JP2003309037A - 積層型電子部品およびその製法 - Google Patents

積層型電子部品およびその製法

Info

Publication number
JP2003309037A
JP2003309037A JP2002111980A JP2002111980A JP2003309037A JP 2003309037 A JP2003309037 A JP 2003309037A JP 2002111980 A JP2002111980 A JP 2002111980A JP 2002111980 A JP2002111980 A JP 2002111980A JP 2003309037 A JP2003309037 A JP 2003309037A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
internal electrode
electronic component
group
laminated
dielectric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002111980A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3934983B2 (ja
Inventor
Katsuyoshi Yamaguchi
勝義 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2002111980A priority Critical patent/JP3934983B2/ja
Publication of JP2003309037A publication Critical patent/JP2003309037A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3934983B2 publication Critical patent/JP3934983B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】内部電極層の薄層化とともにデラミネーション
等の内部欠陥の無い積層型電子部品を提供する。 【解決手段】誘電体層7と内部電極層5とを交互に積層
してなる積層型電子部品であって、前記内部電極層5
が、電気めっき法により形成され、卑金属材料および周
期表における3b〜6b族元素の群から選ばれる少なく
とも1種の元素を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層型電子部品お
よびその製法に関し、特に、積層セラミックコンデンサ
のように、内部電極層が薄層化された積層型電子部品お
よびその製法に関する。
【0002】
【従来技術】近年、電子機器の小型化、高密度化に伴
い、積層型電子部品、例えば、積層セラミックコンデン
サは、小型、高容量、および高い信頼性が求められてお
り、このため、誘電体層の薄層化と積層数の増加、
内部電極層の薄層化、誘電体層の高誘電率化が図られ
ており、例えば、誘電体層の厚みを5μm以下、誘電体
積層数を100層以上とした高容量の積層型電子部品が
開発されている。
【0003】従来、積層型電子部品の内部電極層は導電
性ペーストを用いてスクリーン印刷法により形成され、
導電性ペーストの成分として金属成分以外にセラミック
粉末からなる共材成分や樹脂成分、および有機溶剤成分
等を含有しており、焼成収縮により内部電極層が網目状
に形成されるため、本来、内部電極層を形成すべき領域
を完全に被覆することが困難となり、このため内部電極
層の有効面積が低下し、静電容量が得られないという問
題があった。
【0004】このような内部電極層の薄層化に対する問
題を解決するため、例えば特開平2000−24365
0号公報に開示された積層型電子部品では、内部電極層
となる金属膜を、スパッタや蒸着のような物理的薄膜形
成法、あるいは無電解めっきのような化学的薄膜形成法
によりフィルム上に形成し、これを誘電体グリーンシー
ト上に転写することによって内部電極パターンを形成し
て積層型電子部品が作製されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平2000−
243650号公報に開示された積層型電子部品では、
内部電極層となる金属膜をスパッタや蒸着のような物理
的薄膜形成法、あるいは無電解めっきのような化学的薄
膜形成法によりフィルム上に形成し、これを誘電体グリ
ーンシート上に転写することによって内部電極パターン
を形成するため、内部電極層の薄層化を容易に行うこと
ができるものの、導電性ペーストによる印刷膜の場合に
比較して、誘電体層の焼結収縮にあわせて熱変形しにく
