JP4781191B2 - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成される記録材に係る情報を検出する検出装置を有する画像形成装置及び画像形成方法に関する。より詳細には、記録材の特性又は種類に係る情報を検出する検出装置の検出結果に基づいて画像形成条件を制御し、記録材の特性又は種類に応じて画像形成動作を行う画像形成装置及び画像形成方法に関する。画像形成装置としては、インクジェットプリンタ、複写機、レーザー・プリンタ等が含まれる。
画像信号に基づいて画像を形成する画像形成装置には、電子写真方式、インクジェット方式など様々な方式の装置がある。このような画像形成装置において、現在、被印字媒体である印字用紙(記録材)は多様性を持っており、サイズ、透過性、光沢など様々な特徴を備えたメディアが存在する。このような背景から、高い画像品質を得るためには、様々なメディアに対して最適な画像形成を行う必要性が求められている。
一般的には、業務用の画像形成装置としては電子写真方式としてのレーザー・プリンタが広く使用されている。また、一般消費者用の画像形成装置としては、インクジェット記録装置が、今日広く用いられている。このインクジェット記録装置は、記録媒体に対して非接触であるために静粛性に優れ、記録速度を高くできるとともに、高密度記録が可能であり、さらにはカラー化が容易である等の利点を有する。
複写機、レーザー・プリンタ等の、いわゆる電子写真方式の画像形成装置は、潜像担持体と、現像装置と、転写手段と、定着装置を備えている。潜像担持体は、潜像を担持するものである。現像装置は、前記潜像担持体に現像剤を付与することにより潜像を現像剤像として可視化するものである。転写手段は、所定方向に搬送される記録材に現像装置による現像剤像を転写するものである。定着装置は、転写手段によって現像剤像の転写を受けた記録材を所定の定着処理条件にて加熱及び加圧することにより現像剤像を記録材に定着させるものである。
また、インクジェット記録装置は、一般に、記録ヘッドとインクタンクを搭載するキャリッジと、記録紙を搬送する搬送手段と、これらを制御するための制御手段とを具備する。このインクジェット記録装置は、記録ヘッドの複数の吐出口からインク滴を吐出させながら、キャリッジを、記録紙の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)にシリアルスキャンさせる。また、その一方で非記録時に記録紙を記録幅に等しい量で間欠搬送することにより、記録紙上に記録を行う。
従来、かかる画像形成装置においては、たとえば、画像形成装置本体に設けられた操作パネル等に記録材たる記録材のサイズや種類(以下、紙種ともいう)がユーザによって設定される。その設定に応じて、たとえば、上述の電子写真方式の画像形成装置の場合では、現像条件、転写条件あるいは定着処理条件(たとえば、定着温度や定着装置を通過する記録材の搬送速度)又は画像処理を変える制御などを行う。又は、ホスト・コンピュータからユーザが印字時に紙種を設定することにより、画像形成装置は指定された紙種に応じて、現像条件、転写条件あるいは定着処理条件又は画像処理を変える制御を行う。
インクジェット方式の画像形成装置の場合では、インクの吐出量の制御、紙種に応じた色変換処理などを、行っている。あるいは、これらの画像形成装置に接続されたホスト・コンピュータからユーザが印字時に紙種を設定することにより、画像形成装置は、指定された紙種に応じて、上述した制御を行っている。
しかしながら、ユーザが上述した紙種の設定をし忘れたり、設定を誤ったり、あるいは、複数の紙種を混在させる場合があるため、画像形成装置では、特に業務用の画像形成装置においては、紙種を自動的に判別することが行われるようになってきている。
たとえば、特許文献1や特許文献2において提案されているように記録材の表面画像をCMOSセンサによって撮像し、記録材の表面平滑度を検出する方法により記録材の種類を判別し、現像条件、転写条件あるいは定着条件を可変制御するものがある。さらに、前記記録材を判別するセンサに対向する位置に発光源を設け、透過光を検出することにより、透過光による記録材の判別を行う装置も提案されている。そして、このような記録材の判別方法を用いて、記録材を給紙するたびに毎回判別を行うように制御(全ての記録材の判別を行うよう制御)したり、印字ジョブの最初の1枚目のみ判別を行って、それ以降は判別を省略するように制御していた。
特開2002−182518号公報 特開2003−302885号公報
しかしながら、上述の従来の画像形成装置では、次のような課題がある。この記録材判別は、判別精度の向上のために測定時間が増加する傾向がある。市場に存在する数々の用紙の判別を行う必要があるが、すべての記録材について判別していたのでは、毎回判別動作に時間がかかるため生産性が低下する。また、上述したように、1つのジョブにおける1枚目のみ判別を行って、それ以降は1枚目の判別結果を用いて制御する場合は、1枚目の判別が誤った判別であった場合には、それ以降のすべての記録材についても誤った判別結果に基づいて制御が行われてしまう。従来は、このような問題が発生していた。
そこで本発明は、用紙の種類の判別を行う場合に、生産性、つまり、ファースト・プリント時間やスループットなどの性能に与える影響をできるだけ小さくして、用紙の判別を行う構成を提案する。本発明は、用紙の種類の判別精度の低下をできるだけ小さくして、最適な電子写真プロセスで処理を施し、良好な画像を得ることができる画像形成装置及び画像形成方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、記録材を供給する給紙部と、前記給紙部によって供給される記録材の種類を検出する記録材検出部と、画像を形成するための画像形成部と、前記記録材検出部により検出された所定枚数検出結果に基づいて前記記録材の種類を確定し、確定した該記録材の種類に基づき前記画像形成部の画像形成条件を設定する制御部と、を有し、前記制御部は、前記確定前の前記所定枚数分の記録材に対して画像形成する際は、前記所定枚数分の記録材のうち、前記給紙部によって最初に供給された記録材について検出された種類に基づき、前記画像形成部の前記画像形成条件を設定することを特徴とする。
以上のように構成することにより、所定の給紙口ごとに記録保存されている判別結果を使用することにより、記録材判別を行う装置において、システム全体としてのパフォーマンスを維持しながら、記録材に適した印字制御をすることが可能となる。
この結果、全ての記録材について、または全ての印字ジョブごとに記録材判別動作を行う場合と比べて記録材判別回数を低減することが可能になる。
