JP4779240B2 - 金属膜およびその製造方法ならびに積層セラミック電子部品およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、金属膜およびその製造方法ならびに積層セラミック電子部品およびその製造方法に関するもので、特に、基本的に無電解めっきによって形成され、かつ積層セラミック電子部品に備える内部導体膜として用いるのに適した、金属膜の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえば積層セラミックコンデンサのような積層セラミック電子部品は、内部電極のような内部導体膜を備えている。内部導体膜は、種々の方法によって形成されることができる。典型的には、導電性ペーストを印刷し焼き付けるといった厚膜形成技術を用いて内部導体膜を形成する方法、あるいは、真空蒸着またはスパッタリングなどの真空系薄膜形成法や無電解めっき法または電気めっき法のような湿式めっき法といった薄膜形成技術を用いて内部導体膜を形成する方法がある。
【0003】
この発明にとって特に興味あるのは、後者の薄膜形成技術による内部導体膜の形成方法すなわち金属膜の製造方法である。
【0004】
薄膜形成技術による金属膜の製造方法として、たとえば特開平6−302469号公報には、支持基体としての有機フィルム上に、真空系薄膜形成法によって、マスクを介して、0.1〜0.3μmの厚みをもって、第1の金属層を形成し、次に、無電解めっきによって、第1の金属層上に第2の金属層を形成し、それによって所定の厚みを有する金属膜を製造する方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の金属膜の製造方法では、次のような問題がある。
【0006】
(1)一般に、有機フィルムの表面は、蒸着では、熱的ダメージを受け、スパッタリングでは、電子線によるダメージや入射物質の運動エネルギーによるダメージを受ける。特に、ニッケル膜を蒸着によって0.1μm以上の厚みで形成しようとすると、多くのダメージが有機フィルムの表面に与えられる。
【0007】
他方、有機フィルム上に形成された金属膜は、積層セラミック電子部品の内部導体膜として用いられるためには、有機フィルムからセラミックグリーンシートへ転写されるなどして、いずれかの工程で有機フィルムが金属膜から剥離された状態を得なければならない。
【0008】
しかしながら、前述したように、有機フィルムの表面がダメージを受けると、有機フィルムと金属膜との密着性が上がり、有機フィルムと金属膜との間で良好な剥離性を得ることができない。特に、最終的な金属膜の膜厚が0.5μm以下では、この傾向が顕著である。
【0009】
(2)真空系薄膜形成法によって、厚み0.1μm以上に成膜するには、長時間必要であり、生産性が悪い。
【0010】
(3)パターニングされた金属膜を製造するために、真空系薄膜形成法による第1の金属層形成時にマスクが用いられる場合、1パターン形成毎にマスクに付着する金属膜の厚みが0.1μm以上となる。このため、付着した金属膜の内部応力によるマスクの変形やマスク開口部の寸法の初期寸法からのずれなどによる成膜寸法の不具合や、金属膜の剥離により生じる各種不具合を予防するために行なうマスクの洗浄および交換の頻度が高かったり、マスクの寿命が短くなるという不都合が生じる。
【0011】
(4)第1の金属層の厚みが0.1μm以上であるため、全体としての厚みが0.5μm以下の金属膜を形成しようとすると、第1の金属層の割合は、金属膜全体の20%以上と大きくなる。無電解めっきによって形成される第2の金属層が、本来必要とするものであり、この第2の金属層に目的とする金属が含まれているため、第1の金属層の割合が大きくなると、第2の金属層の割合が小さくなって、金属膜に求められる性能を発揮しにくくなる。
【0012】
(5)第1の金属層は、第2の金属層を形成するための無電解めっきに対して触媒能を有していることが必要であるが、第1の金属層の厚みが0.1μm以上と厚く、そのため、第1の金属層の形成に必要な物質量が多くなるため、触媒能の高いパラジウムなどの貴金属を第1の金属層において用いるとコストの上昇を招いてしまう。
【0013】
そこで、この発明の目的は、上述したような問題を解決し得る、すなわち、支持基体からの剥離性が良好であること、生産性の優れたものであること、マスクが用いられる場合、マスクの洗浄または交換頻度を減らすことができること、所望の金属の割合が高いこと、および、材料コストを抑えつつ、触媒能の高い貴金属を触媒として無電解めっきを行なえ、それによって、良好な膜質を得られることといった条件を満足し得る、金属膜の製造方法およびこの製造方法によって得られた金属膜を提供しようとすることである。
【0014】
この発明の他の目的は、上述したような金属膜の製造方法を適用して製造された金属膜を備える積層セラミック電子部品および積層セラミック電子部品の製造方法を提供しようとすることである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明は、表面が有機物から構成される支持基体上に、真空蒸着を適用して、第1の金属層を形成する、蒸着工程と、第1の金属層上に、無電解めっきを適用して、第2の金属層を形成する、無電解めっき工程とを備える、金属膜の製造方法にまず向けられるものであって、上述した技術的課題を解決するため、次のような構成を備えることを特徴としている。