く、焼成後にデラミネーションやクラックが発生しやす
くなるという問題があった。
【0006】従って、本発明は、内部電極層の薄層化と
ともにデラミネーション等の内部欠陥の無い積層型電子
部品およびその製法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の積層型電子部品
は、誘電体層と内部電極層とを交互に積層してなる積層
型電子部品であって、前記内部電極層が、電気めっき法
により形成され、卑金属材料および周期表における3b
〜6b族元素の群から選ばれる少なくとも1種の元素を
含有することを特徴とする。
【0008】ここで、3b〜6b族元素の群から選ばれ
る少なくとも1種の元素が硫黄であることが望ましく、
さらに、その3b〜6b族元素の群から選ばれる少なく
とも1種の元素の含有量は、内部電極層に対して5〜2
000μg/gの範囲にあることが望ましい。
【0009】本発明の積層型電子部品の製法は、基板プ
レート上に電気めっき法によって卑金属材料および周期
表における3b〜6b族元素の群から選ばれる少なくと
も1種の元素を含有する内部電極パターンを形成する工
程と、該内部電極パターンを誘電体グリーンシート上に
転写する工程と、前記内部電極パターンが形成された誘
電体グリーンシートを複数積層して積層成形体を形成す
る工程と、該積層成形体を格子状に切断して電子部品本
体成形体を形成する工程と、該電子部品本体成形体を焼
成して電子部品本体を形成する工程と、を具備すること
を特徴とするものであり、この場合、めっき浴中の3b
〜6b族元素として硫黄を含むことが望ましく、さらに
は、めっき膜中にめっき浴中の3b〜6b族元素を容易
に含有させるために、電気めっきの電流密度は0.6A
/dm2以下とすることが望ましい。
【0010】まず、本発明の積層型電子部品の製法によ
れば、電気めっき法を用いて内部電極パターンを形成す
ることにより、表面が平滑な金属膜を容易にかつ低コス
トで形成することができる。
【0011】また、めっき浴中には、その金属の溶解度
に応じて種々の金属イオンを均一に溶解させることがで
きることから、上記した3b〜6b族元素も均一に含有
させることができ、このように、電気めっき法により形
成された3b〜6b族元素を含有する金属膜を内部電極
パターンとして用いた場合には、焼成時に、内部電極パ
ターンを構成する卑金属材料の融点が低下し液相が形成
されやすくなるために、内部電極パターンの剛性を低下
させることができる。このため焼成時の内部電極層の誘
電体層表面への形状追従性が高まり、誘電体層と内部電
極層との接着を強化でき、積層型電子部品のデラミネー
ションやクラックを防止できる。
【0012】また、3b〜6b族元素の含有量を内部電
極層に対して5〜2000μg/gの範囲とすることに
より、内部電極層を構成する卑金属材料の融点を制御で
き、焼成時の変形や収縮を抑制できるために、誘電体層
との間の追従性や接着性をさらに高めることができ、デ
ラミネーションやクラックを抑えることができる。
【0013】尚、3b〜6b族元素の含有量を内部電極
層に対して5〜2000μg/gとは、例えば、内部電
極層の主成分であるNi金属1gに対する3b〜6b族
元素の含有量のことである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の積層型電子部品である積
層セラミックコンデンサの一形態について、図1の概略
断面図をもとに詳細に説明する。
【0015】本発明の積層型電子部品は、図1に示すよ
うに、直方体状の電子部品本体1の両端部に外部電極3
が形成されている。
【0016】電子部品本体1は、内部電極層5と誘電体
層7とが交互に積層され構成されている。
【0017】内部電極層5は電子部品本体1の対向する
両端面11において交互に露出され、外部電極3と交互
に電気的に接続されている。
【0018】内部電極層5は、電気めっき法により形成
された卑金属材料からなり、かつ、この卑金属材料の融
点を低下させ、場合によっては液相を形成せしめる助剤
である3b〜6b族元素を含有することが重要である。
【0019】3b族元素としては、元素記号で表すなら
ば、B、Al、Ga、Inが、4b族元素としては、
C、Si、Ge、Sn、Pbが、5b族元素としては、
P、As、Sb、Biが、および6b元素としては、
S、Se、Te等がある。
【0020】また、卑金属材料としては、積層セラミッ
クコンデンサに用いられる種々の誘電体材料と焼結温度
が一致し、高積層化に対してコストメリットを有するN
iやCu等の卑金属が好適に用いられる。
【0021】また、3b〜6b族元素としては、めっき
浴に溶解可能であり、内部電極層となる卑金属材料と化
合した場合に融点を下げることのできるものであればい
ずれの金属成分でも用いることができるが、この場合、