また、印字ジョブの先頭の1枚のみ記録材の判別動作を行う場合に比べて判別精度の向上させることが可能となる。
[第1の実施形態]
本発明は、図12〜図14に示されるような一般的な画像形成装置において用いられる。
図12において、画像形成装置101は、用紙カセット102、給紙ローラ103、転写ベルト駆動ローラ104、転写ベルト105、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色用の感光ドラム106〜109、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色用の転写ローラ110〜113、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色用のカートリッジ114〜117、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色用の光学ユニット118〜121、及び定着ユニット122、用紙カセット内の用紙の有無を検知する紙有無センサ128、用紙を搬送するための搬送ローラ225を備えている。
画像形成装置101は、一般に電子写真プロセスを用いる。このプロセスでは、記録材P上にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像を重ねて転写し、定着ローラを含む定着ユニット122によって転写されたトナー画像を温度制御することにより熱定着させるが、これに限られない。また、各色用の光学ユニット118〜121は、各感光ドラム106〜109の表面をレーザビームによって露光走査して潜像を形成するよう構成される。これら一連の画像形成動作は、搬送される記録材P上のあらかじめ決まった位置から画像が転写されるよう同期がとられる。
さらに、画像形成装置101は、記録材Pを給紙及び搬送する給紙モータを備え、給紙された記録材Pは、転写ベルト104から定着ユニット122へと搬送されながらその表面上に所望の像を形成する。
また記録材判別装置としての画像読取センサ123は、搬送ローラ225の直後の位置に配置されており、給紙された記録紙Pが搬送ローラ225によって搬送されて所定時間後に一時停止して、その状態で記録材Pの種類を判別するための検出動作を行う。
また、図12に示す画像形成装置には、通常、エンジン・コントローラ、ビデオ・コントローラ、及びオプション・コントローラなどを含むが図示していない。なお、エンジン・コントローラは、プリンタの印字プロセス制御を行い、ビデオ・コントローラは、プリンタ全体の制御とホスト・コンピュータからのデータを解析しイメージデータに変換するものである。また、オプション・コントローラは、各種オプション・ユニットを統括して制御するものである。ここで、エンジン・コントローラは、画像記録部、定着器による電子写真プロセスの制御及び記録紙の搬送制御を行う。また、ビデオ・コントローラは、パーソナル・コンピュータ等の外部装置(不図示)と汎用インターフェース(USB、IEEE1394等)で接続される。このビデオ・コントローラは、汎用インターフェースを介して送られてくる画像情報をビット・データに展開し、そのビット・データを信号VDOとしてエンジン・コントローラへ送る。
図13に示す画像形成装置は、記録材を保持するための複数の給紙口102、201、202を備えている。なお図示してはいないが給紙口201及び202も給紙口102と同様に給紙ローラ103、紙有無センサ128を有している。なお図13について、図12と共通の部分に関しての説明は省略する。
図1は、記録材に記録する場合に必要とされる情報の検出を行う装置の概略構成を示す模式的断面図である。なお、記録材に記録する場合に必要とされる情報とは、記録材の表面平滑性及び反射光率(あるいは反射率を表す値、具体的には反射光量を表す値)、および透過率(あるいは透過率を表す値、具体的には透過光量を表す値)である。ここで、光源から照射される光量があらかじめ決まっている場合、反射光量を表す値から反射率が、透過光量を表す値から透過率が、少なくとも画像形成装置の各種設定に必要な精度で算出可能である。
画像読取センサ123は、図1に示すように、結像レンズ1113と、CMOSエリア・センサ1110、反射光用LED1111、透過光用LED1112を備えている。結像レンズ1113は、記録材上の撮像領域の画像を結像させるものであり、CMOSエリア・センサ1110は、この結像面に配置される。反射光用LED1111は、この撮像領域を斜め上方から照射する第1の光照射手段であり、透過光用LED1112は、記録材の透過光量検出用の第2の光照射手段である。透過光用LED1112は、記録材1114の撮像領域面の裏面側後方に設置され、結像レンズの光軸上をこの撮像領域の裏面に対して結像レンズが配置されている方向に光を照射する。
反射光用LED1111を光源とする光は、記録材1114表面、すなわち記録される面に対して、所定の入射角を有するように照射される。記録材1114からの反射光は、結像レンズ1113を介し集光されてCMOSエリア・センサ1110に結像される。CMOSエリア・センサを制御して、受光量に比例した電気信号を取り出すことによって、記録材1114の表面映像を読み取る。
本実施形態では、反射光用LED1111は、記録材1114表面上の撮像領域に対し、LED光が図1に示すように所定の角度をもって斜めより光を照射させるよう配置されている。したがって、記録材1114の表面から反射画像は、撮像領域の紙面の凹凸状況を表すことになる。すなわち、反射画像の明るい部分は、凹面あるいは凸面の光源側に向いた面(LEDからの直接光が入射して反射する部分)を表す。一方、反射画像の暗い部分は凹面あるいは凸面の光源の反対側に向いた面(LEDからの直接光が入射しない部分であり、内部に透過して屈折した光が出る、あるいは近傍の直接光が入射した部分からの反射光が再度反射する部分)を表すことになる。
図2は、図において右方向から光照射された場合に画像読取センサ123のCMOSエリア・センサ1110によって読み取られた、記録材1114の表面の画像(図2中で符号40、41、42で表す)の例を示している。図2は、CMOSエリア・センサ1110からのこれらの画像出力を8×8ピクセルにディジタル処理した結果を示す図(図2中でそれぞれ符号43、44、45で表す)の例を示している。なお、ここで、右方向から光照射された場合としたが、これは後述するように、例示した画像の左右方向で輝度の差を検出するようにしたためであり、検出の仕方に応じて異なる方向から照射された場合とすることができる。
前記ディジタル処理は、CMOSエリア・センサ1110からのアナログ出力を変換手段たるA/D変換(図示せず)によって8ビットのピクセルデータに変換することによって行われる。