【0016】
すなわち、上述した蒸着工程において、蒸着時の蒸発源の温度T(K)と蒸着量の厚み換算値d(nm)との関係が、
d<−2.08×10-7T3 +1.01×10-3T2 −1.68T+959
の式で表わされる条件を満たすようにすることを特徴としている。
【0017】
上述した支持基体の表面を構成する有機物は、シリコーン、長鎖アルキルポリマー、ポリオレフィン、アルキド樹脂およびフッ素化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0018】
また、蒸着工程において、第1の金属層は、マスクを介して形成されることによってパターニングされることが好ましい。
【0019】
また、蒸発源の温度Tは、1680K以下であることが好ましい。この場合、1680K以下の温度で蒸着できる金属としては、パラジウム、鉄、金、マンガン、銅、錫、銀、鉛、亜鉛、カドミウム、ガリウム、インジウム、タリウムもしくはアルミニウム、またはこれらの合金が挙げられる。したがって、第1の金属層は、これら列挙した少なくとも1種の金属を含むことになる。
【0020】
より好ましくは、蒸発源の温度Tは、1590K以下である。この場合、1590K以下の温度で容易に蒸着できる金属としては、銅、錫、銀、鉛、亜鉛、カドミウム、ガリウム、インジウム、タリウムもしくはアルミニウム、またはこれらの合金が挙げられる。したがって、第1の金属層は、上に列挙した少なくとも1種の金属を含むことになる。
【0021】
また、蒸着量の厚み換算値dは、40nm以下であることが好ましい。
【0022】
また、蒸着工程において、支持基体が冷却されることが好ましい。
【0023】
他方、無電解めっき工程は、好ましくは、銅またはニッケルを主成分として含む無電解めっき浴を用いて実施される。
【0024】
また、無電解めっき工程の前に、第1の金属層の少なくとも表面を無電解めっきの触媒となる物質で置換する、置換めっき工程が必要に応じて実施されてもよい。
【0025】
この発明は、また、上述したような製造方法によって得られた金属膜にも向けられる。
【0026】
この金属膜は、好ましくは、積層セラミック電子部品に備える内部導体膜を形成するために用いられる。
【0027】
また、この発明は、複数の積層されたセラミック層とセラミック層の間の特定の界面に沿って延びる内部導体膜とを備える、積層セラミック電子部品にも向けられる。このような積層セラミック電子部品において、この発明では、内部導体膜が、上述した金属膜によって与えられていることを特徴としている。
【0028】
上述の積層セラミック電子部品として、代表的には、積層セラミックコンデンサがある。
【0029】
この発明は、また、前述したような製造方法によって得られ、かつ支持基体上に形成された状態にある金属膜にも向けられる。このように支持基体上に形成された形態を有する金属膜を適用することによって、以下のように、この発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法が実施される。
【0030】
この発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法は、第1の局面では、支持基体上に形成された金属膜を覆うように、支持基体上でセラミックグリーンシートを成形することによって、金属膜とセラミックグリーンシートとからなる複合体を作製する工程と、複数の複合体を積層することによって、生の積層体を作製する工程と、各複合体から支持基体を剥離する工程と、生の積層体を焼成する工程とを備えることを特徴としている。
【0031】
この発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法は、第2の局面では、セラミックグリーンシートを用意する工程と、支持基体上に形成された金属膜を、支持基体からセラミックグリーンシートへ転写することによって、金属膜とセラミックグリーンシートとからなる複合体を作製する工程と、複数の複合体を積層することによって、生の積層体を作製する工程と、生の積層体を焼成する工程とを備えることを特徴としている。
【0032】
さらに、この発明は、上述したような製造方法によって得られた積層セラミック電子部品にも向けられる。
【0033】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一実施形態による金属膜の製造方法を説明するためのものである。
【0034】
目的とする金属膜を製造するにあたって、まず、図1(1)に示すように、支持基体1上に、真空蒸着を適用して、第1の金属層2を形成する、蒸着工程が実施される。ここで、好ましくは、マスク3が用いられ、このマスク3を介して、第1の金属層2を形成することによって、第1の金属層2がパターニングされる。
【0035】
上述した真空蒸着を行なうための装置としては、たとえば、抵抗加熱、電子ビーム加熱、誘導加熱などを用いたものを使用することができ、また、クラスターイオンビーム蒸着装置なども使用可能である。
【0036】