誘電体層7の誘電特性に影響を与えないという理由か
ら、硫黄、ホウ素、リン、炭素、錫および鉛のうちいず
れか1種であることが望ましく、特に、3b〜6b族元
素が添加されても卑金属材料を含むめっき浴のpHや各
イオン濃度の変動を抑えるという理由から硫黄が特に望
ましい。
【0022】そして、電気めっきにより形成された本発
明のめっき膜中に、例えば、硫黄を含有する場合には、
めっき膜の主成分であるNi金属との間で、Ni32
Ni 76、NiS等の金属間化合物が分散して形成され
る。特に、内部電極層5の表面にこの金属間化合物が形
成された場合には、金属に比較して、金属間化合物の方
が誘電体層を形成する磁器と化合しやすく、このことか
らも内部電極層5と誘電体層7との接合性を高めること
ができる。
【0023】また、めっき膜中の3b〜6b族元素の含
有量は、めっき膜の融点の低下および液相の形成を制御
でき、焼成時の変形や収縮を抑制できるという理由か
ら、5〜2000μg/gの範囲であることが望ましい
が、特には、150〜1500μg/gの範囲であるこ
とがより望ましい。
【0024】本発明の内部電極層5の厚みは誘電体層7
上の段差を低減し、積層型電子部品の小型、高積層に寄
与するという理由から1μm以下が望ましく、特に、厚
みばらつきを抑え、有効部分の面積を安定化させるとい
う理由から、内部電極層5の厚みは0.2〜0.8μm
であることが望ましい。
【0025】このように、本発明のめっき膜により形成
される内部電極層5は、厚みが1μm以下と極めて薄い
膜であっても表面に突起や凹凸、穴等が殆ど無く、誘電
体層7の両面に形成される内部電極層5同士の短絡を防
止できるとともに静電容量に寄与する有効面積を高める
ことができる。
【0026】次に、本発明の積層セラミックコンデンサ
からなる積層型電子部品の製法について説明する。
【0027】図2は電気めっき法を用いて基板プレート
上にめっき膜を形成するための工程図である。
【0028】先ず、図2(a)に示すように、基板プレ
ート51にレジストパターン55を形成する。本発明の
積層型電子部品に用いる内部電極パターンを電気めっき
法を用いて作製する場合には、成膜用の基板プレート5
1として、表面を鏡面加工したステンレス板やチタン板
等のうちいずれかが好適に用いられる。この基板プレー
ト51の表面の全面に、まず、感光性レジスト樹脂を塗
布し、内部電極パターンを形成する部分を感光させない
ようにマスクを当て露光、現像を行う。その後、未硬化
のレジストを洗浄除去することにより、内部電極パター
ンが形成される部分のレジストが除かれた電気めっき用
のレジストパターン55が形成される。
【0029】次に、図2(b)に示すように、3b〜6
b族元素、例えば、硫黄を含むイオンとして硫酸イオン
を含有するめっき浴、あるいは硫黄成分を含むNiアノ
ード56を選択して電気めっきを行う。
【0030】その後、アルカリ洗浄によりマスク部分の
レジストパターン55を除去することにより、図2
(c)に示すように、基板プレート51上にNi金属を
主成分とするめっき膜からなる内部電極パターン57が
形成される。この場合、製造工程でのめっき浴中の硫黄
濃度を安定化するという点で、硫黄成分を含むめっき浴
を選択することが望ましい。
【0031】ここで、めっき浴中の硫酸イオン濃度は、
3.5×104〜5.5×104μg/gであることがめ
っき膜中の硫黄濃度を安定にするという点で望ましい。
3b〜6b族元素のうち他の元素についても同じ濃度に
することが望ましい。
【0032】また、めっき浴のpHは、めっき浴を安定
に保ちかつ平滑なめっき膜を形成するという理由から、
4〜5.5であることが望ましい。
【0033】また、電気めっき法を用いてめっきを行う
場合(以後、電気めっきという)に用いるカソードとし
ては、形成するめっき膜(電気めっきにより形成された
めっき膜)の材質によって適宜選択することができ、本
発明の積層セラミックコンデンサの内部電極層5として
好適に用いられるNi、Cu等の卑金属材料を、誘電体
材料の焼結温度に合わせて適宜用いることができる。ま
た、カソードに用いる卑金属材料の純度としては、めっ
き膜中の硫黄濃度の効果を高めるために99.5%以上
であることが望ましい。
【0034】また、本発明の卑金属材料を主成分とし3
b〜6b族元素を含有するめっき膜を形成するための電
気めっきでの電流密度は0.6A/dm2以下であるこ
とが望ましく、特に、膜の平滑性および密度を高めると
ともに3b〜6b族元素濃度を安定化するという理由か
ら電流密度は0.2〜0.5A/dm2の範囲であるこ
とがより望ましい。
【0035】図3は本発明の積層型電子部品を製造する
ための工程図である。
【0036】先ず、図3(a)に示すように、誘電体粉
末を含む厚み1.5〜12μmの誘電体グリーンシート