図2において、符号40は、記録材の表面性において比較的粗く記録材の繊維による凹凸が判別しやすいいわゆるラフ紙の記録材Aの表面拡大映像である。符号41は、一般のオフィスで普通に使用されるいわゆる普通紙の記録材Bの表面拡大画像であり、符号42は、紙の繊維の圧縮が十分になされている光沢紙(以下グロス紙と呼ぶ)の記録材Cの表面拡大画像である。
これらの符号40〜42で示すような記録材の表面反射光が、CMOSエリア・センサ1110に読み込まれて、ディジタル処理され、図2の符号43〜45で示す画像(画像データ)となる。なお、符号40〜42の画像と符号43〜45の画像の間には、直接的な対応関係はない。
このように、記録材の種類によって、表面の映像は異なる。これは、主に紙の表面における繊維の状態が異なるために起こる現象である。
またこのとき、画素の輝度レベルと、この輝度レベルを得たセンサのゲイン設定状態に基づいて、センサに入力された記録材からの反射光量を表す情報を検出する。この検出においては1受光画素の結果のみを用いても良い。
上述のように、CMOSエリア・センサ1110で記録材表面を読み込まれディジタル処理された映像は、記録材の紙繊維の表面状態と、反射光量による判別が可能となる。この反射光量を表す情報から、一般化された記録材の反射率を算出することも可能である。しかしながら、一般化された値としての反射率としなくとも、撮像した領域への入射光量が所定の値を維持している限り、反射光量を表す値を、反射率を表す値として使用することが可能である。
上述のように、CMOSエリア・センサ1110で撮像されてディジタル処理された記録材の表面画像に基づいて、記録材の紙繊維の表面凹凸状態と、表面の反射率に関する判別が可能となる。
記録材の紙繊維の表面状態の判別について説明する。一般的には、撮像した画像データ中の最小輝度値と最大の輝度値との間の輝度値の分布状況を調べることによって可能となる。たとえば、図2の記録紙Aの画像40の場合は、広い範囲に広がった輝度値の分布が得られ、図2の記録紙Cの画像42の場合は、輝度値の分布範囲が狭まる傾向を示す。
ここでは、輝度値の分布状況を簡単に検出するために、以下の方法を採る。すなわち、記録材表面の映像データのうち、たとえば、以下のピクセル間の輝度値の差分を映像データ全般について調べる。一方のピクセルは、記録材表面の凹面部あるいは凸面部の光源側に向いた面(LEDからの直接光が入射する部分)の部分を表す高いレベルの輝度値を有するピクセルである。そして、もう一方のピクセルは、凹面部あるいは凸面部の光源の反対側に向いた面(LEDからの直接光が入射しない部分)の部分を表す低いレベルの輝度値を有するピクセルである。
これにより、記録材の紙繊維の表面状態の判別を実行する。
記録材Aのように表面の紙繊維がガサついている場合には、記録材の紙繊維の凹凸が大きい。したがって、記録材表面を斜め上方から光照射した場合に、光源からの直接光が入射しない部分、すなわち影になる部分の面積が大きく、直接光が入射する部分の輝度に較べて、その部分の輝度値は低くなる。その結果、明るい個所と暗い個所の差が大きく出るため、その輝度の差分は大きくなる。一方、記録材Cのような紙繊維の凹凸が小さい場合は、凹凸が大きい場合に較べて、影になる部分の面積が小さい。したがって、撮像方法にも依るが、影になる部分の低い輝度が、たとえば、一つの画素の輝度値に与える寄与度として小さなものとなる。あるいは、近傍の直接光が入射する部分からの反射光を受けるなどの場合は、結果として、撮像した明るい個所と暗い個所の画素間の輝度差が小さくなる。したがって、記録材の表面からの反射光を撮像した画像から、記録材への記録に当たって必要とされる情報、具体的には撮像された記録材の種類(普通紙、ラフ紙、グロス紙)、を得ることができる。
続いて、記録材1114の透過光量を表すデータの算出方法について説明する。第2の光照射手段としての透過光用LED1112を光源とする光は、記録材1114に対し画像読取センサ123の反対側から、記録材上の画像読取センサ123の読取エリアを照射する。
図3は、CMOSエリア・センサ1110から出力されるデータをディジタルル処理することによって得られる8×8ピクセルの画像例を示す図である。なお、記録材1114の表面が、透過光用LED1112と画像読取センサ123のCMOSエリア・センサ1110を用いて読み取られる。
記録材1114の透過光は、結像レンズ1113を介し集光されてCMOSエリア・センサ1110に照射される。このとき、センサのエリア全体若しくは所定の範囲におけるそれぞれの画素の輝度値と、センサで設定したゲイン調整値とに基づいて透過光量を得る。ゲイン調整値は、透過光量が多い場合または逆に少なすぎる場合に、光量を適正な値になるようにセンサからの出力値を調整するための値である。このとき使用する画素の輝度値として、複数の受光画素のうち任意画素のみの輝度値を用いても良い。
図4に坪量と透過光の関係図を示す。坪量は一平方メートルの面積あたりの重さであり、たとえば、厚紙のように坪量の多い記録材は透過光量が少ない、一方薄紙のような坪量の低い記録材は透過光量が多い。なお、図4に示されているように、4種類の坪量の紙を識別することが可能である。(薄紙(坪量:〜64g/m2)、普通紙(坪量:65〜105g/m2)、厚紙1(坪量:106〜135g/m2)、厚紙2(坪量:136g/m2〜))
次に、図5及び図6を用いて、本実施形態において使用したCMOSエリア・センサ1110の制御回路ブロック図について説明する。
図5は、CMOSエリア・センサ1110の制御回路ブロック図を示す。図中、符号501はCPUであり、図1の反射光用LED1111と、透過光用LED1112と、及び図5の符号502で示すCMOSエリア・センサ1110を制御する制御回路502とインターフェースする。また、図5では、制御回路502について、その主要な内部構成のみを示している。符号504は、センサ110とのインターフェース制御回路、符号505は演算回路、符号506は、記録材表面の凹凸量表現値AがセットされるレジスタA、符号507は記録材表面の凹凸量表現値BがセットされるレジスタB、符号508は制御レジスタである。また、図示していないが、制御回路502には、CMOSエリア・センサ1110から得たデータから、演算回路505を介して撮像対象の記録材の反射光量を表すデータがセットされるレジスタを設けることができる。あるいは、後述する撮像対象の記録材の透過光量を表すデータがセットされるレジスタを設けることができる。
