
51 現在位置算出部
52 目的地検索・設定部
53 経路設定部
54 経路記憶部
55 経路案内部
61 カーブ通過速度表示
62 セクター領域
63 速度指示針
64 速度表示リング
65 スピードメータ
Claims (19)
- 車載機からポイント区間における車両の速度データをセンタに集約し、ポイント区間をこれから通過する車両の車載機に通過速度の情報を提供する車両用情報提供システムであって、
前記車載機は、
自車両の少なくとも速度データを含む走行データを取得する走行データ取得手段と、
現在位置を取得する現在位置取得手段と、
前記走行データ取得手段が取得した速度データを自車両が通過したポイント区間に対応させて前記センタに送信、または前記センタより自車両が通過するポイント区間の前記通過速度の情報を受信する車載機側通信装置と、
前記受信した通過速度の情報を現在位置にもとづいて運転者に提示する提示手段とを備え、
前記センタは、
前記車載機から前記速度データを受信、または前記車載機に前記通過速度の情報を送信するセンタ側通信装置と、
前記受信した速度データにもとづくポイント区間における通過速度を記憶格納する通過速度データベースと、
前記車両が通過する前記ポイント区間における通過速度を前記通過速度データベースから検索して、前記車載機に送信させる送信情報検索手段と、
前記通過速度データベースに前記通過速度を記憶させる際に、該通過速度を所定のカテゴリの区分をして記憶させる記憶情報設定手段とを備え、
該記憶情報設定手段は、
各ポイント区間の前記所定のカテゴリの区分ごとに、前記受信したポイント区間における速度データにもとづく通過速度のサンプル値を、所定数になるまで収集し、前記通過速度のサンプル値の平均値を前記車載機へ送信するための通過速度として前記通過速度データベースに記憶させ、
前記車載機から受信した速度データが、前記通過速度データベースに記憶された対応するポイント区間の、対応するカテゴリの区分の前記平均値の通過速度から所定値以上の差があり、かつ前記所定値以上の差のある速度データを所定回数以上連続して前記センタ側通信装置を介して取得した場合、前記平均値の通過速度を更新することを特徴とする車両用情報提供システム。 - 前記センタ側通信装置は、前記ポイント区間付近に設置された狭域通信装置であり、該狭域通信装置の通信エリア内に進入している車両の前記車載機へ前記通過速度の情報の送信、または前記通信エリア内に進入している車両の前記車載機から前記速度データを受信することを特徴とする請求項1に記載の車両用情報提供システム。
- 前記走行データは、前記速度データのほかにアクセル信号とブレーキ信号を含み、
前記車載機は、前記センタに前記走行データを送信し、
前記記憶情報設定手段は、前記車載機の車両が通過したポイント区間において、アクセル信号がオンからオフまたはブレーキ信号がオンからオフになった時点から、アクセル信号が再びオンになった時点の間の速度データにもとづいて当該ポイント区間に対する前記通過速度のサンプル値を取得することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用情報提供システム。 - 前記車載機は、前記走行データ取得手段によって取得された走行データの送信の要否を判定する走行データ送信判定手段をさらに備え、
該走行データ送信判定手段は、その判定結果にもとづいて、前記走行データを前記センタへ送信させることを特徴とする請求項3に記載の車両用情報提供システム。 - 前記走行データ送信判定手段は、前記走行データから、ポイント区間走行中に運転者が所定値以上の急制動を行ったことを検出した場合は、前記走行データを前記センタへ送信させないことを特徴とする請求項4に記載の車両用情報提供システム。
- 前記走行データ送信判定手段は、前記走行データから、ポイント区間走行中に所定値以上の車速ジャークの発生を検出した場合は、前記走行データを前記センタへ送信させないことを特徴とする請求項4または5に記載の車両用情報提供システム。
- 前記走行データは、さらに先行車両との車間距離信号を含み、
前記走行データ送信判定手段は、前記走行データから、ポイント区間走行中に所定距離以内の先行車両を検出した場合は、前記走行データを前記センタへ送信させないことを特徴とする請求項4から6のいずれか1に記載の車両用情報提供システム。 - 前記走行データ送信判定手段は、前記走行データから、ポイント区間走行中に自車両の速度が所定値以下を検出した場合は、前記走行データを前記センタへ送信させないことを特徴とする請求項4から7のいずれか1に記載の車両用情報提供システム。
- 前記走行データは、さらに横方向加速度信号を含み、
前記走行データ送信判定手段は、前記走行データから、ポイント区間走行中に自車両の所定値以上の横方向加速度を検出した場合は、前記走行データを前記センタへ送信させないことを特徴とする請求項4から8のいずれか1に記載の車両用情報提供システム。 - 前記走行データ送信判定手段は、前記車載機が、自車両が通過したポイント区間に対する通過速度の情報を前記センタから取得できなかった場合は、前記走行データを前記センタへ送信させることを特徴とする請求項4から9のいずれか1に記載の車両用情報提供システム。
- 前記走行データ送信判定手段は、自車両が通過したポイント区間に対する前記センタから取得した通過速度と、前記速度データとを比較し、所定値以上の差があった場合、前記走行データを前記センタへ送信させることを特徴とする請求項4から10のいずれか1に記載の車両用情報提供システム。
- 前記所定のカテゴリは車両種別であって、
前記車載機は、少なくとも自車両の車両種別の情報を前記センタに送信し、
前記通過速度データベースは、少なくとも車両種別のカテゴリにもとづいて区分されたポイント区間の通過速度を記憶格納しており、