61を準備し、この誘電体グリーンシート61上に内部
電極パターン57が形成された基板プレート51を熱圧
着転写して誘電体グリーンシート61の主面に内部電極
パターン57を形成する。
【0037】次に、図3(b)に示すように、この内部
電極パターン57が形成された誘電体グリーンシート6
1を複数枚積層し、さらに、この上下面に内部電極パタ
ーン57が形成されていない誘電体グリーンシート61
を重ね、加圧加熱して積層成形体65を作製する。
【0038】次に、図3(c)に示すように、この積層
成形体65を格子状に切断して、電子部品本体成形体6
7を作製し、そして、この電子部品本体成形体67を大
気中で脱バイした後、非酸化性雰囲気中、1200〜1
350℃で焼成して電子部品本体1を得る。
【0039】このときNiめっき膜中に含まれる硫黄成
分がNi金属と化合し液相を形成することにより、Ni
原子の再配列が容易となり、内部電極パターンが誘電体
粉末の焼結にあわせて熱変形しやすくなり、焼成時のデ
ラミネーションやクラックの発生しにくい焼結体を作製
することができる。
【0040】最後に、得られた電子部品本体1の端面に
外部電極ペーストを塗布し、焼き付けて外部電極3を形
成する。尚、外部電極ペーストを電子部品本体成形体6
7の端面に塗布し、同時焼成して外部電極3を形成して
も良い。
【0041】なお、本発明の積層型電子部品の製法によ
れば、硫黄成分以外の3b〜6b族元素についても、硫
黄成分と同様の製法によりめっき膜に含有させることが
でき、内部電極層5中に含有する元素として同様の作用
を発揮させることができる。
【0042】
【実施例】積層型電子部品の一つである積層セラミック
コンデンサを以下のようにして作製した。先ず、BaT
iO3を主成分とする誘電体粉末に有機粘結剤、可塑
剤、分散剤、および溶媒を所定量混合し、振動ミルを用
いて、粉砕、混練し、スラリーを調製した後、ダイコー
ターにより、ポリエステルよりなるキャリアフィルム上
に厚み2.4μmの誘電体グリーンシートを作製した。
【0043】次に、鏡面加工を施したステンレス板製の
基板プレートを用いて、その表面に感光性レジスト樹脂
を塗布してレジストパターンを形成した。
【0044】その後、種々、電流密度やめっき時間を調
整して電気めっきを行い、3b〜6b族元素の含有量の
異なる厚み0.5μmのNiめっき膜をステンレス板製
の基板プレート上に形成した。この場合、例えば、3b
〜6b族元素のうち硫黄成分については化合物として硫
黄を含む硫酸イオンをめっき浴中に約4×104μg/
g溶解させ、Niアノードと組み合わせて電気めっきを
行った。尚、他の3b〜6b族元素についても同様にめ
っき浴中に溶解させて用いた。
【0045】次に、このNiめっき膜からなる内部電極
パターンを誘電体グリーンシート上に載置し、80℃、
80kg/cm2の条件で熱圧着転写して、内部電極パ
ターンが転写された誘電体グリーンシートを作製した。
【0046】次に、この内部電極パターンを転写した誘
電体グリーンシートを200枚積層し、温度100℃、
圧力200kgf/cm2の条件での積層プレスにより
積層成形体を作製した。
【0047】この後、この積層成形体を格子状に切断し
て、電子部品本体成形体を得、次にこの電子部品本体成
形体を非酸化性雰囲気中300℃〜500℃で脱バイし
た後、同雰囲気中1300℃で2時間焼成し電子部品本
体を作製した。
【0048】最後に、このようにして得られた電子部品
本体に対し、内部電極層が露出した各端面にガラス粉末
を含んだCuペーストを塗布した後、窒素雰囲気中で焼
き付けを行い、さらに、この外部電極の表面にNiめっ
き膜およびSnめっき膜を形成して、内部電極層と電気
的に接続された外部電極を有する積層セラミックコンデ
ンサを作製した。
【0049】このようにして得られた積層セラミックコ
ンデンサの外形寸法は、幅1.25mm、長さ2.0m
m、厚さ1.25mmであり、内部電極層間に介在する
誘電体層の厚みは2μmであった。
【0050】焼成後に、得られた積層セラミックコンデ
ンサについて、各100個の初期の静電容量(C)を測
定した。測定は、基準温度25℃で行い、周波数1.0
kHz、入力信号レベル0.5Vrmsの条件で測定し
た。また、各100個の試料について焼成後のデラミネ
ーションおよび耐熱衝撃試験後の発生数を評価した。な
お、耐熱衝撃試験は365℃に加熱したはんだ浴を用い
て、この中に試料を浸漬して行った。内部電極層中の3
b〜6b族元素の含有量はICP発光分光分析法を用い
て求めた。
【0051】比較として、Niめっき膜中に3b〜6b
族元素を一切含んでいない内部電極パターンを形成して
積層セラミックコンデンサを作製し、本発明と同様の評
価を行った。
【0052】
【表1】
【0053】表1の結果から明らかなように、めっき膜