次に、図5に関連して、それぞれの動作について説明する。CPU501は制御レジスタ508に対して、CMOSエリア・センサ1110の動作指示を与えるためのデータをセットする。セットされたデータに基づいてインターフェース制御回路504を介してCMOSエリア・センサに動作開始の指示がなされると、CMOSエリア・センサ1110によって記録材表面画像の撮像が開始される。つまり、CMOSエリア・センサ1110に電荷の蓄積が開始される。この際、反射光用LEDあるいは透過光用LEDの照射が、CPU501によって図示しない制御ラインを介して何れか一方のLEDが点灯制御される。
インターフェース制御回路504から、Sl_select信号によってCMOSエリア・センサ1110を選択する。そして、所定のタイミングにてSYSCLK信号を生成すると、CMOSエリア・センサ1110からSl_out信号を経由して、撮像されたディジタル画像データが送信される。
インターフェース制御回路504を経由して受信した映像データが反射光用LED1111のみを点灯させて撮像したデータである場合、先ず、制御回路502によって、後述する第1の算出方法に基づき演算される。その結果は記録材表面の凹凸量表現値AとしてレジスタA506にセットされる。上述したように演算回路505にて撮像対象の記録材の反射光量を表すデータとして凹凸量が演算され、不図示のレジスタにセットされる。
次に、制御回路502によって、記録材表面の凹凸量表現値Bが、後述する第2の算出方法に基づき算出されて、その結果が、記録材表面の凹凸エッジ量表現値BレジスタB507にセットされる。CPU501は、前記2つのレジスタの値から、記録材の表面平滑性を判断し、記録材の種類を判定することができる。なお、例えば反射光量を表すデータをセンサから得て、不図示のレジスタに取り込み、そのデータからCPU501が、表面平滑性を判断して記録材の種類を判定することもできる。
上述の制御回路502は、CMOSエリア・センサ1110に対する信号処理、またそこからの映像のサンプリング処理、ゲイン及びフィルタ演算処理をリアルタイムにて処理する必要があるため、ディジタル・シグナル・プロセッサを用いることが望ましい。
次に図6を用いてセンサ回路ブロック図について説明する。図6は、CMOSエリア・センサの回路ブロック図を示した図である。図中、符号601はCMOSエリア・センサ部分であり、たとえば8×8画素分のセンサがエリア状に配置される。符号602及び603は垂直方向シフト・レジスタ、符号604は出力バッファ、符号605は水平方向シフト・レジスタ、符号606はシステム・クロック、符号607はタイミング・ジェネレータである。
次に動作について説明する。Sl_select信号613をアクティブとすると、CMOSエリア・センサ部分601は受光した光に基づく電荷の蓄積を開始する。次に、システム・クロック606を与えると、タイミング・ジェネレータ607によって、垂直方向シフト・レジスタ602及び603は読みだす画素の列を順次選択し、出力バッファ604にデータを順次セットする。
出力バッファ604にセットされたデータは、水平方向シフト・レジスタ605によって、A/Dコンバータ608ヘと転送される。A/Dコンバータ608でディジタル変換された画素データは、出力インターフェース回路609によって所定のタイミングで制御されて、Sl_select信号613がアクティブの期間、610のSl_out 信号に出力される。
一方、611の制御回路によって、Sl_in信号612よりA/D変換ゲインが可変制御できる。たとえば、撮像した画像のコントラストが得られない場合は、CPUはゲインを変更して、常に最良なコントラストで撮像することができる。ここで、設定したゲインと得られた映像画像のレベルから、このゲインとこのレベル(平均レベル)の関数として、撮像した記録材表面の反射光量を表す値(正確にはセンサが受光して光電変換し光量に対応する値)を導き出すことができる。
次に図7を用いて、記録材の紙繊維の表面状態の判別、すなわち、記録材表面の凹凸量表現値Aを算出する第1の算出方法、すなわち上述したレジスタAにセットする値の算出方法(第一の演算手段による)について説明する。図7の画像70は記録材の表面の映像をディジタル処理した画像の1例を示す図である。
CMOSエリア・センサのセンサ部から出力されたアナログ出力が、A/D変換されて8ビットのピクセルデータに変換される。この8ビット・データは、記録材表面の反射光による映像のそれぞれの画素の部分の光量に比例する。
図7の画像70において、最大輝度値71は、8×8画素のうち最初の1ライン内における最も明るい画素である。図の例では’80’hのレベルを有する。最小輝度値72は8×8画素のうち最初の1ライン内における最も暗い画素である。図の例では’10’hのレベルであることを示している。このとき、2つの画素の輝度値の差は、’80’h−‘10’h=’70’hとなる。つまり、第1ライン内の画素のコントラストを表す値、つまり輝度値の最大値と最小値の差は’70’hになる。ここで、コントラストを表す値として、演算の簡単化のために最大値と最小値の差としたが、最大値の次に大きい値と、最小値の次に小さい値の差でも良い。あるいは、最大値近傍の値を有する複数の画素値の平均と、最小値近傍の値を有する複数の各画素値の平均との差、あるいは対象画素列の分散値、などとしても良い。
同様に、最大輝度値73は、第2ライン内の画素列における最も明るい画素であり’80’hのレベルを有する。また、最小輝度値74は第2ライン内の画素列における最も暗い画素であり’20’hのレベルを有する。この輝度値の差は’80’h−‘20’h=’60’hとなる。
最大輝度値75は、第8ライン目の画素列における最も明るい画素であり’80’hのレベルを有する。また最小輝度値76は、第8ライン目の画素列における最も暗い画素であり’10’hのレベルを有する。この輝度値の差は’80’h−‘10’h=’70’hとなる。
このように各ラインごとの画素列における最大輝度値と最小輝度値の差を全ライン分(全画素列)について加算した積算値を、対象画素列のコントラストを表す値として、図5のレジスタA506にセットする。このようにして求めた積算値を、ここでは、記録材表面の凹凸量表現値Aとして定義する。なお、図7においては、映像画像データを格納するメモリに対するアドレス制御の容易さから、各水平ラインについての最大輝度値と最小輝度値の差を求めて、各水平ラインについて加算した。別法として、水平ラインに替えて垂直ラインとすることも、あるいは、水平ラインに替えて複数のブロックとしても、同じように記録材表面の凹凸量表現値Aとして利用することができる。
次に図8Aおよび8Bを用いて、記録材の紙繊維の表面状態の判別、すなわち、記録材表面の凹凸量表現値Bを算出する第2の算出方法、すなわち上述したレジスタBにセットする値の算出方法(第二の演算手段による)について説明する。