前記送信情報検索手段は、受信した前記車両種別の情報にもとづいて、前記通過速度データベースから通過速度を検索し、前記車載機へ送信させることを特徴とする請求項1から11のいずれか1に記載の車両用情報提供システム。 - 前記所定のカテゴリは、天候または時間帯を含み、
前記センタは、ポイント区間の天候情報を取得する天候情報取得手段をさらに備え、
前記通過速度データベースは、天候または時間帯のカテゴリにもとづいて区分されたポイント区間の通過速度を記憶格納しており、
前記送信情報検索手段は、ポイント区間の現在の天候情報を前記天候情報取得手段から取得して、前記通過速度データベースから該当の天候カテゴリの区分の通過速度、または現在時刻が含まれる時間帯カテゴリの区分の通過速度を検索し、前記車載機へ送信させることを特徴とする請求項1から12のいずれか1に記載の車両用情報提供システム。 - 前記車載機は、
前記取得した現在位置にもとづいて自車両前方のポイント区間を検出し、
前記自車両前方に検出したポイント区間に入る前に、前記通過速度の情報を前記センタにリクエストし、
前記検出されたポイント区間の所定距離手前から、前記センタから受信した通過速度の情報を前記提示手段が提示するように制御する出力制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から13のいずれか1に記載の車両用情報提供システム。 - 前記車載機は、
さらに自車両の走行経路を設定する経路設定手段を備え、
前記設定された走行経路の情報を前記センタに送信して、該センタから前記走行経路に係わるポイント区間の通過速度の情報を、ポイント区間を特定するポイント情報とともに取得し、
前記取得した前記走行経路に係わるポイント区間の通過速度の情報を、前記ポイント情報とともに記憶するポイント通過速度記憶手段を備え、
前記取得した現在位置にもとづいて自車両前方のポイント区間を検出し、
当該ポイント区間に対応する通過速度を前記ポイント通過速度記憶手段から検索して、
前記検出されたポイント区間の所定距離手前から、前記検索された通過速度の情報を前記提示手段が提示するように制御する出力制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から13のいずれか1に記載の車両用情報提供システム。 - 前記センタは、
ポイント区間の天候情報を取得する天候情報取得手段と、
地図データを記憶格納した地図データベースをさらに備え、
前記車載機から、前記走行経路の情報を受信し、
前記送信情報検索手段は、
前記地図データベースから前記走行経路に係わるポイント区間の位置を特定するポイント情報を取得し、
該ポイント情報にもとづいて前記天候情報取得手段から、その時点における対応するポイント区間における天候情報を取得し、
前記通過速度データベースから該当の天候カテゴリの区分の通過速度、または現在時刻が含まれる時間帯カテゴリの区分の通過速度を検索し、前記車載機へ送信させ、
前記走行経路に係わるポイント区間の前記通過速度データベース上の通過速度の情報が更新された場合、または送信させた通過速度の情報の対応する天候または時間帯のカテゴリの区分が、時間の経過に伴って変化があった場合、前記通過速度データベースから前記走行経路に係わるポイント区間の通過速度の情報を検索し直し、前記車載機へ更新送信させ、
前記車載機は、
前記センタから送られてきた前記更新の通過速度の情報を前記ポイント通過速度記憶手段に更新記憶することを特徴とする請求項15に記載の車両用情報提供システム。 - 前記車載機は、自車両の目的地到着の場合、または操作者が走行経路変更の設定操作または前記設定された走行経路をリセット操作した場合に、前記センタに終了信号を送信し、前記送信情報検索手段は、前記終了信号を前記車載機から受信したとき、該車載機への通過速度の情報の更新送信を停止することを特徴とする請求項16に記載の車両用情報提供システム。
- 車載機からポイント区間における車両の速度データをセンタに集約し、ポイント区間をこれから通過する車両の車載機に通過速度の情報を提供する車両用情報提供システムのセンタであって、
前記車載機から前記速度データを受信、または前記車載機に前記通過速度の情報を送信するセンタ側通信装置と、
前記受信した速度データにもとづくポイント区間における通過速度を記憶格納する通過速度データベースと、
前記車両が通過する前記ポイント区間における通過速度を前記通過速度データベースから検索して、前記車載機に送信させる送信情報検索手段と、
前記通過速度データベースに前記通過速度を記憶させる際に、該通過速度を所定のカテゴリの区分をして記憶させる記憶情報設定手段とを備え、
該記憶情報設定手段は、
各ポイント区間の前記所定のカテゴリの区分ごとに、前記受信したポイント区間における速度データにもとづく通過速度のサンプル値を、所定数になるまで収集し、前記通過速度のサンプル値の平均値を前記車載機へ送信するための通過速度として前記通過速度データベースに記憶させ、
前記車載機から受信した速度データが、前記通過速度データベースに記憶された対応するポイント区間の、対応するカテゴリの区分の前記平均値の通過速度から所定値以上の差があり、かつ前記所定値以上の差のある速度データを所定回数以上連続して前記センタ側通信装置を介して取得した場合、前記平均値の通過速度を更新することを特徴とする車両用情報提供システムのセンタ。 - 前記ポイント区間とは、カーブ区間、坂道区間、スクールゾーンの少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1から18のいずれか1に記載の車両用情報提供システムまたはセンタ。
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