また、支持基体1は、表面が有機物から構成されたものが用いられる。たとえば、支持基体1は、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレンなどの有機物から構成されたり、これら有機物の表面に有機物からなる膜を形成したものから構成されたり、ステンレス鋼などの無機物上に有機物からなる膜を形成したものから構成されたりすることができる。
【0037】
上述した有機物からなる膜は、金属膜およびセラミックグリーンシートからの支持基体1の剥離性を良好とするためのもので、この膜を構成する有機物としては、従来から離型剤として知られている物質を有利に用いることができる。より具体的には、有機物からなる膜は、シリコーン、長鎖アルキルポリマー、ポリオレフィン、アルキド樹脂およびフッ素化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種から構成することができる。なお、表面に有機物からなる膜が形成されずに、支持基体1全体が有機物から構成される場合においても、この有機物は、上で列挙したような有機物の少なくとも1種を含んで構成されることが望ましい。
【0038】
支持基体1の形態は、可撓性のフィルム状であっても、剛性の比較的高い板状または筒状であってもよい。
【0039】
第1の金属層2を形成するための蒸着工程において、蒸発源の温度T(K)とたとえば水晶振動子膜厚計でモニタすることにより求められる蒸着量の厚み換算値d(nm)とが、
d<−2.08×10-7T3 +1.01×10-3T2 −1.68T+959
の式で表わされる条件を満たすようにすることが重要である。
【0040】
上の式は、後述する実験によって求められたもので、蒸着量が、この式で規定された範囲の厚み換算値dより多くなると、支持基体1の有機物表面が蒸着による熱的ダメージを比較的多く受け、最終的に形成される金属膜の剥離性を悪化してしまう。
【0041】
また、蒸発源の温度Tが1680Kを超えると、上の式を満たす蒸着量は、厚み換算値dで1nmより小さいことが必要であるが、一般の真空蒸着装置を用いて、このような膜厚をコントロールすることは困難であるため、蒸発源の温度Tは1680K以下であることが望ましい。
【0042】
1680K以下の温度で蒸着できる金属としては、パラジウム、鉄、金、マンガン、銅、錫、銀、鉛、亜鉛、カドミウム、ガリウム、インジウム、タリウムもしくはアルミニウム、またはこれらの合金が挙げられる。したがって、このように列挙された金属を蒸発源として用いた場合、第1の金属層2は、パラジウム、鉄、金、マンガン、銅、錫、銀、鉛、亜鉛、カドミウム、ガリウム、インジウム、タリウムおよびアルミニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含むことになる。
【0043】
さらに言うならば、蒸発源の温度Tが1590K以下であれば、上の式を満たす蒸着量は、厚み換算値dで5nmより小さくなるようにコントロールすれば十分であるので、量産工程を管理する上においては、コントロールがより容易になり、この点において、上述の1680K以下の場合より好ましい。
【0044】
1590K以下で容易に蒸着できる金属としては、銅、錫、銀、鉛、亜鉛、カドミウム、ガリウム、インジウム、タリウムもしくはアルミニウム、またはこれらの合金が挙げられる。したがって、ここで列挙した金属が蒸発源として用いられる場合には、第1の金属層2は、銅、錫、銀、鉛、亜鉛、カドミウム、ガリウム、インジウム、タリウムおよびアルミニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含むことになる。
【0045】
蒸着量の下限値については、後述する次の工程である無電解めっき工程が円滑に行なわれるのに必要な量であればよい。しかしながら、後述する実験例における試料1(表1参照)からわかるように、蒸着量の厚み換算値dが1nmの場合においても、無電解めっき工程において十分なめっきが施されていることから、一般の真空蒸着装置を用いてコントロールし得る蒸着量の範囲では実質的に問題になることはない。
【0046】
また、蒸発源の温度Tが1180K以下では、前述した式の条件を満たす蒸着量の上限は、厚み換算値dで40nmを超えるが、生産性を高め、かつ得ようとする金属膜中において所望の金属以外の金属が占める割合を減らすためには、この厚み換算値dを40nm以下にコントロールすることが望ましい。
【0047】
このようなことから、良好な剥離性を得るため、しかも、目的とする金属膜中におけるいわゆる不純物としての第1の金属層2の割合を減らすためには、次の無電解めっき工程において支障がない範囲で蒸着量を減らすことが効果的であることがわかる。
【0048】
さらに、良好な剥離性を得るためには、蒸着工程において、支持基体1が加熱されることを防止するのが良い。したがって、支持基体1を冷却しながら蒸着工程を実施することが好ましい。
【0049】
次に、図1(2)に示すように、第1の金属層2上に、無電解めっきを適用して、第2の金属層4を形成する、無電解めっき工程が実施される。
【0050】