図8Aに示す画像80は、記録材の表面の反射光による映像画像をディジタル処理した画像である。図8Bに示す画像81は、あらかじめ一つ前のサンプリングタイミングによって撮像された画像80の画像から平均値を求め、この平均値を閾値として次のサンプリングタイミングによって撮像された8×8画素を2値化した結果を示した図である。この2値化された2次元画像の各1ラインを走査した場合に、データの1/0の反転部をエッジと定義する。このとき、符号82で示すエッジ数は、第1ラインにおけるエッジの数であり、この例の場合’05’hである。符号83は、第2ラインにおけるエッジの数であり、この例の場合’03’hである。同様に、エッジ数84は第8ラインにおけるエッジの数であり、この例の場合’03’hとなる。
これらラインごとにエッジの数をカウントして、全ライン分加算した値、すなわち総エッジ数を、記録材表面の凹凸エッジ量表現値Bとして定義する。
以上に説明したように、図1に示した記録材判別装置によって、記録材の表面の凹凸状況を示す情報として2種類の情報を得ることができる。すなわち、記録材の表面の反射光量あるいは反射率を表す情報、および記録材の光透過光量あるいは透過率から記録材の厚さあるいは透明度を表す情報を得ることができる。これらの情報は、単独で、あるいは組み合わせて、画像記録装置のそれぞれの手段に対して動作条件や駆動条件等を設定する際に使用される。また、同時に、これらの情報から記録材の紙種について判別することが可能になる。ここで判別される記録材の種類は、少なくとも普通紙、ラフ紙、グロス紙、薄紙、厚紙1、厚紙2の6種類である。
次に、上述した記録材判別装置を電子写真方式の画像形成装置(図12、図13)に適用した場合の実施形態を説明する。図9は、画像形成装置101の印字条件設定に係わるCPU501による制御フローである。なお、このCPU501は、図12に関連して説明した、エンジン・コントローラ、ビデオ・コントローラ、あるいはオプション・コントローラとすることも可能であり、あるいは、これらによって管理される独立したCPUとすることも可能である。
図9に示す処理は、画像形成装置における印刷動作が開始されると開始される。たとえば、上述したビデオ・コントローラが印刷ジョブを受信し、そのジョブが解析されてから開始される。この処理が開始されると、CPU501は、先ず(受信したジョブで)指定された給紙口の記録材判別結果として確定値が記憶されていることを確認する(S901)。記録材判別結果の確定値が記憶されていた場合、該記録材の記録材判別は行わず、保存されている記録材判別結果の確定値を用いて印字条件を決定し(S902)、この処理を終了する。記録材判別結果の確定値が保持されていない場合、該記録材の記録材判別を行って、得られた結果を保存し(S903)、得られた判別結果により印字条件を決定する(S904)。次に記録材判別結果が規定枚数分保存されていることを確認し(S905)、保存されていた場合、判別結果を確定し(S906)、この確定値を保持して、この処理を終了する。保存されていない場合は、この処理を終了する。なお、S906で確定された事実は、S901で確認され、確定された値(確定値は)、S902で使用される。S906では、各S603で格納された判別結果が調査される。
ここで、規定枚数と記録材の確定について説明する。通常、給紙口(カセット)には、一度に多くの用紙がセットされる。また、少ない用紙がセットされる場合もあるが、その場合は、通常、他の種類の用紙の上に重ねられて置かれることは少ない。たとえば、10枚のみそれまで使用していた普通紙と異なる用紙を使用する場合、その用紙のみをセットする。しかし、印刷するまでの各種の編集の結果、印刷する用紙が11枚に成った場合でも、10枚しかセットされていないため、最後の1枚は、用紙が無いとのエラー表示をして、印刷動作が停止される。この場合、追加の用紙をセットすることで、予定の用紙に印刷することが可能になる。しかし、普通紙の上に他の種類の用紙をのせてしまった場合は、最後の1枚は普通紙を用いて印刷されてしまい、ユーザは気がつかない場合もある。気がついた場合でも、最終ページのみを再度印刷処理することになり、手間がかかってしまう。このような、状況を考慮して、複数の給紙口の夫々の給紙口(カセット)の先頭の数枚のみの判別を先ず行う。この数枚の数値としては、あらかじめ定めた枚数を規定枚数とする。通常の場合、この数枚(規定枚数)のそれぞれの記録材の判別結果は、同じあるいは類似する結果になるはずである。この同じあるいは類似する数枚(規定枚数分)の結果から、その給紙口(カセット)にセットされている記録材の判別結果を確定する。この確定が行われると、それ以後に給紙される記録材の判別として、確定された結果を使用して、印刷を行う。記録材の確定が行われるまでは、給紙されるごとに記録材の判別をすることになる。
ここで、上述のS904における判定、すなわち確定の条件の例について説明する。たとえば、第1の方法は、連続して第1の所定枚数の連続した判別結果の分布状況を調べる。具体的には、記録材表面の凹凸量表現値の最大値と最小値の差が第1の閾値1a内であり、反射率の最大値と最小値の差が第1の閾値1b内であり、透過光量の最大値と最小値の差が第1の閾値1c内である場合、確定したと判定することができる。第2の方法は、第1の方法で、先ず、第1に方法で所定枚数分を判定する。ここで確定することができなくて、且つ、上記各差が、各第1の閾値よりも大きな第2の閾値を超えている場合、それまでの各記録材の判別結果が第2の所定枚数に渡って上述した条件になるまで繰り返す。そして、この条件に適合した時点で、そのようになった結果を基に確定を行う。ここで、第2の閾値を超えない場合には、それまでの判別結果を含めて、第1の所定枚数の記録材表面の判別結果の最大値と最小値の差が第1の閾値内になるまで繰り返す。そして、それぞれが、ある閾値内の差である場合に確定する。なお上記の確定条件は一例であって、これ以外にも、これらの方法の各種の変形が考えられる。たとえば、凹凸量表現値として、前述した表現値Aと表現値Bの両方を用いる方法、一方のみを用いる方法もある。また、凹凸量表現値A、B、反射率、および透過率の判別結果を勘案して、確定するか否かを決定することもできる。上述した、同じあるいは類似する複数の結果とは、上述した方法で求めた記録材表面の凹凸量表現値AとBの両方、反射率、および透過率を使用して決定される記録剤の種類であり、言い替えれば、各印字条件を設定するためのパラメータでもある。したがって、記録材の確定は、これらの複数の記録材表面の凹凸量表現値の平均値や、その最大値と最小値を除いた表現値の平均値などで決定される。S904における印刷条件決定は、その前のステップで得られた記録材表面の判別結果を使用して決定される。