中に3b〜6b族元素のうちいずれか1種を含有する内
部電極パターンを用いて作製した試料No.2〜12で
は、焼成後のデラミネーションの発生率を7/100個
以下、耐熱衝撃試験後の発生率を14/100個以下に
改善できた。
【0054】また、めっき膜中の3b〜6b族元素のう
ち、特に、硫黄を含有した内部電極パターンを用いて形
成した試料No.2〜7では、硫黄含有量を3000μ
g/gと多くした試料No.7において内部電極層の途
切れが発生し静電容量が低くなったが、耐熱衝撃試験後
のデラミネーションやクラックの発生率が9/100個
以下となり、さらに、硫黄含有量を150〜1500μ
g/gとした内部電極パターンを用いた試料No.3〜
5では、耐熱衝撃試験後のデラミネーションやクラック
がさらに少なくなり不良率を3/100個以下にでき
た。
【0055】一方、Niめっき膜中に3b〜6b族元素
を含んでいない内部電極パターンを用いた場合には、焼
成後にデラミネーションが18/100個と多く発生
し、熱衝撃試験ではさらに30/100個まで増加し
た。
【0056】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
内部電極層として硫黄を含有するめっき膜を用いること
により、内部電極パターンを極めて薄く均質にでき、か
つ誘電体層の焼結にあわせて、このめっき膜が熱変形で
きるため誘電体層を薄層高積層化しても、デラミネーシ
ョンやクラックなどの内部構造欠陥を低減することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層型電子部品の概略断面図である。
【図2】電気めっき法を用いて基板プレート上にめっき
膜を形成するための工程図である。
【図3】本発明の積層型電子部品を製造するための工程
図である。
【符号の説明】
1 電子部品本体 3 外部電極 5 内部電極層 7 誘電体層 9 絶縁層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電体層と内部電極層とを交互に積層して
    なる積層型電子部品であって、前記内部電極層が、電気
    めっき法により形成され、卑金属材料および周期表にお
    ける3b〜6b族元素の群から選ばれる少なくとも1種
    の元素を含有することを特徴とする積層型電子部品。
  2. 【請求項2】3b〜6b族元素の群から選ばれる少なく
    とも1種の元素が硫黄であることを特徴とする請求項1
    に記載の積層型電子部品。
  3. 【請求項3】3b〜6b族元素の含有量は、内部電極層
    に対して5〜2000μg/gの範囲にあることを特徴
    とする請求項1または2に記載の積層型電子部品。
  4. 【請求項4】基板プレート上に電気めっき法によって卑
    金属材料および周期表における3b〜6b族元素の群か
    ら選ばれる少なくとも1種の元素を含有する内部電極パ
    ターンを形成する工程と、該内部電極パターンを誘電体
    グリーンシート上に転写する工程と、前記内部電極パタ
    ーンが形成された誘電体グリーンシートを複数積層して
    積層成形体を形成する工程と、該積層成形体を格子状に
    切断して電子部品本体成形体を形成する工程と、該電子
    部品本体成形体を焼成して電子部品本体を形成する工程
    と、を具備することを特徴とする積層型電子部品の製
    法。
  5. 【請求項5】めっき浴中の3b〜6b族元素として硫黄
    を含むことを特徴とする請求項4に記載の積層型電子部
    品の製法。
  6. 【請求項6】電気めっきの電流密度は0.6A/dm2
    以下であることを特徴とする請求項4または5に記載の
    積層型電子部品の製法。
JP2002111980A 2002-04-15 2002-04-15 積層型電子部品およびその製法 Expired - Fee Related JP3934983B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002111980A JP3934983B2 (ja) 2002-04-15 2002-04-15 積層型電子部品およびその製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002111980A JP3934983B2 (ja) 2002-04-15 2002-04-15 積層型電子部品およびその製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003309037A true JP2003309037A (ja) 2003-10-31
JP3934983B2 JP3934983B2 (ja) 2007-06-20