第2の金属層4は、得られた金属膜の主要部をなすもので、この金属膜が積層セラミック電子部品の内部導体膜として用いられる場合であって、積層セラミック電子部品を得るための焼成工程において還元性雰囲気を適用することが可能な場合には、電気伝導率およびコストなどの点から、第2の金属層4は、銅またはニッケルをもって構成することが望ましい。この場合、無電解めっき浴として、たとえば、無電解銅めっき浴、無電解ニッケル−リン合金めっき浴、無電解ニッケル−ホウ素合金めっき浴などを用いることができる。
【0051】
他方、積層セラミック電子部品を得るための焼成工程において還元性雰囲気を適用することが不可能な場合には、第2の金属層4は、銀、パラジウムもしくは白金またはこれらの合金をもって構成される。
【0052】
また、上述した種々の金属に対して他の金属元素を共析により混ぜることによって合金とされたものを用いてもよい。さらに、これらの他に、コバルト−リン、コバルト−ホウ素、ロジウムなどの無電解めっき浴も使用可能である。
【0053】
この無電解めっき工程に関して、前述した第1の金属層2を構成する金属が、無電解めっき浴に対して十分な触媒能を持つ場合には、直接、第1の金属層2上に無電解めっきが実施される。必要に応じて、酸化皮膜除去や脱脂などの各種表面処理を行なってもよい。
【0054】
他方、第1の金属層2が、無電解めっき浴に対して触媒能を持たない場合や不十分な場合には、無電解めっき工程の前に、第1の金属層2の少なくとも表面を無電解めっきの触媒となる物質で置換する、置換めっき工程を実施し、その後、無電解めっき工程を実施するようにすることが有効である。
【0055】
この置換めっき工程では、無電解めっき浴に対する触媒能を有する金属の溶液に、第1の金属層2が形成された支持基体1を浸漬し、この浸漬状態で、酸化還元平衡電位の差によって置換反応を生じさせ、触媒能をもつ金属を第1の金属層2の表面に付着させることが行なわれる。
【0056】
触媒能をもつ金属の溶液としては、塩化パラジウム・塩酸水溶液などが使用可能である。
【0057】
この置換めっき工程における置換反応による触媒付与方法を用いる場合、触媒能を有する金属は、第1の金属層2を構成する金属より、酸化還元平衡電位が貴であることが必要である。触媒能をもつ金属としては、パラジウムの他に、たとえば、白金、金、銀、ロジウム、イリジウムなどが、無電解めっき工程のためのめっき浴に応じて使用可能である。
【0058】
このような置換めっき工程を実施することにより、第1の金属層2を構成するために用いられる金属の選択範囲が広がり、そのため、蒸発源の温度Tをより下げることが容易となり、結果的に、良好な再現性をもって、剥離性の良好な金属膜を製造することができる。
【0059】
また、第1の金属層2を構成する金属の触媒能が弱い場合には、その蒸着量が少ないと、無電解めっき工程において十分な反応が得られないことがあるが、上述したような置換めっき工程を採用すれば、触媒能のより高い金属を第1の金属層2の表面に析出させることができるので、第1の金属層2の蒸着量を少なくしても、無電解めっき工程において十分なめっきを施すことができる。
【0060】
図1(1)に示すように、蒸着工程において、第1の金属層2を形成するにあたっては、マスク3が用いられ、それによって、第1の金属層2がパターニングされる。したがって、無電解めっき工程において、無電解めっきを実施したとき、第1の金属層2が形成された部分にのみ第2の金属層4を形成することができ、その結果、目的とする金属膜全体としてのパターニングも可能となる。このようなマスク3としては、たとえば、メタルマスクや各種マスクフィルムを用いることができる。
【0061】
なお、パターニング方法としては、上述したようなマスク3を用いる方法に限らず、フォトレジストなどの各種レジストを用いる方法も可能である。また、第1の金属層2の形成後にエッチングする方法や、第2の金属層4の形成後にエッチングする方法も可能である。
【0062】
しかしながら、工程の簡素化という点では、メタルマスクのようなマスク3を用いる方が有利である。なぜなら、マスク3は容易に着脱することが可能でありかつ繰り返し使用することができ、さらに、第1の金属層2が形成された段階でパターニング状態が得られているからである。その上、レジストのように塗布や剥離、洗浄の工程が不要であるからである。
【0063】
以上のようにして得られた金属膜は、たとえば積層セラミックコンデンサの静電容量形成のための内部電極のような積層セラミック電子部品の内部導体膜を形成するために有利に用いられる。
【0064】
図2は、この発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法の第1の実施形態を説明するためのものである。
【0065】
図2(1)には、前述したこの発明に係る金属膜の製造方法によって得られた金属膜11が支持基体12上に形成された状態で図示されている。金属膜11は、図2(1)に示すように、支持基体12上に形成された状態で取り扱われる。
【0066】
次に、図2(2)に示すように、金属膜11を覆うように、支持基体12上でセラミックグリーンシート13を成形することによって、金属膜11とセラミックグリーンシート13とからなる複合体14が作製される。
【0067】
次に、図2(3)に示すように、複数の複合体14を積層することによって、生の積層体15が作製される。なお、図2(3)では、複合積層体14の積層の途中の状態が示されているため、生の積層体15については、その一部のみが図示されている。また、図2(3)では、より上に位置する複合体14から順に積層されるように図示されている。
【0068】
また、図2(3)に示すように、複合体14は、前に積層された複合体14上に積層されるまでの段階では、支持基体12によって裏打ちされた状態となっている。したがって、各複合体14を積層する毎に、支持基体12側から矢印16で示すように圧力を及ぼすことによって、複数の複合体14が互いに圧着され、その後、支持基体12を矢印17で示すように剥離することが繰り返される。
【0069】
なお、支持基体12を剥離する工程は、各複合体14を積層する工程の前に実施してもよい。
【0070】
生の積層体15が、積層セラミックコンデンサを得るためのものである場合には、積層工程において、セラミックグリーンシート13を介して対向する金属膜11によって静電容量形成のための内部電極が与えられるように、金属膜11相互間の位置合わせが行なわれる。
【0071】
生の積層体15は、必要に応じて、個々の積層セラミック電子部品のための積層体チップを得るようにカットされ、その後、脱脂工程を実施し、次いで、焼成工程に付される。
【0072】
そして、焼成後の積層体の外表面上に、端子電極等が形成されることによって、目的とする積層セラミックコンデンサのような積層セラミック電子部品が完成される。
【0073】
図3は、この発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法の第2の実施形態を説明するためのものである。
【0074】
図3(1)には、図2(1)に示したものと同様、金属膜21が支持基体22上に形成されている状態が示されている。
【0075】
また、図3(1)には、キャリアフィルム23上で成形されたセラミックグリーンシート24が示されている。
【0076】
このように、支持基体22上に形成された金属膜21およびキャリアフィルム23上で成形されたセラミックグリーンシート24がそれぞれ用意された後、以下のような工程が順次実施される。
【0077】
まず、図3(2)に示すように、金属膜21を、支持基体22からセラミックグリーンシート24へ転写することによって、金属膜21とセラミックグリーンシート24とからなる複合体25を作製する工程が実施される。
【0078】
より詳細には、支持基体22上に形成された金属膜21とキャリアフィルム23によって裏打ちされたセラミックグリーンシート24とが重ね合わされ、その状態で、支持基体22とキャリアフィルム23とを重なり方向にプレスし、その後、支持基体22を矢印26で示すように剥離することによって、金属膜21が、支持基体22からセラミックグリーンシート24へと転写される。
【0079】
次に、図3(3)に示すように、複数の複合体25を積層することによって、生の積層体27を作製する工程が実施される。なお、図3(3)では、図2(3)の場合と同様、生の積層体27の一部のみが図示され、また、より上に位置する複合体25から順に積層されるように図示されている。
【0080】
また、複合体25は、前に積層された複合体25上に積層されるまでの段階では、キャリアフィルム23によって裏打ちされた状態となっている。したがって、複合体25を積層した後、キャリアフィルム23側から矢印28で示すように圧力を及ぼし、複合体25を互いに圧着し、その後において、矢印29で示すように、キャリアフィルム23を剥離することを繰り返して、生の積層体27が作製される。
【0081】
なお、キャリアフィルム23を剥離する工程は、各複合体25を積層する工程の前に実施してもよい。
【0082】
このようにして得られた生の積層体27は、前述した第1の実施形態の場合と同様、必要に応じてカットされ、脱脂および焼成工程に付された後、端子電極等を形成することによって、目的とする積層セラミックコンデンサのような積層セラミック電子部品が得られる。
【0083】
なお、この発明は、積層セラミックコンデンサ以外の、たとえば、多層セラミック基板、積層セラミックインダクタ、積層フィルタといった積層セラミック電子部品にも適用することができる。
【0084】
次に、この発明による効果を確認するため、および前述した蒸発源の温度Tと蒸着量の厚み換算値dとの関係を求めるために実施した実験例について説明する。
【0085】
【実験例1】
実験例1では、金属膜の製造方法についての実施例および比較例をそれぞれ実施し、その評価を行なった。
【0086】
1.試料1〜18(実施例)
(1)支持基体として、シリコーン系離型層を有するポリエチレンテレフタレートからなるフィルムを用意した。また、積層セラミックコンデンサのための内部電極となるべき部分に開口部を設けた、厚み0.1mmのステンレス鋼からなるメタルマスクを用意した。
【0087】
(2)上記支持基体の離型層が形成された面に、上記メタルマスクを密着させ、表1の「蒸発源温度」に示した各温度に設定された蒸発源を適用した真空蒸着装置によって、水晶振動子膜厚計で厚みをモニタしながら、表1の「蒸着量の厚み換算値」に示された各厚みとなるように、表1の「第1の金属層」に示された各金属をメタルマスクの開口部に蒸着して、第1の金属層を形成した。
【0088】
(3)次に、表1の「パラジウム置換」に「あり」と記載された試料については、上記第1の金属層が形成された支持基体を、塩化パラジウム・塩酸水溶液に30秒間浸漬し、置換反応により、第1の金属層の表面にパラジウムを析出させた。
【0089】
(4)次に、支持基体を、ホウ素化合物を還元剤とする無電解ニッケル−ホウ素合金めっき浴に浸漬することによって、第2の金属層を成膜した。この無電解めっきにおいて、浴温を65℃とし、浸漬時間を80秒間から150秒間とした。このように、浸漬時間を変えることによって、金属膜全体の厚みが、概ね0.5μmとなるようにコントロールした。
【0090】
(5)次に、シリコーン系離型層が形成されたポリエチレンテレフタレートからなるキャリアフィルム上に形成されたセラミックグリーンシートへの転写を行なった。用意されたセラミックグリーンシートは、チタン酸バリウム系セラミック粉末を主成分とし、ポリビニルブチラールを主成分とするバインダを含むものであって、バインダ成分の含有量がセラミック粉末100重量部に対して10重量部のシートAと16重量部のシートBとの2種類を用意した。ここで、金属膜に対する密着力は、シートBの方が強い。また、シートAおよびBの各厚みは、約2μmとした。
【0091】
これら2種類のシートAおよびBの各々への金属膜の転写率が、表1に示されている。
【0092】
2.試料19〜26(比較例)
(1)試料1〜18の場合と同様の支持基体およびメタルマスクをそれぞれ用意した。
【0093】
(2)上記支持基体の離型層が形成された面に、上記メタルマスクを密着させ、表1の「蒸発源温度」に示された各温度に設定された蒸発源が適用された真空蒸着装置によって、水晶振動子膜厚計で厚みをモニタしながら、表1の「蒸着量の厚み換算値」に示された各厚みとなるように、表1の「第1の金属層」に示された各金属をメタルマスクの開口部に蒸着して、第1の金属層を形成した。
【0094】
(3)次に、表1の「パラジウム置換」の欄に「あり」と記載された試料については、試料1〜18の場合と同様の方法によって、第1の金属層の表面にパラジウムを析出させた。
【0095】
(4)次に、試料1〜18の場合と同様の方法によって無電解めっきを実施し、第2の金属層を成膜した。
【0096】
(5)次に、試料1〜18の場合と同様の方法によって、2種類のシートAおよびBへの金属膜の転写率を求めた。その結果が表1に示されている。
【0097】
【表1】
【0098】
表1において、試料番号に*を付したものは、比較例である。
【0099】
表1に示すように、試料1〜18によれば、良好な剥離性を有していることがわかる。なお、金属膜との密着力が弱いシートAへの転写率においては、試料1および2が100%ではないが、これは、蒸着時の厚みばらつきによるものである。
【0100】
他方、比較例に係る試料19〜26によれば、剥離性が劣ることがわかる。
【0101】
以上の試料1〜26について、剥離性(シートへの転写率)をパラメータとして、蒸発源の温度Tと蒸着量の厚み換算値dとの関係をプロットしたところ、図4に示すような傾向を示すことがわかった。
【0102】
図4において、剥離性が良好、すなわち転写率が99.9%以上のもの(実施例1〜18)については、「○」をもって表わし、剥離性が不十分、すなわち転写率が99.9%未満のもの(試料19〜26)については、「×」をもって表わしている。
【0103】
図4において、「○」が分布する領域と「×」が分布する領域とを分離するように、カーブフィッティングによって、厚み換算値dの閾値を表わす式を求めると、
d=−2.08×10-7T3 +1.01×10-3T2 −1.68T+959
の式を得ることができる。したがって、良好な剥離性を達成するためには、
d<−2.08×10-7T3 +1.01×10-3T2 −1.68T+959
の式で表わされる条件を満たすようにすればよいことがわかる。
【0104】
【実験例2】
この実験例2では、実験例1における試料7に係る金属膜を内部電極として用いて、積層セラミックコンデンサを製造した。
【0105】
すなわち、実験例1において作製した、シートAに試料7に係る金属膜が転写されることによって得られたセラミックグリーンシートと金属膜とからなる100枚の複合体を、金属膜が内部電極となるように位置合わせして、キャリアフィルムを取り除きながら、積層し、次いで圧着することによって、複数の金属膜と複数のセラミックグリーンシートとを備える生の積層体を得た。
【0106】
次に、生の積層体の積層方向の両端面に、厚み500μmのセラミックグリーンシートからなる外層を積層し、所定の寸法にカットした後、1100℃の温度で焼成し、次いで、端子電極を形成することによって、積層セラミックコンデンサを得た。
【0107】
このようにして得られた1000個の積層セラミックコンデンサは、いずれも、クラックやショート不良がなく、また、容量のばらつきも1%以内と良好であった。
【0108】
【実験例3】
この実験例3では、実験例2とは異なる方法を用いて、実験例1における試料7に係る金属膜を内部電極として用いて、積層セラミックコンデンサを製造した。
【0109】
まず、実験例1における試料7に係る金属膜が形成された支持基体上に、前述のシートAと同一組成のセラミックグリーンシートを、約2μmの厚みをもって、ドクターブレード法によって成形した。
【0110】
次に、金属膜とセラミックグリーンシートとからなる100枚の複合体を、金属膜が内部電極となるように位置合わせし、支持基体を取り除きながら、積層し、次いで圧着することによって複数の金属膜と複数のセラミックグリーンシートとを備える生の積層体を得た。
【0111】
次に、生の積層体の積層方向における両端面に、厚み500μmのセラミックグリーンシートを外層として積層し、所定の寸法にカットした後、1100℃の温度で焼成し、次いで、端子電極を形成することによって、積層セラミックコンデンサを得た。
【0112】
このようにして得られた1000個の積層セラミックコンデンサは、いずれも、クラックやショート不良がなく、また、容量のばらつきも1%以内と良好であった。
【0113】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る金属膜の製造方法によれば、蒸着工程において、表面が有機物から構成される支持基体が受ける熱的ダメージを抑制することができるので、金属膜と支持基体との間での密着力を抑えることができる。その結果、剥離性の良好な金属膜を支持基体上で製造することができる。このような効果は、得ようとする金属膜の全体としての厚みが0.5μm以下の場合に、特に意義がある。
【0114】
したがって、この発明に係る金属膜を用いて積層セラミック電子部品を製造すれば、金属膜のセラミックグリーンシートへの良好な転写を確実に達成することができ、転写に要する時間を短縮することができるとともに、積層セラミック電子部品の製造の歩留まりを向上させることができる。
【0115】
特に、厚みが0.5μm以下の金属膜を用いて、積層セラミックコンデンサを製造することは、従来、金属膜の剥離性が十分でないために困難であったが、この発明を適用することによって可能となり、この実用的効果は大である。
【0116】
また、この発明に係る金属膜の製造方法によれば、成膜速度の低い真空蒸着による第1の金属層にとって必要な厚みは薄くて足りるため、目的とする金属膜の生産性を高めることができる。
【0117】
また、第1の金属層を形成するにあたって、マスクを使用する場合には、上述のように第1の金属層の厚みは薄くて足りるため、マスクに付着する金属量を少なくすることができる。そのため、マスクに蒸着金属が付着することにより生じる、内部応力によるマスクの反りや変形、初期寸法からのずれを低減することができ、マスクの寸法精度を良好に維持することができる。また、マスク上に形成された金属膜の剥落を長期にわたり抑制できる。したがって、マスクの洗浄および交換の頻度を減らすことができ、その結果、マスクの洗浄および交換に要するコスト、それに付随する労務負担および環境負荷を減らすことができる。
【0118】
さらに、この発明に係る金属膜の製造方法によれば、第1の金属層を形成するために必要な金属量はわずかであるため、無電解めっきに対する触媒能は優れるが、高価であるという短所を有している、たとえばパラジウムのような貴金属を第1の金属層の形成のために用いても、コストの上昇をそれほど招くことはない。この効果は、たとえば、第1の金属層として触媒能の低い金属を蒸着した後に、置換めっきによって、第1の金属層の少なくとも表面に触媒能の高いパラジウムなどを析出させる場合においても同様に発揮される。
【0119】
この発明に係る金属膜の製造方法において、蒸着工程における蒸発源の温度Tを1680K以下としたり、より好ましくは、1590K以下としたりすれば、蒸着工程において成膜される第1の金属層の膜厚をコントロールすることが容易となり、そのため、量産工程での管理が容易になる。
【0120】
また、この発明に係る金属膜の製造方法において、蒸着工程によって形成される第1の金属層の蒸着量の厚み換算値を40nm以下とすれば、得ようとする金属膜中において必要とする金属以外の金属が占める割合を減らすことができるとともに、生産性を高めることができ、また、支持基体が受けるダメージを減じることができ、剥離性の向上にも効果的である。さらに、マスクの洗浄および交換の頻度をより減ずることもできる。
【0121】
また、この発明に係る金属膜の製造方法において、蒸着工程を実施している間、支持基体を冷却するようにすれば、支持基体が不所望にも加熱されることを防止でき、金属膜の良好な剥離性を得るためにより有効となる。
【0122】
また、この発明に係る金属膜の製造方法において、無電解めっき工程の前に、第1の金属層の少なくとも表面を無電解めっきの触媒となる物質で置換めっきする、置換めっき工程を実施すれば、第1の金属層を構成するために用いられる金属の選択範囲が広がり、そのため、蒸発源の温度Tをより下げることが可能となり、結果的に、剥離性の良好な金属膜を優れた再現性をもって製造することができるとともに、第1の金属層を形成するための蒸着量を少なくしても、無電解めっきに対する触媒能のより高い物質を第1の金属層の表面に析出させることによって、良好な無電解めっきを実施することが可能になる。
【0123】
また、第1の金属層を形成するにあたって、マスクを使用すれば、たとえばフォトリソグラフィおよびエッチングの工程を実施しなくても、パターニングされた金属膜を得ることができ、パターニングされた金属膜を得るための工程を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る金属膜の製造方法の一実施形態を説明するためのもので、この製造方法に備える典型的な工程を断面図で示している。
【図2】この発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法の第1の実施形態を説明するためのもので、この製造方法に備える典型的な工程を断面図で示している。
【図3】この発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法の第2の実施形態を説明するためのもので、この製造方法に備える典型的な工程を断面図で示している。
【図4】この発明に係る実施例1の蒸着条件と剥離性の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1,12,22 支持基体
2 第1の金属層
3 マスク
4 第2の金属層
11,21 金属膜
13,24 セラミックグリーンシート
14,25 複合体
15,27 生の積層体
Claims (19)
- 表面が有機物から構成される支持基体上に、真空蒸着を適用して、第1の金属層を形成する、蒸着工程と、
前記第1の金属層上に、無電解めっきを適用して、第2の金属層を形成する、無電解めっき工程と
を備え、
前記蒸着工程において、蒸着時の蒸発源の温度T(K)と蒸着量の厚み換算値d(nm)との関係が、
d<−2.08×10-7T3 +1.01×10-3T2 −1.68T+959
の式で表わされる条件を満たすようにすることを特徴とする、金属膜の製造方法。 - 前記支持基体の表面を構成する有機物は、シリコーン、長鎖アルキルポリマー、ポリオレフィン、アルキド樹脂およびフッ素化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種を含む、請求項1に記載の金属膜の製造方法。
- 前記蒸着工程において、前記第1の金属層は、マスクを介して形成されることによってパターニングされる、請求項1または2に記載の金属膜の製造方法。
- 前記蒸発源の温度Tが、1680K以下である、請求項1ないし3のいずれかに記載の金属膜の製造方法。
- 前記第1の金属層は、パラジウム、鉄、金、マンガン、銅、錫、銀、鉛、亜鉛、カドミウム、ガリウム、インジウム、タリウムおよびアルミニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含む、請求項4に記載の金属膜の製造方法。
- 前記蒸発源の温度Tが、1590K以下である、請求項1ないし3のいずれかに記載の金属膜の製造方法。
- 前記第1の金属層は、銅、錫、銀、鉛、亜鉛、カドミウム、ガリウム、インジウム、タリウムおよびアルミニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含む、請求項6に記載の金属膜の製造方法。
- 前記蒸着量の厚み換算値dが、40nm以下である、請求項1ないし7のいずれかに記載の金属膜の製造方法。
- 前記蒸着工程において、前記支持基体が冷却される、請求項1ないし8のいずれかに記載の金属膜の製造方法。
- 前記無電解めっき工程は、銅またはニッケルを主成分として含む無電解めっき浴を用いて実施される、請求項1ないし9のいずれかに記載の金属膜の製造方法。
- 前記無電解めっき工程の前に、前記第1の金属層の少なくとも表面を無電解めっきの触媒となる物質で置換めっきする、置換めっき工程をさらに備える、請求項1ないし10のいずれかに記載の金属膜の製造方法。
- 請求項1ないし11のいずれかに記載の製造方法によって得られた、金属膜。
- 積層セラミック電子部品に備える内部導体膜を形成するために用いられる、請求項12に記載の金属膜。
- 複数の積層されたセラミック層と前記セラミック層の間の特定の界面に沿って延びる内部導体膜とを備え、前記内部導体膜が、請求項13に記載の金属膜によって与えられている、積層セラミック電子部品。
- 当該積層セラミック電子部品が積層セラミックコンデンサである、請求項14に記載の積層セラミック電子部品。
- 請求項1ないし11のいずれかに記載の製造方法によって得られ、かつ前記支持基体上に形成された、金属膜。
- 請求項16に記載の金属膜を覆うように、前記支持基体上でセラミックグリーンシートを成形することによって、前記金属膜と前記セラミックグリーンシートとからなる複合体を作製する工程と、
複数の前記複合体を積層することによって、生の積層体を作製する工程と、
各前記複合体から前記支持基体を剥離する工程と、
前記生の積層体を焼成する工程と
を備える、積層セラミック電子部品の製造方法。 - セラミックグリーンシートを用意する工程と、
請求項16に記載の金属膜を、前記支持基体から前記セラミックグリーンシートへ転写することによって、前記金属膜と前記セラミックグリーンシートとからなる複合体を作製する工程と、
複数の前記複合体を積層することによって、生の積層体を作製する工程と、
前記生の積層体を焼成する工程と
を備える、積層セラミック電子部品の製造方法。 - 請求項17または18に記載の製造方法によって得られた、積層セラミック電子部品。
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