また、上述した図9において、記録材の種類が確定するまで、つまり規定枚数分の検知を行っている間は、1枚目の判別結果に基づいて印字条件を設定する。
図15の(A)および(B)に、印刷ジョブの各ページに対する印字条件の設定について示す。これらの図では、ジョブ番号、先頭からの印字枚数、記録材の種類を検知したかどうかを示す検知実行、印刷条件を設定するための紙種ステータスの項目を示している。ここでは規定枚数を5枚と設定した例を示している。
図15の(A)は印刷ジョブが2つある例であり、1番目のジョブが6ページ、2番目のジョブが2ページであることを表している。ここでは、まず1番目のジョブの1枚目(図の先頭からの印字枚数1に相当)での検知結果αに基づいて1番目のジョブの印字条件を設定する。そして、1枚目から5枚目までで確定した検知結果βに基づいて2番目のジョブの印字条件を設定する。βは記録材の種類の確定結果として格納される。
ここで、記録材の種類の確定後、1番目のジョブの印字条件をαに基づいて設定しているのは、1つのジョブ内で印字条件を変更した場合に、形成した画像の画質や色味などが変わってしまう可能性があるためである。また、印字条件の変更のために時間がかかる場合があり、そのために画像形成速度が低下する可能性もある。したがって、1番目のジョブでは印字条件を変更していない。
図15の(B)は印刷ジョブが3つある例であり、1番目のジョブが3ページ、2番目のジョブが4ページ、3番目のジョブが1ページであることを表している。この場合は、1番目と2番目のジョブに対する印字条件は、1番目のジョブの1枚目に検知した結果αに基づいて設定する。記録材の種類は2番目のジョブの2枚目(図の先頭からの印字枚数5)で確定される。そして確定したβは3番目のジョブから反映されることになる。2番目のジョブについてαに基づいて印字条件を設定するのは上記図15の(A)の例で説明した理由と同様である。
ここで、CPU501が実行する各種の印字条件の制御としては、以下のようなものが挙げられる。たとえば、CPU501は、記録材の種類がグロス紙の場合は、γカーブを普通紙とは異なる設定に変更し、色味を変化させる制御を行う。これは、グロス紙を用いてプリントする場合、記録材上のコントラストを高くすることが望まれているからである。また、CPU501は、給紙された記録材の種類に応じて定着ユニットの定着温度を変更するよう制御する。普通紙よりも厚みがある厚紙の場合、厚紙は普通紙より熱容量が大きいため、普通紙と同じ定着温度にて厚紙にトナー像を定着させようとしても定着性が悪くなってしまうという問題がある。そこで、CPU501は、記録材が厚紙であると判別した場合には、普通紙における定着温度よりも高い定着温度として、厚紙に対するトナーの定着性を確保するよう制御する。さらに、CPU501は、給紙された記録材の種類を判別し、その結果に応じて記録材の搬送速度を変更するように制御する。具体的には、記録材の種類が普通紙よりも厚みがある厚紙の場合、厚紙は普通紙より熱容量が大きいため普通紙と同じ搬送速度にて厚紙にトナー像を定着させようとしても定着性が悪くなってしまうという問題がある。そこで、CPU501は記録材の種類が厚紙であると判別した場合は、単位時間あたりに厚紙に供給される熱量が大きくなるように、記録材の搬送速度を、普通紙を通紙する場合の搬送速度よりも遅く設定する。また、坪量が異なる記録材に対し定着温度条件を変え、たとえば、比較的厚みのある記録材では、熱容量が大きいので定着温度を高めに制御し、一方、比較的厚みが少ない、つまり熱容量が小さい記録材は、定着温度を低めにして定着する方法も考えられる。または、記録材の坪量によって記録材搬送速度を変えて制御することもできる。また、OHTあるいはグロス紙などの場合において、これらを判別して記録材の表面に付着するトナーの定着性を上げ、グロスを高めて画質の向上を図ることもできる。
これまで説明したように、本発明の第1の実施形態では、記録材を収納するトレイを備えた給紙口を複数有する画像形成装置では、判別し確定した記録材の種類を給紙口ごとに記憶する。そして、記録材の確定後に印字される印刷ジョブにおいて、あらかじめ記憶されている判別結果を使用し、記録材の判別処理を省くことを特徴とする。また、当然ながら、給紙口を複数備えていない場合においても、同様の効果を有する。
同一給紙口に補充される紙種は単一である可能性が大きい。このため、記録材が補充された後の初めての印刷ジョブを印刷する際に、記録材の種類の判別動作を行えば、印字ジョブごとに記録材判別を行う必要がなくなり、ファースト・プリント時間を短縮することが可能となる。また複数枚の判別結果(記録材表面の凹凸量表現値、反射率、透過率など)を保存し、複数枚の判別結果から給紙口内の記録材の種別を判別することも可能である。この場合、記録材の先頭1枚のみを判別して記録材の種類を確定する場合に比べて、高い判別精度を得ることができる。そして、記録材の種類に応じて、具体的には、上述したような記録材に合わせた印刷処理における各種設定(印字条件)を、その記録材への記録が最適の条件で行われるように、設定することができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、記憶している記録材種の変更方法以外の、基本的な構成は、上述した第1の実施形態と同様であるため詳細な説明は省略する。
本実施形態では、給紙口内の記録材が変更されたことを検出し、その直後の印刷ジョブを印刷する際には、記録材判別装置により該給紙口内の記録材の再判別動作を行い、この判別結果に基づいて印字条件を再設定する、すなわち印字条件を見直す。またその判別結果を記憶し、次からの印刷ジョブを印刷する再に記憶してある結果を利用する。
給紙口内の記録材の変更は、カセットの挿抜の監視によって検出することができる。カセットの挿抜は、記録材を変更や追加をする際に行われることが多く、カセット挿抜後に記録材判別を行うことにより、その記録材に適切な印字条件で印字を行わせることができる。
また、この記録材の再判別は、カセットの挿抜が検知できない状態、たとえば省電力モード時や電源OFF時から復帰した後でも行う必要がある。なぜなら、省電力モード時や電源OFFの状態でもカセットの挿抜が行われる可能性があるからである。
また給紙口内の記録材の変更は、該給紙口内の記録材の有無を検出するセンサと、該センサが検出した記録材有無情報によって、検出を行うことも可能である。この場合には、記録材の無しを検出した際に、記録材判別結果記憶装置に保持されている判別結果を初期化する。このように制御することにより、記録材が補充された後などでは、再度記録材判別を行われことを確実にし、したがって、補充された記録材に適切な印字条件にて印字を行わせることができる。
同様に給紙口内の記録材を保持する記録材保持板を給紙位置までリフターが落ちていることの検出や紙サイズが変更されたことの検出によっても給紙口内の記録材の変更を検知することが可能であり、上述と同等の効果を得ることができる。
次に図10を、参照して本実施形態の動作を説明する。図10は、画像形成装置における印刷条件制御を説明するためのフローチャートである。この制御は、画像形成装置に電源が投入されて画像形成装置としての初期設定完了後に開始される。印刷が開始されるまでの間、CPU501は指定された給紙口の記録材が変更されたかを確認する(S1001)。記録材が変更されたことを検知した場合は、該給紙口の判別結果を初期化(S1003)する。CPU501は印刷が開始されるまで、この動作を繰り返す(S1002)。
印刷が開始された場合は、該給紙口の記録材判別結果として確定値が保持されていることを確認する(S1004)。ここで、記録材判別結果の確定値が記憶されていた場合、該記録材の記録材判別は行わず、保存されている記録材判別結果の確定値を用いて印字条件を決定し(S1005)、この処理は、S1001に戻る。記録材判別結果の確定値が記憶されていない場合、該記録材の記録材判別を行って、得られた結果を保存し(S1006)、得られた判別結果により印字条件を決定する(S1007)。次に記録材判別結果が規定枚数分保存されていることを確認し(S1008)、保存されていた場合、判別結果を確定し(S1009)判別結果を保持する。保存されていない場合は、この処理は、S1001に戻る。S1008では、各S1006で格納された判別結果が調査される。なお、S1004〜S1009の詳細については、図9のS901〜S906と同様である。
本実施例では、画像形成装置が稼働中、記録材がユーザによって新たに挿入されたかを監視する。そして、記録材の新たな挿入の可能性のあることを示す何らかの信号を受けた場合、該当する給紙口に対応して記憶されている、それまでの判別結果、あるいは確定値を初期化(消去)することを特徴とする。
[第3の実施形態]
本実施形態は、上述した第2の実施形態を、いわゆるマルチトレイを備える画像形成装置に対応させ場合の形態である。図14はマルチトレイ300を備えた画像形成装置を示している。マルチトレイ300にセットされた記録材Pはマルチトレイ用給紙ローラ301によって給紙されて搬送ローラ225に導かれる。マルチトレイは、多種類(様々なサイズ)の記録材がユーザの用途に応じて積載可能なトレイである。
複写機、プリンタ、FAX等の画像処理装置にあっては、多種類の記録材が使用可能であることが要求されている。多種類の記録材の中でも特に、厚紙や高グロス紙、ラベル紙、OHT等といった特殊紙の需要が増えてきている。これらの記録材を給送する手段としてマルチトレイなる記録材収容部が装備されていることが多い。一般にマルチトレイは、多種類の記録材をユーザの用途に応じて一時的にプリントする際において、トレイの開閉などを伴わず簡単に給送口にセットできる利点を有している。そのためマルチトレイにおいては、実施例2に示したような方法で記録材の変更を検知することが困難であり、またその使用目的から用紙の継ぎ足しが行われることが多い。そのため記録材の判別情報を記憶保持したとしても、印字時の記録材と異なる可能性が高くなる。そこで本実施形態では、記録材交換の検知が可能な給紙口、たとえば本体カセット等の場合には、記録材の種類の判別結果の記憶保存を行い、次ジョブでは記録材の種類の判別を行わず、記憶されている判別結果によって印字条件を決定する。しかし、記録材交換の検知が困難な給紙口、たとえばマルチトレイ等の場合には記録材の種類の判別結果の記憶保存を行わず、各ジョブ毎に記録材の判別動作を行い、得られた判別結果によって印字条件を決定する、方法を採る。なおジョブごとに判別動作を行う方法以外に、ジョブにかかわらず全ての記録材に対して判別動作を行うようにしても良い。
図11を用いて、本実施例の動作を説明する。この第3の実施形態は、記録紙の判別結果を記憶保持しないこと以外の、基本的な構成は、上述した第2の実施形態と同様であるため詳細な説明は省略する。
印刷が開始された後、CPU501は指定された給紙口が記録材の変更を検知できるかどうかを確認する(S1101)。指定された給紙口が、記録材の変更を検知できない、たとえばマルチトレイの場合は、該記録材の記録材判別を行い(S1102)、得られた判別結果により印字条件を決定する(S1103)。指定された給紙口が記録材の変更を検知できる場合は、該給紙口の記録材判別結果が保持されていることを確認する(S1104)。記録材判別結果が保存されていた場合、該記録材の記録材判別は行わず、保存されている記録材判別結果を用いて印字条件を決定する(S1105)。記録材判別結果が保持されていない場合、該記録材の記録材判別を行い(S1106)、得られた判別結果により印字条件を決定する(S1107)。次に記録材判別結果が規定枚数分保存されていることを確認し(S1108)、保存されていた場合、判別結果を確定し(S1109)判別結果を保持する。
以上のように、給紙口ごとに、そこからの記録材に対する印字条件の設定方法、具体的には、記録材判別とその判別結果の印字条件への適用動作を変更し、記録材判別動作の最適化を行うことができる。これによって、ユーザへの不利益を最小限とすることができる。
なお、上述した説明において、各記録材ごとの判別結果、及びこれらの複数の判別結果から確定した確定値は、CPU501からアクセス可能な記憶装置内に格納される。この格納は、給紙口ごとに、正確に言えば、最初の所定枚数を判別することにより、その後の記録材についての判別を省略することが可能な給紙口に対して行われる。この記憶装置は、揮発性及び不揮発性とすることが可能である。揮発性の場合、画像形成装置の電源投入後の初期設定において消去され、最初の印字の際には、記録材の判別が行われることになる。不揮発性の場合は、画像形成装置の電源投入後の初期設定において、初期化されることになる。
また、上述した確定値を得る場合の条件について、画像形成装置のユーザの使用状況に対応させて設定できることは、当業者であれば、理解されよう。たとえば、記録材の変更が頻繁に行われるが、本発明が想定する条件に合致するユーザの場合が考えられる。この場合、たとえば、使用する記録材の種類が限定され、その記録材の判別上のバラツキが少なく判別精度として所定値が得られる限り、確定値を得る場合の規定枚数を少なくすることができる。
記録材判別装置の概略構成を示す図である。 記録材の表面画像例と、本発明による記録材判別装置内の画像読み取り部から読み取った記録材表面からの反射画像をディジタル処理した画像例を示す図である。 記録材判別装置内の画像読み取り部から読み取った記録材の透過光画像をディジタル処理した画像例を示す図である。 坪量と透過光量の関係を示す図である。 記録材判別装置内のセンサとしてのCMOSエリア・センサとインターフェースする制御回路のブロックを示す図である。 センサとしてのC−MOSセンサ回路のブロックを示す図である。 記録材表面の凹凸量表現値Aを算出する第1の算出方法を説明するための図である。 記録材表面の凹凸量表現値Bを算出する第2の算出方法を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態における印刷条件の制御を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2の実施形態における印刷条件の制御を説明するためのフローチャートである。 本発明の第3の実施形態における印刷条件の制御を説明するためのフローチャートである。 本発明を適用可能な画像形成装置を示す図である。 本発明を適用可能な画像形成装置の他の例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置を示す図である。 印刷ジョブの各ページに対する印字条件の設定について示す図である。
符号の説明
123 画像読取センサ
1110 CMOSエリア・センサ
1111 反射光用LED
1112 透過光用LED
1113 結像レンズ
1114 記録材
40 ラフ紙の記録材Aの表面拡大画像
41 普通紙の記録材Bの表面拡大画像
42 光沢紙(以下グロス紙と呼ぶ)の記録材Cの表面拡大画像
43 符号40のディジタル処理画像
44 符号41のディジタル処理画像
45 符号42のディジタル処理画像
300 マルチトレイ
301 マルチトレイ用給紙ローラ
501 CPU(判断部)
502 制御回路
504 インターフェース制御回路
505 演算回路
506 記録材表面の凹凸量表現値AがセットされるレジスタA
507 記録材表面の凹凸量表現値B(総エッジ数)がセットされるレジスタB
508 制御レジスタ
601 CMOSエリア・センサ部分
602、603 垂直方向シフト・レジスタ
604 出力バッファ
605 水平方向シフト・レジスタ
606 システム・クロック
607 タイミング・ジェネレータ
608 A/Dコンバータ
609 出力インターフェース回路
610 Sl_out信号
611 制御回路
612 Sl_in信号
613 Sl_select信号
70、80 記録材の表面の画像をディジタル処理した画像
81 画像80の画像から平均値を求め、この平均値をしきい値として2値化した結果を表す画像
P 記録材

Claims (9)

  1. 記録材を供給する給紙部と、
    前記給紙部によって供給される記録材の種類を検出する記録材検出部と、
    画像を形成するための画像形成部と、
    前記記録材検出部により検出された所定枚数検出結果に基づいて前記記録材の種類を確定し、確定した該記録材の種類に基づき前記画像形成部の画像形成条件を設定する制御部と、
    を有し、
    前記制御部は、前記確定前の前記所定枚数分の記録材に対して画像形成する際は、前記所定枚数分の記録材のうち、前記給紙部によって最初に供給された記録材について検出された種類に基づき、前記画像形成部の前記画像形成条件を設定する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 更に、前記制御部によって前記確定した記録材の種類を記憶する記憶を有し、
    前記制御部は、画像形成動作開始時に、前記記憶部に前記確定した記録材の種類が記憶されている場合には、前記記録材検出部による記録材の種類を検出する動作を実行しないように制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記記録材検出部は、記録材光を照射する光照射部と、光が照射された記録材表面の照射領域内の映像を撮像する撮像部と、を有し、
    前記撮像部で撮像した映像に基づき、記録材の凹凸状態を検知することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記記録材検出部は、記録材に光を照射する光照射部と、記録材を透過した光を検知する透過光検知部と、を有し、
    前記透過光検知部で検知した透過光量に基づき、記録材の厚さを検知することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  5. 記録材を収容し、前記画像形成装置に着脱可能に装着されるカセットを有し、
    前記カセット内に記録材が無くなると、前記記憶部に記憶された記録材の種類を消去することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  6. 記録材を収容し、前記画像形成装置に着脱可能に装着されるカセットと、
    前記カセット内に収容される記録材のサイズを検出する記録材サイズ検出部
    を有し
    前記記録材サイズ検出部により記録材のサイズの変更を検出した場合に、前記記憶部に記憶された記録材の種類を消去することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  7. 記録材を収容し、前記画像形成装置に着脱可能に装着されるカセットを有し、
    前記カセットの脱着を検知すると、前記記憶部に記憶された記録材の種類を消去することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  8. 記録材を収容し、複数種類の記録材を積載可能なマルチトレイを有し、
    前記制御部は、前記マルチトレイから供給される全ての記録材に対して、前記記録材検出部により記録材の種類を検出するように制御する
    ことを特徴とする請求項2乃至7のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  9. 前記画像形成部は、
    像坦持体と、
    前記像坦持体に現像剤を用いて現像剤像を現像する現像手段と、
    前記像坦持体に現像された現像剤像を記録材に転写する転写手段と、
    前記記録材に転写された現像剤像を記録材に定着する定着手段と
    を含み、
    前記画像形成条件とは、前記現像手段の現像条件、または、前記転写手段の転写条件、または、前記定着手段の定着条件である
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成装置。
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