Family

ID=29394619

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002111980A Expired - Fee Related JP3934983B2 (ja) 2002-04-15 2002-04-15 積層型電子部品およびその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3934983B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006332572A (ja) * 2004-06-28 2006-12-07 Kyocera Corp 積層セラミックコンデンサの製法および積層セラミックコンデンサ
US7224570B2 (en) 2004-06-28 2007-05-29 Kyocera Corporation Process for preparing multilayer ceramic capacitor and the multilayer ceramic capacitor
US7338854B2 (en) 2003-12-05 2008-03-04 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Method for manufacturing multilayer ceramic capacitor
US7957119B2 (en) 2005-08-29 2011-06-07 Kyocera Corporation Metal films, methods for production thereof, methods for production of laminated electronic components, and laminated electronic components
JP2020072246A (ja) * 2018-10-29 2020-05-07 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. キャパシタ部品

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7338854B2 (en) 2003-12-05 2008-03-04 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Method for manufacturing multilayer ceramic capacitor
JP2006332572A (ja) * 2004-06-28 2006-12-07 Kyocera Corp 積層セラミックコンデンサの製法および積層セラミックコンデンサ
US7224570B2 (en) 2004-06-28 2007-05-29 Kyocera Corporation Process for preparing multilayer ceramic capacitor and the multilayer ceramic capacitor
JP4686270B2 (ja) * 2004-06-28 2011-05-25 京セラ株式会社 積層セラミックコンデンサ
US7957119B2 (en) 2005-08-29 2011-06-07 Kyocera Corporation Metal films, methods for production thereof, methods for production of laminated electronic components, and laminated electronic components
JP2020072246A (ja) * 2018-10-29 2020-05-07 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. キャパシタ部品
JP7188843B2 (ja) 2018-10-29 2022-12-13 サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド. キャパシタ部品

Also Published As

Publication number Publication date
JP3934983B2 (ja) 2007-06-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7224570B2 (en) Process for preparing multilayer ceramic capacitor and the multilayer ceramic capacitor
US11342122B2 (en) Electronic component assembly and method for manufacturing the same
KR101053079B1 (ko) 적층형 전자부품 및 그 제조방법
US9424989B2 (en) Embedded multilayer ceramic electronic component and printed circuit board having the same
US11152155B2 (en) Capacitor component having secondary phase material contained in external electrode thereof
JP2007036003A (ja) 積層コンデンサ
JP2010118499A (ja) 積層セラミック電子部品
US8947849B2 (en) Multilayer ceramic electronic component and manufacturing method thereof
US7211533B2 (en) Oxide porcelain composition, ceramic multilayer substrate, and ceramic electronic component
JP2015195295A (ja) 積層セラミック電子部品
US20010013388A1 (en) Laminated ceramic electronic part and method for manufacturing thesame
TWI399769B (zh) 金屬膜及其製法和層疊型電子部件的製法及層疊型電子部件
JP2003309037A (ja) 積層型電子部品およびその製法
JP2005072452A (ja) 積層型電子部品およびその製法
JP4213978B2 (ja) 積層型電子部品およびその製法
JP4686270B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
JP4515334B2 (ja) バレルめっき方法、および電子部品の製造方法
JP2002329638A (ja) 積層型電子部品およびその製法
JP2005317776A (ja) セラミック電子部品の製造方法
JP2002260953A (ja) 積層型電子部品
JPH0864029A (ja) 端子電極用ペースト
JP2011134832A (ja) 積層セラミックコンデンサおよびその製法
JP2011029533A (ja) 積層セラミックコンデンサおよびその製法
JP2002198250A (ja) 積層型電子部品
JP2022093251A (ja) 積層型電子部品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041018

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070115

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070309

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070316

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110330

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110330

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120330

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120330

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130330

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130330

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140330

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees